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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

Booby Trap 第20回

汗と涎とオイルで、ヌラヌラと光り輝く肢体をのたうたせて、ここが公のビーチである事すら分からなくなった恵美子は、己の熱い滾りを滴らせる女陰に入れよ うとして、工藤の男根を水着から出そうとした。
「そこまでだ、恵美子!」
しかし、工藤は寸前で止めさせると、
「いやぁーっ、お○ンコしてぇーーっ!!!」
そう叫ぶ恵美子を、強引に立たせると、わざと恵美子を生殺しの状態にしたまま、上川達と一緒にビーチを後にするのだった。
恵美子は、牝の匂いをぷんぷん発散させている身体をくねらせて、
「今すぐ、犯してぇーーっ!!」
と、喚いていたが、所詮、男達の力にはかなうわけがなかった。

恵美子が、十分発情したのを見た上川は、再び車に連れ戻し、今度は、素っ裸にして身体中を縄で縛り、お○ンコとアナルには巨大なバイブを入れ、抜け落ちな いように股間の部分の縄で抑え、おもむろにスイッチを入れると、その上に薄手のシャツを1枚だけ羽織らせただけで、近くの成人映画館に連れて行った。
先ほどまでの愛撫と、塗り込められた媚薬のせいで、もう男が欲しくてたまらなくなっていた恵美子は、薄い粘膜を隔てて振動する2つのバイブに操られ、まる で挑発するように、腰をうねらせているのだった。
「ねぇ、もうたまらないの・・・・このままじゃ、気が変になりそう・・・お願い、一度イカせてっ・・・・」
「もうちょっとの辛抱だ、っ!すぐにイカせてやる。」

 中に入ると、すでに、映画が始まっていた。
館内は真っ暗だったが、それでも目が慣れてくると、前の方に数人の男達がいるのが分かった。
男達は、恵美子たちには気づかずに、画面に見入っていた。
上川は、恵美子を一番後ろに連れて行き、シャツを脱がし、四つん這いにして、2本のバイブで『クチャっ、クチャっ』という音を立てて嬲り始めた。
「ほら、声を出すと前の客が気づいてしまうぞっ!それとも、ここにいる全員に犯してもらいたいのかっ!!」
「ううっ・・・・!!」
(そうよ!皆で恵美子を犯して欲しいの!!もっと、メチャメチャにしてぇ~~)
恵美子は、流れ出た愛液で床に跡をつけながら、その大きな尻を媚びるようにくねらせて、這い回らされていた。
「よしっ!工藤、ケツを犯ってやれっ!」
恵美子のアナルに入っているバイブを抜いて、そのまま工藤が犯し始めると、
「あぁ~~、恵美子、お尻にお○ン○ン入れられて気持ちいいのぉぉ~~!!前もよぉ~~!お○ンコにも入れてぇ~~っ!!!」

もう何も分からなくなった恵美子は、周りに聞こえるのもかまわずに、そう叫んでいた。
お○ンコのバイブを抜いた島田も加わって、サンドイッチで責められると、
「ひいぃ~~っ!お○ンコとお尻の穴が燃えてるみたいぃ~~!!恵美子たまらないぃ~~っ!!いくぅ~~~!!!」
半狂乱になり、涎を溢れさせ、自分から乳房と腰を激しく揺すっていた。
いつのまにか周りには、映画館中の観客が集まっていた。
そして上川が、
「皆さん、見ての通り、この女は、人に見られながら犯されることが、たまらなく嬉しい変態女なんです。どうです、希望の方は、ご自由に嬲ってやってもらっ て結構ですよ、さあどうぞ・・」
と、言ったので、恵美子はその後、そこにいた男達全員に、かわるがわる身体中の穴と言う穴に、興奮した男根を突っ込まれて、散々犯された挙句、ヨガリまく らされていたのだった。

恵美子たちが、映画館から出たとき、すでにあたりは暗くなっていた。
恵美子はさすがに、
「ああ・・・もう許して・・・・少しでいいから休ませて・・あそことお尻が、焼けるように熱くてつらいの・・うぅ・・・・」
そう言って、唇をかみ締め、ゾクッとするような目をしたかと思うと、そのまま目を閉じた。

 するとその後、上川は1件のクラブに行くように命令した。
車が店に着くと、中に入りそこのマスターと一言、二言話をして、ホステスの控え室に恵美子を連れ込んだ。
「ここは何処なの・・・何が始まるの・・・・・」
恵美子が、不安を隠せず、尋ねると、
「まあ、そう心配するな・・・・」
そう言って、上川達は何やら打ち合わせをして、その後、島田が一人部屋を出て行った。
そして、上川は分けが分からずに、ただ不安げに辺りを見回す恵美子に、
「どうせすぐにわかるんだから、慌てないで、そこでおとなしく待ってろっ!」
そう声をかけると、少しの間そこに恵美子を待たせておいたのだった。
しばらくして、島田が戻ってきた。
そして上川に何か耳打ちすると、
「さあ、お待ちかねのお客さんが着いたようだ、恵美子行くぞ!」
上川は、恵美子のシャツを脱がせ、縄で縛られただけの素っ裸にして、店の方へと連れ出した。
そして、その途中、
「今から、今回の旅行の本当の目的が始まる。いいかっ!覚悟しておけっ!!」
そう言うのだった。
(私は何をされるの・・・・あぁ・・身体はつらいのに、あそことお尻だけは熱い疼きが止まらないっ・・・恵美子の身体、いったいどうなっちゃう の・・・?)

そのまま恵美子を、見せのステージの袖まで連れてくると、
「中を見てみろっ!」
上川は、そっと店内を見せた。
恵美子は、そんなに広くない店内を覗いた。
最初はよく分からなかったようだが、すぐに、ステージの向こう側の薄暗い客席に誰がいるのかわかり、
「いっ、いやぁ~~~っ!!!」
と、小声で叫んでいた。

私が上川に伝えた情報というのは、夏休みに入り、今晩、この近くのある旅館に、子供達が通っている小学校の先生達が、親睦旅行で宿泊すると言う事だった。
たまたま仕事で使う旅行社の社員との雑談から、偶然その情報を得た私は、恵美子の調教に何か役立てばと思い、上川に伝えたのだった。
実は、恵美子は去年PTAの役員をした関係で、子供たちの担任はもちろん、その他にも多くの先生達と顔見知りになっていた。
その話を聞いた上川は、早速その旅館の仲居を上手く手なずけて、2次会にこのクラブを訪れるように仕向けたのだった。
普段、硬いイメージが付きまとう先生のような職業をしている人種は、仕事の性格上ストレスが溜まるのか、こういった仲間内だけの旅先では、地元と違い、人 目を意識しなくて良い分、割と羽目を外す事が多いのだ。
今回もご多分に漏れず、仲居の巧みな誘いに釣られ、何人かの先生達が酔った勢いを借りて、好奇心で期待を膨らませ、ぞろぞろと出かけてきているのだった。
しかも、驚いた事に女の先生も数名混ざっていた。
「誰がいるのか分かった見てぇだなぁ・・あいつらの前で、本番ショーを見せるんだ、いいなっ!!」
「いっ、いやですっ!お願いします、許してくださいっ!!」
見知らぬ他人の前なら、まるで抵抗なく恥態を晒すようになっていた恵美子だったが、さすがに、知り合いの前ではそんな恥ずかしい真似はできる筈もなく、泣 きそうな声で、必死に哀願していた。
「大丈夫、これをつけてやるから、何処の誰だかわからねぇよ。工藤、連れてけっ!」
「ひぃーーっ!やめてぇーーっ!!」
抵抗も空しく、恵美子は、目と口だけを出した真っ黒なマスクをすっぽり被せられ、ステージに引っ張り出されてしまった。

「いよっ!待ってました。」
「縄で縛られてるなんて、ちょっと変態っぽくて、いいですよねぇ~○○先生。」
「いやぁ~だ、エッチな事、言わないで下さいよぉ~」
「そんなぁ~、ここまできてカマトトぶらなくてもいいじゃないですか、ねぇ~○○先生。」
明るい照明の当てられたステージに引っ張り出されたとき、そこから見える客席は薄暗かったので、恵美子はそこにいる客の顔までははっきりとわからなかっ た。
だが、そのかわり、聞き覚えのある先生達のそんな声だけが、恥ずかしさで震えている恵美子の耳に入ってきていた。
「本日は、人妻恵美子の本番ショーに、はるばるおいでいただき、誠にありがとうございます。ちょっとわけありで、顔はお見せできませんが、正真正銘、素人 の人妻です。
普段は虫も殺さぬような顔をして、いかにも貞淑な女を気取っておりますが、一皮向けば亭主も知らない変態淫乱女、こうして人前で責められる事が、嬉しくて たまらないんです。どうか皆さん楽しんでいってください。」
そう紹介されると、恵美子はもう覚悟を決めた、
(あぁ・・とうとう知り合いの前で、嬲られるのね・・・いいわ、もう恵美子どんどん堕ちていくわ・・・・)

それでも、恵美子はさすがに最初は硬くなっていた。
だが、工藤達の手馴れた愛撫を受けると、恵美子はすぐに身体が反応し始めているのを感じていた。
そして、その頃になると、明かりに慣れた恵美子の目に、客席にいる顔見知りの先生達の顔が、はっきりとわかるようになっていた。
(あそこにいるのは、担任の○○先生だわ・・・その隣は、去年お世話になった○○先生・・あぁ・・・皆が恵美子の厭らしい身体を見てる・・・・・)
「うぅ・・・くぅぅ・・・・」
すると、調教によって覚えこまされた、マゾ女の悦びがあっという間に身体中に広がって、気がつくと恵美子は、2人の男達の間で、乳房を揺すりながら、厭ら しく腰を振り出し、驚くほどの恥態を見せていた。
「うおぉ~~、いいぃぃ~~~っ!!早くぅ~、犯してぇ~~恵美子のお○ンコとお尻の穴にお○ン○ン突っ込んでぇぇ~~っ!!」
(狂う、狂っちゃうわ・・・あぁぁっ恵美子たまらないっ、いいぃぃ~~!)
いくら顔を隠しているとはいえ、顔見知りに恥ずかしい姿を見られる事が、恵美子の被虐の感情を、凄まじい勢いで高ぶらせ、普段の露出とは、一味違った悦び を感じさせていたのだった。
「凄い乱れようだな、本当に好き者の変態女みたいですね。」
「いやだわ、見てるこっちの方が熱くなってきちゃうわ。」
「今ふと思ったんだけど、声といい、恵美子という名前と言い、あの女、去年役員をしていた○○恵美子さんによく似てない?」
「まさか、あの綺麗で上品な奥さんが、こんなところで、あんな姿を見せるわけないだろう。」
「そう思うけど・・・・それにしても、そう思うと何となく身体つきまで・・まあ、そんな馬鹿な事あるわけないわね!」
「でも、そういえば、あの奥さんもなかなかいい胸をしていたから、あっちの方は、案外あの女みたいに激しいんじゃないのかなっ・・」
「もう本当にぃ~・・・○○先生、酔っ払うと、いつもスケベなことばかり言うんだから~」
(そうよ、私なの、いつもすまして、貞淑な振りをしていた恵美子は、本当はどうしようもない変態の淫乱女なのっ!もっと見てっ!恵美子を、蔑ん でぇっ!!!あぁ、感じるぅっ、もっとメチャメチャにしてぇぇっ!!!)
いつのまにか2人の男達に、お○ンコとアナルを犯され、正気を失い『ガクンっ、ガクンっ』と、頭を揺らして、
「もうダメぇ~~っ!!お○ン○ンが中で擦れるぅ~~~っ!!いいっ、いいのぉ~~っ!!恵美子いくっ、いっちゃうぅ~~!!」
開いた口許から、涎をあたり一面に撒き散らしながら、狂ったように狂態を晒す恵美子の姿があった。

ショーの後、
「知り合いに見られながら犯されて、我を忘れてよがり狂うなんざぁ、色キチガイもいいとこだな、恵美子!」
そう言われて、
(私は、これからいったい何処まで堕ちていくの・・・もう戻れないのね・・・・・)
「・・・・・・・」
恵美子は、ただうつむいて、被虐の余韻に浸っていた。
  1. 2014/07/31(木) 02:52:32|
  2. Booby Trap・道化師
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Booby Trap 第19回

 車は、そのまま3時間ほど走り、海辺のある町に着いた。
「さあ、着いたぞ恵美子、さっさと降りるんだ!」
車から降ろされた恵美子の格好は、身体の線がはっきりと分かる、欲情して尖らせた乳首ギリギリの薄手のチューブトップの上着を着て、スカートも股間すれす れで、後ろから見ると、尻の割れ目が半分ほど見えていて、下着を着けていないのが一目瞭然だった。
「どうだ、お気に入りの格好で、デートとしゃれ込もうぜっ!」
「い・・・いや・・・恥ずかしいわ・・・・・」
口ではそう言うものの、車の中で散々なぶられつづけられ、さかりのついた牝犬のように発情した身体は、すでにどうしようもなくなっていた。

その格好で、上川と街の中を、人目もはばからず舌を絡ませたり、胸をはだけさせられて乳首を愛撫されたり、お○ンコに指を入れられ掻き回されたりと、まる で娼婦のように扱われながら歩かされても、拒否をする事もなく、かえってそんな風に扱われる事が嬉しくて、されるがままになっていた。
「皆が、蔑んだ目で恵美子を見てるぞっ、変態のお前にはたまらないだろっ!」
(こんな風に扱われて、たまらなく感じるなんて・・・私、マゾなのね・・・・いいわっ、恵美子をとことん堕として・・・・)
家族を裏切っているという意識が、余計に被虐感を高め、恵美子はもう自分を抑えられなくなっていた。
自分から上川の股間に手をやって、ズボンの上から厭らしくその男性自身を擦り、
「ねぇ・・・・お願い、我慢できないの・・舐めさせて・・・・」
「しょうがねぇなぁ~、こっちへ来いっ!」
ビルの谷間に連れ込まれると、恵美子は待ちきれないように上川の股間から男根を引っ張り出し、『ジュボっ、ジュボっ』と、音を立ててむしゃぶりついてい た。
そうして恵美子は、しばらくの間、両手で乳首と淫芯を弄び、地面に『ポタっ、ポタっ』と溢れ出た淫らな液で水溜りを作りながら、狂ったように舐めまわして いた。
そのうち、上川がたまりかねて、
「恵美子、いくぞっ!」
と言って、高ぶりを恵美子の口の中に放出すると、それだけで恵美子は、
「あっ、あぁ・・・イッ、イクぅ~~!」
小さく叫ぶと、地面に尻餅をつき、『シャーっ』と、辺りに小便を撒き散らしながら絶頂に達してしまった。

 その後、男達に再び車に乗せられた恵美子が、次に連れて行かれた場所は、その街にある、家族連れで賑わう海水浴場だった。
そこで男達は水着とアロハに着替え、恵美子を海岸に連れ出した。
「さあ、ここで、この水着に着替えなっ!」
男達が手にした水着は、まるで紐のようなビキニだった。
「こっ、これを着けるの・・・?」
「そうだ、淫乱なマゾ牝には、お似合いの水着だろっ!」
「は・・はい・・・・」
恵美子の瞳が妖しく輝くと、身体中が欲情して、悦びに震えだしていた。
早速、男達から水着を受け取ると、すぐに更衣室の方へ行こうとした。
「どこへ行くんだ!ここで素っ裸になって着替えるんだ。皆に見てもらうほうが嬉しいんだろっ!」
「そんな・・・・」
口ではそう言うものの、恵美子の瞳はますます露出の快感に妖しく潤み出していた。
(いいわっ、恵美子の恥ずかしい総てを見て・・・)
もう止まらなかった。
恵美子は、その場で総てを脱ぎ去って素っ裸になると、周りの目を意識して、わざとゆっくり厭らしい水着に着替えていくのだった。

着替え終わった恵美子の姿を見ると、胸の部分は、たわわに実ったEカップの乳房の先で尖る乳首だけを、僅かな布が申し訳程度に隠しているのだが、それでも よく見ると、覆いきれない乳輪がはみ出していた。
さらに下半身は、ほとんど紐のようなTバック、そして前の部分おもいっきりハイレグという超ビキニスタイルの水着で、それでなくても毛深い恵美子の事、当 然、陰毛は両サイドからはみ出て丸見えで、おまけに、このところ剃る事を許されていない腋毛も、周りの好奇の視線を浴びていた。

その格好で、ビーチサイドを歩かされたり、四つん這いにさせられたりした。
「オイ、見てみろよ、すげぇ女がいるぞっ。まるで、裸みたいだぜっ!」
「本当だ、たまんねぇなぁ・・乳首が見えそうだぜっ!」
「乳首どころか、あそこの毛まで見えてるじゃねぇか・・・」
いつのまにか、周りの男達が、ニヤニヤしながら、好奇の視線で恵美子を盗み見し、中には、大っぴらに、水着の股間を突っ張らせている者もいた。
しかし、さすがに女性は、汚らしいものをみるような目で、蔑んでいた。
「恵美子、お前のお○ンコの毛が丸見えだぞっ!ほら、四つん這いになると、ケツの穴の周りまで、厭らしい毛がボウボウ生えているのがよく分かるぞっ!!」
「あぁ・・・恥ずかしい・・・・こんな色キチガイのような格好をさせられて・・・・・」
「はぁぁ・・・っ、恵美子・・・まるで見世物ね・・・・」
(こんな姿を知り合いに見られたらどうしよう・・『あら、あの女○○さんのところの恵美子さんよ!虫も殺せないような顔をしてたけど、あんな格好をしてお ○ンコ濡らして悦んでるなんて、まるで淫乱女ね!!』そうよ、私本当は、こんな姿を見られて悦ぶマゾ女なの・・・)
女陰から流れ出た淫らな汁が、内腿を伝わって滴り落ちて、足元の砂に黒いしみを作っていた。
すでに今日までの調教で、人々の嘲笑と蔑みと好奇の視線に晒される、露出の快感に目覚めてしまっていた恵美子は、淫乱な姿を見られるだけで、すでにどうし ようもなく欲情し、悦びのために身体の震えが止まらなくなっていた。

「おい恵美子、オイルを塗ってやるから、こっちへくるんだ。」
「は、は・・・い・・・・」
今度は、ビーチマットの上にあぐらをかいて座っている工藤が、恵美子を自分の膝の上に引き寄せると、そのまま座らせてしまった。
そして工藤は、恵美子の厭らしくけぶる身体にオイルを塗りこむために、背後から絶妙なタッチで、恵美子の身体中を、両手でまるで愛撫するように撫で回し始 めるのだった。
実は、恵美子には知らされてなかったが、このオイルの中には、いつもの媚薬がたっぷりと混ぜられているのだった。

恵美子は、紐のような水着の中まで手を入れられて、乳首をつままれたり、後ろから尻の割れ目に沿って手を滑らせ、そのままアナルや女陰の中まで指を入れら れたりするうちに、身体を、『ビクっ、ビクっ』と、ヒクつかせていた。
「あぁぁ・・・・恵美子、そんな風にされると、お○ンコしたくなっちゃう・・ねぇ・・お○ン○ン触らせて・・・・」

恵美子たちのビーチパラソルの周りには、いつのまにか、目をギラギラさせた男達が、人だかりを作っていた。
「可愛い顔してるのに、すげぇ身体してるぜ。あの胸見たか、乳首まで丸見えだぜっ!」
「それもそうだが、顔に似合わず、毛深い女だなぁ、見ろよっ、ケツの方まで毛がいっぱい生えてるぜっ!」
「おいおい、あの女、お○ンコの中に指を入れられてるぞ。」
「そのうち、ここでおっぱじめるんじゃあねぇのか?」
もう恵美子は、周りの目もはばからず、目蓋を閉じ、半開きの口からは涎さえ垂らして、されるがままに身体を愛撫されていた。
そしてそのうち、たまりかねたように後ろを振り返ると、工藤と舌を絡ませながら、その水着の中に手を入れて、いきり立った男根を擦り始めるのだった。
(お○ン○ン、こんなに大きくなってる・・・入れたい・・・)
「・・・・もう・・・・・入れて」
晒し者にされる快感が、恵美子の身体の中を電流のように駆け巡っていたのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:51:08|
  2. Booby Trap・道化師
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Booby Trap 第18回

そうして、恵美子が失神したのを見届けた黒人達が、恵美子の肛門と子宮の奥深くに、大量の精を勢いよく放って離れると、露わにされた顔に恍惚の表情を浮かべながら、そのポッカリ開いた前後の穴から、『シャー』と、出口を失って溜まっていた汚物を排泄するのだった。
その後も恵美子は、一度精を放ったぐらいでは、勢いが衰える事などあろうはずもない黒人達と、新たに加わった工藤達の合計4人の男達によって、最後にはあまりにも感じすぎて腰が立たなくなるまで、何時間にもわたって徹底的に嬲られ続けたのだった。
そして恵美子は、その日の調教が終わった時、辺り一面の床の上に撒き散らした己の糞と小便の中で、涎と涙と汗、それに4人の男達から放たれた大量の精液のために、その厭らしい身体中をヌラヌラと光らせたまま、
「うぅっ・・燃えるぅぅ・・・お○ンコも、お尻も、恵美子の身体中が、熱いのぉ・・・・もう死んじゃうぅ・・・・」
そう言って、口から泡を吹いて、だらしなく股間を開いたまま、白目を剥きながら死んだように横たわっていた。

しばらくして、帰り支度をしようと、やっとの思いで、まだけだるく疼く身体をゆっくりと起き上がらせた恵美子に、
「恵美子、今週の週末は、一泊で調教旅行に出かけるから、旦那にそう話しておくんだ、いいなっ!」
工藤が命令した。
「でも・・・そんな急には・・・主人に怪しまれるわ・・・」
「仕事仲間と、親睦旅行に行くとでも、言っときゃいいだろっ!わかったなっ!!」
「は・・・はい・・・・・」
恵美子は最初、私に嘘がばれるのを心配していたが、結局、不安ながらも、男達には逆らえず、しぶしぶ承知するのだった。
実は、私が上川にある情報を伝えていたため、あえて恵美子には詳しい内容を話さなかったが、彼らは、ある面白い計画を考えついたらしいのだった。

 早速その日の夜、恵美子は今度の週末、仕事仲間たちと、一泊で出かけるという作り話を私に話した。
怪しまれたらどうしようかと心配して、私に何か聞かれたときの言い訳をあれこれと考えていた恵美子だったが、私があっさり、
「そうか、今度の週末なら仕事の予定もないし、子供の面倒ぐらい見てやるから、たまにはゆっくりと羽根を伸ばしてくればいいさ」
といって許したので、拍子抜けしてしまい、
「ありがとう、楽しんでくるわねっ!」
ほっとしたような顔をして、それでも内心はビクビクした心境で応えていたのだった。

 次の日からも、週末まで、黒人達を交えた調教は続いた。
そのため、すでに恵美子のお○ンコもアナルも、彼らの巨大な男根さえももはや何の抵抗もなく、楽々と咥え込むようになっていた。
黒人達にサンドイッチにされて、2つの穴を一度に犯されている恵美子の下半身が、背後からアップになると、巨大などす黒いペニスが『グジュっ、グジュっ』という音を立てて出入りするたびに、清楚で可愛らしい顔からは想像できないほど卑猥な光景が映し出されているのだった。
白 く濁った悦びの汁にまみれ、赤黒く濡れ光る恵美子の淫唇が、厭らしく男根にまとわりついている様や、アナルSEXのしすぎのために、とてもあの美しく上品 な顔の女のものとは思えないぐらいグロテスクに爛れた肛門が、ビックリするぐらい大きく広がって、真っ黒なペニスを飲み込んでいく様、また、それらのペニ スが抜かれた後、しばらくは閉じる事ができなくなって、ポッカリと開いたままになった2つの穴から、今放出されたばかりの精液をダラダラと流れ出させ、放 心したように涎を垂らしている様など、これが、今までのまじめで潔癖だった妻と同じ人物だとは、にわかには信じられないぐらいの変わりように、私は、言葉 で言い表せないほどの興奮を覚えていたのだった。

男達の絶え間ない調教によって、そんな風に変えられてしまった恵美子だったので、土曜日 になると、私にバレたらどうしようかと心配するどころか、逆に、2日間、余計な事を考えずに、ただ玩弄され続けられる悦びで身体中をブルブル震わせなが ら、特別着替えがあるわけでもないのに、たぶん無駄になるだろうとは思ったが、それでも、私に怪しまれないように、身の回りの物等、一応旅行へ行くような 準備をして、
「あなた、それじゃあ行って来ますので、後の事はよろしくお願いします。」
心は上の空でそう言うと、家を出て行くのだった。
「最近、少し疲れているみたいだから、家の事は忘れて、しっかりとリフレッシュしてくる事だな」
そういう私の声は、もはや凌辱される期待で、頭の中が一杯になってしまっている恵美子の耳には入らず、一刻も早くとはやる心を押さえながら、事務所に向かうのだった。
そして、事務所に着くと、案の定旅行道具など必要なく、待ち構えていた男達に早速車に乗せられ、すぐに出発させられるのだった。

今回もまた、久しぶりに、上川も一緒に乗り込んでいた。
「恵美子、今回の旅行は俺も一緒に言ってやる、久しぶりにたっぷり可愛がってやるから、楽しみにしてなっ!」
「ど・・・何処へ行くの・・・・」
恵美子が、小声で聞くと、男達は、
「楽しいところだ、行きゃ分かるさっ」
と、言うだけだった。
恵美子は、そう言われると何故か、
(恵美子どうされるの・・・・ううん、もういいの・・悦ばせて貰えるなら、何処へでも行くわ・・・だから、どうにでも、好きにしてっ!)
もうすでに、女陰が疼いてたまらなくなっていたのだった。
そして、車が走り出すとすぐに恵美子は素っ裸にされ、早速男達に愛撫され始めるのだった。
車が走っている間中、恵美子は男達によって身体中の性感帯を嬲られ続け、それだけで何度も絶頂に達し、そうしてもう頭の中は何も考えられなくなり、すでに、ただの発情していたぶられるのを待っている、いつもの変態マゾ牝になっていた。
  1. 2014/07/31(木) 02:49:47|
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Booby Trap 第17回

 翌日からは、上川が言った通り、屋内と屋外の両方の場所で、恵美子に対する調教が続けられていった。
すでに、己の身体のどうしようもない淫蕩性を自覚し、麻薬のように身体を蝕む被虐の悦びに目覚め始めた恵美子は、一応、自分自身に言い訳するために、まだ申し訳程度に拒絶の言葉を口にするものの、逆に、その態度は驚くほど従順になってきていた。
ま た、あれ以来、夜の間も常に無線式のバイブで刺激されているようになったために、朝からもうすでに発情して、そして、一日中露出狂のような服を着て過ごす 事で、一段と淫らな気持ちが高揚するのか、事務所に着く頃には、目を潤ませ、顔をほんのり紅らめ、身体をもじつかせているようになっていた。
「朝から艶かしい顔をしてるじゃねぇか、もう我慢できねぇのか?スケベな女だなぁ。」
「ちっ・・・違うわっ・・そんな事ないわっ・・・・・」
(朝から、拭いても拭いても、あそこが濡れてきて堪らない・・・どうにかして、お願いっ・・・・)
強がるその言葉とは裏腹に、気がつくと、内腿から足首まで流れ出た愛液でビッショリにして、自然と自分から男達を挑発するように身体をくねらせ、素振りだけを見ると、もう完全にいたぶられるのを望むようになっていたのだった。
特に、ほとんど裸に近いような、素肌をおもいっきり露出した、ボディコンやミニスカートといった格好で、貞操帯をはずし下半身も丸出しにして屋外を歩かせると、始めは、
「許してっ、恵美子恥ずかしいわっ・・・こんな格好はいやよっ、お願い・・・・・」
そう言って、うつむいているのだが、周りの好奇な視線に晒されるとすぐに、マゾ女特有の露出願望で身体が疼きだし始め、そのうちには悦びで頭の中にまるで霞がかかったようになり、
(ねぇ、恵美子の厭らしく尖った乳首見える?ビショビショのお○ンコも見てぇ・・・・皆でもっと蔑んでぇ・・・・)
必要もないのに、自分からわざわざ前かがみになって、前から乳首まで覗けるような格好をしたり、好色な男達に、ミニスカートの中を覗かれるのを承知で、ゆっくりと階段を上ったり、駅や公園のベンチに、わざと股を開いて座ったりするのだった。

「スケベな女になったなぁ恵美子、もう何処から見ても、立派な淫乱女だぜっ!」
「恵美子がこんな女になったのは、みんな貴方達のせいよっ!ねぇお願い、もう我慢できないの、どうにかしてっ!!」
そして、我慢できなくなると、そのまますぐに、近くの公園の男子便所に連れ込まれ、
「ああぁーーいいぃぃーーーっ!もっと、もっとぉぉーーっ!!」
白目を剥いて、叫びっぱなしの口許からはダラダラと涎を垂らし、
異臭の漂う便所の中で、2人の男達に身体中の穴を弄ばれるようになっていた。
もうそんなときの恵美子の姿は、分別盛りのよい母親だったかつての面影は何処にもなく、すでに、さかりのついたただのスケベな牝そのものだった。

 調教が始まって2週間ほど経ったある日、その日も恵美子は、いつものように朝から発情した表情で、玩弄される期待に女陰を濡らしながら事務所に着くと、まるで条件反射のように素っ裸になり、
己の淫臭が染み付いた調教部屋に入っていった。
すると恵美子は、すぐに、その部屋の中に、工藤と島田のほかに、見慣れない男達がもう2人いる事に気がついた。
その男達は、2人とも素っ裸になった黒人で、どちらも2m近い大男だった。
さらにその股間には、各々が、子供の肘から先ほどもあるような、どす黒く巨大なペニスを、待ちきれないようにいきり立たせて扱いていた。
「恵美子!今日は、こいつらのこのでかいチ○ポに可愛がってもらえ!スケベな恵美子の事だ、きっとすぐに気に入るぜっ!」
その、血管を浮き上がらせた、グロテスクで巨大な一物を目にした時、恵美子の目に一瞬恐怖の色が走った。
だがすぐに、身体中が熱を帯びたように火照ってくるのと同時に、恵美子はなぜか女陰と肛門がヒクついて、期待と興奮で、身体の奥から湧き上がる感情が押さえきれなくなってくるのを感じていた。
(あぁ・・・あんな大きなお○ン○ンで嬲られるなんて、怖い・・ううん・・もう、どうなってもいいわ・・・好きにして・・皆で、恵美子をもっと玩具にして弄んで・・・・)
そして、男達から発散される強烈な牡のホルモンによって、瞬く間に理性を無くしてしまっていた恵美子は、彼らが前後からまとわりついてくると、待ちかねていたように、
「あぁ~・・・っ」
と、甘えたような仕草で応え、悦びの喘ぎ声を漏らしていた。

黒人達は、見掛けに似合わず、長い舌や、大きな手を使って、まるで壊れ物を扱うように、恵美子の身体をしばらくの間、優しく丹念に愛撫していった。
それでなくても、身体を驚くほど敏感に改造されつつある恵美子の事、あっという間に、十分すぎるほど欲情させられ、熱を帯びた女陰からは、熱く滾る悦びの汁が、まるで小便を漏らしたように、後から後から溢れて止まらなくなってしまっていた。
すると、いつのまにか工藤が浣腸器を持ってきて、恵美子の目の前にこれ見よがしに晒すのだった。
「チ○ポを突っ込まれる前に、まず腹の中を綺麗にしてやるぜっ。さあ、ケツの穴をだしなっ!」
浣腸される・・・・そう思うと、恵美子はさらに一段と感情が高ぶり、身体全体が凌辱される期待感に震えだし、剥き出しにされた肛門がヒクヒクと疼きだしていた。
そして、命令されるまでもなく、そうする事がもう当たり前のように、
「早く浣腸して・・・恵美子をもっと狂わせて、お願い・・・・」
自分から四つん這いになって、足を開き、尻を上げると、その尻を堪らないようにくねらせて、濡れた唇を舌舐めずりしながら、そうねだっていた。

「今日は、1000CCぐらいいってみるか。」
工藤は、さっそく、液を注入し始めた。
巨大な浣腸器からは、次々とおぞましい液体が、恵美子の淫らな尻の穴に『ドクドク』と注ぎ込まれていった。
すると、恵美子の悦びを示すように、嬉しさを表す蜜が、先ほどにもまして、女陰からとめどなくダラダラと溢れ出て、厭らしく生え揃った陰毛を伝って流れ落ちるのだった。
「ひっ、ひっ・・たまらない、恵美子のお尻、たまんないわっ!」
「恵美子の身体は、浣腸されると堪らなく感じるようになったみたいだなぁ。それじゃあ、腹の中の物を出す前だが、特別にもっと気持ちいい事をしてやろう。おいっ、突っ込んでやれ!」
工藤がそう言うと、後ろにいた黒人が、恵美子の女陰から流れ出ている蜜を指ですくうと、すでに先走りの透明な液を、その先端から滴らせている己の巨大なペニスと、浣腸されて疼いている恵美子の肛門にたっぷりと塗りつけ、そのままゆっくりと押し入れてきた。

「ひいぃぃーーーっ!」
その瞬間、恵美子の頭の中で火花が散った。
黒人の一物があまりにも大きいので、アナルSEXに慣らされてしまった恵美子の肛門でさえも、さすがに始めのうちは悲鳴をあげていた。
しかし、何度も何度も巨大な一物を出し入れされるうちに、すでに牝の身体に改造されつつあった恵美子の肛門は、すぐにその大きさに馴染んできていた。
「うぉぉーーっ!!いいぃーー、いいのぉぉーーっ!おっ、お尻がっ、恵美子のお尻の穴が狂うわっ!!あぁーーっ・・・・」
恵美子は、恍惚と苦悶の混じった表情を浮かべ、口と、お○ンコからとめどなく涎を流しつづけ、あられもない悦びのヨガリ声を上げて、唾液と汗でヌラヌラ光る乳房を揺すり、狂ったように腰を振りたくっていた。
ただただ、快楽を貪る為に狂態を晒す妻の姿を見て、私は嬉しさのあまり、興奮が収まらずに、何度も何度も高ぶりを放出した。

そのうちに恵美子は、ますます悦楽の底に堕ちて行き、今度は、自由な両手でお○ンコを掻き毟ったかと思うと、次の瞬間、その両側を縁取るヒダを左右に広げながら、
「お尻の穴だけじゃいやぁ~~っ!ねぇ~、まっ、前にもしてぇぇっ、お○ンコにもしてよぉぉ~~っ!!お願い、恵美子のお○ンコにチ○ポ突っ込んでぇぇ~~~っ!!!」
目の前にいるもう一人の黒人の男根にむしゃぶりつくと、
「チ○ポぉっ、ふっといチ○ポ頂戴ぃっ!早くイカせてぇ~~~っ!!!」
もう半狂乱になって、そう叫ぶのだった。
「もうこうなっちまうと、恵美子が貞淑な人妻だったなんて、誰も信じねぇなぁ~。どう見たって立派な変態の牝豚女だぜっ、そうだろっ!!」
「そうよぉぉーー、恵美子は変態よぉぉーっ!だから早くぅーーーっ、お○ンコも犯してぇ、お願いぃぃーーっ!!!」
そのまま前後から2つの穴を同時に犯される頃には、もう、感じすぎて声も出せなくなり、口から泡を吹きながら、
「イッちゃうぅぅ・・・・・・」
と呻くだけになっていた。
  1. 2014/07/31(木) 02:42:41|
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Booby Trap 第16回

 再び車に連れ戻されたとき、恵美子は、さすがにぐったりとしていた。
だが、しばらく工藤に身体中をあちこち弄り回されているうちに、また身体が熱く疼きだしてきて、すぐに男が欲しくて堪らなくなってきていた。
「そんなにされたら、恵美子また感じてきちゃう・・・ねぇ、恵美子のお○ンコに、このお○ン○ン入れて・・いいでしょっ・・・」
恵美子は、隣にいる工藤の股間から勝手に男根を引っ張り出すと、一刻も早く、熱く火照る女陰に突っ込んでもらおうとして、『ジュボっ、ジュボっ』という卑 猥な音をたて、何とか元気よくしようと一心不乱にしゃぶりまわしていた。
「こらっ!まだダメだ!!」
「いやぁ~・・恵美子、お○ンコするのぉ~~!」
もう完全に理性を無くしてしまった恵美子は、発情した一匹のメスになっていた。
そして、男達の言葉には耳を貸さず、ただ淫乱女の本能のままに、工藤の男根を、涎まみれにしてながらフェラチオをしているのだった。

「しょうがねぇ女だなぁ・・・まあ、どうせすぐ着くんだ、好きにさせておけ!」
上川は、あきれたような顔をすると、工藤に向かい、恵美子の好きなようにさせておくように言った。
「ングっ・・・恵美子、お○ン○ン大好き。美味しい・・・」
何も分からなくなってしまった恵美子が、ただひたすら工藤の男根にむしゃぶりつき、身体全体からスケベ女の淫蕩な嬌態を漂わせながら、一生懸命舐めている うちに、車は、少し離れた駅前の繁華街に着いていた。

「さあ恵美子、着いたぞっ!」
そう言うと、上川達は工藤の股間から恵美子を引き剥がし、
「だめぇーー、お○ン○ンもっとしゃぶるのぉ~~っ!」
まるで、色キチガイのように喚く恵美子に、素早く、口と鼻の部分だけ穴のあいている真っ黒な皮製のマスクを被せると、外れないように、後ろをしっかりと結 んでしまった。
「いやぁ~!何も見えない。何をするのっ!!」
それから、いきなり目の前が真っ暗になってしまい、ビックリして叫んでいる恵美子を、工藤に手伝わせて手早く四つん這いにさせると、尻の穴にイチジク浣腸 を、1つ、2つと注入し始めた。
最初、わけがわからずに少し暴れた恵美子だったが、すぐに何をされるのかを悟った。
すると、すでに浣腸される悦びを覚えさせられてしまっていた身体は、逆に被虐の期待でおとなしくなり、
「はぁ~・・・好き・・・恵美子は浣腸されるのが、とっても好きなの・・・もっとしてぇ・・・・・」
甘えた声で、男達にそうねだると、堪らないように舌なめずりをして、身体をくねらせながら、自分で乳首をつまみ、クリトリスを擦り始めた。
そうして恵美子は、10個ほどイチジク浣腸を尻の穴に注入されたかと思うと、そのまま一人車外に放り出されてしまった。

 顔を、一部だけ出したマスクですっぽりと覆われ、薄茶色の乳首を尖らせた乳房をはだけ、ミニスカートは腹までずり上がり、股間一面に黒々と生えている淫 毛を丸出しにして、身体中から淫臭を匂い立たせた女が、突然街中に現れ、人々は驚きと嘲笑の眼差しで見入っていた。
(みんなが見てる・・・オッパイもお○ンコも丸出しにした、恵美子を見てるわ・・・もう堪らないっ・・凄く感じるの・・・このままここでウ○チ垂れ流しな がらイッちゃう~・・・・あぁ、イクぅ~~っ!!!」
恵美子は、あまりにも感じすぎてしまい、もう立っている事ができなくなってしまっていた。
次の瞬間、『ブルっ』と、まるで起こりが起きたように震えたかと思うと、思わずその場でしゃがんでしまった。
「ああぁっーー!もうダメ、ウ○チでちゃうよぉぉーーっ!!!」
いつのまにか通行人たちが足を止めて、恵美子の周りを遠巻きに取り囲み、あきれたような顔をして見つめていた。
「何だ、色キチガイか?」
「どこかで、アダルトビデオでも撮ってるんじゃないのか?」
「それにしても、スケベな身体をした女だぜ、あの男を挑発するような腰の使い方・・・堪らないな・・・」
「おい、そんな物取って顔を見せろ!」
人々は、それぞれ好きなことを話していた。

そんな中、とうとう恵美子は、『ペタン』と、その場に股を開いたまま腰をおろしたかと思うと、街の真中で、人々の蔑んだ視線を身体中に浴び、閉じる事ので きなくなった口許から、糸を引く涎を多量に流し、お○ンコとアナルを掻き毟りながら、前と後ろの2つの穴から『ブリっ、ブリっ、シャーっ』と、排泄物をあ たり一面に撒き散らして、
「いっ、いいぃーーー!あぁっ、イクぅぅっーーー!!!」
そのまま激しく絶頂に達していた。

 すると、それを車の中から見届けた上川が、恵美子のそばに歩みより、
「あ~あ、こんなところで、糞と小便垂れ流してイクなんざぁ、しょうがねぇ女だなぁ」
そう言って、公衆の面前にもかかわらず、快楽の余韻に浸って、息も絶え絶えに喘いでいる恵美子を四つん這いにさせると、その股を大きく開かせて、悦びの証 を露わに示す下半身を丸見えにし、おもむろにティシュを使って後始末をし始めた。
「うぅ~ん・・気持ちいいぃぃ~~もっとぉぉ~~」
恵美子は、丸出しの下半身を隠そうともしないで、媚びるように腰を振りながら、上川に、ティシュでドロドロの女陰やアナルを擦られるのを楽しんでいるの だった。
「拭いても拭いても後から後から濡れてきやがる、こりゃきりがねぇなぁ・・」
上川はあきらめて工藤とともに、凄まじい絶頂感のため、腰が抜けたようになって立ち上がれなくなった恵美子を、両側から抱きかかえると、
「さっさと車に戻るんだっ!」
そう言って、恵美子が見せた狂態のあまりの迫力に、あっけに取られている人たちをそのままにして、恵美子をいつのまにかそばまできていた車の中に押し込み 出発させるのだった。

車に連れ戻され、マスクを取られて喘いでいる恵美子に、上川が、
「どうだ恵美子、外でするのも、まんざら捨てたモンじゃねぇだろう。これからも時々はこうして外で調教してやるから、楽しみにしてなっ!」
と、声をかけると、
(あんなに恥ずかしい目に合わされても、私の身体はもう言うことを聞いてくれない・・・それどころか、いつのまにか自分から望んでしまっているなん て・・・・もうだめかもしれない・・・)
恵美子は、今日1日で、いやらしい姿を見知らぬ人たちに嘲笑される事が、こんな狂おしいまでの快感を与えてくれるのだとわかり、
「はっ・・・・はい・・・お願いしま・・す・・・」
消え入るような小声で、そう応えるのだった。

 その日の夜、恵美子は潤んだ目をして、私にすまなそうに、
「ごめんなさい、まだ夏バテがよくならないみたいなの・・・なかなか疲れが取れなくて・・・だから、今日も早く寝たいの・・」
(あなた、ごめんなさい・・・今まで一生懸命頑張ったけど、もうダメみたい、恵美子は、もう負けてしまいそうなの・・・頭でいくらダメって思っても、身体 が言うことを聞いてくれないの・・許して・・・)
そう言って、その日も、早々に床に就いたのだった。
だが、恵美子の寝室からは、一晩中押し殺したような呻き声が聞こえていたので、たぶん、きっとまたバイブで弄ばれたか、それとも昼間の事を思い出して、た まらずに自分で慰めていたのだろう。
明け方私がそっと妻の寝室へ行き、気づかれないように布団をまくって中を見ると、据えたような淫臭の中で、股間の辺りのシーツをぐっしょり濡らして、
「あぁぁ・・・・うぅぅぅ・・・・・・」
と、喘ぎ声を上げ痙攣したように身体をヒクつかせて眠っていた。
私は、そのまま自分の書斎へ戻り、悦びのあまり何度も放出した。
とうとう男達は、恵美子の中に眠っていた、どうしようもなく淫蕩な色情狂の血を、完全に目覚めさせてしまったのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:41:40|
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Booby Trap 第15回

 次の日、結局、昨夜一晩中バイブレーターによって弄ばれ、自慰によって何度も絶頂に上りつづけた恵美子は、もうすでに朝から身体中が熱を帯びたように火照り、まるでさかりのついた牝犬のように発情していた。
それでも、さすがに私を送り出すまでは、そんな素振りを見せてはいけないと、何とか必死に平静を装うとしていた。
だが私は、恵美子がいくら隠そうとしても、その艶かしく変えられてしまった身体から、何ともいえない、男を求める淫乱女特有の雰囲気が、ムンムンと当たり一面に発散されているのを見て、恵美子が、かなり危険な状態になっているのを感じていた。
「きょっ・・・今日も、早いの・・・?」
「いや、今日は、いつもの時間ぐらいになるが・・」
「そ、そう・・・」
「それと、くれぐれも言っておくが、そんな格好は家の中だけにしておけよ。それじゃあ行ってくる。」
「わ・・分かってるわよっ・・行ってらっしゃい・・・」
そう言って私を送り出したものの、玄関のドアが閉まり、私の姿が見えなくなってしまうと、もうそこまでだった。
恵美子の身体の欲求は、限界に達していた。
そ れ以上はもう、絶え間なく襲ってくる身体の疼きに一時も耐えられず、いつもなら外出用の服に着替えるのだが、その日は、もうそんな周りの目を気にする余裕 もなく、服を着替える少しの時間も惜しんで、まるで何かに取り付かれたように、露出狂女の格好のまま出かけるのだった。

恵美子は途中、何回も自分で慰めたくなるのを堪えていたために、事務所に着く頃には、この耐えがたい身体の疼きを癒してもらう事以外、もう何も考えられなくなっていた。
だから、事務所の中に入ると同時に、
「もう堪らないのっ・・誰でもいいから、恵美子をいたぶってっ!
ねえ、この疼きをどうにかしてっ!!」
そう叫んでいた。

 珍しく、その日事務所には上川がいた。
「久しぶりだな恵美子、しばらく見ないうちに、何とも色っぽい身体になったじゃねぇか・・それはそうと、まあ、そう慌てるな、今日はちょっといつもと趣を変えようぜっ、さあ、それを脱いでこっちの素敵な服に着替えるんだっ!」
恵美子は、よく意味がわからなかったが、ただ嬲ってもらいたい一心で、言われた通りに渡された服に着替えたが、それは、普段家の中で着ているよりも一段と過激なものだった。
お もいっきり脇と胸元が開いているために、前からも横からも乳輪が少し覗いていたし、おまけに生地も非常に薄手だったので、乳首の色さえも薄っすらとわか り、ましてや形に至っては、乳房の下半分がはっきりと見えてしまう短いタンクトップに、後ろに回って見ると、貞操帯がTバック状に食い込んだ尻の割れ目が 半分近くも見え、少しでもずり上がれば、貞操帯に覆われ、厭らしい毛をはみ出させた股間の部分さえ丸見えになってしまうほどの、超ミニスカートだった。
「ねぇ、こんな恥ずかしい格好にしてどうするの?それより、いつものように早く恵美子をイカせて、お願い!」
しかし、上川はそれには応えず。
「よし、淫乱女の恵美子にはよく似合ってるぞ。それじゃあ準備もできた事だし、今日は一度外に出てみようか、恵美子も、いつも部屋の中ばかりじゃあ飽きるだろ。」
てっきり、今日もいつもと同じように、事務所の中で調教されるものだとおもって甘い声を出していた恵美子は、こんな格好で外に出ると聞くとさすがに青くなって、
「こんな色キチガイみたいな格好で外に出るのは、嫌よっ!お願いっ、許してっ!!」
顔を引きつらせて、そう訴えていた。
しかし、それは男達の前では無駄な事だった。
恵美子は、手足をばたつかせて抵抗したが、所詮女の力では何ともなるはずもなく、有無を言わさず、男達によって無理やり車に乗せられてしまった。

「許してぇ・・・お願いぃぃ・・・ううぅっ・・・・」
恵美子は、さっきまであんなに悶えていたのが嘘のようにおとなしくなり、逆に、初めて外で調教される恐怖と恥ずかしさで、泣きながら震えていた。
「いつまで泣いているんだ、恵美子!!おい工藤、ちょっと手伝えっ!」
上川は、鎖のついた黒い首輪を取り出すと、
「今、牝犬の証をつけてやるから、さあ、観念しておとなしくしてなっ!」
シートの上で身を縮めている恵美子に向かっていった。
「やめてぇ・・・こんなの嫌ぁぁっ・・・・」
そして、嫌がって抵抗する恵美子の首に、工藤と2人がかりで無理やり犬の首輪を取り付けてしまった。
「よく似合うぞ、いいか、絶対にそれを外すんじゃないぞ分かったなっ!」

 しばらくすると、恵美子は、さすがに泣き止んではいたが、しかし、まだ完全に観念したわけではなかった。
それから、目的地へ着くまで1時間近く走っていただろうか、その間も恵美子は、
「ねぇお願い、外なんて嫌っ!いつもみたいに事務所で恵美子を犯して頂戴っ!!」
そう言って男達に、何とか考え直してもらおうと、一生懸命訴えていた。
しかし、当然恵美子の願いは聞き入れられるわけもなく、そのまま車は子供連れの母親達で賑わう、郊外のとある公園に着いたのだった。

すると上川達は、
「嫌あぁーー!恥ずかしいぃぃーー!!車から降ろさないで、お願いぃぃーー!!」
再び、恥ずかしさのあまり泣きながら許しを請う恵美子を、容赦なく外へ引きずり出してしまった。
「ううぅっ・・・・・堪忍してぇっ、これじゃあまるで変態女だわっ・・・」
「その通りじゃねぇか、工藤達の前でクソを撒き散らしながらよがってた恵美子には、お似合いだぜっ!さあ行くぞっ!!」
そうして男達は、嫌がる恵美子を、無理やり鎖を引いて、しばらくの間、公園内をあちらこちら連れまわすのだった。

すると、そのうちにそこら中から、
「何、あの女、あんな格好をして・・恥ずかしくないのかしら。」
「○○ちゃん、見てはいけません!」
女達のなじる声が、恵美子の耳に聞こえ始めた。
「どうだ恵美子、みんなが、お前のスケベな格好を見て笑ってるぞっ!」
「厭らしい女だ、こんな格好で出歩くなんて!」
「ちっ、違うわ・・だっ、誰が好き好んでこんな格好を・・・貴方達が無理やりさせたのよっ!」
「どう違うんだ!本当は、熟れた厭らしい恵美子の身体を見てもらいたくて、お○ンコ濡らしてるんじゃねぇのか?」
そう言って、バイブのスイッチを入れられると、
「ひぃぃ・・・嫌ぁぁ・・・・」
股間を押さえて、その場にしゃがみこむのだった。
「さあ、こっちも気持ち良くしてやろう。」
男達は恵美子を立たせ、周りの目にかまわず、その身体中を愛撫し始めた。
「ああぁ、こんなところで・・・やめて、お願い・・・」
すると恵美子は、まだ口ではそう言うものの、すぐに耐え切れなくなって、身体がくねりだし始めてくるのだった。
「おい、この女、こんなところでも感じちゃってるぜ、やっぱり、どうしようもねぇスケベ女だぜっ!」

 実は最初は、大勢の見知らぬ人たちに厭らしい格好を見られ、恵美子は恥ずかしさで、顔を引きつらせているだけだった。
しかしそのうちに、思いもよらず恵美子は、だんだんと女達に蔑んだ目で見られ罵られる事が、不思議と気持ち良く思えるようになってきて、女陰から悦びの証が、『ドクっ、ドクっ』と溢れ出してくるのを感じていた。
「本当だ、身体の方がよっぽど正直だぜ。なんだぁ、おつゆが足首まで垂れてるじゃねぇか、しょうがねぇなぁ。」
(なぜ、こんなに恥ずかしいのに、気持ちがいいの?)

