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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

こころ清き人 第1回

 赤倉へ向かう寝台特急の窓からの眺めは、遠くの山肌の雪が次第に深くなり、田畑にも雪が降り注ぐ、そして、車窓の外一面が真っ白になっていった

妻の知子は、友人夫婦とワインを飲みながら談笑していた
私は一人、缶ビールを開けたまま窓の外を眺めてる

「山本先生の学校は、今年も交通安全コンテストで優勝して、全国大会へ出場するんでしょう?」

「そうなのよ。ことしも6年生の優秀な生徒を選抜して、熱心にこればかりやっている変人先生がいるからだけど。良いのか悪いのか、ほかの先生もよくやるよって感じでね」

私は山本一郎、妻の名は知子

妻と談笑しているのは、妻の勤めている学校から昨春異動した阿部幸子、夫も教師で真一という
阿部夫婦は職場結婚、妻同士が同期の同僚だったことから、毎年1度、家族旅行をしていた
今回は双方の子ども達が「スキーをしたい」というので信州への夜行列車で、北陸回りの赤倉への旅行である
  
「あなた、前の学校での職員旅行でね・・山本先生はお酒が強いし、凄いんだからびっくりしちゃた・・・私なんかとてもとてもあんなふうには・・」

「ええ?山本先生はやさしくて、可愛い先生だと教師仲間でも評判なんだよ・・何が一体凄いんだ?」

私が談笑する3人に振り向くと、幸子さんの目と会い彼女は話題を変えた

真一は体育系大学を卒業して小学校教諭になって、絵に描いたような良き夫、良き父で、いつもの人柄のよさそうな屈託の無い笑顔でいた

妻はというと、笑顔で聞き流すといった感じであった

私は何時も、この学校関係の話題には着いていけない・・・
「眠たくなったので、ちょっと先に寝台に戻ります・・後は宜しく」
私は、3人から離れて先に寝台へ戻った

(幸子さん・・おかしな事を言っていたなぁ)
妻は、炊事、洗濯など家事一切と子育てをしながら教師を続けている
学期末になると成績をつけることで多忙になり、新婚当時から夜の営みは少なく、私が求めても中々応じてくれなくて、よく不貞寝をしたのを覚えている
お酒を飲むことも稀で、私と酌み交わした記憶も無い
それが「凄いんだから」とは・・・・

その時は、職員旅行で羽目を外した程度に思っていた
  1. 2014/08/02(土) 10:47:06|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第2回

赤倉スキー場では、スキー教室に入り、下手な私が先頭、2番手が私の次女、3番手が長女と続き、次に阿部3姉妹、妻、阿部夫婦の順でボーゲン、斜滑降となだらかな斜面を滑り降りてくる
子どもたちの目の輝き、下手な私も仕事のことを忘れて心が躍った

春のゲレンデに雪が降り注ぐ夜景を見ながら子どもを交えて2家族でご馳走をいただくのは愉快で楽しい

子ども達は相互に歌を歌い、物まねをしたりして場を盛り上げ
私の頭の中のぐつぐつとした重石も徐々に消えていくような気にしてくれる


「ねぇ、知子。私はあまり教師には向いていないような気がするの。どうも子どもが好きになれないの。親の相手をするのも疲れるし・・」

「そうなんや、私なんか新1年生のクラスの子がママ、ママと言って抱きついてきて、離れないの。ほんとに可愛いくてたまらないわ」

「やれやれ、知子はそうなんや。ところであの変人教師の噂は私の学校でも有名よ。同学年の先生の送別会の席で、これでお別れですねと頭からビールをかけたんですってね」

「そうそう、児童の成績は他の先生まかせ。自分はコンテストに夢中でしょ。怒るわよね。でも父兄には凄く人気があるものだから困るわよね」

「まったく・・そうそう、あの先生フラワーアレンジメントに通っていると聞いたけど。そう言えば知子も習っているんですって・・・」

「ええ・・・自分なりにアレンジして完成したものを玄関に飾るの、楽しいわ」

妻は、週に1度フラワーアレンジメントに行く
学校が終わると一旦家に戻り、食事をとらずに11時頃帰宅し、その日の作品を玄関に飾る
最初の頃は、私に「どう、いいでしょう、これ見て」と声を掛けていたが、私が反応しないので、この頃は、飾ることはせず空き部屋に置くことが多くなっていた

  (やれやれ・・話は尽きぬか・・・)
  1. 2014/08/02(土) 10:48:27|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第3回

私と知子との出会いは・・・
就職して1年が過ぎた頃、母がお見合いをしきりに勧めてきた

(どうやら母は、私が職場の女の子に夢中になっていたことに気づいていたらしい)

そして有名女子大学に在学中のお嬢さんの写真を見せ
「・・・どう、いい娘さんでしょう?会うだけでもいいから、ねぇ一郎、一度・・」

その写真は二十歳の成人式の時に撮影したものだろう
着物姿で優しいまなざしで私を見ていた
今から思うと、私は何といい加減で不誠実な男だったのか・・・・
付き合っている女性がいながら、写真の女性にも興味を抱いた

「相手のご両親はお前をよく知っているし、お嬢さんもその気らしい。とにかく会っておいで」と母から何度も急かされた

私は、とうとう「どうせ断ればいいんだから」と軽い気持ちで会いに行った
当のお嬢さんは、そのような話とはしらず普段着のまま、家の人に促されてしぶしぶデートという感じであった

私は「どうも話がおかしい。母に一杯食わされた」と思ったが
初対面の第1心象がとても新鮮であった
白い服を着ていた
清楚な雰囲気、可愛くてスタイルもいい、優しそうな瞳・・そして、何よりも女子大3年生の自由奔放な性格
それに・・・私に関心を示さない
このことが私のプライド?に火を点けた・・・・・・ああ、私は何と単純か

その後は、母同士が話をどんどん進め、彼女が小学校教師となって就職1年目の秋に結婚・・・それが、妻の知子である

これで良かったのかどうか、親が勧める縁談ということや学歴や釣り合いとかいう世間体を優先して、周囲に流され、妻となる女性を決めてしまったことになる
私は、職場でプロポーズ直前まで思い込んでいた女性が居たにもかかわらず、彼女の気持ちを問うことも無く、自分勝手に感情を抑え込み自分自身だけ気持ちを切り替えた・・・しかし、もう一人の女性、好きだった職場の女性・・彼女はその時既に私を運命の人と決めていたようだ・・
  1. 2014/08/02(土) 11:43:40|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第4回

阿部家族との旅の夜は、妻は少し強引な私に素直に合せてくれる
子ども達が寝静まると
私は妻の蒲団にもぐりこむ
妻は疲れたのか、寝息を立てている
そっと浴衣の襟から手を滑り込ませる
温泉に浸かった肌はつるつると滑らかで、撫でているだけで勃起してしまう
乳を揉みながら裾をはだけ、大腿を擦る

「あっ!あなた・・」

「よく寝ていたね」
妻への愛撫に私の舌が加わる

「あっ・・あっ・・あなた、子ども達が・・」
お構い無しに、妻の手に私の怒張を握らせる

「ああ・・・・あん・・あっ・・・うっ、うむ・・」
今度はディープキスを開始する
片手は乳房・・もう一方は大腿から女陰に滑らせる
妻の浴衣は腰の部分を帯で締められているものの、胸は肌蹴け
熟れた白い太腿はむき出しとなっている
十分に妻の甘い唾液と舌を堪能した私は、白い布切れを一気に剥がすと
淡い繊毛が目に飛び込んできた

「あなた・・まって・・・ここでは、子ども達に・・」

「そうだなぁ」
妻を抱きかかえながら風呂場へ移動する・・その間も剥き出しの乳房を揉み続ける

妻を浴槽に手をつかせると浴衣の裾を捲り上げる
白くて大きいお尻が目の前に現れる
2本の指を口に含み唾を塗すと・・・女陰に沿って陰核を探る
片方の手は乳房を責める

(ああ・・堪らん)
私の怒張は硬く、硬く・・・早くも妻の中に入りたがる

「うっ・・あん、あん・・うん」
妻は声を抑えている

「知子・・・行くよ」

「うん・・あぁ・・」
私はバックから攻め立てる
そう・・エロビデオに出てくるようなシチュエーションだ
両の手で強く乳房を握り締める

「痛い・・痛いわ・・あなた」
壁に備えてある鏡に、声を堪える妻の横顔が映る
何といい顔なんだ・・・・知子
  1. 2014/08/02(土) 11:44:32|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第5回

家族旅行を楽しんだ春休みは終わり、学校は新学期を迎えていた

ある夜、一郎は自室で一人パソコンを使い仕事の整理をしたあと居間を覗くと
机の上には、この3月の学期末に撮影したものだろう
無造作に卒業写真が置いてあった
妻の学校の先生方が学年別に全員並んでいる

「ああそうだ・・・話にでていた変人先生とやらはどの人かな」

写真中央に生真面目そうな校長、その横に眼鏡の教頭・・・・妻はライトブルーのミニのスーツで右端にいる
ショートカットのヘアーで斜めに足を揃え微笑んでいる
夫の贔屓目を差引いても、知子は素敵だった

(うん、緊張して表情が少し硬いかな・・)

スカートから流れる足のラインにしばらく見とれていた
妻の斜め2列目にデブで少し禿げていて普段着の服装で立っている45歳位の男がいた
いかにも勉強嫌いの多趣味男・・しかし、人懐っこい感じの男

(この先生だろうな?・・なるほど、いかにも先生らくしない)
そう思った

(あっ・・)
何やら変人先生の左手が、妻の髪かうなじに触れているように見える

(まさか・・な)

一郎は写真を置き、寝室に入ると妻は寝息を立てている
その寝顔を見ていると、先ほどの写真のしなやかな美脚に触れたくなった
そっと蒲団をずらすと華奢な素足にキスを始めた

それにしても妻の知子は、今でもまるで子どものようだ
天真爛漫
ストレスだらけの一郎を癒してくれる

キスが太腿あたりに差し掛かった
妻が気づいた
一郎はもう止まらない、パンティを脱がせ女陰を舐めあげる

妻は声をあげない
しばらく舐め続けると、いきなり指を挿入する
そして、もう一方の手で乳房を揉み立てる・・・一郎のワンパターンだ

「痛い・・・あなた、痛い・・」

「痛いか?ごめん・・・・」
妻の額にやさしくキスをする

先ほど見た写真の禿げた変人教師が
妻のうなじに手を延ばし背後から抱きつく光景が浮ぶ

一郎は妻とのセックスの中で、しばしばこのような想像を自分に挿入する
女陰に挿入した指の動きが激しくなる

「痛い・・痛いわ・・・あなた」

妻の口に吸い付く・・・まるで、女学生を襲っている感覚に襲われる
この声で、一郎の怒張は硬く、更に硬くなった・・・・行くぞ、知子

「うっ・・ああぁぁぁん、あなた・・痛い、痛いの・・」
一郎には妻を気遣う余裕はもうない・・・
  1. 2014/08/02(土) 11:45:25|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第6回

一郎は36歳の若さで電算室長となっていた
同じ大学の先輩に役員がいてその贔屓もあり、社内でもトップクラスの昇進である
人事異動に伴う歓送迎会の流れで、一郎は一人でスナック街のドアを開けた

「あら、山本さん・・山本一郎さん、お一人?」

「はぁ・・・」
一郎が声のする方を見ると、阿部幸子がカウンターにいた

「さぁ、ここに、ここにいらして」

「やぁ、阿部先生」

「ええ、いいところでお会いしましたわ・・・学校の歓送迎会の流れで今、一人になってしまったところでしたの」

「そうですか、私の職場も今夜、歓送迎会で・・あっ、先生だいぶ酔ってらっしゃるようですね」
幸子は身体と首をしきりに動かしていた

「はぁーい・・一郎さん、ここはちょっと辛くなってきました・」

「はいはい・・マスター、あそこに移るよ」
一郎は幸子を抱えながらボックス席に移動した

幸子は大学のバドミントン部で鍛えたスレンダーな筋肉質の肢体をしていた
妻の知子と同じ33歳だが、色は浅黒く身長も170センチと背が高く、勝気な性格の持ち主である

「幸子先生と二人で飲むなんて、初めてですね・・ご主人がお迎えに来るんでしょう。知子が幸子先生の旦那さんは私と違って優しんだから・・・と、よく聞かされましたよ」

「ははは・・そのとおり・・今、家を出たとするとあと40分かな?」

幸子の目が意地悪そうな目に変わり、そっと一郎の太腿に手を置いた

「一郎さん・・あなた、お強いんでしょう・・あちらのほう」

「ええー・・どうしたんですか、幸子先生?」

 「うーん・・知子は学校では清楚で可愛い真面目な先生をやっているでしょう。でも、本当はねアレが好き・・ふふふ・・・それは、旦那さんの教え込みかなって」

 一郎は今夜それほど飲んでいない
 (幸子さんはおかしなことを言うなぁ・・)

 一郎の知らない知子の意外な一面が聞けるかとカマをかけた

 「えー・・先生には敵わないなぁ・・・・で、どこで、分かりました?」

 「ふふん・・そうね、一緒だった前の学校での職員旅行でね」
 ああ、この前の家族旅行での夜行列車内でのあの会話・・「凄いんだから」か・・

 「そんなにその旅行で、知子が羽目を外したんですか?」

 「ええ・・私たち宴会の後、二人でホテルのバーに行ったの。お酒は知子の方が私より何倍も強い。私は酔いつぶれていたんだけど・・知子は大学生二人に可愛いお姉さん・・なんて呼ばれちゃて・・・三人でダンスフロアーで踊っていたわ」
一郎が次第に真顔になっていくのを幸子は気づかない

 「それで・・」

 「気がついたら知子の姿が見えないので部屋に戻ったんだけど・・・部屋にもいないし、私先に蒲団に入っちゃた。でも内風呂からのシャワーの音で目が覚めて、時計を見たら2時だった・・・ふーん」

 「踊っていっぱい汗かいたんだ・・」
 一郎の口元は強張ってしまった

 「そうかしらねぇ・・・朝、起きたらまた知子がいないの・・で、風呂かと思って女風呂へ行く途中に・・・へへへ、私見ちゃった。あの変人教師と混浴風呂から出てくるのを。あの変人、しっかりと知子の肩を抱いていたわ。暖簾をくぐる時に浴衣の上から知子のお尻を撫でたのよ・・・いやらしい、ほんとにスケベ」
 一郎は唾を飲み込んだ
 
 「へへ・・変人先生と?」

 「まだ他の先生方は気がついていないわね・・・だって、美人で可愛い素直な先生の評判を知子は独り占めだもの、私も親友だから誰にも言わない・・・でも、あなたにはね」
 幸子の手が一郎の太腿から股間に流れ、強く男根を掴む

 「うっ!」

 「しっかりしなさい、旦那様・・・おっと、お迎えだわ、それじゃお先に」

 幸子が帰った後、一郎はオンザロックを口に運びながら目を瞑っている
写真で見たあの変人教師が知子を抱きしめ、いやがる妻を犯している光景が何度と無く脳裏に浮んでいた
一郎はスナックをでると酔った足で自宅に向かっていた
酔った頭でふらふらと歩きながら、幸子の話を反復していた

(幸子さんは、ふざけて私を驚かしたかったんだ・・・知子に限ってそんなことが)

知子とのセックスはいたって淡白で、未だにあまり声をあげない
私の愛撫を待っているだけで、いわばマグロ状態だ
夫婦の会話に変化もないし、いつもどおりじゃないか

(もし、事実だとすると・・・幸子さんは転校して1年が経っているからその前の年度中の夏か冬の親睦旅行ということになるが・・・)

夏の親睦旅行は夏休みに入って直ぐ・・・確か道後温泉
うーん、その後何か妻に変化は・・・・・・
冬は北陸だったかな

妻に変化か・・・うーん

(事実だとしたら・・・・夏?冬?どちらの親睦旅行?・・・いやいやそんな馬鹿な、知子に限ってそんな・・・・ほんとに、幸子さん意地悪だなぁもう・・あー家に着いちゃった)

「おーい、知子・・・今、帰ったぞ」

「はーい、あなたお帰りなさい・・あら、お酒くさい」

にっこり微笑む知子
その笑顔を見て、一郎は何も変わりはないと思った
 
  1. 2014/08/02(土) 11:46:16|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第7回

一郎の職場の執務室・・電算室長の机には、何時も一輪の花が飾られている
かつて、一郎が妻にしたいと思っていた女性・・・藤崎美恵子が活けている
彼女は職場の男子社員からのプロポーズを断り続け、未だに独身でいる
妻の知子と同じ33歳になっていた

美恵子は、一度人事課に異動し、再び電算室に戻ってきた
就職当時より女性としての魅力を更に増した
周囲の社員への心配り、温かさ・・・
この殺伐としたコンピュータシステムの開発現場では、ときどき悪魔が顔を出す
いつの間にか喜怒哀楽の感情が薄れ、無気力な人間となってしまう社員もでている
・・・そんな職場にあってどの社員にも、人間らしさを失わせない、とても大切なものを振りまいてくれる女性となっていたのだ・・・まさに美恵子は天使だった

「おはよう・・・美恵ちゃん」

「はい・・室長、おはようございます」
朝一番のこの挨拶が・・・一郎を、今日も一日頑張るぞという気分にさせてくれる

「いつもながら、制服が似合っているね」

「有難うございます」

紺色のタイトスカートから同色のストッキングに包まれたしなやかな美脚が目に入る
髪はスポーティに紐で纏め、耳から襟足の肌の白さが際立っている
そこには誠実で清楚な女がいた
一郎は、席に着くと赤鉛筆を片手に書類にチェックを入れていく・・・
美恵子は毎日必ずその姿を見届けると、一礼をして部屋を出て行く

一郎の精力的な仕事振りのエネルギー源は、間違いなく美恵子の存在だ

彼女にとっても一郎は・・・妻帯者となった今でも特別な存在であった
この会社に就職して1年が過ぎ、それでも業務に馴染めず落ち込んでいた頃
新入社員として配属されてきた男、高学歴それも一流の大学卒、スポーツマンで美男子
社内の女性社員が憧れる存在・・・・・そんな彼が彼女の家に電話をかけてきた

「藤、藤崎さんのお宅でしょうか?」

「はい、藤崎ですが・・・・」

「・・私、山、山本ですが・・・美恵子さん?」

「ええ・・・」

「今どうしてる?・・・もし良かったらドライブにでもいかない?」

「うーん・・」

「行こうよ、ドライブに・・・美恵ちゃん」

「・・・・・ええ・・じぁ」

この一郎との最初のデートを美恵子は今でも覚えている

季節は秋
紅葉が映える坂道を二人で歩いた
一郎は職場の上司のこと、同僚のこと、そして今取り組んでいる仕事のこと
意気揚々と語った・・・
情熱があり誠実で一直線・・・・そして女性には少し鈍感なところ
その背をみながら、美恵子は離れずに歩いた

時々、一郎が振り向き優しい眼差しで語りかける
・・・そして、美恵子が頷き微笑みを返す

一郎が言った
「これからも、美恵ちゃんを誘ってもいいかなぁ?」

「・・・・・うーん、私には・・・」

「えっ!もう?・・・・・そうなんだ・・」

この時、一郎22歳、美恵子19歳
  1. 2014/08/02(土) 11:47:15|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第8回

一郎は妻となる知子とデートをするようになって、必然的に美恵子と疎遠になっていた
社内で一郎が結婚するとの噂がたった
上司が一郎に見合いを勧めたが、一郎が付き合っている女性がいるとのことでことわったためだ

こんな噂は美恵子にも届く
美恵子は勇気を振り絞って直接、一郎に尋ねた

「一郎さん、結婚されるんですか?」
美恵子の視線は一郎の目を真っ直ぐに見ていた

「う、うん・・・彼女は大学3年生だから、結婚はもっと先だけど・・・」

「大学生のお嬢さんですか?」

「う、うん・・・・・・・・」

「そうですか・・・」

一郎が切り返す
「美恵ちゃんも、好きな人がいるんだったね・・僕には誰だかわからなかったけど」

「えっ?」

「最初のデートのとき、そんなことを確か言ってたじゃないか」

「???・・・・・」

「僕は君を妻にしたいと思っていたんだ・・だから諦めきれずに、その後もデートに誘ってたんだ、残念だよ」

「私、私の好きな人は・・・・」

「いいんだ、もう・・・僕は結婚をすることになったんだ。君もその好きな人と幸せになれよ。じぁ・・・」

一郎の心に刹那さが走った・・・・親同士が勧めた、もうそれでいい
美恵子には好きな彼氏がいるんだと
そう自分に言い聞かせていた・・・

それから2年後、一郎は知子と結婚したのだ
その年も7月になった
一郎は相変わらず、システムの開発に没頭し、知子は学校に勤めながら、子育てと家事をこなす良妻賢母の見本のようであった

今夜は妻がフラワーアレンジメントを習いに行っている
妻は午後11時に帰宅、フラワーアレンジメントの作品を最近では珍しく玄関に飾りつけ、夫婦の寝室に入ってきたのは午前1時を回っていた

知子は、一郎に声をかけることなく自分のベッドに滑り込む・・・・

その日、一郎は開発中のシステムのテストランが成功し、気分が高ぶっていた

「知子・・・もう、寝たのか?」

「いいえ・・・」

一郎は妻のベッドに移動する
そして、妻のパジャマのボタンを外していく
小ぶりの乳房をいきなりしゃぶり始める・・・・
手を何時ものように、妻の女陰に這わす

(おや?今夜は濡れるのが早いな?)
陰核を嬲りだすと、妻はしがみついてくる

「知子・・私のものを舌と口で・・・」
この前、シックスナインで嫌、嫌させたのは相当前だ・・・・

一郎はベッドの縁に腰をつき、妻を足元に座らせて怒張を顔に近づける
今夜の妻は素直だ・・・
知子が口に含み始めると、乳房を揉みしだく

(あれ・・嫌がらない・・・・それに???)
一郎に快感が走る
知子の顎に手を添えると、口の奥へぐっと押し込んでいく
そして、一郎がゆっくりと怒張を引き抜いた

「うっ!・・・はぁ、はぁ・・」
その怒張は知子の唾の糸を幾重にも絡ませ天を突く

「知子、今夜はバックスタイルだ・・・いいだろ?」

「・・・ええ」
妻をベッドに上げ、四つん這いにさせる
自然と妻は、頭を下げ尻を高く上げた・・・・

(いやに、今夜は積極的だなぁ・・・・)
これまではクリニングスで女陰がべとべとになってからでも、したがらないポーズ

「あん・・」
妻は性交中に声は出さないが、バックスタイルの時はこのような声をたまにあげる・・

「・・知子はこのスタイルを嫌がるが、本当はいいんじゃないのか?」

「あぁぁぁん・・・」

知子はまだ逝くと言ったことが無い
しかし・・・鈍感な一郎も、今夜の妻は何時もの知子とは少し違うような気がした
そして、一郎自身も精力が漲り、ゆっくりと怒張を妻の女陰に打ち込み続ける
妻のものが絡んでくる・・・ああ、いい気持ちだ
  1. 2014/08/02(土) 11:48:18|
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こころ清き人 第9回

翌日、一郎は何時になく緊張して出勤した
午前10時から取締役会が開かれる、その場でシステム開発の状況を報告することになっていたからだ
一郎たちが開発した「総合販売管理システム」は受注・発注・在庫引当がオンラインで検索・更新できるシステムで、同業他社との競争を勝ち抜くための戦略的なシステムだった・・・・そのテストランの完了報告なのだ

「室長・・・」
電算室を一郎が出ようとしたとき、美恵子が声をかけた

「どうしたの?藤崎さん・・・」
一郎は室員の前では美恵子を苗字で呼ぶ

美恵子は一郎に近づくと、一郎の肩に手を伸ばしてスーツに着いていた糸くずを摘んだ

「ああっ・・・有難う、藤崎さん」
一郎は優しい微笑みを美恵子に投げた・・そして、こちらを見ている室員の顔をひとり一人に目線を合わせた・・

「今度のシステムの完成は、みんなの英知と努力の結集の賜物です。みんなを代表してしっかりと役員の方々に報告してきます・・・みんな、有難う」


2時間後、一郎は意気揚々と電算室の扉を開けた
その姿に、室員全員が立ち上がった

「みんな・・聞いて。完成したシステムについて役員全員からお褒めを頂いた。そして、社長が大変感心され、私たちの苦労をねぎらいたいとおっしゃった。それで、今夜は社長のおごりで、みんなで慰労会をすることになった。もちろん社長も出席される」
よっしゃ!!・・・室員の誰ともなしに声が上がった

一郎は自室に入ると、美恵子を呼んだ
「美恵ちゃん・・今夜の慰労会の後で少し付き合ってくれないかなぁ」

「何かお話でも?」

「ああ・・詳しくはその時に話すが・・・実は、私が東京本社に異動になる」

「室長・・それはご栄転ですね」

「うん・・向こうで開発しているシステムの進捗が上手く行ってないらしい。それで私に指揮を執るようにとのことらしい」

「おめでとうございます・・・・室長」
美恵子はこころからお祝いを言った
電算室の慰労会の後、二人は洒落た喫茶に来ていた

一郎が美恵子へ語りだした・・・
本社で開発中のシステムは、会社機能を網羅する人事管理システムで、その成否が社運を左右しかねないほど巨費を投じているという
しかし、システム開発の進捗が思わしくなく、大阪での実績を踏まえ、その開発責任者として一郎が選ばれた
そして、応援に大阪の電算室からも人材を連れて行っても良いこととなり
その人を美恵子にしたいとの話だ・・・

「室長、なぜ私なんですか?私には情報処理の知識なんて・・・・」

「美恵ちゃん、室長はやめてよ。一郎でいいよ」

「でも、仕事の話ですから」

「ああ、わかったよ・・君を選んだのは、コンピュータのシステムエンジニアは向こうでも優秀な社員がいるだろう・・・たぶん、トラブルの原因は人間関係にあると私は思っているんだ。本社のプロジェクトだ、唯でさえシステム開発は神経が参ってしまうだろう。向こうに君のような存在の人がいたらと思ってね。だめかなぁ?」

「うーん・・それはちょっと無理があると思いますが・・」

「無理が?」

「はい、社長は室長の仕事を助ける腹心を一人連れてとのお考えだとしたら、それが情報処理の知識のない女性の私では・・非常識と思うのではないでしょうか」

「うーん・・でも、君が居てくれて本当に私は助かっているんだよ」

「そうおっしゃって頂けるのは嬉しいです。でも、男と女ですよ・・会社は室長と私の関係を疑い、まともに理解しないのではないでしょうか」

「そうかなぁ・・・・プロジェクト推進の真のエネルギーを会社は理解できないか・・」

美恵子は一郎の顔を見つめている
一郎はこんな人だ・・・昔も今も
仕事は素晴らしく出来るが、人の事となると鈍感だ・・特に男女のことは
でも、それが一郎の良いところでもあり強さである
決してへこたれる事のない一郎の本分なのだ

「室長。ここは・・大阪にも迷惑はかけられない。一人で東京で頑張ってみるということにして・・・・・」

「えー???」

美恵子は笑って続けた

「もしも・・もしもですよ。こんな私の顔でも見たいとのことでしたら、お知らせ頂いたら、何をおいても駆けつけますので・・・」

「美恵ちゃん・・、本当に君は私のことをよく理解して・・・・・有難う」
一郎も元気に笑った
  1. 2014/08/02(土) 11:49:15|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第10回

一郎は自宅に戻ると、知子を居間に呼んで転勤のことを告げる

「あなた、それで何時から東京へ」

「うん・・まずは明日から日帰りで出張して向こうでの準備をしてくる。会社は急いでいるらしいが、住居の手配なんかで8月からと思っているだけど」

「そうですか来月から・・・あなた、くれぐれも健康には気をつけてね」

「心配するな・・陸上競技で鍛えてある。大丈夫だ・・それより、知子は一人で大丈夫か?」

「大丈夫なもんですか・・・寂しい・・とても寂しい・」

「おい・・大阪と東京だ、何時でも帰ってこられるし・・・直ぐに片付けてみせるさ」

「ほんとよ、頑張ってね・・・・ああ、そうそう、また学校の親睦旅行が今月22日、23日の予定なの・・今年は、山陰の玉造温泉と出雲大社めぐり・・あなたが大変なときだから、キャンセルしようかな?」

「いや、行ったらいい・・・知子は知子の職場で頑張らないと、先生方の親睦を図る機会なんだから、キャンセルしなくていいよ。しっかりと温泉に浸かっておいで」
知子はにっこりと笑った

翌日、一郎は東京本社へ出張し、夕方には大阪駅に帰ってきた
その顔が厳しい
東京のスタッフの話を聞いただけだが、腹を括って取り組まないと大変なことになると一郎の本能が知らせていた・・・

「奇遇ですね、山本さん・・・・・ああ、ちょっとお顔がきつそうですね」
声をかけてきたのは阿部真一だった

「やぁ・・阿部先生、あなたも出張でしたか?ちょっと出張先のことを考えてしまって」

「それはそれは・・・どうです気分転換に、そこらで暑気払いにビールでも」

「いいですね。行きましょう」
この二人は共にスポーツマン・・・肌が合っている
今、二人はデパートの屋上のビアガーデンで乾杯をしたところだ
会話は大学時代のスポーツ大会の思い出で盛り上がった

「ところで、阿部先生。学校の親睦旅行って色んなところに行かれるのですね」

「ええ、それは・・幹事の先生が旅行業者と相談して良いところを探すんですよ」

「で・・先生の学校はどちらに」

「ええ・・今年は韓国です」

「はぁ?韓国ですか?」

「一応、近いですが海外です・・・はははは」

「でも、みなさん行かれるんですか?小学校の先生は女性が多いですし・・」

「ちょっと都合がつかない先生も出てますね・・・ああ、そういえば知子先生も昨年から参加されてないようですね・・・ご家族のお世話かなんかで」

「はぁ・・・???」

「知子先生の学校の教頭が私の大学の先輩で、残念がっていましたよ・・・なにしろ、知子先生美人だから男性の先生方から人気があって、一郎さん気をつけていないと」

「へぇ・・教頭先生が阿部先生の先輩なんですか・・うーん、知子が参加しないのが残念と?・・・・・・他に何か、知子のことおっしゃってましたか?」

「うーん・・言っていいのかなぁ」

「なんですか言ってくださいよ、阿部先生」

「実は・・・去年から特定の先生と二人きりで話しをすることが多くなったと」

「・・・特定の先生と?」

「ええ・・あの変人の蓬莱先生となんだそうです・・・それが、二人で話を始めると他の先生を無視して会話を続けていると・・・放課後も一緒だって」

「そ、そうなんですか・・・・でも、それはなんか変ですね。知子は家ではそんなことは何も言いませんが・・・」

「それが、あまりにも二人でいることが多いみたいで・・・同僚の先生が仲を疑ったりしているらしい・・・・知子先生に限ってそんなことは無いと否定しときましたが・・」

「ええ!仲を疑う先生がいる?・・・そんな感じを周りに与えているんですか」

「・・らしいです。それともうひとつ・・その蓬莱先生が今年の5月に離婚されたようで、その原因が知子先生じゃないかという先生もいるらしくて」

「ええええっ!そ、そんなことに・・・」
一郎の顔から血の気が引いた

「一郎さん、知子先生がそんなことするはずはないと思いますが、でも、複数の同僚の先生からも聞きましたよ、知子先生は男性教師からは人気がある反面、女性教師とはコミュニケーションが上手くいっていないとも・・・とにかく一郎さん、人の噂は厄介です。早いうちに知子先生に注意されたほうが・・」

一郎は天を仰いだ・・・そして
4月に真一の妻、幸子先生から聞かされた親睦旅行での話が蘇ってきた
  1. 2014/08/02(土) 11:50:15|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第11回

一郎は自宅に戻った
今夜は知子がフラワーアレンジメントを習いに行く日
電気も灯さずに、応接の椅子に腰を掛け、一郎は今までの話を整理している
互いに相手を尊重し、共に働き、信頼し合っていた二人・・・それが崩れる

知子は去年、学校の親睦旅行だと言って夏・冬とも出かけた
それが嘘だなんて・・
そして今度も・・・確か山陰へとか
どうする一郎・・・どうするんだ一郎
それに、確か幸子先生があの変人先生もフラワーアレンジメントに行きだしたと言っていた・・・・その変人先生と仲が良くて、周りから疑われている?

