主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。
由紀が帰宅したのは深夜の11時であった。
秀一はリビングでぽつりとテレビをみていた。
「帰りました」
秀一は黙っていた。
「怒りもしないのね」
「怒ったところで仕方のないことだ」
「やっぱり優しいのね・・・優しいあなたにご褒美をあげる」
由紀はバッグから8インチDVDを取り出すと、デッキに挿入した。
「いつもは、私が話すだけでしょ。あなたも話だけじゃつまらないと思って、ビデオを撮ってきたの」
秀一は黙っていた。
「今日も縛られきたの。もちろん中にも出してもらったわ。あの人の精子でいっぱいよ、私の膣のなか」
突然始まったビデオは、妻である由紀が他の男の竿を丹念に奉仕する姿であった。
全身に縄がかかっていた。後手に縛られ、乳房は釣鐘のように張り出していた。40歳となり随分下がってきた乳房も、縄をあてることにより若い頃のような張りがあった。
よく見えないが下着をつけていない股間にも縄があてられた様子であった。
男の姿は、腰から下に部分しか映っていなかった。由紀は膝を床につけて男のモノを深く口にしていた。
テレビのスイッチを苛立たしく切ると
「風呂に入って寝るよ。もう充分だ。満足したか?」
秀一の怒りに震える目を、由紀は冷ややかに見詰めた。
「ここに置いておきます。これでご自分でしてくださいね。随分、溜まっているでしょ・・・」
嘲笑ともいえる口調であった。
秀一が風呂に入り、ゆっくりと湯船に浸って崩れそうになる自分の感情を鎮めていると、由紀が入ってきた。
「あなた。わたしも入っていいですか?」
秀一は無いも言わなかった。拒否したところで由紀は入ってくる。
ドアが開き、由紀は入ってきた。
縄があてられたままであった。
乳房は苦しげに締め上げられ、股間にも縄があてられていた。その縄は悌毛された恥丘を分断するようにきつく締め上げられていた。
「どうですか。興奮します。あの人があなたに見せろって言ったので、すこしきつかったけどこのまま帰ってきたの。触ってもいいのよ。今日だけは触らせてあげる。あの人のおこぼれよ」
由紀は浴槽の縁に片足を乗せて、見下すようにして秀一を見詰めた。
秀一は何も言わずに浴室から出て行った。
ドア越しに
「溜まってますよね。今夜は私の手でいかせてあげてもいいですよ」
笑いが混じった声が響いていた。
翌日の朝は、いつもどおりの朝であった。
由紀は普通の妻と同じように甲斐々々しく支度をして秀一を見送った。
「気をつけていってらっしゃい」
秀一は何も言わなかった。
- 2014/07/31(木) 00:55:34|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
由紀の様子が一変したのは、17年目の結婚記念日だった。
娘が海外留学となり、2人きりで過ごす結婚記念日は初めてであった。
「あなた、まだこんなものを・・・」
由紀が差し出したのは、18年前の京子からの手紙であった。
秀一自身も忘れていたものだった。
「結婚して何年経つと思っているの。それをいまだに後生大事にもっていて。私はずっとあなたに裏切られた訳ですか」
「俺も忘れてたよ。他の手紙と一緒に余った靴箱に仕舞い込んで忘れてたんだ」
「よりによって京子の手紙を持っていることはないでしょう」
「おまえが怒るのも無理はないが、本当に忘れていただけで、大事に持っていた訳じゃない」
秀一と由紀には苦い思い出があった。
由紀にプロポーズをする前後、2人の間はぎこちない時期があった。
秀一は京子と様々な相談をしているうちに関係を持ってしまった。
後になって由紀に全てを告白し、紆余曲折はあったものの2人は結婚をした。
由紀が身ごもったからだった。
京子と由紀の友人関係は断絶した。
「私は忘れないわよ。あなたがどんな言い訳をしようとも、私を裏切ったことは絶対に忘れないわ」
「あの時のことは済まないと思っているし、結婚していままでおまえを傷つけるようなことはしてないよ。手紙のことは俺自身もすっかり忘れてたよ。別に他意はない」
「ええ、そう思っているわ。でも許せないの。どうしても許せないの・・・」
その晩は、会話もなくなってしまった。
翌日からの由紀は、いつもどりの妻に戻っていた。
過去に犯した過ちについて秀一は、本当に反省していた。だから結婚して以降は由紀を傷つけるような行動はしていなかった。
ささいな言い合いはあったものの、いつも秀一が折れていた。その度に