恵美子は、知らず知らずのうちに、露出の悦びに目覚め始めていたのだった。
惨めになればなるほど、それが恵美子の被虐心に火をつけ、もっといたぶられたいと思うようになっている自分に、始めは戸惑っていたのだが、同性の容赦のない刺すような視線が恵美子に突き刺さると、それが、どんどん恵美子を淫らな女に変えていくのだった。
(あぁ・・・どうして感じてしまうの・・違うの、私そんな女じゃないの、だから、そんな蔑んだ目で私を見ないで・・・)
周りの女達は、最初驚いているだけだったが、どうやら恵美子が感じているらしいという事が分かると、まるで汚らしいものを見るような目で、恵美子の事を見始めるのだった。
「あぁ・・・恵美子、見世物にされて、つらいわ・・・もう車に戻して・・・」
しかし、いくら頭で否定しても、すでに露出の快感に目覚め始めた恵美子は、そんな言葉とは裏腹に、知らず知らずのうちに、見知らぬ他人に、軽蔑の眼差しで蔑まれながら嬲られる事に、無上の悦びを感じるようになっていた。

 すると上川達は、公衆の面前にもかかわらず、恵美子のスカートを腰までたくし上げると、その下に隠されていた貞操帯を、白日の下に晒すのだった。
「何よあれ、あんな変な下着を着けてるなんて、本当にどういう女なの」
そして、そんな周りの声が聞こえると、それを待っていたかのように、一気にその貞操帯を恵美子の足元まで下ろすのだった。
その瞬間、『ニュルっ』と、2つのバイブレーターが抜け落ちたかと思うと、
「ひぃぃ・・・いやぁ・・だめぇ・・・っ」
甘えた声を出している恵美子の足元の地面の上で、お湯をかぶったように湯気を上げながら、まるで意思を持った生き物のようにうねっていた。
「キャァーっ、あんな物2つも入れたままだったなんて、信じられない変態女ね!」
周りの声は、容赦なく恵美子の身体に投げかけられ、その刺すような好奇の視線に晒されている身が、堪らなく愛しく被虐の感情をあおるのだった。
(そうよ・・・私はこんな女、もっとみんなで罵って・・・)
「やっぱり、恵美子のお○ンコは、もうこんなにグチョグチョになってるじゃねぇか!!」
そう言われて、早速上川にお○ンコに指を入れられ掻き回されてしまうと、『ぐちょっ、ぐちょっ』そこは卑猥な音をたて、そして、後から後から白く濁った蜜が溢れ出してきた。

こうなってしまうと、今までの変態的な調教によって、マゾ女特有の、背徳的な悦びを、確実に身体に覚えこまされつつある恵美子には、もうどうしようもなかった。
ただ、己の身体から湧き上がる快楽の渦に、身を任すより外に術はなかったのだ。
(ああぁ、いいわぁ・・そうよ、もっとみんなで私を蔑んで頂戴!恵美子はそうされるのがとっても嬉しいの・・・)
「ほら、いつもの薬を塗ってやるぞっ!」
恵美子は、すでにあきらめてしまって、男達に薬を塗られている間も、抵抗することなくされるがままになっていた。
「だめぇ~~・・そんな事されたら、恵美子もうどうにかなっちゃうぅ・・・」

 しばらくすると、恵美子はもう堪らなく感じているのを、隠す事ができなくなっていた。
陶酔した表情を浮かべ、半開きの口からは涎を垂らし、タンクトップの肩はずり落ちてかろうじて腰に引っかかり、露わになった乳房を後ろから工藤にもみしだかれていた。
またその下半身は、スカートが下腹までずり上がってしまい、そのため股間に恥ずかしく黒々繁る淫毛を、おもいっきり覗かせているのだった。
恵美子はもう、回りを気にする余裕さえ完全になくなっていた。
(もう、えみこをどうにでもして・・・お○ンコがとろけそう・・いくぅっ!)
「ああぁっーー、気もちいいぃぃーーー!もうだめぇぇ、いっちゃうぅぅっーーー!!!」
恵美子は、男達に身体中を嬲られて、最後には、淫らに滾る女陰から白濁した液体を迸らせ、大声で叫びながら絶頂に達していたのだった。
「やだ、あの女、こんなところで本当にイッちゃたみたいよ。綺麗な顔してるのに、まるで色キチガイねっ!」
「ねぇ、よくみて御覧なさいよ、あそこから潮を吹いているわよ、いやだわ、見てるこっちが恥ずかしくなっちゃうわっ!」
恵美子の薄れていく意識の中で、女達の嘲笑する声がこだましていた。
  1. 2014/07/31(木) 02:40:26|
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Booby Trap 第14回

 そんなある日、私は、たまたま仕事が早く切りがついたので、妻がどんな反応を見せるか楽しみに、いつもより少し早く帰宅してみた。
「ただいま、今帰ったぞ・・・」
私は、言うが早いか、さっさと靴を脱ぎ玄関を上がって、居間に向かった。
「お・・お帰りなさい・・・早かったのね・・・・・」
すると、案の定きっとその日も、普段のように私の帰りが遅いだろうと油断していた恵美子は、いつものワンピースではなく、ほとんど裸のような格好をしてい た。
上半身は、胸の下までしかない薄手のタンクトップだったので、厭らしく尖った乳首の形がはっきりと分かったし、Eカップの乳房の下半分もほとんど覗いてい た。
また、下半身に目をやると、股下ぎりぎりのミニスカートで、むっちりとした太股が股間のすぐ下まで丸見えだった。
それは、それまで、家の中でさえもきちっとした格好を好んでしていた妻からは、考えられない変わりようだった。
実は、恵美子は最初、男達に服をすべて取り上げられてしまって、代わりに与えられたものの中では、何とか外へ着て出ることのできる服が数えるほどしかな く、またその種類も限られていたので、家の中だけはと割り切って、しょうがなく、そんな格好をするしかないと覚悟を決め、憂鬱に感じながらも、露出度の高 い服装をし始めたのだった。
だがしかし、毎日の厭らしい調教を受ける事により、身体だけでなく精神も変えられていってしまい、その頃になると、すでに私のいない間は、家の中ならたと え子供達の前でも、そんな露出狂のような厭らしい格好でいることに、ほとんど抵抗なくなっていたのだった。

私が、
「どうしたんだその格好は、それにお前、ブラジャー着けてないのか?」
そう聞くと、
「今日は凄く暑かったんだから、しょうがないじゃない。それに、別にいいでしょ、家の中だけなんだから。」
いつかきっと、そんな格好をした姿を、私に見られてしまうときが来るだろうと覚悟していた恵美子は、そんなに慌てる様子もなく、そう応えた。
「家の中だけって・・・・子供達もいるんだぞ。それに、そのスカート、いくら暑いといったって、それじゃあ下着が見えそうじゃないか、何を考えているん だ、少しは年を考えろ!」
さすがに、チラッと見えた黒い貞操帯のことは聞けなかったが、とにかく、さらにもう少しきつい口調で問いただすと、
「いいじゃない、これくらいの格好したって・・私だって、まだまだ捨てたモンじゃないんだから。」
恵美子は、さすがにしきりとスカートを気にしていたが、それでも言葉はあくまでも強がっていた。
「捨てたモンじゃないって言ったって・・・まあいいわかったよ、そうまで言うなら・・・そのかわり、家の中だけにしておけよ。」
「もちろんよ、いくらなんでもこんな格好で外には出ないわよ。」
「しかし、今までがちょっとおとなしすぎたぐらいだったから・・急にそんな格好をされると少し刺激的だな・・・それより子供達はどうした?」
「今日は、1日中学校のプールで遊んで疲れたのか、今しがた2人とも寝てしまったわ。せっかくいつもより早く帰ってきたのに、残念だったわぁ・・・ ねぇっ・・・」
すると、きっとその瞬間、近くで様子をうかがっていた彼らが、面白がってスイッチを入れたのだろう、恵美子の身体が『ビクッ』と動いたかと思うと、見る見 る言葉が震えだしていた。
「今、夕食の支度するから、先にお風呂に入ってぇ・・てっ」
恵美子は、そう言うと、バイブレーターの音を私に聞かれまいとして、股間の疼きに必死で耐えながら、震える足取りでキッチンへ向かった。
だが私は、それにはまったく気づかない振りをして、しぶしぶ納得したように見せかけながら、とりあえず一旦はバスルームへ向かった。
しかし、すぐに引き返して、恵美子に気づかれないように、そっとキッチンの様子を覗いてみた。
そこには、恵美子の後姿が見えた。
「うぅぅ・・・・っ」
(今は主人がいるのよっ・・・これ以上は怪しまれるわっ、早くやめなきゃ・・・・ああぁっ、だめ、私やめられない・・・・)
思った通り、バイブが与える甘い振動に耐え切れなくなった恵美子は、私が家にいるのにもかかわらず、スカートとタンクトップの中に腕を入れて、乳房を揉み ながら貞操帯の隙間から器用に、お○ンコに入れられたバイブを弄んで声を殺して喘いでいた。

実は、その頃になると、恵美子は家の中でも日中1人でいるときなどは、身体の疼きに耐え切れずに、ちょくちょく自分で慰めていたのだった。
そして、そのことを、当撮で知った工藤達に、調教中、
「昨日も、あれから1人で、マ○ズリして楽しんでたようじゃねぇか、おめぇは、どうしようもねぇスケベ女だなっ!!」
などとからかわれても、
「うぅ・・・・」
(こんなひどい事いわれても、1人になると身体が言うことを聞かない・・・一体どうすればいいの・・・・)
もう恵美子には、どうする事もできなくなっていたのだった。
だから、その手つきはもうかなり手馴れたもので、すぐに快楽の淵をさまよって、何度も軽い絶頂を迎えていた。

再びバスルームに戻った私は、先ほどの恵美子の姿を思い浮かべながら、その後、恵美子がどうなっているかあれこれ考えてしまい、結局とても落ち着いて湯船 に入っていることができず、体を洗うのもそこそこにして出てきてしまったのだった。
「も・・・もう出たの、早かったのねぇっ・・それじゃあビッ、ビールでぇ・・も飲んでぇ・・もうちょっと待っててねっ・・・」
本当はもっと続けていたかったのだろう、キッチンで準備をする妻が、小刻みに震えながら包丁を使っているその露わな太股には、女陰から流れ出た愛液が幾重 にも筋を作り、さらによく見ると、足元の床の上には、滴り落ちた愛液が水溜りを作っていた。
あえて見ない振りをしていたが、私は、身体の奥に激しく悦びが湧き上がってくるのを感じていた。

食事中もスイッチを入れたり切ったりして弄ばれていたのだろう、かすかにバイブレーターの音がしていたが、私は、TVの音のために気づかない振りをしてい た。
しばらくすると、もう妻の様子が限界に近づいてきているのが分かった。
食事をするどころではなく、気もそぞろで、そわそわと落ち着かない妻に、
「どうした、あまり食べないようだが・・・・それに顔も少し赤いが、どこか具合でも悪いのか?」
そう言うと、
「うぅ・・ん、夏バテかな、す、少しぃ・・熱っぽいみたい・・」
本当は、違う事で身体が火照っているのを隠して、そう応えた。
「そうか、今日は疲れているからすぐに寝るつもりだが、お前もそうするんだな。」
「そっ・・そうするわっ・・・」
そして、恵美子は食事もそこそこに済ますと、
「ご、ごめんなさいっ・・・私、先に寝ますぅっ・・・後かたずけは、あっ、明日の朝しますから・・そのままにしておいてぇ・・・っ」
そう言うと、耐え切れないように寝室へ向かい、すぐに布団に入ると、待ちかねたように声を殺して、身体を慰め始めるのだった。
私が、妻がよろめくように寝室へ行った後、こっそり妻の座っていた椅子を確かめると、椅子の上からその下の床にかけて、湯気の出るような愛液でビッショリ と濡れていたのだった。

 その日の深夜、あれから散々1人で楽しんだので、そのうちにイキ疲れて眠ってしまっていた恵美子は、突然、夕食の時以降はおとなしくしていた、2つの穴 に入れられたバイブが、急に暴れだすのを感じて目が覚めた。
それまで、こんな夜中にバイブが暴れだす事はなかったのだが、この日は違っていた。
恵美子は、身体がすぐにバイブに反応して、『ビクっ、ビクっ』とうねりだすのに戸惑っていた。
「うぅぅ・・・・・」
(あぁぁ・・・いったい今日はどうしたのっ・・・このままではきりがないわっ・・・だっ、だめよ耐えなくては・・)
恵美子は、先ほどとは違い、今度こそは何とか我慢しようとしていた。
だが、毎日の狂おしい調教で確実に色情狂への道を歩み始め、驚くほど悦びに敏感な身体に改造されつつある身では、ひとたまりもなかった。
どこかで見張られていると思うと、バイブを取り出すわけにもいかず、何とかしばらくは頑張っていたものの、結局、身体の疼きに負けてしまって、いけないと 思いつつ、いつものように自分の手で慰め始めるのだった。
「いっ、いぃぃ・・・いくうぅぅっ・・・・」
(もうだめ・・・・気持ちよくてやめられない・・・・)
とにかく恵美子は、夕食のときもそうだったように、一旦自分で始めると、もう1回や2回イッたぐらいでは、とても満足できない身体になっていた。

恵美子はその夜、もう自分が出口のない、まるで底なし沼のような色地獄に堕ちていくように感じながら、自らの手によって何回も絶頂に達したのだった。
そして最後には、自分自身の女陰から流れ出た、淫らな汁でぐっしょり湿ったシーツの上で、貞操帯の隙間から左右の手の指を突っ込んで、その厭らしい蜜つぼ に差し込まれたバイブレーターを握り締めたまま、『ヒクっ、ヒクっ』と、全身を痙攣させて、白目を剥き失神していたのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:39:23|
  2. Booby Trap・道化師
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Booby Trap 第13回

「どうした、そんなに気持ちがよかったのか?」
工藤にそう言われて、恵美子は、何とかヨロヨロと立ち上がろうとした。
しかし、その途中で再びスイッチを入れられ、2つのバイブレーターが微妙な振動を恵美子の身体に与え始めると、また中腰のまま動きが止まってしまうのだった。
「あぁ・・・・・いやぁ・・・」
今度は先ほどとは違い、バイブの動きはすぐ止まらずに、しばらくの間、恵美子の2つの穴に疼きを与えつづけていた。
「こんな物でも、こうして、しばらく続けると、なかなか馬鹿にしたモンでもないだろう。」
すると、先ほどまでいたぶられていたために、とろとろとまだ火がくすぶり続けるように火照っていた恵美子の身体が、また悲鳴をあげた。
堪らないように恵美子の腰がうねりだしたかと思うと、その口から
「あぁぁ~もうだめぇ・・・・イクぅぅ~~っ!」
そう叫び声が上がったのだ。
そしてその瞬間、『ニュルッ』と、恵美子の前後の穴からバイブレーターが抜け落ち『ゴトッ』という音がしたかと思うと、テラテラと湯気を上げる淫液で濡れ光ながら、『ウィーン』と床の上で淫らな動きを続けていた。

「なんだぁ、だらしのないお○ンコとケツの穴だなぁ・・落ちないようにしっかり締めてろっ!」
工藤は、スイッチを切り、動きをやめた2つのバイブを拾い上げると、そう言うのだった。
「無理です・・そんな物を入れたままなんて、私にはとても・・」
「しょうがねぇなぁ・・これぐらいのことが辛抱できなくてどうするんだ。そんな事じゃあしっかり稼げねぇぜっ!」
「お願い・・・許して、本当にできないんです!」
しかし、涙を浮かべた眼差しで、恵美子が必死に訴えるので、
「仕方がねぇなぁ・・本当は、スッポンポンの方が面白くていいんだが・・おい、島田、そういえばアレがあっただろう」
工藤がそう言うと、すぐに意味のわかった島田が、何処からか黒い皮でできた貞操帯を持ってきた。
「これで抑えておけば抜けないだろ、そらっ!」
工藤は、島田からそれを受け取ると、先ほど拾い上げたバイブレーターと一緒に、恵美子に手渡した。
「どうしても、許してはくれないのね・・・・」
恵美子は、それらを受け取ると、観念して再びバイブレーターを2つの穴に収め、今度はその上から、抜け落ちないように貞操帯を身に着けるのだった。
「それなら大丈夫だろう、まったく世話を焼かせる女だぜ、だが、こうして見ると、貞操帯からもじゃもじゃとお○ンコの毛をはみ出させているその姿も、なかなか色っぽくていいじゃねぇか!」
「いやっ・・・」
工藤にからかわれた恵美子は、恥ずかしさのあまり、思わずまくれあがっていたワンピースのスカートを下ろすと、股間を隠すのだった。
「いいか、明日ここにくるまで、ずっとそのままにしておくんだぞっ、分かったなっ!!」
「は、はい・・・」
恵美子は、もう言われるがままにそう応えるのだった。
こうして事務所をあとにした恵美子だったが、帰る途中も身体を動かすたびに、股間に感じる甘い疼きに戸惑っていた。
(私、本当に大丈夫かしら・・・・今もあそこが・・・)

そ の日、恵美子が家に帰ってたんすの中を調べてみると、男達が言った通り、今まで会った恵美子の衣類がすべてなくなって、代わりに、股下ぎりぎりの超ミニス カートや、乳房の下が覗いてしまうようなタンクトップ、、また上がおもいっきり深く切れ込んで、お尻が半分丸出しのホットパンツ、身体の線がすべて分かっ てしまうようなボディコンなど、まるで男を挑発する娼婦が身に着けるような物ばかりになっていた。
今着ているワンピースなどは、まだまともな方だったが、とにかく下着類が一切ないので、何を着ても乳首の形が分かってしまうし、下手をすると股間の貞操帯と、そこからはみ出した淫毛まで見えてしまうのではないかと思われた。
(ああぁ、どうしよう・・・こんな服ばかり・・・まるで、晒し者ね、主人になんて言えばいいの・・・)
だが、恵美子はもうどうする事もできずに、ただ男達の命令に、言われた通り従うほかなかった。
しかし、それでもなるべく外出を必要最小限にする事により、恥ずかしい格好を人前に晒すのを極力少なくするようにしたりして、恵美子なりに精一杯の抵抗はしていた。
また、しかたなく買い物などに出るときも、男達に与えられた服の中では、比較的おとなしそうに見えるワンピースを着て、買い物カゴなどで、なるべく身体を隠すようにして家を出るのだった。
でも、そういうときに限って、男達が面白がってバイブレーターのスイッチを入れるので、敏感な身体に調教されつつある恵美子は、すぐに反応して、見る見るうちに貞操帯の脇から溢れた愛液が太股を滑り落ちてきて、我慢する事ができずに慌ててトイレに駆け込むのだった。

トイレで個室に入ると、それでも女の悦びに目覚めた身体の、どうしようもない疼きには勝てなくて、いつのまにか嗚咽を漏らしながら、狂ったように不自由な貞操帯のすきまから、自分の手でいつまでも慰め続けるのだった。
(うぅっ・・悔しいっ・・・こんな事をしていてはいけないわ・・でもダメ、身体が疼いてやめられない・・・私、どうなってしまうのっ・・・)
 さすがにその頃になると、いくら夏とはいえ、急に服装が露出的になった恵美子の事が、近所でも評判になり始めていた。
だがしかし、相変わらず仕事が忙しく、普段家にいることの少ない私の耳にまでは、まだそんな噂は入ってこなかった。
また、恵美子も、私が家にいるときは、用心していつも比較的おとなしそうに見えるワンピースを着るようにしていたので、そんな周りの評判とは裏腹に、私たちの間では、これといって服装が話題になることはなかった。
  1. 2014/07/31(木) 02:37:58|
  2. Booby Trap・道化師
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Booby Trap 第12回

 その日の夕方、恵美子は疲れきって家に帰ってきた。
しかし、子供達の前では何とか平静を装って、一生懸命いつも通りの母親を演じようとしていた。
だが、恵美子の身体の奥には、まだ昼間の余韻がくすぶりつづけていた。
ちょっと油断した隙に、驚くほど敏感になっている乳首やクリトリスが、軽く下着に擦れただけで、『ビクッ』と身体に電流が走るのだった。
(あぁ・・・中から垂れてくるわ・・・だめっ、しっかりするの、私は、母親なのよっ)
恵美子は、替えの下着を手にすると慌ててトイレに駆け込み、濡れてしまった下着を履き替えると、念のため生理用品を当て、胸もあまり揺れないようにゆっく り動いて、夕食の支度をするのだった。
そんな中、私は珍しく、子供達が食事している時間に家に帰った。
「どうしたの、こんなに早いなんて珍しいわね・・」
「最近お前が元気がないから気になってな・・・それより、たまには子供達と一緒に飯を食べるから、早く支度してくれ。」
本当は、一刻も早く帰って妻の様子が見たかっただけなのだが、そんな事はおくびにも出さず、白々しくそう言ったのだった。
「ごめんなさい・・・本当に何でもないから、もう心配しないで。
ご飯すぐに準備するから、ちょっと待ってね。」
(こんなに優しい夫や子供達がいるのに、私は何て悪い女なの・・
やっぱり、どんな事があっても、あんな男達の言いなりになってはダメよっ)
恵美子は、けなげにもそう決心するのだった。
しかし、私の中に芽生えた悪魔は、もはやどうする事も出来なくなっていた。
私は、かいがいしく子供達の世話を焼きながら、一生懸命食事の準備をしている妻の姿を、どす黒い欲望で汚すような眼差しで眺めていた。
(さっきまで、あんなに悶え狂って牝そのものだったのに、子供達の前では、いつもの優しいお母さん・・・さて、いつまで続けられるかな・・・・)
私は、先ほどまで見せていた、驚くほどの淫乱な姿が、妻の本来の姿だと知ってしまった今は、妻の身体が、男達によって変えられて行くのを見るのが、楽しく てしょうがないのだった。
妻は、さすがに私の顔を見ると後ろめたさで心が痛むのか、食事中もあまり私と目を合わせようとはしなかった。
それでも、何とか沈んだ声で、
「今日、お店に行ってきたけど、思ったより簡単で、あれなら続けられそうだわ・・・・」
そう言うのだった。
「そうか、なんか疲れてるみたいだけど、無理なら断ればいいんだぞ」
心の中で、そんな妻の姿を一人楽しみながら私が言うと、妻は気丈にも、
「ううん、そんな事ないわ、大丈夫!心配しないで・・・」
と言いながら、私を安心させようとして、無理に笑った。
恵美子は、今までどおりの幸せな生活を守るため、必死に秘密を隠そうとして、精一杯、妻であり母である自分を演じようとしていたのだった。

 そんな恵美子の思いとは関係なく、次の日からも、恵美子は毎日事務所の奥の調教部屋で、男達にたっぷりと弄ばれた。
そして、その都度、最初こそ無駄とは分かっていても、
「嫌です!やめて、触らないで!」
などと、一生懸命抵抗するのだが、結局、男達の女を狂わせるつぼを得た調教テクニックと、媚薬やバイブなどの威力の前にはひとたまりもなく、
「くっ、くぅぅ・・・悔しいぃ・・いっ、いくぅぅーー!!」
途中からは悔し涙を浮かべ、それでも我慢できずに喘ぎ声を上げ、相変わらず嬌態を晒していた。
さらに、浣腸、蝋燭、鞭、アナルなどの変態的な責めになると、もう完全に身体の中で熱く滾る、己の淫蕩な血に負けてしまい、どんな強烈な責めでも、最後に は乳房を揺さぶりながら、媚びるように腰を振り、
「いいわぁ~~!!恵美子、気持ちよくてたまんなイッ!!もっとしてぇぇ~~!!!」
と、叫んでいるのだった。
残念な事に、さすがに私も、最初の3日間以外は会社を休む事が出来ず、それ以後の調教の様子は、彼らが約束どおりに届けてくれるテープによって見るしかな かった。

 そうして、この狂おしい調教によって、少しずつだが恵美子は気持ちの中で、男達に変態女のように扱われる事が、いまだかつてない悦びを与えてくれ、自分 は決して貞淑な淑女などではなく、それどころか、本性はどうしようもなく淫乱な女なのだと言う事実を、認めつつあった。
だがしかし、それでもまだ完全に性奴に堕ちてしまったわけではなく、何とか、自分の中で懸命に淫らな考えに負けまいと葛藤しているのだった。
だいたい、彼らがこういった調教を行う場合、普通は、家族には極力内密に行う事を優先させるのだが、恵美子の場合、本来なら一番注意を払うべき夫である私 が、最大の協力者なのだから、その点はまるで心配要らなかった。
したがって、普通なら、主婦が長時間家を空けることが難しい休日でも、私が、恵美子の離す言い訳を少しも疑うことなく信じた振りをするので、1日も休むこ となく調教は続けられていった。

 調教が始まって1週間ほど経ったある日、いつものように、工藤達にたっぷりと調教された恵美子が、ふらふらになりながら、家に帰るため服を着ようとする と、
「おい恵美子、今日からは、俺達が与えるもの以外は身につけるなっ!いいか、分かったなっ!!」
工藤達に、それまで着ていた福を全部取り上げられ、代わりに1着の服を渡された。
「たったこれだけなの・・・それに、下着がないわ・・・」
恵美子が困ったように言うと、
「よく聞け、お前をここで調教している間に、若い者たちが家に行って、お前の衣類は下着も含めてすべて処分した。代わりに俺達が選んだ服を入れておいたか ら、今日からはその服だけを着るんだ。
それと、今から一切下着を着ける事は許さない!必ずどんな時でもノーパン、ノーブラでいるんだ、分かったなっ!!」
「そっ、そんな事、出切るわけないわっ!嫌ですっ!!」
「うるさいっ!お前みたいな淫乱女は、いつも男に触ってもらえるよう、ノーパン、ノーブラがお似合いだ!!それから、これをいつもお○ンコとケツの穴に入 れておけ!!」
そう言って、無線式のバイブレーターも渡された。
「いいか、家中に盗撮用のカメラも仕掛けておいた、いいつけを守っているかどうかそれを見ればすぐに分かるからなっ!」
そう命令されると、恵美子にはもう反抗する気力は残っていなかった。
渡されたバイブを、
「うぅっ・・・」
と、呻きながら前と後ろの2つの穴に収めると、与えられた服を着てみるのだった。
それは、かなりゆったりとしたノースリーブのワンピースだった。
身につけて分かったのだが、胸元がかなり大きく開いているので、少し深く屈むと、正面から乳首まで見えてしまいそうだった。
また、スカートの部分もゆったりしていて、長さも膝の少し上までだったので、ちょっと風が吹いてもすぐにまくれあがってしまい、周りの人から下半身に何も つけていないのが分かってしまうと思うと、恵美子はまるで落ち着かなかった。
(これでは、ちょっとでも気を抜くと胸やあそこが見られてしまうわ・・・)
不意に、工藤がバイブのスイッチを入れた。
「ひぃっ!」
恵美子は股間を抑えたが、2つのバイブレーターが、容赦なく前と後ろで暴れまわる感覚に、たまらず身体を身震いさせた。
「おっ、お願い・・・・スイッチを切って・・・・」
「どうだ、これから、いつ何時スイッチを入れられるか分からないからなっ、覚悟しておけっ!」
そう言って工藤がスイッチを切ると、恵美子はその場にしゃがみ込んでしまった。
「これからは、家にいるときも感じさせてもらえるんだ、感謝するんだなっ!」
(こんな事されたら、本当に私どうにかなってしまいそう・・・ううん、負けたらダメよ・・・)
恵美子は、自分の身体がどんどん敏感になって、常に欲情して男を求める、淫乱な変態女に変えられていくような気がして、不安が募っていくのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:36:46|
  2. Booby Trap・道化師
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Booby Trap 第11回

「この女、またイッちまったぜ、本当に好き者だなっ。この調子なら、今日あっちの方もいけるんじゃねぇのか?一気にやちまおうぜっ!」
「そうだな、それじゃあ、早速後ろも開発してやるとするかっ!」
相談がまとまると、男達は一旦手枷をはずし、恵美子を四つん這いにすると、後ろ手に拘束し直し、
「おいっ、目を覚ますんだっ!!」
と言いながら、軽く頬を叩いた。
「うっ、うぅ~ん・・・」
恵美子が虚ろな目を開いた。
「これからお前に、さっきよりももっと気持ちいいことをしてやろう。さあ、ケツを上げなっ!」
「今度は、何をするのっ!もう十分でしょっ!!早く自由にして頂戴っ!!」
「いくら強がっみても、お○ンコから汁をダラダラ流しながら気をやっちゃあ、形無しだな。まあ、身体は正直だ、いいかげんにあきらめて、好き者なのを認め ちゃあどうだ!」
「いっ、言わないで・・・」
(どうして・・・こんなにひどい目に会わされてるのに、恵美子の身体は濡れてしまうの・・・私、そんな女だったの・・・・)

「さあ、お前が今まで味わった事がない快感を教えてやるよ。そのうち、病み付きになって、こっちの方をせがむようになるんじゃねぇのか」
工藤は、浣腸器とグリセリン液を恵美子に見せながら、
「これが何だか分かるか、今からこれでお前を狂わせてやるぜっ、覚悟しなっ!!」
「いっ、嫌ぁぁーーっ!!!」
それを見たとたん、恵美子は男達の意図がわかり、恐怖のために思わず立ち上がって、何とか逃げ出そうとした。
だが、足にがっちりとはめられた枷のため、結局どうする事も出来なかった。
それでも、むなしく身体をばたつかせ、精一杯の抵抗をしていた恵美子だったが、男達は、難なく足を開かせて四つん這いにさせ、そのまま尻を上げた格好で固 定してしまった。

「いい格好だぜ、お○ンコもケツの穴も丸見えで、チ○ポを突っ込まれたくてヒクついてるのがよく分かるぜっ!それにしても、毛深い女だなぁ~ここから見る と、お○ンコの周りからケツの穴の周りまで、ビッシリと真っ黒じゃねぇか!昔から、毛深い女ほど淫乱だって言うから、これはお前が相当好き者の証拠だ なっ!!」
実は、妻は自分が人より毛深いのを大変気にしていた。
私は、別に気にすることはないと思うのだが、やはり女としては嫌なのだろう。
「私って、どうしてこんなに毛深いのかしら・・・嫌になっちゃうわ」
毎年夏になると、特にそう言ってよくこぼしていた。

「そんな事言わないでっ・・嫌っ・・見ないでっ!!」
(あぁ・・・、恵美子が毛深いのを笑われてる・・・は、恥ずかしいわ・・)
「それじゃあ、いよいよお待ちかねの物だ。ケツをこっちに向けなっ!まずは500CCからだ!!」
工藤は、そう言ってローションを塗りすべりを良くした恵美子の尻の穴に、浣腸器をそのまま『ズブッ』とと突き立て、ゆっくり液を液を注入し始めた。
「ひぃっ・・・入って来る、嫌ぁぁ~~!!」
初めて感じるおぞましい感覚に、恵美子は、思わず身を捩って逃げようとしたが、がっちりと身体を抑えられているため、それはかなわず、ただ、されるがまま になるしかなかった。
「あぁ~っ、お腹が・・恵美子のお腹が変なのぉ~~!!おトイレに行かせてぇぇ~~!!」
「まだだ、我慢しろっ!漏れないように、こいつで栓をしてやるぜっ!!」
500CC全部入れられると、その後恵美子は、ヒクつく肛門にアナルバイブを入れられてしまった。
浣腸され、生まれて初めて尻の穴に異物を入れられたために、
「いっ、痛いっ!!お尻が裂けるぅーー!!取って、お願いーーーっ!」

 恵美子は、尻の穴の痛みと、腹の中で暴れまわるグリセリン液の二重の苦しみで、全身に脂汗を浮かべ、悶え苦しんでいた。
その様子を見ていた工藤が島田に、
「おい、今日も薬を塗ってやれ」
それを聞いた島田が、昨日と同じように、媚薬を恵美子の性感帯に塗り込み始めた。
「嫌ぁーー、薬は止めてぇーー!もうこれ以上恵美子を狂わせないでぇぇーー!!」
媚薬の効果を、昨日嫌というほど思い知った恵美子は、アナルの痛みも忘れて、身体を捩り、必死の形相で懇願するのだが、
「な~に、昨日あんなに可愛いところを見せてくれたんだ、今更、遠慮する事はないぜ、今日もたっぷりサービスしてやるから、うんと気持ち良くなりなっ!」
そう言って、昨日にもまして入念に媚薬を塗り込められてしまったのだった。
「うっ、うぅぅ・・・狂うのは嫌ぁぁ・・・・」
恵美子は、涙を流しながら喘いでいた。

「そういえば、お○ンコの方が寂しそうだな。今、気持ち良くさせてやるから、待ってなっ!」
工藤は、そう言って、グロテスクな黒いバイブレーターで、恵美子の女陰をいたぶり始めた。
すると、そこは見る見るうちに白く濁った蜜を溢れさせ、『グシュッ、グシュッ』と音を立てて、待ちかねたようにその器具を飲み込んでいくのだった。
「こっちは、相変わらず洪水だな!ほらっ、もっと気持ち良くなって、また、イッてもいいんだぜっ!!」
「嫌ぁっ・・やめてぇ~~!」
「遠慮するなよ、こっちも動かしてやるから、思う存分よがり狂いなっ!!」
男達は、アナルバイブも動かし始めるのだった。
「ひっ、ひっ、ひぃぃぃーーー!!!」
『ゴボッ、ゴボッ』恵美子の肛門から漏れる茶色い液と、女陰から溢れる白い愛液が混じり、床の上に水溜りを作っていた。

 そのうちに、恵美子の様子が変わってきた。
脂汗を浮かべ、便意に耐えながら蹂躙されるおぞましさが、身体中を、男達の手で優しくなでまわされながら、女陰と肛門に、卑猥な音を立てて妖しくうねるバ イブを入れられ身体の中で擦れ合うぐらい激しく掻き回されるうちに、先ほど塗り込められた媚薬の効果とあいまって、恵美子の中で徐々に快感へと変わってゆ くのだった。
そして、いつしか恵美子は、背徳的な悦楽に身体を震わせて、半開きの口の端から涎を垂らし、甘美なヨガり声を上げていた。
「あぁ~~!!いいぃっ、いいのぉ~~~!!!たまらないぃぃ~~っ!!!」
(何なの、この感じは・・あそことお尻がジンジン痺れて・・こんなの初めて、恵美子どうなっちゃうの・・あぁっ、もうダメっ!)
「ひぃぃ~~~!!!」
(あぁぁぁ・・・・嫌ぁぁ・・こんな変態みたいにされて、イキたくない・・・嫌ぁぁーーっ!!)
「だめぇぇ・・・イッ、イクぅぅぅ~~っ!!」
「この女、またいきやがった。おい、まだ終わっちゃいねぇぜっ!
起きねぇかっ!!」
再び、頬を叩かれ意識を取り戻した恵美子は、初めて味わう禁断の悦楽に身を震わせていた。
(あぁっ・・お尻がこんなに気持ちがいいなんて・・・・私、変態だったの・・・・)
昨日に引き続き、自分の身体の淫らさを嫌と言うほど思い知らされた恵美子は、しばらくショックで頭がボーっとしていた。
だが、そのうちに襲ってきた強烈な便意に、嫌でも現実に引き戻されたのだった。
「お願いっ、トイレに行かせてっ!」
しかし、男達はそれには応えず、
「バイブより、本物の方がいいだろっ!」
今度は、島田が恵美子を騎乗位にして、下から激しく突き上げるのだった。
恵美子はそうやって犯されていると、すぐにまた気持ち良くなってきて、再び喘ぎ声を上げ始めた。
「だめっ、ウンチ漏れちゃうぅ~~!お○ンコ気持ちいいィ~~!イッ、イクぅ~~っ!!!」
恵美子は、頭を振りたくリ、凄まじい快楽の渦の中に堕ちていくのだった。
「そら、出させてやるから、思いっきりヒリ出しなっ!!」
そう言って、島田に跨ったまま、洗面器を当てられ、アナルに入れられたバイブを外されると、『ブリッ、ブリッ』という排泄音とともに、『シャーッ』と、恵 美子の尻の穴から汚物がほとばしった。
「おっ、おぉぉ~~っ、出ちゃうぅ~~!!嫌ぁ~~見ないでぇ~~~!!いいぃ~~っ!!!」
お○ンコの中を、グロテスクな男性自身に掻き回され、喜びの絶頂の中で排泄する、初めて経験する淫靡な快楽に、恵美子は我を忘れて叫んでいた。

だらしなく口を開けて涎を垂らしながら、陶酔しきった表情を見せる恵美子を尻目に、
「腹の中のものを出して、スッキリしたところで、本日最後のお楽しみと行くか。おい、もっとケツを開かせろ!!」
下から犯し続ける島田にそう言って、工藤が、よく見えるようになった尻の穴を、指でほぐし始めた。
しばらくすると、十分緩みきったアナルは、3本の指さえも楽々と飲み込むようになっていた。
(どうしてなの・・さっきからお尻の穴がこんなに気持ちいいなんて・・・本当に恵美子どうなっちゃたの・・・・)
「さ~て、十分ほぐれた見てぇだから、ぼちぼちいい頃だろ。ほらっ、お願いするんだっ!」
「どうしても、言わせるのね・・・}
「そうだ、早く言うんだ、わかったなっ!」
(ああぁ・・・もう、恵美子堕ちるわ・・・・)
「お○ン○ンよ、お○ン○ンが欲しいの・・・」
「何処にほしいんだ、ちゃんと言うんだっ!」
「お尻よ、お尻の穴にお○ン○ンを突っ込んで頂戴っ!!」
指で恵美子のアナルを弄んでいた工藤は、それを聞くといきり立った男根を突き立てていった。

 その瞬間、恵美子は身体の中で、『メリッ、メリッ』と音がしたような気がした。
「うぅっ・・・きついわっ!」
さすがにバイブや指と違い、男のものが入ってきたときはつらそうだった。
だが、そのまま激しく両方の穴を責められると、恵美子は、すぐに身体が淫らな反応を見せ始めた。
『ズチャっ、ズチャっ』お○ンコとアナルを同時に責められ、身体を4本の手で弄ばれ、恵美子は、
「ひいぃーーっ、こんなの初めて、もうだめぇーーーっ!!!」
完全に意識が飛んでしまっていた。
「どうだ、お○ンコとケツの穴、どっちが気持ちいいんだ、言ってみろっ!!」
「うあぁぁ~~、凄いっ!お○ンコとお尻の穴どっちもいいのぉぉ~~!!!恵美子、気が変になっちゃうぅ~~っ!!!」
「中で擦れるぅ~~!恵美子の中で、お○ン○ンが擦れるのぉ~~っ!たまんないぃぃ~~~!!!」
「とうとう本性を現したな恵美子、いくら貞淑な振りをしても、本当は、どうしようもない淫乱女なんだ、分かったかっ!!」
「わっ、分かりましたぁ~~!だから、もっとやって下さいぃ~~っ!!恵美子をメチャメチャにしてぇ~~~!!!」
恵美子は、狂おしく自分から腰を揺さぶり、もう恥じも外聞もなくよがり声を上げ、両手で自分の乳房を揉みしだきながら、上下の口からとめどなく涎を流しつ づけるのだった。
すでに、恵美子は自分ではどうする事も出来なくなってしまっていた。

 結局この日も、恵美子はこうして己の淫蕩な血に負けて、自ら快楽に溺れ続ける事を望み、その後も男達の前に、たっぷりとその嬌態を晒しつづけるのだっ た。
私は、ただ目の前で繰り広げられる、男達とまるで色キチガイのようになって悶え狂う妻との絡み合う姿に圧倒され、この女の本性が持つ業の深さに、改めて感 心していたのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:35:28|
  2. Booby Trap・道化師
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Booby Trap 第10回

 男達は、恥ずかしがる恵美子にかまわず、昨日同様、両手を手枷で吊り、両足は、足枷で左右に思いっきり広げて、身体を大の字の格好に固定してしまった。
「お前の身体は何て厭らしいんだ!男に嬲られたくて、もう乳首が尖っているんじゃねぇか!!」
工藤が胸を揉みながらそう言うと、
「ああぁっ・・・・お願い、止めて・・・・」
恵美子は、顔をそむけて小さく喘いだ。
さらに、
「お前、女のくせに、ケツの穴の周りまで毛がもじゃもじゃ生えてるじゃねえか。それに、厭らしい毛がいっぱい生えたこのオ○ンコも、もう濡れてるんじゃ んぇのか?」
股を開かせ、陰毛を引っ張られながらそう言われると、
「違います!そんなことないわっ!もう許してっ!!」
涙声で哀願するのだった。
(私なんて馬鹿だったの・・・こんな目にあわされるなんて、もう死んでしまいたい・・・)
この時になって、恵美子は今日ここに来た事を後悔していたが、もうすでに遅すぎた。
「よぉ~し、それじゃあぼちぼち今日も本格的にいくかぁ・・・」
男達は、恵美子の身体を手馴れた手つきで愛撫し始めた。
前後から微妙な感覚で全身を撫で回され、舌先を使って、確実に性感帯を責められると、すぐに身体が反応し始めた。
(ダメよっ・・・感じては・・うっぅ、耐えるのよっ!)
恵美子は、頭では何とか必死に抵抗を試みようとするのだが、媚薬を使われたとはいえ、昨日あれだけの悦びを身体に覚えこまされてしまった身では、やはりひ とたまりもなかった。
いや、むしろ今日の方が、媚薬の力を借りず、自分ではっきりと意識できる分、恵美子には強烈に感じていた。
乳首は尖り、女陰からは、ジクジクと蜜が湧き出てきていた。
(くっ、悔しい・・・どうして感じてしまうの・・うぅっ・・たまらないっ・・・!)
さらに、熱く蕩け始めた女陰に、指を入れられて乱暴に掻き回されると、
「あぁっ・・やめてぇ・・そんなにされると、恵美子はもう・・」
「さっきの勢いはどうしたんだぁ、腰が厭らしくうねってるぜ、この女、本当に、見た目と違って相当な好き者だぜっ!!そらもうチ○ポが欲しくて堪らなく なってきたんじゃねぇのか?」
前後から身体を合わされ、男達のいきり立った男性自身を肌に感じると、恵美子は己の身体がどうにもならなくなっていた。
「あっ、あぁ・・許してぇ・・・もうこれ以上しないでぇ・・・」
「おいおい、何が『許してぇ・・』だ、これを見てみろ、もう指がふやけるぐらいオ○ンコがぐしょぐしょじゃねぇか。」
工藤が、恵美子のオ○ンコに入っていた手を見せると、指先から手首まで、白く濁った汁でびっしょりと濡れていた。
恵美子は、もう限界だった。
「はあ・・はあ・・お願い・・・・」
「何をお願いするんだ?」
「い、入れて欲しいの・・・・」
「何を入れて欲しいんだ?」
「・・・分かるでしょっ、これ以上言わせないで・・・」
「はっきり言わなきゃわかんねぇなぁ」
「分かったわ、どうしても言わせたいのね・・・お○ン○ンよっ、お○ン○ンが欲しいのっ!早く入れて、お願いっ!!」
「よぉ~し、1回イカせてやるか、それ島田、望みどおり入れてやれ!」
『ズニュっ・・・』
真珠でその幹をでこぼこに飾った、グロテスクで巨大な島田の男根が、恵美子の女陰を捕らえた時、
「ひっ、ひぃぃ~~っ!!イクぅぅ~~!!!」
そう叫んで、あっという間に恵美子は今日最初の絶頂に達し、そのまま気を失っていた。
「見てくれよこれ、もうこんなにグッショリだぜっ!」
そう言って島田が離れると、そのいきり立った男性自身と、目をつぶり頭をうな垂れて喘いでいる恵美子の女陰から、ポタポタと淫らな汁が垂れていた。
「この女の身体には、相当淫蕩な血が流れているようだぜ、この分だと、マゾ奴隷に堕ちるるのも、思ったより早いかもしれねぇぜ」
「そうだな、本当に仕込み甲斐のある女だぜっ!」
恵美子が気を失っている間に、男達は恵美子の女の割れ目を両側からいっぱいに開き、そこに現れたクリトリスを皮を剥いて露出させて、根元を容赦なく絹糸で 縛ってしまった。
「なかなか敏感そうなクリトリスじゃねぇか、嬉しそうにヒクついていやがるぜっ」
工藤が、クリトリスから伸びた絹糸を指ではじくと、恵美子は身体を『ブルっ』と震わせた。
「あ、ああぁぁぁ・・・・」
「気がついたか、さあ、今度はもっと、お前が死んでもいいと思うほど感じさせてやるから、ありがたく思え!」
恵美子は、気がついて目を開けると、自分の股間から伸びた糸を工藤が持っているのをみて、下半身が堪らなく疼いているのを感じていた。
「やめてぇ、ひどい事しないでぇー!」
「何がひどい事だ、後から後から汁が溢れてくるじゃねぇか。ほらっ、気持ちいいんだろ、正直になりなっ!」
工藤はそう言って、舌でクリトリスを優しく転がすように舐めながら、『ピン、ピン』とリズミカルに糸をはじくのだった。
するとそこに、いつのまにか島田がどこからか刷毛を持って現れ、巧妙なタッチで恵美子の全身を愛撫し始めた。
腕の内側、腋の下、脇腹、ムズムズするような微妙な刷毛の動きに
、恵美子は思わず、
「あ、あぁ・・・ん、いやぁ・・」
(こんな男達にいい様にされるなんて・・・ああぁ・・そんな風にされたらもう私・・・だめ、おかしくなりそう・・・・)
恵美子は、口惜しさで涙を流していたが、すぐに喜びの声を漏らし
、媚びるように身体を動かすのだった。
「そ~ら、だんだん堪らなくなってきた様だなぁ」
刷毛による愛撫が、背中から前に回り、欲情して尖っている乳首から下へ降りてゆくと、糸ではじかれているクリトリスの痺れるような感覚とあいまって、恵美 子はもう分けが分からなくなっていた。
「おおぉっ、おおぉぉん」
「おいおい、もうお○ンコぐしょぐしょだぜ、あ~あ、足首まで垂れてるじゃねぇか、こりゃとんでもねぇ淫乱女だぜっ!」
男達の揶揄する声も、もう恵美子の耳には入らなかった。
「あ、あぁぁっ、ひぃぃぃっ、狂ちゃうぅぅーーっ、いくぅぅーーっ!」
恵美子は、再び暗い闇の中に堕ちていったのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:34:14|
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Booby Trap 第9回

 次の日の朝、恵美子は散々悩んでいたようだが、結局、あんな目に合わされても、まだ、私に知られる事の方を恐れ、また弄ばれると分かっていても、重い足 取りで、やはり昨日言われた通りに事務所に出かけるしかなかった。
朝、昨日と同様何食わぬ顔で先に家を出た私は、妻に分からないように借りたレンタカーで、こっそりと恵美子の車の後をつけた。
恵美子は、決心して家を出たものの、やはり心が揺れていて、途中で何度もスピードを落とし、
(今ならまだ間に合う、このまま引き返して、主人にすべて話せば許してもらえるかもしれない・・・そうすればもうあんな目に会わなくてすむ・・・ううん、 やっぱりそんな事出来ない・・・何とか、自分で解決するのよ。)
そう思いながら、やっとの思いで、事務所までたどり着いたのだった。
私は、車を運転しながら、妻の気性から言って、私に助けを求めてくる事はないだろうと考えていたが、それでも万が一、許しを求めてきたらどうしようと心配 していた。
しかし、やはりそれも私の予想通り杞憂に終わったのだった。
こうして恵美子は、普通の人間の女として暮らしてゆく、本当のラストチャンスを自ら放棄してしまった。
結局、昨日と何ら変わらず、己の肉体を性欲だけの雌豚へと改造されるために、わざわざ色地獄の前まで来て、その入り口のドアに手をかけたのだった。
その瞬間、恵美子は昨日の事を思い出し、さすがに少し足が震えたが、それでも意を決して中へと入っていった。
すると、そこにはすでに、上川が待ち構えていた。
「約束どおりに来るとはいい心がけだ、ご褒美に、今日は昨日よりずっと多く天国へ行かせてやろう。」
「バカな事を言わないで!そんな事より昨日の写真とテープを返して頂戴!」
「ほっほーう、やけに強気じゃねぇか、そんな事言っていいのかなぁ・・・本当は、昨日の味が忘れられずに、もうオ○ンコ濡らしてるんじゃねぇのか?さあ奥 へ行くんだ!」
上川が、無理やり手を取り、奥へ連れて行こうとすると、
「止めて、触らないで!離して頂戴っ!!」
恵美子は必死で抵抗した。
しかし、
「奥さん、まだ自分の立場がよく分かってないようだな、旦那や子供に全部バレてもいいのかっ!」
そういわれると、泣きそうな顔になり、急におとなしくなって、
「分かったわっ・・・自分で行きます。」
観念して、上川と一緒に奥の調教部屋に入っていくのだった。

 部屋の中には、昨日恵美子を快楽の虜にした工藤と島田が、すでに裸になって待っていた。
工藤は、いきり立った男性自身を、これ見よがしに扱きながら、
「奥さん!今日も、このチ○ポをお前のオ○ンコにぶち込んで、ヒイヒイ泣かせてやるから、覚悟しなっ!!」
と言いながら、舌なめずりをした。
「嫌ぁぁ~~っ!」
そう叫んだものの、男達の姿をみたとき、昨日自分が見せてしまった嬌態の事が思い出されて、恵美子は思わず顔を紅らめてしまっていた。
(昨日は、突然だったので心の準備が出来なかっただけよ・・・今日は、あんな風に自分を失ってはダメ・・・私、本当はあんな事をされて感じる女じゃないは ずよ・・・・)
この時、まだ恵美子は、己の身体の中に潜んでいる、どうしようもなく淫蕩な血に気づかずに、浅はかにも、気持ちさえしっかり持てば、何とか耐える事ができ るだろうと思っていたのだ。

