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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

冬のお天道様 第1回

雪が降る京都の夜にクリスマスソングが流れる
明るい展望が見えず閉塞感が覆う年末だが、流石にイブの夜は活気がある
肩を寄せ合う若いカップルたちよ・・旧時代の先人達を乗り越えて行く時が来た


居酒屋から一組の男女がでてくる・・若い女がその男の腕を取る
不見識だが、向かう先は男がドック患者として宿泊している高級ホテル
人生を賭けた戦いの前に、実年男の新藤が大金を叩いての全身精密検査
明朝に病院長の総合診断を受けるだけになっていた・・・・・・・


 「新藤知事、なんとも素晴らしい・・全くの健康体ですな」

 「有難うございます・・・土方先生のような名医にご診察いただいて安心して戻れます」


新藤と土方は、互いに恩のある木戸老人の葬儀で知り合った
その時、土方が新藤とのコネクション作りを狙って、人間ドックを勧めたのだ



 「それはそうと、知事・・・私の耳にも入っていますよ・・・新党の創設」

 「そのことは、身内の者しか知らないことですが・・・・・土方先生は地獄耳だ」

 「木戸さんのご恩を受けた者同士・・私にも是非に、お手伝いさせてください」

 「それは心強いお話・・本当にあり難い、いい歳をしてと、お思いでしょうが
  今の日本を蘇らせ、世界に恥じない国にという思いが込み上げてまいりまして・・・・」



目を細めて相槌を打ちながら、熱く語る新藤の抱負に聞き入る土方
あの木戸老人が見込んだ男・・なるほど、この男ならと可能性を十分に感じさせる
バリトンの効いた声音に気持ちがこもり、心からの笑顔と感謝の気持ちが聞き手に伝わる
そして周囲には、清々しい空気感が漂う
あの逆風の知事選で、強敵相手に勝ち上がったという強運の持ち主
それに、財力、知力も兼ね備えている・・・・


そんな男にも唯一つ、今回の検査で正常な男性が持つ機能が完全に欠けていた
だが、生命に関わるものではなく、意気揚々と語り続ける新藤に水を差す必要はない



 「人生は一度きり・・・・やれる事をする人間じゃなく、やりたい事に挑戦する人間でいたいと・・・・・」

 「頑張ってください、知事
  私は生殖機能に障害がありまして、それで、若い頃は随分と悩み苦しみました・・
  しかしながら、そのことで、今の私がある
  恐らく、知事も同じように悩まれながら、そこまでになられてなお上を目指す
  その精神力に心から敬意を表します・・・・この世のために共に頑張りましょう」



新藤は『はぁ?』と戸惑いの表情を見せたが、直ぐににこやかな元の表情に戻す
歳が1回り以上も離れた男同士だが、なにやら通じるものがある
土方は新藤を送り出すと院長室に戻り、腹心の事務長の報告を受けた


 「院長、やっとあの女性の調査報告が届きましたが、大変なことが分かりました
  沖田がご執心のあの奥さんは、実は・・・・知事夫人でした」

 「知事夫人・・・だと!?」

 「はい、名は新藤朱美・・それが今は、お屋敷を出られたようで行方が分かりません」

 「新藤!??・・屋敷を出てる?・・・・沖田は、沖田は今どうしている!」

 「うちの沖田ですか?
  それが・・管理人室に連れ込んでいる女性が言うには、昨日旅行から戻り
  『今晩は遅くなる』と言って・・・出かけたようです」


土方に、ほっと安堵の色が浮かぶ
少なくとも、新藤知事の奥方は失踪のままの事態にはならないと思ったのだ
それにしても、木戸老人が最期に抱いた女が、今まで話していた新藤知事の奥方だったとは


(このままでは厄介なことになる・・・・あの男は戦う相手ではない)
  1. 2014/11/15(土) 02:49:00|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第2回

ここは越前の東尋坊
海霧の混ざった寒風が絶壁から吹き上がり
その風に女の髪が恐ろしく舞い上がる・・まるで地獄の業火に焼かれんとする魔女の姿だ


 「お客さん、そんな所に立って下を覗いてちゃ・・・死人に引きずり込まれますぜ」


そうだ、ここは遠い昔から景勝地であるが自殺の名所でもある
ドドドッゥ・・・バシャ-ン・・ゴゥゥ
日本海の荒波が絶壁を洗い、眼下で渦を巻く
女からは返事が返らない


 「今日で2回目だ
  昨日も、同じ所に立って・・・下の深青の海流を眺めておられる
  何があったか知らないが・・ほれ、お天道様は今日もあのように笑っていらっしゃる」



それまで、ずっと俯いていた女が太陽を見上げた
手を翳し、じっと光が射す方角を見続ける
その美しい横顔が陽の光に照らされると、思いつめた鬱の相にも仄かな明かりが灯る


 「有難うございます・・・・運転手さん、少し遠いですが屋敷までお願いできますか?」

 「がってんだ・・・お送りしましょう」





   # 水の都の大阪は  僕にゃあんまり 広すぎて
     昨日ミナミに 今日キタへ 足も重たく なりまする
     一つ噂を 追いかけりゃ 嫌になります 淋しさで
     涙が泳ぐ この胸は いつになったらすっきりと
     誰かあの娘を  ああ  知らないか・・・・・ #


妻の状況を知る由もなく、この男は一体、誰のことを探しているのだろうか?
広い知事室で、昭和40年に流行った懐メロに耳を傾けている


 「知事、調査会社からの報告ですが・・・残念ながら未だに何も掴めておりません」



美樹が調査結果の概要を新藤に報告する

  1妻の朱美は、頻繁に老人ホームの慰問に出かけているが特に不審な男は見当たらない
  2副知事の優子の周辺も、隣人の学生以外はこれといった人物の気配が無い
  3元部下の瑞希の消息は依然として掴めない
  4同じく沖田についても、八方手をつくしているが手がかりがない


 などと、美樹は新藤に実際の事実を隠して報告をした
 しかし、『そんな筈は無い』と新藤は朱美が屋敷を飛び出し、5日目になることを告げる


 「奥様がお屋敷を?」

 「ああ・・美樹、その調査会社は一体どこで何を調べているんだ?
  もっと、徹底的に調査しろと発破をかけろ」



新藤の研ぎ澄まされた感性が赤信号を発している
妻の朱美に男の影・・・それだけではない
副知事の優子も出勤していないのだ・・・・それも5日になる
何やら自分の身近な女性周辺に異変が生じている
そんな時に政権党内閣への国民の期待が批判に変り、政治情勢は行方の見えぬ乱世に突入
新藤の新党旗揚げの時期は、目前に迫っていた


 「美樹・・・私の一世一代の勝負の時が近づいている、くれぐれも用心怠りなくだ」
  1. 2014/11/15(土) 02:50:17|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第3回

 新藤の足が、優子のマンションに向かっている
 あの利発な優子が『気分が優れぬ』などという理由で、公務を投げ出す訳が無い
 きっと何かが起きている・・・・・自分の目で確かめるのが一番だ


  (むっ・・・あれは、優子じゃないか!?)