「おまえが俺と一緒になってくれたことを感謝しているよ。すまなかった」
といって優しく抱きしめていた。
由紀も秀一の優しい気性が好きであった。それに甘えることなく妻としての勤めは果たしてきた。
数日後、
「あなた、お話があります」
由紀は硬い表情であった。
「あなたと京子が私をだました半年がどうしても許せません。いままで、何度かそれを許そうかと考えてきましたが、どうしても気持ちがおさまりません」
「俺はどうすればいい。随分昔のことだが、何度も何度も謝ってきたし、これ以上なにもできない」
戸惑う秀一に
「私と同じ気分を味わってください。あなたが私を騙した同じ期間、いえその倍の期間です。どうしてもあなたに味わってもらいたいの。この苦しみを・・・来年の結婚記念日まで」
「どうするつもりだ。浮気でもするのか?」
「はい、どうしたらいいのかわかりませんが、浮気します。あなたがどんなに怒っても離婚はしません。絶対にしません。あなたにも味わってもらいます」
「今まで随分謝ってきたが、それでも気がすまないのか?」
「はい」
秀一はしばらく黙り込んだが
「どうしてもそうしたいのなら好きにしてくれ。ただ、俺にわからないようにしてくれ。さすがにこの年で女房に浮気されるのは堪える。それと期間は守ってくれ」
由紀は「はい」とだけ答えた。
秀一43歳、由紀40歳の冬であった。
- 2014/07/31(木) 00:56:49|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと10ヶ月
由紀の浮気宣言から2ヶ月が過ぎたが、特に変わった様子はなかった。
「おまえ、浮気はどうした。相手は見つかったのか」
秀一は軽い気持ちで聞いた。浮気をするとはいったものの、そう簡単に相手が見つかるはずもないと彼は思っていた。
「はい。見つかりました。もう浮気をしています」
「えぇ・・・・」
「あなたが知らせるなと言ったので、浮気が終わるまで黙っているつもりでしたけど」
「もう、相手と・・・したのか」
「はい。しました。詳しく聞きたいですか」
まさか本当にしているとは、予想できなかった。それも事務的な口調であっさり認めるとは、思いもよらなかった。
「大丈夫なのか?変な奴じゃないだろうな?」
「40歳にもなる人妻を相手にする人ですから、それをまともな人とは言えませんが、普通のサラリーマンです」
「サラリーマン?歳は?」
「48歳です。妻子もある人ですから、一般的な常識はあると思います。ただ、平気で奥さんを裏切るような人ですから、あなたからすれば異常な人でしょうけど」
その日は折角の日曜日であったが、何もできなかった。秀一はショックのあまり寝室に篭ってしまった。
夕方、由紀が寝室にやって来た。
「ショックでしたか?私もショックでした。本当にショックでした。わかりますかこの気持ちが?あなたが無意識に残した京子の手紙をみつけて本当にショックでした」
「あの時のことは本当に済まないと思っているよ。はっきり言ってやめてほしいよ。おまえが味わった気持ちは良くわかったよ。彼女と間違いを犯したのは2回だけだ。半年もの間、おまえに黙って彼女に会っていたのは申し訳なかったが、本当に2回だけだ。だからやめてくれないか」
「わかっていただけましたか。でも私はやめません。私のこの気持ちがおさまるまではやめません」
「不倫相手とは何をした」
「聞きたいですか?」
秀一はうつむいたままであった。
「あの人のものを受け入れました。もう3回も受け入れましたよ。いろんな格好でセックスをしました。あなたが普段しないようなすごい格好もしました。ホテルのお風呂場でもしました。私の口の中にも」
「もうやめてくれ」
「私はあなたの妻です。それは絶対に忘れません。いつもあなたを思ってあの人のものを受け入れています。あなたが私との関係でなやみつつ京子としたように」
由紀は背中をむけて「夕食ですよ。一緒に食べましょう」と言ってキッチンに消えていった。
秀一は溢れる涙を堪えることができなかった。
- 2014/07/31(木) 00:57:56|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと9ヶ月
2週間後、秀一が10時過ぎに帰宅すると、家には由紀の姿はなかった。
とっさに、「畜生!」という言葉が口に出た。が、どうしようもなかった。
食事の支度も風呂の支度も、なにもされてはいなかった。
風呂にお湯を溜める間に、カップラーメンをすすり夕食の代わりにした。