「さあ恵美子、こっちへ来て裸になってお願いするんだ!」
早速恵美子は、部屋の中央に立たされ、自分で素っ裸になり、足を広げてすべてを曝け出すよう命令された。
しかし、昨日はあんなに恥態を晒したとはいえ、やはり、1日が過ぎて冷静になると、恥ずかしさのため、なかなかこんな明るい場所で、しかも他人である男達 の前で服を脱ぐことなど出来ず、
「そんな事できるわけないわっ!」
そう応えるのだった。
そのため、さらに上川に、
「グズグズするなっ!お前は旦那に内緒で借金して、身体を売って返そうとするような性悪女だろっ!!今更、何を気取ってるんだ、さっさと素っ裸になって、 そのオ○ンコを開いてみせなっ!!」
そう急かされても、
(違うわ・・・私はそんな女じゃないっ!)
と思いながら、うつむいて唇を噛み、ただ黙っているだけだった。
だが、それも長くは続かなかった。
「さっさとしねぇか!痛い目に会わないとわからねぇみたいだな!それとも、俺達の手で、その綺麗な服を、二度と着られねぇぐらいボロボロにしてやってもい いんだぜっ!!案外、無理やり犯されるほうが、感じるんじゃねぇのか?」
痺れを切らした工藤が、そう言って、いつのまにか手にした鞭で、『ピシリッ』と床を叩いたのだ。
「ひぃっ、わっ、分かりました、裸になりますぅぅ!」
恵美子は、初めて聞くその音に恐怖を感じ、ついに観念して、震える手で何とか1枚1枚服を脱いでいくのだった。
しかし、それでもさすがに最後の一枚になると、
「は、恥ずかしい・・・これ以上は、許して・・・」
消え入りそうな声でそう言って、手が止まってしまうのだった。
「素っ裸と言ったはずだぞっ!」
『ピシリッ』
「わっ、分かったわっ、分かったから鞭は止めて!」
工藤が再び鞭を鳴らすと、恵美子は、顔を引きつらせ、目には涙を浮かべて、振るえる手つきで最後の一枚を脱いだのだった。
が、それでも恥ずかしさのあまり足を開く事は出来ずに、
「うっ、うぅっ・・・・」
と言って、その場にしゃがみ込んでしまった。
「誰が座れと言った!そのまま、両手を頭の後ろに組んで立つんだっ!」
今度は、
『ピシッ!!』
という音とともに、鞭が本当に恵美子の身体に当たった。
「痛いっーっ!ひいぃぃっ、立ちますぅぅーーっ!立ちますから鞭で叩かないでぇぇー!!」
そう叫んで、胸と股間を隠し、もじもじしながら立ち上がり、恥ずかしそうに顔を紅らめてうつむいていた。
「何をしているんだ!同じことを何度も言わすな、足を開いて、両手は頭の後ろだっ!!」
再び身体に鞭が飛んだ。
「ひいぃぃーー!言われた通りにするから、お願い、もう鞭は止めてぇぇっ!」
初めて味わう鞭の痛さで、涙を流しながら許しを請う恵美子の身体が、見る見るうちに赤くなっていった。
こうして、観念した恵美子が、言われた通り頭の後ろで両手を組んだので、昨日改めてわかった、恵美子の熟れて男を求めている、さかりのついた厭らしい身体 が、再び男達の前にすべて露わに晒された。
(はっ、恥ずかしい・・・・お願い、そんな目で見ないで・・・)
昨日も思ったのだが、本当に今更ながら気づくのは、いくら恵美子が貞淑な妻を装っても、こうして素っ裸にされると、その身体からは、淫乱な人妻特有の、男 を挑発するような、何ともいえぬ淫蕩な雰囲気があふれ出ているということだった。
私は、一昨日までの妻と比べて、そういう目でみてしまうためか、本当にたった1日でこんなにも印象が変わるものかと、改めてビックリしていたのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:33:10|
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Booby Trap 第8回

 その日、恵美子は結局男達に十分弄ばれ、用事を済ませた上川が再び戻ってきたときには、感じすぎて、
「うっ、うぅぅ・・・・っ」
と、呻きながら、身体を小刻みにヒクつかせるだけになっていた。
しかし唯一恵美子の女陰だけは、そこだけまるで別の生き物のように、淫らに男に絡みつき、後から後からダラダラと悦びの蜜を溢れさせていたのだった。
すると、戻ったばかりの上川がつかつかと恵美子に近づき、その髪の毛をつかむと、『はぁっ・・はぁっ・・』と喘いでいる顔を上げさせ、
「おい、今日のあさましい様は、ビデオと写真にしっかり記録したからな!いいか、旦那に見せて欲しくないなら、明日からも毎日ここに来るんだぞ!わかった なっ!!」
そう言うのだった。
「そっ、そんな事できないわっ!!」
ようやく息を整えた恵美子が屈辱感に身を震わせながら訴えると、
「お前のこんな姿を見せられたら、旦那と子供は何て言うかなぁ~・・」
上川は、2人の男達に前後から犯されてよがっているところや、涙と涎を流しながら男のチ○ポをしゃぶっているところ、さらには、真珠を埋め込んだ巨大なチ ○ポを咥え込む、白濁した液にまみれた
オ○ンコのアップを写した写真を恵美子に見せるのだった。
「うぅ・・わかったわ・・・」
それを見た恵美子は、心ならずもさすがにうなづくしかなかった。
恵美子は、犯されているのにもかかわらず、淫らに感じてしまう己の身体にショックを受けていた。
(しっかりしなくては・・・私は人妻なのよ・・・あんな快楽に負けてはダメっ、とにかく、こんな男達にいいようにされてはダメよっ・・)

 こうして、恵美子に対する最初の調教が終わった。
しかし恵美子は、少しの間今日この部屋でわが身の上に起こった事のために、立ち上がる事すら出来ないでいた。
だが、さすがにしばらくすると、気持ちが落ち着いてきて、身体中に残る凌辱の余韻を感じながら、衣服を整えていくのだった。
ただ、男達に無残に引きちぎられ、ボロボロになり使い物にならなくなった下着は、もはや身に付けることは出来なかった。
そのため、素肌に直接服を着て帰ることを余儀なくされ、その事がまた、恵美子に屈辱感を味会わせるのだった。
それでも、何とか身支度を整えた恵美子は、体がまるで鉛で出来ているように重たく感じながら、事務所を後にするのだった。

 恵美子が事務所から帰っていった後、奥の部屋から出てきて私に向かって、
「どうですか、お望みどおり自分の妻が他人に犯される場面に立ち会った感想は?」
そう上川が聞いてきた。
「ものすごく興奮しました。ただ、あの妻があんなに簡単にあそこまでの姿を見せるようになるとは・・・本当に驚きました。」
私が応えると、今度は工藤が、
「ご主人を目の前にして言うのもなんですが、奥さんの本性は、ご主人が思っているような、貞淑で慎み深い女なんかじゃあまったくありませんよ。むろん、 SEX嫌いなんてとんでもない、それどころか、むしろ逆に、普通のSEXなんかじゃ満足せずに、例えば、辱められ、蔑まれながら犯されるような、被虐的に 弄ばれる事に無上の悦びを感じる、本当に淫蕩なマゾ体質を持った女ですよ。」
「本当ですか?」
「今まで、数え切れないぐらい色々な女を見てきた私が言うんですから、間違いありませんよ。いくら初めて薬を使われたとは言えあの狂態、ありゃ相当に淫乱 な変態奴隷になる素質を持っている証拠ですよ。」
「そうですか、とにかく前にもお話したように、私の願いは、妻を1日も早く色情狂に堕とす事なんです。よろしくお願いします。」
「心配要りませんよ。あの手の女は、一旦自分の本性に気づいて、自分の淫乱な性癖を認めてしまえば、すぐに禁断の快楽にどっぷりと溺れてしまい、そうなる ともう歯止めが利かなくなって、際限のないマゾ地獄にすべてを捨ててとことんのめり込んで行ってしまいますよ。今日の具合だと、その日が来るのは、思った よりも早いかもしれませんよ。」
その後も工藤は、『私の経験から言って、これほどの変態的なマゾ女が、今まで本性を抑えてきたのだから、それだけ反動も大きく、頭でどんなに拒んだって、 すぐに身体の欲求に負けてしまうようになるだろう』とか、『この調子なら、自分から1日中男に犯されつづけるのを望むようになるのも時間の問題だ』などと 話した。
とにかく私は、妻が、私の理想の女に堕とされるのに、これ以上ないぐらい最高の性分を持った女だと分かり、期待と悦びで、身体の震えを止める事が出来ない でいたのだった。

 その日、私は夜遅く家に帰った。
「ただいま。」
声をかけると、
「お帰りなさい・・・」
玄関へ出てきた妻は、昼間のショックからか、少し元気がないように見えた。
「どうした?まだ少し顔色がよくないようだが、本当に体調でも悪いんじゃないのか?」
いかにも善良な亭主を装って、私は心配そうな顔で声をかけた。
「別に、何ともないわ・・ちょっと疲れてるだけよっ。」
恵美子は、何とか平静を保とうとして、わざと強がったような口調で言った。
「それより、今日真弓から、『昼間の間だけでいいから、お友達のお店を手伝って欲しい』って言われたの、聞けば、簡単な店番みたいだし・・・子供たちも手 が離れた事だから、やってみようかと思うの・・」
そしてその後、あまりうかなそうな顔で、昼間教えられた通りに、嘘のアルバイトの件を言い出してきた。
「そうか、友達の頼みだからといって、無理する事はないぞ。」
妻の沈んだ声に私がそう応えると、
「ううん・・・そんな事ないわ!とても楽しそうだし、是非やりたいの、いいでしょっ!!」
無理に作った笑顔で、さらにそう頼むので、
「そうか、お前がそれほど言うなら、頑張ってみればいいさ。」
と言って許してやると、
「ウン、ありがとう・・・それじゃあ、早速明日から手伝いに行くわ・・・」
そう言って、妻はそれっきり黙っていた。
私は、目の前にいる妻が、あんなにも淫らな女に変わるんだと思うと、昼間の光景を思い出して、一人悦に入っていた。
  1. 2014/07/31(木) 02:32:04|
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Booby Trap 第7回

 失神から覚めた恵美子は、しばらく意識が朦朧としてた。
「・・・・・・・・・」
が、そのうちに感覚が戻ってきて、2,3度頭を振るとゆっくり目を開けた。
「うっ、うぅぅ・・・・」
「やっと目が覚めたか?」
恵美子は、声を掛けられるとすぐに自分の目の前にいる工藤達に気づき、
「嫌ぁぁーー」
そう叫んだ。
先ほどまでとは違い、工藤達はその下帯をはずし、股間の一物を恵美子の目に晒していたのだった。
「どうだ奥さん、玩具なんかでイカされた感想は?案外まんざらでもないだろう。ほら、素直になるなら今度は本物でイカせてやるぜっ!」
そう言う、工藤達のいきり立った巨大な男性自身には、グロテスクに血管が浮き出て、さらに女を天国に行かせる為に、幾つもの丸い真珠大のこぶが浮き上がっ ていた。
「さんざん私をいたぶったんだから、気がすんだでしょっ!もう帰して頂戴!!」
少し落ち着いて、余裕を取り戻した恵美子は、男達を『キッ』と見据えていた。
 
 私たちは、恵美子が恥ずかしがるので、いつも部屋を暗くしてSEXを行っていた。
したがって、本当のところ恵美子は、こんな明るい場所では夫である私の裸さえまともに見たことがなかった。
もちろん、私以外の男の、そそり立った男性自身をこんなにはっきり見るのは、彼女にとって生まれて初めての経験だった。
しかも、薄暗闇の中で多少は見覚えがあった私のものと比べると、ゆうに2回り以上は巨大な男根に、その顔には恐怖の色さえ浮かべているのだった。
それでも、自分自身思っても見なかった狂態を晒してしまったために、何とかその動揺を隠そうと口では必死に強がって見せていた。
「今まで、ヒイヒイよがってた割には、威勢がいいじゃねぇか・・まあいい、だが、その元気もいつまで続くかな・・・」
上川が言うと、
「これくらい元気がいいほうが、調教のし甲斐があるってもんでさぁ」
工藤が応えた。
さらに恵美子に向かい、
「せいぜい今のうちに強がっておきな、どうせそのうちに、犯してくれって泣いて頼むようになるんだからなっ。」
「1回ぐらいイイ気持ちにしたからって、見くびらないで頂戴、私は、絶対貴方達の思い通りになんかならないからっ!!」
恵美子は、いくら玩具を初めて使われたからといっても、
(こんな最低の男達にあんな醜態を晒してしまうなんて・・・)
さっきまでの自分を思い出して、その表情を屈辱感で真っ赤にしながら、そう叫ぶのだった。
すると上川は、
「何処まで持つか、せいぜい頑張る事だな。さて悪いな、これでも忙しい身なんで、最後まで付き合ってやりたいがそうもいかねぇ、工藤、後は任せた。たっぷ りと可愛がってやれ。」
そう言って、残念そうに部屋を出て行った。

「心配するな、まだまだ時間はたっぷりある、そろそろ次のお楽しみと行くか。」
工藤達は、そう言って再び恵美子の身体に肌を合わせてきたのだった。
すると、
「嫌ぁぁっーー!お願い、もう止めてー!!触らないでぇぇー!」
恵美子は、また、何とか逃れようと身体を捩りながらそう叫んでいた。
だが、男達の女を堕とす壷を知り尽くした巧みなテクニックで、再び身体中の性感帯を愛撫されると、恵美子はすぐにまた、女陰から官能の欲望が湧きあがって くるのを感じているのだった。
「おい、さっきまでの元気はどうした、もうオ○ンコがグッショリだぞっ!」
「はぁっ・・・はぁっ、悔しいっ・・誰が貴方達の思う通りになるものですかっ!」
それでも、今度は先ほどよりは少し余裕があるため、1度目とは違い、何とか必死に耐えているのだった。
「やれやれ、なかなか強情な奥さんだな・・まあ、その方が堕とす楽しみがあっていいか。さぁ~て、何処まで頑張れるかな、おい、あれを塗ってやれ!」
工藤が言うと、島田が奥からある薬を持って来て、息も絶え絶えに喘いでいる恵美子の身体に塗り込み始めた。
「なっ、何をするの、変な事しないでっ!」
しかし、恵美子の力のない抵抗では、何の効果もなかった。
「すぐに分かるさ。楽しみにしてな!」
今、恵美子の身体中に塗られている薬・・・それは外国製の強力な媚薬だった。
男達は、そうして瞬く間に恵美子の身体中にその薬をたっぷり塗り込めると、そのままわざとじらすように外っておいた。
しばらくすると、『ブルっ』と、胴震いした恵美子の口から、くぐもった呻き声が漏れ始めた。
(どう知っちゃたの私の身体は・・・この感じ・・男が欲しい?ううん・・・だめよ、しっかりしなくっちゃ)
媚薬の事など何も知らない恵美子は、今まで経験した事のない感覚に戸惑っていた。
しかし、そんな思いとは裏腹に、恵美子は必死に絶えていた自分の身体が抑えられなくなり始めていた。
クリトリス、淫部、アヌス、乳首など身体中の性感帯にたっぷり塗り込められた強力な媚薬の催淫性が、徐々にその効果を発揮し始めて、ひとりでに腰がうねり だし、身体の震えが止まらなくなり、いつのまにか女陰から溢れ出したいやらしい汁が、太股を伝って流れていた。
「どうだ、これが欲しいんじゃないのか?素直に言えば入れてやるぞっ!」
工藤達は、恵美子に見せびらかすように、いきり立った男根をヒクつかせていた。
(ダメよっ・・・いけないわっ!私は人妻なのよ・・・あぁっ・・欲しい・・・・・)
ざわざわと湧き上がってくる淫らな気持ちを、懸命に打ち消すべく何とか拒絶を試みようとした恵美子だったが、もはや身体の疼きようはどうしようもないほど になって、全身がまるで性器になったように男を欲していた。
「残念だなぁ、ここもこんなに尖ってるのに、素直に言えば、すぐにまた天国へいけるのになぁ・・・」
そして工藤に、そう言って乳首をつままれると、もう限界だった。
(だめ・・・もう身体が言う事を聞かないわっ・・悔しいっ・・)
「いっ、入れてください・・・恵美子をイカせて下さい・・・」
観念したように目蓋を閉じた恵美子の瞳から、悔しさのため一筋の涙が頬を伝って流れ落ちた。
「やっと素直になったようだな。よし、下ろしてやれ。」
工藤達は、恵美子の手足を自由にすると、床の上に寝かせ、そのまま2人がかりでゆっくり犯し始めた。
(どうしてなの・・・我慢できない・・身体が勝手に感じてしまうわ・・・こんなはずじゃあ・・・)
「はぁぁ・・・っ、いいぃぃ・・・・」
待ちきれずに、あっという間に工藤の巨大な男根を飲み込んだ女陰は、すぐに、白濁した汁をアヌスまで滴らせ、『ぐちゅっ、ぐちゅっ』という音を響かせ始め ていた。
(こっ、こんなぁ・・奥まで当たるぅぅ・・もう止まらない、いっいいぃぃーーっ)
気が付くと、本能からかいつのまにか恵美子は、男の身体に両手両足を巻きつけ、淫らに腰を動かしているのだった。
「あぁ・・・っ、気持ちいいぃーー!感じるぅぅーっ!だめ・・いっ、いくぅぅーーーっ!!!」
一旦悦びの声を上げてしまうと、もう止まらなかった。
工藤達に急ピッチで追い詰められ、恵美子は再び、あっという間に絶頂に達していたのだった。
それからの恵美子は、塗り込められた媚薬のせいもあって、もう発情した1匹の牝と化していた。
「もっとしてぇ~!もっと恵美子をめちゃめちゃにしてぇ~~!」
「壊れちゃうぅ~~!恵美子壊れちゃうぅ~~っ!!でもいっいぃーー、いいのぉぉ~~!!!」
「ひぃぃっ~~!!もぉ、たまらないぃ~・・!!いくっぅ、いっちゃうぅぅ~~~!!!」
身体を紅く汗ばませ、前進を悦びに震わせて、快楽の叫び声をあげて、最後には、男根に貫かれた女陰から、『ぐしゅっ、ぐしゅっ』と、いやらしい音をさせ、 白濁した汁を床まで滴らせながら、2人の男達に弄ばれる姿を晒していたのだった。
それは、今まで夫である私とのSEXでは決して味わう事のできなかった、快感で見も心も溶け出してしまうような、禁断の悦楽を恵美子にもたらしたのだっ た。

恵美子は、生まれて初めて本当のSEXの悦びを知ったのだった。
私は、少なからずショックを受けていた。
私とのSEXでは、全然積極的でなく声もそんなに出す事がなかったあの貞淑な妻が、いくら女を堕とすプロの彼らの手によるとはいえ、こうも簡単にこんなに 淫らな姿を見せるなんて・・・
さらに私が一番驚いたのは、今まで嫌がって、決してフェラチオをしなかった妻が、媚薬のせいとはいえ、男達に命令されると、拒むことなくそのグロテスクな 男根を口に含んでいった事だった。
そのうえ、最初、さすがにどうしていいかわからず、ただ咥えているだけだった妻が、工藤達にあれこれ指図されるうちに、女の本能が目覚めたのか、唇や下を 使って、いっぱしに愛撫するようになっていくのを見たときは、下腹部が熱くなるのを感じていた。
私は、始め正直言って、上川に調教を依頼したものの、本当にあの妻が私の望みどおりの女になるだろうかと疑っていた。
だがしかし、目の前で繰り広げられている、初めて妻が見せる驚くほどの淫乱な姿態を見て、今更ながらに自分の力のなさと、改めて彼らの凄さを思い知り、安 心してますます気体に胸を膨らませていったのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:29:15|
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Booby Trap 第6回

 結婚したとき、恵美子は処女だった。
私が言うのもなんだが、妻は可愛い顔をしていたので、私と出会う前もそれなりに言い寄ってくる男はいたようだった。
そして、その内の何人かとは、実際に付き合ったこともあったようだ。
しかし、根がまじめと言うか、とにかく人一倍貞操観念が強かったので、結婚するまでは、誰にも身体を許さなかった。
当然、私とも婚前交渉はなく、妻にとっては、文字通り初夜が初めての体験だった。
また、結婚してからも、SEXに対しては非常に消極的で、とにかく今時珍しいぐらい古風な考え方をしていた。
そんな妻だったので、結婚してかなりの年数が経った今でも、周りの人妻達と比べて、SEXに関してほとんど知識がないといってよかった。
今でも、自分から求める事などとんでもない話で、私から求めていって、何となくそんなムードになれば、まあ義務的に応えるといった程度だった。
妻にとってのSEXとは、どちらかと言えば、子供を作るための手段の意味合いのほうが強かったのだ。
だから、いつのまにか私も、妻はそんなにSEXが好きではないのだと思い込んでいたし、ましてや、我を忘れてSEXにのめり込むような女になるなどと言う 事は、妻に限っては絶対にないだろうと考えていた。
ただ、そうは言ってもそこは生身の女、それなりに多少は気持ちいいようだったので、まるっきり不感症と言うわけでもなかった。
また、そんな妻だったので、バイブレーターなどの器具(さすがに結婚してからは、写真で見た事があるぐらいの知識はあったと思うが)を、実際に使って SEXを楽しもうなどという事は、思いもよらなかった。
きっと恵美子は、結婚してから今まで、SEXとは、私のつたないテクニックから得られる、その程度の気持ちよさで満足なのだと感じていたに違いなかった。
とにかく妻は、快楽を楽しむためだけにSEXをするなどと言うのは、たとえその相手が夫であっても、とてもはしたない事だと考えていたのだった。

 しかし、今私の目の前に見える姿態は、今まで清楚な見た目どおりの女だと思っていた妻からは、まったく想像も出来ないような反応を示し始めていた。
私は、まさか止めを疑ったが、枷によって手足の自由を奪われ、おぞましくうごめく器具によって、無理やり性器をイタぶられ混乱している為なのか、はたま た、女を悦ばせる為に作られた器具によってえられる、禁断の快感を始めて与えられた為なのか、とにかく、今まで経験した事のない絶妙な感覚に、まるでそう いうことに免疫のなかった恵美子は、ひとたまりもなく陥落していたのだった。

 恵美子が頭でいくら拒んでも、勝手に身体が反応を見せ始めていた。
「さぁ~て、何処まで我慢できるかな?さっきから腰をモジつかせているが、本当はもうオ○ンコが疼いてしょうがないんじゃねぇのか?」
「ちっ、違うわっ・・・そんな事あるはずないわ・・・っ!」
恵美子は、自分でも己の身体の思わぬ反応に戸惑っていたが、それでも必死な顔で、目に涙を浮かべて懸命に否定していた。
私は、私とのSEXでは見せなかった妻の様子に、思わず身体を乗り出し、固唾を飲んで成り行きに見入っていた。
「それじゃあ本当に感じてないか、素っ裸になって見せてもらおうか。」
「嫌ぁ、やめてぇぇーー!脱がさないでぇぇーー!!裸になるのは嫌ぁぁー!!」
工藤達は、恵美子が泣き叫ぶのにもかまわず、下着を引きちぎり、とうとう一糸まとわぬ素っ裸にしてしまった。
「思った通り、なかなか男の欲情をそそる身体してるじゃねぇか、これならたっぷり稼ぎそうだ、仕込み甲斐があるぜっ!」
「お願い、ば、馬鹿な事言わないで、早く帰して!」
私は、こんな明るいところで妻の裸体をまじまじと見たのは、(妻が、恥ずかしがってSEXの時明るくするのを嫌がるため)新婚当事以来、本当に久しぶり だった。
男達の好奇な視線の前に晒された恵美子の裸体は、服の上から見るよりはるかに肉付きがよく、本人の思いとは裏腹に、まるで男を誘っているようだった。
不覚にもそれまで気づかなかったが、こうして目の前で見ると、結婚当初と比べ、あちらこちらに適度に肉がついて、熟れた人妻特有の濃厚な色香が漂っている のを感じずにいられなかった。
清楚な気品のある顔立ちとは逆に、その上半身には、子供を産んだためか、少し垂れ気味になった乳房の上に黒ずんだ大き目の乳首が尖り、そして股間には、黒 々と多量の陰毛が繁って、その奥に覗いた淫部からは、厭らしく濡れて光る淫唇がはみ出して、まるで淫売のような姿態を曝け出していたのだ。

 夫である私にさえ、こんな明るい場所で裸を見せた事がなかった恵美子は、涙を流しながら顔を真っ赤にして、不自由な両手両足で己の裸体を必死に隠そうと していた。
「そうかな・・・そうは見えねぇがなぁ、どぉ~れ・・」
「ひっ、ひぃぃーーー」
上川が、女陰を触ると、そこは嫌がっているのにもかかわらず、少し湿り気を帯びていたのだった。
「奥さん、おかしいねぇ~、嫌がってるわりには、ここはもう濡れてきてるようだぜ・・いくら隠しても身体は正直だなぁ~」
「嘘よっ・・そっ、そんなわけ、あるはずないわっ!」
「まあ、嘘かどうか、すぐに分かるさ。お前達、続けろっ!」
上川にそう言われると、再び工藤達が、恵美子の身体にまとわりついていった。
「もう、止めてぇーー!触らないでぇーー!!」
しかし、女を性奴に堕とす事にかけてはプロである工藤達は、前後から身体を合わせ、その舌、両手、それにバイブレータまでも使って、恵美子のうなじ、背 中、両乳房、クリトリスなど、あらゆる性感帯をそのテクニックを駆使して、執拗に愛撫していった。

 またしばらくすると、明らかに恵美子の声と動きが変わって来ていた。相変わらず言葉では拒んでいるものの、その声の響き、身体の動きは、妙に艶かしく愁 いを帯びてきているのだ。
よく見ると、恵美子のクリトリスを、舌とバイブレーターで攻めている島田の頭の向こうでは、たまらずに下半身をうねらせているのだった。
「ああぁぁぁ・・・だめぇ・・いやぁぁ・・そこはやめてぇ・・」

 私は、男達の女を扱うのになれた様子に感心するとともに、ますます妻の姿から目が離せなくなっていった。
「何だぁ~、腰が動いてるぞ、身体はぜんぜんダメって言ってねぇじゃねぇか!」
「そっ、そんな事・・・・」
背後から上半身を愛撫していた工藤がそう言うと、島田も下半身から顔を離し、
「何がそんな女じゃねぇんだ、こっちももうグッショリだぜ、後から後からスケベ汁が溢れて来やがるぜっ!いっぱしの淫乱女じゃねぇか!」
「うぅぅ・・・・っ」
(なっ、何で・・・いったい私どうしちゃったの・・・)
「しょうがねえなぁ~・・一度これを入れてやるか。」
そう言って、島田がドロドロになった女陰に、グロテスクな音を立ててうごめくバイブレーターを、もったいぶるように軽く挿入していった。
すると、そこは抵抗もなく、『スルリっ』と、咥え込んで、なおも入り口のヒダが奥まで飲み込もうと淫らにまとわりついていた。
「ひぃぃ・・・っ、ダメぇ~~」
「何がダメなもんか、ここは嬉しくてヒクヒクしてるぜっ!」
島田は、そのまま2,3回バイブを動かした。
「うっ、動かさないでぇ~」
しかし、すでにそう叫ぶ恵美子の声に力はなかった。
「ふ~ん、本当に止めてもいいのかな?」
しばらくして、島田がじらすようにその動きを止めた。
「うぅ・・・」
恵美子は頬を紅潮させ目を閉じていたが、すでに火をつけられてしまった身体は、もう頭ではどうする事も出来なかった。
最初こそ、何とか耐えようとしていたが、すぐに、バイブレーターを咥え込んだ女陰の疼きを抑えきれずに、下半身がひとりでに動き出していた。
そして『ツーツー』と、恵美子の内腿を一筋の愛液が糸を引いて流れると、とうとう耐え切れなくなり、
「や、やめないで・・・・」
消え入るような声でそうつぶやいた。
私は、私の前では決して取り乱す事のなかったあの妻の、自分からねだる言葉を始めて聞いて、何とも言えない気持ちになっていたのだった。
「よく聞こえねぇなぁ・・、はっきり言わなきゃ続けてやらねぇぞっ!何をどうして欲しいんだっ!ちゃんと言ってみろ!!」
「う、動かしてっ・・・」
「わからねぇ女だなぁ・・、こう言ってお願いするんだよっ!」
すると、工藤が後ろから恵美子の髪をつかんで顔を上げさせ、何か耳元で囁いた。
恵美子は、しばらく唇をかみ締めて喘いでいたが、
「どうした、早く言わねぇと本当にこのまま止めるぞっ!」
そう急かされ、
「えっ、恵美子は、本当はスケベな淫乱女ですっ・・・、おっ、奥までバイブを入れてください・・・ゆ、許して、これ以上はとても言えないわっ!」
恥ずかしさで頬を紅潮させ、途切れ途切れにそういうのがやっとだった。
「ダメだ。続きを言わねぇと、動かしてやらねぇぞっ!」
なおも男達は、容赦なく恵美子に恥ずかしい事を言わせようとするのだった。
「無理よっ・・・・そんな事いえないわ・・・っ」
しばらく頭を振り、そう言っていた恵美子だったが、
(だ、だめ・・・・もう我慢できないわ・・・・)
そのうちに、沸きあがってくる欲求に耐え切れなくなって、
「お願い・・・もっと恵美子のオッ、オ○ンコの奥にバイブを入れて、滅茶苦茶にかきまわしてっ!・・・こ、これでいいでしょ!」
とうとうそう言って、自ら腰を動かしていくのだった。
「よ~し、よく言った。それじゃあ、一度イカせてやるとするか」
島田が、バイブを恵美子の女陰の奥まで一気に挿入し、そのまま激しく動かし始めると、
(ア、アーーッ、子宮に当たるぅぅー、堪らないぃぃーー)
恵美子は、激しく身体を揺さぶりつづけ、次の瞬間、全身を感電したようにビクっと震わせ、
「アッ、アァァーー、イクぅぅぅーーー!!!」
そう叫ぶと、太股までビショビショに濡らして、最初の絶頂に達し、そのまま白目を剥いて失神してしまった。
それは、私とのSEXでは決してイッた事がなかった恵美子が、初めて経験する絶頂感だった。
  1. 2014/07/31(木) 02:27:36|
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Booby Trap 第5回

「奥さん、目がさめたかい、今からたっぷり可愛がってやるから覚悟しなっ!」
上川がそう声をかけると、ようやく意識がはっきりしてきた恵美子は、辺りを見回しながら、自分が下着姿にされ、鎖でつながれている事を悟った。
「な、何をするの!これを解いて頂戴!!」
目の前で、上川が笑いながら話すのに気づいた恵美子は叫んだ。
「あんたもう身体で返すしかねぇだろう・・・いいかげんに覚悟を決めたらどうだ。こうしてよく見ると、可愛い顔に似合わず結構男好きする身体してるじゃ ねぇか、その気になりゃ、この身体ならあんな借金ぐらいすぐ返せるぜっ!!」
「む、無理よ!私そんな事できる女じゃないわっ!!必ず何とかします、約束するわっ!だからとにかく家に帰して・・お願いっ!」
恵美子は、さらにそう言って、必死に手足を解こうとバタつかせていた。
「そりゃ出来ねぇなあ、まあ、自分でまいた種だ、しっかり稼げるよう仕込んでやるから、あきらめてそのつもりで覚えるんだな!」
「そ、そんな事・・・お願い、許して!」
「いつまでもぐちゃぐちゃ言ってんじゃねぇ、さあ、いいかげんに覚悟を決めなっ!」
川上は、そう言って恵美子の後ろに向かい、
「おい、待たせたなっ。出番だ、思いっきり可愛がってやれ!」
と声をかけた。
恵美子は後ろを振り返り、そこに二人の男達がいる事に始めて気がついた。

男達は、二人とも下帯一丁の裸で、身体中に見事な刺青を入れていた。
恵美子は、恐怖でガタガタ震えながら、男達が近づいてくるのを見つめていた。
「この二人は、今日からお前を調教する工藤と島田だ、男の悦ばせ方をしっかり仕込んでもらえっ!」
「いっ、嫌よ!貴方達の言うなりにはならないわっ、早く帰して頂戴っ!」
恵美子は、何とかこの状況から抜け出そうと、今にも泣き出しそうな眼差しで訴えるのだが、男達はそんな事にかまうはずもなく、恵美子の身体を、スリップの 上からゆっくりと撫で回し始めた。
「さあ、ゆっくりと悦ばせてやるとするか・・」
「嫌ぁぁぁーーっ!」
工藤に豊かな胸をつかまれた瞬間、恵美子は、思わずそう叫んでいたのだった。

「今から俺達が、お前に女に生まれた悦びを嫌と言うほど味合わせてやるから、覚悟しなっ!さぁ~て、まずは邪魔なものを取るとするか!」
「ひっ、ひぃぃーーっ!!」
『ビリっ』と、スリップを乱暴に破り取られ、あっという間に、レースをあしらった純白のブラジャーと、それにおそろいの、セクシーと言うよりはどちらかと 言うと上品なパンティー姿にされてしまった。
「お願いーっ、これ以上は、やめてぇーっ!」
恵美子は、涙を浮かべて訴えたが、もちろん男達は止めるわけがなく、まず島田が、嫌がる恵美子の後ろに回り、背後からその身体を愛撫し始めた。
「うっううーー、いやぁぁー・・・」
きつく目をつぶり、見知らぬ男に身体を愛撫されるおぞましさを、必死に耐えようとしている恵美子を尻目に、島田は舌と両手を使って愛撫を続けていった。
「私に触らないで、そんな事しても気持ち悪いだけで、何も感じないわっ・・・」
すると、今度は工藤が、奥から黒光りした巨大なバイブレーターを持って来て、おもむろにスイッチを入れた。
『ウィーン、ウィーン』
いやらしい音を立ててうねるバイブを、恵美子に見せつけるように手にした工藤は、
「さぁ~て、いつまで頑張れるかな・・・ほぉ~ら奥さん、これがなんだか分かるかな、今からこれで天国へ生かせてやるぜっ!」
そう言って、下着の上から舌やバイブレーターを使って、乳首やクリトリスを優しく擦り始めた。
「嫌ぁぁー・・」
こうして男達は、嫌がる恵美子の前後から、うなじや背中、両乳房や股間など、全身の性感帯を丹念に愛撫し始めた。

私は、いよいよ本格的になってきた調教に、ただ黙って見入っていた。
しばらくは、感じている様子など微塵も見せず、ひたすら嫌がって泣き叫んでいるだけの恵美子だった。
だが、そのうち驚いた事に、あれだけ暴れていただけだった恵美子が、1時間近くにも及ぶ、工藤達の女を悦ばせるつぼを得た絶妙な愛撫によって、次第にその 様子が徐々に変わり始めていた。
脂汗を浮かべた顔を紅らめ、一見必死に拒んでいるだけのようにみえるのだが、しかしよく見ると、少しずつではあるが、知らず知らずのうちに、下半身をモジ つかせているのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:26:29|
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Booby Trap 第4回

翌日の朝私が仕事に出かけるとき、何となく浮かない顔をしている妻に、
 「昨日から少し元気がないようだが、具合でも悪いのか?」
そう尋ねると、
 「えっ、いいえ別に・・気のせいよ、何ともないわ・・・」
今日の上川からの電話のことを考えていた恵美子は、少し驚いたように応えた。
 「まあ、それならいいが・・・それじゃあ行って来る、それか
  ら、今日も遅くなるから。」
 「行ってらっしゃい。」
私は、あくまで何も知らない振りをして家を出た。
 私が出かけると、恵美子は電話の事が気になって家事もろくに手につかず、ただ言い訳を考えながら、そわそわと部屋の中を歩き回っていた。
とにかく上川の雰囲気は、今までの男達とはまるで違っていた。
恵美子は、何となくただならぬものを感じ、今回ばかりはただではすまない気がして、さすがに落ち着かなかった。
 (しかし、この後自分の身に起こった事を考えれば、恵美子はまだまだ上川を甘く考えていた。)
 『トゥルルルルル』
不意に電話が鳴った。
なかなかでる事が出来ずに、しばらく鳴り続ける電話機を見つめていた恵美子だったが、10回目の呼び出し音が終わった時、ようやく意を決して受話器を取っ た。
 「はい・・・、○山です・・・」
 「いつまで待たせる、何ですぐにでないんだ!」
 「す、すみません・・・」
 「まあいい・・それより、いいか、今からすぐに支度をして、この事務所まで来るんだ、分かったな!!」
 「そ、そんな・・急にそんなこと言われても・・・場所も知りませんし・・・」
実は、恵美子は申し込みのときも電話と郵便で手続きを行っていたので、事務所の詳しい場所は知らなかった。
 「うるさい!つべこべ言わずにさっさと来るんだ。そこからなら1時間ぐらいで来れるだろう、それとも亭主にすべて話されたいのか!」
 「わ、分かりました・・・」
恵美子は、弱々しい声で応えた。
何となく嫌な予感がして、それまでは事務所に直接行く事だけは避けていた恵美子だったが、さすがに今日ばかりは観念して、上川に言われたとおりにするしか なかった。事務所の詳しい場所を聞き受話器を置いた恵美子は、今にも泣き出しそうな顔で、のろのろと外出の支度を始めるのだった。
そして、やっとの思いで支度を整えた恵美子は、車に乗り込むと震える手でキーを差し込み、エンジンをスタートさせた。
途中恵美子は、恐怖で何度も逃げ出したくなったが、そのつど、
 (大丈夫よ、案外心配するほどの事なんてないものよ・・)
自分自身に言い聞かせるようにして、先ほどの電話で教えられた通りに、何とか事務所までたどり着いた。
それでも、さすがに言われた時間よりも、少し遅れてしまった。
事務所の正面の入り口から中に入った恵美子は、そのまま奥に連れて行かれ、すでに座って待っていた上川の前のソファーに座らされたのだった。
少しの沈黙の後、上川が恐ろしさで顔をこわばらせている恵美子に向かい、
 「遅かったじゃねぇか、俺達を舐めてるのか!」
そう言った。
 「そ、そんな事はありませんこれでも精一杯急いできたんです分かってください!」
恵美子は、半泣きでそう応えるのがやっとだった。
 「まあ今日は許してやるが、これからは言われたとおりにしねぇと、こっちにも考えがあるからな、分かったか!」
 「は、はい・・・」
それから、目の前で震えながら、小声でやっと応える恵美子を見て、
 「さあ~て、本題に入るとするか。奥さん、アンタ何度言ったら分かるんだ、返済は毎月きちんとしてもらわなきゃ・・・ 俺達も慈善事業でやってるんじゃねぇンだ、借りたものは、毎月きちんと返すのが当たり前だろう、ええ・・・っ」
上川は、ほくそ笑みながらそう言うのだった。
 「すみません・・・今週中には何とかしますから、もっ、もう少しだけ待ってください・・」
恵美子が、相変わらずそう応えると、
 「いいかげんにしてくれねぇかなぁ、この間から、若いモンに何度も同じ事を言ってるじゃねぇか、アンタほんとに返す気があるのかぁ?何なら、こっちから 旦那に連絡してやろうかぁ・・そうでもしなきゃ、もう何ともならないんじゃねぇのかぁ?」
と、凄みのある口調でそう話した。
だが、恵美子は、ここまで切羽詰った状況になっても、なお、夫である私に弱みを見せるのは、死んでも嫌だった。
 「お願いです!必ず何とかしますから、絶対主人には話さないで下さい!!」
必死になって訴えた。
 「困ったねぇ・・・そんならうちの店でアルバイトでもして、そのバイト料で返済してみちゃどうだ・・まあ少しは足しになるんじゃねぇのか」
 「それは、どんなお店なんですか?」
 「なぁ~に、難しい事じゃねぇ、アンタの色っぽい身体を使って、ちょっと男を気持ち良くしてやりゃあいいんだよ。」
上川が好色そうな顔でニヤニヤしながらいうのを聞いて、恵美子はそれが何を意味するのか分かり、
 「いっ、嫌です!!私、そんな事できません!!他の方法で必ず何とかしますから、このまま帰して下さい!!!」
そう叫んだ。
だが、その時、上川が奥に向かって合図をした。
恵美子は、身の危険を感じて立ち上がろうとしたが、間に合わなかった。
次の瞬間、恵美子は、何かが自分の鼻と口に当てられ、意識が朦朧としていくのを感じていた。

 それからしばらくした後、先ほどの応接間の奥に作られた、女を調教するために造られた部屋の真中に、スリップ姿にされた恵美子の姿があった。
まだ薬が効いているらしく、天井に張り巡らされた梁から伸びる鎖で、両手首にはめられた皮の手枷を吊られた恵美子は、がっくりと頭を垂れていた。
さらにその下半身も、両足首にはめられた足枷から伸びる鎖で、左右からいっぱいに開かされていた。
実は、事前に上川から連絡を受けた私は、この日から3日間、妻には内緒で密かに有給を取っていた。
今朝、何食わぬ顔で、仕事に出かける振りをして家を出た私は、妻より一足早く、ここの事務所に直行していたのだった。
そして、今妻のいる調教部屋の隣の一室で、一方の壁一面にはめ込まれたマジックミラー越しに、今日からこの部屋で、妻に対して行われる調教の一部始終を、 見学させてもらう事になっていたのだった。
無論音声も、壁のスピーカーを通して全部聞こえるようになっていて、まるで一緒の部屋にいるような錯覚を覚えるほどだった。
 「さあ始めるか・・・」
いつのまにか部屋に入ってきた上川は、そう言うと恵美子の前に立ち、気付け薬をかがせ、その目を覚まさせた。
 「うっ、うぅーん」
意識が戻った恵美子は、ゆっくりと目を開けた。
しかし、薬のせいで頭の芯がボォーとしているため、まだ自分の身に何が起こっているのかはっきり飲み込めていないのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:25:28|
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Booby Trap 第3回

 その日、珍しく早く帰宅した私に、妻は、
 「どうしたの、今日は早いのね、何かあったの?」
この先、自分が堕ちていく、想像を絶する色地獄の事など何も知らないで、そう聞いてくるのだった。
 「別に、何もないが、たまには早く帰って子供達とゆっくりするのもいいかなと思ってね・・それより、最近困った事はないか?」
言ってから、急にそんな事を聞くと怪しまれるかと心配したが、自分の事で精一杯だった妻は、別に疑う様子もなく、
 「何もないわよ、変な人ねぇ・・・そんな事より食事にするんでしょ。」
そう言って、キッチンへ行った。
 その夜、久しぶりに妻とSEXをした。
妻は相変わらず淡白だったが、私は、昼間の事があったので、いつになく興奮して妻の性器を舌で愛撫しようとした。
だが、やはりいつもと同じで、恥ずかしがる妻に拒否され、何も出来なかった。
いつも正上位だけなので、
 「たまには変わった体位で」
と言って、後ろに回ろうとしたが、
 「そんな動物みたいな格好は、イヤ!」
と、泣きそうな顔で拒むので、それ以上無理強いする事は出来ず結局、おとなしく挿入するだけの、それまでと同様の刺激のないSEXだった。
ただ、一つだけいつもと違っていたのは、私がその最中に、悪魔のような計画を実行されようとしている事を何も知らずにいる妻が、少しかわいそうになった り、逆に、どうしようもない淫乱女になって男を求め狂う姿を想像したりして、複雑な心境だった事だった。
そしてそれが、私が牝豚に堕ちる前の人間だった妻と行った、最後のSEXとなったのだった。

 私と上川が喫茶店で話し合った日からちょうど一週間後、いよいよ恵美子の運命の歯車が、音を立てて回り始めた。
その日の夜遅く、上川から妻に電話があった。
それまでは、大体下っ端のものが電話をしてきていたのだが、この日は直接上川がかけてきたのだった。
 「はい、○山ですが。」
 「始めまして、○○金融の上川と言いますが、奥様ですか?」
 「そ、そうですが・・・」
恵美子は動揺していた。
明らかに、隣の部屋でテレビを見ている私を意識して、声のトーンが小さくなり、しかもかすかに震えているのだった。
実は、電話が鳴ったとき、事前に上川から連絡を受けていた私はテレビに夢中になっている振りをして、妻に気づかれないようにそっとドアのところに行き、 じっと聞き耳を立てていた。
恵美子は、あせっていた。
これまでも、何度となく返済を催促する電話はかかってきていたが、それはいつも夫の私がいない昼間ばかりで、こんな時間は初めてだった。
 「すみません・・・夜は主人がいますので、明日の昼間にしてもらえませんか、お願いします。」
恵美子は、長引けば私に余計な疑惑をもたれると思い、とにかくこの電話を早く終わらせたかった。
 「借りた金もキチンと返せねぇくせに、勝手な事を言うんじゃねぇ!」
上川は、ドスの効いた声で凄んだ。
 「ご、ごめんなさい・・・とにかく今日は許してください。必ず明日お話しますから・・」
恵美子はもう必死だった。
 「こっちは旦那にバレようが知った事じゃねぇんだが・・まあいい、今夜はこれぐらいにしてやる。その代わり、明日また電話するから、分かったなっ!」
 「は、はい、分かりました。」
恵美子がホッとしてそう言うと、上川は電話を切った。
しかし恵美子は、電話が切れた後も、今までの男達とは違い上川と名乗るこの男には、何か恐ろしいものを感じて、何となく不安な気持ちで立ち尽くしていた。
 (どうしよう・・・何だか今までの人達と違って、とても怖いわっ・・ううん、とにかく今はしっかりしないと・・あの人に怪しまれてしまう・・)
恵美子は、すぐに平静を装うと心を決め、そのまま一旦トイレに行き、そこで一生懸命気持ちを落ち着けようとした。
しばらくすると、何とか動揺を鎮めることに成功した恵美子は、何事もなかった振りをして、私がいる部屋に入ってきた。
しかしよく見ると、その顔は、心なしか引きつっているようだった。
 「さっきの電話、誰からだったんだ・・」
私が、何も知らない振りをして聞くと、
 「ああ、あれ・・・間違い電話だったのよ、こんな夜中に迷惑よねえ・・」
恵美子は、わざと大げさに言った。
 「ふうーん、間違いねぇ・・」
 「まあ、よく言っておいたから、もうかかってこないと思うわっ・・」
 「そうか、まあそれならいいが・・」
あまりくどいと怪しまれるので、私は納得した振りをしてまたテレビに見入った。
  1. 2014/07/31(木) 02:24:24|
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Booby Trap 第2回

 30分後、約束した時間に少し遅れて店に入ると、電話で確認した風体の男が、奥でコーヒーを飲みながら待っていた。
 「失礼ですが、上川さんでしょうか・・・?」
 「そうですが、お宅が○山さん?」
 「そうです・・。どうもお待たせしました。」
そう言って上川と乗る男の前に座ると、そこで、私は詳しい話を聞くことが出来た。
それによると、どうやら、妻の借金は3年程前から始まったらしかった。
ただ、最初から○○金融で借り入れをしたわけではなく、まずは、私もテレビのコマーシャルなどで見たことのある、大手の消費者金融から借りたようだ。
その後、瞬く間に借入先、金額とも増えてゆき、あっという間に、大手、中小合わせて数社から数百万の借金をするようになっていったらしい。
そうして、どんどん膨らむ借金に、妻は相談する相手もなく、ただ途方にくれているだけだった。
ちょうど半年ぐらい前、いよいよ切羽詰った妻は、とうとう以前より道端の看板でよく見かけていた、『貴方の借り入れを楽にします一度お電話ください』とい う宣伝文句に、不安はあったが瀬に腹は替えられず、すがるような思いで連絡したようだ。
そして、○○金融からのアドバイスにより、そこですべてを清算できるだけの金額を融資してもらい、その資金で他はすべて返済し、今は、○○金融とだけと取 引している、とのことだった。
○○金融・・・実は、電話の後私なりに調べてみたのだが、いわゆる整理屋で、噂によると、裏ではかなり悪どいこともやる会社らしい。
上川は、そんないきさつを一通り話した後、
 「とにかく、此方も商売ですので、キチンと返してもらわないと困るんですわ・・・若いモンが何回か奥さんに催促したんですが、その度に、『何とかします から、もう少し待ってください』と、言われるだけでして・・・まあ、このまま奥さんに何度言っても埒があかないんでねぇ・・・」
 「それで、私にどうしろと?」
私は無駄とわかっていても、一度そう尋ねてみた。
 「普通なら奥さんに身体を売ってでも返してもらうんですが、よく調べたら、ご主人、一流企業にお勤めのようなんで、ご主人に話したほうが確実だと考えま してねぇ・・・そこで、こうして○山さんにご相談させてもらっているわけです。何とかしていただけませんかねぇ~」
そう言って、『カチッ』とタバコに火をつけた。
 「今日、こうして私と貴方が会っていることを、妻は知っているのですか?」
私が尋ねると、
 「いや、奥さんが、『必ず私が何とかしますから、主人にだけは絶対に話さないで下さい。』っていうんで、とりあえず今日のことは奥さんには内緒なんです がね・・でもねぇ・・まあ、どう見てももう何ともならないんじゃあないかと思いましてね、それが何か?」
 「そうですか・・・・」
そう言って、私は少し考え込んだ。
最初、気が動転してしまって何も考えられなかったのだが、こうして話を聞いているうちに、私はだんだん落ち着きを取り戻してきていた。
そうすると、この機会を利用して、今までかなわなかったあの背徳的な願望を何とか実現させたいという思いが、どんどん強くなってくるのだった。
誰にも話さず、ただ心の奥深く隠しておいたその願望とは・・・妻を、『毎日男に嬲ってもらわないと生きていけない、淫乱な性奴のような女』にする事だっ た。
しかし、当時の女性にしては、フェラチオでさえ『そんな変態みたいな真似できない!』そう言って拒むような、あまりにもSEXに対して古風な考えを持つ妻 に対して、
 (このまま一生、私の願いはかなう事はないだろうなぁ・・)
と、半ばあきらめかけていた。
それが、思わぬ事からとはいえ、
 (ひょっとしたら、此れは絶好のチャンスなのでは・・・・)
と考え始めたいたのだった。
不思議な事に、妻に裏切られたという思いはすでになくなっていたのだった。
本来ならあるはずの、妻に対する怒りはほとんどなく、それよりも思いがけなく訪れたこの機会を利用して、私のあの悪魔のような希望を実現するために、ある 計画を実行しようとしていたのだった。
あんな事がなければ、それは一生かなわぬ夢で終わったのかもしれない。
が、しかし、偶然に訪れたチャンスによって、隠していた思いが後から後から一気に表れてきて、そうなるともう、相手の恐ろしさに対する冷静な判断力さえな くなっていた。
家族のこれからの生活より、自分の願望を実現させる事が優先してしまい、後先考えずに、此れを逃せばもう二度とこんな絶好の機会はないような気がしてい た。
 (私は、あの貞淑を気取っていつもすましている妻が、色に狂って男のチンポにむしゃぶりつく姿が見てみたい。男無しでは一時たりともいられない、色情狂 の変態マゾ女にとことん堕としてやりたい!)
 「奥さんを悪く言うわけじゃありませんが、ご主人も大変ですねぇ」
もう、上川が話し掛ける言葉も耳に入らなかった。
ただ、自分の気持ちを確認する事に専念していたのだった。
 (妻を、性欲だけで生きる最低の変態娼婦にして、一生奴隷として飼ってやるんだ!私の望みは、妻をそんな女にする事だったあきらめかけていた願望がかな うこんなチャンスが、向こうから転がり込んでくるなんて・・・)
そう考えると、心を決めるまでそんなに時間はかからなかった。
 「分かりました・・。でも、申し訳ありませんが、今は、私にもとてもそんな金額を返せる当てはありません。その代わりといっては何ですが、こうしてはど うでしょう・・・」
と言って、妻を上川のところで男無しではいられない淫乱女に調教して、奴隷娼婦として身体を売って働かせ、その金で返済する事を提案した。
上川は、最初私の提案を聞いたとき、驚いたようだった。
 「奥さんを・・・本当ですか?」
 「ええ、でも、そうしてもらうしか、方法がないんです。」
さらに私が言うと、
 「本当にいいんですね・・今まで金が返せなくて、身体を売るようになった女は何人も見てきましたが、貴方のような、世間体を気にする一流企業にお勤めの ご主人に頼まれたのは初めてなんでね・・・・まあ、素人の奥さんを仕込むなんざぁわけねぇんですが、その代わり奥さんは、二度と普通の主婦には戻れなくな りますよ!」
と、念を押した。
 「上川さん・・!本当の事を言いますと、借金の事もあるんですが、それよりも、私は、妻が見知らぬ男達の玩具にされて悦ぶような女になる事が、無償に嬉 しいのです。貞淑でまじめな女ですので、私の力ではとても無理だったんですが、あなた方なら、妻を、きっと私の願い通りの女にする事が出来ると思います。 是非お願いしたいのです。」
私は、正直に自分の願望を口にした。
それは、そうした方が、より確実に願いがかなうと考えたからだった。
すると、ようやく上川も私が本気だという事が分かって、
 「私もこんな商売をやってますんで、変わったお客さんも大勢見てきました。別に驚きはしませんが・・・・へぇ~、あんな可愛い奥さんをねぇ~・・分かり ました。まあそういう事なら、こっちも遠慮なくとことんやらせてもらいますよ。」
と言って、ニヤッと笑った。
そして、上川と私はお互いに、