一郎は時計を見た・・・・午後11時前
知子が帰宅する時刻だ

知子は帰宅すると、今夜は今日の作品を玄関に飾った
そして、いつものように居間に入る
一人で珈琲を飲んでそれから風呂を使う
いつもなら、夫の一郎はもう寝ている

「えっ!あなた起きてたの」

「疲れすぎて、寝付けないんだ・・・あれ、今夜はフレアースカート?」

「ええ・・・スラックスより涼しくて」

「そうなんだ・・・」
一郎は知子に近づくと優しく抱きしめ、右手で知子の髪を、左手でお尻を撫でる

「ああ、そうそう今日の出張帰りに阿部先生に出会ったよ」

「阿部先生に」

「ああ、それで阿部先生の学校は親睦旅行に韓国に行くらしいよ。海外だって」

「へぇ・・・韓国に」

「知子の学校は、確か今年は山陰への旅行だったね・・・」

「ええ、そうよ・・・あなたは仕事で大変なのに本当に御免なさいね」

知子は申し訳無さそうに、一郎の顔を見た
一郎は知子を力いっぱい抱きしめる・・・そして、耳元で問いかける

「いいんだよ、知子・・・・でも、その旅行いったい誰と行くのかなぁ?」

「えっ?」

「それに・・去年の夏と冬の親睦旅行も誰と行ったのかなぁ?知子」
知子の目が大きく見開き、一郎の腕の中で身体が固まっていく・・・

「待って、あなた・・学校の親睦旅行なんですよ・・・」

「親睦旅行ね?知子・・本当に、親睦旅行なのか?」
知子の顔が青ざめる

「うーん・・・あなた、お願い・・もう、12時だし先にお風呂に入るわ・・その後でちゃんとお話します。先にお風呂、ね、いいでしょ?」
知子は一郎に甘くねだった

「そうだな・・先にお風呂に入りたいか?・・・いいよ、・・だけどその前に」

「いや!なにをするの?」
一郎は、いきなりスカートを捲りだした

「やめてあなた!私、汗かいているんだから・・ねぇ、お風呂の後で・」
知子を無視して服を脱がしにかかる

「どうしたの・・あなた・・ねぇ・・・あなたっ!いやよ・・やめて」

一郎は、蛍光灯の真下に知子をパンティだけの裸体した
「どうしたの?あなた・・・なんかおかしい」
一郎は知子の裸体を観察し、匂いを嗅ぐ

「知子・・・横になって・・・」
知子を床に寝かすと両腕を万歳させる
一郎の目は小ぶりだが形のいい美乳を見つめている
(何も形跡はないが・・・・)

知子のパンティを剥がすと、鼻を女陰に当てる
何度も匂いを嗅ぐ
(うーん・・・)

「やっぱり・・・変、あなた、どうしたの?まるで私の身体を調べているみたい・・」

一郎は、知子の自慢の白い美脚を太腿から足先まで手で摩りながら探る
(無い・・何も無い、男の痕跡が・・・・)

「あぁぁ御免・・東京で神経を使って大変だったんだ、それで急に知子を抱きたくなったんだ・・・でも、先にお風呂に入ったほうがいいよな、本当に御免」

一郎は、バスに向かう華奢な白い女体を見送った
知子の肢体は二児を出産した女性特有の丸みを帯び、女ざかりの見本のようだ
夫でさえ見ているだけで勃起してしまう

(なにも怪しいところは見当たらないが・・・うん、知子がいつも持っているバッグか)

一郎は知子が今夜のお稽古に持っていったバッグを手に取り、そして開けようとした
・・・そして、思い直して止めた
一郎は、今まで一度も妻を疑ったことはない
・・・どうかしている・・阿部先生の話しを真に受けて・・知子の話しも聞かずに酷いことを
一郎は妻の知子を疑う自分の心を恥じた
  1. 2014/08/02(土) 11:51:20|
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こころ清き人 第12回

翌朝の電算室長席での一郎の様子がいつもと違うことを
美恵子は敏感に感じ取っていた

「室長、おはようございます」

「ああ・・おはよう」

「どうかされましたか?東京のシステム開発は難航しているのですか?」

「うん・・・それもあるんだけど・・・」
一郎が再び考え込む様子を見て、美恵子は一礼して部屋を出た


一郎は昨夜の知子との話を思い出していた

「あなた・・ごめんなさい。あなたに心配をかけたくなくて親睦旅行に行くということにしていたの」

「私に心配をかけたくない?」

「ええ、そうなの・・・実は私、学校の先生方とくに女性の先生方と人間関係が上手くいってないの・・それで気晴らしに中学の時の友達と旅行をしていたの・・・ちゃんと話しておけばよかったんだけど・・こんなこと、あなたに相談できないし」

「ふーん・・中学時代の友達と旅行?・・で、その・・女性の先生方と上手くいかない原因は何なの?」

「・・それは、蓬莱先生を私が庇ったから・・・あの先生にもいいところはあると」

「蓬莱先生って?あの変人教師と言われている先生かい?」

「うん・・確かに一般的な教師の仕事はいい加減だけど、保護者には人気があるし、地域の人たちとの揉め事なんか逆に上手く裁いてくれているの。私のクラスの保護者が怒鳴り込んできた時なんか、私を助けてくれたりして」

「そうかい・・・でも、大勢の先生方が同じ見方をしているんなら、そちらの方が一般的かもしれないよ。突っ張っていくのはストレスも溜まるし、職場で孤立する・・辛い道を選択したかもしれないなぁ」

「そうなの・・・職場で話ができる先生があまりいなくなってしまって」

「でも・・その蓬莱先生とばかり話をしたり、行動していると周りから変な目でみられているんじゃないか」

「??・・あなた、学校から何か言われたのね」

「うーん・・・それに蓬莱先生は離婚されたらしいじゃないか」

「そ、そんなことまで・・・あなたに」

「周りのことも考えろよ知子、正義感や親切心も仇になってしまうこともある。旅行のこともそうだ・・・・正直に話してくれるほうが、私は安心だしアドバイスできることもあるかもしれない」

「あなた・・本当に心配かけてごめんなさい」

一郎は知子の話に納得してはいない
親睦旅行の土産だといって帰ってきた妻、それが友達との旅行だった?
卒業の集合写真での蓬莱の仕草の違和感、そして、蓬莱の離婚・・妻との親しい関係?
この時まで、一郎は知子を愛しているし、疑ったりしたことはなかった
だが、胸の中では結婚以来初めて、妻に対して疑いの心が這い回わりだしていた
藤崎美恵子は一郎のことが気になっていた
まだ今日は一度も室長室から出てこない

「室長、冷茶をお持ちしました」

「ああ・・美恵ちゃんか、ありがとう」

「室長、本当に今日はどうなさったのですか?先ほどよりも何やら重い感じがして」

「うん・・美恵ちゃんには敵わないなぁ・・・実はプライベートな問題で考え事を・・」

「ご家族のことですか?」

「うーん・・・・美恵ちゃんならいいか・・実は妻の知子のことなんだ」
それほど、一郎は美恵子を信頼している

「奥様がどうかされたのですか?」

「・・・うーん、これは私と妻とのこと、美恵ちゃんには心配はかけれない・・・」

「室長・・室長はもうすぐ東京へ赴任ですし、室長にとって将来がかかっている大事な仕事。失礼ですが、室長はお仕事はすばらしくおできになりますが・・ご夫婦の問題はいくら考えても、あまり上手に解決されるお人ではないように思います。私は人事課所属の時、このような社員の家庭のトラブルを扱ってきましたので・・・」

「美恵ちゃん・・・そうだったね・・・しかし、私の妻のことだから」

「室長、・・・・もし私でよければ、業者も知っていますので調べてご報告いたしますが・・・」

「いや・・いいんだ・・やはり、このことは私と妻とのこと、美恵ちゃんに頼めることではない・・・しばらく私なりに考えてみるよ」

美恵子は思った
一郎には、妻のことを調べることなんかとても出来ないと
それにしても、知子さん・・・こんな良い夫に心配をかけて

美恵子は中学時代を思い出していた
可愛くて、成績優秀な知子・・・学年男子の初恋の人ナンバーワンの女の子
クラス委員を務め、難関の進学高校へ進んだ知子
それとは対照的に就職を考え、高校の商業科を選んだ美恵子

そう、知子と美恵子は同じ中学のクラスメイトだった
  1. 2014/08/02(土) 11:52:06|
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こころ清き人 第13回

知子の学校の職員室
児童の一斉下校を見送り、先生方が戻ってきたところだ
知子も自席に戻り一息つく・・・・
蓬莱が、知子の所に来てそっと知子の中腕を「とん」とたたく
知子は振り向き、目が合うと
蓬莱は教師の休息室となっている用務員室へ向かう
少し間をおいて、知子は席を立つ
その様子を見ていた教頭が舌打ちをした

用務員室に置かれている古い応接ソファーに蓬莱はどっかと腰を降ろしている
後から来た知子は、いつものように珈琲を二つ用意してテーブルに置く

「どうかしたのかい?今日はあまり元気がないなぁ・・・」

「ええ・・・」

「何か悩み事でもあるの?・・なんでも聞いてあげるよ」

「あのう・・・・蓬莱先生、今度の旅行なんですが・・」

「旅行がどうかしたかい?」

「はい・・主人に誰かが、私が親睦旅行に不参加であることをを言ったみたいで・・・それに、先生とこうして話し込んでいることも」

「えっ!で・・ご主人に何と説明したの?」

「旅行は中学時代の親友と気分転換のために行っていたと・・・そして、先生と話し込んでいることも、クラスの運営の相談をしていると説明して何とか・・・」

「うーん・・そう」

「それで、今回も主人は旅行に行ってかまわないと言うのですが・・・今度は何か心配になって・・」

「うーん、でも・・・この旅行は私とあなたの間の約束ごとだ。私はちゃんと約束を守っているんだし、あなたも守ってもらわないと・・・」

「でも蓬莱先生・・・私、今回は主人が気になって」

「ご主人が?うーん・・山本先生から聞いているご主人だと何にも気にすることないと思うよ・・・自分のことばかり一生懸命で、あなたのことは無関心のようだし、心配いらないと思うがなぁ・・・・それより、私とのことを守ってもらわないと私も守れないよ」

「・・・・・・・・」

「大丈夫だよ・・・・なぁ山本先生、予定どおりに」

「・・・・・・ええ、わかりました」


  1. 2014/08/02(土) 11:53:02|
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こころ清き人 第14回

知子は今日は早く帰宅した
そして中学時代の親友に頼みごとをした
・・・知子と旅行に行ったことにして欲しいと


知子の胸に、2年前の夏の親睦旅行での出来事が浮んでくる


親睦旅行の宴会の後、幸子先生とホテルのバーで飲んでいると
二人の大学生が声をかけてきた

「楽しそうですね・・素敵なお姉さんお二人で何のお話しですか?」と

学生たちは、元気がよくて気楽そう
ストレスをもった社会人の知子たちからすると、羨ましいくらいにのん気だった
その後も、学生たちは知子と幸子を上手に煽て上げてくる

知子は自分より年下の感じのいい若者ということや旅行で気分が高揚していて、会話に乗っていった
そして、幸子を置いて学生の一人と踊っていた

踊っている間も、学生は知子を褒めちぎる
お世辞と思っていても気分はいいものだ・・・
もうこれでお仕舞いと知子が言い出すと
待っていたもう一人がお酒を手にして、私もお願いしますと交代する
しかたがない・・・この学生とも踊ってあげるわ
もう終わろうとすると休んでいたもう一人が・・・・
パートナーが代わる度にお酒を一口飲む
何度か繰り返すうちに、知子は上気分ですっかり酔いがまわっていた

「お姉さん大丈夫ですか?」
今、一緒に踊っている学生が知子を抱きとめた
そして、カウンターで待機している相棒にウインクをした

「どうですか・・酔い覚ましに、少し夜風でもあたりに行きましょうよ・・もう一人のお姉さんは私の友達に任せて・・・ね、行きましょう」
知子がカウンターの方を見ると
幸子ともう一人の学生が会話しているように見えた

ホテルの玄関を出ると、夜風が頬に気持ちよい
知子には何処をどう歩いているのか・・もう分らない
ただ、右腕をしっかりと学生に抱えられている
ふと気が付くと、左腕をいつの間にかもう一人の学生が抱えている

「ここらで、少し休みましょうか」

そこは、道後温泉にある公園の中
遠くにスポットライトに照らされた松山城の天守閣が浮んで見える
木々の間から、ひんやりとした風が吹いてくる
その先には月が昇り
その明かりが三人を照らす

浴衣姿の知子を真ん中にして、学生二人が並んでいる
学生二人は知子のしなやかな手にキスをし始めた

学生の一人が言った
「お姉さん・・僕たちまだ女性を知らないんだ・・・」

「うーん?」

もう一人が言う
「初めての女性は、お姉さんのような清楚で綺麗な人がいいなぁ」

「からかっちゃ駄目よ・・・私、二人も子どもがいるのよ」

「そんなことない・・本当にお姉さんは綺麗だし、素敵だよ」
学生二人は知子の両腕を片方ずつ占有して、キスの波が手の先から昇ってくる

「あっ・・・うっ!」
若者が知子の頭部を引き寄せながら口を奪う
それを見たもう一人の若者が知子の臀部に抱きつく
若者たちは知子を芝生の上に押し倒していく

「お姉さんの唇・・素敵だ・・ねぇ、キスってもっと舌を絡めるんだろ」

「あん・・・だめ」
キスをせがむ若者の手が、浴衣の襟から乳房を探る
そして、知子の首筋に舌を這わす

「何て柔らかいんだ・・・お姉さんの太腿・・」
もう一人の若者は浴衣の裾を開いて、知子の両腿に顔を押し付けている

「あっ・・・あぁぁ」

月明かりの緑の芝の上で、天女の羽衣が剥がされて行く
知子の白い、白い肌が月明かりに映える
その素肌を二つの舌が這い回り、四本の手が優しく愛撫する

暫くして
天女は一人目の若者を受け入れる
もう一人の若者は天女の髪を撫で、可憐な乳首を口に含んだ
知子の回想は続く・・・

その翌早朝
知子は幸子が寝ているのを見て、そっと起き出す
昨夜のアバンチュール・・・学生二人との肉交
知子にとって3Pは初めての経験だった・・・
まだ、二人の男から得た快感が身に染み込んでいる
学生たちが言った言葉を思い出す

・・明日もう一度、それでお別れ・・・・必ず来て、お姉さん

知子は混浴の露天風呂に向かう
脱衣場にはまだ誰も来ていないようだ
知子は浴衣を脱ぎ、タオルを持つと一番奥へと向かう

暫くして、昨夜の学生二人がやって来る
「お姉さん、おはよう・・・よく眠れた?」

「・・・・ええ」
学生二人は、もう遠慮はしない
知子の裸体に纏わり付いていく

「お姉さん・・・誰もいないうちにもう一度楽しもうよ・・ね」

「うっ・・・・」
一人が女陰を・・・そしてもう一人が乳房を

「僕たち昨晩、頑張りすぎちゃて・・・今朝は、まずは手で逝かせてあげるね」
そう言うと、知子を洗い場の長椅子に導く
そして、知子の全身にソープを塗りつけると一人が女陰を2本の指で愛撫する

「お姉さんのGスポットはどこかな?」
知子の中にその指が入り込む

「うっ・・・知らない・・」

「じゃ・・・僕が探してあげる・・・よくあるのはこの辺りだよ」

「あっ・・あぁぁぁ」

「あぁ・・お姉さん・・せり上がっちゃだめだよ・・・」
もう一人が知子の背後に回って壁となり、乳房を握り締めた

「あん・・・あぁぁぁ・・・」

「どうしたの?お姉さん・・・気持ちいいの?」

知子のしなやかな肢体がのけぞると
・・・学生の指は温かい膣の中で来い来いと手招きする

 「あん・・・もう・・もう・・」
学生たちは互いの顔を見合わせて笑った
そして、硬くなった若い怒張を知子に握らせる

 その後は、もう一人の学生に代わる・・・そしてその次、また学生はポジションを替える
 繰り返される愛撫の中で、知子は夢の中をさ迷い・・・・・気を失った
  1. 2014/08/02(土) 11:54:00|
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こころ清き人 第15回

 蓬莱は学校の全ての先生から疎まれていた
 当然、この親睦旅行でも蓬莱に話しかけてくる先生など一人もいない
 むしゃくしゃして、蓬莱は早朝の露天風呂にやってきた
 脱衣場で浴衣を脱いでいると、二人の学生の会話が聞こえる


 (なんだって・・この露天風呂の奥で淫乱女がいる?それは面白そうだ・・)
 
 蓬莱は、興味本位で露天風呂の奥へと歩いていく
 そこには、素っ裸で失神して横たわる女・・・・あの女か
 しかし・・いい肢体をしているじゃないか

 蓬莱はその女の顔を見て驚いた


 (山本先生!!・・・うーん・・馬鹿な女だ、東京の若造に引っかかりやがって)


 蓬莱は、裸の知子を抱きかかえて休息場所まで運んできた

 (この女、学校では美人で人気があることをいいことに、俺のことを完全に無視しやがって・・・ふん、姦られちゃって、はぁ・・ざまーないや)


 変人教師の両腕の中で裸の美女が眠っている
 蓬莱の目が妖しくかがやき、そして怒張が硬くなりはじめた
 先ほど、二人の学生によって逝かされた女の匂いが男を狂わすのだ

 (うーん・・人妻の美人教師か・・・ほんとにいい乳してるじゃないか・・・山本先生)


 蓬莱の男の我慢が限界にきている
 唾を飲み込んだ

 しかし、相手は同僚の教師で人妻だ
 どうする?犯るか・・・・こんな美人を抱くチャンスは二度とないぞ
 
 (女なんて姦っちゃえば何とかなるか・・それに、亭主がいるからなお更、他人に言ったりはしないよなぁ・・・・よーし、それじゃ頂くか・・)
 乳房が優しく揉みあげられている
 唇を吸われている・・・・・・・あっ!口内に舌が入ってきた
 私の舌とじゃれ合っている
 知子は夢見心地で目を開けた

 「えっ!」
 視線の先には見覚えのある男の顔が映る

 「大丈夫ですか?山本先生・・・どうやら気が付かれたようですね」

 「ほ、蓬莱先生?・・・どうしてここに?」
 知子は蓬莱に抱きしめられている

 「山本先生・・ここは混浴の露天風呂の休息場所、私が入ってきたらあなたが倒れていて、ここに運んで介抱をしてあげていたんですよ」
 蓬莱の手は介抱するというより、知子の全身を愛撫するように撫でまわしている

 「あぁ、止めてください・・もう、蓬莱先生、もう私、大丈夫ですから」

 それでも蓬莱は、にやにや笑いながら、知子を抱きしめた腕は緩まない
 知子の美乳の手触りを楽しむかのように裾から頂に手が舐める
 裸の美人教師を抱きしめている蓬莱の怒張が、柔らかい臀部に押し当てられる

 「ほんとうに、もう大丈夫なんですかね?もっと男が欲しいんじゃないの・・・淫乱の山本先生」

 「なんですって!!」

 「ほら・・あなたの乳首がこんなにとんがってきましたよ」
 蓬莱は、知子の両方の乳首を同時に捻り上げる

 「あっ!何をするんですか・・やめて、蓬莱先生」
 蓬莱の右手が腹部を摩り、知子の女陰へ向かう

 「山本先生、聞いてしまったんですよ・・・ここを出て行く二人の学生の話・・あなたのこと、淫乱女だって」

 「そんなこと・・・」

 「昨夜はあの学生たちから、それぞれ2発ずつ姦られたんだって・・・ここにさぁ」
 蓬莱は、知子の太腿をこじ開け女陰を弄る

 「あーん・・いや・・やめて」

 「そして、つい先ほど・・・手でやられて・・潮、吹いちゃたんだって?」
 蓬莱は知子の乳房と陰核の2カ所を同時に責める

 「いや・・やめて、やめて・・・蓬莱先生」

 「ほら、もうこんなだ・・見てごらん」

 蓬莱は、二本の指を知子の膣奥深く挿し込むとゆっくりと引き抜き、知子の目の前に差し出す

 「いや、いや・・・・ねぇ、もう、おねがい・・・」

 「そうかい欲しいのかい?・・美人先生にお願いされちゃ、しかたがないなぁ・・清楚で誠実な美人教師の逝くところを私にも見せてもらおうか・・・若い活きのいいのとは一味違う、私の一物も十分に味わうといい・・・そうら」

 蓬莱は知子をバックから犯しにかかる

 「そうじゃないの!やめて・・ね、先生・・・おねがい」

 蓬莱自慢の太い怒張が、知子の女陰に突き刺さる

 「あぁ・・ん、いや!」

 蓬莱は・・浅く、深く、また浅く、深く・・・ゆっくりと打ち込んでいく

 「あん・・あーん・・あん・・あーーん」

 「今まで、あなたとは疎遠な関係だったけど・・・これからは、仲良くしような・・・ね、山本先生・・・・・・・ほら、もう他人じゃない、こんな関係だからさぁ・・・・・それにしても、いい声で啼くじゃないか・・・そら、もう一声」

 蓬莱はしっかりと知子の柔腰を抱え込むと、女陰の奥深くへ渾身の突きを入れる

 「いやぁ・・あう・・・・あん、あぁぁぁぁぁぁ」

 「逝きたいんだろう?ほらほら・・・」

 「あん・・あん・・もうダメ・・・・やめて下さい」

 「何を言ってるんだい、こんなに締め付けておきながら・・・早く成仏しろや、人が来るぞ」

 知子の悔し涙が頬を濡らし
 ひと際高い淫声が早朝の露天風呂の湯気に溶け込んでいった・・
  1. 2014/08/02(土) 11:55:05|
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こころ清き人 第16回

 藤崎美恵子はマンションの一人暮らしだ
 33歳になった美恵子に両親がしきりに見合い話を持ちかけてくる
 その煩わしさから逃げるように、会社近くのマンションに移ったのだ
 一郎を今でも自分の運命の人だと信じているからこそ、独身を貫いている

 しかし、休日に一人でいると寂しさが込み上げてくる
 もし、一郎と一緒に居られたらどんなに楽しい休日だろう
 その一郎は、未だに美恵子の乙女心には気づいてくれない
 美恵子から、ため息がこぼれた

 美恵子はこんなとき、ショッピングで気を紛らわせる

 「あら・・美恵子・・・美恵子じゃない?」
 美恵子を呼ぶ声の方を見ると、中学時代の同級生がいた

 「あら・・・久しぶり」
 この同級生は確か、知子の親友

 「どうしてたの美恵子、今年の同窓会にも顔を出さないし、みんな心配していたわよ」

 「御免なさいね・・・仕事が忙しいものだから、失礼しちゃって・・先生はお元気だった?」

 「ええ、私たちのクラスの担任はまだ現役だもの、お元気だったわ」

 「それはよかった・・・で、みんな元気にしてた?あなたの親友の知子さんは小学校の先生だそうね・・・」

 「そうね・・結婚している人やまだ独身の人がいて・・でも、みんな元気だったわ・・・うーん、でも知子はちょっとねぇ・・・」

 「知子さんがどうかしたの?」

 「うーん・・少しねぇ・・同窓会でも余りみんなと話さないし、ちょっと変わったかな・・・それに、私に電話してきてね・・・一緒に旅行したことにして欲しいなんて言うのよ」

 「はぁ?それって・・・もしかして」

 「たぶん、ふ・り・ん・ね・・・・あの知子がよ・・人って分からないわねぇ」

 「そう・・・知子さんが」

 「他の人に言わないでよ・・・・美恵子、私が困るから・・・」

 「ええ、わかってる・・・でも、あなたも親友なんだから、今みたいに話しちゃだめよ」

 「ああ、そうよねぇ・・・・私としたことが・・・」

 美恵子の胸の中に、ふつふつと知子に対して怒りが吹き上がる
 美恵子が思いを寄せた男と結婚し、子どももいて幸せの象徴のような女性・・・知子
 その知子が不倫なんて・・・

 (そんなこと許せない・・・絶対に・・・)
 蓬莱との3回目の旅行の朝
 知子は化粧台の鏡に映る自分の顔を見つめている

 あの親睦旅行での淫行・・・それがこんな深みに入り込む切欠となるなんて
その要因は夫とのセックスでは得られなかったもの・・快感、そう・・快感にある

 その年は、幸子先生が居たこともあって蓬莱はおとなしくしていた
 しかし、新年度になって私が通うフラワーアレンジメントに入ってきた
 さらに悪いことには、蓬莱が私と同じ学年のクラス担任となり
 私に接近してくる・・・私のからだに無神経に触れようとする
 でも・・・私は頑として跳ねつけていた

 それが・・・・
 私のクラスの保護者がクレームに来た
 その保護者は学校では札付きの、どうしようもないモンペだった
 繰り返し学校を訪れ、言いたい放題のクレームに対応しているうちに
 いつの間にか、私は自分の心がコントロールできなくなっていた
 ・・・・・・・学校の産業医は軽い「心因反応」だと診断した

 そんな時に、蓬莱が自分のクラスのように関わってきた
 この時は本当に助かった・・・他の先生方はなんにもしてくれなかったから
 私の話に相槌を打ちながら聞いてくれる・・・それだけで何となく心が軽くなる
 私を無理やり犯した男・・それでも、私は蓬莱と話し込むことが多くなった
 
 そして・・・
 フラワーアレンジメントのお稽古の夜
 蓬莱から離婚したことを告げられた
 離婚の理由は、私とのことが奥様に知られたようだった

 それで、彼に誘われるまま車の中で、話しこんでいるうち
 蓬莱は私の肢体に触れだした・・決して無理やりに攻めてこない
 彼は女の扱いに慣れている
 その行為を私の肢体が撥ね付けることが出来なくなっていた
 肩を抱かれ太腿を擦られると、私は全身の力が抜けていった
 私の肢体に植えつけられる快感・・・あの時の快感が再び蘇ってくる
 しかし、蓬莱が肉交を迫ってきても
 それだけは・・・私は拒否し続けた