ゆっくりと湯船につかり、どうしょうもない怒りと空しさに見舞われていた時に物音がした。由紀が帰ってきたのだ。
由紀は脱衣室にきて
「ごめんなさい。遅くなってしまって。私も入っていいですか」
髪をあげ、全裸になった由紀が入ってきた。
40歳になり、いつの間にかCカップからAカップに後退した乳房が年月を感じさせる。
子供を出産した証である下腹部の脂肪はあるものの、腰周りの緩やかな曲線は保たれていた。
由紀は年齢相応の艶肉に覆われ、なんともくぐもった芳香を発していた。
「ごめんなさい。あの人が夕方以降じゃないと時間が取れないと言いまして・・・私も妻の勤めがあるって断ったのですけど、どうしても私を抱きたいとしつこかったのでつい、すみません。こんなことは2度とないようにします」
由紀はかけ湯をしながら、平然とした口調で言った。
「あなた見てください」
由紀は背中を向けた。首筋から、胸の脇、そして尻にいたるまで、赤い吸着痕が残っていた。そのおびただしい量を見れば激しく体をむさぼられたことはよくわかった。
「こっちも」
今度は立ち上がり、乳房と股間を見せ付けるようにした。
そしてあっけにとられている秀一の顔の前に、指でめくり上げた恥唇を押し付けるくらいに近づけて
「どう、あの人の匂いが残っているでしょ。そのままにして帰ってきたの。あなたにも味わってもらおうと思って」
秀一は狂態をエスカレートさせていく由紀を払いのけるようにして浴槽をでると
「俺のしたことは、そんなにえげつなかったか?そこまでおまえを追い込んだのか?」
「あなた、興奮してるのね。無理もないわね。ご無沙汰ですものね」
秀一はとっさに、いきり立つ自分のものを手で覆いながら、浴室を後にした。
- 2014/07/31(木) 00:59:39|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
風呂から上がり、バスローブのままリビングでビールを口にしていた秀一は憮然としていた。
しばらくすると、タオルを巻いた由紀がリビングにきた。
「ごめんなさい。私のしていることがまともじゃないのはわかっています」
秀一の横に座り、いきり立つ秀一のものを優しく握った。
「あなたを苦しめるつもりはないのですが、京子のことを考えるとどうしてもあなたを責めずにはいられなくなってしまうの。お願いします。もう少しだけ私をこのままにしてください。もう少しだけ・・・」
由紀はタオルを自分で剥ぎ取り、秀一の剛直したものを優しく口でつつんだ。
ゆっくりとしたストロークを繰り返しながら、袋に手を添えて刺激した。
秀一はなにも言わなかった。久しぶり味わう妻の柔らかい唇に気持ちを奪われた。
普段の妻の顔、狂態を見せる妻の顔、過去の亡霊に苦しむ妻の顔に、少なからず同情すら覚えていた。
同時に普通の男なら既に妻を殺しているかもしれない状況なのに、どうしても怒りより同情が先行する自分に嫌気がさしていた。
「あなた、今日みたいに妻の勤めを怠けるようなことは2度としません。もう少しだけですから、どうか我儘を許してください。今夜は何度でもあなたにご奉仕します。」
秀一は『由紀は病気・・・なにか心の病にでもなったのではないか』と優しくストロークを繰り返す妻を見て思った。
しかし由紀の身体にまとわりついている赤い痕跡が、秀一の冷静な感覚を麻痺させた。
そして、久しぶりに妻の口のなかに自分の精子を吐き出した。
放出後の醒めていく余韻を、由紀は刺激しつづけた。
亀頭部を唇で覆い切先に舌先をあてて、はかない男の余韻を最後まで満足さた。
秀一の余韻がなくなった後もしばらくの間、由紀は優しく口にして舌先でわずかな刺激を与え続けた。
以前の由紀と変わらない、優しい愛撫であった。
由紀は口からはなした秀一のものを愛しげに頬擦りし、そして舌先を袋にはわせた。
「私はあなたの妻なの、お願い忘れないで。私のなかにある棘を取り除くまでもう少し待って下さい。もう少し・・・」
その後も、由紀は秀一のものを刺激し、乳首や指先まで舌で刺激した。そして、浮気相手に蹂躙されたばかりの蜜壷に迎え入れた。
2人は夜が明けるまで愛し合い続けた。
- 2014/07/31(木) 01:02:03|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと8ヶ月
あの日以降、由紀の様子には特に変化はなかった。
帰宅しても留守にしていることもなく、週末は家で過ごしていた。