 マンションの入り口から派手な服装のケバい女が出てきた
 その後ろから、俯きながら続いて出てきた女
冬だというのにサングラスを掛け、皮のコートを羽織りホットパンツにTシャツ姿
惜しげもなく素肌の脚線を曝している
その両サイドに、見覚えのあるヤクザ男と隣人の大学生が脇を固めている


 (あのチンピラ男は、どこかで会っている・・・・)


新藤には見覚えがあった
県の本部長時代、悪徳職員の内定調査に瑞希を彼らの溜まり場に送り込んだ
その瑞希の素性が覚られ、あの男は裏の世界で監禁、調教を実行したやくざの子分だ
新藤は知事選最中の強請に応じず、師匠と呼ばれる老人を警察に通報、逮捕させた
子分のこのチンピラは、そのネタをもって相手候補の優子陣営へ走ったのだ
そんなことを思い出しながら、新藤は4人の乗った車の後を追う


 「ほぅぅ・・こちらが、坊やの初恋の女性か・・・なるほど凄い別嬪さんだ」


車の着いた所はJR駅裏のスナック街
この辺りはぼったくりバーが存在し、危なくて一般のサラリーマンは寄り付かない


 (あれは?!・・・沖田君じゃないか)


そのとおり・・・身なり、態度は変っていても沖田だ
合流した5人は、何度も警察に検挙されたことのある破廉恥バーの扉の中に消えていく


2時間が経った・・・
青年が優子にべったりと寄り添って出てくる
二人を乗せたタクシーは、自宅マンション前の大きな公園の入り口で止まり
足がふらふらの優子の腰を抱き、青年がマンションではなく公園の中へと歩いていく


 (たくっ?!・・・馬鹿な女だ・・私と張り合ったマドンナの見る影もない)


今、二人が座っているベンチ
かつて、新藤がそのベンチの上で優子を抱き強請りの写真を撮られたところだ
青年の手が優子の素足の感触を楽しむかのように、すべすべの太腿の内側を這いずり回る


 (やはり・・・写真の犯人はこいつだったか!)


青年の血はエスカレートし、朦朧としている優子のTシャツの裾を捲り上げる
何度かこの青年に吸われた豊満な白い乳房が、照明の中に青白く浮かび上がる
ホットパンツのバンドを緩め、手を差し込み熟女の急所を探しあて
大きく口を開き、揺れる乳房に吸い付いてゆく



 「そこまでだ、小僧!・・こんなお前の姿を親が知ったら、さぞ嘆かれることだろう」


優子の空ろな目が、声のする男に向けられる

 「こんな悪餓鬼のマス女に成り下がるとは、優子、お前のプライドは何処へ行った!」
  1. 2014/11/15(土) 02:52:07|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第4回

優子の部屋で斉藤青年が、大声で泣いて詫びている
斉藤の郷里の実家は名士の家柄という調べは、美樹の報告の中にあった
そのことを、新藤が聡く利用したのだ
新藤の脅しが、この青年が知っていることの全てを自白に追い込む
根っからの悪人でない人間は、怯みだすと敵味方の区別なく助けを求めて右往左往
挙句の果てに、全てを白状させられる


  1新藤と優子の肉交の場面を盗撮し、それで新藤を脅迫したのは自分である
  2上手く行ったと有頂天で、優子を付けまわしているうちにヤクザ男に捕まった
  3優子を抱かせて貰えるという誘惑に負け、ヤクザ男の指示に従った
  4『女に慣れろ』と言われて、沖田が連れてきた熟年の女体で体験もさせられた
  5舞踊のできる貴婦人の奥さんで、老人ホームで他にも酷いことをさせられたようだ
  6さらに沖田は、元同僚の女性にも何かやらせようと監禁している・・・・



 「許してください、新藤さん・・僕はこんなことになるなんて思ってもいなかった」



新藤は優子をベッドで休ませていた
寝息を立てているこの美女は、恐らくここ数日間、媚薬とアルコールを飲まされセックス漬けにされていたのだろう
青年の相手をした熟女とは、妻の朱美
そして、監禁されている元同僚の女性とは瑞希のことと新藤は確信した


 「いいか小僧・・・私に従っておれば許してやる
  今すぐ郷里に帰り、私の連絡があるまでじっと親の傘の下で隠れて居ろ!」



斉藤青年は部屋から出ていき
先ほどの破廉恥バーで何をさせられたのか、憔悴したマドンナの寝顔を覗き込むと
優子が薄っすらと瞼を開いた



 「優子、安心しろ・・・君を安全なところに連れてゆく、そこでゆっくり休むといい」




新藤が屋敷に戻ったのは午前零時を回っていた
深夜だというのに、居間には明かりが灯っている


 「あなた・・・・お帰りなさい」



これまでのことを、全て打ち明ける覚悟を決めた妻が夫を待っていた


 「ああ、ただいま・・・・朱美、帰ってたんだ
  君の旅の話しは後で聴くとして、今夜はどうも身体が冷えたようだ
  ・・・どう、一緒に風呂で温まろうか・・・・朱美」


 「・・・・・ええ、そうします」




先に湯殿に入った新藤は、首の辺りまでどっぷりと湯に浸かっている
目を瞑ると、斉藤青年のショッキングな告白が頭の中でフラッシュバックしてくる
それでも、風呂場の扉が開き朱美の裸体が湯気に浮かぶと、妻の白い肌を舐めるように視線を向ける


女体とは不思議だ
不義とか不貞などの罪悪に関係なく、他の男の精を吸収して益々色艶が増したように思えてくる
40代後半の女体・・まさに円熟し、どんなものも飲み込み吸収する体
肌の艶、引き締まった腰周り、細身ながら臀部と乳房は女の完熟の域にある
 

  (見事な肢体だ・・・・)


肩から流される湯水が、乳房を渡り漆黒の絹草へと滴り落ち
能面のように物静かに、淡々と入湯の儀式を進めていく朱美
新藤に背を向け、白い脚を湯の中に沈めていく
肩先まで湯に浸かった女体を、新藤が背後から抱きしめる



 「朱美・・・すまないが、君の身体をよく見せて欲しい」



その言葉が、一瞬女体を震わせたが、夫の手から解かれた女体が湯面から浮きあがる
沖田に穢された妻の襟足、背中、臀部・・・そして太腿が夫の面前をすり上がって行く


 「そのまま・・・・朱美、こちらに向いてくれないか」



朱美は素直に従い、直立姿勢で両手を真下に伸ばし少し顎を上げたまま夫の正面に立つ
新藤の直ぐ目の前には、湯で洗われた漆黒の絹草が広がっている
朱美の臀部に手を回し、引き寄せ匂いを嗅ぐように自分の顔に近づける



 (この見事な身体・・・・それを・・・他の男に・・・・)
  1. 2014/11/15(土) 02:53:57|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第5回

これまで夫は、このように自分の身体を見つめたことがない
夫に愛された無垢の身体に戻ることの出来ない悔しさが、朱美の胸に込み上げてくる
独占欲の強い夫のこと、許してくれる訳などないと自然に涙が頬を伝う


 「朱美・・・どうした・・・泣いているのか?」

 「御免なさい、あなた・・・私の、私の身体は穢れている・・他の男の手で・・」


正直に、告白する朱美・・・・そんな朱美の女陰を新藤の指が擽る
凄惨な妻の告白が始まった


 「この中に・・・私以外の男の男根が入ったと言うのだな」


意志に関係なく、もう既に朱美の女陰は蜜を含んでいる
複数の男との同時プレイを強要され、沖田の豪棒を何度も含まされた女陰は敏感に反応する
新藤の2本の指が、膣道を掻き回すと


 「あっあぁぁ・・・ん・・・・・御免なさい、あなた」


腰が痺れ、女体が揺れる
新藤は狂ったように、指で妻を責め続ける
朱美の目には、大粒の涙が溢れている


 「御免なさい、御免なさい・・・あなた」


身体が夫の指の動きに反応し、快感が女の芯から込み上げてくる
もう居ても立ってもいられぬ思いで、朱美が新藤の頭を抱きしめた


一度は、夫には隠し通すことを考えた
しかし、それは甘かった・・・・・・・
老人ホームで、医師たちが見守る中、木戸老人との臨終肉交をさせられ
『もう・・生きていけない』と身も心もずたずたのところを、沖田の豪棒でトドメをさされたのだ
憐れ、死を覚悟したものの、夫に詫びずにこの世を去ることなど出来ぬ・・・・