 1.妻を私の望む女にしてくれるなら、命に別状がない限り、妻の身体にどんな事(性器改造、刺青、ピアッシングなど)をしても、文句は言わない事。
 2.避妊リングを入れ、妊娠する心配をなくす事。(将来的には避妊手術をする)
 3.調教の過程をすべて記録して、私に見せる事。
 4.妻には、あくまでも私は何も知らないことにしていく事。
 5.借金、調教にかかった金などがすべて清算できたら、妻を自由にする事。

以上5点を守る事を約束した。
 「まあ、楽しみにしていてください。こっちはそういうことにかけてはプロですから・・確実に奥さんを、四六時中男に抱かれことしか考えられないような、 完璧な淫乱女にしてさしあげますよ。」
 「ぜひ、お願いします。」
私はもう、妻にそむかれたショックなど綺麗さっぱりなくなっていた。
むしろ、長い間かなわなかった、自分の背徳的な願望が、ようやくかなえられる事になった悦びで、心がいっぱいになっていたのだった。
どのようにしてあの貞淑な妻が淫乱女に調教されていくのか、そして、何人もの男他とに嬲り続けられ、最後には、完全に色情狂にされ、男を求めて悶え狂うよ うになった妻の姿を思い浮かべて、身体中が、ぞくぞくするような悦びで震えるような快感を覚えていた。
その後、私達は、それからの事を少し打ち合わせをして、その日は分かれたのだった。
  1. 2014/07/31(木) 02:23:12|
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Booby Trap 第1回

 『運命』・・・私は、それまで運命と言う言葉を、ほとんど意識した事はなかった。
そう、あの日までは・・・・
 3年前、惰性のような日々の暮らしを送っていた私は、ただ歯車が回るように過ぎて行くだけの人生に疲れきっていた。
朝早くから夜遅くまで仕事に追われ、家に帰れば、思うようにならない妻に手を焼き、諦めにも似た絶望感の中で、何の楽しみも見出せないまま、空しく時間だ けが過ぎていっていた。
だが今、私の人生は変わったのだ。
妻と二人で過ごす充実した時間が、毎日の暮らしに悦びを溢れさせ、再び私の人生に生きる活力を与えてくれているのだ。

 私の妻である恵美子は、当時35歳だった。
身長160cm、体重58kg、3サイズは、上から88(Eカップ)-65-90と、見た目は少しぽっちゃりしていたが、清楚な顔立ちからか、実際よりも 若く20代後半に見られることが多かった。
その頃、私は郊外のマンションに、妻と男の子2人の合計4人家族で普通に暮らしていた。
まあ、世間から見れば、いわゆる何処にでもいるような、ごくごく平凡な家庭のうちの一つだった。
 当時、私達夫婦は結婚して13年が過ぎ、ちょうど倦怠期を迎え始めていた。
新婚の頃は、色白で可愛らしく、また、優しく従順で、どこか頼りなさげだった妻も、小学校5年生と、3年生、2人の男の子の母親となり、貞淑な家庭の主婦 として、近所ではしっかり者の奥さんと評判されるようになっていた。
反面、私は仕事が忙しくなり、あまり家庭の事に関われなくなっていた。
その分、妻は必然的に家庭に対する責任感が強くなり、そのため、おっとりしていた性格もだんだんとしっかりしてきて、逆にその頃になると、どちらかといえ ば少しきついぐらいになってきていた。
私は、そんな様子から、妻が私に対して妙な対抗意識をもっているような気がして、ややもすると、私に対する態度も、何となく邪険になったように感じてい た。
そしてその事も、当時私を苛立たせる原因の一つとなっていたのだった。
私は、ほとんどの男性がそうであるように、結婚する以前から妻となった女を、自分の望みの女に調教したいという願望を抱いていた。
ただ一つ違っていたのは、私の望む女というのは、あまりにも背徳的なために、それまで誰にも話さず、密かに心の奥に隠していた事だった。

新婚当初、私は、妻に対してその素直で可愛い様子から、 (この女なら、ひょっとしたら望みどおりの女に出来るかもし  れない・・・・)と、思っていた のだが、私の見る目がなかったのと、実際にそうしようとして分かった己の才能のなさで、現実は、まるで違う女になってしまっていた。
そのため、 (こんなはずじゃあ・・・こんな女になってしまうとは・・・)あきらめきれずに、心の奥で無意識の内に何とかよい方法はないものかと、漠然と 考えていたのだった。

 そして、すべては、今から3年前のあの日、私にかかってきたたった1本の電話から始まった。
その日、仕事中の私のもとに上川と名乗る男から、突然、電話がかかってきた。
最初、受け付けの女子社員から、 「上川様とおっしゃる方からお電話が入っていますが、おつな
  ぎいたしますか?」と言われた時、そんな名前にまったく心当たりがなかった私は、また何かの勧誘だろうと思って、すぐに断ろうとした。
だが、さらに、 「奥様のお知り合いで、『とても大事なお話がある』と、おっしゃっておられますが・・・」そう話すので、不審に思ったが、とりあえず電話 に出てみる事にした。
 「もしもし○山さんでしょうか?お仕事中突然お電話差し上げまして、大変恐れ入ります。初めてお話させていただきますが、私○○金融の上川と申します。 実は、誠に申し上げにくいお話なのですが・・・○山さんはきっとご存知ないかと思いますが、私ども、以前より奥様の恵美子様に、ご融資をさせていただいて おりまして・・・つきましては、その件で、今回○山さんに折り入ってご相談があるのですが・・・」
 「○○金融・・・?そんな名前は、今まで妻から聞いたことはありませんが・・・」
 「まあ、ご主人には言いにくかったんでしょう。とにかく、私どもが奥様にさせていただいておりますご融資の返済の件なんですが・・当初は、毎月キチンと ご返済をしていただいていたものが、ここ最近、返済が滞っていまして・・そこで、早い話、ご主人に何とかしていただきたくて、こうして、ご連絡差し上げた わけです。いかがなもんでしょうかねぇ・・」
 「つ、妻が?何かの間違いでしょう。」
 「いえ、間違いではありません、ちゃんと契約書もあります。」
 「とにかく、電話では何ですので・・・」
私はそう言って、上川と名乗る男と、会社から少し離れた喫茶店で、その日の午後会う約束をして、とりあえず、その場は電話を切った。
考えてみれば、結婚当初から家計の事は妻にまかせっきりだった。
結婚して初めて分かったのだが、妻は家計をやりくりする事が、どちらかといえばあまり得意ではなかった。
ただ、本人はそれを自覚していて、結婚当初はそれなりに、一生懸命努力しているようだったので、私もあまり何も言わなかった。
その他の家事については、ほとんど問題なくこなすのに、何故か給料を計画的に使うという事だけはうまく出来ずに、 「私って、本当にダメねぇ」と、いつも こぼしていたのだった。
そういえば、新婚当時よく家計費が足らなくなり、次の給料日まで、ちょくちょく私の小遣いからいくらかを、家計に回してやったりした事があった。
だが、あまり何回もあるので、そのうち私が怒って『どうして、そんなにちょくちょく足らなくなるんだ!家計がきちんとできない女は、主婦失格だ!』などと 言ったせいか、それからは、そんな事は、すっかりなくなっていたことを思い出した。
あれから何年もたっているので、それなりに上手になっていたのかと思っていたのだが、どうやら、むしろその逆で、最近は悪く言えばどんぶり勘定に近い状態 になっていたようだったのだ。
これは後になって分かったのだが、それまで何とかなっていたのは、苦しくなると、妻は自分の実家に泣きついていたためだった。
だがその両親も相次いでなくなったため、一人っ子だった妻は、他に助けを求める事が出来なくなってしまい、そして、とうとうにっちもさっちも行かなくなっ て、軽い気持ちで、雑誌に載っていた消費者金融に手を出したようだった。
その時は、何故そうなる前に私に相談してくれなかったのかと思い、どうも、私が前に言った言葉が引っかかって言えなかったようだと考えると、妻が気の毒に 思えていたのだった。
 「ちょっと、お客さんとの打ち合わせに出かけてくるから・・
  しばらく戻れないかもしれないが、よろしく頼む。」
昼過ぎ、部下にそう言って、私は指定した喫茶店へ向かった。
  1. 2014/07/31(木) 01:20:30|
  2. Booby Trap・道化師
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ハイト・アシュベリー 第10回

不倫終了まで・・・・・あと5ヶ月
 
 弁護士との相談で、今後の方針が決まった。前提は離婚である。
 配偶者の過去の不貞行為が原因で、同じように不貞行為に及ぶケースはそれほど珍しくはないと言われた。しかし結婚生活が10年を越える夫婦で、婚姻以前を持ち出すケースは弁護士も初めてだと言った。
 不倫相手との関係を保つための不貞行為ではなく、配偶者(秀一)に対する精神的苦痛をもたらすための行為ではないかと分析した。その上で、由紀の言う期間の終了まで様子を見る方がいい。訴訟に関しては断然有利であると強調された。
 同時に、できうるなら別居状態を解消して、秀一が受けている精神的苦痛の証拠を集めると有利になるといわれた。別居、特に家を出た場合は出た側が圧倒的に不利なので、是非戻った方がいいと勧められた。
 秀一は家に戻るかどうか迷ったが、弁護士の強い勧めもあり家に戻ることにした。むろん証拠集めのために。
 
 「ありがとう。もう少し我慢してもらうけどいいでしょ。あなたには悪いけど、あなたが苦しんでいる姿を見ると『愛されてる』って実感できるの。お願いします、もう少しだけ」
 由紀は訳のわからない理屈を言って喜んでいた。
 自分が帰ってきて喜んでいるのではなく、苦痛を与える相手が帰ってきて喜んでいるだけなのかもしれない。秀一にはそう思えてならなかった。

 秀一が帰ってきた週に、由紀がさっそく話しを持ち出してきた。
 「金曜の夜から日曜にかけて外泊してもいいですか?帰ってきてすぐに妻の勤めを放棄するようで申し訳ありませんけど」
 「駄目だと言っても行くつもりだろう」
 「ごめんなさい。妻としてはちゃんとするつもりですけど・・・どうしてもあの人が」
 「田崎か・・・金持ちが道楽で楽しむならそれなりに様にもなるが、普通の会社員が遊ぶには度が過ぎているような気もするがな」
 「・・・そうかもしれません。もうすこし、余裕のある人にすべきだったかもしれません」
 「何処に行くんだ?」
 「場所は知りません。ただ、あの人の接待の道具になります」
 「接待の道具?」
 「なんでも、お客さんの一人に私を抱かせるそうです。SM趣味の経営者だそうです」
 「何をされに行く?」
 「よくわかりませんが、縛られて、いろいろ奉仕させられると思うの。あなた知りたいですか?」
 由紀の口元がすこし歪んだ。
 「知りたくないといっても、俺に分からせるようにするつもりだろ」
 「あなたが望むなら、帰ってきて詳しく話しましょうか」
 「やめてくれ。・・・ひどい女だなおまえは」
 秀一には理解できなかった。
 人には様々な性癖があるものだ。
 由紀の場合は、ただ単に肢体の欲望を満たすだけではないのかもしれない。
  1. 2014/07/31(木) 01:12:33|
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ハイト・アシュベリー 第9回

不倫終了まで・・・・・あと6ヶ月

 夜11時過ぎに電話があった。発信は由紀からであった。
 「ご主人ですか?」
 とっさに電話の相手が誰なのかを悟った。
 「はじめまして。田崎と申します。私が誰なのかご理解いただけると思いますが」
 秀一は言葉に詰まった。なにを言えばいいのかすら見当がつかなかった。
 「奥さんから聞きましたよ。家を出られたそうで」
 「用件はなんでしょう?」
 秀一が言える精一杯の返答であった。
 「浮気相手の私が言うのもおかしいですが、家に戻られたらどうですか?私もお二人が泥沼のように別れることは望んでいませんよ。おおよその事情は知っておりますが、どうでしょう、ここは男として度量を見せてもいいんじゃないですか?」
 「それはこちらの事情ですので、あなたに言われる筋合いはありませんが」
 「まぁ、お怒りはごもっともですがね。ご主人とのセックスを止めさせたり、大事な部分を剃ったりしたのも遊びみたいなもんでね。それがお気に召さないようですが、不倫というやつの醍醐味みたいなもんですよ。ご主人は真面目な方なのでお分かりいただけないとは思いますが」
 「女房がなんと言っているのか知りませんが、所詮は不貞行為です。それなりに対応しますがいいですね」
 「まぁ、それに関しては痛い目も見てますし、随分金もやられましたんで、私もそれほど馬鹿ではありませんよ。でも、期間内は奥さんに徹底的に奉仕してもらいますよ。奥さんいいですよ・・・もし本当で別れるつもりでしたらいつでも言ってください。まぁまぁの値段で奥さんを買いますよ。奴隷としては上等ですからね」
 「・・・・・」
 「ついでですので奥さんと替わりますよ」
 由紀が電話に出た。その声は乱れていた。
 「お願い、あなた帰ってきて。あなたとセックスはできませんが、妻としてちゃんと勤めます。あぁ・・・」
 「・・・ちゃんと尻をあげあろ由紀・・・・」
 田崎の怒鳴る声が聞こえた。
 「期間が終われば、思う存分あなたにご奉仕します。あぁ・・・。どうか・・・お願い・・ぁぁ」
 「・・・ダンナにちゃんと言えよ・・・」
 「あ・・なた、今、私のお〇んこにはご主人様のおち〇ちんが・・・とってもいい・・・あなたのよりもずっといいの・・・ご主人様の便所になって・・・あなたのところに帰ると・・・とっても気持ちがいいの・・・だからお願い帰ってきて・・・」
 電話の向こうで由紀が叫ぶようにして快感にうずもれる声が響いていた。
 「あぁぁぁ・・・・イっていいですか・・・・イっちゃいます・・・・あなたのベッドの上で・・・イ・・」
 秀一は電話を切った。
 しまったと思った。家を空けたのは間違いであったかもしれない。
 まさか、家にまで連れ込むとは考えていなかった。
 秀一はタクシーに乗り込み、自宅へと向かった。
 10分後
 家には誰もいなかった。寝室も整然としていた。
 「・・・・・・何故、こんな仕打ちをされねばならない」
 アパートへは歩いて帰った。
 ただただ脱力感のみが、彼を支配していた。
  1. 2014/07/31(木) 01:11:32|
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ハイト・アシュベリー 第8回

不倫終了まで・・・・・あと6ヶ月
 
 アパート探しは簡単であった。
 マンスリー契約のワンルームを借りた。
 由紀からは「帰ってきて下さい」という電話が、毎日のように入った。
 秀一は訳が分からなくなっていた。
 娘のこと弁護士のこと・・・山積する問題はあるが、とりあえず平穏な日常だけは取り戻した。
 しかし、娘が夏休みで帰国する。2週間ほどではあるが、その間は家に帰ることにした。
 娘が帰国した2週間に合わせて夏休みをとった。特に旅行などには出掛けなかった。
 由紀も休みの間は浮気をしていなかった。
 普段通り秀一に声をかけるが、まともな会話が成立するはずはなかった。

 娘を成田に見送った夜、秀一は由紀を家に送るとそのままアパートに帰ろうとした。
 「どうしても帰って来ないの?」
 「無理だろう。自分で分かってるだろう」
 「私の浮気が終わったら帰ってきてくれますか?」
 変な会話だ。期間のある浮気もそうだが、浮気をしている方がされいる方に帰って来いと言うことが変である。
 「弁護士を頼もうと思っている。いまここで判を押してくれるなら、それも用はないが」
 そう言って財布のなかに不器用に折りたたんでおいた離婚届を由紀に差し出した。
 自分の署名は既に終わっていた。
 由紀はそれを破り捨てて
 「もう少し我慢してくれてもいいんじゃないですか?私はずっと我慢してきました」
 「俺はずっと浮気していた訳でもないし、ましてや結婚してからはそんなことはしていない」
 「私を愛してくれるなら、我慢してください。怒らずに暴力をふるわないあなたの忍耐強さは嬉しいですけど・・・」
 「不思議な言い分だな」
 「浮気が終われば、今まで以上にあなたを愛することができると思います。いまでもそう思っています。あの人に抱かれるたびに、あなたがいいと思ってます」
 「変な話だな。ところで、まだへんなものでも股にいれているのか?」
 由紀は自ら薄手のパンツとショーツを一緒に下げた。
 悌毛された恥裂が浮き出ていた。
  1. 2014/07/31(木) 01:10:25|
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ハイト・アシュベリー 第7回

不倫終了まで・・・・・あと7ヶ月
 
 秀一は、由紀の屈辱に耐えられなくなっていた。
 過去の浮気、それも結婚前のことを今更責められてもどうしようもない。
 それに、あの奇行は浮気への報復であるとは考えられないと思うようになっていた。
 幾度となく「やめてくれ」と頼んだがそのつど「やめません」と言われ、「別れてくれても構わない」と言っても「私は絶対別れません」と堂々巡りであった。
 秀一は家に帰ることが少なくなった。
 ほとんどは、会社近くのカプセルホテルやサウナで過ごしていた。
 由紀は「今日も帰らないつもりですか?いい加減に無駄遣いは辞めてください」と電話をしてきた。
 秀一はそのつど、電話を無視して切った。
 ある日には昼間会社へ由紀がやってきて、「着替えです。今日は帰ってきてください」と秀一の同僚に誤解されることまでした。まるで秀一が浮気をしているように映っていた。
 やはり、お金が馬鹿にならないので週末は家に帰った。
 「やっと帰ってきてくれましたね。もういい加減にしてください」
 秀一に抱きつかんばかりの嬉しそうな表情で、由紀は彼を迎えた。
 しかし、秀一の陰鬱とした表情は変わりなかった。
 「本当にもうやめてくれないか。やめられないなら別れてくれないか」
 「あなたが、そうやって私の苦しみをわかってくれて嬉しいです。これ以上、あなたを苦しめたくないのですが、相手もあることだし、やはりもう少し辛抱して欲しいです」
 「おまえの相手は、期間があることは承知しているのか」
 「はい。それを条件に身体を許しましたから」
 秀一は黙ったままになった。
 しばらくして秀一は、なにを思ったのか由紀のスカートを突然捲くり上げた。
 ネックレスでできた貞操帯はなかった。
 しかし、やはり下着を着けていない由紀の股間には、ローター付きのバタフライが張り付いていた。腰にスイッチを巻き付けていた。
 「許してね。電話がかかった時にこれを写真で送らないと怒られるの」
 秀一は荷物をまとめた。
  1. 2014/07/31(木) 01:09:08|
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ハイト・アシュベリー 第6回

不倫終了まで・・・・・あと8ヶ月

 あの日以降、由紀の様子には特に変化はなかった。
 帰宅しても留守にしていることもなく、週末は家で過ごしていた。
 ただ、平日の昼間に由紀が何をしているのかを問いただす勇気が秀一にはなかった。家に電話をしたり携帯に電話をしたりすれば、なんとなく行動はつかめるのだが、浮気を続けている事実に直面するのは辛かった。
 そんなことよりも、由紀のこの奇妙な行動自体を秀一は心配していた。カウンセリングに行った方がいいのではと考えたが、事が事だけに慎重にならざるを得なかった。
 
 その日、秀一は早く帰宅できた。
 しかし、由紀は不在であった。
 7時過ぎに由紀が帰ってきた。
 「今日は早く帰っていらしたの」
 「今日もしてきたのか?」
 お互いに普段通りの口調であったが、変な会話だ。
 「早く帰る予定でしたら言って下されば、それなりに調整しましたけど」
 「調整か・・・そういう問題でもないだろうが」
 「怒っているの?それもと妬いているの?約束通り、あなたには言わないつもりでしたけど」
 由紀はそういって寝室へ着替えに行った。

 普段着に着替えた由紀は、ソファに座る秀一の前に立って自らスカートを捲り上げた。
 「どうこれ」
 由紀は下着をつけていなかった。
 秀一にさらした恥丘には一筋の金属が光っていた。
 よく見ると、腰にネックレスの細いチェーンが巻かれていた。そして、恥毛を縫うようにしてチェーンが股間を通っていた。
 ネックレスでできた細い褌のようなもであった。
 「貞操帯みたいなものですって。生理現象のときはちょっと困るけど、お風呂で洗えばなんとかなりそうだし、どうしてもあの人がつけてくれっていうものだから」
 「そんなもの俺に見せてどうする。嫌がらせか?」
 由紀は笑いながら
 「それもあるかもね。でも、あの人があなたにはセックスさせるなってうるさいから、どうしたら納得できるか聞いたら、こんなことされて」
 「もういいよ。もう見せるな」
 「ごめんなさい。しばらくは、あなたとセックスできません。どうしても欲しかったら言ってください。手伝ってあげるから」
 由紀は苦笑まじりに言って、キッチンで夕食の準備を始めた。
 秀一は、怒りと屈辱で叫び出したくなる衝動にかられたが、『やはり、病気かな?』という想いでそれを堪えた。
 しかし由紀を殴りたくなる衝動を抑えられない気がして、何も言わず家を飛び出した。

 ラーメンをすすりながら、自分の置かれたあまりにも不条理な現実に果てしない寂寥を憶えた。
 そして凛として優しい、あの京子の姿が秀一の脳裡をよぎった。
  1. 2014/07/31(木) 01:03:00|
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ハイト・アシュベリー 第5回

 風呂から上がり、バスローブのままリビングでビールを口にしていた秀一は憮然としていた。
 しばらくすると、タオルを巻いた由紀がリビングにきた。
 「ごめんなさい。私のしていることがまともじゃないのはわかっています」
 秀一の横に座り、いきり立つ秀一のものを優しく握った。
 「あなたを苦しめるつもりはないのですが、京子のことを考えるとどうしてもあなたを責めずにはいられなくなってしまうの。お願いします。もう少しだけ私をこのままにしてください。もう少しだけ・・・」
 由紀はタオルを自分で剥ぎ取り、秀一の剛直したものを優しく口でつつんだ。
 ゆっくりとしたストロークを繰り返しながら、袋に手を添えて刺激した。
 秀一はなにも言わなかった。久しぶり味わう妻の柔らかい唇に気持ちを奪われた。
 普段の妻の顔、狂態を見せる妻の顔、過去の亡霊に苦しむ妻の顔に、少なからず同情すら覚えていた。
 同時に普通の男なら既に妻を殺しているかもしれない状況なのに、どうしても怒りより同情が先行する自分に嫌気がさしていた。
 「あなた、今日みたいに妻の勤めを怠けるようなことは2度としません。もう少しだけですから、どうか我儘を許してください。今夜は何度でもあなたにご奉仕します。」
 秀一は『由紀は病気・・・なにか心の病にでもなったのではないか』と優しくストロークを繰り返す妻を見て思った。
 しかし由紀の身体にまとわりついている赤い痕跡が、秀一の冷静な感覚を麻痺させた。
 そして、久しぶりに妻の口のなかに自分の精子を吐き出した。
 放出後の醒めていく余韻を、由紀は刺激しつづけた。
 亀頭部を唇で覆い切先に舌先をあてて、はかない男の余韻を最後まで満足さた。
 秀一の余韻がなくなった後もしばらくの間、由紀は優しく口にして舌先でわずかな刺激を与え続けた。
 以前の由紀と変わらない、優しい愛撫であった。
 由紀は口からはなした秀一のものを愛しげに頬擦りし、そして舌先を袋にはわせた。
 「私はあなたの妻なの、お願い忘れないで。私のなかにある棘を取り除くまでもう少し待って下さい。もう少し・・・」
 その後も、由紀は秀一のものを刺激し、乳首や指先まで舌で刺激した。そして、浮気相手に蹂躙されたばかりの蜜壷に迎え入れた。
 2人は夜が明けるまで愛し合い続けた。
  1. 2014/07/31(木) 01:02:03|
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ハイト・アシュベリー 第4回

不倫終了まで・・・・・あと9ヶ月
 
 2週間後、秀一が10時過ぎに帰宅すると、家には由紀の姿はなかった。
 とっさに、「畜生!」という言葉が口に出た。が、どうしようもなかった。
 食事の支度も風呂の支度も、なにもされてはいなかった。
 風呂にお湯を溜める間に、カップラーメンをすすり夕食の代わりにした。
 ゆっくりと湯船につかり、どうしょうもない怒りと空しさに見舞われていた時に物音がした。由紀が帰ってきたのだ。
 由紀は脱衣室にきて
 「ごめんなさい。遅くなってしまって。私も入っていいですか」
 髪をあげ、全裸になった由紀が入ってきた。
 40歳になり、いつの間にかCカップからAカップに後退した乳房が年月を感じさせる。
 子供を出産した証である下腹部の脂肪はあるものの、腰周りの緩やかな曲線は保たれていた。
 由紀は年齢相応の艶肉に覆われ、なんともくぐもった芳香を発していた。
 「ごめんなさい。あの人が夕方以降じゃないと時間が取れないと言いまして・・・私も妻の勤めがあるって断ったのですけど、どうしても私を抱きたいとしつこかったのでつい、すみません。こんなことは2度とないようにします」
 由紀はかけ湯をしながら、平然とした口調で言った。
 「あなた見てください」
 由紀は背中を向けた。首筋から、胸の脇、そして尻にいたるまで、赤い吸着痕が残っていた。そのおびただしい量を見れば激しく体をむさぼられたことはよくわかった。
 「こっちも」
 今度は立ち上がり、乳房と股間を見せ付けるようにした。
 そしてあっけにとられている秀一の顔の前に、指でめくり上げた恥唇を押し付けるくらいに近づけて
 「どう、あの人の匂いが残っているでしょ。そのままにして帰ってきたの。あなたにも味わってもらおうと思って」
 秀一は狂態をエスカレートさせていく由紀を払いのけるようにして浴槽をでると
 「俺のしたことは、そんなにえげつなかったか?そこまでおまえを追い込んだのか?」
 「あなた、興奮してるのね。無理もないわね。ご無沙汰ですものね」
 秀一はとっさに、いきり立つ自分のものを手で覆いながら、浴室を後にした。
  1. 2014/07/31(木) 00:59:39|
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ハイト・アシュベリー 第3回

不倫終了まで・・・・・あと10ヶ月

 由紀の浮気宣言から2ヶ月が過ぎたが、特に変わった様子はなかった。
 「おまえ、浮気はどうした。相手は見つかったのか」
 秀一は軽い気持ちで聞いた。浮気をするとはいったものの、そう簡単に相手が見つかるはずもないと彼は思っていた。
 「はい。見つかりました。もう浮気をしています」
 「えぇ・・・・」
 「あなたが知らせるなと言ったので、浮気が終わるまで黙っているつもりでしたけど」
 「もう、相手と・・・したのか」
 「はい。しました。詳しく聞きたいですか」
 まさか本当にしているとは、予想できなかった。それも事務的な口調であっさり認めるとは、思いもよらなかった。
 「大丈夫なのか?変な奴じゃないだろうな?」
 「40歳にもなる人妻を相手にする人ですから、それをまともな人とは言えませんが、普通のサラリーマンです」
 「サラリーマン?歳は?」
 「48歳です。妻子もある人ですから、一般的な常識はあると思います。ただ、平気で奥さんを裏切るような人ですから、あなたからすれば異常な人でしょうけど」
 その日は折角の日曜日であったが、何もできなかった。秀一はショックのあまり寝室に篭ってしまった。
 
 夕方、由紀が寝室にやって来た。
 「ショックでしたか?私もショックでした。本当にショックでした。わかりますかこの気持ちが?あなたが無意識に残した京子の手紙をみつけて本当にショックでした」
 「あの時のことは本当に済まないと思っているよ。はっきり言ってやめてほしいよ。おまえが味わった気持ちは良くわかったよ。彼女と間違いを犯したのは2回だけだ。半年もの間、おまえに黙って彼女に会っていたのは申し訳なかったが、本当に2回だけだ。だからやめてくれないか」
 「わかっていただけましたか。でも私はやめません。私のこの気持ちがおさまるまではやめません」
 「不倫相手とは何をした」
 「聞きたいですか?」
 秀一はうつむいたままであった。
 「あの人のものを受け入れました。もう3回も受け入れましたよ。いろんな格好でセックスをしました。あなたが普段しないようなすごい格好もしました。ホテルのお風呂場でもしました。私の口の中にも」
 「もうやめてくれ」
 「私はあなたの妻です。それは絶対に忘れません。いつもあなたを思ってあの人のものを受け入れています。あなたが私との関係でなやみつつ京子としたように」
 由紀は背中をむけて「夕食ですよ。一緒に食べましょう」と言ってキッチンに消えていった。
 秀一は溢れる涙を堪えることができなかった。
  1. 2014/07/31(木) 00:57:56|
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ハイト・アシュベリー 第2回

 由紀の様子が一変したのは、17年目の結婚記念日だった。
 娘が海外留学となり、2人きりで過ごす結婚記念日は初めてであった。
 「あなた、まだこんなものを・・・」
 由紀が差し出したのは、18年前の京子からの手紙であった。
 秀一自身も忘れていたものだった。
 「結婚して何年経つと思っているの。それをいまだに後生大事にもっていて。私はずっとあなたに裏切られた訳ですか」
 「俺も忘れてたよ。他の手紙と一緒に余った靴箱に仕舞い込んで忘れてたんだ」
 「よりによって京子の手紙を持っていることはないでしょう」
 「おまえが怒るのも無理はないが、本当に忘れていただけで、大事に持っていた訳じゃない」
 秀一と由紀には苦い思い出があった。
 由紀にプロポーズをする前後、2人の間はぎこちない時期があった。
 秀一は京子と様々な相談をしているうちに関係を持ってしまった。
 後になって由紀に全てを告白し、紆余曲折はあったものの2人は結婚をした。
 由紀が身ごもったからだった。
 京子と由紀の友人関係は断絶した。
 「私は忘れないわよ。あなたがどんな言い訳をしようとも、私を裏切ったことは絶対に忘れないわ」
 「あの時のことは済まないと思っているし、結婚していままでおまえを傷つけるようなことはしてないよ。手紙のことは俺自身もすっかり忘れてたよ。別に他意はない」
 「ええ、そう思っているわ。でも許せないの。どうしても許せないの・・・」
 その晩は、会話もなくなってしまった。

 翌日からの由紀は、いつもどりの妻に戻っていた。
 過去に犯した過ちについて秀一は、本当に反省していた。だから結婚して以降は由紀を傷つけるような行動はしていなかった。
 ささいな言い合いはあったものの、いつも秀一が折れていた。その度に
 「おまえが俺と一緒になってくれたことを感謝しているよ。すまなかった」
 といって優しく抱きしめていた。
 由紀も秀一の優しい気性が好きであった。それに甘えることなく妻としての勤めは果たしてきた。

 数日後、
 「あなた、お話があります」
 由紀は硬い表情であった。
 「あなたと京子が私をだました半年がどうしても許せません。いままで、何度かそれを許そうかと考えてきましたが、どうしても気持ちがおさまりません」
 「俺はどうすればいい。随分昔のことだが、何度も何度も謝ってきたし、これ以上なにもできない」
 戸惑う秀一に
 「私と同じ気分を味わってください。あなたが私を騙した同じ期間、いえその倍の期間です。どうしてもあなたに味わってもらいたいの。この苦しみを・・・来年の結婚記念日まで」
 「どうするつもりだ。浮気でもするのか?」
 「はい、どうしたらいいのかわかりませんが、浮気します。あなたがどんなに怒っても離婚はしません。絶対にしません。あなたにも味わってもらいます」
 「今まで随分謝ってきたが、それでも気がすまないのか?」
 「はい」
 秀一はしばらく黙り込んだが
 「どうしてもそうしたいのなら好きにしてくれ。ただ、俺にわからないようにしてくれ。さすがにこの年で女房に浮気されるのは堪える。それと期間は守ってくれ」
 由紀は「はい」とだけ答えた。
 秀一43歳、由紀40歳の冬であった。
  1. 2014/07/31(木) 00:56:49|
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ハイト・アシュベリー 第1回

 由紀が帰宅したのは深夜の11時であった。
 秀一はリビングでぽつりとテレビをみていた。
 「帰りました」
 秀一は黙っていた。
 「怒りもしないのね」
 「怒ったところで仕方のないことだ」
 「やっぱり優しいのね・・・優しいあなたにご褒美をあげる」
 由紀はバッグから8インチDVDを取り出すと、デッキに挿入した。
 「いつもは、私が話すだけでしょ。あなたも話だけじゃつまらないと思って、ビデオを撮ってきたの」
 秀一は黙っていた。
 「今日も縛られきたの。もちろん中にも出してもらったわ。あの人の精子でいっぱいよ、私の膣のなか」
 突然始まったビデオは、妻である由紀が他の男の竿を丹念に奉仕する姿であった。
 全身に縄がかかっていた。後手に縛られ、乳房は釣鐘のように張り出していた。40歳となり随分下がってきた乳房も、縄をあてることにより若い頃のような張りがあった。
 よく見えないが下着をつけていない股間にも縄があてられた様子であった。
 男の姿は、腰から下に部分しか映っていなかった。由紀は膝を床につけて男のモノを深く口にしていた。
 テレビのスイッチを苛立たしく切ると
 「風呂に入って寝るよ。もう充分だ。満足したか?」
 秀一の怒りに震える目を、由紀は冷ややかに見詰めた。
 「ここに置いておきます。これでご自分でしてくださいね。随分、溜まっているでしょ・・・」
 嘲笑ともいえる口調であった。
 秀一が風呂に入り、ゆっくりと湯船に浸って崩れそうになる自分の感情を鎮めていると、由紀が入ってきた。
 「あなた。わたしも入っていいですか?」
 秀一は無いも言わなかった。拒否したところで由紀は入ってくる。
 ドアが開き、由紀は入ってきた。
 縄があてられたままであった。
 乳房は苦しげに締め上げられ、股間にも縄があてられていた。その縄は悌毛された恥丘を分断するようにきつく締め上げられていた。
 「どうですか。興奮します。あの人があなたに見せろって言ったので、すこしきつかったけどこのまま帰ってきたの。触ってもいいのよ。今日だけは触らせてあげる。あの人のおこぼれよ」
 由紀は浴槽の縁に片足を乗せて、見下すようにして秀一を見詰めた。
 秀一は何も言わずに浴室から出て行った。
 ドア越しに
 「溜まってますよね。今夜は私の手でいかせてあげてもいいですよ」
 笑いが混じった声が響いていた。
 
 翌日の朝は、いつもどおりの朝であった。
 由紀は普通の妻と同じように甲斐々々しく支度をして秀一を見送った。
 「気をつけていってらっしゃい」
 秀一は何も言わなかった。
  1. 2014/07/31(木) 00:55:34|
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俺が負けたので、彼女が手コキした 第3回

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  1. 2014/07/30(水) 08:13:19|
  2. 俺が負けたので、彼女が手コキした

俺が負けたので、彼女が手コキした 第2回

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  1. 2014/07/30(水) 08:11:42|
  2. 俺が負けたので、彼女が手コキした

俺が負けたので、彼女が手コキした 第1回

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  1. 2014/07/30(水) 08:10:09|
  2. 俺が負けたので、彼女が手コキした

贖罪 最終回

【#24 終局】
 それから約一年半、私たち夫婦は性の煉獄の囚われ人になった。ただし、その煉獄で味わうのは苦痛ではなく、爛れるような快楽と新鮮な感動だった。
 妻は相変わらずSの私設秘書として働いた。もちろん、業務内容は接待用性奴隷だ。成功した実業家ほど、刺激を求めているらしい。陽の高いうちから自社の執務室で嬲ることもあれば、別邸に呼びつけて辱めることもあった。週に一度、宿泊を含む残業を私は認めた。自分が受けた屈辱を、奴隷の作法に則った言葉で逐一語ってもらうのがとても楽しみだったからだ。とくに、外泊明けの妻の告白は刺激に満ちていた。私が感銘を受けたのは以下のケースだ。

#1/さる宗教法人の修行場で、若き修行僧たち十数名の性欲処理をさせられた。男色による綱紀の乱れを予防する措置ということ。修業期間中、妻のような女たちが代わる代わる山門をくぐるのだという。
#2/三宮のクラブで黒人を誘惑し、予約していたホテルに連れ込んでは情交の様子を隠しカメラで撮影されるというもの。黒人特有の体臭にどうしてもなじめない妻にとっては苦痛の時間だということだ。(Sがこっそり教えてくれたが、黒人はいずれもクライアントの仕込みらしい)
#3/北新地のスナックを貸し切ってのSMショー。四人の女奴隷とともに、夜通しゲストに奉仕させられた。
#4/暴力団の襲名式に仲居として送り込まれ、幹部たちの慰み者になった。最初は死ぬほど緊張したらしいが、ヤクザならではの色責めに気絶するまで虐げられた。
#5/中部地方某所で五頭もの犬と交わらされた。獣姦専門に育てられた犬の最終調教の実験台になったらしい。

 これらの光景はすべてビデオによって記録されていた。Sはいつでも見せると言ってくれたが、もはや、私は映像では満足できなくなっていた。妻の痴態は、生で味わうか、さもなくば本人の一人語りにかぎる。
 男は、視覚からの刺激で欲情すると言われるが、私を激しく高ぶらせるのは想像力だ。かつてSが私に言った「人間の快楽中枢は脳なんだよ。決して粘膜の神経細胞などではない」という言葉が重みを増している。妻が陵辱をどのように受け入れ、果てしなく湧き出す欲情をどのように味わっているかを想像することがいかに楽しいか。妻の肉体と精神が蹂躙されたという確かな事実が根底にあるから、この想像は、無から生み出される妄想とは一線を画すほど強烈だ。
 妻は、私の目の前で責め苛まれることを欲していたようだが、はっきりと口に出したことはなかった。自宅でSMプレイを行うこともなかった。
 私は枯れてしまったのだろうか。一夜にしてSMの神髄に触れてしまったせいかもしれない。妻を思う気持はあったが、妻を伴って積極的に秘密のパーティに参加することはなかった。
 そんな私を振り向かせるためか、より濃厚な刺激を得るためか、妻は密かにSにある申し出をしていた。さる中堅企業の会長夫妻に自分の身柄を期限付きで預けてくれませんか、と。
 驚いたSは、勤務中の私に直通電話をかけてきた。昼休みを待って、Sの会社に赴いた。
「会長夫妻の件はちらっと話したことがあったんだが、まさか細君が覚えていたとは思わなかった。どうする、逆瀬川くん?」
「どうするとおっしゃいましても、私には判断のしようがありませんよ。S先生がご判断ください」
「その会長夫妻はご夫婦ともに六十歳半ばなんだが、ハードSMで有名でねえ。われわれとはちょっと指向が異なるんだよ」
 SがやっていることこそハードSMではないのか? いつもの余裕が見られないSの様子が、妙に滑稽に思えた。
「会長夫妻のところからは、ただでは帰ってこられんという噂があってね」
「一生残るような疵とか?」
「肉体的にはNOだ。精神的なダメージが大きいらしい」
「なぜ、そんなところに妻が……?」
「限界に挑戦してみたいそうだ。きみ、何か不用意なことでも言ったりしたのか」
「まさか。夫婦仲は良好ですよ」
「マゾの業かねえ。突き詰めたいという願望は」
 Sは宙をにらんだ。
「で、細君を預けてもいいのかな。期間は二週間。報酬は――」
「報酬なんて結構です。私は金銭の授受など関係ない世界を純粋に愉しんでいるだけですから」
「青いな」Sはにやりと笑った。「有償貸与というのは、細君を身も心も奴隷に堕とすためにするものだ。きみが気に病むことはない。私設秘書の給与と一緒に細君の口座に振り込むから。どうだ、本当に預けてもいいのかね?」
「今、妻はどこにおりますか」
「件の会長夫妻と会食中だ。こういうのは見合いと同じでね。こちらからお願いしても相手先の意に染まぬこともある。その逆も然り」
「双方合意ということであれば、私には何も言うことはありません」
 Sは深くうなずき、辞去する私をドアまで送ってくれた。

 その翌朝、妻は会長夫妻から回されたクルマで、奈良の自宅に向かった。
 会長夫妻に対する妻の印象はすこぶる良かった。昼食を摂りながら、世間話でもするように妻の調教歴を訊いたという。
「初対面やのに、何でも話せるのが不思議やったわ。ご夫婦とも精神的に若いんやろね、どう見ても五十歳くらいにしか見えへんのよ。奥さんは、SもMもいける人でブレスレットの下にはBITCHとSLAVEいう刺青が彫ってあったわ。体中にいろいろ彫ってある言うてはった」
 妻は弾んだ声で会食の印象を語ったが、今頃は夫婦の手によって快楽を味わわせてもらっているのだろう。電車を待つホームで、社内の喫煙コーナーで、私は夢想した。

 二週間後。自宅マンションの部屋に明かりがともっているのを見て、ほっとした。約束どおり、妻が帰ってきたのだ。
 玄関ドアのチャイムを押したが、内部から施錠を解く音がしない。ためしにドアレバーを倒すとドアが開いた。ドアチェーンすらしていないとは不用心にもほどがある。
 三和土に踏み入れた私は、上がり框に正座した妻の姿に仰天した。
 鞣し革に真鍮の鋲が埋め込まれた首輪とブレスレットだけを身につけていた。ボーイッシュに短くカットされた髪が、首輪の茶色を際だたせている。
「お帰りなさいませ」
 それだけ言うと、妻は上体を深く折った。
 背中一面に走る鞭痕が目に飛び込んできた。私は靴を脱ぎ捨て、妻の傍らに膝を突いて背中の傷をあらためた。
 ふくらみの残る真新しいみみず腫れの周囲には、青紫や赤紫に変色した打痕が幾筋も走っている。その背景の膚は、黄色だった。内出血の治癒経過をいっぺんに見せられているようなものだ。二週間、妻への鞭打ちは日課だったのだろう。妻が自ら飛び込んだ地獄の凄惨さに、私は息を呑んだ。
「た、立てよ」
 妻の腰に手を回した。
「よく見せてみろ」
 リビングの照明の下で、妻の体を点検した。
 喉から胸、腹、そして太腿の内側やふくらはぎなど、やわらかい部分に三センチほどの長さの切り傷が無数についていた。見た目は悲惨だが、傷は浅く、裂傷というほどのものではない。
「どうしたんや、この傷は」
「奥様のお仕置きです。言葉づかいや態度など、奴隷の作法をはずすたびに剃刀でお仕置きを受けました。ふつつかな牝犬でございますが、よろしくお願いいたします」
 私は妻の肩に両手をかけて揺さぶった。
「おい、しっかりしろ! おれがわからへんのか。しっかりするんや!」
 妻の視線が私の顔に注がれた。膜のかかったような瞳に輝きが戻ってきた。
「けんちゃん……」
 妻が抱きついてきた。背中の傷に触れぬように、私はあえて腕を回さなかった。

 会長夫妻の自宅を初めて訪れた日のことは鮮明に覚えていたが、二日目以降の妻の記憶はあいまいだった。
 初日から、妻の人間としての尊厳は奪い去られた。妻や私がイメージするSMの範疇を逸脱し、虐待や拷問に近かったという。ちょっとした言葉づかいの誤りを咎められては仕置、奴隷としての誠意が見られないと難癖をつけられては仕置という日々を送ったのだった。会長宅には四十半ばのT子という女中がいたが、ただの家政婦ではなく会長夫妻のアシスタントも務めるサディストだった。夜の性奉仕の際は、一人の男と二人の女に責めを受けることになる。三十代の妻への嫉妬をむき出しにした女たちは、同性のみが知る女の泣き所を巧みに衝いては妻に奴隷の境遇を思い知らせた。
 三日を過ぎた頃から、妻には奴隷としての自覚が芽生えたという。会長夫妻と女中の思惑を先読みし、掃除や洗い物などの家事手伝いはもちろん、寵愛を得るためには何でもやった。奴隷という別人格が私の中に生じたとしか考えられない、と妻は語ってくれた。
「もう二度と行きたくないやろ。よう耐えたな」
 妻の話を聞き終えた私は妻の髪を撫でながらいたわりの言葉をかけた。
 だが、妻の答えは私の予想を大きく裏切った。
「たびたび伺うことにしたの。大きなお宅だから、T子さん一人じゃ大変よ」
「正気か? 神戸から奈良までわざわざ通うんか?」
「週末。せめて一泊で……おねがい」
「おれと一緒にいるよりいいんか?」
 私の問いに動揺も見せず、妻はほほえみをうかべた。
「実は、会長にひとつだけわがままを言わせてもらってるの。ご奉仕するとき、会長を『健一さま』と呼ばせていただきたいって。快くお許しくださったわ」
 胸が締めつけられるようだった。妻は、ご主人様の義務を果たさない私を振り向かせるために、会長夫妻の厳しい調教を受けたのではなかったのだ。苛酷な責めを受けながらも、精神的には私を見つめつづけていたのだった。
 私はいったい何を見、何を聴いていたのか! 惚れあって結婚したはずなのに、妻の気持をこれほど理解できていなかったとは。妻にとっては不本意な不倫から始まった性の闇への冒険を、私は心のどこかで夫婦のトラブルと思っていたようだ。冒険が終われば、穏やかな夫婦生活が戻ってくる、と。だが、これまで私たち夫婦が経験してきたことは、冒険ではなかった。それは、私たちの生き方そのものだったのだ。
 マスコミがつくりだした夫婦のイメージ、人生設計、ライフスタイルに、広告業界に身を置く私自身が洗脳されてしまっていた。そんな私の姑息なはかりごとを、身をもって受け止めてくれた妻に感謝の言葉もない。今はただ、妻への罪を贖うことしかできない。うちのめされた私は、詫びようと口を開いた。
「頼りないご主人様で――」
 妻は私の口に手を当てて言葉を封じた。「ロッキングチェア・マスターは、もっと威張ってなきゃ」
 捕り物に走らず、ロッキングチェアでくつろぎながら真犯人を推理する「ロッキングチェア・ディテクティブ」をもじったものらしかった。奴隷の身に触れることなく調教を施すご主人様……。その言葉で、私の心は一気に軽くなった。
「もうすぐボーナスやし、神戸にも飽きてきたところやし……」
 妻の目をまっすぐに見て言った。
「引っ越そうか、奈良に。毎日でも会長宅に通えるやろ」
 大きな笑みが、妻の顔に浮び、すぐに嬉し泣きに取って代わった。

昨年の七月来、私の不定期な書き込みと拙い文章にお付き合いいただき、ありがとうございました。現在、妻はS氏の私設秘書として週の半分を、会長宅の家政婦として週の半分を送っており、週末は常に不在です。会長宅まで私たちのマンションから徒歩二十分ほどの距離ですが、いまだに会長夫妻とは面識がありません。もちろん、これからもご夫婦と顔を合わせることはないでしょう。
最後に。管理人さま、私の告白を『妻物語』に書き込ませていただき、感謝しております。五百万ヒットもすでに秒読み。このすばらしいサイトのますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。ではまた、機会がありましたら。
  1. 2014/07/30(水) 08:02:09|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第23回

#23【狂宴】
「では、最後の奴隷を紹介しましょう」
 プロの司会者のような粋なアクションで、Sは橋掛りに片手を伸ばした。
 揚幕がぱっと上がると、褌姿の男二人に挟まれた妻の姿が現れた。革製の猿轡が頬に食い込み、白い貌を二分している。スリップとパンティだけを着けているが、ふだんの調教で着せられていたような扇情的なものではないし、デザイナーズブランドのものでもない。どこの主婦でも普通に着けている平凡なものだ。マニアックな猿轡の異様さが際だち、つい今しがた一般家庭から拉致されてきたかのような印象を受ける。
 妻の両腕を背後にねじり上げるとき、男たちの背中が見えた。仁王と龍の刺青。間違いない、京都のマンションで妻に針責めを行ったヤクザたちだ。それぞれが禍々しい陰茎を持つ、あの男たち。
「今夜の奴隷の中ではもっとも若い。しかも、いちサラリーマンの細君です」
 客席に真剣なまなざしをむけ、会場の空気を吟味したSは、ゆっくりと頷いて口許をゆがめた。
「ちょっとがっかりされているようですな。しかし、しばし待っていただきたい。この奴隷の境遇をお知りになれば、みなさんの見る目も変わりますよ」
 Sは咳払いをひとつして、私を指さした。客の眼が、その指先を追う。
「奴隷のご主人がお見えになっております。おっと失礼、ご主人といっても戸籍上――つまり夫君ということです。このかたは、われわれのような因果な趣味を持ち合わせておられない、いたってノーマルです」
 客たちの視線に射るような鋭さが加わっていた。
「ご心配なく。趣味人ではありませんが、こちらの世界に非常に興味を持たれています。細君を私の手に委ねたのは、ご主人本人なのですから」
 室内の空気が、わずかに和らいだ。
「二年前、細君はマルチ商法にひっかかり、ご主人に内緒で借金をこさえました。返済のために、みなさんもご存じのF氏のサークルに入りました」
 F……なつかしい名だった。妻を強姦し、被虐の悦びを仕込んだ男。Sという性の求道者に妻を引き渡した男。Fの名を耳にすると、客同士が下卑た笑みを浮かべながら目配せし合っている。関西経済界に顔が利くとうそぶいていたが、このような陰の部分で暗躍しているのだろう。
「細君の借金は、一年もかからずに返済されました」
 Fと交わした密約を、Sは平然と口にした。借金は、妻が快楽に屈するための、そして私の劣情を容認するための免罪符だった。私たち夫婦が耽る倒錯の性を正当化するためのもののはずだった。それが根底から覆されたとすると、私たちは再び平凡な性に目を向けなくてはならなくなる。いや、夫婦でいられるならまだましだ。自分の卑しい興味のために完済の事実を告げなかったことを妻が知ったら……。夫婦は崩壊する。私の心を読んだかのように、Sが言葉を継いだ。
「もちろん、そのことを細君は知らされていません。ご主人はとっくに知っているというのにね」
 だめだ。破滅だ。私は意を決して舞台の妻を見た。視線があった。妻はかすかにうなずいて見せた。夫に裏切られたことに対する怨嗟も失望もなかった。
「だが、とっくに細君は完済の事実を知っていました――まあ、私が教えたんですがね」
 えげつない奴やで! と誰かがSに野次を飛ばした。数人が笑った。
「賭けでしたよ。去るもよし、残るもよし、とね。その結果が、これです」
 先生がご主人様やったんか! 野次が飛んだ。Sは鷹揚に会釈をし、俯く妻の顎を掴んで正面に向けた。
「私が調教しましたが、奴隷一匹にそう時間はかけられない。人生の持ち時間が少ないおいぼれですからな」
 Sはふいに真顔になって私を見やった。
「この奴隷は、あちらのご主人にお返しすることにします。これで、名実ともにご主人様ということになる。さあ、舞台にお連れしてくれ」
 最後の言葉が終わらないうちに私の肩と両腕に強い圧力がかかった。知らぬ間に、ダークスーツが三人、私の背後に控えていたのだった。もがく間もなく、左右の肘掛けにそれぞれの腕を縛りつけられてしまった。椅子ごと持ち上げられて客席を縫って舞台に向かった。
 目付柱を背に坐らされた私にSがゆっくりと歩み寄ってきた。にこやかな表情を客に向けたままだ。「さきほど、このご主人はノーマルと言いましたが、『今のところは』と言い直しましょう。自分では認めたがらないが、素質は大ありです。そこで、こういった性癖の実際をお目にかけて、こっち側に飛び込んできていただこうという趣向です。なにかご意見はございませんか?」
「手間とちゃいますか」中年男の声。私の位置からでは見えない。「旦那まで構うてたら、きりありまへんで」
「そう焦らんと」年輩の婦人が穏やかな声で制した。「Sさんにまかせといたら大丈夫や。私はええ趣向やと思います」
「ご心配はもっともですが」Sが言った。「このご主人は筋がいい。私が保証します。ご主人は広告代理店に勤務しておられるから、のちのちお世話になるかもわかりませんよ。同好の士やったら商談も早いというメリットもありますからな」
 職業まで暴露されたことに、私は複雑な気分になった。それになんだ? 筋がいいというのは褒め言葉か?