 彼は言った
 それなら、手と口で慰めて欲しいと
 さもないと、親睦旅行での出来事をお前の主人に話すと
 もう、従うしかない・・・と思った

 蓬莱は月1度のお稽古の日だけでは満足しなくなった
 学校で他の先生がいても、馴れ馴れしく私の身体に触れてくる
 こんな関係を続けていたら、何れ主人にも知られてしまうと
 やめるよう、蓬莱に懇願した
 すると、一度でいいから旅行に付き合えと・・・
 それで最後にしてやると
 私はその言葉を信じるしかなかった
 そして、主人に親睦旅行に参加すると言って出かけた
 でも、それが、それが・・・・

 夫の一郎は早朝から今日も東京に出かけている
 あの人はほんとに仕事一筋
 でも、こんなになっている私に何時か気づくに違いない
 それが恐ろしい
 もう・・・・・今回限りにしなければ


 知子は自宅を出て、蓬莱との待ち合わせ場所に向かう

 その少し後ろから、知子の様子を窺う一人の男が着いて行った
  1. 2014/08/02(土) 11:55:59|
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こころ清き人 第17回

8月も末になり、一郎は東京でシステム開発の仕事に悪戦苦闘していた
大阪の自宅には一度も帰っていない・・それほど本社のシステム開発は難事業だった

「知子・すまない、今週も帰れそうにない・・どう一度、君が東京に来ないか」

「あなた・・ごめんなさい・・また、保護者の人が押し掛けていて、家庭訪問したりして私も参っちゃて・・・・ごめんなさい」

「いや・・気にすることはない・・でも、知子、そんな自分勝手な保護者に負けるんじゃないぞ、困ったら教頭先生や校長先生に相談するんだ・・・いいね、じゃ」

受話器を置くと、一郎は天井を見て大きくため息をついた
さすがの一郎も今回の仕事には疲れきっていた



翌朝、玄関のチャイムが一郎を目覚めさせる
玄関ドアの前には、藤崎美恵子が立っていた

「美恵ちゃん!どうしてここに・・・・」

「室長、お久しぶりです・・・・陣中見舞いに、押し掛けて参りました」

「えっ!!うん、そうなんだ・・・美恵ちゃん」
一郎の顔が、みるみる生き返る

「でも・・なんですかその格好は?・・・室長、これでも私は独身の女性ですよ」

「はあ??いや、ご免・・・今、起きたものだから」

「はいはい・・室長、シャワーでも浴びて着替えてください・・朝食まだなんでしょう?私がお作りしますから」

「ああぁぁ・・有難う、美恵ちゃん・・・それじゃ甘えちゃおか」

一郎に元気が戻った・・・・・・・やはり、一郎にとって美恵子は女神だ
美恵子の作った朝食を、美味しそうに食べる一郎がいた

「ご飯に味噌汁・・玉子焼きに漬物と焼き魚か・・・美味い・・うーん、美味い」

一郎の前には、美恵子の笑顔がある

「ご飯のお代り・・しましょうか?」

熱いお茶を入れ、美恵子は微笑みながら一郎を見ている

「うん・・・お願いするか」

美恵子はお代りのご飯を一郎に渡す
・・・・・・・・二人の指が自然と触れ合う

「室長、今日のことなんですが・・私、ディズニーに行きたいのですが・・それで・・室長も・・ご一緒に如何ですか?」
美恵子から一郎を誘うのは、これが初めてだ

「ディズニーか・・ようし、行こう、気分転換して鋭気を養わないとなぁ」
(もう・・・この人は、自分のことを考えてる・・・・でも、それでもいい・・)


ディズニーランドの庭園の中を・・・二人はまるで若い恋人のように歩いていく
夏休み最後の土曜日、家族連れでいっぱいだ

「室長・・・腕を組んでもいいですか?」

「いいよ・・美恵ちゃん」

美恵子は、一郎の左腕に自分の右腕を絡ませ、頬を寄せる・・そして、手をつなぐ
美恵子が一郎としたかったことの一つだ


陽が西に傾きかける頃
ようやく一郎は仕事のことを忘れ、やっと目の前にいる美恵子のことを話しだす

「美恵ちゃん・・・今日、大阪に帰るの?」

「・・・・・・」

「美恵ちゃんとこうしていると・・・ほんとに元気になる、心も軽くなる」

美恵子は、沢山の男性社員が言い寄るほどのいい女だ
しかし、一郎は外見の姿や形を見ていない・・美恵子の個性そのものに魅かれている

「室長・・・私ともっと居たいのですか?でも、私、ホテルも予約していないし・・」

「・・・うーん、じゃ、私のところに泊まるのはどう?」

「でもそんなことしたら、奥様が何と・・・」


一郎は、美恵子の手を取り・・そして、目を見てにっこりと笑う

「美恵ちゃん・・知子は私のことを信頼しているよ・・私は狼には絶対にならないから安心して・・・ただ、ほんとに君と居たいんだ・・もう一日一緒に居て欲しい」

美恵子は立ち上がると、一郎の髪を撫で・・・そして、頬にキスをした
これで美恵子が一郎に、したかったことの二つ目が叶った
  1. 2014/08/02(土) 11:57:12|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第18回

小学校の夏休みももう終わりだ
知子は化粧台の前で、身につけているミニのワンピースに少し恥じらいだ
30歳前半の女性とはいえ、人妻が着るには丈が短すぎる
乳白色の素足が描く脚線美・・・・それが男の目を釘づけにしてしまう

汚れた台所に立ち、重なった食器を洗う知子
居間に寝転び、その後姿を眺める蓬莱の男根がぴくりと跳ねた
長い時間を費やして、ようやくこの女をここまでさせるまでになった
蓬莱の家庭は既に壊れている・・・・
家庭崩壊の代償として得た、美しい人妻との不倫関係
その人妻の性を自分の手で開発していく・・・・ああぁぁ、止まらない
蓬莱は男一人の気楽な生活だ・・・この女を手放したりしない

「山本先生、朝から申し訳ないなぁ・・・そんなことさせちゃって」

知子は一郎が東京に赴任すると
週に1度、蓬莱の家に呼び出され、家事をやらされている
洗い物が終わると、朝食を作る・・それが終わると、部屋の掃除・・それが日課だ

(そろそろ、ここでも嵌めてやるか・・・)
蓬莱はいきり立つ朝立ちの息子の慰め方を、美人の人妻教師の素足を眺めながら考えていた

「今日は一段といい艶してるじゃないか・・うん、この太腿は・・」

「あっ!やめて下さい・・蓬莱先生」

「いいじゃないか・・先生のこの生の素足を見ているとムラムラしちゃってさぁ」
蓬莱の手は太腿からパンティーの上から、お尻を撫でまわす
更に硬くなった己が男根を背後から押し付ける

「山本先生・・・欲しくないか、コレ・・うん」

「やめて下さい・・旅行の時だけとの約束じゃないですか・・」

「そう、そうだったか・・・しかし、今朝の私はもうこんな状態なんだ・・・いいじゃないか、山本先生・・・・そんな約束、守ったところでもう何にもならない」

「あぁ!やめて・・」
蓬莱は知子のパンティを引き降ろす、そして潤み始めた女陰に指を這わす

「ほらほら、私の息子が貴方の娘さんに会いたがってもうこんなだ・・・それに、娘さんもヒクヒクと喜んでいるじゃないか・・・」

「いや、やめて・・いや・・・・・うっ!」
蓬莱は2本の指で、女陰を甚振り・・・そして、唇を奪う

「やってみたかったんだよ・・・台所での立ちバックをさぁ」

「あっ!・・・」
バックからの挿入を果たした蓬莱の息子は
勢い良くダッシュを繰り返す

「山本先生・・・どうだい?朝の私の息子は元気がいいだろう?」

「あん・・・あぁ・・・」

「さぁ・・・山本先生、旅行の時のように楽しもうや・・・先生が逝くまで、待っててやるさ・・・さぁ、逝きなさい・・・逝くんだ」

台所に水道の水が流れている
蛇口の水が知子の髪を濡らす・・・そして、女の淫声も濡らしていく
・・・・・・人妻の持たねばならぬ、夫への貞操という観念
肢体に擦り込まれる女の快感・・・・・・不倫している罪悪感とスリル
これらが・・・・知子を狂わし、さらに暗い井戸の底へ落としていく
  1. 2014/08/02(土) 11:58:10|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第19回

9月になり、学校は第2学期が始まる

一郎は東京に行ったきり、一度も大阪には帰ってこない
・・それどころか、電話もあまりかけてこなくなった
知子は、さすがに夫の一郎のことが気になり始めていた


「あなた・・仕事は、上手く行ってるの?」

「ああ・・なんとか漸くゴールが見えてきたよ・・それにしても、知子が電話してくるなんて珍しいじゃないか」

「ええ・・私、まだ一度もあなたのところに行ってないでしょう・・・だから、次の土・日にそちらに行ってみようかと思って・・」

「・・・・次のって・明日じゃないか?」

「ええ、そうよ・・・明日、なにか不都合でもあるの?」

「いや・・突然で驚いただけだ・・じゃ、待ってるよ」
一郎が電話を切った・・・


夫の話す口調がどうも何時もと違う
それに、夫は自分から先に電話を置くことはしない
なにか・・・・
知子は一郎の微妙な変化を敏感に感じ取っていた

知子は時計を見る・・・まだ、東京行きの最終には十分間に合う


その頃、一郎は美恵子と夕食を共にしている
週末の金曜の夜には、美恵子が一郎の元に訪れる
そして、身のまわりの事はもちろんのこと、一郎の愚痴の聞き役にもなってくれる
美恵子が話す言葉・・・声、そして仕草が、困難な事業に正面から取り組む一郎の疲れた心を癒し、新たなエネルギーを生み出していた

「室長・・・奥様からの電話ですか?」

「ああ・・知子が明日、ここに来るらしい」

「それじゃ・・・私・・・」

「かまわないよ、美恵ちゃん・・・明日、知子が来たら紹介するよ。私がこんなに頑張れるのは君のお陰なんだから・・・」
一郎がそっと美恵子の肩を抱くと、美恵子優しい笑顔を見せる

「でも・・・・・・」

(この人は、人を疑がうことをしない・・・でも、ほかの人はそうではない)


その日の午後11時
知子が一郎の玄関のチャイムを鳴らす

「どなた?」
一郎の声だ

「あなた・・・私、明日が待てずに今日来ちゃった」

「知子!!」
玄関ドアが開く
知子の驚きと疑いの目が、出迎えた二人の男女に注がれる
夫の一郎と、少し後ろに隠れて見覚えのある女性が出迎えていた

「あなたは確か・・・藤崎さん?」
一郎は妻の第一声に驚き、二人の女性を交互に見つめる

「お久しぶりです・・・・知子さん」

「でも・・・どうして、あなたがここに?」

「ちょ、ちょっと待って・・・二人は知り合いなのか?」
美恵子が先に頷き、そして知子が一郎を見る

三人はリビングに入り、美恵子が珈琲を用意する
知子は黙って肘掛椅子に腰を降ろし、その対面の長椅子に一郎が座る
美恵子は珈琲を知子に、そして次に一郎に出して一郎の隣に腰を降ろす
知子の目に夫の一郎とその側に座る女性・・・美恵子が映る

(なんなのよ?この二人・・・まるで私が余計な者のようになって)
・・心が通じ合う者同士が持つオーラが漂っているように感じたのだ

知子の目がつりあがる

「ねぇ、一郎さん・・・私に分かるように説明して、どうして藤崎さんがこんな時間に、ここにいるの?」

「うん・・・藤崎君は私の部下で、ここの仕事を手伝ってくれているんだ・・知子、それより先に君と美恵ちゃん・・いや、藤崎君はどんな関係なんだ?」

「美恵ちゃんですって!!あなたと藤崎さんはそんなに親しい関係なの?」

「まぁ・・落ち着けよ、知子!・・藤崎さんは私より1年早く入社し、私が配属された電算室にいて、その頃からの同僚だ。今は上司と部下の関係だが、無二の仕事上のパートナーなんだ。今回の東京本社での厄介な仕事にも、わざわざ大阪から来て助けてもらっている。それだけだよ・・知子、変な勘違いをするなよ」

「勘違い?あなた、仕事は昼間にするんでしょう?私が聞きたいのは、こんな深夜にどうして二人でいるのか聞いているの?」

「知子・・・システム開発の仕事というのはなぁ・・昼も夜も、そして曜日も関係ないんだよ・・・教師の君にはわからないのも無理はないが、住まいも職場同然の感覚なんだ。何時プランが浮ぶか・・何処で対処方法に気が付くか・・それが電算システム開発の完成度を決定付ける・・まさに常時戦場なんだよ」

「戦場ね?・・・あなた、おとなの男女二人で楽しく語らい、お茶を飲んでいて戦争なんですね」

「知子!何が言いたいんだ」

知子は、一郎と美恵子・・二人を包むオーラに向けて容赦なく矢を射掛ける
知子は攻撃の相手を美恵子に向けた

「藤崎さん、中学の卒業以来かしらね・・・あなたに会うのは」

「はい・・・・・・」
美恵子は知子の顔を見ないで応えた

「あなた・・私の主人をどうしたいの?女の私には分かる・・あなた、色目を使って主人を誘惑しているんでしょう・・・どうなの?はっきり言いなさいよ・・もう主人に抱いてもらったの?」

「知子!!君は・・・なんて事を言うんだ・・美恵ちゃんに謝れ!」

一郎は、矢面に立ち自分の大切なものを守ろうとする
美恵子はそんな一郎の腕を掴んで押しとどめる
その美恵子の仕草を見た知子は更に激高した

「やめて!藤崎さん・・・私の主人に触れるのは!!」

「どうしたんだ、知子・・・変だぞ、今の君は」

美恵子が顔を上げ、知子を見据えて話し出した
「室長は知子さんが考えているようなことは絶対にしません・・ただ、私は・・」

「ただ?・・・なによ」

「私は・・私は室長が好きです・・・ずっと、昔からあこがれてもいました・・・」

(えっ!何を言い出すんだ、美恵ちゃん)

「ほら・・ごらんなさい・・・一郎さん」

一郎は黙って俯いている
・・一郎はかつて美恵子を妻にしたいと思い、何度もデートに誘っている
しかし、その美恵子には好きな男が別に居ると思っていたのだ・・・それが


なんと美恵子は好きな男の妻がいる、このような場面で告白をしたのだ
そして・・

「室長は私に気を遣ってくれて、優しくしてくれました・・でも、それは仕事上のこと・・・室長はいつも仕事が第一で、女性のことは妻の知子さんだけ・・でも、その、知子さんがしていることを何も知らない室長が、お気の毒で、私は苦しくて・・」

「えっ??」
知子と一郎は同時に声をあげた

「奥さんが不倫しているのに、困難な仕事に一生懸命に頑張っている夫・・・そんな室長が可哀そう・・・・だから私ができることは何でもしてあげようと」

知子の顔がみるみる青ざめていく
そして、驚きの表情で美恵子を見つめる一郎

「み、美恵ちゃん・・・知子が不倫をしているって?」

「ごめんなさい、室長・・・私、室長に黙って知子さんのこと調べてもらいました」

「そ、それで・・・美恵ちゃん・・知子が?」

「はい・・知子さん、同じ学校の蓬莱という先生と二人で旅行をしています・・・今年の7月も合わせて、これまでに3回、それに8月からは相手の家にまで・・・」

「と、知子!!今の美恵ちゃんの話・・本当のことか??旅行は友達と行ったと言ってたじゃないか」

「・・・・そ、そんなこと・・」

攻守の立場が逆転した
知子は青ざめたまま黙り込んだ・・・
その様子を見た一郎は、珈琲に一口付けると大きく息を吸い込む

「知子・・知子・・・いったい君に何があったのか、話してくれないか」

知子は沈黙する

「室長・・・これが私に届いた調査会社の報告書です」

美恵子が一郎に分厚い封筒を手渡す


「美恵ちゃん・・・君は先にやすんでくれないか。私の家庭のことに巻き込んでしまって申し訳ない・・妻の君に対する誤解は私から話しておくから、安心して」

美恵子は一郎の顔を見つめ、席を立った


一郎が知子に語りかける

「知子・・・私と美恵ちゃんは何もないよ・・・それは、君ならわかるはずだ。私が女と遊ぶ男かどうか・・ましてや、君を裏切って部下の女性を抱く男かどうか・・・・もしも、もしもだ・・私が君以外の女性を抱くとしたら・・それは、君と別れた後だ・・・私はそんな男だろう?」

「・・・そう・・・そうね、あなたはそういう人だった・・でも、二人が並んで座っているのを見ると何だか妬けちゃって・・あなたを盗られたと思ってしまって・・ごめんなさい」

一郎は傷心している知子の肩を抱き寄せる


「もう今日は疲れたろう・・話は明日にしよう・・君は私のベッドで寝るといい」


「・・・あなた・・有難う・・」


知子は一郎の寝室で薬を飲む
精神安定剤だ、睡眠をとるのに薬の助けが必要な身体になっていた
モンスターペアレントの対応で傷ついた心が、蓬莱との関係で更に深い傷となっている

(ああ、とうとう夫に知られてしまった・・どうしよう?どうしたらいいの・・)



翌朝・・・朝の光が知子の顔を照らす
その光が、知子にこれまでのことを正直に一郎に話すように囁く

(そうするわ・・・そうしないと・・私・・もう、もどれない)


知子はベッドから起き出し、朝の光を全身に受ける
寝室に備えつけられた鏡に知子の全身が映っている
髪をかき上げポーズをとる
パンティを身につけただけの知子の白い肌に陽があたる


(どこまで正直に夫に話すの?・・・知子)


知子の白い肌に、男の手が這い回る
その手が形の良い乳房をギュッと握り締め・・乳首を弾く
知子の横顔にキスをする蓬莱の顔が浮ぶ


(駄目だわ、やはり全ては話せない・・きっと夫は私を許さない、そして藤崎さんに・・)
  1. 2014/08/02(土) 11:59:03|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第20回

知子がリビングに入ると、一郎が珈琲を飲んでいる
一郎は昨夜から一睡もしていない

「おはよう・・・あなた」
知子は一郎に目を合わせられない

「あなた・・・・藤崎さんは?」

「彼女は会社に出かけた、何しろシステム開発の大詰めの段階だから・・」

「そうなの・・・土曜日だというのに、本当に大変なのね」
知子は作り笑いを一郎に見せる


「そんなことを君が心配しなくていい・・・それより、なんだ、この写真の君は!!」

その写真は旅館から出るときに撮影された、知子と蓬莱の写真だった
知子は一郎の前の椅子に腰を掛け、目を伏せながら話し出す

「あなた・・あなた、ごめんなさい・・私、2年前の夏の親睦旅行。そこで二人の学生と蓬莱先生に・・私、無理やり犯されてしまって・・」
知子の目には涙が溢れている


「なに?2年前に・・・犯された?」
・・・・・・そのことは報告書には記載がない

「そう・・私を犯した蓬莱先生に脅かされて、3度も二人だけの旅行をさせられたの・・・そして、あなたが東京に赴任してからは自宅にも呼び出されて・・」

「えー!・・・・」

「私、犯されたことをあなたに打ち明けるべきだった・・でも、あんな変人に犯された私を、あなたがどう思うかと考えると、私、怖くなってしまって・・その後、蓬莱先生の要求は酷くなるし・・・・私、もうどうしていいか分からなくて言いなりになってしまったの」

「そんなことが・・それじゃ、この写真、今年の山陰への旅行の時のこの服装やメイクも、蓬莱の仕業なのか?」

「ええ・・そうなの」

知子は満身に恥ずかしさを漂わせ、そして一郎に辛い表情を見せる


一郎が手にしている写真が震えている・・

それは、女性教師の服装とはほど遠く
ストッキングをしていない太腿も露わな原色のワンピース姿
小ぶりな乳房の知子だが、それでも膨らみの見えるほど胸の部分がカットされている
顔のメイクもまるで普段の知子と別人だ


「蓬莱のやつ・・・なんてことをさせるんだ」

一郎はその写真一枚を見ただけでも激しく興奮し、理性がなくなってくる
蓬莱と腕を組んでいる写真・・・蓬莱の手が知子のお尻を触っているもの
肩を抱かれ、蓬莱の手が太腿にあてられ、うっとりとした表情の知子・・

「あぁ・・・」  一郎はため息をつく

「ごめんなさい・・・言うことを聞かなければ、あなたにばらすと脅かされて」


「それじゃ・・・・知子、君は不倫じゃないと言うんだな?」

「ええ、私があんな変人となんか不倫などするもんですか・・犯されたんです」

「でも知子・・君のこの表情!脅かされて無理やりやらされている顔なのか?」

「それは・・・ごめんなさい・・・一緒にいるときは蓬莱の妻の振りをしろと・・愛し合ってる夫婦の顔を見せろと言われて」

「これが愛し合っている夫婦の妻の表情か?知子・・・・今までに、こんな君の顔を私は見たことがない・・・それに、私たち夫婦も愛し合っていたはず・・」

「信じて、あなた・・・その写真の私はやらされているの!私はあなたが大好きなの」

「・・・・そう信じていいんだな、知子」

「あなた、私は嘘なんかついていない・・あなた、信じて・・そして、こんなになった私を助けてくれるのはあなたしかいない・・ねぇ、あなた・・お願い」

知子は涙を流しながら必死の懇願を続ける
一郎は昨夜、美恵子から手渡された知子に関する報告書を何度も読み返し
妻の不貞に対する怒りで一睡もしていなかった
それがどうだ
知子が2年前の親睦旅行中に同僚教師と学生二人に犯されていたなんて
その同僚教師に脅かされて関係を続けていたと・・・・

気が付かなかった・・・・
そう言えば・・・・卒業写真に感じた違和感
それに、夫婦の営みで妻に変化があったはず!!
一郎は妻との生活を淡々と送っていた自分に腹が立つ
理由はなんにせよ、自分の妻がもう既に他人と肉体関係にあるという事実
もはや、取り返しが付かない
一郎は、妻への同情や哀れみよりも、妻が汚されたこと
そして、他人によって妻がいいように扱われることに我慢がならない
しかし、もう遅すぎる・・・・


「許すも許さないもない・・知子の話が事実なら、君は犯罪被害者なんだ。君と二人で蓬莱と戦うしかない・・・とにかく、学校には迷惑がかかるが、君はすぐに休職させてもらえ・・そして、蓬莱とは一切接触を断つんだ・・・しかし、君がこんなことになっているなんて」

一郎は深いため息とともに目を瞑る


知子はホッとして、目を細めた・・・・しかし、不安はまだある

夫の理解を得たと思った知子だが、美恵子の存在が気になっていた
主人のことを私の前で、好きだと言った
これは、明らかに妻である知子への戦線布告だ
知子が一郎を試す

「・・あなた・・ベッドの側に女の人の髪の毛が・・」

「えっ・・髪の毛?・・それは、たぶん掃除の時にでも付いたんだろう。昨日、美恵ちゃんが寝室を片付けてくれたから・・」

一郎の言葉には淀みがない

「あなた、あなたは清廉潔白でほんとうに優しい人・・・だから、余計に私は心配なの・・藤崎さんとあなたが一緒にいるのは嫌なの・・・こんな私が言えたことじゃないかもしれないけれど・・・あなたが心配なの」

「そのことは、美恵ちゃんも同じようなことを言っていたよ・・でも、私がお願いした。それほど今度の仕事は、私の将来を決定するほどの大プロジェクトで難航している・・・今、少し彼女の助けが必要なんだ・・・知子、分かって欲しい・・彼女は仕事のパートナーで、この家は寝泊りができる職場なんだ」


知子には理解できないが、一郎の気持ちは本当のことなんだろう・・

「そうね・・・私、心配だけど、あなたを信じます。あなたの言うとおりに、私は学校への休職手続きをして待っています・・・だから早く帰ってきて、あなた」

「ああ、早く帰れるように頑張るよ・・私が帰るまで、君は実家に帰っている方が安心だ・・・絶対に蓬莱と会うんじゃないぞ」

「ええ・・・そうします、あなた・・有難う、あなた」
東京本社のシステム開発室にいる美恵子に、一郎から連絡が入った
知子が大阪に帰ったと・・・

美恵子は夕刻に一郎のもとへ戻ってきた
一郎は昨夜からの疲労で、寝室でぐったりと熟睡していた
美恵子の手が、眠っている一郎の髪を撫で、頬へと流れる

(知子さんの前でこの人を好きだと言ってしまった・・でも、この人の心はまだ・・)

美恵子の唇が一郎の唇に重なる・・優しく、さらに優しく
美恵子はまだ男を知らない
そうだ・・・キスもこれが最初だ
ただ、ただ・・優しく重ねる

「うーん・・・」
一郎が目覚める
一郎の視界に優しく微笑む美恵子の顔がぼんやりと映る

「ああ・・美恵ちゃん、帰ってきたのか・・・お疲れ様」

「室長こそ、大変お疲れでしょう」

「ああ・・でも美恵ちゃんには心配をかけたね」

微笑む美恵子に秋の夕日が映える
再び美恵子の唇が一郎に重なる
今度は少し口を開いて、舌で一郎の唇をくすぐる

「えっ!美恵ちゃん?何を・・」

寝室にさしこむ夕日は少しずつ弱まり、部屋の色がブルーに染まる
その中で乙女が衣服を脱いでいく
ブルーの闇の中に、白い裸の乙女が立っている
その乙女は微笑みを絶やさず、そっと一郎の蒲団の中に入っていく


「あぁぁ・・・・・・・美恵ちゃん、どうしたんだ?」

長い黒髪が一郎の頬をくすぐる
そして、乙女の白い乳房がゆらゆらと揺れ
一郎の口元に可憐な蕾が近づいていく
乙女は愛しい男の髪を撫で・・・男の瞳に愛を送り込む


「室長・・・お願い・・・私を抱いて、抱いてください」

「美恵ちゃん・・・君は?・・・私も、君が好きだった、ずっと・・好きだった、美恵ちゃん・・・・・でも、それはもう過去の・・」

「いいえ、まだ続いている・・・続いているの・・・室長、やっと、やっと・・ねぇ・・・私を、私を抱いて・・」

一郎は目を瞑った
甘い蕾が口の中に送り込まれる
自然と舌がその蕾を舐める

何時しか、夕日は沈み月の光が二人を照らしだす

一郎の頭の中に、犯されたとはいえ知子と変人教師の肉交の情景が浮んでくる
そして、あのうっとりとした表情の妻の顔・・・・

(くそ!・・畜生!・・)

目の前には、一郎を愛している女がいる
ずっと、一郎を愛し続けていたという女だ
男根が硬さを増していく・・・・・・・
一郎は美恵子の乳房を強く握り締める
そして、怒張が美恵子の女陰に近づいていく

(美恵ちゃん・・・)

「うっっ・・・一郎さん・・・うれしい・・・あぁ・・」

一郎はゆっくりと・・そして、優しく・・挿入を始め
美恵子の華奢な白い手が、一郎の両頬を撫でた
あくる朝、二人はまだベッドの中にいる
今朝は霧がかかっている
霧の中から、仄かに陽の光が部屋中に差し込んでくる
美恵子が先に目覚め、一郎にキスをする
すると、一郎が目覚め美恵子を抱きしめる
二人には・・・・昨夜の余韻がまだ残っていた

美恵子が起きだし、シャワーへと向かう
一郎が暫くして後を追う
部屋を出るとき一郎が振り返った・・・・
シーツに付いた処女の赤い証

シャワー室から美恵子が先に出て、朝食の用意にかかる
一郎はまだシャワーに打たれている

(知子・・私も・・私も、こんな時に美恵ちゃんを)

一郎は昨夜の美恵子とのセックスを思い出していた
あんなに興奮した思いは初めてだ
そして、知子とでは得られなかった充実感

(愛か?互いに相手を思いやる心か?それとも、妻が犯されたことへの腹癒せか・・・)


一郎は強くシャワーの水を顔にぶつける

(夫婦とは何なんだ・・他人も羨む充実した生活・・幸せな家庭と思っていた・・・・それが、妻が他人に犯され、その男との関係を夫に内緒で続けていた・・私も、思いを寄せていた女性をこの手で抱いてしまうとは・・・夫婦なんて・・絆なんて・・信頼なんて)

シャワーの水を口内にぶっかける

(あぁぁ・・これじゃもう夫婦と言えないじゃないか・・)


「一郎さん・・・もう出てきて・・・朝食の用意が出来ましたよ」
美恵子が室長と呼ばずに「一郎さん」と呼んだ

「ああ・・美恵ちゃん、ありがとう・・直ぐに行くよ」

一郎は思った
さあ・・厳しい現実に引き戻されると、それぞれがしたことの責任を取らねばならぬと

(うん?)