激しい挿入を繰り返す指先を、熱く、熱い膣道が捕まえる
朱美の蜜壷はとろとろの淫汁で溢れかえり、その一部が太腿を伝って湯面に落ちる


 「ねえ、あなた・・・こんな淫乱な私を、お願い・・・私を殺して!」



朱美の心と体が離れ始めている
四十歳を超えた熟女の肢体に染み付いた、夫以外の男の味
淫乱な女体が、目の前の男の剛直を自分の蜜壷に入れて欲しいと疼いている


 「朱美・・・僅かな間に随分と淫らな女になったもんだ
  私が長年かけて出来なかったことを、いとも簡単に他人が変身させるとは」

 「御免なさい!あぁぁっっ」


新藤の指が容赦なく朱美の蜜壷を責め続ける
知らず知らずに責めが激しさを増す・・・・新藤にとっても、こんな興奮は初めてだ
愛妻をサディズムに責めることで、じりじりと剛直が痛いほどに硬くなり、涎を垂らす


 「朱美・・・お前の希望通りに、この剛直で嫌になるまで刺し殺してやる」
  1. 2014/11/15(土) 02:55:12|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第6回

なんとタフな夫だろう・・・今朝も何時もどおりに出勤して行った


昨夜、朱美が沖田とのことを告白した後は、夫は獣と化した
何度目かの絶頂を極めさせられた朱美は、ベッドの端に両手足を縛られ恥穴を弄られる


  「なあ、朱美・・・お前の話では、この穴はまだ健全ということだな
   よその男にさんざ遊ばれた身体になっても、性技の奥は深い
   ここで私のものを受け入れれば、また新しい夫婦関係の絆が築けるぞ」

  「あなた・・・まさか、そんな?・・・・あっぁぁ、嫌、嫌っ!」


嫌がる朱美の言葉を無視し、夫はひたすらに剛直を挿入しようとする
到底無理と思っていた恥穴に、執念が剛直を結合させると
激痛が朱美を襲い、後は気を失った
朝、目覚めると夫が言った


  「沖田のことは任しておけ・・・お前は何があっても二度と沖田と接触してはならぬ
   私にもお前には謝らねばならないことがある・・だから、心配せずに屋敷に居ろ」



夫が何を謝るのか?今の朱美には分からない
激しい叱責と罰を覚悟していた朱美には、思ってもいなかった労りの言葉に思える
『これで良かった』と安堵の思いに涙し、朱美はベッドの中でまどろんでいた



一方、沖田の管理人室にはヤクザ男とケバ女の悪ども3人が集まっていた
これまでの作戦が順調に進んだこともあって、有頂天で悪乗り気味だ


  「まったく流石というか・・・沖田兄の段取りには感心しますよ
   なんせ、理性ある高級美人を二人とも、身も心も金も『整いました』にするんですからね」

  「ほんとよね・・・あの副知事、さっと500万円を持参するんだから堪んない
   責め甲斐のある肢体してるし、バーで2本の豪棒でヘロヘロにされちゃって
   ・・あの後、坊や上手く犯ったかしら」

  「おいおい、その辺にしとこうぜ・・ここにはもう1人、出番を待つ美人の姉さんがいるんだから」


姉さんとは瑞希のことだ
その瑞希は、ここでは沖田の情婦扱いだ


  「さてさて、次の第3幕はその瑞希姉の出番ですね・・・
   かつて、プロのあっしが調教係を務めましたが、逆に返り討ちにされてしまいまして
   それは、それは凄い姉さんで、天性のエロ女体の持ち主・・・お恥ずかしい限りで」

  「あら、そんなに?でも、清子のフィアンセを誑し込む役はあたいにさせてくれない」

  「お前じゃ、無理だ・・・優子の弟は瑞希姉でないと落とせない」



そこへ瑞希がビールとつまみを運んでくる
平日の昼間だというのに、この連中にはアルコールが欠かせない



  「いよいよ真打に登場してもらう・・・段取りはつけた
   瑞希、お前の力で、息子の進一を資産家『新藤家』の跡取りにのし上げるんだ
   フィアンセの拓也を誑し込み、清子を狂わせれば新藤家を乗っ取ることができる」



瑞希は何も言わずに俯いている
その瑞希に覚悟を迫り、沖田が浴びせるように言葉を放つ


  「二度と裏切るな!そんなことをしたら、進一の身の保障はない
   さあ、みんな・・気合を入れろ!ここを引き払うぞ・・・・・・」
  1. 2014/11/15(土) 02:56:14|
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冬のお天道様 第7回


その頃、新藤は美樹に怒りをぶつけ叱り付けていた

  「私がどんなに君を信用して、ここまで重用してきたと思っているんだ
   今からでも遅くはない、得た情報を全て話せ・・これからの嘘は許さんぞ!」


一日の内に、どうして知事が妻や優子のことを知り得たのか?
そんなことは、今の美樹にとってはどうでもよい
絶対権力者の信頼を繋ぎ止めなくては将来がない
こんな時には、言い訳は無用だ・・・・・・・・美樹は心得ている


  「結果的に、偽りの報告をしたことになり、申し訳ございません
   知事には新党結成に全力を挙げておられる最中であり、裏の仕事は私の責任で対応しようと考えておりました
   ・・・浅はかな判断で、私自身情けなく思います」


美樹は即座に謝罪すると、調査報告の詳細を新藤に説明をし
その後、自ら調査し新たに判明した情報を報告する


1朱美が慰問と偽って出かけていた老人ホームは、有名な土方医師がオーナーであること
2また、所在不明だった伊藤瑞希が何らかの関係で沖田の元に居ること


  「その老人ホームが土方医師の持ち物だと?それに、やはり瑞希もそこに居たのか!」



迅速果敢な行動は新藤の本領である
知事公用車が土方の老人ホームに着いた
もちろん、沖田の情報を得るために土方医師には電話をかけここで逢うことになっている


  「土方さん、ここに私の元部下の沖田がお世話になっていると聞きまして」

  「はい・・・それが、その・・・」


土方は新藤に一枚の紙を手渡した
それは、姿を消した沖田から土方宛の『お世話になった』との礼状であった


  「ほぅぅ・・逃げ時の勘も鍛えられ、抜け目なく姿をくらましたか!
   それにしても、人間らしいこんな心遣いがまだ残っていたとは」

  「彼を拾ってきたのは私・・彼のしたことの全責任は私にあります」


  「私は、土方先生をどうこうしようとは思っていませんよ
   昨夜、朱美からこれまでのことを聞き、全ては沖田が私を恨んでの復讐と思っています」

  「では・・木戸老人とのこともお聞きになったのですか?」 

  「木戸さん?・・と妻の朱美?」



やはり新藤の妻は話していない・・・いや、話せるものではない
いずれ分かること、自分から伝えるしかない

土方は木戸老人の最期の模様を伝えると同時に、土下座して詫びたのだ
流石に、この事実は新藤を震撼させる


  「あの木戸さんが・・・朱美に?そんな、まさか・・朱美はそのことはなにも・・」

  「奥様を責めないでください・・・こんなこと、夫のあなたには死んでも話せません
   どうかあなたの怒りは、手を貸した私に向けてください」



木戸老人が最期に抱いた女性が新藤の妻であることが判明してから
土方が行った独自調査の内容も新藤に伝えた


  「何だって!?・・それじゃ・・朱美は木戸さんに以前にも抱かれていると・・・
   その時に出来た子が清子だと言うのか!?・・・・そんな馬鹿な」
  1. 2014/11/15(土) 02:57:19|
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冬のお天道様 第8回