 それから私の眼前で繰り広げられたのは、本物のSMプレイだった。自宅で強制的に見せられたプレイにも激しく興奮させられたが、これに較べると、あれは輪姦の一バリエーションにしか思えないほどだった。
 最初は鞭打ちから始まった。
 三人の女奴隷が舞台に跪き、両手を後頭部で組んで背筋を伸ばしたところへ鞭が唸った。
 仁王と龍の二人に唐獅子の刺青を入れた男が加わり、奴隷たちの背にわずかにタイミングをずらして振り下ろした。Sが膝を折り、私の目線の高さで顔を近づけた。「あれが一本鞭のショート。ショートのほうが小回りが利くから使いやすい。編み目があるから強打は禁物だ。よほどやり過ぎんかぎり疵は残らない。様子を見ながら加減したらいいだろう」
 最初から全裸で現れた奴隷二号のK美以外、一号のR子も妻も衣類の上からの鞭打ちだった。じかに鞭を受けるよりダメージは軽いだろうと考えた私に、Sは言葉を重ねた。
「下着の上からのほうが効く場合もある。布地の繊維で皮膚がすりむけることもあるからね。だが、腕に自信がつくまでは試さないほうがいい」
(腕に自身やと? 何を言うてるんや?)
 私が妻を鞭打つようになるとでも言わんばかりの口ぶりだった。SMプレイを見せつけられただけで性癖が変わってしまうわけはない。私はノーマルだ。妻が性的に満足するシチュエーションを認めているというだけのこと。嗜虐癖はないと言い切れる。
 鞭の打擲音がコンスタントに上がる。そのたびに眉間に皺を刻んではいたが、、両腕を下ろす女は一人もいない。
「よし、ゲストに背を向けて」
 Sの命令に、三人は正座のままでゆっくりと体の向きを変えた。妻がスリップを脱いだ。鞭痕は内出血をおこし、鮮やかな条痕が幾重にも浮かんでいた。そんな背中が並ぶさまは、朱墨より紅い墨で描かれた水墨画の趣を醸し出している。
「名づけて『夕照竹林図』。お気に召しましたかな?」
 客席から湧くうなり声と感嘆の溜息が消える間もなく、三人の刺青男は鞭を和蝋燭に持ち替え、紅の蝋涙を女奴隷の背中に注いだ。女たちは身を左右によじるが、正座は崩さない。
「竹林に雨が降ってまいりましたようで。風も出てきたようですな」
 紅の雨が竹林を彩り、深紅の竹がゆらめく。能舞台と相まって淫靡と幽玄の絶妙なコントラストを立ちのぼらせる。やがて、深紅の竹林は蝋涙に覆われて消えた。
「ゲストのみなさんに見ていただこうか」
 Sの言葉と同時に、男たちは自分が担当する女奴隷の前に回ると、肩に手をかけて膝を崩させると客席に正面を向かせた。背後に膝を突くと、女の上体を倒して胸で受け止めた。両の膝頭を掴んで左右に大きく割る。
 奴隷一号と二号の無毛の股間が見えた。天井のライトをうけ、秘裂がきらめく。濡れているのだ。鞭打たれ、熱蝋を浴びただけで愛液を分泌させる女の姿は哀れだった。
 妻のショーツに男の手がかかった。両サイドの、細い布地を力まかせに断ち、用をなさなくなった布きれを取り去る。露わになったの秘裂は愛液にまみれていた。
「それじゃ見えんだろう」
 Sにうながされた三人の女は、両腕を前に回し、両の指先で左右の大陰唇をつまみ、両側に引っ張った。ピアスをつけているのは妻だけだった。一号と二号の秘部には、ピアスよりも強烈なものが施されていた。大陰唇の裏側に文字があったのだ。分泌液にさらされながらも輪郭が滲んでいないところを見ると、刺青なのだろうか。
「さあ、いよいよお披露目だ。一号から口上を述べなさい」
 一号と二号は、それぞれ隷従の証を口にした。今夜はご主人様の許可をいただいたので、どんな責めでも謹んでお受けしますというようなことを、つかえつかえ言った。
 妻の番だが、猿轡は噛まされたままだ。
「一号と二号は、ゲストのみなさんにご奉仕しなさい」
 全裸の年増は橋掛りを戻り、揚幕の中に消えた。そして、すぐに客席に現れ、四つん這いになって歩んだ。私の位置からは、息子にリードを曳かれた二号が、女性客に平手打ちを食わされるのが見えた。一号の動向は、ここからではわからない。
「三号に関しては、口上は抜きでまいりましょう。とにかく淫蕩な奴隷ですから、その浅ましい様をご覧いただくのが何よりの口上になるかと」
 舞台に立つ三人の刺青男が同時に褌をはずした。すでに陰茎は八分立ちというところか。何人、いや、何十人もの女を貫いてきたであろうペニスは暗褐色に変色し、あきれるほどの存在感と重量感を見せつけている。

 妻への弄虐が始まった。
 前戯はいっさい行われなかった。仰臥した龍の陰茎をていねいにしごいて硬度を高めると、腰を跨いで自らの手で勃起を胎内に納めた。妻の鼻翼がふくらみ、顎が跳ね上がる。ひと呼吸ほどの間を空けてペニスを肉洞になじませると、妻の腰は円運動と前後運動を合わせた複雑な動きを見せた。さらに上下運動も加わる。大臀筋が酷使されているためか、双臀の肉にたるみはない。真横からは連結部が見えないが、淫らな音で様子は容易に想像できた。
 唐獅子が妻の背後に回り、背中を押した。妻はその意味を悟り、両手を龍の胸板に突いて上体を傾けた。唐獅子のペニスは準備万端のようだった。腹とほぼ平行になるまで起き、その先端は臍まで届いている。
 龍との結合部に手を差し込み、そのぬめりをペニスに塗りたくった。粘液による艶が勃起に禍々しさを与えた。妻の尻の前に膝を突くと、唐獅子は一気にアヌスに挿入した。
 妻の鼻腔から呻きが放たれた。二十数センチはある肉幹を押し込まれたのだ、激しい苦痛に襲われているのだろう。思わず顔をしかめた私に、Sがにこやかに言った。
「痛そうだねえ。あんなものを突っ込まれた日には、壊れてしまうかもしれないね。口で息ができるようにしてやれば、まだましだろうが、どうする? 猿轡をはずしてやってもいいかな?」
 私は激しくうなずいた。「もちろんです。あれじゃ体がもちません」
「決定権はきみにある。責めはプログラムどおりに行っていくが、きみがストップをかければ、すべてが終わる。そして夫婦でお引き取り願う。これがルールだ。心得ておいてくれたまえ」
 Sが仁王に目配せすると、妻の猿轡がはずされた。口中に溜まっていた唾液がどっとあふれ、龍の胸元に糸を引いて滴った。苦痛を訴える妻の声を予測していた私は、次の瞬間、わが耳を疑った。
 悲痛な呻きではなかった。男たちのストロークにどんどん追い上げられ高ぶらされているのがはっきりとわかった。荒い吐息の合間に、懸命に言葉を洩らす。「……あう、あう……ありがとうございます。はあっ……はあっ。奴隷の穢れた穴にお情けをちょうだいして……くうっ、いい。それ、いい! ううん、ううん、当たる! 奥まで当たるの……み、身に余る光栄でございます。どうか……どうか、口もお使いくださいませ。せいいっぱい、ご奉仕させていただき……はうっ……」
 妻は首をねじり、私に顔を向けた。細められた眼には欲情の膜がかかっている。
「きみに訴えてるんだよ」
 耳許でSにささやかれ、私は我に返った。
「うなずくだけでいい。いやなら『ストップ』と一言」
 妻の視線を受け止めると、私はうなずいた。即座に、仁王の剛棒が妻の口を犯した。三本の肉杭を受け入れた妻は満足げな吐息を鼻腔から洩らしながら奉仕に没頭しはじめた。
 短時間の間に二度、三度と上りつめる妻に、私は奇妙な感情を抱いた。それは羨望だった。私以外の男と交わることで妻の性欲が深く満たされるならそれでいい、と懐の広いふりをしていたのは単なる強がりだった。私の中の嫉妬心が強い性欲を引き出してくれるのではないかと、Sに委ねた私の浅はかさを呪った。
 妻はすでに以前の妻ではない。口、性器、肛門を開発され、貪欲に男を受け入れる性の囚人になり果てていた。命じられるがままに奉仕することで、自らの性的エナジーを充電する。それはまさに桃源郷に遊ぶ心地だろう。エクスタシーという目的のために肉体と精神がみごとに融合していた。
 羨望を超えて、嫉妬すらおぼえた。発情を自在にコントロールできるばかりか、欲情を満たす肉体を持つ妻に対して。常に欲情することなど、私には無理だ。四六時中、勃起を持続することはできはしない。
 五度目の絶頂を極めると、妻は気を失って龍の胸に突っ伏した。
「何度見ても、たいしたもんだよ」
 Sが溜息をついた。
「ほら、尻だけは蠢いている。肉体のみで勝負しても、男に分はない。だから、私たち男は姑息な手に出るというわけだ。SMしかりスワッピングしかり」
 舞台では、男たちが妻から身を離しつつあった。ゆっくりと引かれる唐獅子の腰を、妻の双臀が追うそぶりを見せた。あきれるほどの貪欲さに、私は固唾を呑んだ。
「心配はいらない。きみの出張中、毎日のように若い衆に突っ込ませていたが、むしろ締まりは良くなっているそうだ」
「いや、そうじゃなくて、ちょっと圧倒されてしまって……」
「調教記録をさんざん見てきただろうに」
「生では一度しか見たことがないもので」
「そういうことか。まあ、じっくり楽しむことだ」
 舞台の男たちがロープを手に、妻に取り付いていた。客席から悲鳴が上がった。見ると、奴隷二号が獣の体位で客に犯されていた。二人の脇に佇む上品な女性客が、十センチほどの針を無慈悲に一号の尻に突き刺している。
 その二列奥に奴隷一号がいた。椅子の上でのけぞるような格好をした男性客の股間に巨大な双乳を押しつけている。俗にいうパイズリを行っているのだろう。
 周囲の客たちは椅子から立ち上がることもせず、奴隷の奉仕ぶりを眺めたり、舞台に目をやったりしている。
「さあ、第二弾が始まるよ」
 Sにうながされて舞台に視線を戻した。
 妻はM字に開脚した状態で緊縛されていた。腹部から胸にかけて亀甲模様が並ぶ。さらに縄は乳房の麓をきつく縛り、双乳を絞り出していた。その頂の突起は、これ以上ないほどに固くしこっている。背後で妻の体重を支える龍が、その痛々しい乳房を揉み込んでゆく。
 新たな快感に陶酔の表情を浮かべはじめていた妻の鼻先に、唐獅子が黒い棒を突き出した。それを自由な両手で押し頂くと、妻は私に面を向けた。
「ご主人様の……ち、ちんぽはもったいのうございますから、この淫らな道具で卑しいおまんこを罰してもよろしゅうございますか」
 妻は私に向かって黒い男根そのものの棒を掲げて見せた。
「特別製の張型だ」Sが言った。「黒人のものを型取りしたものでね、感触、芯の固さまで克明に再現してある。全長三十センチ、直径十センチ」
 私がうなずくのを待ちかねたように、妻はその凶器で自らの女陰を突いた。
「……ふううっ、あう! 太い。無理です。こんなの、入りません。どうか許して、許してください。こんなものを入れると女のお務めができなくなります。お、お許しください」
 無理にやることはない、と口に出かかったが、私の脳裡を浸食しはじめた邪悪な興味と想念がそれを封じた。私の口からは、正反対の言葉が滑り出ていた。
「だめだ。甘えは許さん」
 妻の目に、安堵と諦めの色が交錯したように見えた。
「申し訳ございません。入れさせていただきます。それでお許しいただけますか」
 私は首を横に振った。
 仁王と唐獅子が妻の左右に跪き、両乳首に洗濯ばさみを噛ませた。妻の絶叫が上がった。さらに、左右の大陰唇も洗濯ばさみの餌食になり、新たな叫び声が湧く。それぞれの洗濯ばさみには紐が結わえ付けられており、その先は仁王と唐獅子の手に握られている。
 激痛に耐えながら、妻は両手で握りしめたディルドウを小さく前後させながら秘裂に押し込みはじめた。
「あああ、入ってくる。黒人のぶっといちんぽが入ってくる。裂けそうなの、でも、それがいいの! いいの!……」
 紐を持つ二人は、絶妙のタイミングで妻を快楽の淵から現実に引き戻す。龍も、乳房を揺らしたりしながら仲間の意図を効果的にサポートする。
「ひいいいい……くうっ、痛いの! お願い、いかせて、罰は後で受けますから、お願い! 今はいかせてえええええ」
 哀願とは裏腹に、妻はゆるみきった口許からよだれの筋を幾重も落とし、眉間に皺を刻みながら快楽に身を委ねつつある。妻の脳の中では屈辱感と羞恥心を触媒に、痛覚が愉悦へと変質しているのだろう。
 ディルドウの動きがスムーズになっている。沸き立つ淫液が卑猥な粘着音を響かせる。龍に下から貫かれていたときとは較べものにならないほど猥褻な音だった。
「いきそうだな」Sは、私の腕のロープをほどきはじめた。「どうする? あっさりいかせてもいいのかね」
「さっきたっぷり満足させてもらったようですから、これ以上は贅沢というものでしょう」
 Sは顔に笑みが広がった。「何がいい?」
 私は椅子から腰を上げた。「針をください」

 素人の私は、Sの指導を受けて初めての針責めを行った。
 最初の一刺しには緊張したが、二本、三本と注射針を刺すうちに、この責めの虜になった。乳房はもちろん、太腿にまで針を打った。以前に龍と仁王が使ったまち針とは異なり、シリンダーにジョイントするためのパーツが並ぶさまは美しくすらあった。
 二十一本めの針を刺された瞬間、妻が達した。粘液ではない分泌物を、模造男根に押し広げられた秘裂の上部から噴き上げた。
 その光景を目にした瞬間、私は激しく哄笑していた。その衝動がどこから出てきたものか今もってわからない。ついに何かを突き抜けたという達成感だけはあったような気がする。

 それから数時間にわたって、能舞台と客席で乱交が繰り広げられた。
 九人の男性客が三人の女奴隷を、あらゆるやり方で陵辱した。三人の女性客は、ときおり女奴隷にちょっかいを出すことはあったが、だいたいは刺青男やダークスーツのスタッフたちに組み伏せられ、飽くことなく肉欲を貪っていた。
 私は、九人の趣味人の責めを見学した。年季の入った責め具を持ち込んで使う者、素手のみで巧妙な責めを行う者、さまざまだった。
 やがて、狂宴の熱気も落ち着いた頃、客席の真ん中に一枚のマットレスが敷かれた。スタッフの手によって、その周囲に椅子が並べられた。身繕いをした観客が着席するのを見計らって、Sが言った。
「奴隷三号の刻印の儀を執り行います」
 荒淫にぐったりとした妻が、スタッフの手によってマットレスの上に寝かされた。作務衣姿の痩せた老人が、妻の腰のあたりに木製の道具箱を置いた。
「では、ご主人。どこに、どのようなものをお入れになりますか?」
 かしこまった表情と口調で、Sが私に訊いた。
「何を入れるんですか?」
 私の質問に、客の一部から小さな笑いが洩れた。
「墨を入れます。あなたの所有物である証に。奴隷一号と二号が入れているのをご覧になったはずだ」
 年増の大陰唇に刻まれていたのは、やはり刺青だったのだ。Sからすでに引導を渡されていたのか、妻の表情に驚きはない。穏やかな表情を浮かべて私を見上げている。
 私に否やはなかった。夫婦という法的な絆よりも固いもので、私たちは結ばれようとしているのだ。ご主人様と奴隷という呼び名は芝居じみてはいるが、互いの欲望を尊重する関係を示すにはこれ以上的確な名称はない。
「“爛”――“ただれる”の爛を、恥丘に」
 客の間から溜息が洩れた。
 そして、私は妻が好きな色を思い出して付け加えた。
「紫陽花色でお願いします」
 作務衣の老人が和紙に“爛”と記し、私に確認した。
 私はしっかりとうなずいた。

今回も長々と書いてしまい、申し訳ありません。次回で私たち夫婦の告白を終わらせていただきます。では、後日。
  1. 2014/07/30(水) 08:00:45|
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贖罪 第22回

【#22 空白】
 九月に入ったばかりの頃、部長からあるプロジェクトの立ち上げが発表された。エコロジー企業のコンベンションを二月に大阪で開催するというもので、私は折衝担当者として特別チームに出向することになった。参画予定企業は大小とりまぜて約二百社。この手のイベントの成否をにぎる鍵は折衝だ。部下三名を得た私は、さっそく折衝のためのスケジュールの作成に取りかかった。一週間後には、北は北海道から南は沖縄まで散在するクライアントに赴かなくてはならない。

「そう。だったらしばらく秘書をおやすみさせてもらう?」
 プロジェクトの件を告げると、妻はすぐに言った。
「けんちゃんの留守に、勝手なことはしたくないし」
 妻の言葉が意外だった。私がいようがいまいが、Sとの秘書契約が継続するのは当然だと思っていたからだ。
「べつに勝手なことやあらへんやろ」私は部屋着に着替えて食卓についた。「内容はともかく、仕事は仕事なんやから」
 一拍おくれて、妻の顔に笑みが広がった。「新しいことを始めたいんやて、Sさん。けんちゃんが出張やて知ったら、帰してくれへんかも」
「おれはええよ、それでも。一人で留守番してるより、はるかにましやろ。おれかて、おまえがどう変わるか楽しみやし」
 実際、ハワイの随行以来、これといった調教を妻は受けていない。Sの年齢と多忙さを考えると、ハードな調教がそうそう行えるわけはない。こんなものか、という思いが私の中に生じはじめていた。荒っぽいところはあったが、マルチ商法の元締のFが誘ってくれた世界のほうが私たち――いや、私にとっては刺激的ですらあった。
 しばらく間を空けたほうがいいかもしれない。“新しいこと”がどのように妻を変えてくれるのかを楽しみに、仕事に没頭してみよう。
 その夜、私はSにメールを書いた。しばらく仕事に忙殺されるため、妻をぜひにも帰宅させるにおよばないこと、調教内容に関して逐次報告にはおよばないこと。そして最後に、万一のことを考えて「先生のこれまでの調教スタイルを顧みますと、妻をおまかせして何ら不安はございません。なにとぞよろしくお願いいたします」と、やわらかく釘をさしておいた。
 翌週から、私はほとんど自宅に帰れなくなった。たまに帰れても、妻はつねに不在だった。

 ビジネスホテルに帰り着き、寝酒を呑んでいるときなどに、ふと妻の顔が浮かぶことがあった。無性に声が聞きたくなって電話してみるのだが、いつも妻はいなかった。Sにメールを入れてもよかったのだが、どうせからかわれるのがオチだ。そのうち酔いが回り、私は寝てしまう。そんな日々が、二か月ちかく続き、折衝の仕事はひととおり終わった。
 明日、自宅に帰る旨のメールをSに入れ、私は簡素なホテルでひとり祝杯を上げた。

 午前中に大阪に戻り、半日かかって報告書を仕上げた。プロジェクトを仕切る部長のパソコンにファイルを送ると、お役ご免だ。今日は金曜。妻と外食をするのもいい。いや、ケータリングサービスもいいかもしれない。
 会社を出てすぐに妻の携帯電話へ電話した。
 コール音を十回数え、通話スイッチを押そうとしたとき妻の声が聞こえた。
「もしもし」
 ひさしぶりに聞く妻の声は新鮮だった。あわてて電話を取ったのか、息が弾んでいる。つきあい始めた頃の初々しい妻を連想した。
「おれや。ついにドサまわりが終わったよ。今、社を出たところ。どっかで待ち合わせてディナーでもどう?」
「………」
「残業でもあるんか?」
「今夜は人妻奴隷としてのお披露目があるの」
 私は絶句した。
(人妻奴隷……やて?)
 アダルトビデオかピンク映画のタイトルのような単語を平然と口にする妻に、私は激しい違和感を抱いた。この二か月で、おまえはどう変わってしまったのか。何をされたんだ。訊きたいことが一斉に脳裡に噴出した。だが、私は言葉の接ぎ穂が見つけられないでいた。
「逆瀬川くんか。仕事、たいへんだったね」Sの声だった。「こっちも今日に合わせるために必死だったよ」
「ああ、どうも。今日に合わせるって、どういうことなんですか」
「来てもらえればわかるから」Sは楽しげな含み笑いをもらした。「会場ではアルコールと軽食しか出ないから、何が腹に入れてきたほうがいい。なにしろ長丁場だしね」
 会場と時間を告げると、Sは電話を切った。

 その料亭は、中央区のオフィスビルのはざまにあった。午後七時前だというのに暖簾も下がっていない。生垣と玄関先の盛り塩がなければ見落とすところだった。
 格子戸に手を伸ばしかけたとき、内側から勢いよく開かれた。ダークスーツに身を包んだ短髪の青年が掬い上げるような目を向ける。
「こ、こ、こんばんは。逆瀬川と申しますが」男の体から立ち上る異質な雰囲気に圧されながらも名乗った。「S先生から、こちらに伺うようにと言われまして」
 男の顔に、一瞬にして愛想笑いが広がった。「どうぞ、こちらへ」
 長い廊下の左右に襖が並んでいた。磨き込まれた廊下に、往事の繁盛ぶりの名残を見ることができる。かすかに湿り気を帯びた空気に、時間の堆積が放つ体臭のようなものが混じっていた。
「気をつけてください。狭いですから」
 男は、階段の脇に立ち、先に行くようにうながした。
 階段の上からは、中年以上とおぼしき年配の低い声が談笑している。悪い予感が、階段を一段上るごとに高まる。ここは鉄火場に違いない。親分衆の前で賽子が舞い、壺が振られる。動悸が激しくなるのがわかった。もう引き返せないのか。いったいどこで狂ってしもたんや!
 階段を上りつめた私は、目の前の光景がにわかには信じられなかった。
 二階は板張りの大広間だった。部屋の奥には小さいながらも能舞台がしつらえてある。能舞台に向かって椅子が十数脚置かれ、その半分が先客に占められている。談笑していた男たちは、私の存在に気づくとにこやかに会釈した。ぎくしゃくしながら、私も礼を返した。
 いつの間にか階段を上ってきていた案内役の男が壁際の椅子を勧めた。
「お飲物は何がよろしいでしょうか」
 水を、と答えるのが精一杯だった。先客の幾人かには見覚えがあった。関西を代表する企業の経営者だった。もちろん面識はなく、経済誌や新聞で顔を知っているだけだが。
 午後七時、椅子はすべて埋まった。私も入れて総勢十二人。男九人、女三人。だが、Sと妻の姿はその中にはなかった。
 室内の照明が落とされた。能舞台が薄暗がりの中に浮かび上がる。
 五色の揚幕が跳ね上がり、三人のダークスーツ姿が橋掛りから鏡板の前へと移動した。本式の能楽堂よりすべてのサイズがひとまわりほど小さいため、鏡板に描かれた松が男たちの背後に隠れてしまった。
 客たちのおしゃべりがやむのを見計らったように、初老の男が橋掛りをしずしずと進んだ。六十を超えているが、背筋は伸び、上等なスーツに着負けしてはいない。本舞台の中央に立つと、客に向かって深々と腰を折ったのちに口上を述べた。老人の挨拶から、この集いの概要をつかむことができた。
 会場、会員とも固定されていないこと。また、不定期に開催され、年に一度のこともあれば三度行われることもある。この会に関しては口外厳禁であること。そして最後に「この能舞台は、さる好事家が昭和初期に造ったものやそうです。銀行に渡って取り壊される寸前、私が買い取りました。能狂言の素養はありませんが、このような会には風情があってよろしゅうおまっしゃろ。まあ、今夜は浮き世の憂さを忘れて、せいぜいお楽しみください。以降の司会進行はS先生にお願いしております」と言って頭を下げた。
 老人と入れ替わりにSが舞台に立った。ユーモアをまじえたなめらかな口舌で客の緊張をほぐし、本題にずばりと入った。
「一盗、二婢、三妓、四妾、五妻と申しますが、やはりわれわれの劣情を刺激してやまないのは人妻です。これは一般的な色事だけでなくSMにも共通する原理ですな。おっと、申し訳ない。ここにいらっしゃるみなさんは、先刻ご承知でした。今夜は、私の“人脈”から募りました人妻奴隷を、みなさんにご覧いただきます。さらには品評会、試用もお願いいたしますので、じっくりお楽しみください。では、奴隷一号、こちらへ!」
 全員の目が揚幕に吸い寄せられた。
 私は歯を食いしばった。人妻奴隷とは、こういう趣向だったのか。これが調教の到達点なのだろうか。密室で数時間かけてなぶることではもはや刺激は得られないのか。嗜虐と被虐が絡み合う底知れぬ深みに、私は身震いした。この二か月の空白が、妻を完全に変えてしまったのだろうか。品評会? 試用? 人間に対してこのような単語が当然のように使われる場があることじたい、理解できない。
 揚幕が上がった。女が現れた。妻ではなかった。
 初冬だというのに、黒のタンクトップに同色のショーツという姿だ。年格好は四十半ば。年齢に似合わず、たるみのない異常に巨きな乳房が黒い布地を押し上げている。その頂には固くしこった突起が浮き出ていた。
 Sは中年女の後ろ髪を掴み、客席に向けて顎を上げさせた。派手な顔立ちだが、容色は衰えはじめている。だが、荒淫の蓄積による妖しい色香がそれをおぎなって余りある。
「さる新進電子メーカー社長の細君であり愛奴のR子です。十年前から豊胸術を受け、現在では百二十センチを達成。この見苦しい胸を揺すりながら夫君のビジネスをサポートしているとのことです。さあ、ゲストの皆さまに、そのいやらしい体をお見せしなさい」
 しばしのためらいののち、R子は黒いショーツを脱いだ。陰毛はきれいに剃られ、恥丘のかなり上部にまで切れ込んだ秘裂からクリトリスの突起が見えた。
「ほほう。下よりも胸を晒すほうが恥ずかしいようですな」
 Sの揶揄に、客席から笑い声がわき、「牛みたいな乳を見せてみろ!」という野次が飛ぶ。
 唇を固く結ぶと、R子は意を決してタンクトップを脱ぎ捨てた。
 美容整形医の腕がよほどよいらしく、双乳は自然なフォルムを保っている。へたな豊胸術にありがちな固さやいびつさはない。羞恥心からくる細かいふるえが両の乳房をゆさりと揺らす。直径七、八センチはある褐色の乳暈の中心に、大人の親指大の乳首が勃起していた。
 客席に感嘆の溜息が広がった。
 Sの指示を受けた若い衆が、天井の梁にロープを投げ、手際よくR子を吊った。両手首と爪先だけで体重を支えるR子の全身にうっすらと汗が浮いた。ハンドボールほどの大きさに見えた乳房が、吊りに強調されてサッカーボールほどに見える。
「縛りやのうて、吊りで来るとは」私の前に座る初老の男がうなった。「Sさんは心得てはるわ」
「では、奴隷二号をご覧いただきましょう」
 ゲストたちの視線が揚幕に注がれた。
 トレーナーにチノパンツ姿の男が現れた。三十代前半。年輩者の目立つ客席に向かって小さく頭を下げる姿が初々しい。堅気の会社員にしか見えない。
 橋掛りを数歩踏み出した男の右手から伸びたロープがぴんと張った。まるで犬のリードのように、男が邪険にロープを引っ張ると、跳ね上げられた揚幕の下から全裸の女が現れた。いや、正確に言うと、ロープを結わえられた革製の首輪、乳房をくびり出す麻縄を身につけていた。
 Sは男を手招きしながら、客席に険しい顔を向けた。
「許されざる関係に溺れるK美は、五十一歳。夫は商社マンで、東南アジアに赴任中です。そこの彼とは不倫の関係ですが、ただの不倫じゃない。家庭内不倫というか、近親相姦というか……」
 理解できない、というふうに眉をひそめてかぶりを振った。
「つまり、血を分けた息子さんと十八年間にわたって淫らな関係を持っているのです。信じられますか、みなさん。この青年が十二のとき、母親のほうから誘惑したんです。だが、長男のほうが一枚も二枚も上手だった。果たして、今では息子の愛奴になりさがったというわけです」
 舞台の中央に立つ青年がリードを手繰り、母親を自分の前に押し出した。
「Tくん、今日はありがとう」Sが青年の肩をやわらかく叩いた。「これまで、細君を息子と交わらせるご趣味の方は何人かご登場願ったが、息子本人が奴隷でもある母親を連れてきたことはない。この会の歴史に残る。ありがとう」
 客席から拍手が起こった。
「それでは、この恥知らずな母親がどのようにきみを誘惑したか、そして、きみがどのように調教したのか聞かせてもらえるかな?」
「お言葉ですが、それは私の任ではありません。雌犬こそ、それを語るにふさわしいと思いますが」
 Sは哄笑した。「もっともだ。わかってるねえ、きみは」
 やれ、という青年のひと言でK美はその場に正座した。うなだれ、肩を小刻みにふるわせていたが、リードのストラップでうなじを打擲されて顎を上げた。真一文字に引き絞られた唇がわななき、涙の筋が頬を濡らしていた。

 それから約一時間ほどかけて、近親相姦から実の息子の奴隷となるまでの一人語りが続いた。ゲストたちは私話を交わすことなく淫靡な告白に聴き入っていた。私はといえば、妻がどのように舞台に引っ立てられどのような玩弄を受けるのかということばかりが気になり、K美の話に集中できなかった。
 K美は語り終えると、顔を上げたまま号泣した。
「罪深い私を、厳しく罰してくださいませ! 夫もうすうす感づいていて、赴任先で現地の女性と暮らしています。Tご主人さまは、もう私の体に飽きたと明言されております。ご主人さまに見放されたら、もう行く当ても暮らすあてもございません。ご主人さまに私の誠意をご覧いただくために、どんな罰にも耐えます。どうか、私に厳しい折檻をお願いします」
 ここまで人間、堕ちることができものだろうか。商社マンの妻として家庭を守り、すでに老後の人生設計も視野に入れて生活を充実させているであろう女が衆人環視の中で吐く言葉ではない。息子の手によって、肉体的な反応ばかりでなく精神も完全に調教されている。こんなことがありうるのだろうか。
 だが、これは現実だ。現に、私の妻だってSの調教に染まってしまい、体のあらゆる部位で男や女の性欲処理を行っている。痛覚を快感に、屈辱を愉悦に、いとも簡単に変質させる回路が日々、太く複雑になっていたではないか。
『こっちも今日に合わせるために必死だったよ』。
 夕刻のSの声がよみがえった。
 この二か月間で、何かが大きく変わったのだ。妻の精神を改造し終えたということか?
 こんなことなら、調教の予定と経過の報告をSに要求すべきだった。全面的に妻を預けるなんて、安易なことをすべきではなかったのだ。約六十日間の空白がもたらした結果が、もうすぐ明らかになる。
 息子にリードを曳かれ、四つん這いで舞台の奥に移動する女のみじめな姿を視野の端でとらえながら、私は来るべき衝撃にそなえて固唾を呑んだ。

まとまった時間が取れると、ついつい長文になってしまう悪い癖が今回も出てしまいました。掲示板を利用されている皆さま、ひいては管理人さまにはご迷惑をおかけするかと存じますが、なにとぞご容赦を。
初めてお邪魔させていただいてから、すでに一年。あと一、二回で、私の告解を終わらせていただきます。よろしくお付き合いくださいませ。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:58:39|
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贖罪 第21回

【#21 隷従-3】
 リビングダイニングの窓からは、ぐんぐん成長する入道雲が見えた。すでに午後四時を過ぎていたが、まだ戸外は昼間の勢いを保っている。
「けんちゃん、ちょっと寒い」
 無理もない。妻は全裸のままで語りつづけていたのだ。
 私はエアコンを切り、窓を開けた。蝉の鳴き声とともに熱気が流れ込んできた。
「それで?」私はソファの前の椅子にふたたび腰をおろした。「昼間はどうしてたの」
「ビーチで日光浴。くまなく焼くようにとSさんに言われてたから」
「だいじょうぶなんか? いくらプライベートビーチいうたかて……」
「マングローブや椰子で目隠しは完璧やったけど、メイドさんやガードマンの目は防げへんかった」
 ゲスト滞在中は、日中でも一人はガードをつけているという。日本人の中年女が無防備な格好で日光浴をしているのを見つけた当番のガードマンは、仲間を呼び寄せた。いかつい体格のポリネシア人に全裸で抗議するのも怖く、卑猥な視線を浴びながら、デッキチェアに横たわって不本意なポーズを取りつづけた。
 午前中二時間、午後三時間。噴き出す汗を、ときおり海水浴で洗い流しながら強烈な太陽光線に晒された。
「大変やったな」私は心から同情した。「日焼けって、けっこう疲れるやろ」
「たっぷり食べたから、疲れも平気」
 朝はクラブハウスサンドイッチ、昼はビーフステーキと茹でたロブスターとたっぷりのフルーツ。ふだんは魚ばかり食べている妻だが、ハワイ滞在中はえり好みせずにすべて平らげたらしい。
「それに、しんどいなんて言うてられへんもん。夜のおもてなしが待ってると思うと」
 義務感? それとも期待感? 妻の表情から読み取れるのは、明らかに後者だった。初対面の男たちの性欲処理をすることに、すでにためらいはみられない。

 その夜、ゲストハウスに集ったのは、S、コバヤシ、そしてイチノセと名乗る日系人男性。年齢は三十代半ば、日に焼けた顔と白い歯が精悍さを醸し出していた。
 ハワイの大学で経営学を学び、あまりの居心地の良さに現地女性と結婚してグリーンカードを取得したという。ホテル業界では頭角を現しつつある青年実業家だ。
 妻は一糸もまとわぬ姿でテーブルに仰向けになり、生きた塑像となっていた。妻の存在をまったく無視したまま、三人は本題に入った。
 話題は、イチノセが新たに始める会員制ホテルに関するものだった。ワイキキなどにある大衆的なホテルはすでに飽和状態だ。薄利多売よりも、これからは趣味性の高いサービスを少数の客に提供するほうが得策ではないかというのだ。目をつけているのは、ハワイ島。ビッグ・アイランドと呼ばれるほどの面積をもっているからVIPのお忍び旅行には最適だ。
「ただのお忍び用ではありません」
 イチノセが声をひそめた。
「特殊な趣味の方々向けのホテルにするつもりです。S先生のようなご趣味に合わせた」
「SM……かね?」
「はい。こちらの方面には疎いものですから、先生に現実的な見通しなどをご教示ねがえましたら幸いです」
「それは買いかぶりというものだ」Sが笑った。「ただの好色な年寄りですよ」
「ご謙遜を」イチノセは初めて妻を凝視した。「素人の女性――それもハウスワイフにここまでさせられるとは、大したものです」
「わかりました。聞くだけ聞かせていただきましょう。あなたのアイデアを具体的に話してみてください」
 三人の話が終わったのは、二時間後だった。

「その間、テーブルでじっとしてたんか」
「………」
 妻は急に口をつぐんだ。日焼けしていても、頬がみるみる染まってゆくのがわかる。
「分かちたいんや。快楽も屈辱も」私は誠実さを装ったが、内心では、ここまで調教された妻がまだ隠したがることがあるのが驚きだった。そして、暗い期待感に心がふるえた。「けど、どうしても話したないいうんやったらしかたないな」
「からだを責められるのは、まだ我慢できるけど……」
 伏し目がちのまま、妻は口を開いた。

 イチノセの話をひととおり聞き終えると、Sは満面の笑みを浮かべた。
「暴利を貪らないかぎり成功するね。オーナーにSMの気がまったくないというのが気に入りました。お手伝いさせていただきますよ」
 Sの言葉に、青年実業家ははじかれたように立ち上がり、深々と頭を下げた。
 笑みをくずさず、Sが訊いた。「ところで、あなたはSMに対してどのようなイメージを抱いていますか」
 イチノセは首をかしげながら、率直な言葉をもらした。「まったく興味がないものですから、わかりません。女王様とか鞭とか蝋燭とか……俗っぽくてすみません」
「大いにけっこう」Sは腰を上げ、小さくなっている青年実業家の肩を叩いた。「あなたはサービスに力を注げばよいのです。客と一緒に興奮しているようじゃ困る。だが、まるきり無知というのもどうかな。ちょうどいい、SMがどういうものか、簡単にレクチャーしてあげよう」
 Sは妻に命じて二階のベッドルームからノートパソコンを取ってこさせた。
 三人掛けのソファの真ん中に座る妻の左右にイチノセとコバヤシが腰を下ろす。
「操作はわかるな?」ソファの背後に立つと、Sは妻に言った。「行きのジェットでマスターしただろうからな。まず“Training”というフォルダを開きなさい。サムネイルをお見せして、お二人にご説明しなさい」
 妻の軽やかなキータッチの音が、高い天井に響いた。
 ディスプレイいっぱいに、写真がサムネイル表示された瞬間、イチノセとコバヤシが小さく息を呑んだ。
「せ……説明が必要な写真がありましたら……」消え入りそうな声で、妻が言った。「……おっしゃってください」
 むき出しの両肩に太い鼻息がかかる。イチノセからはビジネスのヒントを見逃すまいという意気込みが、コバヤシからは加速する劣情が感じられた。
 拘束、性具、責め具のそれぞれにあらゆるバリエーションがある、それに対する性感もさまざまであることを、つかえながら説明した。一昨日、飛行機の中で見たばかりだというのに、新たに湧きあがる淫らな感情に抗することはできなかった。男たちの眼を意識することで、写真の一葉一葉が新鮮に生まれ変わるようだった。
 だが、子宮に痛痒をもたらす甘美な刺激に、イチノセの質問が水をかける。ロープと革の感触の違いはどうなのかとか、ロープならどんな種類のものがいいのかとかを妻に問い、Sには拘束のベース材の強度や常備すべき抗生物質や消毒薬等を訊ねる。
 拘束に快適さなど求めてはいない妻はあいまいな感想しか返せなかった。一方、Sは多彩な事例を示しては的確に誠実に答えていった。
 二時間もその状態が続くと、妻はついに限界に達した。子宮口は下がりきり、肉洞がうねっては襞に溜めた愛液を押し出す。四弁の陰唇はふくらみきり、ピアスによって包皮から露出させられたクリトリスが硬くしこる。括約筋を絞るだけでオルガスムスが得られそうだった。
「おねがいします」ディスプレイにうつろな瞳を向けたまま、妻が言った。「……い、い、いかせてくだ……さい」
「だめだ」
 Sが即座に言った。
「イチノセさんが真剣に質問しているのに、なんだ、そのはしたなさは。男に媚びればすべて許されると思っているのか。続けなさい」
「一度でいいんです。それからちゃんとご説明させていただきますから。ああ、おねがいします……一度でいいんです」
「くどい。続けられんというのなら、守衛に下げ渡す。朝までビーチで可愛がってもらえ」
「そ、それだけは!」
 褐色の膚、力士といっても通用しそうな体格、特殊な訓練を受けた者だけが放つ緊張感を妻は思い出し、激しく首を振った。そんな男たちに夜を徹して貫かれたら、女としての機能が破壊されかねない。
「さあ、どうする?」
「申し訳ございません。二度とわがままは申し上げません。お許しください」
 妻は蒼白になりながら、キーボードに指を伸ばした。
 夜が白みはじめた頃、妻の願いがようやくかなえられた。
 ホテルに関する詰めを真剣に話し合うイチノセとSのかたわらでコバヤシが下半身だけ裸になった。陰茎は勃起しきり、尿道口から透明な粘液が吐き出されている。
 ひざまずいて肉棒に口技をほどこそうとした妻に、コバヤシは切迫した口調で命じた。「尺八はいい。さあ、ソファに乗って」
 一人掛けのソファの座面に妻は膝を突き、椅子の背を両手で抱きかかえるポーズをとらされた。
「そうだ。よし、もっと尻を突き出して……うん、そうそう」
 背後から妻のウエストを掴み、一気に挿入した。
 一瞬で妻はオルガスムスに達した。逸っていたにしては、コバヤシはもちこたえた。われにかえった妻は、肉洞の中で間欠的に脈動する男根を感じ、幸福感をおぼえた。
「ありがとうございます。とってもようございました。コバヤシさまもいってください」
「『いってください』か」コバヤシは侮蔑のこもった声をもらした。「端女のくせに、なんという口のききようだ。昨夜は遠慮していたが、さっきの写真を見てよくわかった。おまえはただの道具だ。ブロージョブとカントとアスホールで男たちの性欲を満たす道具だ。もっと締めろ、ほら、まだ締まるだろう」
 妻は懸命に括約筋に力を込めた。締めるたびに男根の凹凸や亀頭冠を粘膜で感じ、そこから愉悦が湧いてくる。
「ああ、だめです。これ以上は……あうっ」
「馬鹿者!」
 怒声とともに、臀部を平手打ちが襲った。二発、三発と一定間隔で打ち込まれるたびに反射的に括約筋が収縮する。それがまた快感を激しく活性化させる。
「この程度じゃ蚊が止まったほどにも感じんぞ」
 妻はコバヤシの真意を悟った。膣の圧力だけで射精を迎えようとしているのだ。その証拠に、コバヤシは抽挿をいっさいしようとしない。最初のひと突きのまま、男根の位置を維持している。
「つ、つ、突いていただけませんか。このままでは、コバヤシさまを満足させることができません。お願いしま――うんっ!」
 アヌスに異物が押し入ってきた。とっさに振り向いた妻は、異物の正体を見た。コバヤシの右手の親指が臀の合わせ目に第一関節まで埋まっていた。反射的に前部の肉洞が締まる。
「いいぞ、その調子だ」
 コバヤシの機嫌のいい声が響く。
「よし、これでどうだ」
 若いころ野良仕事や建設作業に明け暮れていたことを示す、節くれだった指が根本まで埋められた。
 妻はのけぞった。肛交にはようやく馴れ、快感を得るすべを心得ていたが、いずれもペニス相手だった。骨という固い芯を持つ指で強引にえぐられたことはない。
「おお、締まる締まる」
 うわごとのようにつぶやきながら左手で妻の秘裂をまさぐり、おびただしい愛液を掬い取って肛門にまぶす。
 深く突き刺さった親指は直腸の中で鈎のように曲げられ、粘膜を押したり掻いたりした。
 肛交からでは得られない鋭い快感が、妻の脳髄を突き上げる。
「あうっ、あうっ、いい。いい。これ、いい。やめないで……ああっ」
 ふいにコバヤシの嬲りがやんだ。腸内の親指が伸びた。新たな圧迫感が肛門に加えられた。左手の親指を挿入しはじめたのだ。背中合わせとはいえ太い指が合わさると四、五センチにはなる。
 妻は咽喉の奥で呻いた。みずからの淫液が潤滑剤になっているとはいえ、ぎしぎしという軋みを感じた。口から息を吸い込みながら括約筋の力を抜いた。
「入ったぞ!」
 その声に、イチノセとSが振り向いた。
「すごいですよ、S先生」コバヤシは顔を輝かせた。「アスホールに親指が二本」
 またか、というふうにイチノセが苦笑した。「S先生、気になさらないでください。コバヤシさんの趣味なんですよ。気に入った女には、あれをやらないと気がすまないんです。いわば、マーキングですね」
「口がわるいな」Sが楽しげに笑った。「犬や猫じゃあるまいし。しかし、気に入っていただけてよかった。ミスタ・コバヤシ、われわれの滞在は今晩までです。存分に楽しんでください」

「で、どうなったんや」
 私は先をうながした。
「エアコンつけてくれる?」妻はけだるそうに額に片手を当てた。「汗出てるわ。ちょっと火照ったんやね」
 窓を閉め、エアコンのスイッチを入れると、ふたたび妻と向き合った。
 その日、妻はコバヤシの両手の人差し指を含めて四本の指を肛門に受け入れさせられたという。その間、妻は数え切れぬほど達し、膣に打ち込まれた肉杭を粘膜で食い締めつづけた。
 コバヤシは最後に激しく射精し、粘液のつぶてを子宮口に注いだ。
「それで終わり? イチノセは?」
「最後まで指一本ふれなかった」妻の表情に落ちるかすかな落胆の影を私は見逃さなかった。「そんな彼に、Sはとても満足していらっしゃるようやったわ」
 翌朝からフリーになったSは、妻を伴ってハワイ島のリゾートホテルに滞在した。イチノセのアイデアを検証するためか、昼間はレンタカーを駆ってさまざまなビーチを訪れた。人気のないビーチでは妻を全裸にして秘部まで日光に晒させた。夜は、性交奴隷としてのマナーを諄々と説き、妻に実践させた。
 ハワイ旅行は、妻を本物のマゾに造りかえるための第一歩だったのだ。
 妻の痛々しい日焼けを気づかっている場合ではなかった。妻は、皮膚のひりつきにSとの旅の名残を感じ、生まれ変わりつつある自分への愛しさを心に刻みつけていたのだということに、私は気づかなかった。

三回に分割したうえに、前回から間が空いてしまい申し訳ありません。書けないときでもできるだけお邪魔させていただいておりますが、みなさんのお話につい引き込まれて読みふけっていることもしばしば。すばらしいサイトだと思います。不定期ではありますが、皆さまの末席に連ならさせていただける幸福を噛みしめております。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:56:50|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第20回

【#20 隷従-2】
「さて、まずはご婦人の素性からうかがいたいものですな」
 リビングに入ると、コバヤシはフォーマルジャケットを脱いだ。ミウラとルイスもそれにならった。
「S先生の口から紹介していただけますか、それともセルフイントロダクションで?」
「ミスター・コバヤシ、あなたほどのかたが何を気弱なことを。今夜は、私はオブザーバーです。お好きなようにこの宴を盛り上げてください」
 コバヤシたち三人は、Sに深々と頭を下げた。「お言葉に甘えさせていただきます」

 たっぷり三十分をかけて、妻は自分のプロファイルを語らされた。ソファから見上げる三人の前で全裸のままで。
「それではこれから、あなたのことを奥さんと呼びます」
 コバヤシの表情に下卑たところはなく、面接官のような生真面目さと鷹揚さをただよわせていた。
「ところで、日本ではそのような身体装飾が流行しているのですか」
 股間に視線を浴び、妻は頬を染めた。しっかりと両腿を閉じていても、陰核を貫通したリングは亀裂の上部に顔をのぞかせている。ほかのリングのありかも、リビングに入るまでにじっくり観察されていたはずだ。
「……若い人たちの中には、耳や鼻や唇にいくつもしている人がいるようですけど」
「プッシーの話ですよ」コバヤシは無表情のまま質問を重ねた。「多くの女性がプッシーを飾っているのですか」
「わかりません」
「ではなぜ、奥さんはそのようなことをするのですか。『身体髪膚これを父母に受く、あえて毀傷せざるは孝の始めなり』。修身です。幼い頃に祖父によく聞かされました。あなたのそんな姿をご両親に見せることができますか?」
「………」
「もう一度、訊きます。あなたはなぜ、そのようなものを身につけているのですか」
「……別の自分になれるから……だと思います」
「美しい言葉ですな。しかし、それは言い訳です。多重人格でもあるまいし、別の自分などありはしません。さあ、どうです、奥さん? 本当の気持を言ってみなさい」
「うまく言えないんですけど、こんなところにピアスを入れている自分がとても愛おしんです。見られ、からかわれ、いろいろいたずらされるためだけのピアス。そんなものをみずから入れている自分が哀しくもあり、誇らしくもあり……すみません、わけがわからないことを言って」
「そんなものですか」
 コバヤシの質問は妻にではなく、ホームバーでグラスを傾けているSに向けられたものだった。
「さあね」オブザーバーに徹するSは素っ気なく言った。「本当かどうか、じかに確かめてみてはどうですか」
 Sにうなずいてみせると、ダイニングルームから椅子を一脚運んでくるようにルイスに命じた。

 スラックスにアンダーウェアというラフな格好になった三人に、妻は淫裂をさらした。木製のシンプルな椅子に腰を落とし、左右の肘掛け両膝を載せてM字に開脚させられた。
「両手を頭の後ろに回しなさい」
 コバヤシの残酷な指示が飛ぶ。伸びはじめた腋毛が腋窩をくすませていた。
「ほおお。あんがい怠け者なんですね、奥さんは」
「バスルームに……か、か、剃刀が見あたらなかったものですから」
「腋がそんな様子じゃ、下のほうもちくちくするんじゃないかな」
 初めてミウラが言葉を発した。玄関での衝撃が薄れ、冷静さを取り戻したのだ。アレックス・ルイスも同様に、好色な笑みを浮かべている。
「ねえ、コバヤシさん、そう思いませんか」
「ハイスクールの教員が吐くセリフとは思えんな。アレックス、おまえはどうだ。奥さんの感想は」
「スレンダーな体型はボス好みかもしれませんが、もうちょっと太っていてもいいんじゃないですかね」
 流暢な日本語だった。日本語を喋れることがセールスポイントの外人タレントとよりはるかにましだった。
 男たちはいろんな単語を使って妻の体を値踏みした。
 妻は秘苑をさらしたまま言葉の陵辱に耐えた。
「ボス、おかしなことになってますよ」アレックスが妻の微妙な変化に気づいた。「ほら、プッシーが」
 妻は濡らしはじめていた。男たちの視線が、まるで物理的な力をもつかのように、妻の襞をほころばせていた。
「クリットもさっきより大きくなってる」ミウラもうなずく。
「私にはそう見えないが」
 コバヤシは首をかしげた。
「奥さん、ちょっと広げてみせてください」
 肉体の変化を鋭く捉えられ、妻の羞恥心がよみがえった。ほどよい温度に保たれていた室内の空気が数度上昇したかのようだった。
「さあ、この若い連中の目が節穴だということを証明してください。見られるだけで濡らす大和撫子などいないことも教えてやってください」
 後頭部の手を下半身に移した。目を固く閉じ、両の人差し指で左右の小陰唇を外側に開いた。
 肉の合わせ目にかろうじてとどまっていた粘液が会陰部をゆっくりと伝い、アヌスに達した。
「なんとまあ!」
 コバヤシは大仰に驚いた。
「S先生、お国の女性はみなこのようにふしだらなのですか」
 Sの返事はなかった。
「まったく、なんてことだ。こんな奥さんにはお仕置きしかありませんな。自分の淫らさを痛感していただきましょう。そして、反省してください」
 コバヤシの強い口調にびくりと身をふるわせた妻だったが、お仕置きという甘美な言葉に性感がさらに刺激されていた。