 何かが囁く

・・一郎・・一郎・・お前は何を悩んでいるんだ
知子を信じているのか?
犯した男と旅行をし、あんな表情の顔をするもんか、あれは楽しんでいる顔だ
よーく覗いてみろ、お前の妻の心の中を・・・お前は馬鹿にされているんだ
それに比べて、美恵子はいい女だ・・・妻にしたかったんじゃなかったのか
それに、もう抱いてしまった
今からでも遅くはない・・ほんとにいい女だ・・・美恵子は
やり直すんだよ人生を・・・

(美恵子と人生をやり直す?・・駄目だ・・今、妻の知子を見捨てるなんて)
黙々として、美恵子の作った朝食を食べる一郎
その様子を見て美恵子は願った

(昨夜のこと・・決して謝らないで一郎さん)


一郎が箸をおいた、そして美恵子を見つめる

「美恵ちゃん・・・知子は不倫ではなく、2年前の親睦旅行で学生二人と蓬莱に無理やり犯され、脅かされて関係を続けていたと言うんだ」

「知子さんが犯されて?・・・・いちろ・いや、室長」

「美恵ちゃん!もう、一郎でいいよ・・・美恵ちゃんへの誤解は解けたんだけど・・・君とは、知子が心配していたとおりになって・・・」

「室長、いや一郎さん・・・聞いていいですか?」

「何かな・・・美恵ちゃん」

美恵子は核心を問う
「・・・・後悔されていますか?昨夜のこと・・・知子さんが不倫じゃないんなら」

「後悔?・・いいやそんなこと思わないよ、美恵ちゃん・・・私は知子も大切だが、ずっと君を愛していたんだと思う・・・昨夜、そのことが良く判った・・君の気持ちもね・・」


一郎は、腰掛けている美恵子を後ろからそっと抱きしめる

「美恵ちゃん・・・君がいない人生など、私はもう考えられない・・好きだよ、美恵子」

一郎が美恵子と呼んだ・・・

美恵子は頸を傾け、一郎にキスをせがむ
そのしぐさに、一郎は頬を寄せ美恵子を強く抱きしめ、唇を合わせる

一郎が変わり始めている・・・・
この男が心血を注ぐシステム開発の過程には、必ず悪魔と天使が現れる
そう、カオスの世界をシステム化するには・・・・徹底した現状の分析に拠って、天使のように大胆に構想を練り理想の姿を描く、次に実践段階には悪魔の如く細心になって、実行していくことが必要なのだ
この男、一郎はそれを身に纏っている・・・

一郎は美恵子と甘いキスをしながら
ふと鏡に映る自分の姿が目に入った、手は好きな女を優しく抱きとめ、そして目はその女の顔をみる優しいものから、次第に厳しい眼差しに変わっていく・・・・

(兎に角・・・妻の知子を犯したという・・あの蓬莱は絶対に許せん!)
  1. 2014/08/02(土) 12:00:14|
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こころ清き人 第21回

月曜日の放課後の職員室
知子に蓬莱が周りを見渡しながら近づいてくる
蓬莱は、調子に乗ってそっと知子の肩に手を置き、服の上から乳房を撫でた

「イヤ!!何をするんですか!・・・蓬莱先生」

知子が大声をあげた
俯いていた先生が驚いて一斉に顔をあげる
教頭が声をかける


「どうかしたんですか?山本先生」

「教頭先生・・蓬莱先生が私の胸を、胸を・・」

「えっ!」

先生全員の疑いの目が蓬莱に注がれる


「私は何も・・・」

「していないのですか?蓬莱先生!教頭の私は見ていましたよ・・さっき、あなたがしたことをね」

「ちぇっ!見てたのか?・・で、どうするの?教頭先生」

「まぁ・・校長室で、お話しをお聞きしましょうか、蓬莱先生・・・私はね、気付いていたんですよ・・あなた、随分前から山本先生にセクハラしていたでしょう!」

俯き胸を押さえている知子を睨みつけながら、蓬莱は校長室へと消えていった・・

地域社会の悪徳教師に対する批判の高まりも考慮して、教育委員会の動きは素早かった
1週間後には、蓬莱に懲戒免職処分が決定された
処分理由は同僚教師へのセクハラ行為を繰り返していたというものだった
その対象教師である知子は、蓬莱のセクハラ行為等による、精神疾患で6ヶ月の自宅療養を申請し、すでに学校から休職辞令が手渡されていた

そう・・このシナリオは一郎が知子に伝えたものだった



蓬莱は自宅で寝転んで天井を睨みつけている
そして、ビデオ再生の映像がうつるテレビ画面に目を向ける
知子との最初の旅行で秘密に撮影したベッドシーン
知子の痴態が次から次と映し出される

よくも知子のやつ
こんなことをして、俺と別れることができると考えていたなんて
・・・・お陰で退職金も収入も消えてしまった

ふん!・・・
これで俺も本気で知子に食らい付かなければ生きていけなくなった
見ていろよ、知子
こちらには、あの最中のこのビデオテープがあるんだ
これを見た仕事一筋のお前の亭主が、どんな顔をするか

お前のからだはもう、俺からは離れられないんだよ・・知子
そんな事も自覚できていないのか・・・・ええ、知子
まあいいや
知子・・亭主からお前を堂々と奪った後で、キツイお仕置きをしてやるから
待っていろよ
  1. 2014/08/02(土) 13:39:34|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第22回

11月になり
一郎は東京でのプロジェクトを完了し大阪に復帰した
妻の知子も実家での療養から一郎の元に戻ってきていた
今、二人は寝室にいる
そして、知子は髪を梳かしている・・


「ねぇ・・あなた、美恵子は元気?」

「ああ・・美恵ちゃんはいつもどおり・・変わりないよ」

「あなたと美恵子のこと、疑ったりしてごめんなさいね・・私、あの時どうかしてたわ」


ベッドに先に横になっている一郎の横に知子が腰を降ろす
一郎の鼻に香水の匂いが届く


「ねぇ・・あなた・・今夜、いいでしょう?」

一郎の返事を待つことなく、知子は夫のパジャマのボタンを外す
自らもパンティだけの姿になると改めて一郎の顔を見る

「ねぇ・・・・あなた」

「うん・・・・ここにおいで、知子」


知子は一郎の腕の中に入り込む
久しぶりの夫婦の契りはキスから始った・・・・・

しばらくして愛のかたちが変わる
妻は夫の男根を・・そして夫は妻の女陰を愛撫する
夫も妻も・・・・それぞれ、別の異性と経験している
そのことを夫に知られている知子は、より積極的だ
・・もう蓬莱に教え込まれたテクニックを隠す必要は無いし
・・夫に尽くすことで、夫からも快楽を与えて欲しいと思っている

オスの激しい息遣いとメスの甲高い淫声が混じりあい
夫婦の寝室は果てしなく淫靡な痴態が繰り広げられていく

一郎は知子のしなやかな両脚を自分の肩に担ぎ上げ
激しくピストン運動を繰り返している
知子は頭を左右に振り、夫から与えられる快感を貪っている
そして
これまで夫婦の契りで聞こえることの無かった
知子の絶頂の叫びが、初めて一郎の耳に響いた
  1. 2014/08/02(土) 13:40:37|
  2. こころ清き人・道明
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こころ清き人 第23回

電算室長の机には、今日も一輪の花が生けられている
書類に目を通す一郎の姿が、以前より男を感じさせる
それが何か・・・・その男に愛を捧げ、自分を女にした男だからか・・


「室長・・お茶をお持ちしました・・・それと手紙が届いております」

「そう・・・有難う、美恵ちゃん」


近づいてくる美恵子の姿を見つめる一郎
美恵子の心がときめく・・・・・・・やはり、違う、以前と違う
立ち去ろうとする美恵子に近づき一郎が抱きしめる


「イヤ・・・一郎さん、やめて・・・ここは、あなたの仕事場です」

「あっ!・・・ごめん、美恵ちゃん」
一郎は美恵子の言葉で我に返った


美恵子が退室すると、一郎は郵便物に目を通す

(なんだ!これは?)

それは、蓬莱からの封書・・・・開けてみると、手紙と写真が入っていた

 知子の主人へ
 是非、一度会って話がしたい
同封した写真のネガ
その他にも、別途撮影したビデオテープあり、それもあなたに渡したい
あなた自身はもちろんのこと、知子が大切と思うなら、必ずくるように・・・


 写真は、知子が男の怒張を咥えているもの・・・
     騎上位で二人の男と交わっているもの・・


・・・・・あぁ・・知子・・こんなことまでやらされていたのか!

(蓬莱のやつ・・破れかぶれになって、私に絡んでくるか・・・・いいだろう、とどめを刺してやる・・・・・あんたの考えているようには絶対にならないんだよ、蓬莱・・元先生・・・・・・あんたは知子を抱いたことで地獄に落ち、その夫が私であったことで、その地獄からは這い出せないんだ・・・・・思い知るがいい)
駅前の鄙びた喫茶店の奥
ひげ面の蓬莱と、スーツ姿の一郎が座っている

「ご主人・・ショックだろうなぁ、どうなんだよ?こんな奥さんとは別れちまいなよ」
「・・・・・・」

「いつまでも、そんな写真を見ていてもしかたないだろう」
「・・・・・・」

蓬莱は嵩にかかって一郎を追い込む
「それに、あんたの奥さんが淫乱で、俺の怒張を大好きと言ったビデオ・・見るかい?・・これだ・・・俺のマラで何度も逝っちゃてさぁ」
「・・・・・・」

「何だって?はぁ・・・その若さで大企業の管理職なんだろう?いくらでもいい女が相手してくれるよ・・・心配すんなって、なぁ」
「・・・・・・」

「もう・・しょうがねぇなぁ・・教えてやるよ、やり方を・・この写真とビデオを見せて知子をギャフンと言わすんだ・・あいつのことだ、私は無理やり犯されました、脅かされましたとか言ってんだろうが・・・・嘘つき女、サインしろ・・こういうこったぁ・・わかったかい?・・知子はあんたを裏切って、騙し続けているんだよ、このビデオを見れば良く判るはずだ」


初めて一郎が声をだす
「・・わかりました・・・妻と別れます・・この写真とビデオお借りできますよね」

「おお!やっぱりもの判りがいいねぇ・・大企業の管理職さんだ・・でもな、舐めるんじゃないぞ俺を・・そのビデオと写真はあげるよ、あんたの元妻の思い出の記念にしときな」


その後も、蓬莱は目的を果たしたことで上機嫌となり、自分が仕込んだ知子の性癖を、自慢げに一郎に喋り捲る

一郎はその一つひとつを頭に書き込んでいった・・・

(よくも私を騙したな、知子!・・・お前には、もっと、もっと・・・)


それからというもの

一郎は蓬莱と会ったことを知子には知らせず

蓬莱から聞き取った妻の性癖の、一つ一つを確認するかの如く毎夜、知子と愛し合う

知子は夫の積極性に驚きながらも、自分が望んでいた夫婦の契りに溺れていく

それが毎夜続く、また続く

もう、知子の身も心も、完全に夫の一郎から離れられなくなる

そうだ・・・これが一郎の描いた知子のあるべき妻の姿、知子が望んだ夫との関係

やがて、一郎の待っていた、その時が来た
早朝の電算室長席に電話がかかる

「山本一郎さんよ・・・どうなってるんだい?俺を舐めているのかい?あれからもう1ヶ月以上経ってしまったじゃないか・・ええ」

「やぁ・・蓬莱さん、私もあれからいろいろ悩みましたが、漸く決心がつきました・・今夜、知子に離婚の話をすることにしました」

「そうかい・・・また、怯むんじゃないだろうな?ええ・・一郎さんよ」

「知子が承知するかどうかは別にして、離婚自体は形式上、今日中に成立しますよ」

「えっ?なんだって」

「私を騙して淫乱行為に耽っていた妻を、許したりはしないですよ・・・しっかりと、罰も知子に与えたつもりです・・本人はこれから気付くでしょうが・・」

「知子に罰を?・・おい!言ってることが分からんが・・」

「じゃ、切りますよ・・あなたと話すのもこれで終わりになるでしょう・・後は、あなたと知子の問題だ・・もう、私には関係が無い・・じゃ」


一郎の机の上には離婚届の用紙がひろげてある
一郎は淡々と夫欄に署名して押印する・・そして、妻の欄も筆跡を変えながら
夫婦の協議離婚は離婚届が提出されると成立する・・役所は形式審査なのだ
夫婦と証人2人の署名・押印がされていれば、本人確認などしない
だから・・これに対抗するには離婚届の不受理の申出しかない
今の知子がこの申出をしていることなどありえない
知子は・・・夫の一郎を信じきっている


手に一輪の花を持った美恵子が顔を出す

「おはよう・・美恵ちゃん」

「おはようございます・・室長・・・今日は、お早いですね」

「ああ・・ちょっとね・・美恵ちゃん、君に話があるんだ・・明日の土曜、君のマンションに行っていいかい?」

「私のマンションに・・室長が?」

「ああ・・・大事な話だ・・・いいだろう?」

「・・・は、はい、お待ちします」

美恵子は震えていた、この女の直感が知らせている

・・一郎が何か行動を起こす、それが自分の運命にも関係すると
 そう伝えている・・・・・・・一郎の目と声色が、そう言っている

美恵子の心は一郎と出会った時から決まっている
・・・・・・・どんな運命であろうと、私はこの人とともに生きたいと


その夜

暖かい部屋の外は、白い雪が降り始めていた

そう・・・今年はホワイト・クリスマスになった

知子は一郎の帰りを待ち焦がれている

食卓には一郎の好物が並び

それは、知子が夫のために一生懸命に作ったものだ


玄関のチャイムが鳴る

知子は笑顔で愛しい一郎を迎える


ドアを開けると・・・・・・・・そこには、一郎の顔をした悪魔が立っていた

「知子・・・今、帰ったよ」

「あなた・・お帰りなさい」

「君も知ってる人が、いいビデオを貸してくれた・・・・・今夜は、そのビデオでも見て楽しもう」

「ええ、・・・あなた」
  1. 2014/08/02(土) 13:41:35|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第1回

季節はもう春だというのに、一郎のこころの中では真冬の木枯らしが吹いている
ここは家庭裁判所の調停離婚の関係者控え室
一郎は妻、知子との離婚調停を申し立て、今日が第一回目の調停期日である


あのクリスマス・イブの夜
一郎は知子に蓬莱が隠し撮りしたビデオを見せ、離婚を迫った
しかし、知子はあくまで被害者であることを一郎に訴え続け
また、自分が一郎をどれほど愛しているか、そして、二人の子どもの為にも
離婚は嫌だと一郎に懇願した
すでに、一郎が離婚届を役所に提出し、受理されていることを話すと
知子は半狂乱となり、実家に帰って行ったのである

地方裁判所からの呼出状が一郎に届く
それは、知子が起こした「離婚届の無効の訴え」

ビデオに写る淫乱な女・・そんな自分を見た知子
これで、夫婦間の信頼は消し飛び、婚姻関係の継続など当然ありえないはずだった
しかし、知子は一郎の一方的な行為を許さない
そして、離婚届は一郎が一人で記載して役所に届け出たものであるから
裁判の結果は明らかであった

知子は言った
「あなたは恋愛ムードに酔っているだけ
・・・絶対に、美恵子の思うようにはさせない」と

一郎の今回の一連の行動は、美恵子の存在が影響している
夫が知子を許さないのは美恵子がいるから・・・・そう思っているのだろう

一郎は直ちに次の行動を起こし、家庭裁判所へ離婚の調停の申し立てた


人も羨む家庭・・・夫婦であった
何が、一郎と知子の人生を狂わしたのか・・・
旅行先でのたった一度の気の緩み・・それに起因した知子の不貞行為
それを正直に話さなかった妻、犯され、汚された妻を
どうしても許すことができない一郎

それが・・・・一郎を思い続けていた美恵子を巻き込んでいく
まさにカオス・・・・男女の愛欲が入り乱れて混沌の中に入り込む
果たして、光は何処を指し示すのか

人は生を受け、家庭を築き子孫を為す・・・そして人生を閉じる
所詮、人間の人生は一度限り、生まれる時も、死ぬる時も結局はおのれ一人
ならば、自分のこころの赴くまま、生きてみたい
今、自分が心から欲しているのは、自分を真に慕う女性を幸せにすることだと

そう決心する一郎がいた

今より遡ること、約2ヶ月・・・


一郎から離婚を言い渡され、実家に戻っている知子に電話が掛かる

「知子・・・教頭先生から電話ですよ」

知子は一郎との関係を親にも、学校にもまだ話していない、いや話せないでいた



「山本先生・・明けましておめでとうございます」

「おめでとうございます、教頭先生・・学校には大変ご迷惑をお掛けして申し訳ございません」

「いいんですよ、山本先生・・・先生は辛い経験をされたのですから、しっかり静養して元気を取り戻してください・・・・教頭として、もっと早く対処しておればと反省しているんです・・その後、お体は良くなりましたか?4月から復帰できそうでしょうか・・・ああ、ごめんなさい、正月からこのようなことをお聞きして・・」

「いいえ、教頭先生・・いろいろ気を使って頂いて有難うございます」

「山本先生?・・お声からですが、まだ少しお元気がないように感じられるのですが」

「ええ・・・少し・・」

「私でよければ、なんでも相談してください、山本先生・・・」

「ご親切に・・有難うございます」

「山本先生・・お顔も見たいし、一度お会いできますか?・・悩み事は人に話すだけで、少しは気が晴れるといいますし、私でよければ・・・」

「有難うございます、教頭先生・・・では、復職のこともありますし・・・」



教頭の加藤は電話を置くと、美しい知子の顔を思い浮かべていた


あれは、去年の夏休みだった
職員親睦旅行に揃って参加しなかった知子と蓬莱
この二人には、同学年の担任である以上の親しい関係が感じられた
美人で評判の知子と変人教師の蓬莱という組み合わせには違和感がつきまとう


その日は、知子の学年の奉仕活動で、グラウンドの除草作業があった
午前中に作業は終わり
午後になると知子と蓬莱の二人だけが残って倉庫の片付けをしていた

加藤も手伝おうと倉庫へ行った時だ
倉庫の扉が閉まっていて、もう片付けは終わったように思った
立ち去ろうとした時、倉庫の中から人の声が聞こえてくる
加藤は少し扉を開け、中を覗いて身が固まってしまった

蓬莱が知子を抱き寄せ耳元で何か呟いている
知子は頸を左右に振って嫌がっていた
蓬莱は左腕で知子を抱きとめ、右腕を動かしている
その腕は知子の胸の部分を動き回り、そして下肢へと降りる


「やめて下さい・・蓬莱先生・・ね、お願い・・ここは学校です、ね、お願い」

「良いじゃないか・・山本先生・・誰もいないし、少しだけ」

「嫌・・・ね、お願い・・やめて」

蓬莱の背中側から覗いている加藤は、止めに入ろうとした
その時だった


「分かったよ、旅行の時以外はしない約束だったなぁ、山本先生・・それじゃ、アレをしない代りにもう少しだけいいだろう?」

「・・・・・・」

(どういう関係なんだ?この二人は!)



蓬莱が知子の唇を奪う
そして、知子の胸を触っていた手がTシャツを捲り
そのまま、ブラジャーを上に押し上げると白くて形の良い乳房が飛び出す
蓬莱はすぐさま乳首を唇に含むと
知子は仰け反り、その様子に蓬莱はますます増長する
蓬莱の右手が下肢のジャージの中に入り、思う様動き回る

(これは!セクハラとは言えない・・・・どうなっているんだ?この二人!)


やがて、知子の口から愉悦の声が漏れはじめる
その様子は男が女を貪り食うように見える・・・が・・・
両の乳房を握り締め、そして乳首を舌で転がす
男の右手が女のジャージの中から引き出され
女の愛液で光る二本の指を女に見せ付けた後、自分の舌でその指を舐める
その口が女の唇を再び襲い
女の手が、男の固くなった怒張を擦りだした
そして、蓬莱自慢の太い怒張が女の女陰にジャージの上から擦りつけられる

(これは・・もう、これは・・セックスをしているのと同じじゃないか!)


頸を振り回し愉悦に浸る美しい女の顔が、加藤の脳裏にしっかりと焼き付けられる
・・・・・美人教師と変人教師の痴態・・・その息遣いが
この時、52歳になる加藤に、忘れかけていた男の現象を復活させる
加藤は己が分身を固く勃起させたまま、その場を立ち去っていった
  1. 2014/08/02(土) 13:42:38|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第2回

県下一の大河の流れの見える洒落た喫茶店

ここはワンフロアーの造りだが、お客同士の顔は見えないように仕切りがしてある
その一番奥の席に、知子と教頭の加藤が座っている

加藤は知子の話すことに相槌を打ちながら
視線は夫から一方的に離婚届を提出され、悲嘆にくれる美人教師の風情を眺めている


「山本先生、少し聞きにくいことなんですが
・・ご主人が離婚したい理由は、ひょっとして懲戒免職になった
蓬莱との関係でしょうか?」

「ええ、教頭先生、夫は私が被害者であることを否定して
・・私が不貞をしたと、夫を裏切って騙していたと」

「そ、そうなんですか・・・
ご主人は、先生があの蓬莱と不貞をしたと?」

「ええ、私は決して不貞などしておりませんのに・・」


加藤は、美人教師が辛そうな表情を見せ、髪を掻き揚げる風情に心が奪われていく


コーヒーカップを持つ細くて白い指

・・・・・この指で蓬莱の一物を擦っていたんだ

スカートから伸びるしなやかな両脚

・・・・この両脚を割ってあの男は怒張を押し付けていた



 「教頭先生?」

 「は、はい・・・・」

 「私は、絶対に不貞はしておりません・・・
       脅かされて、無理やりなんです」

 「そ、そうでしょうね
  山本先生があの変人教師と不貞など考えられませんね」

 「ええ・・・でも、夫は信じてくれません」

 「先生、ご主人が信じないのには何か
    不貞の事実が分かるものでもあったのですか?」

 「はあ・・・それは・・・
  蓬莱先生が隠し撮った写真とビデオがあって」

 「えっ!隠しビデオと写真・・・
   もしや、セ、セックス場面の?」

 「・・・・・・・・」


色の白い知子の項が真っ赤に染まる

(蓬莱のやつ・・・こんな美人を)


知子の白い指が他人に話した恥ずかしさで震えている
加藤は、その知子の震える手を両手でしっかりと握り締める


「山本先生、私が力になります
 友人に弁護士をしている者がいますので心配なさらずに
 ・・いいですか、私を信じて全てを話してください、私がその友人と相談して対応を考えますから」


加藤を見上げる知子の目から涙が零れる
加藤は知子の手を握り締めたまま、大きく何度も頷き返した



知子は加藤の薦めに従い、絶対に離婚しないという自分の意思を夫の一郎に示すため
加藤の友人の弁護士を法定代理人にして
「離婚届の無効」を地方裁判所で争う道を選んだ

そして、勝訴した
知子は戸籍上、一度は消された妻の座に復活したのである

しかし、一郎のこころは変わらない
協議離婚が整わない夫婦が本来取るべき手続きである
家庭裁判所での離婚調停の手続きが開始されたのであった
家庭裁判所での調停の日の前日
藤崎美恵子が一郎の自宅を初めて訪れていた
一郎からこの間の経緯は聞いているものの、判断と行動が迅速で直線的、そして徹底し過ぎているように思えた
美恵子には、それが自分に対する一郎の愛情の深さであり、嬉しくはあったが短兵急な行動には不安が付き纏っていた

「一郎さん・・・いよいよ、明日ですね・・後悔されていませんか?」

「後悔なんてしていないよ、美恵ちゃん・・これでいいんだ
・・私は君と人生をやり直すと決めたんだ、そう決めた限りは必ず知子と離婚をする」


一郎は美恵子を抱き寄せる

「でも・・知子さん、これから・・・」

「大丈夫だよ、知子は・・・彼女には教師としての職がある、生活には困らない・・ただ、あの蓬莱と寄りを戻すようだとまともな人生は送れないかもしれない・・そうならないように知子にはすべきことはしたつもりだ」

「そうならないように、すべきことを・・?」

「うん、知子の肢体から蓬莱という男を追い出したと思ってもらえれば・・・・」

「肢体から男を追い出す?」

「うーん・・・それは、余り聞いて欲しくない・・私としてもやり過ぎたと反省しているんだ」

「そうですか・・それと、あなたのお二人のお嬢さん・・・さぞ心配なさっていらっしゃるのではないですか?」

「それなんだ・・・幼い子ども達には可哀そうなことになってしまって、母親の知子と離れるのは寂しいだろうとは思うんだけど・・・親権は私が持ちたいんだ」

「一郎さんは、お嬢さんたちを知子さんに渡したくないんですね?」

「ああ、あの知子に子どもたちを育てられると思うと、我慢がならない・・・それに、子どもを渡すとなると、知子から何かと条件が出てきそうで」

「一郎さんはそこまで考えられているんですね」

「美恵ちゃんはどう思う?・・子どもたちは知子に渡して、君との新しい家庭を築くことも考えられるんだけど・・・」

「いいえ、お子さんたちは私たちで・・・ね、そうしましょう・・・一郎さんと一緒に、私も頑張ります・・いくら時間が掛かっても良き母になれるように努力します、そして良き妻にも」

「美恵ちゃん、本当にいいんだね、それで・・・・・・本当に有難う、美恵ちゃん」


再び一郎は美恵子を抱き寄せると、美恵子は一郎の胸に頬を寄せた
美恵子の香りが一郎の鼻を擽る
二人はベランダに出ると肩を寄せ合い遠くの夕日を眺めていた
辺りは太陽が沈み、夜の暗闇が訪れるまでのマジックアワー
自然に、一郎の手が美恵子の肩を抱き、髪を優しく撫でた
そして一郎の唇が美恵子の唇に重ねられていった


その様子が、写真に収められていく

(一郎さんよ、あんたも相当な男だなぁ・・・知子を追い出し、早速、知子に劣らぬ美形の女を家に入れる・・・罰が当たるぞ、調子に乗りすぎると)

へらへらと笑う蓬莱の顔がそこにあった
蓬莱は山本夫婦が離婚となれば、知子を簡単に自分の女にできると思い込んでいた
知子は、蓬莱自慢の怒張から離れられない女になっていると・・・

ところがどうだ
あれほど言いなりになっていた知子が
一郎から三行半を突きつけられたというのに、全く蓬莱を無視してくる

電話を掛けても、全く相手にされない
仕方なく、知子の実家の周辺を窺っていると
教頭の加藤と知子が頻繁に接触しているではないか・・・

(知子のやつ・・・教頭に相談をかけたか?)

