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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

美樹の痴態①

美樹と、またセックスができるとは思っていなかった私は、少年たちに指示されたとおりにコンドームを付けて、美樹の尻を抱えていました。レンにさんざん犯された女の部分がいやらしく開いてまだ蜜を垂らしていました。私が挿入しようとしていることに気づいた美樹は「ポチさん、やめて!だめ、だめ!」と拒みました。鎌田が毎晩のように楽しんだ美樹の体、今さっきまで10歳以上も年下の少年に何度も何度も貫かれていたピンク色の美樹の花園・・・少年たちの唾液と精液の臭いが鼻をつきましたが、美樹の牝の香りも確かに嗅ぐことができました。私は、鎌田から命令されているままに、美樹をさん付けで呼んで、一気に挿入しました。ヌルヌルと美樹は私を包み込んできました。私が突っ込んでいるのか、美樹に呑み込まれているのか、わからない錯覚と快感。「あ、だめ!ひどいわ・・・」美樹の上ずった声を無視して、私は夢中で腰を振って果てました。嫌がりながらも美樹も私の動きに合わせて尻を揺すっていました。今までの美樹とのセックスでも、最高に気持ちが良かったです。

射精して、しぼんでいくペニスを許さないように美樹の締め付けが強く絡んできます。私は思わず「おおお、」と呻いてしまい、美樹は「いや、抜いて、今、抜いて!」と後ろを向きました。再び勃起してきた自分に私は少し感動しながら、またピストンを始めました。美樹との“抜かず”となると何年ぶりのことか・・・。しかし、いきなり美樹の体から離されて私は背中からフロアリングに叩きつけられました。「調子に乗るな、ダメオヤジ!」そんな罵声が聞こえました。我慢できなくなった少年たちが、美樹に群がってました。四つん這いに抑え付けられてた美樹は仰向けにされて、少年たちに体中を舐められ、オマンコには2人の手が伸びていました。

やはり、コンドームを付けた少年たちが四つん這いにした美樹に順番に乗りかかりました。美樹はもう堪えきれず、鎌田に抱かれるときのように言葉は発しませんでしたが、ヨガリ声を上げて、尻を振っていました。レンは犯されている美樹の顔を見ながら「やっぱり、若い男の方が気持ちいいだろ?ほら、ちゃんと気持ちいいって言ってみな」と、半立ちのペニスを擦っていました。完全に勃起したペニスにコンドームを付けたレンは、美樹に突っ込んでいた少年を離して、美樹を仰向けにすると上から重なっていきました。また、キスするのか?と思いましたが美樹の頬を舐めながら、少年のチンポが抜けたオマンコに指を出し入れさせました。美樹は「やめて!いや!」とレンの唇から逃れようと顔を振り、体をクネクネさせていましたが、体は明らかにレンの指に感じてしまっている動きで、声も「ハアハア」と淫靡なトーンになりました。

周りを囲んだ少年たちはオナニーに夢中で射精はレンの背中に汚らしくかかることもありました。レンの指が浅いまま、ヒダをなぞるように焦らすことを続けられると、美樹は自分からレンの指を求めて腰をせり出し「ああ、いや、いや」と消え入るような声でレンの背中に手を回していったのでした。「今度は噛むなよ?わかったな?」と聞かれるたびに、拒絶していた美樹でしたがついに、小さく頷くと、レンは待ってましたとばかりに美樹の口に吸い付き、そのまま指を抜いて一気に美樹を貫きました。口を塞がれながらも、くぐもった声でヨガる美樹に、私もオナニーを始めてしまいました。レンの携帯が鳴るまで、美樹は嬲られました。

休日の日も日が暮れ始めていました。携帯はレンたちに指示を出してた人間からでしょうか。彼らはソワソワしだし、彼らが引き上げると思いホッとするとともに、鎌田は搬入からどうしたのか?心配になりました。レンはシャワーを浴びようとした少年に、他の研修生の部屋の風呂を使うように言いました。美樹を手離すのが惜しいようで、その部屋の風呂に美樹も連れ込みました。
  1. 2014/09/27(土) 01:24:31|
  2. 美樹がやられた・無能な夫
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美樹の痴態②

明けましておめでとうございます。

 美樹との暮らしでは、いつも元旦から悩ましいものでした。美樹の会社時代はもちろん、
 大学、高校、中学時代まで遡って、男たちの年賀状がどっと届くのです。美樹も「山崎君って
 憶えてないなあ?」とかいう男が沢山・・・。私は会社関係を除くと年賀状なんてせいぜい20枚
 位なので、しかも脱サラしてからは、私個人宛ではほとんど来ないので、美樹に対する嫉妬と
 美樹に年賀状を出す男たちへの厚かましさへの軽い怒りと、複雑な感情を覚えたものです。
  1. 2014/09/27(土) 01:26:13|
  2. 美樹がやられた・無能な夫
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愛妻を・・・・ 第1回

今、私と妻はファミリーレストランで向え合わせに座っています。日曜日の朝7時、他のお客さんは、初老の男性が一人だけです。二人には笑顔がありません、それどころか少し青白い顔の妻、テーブルの上には2枚の紙、1枚は、緑の縁取りの離婚届、もう、1枚は・・・・・・。
先ずは、私達夫婦の事を紹介します。
私は、身長176㌢・体重68㌔ 年齢36才 一部上場会社の課長です。
妻は、和美 身長161㌢・体重51㌔ 年齢32才、B86・W60・H88
自分で言うのもなんですが、今井美紀似の美人です。10年前に社内で知合い、結婚しました。同僚たちからは、美男美女でお似合いだとよく言われました。
妻は結婚を機に寿退社。
頭金を貯めて4年後に、私達は郊外に一戸建ての住宅を購入しました。
早く、子供が欲しかったのですが、あいにく、子宝には恵まれなかったのです。
妻も子供ができない寂しさと、住宅ローンの早期返済のために、
地元の企業にパートタイムで働くようになりました。
その会社で働くことが、間違えでした。私と和美の人生が狂いだしました。
話は、2年前に遡ります。
突然、妻からの申し出がありました。
妻 「あなた、私、パートから正社員にと人事課から言われたの?どうしようかな?」
私 「子供は、どうするんだ?俺は諦めてないよ」
妻 「だって、あなたは最近、仕事の虫よ・・・ 休日出勤も当り前だし、それにパートよりも待遇がとても良いのよ、正社員になったらボーナスも出るから、20年の住宅ローンも10年で終わるのよ」
当時 私も、課長昇進が懸かっていたので、仕事の事しか頭にありませんでした。
私 「仕方ないな、でも、子供が出来たら、辞めてくれよ。その条件なら認めるよ」
妻 「嬉しいは、これでパートを馬鹿にしたOL達を見返してやれるは」

妻の事務処理能力はずば抜けていたようです。すぐに事務方のリーダー的存在に。
  1. 2014/10/28(火) 15:51:59|
  2. 愛妻を・・・・川島クロード
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愛妻を・・・・ 第2回

それから、1年たった、ある日の休日、私達が朝食を食べていると妻の会社の車が、
自宅前に停車しました。
降りて来たのは、初老の男です。
妻 「あっ、人事課長だ?何で来たのかな?」
私 「あれが人事課長か?さえないオヤジだな」
妻 「しっ、聞こえるわよ」
妻が玄関を開けて、人事課長を迎え入れます。
私は、部屋着のまま応接間で人事課長に初めて会います。

課長 「突然おじゃまして、失礼します。」深々と頭を下げて菓子折りをだします。
私  「前もって連絡をして欲しかったですよ(苦笑い)、でご用件は?」
課長は名刺を出して、挨拶します。そこには、△△工業 人事課長 山本と・・・。
何と、人事課長の字が、名前より大きくて、私は失笑を堪えるのに大変でした。
私も 礼儀として名刺を出します。
課長は名刺を見て、
課長 「流石に一流企業ですね、名刺がハイカラですね、で、このプロジェクトリーダーって、係長のことですか?」
まあ、こういう輩は、人間の判断基準を肩書きで決めるタイプだろう。
私  「昔でいえば、課長ですね、で、ご用件は?」
妻が、お茶とコーヒーを持ってきます。
妻が来るのを待っていたかのように。
課長 「実は、今度、今の社長秘書が寿退社することになって、社長からたっての希望で、奥さんを社長秘書になってもらいたく、参上しました。」
妻  「えー、まったくの初耳です。私には、荷が重すぎます。辞退させてください。」
課長 「そう言うと思って、ご主人と一緒の時におじゃましました。ご主人、奥さんの和美さんは、本当に素晴らしい社員です。仕事は完璧、同僚や後輩の人望は厚く、上司からの信頼は抜群です。ぜひ、ご主人からもお願いしてください」
歯の浮くような、お世辞です。
私  「妻が嫌がることを、私からは言えませんよ、それに、子供が出来たら会社辞める約束ですから」
課長 「奥さんは、嫌がっていませんよ、ただ、謙遜しているだけです。仕事の量も、今の半分以下ですし、給料は倍です。もちろん、奥様が御懐妊しましたら次の人に仕事を引き継ぎ次第、お辞めになっても良いです。退職金も役員待遇で支給します。」
と、言って書類をテーブルの上に出します。
妻  「急なことですから、即答はできません。私は、今の仕事に満足しています。」
妻は少し困惑気味です。仕方がないので私から助け船を出します。
私  「夫婦間で2・3日、相談させてください。」
課長は、こんなにも好条件なのに、なんでだって顔をしています。
課長 「分りました、では、3日後に、直接私に連絡してください。良い返事を待っています。」と言って帰って行きました。

それからの、2日間は妻との話し合いです。妻の本音は、少しはやってみたいって感じです。私も待遇面では文句はないのですが・・・・。妻の貞操が心配でした。
私 「大丈夫か、社長にセクハラされたら困るのは、和美だぞ」
妻 「心配はないって、社長は65才で凄い恐妻家なのよ、そんなことがあったら、追い出されるわよ、それに、いままでそんな噂はないしね、タイプだって私の嫌いなベスト3のうち、2つも該当しているから(笑)」
私 「で、秘書課の課長は?まさか、人事課長の山本が兼務しているとか?」
妻 「秘書課長は、社長秘書が兼務しているの、課員は全員女性よ(笑)」
私 「じゃ、和美が課長になるのか、俺よりも出世が早いな、それにしても、課員が全員女性とは、まるで大奥か北朝鮮の喜び組みたいだな」
私は、不謹慎にも妻が社長に弄ばれていることを、想像して興奮しました。
妻 「下らないことを言わないの、それは偏見よ、みんな一生懸命に仕事をしているのよ」
その晩、久しぶりに妻との営みをしました。場所は、寝室ではなく、書斎にしました。
妻に会社の制服を着てもらい、妻を責めます。妻は、嫌がりましたが最初で最後だからと
頼んで、妻も渋々応じます。私は上司口調で、
「和美君、ちょっとこちらに来てくれ」
妻 「もー、馬鹿みたいよ、やめてよ」
私 「頼むよ、最初で最後だからさ、な、頼むよ」
妻 「もー、本当に最初で最後だからね、一回きりだけよ」
妻 「はい、なんでしょうか?」妻も秘書口調で応じます。
私は本棚の最上部にエロ本をセットしてあります。
私 「和美君、わるいが、あの本を取ってくれるかな」
妻 「あのー、高すぎてとれませんが・・・・。」
私 「じゃ、机に上がってかまわないから、取ってくれ」
妻 「では、失礼します。」と言って、机に上がります。目の前に妻のすらりとした、足が・・・。
妻の制服は、ミニスカートではないですが、膝頭が出るくらいの長さです。
少し覗き込むと、ピンクのパンティーがみえます。
妻は、裾を直して、「止めてください、セクハラですよ」と毅然とした態度です。
私 「すまない、すまない、あまりにも和美君の足が綺麗だから、つい失礼した、それにしても、本当に綺麗な足だね、少し触ってもいいだろ」
妻 「困ります、私には夫がいます。止めてください」妻も演技をしてくれます。
私 「いいじゃないか」と言って足を触ります。
妻 「本当なら、平手打ちで終わりよ、でも、あなただから・・・分かってね」
私 「分っているよ、和美、愛している」
私の愛撫は、徐々にスカートの中に・・・・。私も演技を続けて、
私 「和美君、その本を読んでくれよ」
その本は、素人の投稿記事が中心の写真と記事の本です。内容は、社長秘書が社長に、
弄ばれて感じてしまう内容です。妻は、足を愛撫されながら本に目を通します。
ぱらぱらと捲っていましたが、ある記事で止まります。
私 「気に入った記事が有ったのか?」
妻 「この本は、本当のことなの?内容が凄いよ、きっとフィクションだよね」
私 「いや、事実のようだよ、で、何処を読んでいるの?」
妻 「う、うん、仕事中に社長室での情事ですって」
私は、まだ、妻の腿までしか触らずに、「で、内容は?」と尋ねます。
妻 「それが、凄いのよ・・・・秘書さんは昼間から全裸になって社長の机の下で過ごすの・・・」
私 「それから」
妻は、感じ始めています。「ううーん」と、鼻から甘い吐息が零れます。
妻 「あーん、その秘書は、あそことお尻の穴にリモコンバイブを挿入されて、社長のおちんちんをしゃぶるの・・・ほ、本当の事なの?凄いは・・・」
妻は、この記事に異常に興奮しています。妻のスカートを覗くと、ピンクの可愛い
パンティーのクロッチ部分が微かに染みてきています。まだ、オマンコを愛撫して
いないのに・・・。
私 「それで、終わりか?」
妻 「それが、まだなのよ・・・・ああーん」
私 「最後は、どうなるか教えてくれよ」
妻 「い、嫌よ、この先はもっとHなの・・・とても、言えないは」
私 「そうか、和美のあそこは、愛撫してもらいたくて、潤んでいるぞ、最後まで言えばオマンコを愛撫してやるから言えよ」
妻 「い、意地悪しないで、最後まで言うから、和美のあそこを弄ってよ」
パンティーの上から、クリトリスを軽く突きながら「分かったから、早く言えよ」と催促します。
妻は淫美に腰を振りながら話し始めます。
妻 「その秘書さんは、気をやりたくて一生懸命に社長のおちんちんをしゃぶるの、でも、逝く寸前で、社長は意地悪くバイブをオフにするの・・・。あーん、酷い社長」
妻は、もっと触ってと言わんばかりに腰を前後に激しく振ります。
妻 「そして、やっと精子を飲ませて貰うのよ・・・ああーん、汚いよー・・・・でね、その秘書さんが言うには、その精子は最高に美味しいだって・・・。いいやーん、嘘よ、そんなの嘘よ・・・」
妻のパンティーは、すでにビショビショに濡れています。制服が汚れると困るので、
スカートを脱がしてから、優しくパンティーを下げます。なんと、クロッチの部分には
大量の愛液が付着しています。更にパンティーを下げると愛液が糸を引きます。
こんなに、卑猥な妻を見るのは初めてです。
私 「変態秘書の記事を読んで興奮したのか?和美のマンコは凄くなっているぞ」と
意地悪く尋ねます。
妻 「いやーん、恥ずかしいよー、み、見ないで、変なの?和美のあそこが変なのよー」
私 「変態秘書は、やっと逝かされて良かったな」
妻は更に腰を振りながら「まだなの、秘書さんはまだ、逝かして貰えないのよ・・・
あ、ああ、あーん・・・酷いよ、この社長は変態よ、精子を出して萎びた、おちんちんから今度はおしっこをだすのよ、可哀そうにその秘書さんは、おしっこを飲まないと、逝かせて貰えないのよ・・・・ひ、酷いは酷過ぎるは・・・許せないよ・・・・変態社長はおしっこを出しながら、バイブを最強の状態にして逝かすの、秘書さんは社長のおしっこを飲み終わると同時に白目を剥いて痙攣しながら逝きまくるんだって、凄いよ、凄すぎるよ あああーん、お願いあなた、和美も逝きたいよー」
妻はもう、立っていられなくなるぐらいに感じています。私のペニスも痛いぐらいに勃起しています。妻を机の上から下して、バックから生のまま挿入します。愛撫の必要はありません。最初の挿入で妻はお尻を痙攣させながら逝きました。そして、私も直ぐに中出しをしてしまいました。

まさか、このセックスが妻との最後のセックスになるとは、夢にも思いませんでした。
  1. 2014/10/28(火) 15:53:26|
  2. 愛妻を・・・・川島クロード
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愛妻を・・・・ 第3回

妻は、翌日から秘書課で働くようになりました。活き活きとした妻を見るのは嬉しいものです。
私もプロジェクトが大詰め向かえて多忙になり夫婦のすれ違いも多くなりましたが、二人でいる時は仲の良い夫婦です。
私を一番喜ばせたことは、お小遣いの大幅アップです。なんと、月5万円から10万円に倍増です。チームのみんなに、奢る機会も増え結束力も大幅にアップしました。
それから、2ヶ月を過ぎた時のことです。
私 「お互いに仕事が落ち着いてきたから、また、書斎でセックスをしよう」と誘いました。
妻 「もう、駄目よ、最初で最後って約束でしょ、それに、私は本当の秘書になったのだから嫌よ」
私 「分ったよ、じゃ、普通のセックスでいいよ」と言って妻を優しく抱きしめます。
妻 「あなた、御免なさい、今の仕事を辞めたくないのよ、お願い少しの間、我慢してね」
私 「じゃ、逝く時は外にだすよ、それとも、ゴムをつけようか?」
妻 「本当に、御免なさい、今は仕事が一番なの・・・・お小遣いもアップしたのだから、外で処理しても、いいのよ」
妻からの言葉に、少し驚きましたが、もともと、セックスの多い夫婦ではないのであまり気にしませんでした。

それから、数ヶ月が過ぎ、とうとう、運命の日が来てしまいました。

私が鈍感なのか、妻には全く変わった様子がないのです。

私が出社すると、部下から「川島リーダー、奥さんの書類の締め切りが今日なんですよ。有りますよね」
私  「あっ、しまった、家内に今日が締切だと言ってなかったよ、明日じゃダメかな」
部下 「うーん、困りました、本日の15:00までに、税務署に提出する書類なんですよ」
私  「分かったよ、今から妻に電話をして、書類の準備をしてもらうよ。一時間後に会社を出れば昼までに帰ってこれるよ。」
私は、早々に妻の会社に電話をかけます。
私 「もしもし、私は川島と申しますが、秘書課の川島和美をお願いします。」
しばらくして、妻が電話口にでます。「はい、秘書課の川島です。」
私  「おー、和美か?俺だよ」
妻  「あら、あなた、どうしたの?会社に電話したのは初めてね」
私  「例の書類、提出が今日までなんだよ、直ぐに準備できるかな?」
妻  「あの書類なら、5分で準備OKよ。でも、専用用紙だからFAXじゃダメね、バイク便で届けましょうか?」
私  「昔、バイク便で痛い思いをしてるから(バイクの事故で書類の紛失)2時間以内に取りに行くよ、君の上司に挨拶もしなければならないしね。」
妻は少し困った声で「私は、30分後に外出するので、受付の女の子から受け取ってね」
私  「ああ、分かったよ、じゃ、よろしく頼むよ」と言って電話を切ります。
内容を聞いていた、部下が、「私が提出のついでに、取りに行きましょうか?」と、気を使ってくれた。甘えようかと思う気持ちもあったが、自分の私用に部下を使うわけにはいかず、「ありがたいが、自分のミスだから自分で処理するよ」と言って断ってしまった。

全てが悪い方に流れていることも知らずに。

私は、午前中の仕事を1時間で終えて、妻の会社に向かいました。


「川島秘書課長のご主人さまですか?」と聞かれ、「そうですと」答えると、
女の子は、「川島秘書課長はとても素敵な方で尊敬してます」とお世辞を言われた。
直ぐに会社に戻ろうとしたが、急にトイレに行きたくなり、受付の子に聞いたら、
受付の子は優しく、「階段の左手に、お客様用のトイレがあります」と案内してくれた。
私は、トイレに入ったが、個室は2つで一つが故障中、もう一つが使用中、仕方なしに別のトイレを探すことに、まあ、ビルのトイレ何って大体、違う階の同じ場所にあるのが相場だ。
私は、階段で2階に上がりました。ビンゴです。ただ、そこのトイレは従業員専用の札が・・・。
周りにひと気がないことと、背に腹は代えられない状態でしたので、使わして貰うことに。
用を達して出ようとした時に人の声が、従業員専用を無断で使用した手前バツが悪く、そのまま隠れてやり過ごそうと判断しました。
男達は、トイレに入ってきました。二人のようです。そして、聞き覚えのある声、たしか、山本と言う課長です。
山本は部下と連ションをしながら、
山本 「なー、杉山君、君だけに話すが、新しい社長秘書の和美と言う女は、たいした珠だよ。君と私だけしか知らないが、社長は前の秘書を落とすのに1年かけたよな」
部下 「そうですね、あの時は、私も特別ボーナスを頂いてお手伝いしましたよ。あの女、意外と変態だったのでビックリしましたよ。」
山本 「ところがだ、今度の和美と言う秘書は、たったの1ヶ月で落ちたようだ、社長が自慢してたよ」
部下 「本当ですか?信じられないなー、あんなに綺麗で仕事の出来る人がまさか?たったの、1ヶ月で変態社長の手管に下るなんて・・・前の秘書よりも超変態なんですね。」
山本 「女は分らないよなー、まさに魔物だよ。今頃は、社長室で全裸になって萎びたチンポをしゃぶってるよ」
部下 「じゃ、もう、5ヶ月も、何食わぬ顔をして変態社長の調教を受けているのですね、本当に魔物ですね。」
私はトイレの中で、鈍器で頭をなぐられたような衝撃を受けました。
嘘だ、絶対に嘘だ、あいつらが居なくなったら、社長室に行って確かめなければ、妻は外出中のはずだ。
あいつらが、用を達して出で行くと。
私は、そーっとトイレから出て、館内見取り図のところに行きました。社長室を探したら直ぐに分りました、この規模の会社では大きすぎる社長室、そして、その前に同じ広さの秘書課、秘書室を通らないと社長室には行けません。
私は、強行突破することにしました。私は既に冷静さを失っていました。

秘書課の前に立ち、冷静さを装い、軽くノックします。
中から女性の声が「はい、どうぞ」
私は中に入って、あたりを見回します。妻がいないので、
「すいません、秘書課長の川島様と約束をしましたが、居ませんか?」と嘘をつきます。
女性課員は、訝しげに私を見て、「失礼ですが時間を、お間違えになられたのでは?」
私 「いえ、この時間にまちがえないですが」と言います。
私は、外室中ですのでお待ちくださいと言う、返答を聞きたかたのですが、違いました。
課員「変ですね、課長は毎日、午前中は必ず社長と綿密な打つ合わせをしますから、午前中のアポは取らない筈です。」
私 「じゃあ、社長室にいるのですね?和美の夫です、中に入らせてもらいます。」
課員は慌てて止めに入ります「社長からの厳命ですので、こちらでお待ちください」
私は課員を突き飛ばし、社長室のドアを開けます。鍵の掛かってない重いドアは、静かに開きます。
10m先に、バカでかい机があります。ハゲ社長は恍惚の表情で椅子に座ってます。
そして、私を見るなり、赤い顔になり
「誰だ、お前は、急に入って来て、失礼じゃないか出て行け」と怒鳴ります。
私 「私は、川島和美の夫だ、妻に会わせろ」と怒鳴り返します。
その時です、社長のバカでかい机の下から、ドッスと言う鈍い音がしました。
私の脳裏に、和美と最後にしたセックスの事がよぎります。まっまさか、和美は机に下に・・・・。
社長は、蒼くなりましたが、冷静さを装い、止めに入った秘書に、「山本を呼べ、お前達は出て行いけ」命令します。
更に社長は、私にソファーに座るよう指示します。
私は、無視して社長の横に回り、社長の座っている椅子を、おもいっきり蹴飛ばします。
半立ちの萎びたチンポをだして、椅子と共に転がる社長。
私は、鬼のような形相で机の下を覗き込みます。

やはり、そこに妻がいました。本で読んだ変態秘書そのものです。

私の全てが崩れた瞬間です。
  1. 2014/10/28(火) 15:55:13|
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愛妻を・・・・ 第4回

ノロノロと立ち上がる、変態社長を殴ります。そして、もう一度殴ろうとした時に、山本が慌てて飛び込んできます。
山本 「ご主人さん、落ち着いて下さい、話せば分かることですから」
私 「ふざけるな、よくも私の愛妻に酷い事をしたな、絶対に許さないぞ、抹殺してやる」

山本 「まあまあ、このお遊びは、奥様が望まれたことですよ、私達に非はありませんから」と嘯く。

私 「よくも、ぬけぬけと吠ざいたな、法的手段に訴えて方を付けてやるぞ」

山本は、「どうぞ、お好きなようにして下さい」と、至って冷静です。

私は、妻を机の下から、引きずり出します。

妻は全裸に赤い縄で亀甲状に縛られています。オマンコと尻の穴には、太いバイブが突き刺さったままです。

私 「早く、その汚らわしい物を抜け」と言いますが、妻の動作は緩慢です。

私は、頭に血が上り、縄をずらして、無理やりにバイブを引き抜きます。

妻 「あー、ひーい、痛いー」と悲鳴をあげます。

妻の股間には、ぽっかりと2つの穴が開いたままです。私は縄を解こうとしましたが、解けません、仕方なく上着を脱いで妻にかけて部屋を出ます。

タクシーに乗って帰宅する車中で、涙が溢れるのを堪えきれませんでした。

妻は、ただ謝るだけです。

自宅に着き、まず、会社に連絡します。部長に連絡したいのですが捕まりません、仕方ないので、部下に2・3日休む旨を伝えます。

それから、妻に今までの経緯を問いただしますが、妻は謝るだけで何も話しません。

殴っても、妻は謝るだけで経緯を話しません。

このままでは、妻を殺してしまうかも・・・ 恐怖感で妻を田舎の実家に帰します。

妻の実家から、直ぐに電話がありました。

義母 「どうしたの、和美 元気が全然ないのよ?」

私  「妻の会社で嫌な事があり、精神的に参ってしまったようです。安静にしてあげて下さい」と言うのが、精一杯でした。

翌日、私は 大学時代の親友に相談します。

親友の名は、長井と言います。若手の弁護士では腕が良いと評判の男です。

新橋の駅で待ち合わせて、個室のある居酒屋に行きます。

長井は、屈託のない笑顔で「どうした、元気がないぞ、俺の相談料は30分5千円だけど、飲み代で、チャラにしてやるから、なんでも相談しろよな」と言います。

私は、苦笑いをするのが精一杯でした。

私は恥を忍んで、今までの事を、全て話しました。

長井の顔も、みるみる変わります。

長井 「酷い奴らだな、許せないよ、経済的と社会的に抹殺しようぜ、ところで、和ちゃんは、刑事訴訟で戦える気力はあるのかな?」

私  「妻は実家に帰っている、精神的に不安定だよ」

長井 「そうなのか、じゃあ、まずは経済的にダメージを与えてやろう。奴らの資産を調査して、取れるだけ取ってやるよ」

私  「頼むよ、俺にはお前だけだから」

長井 「大丈夫だ、絶対に勝てるよ、俺に任せとけ、お前は、委任状を今書いて、仕事に専念しろよ、絶対に相手と会うなよ」とくぎを刺します。

私は、仕事に没頭して、長井からの連絡を待っていました。

一週間経っても、長井から連絡が来ません、私は心配になって長井に連絡を取ります。

私 「もしもし、長井か?俺だよ、川島だよ、その後の経緯を連絡してくれても良いだろ。」
何故か長井の言葉は歯切れが悪い・・・。
長井 「すまないな、俺も連絡しようと思ったところだよ」

私  「良い知らせか?悪い知らせか?」

長井 「悪い知らせと、少し良い知らせだ・・・今夜、会えるか?この前の居酒屋に19:00に来てくれ」

私は19:00ジャストに居酒屋に入った、長井はすでに居酒屋に来ていた。

私  「長井、どういうことだ・・・絶対に勝てると言ったじゃないか、親友でも許さないぞ」

長井 「まず、悪い知らせだが、裁判になったら99%負けるよ」

私  「何故だ、お前は勝てると言ったじゃないか」

長井 「お前と、相手方の意見が、またっく、逆なんだよ、しかも、相手方には、絶対的な証拠があるからさ」

私  「どんな証拠だ?」

長井は、かばんを開けてDVDのディスクを5枚出した。そのディスクには丁寧に日付まで書いてある。今から1・2ヶ月前の日付だ。

私  「ま、まさか それは?」

長井 「そうだ、社長室の防犯カメラの映像だ、ここに、全てが記録されている」

私  「お前、見たのか?」

長井 「ああ、相手方の弁護士に渡されて、目を通したよ・・・・・とても、信じられない内容だった、まさか、あの美人で賢い和ちゃんが、ここまで堕ちているとは・・・・」

私  「それは、奴らが5ヶ月も、妻を調教した証拠だろ・・・もし、裁判で勝てないなら、俺は実力で奴らを殺すしかないぞ」

長井 「落ちつけよ、自暴自棄になったらだめだ。それから、少し良い話だが・・・本来なら泣き寝入りしかないが、なんとか奴らから5千万円を取ったよ」

私  「たったの5千万円か・・・、それは俺に対しての慰藉料か、それとも妻の慰藉料か?」

長井 「慰謝料じゃないよ、その金は 和ちゃんの退職金だ・・・。まだ、離婚はしてないよな?半分はお前のものだ。これで、和解するのが最良だと思うよ。そして、勝手で悪いが、和ちゃん名義の口座を作って振り込ましてある」
と言って、長井は通帳・印鑑・カードを私に・・・・。

私  「金なんか、どうでも良いんだ、俺は仕返しをしたいんだよ・・・何とかならないのかよ?」

長井 「無理だよ、諦めてくれおれも最善を尽くしたんだから、長期休暇を取って海外にでも行ったらどうだ、全てを悪夢と思って忘れるしかないよ」

私  「無理だよ・・・・」私は、涙を堪えるのに必死でした。

私  「やっぱ、自爆テロしかないのか・・・・」

長井 「冷静なれよ、俺はお前の弁護はしないぞ。本来なら守秘義務でDVDを渡せないが、俺は酔ってるから忘れそうだよ・・・それを見れば、諦めがつくと思うよ。」

長井は、ワザとDVD5枚を忘れて帰って行った。私はDVD5枚を持って店を出ました。

そして、帰宅してDVDを見ます。日付をカレンダーで調べます。曜日は全て金曜日でした。私は古い順にDVDを再生するのでした。
  1. 2014/10/28(火) 15:56:42|
  2. 愛妻を・・・・川島クロード
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愛妻を・・・・ 第5回

○月△日 録画時間 2時間30分 8:30~11:00

DVDは、社長室での朝礼から始まりました。

妻が号令をしての挨拶、それから変態社長の訓示、そこには、秘書課の女性だけです。

朝礼が終わり、変態社長以外の全員が退室します。

2分後に妻だけが社長室に入ってきます。

妻 「失礼します。」と妻が入室して、後ろ手に鍵をロックします。ロックと共に妻の表情が変化します。スケベな顔です。
そして、書類と雑誌を持って社長の隣にいきます。

妻は甘えた声で「社長様、今日は、金曜日で御座います。ドMで淫乱な社長秘書の和美に調教をお願いします。」
私は、自分の耳を疑います。いくら調教されたと言え、これでは、妻の方が積極的ではないか。

社長 「本当に淫乱な秘書で、ワシも大変だよ、まずは、特製のお茶を頼むよ」

妻 「はい、かしこまりました」と言って、机の上に登ります。妻の足元には大きな湯呑が・・・妻がスカートをゆっくりと捲り上げます。
妻はノーパンです。なんと、妻のあそこには毛が無いのです。そして、妻は湯呑の上にしゃがみます。変態社長は、妻のオマンコを凝視しています。
妻も視姦されて、感じているようです。左手でスカートを持ち、右手で服の上からオッパイを揉み始めます。

社長 「オシッコを零すなよ、それと、淫汁を入れるなよ、味が悪くなる」

妻  「はい、かしこまりました。で、でも こんな近くでツルツルのオマンコを見られて・・・感じてしまいます・・・うーん」

ジョボジョボと音がします。妻が人前で排尿をしています。信じられない光景です。

社長  「おい、淫汁が入っているぞ、しょうがない変態女だな、何か言いてみろ」

妻  「はい、和美は放尿をみられて、感じてよがる変態女です。で、でもこんな変態女にしたのは、社長です。」

社長 「何を言うんだ、秘書になって一ヶ月もたたないうちに、社長室でエロ本見ながら、オナニーをしていたくせに・・・このオナニー狂いが、一日に何回オナニーをするか言ってみろ」

妻  「和美は、一日三回オナニーをしないと満足できない、変態女です。」

和美は、排尿が終わり尻を振って滴を切ります。そして、机から降りて、おしっこの入った湯呑を変態社長に差し出します。

社長 「おい、淫汁がいっぱい入っているぞ、味見をしてみろ」と言って、湯呑を和美に渡します。

おい、止せよ、私はPCに向かって叫んでいました。しかし、和美は変態社長から湯呑を受取り、躊躇わずに飲み始めます。

社長 「どんな味か言ってみろ」

妻  「はい、おしっこの味と少しオマンコの味もします。すいません」と言って変態社長に湯呑を返します。

社長 「仕方がないが、飲んでやるか」と、嬉しそうな顔で妻のおしっこを、飲み始めます。
変態社長が、妻を手招きします。妻もこれからの事が分かっているようで、変態社長に、もたれかかります。変態社長の頬は、妻のおしっこで膨れています。
そして、変態社長が妻にキスを・・・・、口移しで自分のおしっこ飲む妻・・・・・。

このシーンが一番ショックで、私の心は、ひどく傷つきました。

飲尿プレーが終わり、変態社長がエロ本を取り出します。なんと、そのエロ本は、書斎で妻とHをした時の本です。

変態社長がパラパラと捲り、目を閉じた妻が指を差し入れます。

社長 「残念だったな、はずれだよ」と笑いながら妻にエロ本を渡します。

妻は、エロ本を見て「嫌ーん、これじゃあ 逝けないよー、他のページにして、お願いよ」と甘えます。

社長 「ダメだ、これは決りだからな、早く読め」

妻は諦めた表情で読み始めます。「私は、アナルでしか逝くことの出来ない、変態社長秘書です。」

社長 「さあ、机に上がれ」と命令します、妻は素直に机の上に上がり、尻を変態社長に突き出します。変態社長は、引出しから浣腸器とグリセリン液の瓶をだします。

変態社長は、グリセリンの原液を200ccほど、浣腸器で吸い上げます。そして、妻のスカートを捲り、アヌスに注入します。

妻の背中が反り返ります「嫌ー、きついは、お浣腸は、嫌いです。」

社長 「贅沢を言うな、そのうち、浣腸が恋しくなるからな そうだ、今日は栓をしてあげよう、この前みたく、お漏らしをされたら大変だからな」と言いながら、瓢箪のようなものを妻のアヌスに刺し入れます。
「ああーん」と感じている妻に私は驚きます。

社長 「さあ、ご褒美だ」と言って、ズボンを下ろします。妻は、嬉しそうな顔をして机から降り、社長の前に跪きます。

妻は、自分から進んで変態社長のパンツを下げて、まだ、萎びた汚いチンポを咥えます。

社長 「お前の尺八も上手になったな、気持ちか良いぞ」

妻は、お腹が痛いのでしょう、右手で自分の腹を摩りながら、一心不乱にチンポをしゃぶっています。その光景が、10分位続きます。

変態社長は、自分の腰を鋭く前に突き出します。射精しているのでしょう。
妻は、精液を吸い取るように口を蕾めます。
変態社長がチンポを引き抜くと、精液と唾液の混合物が糸を引いています。

妻は精液を全て飲み干し「淫乱秘書の和美に、とても美味しい精液をありがとうございます。」と言ってひれ伏します。

変態社長は、ニコニコしながら「さあ、トイレに行って、汚いものを出して来い」

妻は、自分の尻を押さえながら、退室して行きます。

変態社長は、引出しの中から、アヌス用のバイブを5本出して準備しています。

そして、5分後に妻は何食わぬ顔をして戻ってきます。鍵をして、その場で服を脱ぎはじめます。

全裸になった妻は、変態社長の処に行き、乳房を変態社長に咥えさせながら
「和美は、淫乱で変態です、どうか、和美のアヌスを弄んでください」と、甘えた声で、ねだります

変態社長が、軽く妻の尻を叩きます。妻は机に上がり浣腸の時と同じポーズをとります。

変態社長は、一番細いバイブに粘々した液体を塗り、妻のアヌスに突き刺します。

妻  「ひー、痛いです。優しく、優しくして」と懇願します。

社長 「だらしのない、尻の穴だな、もっと開発しないとダメだな、早く前の穴のように敏感になれ」と言って、妻の尻を叩きます。

それから、変態社長は、妻のアヌスに色々なバイブを入れます。

最初は苦痛な顔をしていましたが、徐々に感じて来たようです。うっとりとした妻の顔。

オマンコからは、淫汁が溢れてきます。妻の右手がオマンコに触ろうとした時、変態社長が怒鳴ります。
「オマンコに触るな、この淫乱女」

妻は顔だけを社長に向け「意地悪・・・、何でもよいからオマンコに入れて」と懇願します。

でも、変態社長は無視します。

妻は、「オマンコに入れて、オマンコに入れて、オマンコに入れて、」と呪文のように言いながら、昇りつめました。

ここで、DVDの一枚目が終了しました。
凄い疲労感が有ります。それに、こんなに凄い映像を見たのに私のペニスはピクリともしません。まさか、自分がEDに・・・・・。


読者の皆さん、下手な文章を読んで下さり、まことに、ありがとうございます。

さて、DVDの続きを書くのか、話を早く進めるかで悩んでいます。

ご意見や感想がありましたら、宜しくお願いします。
  1. 2014/10/28(火) 15:58:33|
  2. 愛妻を・・・・川島クロード
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愛妻を・・・・ 第6回