 ・・・木戸老人
戦後の関西経済界を牛耳り、政界にも影響力を行使した人物だ
資産家の新藤家は、子孫の繁栄を願ってそんな木戸家とも交流を深め
新藤の父母がひとり息子の進の仲人を、木戸老人にお願いしたのだった
しかし、波乱万丈な人生を好む本人と平凡であっても安定を望むその家族との乖離
木戸老人の晩年は、家族から離れひとり寂しく余生を送る境遇となった
そんな彼が、このホームで書き綴っていた『我が生涯記』
  

土方は、木戸老人の最期を看取ったとき、それを見つけて隠し持った
なぜなら、内容があまりにも非道徳的で、とても遺族には見せられない
恩のある木戸老人の名誉を傷つけないように、始末するつもりでいた


  「その中に・・・・新藤進の妻、朱美の貞操を奪うという記述がありまして」

  「そ、そ、そんな馬鹿な話・・・とても信じられん!」


  「その記述が事実かどうかは別としても、清子さんはあなたの子ではありえない
   はっきりとお伝えしませんでしたが、先だってのドック検査の結果から
   あなたには、女性を妊娠させるだけの男性能力が備わっておりませんでした」

  「間違いだ、そんなはずがない・・・・朱美とは清子のほかに子を為さなかったが
   元秘書の瑞希との間にも、男の子がいる・・・」
 


必死に否定する新藤の目を見つめて、土方は首を横に振る


  「あなたのような傑出した人物の子孫を世に送れないことは、誠に残念なことです
   私は医者です・・事実は事実としてあなたにお伝えせねばなりません」


新藤は、目の前のテーブルを思いっ切りひっくり返した
興奮し肩で息をしている



  「ここまでお話しした以上、私は残りの人生をあなたに捧げて尽くしたい
   私にも子は無く、妻は先立っています・・・この世に何の未練も無い」

  「やめてくれ!・・・私は、他人の哀れみなど決して欲したりしない
   誰が何と言おうと、清子は私の娘、瑞希の産んだ進一は私の息子だ」


  「知事・・・」

  「はぁぅぅ・・・いいですね、土方さん・・・今の話は絶対に他言無用に願います
   それと、こんな私でも助けてやろうとのあなたのお心は、あり難く頂戴致します」




強がってみても、事実は事実・・途轍もない孤独感が新藤を押し潰そうとしていた
こんな時、新藤の向かう先は京都の妾宅・遼子の家
こんな精神状態でとても公務に復帰できない


  「あら!こんなお昼の時間帯にお立ち寄りとは・・・・」

  「ああ、少し飲みたい気分なんだ・・・なんだか少し疲れたみたいだ」



遼子の前では、虚勢の必要は無い
では、ゆっくりと休んでくださいと、遼子は微笑みながら温かく迎え入れた
  1. 2014/11/16(日) 13:37:54|
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冬のお天道様 第9回

高遠拓也は新藤清子との交際を新藤に許されないまま、清子とデートを繰り返していた
清子の母、朱美と姉の優子は既に賛成してくれた
だが、反対の理由を明かさないまま、清子の父である新藤が許さないのだ
それでも、清子とは互いの心の絆を深め合っていた
今夜も、清子を屋敷に送り届けたあと自宅マンションまで戻ってきたところだ



 「おい、瑞希さんよ・・・確りと働いてもらわないと、俺が困るんだよ!」



エントランスに入ろうとした拓也の後方から、怒鳴り声が聞えてきた
振り向くと、見るからにヤクザとわかる厳つい男が30代女性の腕を掴んでいた



 「働くと言っても、そんなお仕事はとても出来ません」

 「なに甘えてんだ!・・なぁ、少しぐらいお乳を吸われたって生娘じゃあるまいし
  そんなこと言ってると、坊やの身になにが起こってもしらねぇぞ
  これ以上は、こちとらも容赦はしない・・・なあ、お客が待ってるんだぞ」



男が威圧するかのように、女の顔を覗き込んだ瞬間に拳骨が男の顔面に入った


 「痛ってて・・・な、何をしやがる、待ちやがれ!」




女が拓也の方へ走って逃げてくる、その後をヤクザが追いかける
女は拓也の目の前で、男に取り押さえられた
女に馬乗りになった男が振り上げた手を、拓也が掴んでいる



 「どんな事情か知りませんが・・・女性に暴力はいただけません」

 「なにを!」



ヤクザ男は身を翻し、もう一方の手で拓也めがけてパンチを放つ
しかし、拓也は軽々と身をかわし次の攻撃に対する防御の構えをとる


 「警察を呼んだわよ・・・もう直ぐ駆けつけるわ!」



携帯を手にした女を見て、ちぇ、と唾を道路に飛ばしてヤクザ男が走って逃げていく
道路に座り込んでいる女に、卓也が手を差しだした



 「あっあぁぁ・・・あなた・・もしかして、新藤知事の・・・」

 「えっ?・・・・どこかであなたにお会いしましたか?」

 「ええ、私はあなたを存じております
  ひとまず、私の部屋へ避難しましょう、警察への通報は芝居なんでしょう?瑞希さん
  私は副知事の高遠優子の弟です・・安心してください」



ストッキングの破れた穴から流れる血が美脚を濡らしている
拓也は瑞希を抱きかかえてエントランスに入っていく

その様子を遠くから眺める沖田がいた



 「どうでしたか?・・・私の演技」

 「やあ、お疲れ・・・お前も立派な役者だ、わっはははは・・・
  後は、瑞希が関が原の小早川秀秋にならなきゃ・・・いただきだ」
  1. 2014/11/16(日) 13:38:39|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第10回

これは現実だ・・瑞希の脛から血が流れている


 「擦り傷で幸いでした・・瑞希さん、消毒をしましょう」

 「はい、有難う・・・」



姉の優子よりは少し年下だが、拓也からは年上の女性だ
33歳で2度の出産経験はあるが、知事の秘書を務めた女性
流石に、スタイルは抜群で独身の姉の優子にも勝るとも劣らない
拓也は、リビングの床に腰を降ろし・・・瑞希はソファーに座って脚を伸ばしていた


拓也は家庭用の救急箱の中から消毒薬を取り出し、傷口に塗りつけようとした



 「待って、拓也さん・・・その前に、ストッキングを脱ぎます」



そうだった、薬を塗るにはその方がいい・・・・
瑞希は拓也に背を向けて立ち上がり、ごく自然にスカートを足元に落とすと
ハッとして卓也は顔を背けた
一瞬だがブラックのパンストに包まれた豊満な白いヒップの輪郭は視覚に刻まれる
初対面の若い男の前で、これほど警戒感や恥じらいの風情を見せずにスカートを脱ぐ女性
自然と・・こんな感覚を持った女性といる拓也は普段と異なる感覚の中に入っていく



 「自分で、消毒します・・・それ、貸して」



瑞希は下半身がパンティのみの姿で拓也の方に手を伸ばしていた
消毒薬を受け取ると、再びソファーに腰を降ろし傷口に薬を塗りはじめた
そして・・・・瑞希は空ろな表情で身の上を独り言のように話し出した