蓬莱の生活資金はそろそろ底に尽きかけている
公務員にとって懲戒免職処分は身に凍みる・・・再就職もその所為でできそうにない

そして、知子に関する情報も収集できない蓬莱は、自分の持つ勘を頼って
一か八かの行動に出るしか方法は無い



ここは、以前に一郎と会った・・・鄙びた喫茶店
今、蓬莱の前に座っているのは教頭の加藤だ


「教頭先生・・・お久しぶりです」

「蓬莱君、時間が無いんだ・・山本先生に関する大事な話って何なんだい」

「教頭先生・・お忙しいんですね?でも、それは残念ですなぁ・・折角、私と知子の肉弾戦をナマで見せてあげようと思っていたのに・・・」

「何を言い出すんだ、君は!」


「知子のやつ、教頭先生に地獄の閻魔役をやらせちゃって、私はこの様だ・・・今度は、あなたに応援団長の役回りまでさせちゃって・・・・本当にしたたかな女なんですよ、あいつは」

「君の言ってることが良く判らないんだが?」

「まあ、この写真を見てくださいよ、教頭先生」
それは、一郎にも見せた知子と蓬莱のセックス場面の隠し撮り写真
加藤の目の色が変わる
その変化を蓬莱は見逃さない

「それにもう一つ・・・これが決定打なんですが・・・隠しビデオ・・これ」
加藤の喉が鳴る

「教頭先生・・旦那が離婚を決めたビデオ・・これ、このビデオを受け取りに、知子が今日、私の家に来ることになっているんですよ」

「・・・・・・・」

「知子の本性を見せてやりますよ・・・ね、教頭先生・・私は、知子を何度も抱いて、あいつを逝かせちゃているんですよ」

「そ、そんな馬鹿なこと・・・山本先生は、もうそんなことは」

「そう思うでしょうね・・普通は・・でも、知子はそんな女なんですよ、実際」

「そんな筈は・・・」

「じゃ、騙されたと思って、隠れて見てて下さいよ・・証明しますよ、ね、教頭先生」

「・・・・・」


性獣が五十男の心の底を擽り、オスの本性を呼び覚まさせる

「教頭先生、見てくださいよ・・この写真の知子の肢体・・・・そして、この表情・・・男だったら、こんな女と姦ってみたいと思うのがあたりまえ・・へへ・・それで、つい私も手が出ちゃいましてね・・・・気が付いたら、この女の虜にね・・・最後は上手く切られちゃって・・・・このざまだ」

「・・・・・」

「私は教頭先生を恨んだりはしていませんよ・・・・ただ、処分を受けて生活が苦しくなってね・・・・・だから、少しばかり助けて頂けないかと・・・その代りに、上手く抱かせてあげますよこの女を・・・・どうです?教頭先生」

「・・・・・」

蓬莱は写真を見つめたまま、返事をしない加藤を見て確信した
五十を過ぎた、この男も俺と同じ運命を辿ると・・・・
食い殺されるか、どうかは・・・この男の力量次第

(女は現金な動物だ・・知子と関わりあうのはこれが最後だ、とにかく駄賃を貰えるだけ貰うだけよ・・)
  1. 2014/08/02(土) 13:43:34|
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続こころ清き人 第3回

一郎は年配の男性と、女性の調停委員に自らの考えを誠実に訴える

「私は、もう知子とは婚姻関係を継続していく意志はありません・・・彼女のした行為は、夫である私の心を踏みにじるものであり、到底、許せるものではありません」


女性の調停委員が問いかける

「でも、一郎さん・・・あなたの奥さんは、暴力によって犯され、その事実をあなたに知られることを恐れて、従っていたと仰っています・・・・そんな、奥さんにあなたは夫として、同情や哀れみの感情は湧いてこないのでしょうか?子どもさんもいらっしゃるし、考え直す余地はないのでしょうか?」

「知子は私にもそう言いました・・・自分は被害者だと・・・私も、一度は知子と加害者と戦う決心をしました・・・しかし、その加害者という男が私に見せたビデオを見る限り・・・・辛いことですが、妻の言っていることが嘘に思えてくるのです」


男性の調停委員も問いかける

「一郎さん、そうすると・・あなたは、奥さんが言っていることが嘘、偽りで・・そのビデオを見たあなたの感覚で不貞を働いた淫らな妻と断定しているのですね?・・そして許せぬと」

「はい・・それに、私は自信がないのです・・理由はどうであれ、私以外の男に弄ばれた妻を、仮に今許したとしても、いずれ夫婦関係に支障をきたすと思うんです」


女性の調停委員が再び問いかける

「奥さんは、あなたには女性がいて・・・それで、離婚を望んでいるとも仰っているのですが?」

「はい、私はその女性と人生をやり直すつもりです・・しかし、私がそういう気持ちになったのは、知子と別れると決心した後のことですから」

「でも奥さんは、そのようには思っておられませんよ・・・あなたが奥さんに理解を示し、加害者の男性を懲らしめる指示をし、奥さんはそれに従った・・・そして、夫婦関係は以前にも増して良くなっていたと・・・それなのに、突然にあなたが一方的に離婚届を作成して役所に提出された・・・・これは、あなたがその女性にやらされていると」

「そんなことはない・・・確かに、知子にも酷いことをした、でもそれは私の意志だ・・その女性は知子を気遣っている・・・私が、知子に我慢がならなかっただけなんだ」

「そうでしょうか?いずれにしても、離婚となると財産分与、お子さんの親権、そして養育費など、どのようにするのか決めていかねばなりません・・・その覚悟は、おありなんですね」

「当然です・・・その覚悟はしております」


再び男性の調停委員が問いかける

「一郎さん・・私たちは先ほど奥さんのお話をお聞きしたのですが・・いい奥さんじゃないですか・・・お可愛そうに、大変な目に遭われた・・・あなたは、あくまで奥さんが嘘を言っていて、別れると仰るのですね?」

「やめてください・・あなた方は知子に騙されている・・・あのビデオを見れば考えも変わる・・私もそうだったんだ・・あんな淫らな女とは思いもしなかった・・嫌なんだ、あんな淫らな女が、私の妻であり、子どもたちの母であるなんて」

「・・・・・・・・」

「今日の調停はここまでにしておきましょう・・・一郎さん、もう一度よく考えてみてください、奥さんのこと、そして二人の子どもさんのこと・・・・そして、もう一つ・・これは、差し出たことかもしれませんが、あなたが人生をやり直すと仰っている、相手の女性のこと、良くあるんですよ、こういったケースが・・・・・では」

一郎は大きな溜息をついた
これでは、一郎が女に騙され、その女に夢中になって、酷い目に遭った妻や罪のない子を捨て去ろうとしていると・・・・・・
知子は一郎より先に調停委員との面談を終え
家庭裁判所の玄関ロビーで一郎が出てくるのを待っていた
肩を落とし、伏し目がちに・・愛しい夫、一郎が階段を下りてくる

「あなた・・」

「・・・・・」

「一郎さん・・・少しお話ししたいのですが・・・」

一郎は厳しい目線で、知子を見ると
「調停中だ、君と直接話し合うことは余計な混乱を招く・・・じゃ」

「あなた・・いまでも、私を信じてもらえないのですか?」

「あたりまえだ・・・・もう、後戻りはできないんだ」

「後戻り?」

「ああ、そうだ・・・私は美恵子と約束している・・新しい家庭を築くと」

「そんな!あなた・・子どもたちの幸せも考えてあげて、ね・・私は、もう、一郎さん無しでは生きていけない・・精一杯あなたに尽くしていきます・・・ね、あなた・・考え直して・・ねぇ」

「やめろ・・もう決めたことだ」

「そんなこと・・・・一郎さん、私は絶対に諦めません・・・きっと、あなたの心を取り戻して見せる・・美恵子なんかにあなたを渡すもんですか」

足早にその場を立ち去る一郎の背に、知子の最後の言葉が重く圧し掛かった


その日の午後
知子は蓬莱の自宅を訪れていた
ジーンズにセーター姿
知子は蓬莱の申し出を受け入れたのだった

蓬莱の申し出は
自分はお金に困っているので
一郎が見たビデオや写真など全てを買い取って欲しい
そうすれば、今後一切、知子には関わりあわないと

しかし、あの蓬莱のこと、蓬莱の自宅で会うことはためらわれたが
自分のアノ写真やビデオが存在していたのでは何時か災いになる
廃棄できるのであれば、そうしようと
自分がしっかりしていれば、二度と蓬莱とは同じ過ちはしない
今の知子には、男は愛しい夫、一郎しか考えられなくなっていたのだ
それほど、一郎による復讐に近い夫婦の営みの影響が、知子の肢体に染み付いていた


「約束のお金は持って来ました、これで私に関するものは全てですね」

「ああ・・あんたが映っているものはネガ、マスターを含めて全部だ、安心しろ」

「私が映っているもの?」

蓬莱はニヤリと笑う


「それよりどうなんだい?旦那と別れて肢体が疼いて辛抱できないんじゃ・・」

「いいえ、私はそんな女じゃありません」

「よく言うよ、あんなにヨガリまくった女が・・・旦那の代わりに、欲求不満の解消に相手してやってもいいんだぜ」

「何て事を!・・私は今でも一郎の妻です・・誰があなたなんかと・・じゃ、帰ります」


席を退ちかけた知子に見えるように、蓬莱は数枚の写真を机に並べた

「ほう・・そうかい、たいした自信だなぁ
・・でも、旦那は新しい女とよろしくやってるぞ」

「・・・・・・」

その写真を見た知子の表情が険しくなった
その写真は夕暮れ時に撮られたものだろう
薄暗さが、余計に男女の仲のよさを醸し出していた

「これはなぁ・・旦那の自宅での写真だよ・・いい女だなぁ、あんたに劣らず美人じゃないか」

「・・いつ、これを?」

「気になるかい?そうだよなぁ・・・撮影したのは最近・・でも、何と言うか、俺の感ではこの二人・・もうできているぞ」

「そんな・・・」

「見てみろよ・・この幸せそうな二人の顔を・・これは、愛し合って信頼しきっている顔だ・・・・知子、お前は旦那から完全に見限られた哀れな妻よ・・」

「うぅぅ・・・」

「悔しいだろう、悔しいわなぁ・・・・・もっとよく見てみろよ、愛し合う男女が口づけしている写真を」


蓬莱は小刻みに震える知子の手の動きを見逃さない

「ああそうだ・・お前とはこれでお別れだ、最後に俺がとっておきのジュースでもいれてやろう・・・・その写真、必要ならサービスしとくよ」

知子は蓬莱がジュースを用意している間、写真を睨みつけている

一郎の肩に頬を寄せている美恵子
そして、美恵子の肩を優しく抱いている一郎
互いに見つめ合っている
それに、キスまで・・

(どうしてなの一郎さん・・どうして私ではなく美恵子なの!)


喉が渇く・・・
蓬莱がジュースを知子の目の前に出すと
知子は何も考えずに一気に飲み干した

「気にいったようだなぁ・・・その写真・・・ああ、確かもっと撮っていたんだ、少しまってろ」


蓬莱は二間つづきの和室へ移動する
その襖は初めから少し開いていた
蓬莱は声を潜める

「お待ちどう様、教頭先生・・・・もう少しです、もう少し」

「あなた・・・何かあのジュースに?」

「ええ、ちょっとね・・・高くつきましたが、効果はその分いいようで」

「そんなことをして・・」

「大丈夫ですよ、毒ではありませんから・・それより、上手くいきそうですよ、教頭先生、この知子のエロ写真でも見て、スタンバイしていてください・・じゃ」
知子はからだの異変にまだ気が付かない
少しからだが熱くなっている・・それは今見ている写真の所為と
そして、段々と気だるくなってくる


「ちょっと探すのに手間取ってしまった・・そうしたら、こんなのも出てきたよ」

それは、知子と蓬莱の三度目の旅行で
知子が軽く両手を縛られ、背後から大人の玩具で責められている写真

「写真はこれで全部と言ったじゃないですか・・・」

「ご免、ご免・・・いくらかは残して、摺りネタにと思ってね」

「約束が違うじゃないですか・・・・それも、全部もらいますよ」

「ああ、いいよ・・・・でも、よく撮れているだろう?この写真・・見ているだけで勃起してくるよ」


蓬莱は、自分のスラックスのテントを張った部分を、更に自分の手で擦る
知子は目を背けた

「それじゃ、帰ります」


立ちかけたようとした知子は、脚に力が入らずよろけそうになる
それを見た蓬莱がすかさず抱きとめ
蓬莱の手がセーターを押し上げている胸の膨らみを掴む

「おい・・・大丈夫か?」

「・・・・少し、気分が・・」

「無理もないさ・・・旦那のこんな写真を見ちゃ、ショックを受けるのも」


蓬莱の手は、セーターの上から乳房を揉み始めている
怒張がはちきれそうなジーンズのヒップに押し付けられる
そして、片方の手がジーンズ越しに太腿を擦る

「気分が治るまで・・・暫く休んでから帰るといい」


知子は既に蓬莱に何をされているのか分からないまま
顔を蓬莱の胸に預けたまま、眠りに落ちていった
隣の部屋で様子を窺っていた加藤は、唾を飲み込む
蓬莱が眠りに落ちた美女の口を吸っているではないか
厳つい手がセーターの中に潜り込み、胸のあたりを動き回っている

蓬莱の視線が加藤と交差した

「教頭先生も、こちらに来て介抱してやってくださいよ・・あなたの部下でしょう?」

「な、なに・・・・・・・」

「それはそうと・・あなたには、この女を抱くには理由が必要ですね・・・私と同じように強姦という訳にはいきませんね」

「えっ?」

「こうしときましょうよ」

加藤は
蓬莱から、山本先生の様子がおかしいので迎えに来て欲しいと頼まれる
来てみると、既に蓬莱に甚振られた知子を見つけて介抱することになった
そうしたら・・

「その後は適当に、考えてください・・・・・後1時間くらいで気が付くと思いますから、上手くやってください・・・・・私は暫くは家を空けますので、あなたの思うようにやったらいい・・・ただし、教頭先生・・・お代は頂きますよ、宜しいですね・・・この女を抱くと10歳は若返りますよ、ははは・・・満足度は金額で示してくださいな」


そう言い残すと
蓬莱は知子が持参したお金を持って、さっさと家を出て行ってしまった


「うーん・・・」

知子が切なげに顎をあげ、頸を廻す
乱れたセーターを盛り上げている胸の部分が上下している


「山本先生・・先生・・・大丈夫ですか?」
加藤は知子の肩を揺すってみる

「・・・・・・」
知子は深い眠りに入っていた

山本先生・・・美しい・・・・なんて美しいんだ、この人は!
理知的で清楚で・・・それ以上に色香が漂う
どんな男も一度はこんな女と姦ってみたいと心を狂わせる
ジーンズにセーター・・こんな服装でも・・この男の一物は固くなり始めている

今、蓬莱のやつが、この口を吸っていやがった
この胸を触っていたんだ

加藤は周りを見渡した
誰もいない
加藤の唇が知子の唇にそっと触れる
加藤の手がセーターの中に潜り込む・・・そして柔らかい乳房を掴む

(蓬莱から呼ばれて来てみると、既に弄られた後の女がいる・・その介抱を?
・・・ああ!なるほど・・私が山本先生を抱いた後で介抱を・・・と言うシナリオか)

時間がない
加藤は、知子を抱きかかえると先ほどまで隠れていた部屋に運び込んだ
この男は、もうとっくに知子の上司であり分別のある教頭ではない
目の前の眠れる美女を陵辱したいだけの、年老いた獣に成り下がっていた
知子は自分を誰かが呼ぶ声で次第に目覚めていく
その声は段々と大きく、そしてはっきりと聞こえてくる

「山本先生?いらっしゃるのですか?」
教頭の加藤の声だ

(何故?教頭先生が・・・・・確か私は・・・)


「ああ・・嫌ぁ!」

知子は自分の手足が縛られていることに気づき、悲鳴をあげた
なんと、裸にされ人の字に固定されていたのである

「山本先生!そちらの部屋にいらっしゃるのですね!今、行きますから」


「ああぁぁ・・・駄目!入らないで・・」
知子の叫ぶ声と同時に、襖が勢いよく開かれた


「ど、どうしたんですか!その姿は!山本先生」

「見ないで!お願い・・・教頭先生、見ないで」

「でも・・・あなた、縛られているんじゃ
       ・・ああ・・あなた、それに・・その白濁」

「えっ?」

「な、流れた跡が・・・ほら太腿に、男の精液が!」

「そんな!」

「なんて奴だ・・私に、あなたを迎えに来いと電話してきて、あなたを犯していたなんて・・・これは犯罪だ、あなたへの復讐だろうが・・・これは、警察に知らさないと」

「警察!・・ま、待ってください、教頭先生!」

「えっ、待つ?」

「教頭先生!警察に知らせるのは待って下さい・・・それより、お願いです・・縄をほどいて、ほどいてください」


「それは警察が来てからでないと・・・そうしないと、犯罪事実の証拠が変わってしまう・・あなたが蓬莱に犯されたことを証明する証拠の写真を残さないと」

「やめて下さい、嫌です・・大勢の人にこんな姿を見られるなんて
それに、こんな姿を写真に撮られるなんて・・・私、恥ずかしい」



知子の目から涙が溢れている

「うーん・・・・その気持ちは分かりますが、私も見てしまった限りは警察に知らせる義務が・・・」

加藤は手を額に当て、考える込むように俯いた
その手の奥の加藤の目が笑っている・・・そして、口元も緩んでいる
加藤は人の字に縛られた美人教師の女陰に
彼自身、十数年ぶりかと思われるほどの大量の精子を放出した
縛られて無抵抗にされた女を抱く・・こんな経験はしたことがない
まさか、二度も知子を抱けるとは・・・・それも、二度目は意識が回復した知子をだ

部下であり人妻の教師を相手に、老練な手管を駆使して思いを遂げた
白い陶磁器のような足
むっちりした太腿の間に、恥ずかしげに見え隠れする女陰
その、女の源泉から
おのが精液の白濁が流れ出る様を眺める快感
これは、女を征服した男の喜びの極致であった


「山本先生・・・これで、私も警察を呼べなくなった・・誤解しないでくださいよ、あなたの希望を叶えるには、私にも警察を呼べない理由が必要でしたまでですからね」

・・・・・・・変な理屈だ


「はぁ・・はぁ・・はぁ・・」

信頼していた教頭に強姦された知子の息はまだ荒い
なおも、加藤は理屈を捏ねる


「山本先生・・・・それにしても、しっかりと私の怒張をくわえ込んで、小気味よく締め付ける・・・・先生!私は驚きましたよ・・清楚で美人のあなたが、こんなシチュエーションがお好みだったとは・・・・・まあこれで、互いに相手の秘密を知る仲間、これからは遠慮しないで何でも甘えてください・・・・私も遠慮しませんよ」


まだ、人の字に縛られたままの知子に、再びメタボの50男の手が伸びる
男の指先が女の乳首を撥ねる・・・もう片方の手がむっちりとした太腿を擦る


「山本先生・・・それにしても、あなたの肢体は本当にすばらしい・・・こんな女性と離婚したいなどと・・・あなたのご主人の気持ちを、私は到底理解できない」

「うっ・・うん」

「先生?どうしました・・感じるんでしょう?・・もうそんなご主人なんか忘れて・・もう一度、ね・・・二回目ですから、時間をかけてゆっくりと・・ね」


身動きのとれない女の艶肌の上を、再び男の舌が這い回る
その舌が乳房から乳首そして項へと這い登ると
夫を取り戻す決意を固めていた女の目から
失意と無念の涙が溢れ出す

男が再び覆いかぶさり
ゆっくりと怒張を女陰に挿入し始める頃
何度も舌を吸われた女の口がすすり泣いた

  1. 2014/08/02(土) 13:44:34|
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続こころ清き人 第4回

ポピュラーのムード音楽が流れる一郎の寝室
それは男女二人のデュエット曲

・・・貴方の一日が終わるときに側にいるね
何にも言わないで、優しくキスをして・・・
・・・そっと髪を撫でて、肩を抱いて側にいるね
貴方が眠るまで、優しくキスをして・・・

報われなくても、結ばれなくても
貴方は、唯一人の運命の人
・・・貴方の一日が終わるときに側に居られたら、明日なんていらない
髪を撫でて、肩を抱いて、貴方が眠るまで

この出会いに優しいキスを・・・・・これが運命なら



美恵子の膝の上で一郎が眠り
その男の髪を美恵子は愛しく、優しく撫でている

(私は・・・知子さんからこの人を奪った悪い女?妻の不始末に付け入り、夫婦の絆を切り裂き、家庭を破壊した酷い女?)


今日、一郎の長女が美恵子に言った

「お母さんをかえして・・・お父さんをとらないで」と

その幼い子の言葉が美恵子の胸をえぐる


美恵子は愛しい男の頬に細く、そして白い指を這わす
男の唇をそっと舌で愛撫する
すると、男は薄目を開け愛しい女の動きに合わせ口を開く
男の舌が女の舌と絡み合い
美恵子から甘い香りのする唾液が一郎に注がれると
それを飲み干し、再び男は安堵の眠りに就く

(私は、どんな苦労があろうともこの人と共に生きていく
・・・・もうこの人の側から離れはしない)

美恵子も、一郎の胸に頬をあて静かに眠り落ちていく・・・・

季節は既に五月になっていた
一郎と知子の離婚調停は遅々として進展しない
互いの主張がぶつかり合っている

夫が言う・・・妻の不貞
このことについて、知子が真っ向から否定する
自分は被害者なんだと

妻が言う・・・夫を操る女の存在
このことについて、一郎も完全否定する
全ては自分の意思で判断していると、そして離婚が成立した後に妻にする女性だと

二人の娘の親権は、両者とも譲らない

離婚の調停は膠着状態に入り込んだ
このままだと、調停不調となり審判に移行することになる


その日、一郎は河川敷公園に早朝から散歩に出かけた
公園にはテニスコートがあり、若い男女の元気のあるプレーを眺めていた


「あれ!・・一郎君?山本一郎君じゃない」

一郎が振り向くと、阿部真一がにこやかに微笑んでいた
知子と同期の同僚の夫で、二家族一緒に旅行をしていた・・あの阿部先生だ

「しばらくです・・・阿部先生」

「どうしたの、ぼうとして?・・・テニス?やるか?」

「ええ・・・やりましょう」


この二人はスポーツマン
共に、テニスは専門ではないが腕前は相当なものだ
激しく、ラリーが続く
一郎がエースを取ったところで真一が白旗を揚げた


「一郎君は、陸上競技よりテニスのほうが良かったんじゃないか?」

「またまた・・阿部先生」


一郎は真一を兄のように慕い、真一は一郎を弟のように可愛がる
本当にうまの合う男同士である
一郎と真一は木陰のベンチに腰を降ろした



「一郎君・・・知子さんと離婚の調停をしてるんだって?」

「ええ・・・・いろいろとありまして」

「ひょっとして、私が気をつけろと言ったことが切欠になったんじゃ?」

「まあ・・・・そうかも」

「すまない・・余計なことを言ってしまって」

「いえ・・・男と女の不義の事実は隠しとおせるものではないですから」



この河川敷は広い
対岸までは200メートル以上はある、一郎は遠くの対岸の景色を眺めている



「俺なぁ・・今年から知子先生と同じ学校になったんだ」

「知子の学校にですか?・・・あいつ、ちゃんと勤めてますか?」

「なーんだ、少しは心配してるんだ・・・もう、関係ないと言うかと思ったけど」

「阿部先生、それはないですよ・・・
十年以上も夫婦をやっていた相手ですから、あいつもなんとかと」

「そうか・・・その知子先生なんだが・・ちょっと・・」

「何かあるんですか?阿部先生・・・良かったら教えてください・・私は、知子と離婚するつもりで調停はしていますが、彼女は娘の母親・・彼女も幸せになって欲しいという思いでいますので」

「それなら、私が感じたことを話すが・・・怒るなよ」



真一の話はこうであった

今年の4月に知子の学校へ阿部は異動した
知子も休職から復帰して来た
清楚で誠実な雰囲気で人気のあった知子だったが・・
服装が少し派手になり、化粧もきつく・・・妖艶な女性に変身していると言うのだ
よく知子を知る、阿部ですら、その魅力に目が向いてしまうほどに

その知子に阿部の大学の先輩である加藤教頭がべったりと付き纏っている
どうも、その加藤教頭が知子にスキンシップだといって身体を触っているらしい
さらに、知子を加藤教頭がホテルに連れ込むところを同僚教師が見たと言う
阿部は、あの厳格な加藤教頭と清楚な知子の変身が理解できないと・・・



「なんですって・・知子のやつ、性懲りもなく再び淫乱女に」

「淫乱女?・・・・一郎君、それはちょっと酷いよ」

「阿部先生、知子はそんな女だったんですよ・・・それで、私は離婚を」

「一郎君、それは君の思い込みが過ぎる・・・私は、知子先生は悪女ではないと思っているよ・・・・時々みせる辛そうな表情や切ない雰囲気は、何か事情があるのではないかと思うんだ・・・・どうだい、一郎君!知子先生を助け出してやらないかい?」

「知子を助ける?」

「ああ、そうだ・・・彼女は助けを待っているんだ!きっとね」

「待っている?」

「今、助けてやらないと・・・知子先生、本当に駄目になって、壊れてしまうぞ」

「そ、それは・・・」



一郎の心に、真一の言った「知子が壊れる」の言葉が重く圧し掛かる
朝の散歩から戻ってきた一郎を見て
美恵子は敏感に一郎の変化を感じ取っていた


熱いコーヒーを一郎の前に差し出すと

「一郎さん・・何か私にお話しがあるのではないですか?」

「わかるかい?美恵ちゃん」

「あなたは、正直な人・・・こころの中がお顔に出ます」

「そうかなぁ・・それじゃ、私は詐欺師には到底なれないなぁ」

「ふふふふ・・一郎さん、でも・・あなたの心はいつも誠実で優しくて・・それが、お顔に現れても、損はしません」


一郎が美恵子に今朝のことを話しだした
知子を救ってやれという人がいて、自分は迷っている
助けるということは、知子と離婚調停中の一郎にしてみれば
敵に塩を送ることになり、それは、美恵子にとっても不利益になるはずと・・


「一郎さん・・・もう、決めているんでしょう?助けてやりたいと・・」

「美恵ちゃん・・」


美恵子は一郎の迷いの霧を晴らす

「あなたは、正義感が強く、人を大切にする人・・そのあなたが、知子さんが危ないということを聞いて見過ごすことなどとてもできない・・・助けてあげて、私も応援するから」

「美恵ちゃん・・・君という人は」

「知子さんは、子どもたちのお母さんなんですよ、そしてあなたが妻にした女性・・・」

「美恵ちゃん・・私は壊れていく知子を見たくはない、それでいいんだね
・・・ありがとう、美恵ちゃん」

「でも、私、少し心配・・」

「何がだい?」

「あなたの優し過ぎる心が・・」

「私の心?・・・心配いらないよ、美恵ちゃん
知子を助けることと離婚することとは別のこと
・・・私は、あくまで君を幸せにすると決めているんだから」


美恵子という女神といる一郎には心に余裕がある
知子と離婚調停を争いながらも、相手を気遣う余裕が・・・
しかし、美恵子にはこれが夫の甘さとも写る
玉を追い詰めながら・・・・緩手の一手が命取りになることも


一郎の決断後の行動は迅速だ
次回の調停の日に知子と話し合うことにして
以前に知子の身辺調査をした業者に美恵子を通じて再び調査依頼をかけたのだ
  1. 2014/08/02(土) 13:45:26|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第5回

知子が勤務する学校

知子は同僚の先生の視線を気にしている
30代の女性にしては短すぎる丈の白のミニスカート
しかし、足が細くて長い知子には、本当に似合っていて同僚の視線を集める

クラスの児童たちは
フランス人形のような担任の先生が毎日、服装を変えてくるのを楽しみにしている
中には理想の母親像として、綺麗な知子に憧れを抱く児童もいて
知子の周りにはたくさんの児童が寄ってくる

その知子の授業を教頭の加藤が見学に来るのだ
理由は、長期間の休職から復帰した教師への支援というのが名目だが
加藤の視線は常に、知子の肢体を嘗め回すように見つめている
時には、児童がいても知子の臀部や胸部にそっと手を這わしたりする

今日も、加藤が見学に来ている
教壇に立つ知子の背後に立ち、お尻を撫でる
その手は、背後からストッキング越しに太腿を擦り始める
授業中に加藤は痴漢行為をしているのだ
そんな行為に耐えながら、知子は50分間、児童の前で地獄の苦しみを味わう
そして、授業が終わる


「山本先生・・お疲れ様でした
・・・放課後、少し残って私の仕事を手伝ってください・・・いいですね」

これが加藤から知子への、今日いつものところで会いたいというメッセージだ
知子の表情が暗くなった


放課後、校門から出て行く知子の後をつける男がいた
知子は加藤との待ち合わせの喫茶店に入っていく
暫くして、加藤が現れた

「今日の白のミニ・・・似合っていたよ、山本先生」

「教頭先生・・・学校では、他の先生方の目もあることですし、あのようなことはもう止めて貰えないでしょうか」

「あのようなとは、どんなことですか?」

「私に言わせるんですか?・・私のからだに触れることです・・私はあなたの言いつけどおりの服を身に付けて従っています・・それだけでも、先生方の視線を集めて落ち着かないのに・・・そんな私をあなたは触りにくる」

「嫌だね、スキンシップじゃないか・・他人の前で度を越した破廉恥行為を慎んでいれば問題にはならない・・スキンシップぐらいなんてことはないよ」

「教頭先生、私はこれ以上・・」

「まあまあ、待って!その続きはホテルへ行って話そう・・時間がもったいない・・・もう少し時間が経てば、私にしがみついているんだから・・・そんなこと言わなくなると思うよ・・さあ、行こう」

加藤にとっては、もう知子は情婦である
加藤は伝票を手にして立ち上がるが
知子は俯いたままだ
その知子の肩を抱き、耳元で囁く

「今日の授業中・・息子が起き出して困ったよ・・あなたのミニ姿、そそるなぁ・・・早く息子を宥めてやらなくちゃ」

加藤は、手を知子の腰に廻して無理やり立たせる
そして、知子を急かしながら有頂天でレジへと向かっていった

隣のボックスで珈琲を飲んでいた男が
高感度の電子録音機器のスイッチのボタンを切った
加藤は知子をホテルに連れ込むと
窓際に立たせ
知子の背後から抱きしめるように、服の上から胸を揉み始める

「教頭先生・・さっきの話なんですが」

「ああ・・スキンシップを止めろという話・・」

「どうか、学校では・・・先生方の目もあることですし・・・・・・あっ」


加藤は知子の胸を揉みながら、舌を項に這わせる
その舌が知子の唇を舐める
そして、硬くなった怒張をミニのピップに押し付けている


「はっ・・・教頭先生・・・とにかく話を聞いてください」

「ちゃんと聞いてるよ・・・でも、分かるだろう・・私の息子の状態?」

「嫌・・話を、話を聞いて・・・・・・・うっ」


加藤は知子を向かい合わせにすると、舌を知子の口に差し込んでいく
手でブラウスのボタンを外しながら
怒張を真正面から押し付けていく


「嫌・・待って、教頭先生・・・話を」

「山本先生、時間が無いんだ・・・話はしながらでもできるじゃないか」


もう、知子の白い乳房が加藤の手で甚振られている
その手がミニのスカートを捲り、パンストを下ろしにかかる


「あん・・・・あっ・・・・・・教頭先生」

「やっと何時もの好い声がでたね・・・山本先生」


とうとう加藤はむき出しになった知子の女陰にしゃぶりつく


「嫌・・・止めて・・」

「どうしたんだい?話の続きは?・さあ続けて・・他の先生の目がどうしたって」


加藤の唾と愛液で光る女陰に加藤の指がリズミカルに動き回る
親指が知子の陰核を捉えている
二本の長い指が女のGスポットを探りあてる

(ここらあたりだったよなぁ・・・知子先生)