皆様の貴重なご意見、誠にありがとうございます。DVDの内容を2枚ほど割愛させて頂きます。



私は、DVDの2枚目を再生します。

内容は、またも、アナルプレーです。

それにしても、防犯ビデオと言いながら画像は奇麗で、少なくとも2・3台のカメラがあるようです。更に編集までされて、まるで、裏DVDです。

2枚目を見終わったとき、私の怒りは変態社長よりも妻の方に向って行きます。

それを、決定的にしたのは、3枚目と4枚目です。

3枚目のDVD

○月△日 録画時間 0時間28分

何時ものように、DVDは、朝礼から始まります。

妻が、社長室に戻り社長の前に跪きます。

妻  「もう、アナルは嫌なの、違う方法で虐めてください」甘い声で懇願します。

社長 「しょうがない奴だな、それでは、これで責めるか」と例のエロ本を見開きで渡します。

妻はその記事を見て、喜びの声をあげます「あー、嬉しいは、社長様ありがとうございます」と言って記事を読みます。

妻  「私は、極太バイブで逝きまくる、変態社長秘書です。」妻は笑顔です。

私は、こんな女と結婚したことを後悔しました。

社長 「さあ、全裸になって、俺の椅子に座れ」

妻は、いそいそと服を脱ぎ全裸になります。そして、社長の椅子に座り自分から股を広げて両足を肘掛にかけます。すると社長が、手慣れた様子で妻の両足をベルトで肘掛に固定します。

社長は、引出しから超特大のバイブを出します。なんと、直径が7㌢位で長さは30㌢以上ある怪物です。

社長 「どうだ、凄いだろう、お前の為に特別に造らせた物だぞ」

それを見た妻は、目を丸くして驚きます「凄いよ、凄すぎるよ、そんなのを入れたら、私のオマンコが壊れちゃう」と言ってますが、驚いていた目は、期待の目に変わっています。

社長 「いくら、淫乱で変態な和美でも、いきなりは無理だな、よし、こいつで、たっぷりと濡らしてから、ぶち込むぞ」と言って、吸引器の着いた小柄のバイブを出して、妻のクリトリスにあてがい、吸引バイブをONにします。

みるみる、妻のクリトリスが吸引されます。毛が無いので密着度は完璧です。

妻  「あー、効くーん、す、凄い気持ちがいいの・・・ああーん」淫乱妻の腰が小刻みに揺れだします。

社長は、淫乱妻のオマンコを10分位覗き込み「凄いぞ和美、湧水のように淫汁が溢れ出したぞ、そろそろ、モンスターバイブを入れて天国に逝かしてやるぞ」と言ってモンスターバイブを持った時、内線電話のベルが鳴ります。

シグナルで秘書課からの電話と分り、社長が電話を取ります。

社長 「なんだ、午前中は取り次ぐなと言ってるじゃないか」と怒鳴ります。

和美も秘書課からの電話と分って、怒った顔をしています。

社長 「なに・・・そうか・・・それなら仕方ないな、直ぐに車の用意だ」社長は受話器お置き「中止だ、中止だ、すぐに服を着ろ、出かけるぞ」と淫乱妻に言います。

淫乱妻 「嫌よ、嫌よ、そのバイブを入れて、逝かしてくれなければ、私は行かないわよ」と駄々をこねます。

私は、PCに向かって、ざまー見ろと言ってました。

社長 「分かった、分かった、明日、休日出勤して、たっぷりと可愛がるから言う事を聞けよ」

淫乱妻は、渋々と服を着ます。

3枚目のDVDが終了しました。

あっ、そうか、あの日のことか、私は、妻の休日出勤の事を思い出しました。

休みの出勤なのに、やけにウキウキとしている妻。

私 「休みなのに、嫌じゃないのか?誰かに代わってもらい休めよ」

妻 「私じゃなきゃダメなのよ、とても大切な仕事なのよ、早く帰って美味しい料理を作るわ」
と言って出掛けた妻を、私は覚えていました。
  1. 2014/10/28(火) 16:00:09|
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愛妻を・・・・ 第7回

その頃の妻は、イライラしていましたが、休日出勤が終わってからは、いつもの優しい妻に戻っていました。

私は、4枚目のDVDをPCにセットしました。

○月△日 録画時間 2時間30分 9:30~14:30

4枚目のDVDは、次の日でした。

社長が一人で椅子に座っている画像から始まりました。

社長室のドアが開き、なんと、全裸の妻が入室してきます。

社長 「おいおい、いきなり変態モードか? どうしょうもない淫乱女だな」

妻は、甘い声で「だって、昨日が・・・・あれですもの、蛇の生殺しよ、今日こそ絶対に和美を天国に逝かせてね」

社長 「当り前だ、俺だって欲求不満だ、今日は時間を気にしないで、淫乱和美を逝き狂わせてやるぞ」

妻  「あーん、素敵よ、和美に最高の絶頂を下さい」と言って、社長に抱きつき長いくちづけをします。

妻の手が社長の手を取り、オマンコへと導きます。社長の手が妻のクリトリスを捉えてリズミカルに動きます。妻も手の動きに合せて腰を振ります。

社長の手は、妻の淫汁で濡れています、その手を嗅ぎながら「淫乱女の匂いがするぞ」と言いながら、妻の口へ入れます。妻は嫌がらずに受け入れています。

社長 「さあ、これから社員食堂の調理室に行くぞ」

妻  「嫌よ、ここでして、もう、我慢できないわ」

社長 「最高の絶頂が欲しいなら、俺の言う事を聞け」   妻は、頷きます。

社長が、ビデオカメラを持って全裸の妻と社長室を出ます。

画像が切り替わります。そこは、秘書室です。

妻  「嫌よ、ビデオに撮らないで」

社長 「最高の絶頂が欲しいだろ」

妻が、服を着ようとすると、社長が「ダメだ、素裸で行け」と妻を叱ります。

妻が、キョロキョロしながら、秘書室から廊下にでます。

社長 「休みだから、社員は居ないが、警備員がいるから気をつけろよ」

妻  「は、恥ずかしいは・・・」妻は手でオッパイと股を隠しながらモジモジしてます。

トイレの前に来たとき「おい、男子トイレに入れ」と命令します。

妻は、戸惑いながら、男子トイレに入ります。社長が後に続き「変態和美は雌犬だ、さあ、全部の小便器にマーキングをしなさい」

妻  「マーキングって?」意味がわかってないようです。

社長 「お前の、厭らしいマンコを、小便器に擦りつけろ」

妻は、躊躇ってましたが、結局、自分から小便器の横の角にオマンコを、擦りつけはじめました。

妻と小便器のオナニーショーの始まりです。淫美に腰を上下させる妻・・・・徐々に上下運動を早くしていきます。妻が絶頂を迎える前に、社長が「次だ」と命令します。

その繰り返しで、最後の小便器のところに来た時、妻が「最後まで、やらして下さい、逝きたいのよ」と懇願します。

社長 「しょうがな、変態女だな、逝くまでやってみろ、ただし、一番汚い滴受けに擦りつけてだ」
妻は、滴受けにオマンコを擦りつけながら「ああー、汚いよー、和美のマンコが汚れちゃう・・・い、い、い、逝くーう」と絶頂を迎えます。

画面は、食堂の調理室に移りました。

野菜保管庫を物色している妻、ナス・きゅうり・人参・苦瓜を選び出します。

社長 「さあ、帰るぞ、あ、そうだナスをマンコに入れていけ」

妻の濡れたオマンコは、大きめのナスを簡単に飲み込みます。

廊下を歩いている妻を、後ろから撮ってます。少しガニ股で、股からはナスの頭が見えてます。

社長室に戻ると、妻を机の上に・・・首輪を着けて犬のようにします。

そして、妻のマンコに入っているナスの頭を持って、動かします。

妻  「あああー、気持ちいいです。もっと、虐めてください」と、背中を反らします。

社長 「ケツの穴が淋しそうだな、よし、きゅうりを入れてやろう」ときゅうりを持って、妻のアヌスへ・・・

妻  「ま、待って下さい、アナルに入れられるのは構いませんが、三日間、便秘なの、お浣腸をしてからに・・・」

社長 「なに、汚い奴だ・・・・よし、良いことを思いついたぞ・・・今夜の川島家の夕食のおかずに、ナスの塩漬けかきゅうりの糠漬けかお前の旦那に聞いてみよう、旦那は家だな?電話をしろ」

妻  「嫌です、出来ません、お願い、それだけは・・・赦して」

社長 「ダメだ」と言って、勝手に電話のボタンを押します「呼び出しが鳴ったぞ」と言って受話器を妻に渡します。

妻は、変態口調から普通の口調に戻って話しはじめます。

妻 「あなた、私よ、お昼ご飯は食べましたか?」そのとき、社長がきゅうりを妻のアヌスに差し込みます。

妻  「あ、痛い・・・」  「本を足の上に落としちゃった」 「うん、大丈夫」

社長の手の動きが速くなります。

妻  「と、ところで、今夜の夕食に漬物を買って帰りますけど、ナスの塩漬けかきゅうりの糠漬けのどちらが食べたいの?」

妻  「分かったは、ナスを買って帰りますね、じゃあね」受話器を置きます。

妻は、変態口調に戻り、「ああああー、ナスとキュウリで逝くー、」絶頂の前に、社長がナスとキュウリを引き抜きます。

妻  「嫌よ、嫌よ、もっと、もっとよ」

社長 「さあ、昨日の続きだ、俺の椅子に座れ」

妻は、直ぐに椅子に座って、昨日と同じ状態になります。

妻  「早く、早く、あの、大きいバイブを入れて」

社長は、モンスターバイブを妻のマンコに、突き刺します。
妻  「ひー、凄い・・・凄いよー・・・これよ、これを待ってたのよ、逝ちゃう、逝くーー」と腰を壮絶に振り、白目を剥いて逝き果てました。

4枚目のDVDが終了しました。

あの女は、私にあんなナスを食わせやがって、絶対に許さないぞ、簡単に離婚なんてしてやるか、あの女に地獄を見せてやる。

それから、1週間 私は、復讐だけを考えて過ごし、計画を練り上げました。


5枚目のDVDは、私が突入した時のです。割愛します。
  1. 2014/10/28(火) 16:01:26|
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愛妻を・・・・ 第8回

私は、友人の弁護士 長井の事務所に行きます。

長井 「おー、川島、ちょっと待っててくれ」 私は、個室に通されます。

15分後に沈痛な表情で長井が来ました。

長井 「DVDを見たか?」

私  「ああ・・・・」

長井 「俺の弁護士生命が、かかっているから絶対に他言しないでくれよな」

私  「分ってるよ、長井に迷惑をかけたから、少ないがこれを」と、100万円の入った封筒を渡します。

長井 「よせよ、俺は個人的に力になっただけだ」と受け取りを拒否します。

私  「実は、お前に、相談があるんだ、だから、受け取ってくれ」

長井 「そうか、じゃ、ありがたく頂くよ・・・で、相談は離婚問題か?」

私  「否、違うんだ、もう一度、妻とやり直したい、しかし、俺にはSMの趣味が無い誰か、その道のプロに相談したいんだ」と嘘をつきます。

長井 「そうか、それも一つの選択だよな・・・そうだ、以前に弁護した裏社会のボスに連絡をしてあげよう、ただし、そいつらを使って奴らに復讐することはダメだぞ」
と言って、早々に電話をかけます。

長井 「会ってくれるようだ・・・今夜でもOKだ、どうする?」

私  「ありがとう、会ってみるよ、で、何処で?」

長井 「先方は、自宅に来てほしいそうだ、地図を書くから、今夜の19:00に行ってくれ」

私  「ありがとう、頑張ってみるよ・・・でも、ダメだったら、離婚の件で相談に乗ってくれ」

長井 「分かったよ・・・、それから今夜、会うのは、裏社会の人間だ、決して心を許すなよ」

地図の場所は、高級住宅街です。私は、まず、場所の確認にその場所に行ってみます。

その場所は、私の思ってた印象とは違って、本当に普通の高級住宅でした。ただ、良く見ると、監視カメラが数台 目立たないように設置されてました。

時間が早いので、喫茶店で時間を潰そうと探しましたが、近くにありません、仕方なく最寄りの駅まで戻りました。

19:00に私は、インターホンを押します。

男の声が「どちら様ですか?」

私  「あのー、弁護士の長井さんの紹介で来ました、川島です。」

男  「伺っております。中にどうぞ」

門が、自動に開きます。玄関の前には男が二人、門番のように立ってます。

門番の男 「長井先生の知人の方ですね、失礼ですが荷物検査とボディーチェックをさしていただきます」
私は、指示にしたがい、セカンドバックを渡し、両手を上げます。

男達は、念入りにチェックしてから「どうぞ、中に上がって 中の者の指示に従ってください」

中に入ると、男が一人立ってます。「どうぞ、靴を脱いでこちらへ」と私を応接室に案内します。

男  「会長は間もなく来ますので、しばらくお待ちください」

応接室で5分位待っていると、優しそうな顔の中年がニコニコしながら、入ってきました。

会長 「長井君の友達だってね、長井君には、色々と世話になったからね・・」

私  「川島と申します」

会長 「で、今夜は、どのようなご用件で?」

私は、今までの事を全て会長に話して「私を裏切った妻を地獄に落としたいのです、どうか力をお貸し下さい」と、500万の束を渡します。

会長 「それは、酷い女と結婚しましたね、分かりました、何とかしましょう、2・3日中に、部下から連絡をさせます。連絡先を教えて下さい」
私は、携帯の電話番号をメモに記入して渡します。


2日目の19:00に、男から電話がありました。

男  「私は、杉山と申します。会長から話を聞きました。これから会って相談しましょう」

私  「どこに行けば良いですか?」

杉山 「外に、車を待たしてあります。乗って下さい」

まさか、なぜ、自宅を?裏社会の調査力に驚きました。私が自宅を出ると、黒い高級車が(セルシオ?)
私を後部座席に誘導してから「すいませんが、少しの間、目隠しをして下さい」と言って、アイマスクを私に付けます。

1時間位、走って倉庫のような場所に着きました。そこで、杉山が初めて出迎えます。

杉山 「突然、失礼しました。色々と問題がありましてね。さあ、こちらへ」と私を倉庫の地下に案内します。

地下に降りると、そこは別世界でした。女のうめき声がします。そちらを見ると、天井から女が吊るされて、マッチョな男二人が、前後からセックスしてます。女は、涎を垂らしながら、よがってます。

その横を通って、静かな部屋に入ります。

杉山は、高級ブランデーを出しながら「びっくりしましたか?」私は、頷きます。

杉山 「あの女は、キャバクラのNO1ホステスでしたが、ホストに狂って、1千万の借金をつくり、逃げようとしたので、こちらに来て貰たんだよ」

私  「そうですか」としか言えませんでした。

杉山 「なーに、ホストに狂う女なんて、しょせんドMなのさ、少し開発すれば自分からその手の店に沈んでゆくさ」

杉山 「まあ、俺たちが本当のプロだと言う事を、証明するために、来てもたったんだ」

私  「分りました。安心して任せます」

杉山 「で、奥さんをどこまで、堕せばよいかな?」

私  「地獄にです、でも、殺しを依頼しいるわけではない」

杉山 「じゃ、刺青や人体改造もOKだな?」

私  「よろしくお願いします」

杉山 「二日後に、素人女を2ヶ月かけて調教する、それに同行して貰おう、あんたは、奥さんを、言葉巧みに説得して、自分から俺達の車に乗り込むようにしろ、それから、調教過程をDVDに記録して、郵送するよ、また、裏ルートにも、流そうか?奥さんの美貌しだいで、良い金になるしな」

私  「DVDを裏ルートに流しても構わない、金もいらない、好きにしてくれ」


私は、自宅に帰り、妻をどんな方法で説得するか 思案しました。
  1. 2014/10/28(火) 16:02:43|
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愛妻を・・・・ 第9回

翌日、私は妻の実家に行きます。妻を連れて帰ろうとしますが、妻は嫌がります。

今までの事を話すぞと脅して妻を、車に乗せます。

車に乗って直ぐに「あなたが、いけないのよ、あんな本を私に見せたから」と勝手な理屈を言ってます。

私が黙っていると妻は「もう、終ね・・・離婚しましょう」と ほざきます。

私 「待ってくれ、俺も離婚を含めて、色々と考えたんだ」ここで、離婚に同意したら復讐は失敗します。

私 「あれから、君の社長に会って、色々と話を聞いたよ。凄いことが有ったんだんだね」と、DVDの話をします。

妻は、顔を赤らめて「やめてよ、半分は本当で半分は嘘よ」と平気で嘘をつきます。

私 「そして、俺はショックでEDになってしまったんだよ」

妻 「EDって、インポの事?まあ、可哀そうに」と鼻で笑っている表情です。

殴りたい衝動を押し殺して「もし、今、離婚したら、お前は、社長と縁りを戻すだろ?」

妻 「うーん、分からないけど・・・・多分ね」

私 「そうなったら、俺は一生EDになってしまう、だから、離婚を前提としておれの話を受け入れてくれ」

妻 「何の話?どうするの?」

私 「実はあれから、SMの勉強をしたんだ、だけど、俺では無理と判断して、知人の縄師に2ヶ月間、君の調教を頼んだ、勝手で悪いが了解してくれ」

妻 「なにを、勝手に言っているの、知人の縄師は誰なの?」

私 「すまん、縄師はSMを勉強しているときに知り合った人だ、イケメンで相当なテクニックを持ってるようだ」

妻は、イケメンに少し反応したようだ。

妻 「2ヶ月は長すぎよ・・・・そんな話より、あんたが勃起して射精したら、直ぐに離婚して」と言って、車を安全な場所に停止するように言います。

車を停止させると、妻は直ぐに、私のズボンのチャックを下して、ペニスを取り出し、性技を駆使してしゃぶり出します。凄い技ですが、私のペニスはピクリともしません、5分位舐めていた妻がペニスを放して
「本当に、インポになったんだ、可哀そうに、でも、これで離婚は決定的ね、2ヶ月間、我慢するから、本当に離婚してね、財産は折半よ」

私は、良しと心で叫び、沈痛な表情で「分かったよ、2ヶ月間は夫婦でいよう」

妻と自宅に戻り、離婚届に日付を入れないで記入ます。妻も簡単に署名します。

そして、もう1枚の紙に、2ヶ月間の監禁生活の承諾書を書き、妻にサインさせました。

2日後の朝

私と妻はファミリーレストランで向え合わせに座っています。日曜日の朝7時、他のお客さんは、初老の男性が一人だけです。二人には笑顔がありません、それどころか少し青白い顔の妻、テーブルの上には2枚の紙、1枚は、緑の縁取りの離婚届、もう、1枚は監禁生活承諾書です。

7:15に男が二人現れます。一人は杉山でもう一人は、イケメンの男です。

私達のテーブルに着き、コーヒーを注文します。杉山が妻の向いに座り言います。

「本当に、良いですね、嫌なことが有ったら言ってください、直ぐに改善します。高級別荘でゆっく過ごすと思ってください。」と優しく言います。

妻は、静かに頷きます。隣のイケメンが妻を促して、店を出ます。

最後に妻は「あなた、さようなら」と言って出て行きます。

二人が居なくなると、杉山の顔つきが変わり「凄いべっぴんさんで驚きですよ、あの女なら高値で売れますよ」

杉山 「じゃ、私達はこれで・・・あ、そうそう、週一回のペースでDVDを郵送します、希望がありましたら言ってください」と携帯番号とメールアドレスの書いた紙を渡して出て行きます。

ファミレスに一人残った、私は、これからの事を期待して、ゆっくりとコーヒーを啜りました。


それから1週間後に、約束のDVDが届きました。


(完)

現時点で妻は、まだ、監禁生活しています。私の元には、DVDが6枚あります。

皆様からのご意見は、ありがたく拝聴してます。誠に、ありがとうございます。
  1. 2014/10/28(火) 16:04:14|
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妻を復讐兵器に・・・ 第1回

私は、一人の部屋でPCの電源を入れて立ち上げます。そして、杉山から送られてきたDVDをセットします。

画像が静かにスタートします。

妻がイケメンの男と並んで、高級ワゴン車に向って歩いてきます。だいぶ、緊張した顔をしています。

そうです、妻が私と別れてファミレスを出た時から画像が始まっていました。

そして、自ら進んで車内に入っていきます。カメラも続いて車内に入ります。

車内には、男性が4名と俯いている女性が1名 計5名がいます。

妻が真ん中のキャプテンシートに座り、あたりを見回します。

妻の目が後部座席の女性に止まります「あら、千秋さんじゃないの?どうして、ここにいるの?」

千秋と呼ばれた女性は顔を上げて、吃驚とした顔をしながら「か、川島課長ですか?・・・わ、私は・・・・」と、口籠ります。

すかさず、男が説明します「彼女はね、ホストに狂って、会社の金に手をつけ、ばれそうになって私達から借金をしたのですよ・・・最近は利息の返済も出来なくなって、身体で払うことになったのです。しかし、意外ですね、まさか、お知り合いとは」

妻 「千秋さんも、意外と だらしが無いのね・・・自分のミスだから、頑張って返しなさいよ」 
私は、課長気分で話している妻にムッカ腹が立ちます。

遅れて、杉山が乗り込みます。

車は静かに、ファミレスの駐車場を後にします。

イケメン男 「杉山さん、この女性たちは知り合いのようですよ」

杉山  「そうか、それは奇遇だな・・・世の中、意外と狭いな」と最初から知っているようにニヤケます。

杉山が二人の女性に、今後の説明をします。

「これからの2ヶ月間、あなた達には色々な経験をして頂きます。そして、それをビデオに収録します。心配しなくて良いですよ、顔にはちゃんとモザイクをかけますからね」

モザイクをかけると言いったので、安堵する妻の表情、対照的により一層不安な表情になる千秋。

杉山 「千秋さんの元気がないみたいですね・・・元気になってもらいましょう」と言って、両サイドの男に合図を送ります。

両サイドの男達は、待っていたかのように、千秋の身体に手を伸ばします。

千秋 「や、止めてください、ここでは厭です」と身体をくねらせます。

杉山 「千秋さん、あなたに拒否権はないのですよ・・・2ヶ月間の我慢で1千万の借金が棒引きですよ、なんと、月収500万円ですよ、凄いですね。それから、川島夫人には一応、拒否権がありますから、心配しないでください」と言います。

千秋は諦めた表情で目を瞑ります。妻が興味深そうに振り返って見ています。

イケメン男 「奥さん、首が疲れますから、椅子を回転させましょう」と言いて対座にします。

男達の指技に、千秋の身体が、段々と開いていきます。そして、服を脱がせて下着姿にします。

男達の指技に吐息が洩れる千秋・・・パンティのクロッチ部分は湿ってきています。

それを見ていた妻はスケベな顔つきになり、自分の股間に手を伸ばします。

隣に座っているイケメン男が妻の手を取り「もう、我慢できないですか、旦那様と別れてから15分しか経っていませんよ・・・本当にスケベな奥さまですね」と甘い声で言います。

妻は、もっと甘えた声で「だ、だって最近、Hをしてないから」と言い訳をしています。

イケメン男は「もっと、二人で視姦しましょう、あなたの元部下をね」

その言葉を聞いて千秋は眼を開けます「あー、み、見ないでください、は、恥ずかしいから、見ないでー」と、感じながら言っています。

妻 「何を言っているの?そんなにオマンコを濡らして・・・本当に厭らしい子」と女王様気取りで言っています。

男の一人が「じゃ、どんなに濡れているか、生で見てもらおう」と、千秋のパンティを脱がします。嫌がりますが男達の力にはかないません。

千秋はパンティを剥ぎ取られ、両足を左右の男達に開かされオマンコを晒されます。

千秋 「ああー、恥ずかしいー、嫌、嫌」と 身体をピンク色に染めてよがる千秋

妻  「まあ、なんて厭らしい女でしょう・・・オマンコがビチョビチョよ・・・」

千秋 「あーん、見ないで、見ないで、お願いだから」

妻  「本当は、見られたいでしょ・・・千秋さん。あなた、意外と毛深いのねー、厭らしい毛がいっぱい生えているわよ」

イケメン男 「そうですねー、良く見えませんねー、剃りましょうか?」

左右の男達が、剃毛の準備に入ります。

千秋は、泣きながら「酷いは、課長、止めるように言ってください」と懇願します。

妻  「ダメよ、千秋さん・・・私も剃っているから、安心しなさい」

イケメン男 「本当ですか?」と妻の股間に手を入れます。

妻は、触られやすいように、股を開きます。

イケメン男が妻のパンティに手を入れて「あ、本当にツルツルだ・・・それに、下はドロドロですよ」と、にやけます。

妻 「ああーん、いいわ、もっと、もっと、ドロドロにして」と腰を振りはじめます。


後ろの席では、千秋の剃毛が始まります。

男 「動くなよ、少しでも動けば、あそこが傷つくぞ」と脅しながら剃ります。

千秋はピクリとも動かなくなります。


イケメン男が、妻を愛撫しながら、自分のペニスを出します。そのペニスは、大きさも形も素晴らしく、おまけに 数個の真珠の入った、プロのペニスです。

妻の目が輝きます。そして、何も言われてないのに自分から、咥えます。

イケメン男 「スケベで淫乱な奥さまですね、これで自分を慰めなさいと」中型のバイブを妻に渡します。

妻は、イケメン男のペニスをしゃぶりながら、パンティをずらして、バイブを挿入します。

陰毛を剃られながら、その光景を見ている千秋。

そこで、画像が切り替わります。

大きな別荘の前に止まる、高級ワゴン車。

私は、画像を停止させます。

なんだ、これは、話が違うではないかと、携帯に手を伸ばし杉山に電話します。

私  「俺は、妻に地獄を見せろって言ったんだ、女王様にしろとは、言ってないぞ」

杉山 「電話が来ると思いましたよ、でも、大丈夫です安心して下さい、私達はプロです。あなたの期待を決して裏切りませんから」と笑いながら言います。

私は、渋々、了解して、電話を切ります。

そして、缶ビールを飲んで落着きを取り戻します。
  1. 2014/10/29(水) 08:12:30|
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妻を復讐兵器に・・・ 第2回

私はDVDを再スタートさせます。

画像は、高級別荘のホールのようです。全員がソファーに座っています。

千秋は服を着てます、妻はイケメン男に寄り添っています。

杉山 「それでは、これからの2ヶ月間、宜しくお願いします、尚、女性の方は庭以外の外には出られませんので、決して忘れないでください。もしも、出た時は、厳しい罰を受けますからね」

杉山 「さて、みなさん、これから自己紹介をして、お互いの理解を深めましょう、まずは、君から右回りにお願いします」と、運転していた男を指差します。

運転手 「私は、鈴木と申します、元レーサーです、レーサーと呼んでください」

右側の男(後部座席の一人)「私は、平野と申します、元外科医です、ドクターと呼んでください」

右側の男(後部座席のもう一人)「私は、猿田と言います、元ボクサーです、ゴリと呼んでください」

イケメン男 「私は、右田と申します、元モデルです、AV男優に似ているので、皆からは タカと呼ばれています」

妻  「私は、川島です、元社長秘書です。和美と呼んでね、それから、2ヶ月後にはフリーになりますから、よ・ろ・し・く」

千秋 「わ、私は、も、望月 千秋です」

杉山 「最後に、私が責任者の杉山です。杉山さんでもボスでも好きに呼んで下さい、それから、私の命令には男女の区別なく絶対の服従ですので、よろしく」

杉山 「さあ、千秋さん、これを着て下さいね」と、超ミニのメイド服を渡します「下着の着用は、禁止ですからね・・・それから、川島夫人には、専用のお部屋を用意しています、ドッレサーの中に、ボンテージを含めて、10着以上ありますから、気分で選んでくださいね・・・・それでは、一時、解散します1時間後ここに、集合して下さい」

妻は、手を上げて「あのー、杉山さん」

杉山 「なんですか?川島夫人」

妻  「川島夫人と呼ばないで下さい、川島と呼ばれると虫唾が走るの・・・お願いします」
杉山が頷きます。

タカが妻の耳元で「和美さんのボンテージって、素敵だろうな」と囁きます。

妻は、ウィンクで答えます。


1時間後に、皆がホールに集合してきます。

男性の服は変わっていません。

妻が、ホールに現れます、男性達の視線が飛びます。

妻の衣装は、オッパイの露出したエナメル製ビスチェとパンティ ガーターベルトに網タイツで、タカの希望を叶えてます

妻は、恥ずかしそうにタカの隣に座ります。

タカ 「予想を超えた美しさです、たまらない、皆があなたを見てますよ」

妻  「は、恥ずかしいは、この衣装はあなたのためよ」と甘い声で囁きます。

杉山 「千秋さんが来ていませんね、いけないですね、私の命令に叛いたので罰の対象になります。誰か千秋さんを地下室え連れて来て下さい」

画面が変わり、地下室です。そこは、中世の拷問部屋のようです。

千秋が全裸で十字架に磔られてます。

杉山 「千秋さんは、まだ、私の言った事を理解していないようです、ピアスの刑にします、ドクターお願いします」

ドクター「それでは、このピアッサーで実施します。余興ですが、皆様、開ける場所の指示をお願いします」

杉山 「じゃ、私から・・・左の乳首に」

千秋 「う、嘘でしょ・・・止めて下さい・・もう、絶対に遅れませんから」

杉山が首を横に振ります。ドクターがピアッサーを左の乳首に当てます。

ビッシと音がします「ぎゃー」と言う千秋の悲鳴、あっという間にピアスが貫通しています。

杉山は、次にタカを指差します。

タカ 「可哀そうだけど、仕方ないか、じゃ、右ね」と簡単に言います。

ドクターは無表情で実施していきます。

貫通の度に悲鳴を上げる千秋・・・・。

次にレーサーが、右のビラビラと指示して、ゴリが左を指示します。

肩で息をする千秋・・・。

最後に妻が指示する番になります「もう、アソコしか無いじゃない・・・」

ドクター「どこにするか、はっきりと言ってください」

妻 「クリトリスよ」

千秋が凄い形相で妻を睨みます。

妻 「ゴメンナサイね、もう、そこしかないのよ、怖い顔をしないで」

ドクター「奥さんも酷いお人だ、私は耳たぶだと思いましたよ」

あ、と言う顔をする妻、訂正の前にドクターがクリトリスにピアスを打ち込みます。

最後の悲鳴を上げて、気絶する千秋

皆は恍惚の表情です。気絶した千秋の前で壮絶な4Pの開始です。

妻は、自分からエナメルパンティを脱ぎ、股を広げます。すかさず、ゴリがオマンコを舐めます。タカとレーサーは、ビスチェから飛び出したオッパイを貪っています。

まず、レーサーが立って、自分のペニスを妻の口へ、それを見たタカが、ゴリと交替して、妻のオマンコに自分のペニスを突き刺します。ゴリは二人が去ったオッパイを厭らしく責めます。

レーサーが最初に妻の顔に射精します、ゴリは自分のペニスを空いた口に持っていきます。
タカは、一定のスピードで腰を振っています。

ゴリが射精するのを見て、タカのスピードが速くなります。

妻「あー、凄い、凄い、逝く、逝く、逝く、逝っくー」と絶頂を迎えます。

それを、確認したタカは、ペニスを引き抜き、妻の顔面に大量の精液を浴びせます。

妻は、蛸のような恍惚の表情で、3人の混ざった精液を手ですくい、口へと運びます。

最初のDVDが終了しました。

私は、期待した内容と違い過ぎるので、がっかりでした。

もし、来週も変化がなければ、会長に抗議するつもりで、一週間を過ごしました。
  1. 2014/10/29(水) 08:13:45|
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妻を復讐兵器に・・・ 第3回

そして、丁度一週間後に、次のDVDが届きました。

朝食から、映像が始まります。

杉山 「おはよう、皆さん、ここの生活に慣れましたか?今週からはSM快楽調教を行います。千秋さんは、見学からです。主役は和美夫人にお願いします。開発されたドMを見せて頂きます。良いですか?和美夫人」

妻 「はい、お願いします。それから、千秋さん、私のMっ気をみて、勉強しなさい」

杉山 「それでは、朝食が終わったら、地下室で映画鑑賞をしましょう。鑑賞中はSEXやオナニーは禁止します。」

地下室の映像に切り替わります。

そこには、100インチの銀幕があります。そして、みんなは、ソファーでくつろいでいます。

映画が始まりました。もちろん、SM作品です。

千秋は、初めて観るのでしょう、びっくりした顔をしています。妻は、スケベな顔になっています。

最初のSMビデオが終了して、その後すぐに、妻のDVD5が始まります。

例の如く、社長室の朝礼風景です。

千秋 「あっ、私の会社・・・社長室だわ。」

妻  「ちょ、ちょっと、それはダメよ・・・止めて・・・」

杉山 「和美夫人は、お着替えの為に退室して下さい。」

妻  「嫌よ、これだけは、嫌なのよ、止めて」

杉山 「私の命令に叛く気ですか?痛いお仕置きですよ」

妻は、仕方なく出て行きます。エスコートはもちろんタカです。

千秋は、25歳で、星野 あき似の可愛くて、グラマーな女の子です。メイド服がとても似合います。

食い入る様に見る千秋・・・・。

DVDの内容は

朝礼が終わると同時に、総務課から電話です。社長室の電話を取る妻

そうです、私からの電話です。電話が終わって、辺りを見回す妻、誰も居ないのを確認して社長に凭れかかります。

社長 「誰からだ?」

妻  「夫からです」

社長 「何だって?」

妻  「書類を取りに来るのよ」

社長 「じゃ、今日は中止だな」

妻  「嫌よ、今日は、あのプレーの日だから、中止は嫌よ、それに夫は受付で書類を取って帰るだけだから、大丈夫よ」

社長 「夫が下に来ている時に、全裸で私のチンポをしゃぶる、どうしょうもない、変態女ですね。」

妻  「そうよ、夫がそばにいる背徳感が、私の身体に火を付けるのよ」

妻は、その場で全裸になって、社長にキッスします。

千秋 「なんで・・・川島課長と社長の不倫?」

杉山 「そうですよ、おたくの社長は、変態でね、川島夫人をドM女に開発したのです。なかなかの者です」

社長は、妻を麻縄で亀甲縛りにして、アヌスとオマンコにバイブを突き刺します。

その行為を、嬉しそうに受ける妻

千秋 「課長・・・腰を振ってエロいわ・・・」

杉山 「もうすぐ、千秋さんもこうなってもらいますからね」

千秋 「嫌、嫌よ、私は変態になりたくない」

杉山 「川島夫人の着替えが終了したみたいですね、千秋さんは、別室に行ってもらいましょう」

千秋は、レーサーと部屋を出て行きます。入れ替わりに妻が亀甲縛りで入室します。

妻  「お願いよ、そのビデオは止めて・・・は、恥ずかしいから」

タカ 「へー、こんな変態オヤジに弄ばれて感じるんだ・・・本当に淫乱だな」

妻  「違うの、これは社長に脅かされて、仕方なしによ」

杉山 「嘘はダメですよ、全部、喋ってもらいますよ」

杉山は、妻を拘束椅子に固定します。股縄をずらして、オマンコをバイブで責めます。タカとゴリがオッパイをローターで責めます。

妻  「あああー、凄いよ、き、気持ちいいー」

杉山 「どうして、変態社長の手管に下ったのか説明して下さい、ただし、嘘はダメですよ、お仕置きします。」

妻  「さ、最初は・・・、社長室でオナニーしたことを、指摘されて、仕方なしに・・・・です。」

杉山 「どんな、オナニーをしましたか?」

妻  「夫の本を見て、オナニーをしました・・・」

杉山 「どんな本ですか?」

妻  「社長秘書の体験談です。」

杉山 「変態のエロ本なのに、体験談とは・・嘘を言いましたね・・お仕置きです」

妻  「ピ、ピアスは、嫌です。き、拒否します。」

杉山 「分りました、これであなたの、拒否権が無くなりましたよ、浣腸です」

妻  「浣腸なら経験が・・・・あります。」

杉山 「凄い変態だ、普通なら浣腸って言われたら、嫌がるのに たいしたもんだ」

杉山は、浣腸器にグリセリンの希釈液を吸い上げて、妻のアヌスに注入します。いつも、原液を注入されているので、妻は平気な顔をしています。

杉山 「流石は、変態夫人だ、浣腸ではお仕置きにならないか、それでは、もう一つ入れましょう」

杉山が合図をすると、ゴリとタカが拘束椅子を倒します。妻の股が天井を向きます。

杉山が妻のアヌスにロートを装着します

杉山 「さあ、今度は、水500ccの浣腸です、ただし、生きたドジョウを数匹入れますからね」

妻  「ひー、ド、ドジョウなんて嫌です、止めて、お願いします」

杉山 「ダメです、これに慣れたら、普通の浣腸が物足りなくなりますよ」

杉山は、ドジョウ入りのバケツをロートに注ぎ込みます。ドジョウは、直ぐに妻のアヌスに潜り込みます。すかさず、ロートを抜いてストッパーをします。

妻  「い、嫌、嫌、あ、ああー 動いてる、動いてる、・・・変に、変になちゃう」

杉山の指示で、椅子を元に戻します。

杉山 「変態夫人でも・・・これは、辛いようですね、さあ、質問を再開します。」

杉山 「エロ本を見てのオナニーで最高のおかずは何ですか?」

妻  「い、言いますから、トイレに、早くトイレに行かせてください」

杉山 「言ってからですよ」

妻  「お、おしっこを飲みながら、いく女に興奮しました。」

杉山 「その女を自分に置き換えて、オナニーをしたのですね?何回しましたか?」

妻  「はい、そうです。10回以上しました・・・も、もうダメです、早くトイレに」

杉山 「我慢が出来ませんか?最後の質問です。そのプレーを、変態社長と何回しましたか?」

妻  「2回、2回半です。言いましたから、早く トイレにー」

杉山 「それでは、あなたを楽しめたドジョウさんが可哀想ですよ、この、バケツに出しなさい」

妻  「そ、そんな、酷いは、酷すぎます。嫌です、ここでは出来ません」

杉山 「ははー、愛しのタカに排泄姿を見られるのが、嫌なのですね、安心しなさい、タカは、スカトロマニアだから、逆に喜びますよ、な、タカ」

タカ 「はい、ボス・・・・美人の和美夫人が羞恥に排泄する姿を見たいな」

妻  「は、恥ずかしいから、嫌なの、タカさんだけには見られたくないの」

杉山 「我儘な人だ、バイブで気を紛らわせてやりますよ」

杉山は、大きめのバイブを妻のオマンコに挿入します。

妻  「あああ、あーん、う、ううーん」と腰を降り始めます。

杉山 「やっぱり、ドMですね、嫌がりながら、感じていますね。大きなバイブが簡単に入りましたよ。それでは、ストッパーを外しますよ」

羞恥心が、妻のMっ気に火を点けて、快楽の階段を昇り始めます。

妻  「も、もう、我慢できない、で、出ちゃう、うんこが出ちゃうよー」

妻の肛門が盛り上がり、最初に水がチョロチョロと出ます。そのうちに水の勢いが増し、黒い紐状のドジョウが数匹出てきます。そして、ブリブリと音を発てて、茶色い固形物が妻の肛門からバケツに落ちて行きます。