落ちぶれた元同僚の沖田に、『息子の進一に危害を加えるぞ』と脅かされ
警察に訴えようとも考えたが、やけっぱちの沖田なら本当に進一を襲うかもしれない
仕方なく沖田の言うなりに従いながら様子を窺がっていたが
収入のない沖田からまとまった金銭を要求され、そんなお金のあてもなく
今夜は、とうとう『肉体を金にしろ』との強制をされたがそればかりは従えなかった・・・・



 「あのう・・・その進一君は、確か・・・ご主人との子と言われてましたが」

 「ええ、演説会の大勢の人の前でそう言いました・・ですが、本当は新藤の子なんです
  そのことも、沖田には勘付かれてしまっていて・・・・なにやら悪巧みを企てている」



新藤の娘の清子と将来を誓い合う仲の拓也にとっては、相手の父の浮気の告白だ


 
 「知事がまさか・・・・いや、清子さんのお父さんがそんなことをするなんて」

 「あなた・・・もしかして、清子さんと?」



あの激戦知事選の演説会で、瑞希との不貞を姉の優子が切り札として追及した時
妊婦の瑞希が現れ、お腹の子の父が新藤であることを否定し、新藤を擁護したのだった
あくまで疑いは疑いにすぎず、姉の優子は選挙に破れた
しかし、今・・・・真実を明かされ、拓也も清子との付き合いのことを瑞希に語りだした



 「そうなんだ・・・あの時にいた、清子さんを好きになったのね
  純真そのものの乙女・・・・分かる・・・・でも、新藤の許しはでないでしょう?」



その通りだ・・・姉と、母親の朱美は了解してくれた、父親の新藤が認めてくれない



今夜、ヤクザ男の世話したお客の趣味だろう
瑞希の服装は銀行OLの事務スタイル
上半身は上着を纏っているものの、下半身はパンティのみ
ソファーに浅く腰を掛け、見事なラインの長い美脚を拓也に曝している
こんな不自然な身なりの中で、身の上話はクライマックスに近づいている
拓也の話を聴きながら、太腿の辺りを手で摩り下半身の構えを変化させると
自然と拓也の視線が、吸い寄せられている



 「拓也さん・・・・可哀そうに、あなたは好きになってはならない女性を求めている」



えっ!と驚きの表情で瑞希に視線を向ける拓也



 「あなたも大人の男性だから、今から話すことをしっかりと受け止めてね
  沖田が言ってたわ・・・あなたのお姉さんと新藤とは男と女の関係ができているのよ」



今まで、美脚を摩っていた瑞希の白い指が拓也の肩先に伸びる



 「姉と知事がそんな関係に?!・・・そんなこと有り得ない」

 「新藤は女性から見て嫌な男じゃない・・・理性と清廉さ、それに野性的なオスの魅力
  私は新藤に主人のいる自宅で犯され、妊娠させられた・・・でも、憎んではいない
  恐らく、お姉さんも同じ思いなのね・・彼はとても優しい、女性にとことん優しいのよ」



拓也の頭は完全にパニック状態だ
違う違うと、首を左右に振りながら俯いている拓也の前に
瑞希が一枚の写真を置いた・・それは優子と新藤とが公園のベンチで睦み会う盗撮写真
食い入るようにじっと見つめる拓也の耳元で、瑞希が囁いた



 「清子さんとはまだなんでしょう?溜まっているものを・・・私の中に出させてあげる」
  1. 2014/11/16(日) 13:39:52|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第11回

一方、京都の妾宅・遼子の家では・・・


 「あっ、あぁぁーん・・・・強い、強すぎる・・・」


アルコールを浴びるように呑み、夕食の途中で新藤が遼子を相手に火がついた
しかし女を孕ます能力が無いという現実は、『女を犯す』という醍醐味が失せ、やるせない空しさを感じさせる
衣服を剥ぎ取られ、立ったまま両手を壁につき臀部を突き出している遼子
その腰を抱きこみ、それでも新藤は激しく剛直を突き入れていた


 「あぁぁう、あぁぁん・・・・ねえ、激しすぎる、痛い・・・」



女の善がる声はこれまでと変化なく・・・・高く、大きい


 「痛いぐらいがどうした・・・・辛抱しろ、もっと、もっと・・苦しませてやる」

 「駄目、駄目!!・・・もう、堪忍して」



その部屋のドアが少し開いている
聞き耳を立て、その様子を覗いている女がいた
ドス、ドスと突き刺さる剛直は女の喜汁で濡れ光っている


 「うむ・・・」


激しくピストンを繰り返す男の腰の動きが止まる
強靭なオスの太腿にメスの指が触れる・・・オスの尻肉にメスの頬が密着する


 「未だ、痴情の世界から抜け出せないようだな・・・優子」
 


その声は優子には届かない
ひたすらに舌を伸ばし、恥穴を舐めようとする
もう一人の女、遼子が新藤の責めから解放され、正面を向いて剛直を咥える
仁王立ちしている新藤は、前後から妙麗の熟女の口奉仕を受けている


 「これで少しは気分も晴れようが・・・・・決して爽快にはなれぬ
  私を馬鹿にする奴らには、とことん思い知らせてやる・・・・・・」



人間の精神に活を与える最上の良薬は、『喜』『怒』『哀』『楽』という感情である
その中でも『怒り』は人間という動物を野生に戻す・・・
それでも、土方から『欠陥男性』と烙印を押され、由緒ある資産家の『新藤家』の血筋は自分の代で絶えてしまうという事実は変りようが無い
新藤は、自分を騙し続けている妻と、さも新藤の子を身篭った振りをする瑞希への激しい怒りが沸々と湧き上がり、『沈下する気』を転換しようとしている
憐れなのは、その鬱憤晴らしの対象とされる遼子と優子の肉体だ


 「おぅぅ・・込み上げてくる・・・遼子!
  お前は私を裏切らない従順な女・・お前に飲んでもらう、混ざり物の無い男の精だ」

 「お願い・・私にも下さい」



新藤の思いなど知る由も無い・・憐れな女、優子がオスの精を強請った


 「そうか・・なら、後でたっぷりと可愛がってやるぞ、優子」
  1. 2014/11/16(日) 13:40:46|
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冬のお天道様 第12回

広い屋敷で夫の帰りを待つ妻・朱美
拓也とのデートから帰宅した一人娘の清子と談笑している


 「お母さん、拓也さんとのことでお父さんが反対する理由がよく分からないの」

 「そうね・・」


 「拓也さんは本当にいい人・・・優しいし、お姉さんに似て凛としてて
  お願いよ、お母さんからなんとかお父さんを説得して欲しいの」

 「ええ、折を見て話してみる・・・お父さんは、あなたのことを大切に思っているから
  あなたが幸せになれると分かれば、必ず許してくれると思う・・・・
  お父さんは、心の広い温かい人だから安心して大丈夫よ」



今の朱美の正直な気持ちだ
沖田との関係を告白した時に見せた夫の態度と言葉


 『沖田のことは任しておけ・・・お前は何があっても二度と沖田と接触してはならぬ
  私にもお前には謝らねばならないことがある・・だから、心配せずに屋敷に居ろ』



嫌らしい性癖はあるにしても、沖田と関係を持った妻を許してくれた・・・・・
夫が謝らねばならないこととは、恐らく沖田が言っていた『女遊び』
そんなことを考えていた朱美を、新婚の時に覚えのある急な悪心と嘔吐が襲う


 「お母さん!?・・・どうかした?」


 (まさか!・・・妊娠悪阻?)