「あっ・・あーん・・・あっ・・・もう・・・」

「もう?・・・ああ話は、もうお仕舞いか
それじゃ、そろそろ私の息子を鎮めてもらうよ」

加藤は知子の太腿を抱え上げると、涎を垂らし始めた怒張で狙いを定める


「いくよ、山本先生・・・今日の息子は怒っているぞ、しっかりと頼むよ」

「あん・・・あぁぁぁ・・」


加藤の腰が前後、上下に動いている
知子の豊満なピップを加藤の手がしっかりと捕まえている
乳房にしゃぶりつく加藤の口が
柔らかい乳房の頂上から離れ際に、舌で乳首を転がすと
山の頂へ引かれたのゴンドラのロープのように、透明の糸が垂れる


「山本先生、さっきのスキンシッブのことだが
あなたに対する私の親しさを表す行為だ
続けるよ・・・・・・・・・・・・いいね?」

「うん・・・あん・・あん・・あーん」

加藤の怒張がこれでもかと・・・知子の膣を突き上げた
  1. 2014/08/02(土) 13:46:24|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第6回

ここは家庭裁判所の調停室


「では、知子さんはどうあっても、娘さんの親権を放棄しないのですね」

「当然です・・親権うんぬん以前に、私は一郎さんとの離婚を認めませんから」


今の知子を支えているのは
知子から娘たちを奪い美恵子に乗り換えようとする夫の一郎と
その一郎を操る美恵子への怒りである
恐らく、この怒りがあるからこそ、知子の精神状態が崩れずに保たれているのだ


「そうですか・・・知子さん、それではもう調停では合意が得られそうにありません
私たちは、調停の打ち切りを考えています
この後は審判への移行となります
このことは、先ほど一郎さんにもお話ししました・・・・以上です」

「そんな!私は一人ぼっちで闘っています・・・・審判だなんて」


知子は困惑した
少なくとも、調停委員の心証は知子の味方だと思っていた
それが、審判に移行すると法律的に裁かれてしまう


人の良さそうな年配の男性委員が話しかける

「知子さん・・一郎さんがね、あなたと話がしたいと仰ってましたよ・・たぶん、外でお待ちになってる」

「一郎さんが?」

「ええ・・彼は今のあなたのことを、大変心配されていましたよ」

「夫が私を心配している?」

「はい・・・私たちの調停は不調となりましたが、あなたと彼が誠実に話し合われたら希望が見えてくると私は思います
一郎さんは、人に優しいご主人だ、あなたも彼にもう一度、許しを請うてみてはどうでしょうか
こういうケースはボタンの掛け違いや、意地の張り合いで上手くいかない
どちらかが、折れて話をすれば心の棘が抜けていくものですよ
・・・知子さん、素直に正直に・・ね」


知子は俯き、調停委員の言ったアドバイスを反復している

「・・・・・・有難うこざいます、お二人には大変お世話になりました」

「いえ
・・なんのお手伝いもできずに申し訳なく思っています
さあ、知子さんご主人がお待ちですよ」


知子の目に光が宿った
「知子、おまえ少しやつれたんじゃないか?無理はするなよ」

「あなた・・優しいのね?」

一郎と知子は家庭裁判所近くの喫茶店にいる


一郎の手元には、知子の身辺調査の報告がすでに届いている
目の前の知子を愛し、娘たちと楽しく暮らしていた自分
その妻と離婚調停を争い、知子を捨て去ろうとしている自分がいる
そして、今は・・・


「そうか?
それに、おまえ・・艶っぽさと妖しさが身についた良い女になって・・」

「まぁ、お世辞でも嬉しいわ、一郎さん
でも、そんなあなたにしたのは、美恵子の影響かしら?」

「そうじゃない・・・正直にそう思うよ」

「あなた・・
私、調停委員の人に、素直になれと言われたわ・・私、素直じゃなかったかしら?」

「ああ、そうだなぁ・・・・少し、いや、相当な見栄っ張りで自己中かな」

「ふん!あなたもそうじゃない?」


知子の目が涼しく夫を見つめている
夫の一郎とこのような会話をするのは何ヶ月振りだろうか

そろそろ一郎は本題に入ろうとする

「ところで、知子、実は・・」

「待って、あなた・・・ここでは、落ち着かないわ」

「そうか?ここでは駄目か?」

「時間あるんでしょう?あなた・・・」

「ああ、今日は休みを取った」


知子は目の前の珈琲に口を付けると
一郎の目を真っ直ぐに見つめて言った

「それなら・・・
あなた、今からこのいい女と遊ばない?・・嫌?
・・・・美恵子には内緒にして・・・・・・ねぇ、一郎さん」


 一郎は妻の知子を知り尽くしているはずだった
 しかし、今・・・・目の前にいる知子は、その女ではない
 知子がすらりと伸びた両脚を組みかえると
 白い太腿の奥へと一郎の視線が引き込まれてしまう
 
 (知子・・・おまえは)
一郎は頭を上げると、知子の目を見つめて言った

 「その方が素直になれるのか?・・・知子」

 「ええ・・・そうよ、一郎さん」


 中核都市のシティホテル
 窓から見える世界遺産となった城の
天守閣が、ライトアップされて夜空に浮かび上がる

「あなた・・・以前より、女性の扱いかたが、優しくなったわ
・・それに落ち着いた大人の男の雰囲気がでてきてる」

「そうか・・・」

「美恵子とは、このようなセックスをしているのね?」



知子は一郎の腕の中から、顔をあげると夫の乳首にキスをした
一郎は知子の髪を撫でている

「なぁ・・知子、おまえ、美恵ちゃんのこと恨んでいるのか?」

「・・・・・恨むというより・・嫉妬かしら」

「嫉妬?」

「そう・・・美恵子はあなたを夢中にさせてる女性でしょう
私の居場所など、あなたの中から完全に消えて無くなっていると思っていたの
・・・・でも少し残っていたようね」

「当たり前だ・・・消えるもんか、10年以上も一緒に生きてきたんだぞ」

「そうよね」


知子の唇は次第に一郎の下腹部へと移っていく
一郎との幼稚なセックスで快感が得られなかった知子
その夫が見違えるように
知子を性の虜にしてしまうほどに上達している
しかし、今の知子も経験を積まされている
・・・・知子はそんな一郎に再び挑んでいく

「ねぇ、一郎さん・・・もう一度」

「ああ・・いいよ」

 一郎と知子の肉交が続く
 今までの夫婦の営みとは何かが違う
 切ないが心の通うこんなセックスができるようになった二人

しかし・・・一郎は犀を投げている、今さら元の夫婦に戻れない現実
今この二人は性を貪りあいながらも、このことを十分に認識していた
知子は一郎の胸に顔を埋めている
その髪を一郎が愛しく梳かすように手で撫でる


「一郎さん・・・私、あなたの為に・・離婚してあげる」

「えっ・・」

「娘たちのことは、あなたにお願いするわ」



一郎は上半身を起こし、美恵子と向き合った

「私のことはもう放っておいて」

「何を言うんだ、知子・・・教頭の加藤から君を」

「いいのよ、そのことは」

「それはどういうことなんだ」


知子は窓から見える白鷺の城の天守に目をそらした

「思い出すわ・・あの夏の親睦旅行
あの時、二人の大学生に煽てられて、私の中からあなたが居なくなっていた
そして二人と遊んでしまったの
そこを、蓬莱先生に付け込まれた・・無理矢理、強姦よ、自業自得よね
でも、私の肢体は感じてしまったの
私の中の女を目覚めさしたのは・・・蓬莱よ」

「知子・・・」

「その後は、ずるずると関係を持つようになった
無理矢理、脅かされてと自分に言い訳してね・・・
教頭先生は信頼していたわ、一人になった私を助けてくれて
でも、違ってた・・・あの先生も、私としたかったの
年齢の離れたスケベなおじさんだけど、私の肢体は感じてしまう
・・・・もう、そんな女になってしまって」

(でも・・こんな女に仕上げたのは・・・一郎さん、あなたなのよ
 あなたは、私の身も心も夢中にしたのよ・・連日セックス漬けにして・・・)

知子は恨めしい憂いの視線を一郎に送ると、一郎の口を吸った


「あなたは、こんなになった私なんか嫌でしょう?」

「知子、おまえ・・」

「分かるのよ、あなたの気持ち・・・
あなたは、人格者で優しくて、思いやりがある
一方で、潔癖すぎて、こんなに汚された女を妻にしておけるような夫ではない
身を捧げてあなたを慕う美恵子を選ぶのは当然の成り行きよね・・
でも、こんなになってしまった私でも、プライドが許さなかった
・・・・ごめんなさいね、一郎さん」

「もういいんだ、知子
私も良い夫ではないんだ、こころの狭い男だ
おまえを疑い、男に汚された妻への腹いせに美恵ちゃんの処女を奪ったんだ
彼女の望んだことであっても、私としては無責任なことをしたんだ
それに、離婚届を出す直前に私が君にしたことは・・悪魔の仕業だ
・・すまない、知子」

「もういいのよ
・・・こんな機会を与えてくれて、ありがとう、あなた」



二人は別れのキスを始めた
甘く、優しい・・・・・・そして、切ない

「あなた・・こんなバツ一の女でも幸せになれるかしら」

「何を言うんだ・・・必ずなれるよ・・・知子、必ずだ」

一郎は再び知子を抱きしめる
その男の肩が女の涙で濡れていく・・・・


「あなた・・あなた・・もしも、私を哀れと思って
この淫乱地獄から私を助け出してやろうと思ってくれるのなら
離婚しても、私を捨てないで欲しい・・・・・・・ねぇ、あなた
それなら私、頑張れる
・・あなたを支えにして・・・・ねぇ、一郎さん」

一郎は目を硬く閉じた
そして再び知子に唇を合わせていった
  1. 2014/08/02(土) 13:47:34|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第7回

「一郎さん・・・知子さんが離婚届に署名をしたの?」

「ああ・・・あいつ、離婚を承諾して署名をしてくれた」

一郎は自宅に戻ると
知子の署名のある離婚届を美恵子に見せたのだ



「それで、知子さん」

「うん、娘二人のことは私に頼むと
・・ただ、定期的に娘には会わせて欲しいと
それと、加藤のことは自分で考えると言ってた」

「そうですか・・ご自分で?」

「ああ、そうだ・・・知子はもう以前の弱い女じゃなかった
それに、したたかさを身につけている」

「したたかさを?」

「うん・・」



美恵子が一郎の側に寄り添うと
一郎の髪から夫のものでないヘア・リキッドの香りが漂う

「一郎さん・・・あなた、もしかして、知子さんと?」

「知子と?
美恵ちゃん、知子とは何もないよ・・・・・何もない
今の私には、君を幸せにすることが一番大事なことなんだ」

「・・・・一郎さん」


美恵子は一郎の頬に手をあて唇を重ねていく
それはまるで、愛しい男に二度と嘘をつかせぬように
そして、少し隙間のあいた二人の心を埋めるかのように
激しく舌を絡ませていく

しかし・・愛しい男の心に
美恵子にも覗くことのできない部屋ができている
・・・・・・・敏感なこの女は、もうそれに気づいていた

初夏の風が吹き始めている・・もう直ぐ夏だ
一郎と美恵子の新しい生活が始っている
美恵子は会社を退職し、6月の花嫁となっていた

夫の一郎は仕事に励み
心配された一郎の娘たちも
少しずつ美恵子の優しさ、朗らかさに打ち解けて
全てが、美恵子の描いた幸せな家庭に近づいていく


順風満帆に時が過ぎていくのだが
美恵子には、唯一つ気がかりなことが・・・


今日がその日である
昼間に一郎からいつものように、電話が掛かる

「美恵子か・・仕事の関係で少し遅くなるので食事はいらない」


当初は週に1度・・・それが最近は2度、3度と
曜日は不定期だが、夫は夕食を済ませて帰ってくるようになった
その夜は、夫は美恵子を求めたことがない


「あなた、お帰りなさい」

「ああ・・今帰ったよ、美恵子」


夫は帰宅すると直ぐに風呂に入る・・・今夜もそうだ
美恵子が新しい下着を洗面所に用意をする
疑いたくは無いが、それとなくシャツ類をチェックするが
変わったところは何もない


シャワーを使っている夫に声をかける

「あなた・・・少しお話しがあるのですが」

「話が?・・・じゃ、今夜はワインでも一緒に飲もうか、美恵子」

「はい、ワインですね」

「うん・・じゃ、美恵子もお風呂を先に済ませた方がいいかな?」

「はい、そうします」


一郎に代わって、美恵子がバスタブに身を沈めている
夫はお湯を濁したことがない
恐らく、身を綺麗に洗ったあとでからだを温めるだけなのだろう
美恵子はその反対、洗い湯をして先にからだを温める
バスタブから、湯玉で光る白い足がバスタブから出てきた


「あれ?」

石鹸を手にした美恵子の手が、止まっている

(一郎さん・・・使っていないわ、石鹸・・・・)
リビングは、新夫婦で模様替えがなされている
質素だが洒落た絨毯が敷かれ、カーテンも一新
正面にはデジタル薄型テレビ、その横にサイドボードがある
美恵子はそこから、ワインを取り出し冷やしてあったグラスに注ぐ


「乾杯しよう・・・美恵子」

「はい・・・・・・今日はお疲れ様でした、あなた」


二人はグラスを合わせた


「話ってなんだい?」

「実は娘の学校参観のことなんだけど」

「参観?」

「ええ・・・この頃は、父親が参加している家庭も多くって」

「会社を休んでかい?」

「そうなの・・・うちの子ども達は、私じゃまだちょっと無理なようで
それで、あなたに行って貰えないかと・・・・・」


二人の娘が美恵子に馴染んできたとはいっても
対外的に母親の役目を果たす行事は
美恵子にとっても、娘にとってもつらいことであった


「美恵子、苦労をかけてるな・・・」

「私も頑張ってはいるんだけど、もう少し時間が・・」

  「分かったよ、今度は私が休暇をとるよ・・・」


美恵子は、グラスを置くと一郎の肩に頬を寄せ甘えていく
一郎はそんな美恵子を胸に抱き寄せ、髪を撫でる
芳しい香りが一郎の鼻を擽る
美恵子は子どものように、夫の首筋から顎を鼻で擽っていく

(あら?・・この香り?石鹸???でもどうして・・・)
  1. 2014/08/03(日) 02:55:36|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第8回

家から出かける美恵子の後姿を眺めている男がいる


(一郎の恋女房か・・・
以前に見た時より、一段といい女になっていやがる
 この女を堕として欲しいだと・・・・・・・・・ 知子のやつ)


蓬莱の目が、美恵子の全身を嘗め回している
この男、ここ2週間ほど
美恵子の日常の行動を細かくチェックしていたのだ


(さて、どうしたものか・・・・お堅い女だそうだし
俺の面も多分われている・・・あれ?何処へ行くんだ?)


美恵子の足は学校へ向かっていた
そう、今日は午前中に娘たちの参観がある
その参観には一郎が出ることになっているのだが・・・・・・

子どものいる教室へ急ぐ保護者が、校門を通り抜けていく
その校門を見渡せる公園の松の幹に隠れるように、美恵子は佇んでいた

夫の一郎がやってきた
一郎は校門の外でタバコを取り出した・・一服、二服・・
そこへ知子がやってくる
そして、二人は揃って、校舎内へ消えていく
その様子を視ていた美恵子の背に、落胆の陰を写しだす



(はーん、そうか、そうなんだ・・・この女の弱点は)

蓬莱の口が歪む
スカートの下から覗く若妻の白い脹脛と締まった足首
ヒップとウエストのしなやかな曲線
蓬莱の目には、美しい人妻の白い肌が浮かんでいる
学校の前には大きな公園がある
その公園の駐車場へと美恵子は歩き出した
公園の中の道は、自転車以外は車の通行はできない

美恵子の後ろからバイクに乗った少年が追っかける
その少年は、美恵子を追い抜きざま・・
美恵子のバッグをひったくる


「えっ!?泥棒・・・誰かそのバイク!止めて!」

美恵子が大声をあげた
バッグをひったくった少年のバイクはスピードをあげて逃げていく
その前方に両手を開いた男性が立ちふさがった
バイクはその男性の前で蛇行し
なにやら男性と言い合い、揉み合っている
やがて、少年はバッグを投げ捨て逃走していった


「はぁ、はぁ・・・有難うございました」


その男性は、少年が投げ捨てたバッグを拾い、美恵子に手渡すと

「お怪我はされていませんか?」

「ええ」

「まったく今時の若いもんは、何をするやら・・・」


男性の顔を見た、美恵子の目が大きく開いた

(この人・・あの蓬莱?!)


「奥さん、警察に届けますか?私も手に少し擦り傷もあるし・・」

「警察に?」


美恵子は躊躇した
娘の学校近くの公園内、それも参観日のこの時刻・・・
夫に知られたらどう説明したらいいか


「どうしましょうか?
あなたのお陰でバックはもどったことだし
警察に届けると後も面倒な気がして・・・・」

「そうですか・・それなら、私もかすり傷だし、まあいいですか」


美恵子はほっと息をついた
改めて蓬莱らしき男の姿をみると
スーツにネクタイ、髪も整えた40代の働いている男に見える


「でも、あなた、
お怪我がなくて本当によかったです・・私、こう言う者です」

差し出した名刺には
不動産アドバイザー・・蓬莱(宅地建物取引主任者)

(やはり・・・あの人だわ)

「最近、不動産の仕事を始めたばかりの者ですが
これも何かの縁、不動産取引でのご用命がございましたら
是非、私までお電話頂けたらと思います」

「ええ」

「それじゃ、奥さん、お気をつけて・・・」


去っていく蓬莱の後姿を見つめながら
改めて、美恵子は大きな息をついた
その日の午後、美恵子は憂鬱な気分が抑えられない
夫の一郎と、元妻の知子が娘二人の参観に同席している
それも、あの様子では
二人は連絡を取り合って待ち合わせをしているのではと考えてしまう


美恵子は無性に夫の声を聞きたくなった

「電算室長の山本をお願いします」

「申し訳ございません
本日、山本はお休みを頂いております。ご伝言でよろしければ
お聞きいたしますが・・」

「そうですか・・お休みですか?・・それではまた改めます」


(そんなこと・・・一郎さん、あなた)


美恵子に、孤独感が漂う
愛しい男と結ばれた美恵子
これから、幸せな家庭を二人で築いていくはず
それが・・・・・
涙が出そうになる目頭を押さえ、美恵子は夕食の食材を買いに出かけた


家の直ぐ近くのスーパーマーケットまで
歩いていく美恵子の後姿を、車に中から蓬莱が見つめている

(美恵子さんよ・・・なにやら、寂しそうだなぁ
 そらそうだ・・・知子と旦那のこと心配だよなぁ)


蓬莱がスーパー駐車場で美恵子が出てくるのを待ち伏せしている

「これは奥さん!またお会いしましたね」

「えっ?」


美恵子が食材の入った重そうな袋を片手に持ち、声のする方を見た

「あっ・・あなたは」

「はい、蓬莱です
私は一人身なので、今夜の食べ物を買って帰ろうとここへ寄ったのですが
ほんとうに奇遇です・・お住まいはお近くなんですか?」

「ええ・・まあ」

「これも何かの縁・・じゃ先にお送りしましょう」


蓬莱はそう言うと、強引に美恵子の買い物袋を手に持ち
車の後ろ座席に入れてしまう

「いえ、蓬莱さん・・・結構です」

「まあ、まあ・・そんなに遠慮なさらずに」


蓬莱はどうぞとばかりに、助手席のドアを開ける
美恵子はこの駐車場でこの男と長く会話するのは、近所の人の目もあり避けたかった
それで、しかたなく助手席に座ったのだった

助手席のドアを閉めた蓬莱の口元が下品に崩れている
蓬莱が車のエンジンをかける

「奥さん、お家はどちらの方角でしょうか?」

「ええ、その・・・」

「なにやら元気がないですね
仕方ないか、被害はなかったものの午前中にあんな目にあったしね」

「ええ、まあ・・・」

「大丈夫ですか?奥さん
これでも飲んで元気出して
旦那さんが帰られるまでに元気を取り戻さないと、心配されますよ・・ね、奥さん」


蓬莱は缶ジュースの栓を開けると
美恵子に気づかれないように素早く薬を落とし込む
そうだ・・・加藤教頭に知子を抱かせる時に使ったあの薬だ


「先ほど買ったジュースですが、粒入りです・・よく振ってから飲んでください」

「ええ、でも・・・」

「美味しいですよ、ね・・奥さん、折角開けたんですから、どうぞ遠慮なさらずに」


美恵子が口をつけるのを見届けた蓬莱は

「4時30分か・・夕食の準備には少しまだ時間がありますよね
奥さんのような綺麗な女性が助手席におられると嬉しくなってしまいますよ
とにかく、ここを出て少し走りますね」


蓬莱は、美恵子の返事を待たずに、車を発進させる
この車の行き先は決まっている
蓬莱の自宅に着く頃には薬の効果がでているはずだ
蓬莱は、美しい獲物を横目で見ながら
もうこの男の頭の中は、この人妻の料理方法について思いを巡らせていた
当時、教頭の加藤が知子を甚振った部屋
今、蓬莱は美恵子をその部屋に運び込んだところだ
美恵子に飲ました薬は、即効性はあるものの目覚めは早い

薄汚れた万年床の蒲団の上に、美恵子が横たえている
ブラウスの胸の部分が息で上下し、フレアーのスカートから覗く白い足が艶かしい
蓬莱は女の肢体を眺めながら、スーツを脱ぎ始めた
上半身が裸になったところで、美恵子の口を吸いに行く
蓬莱は長い禁欲生活で我慢ができないのだ


(久しぶりだ、こんないい女は・・・・可愛い唇じゃないか)

この男は女体に飢えていた
早くこの女の裸が見たくなり、衣服を次々と毟り取っていく
毎夜一人で眠る煎餅ふとんの上で
美恵子の白い肢体が輝いている


(次は・・この美味そうな乳房を味わうか、どうだいこの乳首
 まるで吸ってくれと言わんばかりだ
 ・・・・それにしても、一郎のやつが羨ましい)


蓬莱の舌が乳首から首筋を嘗め回し、右手が女陰を弄る

「うーん」

(あら?もうお目覚めかな・・・・急がなきゃ)


蓬莱は慌ててズボンを脱ぎ捨てると、己が一物をしごきながら
美恵子の女陰にしゃぶりついていく
唾が口内に溢れながらも、舌で丹念に舐めあげる

(それにしても、まだ使い込んでない綺麗な女陰だ)


蓬莱の怒張の先は、もう走水でぬるぬるの状態だ
天を突くその先端が、美恵子の女陰の入り口に向かい
二度三度と入り口を往復すると、一気に奥まで差し込んでいく


(ああぁぁ、温かい!たまらん・・・奥さん、どうだい俺の怒張は?
 これから時間をかけて、あんたの愛しい夫との違いが分かる女に
 仕込んでいってやるからな)

美恵子がゆっくりと目覚めていく、この後の修羅の道を暗示するかのように
外は、豪雨・・・・・梅雨明けを告げる稲妻が暴れ狂う
蓬莱は美恵子の女の器量を確めるかのように
ゆっくりと、ゆっくりと怒張を打ち込む
浅く、浅く・・・そして、深く・・また、浅く・・

「うーん・・・」


美恵子が目覚める
切れ長の瞼が薄っすらと開いた

(誰か?私に!・・・・・・ああ、肢体が熱い)

まだ薬の効用で美恵子の意識は朦朧としている


蓬莱が美人妻の顔を覗き込む

「お目覚めかい?奥さん」

蓬莱は美恵子の両膝を両手で大きく開き
女の愛液を浴びて光る己が怒張
その逞しさに自己陶酔し
清純なるものを汚していく獣は、ますます気を高揚させていく


「気分はどうだい?最高か?・・・・・俺はすごくいいぞ」

男の指先が乳首を擽ると女が頸を左右に振る
この時とばかりに、男の怒張が女陰の最奥を突き上げる


「奥さんも気持ちいいんだ!ココがぴくぴくしてる・・そうら、もっと締めろよ」

「あーん・・」

「そうだ・・もっと締めろ、もっとだ」

「はぁーん、あーん・・」


「いいぞ、そうだ・・いいぞ!
おおう・・すごくいい気分だ・・・そろそろだ、出すぞ、いっぱい!」

「あーん、あーん・・・はぁーーん」


なにやら、男が囁いている
美恵子は薬よる性感の高まりと
男が繰り出す怒張のピストン運動との相乗効果で
いままで味わったことのない性の領域を彷徨っている


蓬莱の尻肉が痙攣する、満を持しての会心の射精


自分を懲戒免職に追い込んだ女と男
女は男に捨てられ、男の新妻を穢れさせ、男を取り戻そうとようと画策する
その男の恋女房の膣奥へ今、・・・・・・性獣は己が精を送り込んでいく


(ははは・・時は来たれり、偽善と不誠実の罪!思い知るがいい
 ・・・・・・・だが・・哀れなるはこの女、この女は・・・・・)
美恵子は完全に意識が戻った
萎びた万年床の上で、白い女体が悲しみで波打っている

艶やかで白い太腿の間から、男の精液が漏れ出し
気丈夫なこの女は、歯を食いしばって泣き声を堪えている
それでも、こらえ切れない女の悔し涙が溢れ、頬を伝う


「ご気分はいかがかな?奥さん」

「酷い、なんて酷いことを・・・・・」

「酷いか?
あんたには恨みは無いが、旦那にはちょっと関わりがあってね」


美恵子は回りに散らばっている衣服を集め、下着から着始める
パンティ、ブラ、ストッキング・・・そしてブラウス

「おいおい、どうした・・・
俺をもっと喜ばしてくれるのかい?
裸のままで、もう一回というのは味気ないからなぁ・・」

「えっ?まだ辱めるつもり・・」

「そうよ、どうせなら、ブラはいらねぇ
 フラウスが肌蹴て乳房が覗く
 パンスト越しのパンティ・・・・美女のそんな姿、たまんねぇなぁ」

「お願い、もう帰らせて、主人が帰ってくるの」

「さあ・・それはどうだか」

「どうして?」


蓬莱はそれに答えず、美恵子が付けたばかりのブラを剥ぎ取る

「あぁ・・嫌・・」

「これで言ったとおりの姿になったなぁ
 まったく俺好みのシチュエーションだ、たまんねぇや
 それじゃそろそろ、第2ラウンドの開始といこうか、奥さん
 今度は、しっかりと意識して覚えてくれよ、俺様の怒張をな」

ブラウスに包まれた白い乳房を両手で鷲掴む


「やめてください、お願い」

女を四つん這いにし、パンティごとストッキングを膝まで引き下ろすと
乾ききらない女陰に、二本の指を差し込んでかき混ぜる


「おお、残っているな・・俺の子種が!」

「嫌、嫌、痛い!ねぇ・・・お願い」

「痛いか?奥さん・・
一郎さんよ・・あんたの奥さんが痛いとさ・・どうしようかな」

「お願い、お願いします・・・ねぇ」

「ああ、わかったよ、奥さん・・優しくして欲しいんだ
 なら、これでどうだ・・・うん、これでいいか?奥さん!」


蓬莱は女陰に挿入している指の動きを、まろやかに変化させる
もう片方の手が、ヒップから腰、そして乳房へと滑る
乳首を甚振ると、やわやわと揉みしだき始めた


「うーん・・あぁ、嫌・・・やめて!」

「どうだい?優しくなっただろ・・ええ・・もっと優しくか?」

蓬莱の舌が女の背を舐めだした
美恵子のバッグの中の携帯が鳴っている
この着信音は夫の一郎だ

「おい、携帯が鳴っているぞ!出ないのか?」


そんなことを言っておきながら
蓬莱は一段と、美恵子への責めを強める
美恵子を抱き起こすと背後から両手で、本格的に乳揉みを始め
項に舌を這わしていく


「ああぁぁ」

「しかたがない、俺が出てやる」

「やめて!」

美恵子は蓬莱に乳房を執拗に甚振られながらも、バッグの中の携帯を取り出した
電源を切ろうとするのを横取りして、蓬莱は会話ボタンを押す


「美恵子か?」

「・・・は、はい、あなた」

「突然ですまないが・・今夜、遅くなりそうなんだ」

「あなた・・遅くなるって?」

蓬莱は責めの手を暫し緩めて、二人の会話に耳立てながら
舌で美恵子の耳を擽り、指先で乳首を転がす


「ああ、そうだ
 急に仕事が入って
 たぶん12時頃には帰れると思う、だから食事はいらない」

「そうですか・・・あうっ」

「??・・どうかした?美恵子」

「いいえ・・・・・」


 蓬莱が再び乳揉みを強めた
 片方の手が乳房から腹部を撫で、女陰に近づいていく

「美恵子・・・だから今夜は先に休んでくれていいから」

「ええ・・・・・・うぅ」

「どうしたんだ?美恵子、少し変だぞ」

「いえ、大丈夫です、気にしないで・・・・それじゃ、あなた」

「ああ・・じゃ、切るよ」


 電話が切れるのを待つわけも無く、蓬莱の怒張が挿入を開始していた
今度は、細く白い女の背の脇を両手で擦り、バックから女陰を突き上げていたのだ
「旦那は優しく愛してくれるのか?」