妻  「み、見ないでー・・・・イ、イク・イク イキます、うんこをしながら、いっちゃうー」と、絶叫します。

バケツを覗き込む杉山は、その中のひと塊りを、妻の腹の上に乗せます。

妻  「や、止めて、汚いわー、早く除けて」と懇願します。

杉山 「可哀そうに、ドジョウがお前の糞に頭を突っ込んで死んでいるよ、相当、臭かったのかな」と笑います。

妻  「酷いは・・・ああー」と首を左右に振っています。

その光景を、別室で見ていた千秋は、「いいきみよ、もっと酷い事をされれば良いのに、で、でも、凄いは、あんな事をされたのに、イクなんて本当に淫乱な人だわ・・・」と、千秋は自分の手をオマンコに当てて、オナニーを始めます。それを、見ていたレーサーは、バイブを渡して、

レーサー「そのバイブで好きなだけ、オナニーをしな」

千秋は、バイブを手にすると、いきなり、自分のマンコに挿入します。そして、左手の中指を自分のアヌスに入れて、イキまくります。

その頃、調教ルームでは、本格的なアナル調教が始まってます。

妻は、直径1cm、長さ50cmのアナル真珠を、呑み込っでます。前には、太いバイブが、そして、腹には自分の排泄物が・・・・。

タカが、クリトリスを愛撫しながら、腹の排泄物を塗り延ばします。

妻  「ああああーん、嫌よ、嫌、タカさん、汚いわ・・・く、臭いー、けど、変な気持ちー」

妻が、クリ責めと糞臭で、絶頂を迎える時、杉山がアナル真珠を、一気に引き抜きます。

妻  「あーーー、うううーん」と身体中を痙攣させながら、白目をむきます。

DVDが、終了です。

満足のいく画像でした。次回が楽しみです。
  1. 2014/10/29(水) 08:15:31|
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序破急 - 序の1

柚布子は重盛に肩を抱かれていた。 重盛の吐息が右の頬に当たり迫ってっくるのを感じ取っていた。 重盛の唇は柚布子の唇を目指しているのは間違いない。 重盛に肩を抱かれているというか抑えられている状態では逃げ場はない。
「だめ」
柚布子はそう言っておもいきり顔を左に向けた。 重盛の唇は深追いはせずに柚布子の右耳へと転進して囁いた。
「どうして、いいだろう?」
重盛の吐息が柚布子の右耳にかかり首筋が熱く感じ易くなっていった。 その首筋に重盛は唇を着地させ軽く吸った。
「はぁっ」
微かに柚布子は声を洩らしてしまった。
「だめ、いけないわ」
柚布子の声には耳を貸さず重盛は唇を上下させ髪の香りとも肌の香りともつかね女の香りを吸い込んで「この女を絶対ものしてやる」と心で呟いた。

柚布子の肩に回した手を肩から脇へと下ろし、ブラウスの上からだが胸の隆起を掌に収めようとしていた。 柚布子は肘でそれを食い止めようとすると重盛の唇の進行を重盛の上体を押さえて防いでいた手を引かざるを得ない。 柚布子は唇の進行を食い止めることにした。
重盛は柚布子の左胸をまさに掌中に収めていた。
「お願い、やめて、だめっ」
柚布子は依然として拒否の意思表示をしている。
「どうして、もういいだろう?」
重盛は左の掌をゆっくり動かしはじめると同時に首筋を少し強く吸った。
「あ~、だめ、やめて、重盛さん」
柚布子の意思とは裏腹に重盛の左手の指は柚布子のブラウスの上からでも乳首が堅くなってきたのを検知し、人差し指と中指の間に挟んで揉みはじめていた。 もはや唇を奪うのは時間の問題と重盛は思った。

柚布子は重盛と会う時はビジネススーツが多いが、この日は重盛の会社ではないので普段会社に着ていくシフォンスカートを履いていた。 その薄手の生地は重盛の残った手の進入を容易に許してしまっていた。 柚布子は腿を固く閉ざしてはいるが奥に重盛の手が届くのは時間の問題である。 重盛は固く閉ざした腿に指を這わせて、奥にいくほどストッキング越に湿り気を感じ取っていた。

重盛の指が奥に到達して敏感な部分に触れたと同時に柚布子は公園のベンチから立ち上がった。


夕闇が臨海地区の公園をすっかり覆い、そこかしこのベンチにはカップルが腰を下ろし語らうもの、あるいは頭のシルエットが重なっているカップルも出始めていました。 それらのカップルの中に中務柚布子(31歳)と重盛浩太(34歳)の姿があった。 歳の頃も同じでどこにでもある仕事帰りのカプルに見えた。
そして、このカップルの為の公園に連れのない男が柚布子たちの方を歩道橋の階段の踊り場から凝視している。 中務英生(36歳)、柚布子の夫である。

英生からは二人はベンチに座って重盛が柚布子の肩を抱いて耳元で何か囁いているように見えた。 そして柚布子が立ち上がり、新交通システムの駅に向かって歩きだし、重盛もそれを追っていた。 英生も離れてその後を追った。 地下鉄に乗る時に柚布子と重盛はそれぞれの自宅方面の路線へと分かれて行った。 英生はそれを見届けるとどこか一杯ひっかける場所を探した。 柚布子には付き合いで飲んで帰ると電話をするつもりだった。 妻と重盛の光景をみて素面では妻の顔が見れないかも知れないと思ったからである。
  1. 2014/10/31(金) 22:16:33|
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序破急 - 序の2

柚布子はとある機器会社の営業支援課でいわゆる販売の為の機器の技術的なサポートと納品までの全てを行っている部署である。 その会社の営業は御用聞きみたいなもので契約書と請求書の処理だけしていれば給料が貰えるので、営業支援課が納品を仕切っていると言ってもいい。


もともと柚布子はその会社の子会社からの転属であった。 柚布子は理工系の大学を出ていることもあり、子会社ではファームウェアサポートを担当していた。 数年前の不況で子会社を整理することになったが、サポート部門は残さざるを得ないので柚布子は親会社に引き取られたのである。

夫の英生とは子会社時代の先輩、後輩の中である。 英生は開発部にいて日本独自仕様への変更を行っていた。従って、サポート部門は開発部門に技術的な問い合わせを頻繁に行うので親しくなり、付き合うようになって結婚した。 会社では旧姓で通すのが常識になっていて、給与明細等の人事労務関係以外は全て旧姓を使用していた。 親会社へ転属した時に夫の姓にしても良かったのだが、E-mail は親会社のドメインを使用していた為、そのまま旧姓を使う方が業務上都合が良かった。

一方、英生の開発部門は競合する会社に売却されてしまい、柚布子とは別の会社に勤めるしかなかった。 さらに競合会社と言っても受注残が柚布子の会社より多かったので子会社整理の風が吹くのが数年遅かっただけであった。
結局、また会社を変え今では派遣でとあるSI会社のデリバリー部門にエンジニアとして働いている。そのSI会社では以前の親会社、つまり柚布子の会社の製品も扱っているので英生にとってはうってつけであった。

英生が派遣されているSI会社担当の新しいアカウントマネジャーが柚布子であった。 柚布子と英生が夫婦であることを知るものはそこには居ない。


重盛浩太はSI会社の製品企画部の中核社員である。 取引先から製品を購入し、システムとして組み上げ販売している。 どこの会社も全面禁煙で、重盛の会社も地下駐車場の外れと屋上の緑地の陰が喫煙所となっていた。 雨が降らない限りは重盛は屋上の喫煙所を使用している。

「重盛さん、午後は臨海地区の展示場でのエキスポに行くんですよね?」
喫煙しながら部下から尋ねられた。
「ああ、行くよ」
「購買部の小宮山さんも昨日行って、取引先の生田さんとお茶デートしたらしいですよ」
「ああ、知ってる。」
「なんか、スカートも仕事で来る時と違って短めで、ブラウスも色っぽかったらしいですよ」
「あいつの大げさな表現だよ、そんなわけねぇ~だろ、バーカ。営業だよ、営業でお茶しただけに決まってんだろ」
「そっすか、重盛さん先越されましたね」
「バーカ、なにくだらねぇ~とこ行ってんだよ」
重盛と部下は煙草の火を消すと屋上から降りていった。 喫煙所は生垣で2つに区切られていて、もうひとつの喫煙所には英生が煙草を吸わずに生垣越に重盛の会話を聞いていた。 そして、妻の昨日の出掛ける時の服装を思い出していた。 取引先の生田とは柚布子の旧姓である。

柚布子の会社も展示会に製品を出品していて、期間中は柚布子も応援に行っているのである。
  1. 2014/10/31(金) 22:17:30|
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序破急 - 序の3 兆候

英生はたいして酒を煽れずに一時間ほどで飲み屋を後にして自宅へ帰った。 自宅には当然、柚布子が先に帰宅している。
「あら、お帰りなさい、早かったのね」
いつもと変わらない妻の声がして英生はほっとした。
「あまり、盛り上がらなかったんですぐにお開きになったんだ」
「そうなの、でも飲んで来るって言ったから何も用意してないわよ」
「うん、いいんだ、ちゃんと食べてきたから」
「そう」
いつもの他愛のない会話である。

「ところで、展示会の方はどうなの?」
英生は展示会のことに話を振った。
「結構、来場者多くて混んでたケド、ほとんど冷やかしの客ばかり、不況だから」
「そ~なんだ」
「お得意先とかも来たんでしょ?」
「来たとは思うんだけど、バタバタして挨拶も出来てないわ」
柚布子は親会社に転属してから営業と一緒に出歩くようになっていたので営業トークが上手くなっていた。 自分でも夫の追及を流してしまったことに驚いていた。
「うちの、小宮山とか重盛も来たんじゃないの?」
「来場者記録まだ見てないからわからないけど、招待状出したから来てると思うわ」
「ふ~ん、そ~なんだ・・」
妻は明らかに嘘をついている。 隠すことでもないのに隠されて、 英生の胸の中を取り残された感の風がよぎった。 しかし、そこは夫婦、柚布子は風を読み取った。
「ねぇ、まだビール飲める? 私も飲みたいから」
「ああ、飲めるよ」
「何か作るね、その間にお風呂入っちゃって」

二人はソファーに並んで缶ビールを飲みながらテレビの映画を観ていた。 しかし、映画の中身はどうでもよかった。 夫に寄りかかる柚布子は今日の重盛とのことを思い出していた。 そして英生もまた、今日の公園での妻と重盛の様子を思い出していた。

英生は柚布子の左肩に手を回していた。 その手を脇の下へ伸ばし、胸へと運んだ。 そして、掌全体で胸を揉みはじめていた。 スウェットのトレーナーの上からでもブラジャーに包まれた乳首の勃起がはっきりと分かった。 英生は柚布子の右の耳たぶを甘噛みした後舌を耳の穴へと尖らせて入れた。
「あ、あ~」
重盛にされた時と同じような状況ではあるが、英生に身体を委ねていることだけは違っていた。 英生は首筋に舌を這わせ、時より強く接吻した。
「ん、うん、あん」
柚布子の艶かしい声が漏れはじめていた。 英生は胸を揉んでいた手をトレーナーの裾から中へ滑りこませると胸まで引き上げブラジャーを上にずらし、左の乳房を露にさせたかと思うとトレーナで再びその膨よかな胸を覆った。 そして、トレーナーの上から乳首を探し当てて指で弄んだ。 その行為が柚布子には重盛との行為を思い起こさせていた。
「あん、は~、んっ」
柚布子は一瞬、夫と重盛を頭の中で入れ替えていた。 そして公園では必死に防いでいた唇を自ら英生の唇を求めて、濃厚な接吻を始め、互いの舌を絡め合わせ吸い合った。 公園では堅く閉ざしていた腿も今は何とかして欲しいといった体で開いていた。 英生は勝って知ったる距離感で、舌を絡ませながらでもスカートを捲り下着の中に指を滑り込ませた。 そこはすっかり潤んでいた。
「あ、う、ううん」
柚布子の声は淫らさに変わっていった。

英生は右手で股間を弄りながら、トレーナーとブラジャーを片手で捲くりあげようとするが片手ではぎこちない。 柚布子は唇を離すと、自分でトレーナーとブラジャーを取り、英生の唇に再び吸い付いて舌を絡めてきた。 英生は暫くは柚布子のしたいように舌を絡めていたが、唇を離すと右の乳首に吸い付いて舌で乳首を愛撫した。 時には赤子のように吸い付き、時には軽く甘噛みした。 その度に柚布子は淫らなため息を洩らしていた。

英生は右手の掌に柚布子の愛液が流れるのを感じていた。 「今日は随分と早く濡れているな」と思った。 柚布子の脳にはサブリミナルのように重盛が浮かび上がっていたのを英生は知る由もない。
「むこう、行こうか」
英生が寝室の方を顎でしゃくると、柚布子は頷いて、ソファーから立ち上がってスカートを取るとパンティだけの姿になって寝室へと向かった。
  1. 2014/10/31(金) 22:18:30|
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序破急 - 序の4 営み

柚布子は自分がいつもより濡れていることを自覚していた。 目を閉じて舌を絡めている時も瞼の内側には重盛の陰影が映っていた。 絡めていた舌は柚布子の舌を離れると柚布子の唇をなぞり始める。 その舌を柚布子の舌が追いかける。 何週か舌の追いかけっこ終わると、舌は顎から喉、胸へと尖らせてまま移動した。 口を塞がれていた柚布子は舌が移動すると、喘ぎ声を洩らし始めた。 「あ~、重盛さん」 思わず口から声が出てしまったと思い慌てて口を手で覆って目を開けると、夫の英生が左の乳首に取り付いて強く吸い上げていた。

英生はいつも柚布子にしているように右の乳房を揉みしだきながら、左の乳首を舌で愛撫していた。「いつもより、声出ているな」と思いながら妻の柚布子を見ると口を手で押さえながら喘いでいた。 そんな柚布子を見るのは結婚前に付き合い始めた頃以来だ。 そんな妻を英生は嫌いじゃないと思った。 英生は両方の乳首の愛撫を終わると、脇へと舌を進めた。 脇は柚布子の性感帯のひとつであることを夫婦になってから探し当てたのだ。 左の脇腹から脇の下へと舌を舐め上げるのと同時に右の脇は同様に掌で撫で上げるのである。 その動きに合わせるように柚布子は仰け反って背中を浮かせるのである。 反った胸は小ぶりの乳房ではあるが乳房の上にピンと乳首が立っている。 それを英生は片方を指で揉んで、もう一方を口に含んで甘噛みするのである。 そうすると柚布子は「あ、あ~ん」と淫らな声を上げるのである。

柚布子の脚は膝を立てたり伸ばしたり、開いたり閉じたりしてその付け根を何とかして欲しいと訴えていた。 英生の舌は臍から舌へと移動して柚布子の脚の付け根に到達するところである。 結婚前、柚布子は無駄毛の処理をしていた。 特に下のヘアーはパンティーからはみ出ないように剃っていた。 英生はその剃り痕に失望していたので結婚後は下のヘアーは剃らせなかった。 逆に脇の下はきっちり処理しているのを好んだ。 今、英生の舌はそのへアーを覆っている淡いブルーのビキニ・パンティーの淵をなぞっている。 僅かにパンティーからヘアーがはみ出している光景がたまらなくなく英生は好きなのである。 しかもクロッチ以外の生地は透けていてレース模様の間からヘアーが透けているのが英生にとってはなんとも言えないないのである。

英生も好きだが、柚布子もこの下着を勝負下着的にしているのを知っていた。 「これを付けて重盛と・・・」 そんな思いがふと英生の頭を過ぎった。 勿論、英生が入浴している間に柚布子が履き替えたものだ。
英生が下着の両方の腰辺りに手を入れるのと同時に柚布子が腰を浮かすと、英生は下着をお尻から脱がして膝まで下げると柚布子は両方の脚を器用に動かしながら脚から外した。 そして自ら脚を大きく開いてその間に英生を誘った。
逆三角形に見事に生えた茂みは陰核を覆い、大陰唇へと続いていた。 その大陰唇の茂みの間から小陰唇のピンクの襞が見えていた。 襞には既に薄っすらと愛液が光っていた。 英生は処理していない茂みに唇を細めて息を吹きかけると、茂みがそよいで陰核が顔を出す。 すると「あ、あっ」と柚布子は声を洩らした。

英生は人差し指と薬指で柚布子の大陰唇の茂みを上下に撫でてから小陰唇の内側へ指を移動させ、襞を開き中指を伸ばした。 充分濡れているとは言っても膣口はまだ狭い。 中指がやっと入るくらいに絞まっている。 英生は指を徐徐に奥に入れていく。 柚布子細かい喘ぎ声を連発させていた。
英生は柚布子の脚の間から一旦外に出ると右手の人差し指と中指を膣口からゆっくり挿し入れると同時に腹から上えとキスマークを付けるように接吻をしていき、三度柚布子と舌を絡めた。 英生の右手は膣襞のザラッとして部分を二本の指で激しく擦るのと同時に親指で陰核を押しつぶすように押さえた。
舌を絡めていた柚布子は快感に舌を絡めてはいられなくなり、口を英生をから逸らすと「あ、あ~、あ~ん」と叫んで、英生にしがみついた。 "プチ逝き"と英生は名付けていた。

夫婦の呼吸とは不思議なものである。 英生と柚布子はどちらに促されるということもなく上体を入れ替えた。 柚布子は軽く英生と舌を絡めると英生がしたことと同じように舌を英生の乳首まで運ぶと両方の乳首を舌で愛撫した。 女のように喘ぐことはないが気持ちいいと英生は思っていた。
柚布子は一気に下腹部へと舌を進め英生のトランクスを脱がした。 茂みを掻き分け英生の男根のカリから下を上下に扱いた。 柚布子の指が英生の男根を昆虫の足のような動きで絡むのを見ているのがとても好きであった。 ましてや柚布子は今年になってからネイルに凝っているから、その爪でカリを刺激されると英生は我慢汁を洩らしてしまうのである。 主婦でありながらネイルに凝るなんてろくに料理も出来ないに違いないと言う人もいるが、この光景を失うくらいなら料理なんて俺がやるとまで思っている。
 
柚布子は我慢汁を亀頭全体に塗りたくると男根を口に含んで吸いならが口でしごいた。 英生と結婚して二人でAVを見ながら会得したものである。 柚布子はそうすると英生が悦ぶことを知っていた。 しばらく英生の男根をしゃぶったり扱いたりして充分に男根が硬直しているのを確認すると柚布子は枕元に手を伸ばし、コンドームを手に取り袋を破ると中身を取り出し、男根に被せた。 この瞬間男子ならだれでもそうであるが、英生も少し醒めるのであるが、幸いにも柚布子のネイルの指がゴムを被せる仕草は卑猥だと感じて硬直を保っていられるのである。
  1. 2014/10/31(金) 22:19:16|
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序破急 - 序の5 営み

柚布子はベッドに仰向けに寝ると、脚を開いて目を閉じた。 ベッドの揺れが開いた脚の間に誰かが進んでくるのを知らせている。 柚布子は「あ~ん」と淫らな吐息を漏らしてその者に全ての自由を捧げる合図を送っているように見えた。

英生は柚布子の股間に腰を進めると男根を片手で握りその男根で柚布子の小陰唇を僅かに割り上下させた。
「あ、あ~ん」
柚布子の声が漏れる。英夫には薄いゴムを隔てても充分濡れているのが分かった。 英夫は男根のカリで柚布子の陰核を擦った。
「あ、いや~」
柚布子は腰をくねらせて挿入を催促しているようだった。 英夫は亀頭を小陰唇を割って膣口に押し入れた。
「あ、あ~ん」
柚布子の声は更に淫らさを増してきた。 英夫は亀頭がすっぽり隠れるくらいのところで止めると、そこで小さいストロークで擦り始めた。
「あ、あ、うん」
柚布子は喘ぎながら上体を少し起して手を延ばして英夫の腰を掴みにきた。 それは焦らさないで一気に奥まで入れて欲しいという合図なのだ。 英夫はその手を取ると、互いの掌を合わせて指を交互に交差させるように手をつないで、腰をゆっくり押し進めた。
「あん、あ、あ~」
由布子は背中を浮かせるように仰け反って英夫の男根を膣全体で感じていた。 英夫は柚布子に覆いかぶさると激しく舌を絡めた。

英夫は柚布子の尻を少し持ち上げるようにしてさらに密着度を上げると、亀頭の先が子宮口へ触れた。 その瞬間、柚布子の腰が引けた。 「まだ、早かったか」英夫はそう思いゆっくり腰を動かし始めた。 子供を産んでいない柚布子の子宮口はそれほど開発されていなかった。 むやみに触ると快感より痛みを感じた。 挿入初期段階で、その痛みが子宮全体を支配する快感になるほど経験はなかった。 英夫も痛がるものを無理やり感化させることはしていなかった。 挿入を続けて柚布子が高まって、逝くようになると痛みが和らぐのであった。 この開発の遅れが、いつか夫婦の危機になるとは思ってもいなかった。 結婚して5年も経つのに自らの男根で子宮口の快感を憶えさせなかったのが英夫の最大の落ち度であった。

柚布子は膣の中に挿入されたものの律動に合わせて喘ぎ声を上げていた。 前戯の時は瞼の重盛に高まっていたが今は英夫を完全に重盛に置き換えて喘いでいた。
「あん、重盛さん」「あ、来て」「重盛さん」言葉では単一の言葉を発しているが脳ではそのように叫んでいた。 そうすることにより一層高まるのを既に前戯の時に知っていた。
柚布子は喘ぎの中で違う男と契っていた。 やがて、下腹部に麻痺するような熱さがやってくるのを感じていた。

英夫は柚布子を突きながら覆いかぶさり柚布子の表情を魅入っていた。 「こんなに艶っぽいのは初めてだ」そう思いながら、唇が喘ぎの合間に違う動きをしているのに気が付いた。
「シ」「ゲ」「モ」確かにそのように動いたと思った。 英夫の中にムラムラと嫉妬心が湧き、いつもより高まってきたのを感じて、息が荒くなった。

「柚布子は重盛に抱かれたのか、抱かれているのか」そう思うと喘いでいる柚布子が重盛に抱かれている柚布子に見えて来た。
「柚布子、あー」
英夫は膣を突きながら両手で胸を荒々しく揉みしだいた。
「あ、あーん」
重盛に胸を揉みしだかれた由布子は悲鳴を上げた。 と英夫は錯覚すると肛門から内股にかけて自立神経が高まってきているのを感じた。
「あ、あ、柚布子、逝く」
「う~ん、いくぅ、逝って~」
同じ幅のストロークなのに時たま子宮口に当たるようになり、その瞬間柚布子が眉をしかめた。 英夫は子宮が下がって来たのを感じていた。
「柚布子、あっ、あっ」
「あ、あ~ん、あなた~」
柚布子は背中を浮かせ仰け反り、膣の中で英夫の男根が脈打つように動いているのを感じていた。 背中をベッドに落とすと呼吸の度に胸が上下し生き物のように乳房が揺れていた。 その乳房を英夫は揉み両方の乳首を交互に吸った。 そしてそのまま柚布子の上に覆いかぶさった。 すると柚布子は英夫の背中に腕を回し、互いに余韻を楽しむように暫く動かなかった。
  1. 2014/10/31(金) 22:20:36|
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序破急 - 序の6 奸風

「ねぇ、ねぇってば、もう」
柚布子は英生の背中に回していた腕を胸板に当てて押しのけようとしていた。
「漏れちゃうってば」
英生は柚布子からティッシュボックスを受け取ると促されて柚布子の身体から離れた。 離れる時にティッスボックスからティッシュを2、3枚取り出し由布子の股間に当てた。 柚布子の膣から萎縮した男根が避妊具とは別に引き抜かれた。 英生は避妊具から精液が漏れないようにティッシュで押さえて避妊具を処理した。 そしてティッシュを更に2,3枚取ると柚布子の性器を綺麗に拭き取った。
いつもの夫婦の営みであった。

英生が避妊具の始末をしてベッドに戻り、横になるのと同時に柚布子が英生の腕を取って腕枕にした。 普段ならここで毛布を掛けて寝てしまうのであるが、この日はまだ興奮していた。

「今日、よかったわ」
「おまえも、いつもより燃えてたじゃないか」
英生は腕枕にされている腕の上腕をまげ、柚布子の髪を撫ではじめた。 そして疑問をぶつけたくなった。
「女って、あの最中に違う男のこと考えるって言うけど、ほんと?」
「男の人って、自分の妻が他人に犯されてるところを見たがるってほんと?」
柚布子は負けず嫌いではないが、営業と一緒に得意先を廻るうちに、相手の言うことに対抗する癖が付きはじめていた。 図星だったのでそれを隠す為に対抗することを言ったのであった。 それは会社の化粧室で既婚女性社員達が話していた井戸端話を聞いていたからであった。 柚布子は言ってしまった後に、言った自分に驚いていた。

「・・・・」
「ねぇ、そうなの?」
最近の夫婦の会話では立場が逆転することがよくある。 それは英生がリストラされてから顕著になってきていた。 年収こそまだ英生が上ではあるが正社員と派遣社員の格の違いを知っている二人であるからこそであろう。

「・・・・」
「そ~なんだ」
英生の腕に抱かれながら柚布子は上目使いで英生の表情を見た。 英生は天井を見つめながら髪を撫でていた指を耳たぶに持っていき暫く弄った後に中指を柚布子の耳の穴の周りをなぞったり少し突いたりし始めた。 これは英生のやりたいといういつもの合図であった。 柚布子は英生の男根に手を伸ばすとカリの辺りを握った。 すると掌の中で握ったものが膨張するのを感じていた。

「ごめんなさい」
柚布子は少し責めすぎたと思った。 確かに英生の問いに対する柚布子の反撃は飛躍し過ぎていた。

「何が?」
「少し言い過ぎたわ」
「うん? うん」
「ごめんなさい」
「いいよ、もう」
「うん、でも、女ってそういうこともあるかも」
「・・・・」
「一般的に、ね?」
「そっかぁ~ で、柚布子もさっき?」
「・・・」
英生は柚布子の耳の穴を小指で弄り始めると同時に、もう片方の手で乳首を弄りはじめていた。
「誰のこと考えて? 重盛か?」

柚布子は軽く頷いた、その瞬間に弄っていた乳首が急に硬くなったのを英生は感じていた。 英生は乳首だけではなく乳房全体も揉み始めていた。

「なぜ? 何かあったのか? もしや」
柚布子は大きく首を振った。 そして、公園であったことを英生に告白したのであった。
「キスされたのか?」
柚布子は首を振った。 英生は柚布子にキスをした。 初めて柚布子とした時のような唇を重ねて吸うだけのキスをした。 すると柚布子が堪らず舌を入れて来た。 直ぐに英生は唇を離した。
「重盛とキスする時は柚布子から舌いれるんだ」
「意地悪・・・」
柚布子は英生の舌を求め絡めてきた。

「胸は? 触られたの? 乳首も?」
柚布子は小さく頷いた。
「でも、服の上からよ」
柚布子は赦しを請うような甘えた声で弁解した。
「服の上からでも、重盛にここを固くされたんだな?」
柚布子は頷くしかなかった。 その瞬間、柚布子の掌の男根がピクリと動きさらに膨張しようとしていた。

キスはされていなかった。 仮定の話で柚布子が舌を入れたかも知れないという英生の妄想だが乳首はちがう。 たとえ、服の上からだとしてもやられたという思いが募った。

「おまえ、こんな風にされて、固くなったのか?」
英生は乳首を強く摘んだ。
「あん、あなた~、いたい」
柚布子は英生の行動に少しばかり動揺した。 英生が乳首を強く抓ったことなどなかったからである。 柚布子は強く首を振った。

英生は手を胸から股間へと移動させた。 もう片方の手は柚布子が逃げないように肩をしっかり抱いていた。 柚布子は動けなかった。 そして英生が柚布子の性器を指でなぞり始めた。
「ここも、こうされたんだろ?」
「・・・」
柚布子に邪(ヨコシマ)な風が吹いた。 夫を煽ってみようと・・・ 重盛がスカートの中に手を入れ奥に進めた時に柚布子は大事な部分を触られないようにベンチから立ち上がったのだが、英生の問いには静かに頷いた。 柚布子の勘では柚布子の返答次第で英生の男根がピクリと動くはずであった。 英生は更に強く小陰唇をなぞった。
「こんな風にされたんだろ?」
「う、うん、でも下着の上からだから・・」
「本当にそうなのか? 正直に言っていいだよ、柚布子のせいじゃないんだから」
「御免なさい・・・ 下着の中まで・・・ 手が・・・」
「こんな風にだろう!!」
英生は中指を膣口に差し込んだ。
「ああ~ん」
柚布子は淫らな叫び声を上げた。 果たして、英生の男根は大きく動いた。
「あなた、ごめんなさい、それ以上のことされてないから・・・」
「濡れたのか?」
「・・・・・」

柚布子は身体を起こすと、英生の男根を咥えさらに固くし、枕元の避妊具を被せた。 そして、英生に跨り英生の男根を膣口にあてがい、ゆっくり腰を沈めた。
「あ、ゆうこ・・・」
「あん、あなた~」
柚布子は英生に覆いかぶさり舌を絡めた。 そして互いに吸い合った。

無理やり上になるように言わなければ乗らない内向的な妻が、自ら上になって男根に腰を沈め、更に腰を自ら上下させるとは。 英生の中にも邪な風が吹いた。

「ゆうこ、ほんとうはこんな風にされたかったんだろ?」
上になった柚布子の胸を両手で胸を激しく揉んだ。
「あ、あなた~」
柚布子は首を横に振った。
「ゆうこ、こんな風にされて乳首立って感じたんだろ?」
「あ、いや~ん」
英生も腰を使い始めていた。

「ほら、重盛に揉まれて感じたんだろ?」
「いやん、ちがう~」
喘ぎながらでも柚布子は応えていた。

「重盛の手が揉んでるぞ・・・・」
「だめ~、あなた、そんな」
「重盛に揉まれたいんだろう? こんな風に・・」
「あ、あ、だめ~ 感じちゃう~」
「重盛に揉まれてみろ、揉まれて感じろ、揉まれて来い」
矢継ぎ早に英生は叫ぶと、由布子と身体を入れ替えた。 その時に英生の男根は一旦柚布子から離れた。

柚布子の息が既に荒い。 英生は柚布子の脚を広げ性器をむき出しにさせ、腰を進めた。 そして男根で小陰唇を愛撫しながら;
「こんな風に、されたんだろ?」
「ちがうわ」
「指じゃなくて、重盛のチンポで」
「いじわる、お願い・・・」
「お願い、なんだ?」
「はやくぅ~」
英生は膣口に男根をあてがい、動かない。 柚布子の腰がそれを迎えいれようとするのを、英生は腰を引いたり進めたりして焦らしていた。

「早く、何? ちゃんと言ってごらん」
英生も柚布子も新婚早々、同じようなことをしていたと思い出した。 但し、その時は「英生のチンポ」と言わされていた。 今回は違う。 柚布子も感じていた。 英生が何を言わせたいのか。

「し、しげ」
「言ってごらん、言っていいんだよ」
言わなければ先に進まないのを柚布子は知っていた。ベタな責め方だと互いに思ってはいるが、「バッカじゃないの」と言ってしらけさせる仲でもない。 柚布子は覚悟を決めた。
「重盛さんのチンポ」
「ちゃんと、言って!!」

「重盛さんのチンポ入れて~」
「重盛に犯されたいんだな? よ~し」
英生は腰を進めた。柚布子は歓喜の声をあげ、英生の腰の動きに合わせて喘ぎ始めた。

「あ、ゆう、こ、あ~、重盛のチンポ入れられてみろ・・・重盛のチンポで感じろ・・・」
英生は腰を動かしながら、震える声でそう呟いていた。
「あ、あ~、ゆうこ、逝く」
「あなた、私も、逝くぅ~」
「あ、ゆ~こ~、あっ、あ~」
英生は腰を強く押し付け精液を搾り出した。 そして、柚布子の膣から男根を引き抜いた。 膣口から離れる瞬間、男根は興奮状態にまだあったので小陰唇から陰核をなぞることになった、 その時柚布子小さな声を上げた。
英生は急いで避妊具を外し、ティッシュで拭くと柚布子の膣に再び挿入した。

「あなた、だめぇ~」
柚布子は叫んで、腰を引こうとした。 だが、英生は腰をしっかり押さえていた。
「大丈夫、もう出ないから」
英生は興奮から醒めない男根を通して柚布子の膣の肉襞もまだ興奮しているのを感じ取っていた。 だが、それは急激に鈍くなった。 萎縮してきたのだ。

柚布子の膣はここ半年精液を浴びていない。 夫がリストラされてから、将来の不安が先行し、子作りする気になれないのであった。 柚布子が棚ぼたとはいえ、アカウントマネジャーになって仕事が充実してきたせいもある。 だからと言って避妊しなくてもいい日もあったが、避妊具を付けるのが習慣になっていた。

英生は柚布子から離れると、ティッシュで柚布子の性器を綺麗にして電気を消して毛布を二人に掛けた。 柚布子は英生の腕枕で眠りに就いた。
「今度、何時、重盛にオマンコ触らせるの?」
柚布子は眠りに落ちながら「まだ、プレイしてる・・・」と思いながら
「明々後日・・・」
柚布子は深い眠りに落ちて行った。 英生も柚布子のおでこにキスをして眠りに就いた。


翌朝、二人は一緒に駅へ向かう道を歩いていた。 英生が派遣で働くようになってから通勤時間が異なる為、英生が先にゴミ出しをして出て行くのが日課だった。
この朝、柚布子は英生からごみ袋を取るとマンションのゴミ捨て場に置き、英生の腕を掴んで歩き始めた。

英生は新婚時代を思い出していた。 昨晩のことが二人を活性化させたのであった。
  1. 2014/11/01(土) 08:46:58|
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序破急 - 序の7 そもそもの始まり

『前回までのあらすじ;
中務英生(36)、柚布子(31)夫婦は機器関連会社で社内結婚し共働きをしていたが、夫はリストラされ、とあるSI会社へ派遣でエンジニアとして働いている。 一方、妻はリストラを逃れ親会社の営業支援課に転籍した。 柚布子はアカウントマネジャーに昇格し、偶然にも夫が派遣されている会社の担当となった。 SI会社の製品企画部の重盛浩太(34)が窓口となることが多く、次第に柚布子と親しくなっていく。 それをネタに夫婦の営みは活性化したのだが・・・・』

その前段のエピソード(まだ序の段)

「だから、お前はあのときそう言ったろう!!」
「・・・・」
「寝ぼけたこと言ってんじゃないよ!! 貴様、何様だ!!」
「・・・・」
「仕事はちゃんと、やれ!! 子供の使いじゃないだろう!!」
「だから、それは前からダメだと言ってるだろ!! いい加減」にしろ!!」

末永は憂鬱な気分で打ち合わせ台で他の出入り業者が怒鳴られているのを聞いていた。 約二ヶ月前には更にひどい罵声を末永は満座の前で浴びせられていた。
ここは、とあるSI会社の製品企画部の席のある大きな事務室で、他の部門もその様子を見てないフリして聞いている。

机を叩いて怒鳴っていたのは執行取締役製品企画部部長の山田である。 山田は悪い人間ではない。 中堅社員になって怒鳴る役を押し付けられて今に至っている。 普通なら分の悪い役を押し付けられた者はいつの間にか主流から外されていくものだが、運良く山田は残っていた。 それに権限が付いてくるとただの怒鳴り役ではなくなってくる。

山田は出入りの業者を退散させると末永の方をチラッと見た。 そして、自席に戻ると
「エミちゃん、応接どこ?」
「第2応接ですけど」
事務員の橋爪恵美は答えた。
「じゃあ、購買のコミィーにテレしちゃって、応接入るって」

「お~い、こ~た、行くぞ」
山田は重盛浩太に声を掛けると事務室を出て応接に向かった。 重盛は末永と磯貝を手で案内するよに促して山田の後を追った。

今日は手打ち式の日であった。
末永はある機器会社の営業部長、磯貝は営業部員である。 ある機器会社とは中務柚布子の勤める会社である。 この日は二ヶ月前に柚布子の前任のマネジャーがミスをし、柚布子の会社は出入り禁止になっていた。 出入り禁止になったのは勿論山田の一言であった。 今のご時世に出入り禁止などあるのかと言えば、この会社にも無いのである。 たまたま柚布子の会社に発注する案件が無いので製品企画部に出入りが無いだけで会社として出入り禁止にしているわけではない。

ミスをして迷惑を掛けた都合上、禊として出入り禁止という用語を利用しているだけである。 ここに来て柚布子の会社に発注する案件が出て来てしまった為、山田の上げた手を下ろす儀式にすぎないのであった。