心配げに見つめる清子に、大丈夫よと言ったものの嘔吐は治まらない
洗面室に駆け込み、はぁはぁと息苦しさを堪える
その時、携帯の着信が点滅する・・・・・・・・沖田からだ
青ざめる朱美だが、発信者は諦めようとしない



 「・・・・朱美です」

 「奥さん、やっと出てくれましたね・・・離れようったって土台無理なこと
  あなたとの濃密なセックスビデオ、それにあの爺さんの腹上死の記録まであるのを忘れてもらっちゃ困るんですよ」



突然の悪阻で気が動転していても朱美は、新藤の言葉を忘れていたのではない
ハッキリとした意思をもって電話に出ていた



 「逢いたいなぁ、奥さん・・・・・私のこの豪棒で善がり狂ったあなたを忘れられない
  ふふふふ・・・・・・我慢できないでしょう?あなたも・・どうなんです・・・・」

 「私はどんなことがあっても、あなたに逢わないつもりでしたが・・・
  もう一度、逢わなくてはならなくなりました」



 「そうこなくっちゃ・・このままじゃ、頭隠して尻隠さずの状態ですからねぇ」

 「そう、私ももう逃げたりはできない・・次に逢うまでに考えておいてください
  私のお腹の中に宿った命をどうするか・・・父親としての覚悟を示して頂きます」



ツー・・ツー・・・
昔から言われている・・・『女は弱い、されど母は強し』と
電話の向こう側では、身篭る母親の強い剣幕に押され、沖田は立ち尽くしていた

  1. 2014/11/16(日) 13:41:32|
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冬のお天道様 第13回

緊張感漂う演説会場の舞台の上で、凛とした女性候補が対立候補を舌鋒鋭く追及している
知事選終盤クライマックスの録画映像だ


『新藤候補!・・・・あなたは卑怯な人です
  自分の口からは何も言っていない・・・そんな男なのですか?
  あなたのご家族にもわかるようにお話し下さいませんか
  改めて、お聞きします
  あなたは知事になるために、愛人の女性を部下と結婚させようとしたのですか?』



愛人と呼ばれた女性は新藤の乳首を唇で愛撫し、男の分厚い胸に乳房を押し付けている遼子のこと
この追及の叫びは、ひたすらに男の剛直を口に含み扱きたてる優子の耳にも届いている


 『・・私は、自分の選挙のために家族を利用した
  相手候補の高遠さんが持っていない、夫婦や親子の幸せな家庭を見せつけようとした
  これは、卑劣な行為だ・・・・私は男らしく、高遠さんと同じ条件で戦うべきだった
  そんな行為の報いがきたようだ・・みんなを苦しめてご免よ・・・・・許してほしい
  いいかい?・・・よーく、聞いてほしい
  神に誓って、私はお母さんを泣かすようなことはしていないし、これからもしない
  私には、お前たちの笑顔が命なんだ』



会場にいる新藤の支持者はもちろん、高遠候補の支持者からも感動の拍手が起こる
真実がどうであれ・・・全ての者はこれでいいと思った
壇上で優子が新藤に歩み寄り手を差し延べ、二人は無言でしっかりと握手を繰り返した



 「これは茶番だ!・・・真実を知る者から見れば、私はピエロだ、はははぁ・・」



優子を甚振るつもりでビデオを流したものの、逆に新藤の心の傷を深くする結果となった


 「何物にも代えようのない宝物・・・そう信じてここまで頑張って来たのに
  不実、虚偽・・・・そんな土台から築き上げた家庭だったとは!」



新藤の声の大きさに、優子も遼子も何事かと主人の顔を窺がうと
大粒の涙が鬼の目から流れていた



 「もういいよ・・・二人とも私の腕の中に来なさい」



言われるまま、右腕の中に遼子・・・左腕の中に優子が納まる
主人の新藤がなぜ泣いているのか理由は分からないが、心底から悲しんでいることは感じ取れる
二人の女は、そんな主人を慰めようと肌を寄せてくる



 「そうか・・・お前たちはこんな惨めな私を慰めてくれるのか
  私は自分勝手で酷いことをした男だ・・・なのに、私を・・・有難う
  ・・・・・・・今夜だけ、私と共に泣いてくれ」



優子がキスの雨を降らす


 「思い出したかい・・・自分を?
  あの凛とした女性が君なんだ、全ての女性がそんな君の出現を待ち望んでいたんだ
  明日から、復帰しろ・・・・闘え、闘うんだ優子・・・それが君の天分だ」



新藤の右頬には遼子が顔を寄せ、真上から優子が見つめている
その優子の目からも大粒の涙が零れ、新藤の厚い胸板を濡らす
そして・・・・優子が新藤に唇を合わせてゆく



 「お願い・・・私を打ち負かした、あなた・・・・あなたにも、天命がある!
  今、あなたは全ての県民の父・・・・県民はあなたの子ども達なのよ!」
  1. 2014/11/16(日) 13:42:15|
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冬のお天道様 第14回

こちらは優子の弟の拓也のマンションだ
姉の優子と清子の父が公園のベンチで睦みあう盗撮写真
これでは新藤の許しなど出るはずもなく
この事実を知った以上、拓也は清子を幸せにする自信が揺らいでいる
肩を落とし、その写真に見入っている拓也の側で瑞希がゆっくりと服を脱いでゆく


 「拓也さん・・・」



後ろ向きで振り返りながら、拓也に声をかける
力なく瑞希を見つめる拓也に、優しく微笑みを送ると
自慢の臀部を魅せつけるようにして、パンティを長い脚から抜き去る
男を誘うあの流し目だ・・・髪を掻き揚げ『私を視て』とでも言いたげなポーズをとる
ブラを落とし、裸体のビーナスは拓也の正面を向く


 「さあ・・拓也さん、気が済むように私を抱いて」



恥ずかしがる様子もなく、ごく自然のままだ
美形の乳房が拓也の視界に飛び込み、両手を広げて悩む男を誘い込む
二人の子の出産を通じて垢が抜けた見事な女体
程よい肉付きの両太腿の上には、爽やかに絹草が光って見える
拓也はチラッと瑞希の裸体を見たものの、再び姉と新藤の写真に視線を戻す


 「何故だ?姉さん・・・・どうして、新藤さんなんだ」



いつの間にか瑞希が拓也の側に寄り、髪を撫でている
拓也の視界の中に息づく女の薄桃色の乳首が映る


 「あなたのお姉さんも女、強い男に抱かれた女はみんな、その男の虜になるの
  お姉さんも私と同じようにあの人に魅かれたのかしら・・でも、お姉さんはお姉さん
  あなたとは、違う人生を歩むのだから許してあげなくちゃ」



そう言いながら、瑞希が拓也の指先を自分の乳房に引き寄せると
20代の女性にはない柔らかな感触に、指が震える
耳元まで近づいた鼻先からでる淡い息が、拓也の心を擽っている


 「あなたも・・・私を抱いてごらんなさい
  きっと、お姉さんや新藤の気持ちが少しは理解できるようになる
  その行為と、清子さんを妻にしたいということとは別のこと・・・」



瑞希が赤子を抱くように、拓也の頭を胸に抱きしめる
どうも拓也はまだ女を知らないようだ


 「うふふふ・・・・硬くなって、いいわ・・・私に任せて」



裸の熟女が男の背後に回り、衣服を脱がしていく
ベルトを緩め、ズボンを脛まで下ろし拓也の怒張の先を指のひらで擦るように扱く
精神と生理は別のもの
既に拓也の怒張は白濁の放出まで、秒読み状態だ
男の背に乳房を擦りつけ、肩を抱き指で怒張を扱く
性技に精通した熟女の手管で、経験のない男の怒張は天を突く勢いを得る