「嫌、やめて、お願い」

「ここまできて止められるか
 奥さんのココ、ぴくぴくと俺のをくわえ込んでいるんだぞ!
 あんたは、正面よりバックの方が相性が良いようだな」


 蓬莱は、両手で乳房を揉みほぐし
 柳腰を捉えると、力強く怒張をこれでもかと打ち付けていく


「やめて、嫌なの・・こんな、こんな」

「嫌か?・・・でもなあ、そのうちに、これが好きで堪らなくなるんだよ
 なあ、もう諦めろよ、一度は終わっているんだから
 二度も三度も同じことだろう、奥さん」

「そんなこと・・・あぁ」

「あんたの旦那はなあ・・・今頃、知子としっぽりとお楽しみだ」

「えっ!!・・あう」

「おっ・・今、締めたな・・・いいぞ、逝きそうだ
 ああ、落ち着かねぇ・・もう一度、出してから詳しく教えてやるよ
 それにしても、あんたのココは凄くいい
 知子のものに優る持ち物だよ・・・・・・こりゃ楽しみだ
 じゃ出すぞ、しっかりと受け留めろよ・・・美恵子さんよ」

「いや、駄目・・・嫌、いやー」


  性獣の二度目の大放出が始る
  この男は射精が始ってもピストン運動を緩めたりしない
  夫以外の男を知らない初心な若妻
  その心と肢体にショックを与え、徹底的に打ちのめすのに
  今夜は、充分すぎる時間がある
  1. 2014/08/03(日) 03:02:48|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第9回

 ラブホテルの一室

  女が愛しい男の亀頭部分に舌を這わしている
  しなやかな指が竿を扱いている
  女が上目づかいに男の目を見つめている


  「あなた・・・美恵子にもしてもらってるの?」

  「いいや・・・美恵子は、恐らくこんなことはしないだろう」

  「そうなの?じゃ・・・これは私のものね」


  一郎の手が知子の乳房に延びていく
  指先で乳首を転がし摘みあげる、そして揉みしだく

  「知子・・・乳房が大きくなったようだな」

  「気がついてくれたの?
   でも大きくなったのはそこだけじゃない
   腰周りも少しね・・・あなたとこうして愛し合っているから」

  「そうか」

  「ねぇ、あなた・・・
   私、もう・・・・あなただけよ、セックスしているのはあなただけ」

  「ああ、わかってる」



一郎が家に帰ってきたのは午前1時
いつもはいくら遅くなると言っていても、美恵子は寝ないで出迎えてくれた
今夜はそれがない
夫婦の寝室のドアをあけると、微かに寝息が聞こえてくる


 「美恵子、ただいま・・・」

安らかに眠る愛妻の額に、一郎はキスをした
そして、いつものように汗を流しに寝室を出て行く
その後ろ姿を見送る美恵子の目から涙が溢れている
蓬莱は二度にわたる肉交の後
美恵子に怒張を舌で清めることまで強制したのだ


(私の願いは、一郎さんの側で共に生きていきたいだけ
 だから
 何よりも一郎さんの、一郎さんの心が私から離れるのが怖い

 蓬莱は言った
 あんたの夫は他人に穢された女を絶対許さないと
 汚されたことを夫に知られずに、子を宿してしまえと

 でも・・・・それは違う!それでは知子さんと同じに
 私は、私の愛しい人を信じたい
 一郎さんは、こんな目にあった私を救ってくれる筈
 運命の人なのだから・・・
 必ず、必ず、許してくれる・・そして、一郎さんはわかってくれる・・・・・)


美恵子の心は真か偽かそして、信か疑かの間で揺れ動く
翌日、一郎の自宅の電話が鳴る

「はい・・・山本ですが」

「ああ、奥さんかい?私だ、蓬莱だ
 今日から、早速だけど、夫が喜ぶ『性のテクニック』の訓練を始めようか」

「でも・・・そんなこと」

「何を迷っているんだい!そんな調子じゃ知子に旦那を取られてしまうぞ
 いいから来るんだ
 今日の3時、私の家
 昨日は、無理矢理の強姦セックスだったけれども
 今日は、奥さんが承知の上での妻の性修行だ
 優しく、男の扱い方を教えてやるよ
 わかったね・・・・・どうなんだい、ええ・・返事は?」

「私は・・・・・・・・」

「来るんだろ!・・そうでないと、旦那が悲しむことになるぞ」

「・・・・・・はい、行きます」

「そうこなくっちゃ
 ああ、今日はもう一人、私と同じ目にあった男の人が居てね
 その人に声をかけたら、その人も奥さんに協力したいとさ
 知子には酷い目にあわされた男二人で、奥さんに協力して
 知子をギャフンと言わせてやるんだ
 奥さんは、早くしっかりと覚えて、旦那に尽くせばいい
 じゃあな・・・待ってるぞ」

「・・・・・・ええ」

「ああ、それと・・マムシドリンクを1ダース頼むわ
 授業料を取らない代りに
今夜の夕食を作ってくれると有難いなぁ
それも、頼むわ・・・いいな、奥さん」

「・・・・・・はい」

「素直ないい奥さんだ
 しっかりと肢体を洗って、おめかしして来てくれや
 それで私たちもハッスルできる・・・・ははは、じゃ待ってる」


美恵子は震える手で受話器を握り締めていた
  1. 2014/08/03(日) 03:05:44|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 第10回

蓬莱の自宅には、この4月に校長に昇進した加藤が来ていた

加藤は資産家の娘の婿養子である
娼婦のように扱っていた知子が、一郎と離婚したにもかかわらず
自分との関係を清算すると言い出した
別れないなら、妻に言いつけると・・・・
それだけではない・・・清算するのに慰謝料を請求された
校長を目指す加藤にとっては、部下の人妻教師とのゴシップは致命傷になる
しぶしぶ従わざるを得なかった

そんなところに、この話だ
一度、エロの世界に入り込んだ
五十歳代の老教師はその魔力から抜け出すことができない
蓬莱の誘いに二つ返事で応じたのである


「加藤先生、校長へのご昇進おめでとうございます」

「何を白々しいことを・・・蓬莱先生」

「えっ?私はもう先生じゃありませんよ
・・あなたが首にしたんじゃないですか」

「いや、その折は申し訳なかった・・」

「いいんですよ、もう・・・私たちは、知子先生を介しての穴兄弟ですから」

「はははは・・・そうだったね」


二人のエロ男たちは気楽で愉快に笑った

「その知子先生の後に、旦那の妻となった美恵子奥様は
・・これがまた一段といい女でして
昨日、あの薬を使って私は試食したんですが
私の怒張を食い締めて離さない・・・それはもう名器、名器」

「あなたという人は、ほんとに悪い人だ」

「なにを・・校長先生の手管には、私なんぞ到底及びませんよ」

「ははは・・それで、その美恵子さんは大丈夫なんでしょうね?
 あの知子先生には、慰謝料を請求されましたから・・・・・」

「ええ・・男は旦那しか知らなかったようで
 初心で、大変ショックを受けていますが
 その方が、こちらにとっては思う壷になると言うことで」

「ははは・・・そりゃいい」

「それで、今日の嗜好は
美恵子奥様を真ん中にして、優しく、優しく時間をかけて
両サイドから二人で嬲るということで・・・・・」

「いきなり3P?大丈夫かい?」

「まあまあ、段取りは私に任せて
加藤兄さんが美恵子奥様に精を送り込まれたら
またまた、私たち穴兄弟の血が濃くなるというもの
奥様も三本目の怒張を味わえば、もう迷いはなくなると・・楽しみですわ」

「ほう・・深謀遠慮ですなぁ
そうそう・・兄貴としては可愛い弟に小遣いを渡さんといけませんなぁ」

「頼みましたよ・・・・お兄さん・・・・ははは」


美恵子が訪れる時刻が近づいていた
美恵子が訪れたチャイムが鳴る
蓬莱が出迎えに小走りに玄関に向かう


「いらっしゃい・・待ってたぞ、えっ!」

「そうかい・・」

一郎が蓬莱の顔面にパンチを放つ
陸上競技で鍛えた一郎のパンチは強烈だ
一撃で蓬莱の戦意は吹っ飛ぶ
一郎は続けて二発めのパンチを蓬莱に食らわせる

「蓬莱さんよ、最初は知子の夫、その次は美恵子の夫の怒りと思え」



「どうしたんだい・・・蓬莱君」

奥の部屋から加藤が出てきた

「あんたは加藤だな」

今度は一郎の回し蹴りが加藤の太腿にきまる

「うーん・・・・」


加藤はその場に倒れ込んだ

「話せばわかる・・暴力は止めたまえ、君・・・・あぁ痛い」

「痛いか?今の蹴りは知子の夫の怒りだ、思い知れ」


蓬莱の口からは血が流れている・・恐らく歯が折れたのだろう
蓬莱も加藤も公務員気質が染み付いている
口は達者だが力は無い
女には強いが男には弱い
弱い者には嵩にかかるが、強い者には畏まる
そうでなければ、ひねくれ者

お陽さん、西西
お金、こっちこっち
仕事あっちあっちの
女大好き、大好き
・・・・・・・・・今日でも、こんな人ばかりが目に付く


一郎の怒りの先制攻撃は終わった
「校長先生・・・話せば分かるんだったよな
 じゃ、あんたから話をしようか・・・・・・・」

「私に話?私は蓬莱君に呼ばれて来ただけだから、何にも未だ・・」


加藤は一郎に蹴られた左太腿を擦りながら、無関係を装う



「そうかなぁ・・・あんた、知子とは話しがついたのかい?」

「知子先生?・・・
 ええ、知子先生には何かと離婚問題で相談に乗ってあげて
 残念なことですが、結局は離婚されましたが
 私が転勤になって、その後はお会いしていないので・・・・・」

「知子との肉体関係の清算はしたのか?と聞いているんだよ」

「うぅ!肉体関係の清算?」

「そうだよ、親切面で接近しておき
 ここの奥の部屋で、当時の私の妻を強姦して、その後は学校でセクハラ三昧
 知子本人とはちゃんと清算したのかと聞いているんだ」

「強姦だなんて、とんでもない
 知子先生がそのようにあなたに言ったのかも知れないが
 あの時、私は蓬莱君から呼び出されてここに来てみたら
 知子先生が縛られたまま既に犯されていて・・警察に通報しようと言うと
 本人が、警察は嫌だと言って、女の園を私に見せつけて誘うものだから
 つい関係をもったというのが事実
 だから、強姦なんかじゃない
 それに、あなたの気に触るかもしれないが
 彼女は淫乱の気があって、服装も派手で学校でも男を誘う仕草をして
 私は、教頭の立場からいろいろ指導していただけだ」

「へぇー指導ね・・もう一度聞く、知子とは清算して別れたのか?」

「それなのに、彼女は私の妻に言いつけるなどと
 私を脅して、金銭を請求したんだ
 なんという悪い女なんだ
 ・・・・・・いや、失礼、失礼」

「それで、金を払って別れたんだな」

「なんで、私がお金を払わなければならないんだ
 本当に、まったく・・・・腹の立つ」

「校長先生、なんぼの金を払ったのか知らないが
 当時の私の妻を玩具にして抱いておいて、よくもそんなことが言えたもんだ
 知子とはその金で清算したとしても、夫の私とはまだ終わってないぞ」

「なにを言うんですか
 あなたは彼女と別れたいと、離婚の調停をされていたじゃないですか
 妻の不貞を理由にして離婚を要求していたあなたが
 その妻の夫の権利を振りかざして私を責めるんですか
 それは、あまりにも厚かましい、ヤクザのような人だ、あなたは」

「私は知子の夫の権利をどうこうしようと言ってるんじゃない
 ただ、あなたと知子について調べた報告書がある
 これを、あなたの奥さんに届けるだけだ
 その前に、元妻の知子と縁が切れたのか確認しただけだ」


一郎はカバンの中から分厚い封筒を加藤に見せつけた

「ま、待ってくれ・・・それを、私の妻に送る?
 そ、そんなことしないで譲ってくれ・・いくらだ?」

「あほらしい・・・早く家に帰って、いい訳を考えたほうがいいぞ」

 一歩も譲る気配の無い一郎
 加藤は肩を落とし縮こまり、部屋の隅で動く気配が無くなった
 前哨戦での完全勝利に勢いづく一郎は
 いよいよ、蓬莱へと矛先を向けた
一郎は、蓬莱を睨みつけた

「さて、次は蓬莱さんか
 あんたとは知子との離婚届を出す時に、電話で話した時以来だなぁ」

「ああ、随分と変わったものだ・・・一郎さんよ
 あの時とは、言葉遣いまで変わってしまって
 俺はなぁ
 失うものはもう何もない、ええ、どうしたいんだい俺を」

蓬莱は口から流れる血を拭きながら、平気な顔で一郎を睨み返す



「あんたは知子だけではなく、美恵子まで玩具にしやがって!!」

「まぁ、落ち着けや・・
 確かに、知子を強姦したよ
 だがなぁ、アノ状況じゃ男なら誰だって姦ってるさ
 混浴風呂で二人の学生に逝かされて、股を開いてのびていたんだぜ・・知子はよ」


 蓬莱は加藤より、しぶとさが数段上だ
 既に離婚し、家庭も無い、教師としての職も失い、地位も無い
 蓬莱が続ける

「知子はいい女だ
 この俺が逆上せ上がって狂ってしまうほどのなぁ
 お陰で妻にばれて、まずは家庭を失った
 俺は家庭と引き換えにしても後悔はしていない
 知子にはそれほどの魅力があった
 俺は夢中で追い回して関係を続けたんだ
 仕込んでやったよ、いろいろとな・・・もう二人の世界ができたと思った
 『不倫の関係』
 それでもいい、知子を抱けるのならと思ってた
 それがどうだい
 あんたの差し金で、セクハラ教師として懲戒免職だ
 これじゃ、あまりにも酷いじゃないか!」

「当たり前だろ!!
 人の妻に狂い
 人の妻を好きなように玩具にしたんだから、当然の罰だ」

「へぇーそうかい?
 知子も楽しんでいた、感じていた
 女の喜びを身につけて行った・・
 俺が教えたテクニックであんたにも尽くした筈だ、知子はよ
 どうして、俺だけ罰を受けるんだい、知子やあんたには罪はないのか?」

「知子と私の罪?」



 蓬莱は悠然と構えている
 女を良く知る性獣が、若造に簡単に言い負かされる訳がない
「そうだよ・・知子の罪
 それは、俺に犯された被害者だと自分に言い訳して
 俺とのセックスを楽しんでいたんだ
 俺という男の人格を受け入れてのセックスではなく、
 セックスマシンとしての男としてなぁ
 知子は、俺と二人きりになると甘えてきて
 ・・・わかるだろ?その雰囲気
 だから、とうとう知子が俺を受け入れたと安心してその気になっていった
 倫理の道は外れていても、情が通い合い、女を信じて疑わなかった
 そんな女がいきなり俺を裏切った・・その時の男の気持ち
 分からないだろう・・・・・あんたのような青二才には」

「青二才?」

 一郎の表情が怒りに満ちる
 悪人が腹を括って居直っていると思った


「はっきり教えてやろう
 知子がなぜ俺との関係を続けたと思う?
 それは、あんたが知子をかまってやらなかったからだ
 仕事、仕事・・・形ばかりの夫婦の契り
 女って、それだけしてれば不満が無いと思っていたか?
 それで円満な夫婦?幸せな家庭?
 何か欠けているだろう・・・・・一郎さんよ
 知子が俺と関係を続けた最大の理由は
 あんたに満足していなかったからなんだよ!
 知子をあんな女にした原因は、あんたにあるんだ」


「盗人が説教かい!」

「ふん
 そんな知子が俺を嵌めた・・そこに居る加藤校長を使ってさぁ
 素直に、あんたの言いつけどおりに?
 違うなぁ!
 知子は美恵子、そう、今のあんたの奥さんの存在に怯えていたんだ
 それで、あんたに従わざるを得なかった、妻の座を守ろうとしてなぁ
 当たっているだろうが!
 知子が心配したとおり、現に美恵子があんたの妻に納まっている
 いったい、誰が得をし、誰が損をしたんだ・・ええ、一郎さんよ」


「まったく話しにならない
 自分の卑劣な行為を棚にあげて、私は損をした、お前は得をしただと?
 そんな考え方しかできないから、真っ当な人生が送れないんだ」


 一郎も精一杯の反論をする
 だが、蓬莱の放つ言葉の矢が胸に突き刺さってくる
 このままでは、蓬莱に押し捲られてしまいそうだ
一郎は切り札を出す


「蓬莱さんよ
 あんた、今度は美恵子に手を出したな、犯しておいて、関係継続の脅迫かい?
 知子の時と同じ手口じゃないか
 それに、エロ校長まで引き込んで、さあ、警察に行こうじゃないか」

「警察へ?」

「そうだよ、今朝のあんたからの電話ちゃんと録音していたんだ・・・証拠のためにね」



 一郎は中央突破、蓬莱を叩きのめす戦闘を開始する
 だが、蓬莱はそれでも怯んだりしない

「へぇー
 それで脅かしているつもりか・・・大企業のエリート管理職さん
 効かねぇなぁ、そんな玉は」

「うん?」

「今日、あんたがここに来たということからして
 奥さんから聞いて、もう知ってると思うが
 奥さんへの強制猥褻行為は知子に頼まれてのことで、俺は主犯じゃないぞ
 ひょっとして、まさかあんたが知子に・・・・・
 それは無いとしても、あんたは今、俺に暴力を振るったんだぞ」


 蓬莱の顔に余裕の表情が浮かんできた



「あんたは、美恵子という新妻を娶り
 知子という前妻と関係を続けるという大した男だ
 警察へ行っても無傷になるように手は考えているのだろうが
 大丈夫か・・・・あんたの将来は?本当に?」


 一郎の顔に苛立ちの痙攣が走る
 蓬莱はここぞとばかりに嵩にかかる


「ふん、困ったようだなぁ・・・一郎さんよ
 そもそも、あんた・・・妻のことを何と思っているんだい?
 俺は今度もあんたの奥さんの肢体で遊ばせて貰った
 膣奥へ2発、喉へ1発、本当に絶品のいい締まりだったよ!はぁ
 これで、美恵子奥さんも傷ものだ
 今度も、品物のように、新しいのに取り替えるのかい!ええ!!」

「よくも、そんなことを・・」

「今度は取り替えるいい品物が無いか?
 まだ気が付かないようだなぁ
 知子のことから今度のことまで、種を撒いたのはあんた自身なんだよ
 世間には、あんたのような夫が沢山いるが
 ほかの夫婦と違っていたのは
 あんたの奥さんが、飛び抜けていい女だったのさ
 未開発で欲求不満のふらふらしている、そんないい女を
 俺や其処の校長が放っておけなかったということだ」

「この野郎!」


「この野郎?・・だけか?はぁーん
 でも、いいなぁ・・・あんたは
 俺は、離婚し職を失い、其処の校長は金銭を失い
 知子は妻の座を失った
 そして、あんたの新しい愛妻も巻き添えをくった
 あんたはどうなんだい?
 俺を殴り、校長を蹴飛ばし・・・・いい気なもんだ
 そんなあんたが、今の愛妻を幸せにできるのか?
 俺から言わせれば
 俺や、其処の校長は相応の罰は既に受けている・・・あとは
 あんたが知子や美恵子さんに土下座して謝るべきで
 人を責める資格など、あんたには絶対に無い!!」


 一郎は蓬莱の言葉のツッパリの前で完全に立ち往生だ
 自分の考えこそ正義、自分の行動こそ聖戦と信じていた礎に亀裂が入る



 そして、一郎に蓬莱がとどめを刺す

「惚れた女が俺を嵌めた
 俺はなぁ・・・その時、知子が言ったことを全てそのまま認めたよ
 教育委員会で聴聞されたときも、反論一つしなかったよ
 これが、俺の惚れた女への誠意よ・・・知子には意が届かなかったがな
 ここが、女の愛し方でのあんたと俺との根本的な違いだ
 あんたは妻を品物のように扱い、心底から愛していない
 それが、あんたの罪で・・・それがこの愛欲の状況を作り出したんだよ

 なぁ、一郎さんよ
 俺は、知子への愛情の深さではあんたには決して負けない
 あんたは、もっと女を、あんたの妻を信じて愛してやったらどうなんだい
 少しの気の迷いや過ちぐらい、受けて流せれる夫にはなれないのかい?
 二人のいい女から愛されて・・・・・幸せな男なんだから、あんたは」


 もう、これ以上聞きたくない・・・・

 知子への愛情の深さが蓬莱に負けていた?
 妻の気の迷いや、過ちを受けて流せれる夫?
 ああぁぁぁ・・・もう、自分が惨めになる
暫くして・・・一郎が重い口を開く


「蓬莱さんよ・・あんたの言いたいことはそれだけか?」

「ほおぉぉ・・・まだ生きていたか」

「あんた・・・・大きな勘違いをしている」

「勘違い?」

「そうだ
 あんたは単に、私の妻の知子をものにしたかっただけだ!
 私以上に知子を愛していた?
 自分に妻がいるのに、人の妻をその夫以上に愛していた?
 夫の私からすれば、『大きなお世話だ、放っておいてくれ』なんだよ
 あんたは私の妻の肢体を狙うストーカー、暴漢魔でしかない
 あんたの頭の中にあったのは、目の前の美味しそうな女の美肉だけで
 その女性の夫や子どものことなど何も考えていない
 単に美肉を見たら姦りたいだけの、オスの獣でしかない
 その獣が偶然に美肉にありつき、その肉を貪っただけなんだよ
 いくら女の嘘をそのまま受入れ、寛容な男をぶってみても
 あんたが行った不道徳極まりない卑劣な犯罪行為は
 誰が考えても、正当化など決してできるものではないし、許されない
 あんたが言っていることは・・・あんたの勝手な独り善がりだ」

「ふん・・」


「それにもう一つ
 私は決して信じていないから見せて欲しい
 『あんたに美恵子を犯せ』と知子が依頼した証拠を」

「はあぁー・・そんなものある筈が」

「そうだろう!知子がそんなこと頼む筈が無い」

「ちぇっ!」

「蓬莱さんよ、そろそろ行こうか、警察へ
 その方があんたの罪が軽くなる・・・・・・・」


一郎の夫としての戦いは終わった・・・・・
  1. 2014/08/03(日) 03:12:18|
  2. こころ清き人・道明
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続こころ清き人 最終回

知子と美恵子に謝れか
それに、妻を信じて愛してやれと・・・・・一郎はおのれ自身を見つめていた

(あの男・・よくも言った、抜け抜けと
・・しかし、あの男には今の私に無いものが・・・)


一郎は警察を出て帰路についていた
既に、この男から怒りは消え、天性の素直さが蘇っている

ああ、美恵子にどんな顔を見せるんだ、私は?
美恵子に何と話せばいいんだ、私は?

昨夜、シャワーで汗を流し寝室に戻ると
美恵子が泣きながら一日の出来事を告白した
驚き、怒りが先行して
一言も美恵子に労わりや慰めの言葉を掛けられなかった


ああ、情けない!!・・・なんという夫だ、私は!
あれほど幸せにすると決めた愛しい女、美恵子に!

それに、同情と哀れみからとは言え、知子と関係を続けた
これは、弁解ができない妻への裏切り行為だ



一郎の目が涙で光っていた



一郎が玄関のチャイムを押す
ドアが開き美恵子が迎える

「お帰りなさい・・・・あなた」

「ああ、今帰ったよ・・美恵子」




その場で、一郎は美恵子を力一杯抱きしめる

「ご免よ、美恵子・・・君を裏切って苦しめてしまった」

「あなた・・・」

「許して欲しい、美恵子・・許して欲しい、頼む、美恵子
 もう二度と君を裏切ったりしない・・隠し事はしない・・」

「あなた・・・」

「こんな鈍感な私で、いいのか・・美恵子、こんな不誠実で身勝手な私でも」


「一郎さん・・今はっきりと分かった
 あなたは、やはり私の運命の人だと・・・・・」

「ああ、美恵子・・・必ず、必ず私は君を幸せにする」

「あなた」


「・・美恵子、君にこんな酷いことをした知子も許してやってほしい
 知子をあんな女にしたのは、私なんだ・・・・・」
    
「あなた・・それでこそ、私のあなた
 知子さんは、私たちの可愛い娘たちの母
 私が憎んだりしたら、娘たちが悲しむわ・・・」

「美恵子・・離さない、ずっと側に居てくれ、美恵子」



それから五十年の歳月が流れた
河川敷公園のテニスコートで若い男女がラリーをしている
その様子を木陰のベンチから眺める老夫婦


「あなた、孫娘にいい人ができて、今年結婚するって連絡がありましたよ」

「そう、いい人が・・・」

「はい、それと知子さんの『米寿のお祝い』行かれますね?」

「うん・・美恵子と一緒にな・・君が立派に育てた娘たちが待ってる」

「ええ・・・・・あなた」


  爽やかな風が吹き、老婦人の白い髪がそよぐ

   老夫婦は互いに寄り添い、若者のプレーを眺めている

    そして、この五十年の間に、何度もしたように

       老婦人の手が、愛しく夫の髪を撫でた


                  完
  1. 2014/08/03(日) 03:14:33|
  2. こころ清き人・道明
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保健師先生 第1回

F市役所の本庁の会議室に、新年度の校長会の初会合が開催されていた。
その中に、この度55歳でA小学校校長に昇格した舟木は円卓のテーブルの席で静かに書類に目をとおしていた。
 F市は昨年秋以来の小学校女児への犯罪の増加に苦慮し、校門の電子ロックの設置を初めとして、各小学校単位に防犯パトロールを地域の団体の協力を得て実施するなど、積極的に取り組んでいた。しかしながら、街頭犯罪は微減の傾向を示しはじめてはいるものの、凶悪犯罪が顕在化してきていた。
そこで、教職員の強化をするため4小学校をモデル校に設定し、今回新たに「校内の見守り」と「児童のこころのケア」を目的として、保健師を4名配属したのだった。
 この会合はそのメンバーの顔合わせでもあった。
 「失礼します」
4名の保健師がそれぞれの小学校長の隣の席に着いた。
 舟木の周りに香水の香りが漂った。舟木は隣に座った保健師に「よろしく」と会釈をした。
彼女は伊藤雅子といい健康増進課からの異動で、健康増進課長と高校で同期の舟木は、事前にどの様な女性で、その勤務状況について聞かされていたのだが、当の本人と顔を会わすのは初めてであった。
雅子は何も言わず会釈を交わした。
 舟木は、少し病的なイメージを受けたが、それよりも色白でワンピースを見事に着こなしたスレンダーな美人で、市役所の女性事務員の雰囲気は無く、33年間小学校勤務の舟木には新鮮に思えた。
  1. 2014/10/10(金) 02:10:13|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第2回

雅子の夫の卓朗は、土木技師で現場への1ヶ月単位の出張が多く、両親や子どものことは妻の雅子に任せっきりにしていた。雅子には二人の姉がいるが二人とも嫁ぎ先をまかされていて、雅子の両親は病弱のため夫の両親と両方の世話や話し相手にもなり、疲れから神経症気味になっていた。
 もともと、市の保健師の組織は各所属の所属長の命令・指示によって職務を遂行するのではなく、保健師の最長老の女性管理職の命令に従って行動していた。雅子はその上司とうまが合わず何かと意見の対立があり、そのため今回の異動で教育委員会への異動となったと思っていた。
 「あなた、これで、やっと私の考え方で仕事ができるわ」
 「おい、あまり無理をするなよ。おまえは、一度胃を悪くしたんだからな」
 卓朗は、妻の身を案じていた。熱心に仕事に打ち込むのは良いことだけれども、何といっても女性の身。限界があるものだ。妻のひたむきに取り組んでしまう性格を心配していた。
 小学校の体制は、校長は地域の代表者との調整など所謂、外交分野を受け持ち、教職員への対応は教頭が行うのが一般的であった。
 A小学校の教頭の堀部は校長の舟木より5つ年上で、本年度末で退職となる。本来ならば校長になるはずであったが、素行が問われとうとう教頭の職で定年を迎えることとなっていた。
  1. 2014/10/10(金) 02:11:10|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第3回

 新年度の初校長会の後、校長の舟木と雅子は学校へ向かった。

 「校長先生、お帰りなさい」
 堀部は、そう言うと舟木の隣にいる雅子の全身を舐めるように下から上に目を走らせた。

 「まぁ、すばらしい・・」
 「いや、なんせ、ここの女性教師ときたら、おばちゃんばかりで保健師先生のこのような美人先生を見たのはここ数年無かったものですから。体育祭ではジャージを着ているんですが、何しろお腹がでている女ばかりですから」と続けた。