「なかなかお上手だ。S先生が仕込まれたのですか」
 今回も返事はない。コバヤシは気を悪くしたふうもなく、股間の妻に視線を戻した。
「どうですか、奥さん。ひどい臭いでしょう? 朝からスーツを着ているうえに、一日中、準備に追われていましたからね。アフターランチのシャワーを浴びることができなかったんですよ」
 確かに、コバヤシの陰茎は汗や尿などが分解する際の臭気を放っていた。だが妻にとって、それは性欲を加速させるフェロモンだ。その匂いには男の個性が詰まっている。匂いのちがいが性技のちがいを連想させ、子宮口がみるみる下りてくるのだ。
 四十半ばの、脂ののりきった男のペニスは、事業の成功に裏打ちされた自信に満ちあふれているかのようだ。えらの部分が張り出し、軸の皮膚をとおして逞しい海綿体の束がびくりびくりと脈動を繰り返すのが舌に伝わってくる。
 先端からは、すでに粘液がしみ出していた。
(ここまで固くしてあげたのは私。射精をコントロールをするのも私)
 その思いに、口技に力がこもる。一方では、口腔性交を強いられているという被虐心もある。征服しているのかされているのか……。揺らぐ思いの中で悦楽の炎が勢いを増す。
「ミウラ、アレックス、交代だ」
 怒張を妻の口から引き抜き、三十代の二人に言った。
「たまらないぞ、奥さんのブロウジョブは。きみたちなんかあっという間に陥落だ」
 日系人と白人はすでに全裸でみずからの陰茎をしごいていた。ミウラのものは標準サイズだったが、大和民族特有の強靱さを示して反り返っていた。一方、アレックスのものは西洋人ならではの太さと長さを備えている。亀頭だけが鮮やかなルビー色だ。初めて目の当たりにした白人のペニスに、一瞬、妻は見とれた。
 その二本の屹立が同時に近づいてきたとき、妻はその意図を悟り、幸福感に包まれた。
 だが、リゾートという舞台、西洋の流儀を身につけた男たちという登場人物にいだいていたものが、はかない幻想であったことをすぐに思い知らされた。ミウラもアレックスも、妻を女性として、いや、人間として扱うつもりはなかったのだ。
 アレックスは妻の顎を掴むと強引に押し込んできた。長さ二十センチ、直径七、八センチはある肉柱が軟口蓋まで突き進んだ。吐き気にあらがいながら呼吸を確保しようとしたが、鼻は栗色の陰毛に埋まってしまっている。アレックスは髪を掴み、激しい腰使いで抽挿を繰り返した。ストロークのタイミングを見計らいながら、妻はかろうじて呼吸を確保した。
 アレックスを射精に導くことだけに気を取られて、ミウラの存在を忘れてしまっていた。太い指が双臀を掴み、割り広げた。手を添えることなく器用に腰を調節し、剛棒の峰を淫裂にすべらせた。すぐに突き立てる気配はない。幾度もこすりつけているだけだ。そのたびに亀頭の先端が露出した陰核をつつき、妻の腰をしびれさせる。
(おねがい、入れて! その硬いちんぽを入れてちょうだい!)
 妻の願いが通じたのか、ミウラは秘苑なぶりをふいにやめた。尻を掴んだ指に力を入れ、さらに割る。熱い亀頭がアヌスにあてがわれた。
(あっ、そ、そこは――)
 狙いをそらそうと尻を振ろうとしたが遅かった。妻の愛液にまみれ、先端からは先走りの粘液を吐き出す肉の凶器は、襞のすぼまりを一気に貫いた。
 肛門性交は初めてではない。いろんな器具やペニスを何度も受け入れている。痛みはなかったが、予想以上の激しい圧迫感に喉の奥で悲鳴を上げた。
「……あがっ……あぐっ……」
 突かれるたびに妻が洩らす、うめきとも咳ともつかない奇妙な声にミウラとアレックスは哄笑した。
 やがて、口腔への蹂躙にあきたアレックスは床に仰向けになり、肛門にミウラの屹立を呑んだままの妻を下から刺し貫いた。
 隣接する二か所に杭を打たれ、妻は下半身の自由を失っていた。腰を動かそうにも、二本のどちらの動きに即せばよいのかわからない。
 男たちは勝手に動いた。片方が推せば、片方が引く。同時に推される場合もあれば、その逆もある。
「いっちゃう、いっちゃう、いっちゃう……」
 唾液を顎まで滴らせながら、妻は背筋を弓折りにした。
 ミウラとアレックスが唸った。
 うすい膜の前後をふさぐ陰茎の体積が倍加した。一瞬後、熱いつぶてが膣と直腸にはじけた。二人はほぼ同時に精を放ったのだった。
 すでに妻は言葉を吐く余裕すらなくなっていた。アレックスの厚い胸に両手をつき、ふくらはぎをミウラの脛に密着させた。
 何度も経てきたのに馴れることの決してないオルガスムスの奔流に、妻は身をゆだねた。
 シャワータイムを二度はさんだだけで、妻への陵辱は明け方までつづいた。長時間、一人が占有することもあれば、三人同時に妻を貫くこともあった。ミウラが三度、アレックスが四度、妻を精液で穢した。奇妙なことに、コバヤシは挿入はするが決して射精はしなかった。

 荒淫のためふらつきぎみの体で、妻は三人を見送った。昨夜、出迎えたときのように全裸のままで三つ指を突いて。
 開け放たれた玄関から流れ込むすがすがしい潮の香が、邸内のよどんだ空気に混じる。
「ミスター・コバヤシ、ひとつ訊いてもよろしいですか」
 オブザーバーに徹しきったSが笑みを浮かべて言った。
「どうして出さなかったのです? 土産がお気に召しませんでしたか」
「とんでもない。私なりの健康法です。『四十以上の人は、交接のみしばしばにして、精気をば泄(もら)すべからず』」
「『養生訓』ですな。大いにけっこう。経営者たるもの、体が資本ですから」
「では、先生。二時間後にお迎えに上がります。座談会、経営者面談、講演会とスケジュールが詰まっておりますが、なにとぞよろしくお願い申し上げます」
「こちらこそ」Sは鷹揚に会釈した。「ミスター・ミウラ、ミスター・ルイス、よろしく頼みます」
 ところで、とコバヤシが声をひそめた。「今夜はいかがいたしましょう。お土産を、また楽しませていただくことはできますか」
「もちろんです」
「実は、お引き合わせしたい人物がいるのですが……よろしゅうございますか」
「ここでのマスターはあなたです。私は単なるオブザーバーだと申し上げたはずですが」
 コバヤシはひどく感激した様子でSの手を握って力強く振った。

量が増えそうなので、今回はここまでとさせていただきます。調子に乗って書いてしまって申し訳ありません。掲示板の容量を圧迫しているようで気が気ではありません。管理人さま、投稿者のみなさま、どうかご容赦のほどを。では、後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:55:43|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第19回

【#18 隷従-1】
 週明けから、妻はSの私設秘書として大阪本部に通いはじめた。出勤は朝十時、退勤時間は特に定まっていない。
 Sが差し向けるバンが行き帰りの足だ。電車やバス、地下鉄のような公共の乗物を使わずに勤め先に赴くのは、妻にとって初めての経験のようだった。
 初日から妻のレンタルが始まるものとばかり思っていたが、最初の一週間はSの雑用をことづかっただけだった。もちろん、この期におよんで妻が隠し立てをするとは思えない。
 そんな私の落胆を見透かしたかのように、Sからのメールが届いた。

***********************************
前略 明後日より某国の日系人実業家に招かれて講演を行う予定。細君には勿論同行して戴く。予定は一週間。不自由をお掛けするが、御容赦の程を。
***********************************

(某国やて?)
 ディスプレイの前で、私は吹き出した。もったいぶった表現で煽る、Sの茶目っ気がおかしかった。煽られてやろうじゃないか、望むところだ。
 私は妄想の翼を広げた。
 世界のどこかに心の準備もしないままに連れて行かれた妻は、やはりホテルに軟禁状態にされ、日系人実業家とやらの性欲処理をさせられるのだろう。人種が同じとはいえ食べ物も言葉も考え方も異なる、そんな連中の嬲りものにされる妻の不安は、やがて新鮮な悦楽に取って代わるにちがいない。
 Sに連れられて外国に行くのは、これが初めてではない。中国での映像をいまだ見ることができずにいる私は、今回の妻の渡航が非常に楽しみだった。意外性が私の欲情の炎に油を注いでくれることに期待して、あえて行き先は訊ねないことにした。某国、と秘密めかしたSの意図もそこにあるのかもしれない。もちろん、このメールのことを妻に告げるつもりもなかった。私はFやSからのメールや添付ファイル専用の隠しフォルダにメールを移し替えてOSを閉じた。

 二日後、無人の自宅に帰宅した。
 覚悟していた私は、会社の近所で夕食をすませていた。
 一人でシャワーを浴び、ビールを飲んだ。読もうと思って積んでいた本を広げた。心が騒いで活字を追うことができないのではないかという不安は杞憂だった。午前一時前まで読書に集中することができたことに、私自身、驚いた。いったん腹を決めると、これほどまでに平静になれるのだろうか。
 いや、そうではない。一週間、どうあがいても妻の顔が見られないことを知っているからだ。もし妻が、近畿圏で見知らぬ男たちに陵辱されているのなら、心は揺れ動いていただろう。どんな責めを受け、どれほど淫らな言葉を吐き、どれくらい激しい悦楽に身を焦がしているのか……。帰宅した妻に一部始終を聴くのが待ちきれずに悶々と時間を空費している自身の姿が見える。
「大人になったもんやで、健一くん」
 自嘲ともつかぬ言葉を洩らして、寝支度にかかった。

 妻が帰ってきたのは日曜日の昼下がり。予定より一日早かった。
「ごめんね。ゆうべ関空に着いたんやけど、時差ボケがひどくて空港のホテルに一泊させてもらったの」
 私は目を疑った。薄化粧が無意味なほど、妻はよく日に焼けていた。
「どないしたんや。真っ黒やないか」
「ほんまはこの歳で焼きたなかったんやけど、あんまりビーチが気持よくて、つい……ね」
 小さく舌を出す妻は三十四歳とは思えぬほど初々しかった。
「ビ、ビーチって、いったいどこに」
「Sさんに聞いてないの?」
「聞いてへんよ」
「ハワイ」
「………」
「現地でタクシー会社やってはる社長のプライベートビーチ」
「そやったんか。楽しんだようやな」
 聞きたいことは山ほどあった。だが、私は妻の表情ににじむ疲労を見て、それ以上の質問はやめた。焦ることはない。夜、ゆっくり聴けるのだから。
「腹へってないか」
「だいじょうぶ。朝、たっぷり食べたから。あなたこそどう? ろくなもの食べてないんとちがう。何かつくろうか?」
「適当に食ったから、いいよ。どうする? シャワーでも浴びるか?」
「ちょっと横になっていい? 日焼けが火照ってつらいのよ」
 妻はベッドルームに入り、全裸にタオルケットを巻き付けて出てきた。
 革のソファは体に張りつくからとタオルケットをソファに敷き、その上に赤味の残る小麦色の肌を横たえた。
 その焼けっぷりを感心しながら眺めていた私は、水着の跡がないことに気がついた。
 トップレスまではわかる。だが、妻の下半身に日焼けを免れた箇所はない。剃り上げられた恥丘まで褐色になっている。
 私の視線に気づき、妻が身じろぎした。
 クリトリスと小陰唇を貫く金色のリングがちらりと見えた。
 太腿の内側までも焼けている。
 プライベートビーチで妻は開脚させられ、秘部を潮風と陽光に晒させられつづけていたのだろうか。
「ぜんぶ聞きたい?」
 妻がささやいた。呆気にとられていた私は、あわててうなずいた。
 Sの調教は往路の機内から始まったという。
 離陸し、シートベルト着用のサインが消えるとすぐに、Sは最新型のノートパソコンを取り出した。手慣れたしぐさで操作して、液晶ディスプレイに写真を映し出した。
マルチ商法で妻をがんじがらめにしたFから提供されたデジカメ映像だった。ホテルで犯されてゆく過程が鮮明に記録されている。
 Sは、写真を見せながら妻にそのときの状況、精神の動揺、肉体の反応を語らせた。妻にしてみれば思い出したくもない記憶だったろう。だが、Sは執拗に妻に迫った。プライバシー重視のファーストクラスだからこそできる精神的な拷問だ。
 Fが提供した写真のすべてを見終わるのに三時間はかかったそうだ。
「それだけじゃなかったの」妻は両手を後頭部にあてがって枕にした。腋窩が黒い。伸びかけた腋毛だった。「写真はもっとあった」
 Sと関わりはじめてからのものも、大量にハードディスクに格納されていたのだ。Sはシートをリクライニングにし、見たければ自由に見ていいと言って眠った。
 ノートパソコンを閉じるのも自由。続きを見るのも自由。三時間にわたってマゾ性のツボを刺激されつづけた妻は後者を選んだ。
 Sのオフィスで嬲られる姿、中国で視察団の中年男たちに奉仕させられる姿、入れ墨を背負った男二人に蝋燭と針で責められ、あげくのはてに淫裂にボディピアスを打たれる姿。
「フライトはあっという間だったわ」
 妻は両腿を閉じ、小刻みにこすり合わせていた。それだけで陰唇のリングが刺激を呼び、剥き出しになったクリトリスに淫らな快感が湧くのだろう。
「気持ち悪いくらい濡れちゃって、たいへん。着陸してから機内のトイレで拭いたけど、あとからあとから溢れてきて、トイレからよう出られんかったわ」
 迎えのクルマでオアフ島の繁華街を抜け、滞在予定地のコテージに向かった。講演会の主催者が所有するゲストハウスだった。スペイン風のバルコニーをもつ瀟洒なたたずまいは、コテージと呼ぶにはあまりにも豪奢だった。五人のメイドに出迎えられた妻はどぎまぎしてしまったそうだ。
 ゆっくり夕食を食べて旅の疲れを癒しておくがいいと言って、Sはすぐに歓迎レセプションに出かけた。
「一回くらいはしてもらえるかと思うたのに」
 Sのつれなさを思い出して、妻は唇をとがらせた。
「飛行機からずっと高ぶってたんよ、私」
「忙しい人やから、無理もないんとちゃう」
 私は他人事のように言った。本当は、Sの意図が痛いほどわかっていた。飢えと渇きを妻に与えたのだ。その夜の、いや、滞在期間中、常に繰り広げられるであろう狂宴のために。
「それで、Sさんが帰ってきたのは何時頃?」
「十一時頃かな」
 メイドはいずれも通いで、夜の九時には帰ってしまうらしい。入れ替わりに、警備員が敷地に配置されたという。
 リムジンが一台、コテージの車回しに停まった。
 運転手がドアを開けると、Sと二人の日系人、一人の白人が現れた。
 四人は談笑しながらコテージに向かってきた。
 ふいに私設秘書としての身分を思い出した妻は、出迎えなければと焦った。だが着る服がない。日本から着てきたドレスは、クリーニングのためにメイドが持ち帰っていた。残るはバスローブくらいしかない。
「それで、どないしたんや?」私はダイニングチェアを引き寄せて腰を下ろした。「いくらなんでもバスローブいうのは失礼やろ」
「Sさんの考えてることが、そのときわかったの」妻の目がきらりと光った。「服を残しておかなかった意味がね」
 ドアを開けたときのSの満足げな顔、あとの三人の驚きの表情は今でもはっきりと思い出すことができると妻は言う。
 それはそうだろう。歓迎レセプションの二次会をやるものとばかり思っていた三人を出迎えたのが全裸の女とあっては、誰だってびっくりする。
 おまけに、その女が玄関ホールに正座して三つ指をついているのだから。
 ふた呼吸ほどの間をおいて、Sが沈黙を破った。
「ミスター・コバヤシ、お話ししていた日本土産とはこのことです」
「S先生にこんなご趣味があるとは意外でした」四十半ばのコバヤシは海千山千の経営者らしく、動揺を隠して好色な笑みを浮かべた。「お土産というからには頂戴できるのでしょうか」
「それは、あなたがたしだいです。ミスター・ミウラ、ミスター・ルイス、お気に召しましたかな」
 三十代のミウラはうなずいただけだった。ルイスは肩をすくめてコバヤシに視線を投げた。
「あなたがたが気に入らなければ、この女はハワイに捨てていきます。もし、非常に気に入っていただければ、日本に連れ帰ります」
「話が逆ではありませんか?」コバヤシが首をかしげた。
「合衆国五十番目の州で、日本人の魂を持ち続けておられるあなたのお眼鏡にかなうということは、まさに日本の至宝。こんな島に置いて帰るわけにはいきません」
「見せびらかして、おしまいとは……」コバヤシは憤慨した。「あなたはひどい人だ」
「見るだけ、と言いましたか?」Sはコバヤシの肩を抱いた。「滞在期間中、
存分に使っていただいて結構。その上でご判断ください」
「お人がわるい」
 コバヤシが野太い声で笑った。あとの二人もつられて笑った。
「そういうことなら遠慮なく楽しませていただきましょう。ミウラ、アレックス、このご婦人をリビングにお連れして」
「お待ちなさい」
 興奮を隠しきれないコバヤシをSが押しとどめた。
「この国ではレディファーストが常識かもしれませんが、この女はあなたがたの奴隷なのです。気遣いは無用」
 おい、とSは妻に声をかけた。
「『ご主人様たちの手を煩わせるんじゃない』って。はじめて見たわ、Sさんの怖い顔」
「で、それから?」身を乗り出そうとした私は、ペニスが勃起しきっていることに初めて気づいた。「それからどうしたんや」
「這ったわ。掌と膝でリビングルームまで」
「Sさんたちは?」
「後ろからついてきた。私のお尻を品定めしながら」

今回のエピソードは、一回では終わりそうにありません。妻への調教の本当の第一歩だと思えますので、できるだけ細かく書かせていただくつもりです。Sさんや妻から訊き出したことをつなぎ合わせていると、やはり矛盾点が出てきます。書いては妻に読ませ、疑問点を質しながら書き進めております。中途半端なところで終わりますが、なにとぞご容赦ください。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:54:29|
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贖罪 第18回

【#18 転換】
 妻が他の男に刺し貫かれるシーンを二人で観るというのは、私たち夫婦にとって初めての体験になるだろう。
 これまで私は、蹂躙を受ける妻を別室のモニターで、あるいはメールに添付された画像ファイルでばかり見せられてきた。唯一、夫婦のベッドルームでSMマニアたちから激しい責めを受けたときに同室が許されだけだ。あれほどの興奮を味わってしまうと、もどかしさだけがつきまとう。リアルタイムであればあるほど、映像ではなく現場を見たくてたまらなくなる。
 だが、今日は違う。ビデオは観るが、それだけではない。隣には妻がいるのだから。
 妻の反応を窺いながら、疑問点を質し、感想を訊く。
 考えるだけで、下腹部に疼きが走る。

「やめて!」
 妻はテレビに駆け寄ると、スイッチを切った。
「観るんやったら、一人で観て」
「なんでや? 今までと同じことやないか。おまえの姿を別室でモニターすることと、ちっとも変わらへん。それに、うちの寝室で一緒やったことがあるやろ。SMのおっさんたちが来たときに」
 私は、わざと無神経な言い方をして妻を見た。
 口紅をさしていない唇が引き絞られる。妻は、片腕で両の乳房を覆い、もう一方の掌で恥丘を隠した。私に対する不信感がそうさせたのだろう。
 初対面の男に対して、妻はいつもこのような態度を取っているにちがいない。
(面白い。自分の妻を犯すなんて、どんな気持なんやろう)
 邪悪な思いつきに加速度がついた。
「ほら、テレビをつけてくれへんか。ヤクザとのお楽しみの続きを見たいんや」
「本気で言うてるの?」
 妻の眼が、私の本意を見逃すまいと凝視する。私は口元を皮肉っぽくゆがめて見せた。これで、私の本意が伝わっただろう。夫婦だけにわかる微妙な表情の揺れ。ゲームの始まりを告げる合図だ。
 ひと呼吸ほどの間の後、妻は乳房と陰部を隠したまま膝を折り、テレビのスイッチを押した。

 オーラルセックスから始めた。
 ビデオと同じように妻の口に勃起を押し込み、時間をかけてしゃぶらせた。妻の口技はプロさながらだった。性感のツボを巧みに刺激してくる。ただ、プロと異なるのは、フィニッシュまでもっていかないことだ。
 片手でやわやわと私の陰嚢を揉みながら、射精の兆しを常にチェックする。睾丸が緊張する気配を感じると、陰茎を横咥えして私のほとぼりを冷ますことを繰り返した。
 そのたびに、私の尿道を先触れの粘液がどくりと走るのを感じ、腰が痺れた。
 テレビのスクリーンでは、龍の入れ墨を背負った男の野太いペニスを含まされようとしていた。
 その映像に、一年前、このソファの上でFのものに口で奉仕する妻の姿がだぶった。テレビ、記憶、そして現実。空間と時間を超越して口腔性交に耽る妻に、私は激しく欲情した。その瞬間、私の忍耐に限界が訪れた。
 慌てて妻が亀頭に唇をかぶせようとしたが、遅かった。
 私はおびただしい量の精液を放った。
 大部分は妻の口元を直撃したが、脈動のたびに排出される粘液の一部は、私の腹ばかりでなく、ソファや床にも飛び散った。
 ティッシュペーパーの箱に伸ばしかけた私の手を妻が押さえた。そのままの格好で、精液にまみれた顎を私の腹にこすりつけ、きれいに舐め取ってしまうと、次にソファと床の粘液を舌で掬った。
 その自然な動きは、妻がそんな行為を常に強いられていることを示していた。もはや、不潔などという感覚はないのかもしれない。背中に刻まれた無数の笞痕が、妻の行為を無惨に彩っている。
 妻にその行為を仕込んだ男たちの力量に、私は嫉妬した。そのせいか、大量に射精したばかりだというのに、勃起の勢いに衰えはまったくない

 口をすすぎたいとの乞いを無視して、妻をソファに仰向けにし、これ以上硬くなりようがないほどの充血しているペニスを秘裂に押し当てた。
 すでに、自らの分泌物で潤っている肉洞は、私のものをスムーズに受け入れてくれるものとばかり思っていた。だが、大陰唇や小陰唇は完全に充血してほころんでいるものの、膣口は固く閉じ、私の亀頭を押し返す。
「………?」
 私の驚きようを、妻はいたずらっぽい眼で見た。
「これも教わったの。男の人っていいんでしょ、こういうの? さあ、入ってきて」
 腰を入れると、ようやく妻の肉洞に進入することができた。襞が私の肉柱を圧迫する。根本まで押し込むと、亀頭の先端が子宮口に触れた。少しでも動かすと精を洩らしそうだ。私は気をそらすために妻に語りかけた。
「男を悦ばすため言うてるけど、おまえかて、ええんやろ?」
「うん」妻は両腕を私の背中に回してきた。「でも、いつもより大きいような気がするんやけど、気のせい?」
「ここにヤクザのものが入ってたんかと思うと、妙に興奮するんや」
「好きで抱かれてるんと違うんよ」
「ほんまかどうかわからへんな」
 私はテレビのリモコンを取り、音量の調節をした。
『はっ……う。くうううっ。す、すごい。いっぱいになってる。くううっ』
 妻が龍の凶器を受け入れていた。Sと一緒に観たシーンだった。
 ビデオは粗編集がなされており、映像は、二人のヤクザに膣と肛門を犯されるシーンに変わった。この間、妻は数え切れないほど頂を極めさせられていたことを、私は知っている。
『……お願いします。もう……もう、堪忍してください。これ以上、だめ……』
 言葉とは裏腹に、画面の妻は、仰向けなった龍の厚い胸板に両手をつき、背中を弓なりにして、二本の剛棒をさらに体の奥深くに受け入れるために尻を蠢かせていた。
「ほら、自分から尻を振ってるやないか」
 顔をテレビに向けてやると、妻は食い入るように見つめはじめた。ヤクザたちのストロークに合わせて、肉襞がリズミカルに締まる。
「どっちがええんや? おれとヤクザと」
 妻はテレビに目を向けたまま、針の痕がかすかに残る乳房を揉みはじめた。麓を掴み、乳首まで絞っていく。乳首は、興奮のためばかりでなく、針の貫通による腫れも加わって、色も大きさもアメリカンチェリーさながらだった。
「正直に言うてええんやで。どっちがよかった?」
「ヤクザのほうがええに決まってるやないの」
 つまむというよりも潰すといったほうがふさわしい荒々しい愛撫に、乳首にルビーのような血玉がわいた。
 私は妻の手首を掴んだ。「だいじょうぶか? 痛いんとちゃうか」
 だが、その手は邪険に払われてしまった。
「あなたのじゃ物足りないから、こんなことせなあかんのよ」
 妻は、左手で乳首を責め、右手を無毛の下腹部におろして、むき出しのクリトリスを指の腹でこすった。
 夫婦のゲームは、あうんの境地に達している。
 私は妻の中からペニスをあっさりと抜き去った。あっ、と小さな声を上げる妻を腹這いにさせ、双臀を割った。さまざまな男の肉棒や器具に蹂躙されてきた割には、アヌスに崩れはなかった。
 すでに愛液にまみれているすぼまりに屹立を突き立て、一気に押し込んだ。
 目立った変形こそないものの、妻の括約筋は柔軟性を増していた。私の亀頭は抵抗なく前進し、直腸に収まった。
 ソファに顔を埋めた妻の口からくぐもった呻きが洩れた。
 妻の両肩を掴んで引き起こし、つながったままで床に足を下ろて立ち上がった。
「な……なにするん?」
 嫉妬と怒りに狂った私に激しく突かれることを、妻は予想していたらしい妻は、意外な成り行きにとまどっていた。
 私は返事をせず、ペニスを根本まで埋めたまま冷蔵庫に向かって歩を進めた。
「野菜室」
 私が命じると、妻は腰を折り、冷蔵庫の最下段を開いた。妻の不在の間、自炊せざるをえなかったせいで、野菜室の内容は把握していた。
「おれのものじゃ物足りないんやろ。好きな物を食べさせたる」
 野菜室の中にはレタス、トマト、レモン、そしてキュウリがある。妻は私の意図を悟り、直径が三センチはありそうなキュウリを選んだ。

 両脚を揃えてソファに腰を下ろす私の上で、妻は正面を向いて大きく脚を開いていた。
 私は妻の肛門を犯しながら、背後から両手を回して乳房をなぶった。妻は、キュウリを自ら秘裂に埋め込み抽挿している。膣の薄膜越しに、キュウリのワイルドな感触が私の陰茎に伝わってくる。
 音量を絞ったテレビには、妻が笞打たれ、蝋涙を垂らされる姿が映っていた。
「あなた、もっとぶって、もっと熱いのをちょうだい……なんでもしますから。お願いですから……」
 うわごとを洩らす妻は、すでにビデオの世界に入ってしまっている。演技などではない。痛みと快楽が不可分になった次元に達してしまっているのだ。
 妻は何を見、何を感じているのだろうか。
 直腸の蠢動を味わいながらも、私の理性は働きつづけていた。やがて、男と女を隔てる大きな障壁の存在に思い至っていた。それは、文字通り壁だった。ジェンダーという大きな一枚岩。
 しょせん、男には女の肉体の内奥までわからない。オルガスムスのイメージすら描くことができないではないか。ノーマルなセックスを行っていてもその有り様なのに、アブノーマルな世界で女が得ることのできる快楽がいかようなものかわかるわけがない。
 性差、という簡単な言葉で、男はそれを受け入れるほかはない。
 性のぬかるみに夫婦が手を携えて踏み込んだところで、二人が同じ快楽を味わうことは不可能だろう。かといって、性の冒険が男をみじめにするだけだと決めつけたりするつもりはない。
 男には男の、女には女の、性愛を極めるプロセスがある。女の悦楽を同じように感じようとすること自体が間違いだったのだ。
 Sの言葉の断片が脳裏によみがえった。

「――人間の快楽中枢は脳なんだよ。決して粘膜の神経細胞などではない。
 ――ご婦人が性感に耽るのを観ることが、なによりも楽しい。
 ――射精などとは別の次元の快楽」

“人間”を“男”に置き換えてみてはどうだろう。Sが調教メールを律儀に送ってくれたのは、私にそれを悟らせるためだったのではないだろうか。ディスプレイで発光する文字の連なりに、私は激しく興奮させられたことを思い出した。
 Fが妻をこの部屋で犯しているさまを盗み見したとき、私は図らずも精を洩らしてしまった。肉体的な刺激をまったく受けていなかったにもかかわらずだ。
 原点に立ち返ろう。
 妻を観察しつづけよう。ストップをかける権利を、夫の私が行使する瞬間まで。
 だが、今夜はたっぷりと妻の肉体を貪る。今現在の感触を五官に叩き込み、妻が、どのように変わりゆくかを眺めてゆけるように。
 私は、ペニスに力を込め、激しく突き上げた。
 喜悦の声を洩らすために、妻が大きく息を吸い込むのがわかった。

またまた長文になってしまいました。スペースを圧迫してしまい、申し訳ありません。ちびちびと短い間隔で書き込むのが理想なのですが、書きはじめるとあれもこれもと盛り込みたくなってしまいます。もうしばらくお付き合いくださいましたら幸いです。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:53:01|
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贖罪 第17回

【#17 動揺】
 六通目のメールには、添付ファイルを示すクリップマークがついていた。
 メールを開いたが、たった一行、「調教記録その2-f」と記されていただけだ。
 添付ファイルは二点。拡張子は、.jpg。
 クリックした。
 妻の顔のクローズアップだった。
 顎を突き上げ、眉間に縦皺を刻んでいる。真上からの強い光を正面から浴びているため陰影がないが、それだけに表情のありのままが写し取られている。
 苦悶――最初の印象はそうだった。だが、じっくり眺めているうちに、歓喜の表情に見えてきた。
 なぜだろう? 私はさらに観察した。そうだ、妻は歯を食いしばってはいないのだ。上下の犬歯を唾液の糸が結んでいる。
 もし、針を刺されるほどの激痛を与えられれば、奥歯を噛みしめて耐えるはずだ。Sの言うように、苦痛と快感は表裏を成すものなのだとしても、苦痛イコール快感ではないはずだ。苦痛のあとに、快感がやってくるものなのではないのか。
 二点目の添付ファイルをクリックした。
 私は思わず声を上げていた。
 この写真もクローズアップ。それも、妻の秘苑の。
 かなり大きな角度で開脚させられている。無毛の恥部のすべてが露わになっている。
 大陰唇は洗濯ばさみで左右に大きく広げられているうえ、左右の小陰唇に針が二本ずつ貫通していたのだ。さらに、包皮からむき出されたクリトリスをも太めの針が貫いていた。
 わずかだが出血がみとめられた。だが、膣口からあふれるおびただしい量の愛液が秘苑全体を潤ませているせいで、血液は滲むことなく細い糸のように粘膜に張りついているだけだ。
 本当に妻の性器になされた責めなのだろうか。
 にわかには信じることができず、私はその考えにすがろうとした。
 だが、解像度の高い映像はそんな私の願望を打ち砕く。
 左大陰唇の脇のほくろが、被写体が妻であることを示していたのだ。

 それから明け方までパソコンに向かい、何度もメーラーを立ち上げダイアルアップしたが、Sからのメールは来なかった。
 私の眼は冴えに冴えていた。考えねばならないことは山ほどあった。
 メールをあそこで打ち止めにしたSの意図。
 ああまでされて歓喜の表情を浮かべる妻の心理的な変化。
 妻の肉体的ダメージに対する危惧。
 そして、私がこれまでの人生で経験したことのないほどの動揺。
 これらについて、ひとつひとつ考えてゆかねばならない。もちろん、そばに妻がいない現状では、考えても詮無い事柄もある。
 私はパソコンの電源を切り、デスクに頬杖をついた。
 不思議に、妻の体が傷つけられたことへの怒りはなかった。乳房への針責めで、消毒などに気を配っていたSのことだから、取り返しのつかない無茶をすることはないという安心感があったからだ。
 それよりも、私の動揺は、妻の心理面に対する不安から来ていた。
 Sが求める快楽は、常識とか好色とかいう日常的な感覚から突き抜けてしまっている。それに引きずられ、究極の悦楽に開眼してしまったであろう妻は、元の暮らしを送ることができるのか、という不安。Sに与えられたような苦痛と快感を、私は妻に与えることができるのだろうかという恐怖。
 いや、それよりも妻はもう私のもとに帰ってこないのではないだろうかという喪失感に、私の心は揺れた。

 昼前。インターフォンのチャイムが鳴った。受話器に飛びついて耳に押し当てた。
『ただいま』
 妻の声だった。
 私は短い廊下を走り、玄関のロックを外した。
 どんよりと曇った空をバックに、明るい色のワンピースが私の眼を射た。
「かんにんしてね。勝手ばかりして」
 妻はいつもの笑顔を私に向けた。だが、その笑みはすぐに薄れ、顔がゆがんだ。唇を固く結び、閉じた眼から涙が溢れ出す。
 私は、おののきはじめた妻の肩を抱き、リビングに連れていった。
 ごめんなさい、と何度も詫びながら妻は泣いた。
「どないしたんや。謝らんかてええやんか。おれも納得済みのことやないか。Sさんには優しくしてもろたんやろ? おまえからのメール、読ませてもろたで」
「そんなんじゃないの。あなたに断らんと、からだに……からだに……」
「おまえが納得したことやったら、それでええやんか。うん? からだに何したんやて」
 妻は涙を拭くこともせず、立ち上がった。
 ワンピースを乱暴に脱いだ。下着はいっさい着けていなかった。
 全身に笞痕が走っていた。一打、一打が慎重にコントロールされていたのだろう。すべてのミミズ腫れが同じ色だった。皮膚が破れたり、皮下出血を起こしたりしている箇所はない。
「二、三日もすれば消えるやろ。だいじょうぶや」
 妻はかすかに首を振り、脚をゆっくりと開いた。
 小さな金属音がした。
 股間の亀裂に光るものがあった。
 金色の環がクリトリスを穿っている。
 そして、小陰唇からは繊細なチェーンが垂れていた。
(ボディピアスまでされたんか……!)
 私の表情に気づいた妻は、両手で顔を覆った。「ごめんなさい! みんな私が悪いの。決してSさんに無理強いされたわけと違うんよ」

 私は、妻をソファに深々と座らせ、両の太腿を掴んで左右に押し開いた。
 秘裂の頂点の肉芽には金色のリングが取り付けられていた。リングのせいで、包皮は上部にたくし上げられたままの状態になっていた。クリトリスは真っ赤に充血し腫れている。
 そして、小陰唇。左右対称二か所ずつ、計四か所に肉芽を貫くものよりも小ぶりのリングが顔を覗かせ、それぞれにチェーンが取り付けられている。金色の鎖は左右のリングから互い違いに渡され、ちょうど膣口の前でエックスを描いていた。小陰唇もまた腫れ気味で、貝の舌のように肉溝からはみ出している。
「腫れてるやないか。だいじょうぶか? 痛くはないんか?」
「これ……ピアスのせいだけやないの」
 つい今しがたまで涙をためていた眼が細められた。まるで、遠くの風景に焦点を合わせるときのように。
「ピアスをつけられてから、二人の男に朝まで愛されたせい」
 私は絶句した。
“愛された”と言ってのける妻に。そして、針で責められたばかりの妻が入れ墨者たちに蹂躙される光景を思い描いて。

 秘苑全体のむくみというか、腫れは、荒淫によるものだったのか。
 無理もない。仁王のペニスは勃起時には二十センチにもなろうかという逸物だ。龍のそれは、妻の指が回りきらないほどの極太だ。女を責めるプロとはいえ、昨夜から妻にフェラチオをさせ、接しても洩らさなかったため、溜まりに溜まっていただろう。射精を前提にした輪姦の壮絶さは想像を絶するものだったに違いない。
 妻の小さな溜息に、私はわれにかえった。
 秘裂のあわいから液体がにじみ出していた。
 ピアスに気をつけて襞をかき分けた。その瞬間、どろりと半透明に濁った粘液がこぼれ落ちた。精液特有の青臭い匂いが私の鼻腔を直撃した。
 見上げると、妻と眼が合った。
 妻がうなずいた。「二人分のエキス。Sさんが『溜めて帰るように』って」
「で、どうしろって?」
「わかってるくせに」妻は私を見つめたまま言った。「あなたはきっと舐めるだろう、とSさんが……」
「ヤクザが出したものをか」
「やっぱり見てたんやね、私が犯されるところを」
「最後までは見てへん。Sさんにならおまかせしても安心やと思たから。しかし、おまえがいややったら正直に言うんやで。いつでも中止できるんやからな」
「いややない。あなたがいつもついていてくれると思うと何でもできそう」

 昨夜来、私に取りついていた心の揺れがぴたりと治まった。
 妻は、私の存在があるから正気を失わずにいられるのだ。つまり、私の公認が、妻の心理的な命綱というわけだ。命綱の強靱さを信じているから日常から大きく外れることができる。狂気にも近いSの性の迷宮に分け入ることができるのだ。
(しっかりせな、あかんがな)
 私は自身を一喝した。妻が帰ってこないのではと、一瞬でも疑ったことを恥じた。私の心の強さがすべての鍵なのだ。
 妻の秘苑に顔を寄せ、こんこんと溢れ出す精液の残滓に舌を伸ばした。
 妻の胎内で温められた粘液を掬い、飲み下す。
「うれしいっ、うれしいっ」
 うわごとのように繰り返し、妻は私の髪を指で梳いた。
 ヤクザたちの精液をすっかり舐め取るまで、妻は二度達した。激しいオルガスムスではなく、安堵感に満ちた静かな絶頂だった。

 ソファの上で、私たちは抱き合ってまどろんだ。
 雨足が強くなったような音に、私は目覚めた。
 シャワーの水音だった。
 やがて、髪にタオルを巻いただけの妻がリビングに戻ってきた。
「なに、それ?」
 妻の手のチューブと脱脂綿に視線を投げた。
「化膿止め。一週間は気を抜いたらあかんのやて」
「セックスはお預けかいな」
「あ、そうや」
 妻はチューブと脱脂綿をダイニングテーブルに置き、キッチンカウンターのハンドバッグを手にした。中からビデオカセットを取り出す。
「Sさんから、あなたに。約束の物やて』
 私はソファから飛び起きた。
 昨夜の一部始終が記録されているテープだ。
 私はテレビラックに歩み寄り、ビデオデッキにカセットを挿入した。
 テレビの電源を入れ、ソファにとって返した。
 そんな私の性急な動きを、妻は驚いたように見つめるだけだった。

この文章を書いていると、いろんなことを思い出します。動揺というより、混乱と言ったほうが正しいのではと思えてきます。それもこれもSの巧妙な演出にまんまと乗せられてしまったからでしょう。まだまだ、Sに翻弄され続ける愚かな私なのですが……。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:51:51|
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贖罪 第16回

【#16 翻弄】
 自宅に帰り着いたとき、すでに暦は変わっていた。
 名神高速の途中で降りはじめた雨は次第にその強さを増している。
 締め切った室内にこもった梅雨時独得の湿り気に、気分が滅入りそうだった。エアコンを除湿にして、ソファに座り込んだ。いや、へたり込んだと言ったほうがよいかもしれない。
 冷気を含んだ乾いた空気の中でだらだらと服を脱ぎ、パジャマに着替えた。
 スコッチは胃の腑にたまったままだ。私はキッチンで湯を沸かし、焼酎の湯割りを作った。こいつを流し込めば、ウイスキーだって活性化するだろう。
 とにかく、今は酔いたかった。体を貫いたままの緊張感をほぐさねば、考えだってまとまらない。

 湯割りの一気呑みの効果はてきめんだった。
 五臓六腑にしみわたるとは、このことだ。毛細血管の隅々まで新鮮な血流が届き、体が温もった。同時に、頭はどんどん冴えてくる。
 Sとの対面。入れ墨男の衝撃。巧妙にコントロールされた輪姦。Sの性哲学。そして、私の同意のもとで妻に加えられた針責め。
 今夜、京都のマンションの一室で眼にし、耳にしたあらゆるシーンが奔流のように脳裡に立ち現れては消えた。
 かすかな震えが取りついていた。
 妻を私設秘書にと請われて、私たち夫婦が行き着く先を見てみたいからと快諾したのは、強がりだったのか。いい格好がしたくてあんなことを言ってしまったのか?
 私はくじけそうな心を見つめて自問した。
 答えは否だった。
 Sの性哲学に感銘を受ける以前から、私はそれを願っていたではないか。
 平凡な主婦で終わるはずだった妻が、意に添わぬ性交を受け入れたことをきっかけに、非凡な経験を積み重ね、性の地獄を覗いてしまった。責任の一端は、Fと密約を交わした私にもある。だが、妻は自分が堕ちたセックスの闇から眼を背けることはしなかった。
 ということは、Sの言葉どおり、妻はある資質に恵まれているに違いない。
 死の恐怖を甘い悦楽に昇華できるという、恐るべき資質に。
 性的な面で私をはるかに凌ぐ妻に対して嫉妬が湧いた。
 夫婦合意のうえで性の世界を渉猟しているのではないだけに、私は劣等感に打ちのめされてもいた。
 一線を踏み越えたと言っても、私がやったことは初老のSMマニアのペニスを咥えたことくらいだ。それも芝居がかった状況で、興奮に衝き動かされて。
 だが、妻は違う。
 予備知識もなく、心の準備もできないままで、見知らぬ男や女に体を開かざるをえないのだ。
 それには、覚悟と勇気が必要だ。そう、私の仕事になぞらえると、飛び込み営業の状況そのものだ。出たとこ勝負だと腹をくくらなくてはならない。
 いや、ずいぶん違う。
 飛び込み営業には、駄目で元々という心理的な逃げ道があるが、妻にそんな甘えは許されてはいない。すべてを現場で受け入れなくてはならないのだ。
 妻を一瞬でも妬んだ私は、自分の幼稚さを恥じた。
 この境遇を妻が求めたわけではない。途中からは、私が仕組んだのだ。あまつさえ、Sの調教計画に差し出してしまった。もし、妻の肉体や精神が破壊されるという最悪のシナリオが待っていたら……。
(何を考えとるんや、おれは!)
 私は頭を振って、不吉な連想を追い払った。アルコールが脳を痺れさせているのだろうか。
(S先生がそんな無責任なことするわけないやろ……)
 Sという人物を見込んだ自分の眼力を信じるしかないことを、私は悟った。
 ふと、掛け時計に眼をやった。午前三時を回っていた。三時間ちかく自問自答していたことになる。
 湯割りのお代わりを作り、書斎のパソコンの前に座った。
 メーラーを起動した。Sはじっくりと調教のプロセスを味わっているはずだ。例の「調教記録」とやらをしたためている余裕などないだろう。
 期待はするな、と自分に言い聞かせながら、ダイヤルアップを実行した。
 メールサーバが受信メールを送りはじめた。
 私の眼はディスプレイに釘付けになった。
 六通の新着メールが送られてきている。タイムスタンプは、ほぼ三十分おきににメールが送信されていたことを示している。
 フリーメールで、妻のファーストネームが発信元になっていた。
 添付ファイルはない。
(映像は無いんか?)
 私は首を傾げた。
 最初のメールは午前一時ちょうどに発信されていた。

***********************************
「調教記録その2-a」
先程は有意義な時間を持つことが出来た。感謝する。若い人の考え方を拝聴するのも新鮮で良いものだ。君の事だから、多分、これをそれほどの時間差も無く読んでくれているものと思う。
細君は、つい今し方休憩を終え、調教の次の局面に進まれ様としておられる。君も落ち着かないだろうから、こちらの様子を逐次報告して上げよう。映像を送ろうかとも思ったが、撮影等によって現場の緊張感を殺いでしまうような事にでもなれば元も子も無い。後日、ビデオを届けさせるから、今夜の所は御容赦願いたし。
現在、細君は胡座縛りをされている所だ。働き者の2人が、肌に傷を付けぬよう細心の注意を払いつつ縄を掛けている。先程の歓楽を思い出しているのか、細君の頬に心なしか赤味が差して来た様に思えるのは気のせいか・・・。
***********************************

 胡座縛りがどのようなものなのか、はっきりとは知らないが、読んで字の如しなのだろう。
 あの入れ墨男たちの手によって拘束されつつある妻の姿を想像すると、私のペニスは急速に硬度を増した。
 マウスを動かすのももどかしく、次のメールをクリックした。

***********************************
「調教記録その2-b」
緊縛が済んだ。細君は胡座の体位で固定され、更に足首の縄留めと乳房を上下から締め上げる縄が繋がれている。つまり、胡座をかいたまま前屈した状態だ。呼吸は楽では無いし、目の前には剥き出しの己の女陰が在る。この苦痛と屈辱感が想像出来るかね。
1人が竹笞を、1人が蝋燭を持ち、細君に歩み寄った。成る程、3種の苦痛で細君を楽しませ様という趣向か。息苦しさの為、悲鳴を出す事は出来ぬ。だが、その間にも笞が肌を打ち、熱蝋が滴る。流石、私が見込んだけの事はある連中だ。相変わらず言葉嬲りが上手い。細君を追い込んで、懲罰の口実を探している。
***********************************

 笞に加えて、蝋燭までも! 針責めの応急手当を受けただけの妻にとっては、あまりにも過酷な調教だ。
 強制的に前屈させられて、圧迫感も急速に増しているにちがいない。そんな妻にふたたび言葉による陵辱を加えるとは……。
「耐えろ。いや、耐えんでええ。つらかったらギブアップしたらええんや。無理したらあかんで!」
 ヤクザの容赦のない折檻に、ひとり全裸で立ち向かう妻の姿を思い、私はつい声に出した。

***********************************
「調教記録その2-c」
何時、この様な言葉を覚えるものか、私には想像がつかない。聞いているこちらが赤面する様な下品な言葉を細君は知っているね。君が教えたのかな。その様な下品な言葉を口にするのが余程嬉しいらしく、細君は随喜の涙を流しておられる。
いや、嬉しいのはそれだけでは無い様だ。既に背中一面に蝋の花びらが散り、脇腹や尻を笞痕が走る。芸術的なオブジェとしても通用しそうな位だ。これ程迄に肉体を彩られたのが嬉しいのだろう。声もまた素晴らしい。笞の一振り、蝋の一滴毎に漏れる嗚咽に風情がある。
勿論、細君には最新型の筒具を銜えて貰っている。無粋なモーター音が殆ど耳につかぬ程の優秀な品だ。だが、安心し給え。動作は強力無比。奥に向かって進むような細工が胴にしてあるから抜け落ちる心配は無い。先端部は断続的に膨張して最奥に刺激を送る。流石、国産品だけの事はある。これは、業界で大化けするかも知れない。
それにしても、目から涙を流しながら、女陰からは涎を流す。まあ、何と忙しく貪欲であることか、女という生き物は。
***********************************

 妻に加えられる責めの数々が眼に見えるようだ。Sは、私をからかったり、経営コンサルタントならではの感想を洩らしたりと、余裕を見せつける。そこがまた憎らしくもあり、頼もしくもある。
 妻は安全だ。私は、そう確信した。Sの冷静な観察眼が保たれているかぎり、限界を超える責めを受けることはないだろう。
 次のメールの予想もしない文面に、私は一瞬混乱し、Sの用意周到さに唸った。

***********************************
「調教記録その2-d」
私です。あなたに断りもなく中国に行ったりしてごめんなさい。Sさんがあなたに直接説明してくださったそうですね。ちょっと気が楽になりました。
帰国したら、すぐに帰してもらえると思っていたのですが、京都で一泊することになりました。
ずいぶん不自由していると思いますが、明日には戻りますからもう一日辛抱してください。埋め合わせはきっとしますから。
私の方は元気です。北京でおいしいものを食べ過ぎて、ちょっと太ったかもしれません。あなたも、私のことは気にしないでしっかり食べてくださいね。
Sさんには、とても優しく接していただいています。
週末は、あなたと2人きりでゆっくり過ごせますように。心配をかけてごめんなさい。
***********************************

 妻からのメールだった。
 私に送ってやるからと、昼間にでも妻に入力させたのだろう。
 あのような仕打ちを受けるとは想像すらしていない文面だ。知らぬ者には無邪気とも読める書きようだが、文章の裏側に張り付いている妻の胸の内を思うと、愛しさがこみ上げてくる。性交用秘書として中国に同行させられたことをおくびにも出さず、私の身を気づかってくれている。すべてを、私が知っているとも思わずに……。
 何度も、読み返した。
 そのうち、ディスプレイの文字がゆがんで見えはじめた。不覚にも、涙があふれていた。
 そのとき、Sの哄笑を聴いたような気がした。
 思い出せ! とSの声が言った。これが女だ、と。
 美醜、善悪、優劣などの単純な価値判断がいかに愚かしいことかを女は教えてくれる。清濁併せ呑んでこそ人間。成熟の意味を知れ。
 幻の声はそう語った。

***********************************
「調教記録その2-e」
細君のメッセージをお伝えした。と言うのは建前で、タイピングに疲れてしまったものだから手抜きをさせて戴いた次第。
夕食後、細君に打って貰ったものだ。なかなか健気なものではないか。どの様な視察旅行であったかは、君から問い質して戴きたい。
さて、細君は3度アクメを迎えた。高性能の淫具を嵌められているとは言え、笞と蝋涙を受け続けながら気を遣るとは・・・。
今、細君は縄を解かれて2人に口で奉仕している。矢張り本物が良いと見えて、1本を呑んでいる時も手は遊んでいない。もう1本に、袋から竿迄技巧を極めた愛撫を加えている。普通の男であれば噴出させているだろう。
おやおや、細君が2人に何か言っている。本性が甦ってきた様だ。挿入を懇願している。卑猥な言葉を駆使して、2人をその気にさせ様としている。
2人は、あの立派なモノで細君の頬を横殴りにしたりして焦らしている。もちろん、2人は細君の望みをすぐに叶える気はない。今夜の目的を達成する迄は・・・。
***********************************

(今夜の目的やて……?)
 酔いが一気に醒めた。まだ、妻に対する性的な蹂躙が行われるというのか。
 何度もオルガスムスを迎えさせられたあげく、針責めを受け、さらに笞と熱蝋で虐げられた妻に何をしようというのか。責めを受ける間、精神的にも痛めつけられている。このままでは、妻は壊れてしまいかねない。
 ――『針責めの第二段階だ』
 京都のマンションを辞去しようとした私に、Sが洩らした言葉をふいに思い出した。あのときは、妻の狂乱ぶりと凄惨な光景を大画面で見せつけられて頭が混乱していた。
 Sからのメールには針責めのことはいっさい記されていない。すると、今夜の目的というのは、針責めの第二段階ということか。
 苦痛を快楽に昇華できるかどうかを、それによって試そうとしているのだ。
 これ以上、どこに針を刺そうというのか。
 もし、無茶な部位に刺し、針が折れたらどうするのか。
 その答は、次のメールに記されているのだろう。タイムスタンプは午前二時四十九分。現在時刻、三時二十分。すでに針責めは行われてしまったか、最中かだ。
 マウスにかぶせた右手が震える。
 私は最後のメールをダブルクリックした。

申し訳ありません。長々と書いてしまったあげく、思わせぶりな形で終わってしまいました。性導師S氏の巧みな誘導に翻弄される私の感情の乱れぶりを、冗長とは思いましたが敢えて書かせていただきました。このような経験をお持ちの方には、きっとご理解いただけると信じています。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:50:34|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第15回