応接室の前に来ると、山田は既に入っており、重盛が応接の中を覗いて末永達に外で待つように伝えた。 ほどなく購買部のコミィーこと小宮山がやってくると、重盛は応接に入っていった。
今日の手打ち式は購買部の小宮山の仕切りであった。

末永と磯貝は小宮山の案内で応接室に通された。
冒頭、末永の前回のミスの謝罪と重盛のその後の対応で大変だった事などの話になり、更に謝罪の言葉を末永は並べることしか出来なかった。

山田はまだ一言も発していない。
小宮山は流れを変えるべく、自分の課の女性が来週から産休に入る話題をした。 彼女の夫は山田の部に在籍している。言わずと知れた社内結婚であった。 すると山田が口を開いた。
「女はさ~、いきなり、ぷぅ~ってお腹膨らんじゃうから戦力として計算出来ないんだよなぁ」
更に山田は続けた。
「社内調達なら確実に自然減1だからな」
末永は他人事だが冷や汗が出てきた。
 
山田が口を開いたとこで、小宮山が次の案件は末永の会社に発注することの了承を山田に求めた。
「あの、ぼんくらマネジャーはもう顔出さないだろうな」
山田が少しキツイ口調で言った。

「はい、もう顔を出させませんので・・・」
「で、今度は誰がなるんだい。 他に居ないだろ、まともなのは・・・」
末永の答えに間を置かずに言い放つ山田。

「○○○システム担当でアシスタントマネジャーをしていて評判のよい者を今度・・・」
○○○システムと聞いて山田は身を乗り出した。 それは山田達にとってはライバルに当る同業者の会社であるからだ。 そこで評判の良かったアシスタントと言ってもマネジャーを引き抜くのだから悪い話ではない。

同業者の名を聞くと外注苛めを簡単に止める山田ではない。
「評判がいいのは腕じゃなくて女だからじゃねぇ~のか?」
「・・・・」
末永は直ぐには言葉を返せなかった。 山田もまた否定されると思ったが当ってしまって驚いていた。

「おんな、かよ~。 まさか結婚してるんじゃ・・・」
山田はさらに続けた。
「おまえ、独身ならうちの社員の嫁になれるけど、結婚してるんじゃ、直ぐに腹ふくらんじゃうぞ?」

「こ~た、お前も独身だから、そのマネジャー嫁にもらってやれ」
これがセクハラ、パワハラになるかは分からないが山田特有の外注苛めである。

「ぶ、部長、そんなまだなんにも聞いていないじゃないですかぁ」
重盛が諌めるように言った。
「ま、そうだ。 で、歳は?」
「30ちょっと過ぎです。 独身男性以上に良く働く女性です。」
ようやく末永は発言することが出来た。

「で、独身か」
山田の質問に間髪置かずに答えなければならないと末永は思った。 口には出さずに頷いた。 これがこの物語のはじまりである。
磯貝は下を向いたまま、また仕出かして出入り禁止になるなと確信した。

「よかったなぁ~、こ~た。嫁が出来るぞ」
山田は高笑いをしていた。 末永は本人がスケジュールの都合で居なかったことに救われた。

小宮山は山田の上げた手が降りたと判断し、この場を締めることにした。
「それでは、このへんで、続きは弥勒亭で7時から。 その時には新任さんも来られるのですよね?」
「はい、来させます。」
弥勒亭とは山田が良く利用する店でそこで本当の手打ち式の接待が行われるのである。
  1. 2014/11/01(土) 08:48:47|
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序破急 - 序の8 生贄の朝

英生が台所のゴミ袋を持って玄関に向かおうとすると寝室の柚布子の姿が見えた。 白の上下の下着姿のまま箪笥の扉を開いて悩んでいた。
「どうした?」
英生が廊下から声を掛けた。

「今日、貴方のところの手打ち式でしょう? 何着ていこうかな?って」
柚布子は何着か出してはまた戻した。
「初めてでしょう? あんまり大人しいのでもどうかな?って。 それに、その前に○○○システムの打ち合わせも残っているから・・・・ どうしようかな?」

「手打ち式は何時?」
英生が聞いた。 相手の山田部長や担当の重盛についてはどういう感じの人かを妻に伝えていたが、英生は手打ち式の詳しいことをそういえば聞いていなかった。
「3時にアポ取ってあるらしいんだけど、その時間は○○○システムにまだ居るから私は行けないの。 夜の7時から弥勒亭っていうところ、そっちには顔を出すわ。 だから夕飯チンして食べてね。」
「うん、分かった。 手打ち式の方が大事だから、そっちに合わせなよ」
「そーねぇ・・・」

英生は廊下にゴミ袋を置くと寝室に入り箪笥の中から一着のスーツを取り出した。
それは英生のお気に入りの濃いグレーの下地にペンシルストライプの縞柄のスーツである。 スカートはミニではないが座った時には腿がかなり見える。 更にスリットとまでとは行かないが両方の腿にあたる部分に切れ込みがあるものだった。 スカートの切れ込みを除けばごく普通のビジネススーツである。

英生は格好いい妻を自慢したかった。 派遣社員として見下げられているが、こんな格好いい妻がいるんだと。
「ちょっと、派手じゃない?」
「夜の店は暗いから、こういうのが丁度いいかも」
「そっか・・・」

「下着も合わせたら?」
「これで、大丈夫よ」
「あれがいいよぉ」
英生はまたお気に入りの下着を指定した。 それは白を基調とした上下で、パンティーはビキニで灰色の柄が側面にあり、正面はやや透けてる感じで黒のレース調の縁取りのあるものであった。 履いたなら、濃い柚布子のヘアーが薄っすら透けて更にはみ出しそうである。 ブラも同じ柄でカップは浅めで何故か乳首がある辺りには柄が無いのである。
「貴方、こういうの好きねぇ、人が見たら何て言うかしら」
「下着は見える訳じゃないから、楽しもうよ・・」
英生の密かな楽しみであった。 手打ち式の接待をしている妻の下着を知っているのは英生だけである。 その優越感を英生は味わいたかった。

今日は夫の派遣されている職場に行くのだから夫のいうことに柚布子は従うことにした。
下着を着替える為に柚布子が全裸になると、英生は急にドキドキした。
柚布子が手打ち式の生贄に捧げられるような錯覚を覚えた。

手打ち式、それは手締めのことでシャンシャンシャンと手を打って終りにすることである。 つまり、過去のミスは過去のこととして互いに先に進みましょうといい意味のはずである。 もともとは歌舞伎や相撲等の伝統芸能で使われていた言葉だが、暴力団同士の抗争を収めるのにやはり手打ち式があり、儀式がある。
手打ち式→やくざ→儀式→生贄 悲観的な連想となったのであろう。 当然酒の席だから柚布子の会社のミスの話や柚布子自身も酒の肴になるかも知れない。


英生は柚布子に歩み寄ると、胸と股間に手を伸ばし両方同時に弄った。
「あなた、夕べしたでしょ? だめよ」
「多少、セクハラがあるかも知れない」
英生は不安を口にした。 柚布子はだまって弄られていた。
「そんなことする人達じゃないって、言ってたでしょ?」
「ああ」
「じゃ、どうして?」
「分からない」
英生は本当に分からなくなった。
「だいじょうぶヨ、私一人じゃないんだから」
「そうだよな・・・」
乳首が硬くなっていたが英生は妻から離れた。
「もう、アナタったら」
柚布子は下着を付け始めた。


英生は廊下に戻るとゴミ袋を持って、柚布子が服を着ていくのを眺めていた。 ブラウスを着てスカートを履いてホックを留めて回して整えると妻の綺麗な姿に満足していた。 そして「気をつけて、行って来る」と声を掛けて出掛けていった。

英生はこの日柚布子が帰るまで、もんもんと仕事も手に付かなかった。
  1. 2014/11/01(土) 08:49:56|
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序破急 - 序の9 夫の知らない妻

柚布子は社内の仕事を淡々とこなしていた。 と、言っても相変わらずメールの整理が殆どであった。 この日も制限ぎりぎりの容量のファイル付きメールのおかげでメールボックスはパンク寸前の為、必死にフィルを整理するだけで肝心のメールの内容は読めていなかった。

そんな中、○○○システムから柚布子に電話があった。
「はい、生田でございます。」
「あ、居たー、くぜ(久世)で~す。 ゆ~こぉー、アンタさぁ~、なかなか電話よこさないね。」
「申し訳ありません、久世様。」
「久世様なんて、よそよそしいなぁ、メール見てないの? やっぱ外れるんだ・・」
「いえ、その、一応会社の電話なので、対応は・・・」
柚布子は声を落として答えるのと同時に急いで久世からのメールを探した。

『Hi, Yuko

久世です。

さっき、アンタんとこの課長さんが来て、オマエさんが2ヶ月ほど外れるって言いに来たよ。
マジ?

一昨日の夜、何も言ってなかったよな?

それから、その時紹介した業者、どう?

メール見たら電話よこせよ。』
昨夜久世から送られて来たメール。 会社間のやり取りとは思えない口語調のメールが久世の特徴であった。 柚布子は課長がわざわざ言いに行くとは思っていなかったのでSI会社の担当になったことを話していなかった。 他の会社のことでもあるし、柚布子としても引き続き久世の会社も担当する予定でいた。 柚布子は少し焦った。

「す、すいません、話が急でまだ確定していなかったものですから」
「へぇ~、課長はもう前から決まっていたような口ぶりだったけど?」
「い、いえ、上では決まっていたようですが、正式に決まってはいなかったようなので・・」
「なんだよ、急に丁寧な話方だな。 本当かよ?」
「だから、他の会社の人にも聞こえるから・・」
柚布子はまた声を落として答えた。

「とにかくさぁ、今日、午後来るんだろ?」
「はい、2時半に遊佐様と打ち合わせがありますので」
「あ、遊佐さんね。 そっちはさ、おっさんに任せておけばちゃんよやってくれるから、4、5分も打ち合わせればいいから、ちゃちゃっと済ませて、こっち来てよ」
「はぁ?」

柚布子は久世からのメールをプレビューウィンドウで読んでいた。 スクロールバーで隠れていた所を表示させた。
『それから、明日4時半にキッティングセンターで話あるから

その後、軽く行くか?

今度はもっと格好いい他の業者紹介しようか?

じゃ、

以上、宜しくお願い致します。

○○○システム株式会社
久世 昌哉』
「今夜はちょっと、用事が入っているので・・」
「なんだ、来ないんだ」
「いえ、キッティングセンターには伺います。」
「なんだよ、折角イケメン呼んであげるのに・・・ 一昨日のもイケメンだったろ?」
「・・・・」
「じゃ、4時な、一昨日の結果も聞くからな」
電話は一方的に切れた。
  1. 2014/11/01(土) 08:51:02|
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序破急 - 序の10 夫の知らない妻(2)

都会の風景が一望できる高層ビルの36階。 ○○○システムのオフィスの打ち合わせ室。 扉までがガラス張りで床上約1メートルまでが透明で上は曇りガラス。 同じような大小の部屋が並んでいる。 窓は床から天上までガラスで都会を見下ろす。 柚布子はこういう光景に憧れていた。 一度、夕方まで打ち合わせになった時の景色は見応えのあるものだった。 遠くで花火大会がある時は予約禁止で抽選で各セクションに割り当てられ、普段禁止されているアルコールが許されるらしい。 流石に外資系と柚布子は憧れた。

英生もこの会社へ派遣される引き合いがあったが、英生は断った。 この会社は外資系なので派遣や契約社員が多く、その中から正社員になる人も多かった。 英生は外資系が好きになれなかった。 柚布子は、もし英生がこの会社に派遣されていれば、今頃正社員になって、以前のように夫婦で同じプロジェクトで働いたかも知れないと、ここに来る度に思っていた。

午後3時。 打ち合わせ室で柚布子は遊佐と打ち合わせをしていた。 機器の仕様に関することなので、間違いのないように柚布子は注意深く聞いていたが、遊佐は急いでいた。 何度も柚布子は遊佐の説明を止めた。
柚布子は遊佐がこんなに早く説明するのを始めて見た。 柚布子は遊佐が50歳近いと聞いていた。 正社員ではなくプロジェクトマネジャー専門の契約社員らしい。 今では久世の右腕とも、鞄持ちとも言われている。 久世の言うことに決してノーとは言わないという噂である。 久世とのコンビは遊佐が就いていた正社員のマネジャーが退職した際に辞めるところを久世が拾ったことから始まったらしい。

遊佐は久世とは正反対で無駄口や冗談は一切言わず、必要なことのみ事務的に進めて行く人に柚布子には見えた。 たまに柚布子に仕事上で役に立つことを優しく教えてくれるので柚布子は好感を持っていた。
その遊佐が急いでいた。 柚布子が堪らず聞いた。
「何か私に落ち度がありましたでしょうか?」
「いいえ、全くありません。 時間がないもので、すいません。」
「時間ですか?」
「4時にキッティングセンターですよね? もう出ないと間に合わないですよ。」
遊佐は胃が痛そうに顔を顰めて答えた。

メールでは4時半となっていたが、電話で4時と言われていたのを遊佐は知っているのだ。 流石に久世の右腕と呼ばれる男と柚布子は思った。
「遅れて、代わりに何捻じ込まれるか分かりませんよ。」
と、遊佐は心配そうに続けた。 柚布子も遊佐の言うことを理解出来た。 久世は小さいミスをさせてそれより大きなものを得るようなことを取引先としているのを知っていて、営業的な損害はないが、柚布子もその洗礼を受けたことがあったからだ。

遊佐はキッティングセンターへ向かう由布子を悲しい眼差しで見送った。 時計を見て4時には間に合わないと思った。


キッティングセンター。 それは港の近くの倉庫街にある。 主に輸入したパーツや製品を一つのキットにして梱包し直して国内のユーザーに送る準備をする場所である。 最近ではシステムが小型になり、ユーザーのところで組み立てて試験することが多くなったのでキッティングセンターは消耗品やパーツの倉庫になっていることが多い。 従って常駐している社員は殆どいないが、そこは外資系、設備は本社並みである。

柚布子の会社の製品はここには置いていないので、プロジェクト上の話ではないことで呼び出されているのを柚布子は分かっていた。 久世の暇潰しに付き合うのだ。 だから、遊佐との打ち合わせの時間をそれほど気にはしていなかった。

そもそも、こうなったのは久世が柚布子に他社の扱っている製品のことを調べさせたが調べられなかった。 調査を請けてしまったことを責められ、ここに置いてあるその製品を直に調べさせたのである。 その調査自体もどうでもよくて、結局このキッティングセンターに柚布子をよこさせる口実であった。 そうでもなければ柚布子がここに来る理由などなかったのである。

久世昌哉 35歳、既婚。 柚布子がこのキッティングセンターで久世の暇潰しに付き合うようになって柚布子と同じ大学、同じ学部の出身であることが分かった。 だが、柚布子が入学した時久世は4回生だったので面識は無かった。

どんな社会でも、共通項が見つかると急に距離が縮まったりするものである。 特に出身学校だったり、同郷だったり、二人だけの共通項だと尚更である。
柚布子は社会人になって大学の同窓生に会うことなどなかった。 就職した時も柚布子の部門には歳の離れた先輩ばかりで唯一歳が近いのが夫の英生だった。 つまり、柚布子は社会に出てから友達感覚で話す異性がいなかったのである。 同窓で歳も近くタメ口で話す久世は柚布子にとっては親しみのある異性になったのは偶然だろうか・・・ そして、外資系が嫌いな英生には久世のことを話すことはなかった。
  1. 2014/11/01(土) 08:52:09|
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序破急 - 序の11 夫の知らない妻(3)

柚布子がキッティングセンターに着いたのは4時20分だった。 タクシーの運転手が留めた位置が悪くドアを開けると駐車している車に当たりそうだったので位置を直して柚布子はタクシーを降りた。

入館受付には既に久世がゲスト用のIDカードを持って待っていた。
「おせ~よ、ゆーこ」
久世はIDカードで柚布子の頭を小突くとIDカードを柚布子の首に掛けた。
「遅れてごめんなさい、まぁ君」

柚布子は久世の会社からそう遠くないダイニングバーに久世から何度も誘われた。 「軽く行くか?」と言えば、そのダイニングバーのことであった。 久世の会社からの帰りだけでなく、自社に居る時も誘われた。
その店が帰宅経路の途中にもなっており、久世も既婚であることから、そこに居る時間は1時間以内と正確だった。 1時間だからこそ、話しの内容はストレートで濃厚なもので、柚布子はそれを楽しんでいた。 ドリンクもカクテル1杯か2杯でつまみはナッツ程度なので、帰宅しても十分食事が準備出来て英生と一緒に摂ることが出来たのである。
久世のことを「まぁ君」と呼ぶことを許されたのはそこでの成り行きだった。 勿論、それは社外でのことに限定されてのことだが、周りに人が居ないと自然とそう呼ぶように柚布子はなっていた。

「まぁ君じゃねぇ~だろ」
久世は持っていた書類で柚布子の頭を小突いた。
「痛っ」
柚布子は思わず声を出した。 久世の表情がいつもと違っていたのを柚布子はこの時気が付いた。

「こっち、早く」
久世は柚布子を早足で導いた。
「ねぇ、どうしたの、何なの?」

久世はとあるパーティションの扉を開いて中に入り、柚布子を手招きで中へ導いた。
「え~、うそ~、まぁ~くん」
「だから、まぁ~君じゃねぇ~だろう・・・」
久世はそこに置かれている機械の操作盤の電源釦を押した。

操作盤の幾つかの LED が点滅し、やがて中央の液晶パネルに表示が浮かび上がって来た。
「すご~い、これエフエックス(FX)ね!!」
柚布子は感激の声を上げた。
「どう?」
久世が自慢気に聞いた。
「凄いわ、もう日本に来ているなんて。 FXだって言ってくれれば良かったのに。」
「ば~か、誰が輸入してると思ってるんだ。 オマエに見せてることがバレたら大事だぞ。」
久世は声を落として答えた。
「通関手続きが遅れたからこうやって見れるんだ、そうでなければ昨日に船積みされていたんだ。」
久世は経緯を説明した。

この機械は柚布子の会社には太刀打ち出来ない○○○通商が輸入したものだった。 そして相手が弱小会社でも商売敵に納入前の中身を見せるのは掟破り、紳士協定違反である。
久世はポケットから白い綿の手袋を出して柚布子に渡した。

柚布子は手袋をすると操作盤の前に立って、液晶画面をみながらパネルを操作し始めた。 画面が変わる度に柚布子は感激の声を上げた。 5分位操作しただろうか、実際に機械を動かすことは出来ないのでメニューを選んではキャンセルを繰り返していた。 それだけでも、どういう機能を持っているかが分かるのである。

「ゆ~こ、もう、いいだろう」
久世が押し殺した声で柚布子に声を掛けた。
「もう少し、いいでしょ?」
久世はそのまま1分くらい待って、時計を見た。
「ゆーこ、そこまでだ、メニューを戻せ」
「まぁ~くん、あとちょっと、もう少し」
「いい加減にしろよ」
久世の声が少し大きくなった。 しかし、柚布子は操作に夢中になっていた。
「折角なんだから、いいじゃない、あと少し」
「よせ、ゆーこ、メニューを戻せ」
「何よ、もうちょっと、触らせて!」
最初は押し殺していた声が、普通の声になっていた。
「ゆ・う・こ 止めろ!」
「ちょっと、黙ってよ!」

「止めた方がいいですよ」
久世ではない太い声がした。その声の主は柚布子の手を取り操作パネルから離し、更にその手を久世の方に放り投げるようにした。 柚布子の身体は手を追うように久世の胸に受け止められた。
声の主は○○○通商のプロジェクトリーダー柳沢だ。 柚布子はFXを目の当たりにしてそれに触れて高揚していた顔色が一瞬に青ざめた。

「どういうことですか? 久世さんこれは」
柳沢が久世を問い詰めた。
「いや、偶然通りかかっただけ・・・」
「ほう、偶然にしてはメンテ(綿の手袋)も用意されていますね? この方は?」
柚布子は久世の胸から背中へと隠れた。
「確か○○精密機器の生田さんではなかったでしょうか?」
柚布子は更に青ざめ、鼓動も激しくなった。 これが会社間で問題になればSI会社の出入り禁止どころの話しではない。
「ちょっと、こちらに来てもらえますか?」

久世と柚布子が柳沢の後に続いて用意されている控え室に入ると柳沢は人払いをした。
「久世さん、困りますね」
柳沢は背が高いので威圧感がある。
「一旦はうちに納品されるんだから、うちが許可すれば問題ないでしょう?」
久世はもっともなことを言った。
「確かに、でもこういう初物は他社には見せないという慣習なのでは? それにまだ、検収は済んでいませんから、厳密にはうちの管理下ですね。」
柳沢も負けていない。

「そう、硬いこと言わずにさぁ」
久世はいつもの軽い調子で話し掛けた。 柚布子は声が全く出せない状態であった。
「ええ、私もこれ位で大事にするつもりはありませんよ、ただ、仁義を欠いて貰ってはね・・・」

「そっか~、じゃ、柳沢さんの見たい○○精密の製品を見せるってことで」
と、久世が提案した。
柚布子は穴があったら入りたいくらいの気分であった。 何故なら、○○○通商がわざわざ見たいと思う柚布子の会社が扱っているものは無いからである。
「残念ながら、それは、ないですね~」
予想された答えが柳沢から返ってきた。

久世は後ろに隠れていた柚布子の腕を取って自分の前に立たせると、背中を押して柳沢の方へ押しやりながら
「じゃ、こいつ分解しちゃっていいから」
柚布子は今度は柳沢の胸に受け止められた。 柚布子は何が起きたか理解出来ず、時間が止まったように感じた。
  1. 2014/11/01(土) 08:53:45|
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序破急 - 序の12 夫の知らない妻(4)

柳沢は柚布子の背中に片方の腕を抱くように回し、もう片方の手で柚布子の顎をしゃくった。 そしてしゃくった手はそのまま喉から胸へと下り、ブラウスの釦を一つ外した。 英生の選んだ下着が柳沢の目に入った。 柳沢は「ほぉー」とその下着を見て小さく呟いた。 そして再び顎をしゃくり、柚布子の顔を上に向けると唇を近づけた。 柚布子は腕を振り解き久世の後ろに逃げた。
柳沢は両腕を広げて「おや、まぁー」というようなポーズをした。 柚布子に後ろめたいことがあったとしても完全にセクハラである。

「久世さんも面白いこと言いますね。 今日はこれから出荷の準備をしなくてはならないので、何時か分解させた頂ますよ」
そういうと、柳沢は控室を出て、現場に戻って行った。 柳沢の後ろ姿を見送ると久世も控え室を出て歩き始めた。 柚布子は一瞬止まっていたような時間が動き始めて久世の後を追った。 久世はカフェテラスへと向かった。 柚布子は分解が久世流のジョークだとその時は思った。

カフェテラスへ着くと、柚布子はどうしたらいいか分からず久世のすることを見ていた。 久世は無料の自販機からエスプレッソを煎れると柚布子に渡し、窓際のカウンターを顎で指示した。 久世も同じものを取り、カウンターへ向かった。
久世が来るのを待って柚布子はハイスツールに腰掛けた。 久世も隣に座ると互いに向かい合うように椅子を回転させた。

さっそく、久世が柚布子を責めた。
「そも、そも、なぁ、オマエさんが遅れるからだろう? 4時って言ったろう!」
「・・・・」
「4時に来てりゃ、20分遊んだって柳沢には見つからなかったケドな」
「・・・・」
柚布子は言葉が無かった。 遊佐の心配を無にしてしまって申し訳ないと思った。 思い起こせば遊佐は柚布子の為になることしか助言していなかったと気づいた。

「ったくさ~、俺の止めろというのも聞かねぇ~で、何やってんだよ!!」
「御免なさい」
柚布子はやっと声を出すことが出来た。 確かに柚布子は最新の製品を見て興奮していた。 柚布子の会社の扱うものは俗にいう枯れた製品だからである。 しかし、枯れた製品はそれなりに実績があるのでそれはそれで人気はあるが、新製品のインパクトには敵わない。
FXを秘密裏に見せてくれたのは、日頃の久世の暇つぶしに付き合ってるお返しと自分勝手に解釈してしまっていた。

「会社にバレないかしら?」
柚布子は心配事を口にした。 今夜のSI会社の手打ち式の前にとんでもないことをしてしまったと心配でならなかった。
「大丈夫じゃない、大事にしないって言ってたろ?」
久世は大して心配などしていない様子だった。
「でも、なにか穴埋めしないといけないんでしょ? うちにそんな製品ないわ」
柚布子は困惑した表情を見せた。 代わりに見せる製品が無いと会社に知られてしまうことを心配した。

「穴埋めね。 ま、確かにオマエさんの穴を柳沢ので埋めるかもな・・・まさに穴埋めだな」
「はぁ?」
柚布子は久世が何を言っているのか直ぐには理解出来なかったが、なんとなく自分の穴は何かを考えると想像は出来た。 だが、それを口にすることは出来ない。

「オマエさんさー、やぱりイケメン好きじゃん。 柳沢って結構イケメンだろ?」
「え?」
「だって、キスされそうだった時うっとりしたような表情だったぜ?」
「うそ、そんことないわ、何がなんだか分からなかったから動けなかっただけヨ。」
柚布子は必死に弁解した。 実際そうであり、そのことで柚布子を責めるのは酷である。

「あのまま、キスされて唇奪われちゃうのかと思ったヨ。」
「・・・・」
「柳沢ならそのまま、オマエさんを分解しちゃったかもな。」
「まぁ君は私がそんなことになるのを見て平気だったの?」
柚布子の瞳は潤み始めていた。
「平気なわけないだろう・・・」
久世は男のドス黒い欲望を隠した。 そのまま柳沢の手で分解される柚布子を見たかったのだ。 久世にとって残念ながら柚布子は最愛の女ではなく、欲望の標的に過ぎないのであった。

「もう、泣くなよな、俺のせいかよ?」
久世は面倒臭い会話を切りたくてノートパソコンの蓋を開いて話をそらそうとした。 パソコンは無情にもピーピー電池切れの警告を発していた。 柚布子の来る時間が分からなかったのでスタンバイにせずにそのまま放置していたのだった。
久世はACアダプタをカウンターのアウトレットに挿そうとしたが上手く手探りでは見つけられず、ハイスツールから降りてカウンターの下を覗き込んだ。

柚布子も落ち着くと後ろに置いた鞄で携帯のバイブが鳴っているのに気が付いて、そのままの姿勢で鞄に手を伸ばした。 その時偶然にも柚布子の膝が割れた。 久世がカウンターの下を覗くより一瞬早く柚布子は鞄の方へ顔を向けたので、久世のことは視界に入っていなかった。

久世は反射的にスカートの奥を覗き込んだ。 ガラス張りのカフェテラスは西陽の紫外線だけをカットし、可視光は柚布子のスカートの中の行き着くところまで届いていた。 柚布子は薄黒いパンストだったが、薄黒い色は太腿の中程までで、そこにはフェイクのガーター模様になっており、その先は色も模様もなかった。 完璧なまでに下着を見せていた。

白いクロッチの上側は柚布子のヘアーが透けているのが手に取るように分かった。 おまけに黒いレース調の縁取りには縁取り以外の黒い毛がはみ出しているのがパンスト越に見えた。 久世は今まで柚布子の裸やヘアーのことなど想像したことはなかったが、見てしまうと柳沢にそのまま犯らせるのはもったいないと思うようになった。

柚布子は電話を取って振り返ると膝が割れているのに気が付き慌てて閉じた。 久世の視線の残像が残っているように感じた。

「はい、生田です。」
「私だ。 どうした、なかなか電話に出なかったじゃないか」
「すいません、移動していたものですから」
「今、どこだ」
「○○○システムで打ち合わせが終わったところです」
「ほんとうにそうか?」
「はあ?」
「さっき、先方の担当に磯貝が電話したら誰も居なかったらしいぞ、今どこだ」
「○○○システムのキッティングセンターで久世様、遊佐様と一緒でした」
「やぱり、そこだったのか」
「なんでしょうか?」
「大変なことになった」
「何が大変なのでしょうか?」
「君のことだ」
「私の?」
「そうだ」
「私が何か?」
「逢って話をしなくてはならない、大事なことだ、SI会社の手打ち式に行く前にだ」
「・・・・」
「磯貝が○○駅で待ってるから合流してくれ、いいな」
「・・・・」
「どうした、早くそこから離れろ、いいな」
「はい」
電話の主は営業部の末永部長からだった。 柚布子はもうFXの件が知られたのだと思った。 柳沢とのやり取りを他に見ていた人間が居たかも知れない。 その誰かが密告したのかも知れない。 別に久世と柚布子は隠れて逢っていたわけではなかったから、キッティングセンターで暇つぶしをしているのを見られていたとしても不思議ではないと思った。

「ちょっと問題が出たので、帰るわね」
柚布子はこれ以上久世に迷惑を掛けてはと思い電話の内容を久世には話さなかった。

ハイスツールから柚布子は降りた。 その時、柳沢によって外されたブラウスからブラジャーが久世の視界に入った。
「ブラウスの釦、外したまま帰るの?」
久世に言われて、そのままだったことを思い出して慌てて胸を押さえた。
「もう、まぁ~君たら、エッチ!」
「パンツもエッチだったよ。 そんなエッチな下着で久しぶりに旦那と外で逢うんだ。」
「ちょっとぉ~、信じられない。 違います。」
「え? 旦那じゃないの? やるね柚布子も・・・」
柚布子はブラウスの釦をとめて、スカートの裾を手で払った。

「今日はご迷惑をお掛けしました」
柚布子は改まって挨拶した。
「大丈夫、気にしなくていいよ。 ちゃんと後で穴、埋められれば問題ないから。」
「はぁ?」
柚布子は少しむっとした表情で久世に踵を返した。

キッティングセンターを出るところでタクシーが1台停まって中から遊佐が降りて来た。 柚布子と目が合うと遊佐はタクシーの運転手に何か声を掛けた。 遊佐は柚布子に近づくと、
「大丈夫でしたか?」
柚布子は軽く頭を下げた。
「○○駅に行くなら、一緒に乗りましょう。 ここまで来て、急用が入って本社に戻らなければならなくなりました。」
「有難う御座います。お言葉に甘えさせて頂きます。」

柚布子と遊佐はタクシーに乗り込んだ。
タクシーがキッティングセンターのロータリーを廻っていると遊佐がポツリと
「やはり、○○○通商が来ていたか」
その言葉に連れられて柚布子もリヤウィンドウを振り返り、遊佐の視線の先を追った。 そこには一台の営業車が停まっていた。 ○○○通商の車だった。
柚布子はその車に見覚えがあった。 キッティングセンターに来た時に柚布子の乗ったタクシーがその車の前に停まった為、柚布子がタクシーから降りる時にタクシーの運転手が留める位置を少し直したからだ。 その車は柚布子が来る前から停まっていたのだ。 ということは、柚布子がFXに夢中になっている時に来たのではないということだ。

柚布子にある疑念が湧き始めたが、営業部長に呼ばれたことが気になってその疑念は記憶の中に隠れてしまった。


柚布子と遊佐は駅で互いの方向が逆なのでホームに上がる階段で挨拶をして別れた。 ホームに上がると遊佐が乗る方向の電車の入線を知らせるアナウンスが流れていた。 その駅は島式ホーム2面4線の特急の待ち合わせをする駅であった。 柚布子は遊佐の上がったホームに背を向けて電車を待っていた。 程なく電車が入線し、乗り込むとそのまま反対側のドアの前に立った。 降りる駅ではそのドアが開くからである。

発車する時にそのドアに遊佐が映っていた。 柚布子は振り返り反対側のホームの遊佐に深深と頭を下げた。
  1. 2014/11/01(土) 08:54:40|
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序破急 - 序の13 秘策

末永と磯貝はSI会社を出て一旦最寄り駅の喫茶店にいた。
末永が磯貝に聞いた。
「生田君は結婚指輪していたっけ?」
「さあ、あまり気にしていませんでしたが」
「外して痕が残らなければいいが」

末永は自分のついた嘘を嘘でないようにする画策をしていた。
磯貝が心配になって末永に尋ねた。
「あんな、嘘ついてバレませんか?」
「バレないようにするんだ、2ヶ月の間はな」
「2ヶ月ですか?」

平社員の磯貝には知らされていないが、柚布子は2ヶ月間のピンチヒッターなのである。 2ヶ月後には他の支社から男性のプロジェクトマネジャーを転勤させる予定なのである。 今は異動の時期ではないからその間を柚布子が担当するのである。 柚布子もそれは知っていることだ。 だから○○○システムにも2ヶ月外れるとだけ言ってあるのであった。

「兎に角、生田君に連絡を取ってくれ」
末永は磯貝に連絡を指示した。 磯貝は携帯で連絡する為、喫茶店の外へ出た。
5分くらいして戻って来て、
「連絡付きません」
「生田君はどこに行っているんだ」
「午前中の話しだと○○○システムに打ち合わせに行くと言っていました」
磯貝の担当ではないので詳しくは聞かされていなかった。

「じゃ、課長に電話して先方の担当の連絡先を聞いてくれ。 まさか担当者と何処かで遊んでる訳でもあるまい」
末永の耳にもそれとなく柚布子が久世の暇つぶしに付き合っていることは耳に入っていた。 しかし、柚布子が久世に見初められてから久世の会社からの発注が増えているので打ち合わせと言われれば信用するしかないのだ。

磯貝はまた、外に電話を掛けに行った。 磯貝は遊佐の番号を聞き連絡してたが不在で折り返し連絡をもらうようメッセージを残した。 そして戻ってくると、末永と雑談しながら連絡を待った。

雑談が途切れると末永は自分も連絡をしてみると言って、外に出た。 柚布子の携帯を呼び出すが、出ない。
再度呼び出すが柚布子は出ない。 これで出なければ磯貝に任せようと再ダイヤル釦を押した。
留守電に切り替わる寸前に由布子が電話に出た。

「はい、生田です。」
「私だ。 どうした、なかなか電話に出なかったじゃないか」
「すいません、移動していたものですから」
「今、どこだ」
「○○○システムで打ち合わせが終わったところです」
「ほんとうにそうか?」
「はあ?」
「さっき、先方の担当に磯貝が電話したら誰も居なかったらしいぞ、今どこだ」
「○○○システムのキッティングセンターで久世様、遊佐様と一緒でした」
「やぱり、そこだったのか」
「なんでしょうか?」
「大変なことになった」
「何が大変なのでしょうか?」
「君のことだ」
「私の?」
「そうだ」
「私が何か?」
「逢って話をしなくてはならない、大事なことだ、SI会社の手打ち式に行く前にだ」
「・・・・」
「磯貝が○○駅で待ってるから合流してくれ、いいな」
「・・・・」
「どうした、早くそこから離れろ、いいな」
「はい」

末永はほっとして電話を切り、喫茶店の中に戻り磯貝に駅で落ち合うように指示した。 そして末永は先に弥勒亭のある駅に移動して柚布子と話しが出来る喫茶店を探す為に出て行った。

弥勒亭は駅を挟んでSI会社とは反対側にあると聞いていたが、SI会社を出る間際に購買部の小宮山が今日は駅の反対側の弥勒亭ではなく姉妹店の弥勒亭別邸だと告げられた。 別邸はSI会社の最寄駅から二駅郊外に行ったところにある。



磯貝は柚布子を末永が待つ喫茶店へと案内すると弥勒亭別邸へと先に向かった。 SI会社の者が着く前に支払いの話しをする為であった。 弥勒亭別邸の予約はSI会社の購買部でしていたが、今回の手打ち式の性格からいって柚布子の会社が費用を持つことにする為ある。

末永は柚布子の為にコーヒーを注文して席に座るように促した。 柚布子は神妙な面持ちで末永の向かいの席に腰を降ろした。
コーヒーが運ばれてくると、柚布子に勧めた。 末永はどう切り出していいか分からず、由布子がカップを口に運ぶのを見て苦い顔になった。 やはり、柚布子の左薬指には結婚指輪が光っていた。
重苦しい雰囲気になって、柚布子が堪らず話し出した。
「申し訳ありませんでした」
「何が?」
「い、いえ、○○○システムでの打ち合わせが延びまして」
「あ、いや、それはいいんだ・・・」
柚布子はFXのことで呼ばれたのではないような気がして少し気が楽になった。

「生田君は結婚して何年ですか?」
「はあ? 6年ですけど」
「そうか、うちに来たときはもう結婚していたものな。 指輪は外せる?」
「え? はい、仕事中に製品を触る時とか傷付けないようにする為に外します」
「そうか、外して見せてくれるか?」
「え? はい」
柚布子は末永の言ってることが意味不明であったが、会社の上役なので従った。

末永は外した指を見てほっとした。 指に指輪の痕は残っていない。
「生田君、生田というのは旧姓だよね?」
「はい、そうですが、部長どうしたんですか? 指輪とか、旧姓とか」
「す、すまん生田君、この通りだ。 今日、いや、今日からその指輪を外して貰えないか?」
末永は膝に手を突きテーブルで額が擦れるくらい頭を下げた。
「はぁ? ちょっと部長、やめて下さい、主人と何故別れるんですか?」
「いや、すまん、言い方が悪かった。 離婚してくれとかそういうことではないんだ。」


末永はSI会社の応接室でのいきさつを柚布子に話した。 FXのことで神妙な気分でやって来た柚布子には滑稽な話しに聞こえて思わず噴出しそうになった。
「2ヶ月もそんな嘘ついていられますか?」
「そこなんだが、今度の案件でSI会社がうちの誰と話をすると思う?」

そう言われて柚布子は考えた。 柚布子と同じ営業支援課では担当外の顧客とプライベートな事を話す人はいない。 電話を取り次ぐだけで、柚布子のカバーをする人も居ないのである。 それは課としては独立しているが外部から見れば営業部員と同じであるから、柚布子が居なければ代わりは営業の磯貝かその上の課長といいうことになる。