 校長の舟木は、教頭の話にムッとしたものの、あらためて雅子の方に目を向けた。緑色を基調としたワンピースをサラッと着こなし、パンプスからみえる足首は締まり、柔らかそうで形の良いふくらはぎが目に入ってきた。
教頭の言うように
(いい女だ、確か歳は33歳か、ああ、いかんいかん、教頭のやつ、噂どうりだな)

「保健師先生はスタイルがよろしいですな。胸の方はあまりないようですが、抱きしめると折れそうなところがなんとも。それにお顔のほうも・・」

「教頭先生」

「ちょっと待ってください。保健師先生ではなく、こちらは伊藤雅子さんです。児童のこころのケアをしていただく保健師さんですが。児童には先生でよいでしょう。いかがですか。伊藤さん」

 雅子は気性の強さから教頭を睨みつけていたが、舟木の言葉に
「校長先生がそれでよければ」と答えた。

 雅子は思った。それにしても、なんという教頭か。初対面の女性に対して全くのセクハラではないか。校長は黙認するのだろうか。

 舟木は続けた
「それと教頭先生、今、伊藤先生に言われたことは、完全にセクシャルハラスメントになりますよ。今回は大目に見ますが、セクハラ教師として処分され、退職金没収とならないように注意された方がよいのではないでしょうか」

「校長先生、悪気があって言ったのではありません。本当にすばらしいカラダ・・」

「もう、やめてください。伊藤先生、職員室に先生方が待っています。ご紹介しましょう。」
  1. 2014/10/10(金) 02:30:13|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第4回

 舟木は校長室の窓からイライラとした気持ちを抑えるかのように、雨が降りだした校庭をじっと眺めていた。金曜日の夕方であった。
(もう6月か。あれ、また教頭のやつ事務の先生に送ってもらっているのか)

 4月の新1年生の入学式も終え、教職員紹介を教頭が一人一人名前を読み上げていたとき、若い母親が目立つ保護者ではあったが、関心が伊藤先生に集まっていた。子どもたちの「こころのケア」を受け持つ先生ということもあったが、それよりも清楚な美人の女性がスッと背筋を伸ばして一礼する姿は、同性の目からもやはり絵になっていた。

 舟木のイライラの原因は、あの初対面以来、教頭の雅子への「べたほめ攻撃」がつづいていること。そして、何故か雅子がその猥談に付き合っていること。事務の女性もいる部屋で大声で話している。長い時で60分は超えてしまう。時には二人だけでこそこそと話し込んでいる時もある。
(なんとかしなくては。そうだ、本庁の保健師の管理職に相談してみよう)

 舟木は歓迎会の時のことを思い出していた。会が中締めとなり舟木は一番先に席を立った。それに他の職員が続いた。最後に雅子が靴をさがして履こうとしたその瞬間。舟木の目に焼きついた光景。あの日と同じ緑色基調のワンピースから伸びるしなやかな白い2本の足に見とれていた。
「あっ」
ダークストッキングにつつまれた両足が開き、パンストのダークの中に浮かぶ三角の白い布。この時のスローな映像が舟木の頭に焼きついて離れない。
(馬鹿な、俺は何を考えているんだ。しかし何故イライラしているんだ俺は)

 その時、雅子の声がした。

「校長先生いらっしゃいますか。少しお話があるのですが」
「どうぞ」
「実は、本庁の管理職からこの度の新事業の啓発を、市のホームページにアップするよう指示されているのですが。私が作成して校長先生の許可を得るところまできています。内容を見ていただけますか」
「そうですか。わかりました」
舟木は今まで心の中で思っていたことを忘れたかのようににこやかに雅子を見つめていた。

「伊藤先生、もう2カ月が過ぎましたね。仕事には慣れましたか」
「ああそうだ、先ほど教頭先生が事務の先生に送ってもらっていましたが。よく駅まで送ってもらっているようですね」

 雅子は舟木の目をじっと見て、舟木が知らなかったことを話し出した。
「えっ。そうなんですか。それは誤解を生む・・」
舟木は顔をしかめたが、雅子は舟木の様子をじっと見ていた。
  1. 2014/10/10(金) 02:31:44|
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保健師先生 第5回

雅子の話はこうだった。

 教頭は市外から小学校へ電車で通勤している。週に何回か、そして金曜日は必ず事務の先生の車で学校を出る。その日は食事を共にし、時にはお酒を飲みにいくという。教頭と事務の先生は60歳と35歳で共に所帯持ちで子どもはいない。事実関係は分らないが他の先生方もよくご存知であると。
 雅子は、教頭先生の猥談には辟易しているが、上司でもあり機嫌を損なうことが心配で話を併せていた。先日も他の小学校へ配属された若い保健師先生が来ていて、情報交換していたが、そこへ教頭先生が割り込んで入ってこられ、1時間近く女性談義をしていた。私は、気を利かして「帰らないでいいのですか」と若い先生に言ったのですが、その先生も教頭先生の話しに乗ってしまっていて、結局2時間近く猥談をしてしまいました。何とか校長先生から注意してください。

 舟木は、雅子がいやいや付き合っていたと思い。自分の中で描いていた清楚な美人が猥談好きのうわべ美人でないと思い、ほっとした。一方であの教頭に説教をするのかと憂鬱になっていた。さらには、事務の先生との女と男の関係など自分の妻以外知らない舟木にとっては頭が痛かった。

 舟木は言った
 「わかりました。しかし職務時間中に1時間を越えて猥談に付き合っているというのは、伊藤先生らしくありませんね。仕事はメリハリをつけて集中して行うもの。話の途中であっても仕事上の会話ではなく、あくまで雑談ですから長くても15分程度の休息とすべきです」
 「おっしゃることはよく分ります」
 「教育委員会が取り組んでいる新事業ですし、あなたはそのリーダーだ。ケジメをもって対応してください。」

 雅子は舟木が教頭と事務の先生のことより、自分と教頭との長話を気にしていると直感した。雅子の目はすずしく舟木を見つめていた。

 雅子は初の校長会の席で初めて舟木に対面して、保健師同士の人間関係にうんざりしていた雅子だが、舟木から漂うオーラのようなものから「何か今度はやれそう」と感じていた。
舟木の評判は市内の学校でも切れ者で、地域からの評判もよく、なによりも清潔感と凛とした態度で保護者に接し、子ども好きで児童からもしたわれていた。女性との噂話もなく好感のもてる最高の上司を得たと雅子は思った。ただ物足りないものが・・・それが
  1. 2014/10/10(金) 02:32:53|
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保健師先生 第6回

 5月末で片付く予定であった夫卓朗の九州での仕事は工事が遅れ、6月中旬までかかりそうだ。との連絡が雅子に入っていた。

「あなた、私、新しい職場でセクハラ教頭の相手をしながら、児童のケアをしているのよ。私のケアは誰がしてくれるの」

「すまない。でもこれが終われば当分は家から通える予定だし。十分借りは返せるよ」

「でも、あのセクハラ教頭は私のことを、人前でそれはそれは持ち上げてくれるし、足がきれいだとか、抱き心地がよさそうだとか、耳元でささやくし、この前なんか学校に来るのに一駅乗り過ごしてしまって私に迎えに来てくれとメールをして来るの」

「おまえ、アドレスを教えたのか」

「だって、いままで誰とでもメールで連絡をし合っていたでしょ。だからつい」
「それでどうしたんだ」

「もちろん断りました。休暇届けを出しますねって、ただ、このこと当の教頭がみんなの前でしゃべるものだから、校長がね」

「校長がどうかしたか」

「うん、あれから私の顔をみなくなった気がするの。あいさつをしても目を合わせないし、いつもイライラしている感じて゛」

「おまえ、校長が気になるのか」

「うん、歳ははなれているんだけど・・・」

「おいおい、あぶないなぁ。お前は一児の母であり俺の妻だ。俺の両親との同居を、俺がお前の両親に頼み込んでおいてよかったよ。お前は見かけ以上に男好きだからなぁ」

「よく言うわね。でもこれ以上放って置くと怖いわよ。私の身体、男無しでは我慢できない時があるの。ストレスも一杯だしね。お酒が入ると少し足が緩んだりしてね。ふふ」

 夫の卓朗は無理をしてでも一度帰ろうかとも思ったが。結局は大雨で工事がさらに遅れ、帰宅するのは学校が夏休みに入り、7月末になるのである。
  1. 2014/10/10(金) 02:33:50|
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保健師先生 第7回

 舟木は相変わらず悩んでいた。どうしようもなくイライラが続いている。いや、本当はその原因に気づいていたが、認めることがどうしてもできないでいた。

 舟木には、30年連れ添った愛妻と、二人の娘がいる。家庭円満で、娘は二人とも就職し、家から職場に通っている。今の妻に一目ぼれをし、求婚。今日まで、遊ぶことなく妻一筋の人生を送ってきた。そろそろ第2の人生の設計を妻とあれこれと計画に入ったところであった。一点の曇りも無く、充実していたのだ。この4月までは。

 そう、イライラの原因は雅子である。教頭の「べたほめ」が切欠だったのかもしれない。
自分の娘と5歳しか違わない、でも何とも色っぽい女の匂い、ああ、あの香水。あの女を抱いてみたい。自分のものにしたい。55歳の分別ある男の理性は崩壊し、メスを求めるオスが暴れだしていた。
  1. 2014/10/10(金) 02:35:16|
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保健師先生 第8回

 1学期の終業式の日、児童を一斉下校で送りだした後、舟木は校長室に雅子を呼んだ。

「伊藤先生、実はひとつお願いがあるのですが」
「おっしゃてください」

 今日の舟木の終業式のあいさつには、あの教頭も、全教職員も傾聴した。それは、相変わらず続発する小学校女児への露出、痴漢行為に地域と連体し、また警察ともタッグを組み、これから始まる夏休み中の安全確保に向けての、学校側の強い決意表明をしたのである。地元新聞記者も取材に訪れ、4月より配属された保健師の活動を中心とした今後の取り組み方法を説明したのだった。雅子も真の教育者の姿を見る思いであった。

「実は本校の児童で、登校拒否の3年の男の子がいます。5月の連休から出席していません。両親が離婚をし、父親が親権をもって生活しているのですが、交通事故が原因で働くことができずにぶらぶらするものだから、子どもに影響しているのかと」
「これから、その家庭に出向き、私が直接父親と話をしようと思っています。伊藤先生には、その男の子のこころのケアをお願いしたいのですが。」

 雅子は即座に
「ご一緒させてください」と答えていた。
時刻はもう午後7時。
新聞社の取材などで夏とはいえ薄暗くなりかけていた。しかし、今日の舟木のあいさつに感じ入っていた雅子は、
「校長先生、3年の男の子といえば私の息子と同い年です。少しでも助けてあげたい」と。
  1. 2014/10/10(金) 02:36:19|
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保健師先生 第9回

不登校の子どもの家は、学校から歩いて5分の分譲マンションの5階にある。
二人は徒歩で校門を出て行こうとしていた。

舟木から、不登校家庭を訪問することを聞かされていた。堀部がこの時間まで学校に残ることはめったにない。いつも、点付けなどで残っている先生に
「みなさんは、帰宅拒否症なんですかね」などと言い放って、一番に帰宅するのが通常であった。
堀部は自分より5歳も若い校長が異動してくると判ったとき、それが舟木であると聴かされて、ウンザリしていた。堀部も舟木の評判は知っている。まるで今の自分とは正反対の真面目人間である。後1年というこの年に、市教委もいやみなことをすると思ったものだ。
しかし、この4ヶ月、舟木の下にいるだけで何やら自分が教職を目指した、あの若い頃の自分を舟木にダブらせていた。
(俺は、いつからこのようになってしまったのか)
堀部が教頭に昇格したのは46歳、教頭昇格は舟木よりもずっと速かった。教頭になりPTAの世話を積極的にやり始めたのが災いとなった。PTA活動に夢中になり、役員の女性に惚れてしまったのである。丁度、この度配属された雅子のような女性。教頭の立場を失いそうになったが何とか現在にいたっている。
(俺は、あれ以来本来の自分を取り戻せていない)
世間のやつらは真面目教師に魔がさしたと、笑い話のネタにした。しかし、俺は後悔などしていない。俺は他人の妻に恋をしたのだ。純粋に。

堀部は、この頃気になることがあった。当初、自分が雅子に猥談をしていると舟木は事務的に対応してきた。しかし最近は明らかに軽蔑しているかのように無視してくる。いや、無視を装っている。猥談中に舟木が入ってくると、雅子は必ず舟木を意識する。昼食時でもたまに舟木が同席すると雅子の雰囲気は妙に変化する。自分の感では、雅子は舟木にオトコを意識している。舟木は・・・
(俺は、軽いジャブを出し、女もそれを軽くかわしているだけだが、舟木は・・・)

その二人の後ろ姿を、堀部は職員室から見つめていた。
  1. 2014/10/10(金) 02:37:38|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第10回

 防犯灯がともる校庭、深とした校舎の校長室の照明が消えた。5分が経っても人は玄関から出てこない。
 スーと校長室の窓が開き、真夏だが涼しげな風が走り、月光が部屋を灯した。

女は、下にいる男の胸に手を当て、目を閉じ、唇をかみ締めながらゆるやかに腰を前後させている。

男は、乳房の先端を人指し指と中指で愛撫しながら、女のくびれた腰から胸のラインを見上げ、乳首、首、唇、・・・と満足げに見つめている。

5分、10分・・・

男の手は、リズミカルに動く女の腰から尻を撫でさする。
女はその手を掴み、再び乳房への愛撫に導く。


再び、夜風が部屋を走り、カーテンが揺れ月光が差し込んだ。


女は、口を大きく開け、男をむさぼるように腰のリズムはピッチを増し、あごは上下運動を繰り返している。

女は、手で男の顔を両手で挟み、目はじっと男の目の奥を見つめている。

「ああ、うっ」

女の動きは緩やかになり、男の唇、あご、首筋にキスをすると、目を瞑った。


女は、これでいいと思い。男は、これまでの人生と全く異なる世界に入った。


女が男に背を向けて立っている。
背中にかかる長い髪、豊かな臀部、太腿から足首までの見事な曲線。
女が向きを変え、男の目を見ている。
唇をかみ締め、じっと見つめている。

男も女の目を見つめる。
男は、目をしなやかな足先から上へゆっくりと見つめなおす。
大腿には、大量の男の精が流れていた。
月光が、女の髪と茂みの黒、流麗な肢体の白に彩を添えた。


校長室の窓近くの銀杏が夜風に揺れた。その幹に隠れながら、中の様子をうかがう一人の男がいた。

その男の目にも映る、月光に照らされ物憂げに立つビーナスの茂みから流れる愛液
小ぶりだが形の良い乳房、三角錐のてっぺんの乳首の色・・あぁ、男は唾を飲み込んだ。

男は、再びビーナスの全身に目を移した。おや、あんなところに・・
男の口元が緩む。ふっ・・男は立ち去っていった。
  1. 2014/10/10(金) 02:39:24|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第11回

学校は、夏休みに入った。子どもは夏休みだが、教職員は有給休暇以外は出勤となる。

夏休み初日の朝、舟木は校長室の自分の席で新聞に目を通していた。新聞の文字が消え、昨夜の女体が浮かんでくる。いく時の女の顔が文字を覆う・・

「おはようございます」

雅子が入ってきた。今日の雅子は、ノースリーブの白のワンピースにしゃれたベルト。素足のパンプス、しなやかな長い腕、それに続く細い指先まで服の白色と、肌の白色が溶け合い光輝いて写った。

「ああ、おはよう。昨夜はお疲れ様でした。父親も納得したようですから、児童のケアを宜しくお願いします。報告もありますから、教頭先生を呼んでください。」

「はい。わかりました。校長先生はお疲れではないようですね。なにか充実感が伝わってくるようで」
雅子は、舟木の目を見てニコッと笑った。
舟木の目には、出て行く雅子の後ろ姿から、衣服が消えた。

「校長先生、お呼びですか」
「教頭先生に昨日の報告をと思いまして」
「いえいえ、校長先生自ら率先して不登校児童の家庭訪問。十分うまくいったものと思っております。先ほど、伊藤先生のはつらつとした態度からも伺うこともないと思います」

堀部は俯いて、一度目を閉じ強く自分のつま先を見つめ、そして顔をあげた。

「校長先生、実はあつかましいお願いですが・・・」
「なんでしょう。言ってみてください。」

「私も、本年度で退職。ご存知かと思いますが。例の一件から妻とも別居状態が続いております。もう10年以上になりますが、私の退職金を当てにして、離婚は私が退職するまでは・・・。いや、こんな話ではなく、休暇を兼ねて教育現場の視察をしてみたいと。」

「ええ、どちらの方へ・・」

「岡山県に木造のユニークな小学校が新築され、地域の人たちとの交流や学校開放に取り組んでいるところがあると聞いています。思い立ったが吉日と、明日から1週間休暇をいただき、湯郷温泉など巡りながら教員人生の締めくくりをと思いまして」

「いいでしょう。先生のあの不祥事以来、委員会でも教師の不倫話の噂が飛び交っていました。お気の毒でした。私は、あなたの大学の後輩でもあり何とか立ち直って戴きたかった。お力にもなれませんでした。でも、最後の年になって、再び教育現場の視察とはどの様な意識の変化があったのでしょう。いやいや結構なことです。しっかり見てきてください。それに第2の人生計画も考えられるといい。」

堀部は校長室から出てくると、ニャッと含み笑いをした。後は女か。
雅子のいる事務の先生の部屋へ急いだ。
  1. 2014/10/10(金) 02:48:05|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第12回

  堀部は雅子と一緒にいる事務の先生を呼び出し、本庁の教育委員会への用事を言いつけた。これで、暫くは二人きりだ。堀部は手をポンとたたいた。

  雅子は机に向かい、昨日のケア記録をワープロに書き込みをしていた。
  その後ろ姿に見惚れていた堀部は、雅子に近づくと耳元で囁いた。

  「昨日の夜はすごかったね。いい目の保養になりましたよ。このカマトトが」

  雅子のキーボードをたたく手が凍りついた。パソコン画面に光の反射で自分の耳元で囁く鬼の顔が映っていた。その鬼の目は雅子の大きく見開いた目の動きを見透かしていた。

再び、堀部は囁いた。

  「なにを証拠に、勝手なことをか。これは今までのお前との猥談ではないぞ。
   言ってやろうか。お前の一番感じるところを。いや、お前だけにある体の特徴を」

雅子は、完全に凍りついた。
  1. 2014/10/10(金) 02:48:59|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第13回

鬼の鼻が女の髪に触れた。髪の匂いを嗅ぎながら、鬼の手はノースリーブの肩先からしなやかに伸びる女の上肢を撫でさすった。

「お前のからだからは、男を誘う淫乱な匂いでいっぱいだ。ほら、もう乳首がたっているぞ。ほらほら」

鬼は、既にワンピースの上着部分のボタンを全て外し、純白のブラジーの中に手を差し込み、乳首を指で転がしている。なんというスピードか。

女はまだ氷が解けない。

鬼の右手が、女の素足の太腿を上へ上へと摩りあげる。あの濃い女の匂いが漂い始めた。

「あぁ、うぅ」

女の口から、息が漏れた。

鬼の左手が女の左手を、己の象徴へと導く。右手は女の象徴を捉え、刺激を与え続けている。

「ああん、いや」

鬼の指は、スーと滑らかに女の中に消えた。一本、二本、三本。

パソコン画面に写る鬼の顔が、堀部の顔になった。

「今日のところは、ご挨拶だ。お前は明日から俺と楽しい旅行だ。準備しろ。
大丈夫だ。お前は狡賢い、夫も舟木も何とでも言いくるめられる。わかったな」

堀部はむき出しとなった雅子の乳首を強く捻った。

「お前には、俺がお似合いだ。わかるだろ。もうスキンシップした間柄だ。ふん」

堀部は馬鹿笑いをしながら部屋から立ち去り、鬼に蹂躙された雅子がそこにいた。
  1. 2014/10/10(金) 02:49:57|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第14回

夏休み3日目
 舟木は、来校者もなく校長室の自席で妻のことを考えていた。妻の綾子は3つ年下の52歳である。二人の娘を育て、まさに絵に描いたような良妻賢母を実践している。人前に出ることは好まず、控えめで美しいこの妻を、これまでこよなく愛してきた。
しかし・・・

 夜が明けようとしていた

 月光に照らされ白く輝く裸のビーナスが、男の上で陶酔し緩やかに腰を振り続けている。そしてその目はじっと舟木の目をみていた
(雅子・・・雅子か・・・)

舟木は目覚めた
隣で綾子の寝息が聞こえる
夫の愛情を信じて疑わぬ純粋な妻

舟木は痛いほど勃起していた
ああ、しびれる
綾子が身に掛けている上布団をゆっくりとはがすと
中には安らかにすやすやと眠る自分の女がいた

両手に力を込め、寝息で上下する乳房を握り締める

「ううっ」

綾子は、目を開けた
「痛い、あなた・・痛い・・」

舟木はそれでも、綾子の着ているものを荒々しくもぎ取っていく

「あなた、どうしたの・・」

最後のパンティを剥ぎ取ると、綾子のやわらかく豊満な乳房にむしゃぶりついた

荒々しく乳房を掴みあげながら、その先端の乳首を口に含む
そして舐める、噛む


「あぁ、いや・・あぁ・・あなた・・あなた・・・」

今度は優しく左手で右の乳房に触れる、唇は左乳首の愛撫を続ける
右手がつつーと下に降り、繊毛の中心を上下する


綾子の女はまだ眠ったままだ


シックスナインの姿勢をとった
無理やり怒張を綾子の顔に押し付ける
舟木は好きだが、綾子は嫌がる

綾子のむっちりとした太腿を抱え込み、押し開こうとすると
柔らかい熟れた大腿が顔を優しく挟みこんで、いやいやをする
しかし、強引に両腕に力を込める

女の香りが、漸く鼻にとどきだす
舟木はゆっくりと顔を近づけ、匂いを嗅ぎ、口と舌で綾子そのものを確かめる
何度も舐める、突くそして吸う
女の象徴は勃起し、男の指が擦る
芳しい香りとともに花びらが濡れほそり、二指を挿しいれ女陰の奥を刺激する

漸く、綾子が愛しい夫の怒張を手で摩り、自らの舌で愛撫をはじめた
そして口に含んだ

(もう、欲しいだな、綾子・・・欲しいのか、綾子)

態勢を変え、正上位にもどし綾子の両太腿を極限まで広げ挿入した

「あぁ・・・・あなた・・・」

綾子は呼応して両脚で夫を包み込むと
舟木は、ゆっくりと深く、深く、さらに深く、打ち込んでいく

「あう、あっ、あっ・・・・・あなた」

「ううぅ」
(今日は凄く気持ちがいい、からだが痺れる)

舟木の怒張から、精が放たれた


綾子の顔が、雅子に変わった
そして、俺の目をじっと見つめている
  1. 2014/10/10(金) 02:51:17|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第15回

湯郷温泉へ向かうブルーのスカイライン・クーペが、中国自動車道「美作IC」を通り抜けた。

雅子は、堀部の策略に嵌っていた。
落ち合う場所は、岡山県湯郷温泉から少し外れた旅館を指定されている。

旅館の主人は、雅子を見て
「あんた、あの旦那の娘さんかい、それともお連れさんかい。美人だし、特にその・・・。いや、あなたを褒めているんですよ。うちの旅館の泊まり客で、あなたのような美人は滅多にないんでね、つい、御免よ。何せ、さっきらか旦那がお待ちかねで煩くってねぇ」

客に向かって、このような失礼なことをいう主人の旅館である。堀部の待つ部屋に入ると、かび臭い匂いがして、思わず雅子は顔を背けた。


「どうやら約束は守ったようだな。感心感心。あはは・・・」
堀部は雅子の来るのを今か今かと、上半身裸のステテコ姿で待っていたのだ。

「教頭先生、この様なことやめて下さい。あの時はどうかしていました。」

「馬鹿かおまえ、何を言っているんだ。あの時とはいく時のことか。この淫乱スケベ女が。校長先生、校長先生って、腰振りやがって」

「もう、やめてください。あの夜は、校長先生が無理やり私に・・・・・
それから、夫が明日の夜、九州から戻ってくるんです。家にいないと私、困るんです」

「ほうう・・・それがどうしたんだ。おまえ、何と言って出てきたんだ。体調が悪くてリフレッシュで休暇をもらったんだろうが。ここは温泉、ゆっくりとからだを休めに来たんだろ。うん。」

「・・・・」

「まあ兎に角、座ったらどうだ。俺にお茶でも入れろや」
(やはり俺のにらんだとおりの女か。今に見てろ。何が校長が無理やりにだと・・)


堀部は自分が恋したあのPTAの女性役員と雅子をダブらせていた。
(あの女も、夫にばれて俺が無理やりと言いやがったんだ)


雅子はしぶしぶ、座敷机の上に置いてあるお茶をいれ。堀部に出した。

「おうう、流石に美味いな。美人の入れたお茶は・・・・・・・・・・
 おい、おまえ、まだ分っていないようだが。みんなビックリするぞ。あの舟木校長と伊藤先生がね。学校の校長室でね、いくいくと・・・はっはっははぁ・・いいのか本当に、おい、こらぁ・・」

そう言うと同時に、雅子の髪を掴んで頬を張った。

「いや、やめてぇ・・・」

雅子は、うつむきからだを振るわせた。もう何も言えず唇を噛み締めた。
(ざまぁみろ。舐めやがって。この女、これから好きにさせてもらう。あの時の貸しをお前で返させて貰うぞ)


「どうしたんだ。俺の言うことをきくのか。どうなんだ。ええん」

堀部は無理やり雅子の顎を押し上げ、顔を自分に向けた。


「なんだ、泣いていたのか。俺もちょっときつかったか。すまん。すまん。お詫びに、
今から俺の優しいところをたっぷりと分ってもらおう。旦那の活きのいい若いのもいいが、俺ぐらいの年のねちねちしたのもいいもんだぞ。ああ、もう経験済みか・はん・・さぁさぁ・・・・・・・しっぽりといこうぜ」

堀部は雅子の肩を抱き、もうすでに布団が敷かれている隣の部屋の襖を開けた。
  1. 2014/10/10(金) 02:52:21|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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保健師先生 第16回

堀部に衣服を次々と剥ぎ取られ、パンティとパンティストッキングを身につけただけの、雅子が乳房を両手で隠し、長い足をくの字にして男の陵辱を待っている。

「見事な肢体だの、涎がでるわい。手をどけてみぃ、うん・・ここから先は、この後のこともある。自分で脱いでみろや」

「えっ、自分で・・・・」

「そうだ、色っぽく頼むぞ。それが淫乱女のお前らしくていい。それとも何かい、俺に脱がして欲しいのか・・・さぁ始めろよ、早くしろ」

囃子たてられ、堀部の言うまま残りの身に着けていたものを脱ぎ始めた。
堀部は裸になった雅子を、かび臭い煎餅布団の上に押しやった。

「それじゃ、まず乳から触診といくか・・」

堀部はゆっくりと雅子のからだを甚振り始めた。
乳房から頸、脇腹、太腿と・・・・

1時間が経過した

今、堀部は雅子の足の指先を口に含んでいる。雅子の柔肌はピンク色に染まっている。
堀部の執拗な舌の攻めはいつ終わるともなく続いている

「あぁ・・・あっ、あっ・・うむ、ふん」
つい今しがた雅子は声を出し始めていた。

「いい声で鳴くではないか。おい。伊藤先生。うん、伊藤先生
ちゃんと通じる言葉で言ってくれないか。あん」

それからまた1時間

「チュッ、チュッ・・・チュプ、プッチュ・・」
今、堀部は雅子の陰毛をさわさわと撫で上げながら、陰核を舐め吸い、たらたらと流れ出る愛液を手ですくい、それを雅子の裸体にまぶしている。

「どうだ。気持ちいいか・・・・・いいんだろう、うん」

雅子のからだは、くねくねと波を打ち、形のいい乳房の頂はつんと立ち
その乳首を堀部の指が摘み、捻る。

雅子のからだ中には、堀部のキスマークがあちこちにくっきりとついていた。

「おい、俺のマークはなかなか消えないぞ。明日の朝、もう一度付け直してやるからな。
明日、旦那に見せるのかこのマークを・・はは、はは、はははぁ・・・この左乳房の下にある赤い痣が今夜はやけに色っぽいのう。この痣は旦那は見慣れていようが、俺のマークを見たら驚くぞ・・・・・へぇへぇへぇへへへ

ここの温泉はストリップが有名だ。お前はこれからその大女優になるんだ。お前の好きな沢山の男どもに可愛がってもらうんだ。いいか。あん・・・・・旦那なんか放ってしまえ。それがおまえにお似合いなんだよ。こら、雌豚が」
  1. 2014/10/10(金) 02:53:25|
  2. 保健師先生(舟木と雅子)
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