 「可愛い・・・さあ、一度抜きましょう・・・・ね
  何も罪悪感を持つ必要はないのよ、私は清子さんとあなたの結婚を応援するわよ
  その代わり、私の息子の進一は義兄弟になるんだから・・進一を助けてあげてね」



この後、拓也は瑞希の口奉仕を受けそこで2度目の放出
3度目は、騎上位で瑞希の女陰に精を吸い取られ、この女体の虜となってゆく
拓也も義理の父の子を宿した女性との性交渉に及ぶという
どろどろの淫靡な世界に足を踏み入れた
  1. 2014/11/16(日) 13:43:20|
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冬のお天道様 第15回

沖田のアジト
アジトといっても、賃貸のぼろアパートだ
その方が、新藤の網の目から逃れやすいと沖田は判断した
そこへ、瑞希が昨日の首尾の報告に訪れている


 「あなたに言われるまま、そのようにしてきた
  拓也は大事な姉を弄んだ新藤への恨みから、もう私の言いなりに動く忠実な僕になったわ」

 「そうか・・・」


 「どうしたのよ?・・・上首尾よ、いつもと様子が変よ」

 「実は・・・・朱美に子ができた」


 「子?・・・その子は、もちろんあなたの子よね!」

 「・・・・ああ、そのように朱美は言ってきた」


 「やったわね!・・うふふふ、風はフォロー・・で、どうするつもりなの」

 「それを、朱美に迫られている・・迷っているんだ」



沖田の言った『迷っている』の一言で
瑞希は悪党ぶっても悪党になりきれない、沖田という人間の弱さを感じ取った


 「何を迷うことがあるのよ、決まってるでしょう!
  産ませなさい・・・あなたの子でしょう?・・そして、新藤から朱美を奪い取るのよ」

 「お前・・・何を考えている?」


 「当然でしょう、私は進一の母・・・進一を新藤の正当な跡継ぎにしたい
  そのためには何だってやるわ・・・計画どおりに、清子を犯してちょうだい」

 「待て・・急ぐな」




弱気になっている悪党チームの大将に、ここぞと瑞希は攻めかかる



 「あなたがそんな弱気じゃ、あのチンピラとケバ女はついて行かない
  この計画から降りなさいよ・・・後は私が上手くやる」

 「瑞希!お前は」


 「そうよ・・所詮、あなたと私は初めから意気が合わない
  悪党に成りきれない中途半端な男は、さっさと朱美奥様と駆け落ちすればいいわ
  そうしたいんでしょう!・・あの奥様に情が移っているぐらい分かっているんだから」

 「そんな無謀なこと・・・あの人がするはずない」



瑞希は沖田の本音を引っ張り出して、ニタッと笑った


 「私の言うとおりにすれば、大丈夫
  朱美奥様が、あの屋敷に居場所がなくなるようにすればいいだけのこと
  奥様があなたと逃げたいと思うように、仕上げてあげるわ
  その代わり、最期まで奥様を離しちゃ駄目よ・・・・・ふふふふふ」

  1. 2014/11/16(日) 13:44:07|
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冬のお天道様 第16回

知事執務室に職務復帰した副知事の優子、秘書の美樹、土方医師そして叔父の議長の4人が集まっている


 「私は年頭の記者会見で、地域新党の結成と次期総選挙への立候補
  そして、それに伴う知事後継について表明したいと考えています」

 「進君、年頭の記者会見の場はいいとしても、タイミングとして今の情勢では総選挙はもっと先ではないかね」

 「叔父さん、政権党は既に分裂状態ではあるものの、政権与党の甘みに取り付かれ負けると分かっている選挙をするはずがない・・・という見方ですね
  しかし私は、春に解散総選挙があると見ております
  真に、この国を憂う思いのある人ならば、もう一度選挙で戦い政界再編してでも、この国を良き国に導くのが本来の政治家の姿
  少なくとも、与党の政治家の中にはこんな思いの人たちもいる
  私は誰よりも先手を打ち、統一地方選挙前に仕掛けるのがタイミングと思っています」



そして
新藤は自分の後継に高遠副知事を指名、また選挙事務長は土方病院グループ代表の土方医師にお願いし、二人は快諾した



 「私の苗字の『新』が『近』なら、『誠』の旗の下に結集した新撰組の結成なんでしょうが・・
  ねぇ、土方先生・・・」

 「ははは・・・面白いことをおっしゃる、私は最期まで戦い続ける土方ですか
  それなら、一番隊は沖田、二番隊は斉藤・・・・いや、余計なことを申しました」


 「いいえ、あなたには私が倒れた後も最期まで夢を追い続け闘っていただきたい
  沖田に斉藤ですか・・・斉藤?・・そうだ、中国地方からも一人立てましょう
  少し若いですが、協力してくれそうな若者がいます・・彼の親族の力は強い」




とうとう、表の舞台でその時が来たのだ
今の新藤には迷いがない、かつて知事選に出馬した時の勢いを感じさせる
皆が退室すると、美樹が尋ねた



 「知事・・・私は今後どのように?」

 「君は、ずっと私の側に居ろ
  国政の場で、君は働いてもらう・・・・県のことは、優子に任せておけばいい」


 「私をお忘れかと思いましたが、それで安心しました
  ずっと最期まで、私も知事について行きますから・・・・・」

 「頼むよ、美樹・・・あの選挙に勝利し知事になれたのは君のお陰なんだから」



 「でも・・奥様と沖田のこと、そして瑞希さんのことなどまだこれからですが・・」

 「そのことだ・・・美樹、今から話すことを心に刻んでおいてくれ
  優子はもう大丈夫だ、我々とともに同じ目標を頂く同志だ・・・土方さんもそうだ
  だが、叔父さんは分からない
  叔父さんが選んでくれた候補者を、今から君がしっかりと手懐けてくれ」



 「親族である議長が離反する?・・と言う事は、まさか奥様との縁を切る・・」

 「可能性があるということだ・・・」



 「知事・・・もしかして、それほどまでに瑞希さんを?」

 「美樹、私は女性が好きだが溺れたりはしない
  私が欲しているのは、母が子を慈しむような誠実な愛だ
  彼女にそれがあるかどうか・・嘘、偽りはどうしても許せん」



美樹は新藤の中に、今までにない恐ろしいほどの強い闘志を視た

  1. 2014/11/16(日) 13:44:53|
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冬のお天道様 第17回

沖田に呼び出された朱美が、古びた喫茶店の奥の席で向かい合わせに座っている


今まで本当に酷いことをしてきた、妊娠させたことを心から謝りたい
しかし、宿った子に罪はなく、子の父として堕胎して命を奪うことは忍びない
不貞の子を出産するということが、あなたにとってどんなに辛いことかは想像できる
そこを曲げてお願いしたい、なんとか新藤の子として育ててもらえないか
自分は、今後一切・・・新藤と朱美の前には現れない



 「あなたは・・・このお腹の子の前にも二度と現れないのですね」

 「はい・・・その子に人生を与えたい、あなたを不貞の妻にさせたくはない
  今まで、憎い上司の妻である奥様には酷いことばかりしてきました・・ですが
  いつしか私は、奥様を本気で愛してしまいました・・・お腹の子はその証
  その子とあなたのためなら、私は消えていく・・・・・ですから、その子の命だけは」