「営業の方が守って頂ければなんとかなるかしら」
「そうだろう?」
末永は自分の思いつきの嘘がなんとかバレずに済みそうなのに自分で感心していた。

「でもバレたらちゃんと責任取ってくれますよね?」
「ああ、勿論、全力で君を守るよ」
「本当にお願いしますからね」
柚布子は外した指輪を財布の小銭入れにしまった。 末永は再び頭をテーブルに擦りつけるように頭を下げた。

「それで、もう私は誰かさんのお嫁さん候補なんですか?」
「重盛とかいう長身の、ちょっとイケメンかな」
「まあ、重婚だわ」
「え? 生田君、もう私を困らせるなよ」
柚布子はここに来る前とは見違えるような笑顔になっていた。 なんだか面白い映画でもこれから見るような気分になっていた。

末永は時計に目をやって、柚布子を促すと店を出て弥勒亭別邸に向かった。
  1. 2014/11/01(土) 08:55:44|
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序破急 - 序の14 弥勒亭 別邸

弥勒亭は和風の料理店である。 席は4~20席の全席個室である。 一人では入れないが2人からなら入れる。 勿論予約がなくても、一見の客でも空いている席があれば利用することが出来る。 SI会社の古株は良くここを使う。 店を入ったところに弥勒菩薩が置いてある。 経営者に弥勒信仰でもあるのでろうか。 その経営者は以前有名所でホステスをしていてその時の財とコネでこの店を始めたという噂である。

弥勒亭 別邸 それは弥勒亭の姉妹店である。 経営者は弥勒亭経営者の妹であるからまさに姉妹店である。 しかし、唯の姉妹店ではない。 弥勒亭と違い一見さんや予約の無い人は利用出来ない。 以前、料亭だったところを買い取って改造して、席は幾つかの部屋毎に離れ形式になっている。 以前の料亭の名残なのか殆どが二部屋の続きになっており、大人数の時は二部屋を開放して使う。 棟によってはトイレやシャワー室まで完備している。

以前は、別邸を一般の人が利用することは稀であった。 殆どが社用族の接待の場として使われていた。 都心ではないことから料金も割安なこともあり色んな社用族に今でも利用されている。 とは言ってもこのご時世、以前のように飲んで接待して密談をするような社用族はいない。 今は色事が伴わないことは無いと言っていい。 宴席の隣の部屋には布団が敷いてあるような事もあったに違いない。

慰安旅行、失われた10年以来すっかりその言葉を耳にしなくなり、都心の近場の温泉街は閑古鳥が鳴いている。 独自の特色を持たない社員旅行頼みの旅館やホテルは閉館せざるを得ないご時世になってしまった。
では、社員を慰安するような行事が無くなったかと言うと、そうでは無く、形を変えて予算も減らして続いている。 会社の近場のレジャーセンターでの娯楽や、バーベキュー大会等である。
それでも以前のコンパニオンを呼んでのどんちゃん騒ぎを忘れられない連中はこの別邸で羽目を外すのである。 コンパニオンは別邸が予算に応じて手配してくれる。 だが、別邸は旅館ではないから泊まることが出来ないので利用する連中はそう遠くない範囲に限られている。 昼間のレクリェーションの帰りに寄って、遅くとも夜の9時には帰るのである。

別邸にとっては社用族の隙間を埋める重要な顧客であり、会社の行事に絡めないで仲間内で宴会をするリピーターはお得意様になって来ていた。


この日もお得意様の宴会の予約が入っていた。 コンパニオンも5、6名用意されていた。

末永と柚布子がSI会社より先に別邸に到着した。 部屋に案内した仲居が仲居頭に柚布子のことを告げた。 仲居は柚布子がコンパニオンと勘違いしたのである。 この辺りのコンパニオンはいかにもホステスですというような格好はしていない。 タクシーでやってくると言っても目立つからである。 殆どのコンパニオンは正業ではないからいかにもという格好はしていないのである。

自前でコノパニオンを手配されては別邸にとって問題である。 仲居頭は磯貝を呼んで確認した。 仲居頭も柚布子を見て納得した。 一瞥しただけではコンパニオンに見えるが、化粧を良く見ればコンパニオンのそれとは違っていた。

部屋に案内された後に柚布子は化粧室に向かった。 今日は午後会社を出てから移動やらで化粧を直す時間が殆ど無かったからである。 柚布子は仲居頭に化粧室の場所を聞いた。 仲居頭は丁寧に母屋の近くの化粧室まで案内してくれた。 手打ち式が行われる棟にも化粧室はあるが、小さく男女兼用なので、広い女性専用の方に案内したのであった。 それが後で不運を招くとに柚布子も仲居頭も知る由もないことであった。

化粧室にいる柚布子のところに仲居頭がSI会社が到着したのを告げに来た。 仲居頭は事情をある程度聞いていたので、柚布子達が出迎えられるようにSI会社には玄関で足止めをしておいた。 柚布子は化粧直しを終えると足早に部屋戻って行った。

SI会社のメンバーは製品企画部の山田部長、重盛、購買部の小宮山とその上役の園田副部長である。 実は、最初の予定では会社の近くの弥勒亭であったが、園田が小宮山から新任が女性と聞くや別邸に変更させたのである。

購買部の園田は食えない人間である。 社の中でも浮いていた。 というのも園田は会社の主要出資先の銀行からの口利きで購買部の副部長の席に就いていた。 仕事らしい仕事はしていない。 唯一仕事らしい仕事と言えば、接待をすることと、されることである。 この別邸のお得意様と言っていい。 だから直ぐに予約が取れたのである。

噂では園田は大手総合電気会社の調達部にいて取引先と癒着し過ぎて問題を起こしてその会社を追われたらしい。 新任が女性と聞いて直感が働いたのであろう。 ましてや得意先ではなく取引先なら上から物が言えるし、無理を言った場合でも別邸なら自分の我侭が通ると思ったのである。
確かに園田はここで得意先に女を抱かせたこともあったし、取引先に女を要求したこともあった。
だが、そういう場合の女は所謂その手合いの女であって柚布子のような素人ではない。

園田にとって邪魔なのは山田である。 勿論、小宮山や重盛も園田のようなことをする男ではない。 助平なことは好きでも節度はきちんと持っているからである。

園田が来たことでお上直々に挨拶に出て時間を繋いだ。 その横をこれも常連の大学の同期生仲間8人が到着し、仲居に先導されて別の棟へと案内されて行った。
仲居頭がお上に目配せすると園田達も部屋へと案内されて行った。 園田達が部屋へと消えると柚布子のようなスーツ姿の女性達を乗せたタクシーが到着したのであった。

園田達は部屋へと向かう廊下を仲居の先導で向かっていた。 廊下を曲がると、園田は部屋の前に外から末永、磯貝、柚布子の順に廊下に並んでお辞儀をして迎えている様子が遠目に見て来ていた。 やがて、仲居がお辞儀をしている3人に並んで園田達を部屋へと案内した。 園田が柚布子の長い髪を見てニヤリとしたのを仲居は見逃さなかった。

いよいよ、手打ち式が始まるのである。
  1. 2014/11/01(土) 08:59:08|
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序破急 - 序の15 生贄の記憶(1)

『前回までのあらすじ;
とある機器販売会社に勤める(旧姓)生田柚布子(31)は夫が派遣されている得意先でもある会社の担当とになったが、前任者のミスの為出入り禁止となっていた。 その出入り禁止を解く手打ち式の日、柚布子が現在担当している○○○システムで商売敵の製品を触っているところを見つかり弱い立場に追い込まれてしまった。 そして怪しげな弥勒亭別邸でいよいよ手打ち式が始まろうとしている。 柚布子はドス黒い男たちの欲望に包まれようとしているのをまだ気がついていない・・・』


柚布子は夢の中を泳いでいるような気がした。 何処かに寝かされているのだろうか。 鳩尾あたりが少し痛い。 結構飲まされたみたいだ。 しかし、それより身体の芯が熱くなり始めていることが気になった。 乳首も硬くなって誰かに揉まれている錯覚を覚えた。 それにしても今日は色んなことが起きたと記憶の一つ一つを手繰っていった。 時より記憶が薄れるのは酔いのせいか、もう自宅に帰りついたのかも分からない。

○○○システムのキッティングセンターで最新のFXを操作した時の興奮、そして、○○○通商の柳沢に迫られたことが蘇って来た。 柳沢は柚布子の顎をしゃくり、その手を胸へと進めブラウスの釦を一つづつ外して行った。 そしてブラジャーが露になると、ブラジャーを上にずらし、柚布子の乳房が柳沢の目の前に晒された。 柳沢は円を描くように乳房の周りを愛撫し始め、その手を顎へと戻し、柚布子の顎を上に向け、唇を近づけた。 そして、迷うことなく柚布子の唇に重ねた。

違う、違う、と柚布子は否定したが、口は塞がれて舌が柚布子の唇を割って来た。 そのリアルな感触が、久世の後ろに逃げたのは記憶違いで実際は唇を奪われたと錯誤させた。
それにしてもリアルな感触を伴った記憶だと柚布子は思った。 記憶の中ならと、柚布子は口を開け舌を動かした。 柚布子の舌に合わせて相手の舌も応じて、口を吸い始めた。 夢なら無味無臭だが、酒の匂いとそれに微かに煙草の匂いがした。 夫の英生ではない。 英生は結婚する時に煙草を止めていたからだ。 誰なの? そう思いながら柚布子は夢の中で舌を絡ませ続けた。

柚布子は夢の中にまだ居ると思った。 記憶を辿ろうとするが、リアルな感触がそれを邪魔させる。 キスだけでなく胸も同時に揉まれていると知った。 気が付くと乳首は硬くなって、指で弄られている。 柚布子は口が開放されると、薄目を開けた。
横を向いた柚布子の視界には自分のスーツの上着が脱ぎ捨てられていた。 自宅に戻ったのか? まだ背景が霞んでよく分からないが上着は畳の上にある。 胸の上には人の気配がして両方の乳首の支配者は交互に指から唇と舌に交代していった。 胸の上の黒い頭の影がまだぼんやりしているが、柚布子は懸命に記憶を辿った。

○○○システムのキッティングセンターを出ると遊佐に会った。 その遊佐と駅まで戻った。 遊佐は急用で本社に戻ると言っていたが、柚布子にはなんとなく嘘だと分かっていた。 柚布子のその先の記憶が蘇ろうとしていたが、 急に胸の上が軽くなったので、また途切れてしまた。
視線を胸に向けるとブラウスがはだけ、ブラジャーは上にずらされた格好になって、起き上がらなければその先は柚布子には見えない。

胸にあった人の気配は下半身へと移動し、柚布子のスカートの中にあった。 柚布子にもスカートの中に誰かの手が入って、パンストとパンティを脱がそうとしていることが分かった。 無意識に手がそれを阻止しようと下半身を押えた。
なんでこんなことになっているのか、下半身を押さえながら思った。 弥勒亭別邸に来る前に末永から独身ということにしてくれと頼まれたことを思い出した。 それと今の状況が結び付かない。

手で押さえても容赦なくパンストとパンティーは膝まで降ろされてしまった。 そして腿を伝って手が柚布子の秘部に達した。 それと同時に胸が再び重くなり乳首が交互に吸われたり、舌でころがされ始めた。 柚布子はもはや記憶を辿る集中心がなくなり、込み上げて来る快感に耐えられなくなって来ていた。 秘部に達した手はその長い指を柚布子のヴァギナを掻き分けゆっくり膣に入って来た。 一旦入ると出たり入ったりを繰り返していた。

柚布子はこの快感に身を委ねるべきか、この状況がどういうことなのかをはっきりさせるべきかの葛藤と戦っていた。 柚布子にも指が柚布子の分泌液によって滑らかに動くようになり、太い指がクリトリスを刺激しているのが分かっていた。
柚布子は夢の中から現実に戻りつつあるのを感じていた。 もう少しで状況が把握できそうであった。

弥勒亭別邸に到着して部屋の前でSI会社の人達をお辞儀をしたまま迎えた。 最初の一人が柚布子の前で僅かに立ち止まったのをお辞儀をしたままの柚布子にも分かった。 それはそう遠くない記憶のはずであったが、柚布子の膣に入った指が膀胱のあたりの肉襞を激しく擦り始め、クリトリスも強く押し付けられて、もう声が出てしまって喘いでいた。 そして周りの状況が見えてきた瞬間、快感に頭が白くなった。

頭が白くなったのと同時に複数の女性の声と大きな音がして、着物を着た女性達が柚布子の周りを取り囲んで柚布子の身体に複数の手が動いていた。 しばらくして柚布子の身体は中に浮いたような感覚になり記憶が途切れた。


「ゆうこ、ゆうこ」
柚布子は夫の英生の声で目を開けた。 カーテンの間から薄日が射していた。 この窓に薄日が射すということは朝陽である。

「ごめん、ゆうこ」
「何が? どうしたの?」
「夕べ、酔って帰えって来た柚布子を見てしたくなっちゃった」
気が付くと柚布子は全裸にされていた。
「何時、脱がしたの?」
「昨夜、でも柚布子が寝ちゃったから、今朝まで我慢してた」
昨夜、柚布子がハイヤーで帰って来て、ベッドに倒れ込んだ。 英生は柚布子の服を脱がせた。 心なしか服装が乱れていたように思えた。 パンストを脱がす時にに微かにパンティに沁みが付いていた。 英生は胸騒ぎと同時に自分の男根のカリの辺りがウズウズし始めているのに気がついた。 英生は柚布子を全裸にすると、身体の隅々まで調べた。 勿論、小陰唇も指でこじ開けて調べた。 医者でもないので、診て判るものでもないが、なんとなく英生は安心していた。

全裸の柚布子を見ていたら、英生は手打ち式の座敷のテーブルの上に大の字に寝かされている柚布子を想像してしまった。 そしてSI会社の連中に視姦されている光景が脳裏に浮かんだ。 連中も全裸で自分で自分の男根を扱いていた。 そして柚布子の身体に白濁した液を放っていた。
英生も同じことをした。 終わった後にに嫌悪感に苛まれた。

柚布子の小陰唇にはすでに英生の指が這っていた。 そして膣口に入って愛撫していた。 柚布子はさっきまでに夢は英生の仕業だと思った。
「ばかね」
そう言うと、柚布子は英生の口に唇を重ね吸い合った。 そして、英生の乳首を舌で愛撫し、さらに英生の男根へと口を運び頬張った。 いつもの夫婦の営みである。

柚布子が枕元の避妊具を英生の男根に被せると、いつもの通り柚布子は仰向けになり英生を迎い入れた。 英生はそのままの姿勢で柚布子にキスをした。 柚布子も応じて激しく吸い合い、舌を絡めた。 柚布子はやはり英生は煙草の匂いがしないことを認識した。

二人はいつもの夫婦の営みを終えると、再び眠りに就いた。 今日は祭日で会社は休みであった。
  1. 2014/11/01(土) 09:01:41|
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序破急 - 序の16 生贄の記憶(2)

前回までのあらすじ;
『とある機器販売会社に勤める(旧姓)生田柚布子(31)は夫が派遣されている得意先でもある会社の担当とになったが、前任者のミスの為出入り禁止となっていた。 その出入り禁止を解く手打ち式が弥勒亭別邸にて昨夜行われた。 その手打ち式から柚布子は心神喪失の状態で帰宅した。 次第に蘇る記憶、肌に既に刻まれていることを知ることに・・・』


柚布子は一足先に起きてシャワーを浴びた。 熱い湯が現実を実感させる。 数時間前には夫の舌が這っていた乳房に熱いシャワーを当てた。 さらにその前には見知らぬ男の舌が這っていた記憶が洗いながされていった。 股間も微かに誰かの指や熱い物の感触が思い出されたがボディーソープの泡が一旦は消し去っていった。
柚布子がシャワーを終えて、脱衣場から出ると、英生が起きて来て入れ替わりで脱衣場に入っていった。

英生がシャワーを終えると朝食の用意が出来ていた。 祭日ということもあって遅い朝食となった。 二人は無言で食事を始めた。 英生は明け方柚布子を抱いたことで少し満たされていたが、柚布子はまだ頭がスッキリしていなかった。 それに記憶の整理が出来ていなかった。

柚布子は英生からの問いかけを待っていた。 何処から話し始めていいか分からないからだ。 柚布子はトーストを頬張る英生を見つめた。

「夕べはどうだった?」
やっと英生が口を開いて柚布子はほっとした。
「どうって?」
「だいぶ、酔って帰ったみたいだから」
「うん、なんか飲み慣れないお酒飲ませれて、酔ったみたい」
「そうなんだ、焼酎かな? ところで誰が来たの?」

柚布子は英生に聞かれながら記憶を辿った。 昨夜も記憶を辿っていたような気がした。
「購買部の園田副部長さんと小宮山さん、製品企画部の山田部長さんと重盛さん」 
「ソノダ? 知らないな」
「そうなの、重盛さんっていう背の高い人が担当らしいの」
「ああ、やぱり重盛ね」
柚布子は昨夜の手打ち式のことをゆっくり思い出しながら英生に話し始めた。


-弥勒亭別邸-
離れの一室がこの夜の手打ち式に用意されていた。 母屋の座敷でも良かったのだが、この日は他には一組の客があるだけだったので離れが用意された。 部屋の大きさは16畳、隣の8畳の部屋とは襖で仕切られている。 同じ作りの部屋が3組あり、周りを回廊のように廊下があり趣の異なる庭を眺められるようになっている。
離れは貸切も同様なので廊下側の障子が開け放たれて、そこなら出入りするようになっていた。

仲居が末永の横に並びお辞儀をしてSI会社の連中を部屋の中へと案内した。 順番は園田、山田、重盛、小宮山である。 園田はお辞儀をしている柚布子の前で髪の毛の匂いでも嗅ぐように息を吸い、つま先から順に品定めをした。 柚布子も歩が一瞬止まり視線が刺さるのを感じていた。

園田達が上座から順に着席すると、末永が部屋の上座側に近い畳に正座した。 それに習って磯貝と柚布子が続いた。 柚布子はその時に4つ視線を感じていた。 廊下から部屋に入り畳に正座する自分を4人の男が視姦しているのである。

園田達は柚布子を始めて正面から見た。 園田はニヤニヤしながら柚布子を品定めした。 勿論、園田だけではなく他の3人も自分なりに柚布子に視線を集中させていた。
身長は160センチ、体重40数キロ、バストは84、5のBカップと園田は読んだ。 濃い灰色のスーツに淡いブルーのブラウス。 髪は丁度乳首辺りまであるに違いない長さのものがサイドポニー風に束ねられている。 今時にしては染めていない黒髪が際立って見えた。 アップにしてシャワーを浴びる姿を園田は想像して更にニヤニヤしていた。

そして、男性の誰もが気になる脚である。 とびっきりの美脚ではないが、僅かに黒いストッキンギに覆われたそれは白い肌に違いないと誰もが想像した。 正座すると腿が露になり両腿のスカートの切れ込みが色気を漂わせている。
ややタイトぎみのスカートのお陰で両脚の隙間はデルタに模ってスカートの奥を覗かせるが、正座する直前に両方の掌によってそれは隠されてしまった。

男達の視線は隠されたデルタに集中していた。 そのデルタを隠した掌の先にはネイルアートが光っていた。 淡いブルーの下地にピンク系のジェルで飾られていた。 それを見た誰もが人妻とは思わなかったに違いない。 誰もがあのネイルで家事をしているとは思わないからである。 そのネイルの手にはハンカチではなく名刺入れが指で挟まれていた。


末永が挨拶を行い柚布子を紹介した。
「生田柚布子と申します よろしくお願い致します」
柚布子はお辞儀をして初めて園田達に顔をあげた。 予想通り男達は柚布子を見つめていた。 柚布子はこの時初めて生贄になったような気分になった。 今まで何度も客先に行き同じように紹介されたが、この日は弥勒亭別邸という場所のせいでもあるのかその時とは全く違った雰囲気を感じていた。 夫の英生が心配していた事がなんとなく分かるような気がした。

末永の口上も手打ち式の為の宴ではなく柚布子の紹介に重きをおいたものであったのもこの宴が柚布子の為に開かれている錯覚を与えた。 それだけ柚布子に華があるとも言える。

この日の座敷はテーブルではなく膳が用意されていた。 特に指定のない限りこの別邸では膳が既定であった。 膳は対峙する形で用意されていた。 柚布子は紹介されて名刺交換を行わなければならないが、どうすべきか悩んでいた。 このような膳の席での名刺交換をした経験がないのと想定していなかったからである。 本来であれば名刺交換はSI会社で行われていたはずであったが、柚布子が他社との打ち合わせを優先した為ここでの名刺交換となったのである。 後から考えればここで無理に名刺交換をしないのがマナーとしては良かったのかも知れない。

園田達は既に膳の前に座していた。 わざわざ立ち上がって貰って膳から少し離れて名刺交換するのがマナーとしては良いのかも知れない。 園田以外は名刺の用意をしていつでも立ち上がれる体制に思えたが、園田は胡坐を崩すそぶりも見せずにいた。 柚布子はどうしたものかと仲居に膳越に名刺を渡しても失礼にならないか小声で尋ねた。 仲居もマナーを熟知している訳ではない。 座ったままなら膳越に渡してもお酌をするのと変わらないのでそうするように答えた。 仲居も園田の態度にはいささか呆れたようであった。

柚布子は「失礼します」と言ってやや中腰のまま座敷の中央を園田の膳の前と進んだ。 4人の男性の視線が柚布子のスカートの裾に集中しているのが分かった。 4人共柚布子が立ったままで名刺を差し出すとは思っておらず、一旦は正座してお辞儀をするだろうと思っていた。 そうであれば再びデルタが見られるのである。 ましてや名刺を両手で差し出すのだから手でスカートの裾は押さえられないはずである。

柚布子は膝を揃えながら脚を折り正座した。 距離はお辞儀をした時に膳に頭が被らないように離れて正座した。 柚布子は三つ指をついてお辞儀をすることに集中していたのでスカートの裾を押さえることをしなかった。

園田は誰がみても仰け反っていると思える体勢でニヤニヤした。 膳からすこし離れて正座したことが園田の満足感を高めていた。 園田の視野にはデルタの奥が映っているに違いない。
  1. 2014/11/01(土) 09:02:53|
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序破急 - 序の17 スカートの中

前回までのあらすじ;
『とある機器販売会社に勤める(旧姓)生田柚布子(31)は夫が派遣されている得意先でもある会社の担当とになったが、前任者のミスの為出入り禁止となっていた。 その出入り禁止を解く手打ち式が弥勒亭別邸にて昨夜行われた。 その手打ち式から柚布子は心神喪失の状態で帰宅した。 次第に蘇る記憶、肌に既に刻まれていることを知ることに・・・』


「ソノダってどんな人?」
英生は新聞を見ながら柚布子に聞いた。 柚布子は台所で朝食の後片付けをしながらカウンター越に話し始めた。
「うん、あんまりいい感じの人じゃないわ」
「そうなんだ、購買は小宮山しか知らないからなぁ」
「お酒は好きなのか、強いみたい、返盃で大変だったわ」
「じゃ、ソノダに大分飲まされんだ」
「新任だから仕方ないわね」
「山田部長も口悪かっただろ?」
「全然、優しい人だったわ、それに重盛さんも」
「へぇ~、山田が優しいとは、よっぽどソノダっていうのが嫌なヤツなんだ・・」
「うん・・・」
柚布子は食器洗い機のスイッチを入れると、ソファーの英生の隣に座り英生にしな垂れるように寄りかかり新聞を覗きこんだ。 新聞の記事はピントが合っていないようにボヤけていた。

それもそのはず、柚布子は園田とのやり取りを思い出していたからである。 購買部と相手をするのは主に営業の仕事ではあるが、柚布子は購買部には足を運びたくないと思った。 夫が派遣されている会社のことでもあるのでそのことを夫の前では言えなかった。


-弥勒亭別邸-
柚布子は園田の前に来ると膝を揃えながら脚を折り正座する動作に入った。 園田は改めて品定めをした。 やや面長の顔に園田好みの唇。 その唇にはピンクのリュージュが塗られている。 園田の脳裏ではピンク色が濃いオレンジか真っ赤なものに置き換えられ男好きするものになっていた。 さらにその唇の左下の黒子も園田には嬉しいものだった。 園田は自らの舌でその黒子を弄んだ後に唇へと進める妄想をしていた。

黒い髪は蛍光灯によって緑に光っていた。 サイドポニー風に束ねた髪は先ほどのお辞儀で胸の前へと垂れていた。 その髪に目をやると自然と淡いブルーのブラウスの開いた胸元が目に入ってくる。 大きいとは言えない胸であるが女盛りの30代の艶香が胸元から漂っていた。

園田は僅かに黒いストッキング越につま先から腿までを素早く舐めるように視線を送った。 足の指には紫色のようなペティキュアが塗られていてストッキング越に見るそれは独身とは思えぬ色気があった。 園田は折りたたまれる脚をスローモーションのように感じながら見ていた。

膝が畳につくと、園田の視界の中に両太腿が埋め合わせられない逆三角形のスカートの奥が入って来た。 園田は隣の山田に気付かれないように上体を仰け反らせた。 園田の視界の中のそれは決してハッキリしたものではなく、ただの逆三角形の物理的な光の反射の結果でしかないが、論理的な意味は大きい。
園田だけがそれを満喫出来ているのである。 隣の山田からは見えない角度であった。

園田は柚布子が独身ではなく人妻ならもっとそそるのにと思っていた。


柚布子は前任者の不祥事のこともあり、三つ指をついてお辞儀をした。 お辞儀を終わって園田の顔を見ると仰け反ったようにニヤついていた。 その視線が自分のスカートの裾に注がれているのに気が付いた。

柚布子は親会社に転籍してから外周りをするようになって、挨拶や打合せの時に男性の目線が何処に注がれるのかは分かるようになった。 そして、それを自分から、あからさまな動作で指摘するようなことは相手に自意識過剰と思われ良い印象を与えないことがあることを分かっていた。
つまり、相手が気が付いていないのに見られていると勘違いして慌ててスカートの裾や胸元を手で隠したりして相手の気分を害させてしまうことである。

柚布子は名刺を差し出す為に両手を畳について正座の姿勢のまま前へ進もうとした。 その時スカートが視野に入った。 裾を気にせずに正座した為少し上にずり上がっていたのに気が付いた。 経験的にスカートの中が見えていると思った。 しかし、相手がスカートの中を覗き込んでいるかどうかは分からない。 ましてや初対面の得意先でる。
柚布子は気付かれていないフリをすることにした。

名刺を差し出すことが出来る距離になると、園田の視界からスカートの中は角度的に消えていった。
「生田柚布子と申します、よろしくお願いします」
柚布子は両手で名刺を差し出すと園田はその指先を暫し眺めた。
「人妻でこのネイルはないな」と思い、片手でそれを受け取った。自分の名刺は渡さない。
「園田です」
柚布子にとってそれは幾度も経験のあることなので気にもせずに左隣の山田へ正座のまま移動した。

園田の時のように下がってお辞儀をしようとすると、山田は手で制して正座すると準備していた名刺を差し出した。
「製品企画部の部長をしております、山田です」
「生田柚布子と申します、よろしくお願いします」
柚布子はいつも行っている名刺交換になったのでほっとした。 が、右側からのねちっこい山田の視線は感じていた。
「よろしくお願いします。それから、彼が貴女の窓口になる重盛主任です」
山田は部下の重盛を紹介した。

柚布子は同じように正座のまま横に移動し、重盛の前に来た。 これが私のお婿さん候補の・・・と、緊張の中にも笑みがこぼれそうなのを堪えた。
重盛は身長は175センチはあろうかという大柄であるが、顔は穏やかな表情でどちらかというとイケメンの方である。 柚布子はどことなく好感を持った。
「生田柚布子と申します、よろしくお願いします」
「・・・・」
柚布子は名刺を両手で差し出した。 重盛は暫くその名刺の指先に見とれていた。 それもそのはず、重盛の会社で柚布子のようなネイルをしている女性は居ないからである。居たとしてもかなり控えめであった。

「し、重盛といいます。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」
生田柚布子、アシスタントマネジャー。 重盛は横長の名刺をじっと見つめていた。
重盛浩太、柚布子もまたその名刺を暫く眺めていた。 そして自分でも僅かに微笑んでしまったことを自覚したその時、左から視線を感じた。 もう一人いた小宮山である。

柚布子は再び正座のまま横に移動し、小宮山の前へ来た。
「生田柚布子と申します、よろしくお願いします」
同じように柚布子は名刺を差し出した。 最後ということもあって、所作は雑になっていた。
「購買部の小宮山です」
小宮山はおまけのような名刺交換に感じて
「購買では私が貴女の担当です」
山田の言葉に対抗するようにいった。
「はぁ・・」
柚布子はすこし呆気に取られた顔をしたが、少し下がって浅くお辞儀をした。園田の時と同じ距離であることに柚布子は気が付いたのでスカートの裾を両手で押さえていた。
顔を上げると残念そうな小宮山の表情が見えた。

柚布子が立ち上がると、山田は末長と磯貝に手で善を示しながら「どうぞ」と着席を促した。 柚布子もそれに続いた。
それと同時に廊下で控えていた数人の仲居が瓶ビールを持って入って来て全員のコップに注ぎ始めた。
  1. 2014/11/01(土) 09:03:48|
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序破急 - 序の18 返盃

「弥勒亭って駅の反対側の店だよなぁ」
英生は新聞のスポーツ欄を見ながら肩に寄りかかっている柚布子に聞いた。 「うん」という返事が返ってくると思っていたが、
「え? 二駅先よ」
「違うの?」
英生は驚いた。 実は心配になって英生も同じ派遣仲間と弥勒亭に行ったのである。しかし、山田や重盛を見掛けることは無かった。 座敷の方も気をつけて見張っていたが、ついに発見出来ず二時間の飲み放題が終わり英生一人酔えずに帰宅したのであった。
「料亭みたいな造りのお店だったわ」
「料亭ねぇ」
柚布子はあまり弥勒亭別邸の造りを憶えていないのに気が付いた。
「それに、座敷なんだけど、テーブルじゃなかったの」
「テーブルじゃない? 何、それ・・」
「うん、膳だったの」
「そっか、じゃずっと正座だったんだ」
「そう、テーブルでも正座だったと思うケド・・・」
「スカートだったから大変だったでしょう。 まさか覗かれたりとか」
「・・・・」
柚布子は何か思い出してはいけない記憶があるのではと思った。


-弥勒亭別邸-
柚布子達が席につくと、仲居が3人ビールを持って入ってきた。
膳はSI会社の園田達と柚布子達とは対峙する形で用意されていた。 SI会社は上座から園田、山田、重盛、小宮山の順で柚布子達は上座から末長、柚布子、磯貝の順である。 柚布子の膳だけが他より高さのあるもので脚にはめくら板らしき物が施してある。 これはスカートの女性用に誂えられたものである。

末長が挨拶をして一同ビールを口に運び、膳に用意されていたお通しを食べ始めた。 一同がお通しを食べ終わった頃に料理が運ばれて来た。 料理を運んで来た仲居頭が柚布子の脇に来て小声でなにやら話しかけた。

柚布子は軽く礼を言うと磯貝の後ろを回って、座敷の中央から園田の膳の前に来た。 仲居頭もその後を新しいビールを持って従った。 柚布子にお酌をするようにアドバイスしたのであった。 先乗りしていた磯貝がこういう場が不慣れなので指導を依頼していたのであった。

園田は再び舐めるように柚布子の身体に視線を這わせた。 柚布子はスカートの裾を押さえながら正座すると仲居頭からビールを受け取った。
「お一つ、どうぞ」柚布子は頭の中で何と言えば良いか迷っていた。 仲間内では「ご苦労様」とか「お疲れ様」と言ってビールを差し出せば相手は「ありがとう」と言ってグラスを差し出す。
しかし、この場合どうしたら良いか迷った。
「よろしくお願いします、ビールでよろしいでしょうか?」
「ああ」
柚布子の問いに無愛想に園田は応えてグラスを差し出した。 柚布子は少し膝立ちするような格好で園田にビールを注いだ。
園田は注がれたビールを一気に飲み干すと、グラスを柚布子に差出し、柚布子の手からビール瓶を奪った。 このグラスで返盃を受けろという仕草である。
それを見た仲居頭は柚布子の膳から柚布子のグラスを取り由布子に差し出した。 それを見た園田は幾分ばつが悪そうに自分のグラスを自分の膳に置いた。

「頂戴します」
柚布子はグラスを両手で捧げるように園田に差出た。 園田は泡がなるべく立たないようにビールをグラスいっぱいに注いだ。 柚布子は注がれたビールを時間が掛かったが一気に飲み干した。
「ほう、なかなかイケる口のようだな」
園田は感心したように言ったが飲み方からイケる口でないのは分かっていた。 再びビール瓶を柚布子の前に差し出した。 柚布子は片手で拒否の意思表示をしたが、園田は更にビール瓶を突き出し、催促した。

仕方なく柚布子はグラスを園田に頂くように差し出すと、同じように泡を立てずにグラスいっぱいに注いだ。 柚布子は皆に分からないように息を吐くと、グラスに口を付け傾けてビールを喉へと流し込んだ。

柚布子は3度息継ぎをしてようやくグラスを空にした。
「やっぱり、足らないようだな」
園田がそう言うと三度ビール瓶を柚布子に差し出した。

これには流石に柚布子も閉口したが、相手が相手だけに断り難い。 柚布子は暫し固まった。 それと同時にこれまで立て続けに3杯ビールを飲んだことになり、酔い初めていることを感じていた。 薄っすらと頬も紅潮しだしていた。

「園田くん、その位にしてあげたらどうだ」
山田の声に柚布子は救われた。
「そんなに飲ませたんじゃ、私の返盃を受けられなくなるよ」
山田はさらに続けた。
「さあ、私にも注いで下さい」
そう言うと柚布子にグラスを差し出した。 柚布子は少し立ち膝のまま山田の前に移ると仲居頭から新しいビールを受け取った。 園田は苦虫を噛み潰したような表情をして山田を見ていた。

「よろしくお願いします」
柚布子は山田にビールを注ぐと、山田は一気に飲み干した。 そして、柚布子からビール瓶を受け取ると、柚布子がビール瓶の代わりに持ったグラスの3分の1程度注いだ。 そして、
「口を付けるだけにしなさい」
そう、柚布子に囁いた。
「頂戴します」
柚布子は一口だけ飲むと、お辞儀をした。 山田が優しく微笑んで自分を見つめていることに柚布子は安堵を感じた。

「こーた、君も注いでもらいなさい」
そう言う山田の声と共に柚布子は重盛の前へ移動した。 重盛のことを浩太と下の名前で普段呼んでいることを知ると急に柚布子は重盛に対して親近感を持った。
重盛はやや照れながらグラスにあった残りのビールを飲み干し、柚布子の前に翳した。
柚布子は自然と笑みがこぼれて、更に頬が紅潮しているに違いないと思った。
「よろしくお願いします」
「こちらこそ」
重盛はビール瓶を持つ柚布子の指のネイルに見とれていた。

柚布子が注ぎ終わると重盛は一気に飲み干し、息を吐いた。 そして、首を二度縦に振った。 その様子を見て柚布子は笑い出しそうになった。 なんとも子供のようにほのぼのとした仕草であったが、左の小宮山の視線を感じて笑いが押し留められていた。

柚布子が小宮山の前に来ると仲居頭が新しいビール瓶を差し出した。
既に、小宮山はグラスを空にして片手で持って準備していた。
「よろしく、お願いします」
柚布子がビールをグラスに注ぐと小宮山は柚布子の手先から腕、胸へと視線と走らせた。
小宮山は注がれたビールを半分飲むと、柚布子の手からビール瓶を取ると、園田と同じように柚布子にその瓶を向けた。

柚布子は自分のグラスを手に取り、小宮山に翳そうとすると
「空けてほしいな」
そう小宮山は柚布子に告げた。 柚布子はグラスの残りのビール飲み干したが、げっぷが出そうで苦しかった。
「頂戴します」
小宮山は柚布子のグラスになみなみとビールを注いだ。

柚布子は直感的に少しでも口を付けなければならない状態と分かっていた。 姿勢を正して4人に酌をし、返盃を受けた。 柚布子が通常飲む量に達してはいないが、ピッチは早い。
柚布子はゲップを抑えながらグラスを口に運び傾け喉に流し込んだ。

最初の一口は飲めたが、息継ぎの時にゲップが漏れそうになった。 それを堪えようとしたがタイミング合わず咽たようになり傾けたグラスのビールが少し溢れた。 溢れたビールは柚布子の左顎から筋となって喉から更に下へと落ちていった。

小宮山はそれを卑猥なものでも見る目で追っていた。 さらに目を下に落とすと、ビールが飛沫になって飛んだのであろう、胸に小さく濡れた痕を作っていた。 角度によっては見辛いだろうが、小宮山の目には濡れたブラウスからブラジャーの淵がくっきり映っていた。

柚布子は慌てる様子もなくハンカチで口元を拭った。 重盛も山田も見て見ぬふりをしていた。 丁度次の料理が運ばれて来たところであった。
「どうぞ、料理を召し上がって下さい」
山田の声に促されて柚布子は自分の膳へと戻った。

柚布子の膳には脇にお盆が用意されていて前の料理がそこに置かれていて、今運ばれて来た料理が膳へと並べられていた。 最初の一杯以降柚布子は胃にビール以外を入れておらず、胃壁はアルコールを効率よく吸収し、肝臓に送られていた。

胃壁にアルコールが染み渡るのを感じて柚布子はいつもと違う酔いが襲ってくる予感がした。
  1. 2014/11/01(土) 09:04:54|
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序破急 - 序の19 着信

いつもより早く酔いそうなのを自覚してアルコールの吸収を抑える為に料理を口にしたが、水分なしに料理だけを胃に落とすのは辛い。 この段階で烏龍茶を頼める間柄の連中ではないので自分のグラスを取ったが、空であった。
その様子に気が付いた末永が柚布子にビールを注いだ。