ただ、平日の昼間に由紀が何をしているのかを問いただす勇気が秀一にはなかった。家に電話をしたり携帯に電話をしたりすれば、なんとなく行動はつかめるのだが、浮気を続けている事実に直面するのは辛かった。
そんなことよりも、由紀のこの奇妙な行動自体を秀一は心配していた。カウンセリングに行った方がいいのではと考えたが、事が事だけに慎重にならざるを得なかった。
その日、秀一は早く帰宅できた。
しかし、由紀は不在であった。
7時過ぎに由紀が帰ってきた。
「今日は早く帰っていらしたの」
「今日もしてきたのか?」
お互いに普段通りの口調であったが、変な会話だ。
「早く帰る予定でしたら言って下されば、それなりに調整しましたけど」
「調整か・・・そういう問題でもないだろうが」
「怒っているの?それもと妬いているの?約束通り、あなたには言わないつもりでしたけど」
由紀はそういって寝室へ着替えに行った。
普段着に着替えた由紀は、ソファに座る秀一の前に立って自らスカートを捲り上げた。
「どうこれ」
由紀は下着をつけていなかった。
秀一にさらした恥丘には一筋の金属が光っていた。
よく見ると、腰にネックレスの細いチェーンが巻かれていた。そして、恥毛を縫うようにしてチェーンが股間を通っていた。
ネックレスでできた細い褌のようなもであった。
「貞操帯みたいなものですって。生理現象のときはちょっと困るけど、お風呂で洗えばなんとかなりそうだし、どうしてもあの人がつけてくれっていうものだから」
「そんなもの俺に見せてどうする。嫌がらせか?」
由紀は笑いながら
「それもあるかもね。でも、あの人があなたにはセックスさせるなってうるさいから、どうしたら納得できるか聞いたら、こんなことされて」
「もういいよ。もう見せるな」
「ごめんなさい。しばらくは、あなたとセックスできません。どうしても欲しかったら言ってください。手伝ってあげるから」
由紀は苦笑まじりに言って、キッチンで夕食の準備を始めた。
秀一は、怒りと屈辱で叫び出したくなる衝動にかられたが、『やはり、病気かな?』という想いでそれを堪えた。
しかし由紀を殴りたくなる衝動を抑えられない気がして、何も言わず家を飛び出した。
ラーメンをすすりながら、自分の置かれたあまりにも不条理な現実に果てしない寂寥を憶えた。
そして凛として優しい、あの京子の姿が秀一の脳裡をよぎった。
- 2014/07/31(木) 01:03:00|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと7ヶ月
秀一は、由紀の屈辱に耐えられなくなっていた。
過去の浮気、それも結婚前のことを今更責められてもどうしようもない。
それに、あの奇行は浮気への報復であるとは考えられないと思うようになっていた。
幾度となく「やめてくれ」と頼んだがそのつど「やめません」と言われ、「別れてくれても構わない」と言っても「私は絶対別れません」と堂々巡りであった。
秀一は家に帰ることが少なくなった。
ほとんどは、会社近くのカプセルホテルやサウナで過ごしていた。
由紀は「今日も帰らないつもりですか?いい加減に無駄遣いは辞めてください」と電話をしてきた。
秀一はそのつど、電話を無視して切った。
ある日には昼間会社へ由紀がやってきて、「着替えです。今日は帰ってきてください」と秀一の同僚に誤解されることまでした。まるで秀一が浮気をしているように映っていた。
やはり、お金が馬鹿にならないので週末は家に帰った。
「やっと帰ってきてくれましたね。もういい加減にしてください」
秀一に抱きつかんばかりの嬉しそうな表情で、由紀は彼を迎えた。
しかし、秀一の陰鬱とした表情は変わりなかった。
「本当にもうやめてくれないか。やめられないなら別れてくれないか」
「あなたが、そうやって私の苦しみをわかってくれて嬉しいです。これ以上、あなたを苦しめたくないのですが、相手もあることだし、やはりもう少し辛抱して欲しいです」
「おまえの相手は、期間があることは承知しているのか」
「はい。それを条件に身体を許しましたから」
秀一は黙ったままになった。
しばらくして秀一は、なにを思ったのか由紀のスカートを突然捲くり上げた。
ネックレスでできた貞操帯はなかった。
しかし、やはり下着を着けていない由紀の股間には、ローター付きのバタフライが張り付いていた。腰にスイッチを巻き付けていた。
「許してね。電話がかかった時にこれを写真で送らないと怒られるの」
秀一は荷物をまとめた。
- 2014/07/31(木) 01:09:08|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと6ヶ月