【#15 蹂躙】
 胎児のような恰好でラグの上に横たわる妻を、スポットライトが無情に照らしている。
 男たちの姿は、消えていた。狂宴は終わったのだ。
 タンブラーをテーブルに置き、私はSを見た。「ヤクザの神髄を見せつけられました。これじゃ素人が束になっても――」
「せっかちだな、きみは」
 Sは私の言葉をさえぎり、空のタンブラーにスコッチをついでくれた。
「今のはウォーミングアップ。お楽しみはこれからだよ。やつら、出さなかっただろ?」
 妻の凄艶な表情に気を取られ、男たちに対する観察眼が曇っていたのだろうか。確かに、妻の双臀は汗にはまみれてはいるものの、白濁した液がその合わせ目から垂れたりはしていない。
「もちますかね、家内の体は」
 失神してしまった妻の姿を眺めながら、私はつぶやいた。あれほどの剛棒で二時間近くも犯されたのでは、神経が鈍ってしまっていてもおかしくはない。二十代そこそこならともかく、三十四歳という齢では、回復力も衰えているのではないだろうか。
「快感にもいろいろあってね」Sが笑った。「奥方には、今から苦痛が及ぼす快楽を味わってもらう」
「SMですか? そういったプレイなら、あいつは何度も経験していますが……」
「プレイ、ね」Sはあからさまに唇をゆがめた。「しょせん、“ゴッコ”にすぎん。本物の苦痛、死と隣り合わせの恐怖。そこから生じるのが、本物の快感だ。だが、誰でもそこに到達するとは限らない。人間には器というものがあるからね。そこで、奥方の資質を、今から確かめさせていただこうと思う。どうかね、きみの同意は得られるかね」
 本物の苦痛……死と隣り合わせの恐怖……。妻に対して、何が行われようとしているのか。精神的に深いダメージを受けるのではないだろうか。私は、Sに疑問を問いただした。
「すまん、すまん。すっかり怖がらせてしまったようだな。今のは、あくまでも言葉のあやだ。拷問ではあるまいし、加減は心得ている。どうかな、お許しを出していただけるかな?」
 私はうなずいた。この部屋で一部始終がモニターできるのだ。常軌を逸したことが行われれば、すぐにストップをかければいい。
「途中でも、やめさせる権利をいただけますか?」
「もちろんだ」Sは豪快に笑った。「亭主であるきみが止めずに誰が止めるんだね?」
 私は安堵してタンブラーを傾けた。Sは、ふたたび携帯電話を取り出した。

 龍と仁王が画面に現れた。二人とも褌を締めていた。真新しい晒し木綿がライトの光を受けて白く飛んでいる。尻にまで及ぶ刺青が、褌と絶妙なコントラストを見せていた。
 横たわる妻の周囲で、二人はてきぱきと動き回った。
 ときおり、ライトの光軸に紐状のものや、角材のようなものが照らし出される。
 準備が整ったらしい。二人は、妻を抱え上げると両腕を揃えて伸ばさせた。龍が支え、仁王が闇に消えた。
 すぐに金属音が響き、妻の腕がぴんと伸びた。
 滑車に通されたロープで吊られているのだろう。キリキリという金属の軋みのたびに妻の体が伸び、重力に抵抗して筋肉が浮き上がる。
 妻を支えていた龍が手を離し、足下に膝をついた。
 角材とロープを手にした仁王が光の中に現れた。
 二人は手分けして、妻の両足首それぞれにロープを巻き付け、角材に打ち込まれた二対の鉄環に固定した。妻の両脚は限界まで開かれた。膝を曲げることすらできないようだ。
『こらあ、起きんかい!』
 龍の怒声が飛んだ。うなだれていた妻は、はっと顔を上げた。そして、自分の恰好に気づき、頬を赤らめた。
『あれだけよがっといて、いまさら、なに恥ずかしがっとんのや。なんべんいったか言うてみい』
 妻は首をねじり、淫らな問いから逃れようとした。うなじに張り付いた後れ毛に新鮮な色香を感じた。輪姦が終わってからしばらく治まっていた股間に、急速に血液が集まってくるのがわかった。
 妻のうなじに欲情してしまう自分の情緒に、私は当惑した。いろんな男や女に性器をおもちゃにされ、なおかつ陰茎や性具を呑み込まされる光景を、たびたび眼にしていたというのに、たかだかうなじを見ただけで……。二時間近くヤクザに弄ばれる様を眺めていて劣情が蓄積していたのか?
 いや、そうではない。
 そんな単純なことではない。物理の法則に支配されるほど、私は若くはない。
「夫婦とは、不思議なものだな」
 Sが真摯なまなざしを私に向けた。
「野放図な新婚時代を経て、やがて倦怠期。悩んだり、不倫の泥沼に入り込んだり……。お互い、もうすっかり味わいつくしたと思っていたのに、互いに欲情する未知のポイントがあったりもする。そんな発見が、夫婦の醍醐味なのかもしれないな。ちょうど、今のきみのように」
 私は虚をつかれた。これほど鋭い洞察力を持つ人物に会ったのは初めてだ。
「……せ、先生。これはいったい? 私は今、非常に妻が愛おしいんです。性的に、そして人間的に……うーん、なんと言えばいいのか……」
「急いて感情を分析する必要はない」Sはスコッチを舐め、スクリーンに視線を戻した。「夜は長いし、きみたち夫婦の人生も長い」

 妻への責めは酸鼻を極めた。精神的に、そして肉体的に。
 まずは言葉による羞恥責めだ。いましがたの輪姦で迎えたオルガスムスの回数を皮切りに、これまでの性的な体験を仔細に語らせた。それも、普通の言葉ではなく、妻が知りうる語彙の中からもっとも下品で猥褻な単語を使わせてのうえでだ。その間、二人の刺青男は妻にフェラチオさせるわけでもなく性具で刺激するわけでもなく、記憶の曖昧な点を追及した。まるで取り調べだった。妻が口ごもると、仁王が竹笞を振り下ろし、脇腹や内腿にみみず腫れをつけてゆく。
 これまで、欲情に正気を失って淫らな言葉を洩らす妻の姿は、何度も見てきた。だが、今の妻は冷静なまま淫猥な単語を口にしているのだ。言葉の取捨選択の迷いが表情に出る。言おうか言うまいか。人格のハードルを越えられるか越えられないか……。
 妻がもっとも抵抗したのは、夫婦の性生活に関する告白だった。私の性器のサイズ、前戯の手順、持続時間、好みの体位、最中に妻にかける言葉、アナルセックスの有無、性具の使用状況、写真およびビデオ撮影の習慣の有無などをことこまかに聞き出す。
 そうなの? というような眼でSが私を見遣る。照れ隠しに、私はスコッチをあおった。

 次に妻を襲ったのは針責めだった。
 二人は妻の正面にあぐらをかくと、エタノールの瓶をこれみよがしに置いた。
 龍は、浅い陶器皿に二十本ほどの細い洋裁針を並べ、アルコールを注ぎかけた。
 一方、仁王は脱脂綿の塊からひとつかみむしり取り、アルコールをしみこませた。そして、やにわに立ち上がると、片手で妻の乳房を揉みはじめた。
 節くれ立ってはいるが、その動きは繊細そのものだった。五本の指が右の乳房を麓から絞り上げたかと思うと、すぐに左の乳首を指先でなぶる。楽器を弾いてでもいるかのような、自信にあふれた指使いだ。
 妻の両乳首はすぐに変化を見せた。
 色素の沈着がひときわ濃くなり、形もいびつなものへと変わってゆく。
 完全に尖りきったが、仁王の愛撫はやまない。
 ブランデーグラスを揺らすように指の股に乳首を挟み、すべての指先で乳房を揉み込む。
 妻が、甘い吐息を洩らした。
『おつゆが湧いてきたで』あぐらをかいたまま妻の股間を観察していた龍が、秘苑の変化をからかった。『ほんまにすけべなおめこやな。旦那に申し訳ないと思わへんのかいな。どこの誰ともわからん男にいいようなされて濡らすやなんてな』
『ほんまや。乳首をちょっといじったっただけでこのありさまや。えげつない女やで』
 妻が乱れはじめた吐息を急に我慢したのを見て、二人は低い声で笑った。
 乳房なぶりが続いた。妻の吐息は、よがり声に変わっていた。
 切迫したその声は、オルガスムスが近いことを示している。
 そろそろやで、と仁王が告げ、左の乳房を脱脂綿で拭いた。よっしゃ、と龍が答えて立ち上がった。アルコールのしずくが垂れる針をつまんで。

「ほんまに刺すんですか?」私はSに訊いた。
「ああ。しかし、大丈夫だよ。消毒は万全だし、針だって細いメリケン針だ。たしか8番だったかな」
「針は針でしょ。痛いんじゃないですか?」
「見た目ほどは。我慢できない痛さじゃない」
 Sとの会話は、妻の悲鳴によってさえぎられた。
 乳房の外側面に針が突き立っていた。妻のおののきが乳房に伝わるが、針は抜ける気配もない。
 どれほど深く刺さっているのだろう。針など持ったことのない私には見当もつかなかった。
『ゆ、ゆ、ゆるしてください』妻は涙をこぼして哀願した。『なんでもしますから――いいえ、させていただきますから、どうか針だけは堪忍してください』
 その答えは、新たなる針の植え込みだった。
『うぐっ。くうううう!』
『乳首がえろう固うなってるやんか』
 仁王が乳房なぶりを再開した。その間、龍は次の打ち所を物色する。
 Sの言うように、見た目ほどは痛くはないのだろうか。つい今しがたまで涙をぽろぽろとこぼしていたのが嘘のように、鼻翼をひくつかせて甘い息を洩らしはじめた。
『はあっ、くううっ、ううん……』
 三本目の針に対して、先ほどのような悲鳴はもう湧かない。
 次々と針が乳房に打たれるが、痛みすら快感に変質させているのか、妻は頭を振りたくり、初めて経験する異様な悦楽を味わっているかのようだ。
 両の乳房に九本ずつ、計十八本の針を打たれたまま、妻は荒い息をつき不自由な体勢のまま腰を前後に揺らしている。無毛の恥丘を突き出し、幻の性交を行っている。
 白い内腿から膝まで愛液が伝っていた。
 快感は、苦痛によってブーストされるものなのか。だが、まだ妻はオルガスムスを迎えてはいない。やはり、コントロールされた痛みと巧みな愛撫だけでは、これが限界なのだろう。
『さあ、奥さん。最後の二本やで』皿から残りの針をつまみ、龍が笑った。『どこに欲しい? 遠慮せんと言うてみいや』
『……おっぱいに、ください』
『もうぎょうさん刺さっとるがな。まだ足りん言うんかいな』
『ち……ち、乳首にください』
『おお、そやった。まだ、そこが残ってるな。ほんまにええんやな? ほんまに刺すで』
『お願いします』
 私は耳を疑った。
(なんでや! 痛くないんか?)
『よう言うた。ほんじゃ、景気ようブスリといくで』
 言いながら、龍は一本の針を仁王に渡した。二人が同時に左右の乳首をつまんだ。目配せを交わし、息を合わせて乳首の真横に尖端を埋め込んだ。そのまま針を進め、ついに乳首を貫いた。凄絶なボディピアスの完成だった。
 妻は眉間に皺を刻み、白い喉をのけぞらせた。
 声にならぬ声を上げ、恥丘を限界まで突き出す。
 広げた脚のぴんと突っ張る。ふくらはぎの筋肉が痙攣した。
 どろり、と秘苑から粘液が垂れ、長い糸を引いて床のラグに落ちた。

「合格だ。いやあ、すばらしい。なんて女性だ、きみの奥方は」
 Sは相好を崩して膝を叩いた。
「見たか、今のいきっぷりを。乳首を針に貫かれていくなんてのは、めったに見られるものではない。素質は十分ある」
「はあ。ありがとうございます」
 今、目撃した凄惨な光景とともに、Sの興奮ぶりに私は驚かされ、間抜けな受け答えをしてしまった。
「まさか、ここまでとは思わなかったよ。申し訳ないが、もうしばらく奥方を貸していただけないか」
 憑かれたようなSのまなざしに、私は反論する気を失った。
「ここまでくれば一気呵成だ。こういうのはタイミングでね。期間を空けるのがいい場合もあれば、奥方のように矢継ぎ早に仕込むほうがいい場合もある。どうだ、いいかね?」
「これ以上、何をなさるんですか」
「まず、針責めの後処理をして、一眠りしていただく。それから、針責めの第二段階だ」
 私は露骨にげんなりしていたのだろう。そんな私をSは気づかってくれた。
「きみにも刺激が強すぎたね。帰るかね。奥方の様子は、メールで報告してあげるから」
 目の前に妻がいるならまだしも、どこともわからない場所で調教を受けているのだ。この空間にこだわる必要はない。
 それに、妻の変容ぶりを頭の中で反芻し、整理しておきたかった。
 私は辞去することを告げた。
「下にクルマを待たせてある。乗っていきなさい。ずいぶん呑んだからね」
 テーブルの上のボトルは、半分以上、空になっていた。スコッチは胃に溜まるばかりで活性化していない。
 Sに会釈して、私は玄関に向かった。
 脳裡には、Sの言葉が反響していた。
 ――『夜は長いし、きみたち夫婦の人生も長い』

今回ばかりは書いていてつらさがこみあげてきました。こういうシーンはちょっと、とおっしゃる方もいらっしゃるかと思います。しかし、この夜が妻にとって、本当の意味でのターニングポイントになりましたので、端折るわけにはまいりません。不愉快になった方にはお詫び申し上げます。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:47:44|
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贖罪 第14回

逆瀬川健一です。公私ともに多忙を極め、最後の書き込みから数か月も経ってしまいました。ようやくパソコンの前に座り、キーを叩く余裕ができましたので、ふたたび妻と私の話を続けさせていただこうと思います。

【#14 傾斜】
 三日間、Sからの連絡はなかった。電話もメールも。
 仕事を終え、暗い部屋に帰ってくるたびに、私の不安は深まっていった。
 もう二度と、妻の顔を見ることができないのではないか。軽やかな足音も、小気味いい包丁の音も、私の冗談に笑う声も、もう聴けないのではないだろうか。
 そんな不吉なことばかり考えるようになったのは、Sがオカルトに傾倒しているという噂を思い出したからだった。
 日本企業が国際的な競争力を持つに至る過程では、Sのマネジメント理論は確かに効力があった。だが、貿易摩擦が起き、日本バッシングが行われると、Sの理論は回答を提示しえなかった。Sは、急速に終末論に傾いていった。すべての苦しみは今に終わる。それまで辛抱すれば、ふたたび日本の時代がやって来るのだ、と。
 柔和という言葉そのもののSの顔だが、その裏には悪魔に魂を売り渡したオカルト亡者の表情があるのだろうか。
 たかが噂だ。それも三流ジャーナリズムが垂れ流した。
 私の心は揺れた。この揺れを止めるのは、Sからの連絡だけだ。

 四日目。限界に達しそうな私の心を読んだかのように、携帯にSからのメールが入った。
***********************************
奥方はお元気です。土地柄のせいか食欲も増し、あちらのほうもなかなか積極的になっておられる。同行の経営者たちも骨抜きにされ、現地のナイトライフを楽しむ暇も精力も残っていぬほど。明後日、奥方を送り届ける予定。不自由をかけるが、しばらく我慢されたし。 北京にて。
***********************************
 Sは、最初から妻を中国に連れてゆくつもりだったのだ。視察旅行の同行者の性欲処理のために。
 言葉が通じない外国では、Sの存在は妻にとっては絶対だ。ホテルから無一文で放り出されるのではという危惧に、妻は抵抗を完全にあきらめてしまったのだろう。
 外国に連れ出されることを知りながら、妻は命じられるままにパスポートをもって出たのか。
 そこに、性の地獄への妻の傾斜を見たような気がした。
 Fと私との密約を、妻が知るはずはない。さまざまな蹂躙を定期的に受け、性感を開拓されながらも、借金返済のためだと、妻は自分に言い聞かせていたはずだ。少なくとも、私に対して引け目を感じているのではないかと思いこんでいた。
 だが、妻は、性の地獄の深みにはまってしまったのだ。いや、妻にとっては地獄ではない。たぶん、極楽だ。つい数日まで私が悦にいっていた観念にとうに気づいていたのかもしれない。
 私の手前、不本意であるようなそぶりを見せながら、内心は嬉々として新しい快楽を貪っていたのではないだろうか。

 約束の日、残業を早めに切り上げて帰宅した私を待っていたのは、いつもの暗い部屋だった。八時前だというのに、妻の姿はなかった。
 ブリーフケースをソファに放り投げ、ネクタイをゆるめようとしたとき、電話が鳴った。
『S先生の使いの者です。一時間後、西宮北口駅の改札までいらしてください。奥様にお引き合わせいたします』
 一方的にそう告げられて電話が切れた。
 
 実際、妻の姿を見ることができたのは、二時間後だった。
 西宮北口駅前で迎えのワゴンに乗せられ、京都に連れて行かれたのだ。
 三条大橋の近くのマンションに入り、最上階に上がった。
「おお。きみがご主人か。はじめまして。私がSです」
 雑誌などで目にする写真よりも、実物のほうがはるかに若かった。トレーナーにコーデュロイのパンツ。背筋はぴんと伸びて胸板は厚い。
「このたびは、奥方を勝手にお借りしたうえ、海外まで同行していただいて申し訳なかった。迷惑をかけたね」
「とんでもない」
 私の口をついて出た言葉は、それまで用意していた恨み言とはまったく異なったものだった。Sの口調に誠を感じ取ったからだった。
「かえってお邪魔になったのではありませんか」
「いや、すばらしい奥方だ。送ったメールのとおりだよ。私はもとより、一緒に行った社長たちがいたく感激してね」
「ところで妻は?」
 私の質問に、Sは無言の笑みで答えた。テーブルの上のリモコンを手に取り、今のコーナーに据え付けられた六十インチのプロジェクションテレビに向けてスイッチを押した。
 妻の姿がスクリーンに現れた。秋物の、丈の長いドレスに身を包み、椅子に腰掛けている。周囲は闇に溶けていた。光軸を絞った真上からのスポットライトが妻を漆黒の中に浮かび上がらせている。頬や鼻の下を隈取る陰影が、妻の孤独と心細さを表しているかのようだった。

 神戸北野にあったマンションと同じ仕組みか? 隣室の映像をここでモニターするとか……。
「残念だが、奥さんはこのマンションにはいない」
 Sは、私の考えを読んでいた。
「とにかく、元気な様子をご覧にいれたくてね。さて、男同士の話をしようか。なにか飲むかい」
 私はうなずいた。こんな大物相手に、しらふで話などできるわけがない。
 雑談を交わしながら私たちはスコッチを呑んだ。
 アルコールに、私の緊張を急速にほぐした。
「回りくどいのは嫌いだ」Sがぴしゃりと言った。「奥さんを雇いたい。私の秘書として」
 私もずばりと質問した。「つまり、愛人として?」
「いや、愛人ではない。私のビジネスを手伝ってほしんだよ」
「………?」
「もちろん、会社が雇う秘書ではない。私設秘書だ。給与はポケットマネーで支払う」
「お手当……。やっぱり愛人じゃないですか」
「そうじゃない。私の話をよく聞きたまえ」
 自分の性欲と征服欲を満たすために女を囲うというわけではない、とSはきっぱりと言い放った。
 経営の神様などと呼ばれてはいるが、それはマスコミが作った偶像だ。S自身の、たぬまぬ営業努力のすえに現在の顧客を獲得したのだ。へりくだってはいけないし、傲慢であってもいけない。その微妙なラインをどう保つか? そこに女が必要になってくる。
 毅然とした態度を取りながらも、顧客の趣味や道楽に理解を示し、有用な情報や物品を与えることが、契約継続の秘訣だ。古美術が好きな客には、貰い物だと言って高価な品物を手渡す。ゴルフが好きな客には、有名なプロゴルファーのサイン入りクラブセットを進呈する。そして、好色な客には女をあてがうというあんばいだ。
 もちろん、好色な客の数は圧倒的だ。そんな客たちに、私の妻をレンタルしようというのだ。
「中堅広告代理店営業部課長のきみにとって悪い話じゃないはずだ。顧客の大手メーカーの宣伝戦略をきみの会社にお願いするように持っていくことだってできる。勘違いしないでくれよ。仕事をネタに取り引きしようと言うのではない。これは、お願いなんだ。頼みます」
 私は浮かしかけた腰を、ふたたびソファに沈めた。仕事の発注という卑劣な手段を本気で使うような男と取り引きする気はなかった。私は、自身の営業手腕に自信があった。営業成績のために妻を売るような男と思われるのが我慢できなかった。だが、私に深々と頭を下げるSの態度に、怒りが消えた。Sの言葉に、私は誠を感じた。

 私はモニターテレビに視線を投げた。「これから何が始まるんですか」
「もし、きみが頑なに拒否したら、奥さんの乱れぶりを見せようと思ったんだ。そうすれば気も変わるだろうと思ったんだ。年寄りの嫌味な計略だよ。だが、きみの心は決まったようだね。ん?」
 老人のたしかな洞察力に、私は舌を巻いた。
「Sさんにはかないません。いいでしょう。妻を私設秘書に使ってください。ただ、私の仕事に便宜を図っていただかなくても結構です。そんなつもりで、妻をお貸しするわけではありませんから」
「じゃあ、どんなつもりなのかね」
「見てみたいんです。私たち夫婦が行き着く先を」
「きみも奥さんも、まだ三十代なんだろ?」Sは呆れたように言った。「地獄を見るかもしれんよ、そんなこと言ってると」
「かまいません」そう言いながら、私はかすかに震えていたかもしれない。
 それじゃ、手始めに、とSはつぶやいて懐から携帯電話を取り出してダイヤルキイをプッシュした。
「私だ。首尾は上々。予定どおり奥さんのお相手を頼む。手加減は無用」
 そう言い終え、Sが電話を畳むと同時に、スポットライトの中に二人の男が現れた。妻が身を固くした。
「――これは!」
 含んだスコッチに、私はむせそうになった。
 男たちが全裸だということに驚いたのではない。
 彫像のように筋肉が盛り上がっているさまに感嘆したのではない。
 二人の背中一面に彫られた刺青に度肝を抜かれたのだ。
「ヤクザじゃないですか。なんてことを……」
「そう驚かなくてもいい」Sは苦笑した。「彫り物を入れてはいるが、れっきとした会社員だよ。私がコンサルティングしているくらいだから、変な会社ではない」

 男たちが体の向きを変えると、刺青の規模が明らかになった。首筋から両胸、腕は両手首まで。下半身は尻から太腿の半ばまで鮮やかな色彩に覆われている。図柄の知識は私にはなかったが、とにかく半端な刺青ではない。会社員というのは表向きにちがいない。暴力団新法で合法的な稼業に転換した暴力団の会社の者だろう。
 モニターの中の妻が、男たちの刺青を凝視し、いやいやをするように首を振った。
 Sはテーブルの上のリモコンを取り、音量を上げた。
『かわいがってほしかったら、自分で脱げや』
 龍の刺青の男が言った。
『別に……いいです。帰してください』妻の声がおののく。『Sさんは、あなたがたのことご存じなんですか』
『なめた口ぬかすと、しばきまわすぞ』仁王のような刺青を入れた男が低く言った。『あのじじいはどうでもええんや。堅気のくたばりぞこないの知ったこっちゃない』
「テンションが上がってるね」Sは苦笑を浮かべて私を見た。「役者だね、二人とも」
 Sの庇護が受けられぬと観念したのか、妻は椅子から腰を上げ、背筋を伸ばして立った。背中に手を回してボタンをはずす。ゆるんだ襟元に手をかけるとドレスは小さな衣擦れの音をのこして妻の足下に落ちた。スーツに見えたドレスは、ワンピースだったのだ。
 ドレスの下の妻は全裸に近い格好だった。ノーブラ。そしてショーツとは呼べない紐状の下着が剃毛された恥丘を二分している。
『回ってみい』
 龍が命ると、体を小刻みにふるわせながら妻はターンした。紐が食い込む双臀が強い光線を受けて白く飛んでいる。背筋のくぼみと薄く贅肉がついた脇腹とのコントラストが、成熟の度合いを強調する。ずいぶん長い間、妻の肉体を見ていないような気がした。
 仁王が椅子を片付けた。両胸を抱きかかえて立ちつくしている妻に正座するように龍が言った。妻の両脇に二人が立った。男根はしぼんだまま、勃起の兆候すら見せてはいない。
『わかってるやろな。これからせんならんことは』仁王が言った。『おまえの体を見てもぴくりともせんのや。ほら、お詫びせんかい』
 一瞬、妻がカメラを直視した。私は妻と目があったような気がしてどきりとした。まさか、私がSと一緒にヤクザの調教シーンを観ているとは想像すらすまい。胸がきりりと痛んだが、ヤクザに輪姦されるというおぞましい状況を、妻がどのようにして受け入れるのかという好奇心のほうが強かった。私は、画面から目をそらした。
『まずは、わしからや』仁王が腕組みをし、腰を突き出した。しぼんだままでも、男根は十数センチはあった。
 妻は恐る恐る手を伸ばし、醜悪な肉塊をつまんだ。
『なにしとんじゃ、こらあ!』反対側の龍が妻の髪を掴んで声を荒げた。『誰が手え使て、ええ言うた。お詫びは口でするもんやろが』
 龍の形相におびえた妻は、額を床にこすりつけるようにして謝った。そして、仁王の尻を抱くようにして男根を口に含んだ。
 長い口腔奉仕のあと、妻の唇を割って現れたのは二十センチはあろうかと思われる肉棒だった。間もなく自分を犯す凶器が口の粘膜を圧迫しながら膨張していく感触が、妻から抵抗する気すら奪っていたのかもしれない。妻は、眼前で重たげに揺れる男根に物欲しげな視線を絡みつかせていた。
 すでに亀頭をもたげはじめたもう一本のペニスが妻の口に押し入った。長さこそ標準的だったが、太さと形状が並の男根ではない。成人男性の手首ほどの太さがあり、その表面に海綿体のかたちが浮き出している。まるで筋肉でできているかのようだ。
 妻は鼻腔を広げて空気を貪りながらも、唇を締め、頬をすぼめようとする。
 だが、口を犯す肉塊のため頬はまったくすぼまらない。逆に、頬が内側から不自然に膨らみ、蹂躙のさまを見せつける。
 龍の口腔性交は執拗だった。仁王の倍の時間をかけて妻の口を犯し尽くす。
 勃起を何度も引き抜いては舌で追わせ、裏筋から陰嚢までねっとりとしゃぶらせる。ときおり、どす黒く充血した亀頭を頬や瞼にこすりつけては、卑猥な言葉を投げかける。
『どうや、はよ欲しいんやろ。こんなでかいのを食うたことあるか?』
『……い、いいえ。これほど大きいのは……』
 妻の表情や口調から不快感はうかがえない。鼻筋をなぶる龍の亀頭を見つめる瞳が潤んでいるように見えた。それは、屈辱感による涙ではない。期待感からくる微熱の火照りのせいだ。
 ヤクザに対する恐怖が、妻から消え去っていることに私は愕然とした。
 性感の高まりは、恐怖すら凌いでしまうものなのか。もし、私が妻と同じ状況に置かれたとしたら、たぶん、勃起などさせることは不可能だろう。
 男たちは、こうして何人もの女を嬲ってきたのか、息がぴったりと合っている。龍は妻の体の位置を変えさせると、すかさず仁王が厚手のラグを敷く。
『いつまでもしゃぶってんと横にならんかい』
 暴力的な口調とは異なり、龍は妻にくわえさせたままゆっくりと膝を曲げ、腰を折った。妻の両腋に膝を入れるようにして、真上から口を犯し続ける。
 画面が大きく揺れた。
 固定されたアングルからカメラが解放された。きっと仁王がカメラを三脚から外したのだ。

「おお。いいね、いいね」Sが顔をほころばせた。「あの男のカメラはプロ裸足だからね。きっといい画を見せてくれる」
 私は、不安と期待がないまぜになった表情でうなずき、すぐに視線をプロジェクターに戻した。
 カメラは妻の股間を狙った。単なる紐でしかない下着は、妻の秘唇を割って食い込み、卑猥な肉溝に没している。
『ほおお、えらい洪水や!』仁王のくぐもった声が、ズーミングを始めた画面に重なった。『尺八だけで、こんなに濡らすか?』
 仁王の揶揄が妻の耳に届いたのか、急に脚を閉じる。
『こらあ、脚ひらかんかい! ちんぽ抜かせるぞ!』
 その威嚇は効果的だった。妻がゆっくりと開脚した。
 スクリーンいっぱいに股間が拡大された。
 黒だとばかり思っていた下着は、深い紫だった。その光沢はたぶん絹なのだろうが、妻の愛液が高価な生地を台無しにしてしまっていた。
 食い込む紐に四葉の花弁が絡みつき、おびただしく溢れる蜜がぬめ光る。
 フレームから男の二の腕が現れ、その淫らな布きれを引きはがした。
 妻の秘苑の全貌が明らかになった。複雑な構造をありのままが、ライトのもとにさらけだされた。

「大画面で見るのも一興だね」白濁した粘液をじわりじわりと吐き出す肉の合わせ目を眺めながら、Sは唸った。「きみのところは、たしか子どもはいなかったね?」
 画面から眼を離さぬまま――いや、離せぬまま、私はうなずいた。
「よく締まると評判だよ。実は、私はまだお相手をしてもらったことはないんだが、顧客がそうのろけるんでね」
 意外な言葉に、私はSの顔を見た。
 Sは照れたような笑みをうかべた。「この齢になると、肉の悦びが鬱陶しくなるものだ。肉体の悦楽など、一時的なものでね。やりすぎれば疲れもするし、飽きてもくる。人間の快楽中枢は脳なんだよ。決して粘膜の神経細胞などではない。こうしてきみの奥方のようなご婦人が性感に耽るのを観ることが、なによりも楽しい。射精などとは別の次元の快楽なんだ。まだ若いきみには、年寄りのたわごとにしか聞こえないかもしれないがね」
(これや! これなんや!)
 私は、Sの持論に胸のうちで賛同した。妻との爛れるような日々を送っていた私が求めていたのは、これだったのだ。これまでのもやもやとした思いを、はっきりと言葉にしてくれたSという人物の深さに、感じ入った。
 私はグラスを置き、ソファの上で姿勢を正した。
「Sさん、いや、S先生。今のお言葉に感服いたしました。妻をいろんな男たちに辱めてもらうことに悦びを感じていた私は、実は変態ではないかと思っておりました。しかし、そうではなかった。私もまた、快楽中枢の刺激に酔いたかったのです」
「若いのに変わってるな、きみは」Sは面白そうに笑った。「ところで、奥方の同意は得ているのかな? きみと同じような願望を、奥さんも持っておられないと、悲惨な結果をまねきかねない」
「Fさんと関係を持ってから妻は変わりました。たくさんの男や女の慰み物になることが、どれほどの快楽をもたらすかを知ったのです。その件に関して妻と真剣に話し合ったことはありませんが、妻の思いは私にはよくわかります」
 このような状況に妻を陥れた私とFとの密約のことは明かさなかった。一喝されそうな気がしたからだ。Sの機嫌を損ねたくない一心だった。

 話は後だ、とSはそっけなく言って、プロジェクターに顔を向けた。
 画面の中の妻は、龍の刺青を背負った男を迎え入れようとしていた。
 両肘と両膝で体重を支え、尻を高く掲げている。
 男の両手が腰のくびれをがっしりと掴み、そそり立つ太い肉棒を秘裂に突き立てていた。
 膣内に愛液が満ちているとはいえ、龍の勃起を受け入れるのは難しいだろう。たとえ挿入できたとしても抽挿は困難だ。そのペニスの直径は缶コーヒーほどはあるのだ。
 妻を襲う苦痛から眼をそらそうとしたとき、スピーカーから想像もしなかった声が洩れた。
『はっ……う。くうううっ。す、すごい。いっぱいになってる。くううっ』
 カメラは妻の斜め前から全身をフレームに収めていた。
 ショートカットの髪を振り乱し、背後から犯す男の腰に自らの下半身をうねらせるようにして押しつけている。ペニスは完全に没してるのだろうか。
 やがてカメラがふたたび固定された。そして、淫らな映像が私とSの前に展開した。
 口と膣を同時に犯される妻。太い剛棒と長い屹立を両手で握らされフェラチオを強いられる妻。さらに、膣と肛門を同時に蹂躙される妻。
 これまでの夫婦の性の遍歴で、似たようなシーンは幾度となく眼にしていた。しかし、強靱な肉体に墨を入れた男たちにもてあそばれる今回の様は、禍々しさと淫靡さに満ち、私を魅惑した。

「女は、強いな」
 Sがつぶやいた。
「ヤクザ相手に快楽を貪ることができる。だから、仕込みたい。調教したい。そして、狂う様をつぶさに見たいんだよ」
 同感だった。私は、Sの性哲学と実践に深い感動をおぼえた。もし、妻でよければSに差し出し、私たち夫婦の行き着く先をこの眼で見たいと激しく思った。

ひさしぶりの書き込みなので勘がつかめず、長々と書いてしまいました。管理人さま、もし、ご迷惑のようでしたら削除していただいて結構です。そのときは短縮版とか分割版を書き込ませていただきます。では、後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:45:45|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第13回

【#13 調教】
 翌日、私は会社から何度となく席を立ち、トイレの中で携帯電話のプッシュダイヤルを押した。
自宅の電話もFの携帯電話も虚しく呼び出し音が鳴るだけだった。
 尋常な事態ではない。私は仮病を使って会社を早退して自宅に戻った。
 妻はまだ帰っていなかった。Fからの新しいメールも届いていなかった。
 それから夕方までの約四時間に私がしたことは、スーツを脱いで普段着に着替えたことだけだった。
あとは室内をうろうろと歩き回っていた。
 部屋の中がすっかり暗くなっていることに気づき、リビングの照明を灯したとき、電話が鳴った。
こちらが声を発する前にFの切迫した声が耳に飛び込んできた。
「帰ってたんやな。助かったわ」
「妻は……妻は一緒なんでしょ」
「そこにおってや。今、近くまで来てる。すぐ行くわ」
 電話が切れた。
 十分もたたぬうちに、ドアチャイムがFの来訪を告げた。
 Fの表情からは、いつもの押し出しの強さが消え去っていた。
無精髭が口許をくすませているうえ、仕立てのいいスーツも皺だらけだった。カラーシャツの襟元に汗染みがついていた。
 流しで勝手に水を飲むと、Fはソファに腰を下ろして口を開いた。
 今、妻はFのサークルの有力メンバーとともにいるという。そいつの名を、Fは教えてくれなかった。
関西財界の重鎮で、当然のように裏の世界にも影響力を持っているという。
メンバーの一人が、妻のことをその男に喋ったために食指を動かしたらしい。すぐにその主婦に会ってみたい、と。
 Fに否やはなかった。いつものように夜半には帰せるとたかをくくっていたらしのだが、その男は妻を手放さなかったのだという。
「黙って連れ出したりして悪かったけど、あんたにもええ話やと思うたんや。
あのじいさんのコネを掴んだら、あんたの営業成績も鰻登りになるから」
 自分の仕事のために妻の肉体を差し出そうなんて考えたこともなかった。妻をいろんな男や女に嬲らせるのは、性の冒険のためだった。
Fがステイタスがどのように作られてきたか、そのとき私ははっきりと理解した。こんな男に関わるのは、もうよしたほうがいい。
「で、妻はいつ帰るんですか」
「………」
 Fは腕を組んで溜息をついた。私は重ねて訊いた。
「それが、おれにもわからへんねん。あのじいさん、大阪におるかどうかもわからん」
「そんな無責任な。そのじいさんに妻を預ければどんなことになるか、知ってたんやろ」
 Fはうなだれた。「面目ない。あのじいさんには頭が上がらん。おれだけやない。
関西の企業は、じいさんのことを神様みたいに思うとるんや」
 神様という言葉で、私にはそのじいさんの正体に見当がついた。
「ひょっとして、Sというんじゃないですか、そのじいさん?」
 Fの表情は、私の推測が正しいことを伝えていた。Sは、経済コンサルタントとして日本全国に知れ渡っている。
バブルによる日本経済の失速とともに顧客の数が減ったものの、中堅企業にはまだまだ影響力を持っている。
 性的な奉仕をさせられているにしても、どこの誰ともわからない老人ではない。
マスコミによく登場するSということで、わずかに気が楽になった。
「まさか、Sさんまであんたのサークルのメンバーだったとは……。で、Sさんはどんな嗜好なんですか」
「それが……」Fは口ごもった。「よくわからんのよ。じいさんがメンバーになったのはつい最近のことやし、
サークルを利用するのは今回が初めてやから」
 私は失望した。八十過ぎというSにどのような性癖があるのか興味は尽きない。カネと権力をほしいままにしてきた男だ。
数え切れないほどの女と関係してきただろう。そんな男が、妻をどのような桃源郷に導いてくれるのか、
具体的な情報をもとに夢想したかった。
「しょうがないなあ。それで、Sさんと連絡はつかないんですか」
「向こうから電話がかかってくるだけやねん。番号非通知で」
「メンバーの電話番号も把握してないんですか」
「直通の電話は知ってるけど、携帯を使われたらアウトや。まあ、あれだけのお人やから、滅多なことにはならへんと思うけどな」
「それはそうでしょうけどね」
 私は溜息を洩らした。Fにビールだけでもふるまってやろうと腰を上げたとき、電話のベルが鳴った。
(妻かも!)
 一気に鼓動が高まった。受話器を耳に当てると、聞き慣れない男の声が私の名を確かめ、ゆっくりと話しだした。
『はじめまして。Sと申します。このたびは奥さんを拝借しております。いやあ、実にすばらしい女性ですな。ご主人がうらやましい。
もう少し奥さんをお借りしようと、お電話を差し上げたしだいです。ご不自由をおかけしますが、なにとぞご容赦ください』
 言葉使いは丁寧だが、抗議や反論はいっさい許さぬという強引なニュアンスが感じられた。
周囲からちやほやされて思い上がってしまった老人特有の口ぶりだ。こんな年寄りは、私は何人も見てきた。
「Sさんのご高名はかねがねうかがっております」私は営業モードに切り替えた。
「このたびは、家内がお世話になりまして。ところで、いつごろ家内をお返しいただけますか。
家内がおりませんと、ワイシャツのありかひとつわかりませんものですから」
 老人はからからと笑った。
「この借りはずれ返させてもらいますよ。まあ、細君がいない間、きみも羽根を伸ばせばいい」
「家内は、いつ帰してもらえるんでしょうか」
「せっかちだな」老人の声に冷ややかさが忍び込んだ。「その齢で、おかあちゃん恋しいでもあるまい。私にまかせておきなさい。
悪いようにはせんから」
「いえ、家内がどのような辱めにあうのか非常に気になりまして」
「同じ穴の狢、だな」Sは穏やかに笑った。「きみの気持はよくわかる。そうだ、こうしよう……」
 Sは、妻が陵辱される光景をビデオカセットや映像ファイルで送ると約束して電話を切った。
以後の連絡はメールでするようにと最後に付け加えて。
「あのじいさん、ITには乗り遅れ気味だから必死なんや。今ではコンピュータも達者になったらしいけど、六十半ばで根性あるで」
 Fの言葉を聞きながら、私は胸が躍った。強い意志を持った老人が、妻にどのようなプレイを仕掛けるのか、まるで想像がつかなかった。
輪姦、肛門性交、SM、レズ、露出などの修羅場をくぐってきた妻を待ち受けているものはいったい何だろう。
 そんな疑問をFにぶつけてみたが、明快な回答は得られなかった。
 Sからのメールなり小包なりを待つしかない。

 寝酒のスコッチをなめながら、メールをチェックした。
 Sの約束がその日のうちに遂行されるとは期待していなかった。なにしろグループ企業十社のトップに君臨する男だ。
多忙を極めているはずだ。
 だが、メールは送られてきた。
 三メガバイトものサイズのメールをダウンロードし終わるまでの十数分間がどれほど長く感じられたことか。
 送信者のメールアドレスに心当たりはなかった。
 件名は「調教記録その1」
 本文は無し。画像ファイルが十点添付されているだけ。
 マウスに伸ばした手が、期待と不安に細かく震えた。
 被写体は、すべて妻だった。

ファイル01:革張りのソファに座っている。Sの執務室か?
ファイル02:強ばった笑みを浮かべ、一糸まとわぬ姿で佇んでいる。背後の書棚にSの著書がずらりと並んでいる。やはり執務室だ。
ファイル03:ソファに座り、両脚を限界まで広げて無毛の性器を自らの指で広げている。
ファイル04:標準サイズの筒具を根本まで呑み込んだ花芯のアップ。ピンぼけだが妻の貌が写り込んでいる。表情まではわからない。
ファイル05:花芯を貫いていた筒具が、アヌスを犯している。
ファイル06:鑞涙にまみれた乳房のアップ。
ファイル07:白髪のまじった陰毛から屹立する黒い男根に舌を寄せる妻。よく見てみると、妻はフェラチオしながら自ら蝋燭を持ち、背中に鑞涙を垂らしている。
ファイル08:大理石製の応接テーブルの上にしゃがみ込んでいる。豊かな臀には鞭痕らしいみみず腫れが幾筋も走っている。押し潰されたイチジク浣腸が五個転がっている。
ファイル09:Sの専用トイレにうずくまる妻。鑞涙を体中に張り付けたまま顔をゆがませている。
ファイル10:妻の貌のアップ。長く泣いていたようだ。涙が頬を濡らしている。目許は腫れぼったくなり、鼻の頭が赤みを帯びている。

 正直なところ、Sの行為には落胆した。たぶん、自分のオフィスで妻と二人きりで行ったのだろう。
ドアを開ければ営業中の会社であるという状況を楽しんでいるだけだ。新味がまったくなかった。
 こんなことは、これまでの一年足らずの間に経験済みだ。もっと凄いことをSならやってくれるだろうと期待していたのに。
(こんな生ぬるいSMでも、じいさんには精一杯なんだろうな)
 なにが調教記録だ、口ほどにもないとはこのことだ。
がっかりする反面、経営の生き神と崇められているSのハッスルぶりが微笑ましくもあった。
「あんた、女を調教するより企業を調教するほうが、やっぱ向いてるで」
 ディスプレイに向かって軽口をたたいた私は、グラスを口に近づけた。どうやら安眠できそうだ。
 最初の一口を含んだとき、私の脳裡を何かがかすめ飛んだ。
(……こんなことは、これまでの一年足らずの間に経験済み?)
 そして、妻の涙。これくらいの行為で妻が泣き腫らすわけはない。
 いったい、妻はSに何を言われたのだ? 私はふたたび画像ファイルを開いた。どんな細かいところも見逃すまいと、眼に力をこめた。
 だが、新たな発見はなかった。
 十一か月ぶんを一気にたどった組写真と言うだけだ。
(一気にたどる? 十一か月ぶんを……?)
「そういうことか!」
 思わず、私は呻いた。Sの書いたシナリオがわかった。妻が経てきた陵辱の数々をオフィスでおさらいしたのだ。
たぶん、妻に告白させながら。
 Sは、妻の現在のレベルを確認したのだ。
 そのうえで、自分なりの調教を施していこうといこうという腹づもりなのだろう。
“調教記録”という件名に、その期待と自負が表れている。
 これ以上、どのような責めがあるというのだろう。
 私は、SMに関する国内外のサイトを閲覧しまくった。流血をともなう拷問まがいのプレイ写真にたどり着いたときは、
さすがに胸が悪くなった。それがオランダのサイトであることが、唯一の救いだった。日本人の感性では発想できないプレイだった。
まさか、あんなことまではしないだろう、私は自分に言い聞かせた。
 SMに関して無知であることを、そのときの私はまったく自覚してはいなかった。

 これ以降、私たち夫婦の生活が激変いたしました。Sの老獪さと情熱に翻弄される私たちの有様は、
今から顧みますと滑稽でもあった気がします。次回は短期間でアップしようと思っていますが、どうなりますやら。では、後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:41:12|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第12回

【#12 耽溺】
 Fと密約を交わした日、最終の新幹線で私は静岡に帰った。
 昼間の激しい行為で疲弊しきった妻は、見送りに行くと言い張ったが、私は固辞した。
明日から妻が呑まれることになる状況を考えれば、一時間でも多く休息させたほうがよいと思ったからだ。
 車窓を流れ去る郊外の民家の明かりをぼんやりと眺めながら、鈍痛にも似た性欲の高まりを密かに味わっていた。
 私に精通があったのは小学六年の冬休みだった。童貞を捨てたのは高校三年の春。そして結婚するまで、
プロを含めて八人の女と関係を持った。すべてノーマルな性交だった。
異常な性愛があることはマスメディアなどから知識を得ていたが、自分には関わりのないことだと決めつけていた。
 そんな世界観がいかに狭量であったかを、この十か月の間に思い知らされた。Fの手によって強制的に導かれたが、
この世の中には自ら性の迷宮へ飛び込む勇敢な人々もいるだろう。もっと早く、あり余るほどの体力と精神の柔軟性をもつうちに、
なぜ、私は踏み出そうとしなかったのか悔やまれた。
 だが、これからは違う。退屈なセックスのために空費した時間を、これから取り戻すのだ、妻と一緒に。

 関東の梅雨入り前に、私は大阪支社に戻ることができた。
 それからは、まさに性の桃源郷に耽溺する日々を過ごした。私が見守っているということに馴れた妻は、
存分に悦楽を味わっているようだった。
 私が危惧していたのは、エスカレーションだった。
 SM、複数、露出などさまざまなプレイを経験し、異物挿入、肛交などあらゆる性技を仕込まれてしまった妻は、
もう引き返せなくなるのではないだろうか。より深く、より異常な性感にしか興味を示さなくなるのでは……?
 だが、丸一年が過ぎるうちに、それが杞憂でしかなかったことがわかった。
 グレーフェンベルク・スポット――Gスポットの存在と、それがもたらす悦楽に開眼した妻は、
行為のエスカレーションよりも、自分の肉体の探求に興味を持ったようだった。したがって、
男根の挿入をともなうプレイをより好んだ。性交無しの純粋なSMプレイでは不完全燃焼を訴えるようになった。
 わがままが言える立場かい、と口では乱暴なことを言いながらも、Fは妻の意思を尊重してくれた。
それは、密約を交わした私に対する誠意かと思われた。なにしろ、負債がとうに消えていることを、
私は妻に伝えてはいなかったのだから。
 それは、耽溺としか表現できない月日だった。
 男や女に陵辱される妻の痴態に見とれ、我が家のベッドでは妻の性技に骨抜きにされる日々。
 性欲のテンションがこれほど維持できるとは、私は想像すらしたことがなかった。
 仕事で移動している間も、妻の肉体が脳裏に去来し、地下鉄の中で勃起させている自分に気づくことも少なくなかった。
 だからといって、学生時代の頃のように性欲で頭がいっぱいになるほど、私は若くはなかった。
むしろ、仕事にも身が入り、さまざまな案件を精力的にこなすことができた。
 始まりがどうであれ、この状況は私たち夫婦にとって天からの贈り物のような気がしていた。

 だが、その日は唐突にやってきた。
 得意先の接待が長引き、私が自宅マンションに帰り着いたのは午前一時前だった。もう寝ているだろう妻を起こさぬように、
静かに室内に入った。
 真っ暗闇だった。廊下のブラケットすら灯っていない。
 結婚以来、こんなことは一度もなかった。
 もしかして、Fとの密約が明るみに出て怒っているのだろうか。それとも具合が悪いのだろうか。妻の実家の両親が急病とか……?
 いや、緊急事態なら私の携帯電話に連絡を入れるはずだ。
 私はリビングの明かりをつけて寝室を覗いた。
 妻の姿はなかった。
 居宅内を捜したが、妻はいなかった。
 留守番電話の発光ダイオードは点灯したままで、録音のないことを示していた。
(Fの急な呼び出しか?)
 受話器を取って、Fの携帯電話の番号をプッシュしたが、留守番サービスに切り替えられていた。
(メールかも!)
 案の定、Fからのメールがあった。

*******************************
予定外の事で、ご迷惑をお掛けします。奥さんを暫くお借りします。
私の方から連絡致しますので悪しからずご了承下さい。
*******************************

 アドレスを確かめると、携帯電話からのメールだった。饒舌なくせに文書は素っ気ないFらしいメールだが、
焦りのようなものが短い文面から感じられた。それに、真夜中まで妻を連れ出したことも初めてだった。
 不吉な予感のようなものを、私は感じた。
 性愛の桃源郷がかき消えてしまうような気がした。
 そんなことはない、考えすぎや。私は無理に自分に言い聞かせ、ネクタイをゆるめた。

 これから書こうとしていることは、私を含めていろんな方にとって差し障りのあることになると思います。
どのような書き方をするのがベストか、考えあぐねていますが、ここまで書いておきながら、
とけしかけるもう一人の自分の甘言に乗ってしまいそうです。
これは、人様に読んでいただく文章を書くうえで避けられないことなのでしょうね。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:35:05|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第11回

【#11 誘導】
 SMに対して、荒縄と鞭と蝋燭という貧困なイメージしか持ち合わせていなかった私は、
男たちと妻が繰り広げる行為に激しい衝撃を受けた。
 リーダーに命じられた四人は、革製のバッグ巨大な注射器を思わせるガラス器と小さなPETボトルを取り出すと、
洗面器を抱えて寝室から消えた。風呂場のドアを開く音が聞こえた。
 妻のロープをゆっくりとほどいているリーダーと目が合った。
 男は、温かみのある笑顔を浮かべて私に頷いてみせた。安心しろ、何も言うな、と男の眼は言っていた。そして
、すぐに冷酷な表情をつくると妻の髪を掴み、耳許で言った。
「さあ、ケツの穴でおれたちをお迎えする前にきれいにせんとな。糞だらけの穴に突っ込んだら一発で尿道炎やがな」
 弱々しく首を振る妻に下卑た笑い声を浴びせ、ベッドから抱え上げると寝室を出ていった。
 あんたも役者やで、と言いながらFがやってきた。私の前にしゃがみこむとタバコを咥え、ライターで火をつけた。
「奥さんの浣腸ショーを見せてやりたいところやけど、そこまでやったら三文芝居になる。ここで我慢しててな」
「あの五人は誰なんですか」
 私の質問にすぐには答えず、Fはタバコの煙を真上に吹き上げた。ふたたび私の顔に視線を戻すと、おもむろに口を開いた。
 五人の初老の男たちは、いずれも中堅企業の会社役員だという。もちろん、会社は別々だ。経済界交流ゴルフコンペで知り合い、
知己になった。いずれもSMマニアだという。まさに類は友を呼ぶ、だ。バブルの頃は各自が性交奴隷を飼っていたが、
このご時世ではそれもままならず、Fが用意した女を五人で嬲ることで欲望をなだめているらしい。
 男たちが仕える会社名を、Fがはっきりと口にしたことにも驚かされた。
「そろそろ教えてもええやろ」私の表情を読んで、Fはにやりと笑った。「もうあんたは一線を越えてしもたんや。
こっち側の人間になったちゅうこっちゃ」
「………?」
「おっさんに尺八してるとこを撮影させてもろたで。妙な気を起こしたくても起こせんいうことやな。意味はわかるやろ?」
 私が男根を咥えている写真をばらまくということだ。つまり、保険をかけたということだろう。私はうなずいた。
 風呂場から悲鳴が湧いた。ここからでははっきりとはわからない。切迫した妻の声に、男の低い声がかぶさる。
 Fは私の手錠の具合を確かめると、立ち上がった。「食い込んで痛いようやったら、そこの小さいボタンを押せばすぐゆるむから。
まあ、腹をくくって楽しむこっちゃ。あんたはそれができる男や」
 私はその場にあぐらをかいて耳を澄ませた。
 妻が弱々しい声で哀願していた。
 男の声が響いた。「まだ出したらあかんがな。たった三本で音を上げてどないすんねん。あと二本も残っとるんやで」
 数分間の間があった。その沈黙を破ったのは、下品な破裂音だった。妻の呻き声がそれに続く。勢いのある水音が断続的にし、
ふたたび破裂音が響く。
 男たちが囃し立てる。
 やがてシャワーの音が聞こえてきた。