「すまんな、あまり無理するな」
末永はビールを注ぎなが小声で話し掛けた。 ビールをグラス中ほどまで注ぐと柚布子はコップを少し持ち上げた。 これ以上は注いで欲しくないという合図だ。 末永がビール瓶を自分の膳に置くと、柚布子がそれを取って末永に翳した。 末永のグラスも空いていたのだ。

「まだ、大丈夫です」
柚布子も小声で応えた。 実際はアルコールのない水分が欲しいところだが、見栄を張ることも癖になっていた。
「それに、今日はお見合いですから」
柚布子は末永をからかった。
「もう、また、からかうんだから」
柚布子は末永の困惑している表情を見て自然と笑顔になった。


柚布子と末永の会話は園田には聞こえないが、阿吽の呼吸で会話しているように見えて園田は嫉妬を覚えていた。 確かに柚布子がグラスを持ち上げた瞬間から末永のグラスにビールを注いでその合間に会話している一連の流れは自然で微笑ましくも見える光景であった。

「よう、お二人さん、本当は社内不倫の関係なんじゃないの?」
突然、園田が言い放った。 一同は呆気に取られた顔で柚布子と末永を見た。 しかし、磯貝は柚布子と仕事付き合いがあり柚布子の性格をある程度知っている。 だから柚布子が末永をからかったのだと分かっていたが、それを一同に説明出来ない分笑い顔になった。

「磯貝さんの様子では、そんな関係ではなさそうだよ」
山田が救援の言葉を挟んだ。 もっとも山田にとってもそんな関係の女性であっては困るし、仮にそうであったとしても自分の会社ではそういう素振りはして欲しくないという願望があった。

「これは部長、意地悪な冗談ですね」
末永はビール瓶を持つと膳の脇から正面の園田の膳の前へ行き胡坐を掻いて、ビール瓶を翳した。
「部長も、ビールを注ぎに来ないからって冗談キツイんですから、おひとつ」
末永も伊達に営業部長はしていなかった。 園田の前に座り込み、園田と山田を相手に注がれ注ぎながら話込み始めた。 話題はセクハラで解雇されるされないの下世話話になっていった。

柚布子は流石に営業部長だと関心しながら料理を口に運んでいたが、胸の支えはゲップを堪えていたので残って違和感があった。
それに加え柚布子には正座という責め苦が続いていた。 華道や茶道で慣れている女性ならいざ知らず、正座をする機会の無い柚布子にとっては責め苦以外の何者でもない。
男性は胡坐を掻いているが、女性でしかもスカートの柚布子にとっては正座でしかも前が割れないようにしていなければならない。

そんな時、柚布子の後ろに置いてある自分の鞄から着信の振動があるのに気が付いた。 掛けて来たのが誰かも確認せずに、携帯を鞄から取り出すと磯貝に目配せして部屋から廊下へと出た。

脚は辛うじて立って歩ける感覚を保っていたが、血流が一気に脚に循環し、少しでも動かすと痺れで倒れるにも倒れられない状態になった。 片手を廊下の壁について脚を動かないように支え、もう片方の手で携帯の受話釦を押した。

「はい、生田です」
「よ~う、ゆ~こー、どうだった?」
久世からの電話だった。
「今晩は、久世様」
柚布子は座敷からそう離れていないので丁寧な応対をした。
「なぁ~んだ、仕事中?」
「はい」
久世もその対応で状況を察した。
「大丈夫?」
「ありがとう、ございます」
「仕事中だったんだ、邪魔だった御免ね、また掛けるわ」
「い、いえ、打合せ中ですけど大丈夫です、丁度中座したかったので」
柚布子は小声で会話を続けようとした。
「へ~、そう~だったんだ。」

柚布子は少しずつ脚を引き摺るように動かし、宴の座敷から遠ざかるように移動した。
「それで、さぁ~、何の打合わせ?」
「え、まあ、別案件の打合わせです」
「そ~っかー、ゆうこがメインじゃないんだ、その打合わせ、中座出来るんだから」
「い、いえ、そういう訳ではないですけど、今は大丈夫です」

柚布子は母屋に近い所まで来たころで脚の痺れが取れ自由に動かせるようになていると感じた。
「打合わせの後はどうするの?」
「え? 真っ直ぐ帰りますよ」
「真っ直ぐ? 曲がって帰るんじゃないの?」
「え? どうして?」
「だって、旦那以外の誰かに逢うんじゃなかったの?」
「何、言ってるの? まあ君」
「だって、さぁ~、エッチな下着で旦那と逢うのかって聞いたら、違うって、言ってたじゃん、 だから誰かに見せたりしちゃってるのかな? って・・。」
「もう、そういう意味じゃないってば・・・、それの確認の電話なの?」
「慌てて帰って行ったからさぁ、どうしたのかな? っと思って電話したんだけど」

相変わらずセクハラ紛いの久世の言動だが、柚布子は自分を心配してくれてる事が嬉しかった。 久世は柚布子に対して人前ではSの如き仕事上の弱みを見つけ責めるが、二人きりになると優しい人に変身するのであった。 いつしか柚布子はそのペースに嵌り好意以上の感情を抱いていることを自覚していた。

柚布子が久世と電話している脇を仲居が円筒形のグラスに紫色のカクテルらしき飲み物と同じ形状のグラスにオレンジジュースをベースにした飲み物、それに焼酎のお湯割りセットらしきものを座敷へ運んでいった。

「まあ君、電話ありがとう、助かったわ」
「何? 打合わせで向かいの男がスカートの中覗いていたから?」
「もう、まあ君、酔ってるでしょ? 会社じゃないでしょ」
「いつものショットバー、柳沢にさぁ、呼び出されちゃってさ」
「・・・・」
「心配しなくてもいいよ、こっちはちゃんとやっておくから」
「御免なさい、私のことで迷惑かけて・・・」
「大丈夫、だいじょうぶ・・・ まだ打合わせに戻らなくても平気?」
「戻る、でも30分くらいしたら息が詰まりそうになるかも」
「がんばれよ、じゃ、な」
「うん、ありがとう、まあ君」
柳沢という名前で柚布子は一瞬にして酔いが醒めたように意識がはっきりした。 柚布子は久世の責めたり優しくしたりの会話をもう少し続けたいと思った。 電話を切った後に携帯の表示を見ると、不在着信3件の表示が出ていた。 どれも久世からのもので柚布子が園田達を迎えたころから定期的に掛けて来ていたものだった。
柚布子はそれを見て久世への思いが深くなっていると感じていた。
  1. 2014/11/01(土) 09:06:01|
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序破急 - 序の20 カシスオレンジ

久世からの電話があったことで柚布子は気分的に楽になったのと同時に肉体的な胸の支えがげっぷとなって解放された。 げっぷの気体が鼻からだけではなく耳からも出たのではないかという爽快感で柚布子は思わず「やだ」と呟き口を手で押さえた。

「もう少し飲めそうだわ」柚布子はげっぷが出たことでそう思ったが、視野の遠近感は少し定かでないのも感じていた。

柚布子が座敷に戻ると、末永は園田と山田、磯貝は重盛と小宮山の相手をしていて盛り上がっていた。 柚布子はその場でどうすればいいか迷っていると、末永が「ちょっと」と言って立ち上がり、柚布子の元へやって来た。

「トラブルか?」
「いいえ、仕様のことで、確認があっただけです」
「そうか、直ぐに対応が必要か?」
「いえ、休み明けの対応で了解してもらいました」
「ご苦労さん、じゃ席に戻って、料理をご馳走になりなさい」
「はい」
柚布子が自分の膳に戻ると、紫色の飲み物と、オレンジジュースのようなものが用意されていた。

「それ、ヴァイオレットフィズとかいう飲み物らしい」
園田が説明した。
「最近の若いもんの間ではそういうもんが流行りとかで、重盛が頼んだ」
柚布子は園田の説明に重盛に笑顔でお辞儀をした。 園田の方に顔は向けていない。 園田はそれが気に入らないのか機嫌が悪そうに更に
「もうひとつはカシスオレンジだ、私が頼んでおいた、気に入ってくれたら飲んでくれ」
かなり剣のある言い方であるのが柚布子にも分かったので、造り笑顔で
「有難うございます、美味しいので頂戴します」
お世辞のつもりで応えておいた。


柚布子は残っていた料理を食べていた。 料理のカテゴリーはどちらかと云うと和食である。 料理を柚布子の胃に落とすのにカクテルはベストの組み合わせではなかったが、重盛が頼んだということで無理やり飲んだ。 柚布子はバイオレットフィズが始めてであった。 甘ったるいがドライな感触もあった。 口当たりは良いが、やはりビールの方がましと思った。 しかし、この状況でビールに手を出すのは憚れたので、バイオレットフィズを飲んだ。

柚布子の箸が止まるころ次の料理が運ばれて来た。 どちらかと云うと洋食風の肉料理であった。 一同は自分の膳に戻り肉料理を食べ始めた。

柚布子は水分が欲しかった。 出来ればアルコールの無いものが欲しかった。 柚布子は園田が頼んだカシスオレンジを口にした。 肉料理なので組み合わせは悪くないが、これを飲んだら磯貝に烏龍茶を頼んでもらおうと思っていた。

飲み会でカシスオレンジは何度も飲んでいるので味は覚えていたつもりであったが、今日のカシスオレンジは顎の奥にに苦味が残ると感じた。 それは直前に飲んだヴァイオレットフィズのせいだと思った。 カシスとは違うリキュールのように感じたが、それよりオレンジの水分が欲しかったのでグラスを干した。
その様子を園田がじっと見つめていた。 その横では仲居が焼酎のお湯割りを作って、山田や末永に配っていた。 他の男性はビール一辺倒のようであった。

柚布子は園田に見つめられて姿勢を正さずには居られなかった。 席についてまだ10分は経っていないが、もう脚の痺れが始まっていた。
「その飲み物が好きなようだね、もう空になってる」
じっと見ていた園田が口を開いた。 ヴァイオレットフィズは少し残っていた。 柚布子はそれに気が付くと、慌ててそのグラスを取り口に運んで飲み干した。
「こちらの重盛さんが頼んでくれたお酒も美味しいですよ」
柚布子は重盛の方を見ながら笑顔で軽く頷いた。 何かに対抗しようとするのが柚布子の癖でもあり、欠点でもあった。

仕事上では時には機転の速い賢い女性に見えるが、外れると墓穴を掘ることもある。 柚布子は重盛に気を使ったつもりだが、園田にとっては敵対的な対応である。
「同じ物を、あのお嬢さんに」
園田は仲居にカシスオレンジの入っていたグラスを指さした。 カシスオレンジとは言わず「同じ物を」と言った時にまたニヤけた顔つきを園田はしたが、柚布子はそれが園田の癖だと思っていた。

柚布子は脚の痺れが顕著になって来たので紛らわす為に隣の磯貝のビールを腰を浮かして取り、磯貝に注ごうとした。 磯貝のグラスにはまだビールが残っていたが、構わず注いだ。 ビールを注ぎながらでも神経は脚にあった。 脚は立ち上がれる状態であった。
柚布子は立ち上り際に磯貝に
「戻ったら、私に注いでね」
そう言って重盛の方へ向かった。 足取りはまだ大丈夫と思った。 柚布子は甘ったるい口の感触を拭いたかった。 重盛と小宮山にビールの酌をし、戻って来ると磯貝がビールを注いでくれた。 それを一口喉に流し込むがいつもの爽快感はなく、悪酔いしそうな予感でそれ以上飲めなかった。

二杯目のカシスオレンジが運ばれて来た時には、膳の列は崩れ園田、山田、末永の年長組と重盛、小宮山、磯貝の若年組との座といった感じになって、その両方を柚布子は行き来した。 若年組にずっと居たかったが行き来することで胡坐の掛けない柚布子は脚を伸ばせるのであった。 口当たりに慣れたのか園田の注文するカシスオレンジを更に一杯飲んでいた。 そんな最中、柚布子の鞄から振動音が聞こえた。

柚布子は急いで鞄から携帯を取り座敷の外へと向かった。 柚布子は受話釦を押して廊下まで出るのにスローモーションでも見ているように長く感じた。
母屋に一番近い部屋の辺りまで来ていた。 視界もややぼやけて、脚も痺れていた。
「はい、生田です」
柚布子は最初に「まあ君」と言いそうになったのを堪えた。 久世からの電話に違いないと思ったから着信番号も確認しなかった。
「お仕事中申し訳ありません、遊佐です」
「あ、遊佐様、今晩は」
「すいません、久世より連絡の時間を指定されていたのですが、遅れてしまいました」
「あ、いいえ」
柚布子はあれから30分後に久世から電話があることを期待していた。 しかし、遊佐の説明で自分に代わりに遊佐に電話を掛けさせたのだと理解した。
「例の仕様はこちらで纏めさせて頂きますので、それを連絡するようにとのことでした」
「いいえ、わざわざご丁寧に有難うございます、それで久世さんは」
「あ、外からでした、取引先の方とご一緒かと」
遊佐の声急に元気がなくなって小さくなった。
「そうですか・・・」
「あの、」
「はい」
「いえ、それではお伝えしましたので、気をつけてお帰り下さい」
「ありがとうございます」
「失礼します」
柚布子は久世本人からではなかったので少し落胆したが、遊佐を使ってまで中座出来るようにしてくれたことが嬉しかった。

柚布子が座敷に戻ろうと踵を返したその時、中年の男性とぶつかり廊下に尻餅をつくように崩れようとしていた。
  1. 2014/11/01(土) 09:07:23|
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序破急 - 序の21 指導

柚布子が尻餅をつくように腰砕けになった瞬間、ぶつかった相手の男が右手で柚布子の腕を掴み、左手で腰を抱え支えた。

ぶつかった男は園田。

園田は柚布子の腰を抱えた腕を引き寄せ自分の腰に密着させた。 柚布子は咄嗟に上体だけは園田から遠ざけた。

「危ないなぁ~、大丈夫ですか?」
「は、はい、すいません」
柚布子は右手で園田の腕を掴み作用点のように腕を伸ばし園田の腕を自分の腰から遠ざけ体勢を整えた。

「あ、いや、これは失礼、倒れそうだったので」
園田はニヤつきながらそう言うと、右手を離し柚布子と完全に離れた。 しかし、柚布子はぶつかった衝撃が引き金になったのか立っているのが辛いくらい酔い始めていると感じていた。

「私の足音にも気付かずに夢中で電話する相手ですか」
柚布子は背後の気配に気付かずに電話していたことを不覚に思ったが、遅かった。 SI会社とはライバル関係にある会社の遊佐と話していたのである。 しかも席を外したとはいえSI会社の宴席の場である。 園田がそれを見逃す訳がなかった。

「どういうつもりかね?」
園田の言葉は穏やかで座敷までは聞こえない大きさであるが、目が威圧的であった。
「い、いえ、プライベートなことです」
「そ~でしたか、確か先ほどの小宮山達のところの話では付き合ってる方は居ないと・・」
「い、いえそういう関係の人ではありません」
「は~ん、そういう関係の人は居るんだ・・・小宮山が、がっかりするなぁ」
「は?」
柚布子は園田が小宮山達と話していた内容を聞いていたことに畏怖を感じた。

「こういう場のご経験はあまりないようだね」
「い、いえ・・・は、はい」
「うち流のしきたりもあるし、色々覚えないとね」
「は、はい、よろしくご指導下さい」
「指導ね・・・そうね指導しないといけないみたいだね」
園田は陰湿に笑みを浮かべた。 柚布子の悪い癖がまた出てしまった。 今時の若い女性なら黙って俯いているだけでこの場を凌いだかも知れない。


園田は二人の立っている前の部屋の扉を手で示して案内するような仕草をした。

「じゃ、さっそく指導しようか、悪いところは直ぐ直した方が覚えるからね」
園田は柚布子の肩に手を伸ばし、肩を押すように部屋へと導いた。
「今日の君の悪かったとこから教えようね」
柚布子はそう言われて断る訳には行かなかったし、初めての得意先の慣習を知ることが出来るチャンスだと楽観的に断らない理由を見つけた。 そこの習慣を知らなければ商売が出来ないという時代ではない、他の女性なら断る理由を必死になって探したであろう。 しかし柚布子はそうしなかった。

柚布子は自分の思考力が落ちているかも知れないと思った。 一生懸命に状況を把握して判断しようとしている自分と、もうどうでもいいと思う自分が交互に入れ替わっていた。 それだけ酔いがまわり始めているからだと自分なりに解釈していた。

柚布子は酔いのせいにすることでもうひとつのまともな自分を押しのけて、園田の言いなりになることに傾倒していった。 園田の目を最初に見た時に何か逆らえないものがあると直感していた。

「じゃ、ここに正座してごらん」
園田の陰湿な声が柚布子の耳元を擽った。
園田は柚布子に正座を命令すると、部屋の照明をつけ、座敷の奥に胡坐を掻いて座った。

「そのまま、こちらに来なさい」
園田の次の命令だ。
「両方の掌を握って拳を作りなさい、そしてその拳で身体を浮かせるように」
スカートの裾から柚布子の手が離れると太腿の合わさった奥の逆三角形の部分が再び園田の視界に捉えられた。

柚布子は園田の視線が膝小僧辺りにあると思った。 さらにその視線はスカートの奥に向いていることも感じていた。 今、身だしなみとして隠さなくてはならないスカートの奥を目の前の初めて会った男に晒しているという被虐を不快に感じていない自分がいることを柚布子は知った。

「視線を下に落とさない」
園田のやや厳しい声が飛び、さらに、
「腕は両脇を締めて、拳は身体から離れないところで畳について、そのまま身体を前に出しなさい」
柚布子は言われた通りの動きをした。
柚布子が前に進むにつれてスカートが摺り上がり、園田の視界の逆三角形は次第に大きく、はっきり見えるようになった。

園田はその光景に予想以上に悦んだ。 名刺交換時には単にスカートの奥がチラ見えしただけだった。 しかし、今はスカートが摺り上がると太腿辺りのストッキングの模様はフェイクのガーター模様であるのが分かった。 本物のガータ程の色気さはないが、唯のパンストの奥を想像していた園田にとっては予想外の成果であった。

柚布子は間隔が短くなった脚の痺れと、思考力の維持との二つと戦っていたのでスカートがどういう状況なのかまで気を配れなかった。

「君は肩が傾いているね」
園田はそういうと、立ち上がって柚布子の元へとやって来た。
園田は柚布子の両肩に手を置くと力を入れて押した。
「うっ」
柚布子の声が微かに漏れた。 園田に押されたことにより脚がさらに圧迫されて痛みを感じたからである。 園田は手の力を緩めると肩を撫で始めた。
「もっと、背筋を伸ばして」
言われるままに背筋を伸ばすと脚に重圧が掛かった。 柚布子は脚の感覚が無くなるのを感じていた。

園田は撫でていた手を徐徐に肩から胸へと進めていた。
「これから、お望み通り指導しましょう」
柚布子の耳元で園田が囁いた。 柚布子も大人である。 何の指導なのかとは聞かない。 聞いたとしてもはぐらかされるだけである。 明らかにセクハラである。
しかし、問題はそう主張した場合に自分の立場がどうなるかである。 柚布子は「いつかこの男に抱かれるかもしれない」と、自然に思った。 そして、その思いを必死に掻き消そうと努力している部分がまだ残されていた。

園田に抱かれる。 自分の白い肢体に園田の身体が重なる。 柚布子の脳裏にその光景がサブリミナルのように一瞬浮かんで消えた。 それを掻き消そうとするればするほどその光景が挿入されて来る。
「だめ、他のことを考えないと」と、柚布子は心で呟いた。


「こ、これは、何の指導になるのでしょうか?」
柚布子はこの時ばかりは慎重に言葉を選んだ。
「ん、これはね、こういう料亭で女性がどう立ち振る舞うかを教えようとね」
そう園田が答えると、園田の右手は器用に柚布子のブラウウスの一番上の釦を外した。
そして、ブラウスの襟元から園田の手が入りそうになったその時、 咄嗟に柚布子の両手が胸元を押さえた。

「こ、これって、セクハラになりますよ」
柚布子は思い切って切り出した。
「誰がそれを信じる?」
園田はそう言うとさらに続けた。
「この状況で、君が私を誘わなかったと私に付いた弁護士が信じるかね?」
確かに敏腕弁護士なら法廷でそう切り返すかも知れない。 園田のやろうとしている行為はセクハラ以外の何物でもないが、この場に柚布子と園田が二人きりという状況から柚布子も納得の上での行為と主張するかも知れない。

園田は柚布子の脇に腰を降ろすと片方の手を膝から腿へと進めた。 胸元を阻止していた手のうち片方の手でスカートの中まで入るのを防ごうと園田の手を掴んだ。
しかし、園田の手ははお構いなしに奥へと進む勢いである。
「声、出しますよ」
「・・・ 出してごらんなさい」
園田は柚布子の首筋にキスする位近づけて、不敵に囁いた。

「みんなが、ここにやって来てこの光景を見たら何て言うかな?」
「・・・・」
「私は、『この女、私を誘惑しおって』と弁解するが、いいかな?」
「・・・」
園田はスカートの中への進入を続けると共に胸への進入も開始した。 力の差からすれば柚布子の阻止行動なのど他愛のないもであった。 しかし、園田も強引に侵入するのではなく、様子を見るように力を加えていた。 柚布子もありったけの力でこれを阻止するのではなくズルズルと侵入を許していた。

柚布子は諦めたように目を閉じた。
  1. 2014/11/01(土) 09:08:51|
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序破急 - 序の22 狩野派の掛け軸

「ほ、本当に声出しますよ」
「どうぞ・・・」
「出しますから」
柚布子の両手に力が一瞬入った。 その瞬間を待っていたかのように園田の両手は柚布子から離れ、園田は立ち上がった。

柚布子は出そうとしていた声を飲み込んだ。

「それでいいのですよ」
「・・・」
柚布子は呆気に取られた。
「こういう場で迫られても、毅然とした態度を示せるか、試したんですよ」
「・・・」
「私は会社で一番の紳士だが、そうでない者も残念ながら居る」
山田は更に続けた。
「そんな者に君が会った時に毅然としておればお互いの悲劇が防げるからね」
園田の説明はもっともだとも思うが、その顔つきから園田を信じることを柚布子は出来なかった。 それでも、取り合えず危険は回避されたと思った。

「君を試して申し訳なかった」
「い、いいえ」
柚布子はやっとそれだけ答えた。
「さあ、皆のところに戻りましょう」
園田が手を出したので、これは断ってはいけないと思い、その手を掴んで立ち上がろうとした。 しかし、正座の姿勢から片膝を立ててもう片方の膝を伸ばそうと先に立てた膝に力をいれたその瞬間、柚布子は脚に感覚がないことに気が付いた。

柚布子の重心は臀部に寄っていた。 脚に力が入らない状態では重力の法則に従う他はなく、尻餅を突く格好で後ろに倒れるのと同時に脚は重しから開放されるかのように伸びていった。
柚布子は園田の手を離そうと手の力を抜いたが手は離れず、園田との距離は柚布子が後ろに倒れるより早く縮まって行った。 相対的に見れば園田が迫っていることになる。

柚布子の臀部が畳に着くと園田の重さで背中から畳に仰向けに倒れた。 柚布子の上体には園田の上体が被さっていた。

辛うじて園田の顔を正面で受けることはなく首筋辺りに園田の顔があった。 柚布子はその顔とは反対側に自分の顔を向け、状況把握に努めた。 脚は血流が一気に循環しているせいか刺激を与えるとむず痒い感覚を発生させていた。 その両脚の間に園田の身体があった。

むず痒い感覚は脚全体に広がろうとしていた。 それは園田が腰を動かし柚布子の脚を広げようとしているからだ。 やがて柚布子の脚は完全に開かれ、園田の股間と柚布子の下腹部が密着する体勢になった。

「やっぱり、この男に犯される」柚布子は再び被虐的な妄想をしてしまった。 それは、園田の腰は微妙に動いて柚布子の下腹部に刺激を与えていたからかも知れない。

柚布子は被虐的な想像をするということはもしかしたら、自分がそれを望んでいるのでは? と、冷静に分析する自分がいることに驚いた。 そんな柚布子の分析にはお構い無しに園田の腰の動きは大きくなり、柚布子が下腹部に意識を集中させると、園田の股間が誇張し始めているのが分かった。

柚布子は大きく息を吸い込み、両腕で園田の身体を押し上げようとするよりも早く園田は自ら上体を起こした。 柚布子はまたも気勢を殺がれた格好になった。

園田は上体は柚布子から離したが、腰は密着させたままであった。 その腰をゆっくり離そうと、柚布子の腿に触れた。
「あ、あん」
柚布子の喘ぎとも思える声が漏れた。
「おや? どうしました?」
「あ、脚が・・・」

園田は片手で自分の上体を支え、もう一方の手で柚布子の膝から腿にかけて撫で上げた。
「あ、だ、だめ」
柚布子はむず痒い痺れに堪えていた。 血流が一気に駆け巡るが故に起こる現象で、じっとさえしていれば問題ないが、刺激を与える事で刺激は何倍にも膨らむ。

「お、お願い、触らないで」
園田の身体はいつの間にか柚布子の脚の間から外に出ていて、園田の手は柚布子の脚全体を撫で上げることが出来る体勢になっていた。
「脚の痺れをほぐしてあげましょう」
「あ、い、いや」
柚布子は艶かしいとも思える声を漏らした。

柚布子は脚に力を入れられなかった。 だが、上体は動かせた。 その上体を起こし、自分で脚を摩り、痺れを取ろうとした。 しかし、園田の左手がそれを許さなかった。

園田は左手で柚布子が起き上がるのを抑えるのと同時に右手で柚布子の両脚を膝から腿へと摩り上げた。 園田の視界には柚布子の脚の付け根までしっかりと、しかも鮮明に映し出されていた。

微かに黒いストッキングの下の白い下着には黒の縁取りがありそれが色気を演出していた。 その縁取りを追うと臍の真下辺りの下着との境には縁取り以外の黒い細かなものが見えていた。 状況からそれが何なのかハッキリ見えなくとも察することが出来る。 老眼の始まった園田の目にもそれが柚布子の陰毛であることは容易に判断出来た。 それは下着のクロッチ付近の縁にも見られた。

柚布子は睡魔と園田の手が脚に触れることで感じる痺れと戦っていた。 こんな大変な時に何で睡魔が・・・ そう思うと何時もより多くアルコールを飲んでいると思った。 それもいつもより速いピッチだった。 睡魔が出てくるのも仕方がないことであった。
しかし、この状況を脱する方法はいくらでもあるハズである。

柚布子は敢えてそこに身を置いていた。 園田の手が腿を摩り、次第に脚の付け根に迫ろうとしているのを意識しながら。
もう直ぐ園田の手は楕円を描きながら柚布子の脚の付け根に触れようとしていた。

園田には左手に感じるずの柚布子の両手の抵抗力が消えているのが分かった。 園田はゆっくりその左手を柚布子の鳩尾辺りに置いて上へと摩り始めた。 柚布子の両手は園田の左手を掴んでいるので他の者が見れば柚布子が園田の左手を導いているようにも見える。

園田が脚を少し開かせようと柚布子の右脚を引いた時に左脚が自然と脚を閉じる方向に動いた。 柚布子も園田もそのことは脚の痺れが取れて自力で動かせる状態になっていることを分からせた。
しかし、柚布子は起き上がる様子も見せずに園田に身を任せていた。 閉じた脚は再び園田の手が押し開けた。 今度は反動で戻ることはなく開いた状態を保とうとしているようにも見えた。

園田の左手はブラウスの上ではあるが、柚布子の胸の膨らみに達していた。 まさに園田の掌がその頂を覆い被さろうとしているが、柚布子の手には力が入らない。 同時に右手は脚の付け根をバイパスし、臍の方へこれまでの速度とは異なり無駄なく進みパンストの縁を指がこじ開けようとしていた。

「お願いです」
柚布子はようやく声をだした。 そして、その瞳は潤みはじめていた。
脳は覚醒しているのに、身体は酔いのせいで重い。 何でこうなるのか、この雰囲気に何故逆らえないのか、柚布子は自然と涙が出そうになっていた。
「や・め・て、下さい」
声は尻すぼみに消え入りそうであった。

「ここまでくれば、いつでも堕せる」 園田はそう確信した。 「急ぐことはない、今は山田達もいる」 そう、園田が思うのも無理はない。 初対面でここまで従順になったのだから。 逆にこれ以上のことをすれば、今、山田達に知られることになり園田はこの会社も追われることになるからだ。

園田はいくぶん不満の表情を見せたが、立ち上がり柚布子の腕を取り引き上げた。 柚布子はそれに釣られるように立ち上がり、髪や服装を手で払い整えた。

そして園田が部屋の電気を消し、二人は無言で部屋を出た。

園田が先に部屋をでると「おう」と声を上げた。
「どうかしたんですか?」
部屋の出口に小宮山が居た。 その小宮山が園田に聞いた。 小宮山は訝しげに柚布子の顔を覗くと柚布子と目が合った。 柚布子は顔を下に落とし、園田の後ろを追い越して先に宴席のある部屋へと向かった。

「模写だが、狩野派の掛け軸があるので、それを説明していた」
「そうですか」
園田がそう説明すると、会社の上下関係から小宮山はそれ以上追及は出来ない。 園田も柚布子に続いて戻ると、小宮山は部屋の扉を開け顔を差し込んだ。


部屋の中は暗いが床の間があるようには見えなかった。「おい、小宮山」 園田の声に小宮山は園田の後を追った。 それが、『構うな』という暗黙の命令であることを小宮山は心得ていた。
  1. 2014/11/01(土) 09:10:03|
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序破急 - 序の23 コンパニオン

柚布子は自分たちの座敷に入る前にもう一度身だしなみを確認した。 ブラウスの釦が一つ外れていたのを今更気が付いて狼狽した。 釦の外れた姿を小宮山が見ていたに違いないからである。
柚布子はSI会社の担当を外して欲しいとこの時思った。

「大丈夫ですか?」
座敷に戻ると、磯貝が心配そうに声を掛けた。 柚布子の先程とは一変した様子を他の男性も気になったが、山田や重盛は柚布子とは初対面なので聞くことを憚った。
柚布子は末永とは年中行事の宴席で顔を合わせる程度だが、磯貝とは仕事仲間同士での飲み会で一緒だったりするので、ある程度柚布子の酒量は知っていた。 磯貝には柚布子がいつもより多く飲んでいることと、いつもより酔っていることが直ぐに分かった。

「ちょっと、化粧室に行ってくるわ」
柚布子は自分の鞄を手に取り磯貝にそう言うと、園田と小宮山が部屋に入ってくるのと入れ替わりに出て行き、母屋近くの化粧室へと向かった。 男達は柚布子が出て行ったことで卑猥な話に興じ始めた。
園田は努めて柚布子の話題に触れない方向に話を持っていった。

柚布子は再び廊下を母屋の方へ向かった。 母屋の近くには大きめの女性用化粧室があることを事前に仲居に聞いて知っていたからである。 途中、先程まで園田と居た部屋の前を通る時、口惜しい気持ちが沸いた。 もう、二度とこの部屋の前は通りたくないと思ったが、少なくともあと二回は通らなくてはならない。
だが、柚布子はこの部屋の前を二度と通らない事を今は知らない。

柚布子は化粧室から戻ったら、末永に先に帰宅する許可を貰おうと決めた。 もうこれ以上尋常では居られないと思ったからである。

柚布子が化粧室へ向かう為廊下の突き当たりを右に曲がろうとすると、左から女性が小走りにやって来た。 その女性は柚布子には目もくれずロビーの方へ向かって行った。
背丈、髪型も柚布子と似ていた。 スーツも柚布子のようにビジネス向けでは無いが同じようなグレーのしかもミニを着ていた。

その女性は、もう一つこの別邸で開かれていた宴会に呼ばれていたコンパニオンの一人である。


柚布子は化粧室に入り用を済ませた後、洗面所の鏡に向い自分の顔を見つめていた。 鏡に写った顔は目の周りが微かに赤味を帯びて、酔っているのが分かった。

「すいませ~ん」
柚布子の耳に先程の女性らしき声が聞こえてきた。 先程目の前を小走りで通った女性に違いない。
「あのぉ、煙草がロビーの販売機に・・・」
宴会の客から頼まれた銘柄がロビーの自動販売機に無かったのであろう。
「え~、そ~なの? カードあります?」
帳場とのやり取りの後、再び小走りのような足音がして、その音は一瞬止まって下駄の音に
変わった。 女性はロビーに向かい別邸の下駄を突っ掛けて外へ出ていったようであった。 恐らく、外の自動販売機にでも煙草を買いに行ったのであろう。


柚布子がメイクを軽く直し、化粧室を出て自分たちの座敷に戻る為に廊下を気が進まぬ足取りでを歩いていた。
正面から別の宴会の男性客らしき者が廊下の正面を曲がってやってくるのが見えた。 柚布子はこういう場なので見ず知らずの人の顔を見るのも良くないし、自分もあまり見られたくないので俯いてすれ違おうとした。

あと数歩で柚布子達の座敷へ曲がる所であった。 まさに男が直前に来た時、柚布子の視界に男が拳を作り、反動を付けて柚布子の腹部に迫ってくるのが見えた。 柚布子は酔ってはいたが危機感を感じた。 しかし、それは遅かった。

腹部には激痛が走ったに違いないが、記憶から痛みが残っていなかった。 残っていた記憶は上下逆さまの映像で、自分の鞄が廊下に置き去りにされ曲がるはずの廊下が過ぎていく光景であった。 それも徐徐に暗くなって、やがて音も聞こえなくなった。

  1. 2014/11/01(土) 09:11:02|
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序破急 - 序の24 別邸の仲居 ふさ代

ふさ代は弥勒亭別邸の仲居として働いている。 別邸に勤めて5年目の47歳。 中堅どころで、もう少しで仲居頭になれるだけの経験がある。 別邸に仲居頭は現在二人居る。 専業の仲居頭は一人でもう一人の仲居頭や仲居の殆どが兼業、つまりパート従業員である。 この種の店では大して特別な事でもない。

ふさ代も兼業で昼間はコンビニで混む時間帯だけ働き、夜は別邸で働いている。 以前はスーパーのレジ打ちをしていたが、忙しい割りに給金は良くなかった。 それに比べると別邸の時間給は別格と言ってよい。 但し、別格なのにはそれなりに訳があった。

それは口が堅い事である。 この別邸ではそれが必須条件である。 見聞きしたことはその場だけの事とし、一歩そこを離れれば忘れなくてはならない。 従って、ある程度信頼されるまで上客の場には呼ばれない。

「今日の客は・・・」のような会話を仲居連中の間ですれば口が軽いと思われ、次からは声が掛からなくなり、やがて辞めていくのである。 しかし、トラブルは直ぐに仲居頭や女将に報告して対処しなくてはならない。 その兼ね合いが難しい。 客同士の揉め事に首を突っ込んではならないが、喧嘩沙汰にはならないようにしなくてはならない。

この日の別邸の予約は一件だけであることが前日に告げられていて、ふさ代に出勤の予定は無かった。 しかし、夕方に呼び出しが掛かった。 ふさ代は家族の夕食を急いで作り別邸に向かった。 ふさ代の家族も別邸から信頼され始めた頃から呼び出しが掛かることがあったので慣れていた。

出勤予定の無い仲居にはその日の客情報は一切知らせれない。 ふさ代は出勤してその日の仲居達の面子を見て客筋が分かるようになっていた。 それは仲居達の中に風俗店経験者が居ることである。 勿論、別邸が風俗店のようなことをする訳ではない。 そういう場に慣れている仲居が必要ということである。

この日、一件急な予約が夕方近くに入った。 予約主はSI会社の園田という得意先であった事と人数がそう大勢ではないので、別邸の女将は予約を受けた。 ふさ代は中堅どころということもあり、先に予約の入っていた方に付くことになった。 ふさ代の他には仲居頭と二人の風俗経験のある仲居が担当することになった。

ふさ代は今日の仕事は楽だと思っていた。 それは予約の客がコンパニオンを呼んでいたからである。 コンパニオンが居る場合は料理を運んで、飲み物を何度か追加するとコンパニオンと乱れることが多い。 そうなるとふさ代は宴会がお開になるまで用はない。 用があってもコンパニオンと乱れている最中は風俗経験者が担当することが多いからである。

ふさ代は慌しく着替えて準備している時に女将から今日の客筋を聞いていた。 何度か来ている客で今日のような宴会を定期的に仲間内でやっているような客であった。
その話の中でコンパニオンが一人都合が悪くなって、別に来るかも知れないと聞いていた。



予約客の到着はだいたいバラバラに来るので部屋への案内が必ずしも担当の仲居がするとは限らない。

タクシーで一組の男女がやって来た。 ふさ代が車寄せで迎えた。 人目で自分の担当ではないと分かった。 また、女性の方はいつも来るコンパニオンの服装に似ていた。 強いて言えばスカートが短くないのが違っているくらいに見えた。 ふさ代は一応、担当の仲居頭にその女性のことを告げた。 たまに自前でコンパニオンみたいな女性を別邸に無断で同伴する客がいるからである。

仲居頭が先に到着していた幹事にその女性のことを確認したら、なんとその女性の歓迎会みたいなものだと聞かされた。 それを知らされたふさ代はバツが悪かったが、予約がSI会社の園田ということなので、また園田に献上される女なのかも知れないと思った。 ふさ代は女の身体を売り物にすることに以前は嫌悪を感じていたが、自分も生活の為とそういう光景を見て見ぬフリをしていた。 そして、こういう場で女が男に堕ちるところを垣間見るのが好きになっていた。 それは他の仲居も同じであった。

やがて、ふさ代の担当の客も集まり、コンパニオンも到着して宴会が始まった。 ふさ代はもう一つの予約客のことなど忘れて配膳に忙しく動いていた。


ふさ代の担当する宴会は男女の嬌声が上がり始め盛り上がってきた。 そうなるとふさ代の出る幕はない。 せいぜい、食器類を壊されないようにする程度である。 だが、もう一つの大事な仕事がある。 それは見回りである。 特に今回のようにコンパニオンと乱れるような場合は宴会が行われている離れ以外の人に見られないようにする事である。 酔った客が他の宴席に紛れないようにすることも当然である。