アパート探しは簡単であった。
マンスリー契約のワンルームを借りた。
由紀からは「帰ってきて下さい」という電話が、毎日のように入った。
秀一は訳が分からなくなっていた。
娘のこと弁護士のこと・・・山積する問題はあるが、とりあえず平穏な日常だけは取り戻した。
しかし、娘が夏休みで帰国する。2週間ほどではあるが、その間は家に帰ることにした。
娘が帰国した2週間に合わせて夏休みをとった。特に旅行などには出掛けなかった。
由紀も休みの間は浮気をしていなかった。
普段通り秀一に声をかけるが、まともな会話が成立するはずはなかった。
娘を成田に見送った夜、秀一は由紀を家に送るとそのままアパートに帰ろうとした。
「どうしても帰って来ないの?」
「無理だろう。自分で分かってるだろう」
「私の浮気が終わったら帰ってきてくれますか?」
変な会話だ。期間のある浮気もそうだが、浮気をしている方がされいる方に帰って来いと言うことが変である。
「弁護士を頼もうと思っている。いまここで判を押してくれるなら、それも用はないが」
そう言って財布のなかに不器用に折りたたんでおいた離婚届を由紀に差し出した。
自分の署名は既に終わっていた。
由紀はそれを破り捨てて
「もう少し我慢してくれてもいいんじゃないですか?私はずっと我慢してきました」
「俺はずっと浮気していた訳でもないし、ましてや結婚してからはそんなことはしていない」
「私を愛してくれるなら、我慢してください。怒らずに暴力をふるわないあなたの忍耐強さは嬉しいですけど・・・」
「不思議な言い分だな」
「浮気が終われば、今まで以上にあなたを愛することができると思います。いまでもそう思っています。あの人に抱かれるたびに、あなたがいいと思ってます」
「変な話だな。ところで、まだへんなものでも股にいれているのか?」
由紀は自ら薄手のパンツとショーツを一緒に下げた。
悌毛された恥裂が浮き出ていた。
- 2014/07/31(木) 01:10:25|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと6ヶ月
夜11時過ぎに電話があった。発信は由紀からであった。
「ご主人ですか?」
とっさに電話の相手が誰なのかを悟った。
「はじめまして。田崎と申します。私が誰なのかご理解いただけると思いますが」
秀一は言葉に詰まった。なにを言えばいいのかすら見当がつかなかった。
「奥さんから聞きましたよ。家を出られたそうで」
「用件はなんでしょう?」
秀一が言える精一杯の返答であった。
「浮気相手の私が言うのもおかしいですが、家に戻られたらどうですか?私もお二人が泥沼のように別れることは望んでいませんよ。おおよその事情は知っておりますが、どうでしょう、ここは男として度量を見せてもいいんじゃないですか?」
「それはこちらの事情ですので、あなたに言われる筋合いはありませんが」
「まぁ、お怒りはごもっともですがね。ご主人とのセックスを止めさせたり、大事な部分を剃ったりしたのも遊びみたいなもんでね。それがお気に召さないようですが、不倫というやつの醍醐味みたいなもんですよ。ご主人は真面目な方なのでお分かりいただけないとは思いますが」
「女房がなんと言っているのか知りませんが、所詮は不貞行為です。それなりに対応しますがいいですね」
「まぁ、それに関しては痛い目も見てますし、随分金もやられましたんで、私もそれほど馬鹿ではありませんよ。でも、期間内は奥さんに徹底的に奉仕してもらいますよ。奥さんいいですよ・・・もし本当で別れるつもりでしたらいつでも言ってください。まぁまぁの値段で奥さんを買いますよ。奴隷としては上等ですからね」
「・・・・・」
「ついでですので奥さんと替わりますよ」
由紀が電話に出た。その声は乱れていた。
「お願い、あなた帰ってきて。あなたとセックスはできませんが、妻としてちゃんと勤めます。あぁ・・・」
「・・・ちゃんと尻をあげあろ由紀・・・・」
田崎の怒鳴る声が聞こえた。
「期間が終われば、思う存分あなたにご奉仕します。あぁ・・・。どうか・・・お願い・・ぁぁ」
「・・・ダンナにちゃんと言えよ・・・」
「あ・・なた、今、私のお〇んこにはご主人様のおち〇ちんが・・・とってもいい・・・あなたのよりもずっといいの・・・ご主人様の便所になって・・・あなたのところに帰ると・・・とっても気持ちがいいの・・・だからお願い帰ってきて・・・」
電話の向こうで由紀が叫ぶようにして快感にうずもれる声が響いていた。