 男たちに抱きかかえられるようにして寝室に戻ってきた妻は、感情を失ってしまっていた。
目は虚ろなまま見開かれ、口許もゆるみきっている。女としてもっとも人目にさらしたくない行為を
五人もの男の前でさせられたということが、妻の精神を焼き尽くしたのではないだろうか。
もう元の妻に戻らないのではないだろうか。
 だが、それは杞憂だった。
 ベッドに仰向けにされ、五人がかりの愛撫を受けはじめたとたん、妻は嬌声を洩らしはじめた。
「なんや、もう洪水やないか。年増女の本性いうやつや」
 リーダーがからかった。
「奥さん、欲しいんやろ? 欲しいんやったら、はっきり言うんやで」
 妻はためらいもなく淫らな単語を口にした。
 それを合図に、一人の男が妻の脚の間に腰を入れた。妻の喉から短い呻きが洩れた。挿入されたことがわかった。
妻の両脚が男の脇腹を挟み込んだ。
 ベッドの両脇で男たちが勃起しきった男根を突き出すと、妻の手が素早く伸びてそれぞれの掌で肉棒を握り、しごく。
 四人目の男が妻の胸に尻を載せ、陰茎を口に押し込んだ。
 妻を思い思いに犯す男たちが、重い吐息を洩らした。
 私のベッドで様子を窺うリーダーは、満足げな表情を浮かべている。
 四人は位置を変えては、妻の手と口と膣の感触を堪能した。
 三十分間のうちに、妻が十回は達したのが見てとれた。本当はそれ以上、オルガスムスに襲われていたのかもしれない。
「そろそろほぐれてきたやろう」
 リーダーがつぶやくと、四人は妻を腹這いにさせた。下腹部に枕を入れて臀を掲げさせる。
さらにベッドの両側から太腿を引くようにして脚を開かせた。
 ガラス製の平たい容器を手に、リーダーが妻の両脚の間にあぐらをかいた。
 容器の蓋を開け、白い軟膏を太い指ですくうと妻の肛門に塗りつけた。
 気を失っていた妻が、ひっと呻いて身を起こしかけた。すかさず、残りの二人が妻の背中を押さえつけた。
「や、や、やめてください。そこだけは、そこだけは……」
「今さら何言うてるんや。糞までひりだして見せたくせに」
 下卑た笑いを浮かべたリーダーは、妻の哀願を一顧だにせず指を動かした。軟膏は体温で溶けて透明な粘液になった。
指は円を描き、肛門の皺を伸ばすように揉み込んでゆく。
 ときおり、妻の肩胛骨が浮き出す。嫌悪か、それとも快感か。ベッドの足下で眺めている私にはわからない。
「あうっ」
 妻の呻きが上がった。リーダーの親指が根本まで肛門に突き刺さっていた。
あとの四本の指は会陰をまたいで秘苑をまさぐっている。すぐに粘った音が聞こえはじめた。
「むちゃくちゃ濡れとるやないか。もうワセリンはいらんな」
 リーダーはワセリンにまみれた親指と愛液に濡れ光る四本の指をこすり合わせると、
すでに屹立した男根に塗りたくった。さきほど、私の口を犯したそれは、サイズこそ標準的だったが
五十男のものとは思えぬほどの硬度を見せ、鋭角に天を衝いていた。
「さあ、初物をいただこうか」
 リーダーは妻の双臀を掴むと、左右に割った。男たちに押さえつけられたままの妻は、かすかにいやいやをした。
「奥さん、ゆっくりと息を吐きや。そうそう。うんこするときのようにケツの穴をゆるめて……よっしゃ、そのままやで」
 一瞬、妻の背中が反った。押さえつける四人の男たちの表情が真剣味を帯びる。リーダーの尻が筋肉を浮かび上がらせる。
 嬌声とも呻吟とも形容できない声が、妻の口から発せられた。
「よう締まりよるで」リーダーがつぶやいた。「食いつきよるみたいや」
「感想はええから、早よ回しなさいよ」
「見てるだけで洩らしそうや」
 などと男たちは言いながら、うらやましげな視線をリーダーの顔と妻の臀に這わせる。
「奥さん、痛いことあらへんか」ゆっくりと腰を動かしながら、リーダーが声をかける。
「痛かったらすぐに言いや。アナルセックスは最初が肝心やからな」
「ああっ、ああっ」妻の顎が上がった。「へ、変なの。熱いの。お尻が熱いの。いや、いやあ」
 四人は妻を解放した。だが、妻は肛門での結合を自ら解こうとはしない。むしろ、両腕をベッドに
つき掲げた臀に力を込めようとまでしている。
「なんや奥さん、一発目からアヌスで感じてるんかいな。おい、アホ亭主、見てみい。これがおまえの嫁はんの本性や」
 直腸の奥深くに男根を呑み込もうと、妻は双臀をグラインドさせながらリーダーの下半身に押しつけている。
 道はつけた、と宣言してリーダーはベッドから降りた。
 男たちが妻に群がった。
 全員が一通りアナルセックスを試みたあと、複合技ともいえる陵辱が始まった。肛門に男を咥え込んだままで膣に別の男根を呑み、
口腔を三人目の肉棒で突かれまくられるという有様だった。残りの一人は乳房を嬲ったり陰核をいじったりした。
 その間、妻は狂ったように腰を振り続け、男たち以上に悦楽を耽った。
 一服していたリーダーはタバコを消すと、おもむろに立ち上がった。片手いっぱいに洗濯ばさみを持って近づく。
これから行われることは想像に難くない。私は全容を見守ろうとベッドの脇に移動した。

 欲情に満ちた妻のあえぎが悲鳴に変わった。肛門と膣を男根に塞がれたままの妻に、一個、また一個、洗濯ばさみが食いついてゆく。
重たげに揺れる乳房に洗濯ばさみの花が咲いた。両方の乳房に、その凄惨なアクセサリーをつけ終えると、リーダーは仕上げを施した。
両乳首に一個ずつ咬ませたのだった。
「痛い痛い痛い痛い……堪忍してくださいいい」
 食いしばった歯の間から絞り出す訴えを無視して、リーダーは妻の脇腹の柔らかい皮膚をつまみ、洗濯ばさみを食い込ませた。
「きいいいいいいっ」
 妻がのけぞった。同時に、妻を犯している二人が呻いた。
「よう締まるやろ」洗濯ばさみをすべて妻に咬ませたリーダーが笑った。「お楽しみはこれからや。辛抱たまらんようになるで」
 お手柔らかに、と口々に言いながら、二人の男は再び抽挿を開始した。乳房と脇腹を襲う激痛よりも、
秘苑と菊座からもたらされる刺激のほうが優るのか、妻の鼻腔から洩れる声に甘いものが混ざる。
 リーダーに替わり、二人の男がベッドの両脇に立った。手には、火のついた太い蝋燭が握られている。
二人は無造作に蝋燭を傾け、大量の鑞涙を妻の背中に滴らせた。
「うわっ」肛門を犯す男が呻いた。「あかん。そんなに締めたらあかんがな」
「ほんまや」仰向けになった男が相槌をうつ。「ただでさえよう締まるんやから、もっと加減してくれんと」
「交代したろか?」
「止めへんから、早よいきや」
 二人は軽口をたたきながら鑞涙を落としてゆく。熱鑞から逃れようとからだをくねらせる妻の姿態が哀れでもあり、
また、私の興奮を誘った。
 背中が鑞涙で覆われてしまうまでに、妻は五度は絶頂を迎えた。
 妻の前後を貫いていた男たちはベッドから降りて、ベッドサイドの二人と交代した。
 私は膝立ちになって妻の体を観察した。臀を掲げたままの妻は、息をのむほどエロチックだった。
鑞涙や洗濯ばさみが陵辱の無惨さを強調し、女体の脆さとはかなさを際立たせている。
双臀の間からのぞく無毛の秘苑にはクリーム状の愛液がまつわりつき、肛門はぽっかりと広がったままだ。
ときおり、その二つを結ぶ括約筋が痙攣し、男根を求めているかのように会陰がひくつく。
女体の強靱さと貪欲さを、私は思い知らされた。
 やはり二人は同時に妻を犯した。体位も、前の二人と同じく、一人が仰向けになり膣に、もう一人が後背位で肛門を貫いた。
「入れすぎやで。ゆるゆるになってるわ」アヌスに挿入するなり男が言った。
「こっちもや。おまけに濡れすぎやし、おもろないなあ」仰向けの男も不平を洩らす。
「まあまあ、そう言わんと」一人が苦笑しながらリーダーの隣に腰を下ろした。「おれが締まるようにしてやるから」
もう一人が、細い棒を手に鞭を手にしてベッドサイドに歩み寄った。新たな肉棒を受け入れて悦楽の世界に耽りはじめた
妻の顎に手をかける。「奥さん。ちょっと痛いめにおうてもらうよ。ええな?」
 妻は焦点の合わぬ眼で男を一瞥してうなずいた。
 よっしゃ、と言うが早いか、鑞涙にまみれた背中に棒を振り下ろした。乾いた音がした。
 妻の短い悲鳴が上がる。
 間隔を空けずに、二打、三打が放たれた。鋭い衝撃に鑞涙が飛び散る。
「やめてっ、お願いですから、ぶつのはやめてください」
 妻は首をねじり、男に許しを請うた。
「洗濯ばさみと蝋燭で感じとったくせに」男は唇をゆがめて妻の哀願を一蹴した。「指揮棒ごときを怖がることはあらへんで。
特に、これは白木やのうてカーボングラファイト製や。折れたりせえへんから安心して楽しんだらええ」
 男の笞打ちは延々と続いた。最初は一打ごとに悲鳴を上げつづけていた妻だったが、痛みによる括約筋の収縮が思わぬ
快感を引き起こしたらしい。前後の肉孔を犯す男たちは指揮棒の動きに合わせて抽挿を行っている。括約筋が締まった瞬間、
肉襞をえぐるように陰茎を打ち込むのだ。
 鑞涙のほとんどが飛び散った頃、真っ赤に充血した背中をくねらせ、妻がひときわ強烈なオルガスムスを迎えた。
 私は二度目の精をショーツの中に放った。

 しばらくして、男たちは責め道具をバッグに丁寧に収め、身支度をしてマンションを出ていった。
「いつもながら、感心するわ」Fが私の手錠を外しながら言った。「あの五人組、一回も出してへんのや」
 私も、それが疑問だった。妻の体に何度も挿入しながら射精だけはしなかった。
「SMいうのは、そういうもんなんやて。精神的ななんとか……て言うてたな」
 Fは私の股間の染みを見てにやりと笑った。
「あんたは、奥さんに触ってもいないのに暴発かい。もっと鍛えんと、これから大変やで」
(これから? これ以上、刺激的なことが妻と私の身の上に起こりうるんやろか)
 これからのプレイに期待していると思われるのもばつが悪いので、借金のことを代わりに持ち出した。負債は減ったのか、
あといくらほど残っているのかと。
 失神している妻を一瞥すると、Fは私をリビングに導いた。寝室のドアを閉め、小声で答えた。
「ぶっちゃけて言うと、債務はほとんど消えてるよ。あんたが静岡に行ってから、ほぼ毎日、男や女に抱かれてるからね」
「それじゃ、妻を解放してもらえるんですか」
「そこで相談やがな」Fはますます声をひそめた。「あんたは、どうなんや? もう、こんなことやめたいんか」
 私は口ごもった。「妻の意思を尊重するつもりですけど……」
「今、見たやろ? 奥さんは完全にハマってるで。もし、あんたが『おまえが決めろ』と奥さんに言うたら、答えは一つやろ?」
「やめる、と?」
「ああ。人妻の誠、いうやつや。しかし、それは奥さんの本意やない。泣く泣く旦那に従うてるだけや。
変なやつと浮気されるよりは、この状態のほうがええんとちゃうかな」
 私は、非情にもうなずいてしまった。妻の狂態を見せつけられたせいで、正常な判断ができなくなっていたのだろうか。
いや、それはあまりにも見えすいた言い訳だ。私は、妻が性的にどう変わってゆくかということに激しく興味をいだいていた。
そして、私もまた、未知の快楽を知りたくてしょうがなかった。
 来月いっぱいで短期赴任が終わる予定だ。六月から妻とともにFがいざなう悦楽の園に飛び込める。夫婦二人なら、怖いことはない。
これまでの四か月間、肉体的、精神的、社会的なリスクはまったくなかった。
私にとって、Fはアリスを不思議の国に導いた白うさぎのような存在だった。
いや、ファウストに地獄を覗かせたメフィストフェレスに例えられるかもしれない。
 Fは、私の手を握ると晴れやかな笑みを浮かべた。
 つられて、私も微笑を浮かべていた。

 中間管理職として部下に説教を垂れる立場にある私ですが、そんな資格なんてないことを、
今回の文章を書いていて痛感しました。夫婦が話し合って決めるべきことを独断してしまいました。
そのときは、未知の領域に対する好奇心しかありませんでした。悔やんでも悔やみきれません。では、後日。
  1. 2014/07/30(水) 07:28:07|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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贖罪 第10回

【#10 倒錯】
 神戸の山の手にある高級マンションで剃毛を施された日以来、私は、Fからの妻への呼び出しを心待ちにするようになった。
 頻度は週に一度。いずれも平日の夕方から妻は陵辱の場に出かけてゆき、夜十時前には解放されるのがパターンとなっていた。仕事の都合をつけて、できるだけ現場を見守りたかったが、二回には一回は諦めざるをえなかった。
 だが、Fは妻が辱められる様子を収めたビデオカセットを律儀にも届けてくれた。男たちの顔にはモザイクがかけられているが、妻の顔はもろに写っている。週末は、その映像を眺めながら妻と交わった。妻を嬲る男たちの際限のない欲望とマニアックな技巧には舌を巻いたが、そんなことよりも妻の変化のほうに、私は何倍も驚いた。
 初対面の男たちに体を開くことへの嫌悪感と抵抗感は消えないようだが、いったん男たちの視線に秘部を晒し、フェラチオを始めたとたん、妻の精神は急速に変容するようになっていた。直接的な接触を経なくとも、男たちの好色な視線だけで十分に潤い、眼前に突き立てられた男根に自ら舌を伸ばす。そのさまには芝居めいたものがなく、本能的なものに衝き動かされているとしか思えない自然なものだった。
 ワイドテレビのブラウン管いっぱいに広がる、そんな妻の姿に私の心は揺れ動いた。Fからの呼び出しの電話を受けるたびに暗い表情を見せ、ときには私の胸で「もう行きたくない」と涙を流してみせたのはいったい何だったのだろう。男たちに蹂躙されることは本意ではないことを強調するためか。嫌悪感しかおぼえないことを訴えたいためか。ビデオに収められている姿は演技だと私に信じ込ませたいためか。
 だが、妻の性感が飛躍的に高まっていることを私は知っている。妻の膣が柔軟性を増していることを知っている。私に対する妻の技巧が洗練されつつあることを知っている。
 もし、妻が自分の肉体の可能性に興味を抱いたとしたら、私になす術はない。男たちの性技に馴らされ、そこからしか深い満足感が得られなくなったとしたら……。
 嫉妬と恐怖が、いつのまにか私の心にわだかまっていた。
 そんな気持とは逆に、ふだんの妻に目立った変化はなかった。ちょっとしたまなざしや仕種に色気を感じることもあったが、それは、ビデオの映像で妻の肉体の魅力を再確認した、私の心の作用だったのかもしれない。

 二月半ば、静岡支社への短期赴任の内示があった。浜松にある某メーカーは私が開拓したクライアントだったが、支社の梃子入れのためという東京本社からの指示があったのだ。残念だったが、一介の営業課長が異を唱えるわけにはいかない。
 三月から関西と関東の二重生活が始まった。会社が用意したウィークリーマンションに住み、週末は自宅に帰った。だがそれも最初のうちだけで、月のうちの半分は販売応援でつぶれた。
 妻とは毎晩、電話で連絡を取り合っていたが、とりたてて変わったところは感じられなかった。Fに呼び出された日はさすがに沈んだりしていたが、私の健康を案じる気配りは忘れなかった。そしてなにより、私の不在をFが利用しようとはしていなことにほっとした。週一回のペースをくずさず、妻をちゃんんと帰宅させていたのだ。

 四月下旬、私は大阪支社に呼びつけられた。部下が和歌山のクライアントとトラブルを起こしたのだという。そのクライアントとの長い付き合いのある私でなければ事態を収めることはできないと、部長は判断したらしかった。
 騒ぎは午前中に収まった。部下と昼食をとって別れた私は、自宅に向かった。
 今日はFの呼び出しがないことは昨夜の電話で知っていた。
 午後二時には自宅の玄関ドアの前に立ち、ドアチャイムを押していた。
「どなたさん?」
 インターフォンから流れてきたのは、聞き覚えのある男の声だった。
「Fさん……じゃないですか。なぜ、あなたがここに?」
「旦那さんかいな」Fの声がゆるんだ。「脅かさんといてよ。いま開けたるから待っとき」
 ドアを開けると、Fは私を押しやるようにして玄関ポーチに出た。ジーンズにトレーナー姿。まるでこの家の主人のような格好だ。
「今、取り込み中やから、ばたばたせんようにな」
「何をやってるんですか。うちを使うなんて……」
「まあまあ、ええから」なおも言い募ろうとする私に顔を近づけて、Fは秘密めかしてささやいた。「お詫びのしるしに、同室させたるから」
 これまで、妻の痴態をモニターテレビやビデオカセットの映像越しにしか見ることができなかった私は、“同室”という単語のインパクトに言葉を飲み込んだ。
 Fとともに足音を忍ばせて廊下を進んだ。Fがリビングのドアを開けると、男たちの哄笑と妻の呻きが聞こえた。初めて生で見る蹂躙の光景に備えて深く息を吸い込んだ。だが、リビングは無人だった。仕立てのいい男物のスーツが五着、ハンガーに吊られてサッシュ窓のカーテンレールに掛けてあった。
 寝室から洩れる妻の間欠的な呻きの合間に「動くと切れるぞ」とか「蝋燭で蓋をしてやろうか」とかの物騒な声が湧く。思わず寝室に向かおうとした私をFが押しとどめた。
「生で見たいんやったら、これをつけるんや」
 Fの手には手錠が載っていた。
「部屋の隅でぼーっと見てられたら白けるから、あんたにも協力してもらわんと。嫁はんが犯されてるちゅうのに手も足も出ん亭主の役や」
「家内は大丈夫なんですよね。ひどいことをされてはいませんよね」
「遊びやがな。奥さんも結構のってまっせ。さあ、これをつけて一緒に楽しもうやないの」
 私は両手首を合わせて差し出した。Fは首を振った。「後ろ手やがな」
 両手の自由を奪われた私を引っ立てるようにして、Fは寝室に入った。
 肉で充満した部屋というのが第一印象だった。六畳の室内に六つの裸体があった。
 三人の初老の男が私のベッドの縁に腰掛け、残りの二人はもう一つのベッドで妻に剃毛をほどこしていた。
 真っ赤なロープで上下から絞り出された乳房に眼が吸い寄せられた。さらにそれぞれの付け根を細めの紐で巻かれ、乳房全体が充血し、砲弾のように尖っていた。両腕は頭上で一つにまとめられ、肘から手首にかけてロープが隙もなく覆い、その縄尻はカーテンレールに結わえられていた。下半身はやはりロープで強制的に開脚させられていた。膝の上下に幅広に巻かれたロープ同士が結わえられているのか、両膝を折った状態で固定されている。さらに、両のくるぶしに巻き付いたロープの縄尻がベッドの左右に伸び、開脚を強いているのだ。
 M字に開いた脚の間に洗面器が置かれていた。シェービングフォームの泡が浮き、無数の黒い点が埋まっていた。伸びかけた陰毛の残骸だ。
 妻の膝を掴んでぎりぎりまでの開かせた男と、妻の股間で背を丸めていた男がこちらを振り向いた。二人ともやはり五十半ばの年輩だ。
「すんません、お邪魔して」
 Fは私を突き飛ばした。
「今、アホ亭主がのこのこ帰ってきたもんですから、こいつの前で嫁はんをやっつけるのも一興やないかと」
「おう、そらええアイデアや」
 私のベッドに掛けた小太りの男が立ち上がった。リーダー格のようだった。半分ほど勃起した陰茎を揺らしながら私に歩み寄ると足を飛ばした。腰を蹴られ、私はその場に尻餅をついた。
「正座せいや、アホ亭主。女のほんまの悦ばし方いうのんを教えたるから、そこでよう見とけ」
 生まれて初めて足蹴にされた屈辱感が、私に甘い痺れをもたらしていた。男の蹴りはかなり加減したものだった。たぶん、これはゲームなのだ。反抗を封じた亭主の前で女房を犯すというシチュエーションを楽しむための。
 リーダーは、妻の傍らに立つと、髪を鷲掴みにして頭を起こさせた。妻は私のみじめな姿をみとめると小さく息を飲んだ。
「どないや、奥さん。亭主に見られながら嬲られるいうのは? あの亭主にしかにしか見せたことのないとこを大勢の男から見られるちゅうのは?」
 同じ空間に私がいるというのは、妻にとってはさすがに苦痛らしかった。リーダーに髪を掴まれたまま、顔を激しく左右に振った。予告もなくFが男たちを連れてきたのだろうか、化粧っけはまったくなかった。それが生々しい日常性を醸し、私を興奮させた。
 リーダーは私に軽い蹴りを二、三回入れた。私は喉の奥で呻いてみせた。
 抵抗すれば旦那が痛い目にあうだけだ、とリーダーは妻を脅した。
 妻はその言葉に屈した。

 五人の責めは私の想像をはるかに超えていた。男たちはいずれもSMマニアだった。夫婦の寝室に持ち込んだ道具のいずれも使い込んだもののようで、それらを遅滞なく扱って妻を蹂躙した。
 一人が妻の上体を背後から起こすと、もう一人が両脚を割り広げ、三人目が性具を妻の無毛の秘部に抽挿し、四人目が鑞涙を垂らす。そして、最後の男がベッドに仁王立ちになって妻にフェラチオを強制するといった、淫らで流麗なチームプレイを発揮した。その間にも妻に対する言葉嬲りを忘れない。
「そんな尺八で旦那を満足させとったんかい。ふつう、そんなんで男はいかんで」
「ほほお、いやらしいおつゆがぎょうさん出てきよったがな。見てみいな。イヤや言うてもここは正直なもんや」
「びらびらも膨れて、おさねさんもおっ立ってるわ。この奥さん、もうすぐいきよるんとちゃうか」
「亭主の前で、そら殺生やで。商売女でも、ここまでようせんわな」
「もう一本欲しそうやな。ケツでも悦びよるで、この女やったらな。どや、お願いしてみいな。アヌスにバイブくださいって」
 乱暴な台詞とは裏腹に、男たちの性技は繊細で巧みだった。生け贄の反応を素早くキャッチしては責めに緩急をつけていく。一対一の前戯ではとうていなおざりにされる部分を手が這い回り、舌が唾液をなすりつけてゆく。
 口を男根で塞がれた妻は、鼻腔から唸りとも呻きともつかぬ音を洩らして達した。だがすぐに、男たちの執拗な責めに反応しはじめ、短時間のうちにふたたびオルガスムスを迎えた。男たちは目配せしあうと、三度目の絶頂に誘いはじめた。だが、あと数秒で頂にというところでぴたりと責めをやめ、妻から離れた。
 妻は一瞬きょとんとした。そして、腰を前後左右に激しく蠢かせながら、声を絞り出した。
「や、や、やめないでえ! いやっ、いやよお。お願い、犯して。犯し続けてください。お願いしますう……お願いしますう」
 その哀願を耳にしたとたん、私はショーツの中に射精した。
「まだ犯してへんがな」リーダーが真顔で言った。「入れとるのはバイブだけやないか。犯すなんて人聞きのわるい。またバイブを突っ込んで欲しいんか」
 妻は首を横にふった。「それだけやなくて……いろいろ」
「いろいろって何やろな。自分で言うまでお預けや」
「熱いのをください」
「わからんな、それだけじゃ。何を何にどうしてほしいんや?」
「蝋燭を……お乳に垂らしてください。そ、それから、バイブをあそこに入れてください」
「あそこじゃわからんがな。耳の穴か?」
 妻は女性器の俗称を口走った。妻の口から関西弁のそれが発せられるとは……。私の男根は一瞬にして硬度を取り戻した。
「よっしゃ。最後は何や?」
「男の人のあれを、お口にください。しゃぶらせてください」
「男の人のあれ? わからんなあ。もしかして指のことか?」
「おちんちん! おちんちんを」
「もっと別の言い方があるやろ。その齢でカマトトぶってもろたら困るで」
 妻の口から、男たちの――そして私の――期待どおりの単語が洩れた。

 その後、三十分間にわたって妻はいかされつづけた。
 男たちは持ち場をローテーションした。口腔を犯す男根、蝋燭責め、バイブ嬲り、そして愛撫が男ごとに微妙に異なるせいか、妻の反応は弱まることがなかった。
 ついに失神してしまった妻をベッドに残すと、リーダーは私の前に立ちはだかった。
「ズボンに大きな染みができてるで。情けないやつやな、嫁はんが嬲られる姿をみながらいくやなんて、変態やで。おまえのようなやつを、女の腐ったような男いうんや。そんなやつにはこいつで十分じゃ」
 リーダーは腰を落とし、屹立したままの男根を私の眼前にもってきた。
 妻の唾液がまぶされた男根はぬめ光り、亀頭が凶暴なまでにてかっている。
「ほら、咥えんかい。これから嫁はんに突っ込んでいただくありがたいもんやぞ。おまえの態度しだいでは嫁はんが痛い目にあうで」
 そのときの私の精神状態は常軌を逸していたのだと思う。三十分も妻の狂態を見せつけられて、倒錯の世界に足を踏み込んでいたのだ。リーダーに足蹴にされたことで、私の無意識の領域で眠っていたマゾヒズムにスイッチが入ってしまっていたのかもしれない?
 私は突きつけられた男根に舌を伸ばした。リーダーの哄笑を遠くに聞きながら、それを含んでいた。思いのほか、男根は熱く固かった。
「尺八のライバル現る、やで」
 別の男が、妻を揺すり起こしていた。
(かまうものか)
 私は筋肉よりも強靱な男根の感触を堪能した。
「やめて! あなた、やめてえ!」
 妻の叫びが上がるたびに、口の中の陰茎がどくんと太くなって軟口蓋を塞いだ。
「男の尺八もええもんやな」
 リーダーが言うと、残りの四人が下卑た笑い声を上げた。
「こいつの口の中に出してもええなあ」
「やめてください、お願いします」妻が嗚咽を洩らした。「何でもしますから、どうか主人をいじめるのだけは……」
「いじめてへんがな。こいつ、よろこんで舌を使いよるで」
「お願いします。何でもしますから」
「奥さん、ケツの穴でやったことがあるか」
「………」
「何でもする言うたがな、今。嘘やったんか?」
「お願いします。お尻にください。私のお尻を犯してください」
「よっしゃ、ええ心がけや」
 リーダーは私の口から男根を引き抜いた。
「奥さんの申し出や。ありがたく頂戴しようやないか。さ、準備しよか」
 リーダーの言葉が終わらぬうちに、四人は素早く立ち上がり、寝室の隅に置かれたバッグに歩み寄った。

 長くなってしまいましたので、今日はこのへんで終わらせていただきます。書きながら、当時のことを思い出すと奇妙な興奮をおぼえます。人間の精神とは、なんと不可解なものかと首を傾げずにはおられません。では、また後日。
  1. 2014/07/30(水) 06:36:09|
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贖罪 第9回

【#09 反発】
 気を利かしたのか、それともあの高級マンションでビデオ編集をしなくてはならないのか、Fは私たちを三宮の駅前でクルマから降ろすとそそくさと引き返していった。
 私たちは腕を組み、電車に揺られた。お互い、無言だった。
 自宅マンションの玄関に入るなり、妻はコートを脱いでロングスカートの前をたくし上げた。
 何やってるんや、と咎めようとした私はわが眼を疑った。
 妻の下半身から翳りが消滅していたのだ。
 天井の白熱灯の黄色みを帯びた光が、妻の無毛の恥丘を照らしている。
 まだ二十代の頃、水着を着るからと陰毛を短く刈り込んだことはあったが、その部分の皮膚をじかに見たことは今までなかった。
 私は靴を履いたままで三和土に膝をつき、妻の太腿を両側から掴んだ。
 こんもりと盛り上がった肉の丘に深い亀裂が刻まれ、その下部から肉芽を覆う莢の付け根が顔をのぞかせている。
 俗に“幼女のような”と形容されるが、三十三歳という年齢を考えると、無垢などという連想はわかなかった。淫らがましさだけが強調されているように思えた。
「ごめんね、ごめんね」私の驚きようを知った妻は、かすれた声で詫びた。「あの男の人たちに三人がかりで……」
 必死に抵抗すれば、いくら三人が相手とはいえ剃られるのは避けられたのではないのか。なぜたやすくこういう悪戯を受け入れたのか。駅前からFが逃げるように去っていったのは、やりすぎたという後ろめたさがあったからなのではないのか。
(ふざけやがって!)
 昨夏のあの夜、Fに口腔性交をほどこす妻の姿を見たときにすら感じたことのなかった憤りが私を貫いた。その激しい感情がどこから湧いてきたのかわからぬまま、妻を玄関に残しリビングに入った。受話器を掴んでプッシュダイヤルを乱暴に押した。
 Fはすぐに出た。私は、妻の体になされた悪戯に対して激しい言葉で抗議した。いや、詰ったと言うほうが正しいだろう。Fは黙ったまま、私がひととおり言い終えるのを待っていた。
「ご主人、当たる相手が違うんやないですか」Fの口調は穏やかだった。「あんたがぐずぐずしてるから見逃したんやで。七時前後の約束やったやろ?」
「立ち会えなかったこととは関係ない。妻の毛を剃っていいとは――」
「奥さんの体はあんたの所有物なんですか」Fは固い声で私の抗議をさえぎった。「奥さんは自分の債務を自分の体で返そうとしてはるんや。あんたにとやかく言う権利はないんちゃうか? ゴネるんやったら、始めにゴネてもらわんと。今さら、子どもみたいなこと言うたらあきまへんで。それに、こっちには誓約書いうもんがあるんですわ」
(誓約書? 知らんで、そんなもん)
 言葉を呑んだ私に、Fはやわらかい口調を取り戻した。
「途中で気が変わらんように、奥さんから一筆入れてもろてます。とにかく、あんたに横槍入れられるような事柄とちゃうんやで。あんたをオブザーバーにしたのは、こっちの温情いうもんや。そのへん、きっちりわかってくれなあきまへんで。お互い、大人やったらな」
 電話が切れた。振り上げた拳をどこに下ろしてよいのかわらぬまま受話器を戻した。
 妻がソファの端に尻を乗せて、落ち着かなげに私を見ていた。
(おれは何をやってるんだ?)
 怒りが自責の念に変わった。妻が好きこのんで娼婦のようなことをやっていると思ったのか? 私は妻の隣に腰を下ろした。触れあった太腿に妻の体温を感じた。
 そのとき、私を襲った怒りの正体がわかった。蚊帳の外に置かれたことが面白くなかったのだ。つまり、ひがみだ。加えて、妻が遠くへ行ってしまうのではないかという不安。それらが一気に噴き出し、私は自制心を失ったのだ。妻の体温を感じたときの何ともいえない安堵感が、その証拠だ。現に、あれほど激しかった怒りがきれいに消え去っている。
「すまん、大きな声を出してしもて。毛まで剃られるとは思うてもみんかったから、ついかっとなったんや」
「ほんまにええの。こんなんにまでされてる私で?」
「もういっぺん、見せてくれへんか」
 妻の返事を待たず、リビングのヒーターのスイッチを入れた。
「いいけど……。その前にシャワー浴びていい?」
「風呂を貸してもらわんかったんか?」
「汚れたままのほうがあなたが喜ぶから、なんて勝手なことを言うてたわ、あの人たち」
(なんちゅうやつらや!)
 私は、初老の三人組の変態ぶりに驚いた。たしかに、妻が受けた陵辱の痕跡を見いだすことに、私はひどく興奮を覚えるようになっていた。そこまで読むことのできる三人組の洞察力が空恐ろしかった。
「おまえがされたことを見て、おまえのつらさを分かち合いたいんや」
 半分真実、半分口実だった。あの三人組が、こちらを見て笑いながらうなずいているような気がした。
 部屋が暖まるのを待ち、妻が全裸になった。
 ソファに深く掛けさせ、両脚を広げるように言った。
 陰毛は一本残らず剃り落とされていた。秘唇の外側も、会陰のあたりもすべて。女の構造を、これほどはっきりと見たことはなかった。内側の陰唇は充血したままなのだろうか、はみだし気味だ。肉孔は完全に閉じきってはおらず、親指がくぐらせられそうな隙間を見せている。無理もない、ドイツ製の巨大な張り型をさんざん抽挿されたのだろうから。
「あんまり見んといて。……恥ずかしい」
 私はネクタイをゆるめた。「あいつら、どんなことしたんや」
「最初は自分でさせられたわ」
「何をや」訊くまでもないことだったが、羞恥に顔を染める妻を見ると訊かずにはおれなかった。
「自分でいじらされたの」
「だから、何をや」
「あそこ。今、あなたが見てるとこ」
「なるほど、オナニーさせられたんやな。感じたんか?」
「濡れるまでし続けるように言われて……」
 濡れるまでじゃなく、いくまでだろう。新婚時代、酔った勢いで自慰を見せてくれと頼んだことがあったが、妻に激しく拒否されて諦めたことを思い出した。そんな妻が、初対面の男たちや、同性であるTの前でさしたる抵抗もしないまま秘部をまさぐって見せたというのか。
「で、オナニーショーでいった後は?」
 私の露骨な言葉に、妻は唇を噛んだ。「お風呂場に連れていかれて……」
「風呂にでも入ったんか」
「いじわる。わかってるくせに」
「剃られたんやな」深追いすべき段階ではない。私のゲームは始まったばかりだ。「誰が剃ったんや」
「Tさんが準備して、あの三人が代わる代わる」
「よくおとなしゅう剃らせたもんやな」
「やめてくださいって言おうにも……口を塞がれてて」
「さるぐつわか?」
 かぶりを振る妻の頬が赤みを増した。
「何や、何を口に入れてたんや。おれにはわからへん」
「教授の……教授のあれを」
「尺八しながら剃られたんか。三人から剃られたんやったら、尺八したんは教授のもんばかりとちゃうやろ」
「社長のも、顧問のも」
 元日の管長といい、Fの一味は肩書きで呼び合っているらしい。功成り名遂げた男たちのプライドをくすぐりながらも、匿名性を保持するためのうまいやり口だ。
「誰のがよかった」直截で淫らな質問には似つかわしくない、生真面目な表情を私はつくった。「それぞれの特徴を言うてごらん」
 妻は目を閉じ、口の中で暴れ回った剛棒の一つひとつを思い返しているようだった。ときおり眉間に刻まれる縦皺は、屈辱の記憶か、甘美な追憶か。
 視線をゆっくりと下ろしながら、私は妻の体を観察した。
 乳房の頂がはっきりとわかるように尖っていた。挟まれ、こね回されるのを渇望しているかのようだ。若い頃のような張りがないぶん、肌理がこまかくなったような気がする。
 わずかに脂肪がつきはじめた下腹部が浅く上下しはじめた。欲情の気配を隠すためか、妻は両腕を臍の前で交差した。
 だが、花芯は正直だった。
 秘唇は充血の度合いを増し、完全に開花していた。その合わせ目にある肉芽は莢から半分ほど顔を覗かせている。肉孔は間断なく収縮し、内部から白み帯びた粘液を垂れ流している。
 それに気づかないふりをして、私は言葉を続けた。「黙っとったらわからんやないか。まず、教授のはどうやった?」
「柔らかかったけど、えらい長かったわ」
「どのくらいや」
「喉の半分くらいまで入ってきて……、最初は吐きそうやったけど、なんとか根本まで呑み込めたわ」
「舌は使うたんか」
「うん。必死に動かしてるうちに大きなって、息が止まりそうやった」
「次は誰や」
「社長いう、坊主頭の人」
 齢の割りには脂ぎった五分刈りの男だ。好色さが、表情からも話しぶりからもにじみ出ていた。押し出しの強さだけでのし上がってきたような、典型的なおっさん。私の苦手なタイプだ。
「えげつないやつやったやろ」
「ううん。社長がいちばん優しかった。喉の奥まで入れたりせんかったし、舐めさせながらおっぱいを揉んでくれはったわ」
(教授より、よけいスケベやないかい!)
 妻の言う“優しさ”の基準がよくわからない。
「それで、どんなんやったんや」
「段になってるところがえらい大きくて、歯が当たらへんか心配やった」
(嬲りものにされながら、変な気を遣うんやない)
「顧問は?」
「なんもしゃべらん人やったけど、あれは強烈やったわ」
 私は固唾を飲んで、次の言葉を待った。
「社長のを咥えてるとき握らされたけど、指が回らないほど太うて」
「尺八はしたんか?」
「顎がはずれるかと思うたけど、なんとか」
「それで?」
「気がついたときには、すっかり終わってた。それから寝室に連れてかれて……」
 すでに妻の秘部は濡れ光り、次々と湧きだしてくる分泌液と精液の残滓がソファを汚していた。私も激しく勃起し、先走りの粘液で下着を濡らしている。
 その場で衣服を脱ぎ捨てると、私は妻の脚を大きく割り広げて男根を押し込んだ。
 さしたる抵抗感もなく、男根は妻の肉洞に収まった。内部は滾っていた。三本の陰茎と巨大な張り型に蹂躙されたにもかかわらず、妻の膣は私を握りしめるように圧迫してきた。無数の襞がざわめき、蠕動運動を繰り返す。
(なんや、これは!)
 妻との交接で初めて経験する感触だった。
 不自由な体勢のまま、妻が尻を迫り上げる。
 急速に射精が近づいていた。「あ、あかん。そないしたら、あかん」
「中で出していいんよ」ソファの背をずり下がり、妻はさらに腰を打ちつけた。「思いっきり、中で出して!」
 根本まで妻の中に押し込んだまま、私は精を放った。
「ああ、太くなってる。えらい太くなってる」
 妻はほほえみを浮かべながら、波状的に脈打つ男根の感触を味わっていた。
 射精が治まっても、私の勃起は衰えなかった。十分な硬さを保ったまま、妻の滾りの中で徐々に力を回復しつつあった。初老の男たちの精液と私のものが混ざり合っていることなどまったく気にならない。いや、それどころか、男たちとともに妻を嬲っているようで、興奮すらした。
「まだいってへんやろ」妻にやさしく問いかけながら、律動をゆるやかに開始した。「いちばん感じたのはどの体位や?」
 妻は間欠的な呻きを洩らした。私は動きを止めた。
「続けて……あなた、続けて」
「答えんとやめるで」
「う、後ろからのが、いちばんよかった」
 つながったままで、妻の体を反転させた。結合部から泡状になった粘液が溢れ、滴った。
 量感のある双臀を両手で鷲掴みにして、私は腰を打ちつけた。ソファの背に押しつけられた妻の頭が振りたくられる。
「誰が後ろからやったんや。社長か? 教授か? 顧問か?」
 妻は、喉から呻きを放った。私は、腰を休めた。むずがるようにうごめきながら、尻が押しつけられる。「やめんといて! お願いやから、動かして!」
「後ろから誰にやられたんか訊いてるやろ」
「みんなに、みんなにお尻から犯されたの!」
「気持よかったんか!」腰をねじり込んだ。
 くうっと喉を鳴らすと、妻は身をのけぞらせた。背中の中心を走るくぼみが際だった。
 私は動きを止め、同じ質問を浴びせかけた。荒い息を吐きながら妻が言った。
「気絶するほど、気持よかったの。それぞれ違うの、気持のよさが」
「おれより良かったんやろ。正直に言うんや」妻の肉洞をえぐる。
 妻は両腕で上半身の体重を支え、顎を上げた。
「あなたより、よかった。ほんまによかった。みんな上手やし、これからも犯してもらいたいくらいやわ」
「なんやて! もういっぺん言うてみい」
 私の肉棒はこれ以上はないというくらい勃起していた。嫉妬、嗜虐、被虐、妻の肉体への崇拝、そして冒涜の衝動がないまぜになり、脳が揺さぶられた。
 妻をソファに横たえると片脚を抱え、膣をまっすぐに貫いた。無毛の秘園を割って出入りする暗褐色の男根。その眺めは卑猥以外の何物でもなかった。
「そ、そ、そんなん、ぜんぜん感じひんわ」絶頂に押し上げられつつも、妻はなおも言い募った。「い、い、いき、いきそうにないわ、そんなんで……」
 妻が私のゲームを受け入れてくれたのがわかった瞬間、私は二度目の射精を迎えた。
 妻が同時に達するのを眼の端で捉えながら、私は床に膝をついた。

 長々と書いてしまいまして、申し訳ありません。書きながら、はっきりとわかってまいりました。年明け間もないあの一夜こそ、私の、いや、私と妻にとってのターニングポイントだったのですね。好色さは人並みだとばかり思っていた私たち夫婦のポテンシャルが一気に噴き出した夜でした。いつ、どこに、どんなきっかけが潜んでいるかわからないものです。あとしばらく、夫婦の物語にお付き合いください。では、後日。みなさまが、よい夏期休暇を過ごされますよう。
  1. 2014/07/30(水) 06:34:46|
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贖罪 第8回

【#08 傍観】
 三宮の駅前で私を拾うと、Fの運転するBMWは山手に向かった。
 午後八時。すでに日本屈指の夜景がクルマの前後左右に広がりつつある。だが、神戸の夜景は、そのさなかにあっては堪能できない。神戸港からのパノラマがすばらしいのだ。それはまさに、官能のありようにも似ている。エロティシズムとは、ある程度、距離を置いてこそ、その香りを味わうことができる。どっぷり浸かってしまっては、単なる肉体の刺激が支配するベタで無粋な世界が広がるだけだ。
 これから私は妻の痴態を目撃する。指一本触れることなく、声ひとつかけることなく、ただのオブザーバーとして、見知らぬ男に狂わされてゆく妻の姿を見つめていなくてはならない。そんなことはごめんだという男性もいるだろう。精神の均衡を乱されてしまう男性もいるかもしれない。だが、私は取り乱すことなく、妻の狂態を見届けることができるという確信めいた自信があった。
 元旦の夜、妻の告白を聞き終えた私は、妻と風呂に入った。汚れてしまった身を嘆き、不本意にも激しく反応した性感を呪う妻を湯船の中で抱き、隅々まで洗ってやった。すべての汚れは洗えば落ちる。心まで汚れていなければ大丈夫だと励ましながら、湯が生ぬるくなるまで妻を抱き続けた。
 BMWは、山手の大通りから急な坂に入り、高価そうな分譲マンションの駐車場に乗り入れた。
「着いたで」
 助手席の私を一瞥して、Fはドアを開けた。

 七階建てのマンションの最上階でエレベーターを降りた。
 一戸一戸の面積が広いらしく、吹き抜けの周囲をポーチ付きの玄関が四つ囲んでいるだけだ。その一つのドアにFがカードキーを差し込んだ。
 作りつけの下駄箱のガラス扉の向こうに男物の靴が三足、女物の靴が二足見えた。一つは妻が気に入っているショートブーツだった。
(いわゆる5Pというやつか……)
 私は溜息を洩らした。仕事帰りの身にとって、いささかヘビーな光景を見ることになる。
 住戸内のどこからか、かすかに人の話し声がする。妻の嬌声が耳に飛び込んでくるものと覚悟していた私には、ちょっと意外だった。
 Fに招き入れられた六畳ほどの和室の一方の壁にはモニターテレビが三台並び、その前に置かれた文机には、レバーやつまみがひしめくビデオ編集機のような装置があった。
「適当に座り」
 部屋の隅に積まれた座布団を指し示すと、Fはモニターテレビのスイッチを入れていった。三つの画面のノイズがかき消え、鮮明な映像を映しだした。フローリングの広い部屋が三つのアングルから捉えられている。
「リビングや」
 Fはぶっきらぼうに言うと、レバーを操作した。
 画面の一つがソファセットをズームインした。三人掛けのソファに初老の男たち、一人掛けのソファ二脚のそれぞれに女の姿があった。一人は妻、もう一人はTだ。五人は服を着ていた。着衣に乱れはない。
 私は首をひねった。すでに九時前だというのに悠長なものだ。カネに明かせてこんな高級マンションを秘密の隠れ家にしている爺さんやおっさんの割にはがつがつしたところがない。元旦の日に妻を犯した僧侶とはまったく違う。
「しもた! つまらんな」
 Fが舌打ちをして、私に首をねじった。
「もうお開きやで、今夜は」
「妻を、このまま帰してもらえるんですか」
「帰すもなにも、あとの祭りやがな。いや、祭りの後、言うたほうが正しいんかな」
「………?」
「もうとっくに終わったちゅうことや。もうちょっと早よ会社を出て来なあかんで。オブザーバー失格や」
 合点がいかない様子の私に、Fは面倒くさそうに語って聞かせた。
 三人の男とTは、すでに妻を貪ったあとなのだという。午後六時集合だったから、クライマックスは八時過ぎだろうとFは踏んでいた。だが、予想に反して5Pの宴は終わり、全員がシャワーを浴びて身繕いをすませたばかりの場面だったのだ。
「奥さんが新鮮やったから、おっさんたち飛ばしすぎたんちゃうか」
 私は肩を落とした。何を目撃してもうろたえぬように、朝から気を張ってきた。その反動が、落胆にも似た疲れとなって私の心をふさいだ。
「見たかったなあ、奥さんが四人に責められるとこ」Fは大袈裟な溜息をついた。
「ちょっと待ってください。今、四人て言いませんでした?」
「ああ。Tさんが指導係になって、おっさんたちに奥さんを嬲らせたんや。同じ女やから、結構えぐいことやったんちゃうか。それが見たかったんや」
 同意しそうになる自分を必死に抑えた。妻が味わう恥辱を共有し、痛みを分かち合おうと心に誓っていたんじゃないのか、おれは? なぜ落胆する? なぜ、モニターに近づいて妻の憔悴ぶりを見守ってやろうとしない?
「そないにがっかりせんかてええやろ」
 Fは私を見て苦笑した。
「一部始終はビデオに撮ってあるから、次の機会にでも渡したるわ」
「いえ、結構です。その場におらんと意味がありませんから」
「ははーん、ライブ志向か? 臨場感がないと立ちが悪いちゅうわけかいな」
「いや、そういうわけでは……」
 Fに本心を見透かされたような気がして、私はあわてて首を振った。
「まあ、ええ。声だけでも拾てみよか」
 操作盤のつまみにFの手が触れると、文机の端にセットされたミニスピーカーから男たちの声が流れはじめた。
『とは思えなかったよ、あの反応ぶりを見るかぎりね』
『まったくや。Tさんの出る幕がなかったんと違うかい?』
『私なんか邪魔なくせに』Tの声。写真の印象とは異なり、透明感のある細い声だった。『でも、教授がお持ちになったバイブはよさそうでしたわ』
『実用面では日本製にまさるものはないらしいが、ドイツ製のものには独特のムードがあるよね』
 教授と呼ばれた白髪頭が、ソファの脇に載せた書類鞄から箱を取り出し、蓋を開けてみせる。Tが中身を掴んだ。
 長さも太さも男の二の腕ほどはありそうな筒具が姿を現した。
 男たちは好色な笑みの中にも複雑な表情を浮かべている。妻が顔をそむけるのを、私は見逃さなかった。
『最初は無理だと思ったんやけどな』五分刈りの男が言った。『ふつう、そんなん入れられたら壊れるで。そやろ、Tさん?』
『女って、意外とタフなもんなんですよ』Tは、手にした淫具を弄びながら答えた。『赤ちゃんかて産むくらいやから、これくらい平気なんちゃいます?』
『そこまで言うんやったら、あんたもいっぺん試してみたらどうや』髪の薄い痩躯の男がからかった。『この奥さんみたいにひいひい言わしたろか』
『お尻にも入れてえ、と言ったのは傑作でしたな』教授が神妙な顔で言った。『それこそ壊れてしまう』
『どっちが? 奥さんのアヌス? それともそのバイブが?』五分刈りが調子に乗る。
『そらバイブに決まってるやろ』
 痩躯の男がまぜっかえすと、妻を除く全員が爆笑した。
「妻は……妻は、いったい何を……?」
 呆然とつぶやく私を見て、Fは鼻を鳴らした。「だいたいわかるやろ。気になるんやったら、奥さんに訊けばええこっちゃ。今夜は燃えるで」
「やっぱり、ビデオいただけますか」
 万事まかせろ、と言いたげな表情で、Fは私を見た。
『しかし、こんな奥さんと暮らしてる旦那も体力もたんで』五分刈りが喋っていた。『わし、腰がふらふらやで。抜かずのなんとやらいうのは二十年ぶりとちゃうかな。教授はどないでした?』
『社長にあやかりたいもんですなあ。あいにく、そこまではいきませんでしたが、とても満足しました。前と後ろから責められながら、ときおり見せる表情がなんともすばらしい。退官後も、やめられそうにありませんな』
『やめたら老け込みまっせ』痩躯が言った。『それに、教授が持ってきてくれるオモチャが毎回楽しみで楽しみで。体とカネが続くかぎり、この集まりを続けていきましょうや』
 高笑と苦笑が交差する中、妻は最後まで顔を上げなかった。
 三宮駅まで、Fが送ってくれた。
 BMWのリアシートに私と並んで座る妻に、気になっていたことを訊いた。大阪の僧侶に嬲られた日は月経直後だったから妊娠の心配はなかったが、これからも頻繁に男たちに奉仕しなくてはならないのなら避けて通れない問題だ。望まない妊娠の結果、妻の体がダメージを受けては取り返しがつかない。妻の返事によっては、貯金を下ろし、保険を解約し、それでも足りなければ退職金の前借りをして全額返済するつもりだった。私の中に芽生えた邪悪な好奇心のために妻を傷つけるわけにはいかない。
「避妊は……どうしてる?」
「低容量ピルを服んでる」
「体調は、悪くないか」
「だいじょうぶ。アレルギーなんかないから」
「それは知ってる」妻の肩を抱き寄せた。「たいへんやったな、今夜は」
「ほんとにいいの、このままで?」妻の声が湿り気を帯びた。「何人もの男の人に抱かれる、こんな私でも」
「夫婦やのに、なに水くさいこと言うてるんや」
 妻がしがみついてきた。歯磨きペーストの香料が妻の吐息に混じっていた。
 フロントグラスいっぱいに広がる神戸の夜景を眺めながら、脳裏に満ちる不道徳な悦びの奔流に、私はとまどっていた。妻はあと幾人、いや、幾十人もの男の精を子宮に浴びるのだろう。喉にも、そして、いずれは直腸にも。
 その思いに、私の性器をは甘くうずいた。
 帰宅後の妻の一人語りを待ちかねる暗い情熱を、私はそのときはっきりと自覚した。

 今、思い返しても、そのときの嗜虐的(被虐的?)な情念がどこから湧いてきたのかよくわかりません。性格的な欠陥があるのか、それとも男とはそういうものなのか……。「妻物語」に寄せられる皆さんのお話に、その答えがありそうなのですが、今は私たちの物語を思い出すのに精一杯です。これからも、よろしくお付き合いください。では、後日。
  1. 2014/07/30(水) 06:32:59|
  2. 贖罪・逆瀬川健一
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