今日は二組しか宴会は行われていないので見張りも楽であった。 ふさ代の客は男性が6人、常連は4名でふさ代には見覚えがあった。 それに比べコンパニオンは5名であった。 都合で1名来られなかったようだ。

ふさ代は人数を数えた。 男性が5名で女性が4名、 男女一組足りない。 大方何処かの離れの空き部屋に入り込んでいるのであろうと推測した。 こういう宴会にはよくあることであった。 ふさ代は離れの他の部屋を見回らなかった。 それは長年の勘で楽しんでいたカップルが仲居が通ることで盛り下がってしまうことがあるからである。

ふさ代は他の仲居に宴席を任せ母屋へ一旦戻ることにした。
母屋の外れまで来た時に空き部屋で物音がした。 ふさ代は勘でその音が何なのか察した。 そして部屋の前で聞き耳を立てると衣擦れの音がしてくる。 いつもなら、ここは離れではないので、今のうちに注意して、離れに行って貰のである。
しかし、他に宴会は一組で別の離れということもあり仲居頭か女将に判断を仰ぐことにした。

その部屋を離れ廊下を帳場へと戻ると、ふさ代はロビーの方から小走りにやってくるコンパニオンを見て首を傾けた。 コンパニオンは煙草の箱をふさ代に向かって振りながらやって来た。
「煙草買ってきたのぉ~」
そう、ふさ代に言うと座敷の方へ消えていった。

ふさ代は直ぐに計算が合わないのに気付いた。 先程の部屋の物音は一人の音だったのか? ふさ代は確かめにその部屋へと戻った。

部屋の中からは微かに人の気配がした。 ふさ代は手馴れた手付きで部屋の入り口近くの引き戸を覗ける程度に開けた。 ふさ代はたまに覗いているが、今日は少し心臓がドキドキしていた。

ふさ代の目に最初に飛び込んで来たのは脱ぎ捨てられてた上着である。 部屋の中の照明は点けられていないので、非常灯の灯りだけに照らされていて殆どシルエットと言っていい。
そして、顔を捩って奥を覗くと男が座っていて女が寝かされていた。 勿論、両者が誰なの分からない。

男は女の胸辺りを手で探っているように見えた。
一体誰なのか。 ふさ代は消去法で考えた。 男性の顔は確認出来ていないが、女性はコンパニオン全てが離れの宴席に今はいる。
と、いうことは今日の客で女性と言えば残るのは一人のみであった。

ふさ代は胸の高鳴なりを感じながら更に引き戸を開け、外の光が入るようにして目を凝らした。 シルエットがだんだん実像に近くなっていった。

やっぱり、あの女だ。 ふさ代は心でそう呟いた
  1. 2014/11/01(土) 09:11:58|
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序破急 - 序の25 仲居の密かな楽しみ

弥勒亭別邸の仲居は口が堅くなくてはならない。 ここでの事が外に知られないで、ここだけで終わることにこの別邸の価値がある。 それだけに、見てはならないことを仲居達は目にしてしまうことがある。

そういう事が多いと逆にそれが密かな愉しみになってくる。
ふさ代の目の前でまさにそれが始まろうとしていた。 今夜、急な呼び出しに応じた褒美のようにふさ代には思えた。

女はふさ代が部屋に案内した客で、ふさ代がコンパニオンと間違えた女に違いない。 意識はしていないが心の奥底には、間違えたことで少しの逆恨みの感情が芽生えていた。 だから、このまま傍観者で居ようとふさ代は思った。 どうせ園田に献上される女だ。 と、いうことは男は園田か? だが、シルエットは園田よりかなり若く見えた。

ふさ代は、もう一方の予約の客がSI会社の園田で、しかも、持て成される側という事を事前に知らされていた。 「園田に献上する前に連れの男が愉しのんでいるのだろう」はたまた「園田が部下に女をその気にさせて最後は園田が頂いてしまう」 ふさ代の妄想は膨らんだ。

ふさ代は女が大人しいのは合意の上だからと勝手に思い込んでいた。
そして、更に引き戸を開け覗き込んだ。 幸運なことに男は体勢を少し変えた。 女を扱い易いようにしたのだろう。 そのことがふさ代の所から両者が良く見える角度になった。



- ふさ代は暗がりで見えない部分を想像で補った -

男は寝かされている女の胸の辺りで両手を揉んでいるよな仕草をした。 ブラウスの釦を外しているようだ。 釦を全部外すとスカートの中からブラウスの裾を出してはだけさせた。
女の身体が寝返りでも打つかのように少し捩れた。 男は手を女の身体から離し様子を窺った。

女は鳩尾辺りが痛いのか手が無意識に臍の辺りを摩った。
男は女が起きないことに安心すると再び胸へと手を置きゆっくり露になったブラジャーの下辺りを女が起きないか顔色を見ながら摩った。 女が起きる様子が無いと判断したのかブラジャーの下から手を入れ片方ずつ上へと押し上げた。

女の乳房が非常灯の灯りで緑色に染まった。 男はその両方の膨らみを同時に外側から円を描くように摩り、掌で挟むように揉みはじめた。 女の吐息が零れた。
暗がりの中でも男にはお椀を伏せたような乳房の頂上に控えめに存在していた乳首が主張するように目立って来たのが分かった。

男は親指でその乳首を押した。 硬くなっていた。
男は両方の乳首を親指と中指で挟み揉んだ。 女の背中が少し仰け反ったように動いた。 男はまた起きるのではと思い両手を胸から離した。 しかし、女は再び背中を畳に落して動かなくなった。
男は掌で両方の乳房を揉みしだき、時より乳首をつまんだ。 女は乳首を摘まれる度に吐息を零した。

男は女の反応を確かめるように乳房と乳首を丹念に愛撫した。 男は女の乳首の硬さに満足していた。 コリコリと充分硬くなって指で弄ぶのを楽しんだ。 女はその愛撫に耐えかねて吐息が喘ぎに変わろうとしていた。 その女の表情を男はじっと満足げに眺め女の唇へ自分の唇を重ねた。

男が唇を重ねると女の唇は硬く閉ざされた。 男の舌の侵入を拒んでいた。 だが、男が片方の乳首を揉み上げると唇は割れ、男の舌は女の舌と接触した。
男は女の舌を執拗に突いて刺激した。 すると、女の舌は男の舌に絡まって来た。 一度絡まると、激しく女の舌は男の舌を追い回しているよに見えた。 男が舌を吸うと女もそれに応えて吸い返した。

息さえ音をたてないように注意深く呼吸していたが、今は互いに舌を求める度に息継ぎの声が漏れるまでになって来ていた。
男が女の唇から離れると、女は虚ろな目を開けた。 その瞳に非常灯の緑色が反射していた。 女は茫然自失の表情を示していたが、急に緊迫した表情になった。 男の手がスカートの中に入って行ったからである。

男がスカートの中に手を入れると女がスカートの上からそれを両手で押さえた。 しかし、男の両手は女の臍の下辺りのパンストの淵に指を入れると、臀部に向かって深く差込み、男の両手が臀部に達した頃には掌がパンストの中にすっぽり入り、その中の下着に指の半分は入っていた。

男は果物の皮を剥くようにパンストとパンティーを降ろした。 女の手はスカートの上にあったので、それを阻止出来なかった。 男は女の膝辺りまでそれを下ろした。 女は脱がされた股間をスカートの上から両手で押さえていた。

男はパンストと下着を下ろした片方の手を内腿に這わせ、そのまま躊躇することなく股間へと向かった。 そして、もう片方の手で女の手を退けると股間を弄った。 女の手から力が抜けと身体の両脇に落ちた。

男は股間に達した手の中指を伸ばし、上下に動かしながら女のヴァギナを捜し当て、それをこじ開けた。 そこは既に暑く滑っていたので、両腿は閉じられていても容易に動かし膣口に侵入することが出来た。

男は片手で膣口の中を弄び、もう片方の手で乳房と乳首を弄んだ。 そして女が感じて喘ぎ始めると、乳房を摘み乳首に唇を寄せそれにしゃぶり付いた。 男の舌がコリコリと乳首を転がすと膣口が連動して収縮したようだった。 女は再び目を閉じて声量は小さいが喘ぎ始めていた。

男は口で女の胸を弄び、片手で股間を弄り、同時に自分のベルトを緩めてズボンを下げようとしていた。 男は自分のズボンを脱ぐ前に女のパンストと下着に手を掛けて、膝から下へ更に脱がそうとして手を止めた。 女も合意の行為なら心配ないが、そうでないとすると行為の後にパンストと下着を無意識の女に着せることは男には無理と判断したからである。 それでも、男は自分のペニスだけは露出される程度にズボンと下着を下した。

男の指は最初は膣口から出し入れしていただけだが、今では入れたまま膣の内壁を掻き廻していた。 男は膣に差し込んだ指を激しく動かし、女が鼻から抜けるような声で喘ぎ、その声が逝ったように途切れると乳房をゆっくり揉み上げ膣内の指を小休止させていた。 女は本気で逝くのを寸止めされているように見えた。 更に男は親指でクリトリスを押さえて刺激を与えた。 女は顔をその度に反対側へと動かし、湧き上がる快感を受け入れているようだった。 その光景が何度か繰り返されていた。

- ふさ代の想像は実像と違わなかった -



ふさ代が覗きに興じていると、後ろからそっともう一つの宴会を担当している仲居が肩を叩いた。 ふさ代は声が出そうなのを堪えて振り返った。 そしてその同僚に向かって、口に指を立て部屋の中を指差した。
同僚の仲居は中を覗きこんで「やってるのね」といった感じで顔だけ笑った。

ふさ代は同僚の仲居が持っている鞄に気付き、指差した。 仲居は廊下の方を指差した。「廊下に落ちていたの」そうジェスチャーで言ってるようであった。 ふさ代にはその鞄に見覚えがあった。 明らかに女性用と思えるトートバックで手提げ部分に小さな熊のマスコットが付けられていたのが印象的だったからである。 それは、ふさ代が部屋へ案内した女のものであった。

ふさ代は同僚の仲居とその場から少し離れ、「男性客はみんな座敷?」と聞いた。 同僚は首を縦に振って頷いた。 ふさ代は悪い勘が当ってしまったと思った。 と、その時部屋の照明が点いた。 ふさ代と同僚の仲居は咄嗟に廊下にしゃがみ込んだ。 照明は直ぐに豆電球の光に切り替わった。 そして青白い閃光が室内で一瞬光った。

ふさ代は少し焦った。 部屋の二人がもう一組の予約客同士と思ったからである。 それは女性は特定されていたことでもう一組の予約客同士と決めてしまっていたからである。 もう一組の予約客の男性が全員座敷に居るということは、部屋の男は自分の担当の客ということである。

それでも両者が同意のことであれば邪魔する方が信用に係わる。 しかし、鞄が廊下に落ちていたということは合意ではないかも知れないということである。
ふさ代は女が最初は人形のように動かなかったことを思い出した。 もしかしたら気絶させられて部屋に連れ込まれての事なのかも知れないと。 そうなれば犯罪になってしまうかも知れないのである。 しかも別の予約客との出来事である。 店としても信用問題になるかも知れない。

ふさ代は手短に同僚の仲居に説明し、女将に指示してもらうように頼んだ。 同僚の仲居は真剣な顔つきになって急いで帳場へと向かった。 その時、再び部屋の中で青白い閃光が光ったがふさ代と同僚の仲居はそれに気付かなかった。
ふさ代は二人の様子を見張るべく部屋の前に戻った。

部屋の照明が点いていることでふさ代も覗き難くなった。それでも慎重に引き戸から覗くと男は女の顔辺りに居た。 そして自分のペニスを女の口に入れようとでもしたのだろうか、それとも一旦は入れてしまったのか、ふさ代には分からないが、男はそこから膝立ちのまま脚の方へ向かった。

ふさ代は女将が来るまでに、一線を越えないでいて欲しいと思った。 ふさ代にとっては二人の人生はどうでも良いが、ふさ代の責任問題になってここを追われることが問題であった。

しかし、ふさ代の思いとは裏腹に男は着々と自分のペニスを女の膣に収めるべく行動を続けていた。 ふさ代は部屋へ踏み込めないもどかしさでいらいらしながらも、二人を覗いていた。

何度も寸止めされていた女はぐったり動かなかった。 男は女の脚の方へズボンを下した不恰好な姿で移動した。 そして、女の脚にはパンストと下着が膝上に止まっている為、男は女の両脚をオムツを換える時のように持ち上げ、その脚の下へ移動し脚を抱えるような姿勢になった。 そのことが、ふさ代からは男の背中越に女を見ることになり、女の様子が見えない位置になってしまった。
ふさ代は女将が早く来るように祈った。

「間に合わなかったわ」ふさ代の祈りは届かなかった。
男は女の両脚を抱えたまま自分の腰を女の股間に当てがった。 そして、ゆっくり腰を送り出したのがふさ代には見えた。
  1. 2014/11/01(土) 09:13:11|
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序破急 - 序の26 別邸の女将

女将には判断する時間はない。 判断に時間を掛けていたら別邸の女将は務まらない。

女将は仲居から事情を聞くと、番頭らしき男性にハイヤーを頼み、両方の客が問題の部屋へ近寄らないように仲居を配置した。

女将は仲居からの報告を聞き終わって判断するのではなく、聞きながらオプションをいくつも策定し、話しを聞き終わった時にはオプションの優先順位が決まっているのである。 システムのプロマネをさせたら右に出る者が居ないかも知れない。 しかも結果は WIN/WIN が要求される。

この場合の一つの WIN は常連の園田達に事情を知られず宴会を無事終えること、もう一つの WIN はコンパニオンと宴会をしている常連客を犯罪者にしないで帰す事である。 しかも別邸の信用を損ねないということは既定である。

この事態に帳場には番頭一人を残し、板場の従業員を除く全員が動員された。 と、いってもそう多くはない。



「間に合わなかったわ」
男は女の両脚を抱えたまま自分の腰を女の股間に当てがった。 そして、ゆっくり腰を送り出したのがふさ代には見えた。

「はあ」
何度か男の腰が突き出された後に、男が吐息を漏らしたのがふさ代には聞こえた。
男は抱えていた女の脚を一旦降ろした。 女の脚を抱えながら自分の腰を女の股間に押し付けるには体勢に無理があるのだろう。 ふさ代は縦位置だが男のペニスが女の膣口に届いていないと思った。

男は再び女の脚を抱えると腰を女の股間に密着させようとしたが、今度は高さが合わないのか女の脚を再び降ろした。 そして、女の股間に指を入れて再び膣の中を弄った。

男はどういう体勢なら挿入出来るか考えているようだった。 女の膝にあるパンストと下着を外してしまえば女の脚は遠慮なく広げられるが、その後の始末が大変である。  

男は自分のズボンと下着を一旦元に戻すと、用を足す要領でペニスだけ出した。 それによって、男の脚は自由に広げて高さが調整出きるからである。

男は女の両脚を両手で抱え上げ、腰を女の股間に押し付けた。
ふさ代は今度こそ万事休すだと思った。 前よりも男の自由度は上がっていたからである。
しかし、何度か腰を押し付けた後に、腰を離し自らの手でペニスを扱いた。 今度は男の硬直が少し足りないのか、それとも更に増そうとしているのであろう。

片手で自分のペニスを扱くということはもう片方の腕で女の脚を抱え上げなくてはならない。 重労働である。 男が腕の力を弱めたのだろうか、女の脚が女の上体の方へ身体がくの字になるような方向に傾いた。 それによって女の股間は天井を向いた。 それと同時に女の身体全体が少し回転した。 そのことが、再びふさ代から男女の腰の辺りが見えるよになった。

男はこの体勢の方がより良い挿入方法だと気が付いた。

片腕で女の脚を抱え、もう片方の手で自分のペニスを握り、女の膣口に擦りつけた。 男はヴァギナの滑りをペニスを上下に動かすことで亀頭に塗りつけた。 後は腰を突き出して挿入するだけである。 そして男は次の動作に入る為に息を止めた。

ふさ代は背後に人の気配を感じて振り返った。 女将と数人の仲居と男性従業員がそこにはいた。 女将はふさ代に代わって引き戸から部屋の中を覗いた。 女将の目にもふさ代が見ていたものと同じ光景が見えていた。

「っうあ」
男の吐息とも喘ぎとも思える声がそこに居た者に聞こえた。
  1. 2014/11/01(土) 09:14:04|
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序破急 - 序の27 女将の才覚

柚布子は夫英生の肩に頬を摺り寄せていた。 頬を摺り寄せる相手がいることがなんてこんなに仕合せなんだろう、と思うと涙が出そうになった。 このまま夫に肩でも抱かれたら泣き出してしまうとだろう。 何故そんな気分になってしまったのか柚布子にも分からなかったが、夕べの事が原因であることは間違いなかった。

柚布子は泣いてはいけないと、ソファーから立ち上がった。

立ち上がったはいいが、その先を考えていなかた。
「ん? 柚布子、どうした?」
「あ、洗濯しなきゃって・・・」
「うん、そっか」
柚布子は咄嗟に答えたが、それが名案だと気付いて脱衣所へ向かった。

脱衣籠には夫の下着とバスタオルがが一番上になっていて、それを洗濯機に放り込んだ。 夫の下着の下には柚布子が先程シャワーに使ったバスタオルがあり、更にその下には夕べ着ていた自分のブラウス、ストッキング、下着が現れた。

それらを順番に洗濯機に放り込むが、パンティーを手に取った時に不自然に感じた。 裏返しになっていたからだ。 夕べは英生が柚布子の下着を脱がした。 それを脱衣籠に入れたのも英生だった。 裏返しになっていたということはクロッチの部分を調べたからに違いない。 

柚布子もパンティーを手に取り、クロッチ部分を指で触って調べた。 夫もそうしたのだろうか? 今は乾いているが、夫が調べた時にはそうで無かったかもしれない。 夫がそういうことをしたことを責めているのではない。 自分の妻の下着を脱がした夫なら誰でもそのくらいの事はするかも知れないからである。

柚布子が責めるべきはクロッチが知っているはずのことが自分の記憶にないことであった。
柚布子は昨夜の手打ち式の殆どに記憶が繋がったが、洗面所を出た後の記憶が未だに定かではなかった。



柚布子が気が付いた時には帳場の奥の部屋で、周りにには女将と仲居頭が数人いて自分を心配そうに見ていた。


-弥勒亭別邸-
女将は問題の部屋の前へ来ると、ふさ代に代わって中を覗いた。 そこには男が寝かされた女の両脚を揃えて片腕で抱え、女の股間に自分の腰を重ねている光景だった。 女の脚にはパンストと下着が膝のところまで下ろされていて、男が動く度に揺れていた。。

「っうあ」
男の吐息とも喘ぎとも思える声がそこに居た者に聞こえた。

女将の判断は早い、というか既にオプションが決まっていて状況に応じてオプションを実行しているに過ぎないようであった。

女将はふさ代に向かって
「どう? もう、やった? 入れたの?」
そう聞いた。 部屋の中には聞こえないが、女将の周囲に居た者には聞こえる大きさであった。
「いいえ」
ふさ代はそう答えるしたかなかった。 それは女将の顔がそう答えなさいと言ってるようだったからである。 実際、ふさ代はその行為自体を確認していないので、嘘を言ってる訳ではない。 しかし、そう答えることが自分の保身になることも分かっていた。

女将も自分でその光景を確認済であるから、わざわざ聞くこともない。 しかし、それは弥勒亭別邸の立場を女将が従業員の前で知らしめた訳である。 実際、中を覗いたのは今のところ女将とふさ代だけであるから、その他の者はそう言われればそう思うしかないのである。



「まあ、まあ、お客さんこんなところで、おふざけを・・」
女将が扉を開けて入るや、そう言いながら男の脇に立ち女の脚を持つと男は驚いたように女の身体から離れた。 男のペニスが勢いよく上を向いているのが見えた。 女将は仲居たちに目配せした。

ふさ代ともう一人の仲居が女の身体に取り付き、下着とパンストを取り合えずスカートの中まで上げ、胸をブラウスで隠し上着で覆うと外に居た男性従業員にふさ代が「お願い」と声を掛けた。
従業員らしい男は女をだっこすると仲居の案内で園田達の座敷を通らない方向へと消えていった。

「お客さん、だいぶお酒をお召しになったんですね?」
女将は男の気を殺がないような言葉を掛けた。 男は暫く呆然としていたが、萎えてきたペニスに気が付き慌ててそれをズボンの中へ収めた。

「何があったんですか?」
「・・・・」
「先程の女性が何か失礼なことでも?」
「い、いや、べつに」
「別に? なにも? 無かった?」
「あ、ああ、何も・・」
「何も無かったんですね?」
女将は詮索するような口調から、急に平常の口調に戻った。
「それは、それは、他のお客様と何かあったら大変ですからね」
「え?」
男はびっくりするよな表情をした。
「お、俺たちの、コンパ」
男はそこまで言って自分の間違いに気が付いた。
「い、いやなんでもない。」

「大丈夫ですよ、佐々木様には何も言いませんから」
佐々木とは宴会を予約した常連でこの会を首謀する者である。
「お部屋にお戻り下さいな」
そう言うと、男を座敷に送り出した。 その後をふさ代が付いて行った。
男は途中、トイレに寄り、自分のペニスを引き出した。 我慢汁がだらりと垂れいたのでトイレットペーバーで拭き取った。
「ちぇっ」
男は舌打ちしてトイレを出てた。 そこでハンカチでも探そうとした時にあることに気が付いた。 携帯電話がポケットからなくなっていた。

男は先程の部屋に戻ろうとすると、ふさ代に呼び止められた。
「携帯を落としたみたいなんだ」
そう言うと先程の部屋へ入って電気を点けた。 ふさ代も勿論、同行している。
果たして携帯は部屋の隅に落ちていた。 男は安堵したようにそれを拾いポケットにしまった。
ふさ代は携帯をあの部屋へ落としたことを不思議がらなかったし、女将にも報告することは無かった。


男は宴会の場に戻っても一人盛り上がらなかったのは言うまでもない。 おまけに、始終仲居に監視されていた。

男は自分で酌をしながら、先程の女のことを思い出していた。 男は携帯を確認したかったが、仲居が始終傍にいるので出来なかった。

そして酔えなかった。
  1. 2014/11/01(土) 09:15:09|
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序破急 - 序の28 スクリュードライバー

「あのさー、お酒ってどんなの?」
英生が脱衣所の柚布子に向かって聞いた。
脱場所では柚布子が水道の蛇口を捻り洗濯機のスタート釦を押した。 洗濯機のドラムが数回周り、水道の蛇口から勢い良く水が放出され始めた。

「なんか、言ったー?」
柚布子は脱衣所から戻ってリビングの英生に問い直した。

「うん、お酒飲まされたって言ってたけど、焼酎?」
「ちがうわ、カクテルみたいなの」
「へ~、そんなのも出るんだ。 で、どんなの?」
「うん、重盛さんからヴァイオレットフィズをご馳走になったわ」
「へ~、ずいぶん古風なカクテルだな、重盛のヤツ」
「そうなの?」
「口当たりは良いけど、結構度数高いからな。重盛のヤツ酔わせようとしたな」
「なに、言ってるの、一杯だけよ」
「そっかー、他には?」
「うん、えーと、なんだっけ、スクリュー・・・・」
そう言いかけて、口をつぐんだ。 何故、その言葉を知っているのか。 飲んだのはカシスオレンジでは無かったのか・・・・ 柚布子の記憶がまた一つ繋がろうとしていた。

「それ、スクリュードライバーだろ?」
英生が柚布子が飲み込んだ言葉を引き取って答えた。
「それ、後から効くんだよね、昔のオヤジ達がバーで女に飲ませて酔わせていたヤツだよ」
「え? そうなの?」
「何杯飲んだ?」
柚布子は英生の説明を聞いて3杯、しかもカクテルグラスではなかったことなど言えなかった。
「それも、一杯だけヨ」
「な~んだ、そっかー、じゃ、チャンポンで悪酔いしちゃたんだな」
「・・・・」
柚布子はカシスオレンジではなく、何故スクリュードライバーと答えてしまった事を思い出すところであった。 そして、昨夜の出来事が時系列に繋がろうとしていた。


-弥勒亭別邸-
柚布子は鼻を曲げるような異臭で目が醒めた。 女将が何かの小瓶を柚布子の鼻先で燻らしていた。 柚布子は上体を起こしたその時、鳩尾に鈍痛を感じて思わずお腹を押さえた。 そして身だしなみが気になった。 それはいつもと違う違和感があったからである。 一応、服装は上着を着ていないことを除けば整っているようだが、着た感じが落ち着かなかった。

「大丈夫ですか? お嬢さん?」
「は? はい」
柚布子はお嬢さんと言われて戸惑った。 そういえば、私は独身ということになっていたんだと思い出した。 柚布子は次第に酔いが醒めるのを感じていた。

「ずいぶん、お召しになったのね、スクリュードライバーを」
「え?」
柚布子は女将の話が分からなかった。
「カシスオレンジなら杯3杯くらい飲みましたけど」
女将は園田が騙して飲ましたことなど承知だった。 それは園田の常套手段であったからである。 年配ならどんなお酒か知っているが、最近の若い世代には知らない者もいるので園田はそこを狙っていた。 それを女将が暴露することはないが、飲み物だけは何を飲んだか教えた。

「あの、わたし、どうしたんですか? それに皆は?」
柚布子はもっともなことを女将に聞いた。 女将も聞く手間が省けた。 女将は柚布子がどこまで覚えているかに依って次のオプションが決まるからである。
「大丈夫ですよ、みなさん、お部屋で待っていますよ」
その事を聞いて安堵したのと同時にまたあの席には戻りたくないと思った。
「あの、わたし・・・」
女将は笑顔でその先を促そうとした。
「覚えていないの?」
「・・・・」
「無理に思い出さなくてもいいのよ」
柚布子は煙草を吸う人との接吻をしていたような気がした。 夫の英生は煙草を吸わない。 他に吸う男性で誰が居るかと思いを巡らせると久世くらいである。 柚布子はまさか久世との接吻を夢の中でしていたのか、それだけ久世に思いがあるのだと自覚した。
しかし、今はそんなことではない。 それに誰かと接吻をしていたなどと女将には恥ずかしくて言えるはずもないので、記憶を辿った。

「誰かに、お腹を打たれたような・・・」
「そう、それは痛かったでしょう? それで?」
「そのあと、視界が暗くなって・・・」
柚布子は、その後の事は接吻以外にもぼんやりと思い出していたが、この時はそれが気絶していた間の夢なのか、現実なのかの判断が出来なかった。 だから女将にその曖昧な記憶は話せなかったし、赤裸々過ぎて破廉恥に思われるかも知れないからである。
「気が付いたら、ここに居ました」

「そうだったの・・・痛かったでしょ?」
女将は次なるオプションを繰り出した。
「貴女に暴力を振るったのは他のお客さんなの、貴女を自分達の部屋にでも連れて行こうとしていたみたい。 呼んで謝らせましょうね」
女将には柚布子が断るのが分かっていた。 女将の長年の経験と言って良い。 柚布子の瞳が暴かれたくないことを望んでいると見て取ったのである。 が、しかし経験則通りに行かないこともあるので、相手の男を帰したりせずに仲居の見張りを付けているのである。 最悪の場合、警察に訴えるかも知れないからである。 女将はそこまでオプションに備えていた。

「酔っていたと言っても、暴力は暴力ですからね」
女将はダメを押した。
「い、いえ、それは・・・」
柚布子の答えは女将の予想通りであった。
「知らない人だし、酔っていたなら・・・」
「そう、いいのね?」
柚布子は誰に謝罪させるかとかより早く帰りたかった。
「はい、それより、わたし・・あ、みんなに・・」
柚布子の声は消え入りそうだった。 それだけ疲労困憊の状態であった。


「ええ、もう貴女はお暇した方がよろしいかしら?」
「は・い・・」
「じゃ、みなさんにお話して来ますから、貴女は化粧室に行って帰る仕度をしましょうね」
「あ、あの、磯貝くんに、送ってもらいたいと言ってもらえますか?」
「そ、そうね、誰かに送ってもらいましょうね」

女将はそう言い部屋を出ていくと、仲居頭が入れ替わり来て柚布子に従業員用の化粧室を案内した。

柚布子は化粧室の鏡に向かって自分の顔を暫く眺めた。 ついさっきも別の化粧室でそうしていたような気がした。 その時と違って服装が乱れていた。 ブラウスの襟は少し依れていて、胸に違和感があった。 それはブラジャーがいつもの位置より違っていたからである。 それが上にずらされたことによるものとは思わなかった。

柚布子はブラウスを一旦脱ぐとブラジャーを嵌め直して再びブラウスを着て、その襟を立てた。 そしてブラウスの裾をスカートの中へ入れる為に一旦スカートのファスナーを下げて緩めると、パンティーストッキングと下着も少し依れていた。 いくら正確に他人がそれを履かせたとしても本人の癖まで真似出来ない。 だから違和感を感じたのである。

違和感は服装だけでは無かった。 気絶から醒めた時から女の芯が夫婦の営みの後のような感覚があったからである。 あの時、周りに女将達が居なければ真っ先に確認していたに違いない。 自宅に帰ってから確認しようと思っていたが、やはり気になった。 自宅まで待てないと思った。

柚布子は誰も居ないと思ったが、個室に入ってパンストと下着を下した。 そして股間に指を入れてヴァギナを確認した。 やはりそこは滑っていた。
「あれは、やっぱり・・・」
  1. 2014/11/01(土) 09:16:09|
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序破急 - 序の29 お開き

園田たちは卑猥な話しに盛り上がっていたが、誰もが柚布子の戻りが遅いことを気にしていた。 しかし、磯貝から化粧室に行ったと聞かされてそれを追求するのは憚れていたから、誰もそれを口に出来なかった。

そんな中、女将が座敷にやって来た。 同行した仲居が磯貝の方を手で示すと、女将が磯貝に耳打ちした。 磯貝の表情が少し硬くなって、直ぐに同じ内容を末永に耳打ちした。 末永も今まで卑猥な話しに興じていた顔が真面目顔になった。

女将が柚布子の様子を伝えたようだった。 末永が女将の方を見て頷いた。 「女将の口から説明して下さい」という合図であった。

「園田さま、また、ずいぶん飲ませたみたいですね?」
「女将、また、とは心外だな・・・」
「おや、おや、そうでしたか?」
女将は園田に向かって話し掛けた。 SI会社の誰もが柚布子の事だろうと思っていた。

「こちらのお連れの女性が気分が悪くなって、母屋で休んでいます。」
「大丈夫なんですか?」
山田が女将に問い質した。
「大丈夫ですよ、飲み過ぎただけのようですから、ただ・・・」
女将は少しもったいぶった言い方をした。
「お先に、お引きになった方が良いかと・・・」
「そうですか、どうします? 末永さん」
山田は同じ会社の末永が決めるべきと思ったのであろう。

「すいません、うちの者が始めての機会にご迷惑を掛けて」
「い、いや、知らない事とはいえ、こちらも無理強いしたかも知れません。」
山田はこの中では最年長ということもあり責任を感じているようであった。 それに比べ園田は我関せずといった表情をしていた。

「いいえ、無理強いなんて、そんなことはありません」
「いや、こういう場です、断り辛いこともあったでしょう。 彼女に頑張って貰いたいのは私たちのお酒の付き合いではなく、仕事ですから」
「はい、ごもっともです」
「じゃ、週明けからバリバリやって貰わないとけないから、お開きにしませんか?」
一同、首を縦に振った。

「まあ、そうされます? じゃ、彼方、彼女を送って下さいな、車はこちらで用意しますから」
女将が磯貝に告げた。

末永が〆の挨拶をして、皆女将と仲居の後に付いてロビーへ向かった。

磯貝は会計を済ませる為に女将と帳場へ向かい、他のものは仲居が手配した車を持つことになった。
磯貝は会計を終えるとそのまま裏口の方へ案内された。 そこにはハイヤーが待たされていて、後部座席には既に柚布子が座っていた。 磯貝は運転手に行き先を聞かれると、柚布子の住んでいる町の名前を告げて乗り込んだ。

磯貝は柚布子が気分が悪くなって、介抱されたことを想像していたが顔色はそうでは無いように見えた。 むしろ、薄暗がりの中の柚布子は艶っぽく、ドキッとさせた。 磯貝も柚布子が園田と一緒に座敷に戻った時の表情も少し妖し気に感じていたが、今は確実に女を感じていた。

ドアが閉まると車は走り出し、女将がお辞儀をしている姿が遠ざかっていた。

車は幹線道路に出ると一路、柚布子の住む町へと向かった。 街灯の光が車内をライトセイバーの光跡のように照らしていた。 その光の中に柚布子の脚、胸、顔が順に映し出されていく光景を磯貝は見ていた。 安心しきっているのであろう、脚は心なしか車の揺れに少しずつ開いていた。

磯貝はその脚に見とれていた。

「大丈夫ですか?」
磯貝は車に乗って初めて柚布子に声を掛けた。

「磯くん」
柚布子は泣きそうな声でそう言うと、磯貝の肩にもたれ掛かり目を閉じた。 磯貝は女の匂いを嗅いだ。 そして、磯貝の手が柚布子の脚に伸びて行った。
  1. 2014/11/01(土) 09:17:19|
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序破急 - 序の30 家路

磯貝は入社3年目である。 帰国子弟であるので27歳である。 それでも磯貝より歳下が営業部には居ないので、皆に可愛がられ『磯ポン』と呼ばれている。 女性にも人気があるから渾名はあまり格好いいものを付けて貰えなかった。

柚布子は『磯くん』と親しく呼んでいた。 柚布子が親会社に引き取られたのと同時に営業部に配属になったので歳は違っていても同期のようなもので、飲み会も良く一緒に行く仲である。 磯貝が柚布子に職場で出逢った時には柚布子は既に結婚して数年経っていた。 また、柚布子の前の会社を知らないので、磯貝と柚布子の夫の英生とは面識がない。

磯貝は柚布子と出逢って直ぐにファンになった。 それは柚布子が既婚であったからに他ならない。 柚布子が独身だったなら好意以上の感情を持ったに違いない。 柚布子もそれとなく磯貝の気持ちを理解していた。 そしてそれが仕事にも影響して磯貝が取ってくる仕事を柚布子がサポートすると必ず上手く行った。 それによって、磯貝も3年目にして独り立ちするようになり、余程の大きな受注でない限り一人で手掛けるようになった。

柚布子も磯貝の為には多少無理をすることがある。 今回も本来なら久世の会社の担当なので断っても良いところだが、磯貝の担当顧客ということで二つ返事で承諾していた。
柚布子と二人でこうして車で帰るのも始めてではない。 だからと言って二人がそれ以上の関係になることもなかった。 それは互いが良識を持っていたからである。

磯貝には恋人がいる。 社内恋愛だ。 それは皆が知っている。 尚更、柚布子と磯貝がそれ以上の関係になる環境にはないが、その直前までは互いに許している。 仕事でも信頼し合っているからこそであろう。 もっとも、海外生活経験のある磯貝にはスキンシップは当たり前かも知れない。

今も柚布子は磯貝の肩にもたれ掛かって、目を閉じている。 寝ていないことは磯貝には分かっていた。 何かを聞いて欲しいのだろうと磯貝は感じていた。

「園田さんと何かあったんですか?」
「・・・・」
柚布子は肩にもたれたまま首を横に振った。
「あんなに早いピッチで飲むんだから、驚きましたよ」
「御免ね、失態だったわね、かえって印象悪くしちゃったわね」
「大丈夫ですよ」
「磯くん、なんか、すごく眠い」
柚布子は磯貝の肩に頬を擦り付けるように、今度は眠りに入ろうとしていた。
「いいですよ、着いたらお越しますから」
磯貝は柚布子の肩を抱いた。 いつになく女の匂いが磯貝の鼻を突いた。

本当に寝てしまったのだろうか。 柚布子の脚は車の揺れで少し開いて、それを道路の街灯の光が明暗交互に照らしていた。

柚布子が久世の会社のアシスタントマネジャーになって半年、その間磯貝とコンビを組む仕事は無かった。 磯貝は久世の会社の担当ではないからである。 磯貝は少し妬いていた。 今度の一件も磯貝の進言があって柚布子に白羽の矢が立ったと言ってもいい。 磯貝は柚布子を取り戻した気分でいたが、今夜のことでSI会社の購買の獲物になりそうなのを男の勘で感じていた。

この脚をアイツ等が・・・、この唇をアイツ等が・・・
磯貝は柚布子の脚に手を伸ばし置いた。
柚布子は動かなかった。


柚布子は目を閉じて弥勒亭別邸でハイヤーに乗る直前のことを思い出していた。
化粧室の個室に入り、違和感のあったパンストと下着を下ろした。 そして股間に指を入れてヴァギナを確認した。 やはりそこは滑っていた。
「あれは、やっぱり・・・」
指は糸を引いて股間から出てきた。 柚布子はとんでもないことが起きたと思い、取り合えずビデで洗浄して乾かした。 見知らぬ男が柚布子を自分の部屋へと連れていく為に気絶させられた。 その間に自分は男に犯される夢を見て濡れていた。 そんな破廉恥な自分が信じられなかった。 そうでないとすると、やはり、夢ではなく誰かに・・・・
柚布子は眠りながらでも混乱していた。

そして又も濡れるような気配を感じた。 柚布子は内股を刺激されているのを感じていた。 誰かの手に違いない。 薄目を開けて霞んだ視界には確かに誰かの手がスカートの中で動いている。 状況から判断して磯貝だろうと思った。 磯貝とは飲み会で酔って多少のスキンシップはあったが、ここまではなかった。 柚布子はしばらくその手を泳がせた。
その手も遠慮がちに脚の付け根までは侵入しなかった。