「あぁぁぁ・・・・イっていいですか・・・・イっちゃいます・・・・あなたのベッドの上で・・・イ・・」
秀一は電話を切った。
しまったと思った。家を空けたのは間違いであったかもしれない。
まさか、家にまで連れ込むとは考えていなかった。
秀一はタクシーに乗り込み、自宅へと向かった。
10分後
家には誰もいなかった。寝室も整然としていた。
「・・・・・・何故、こんな仕打ちをされねばならない」
アパートへは歩いて帰った。
ただただ脱力感のみが、彼を支配していた。
- 2014/07/31(木) 01:11:32|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
不倫終了まで・・・・・あと5ヶ月
弁護士との相談で、今後の方針が決まった。前提は離婚である。
配偶者の過去の不貞行為が原因で、同じように不貞行為に及ぶケースはそれほど珍しくはないと言われた。しかし結婚生活が10年を越える夫婦で、婚姻以前を持ち出すケースは弁護士も初めてだと言った。
不倫相手との関係を保つための不貞行為ではなく、配偶者(秀一)に対する精神的苦痛をもたらすための行為ではないかと分析した。その上で、由紀の言う期間の終了まで様子を見る方がいい。訴訟に関しては断然有利であると強調された。
同時に、できうるなら別居状態を解消して、秀一が受けている精神的苦痛の証拠を集めると有利になるといわれた。別居、特に家を出た場合は出た側が圧倒的に不利なので、是非戻った方がいいと勧められた。
秀一は家に戻るかどうか迷ったが、弁護士の強い勧めもあり家に戻ることにした。むろん証拠集めのために。
「ありがとう。もう少し我慢してもらうけどいいでしょ。あなたには悪いけど、あなたが苦しんでいる姿を見ると『愛されてる』って実感できるの。お願いします、もう少しだけ」
由紀は訳のわからない理屈を言って喜んでいた。
自分が帰ってきて喜んでいるのではなく、苦痛を与える相手が帰ってきて喜んでいるだけなのかもしれない。秀一にはそう思えてならなかった。
秀一が帰ってきた週に、由紀がさっそく話しを持ち出してきた。
「金曜の夜から日曜にかけて外泊してもいいですか?帰ってきてすぐに妻の勤めを放棄するようで申し訳ありませんけど」
「駄目だと言っても行くつもりだろう」
「ごめんなさい。妻としてはちゃんとするつもりですけど・・・どうしてもあの人が」
「田崎か・・・金持ちが道楽で楽しむならそれなりに様にもなるが、普通の会社員が遊ぶには度が過ぎているような気もするがな」
「・・・そうかもしれません。もうすこし、余裕のある人にすべきだったかもしれません」
「何処に行くんだ?」
「場所は知りません。ただ、あの人の接待の道具になります」
「接待の道具?」
「なんでも、お客さんの一人に私を抱かせるそうです。SM趣味の経営者だそうです」
「何をされに行く?」
「よくわかりませんが、縛られて、いろいろ奉仕させられると思うの。あなた知りたいですか?」
由紀の口元がすこし歪んだ。
「知りたくないといっても、俺に分からせるようにするつもりだろ」
「あなたが望むなら、帰ってきて詳しく話しましょうか」
「やめてくれ。・・・ひどい女だなおまえは」
秀一には理解できなかった。
人には様々な性癖があるものだ。
由紀の場合は、ただ単に肢体の欲望を満たすだけではないのかもしれない。
- 2014/07/31(木) 01:12:33|
- ハイト・アシュベリー・対
-
| トラックバック:0
-
| コメント:0
名作の宝庫リンクサイト
このブログをリンクに追加する
プロフィール
Author:シーザー
闇文庫は個人文庫です。
非公開の記事を公開する事はありません。
もしお読みになりたい場合は下記メールフォームに作品を指定していただければ、可能な限り掲載しているサイトをお知らせいたします。
問い合わせされる前に、お読みになりたい作品は一部を除き「オナニー三昧」の”逝く”ボタンで掲載サイトにリンクしますので大半が閲覧可能です。
yahooメールでお問合せいただいた場合、当方からの返信が迷惑メールとして扱われている場合があります。
返信が無いと思われる場合、迷惑メールのホルダーを覗いて見てください。
メールフォーム
カテゴリ
最新記事
月別アーカイブ
検索フォーム
訪問者数
現在の迄訪問数:
現在の閲覧者数:
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム
この人とブロともになる
最新コメント
QRコード