「磯くん、そこから先はダメだからね」
柚布子は小さく、しかしダメと言いながら嫌がっていない甘えた口調で呟いた。
磯貝の手は遠慮がちだがスカートに入り、この体勢でこれ以上奥には入らないという所で止まっていた。 磯貝が思慮深いのではない、柚布子の住むマンションが近いからである。
「もう、また、変な起し方するんだから」
柚布子は磯貝を傷付けないような言い方をした。 気付かぬふりをされるよりか救われる言い方と磯貝は思った。

やがて、車は柚布子のマンションの前着いた。 磯貝は柚布子を介抱するように車から降ろした。 そして、車を待たせセキュリティードアーの前まで連れて来ると、柚布子は磯貝の唇にキスをした。
「ありがとう、磯くん、アメリカじゃこうするのよね?」
柚布子は千鳥足だが、ドアの向こうのエレベータに消えた。

磯貝は運転手に恋人の家の方向を告げた。 誰かを抱かずに居られない夜だったに違いない。
  1. 2014/11/01(土) 09:18:35|
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序破急 - 序の31 兆し

「柚布子、俺、今日、ちょっと忙しいんだ」
「あら、そうなの」
「ん、だから今日会社に来ても声掛けられないかも知れない」
「そうなんだ、いいよ、別に」
「悪いな」
弥勒亭別邸での手打ち式後、柚布子が初めてSI会社に打合わせに来る日であった。


英生は複雑な心境で週の初めを迎えた。 それは妻の柚布子が英生が派遣されている会社の中継ぎとはいえ、アカウントマネジャーになったからだ。 妻がまた自分と同じ職場に来る。 一緒に仕事をする。 二人が出逢って結婚した時のように。

だが、英生の席は妻の窓口担当の席からは遠く、社員という壁で隔てられていた。 実際、派遣は外人部隊みたいなもので、正規軍の社員とでは何もかも違っていた。 柚布子がそんな自分の妻だとしたら、肩身が狭くなるどころか不利なのではと思うこともあった。


製品企画部の打合わせブースに一人の女性が颯爽と入って来る。 誰もがその姿に注目する。 胸の辺りまであるであろう黒髪をポニーテール風に束ね、ブラウスの襟を立て胸元はぎりぎりまで開けている。 男達はその胸元に注目するだけではなく、振りまく笑顔は人妻の艶香を漂わせている。 用の無い者まで打合わせブースの周りをうろつき、横目でその女性を見て通り過ぎていく。
打合わせが終わると「ちょっと」と断って出口とは反対方向に歩き始める。 誰もがその姿を目で追っていく。 そして、英生の席の前に来ると
「あなた、今日のお帰り何時? お夕飯、何がいい?」
その女性は話掛ける。
紛れも無い自分の妻、柚布子である。 部屋中の人がその一言に驚愕する。
「君の手料理は全部美味しいから、何でもいいよ」
「そう、じゃ、早く帰ってきてネ」
そう女は言うと部屋から出て行った。 その後に部屋の皆が英生のところに代わる代わるやって来て妻のことを褒めたり、英生を羨ましがることを言って来る。


英生の妄想である。 しかし、それは柚布子がSI会社の得意先であった場合で、実際は取引先で英生と変わらない立場である。 もしそうで、柚布子が自分の妻であることが分かると;

「なかつかさ~、あれ、おまえの女房かよ」
英生に仕事を依頼している設計部の連中がニヤニヤしながら、英生の席にやって来る。
「いい、女じゃないか、身体もいい線行ってるぜ、、忙しいお前じゃ、夜は満足させられないだろう?」
耳元で囁く。何も答えられない英生に更に
「代わりにさぁ、俺達が満足させてやるから、ちと、貸せや」
露骨に英生に要求する。 妄想の中では英生の反論はない。
「おっと、オイラ達より先に製品企画部の連中が味わうみたいだぜ」
そう言った男の視線を英生が追うと、柚布子が製品企画部の連中に手を引かれ何処かへ連れて行かれるところである。 英生はその後を急いで追う。
柚布子は応接室に連れ込まれ、ソファーに押し付けられ、男達の手によって、下着だげの姿にされる。 その下着の上から男達が執拗に愛撫をする。 柚布子から喘ぎ声が漏れてくる。 妄想の中の英生は声が出ない。 自分の妻が陵辱されようとしているのに・・・
「いい子だ、旦那の派遣を解除されたくないだろう?」
一人の男がそう言うとブラジャーを外し胸を直に揉み始める。 そして充分揉んだ後に柚布子を一旦立たせ、今度はソファーに手を突かせ、尻を突き出すように命令する。
「さあ、旦那の為に腰をうんと振ってもらうからね」
その男はパンティーを破るように剥ぎ取ると、柚布子の尻の割れ目に男根を押し当てゆっくり埋め込んでいく。 柚布子の悲鳴が部屋中に響く。 やがて、男が腰を本格的に使い始めると柚布子の口から喘ぎ声が出始めて来る。
「人妻のまんこは最高だぜ、旦那の為にしっかり腰振りな」
英生は目の前で自分の妻が陵辱されているのに声が出せないどころか存在すらない。


「中務さん、ちょっといいですか? 例の・・・」
「・・・・」
「中務さん、なかつかさ、さん」
英生は同じ派遣仲間に声を掛けられて我に戻った。 英生はチラッと自分の股間を見た。 股間の膨らみを気付かれていないか気になったからである。
「あ、その件ね、現場で実物見ながら話そう」
英生はそう言うと、派遣仲間と別の建物の調整室へと向かった。 反対側の入り口には柚布子が入って来るのが見えた。 

現場で仕事の話をしている間は気が紛れたのか柚布子の事を気にせずにいられた。 話が終わって派遣仲間は事務室へと戻って行ったが、英生は調整室に少し留まった。 椅子に座り製品を眺めているが、一人になると先程の妄想を思い出し激しく自分自身を嫌悪していた。 だが、それとは裏腹に股間は妄想に反応していた。

華やかな妻を想像をした直後、それとは真逆に妻が辱められることを想像してしまった。 しかし、その事に興奮を覚えた。 英生にとっては初めての経験であった。 自分の妻が陵辱されることで興奮する自分に嫌悪したが、妄想でのことであるならと自らを許すことにした。

1時間位は調整室に居ただろうか、英生は事務室に戻った。 どの打合わせコーナーの曇りガラスの仕切りにも人影は無かった。 英生は反射的にそこらじゅうを歩き回った。 柚布子を探してのことである。 柚布子に何か話がある訳でもないが、柚布子の所在を確認せずには居られなかった。

英生もそうであったが、初めてここに来た時に社内を案内してもらった。 柚布子も仕事柄そうされているのではと思った。 そして、心当たりの何処にも見つからず屋上の喫煙コーナーで思案していた。

英生は煙草を結婚した時に辞めていた。 だが、ここは自動販売機や植栽があって風向きさえ煙草の煙が来ない方向であれば、眺めもいいので愛煙家でなくてもリフレッシュ出来る所である。
英生が屋上から会社の正門の方を眺めていると、屋上の入り口に話声が聞こえて製品企画部の重盛とその部下が上がって来た。 英生は咄嗟に植え込みに隠れて気付かぬフリをした。

「それにしても、けっこうイケてますよね、生田さん」
部下が煙草を取り出しながら話始めた。 生田とは柚布子の旧姓である。 妻の話であると確信した英生は聞き耳を立てた。
「ああ、そうだな、頭の回転も速やそうだったな」
重盛は一服吐き出すとそう答えた。
「重盛さんのタイプですか?」
「悪くないナ」
「歳は幾つなんですかね?」
「さあ、それは未だ聞いていない、プライベートな事はこれからだな」
「そうですよね、付き合っている人が居るとかも、気になります?」
「ははは、取り合えず独身らしいよ」

え! 柚布子が独身?

英生は何故かこの時、疎外感を感じた。
  1. 2014/11/01(土) 09:20:26|
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序破急 - 序の32 面会票

柚布子は運がいいと思った。 3度SI会社に打合わせに出向いたが、夫と顔を合わせることが無かった。 もっとも、入り口近くの打合わせコーナーしか行っていないので反対側の夫の居る所まで行く必要がないからである。
そう言っても目と鼻の先に居て目が合えば夫婦間と言えども挨拶くらいの声を掛けることはするだろう。 仕事もアカウントマネジャーとして起動に乗り始めると、打合わせも長くなり、回数も増えてくる。 夫と遭遇しないわけには行かない。

柚布子は部長の末永がついた嘘を嘘でないようにしなくてはならない。 山田も打合わせの度毎に顔を出しては挨拶をしていくので嘘を突き通すしかないのである。
当初、柚布子は軽く考えていた。 何度目かの打合わせにネタバラシでもすれば済むと思っていた。

ところが、弥勒亭別邸で柚布子が具合が悪くなった事で山田にも負い目を感じているのだろうか、はたまた山田も男の勘で園田の企みを感じているのか柚布子を園田に会わせないように配慮してくれた。
最初の打合わせこそ営業の磯貝が同行したが、2回目からは柚布子一人であった。 この会社の入館システムでは、取引先は必ず最後に購買部に寄り、面会票に印鑑を貰って退館しなくてはならない。 そうやって取引先を不要に出入りさせないように管理しているのである。
磯貝が居れば磯貝が購買部に行くが、柚布子が一人の場合は自ら購買部に行かなくてはならない。 そうなれば園田の目に留まる可能性がある。 山田は購買部の小宮山を呼んで印鑑を押させたのであった。 流石に重盛が小宮山と同期であったとしてもそこまで出来るのは山田が執行役員という地位だからである。

柚布子も山田の日常を垣間見た。 それは、2度目の打合わせの時だった。 取引先の営業マンらしき男性を怒鳴りつけ始めた。 驚いた柚布子に重盛は気にしないように言った。 これが夫が言った山田の事だと思った。 山田はその男を退散させると、打合わせコーナーにやって来た。 柚布子は緊張した。
「こんちは、生田さん、ご苦労さまです」
「お世話になっております」
山田は先程の様子とは打って変わって穏やかに挨拶をして来た。
「打ち合わせは順調ですか?」
「はい、今日はお蔭様で助かっております」
「今日のところは、無事終わりました」
重盛がそう付け加えた。

「エミちゃん、購買のコミィー呼んで、ハンコ持って来いって」
山田は事務員の橋爪恵美に指示した。
「どうですか、うちの会社は」
「とても、いい雰囲気の会社で羨ましいです」
柚布子も営業トークを忘れていない。
「○○○○システムはもっと凄いんでしょうね?」
「いえ、どちらも同じですよ」
山田も柚布子が担当していたライバル会社のことが気になっているようであった。
「ところで、うちの、こーたはどうですか、上手くやって行けそうですか?」
「こーた?」
「いや、失礼、こいつ、重盛のことですよ、ハハハ、ハハ」
「失礼しました、そうでしたか」
柚布子もつられて笑顔で答えた。
「とても、親切にして頂いています」
「それは、よかった、仕事以外も親切にな、ハハハ、ハハ」
柚布子は笑うことは出来なかったが、笑顔で答えるしかなかった。
「おお、小宮山、ハンコ」
丁度、そこへ購買の小宮山がやって来た。
「生田さん、面会票を出して貰えますか?」
柚布子が打ち合わせノートの間から面会票を出し、山田に渡すと山田はそれを小宮山に渡した。
「あ、どうも、申し訳ありません」
柚布子は立ち上がってお礼のお辞儀をした。 山田は小宮山がハンコを押した面会票をニコニコしながら柚布子に渡すと、
「このまま、購買に寄らずに受付に出せばいいですからね」
と言い、自席に戻って行った。
「本当にありがとうございます。」
柚布子は山田と小宮山に深々と頭を下げた。 そして荷物を片付け製品企画部のある部屋を重盛、小宮山と共に後にした。

重盛と小宮山は受付まで柚布子を送る為に同行した。3度目の訪問も全く同じであった。
この状況では柚布子が既婚だというネタバラシなど出来るハズもない。 柚布子はこの状態を2ヶ月続けるのには夫の協力が不可欠と思った。
  1. 2014/11/01(土) 09:21:39|
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序破急 - 序の33 調整室

英生は駅から自宅マンションへの家路を俯きながら歩いていた。 顔を上げると目の前には自宅マンションが見えていた。 その中の一つの窓を見つめた。 それは自宅の部屋である。 カーテン越だが部屋には灯りが点っているようだ。

英生は少し残業をしての帰宅だった。 灯りは妻が帰宅している証拠である。 普段ならその灯りに安堵感を感じ歩く速度が早くなるのである。 しかし、今日は違っていた。 それは、今日妻がSI会社に来たからである。 英生はその光景を思い出していた。



英生は図面を広げて製品の仕様を確認していた。 すると、製品企画部の橋爪恵美の声が聞えてきた。
「こーたさ~ん、×××機器販売の生田さんと云う方が受付にお見えになったそ~で~すぅ」
他部署の席に居た重盛が「おぅ」と言って何か指示したが、その声は英生には聞えなかった。 重盛が自席に戻り資料を集めて周りの部下に声を掛けていた。 やがて、数名が打ちあわせコーナーに向かい、重盛は入り口へと向かった。 入り口のドアが開き妻の柚布子が入ってくる頃である。 英生は反対側のドアから出て行った。 だが・・・


調整室、そこは機械を組み合わせて一つのシステムとして試験や調整を行う場所。 工場のように天井が高く、測定装置や什器が並んで飛行機の格納庫を思わせる。 SI会社ではそこを現場と呼んでいる。


英生は妻と会わないように現場へ逃げて来るが、そこに柚布子が重盛に連れられてやって来る。 重盛に会社内を案内して貰っているに違いない。 そこに調整担当らしき男性が数人やって来る。 柚布子は一人一人に丁寧に挨拶をする。 現場では見掛けることの無いミニスカートのビジネススーツ姿の女性に男達はニヤニヤする。

現場にある電話が鳴り重盛が呼ばれる。 重盛は電話を切ると現場の担当に何か言い、柚布子を残し調整室を出ていく。 現場の担当に柚布子の案内でも頼んだのであろう。 男達は柚布子を自分達の休憩所に案内する。 そこは男達の溜り場で成人雑誌やらが散乱している。

休憩室の部屋は調整室の全貌が見渡せるように大きな窓がある。 英生は見つからないように、少し離れた場所の作業用の梯子を上り、休憩室の窓から中を覗く。 すると、柚布子がそこの男達に囲まれているのが見える。  英生は「柚布子逃げろ」と叫ぶが空気は英生の口の振動を伝播しない。

一人の男が柚布子の後ろに立ち、スーツの上着を脱がせる。 そして、後ろからブラウスの上を無骨な掌で撫で回す。 柚布子の首が左右に動き男の手で感じ始めているのが分かる。 男は首筋に舌を這わせ吸い付く。 柚布子は胸を突き出した格好でその吸い付きに応える。
男はブラウスの襟元から手を入れ、胸を撫で回す。 その荒々しい動きにブラウスの釦は飛び散り、柚布子の胸が露になり男の掌が激しく揉んでいるのがわかる。 それをみて他の男達は歓声を上る。 しかし、その声も英生には届かない。 サイレントムービーを見ているようである。

男は柚布子のブラウスとブラジャーを剥ぎ取ると、柚布子の身体を反転させて胸に吸い付く。 男の舌が柚布子の乳首を転がすと柚布子の口から喘ぎ声が出始める。 英生からは柚布子の後ろ姿しか見えないが、仰け反った頭が感じていることを分からせる。 男の口が胸から臍の方へ吸い付きながら移動すると、胸が唾液に塗れて光っている。

男はスカートのファスナーを下ろしスカートを床へと落とすと、手際良くパンストと下着を下ろし、柚布子の股間に舌を這わせる。 柚布子はたまらず男の頭を両手で掴む。 その光景を取り囲んで見ていた男の数人はズボンのジッパーを下ろし自分の男根を取り出し、自ら扱き始める。

柚布子の股間をたっぷり自分の舌と口で潤した男は、パンストと下着を片方の脚から一旦靴を脱がせ外し再び靴を履かせた。 そして、柚布子を休憩室の大きな窓の前に抱えるように連れて来ると窓の桟に手を突かせ、尻を突き出させた。 男はズボンのベルトを緩めると、ズボンと下着を一気に膝まで下ろす。 英生の目に誇張したの男根が飛び込んでくる。

男は左手で柚布子の股間を弄り、右手で自分の男根を扱き硬さを増そうとしている。 やがて、右手に唾を吐くとそれを自分の亀頭に塗り、柚布子の股間へ押し当てゆっくり腰を前へ突き出す。
男の一物は柚布子の膣口にすんなり入らないのか、男が腰を進めると押されるように柚布子は窓のガラスに押し付けられる。 柚布子は押されて、両手を窓ガラスに突いて支えるが更に押されて、ついには窓カラスに胸から押し付けられてしまう。

殆ど立った状態だが男は下から突き上げるように男根を柚布子に埋め込む。 柚布子の悲鳴が長く響く。 しかし、男の物は全部埋め込まれてはいない。 男が柚布子の腰を掴み、引き寄せる。 柚布子はガラス窓を掻き毟るような手の動きをする。

男は片手で柚布子の胸を揉み、もう片方を手を柚布子の恥骨辺りから陰核を弄りながら腰を使っている。 やがて、男も喘ぎ声とも思える声を出すと、柚布子は精一杯後ろを振り返りダメダメと首を振っている。 男が逝くのを感じ取ったのであろう。 果たして男は両手で柚布子の腰を掴むと、激しく腰を柚布子の尻に打ち込む。

「あ~」と振り絞るような低い声に柚布子の高い悲鳴が重なり、男の欲望が柚布子の膣の奥に放たれようとしている。

物理的には肌と肌が擦れ合っているのに過ぎないが、男の欲望が子宮に放たれれば物理的にも医学的にも、はたまた倫理的にも、持つ意味は大きく変わってくる。 英生はそれだけは阻止しようとしたのか、スパイダーマンの如く音も出さず物陰を伝って瞬時に休憩室の隣のコンプレッサーの陰に隠れた。 そして、中を窺おうと身を乗りだした瞬間、コンプレッサーの始動する音に驚き身を隠した。
「やっぱり、間に合わない」英生は諦めるしかないのか・・・



コンプレッサーが安定稼動に入り音が静かになると、英生は再び休憩室を覗いた。 と、その瞬間、英生は身体全体に強い衝撃を受けた。 それは紛れもなく現実の出来事であった。
  1. 2014/11/01(土) 09:23:22|
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序破急 - 序の34 滑稽な話

「あら、アナタ、どうしたの?」
「う、うん」
帰宅した英生に妻の柚布子は驚いた。 おでこが赤く腫れて瘤になっていた。 それが見る見るうちに更に腫れてきている。 柚布子は急いで冷蔵庫から氷を取り出すと、ビニール袋に入れてフェイスタオルで包み即席の氷嚢を作り英生のおでこに当てた。
「エントランスのドアにぶつけた・・・」
「なんで? また・・・」
「ちょっと、ぼーっと・・・ 考え事してた」

「もう、こうしてるから早く服着替えて」
英生はおでこに即席氷嚢を柚布子に押し当てられたまま寝室に行くと服を着替えた。 おでこを押さえられているから着替えはぎこちなかった。
「はい、自分で押さえて」
着替えが終わると柚布子に代わって氷嚢を押さえた。

「それじゃ、食事は少し後の方がいいわね」
「ああ、すまない」
英生は食卓には行かずに、ソファーに座りバツが悪そうに柚布子が食事の支度をしているのを眺めていた。
「考え事って何?」
「え? あ、あー、仕事のことだよ」
柚布子が調整室で陵辱される妄想を思い出していて、マンションのエントランスのガラス戸に気が付かなかったと言えるはずもない。 そして、沈黙が続いた。


「今日ね、貴方に話しておかなければならないことがあったの」
「え? なに?」
「大したことじゃないの、食事の後にでもと思っていたんだけど」
「今でもいいよ」
「いいの?」
英生が頷くと柚布子は台所からリビングの英生の所に来ると、隣に座った。

「実はね、あの会社では私独身っていうことになっているの」
「え? なんでだよ」
「うん、馬鹿げた話なんだけど・・・」
英生は屋上の喫煙所で重盛とその部下の話を思い出した。
柚布子は自分が独身として夫が派遣されている会社へ行くことになった経緯を説明した。 英生は幾分憤慨した顔つきになって;
「なんで、そんなことの為に嘘つかなきゃならないんだ、それに大したことじゃないか」
「そうよね、黙ってて、御免なさい、私も一旦は従う事にしたんだけど、嘘は良くないわよね、貴方の言う通りだわ」
柚布子は最悪夫の了解を得られなくても良いと思っていた。 どうみても嘘に嘘を重ねるのだから。

「だからね、今度行った時に貴方のこと話そうかと思うの」
柚布子は夫に協力して貰おうと最初は思っていたが、説明しているうちに馬鹿げた話に協力して貰う方がもっと馬鹿げていると気付いた。
「ああ、そうだな・・・」
英生がそうしたり顔で応えると暫く沈黙が続いた。

柚布子は末永に断ってから話そうか、それとも自分の責任で話そうか迷っていた。 それにあの山田にどう話そうかいろいろ頭で言葉を探していた。

英生は柚布子が自分のことを話すということになれば、柚布子にとって仕事上不利になるのではと思った。 今のところ柚布子の会社の製品を英生が手掛ける予定はないが、経緯が知れると柚布子の会社の製品は英生が手掛けることになるかも知れない。 英生の唯一のアドバンテージは前職の経験が柚布子の会社が扱う製品に長けていることである。 それを設計部が利用しない訳はない。
また、新婚時代のように同じ案件を手掛けることが出来ることは嬉しい。 なにより、夫婦が同じことを公私共に共有するのだから。 しかし、以前とは二人共立場が違う。 喜んでばかりは居られないのである。


二人の間に沈黙は続いていた。
柚布子は再び台所に戻り、夕食の支度の続きをした。 しばらくして食卓には柚布子の手料理が並べられて夕食の準備が整った。
英生はソファーから食卓の所に行き、椅子に座った。 そこに柚布子が来ておでこの状態を見た。 腫れは柚布子の素早いアイシングに依って殆ど引けていて、赤味だけが少し残っていた。 柚布子がその赤味を指で撫でると、英生は顔を顰めた。

英生はこの日、夕食時に「いただきます」を言わずに食事を始めた。 片手で氷嚢を押さえて、片手で食事をした。 かなり行儀が悪いが仕方がない。
いつもより食事に時間が掛かった。 しかもその間、二人に会話は無かった。

「ご馳走さま、今日も美味しかったよ」
長い沈黙を英生が止めた。
「お粗末さま」
柚布子はいつものように応えた。 しかし、その表情はいつもより固いと英生は感じた。 柚布子は食卓の食器を片付け始めた。 それを英生が片手で手伝った。 何時もと変わらない二人の夕食後の光景である。

「そうは言ってもさぁ、無理に言わない方がいいかもな」
「ええ? なに?」
台所の流しで食器を洗う準備をしていた柚布子の手が止まって英生の方を見ると、英生はテレビのリモコンを持って操作していた。 柚布子は再び後片付けを始めてた。

柚布子はいつもより手早く後片付けを終えると、食器洗い器のスイッチを入れた。
「あなた、お風呂いつもと同じ?」
そう、英生に問いかけると英生は頷いた。 いつものように柚布子が給湯器を操作する電子音が部屋に響いた。

柚布子は食卓に戻り英生の湯のみの番茶を入替えると、英生に差し出した。 すると、
「あの、山田だろう?」
英生は先程の話を続けた。
「外注苛めが好きみたいだからな、そのネタをわざわざ提供するようなもんだよ」
柚布子も山田の言動は知っていた。 弥勒亭別邸での態度とは一変していて驚いたのと、これから付き合って行くかと思うと気が重くなっていた。

「嘘がバレそうになった時の事だけ考えておけばいいんじゃないかな?」
「あなた、それでいいの?」
「君が満座の前で山田に怒鳴られるのは見たくないからね」
「あら、嫌だ女性にはそんなことしないでしょ?」
「そんなことないよ、社員の女性にも厳しく言うのを聞いたよ、それに・・・」
「それに、なあに?」
英生はその先をどう説明しようか悩んだ。 柚布子の夫が自分であることが知れると、柚布子の立場が悪くなるのではとは言い辛かった。

「柚布子が、俺に気兼ね無く仕事して頑張っているところを見たくなった」
「え?」
「それが、夫としても嬉しいから」
英生は心に思っていることと真逆の事を言っていると思ったが、もう取り返しがつかない。
本当は夫として頼って欲しかった。 これからの仕事でも助けになりたかった。 リストラされる前の新婚時のように。 だが、今は立場が違う。 柚布子の今の会社の社員としての地位を守るのも夫の務めだと思った。 それは英生が派遣社員だからであるが、それを妻に悟られないように、嘘をつくしかなかった。

「たとえ、独身じゃないのがバレても、俺のことは知られないようにしよう」
「え? どうして?」
「既婚のキャリアウーマンとしても頑張っているところを見たい」
「あなた・・・」
「なにしろ、俺は柚布子が自慢だから」
柚布子は椅子から立ち上がり、英生の方へ来ると英生も立ち上がった。 そして二人は抱擁した。
「俺、今夜、柚布子が欲しい」
柚布子が頷くと、給湯器の電子音が部屋に鳴り響いた。
  1. 2014/11/01(土) 09:25:31|
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序破急 - 序の35 ネット検索

英生は身体を洗い終えると湯船に身体を沈めて先程の会話を思い出していた。 柚布子は自分との関係をSI会社に話すと言っていたが、本心はこのまま独身として過ごしたいのだろうということが分かっていた。
結婚当初は会社の中でしか仕事をしていなかったが、親会社に引き取られてからは社外に出る事が多くなった。 それをきっかけにそういう気持ちになったとしても無理はないと英生も思っていた。 外の空気に触れると人は変わるのである。

もし、自分が柚布子と同じ立場なら結婚していることを隠さないとしても柚布子と夫婦であることを隠そうとしていたのは間違いないからである。 外見は何の問題もない共稼ぎ夫婦のように見えるが、英生が派遣で働いているということだけで、妻の立場を優先しなければならない事に劣等感を持っていたが、それを悟られないようにと、自分の思いとは逆の言動になってしまったのである。


英生が風呂から出ると、柚布子は台所で食事の支度をしていた。 いつもの事である。 翌日の朝食の準備をしておくのである。 普段の朝食はパンにサラダと卵焼きという変哲のないものであるから、準備と言えばサラダくらいである。 しかし、柚布子はお米を磨ぎ炊飯器のタイマーをセットしていた。

「出たの?」
「ああ、明日の朝食はご飯?」
「え?」
英生は明日の朝食のことを尋ねた。
「あ、これ? 貴方の夕食」
「そうなの?」
「明日ね、重盛さんが歓迎会をしてくれることになっていたの」
「そうなんだ」
「御免なさい、さっき、歓迎会のことも話そうと思ったんだけど・・」
英生は柚布子が独身と偽っている事に比べれば重要なことでもないし、歓迎会に行かないようにと言う訳でもないが、話して貰えなかったことにいささか不満であった。 そんな英生の様子を柚布子は探っているようでもあった。

「うん、そうなんだ、分かった」
柚布子をこれから抱くというのに、諍いをする訳にはいかない。 それに、英生にはある感情が芽生えていた。

「じゃ、私、お風呂に入るね」
「ああ、入っておいで」
英生は柚布子が風呂場へと消えると、パソコンを起動させた。


英生は自分に芽生えたある感情の正体を確かめようと検索サイトへ繋いだ。 検索キーワードには「妻」と入れて取り合えず検索した。 結果は膨大な量になることは想像していた。
絞り込む為にに「妻」の次に半角スペースを入れて「会社で」と打ち込み再び検索をした。
検索結果をの上位に目を通すが、これと言って共感出来るものはなかった。

英生は調整室で妄想した場面と「妻」をペアにして幾つか検索した。 「陵辱」と入れるとあるサイトが検索された。 それのトップを英生はクリックした。 そこはブログ形式のページで自分の妻を陵辱させ、それを覗くというものであった。 文字に出て来る妻は勿論柚布子となって脳に投影されていた。

確かに英生にも妻が陵辱される場面を見たいという願望に共感しないわけではないが、その為に策を講じるということまでは共感出来なかった。

検索でヒットするサイトの殆どはビデオの通販サイトであったが、それらのサンプル動画をクリックすることなく英生はさらに検索を続けた。 検索ワードも単語から文節に変えてみた。 それは単語で検索したサイトに掲載されていたコピーを拾ったものだ。 

英生も知識としてある小説で富豪の若き妻を書生の学生に抱かせその様子を屋根裏から夫が覗くというものがあることは知っていた。 古い耽美文学か怪奇小説の類だろうとしか思っていなかった。 それが、今は形を変えネット上には同じようなことが氾濫していた。 英生は自分の妻を他人に抱かせる趣向の夫が以外と多いのだと感じた。 そして夫自ら自分の妻の性体験をネット上に載せているのである。


自分の妻の性体験。 英生は「妻 性体験」で検索した。

『汚れていても愛せますか?』そのサイトに載せられているコピーが英生の目に止まった。 そして英生はそのサイトを一通り閲覧した。 チャットの待機メッセージには自分と同じ性癖を持つ者同士の呼びかけがあり、投稿ページには自分の妻の淫らな行為が小説のように掲載されていた。

脱衣所から柚布子がドライヤーをかけている音が聞え始めた。 英生は閲覧中のサイトをブックマークしようとしたが、思い留まった。 その代わりに自分の携帯のメモ機能に検索したキーワードを打ち込んだ。
ブラウザーを一旦閉じると、ブラウザーの来歴とキャッシュを手作業で消した。 そして再びブラウザを開き通信社のサイトを開いておいた。

自宅のパソコンは仕事柄、英生が買ったものだが柚布子もたまに使うことがある。 本来なら別々のログインを使いたいところであるが、夫婦間で隠し事があるよに思われるので共通のログインでしかも電源を入れると自動的にあるアカウントでログインされるように設定されている。 つまり、柚布子も同じログインを使うのでブックマークも共通なのである。


「あら、パソコン上がっての?」
髪を乾かし終えた柚布子がパジャマ姿でパソコンのところにやって来た。
「何かしてるの?」
「いや、もう終わった。 ちょっとメモリーが安くなったか見てただけだから」
「じゃ、ちょっと貸して」
柚布子は英生に代わってパソコン机の椅子に座って、器用にタイプを始めた。 英生はいつもその指に感心していた。 ネイルをしている指で良く一つ上のキーを押さないものだと。

「あれ~ 表示でないわ・・・」
柚布子が不思議そうに呟いた。
「うん? どうした?」
「ネイルサロンの予約の画面がいつものじゃないの」
それは英生が先程キャッシュと来歴を消した時に Cookie も消してしまったから前回のアクセス情報からサイトが動的に表示するコンテンツが表示されていないのである。
「そっか、何か大事なことでも消えた?」
「いいの、別のサロンにするから」
「そうなんだ」
英生は自分がした事が柚布子に見つかるのではと気が気ではなかった。 柚布子も多少英生の指南でパソコンには詳しくなっているからである。


「ないんだぁ~」
柚布子は検索をしていたマウスを止めた。
「ど~した?」
「うん、紹介されたネイルサロンがホームページ出していないみたいなの」
「へ~、今時ホームページ持ってないんだ、誰に紹介されたの?」
「く」
柚布子は慌てて口を押さえるところであった。 そして平静を装い
「磯ポンの彼女」
と言い直した。 英生の感心は Cookie を消してしまったことが見つかるかどうかだったので柚布子が言い直したことに気が付かなかった。

「ねぇ、あなた、何処見てたの?」
柚布子は検索窓に何かのキーワードを入れてマウスをクリックした。 すると画面にAVサイトのバナーを集めたサイトが表示され、画面が賑やかに動いていた。
「こんな、ところでしょ?」
柚布子は「久世」と言いそうになったのを気付かれないようにわざとそのようなサイトを開いて感心を逸らそうとした。 英生は Cookie を消してしまったことを気付かれないように
「正解」
と言うと、柚布子の肩に手を置き首筋にキスをした。 風呂上りのシャンプーの匂いが心地良い。

「ん、もう」
柚布子は振り返ると英生の唇に自分の唇を重ねた。 すると、英生の舌が直ぐに柚布子の唇を割って入って来た。 そして二人は激しく舌を絡め合わせた。
  1. 2014/11/01(土) 09:27:31|
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序破急 - 序の36 待機メッセージ

「明日、妻が会社の同僚に抱かれます」
先程ネット検索で最後に覗いたあるサイトのチャット待機メッセージである。 英生は柚布子から明日、重盛達に歓迎会をして貰うとことを聞いた。 歓迎会であり、重盛は英生の同僚でもないが、何故か待機メッセージに共感していた。



英生は柚布子のわき腹を脇の下へと撫で上げながら腹部に唇を這わせ吸い上げていた。 そしてチャットの待機メッセージを思い出していた。 既に柚布子の胸は露になっていて英生の目線からは丘のように乳房が盛り上がっていた。 

その丘の上には乳首が存在を主張していた。 それを見た誰もが、そこに唇を持って行き、口に含みたい衝動に駆られるに違いない。 それを英生は脇の下へ撫で上げた手の指で挟んだ。 柚布子は微かに喘ぎ声を上げ背中を浮かせた。 もし、柚布子が会社の同僚に抱かれるような事になれば、同じように喘ぐのだろうか。 そして、その同僚は今英生が見ている光景と同じものを見るのだと思った。


英生はもう片方の乳首を口に含んだ。 柚布子と肌を合わせるようになってから何年も何度もしていることであるが、飽きない行為である。 いつものように口に含んだ乳首を舌で転がすと、柚布子は鼻から抜けるような声を出し、英生の頭を抱え髪を掻き回した。 「俺以外の男の頭も同じように掻き回すのか・・・」 そう思うと英生はいつもより強く乳首を吸い上げていた。

英生は丹念に乳首を転がし続けるのと同時に、柚布子の股間に手を這わせた。

英生の中指は柚布子の小陰唇を的確に掻き分け、膣口へと侵入した。 中指には目が付いているかのように迷うことなく暗がりへと入る事が出来るのは、何年も幾度となくそれを繰り返しているからである。 そこが自分だけの所有物であることを誇るように・・・

英生の指は関節をこれ以上複雑な動きは無いと思えるように動かした。 やはり、ここだけは誰にも犯させない。 その思いが指の動きに表れたに違いない。



「明日、柚布子は得意先の男に抱かれます」
英生は待機メッセージを頭の中で書き換えた。 すると、いつになく興奮を覚え、調整室での妄想がそれに加わった。 英生の男根はもう準備が出来ていた。 柚布子の膣も英生の指で充分潤んでいた。 英生が枕元の避妊具を手に取ると、柚布子は目を閉じてその時を迎えた。

柚布子が目を閉じることは夫婦の間での暗黙の了解で、柚布子も挿入を待っていると云う意思表示である。
英生は避妊具の装着を終えると、柚布子の唇に舌を挿入して互いに舌を貪りあった。 それと同時に英生の指は柚布子の股間を弄り、避妊具装着で空いた間を埋めるのと潤いを更に増そうとしていた。 いつもの夫婦のルーティーンである。


いつもなら英生はここで柚布子の脚の間に入り脚を大きく開き、自分の腰を柚布子の股間に進め柚布子の中へと入るのである。 が、この日は違っていた。

絡めさせていた舌を離すと首筋、喉、胸と舌を這わせ、そしてわき腹から背中へ移動させた。 自然と柚布子は身体を裏返しにさせられた。 そして、首筋に唇を持って行き強く吸うのと同時に手は両脇腹を撫で上げた。

「あ、あ、あ~ん」
柚布子は何時もと違うルーティーンに新鮮さを感じたのか何時もより鼻に抜ける甘い喘ぎ声を上げた。 それは、英生には妄想では聞えなかった柚布子の喘ぎ声に聞えた。 現場の男に後から貫かれ感じていた時の声に違いないと。 英生は脇腹の両手をベッドと柚布子の身体の隙間へと入れて乳房を掴み揉むのと同時に背筋に沿って唇を移動させ強く吸った。
そして、英生の視線の先には二つの丘と快楽の壷へと続く谷間が見えていた。

誰もが今夜はこの姿勢のまま快楽の壷へ自分の物を埋め込みたいと思ったに違いない。 英生も片手を胸から抜き、その壷へと進め何時もと違う角度での挿入を探ろうとした。


「明日、妻が会社の同僚に抱かれます」
たったそれだけの短い待機メッセージに英生は興奮した。 英生は仕事柄パソコンには詳しい方だが、ソフト面にはあまり興味がない。 だから、チャットとかをすることもない。 そのチャットルームに入ってメッセージのことについてチャットする興味もないが、英生の妄想を膨らませるには充分過ぎる程の触媒だった。


この目の前の白い背中に明日は誰かの唇が這い、吸い付き、赤い痕跡を残す。 そう思うと、避妊具の中で英生の男根は我慢汁を滲ませた。 それが亀頭全体に広がり快感を助長させた。 たかが歓迎会である。 そこで柚布子が誰かに堕されるわけでもない。

しかし、英生は柚布子が言った言葉を妄想が膨らむ方へ解釈した。 「重盛さんが歓迎会をしてくれることになっていたの」 それは「重盛さん達」ではなかった。 製品企画部でする歓迎会なら部署名が出てくるが、そうではない。 重盛と二人だけの歓迎会なのか・・・

英生の妄想のターゲットが決まった。 今までは妄想の中で柚布子を犯す男は漫然とした像であったが、ハッキリとその像が一人の男になった。 それが決まると英生の興奮は昇りつめて、一刻も早く自分の興奮した物を柚布子の中へ入れたくなった。

英生は柚布子の背中に覆いかぶさり腰を柚布子の二つの隆起に重ねるべく柚布子の脚の間に入った。 そして男根の根元を片手で握り、もう片方の手で柚布子の襞を広げて狙いを定めた。
  1. 2014/11/02(日) 01:15:19|
  2. 序破急・中務
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