 「・・・分かりました・・今、言った事に嘘、偽りはないですね」

 「はい、今の私は奥様を愛しています、本心です・・・これで、今生のお別れです
  最期のお別れに・・・・お願いです、我が子が宿る奥様をもう一度だけ」



沖田に何度も犯された朱美である
『今生の別れ』の言葉に、感傷的になっていた




 「あら・・・お母さんだわ」

 「そうだね、側にいる男の人・・・誰なの清子ちゃん」

 「知らない・・初めて見る人」


朱美とヤクザな男が寄り添って、喫茶店から出てくるところを清子と拓也のカップルが見かけたのだ
不思議な取り合わせに清子の心は乱れ、拓也の『後をつけようか』の誘いに従った
その二人の前で、周囲を気にしながら、朱美と男はいかがわしいホテルへと入って行く
暫く間をおいて、拓也がホテルに入りフロントで何やら聞き込み清子に伝えた



 「清子ちゃん・・・このホテルは・・・その」

 「嫌、そんな筈ない・・・お母さんはそんな人じゃない」


 「そうだよね・・君のお母さんが不倫などする訳がない、きっと人違いだ
  今、入った二人の部屋には仕掛けがあるらしいんだ・・覗きの趣味のお客用に」

 「今の二人の様子を、他人に視られてしまうの!?」


 「そうらしいよ・・・いつもは何人か待機しているらしいが、今は居なくて・・
  あっ!あの男、怪しいね」

 「ねぇ、拓也さん・・・その部屋に誰も入れないようにして頂戴」

 「ああ、分かった!」



拓也がホテル玄関を入ろうとする男を押しのけ、先にフロントへ走る
清子の心臓は、破裂しそうな勢いで脈を打っていた
  1. 2014/11/16(日) 13:45:51|
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冬のお天道様 第18回

清子と拓也が入った部屋
なんの飾りもなく、大きなソファが二つ、夫々左右の壁に向かって背合わせに並んでいる
その正面には、壁一面に黒く長いカーテン・・・ここは集団での利用もできる覗き部屋だ
時には貸切りのお客もいて、他人の情交の様子を覗きながら楽しむカップルもいる


 「清子ちゃん、少し待って
  自動販売機で飲み物を買ってくるよ・・・」



拓也はドアを閉めるとき、入り口から左のカーテンを指差し照明を切って出て行った
清子が一人で確認できるようにとの、拓也の思い遣りに感謝した


清子は拓也が出て行くと、居ても立ってもいられずカーテンを開ける
薄暗い明かりの中で、裸の男女が立ったままキスをしている様子が見える
その女性が母の朱美かどうか、ハッキリしない・・・暗すぎる
壁にスピーカー音量と書かれたスイッチがあり、恐る恐る音量を上げると
女の艶ぽい息遣いが部屋中に漂う
男が女の背後に回り、両手で乳房をねっとりと揉み乳首を指先で撥ね
口は吸血鬼のように、女の項に吸い付いている



 「そろそろいいでしょうか・・・朱美奥様、ベッドの方で楽しみましょう
  今は、ご主人や娘さんのことは忘れて・・・私だけの女になってください」



 (朱美奥様!?・・・私だけの女!だなんて)



男が女を抱き上げベッドへ運ぶ
女の首筋に再び吸い付き、女の顔がこちらの正面を向かされる
枕元のスタンドの淡い明かりが、女の顔を浮かび上がらせる


 「あっ、お母さん!・・・・」




清子の居る覗き部屋のドアが開き、一人の男が入ってくる
清子は恥ずかしくて、男に顔を合わせられない
視線正面のベッドの上で、母の乳房から臍へと這わす男の指の動きに目を見開いている
男が母の乳首を口に含むと『あぁぁっ』と言う喘ぎ声が漏れる
男は母の乳房を口一杯に含み、吸い上げ、指先で女陰を甚振りだした


興奮とショックで固まる清子、それでも女の生理だろうか
目の前の母の艶姿に、乳首が反応し、女の芯が疼きが起こる

スピーカーからの母の喘ぎ声は、一段と高くなり娘の清子が聴くに耐えない言葉が出る



 「お願い・・・早く、来て」



母が父ではない男を受け入れようとしている
自ら両脚をM字に大きく広げ、その間に男が腰を入れていく・・・



 「あっ、あぁぁぁぅ・・・堪らない」

 「朱美・・・お腹の子に、父親である私の逞しい豪棒で挨拶するよ、コンニチワとね」



 (えっっ!?・・・お腹の子?・・妊娠してるの、お母さん!!)




いつの間にか清子の長い髪を男が撫でていた
その手が脇と腕の隙間を抜け、未だ男を知らぬ乙女の乳房を、直に揉みはじめた
歯をくいしばって、清子は愛しい男の愛撫を受け入れた
目の前では、母が男の豪棒の挿入に身を任せ全身で性の喜びを表している
そして、清子の心には母から子へ、男女肉交の歓喜と愉悦が、淫声とともに伝授される

清子の乳房への男の愛撫は下へと伸び、乙女のパンティを潜り抜ける



 「お嬢さん・・・濡れてるね」

 「えっ?!!あなたは、誰?・・・うっっ」



清子の口を男の口が被さり、後は言葉にならない

  1. 2014/11/16(日) 13:46:36|
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冬のお天道様 第19回

大きな体躯で、がっしりと清子の細身が締め付けられている
清子がいくら男から逃げようとしても、その腕の中から離れることが出来ない
何とか首を振り、ふさがった口が自由になると、必死で拓也の名を呼ぶ


 「お嬢さん、そんなにあんな優男がいいのかなぁ?
  助けを求めても無駄だよ・・・あの男はお嬢さんを嵌めた男なんだから」



ヤクザ男が清子を腕から逃がし
ニタニタと笑いながら、舌で唇を舐めている


 「嘘、嘘よ・・・拓也さんが私を騙すなんて、絶対にない!」



獲物を捕らえて離さない、男の鋭い視線が清子の肢体を見定めている


 「あんたはあの母親の血を引いている・・だから、自然とからだが疼く
  今度は、もっと活きのいい情交場面を見せてやろうか?
  ほれ、よーく視てみろ・・・・愛しい男がそこに居るかもな」



ヤクザ男がもう一方のカーテンを開けると
ベッド中央で、男に跨り男根を扱くケバい女が見える
仰向けに寝ている男の顔に臀部を押付け、緩やかに揺すり
男の顔は見えないが、硬くなった男根の亀頭部分を口に含み精を搾り出そうとしている
何度も舌で舐め上げ、指で男根を上下に扱くと、勢いよく白濁の精液が噴射した


男はその部屋のスピーカー音量を上げる


 「拓也、凄い!・・・・ほんとに、凄い量だね
  これだけ出せば、後は長持ちするから・・・たんと、あたいを喜ばしておくれよ」


 (拓、拓也さん・・・・何しているの!)



ケバ女は、マジックミラーの向こう側から覗いている清子を意識して
ことさら、未だ萎えない拓也の男根を舐め上げ見せつける


 「若いことの象徴ね、この男根の元気よさ・・・直ぐに、あたいの中に入れてあげる
  あんたの童貞を奪ったお姉さんが言ってたわ、早漏だって
  だから、あたいは先に一度、抜いてあげたのよ・・優しいでしょ、あたいは」



そう言って、ケバ女が騎乗位になり拓也の男根を女陰に含ませると
マジックミラーの方に拓也の顔を向け、その口に長い舌を這わせていく


 「もう・・嫌!・・嫌、嫌」



両手で、清子は顔を塞ぐ
その手はヤクザ男に簡単に剥がされる



 「お嬢さん、あれがあんたの好きな優男か?早漏だって言ってるぞ
  今やってる、あのケバ女で二人目の経験だとさ・・・
  よーく、視ておくんだ!優男の逝くところを・・・それで、あんたも吹っ切れる」



ヤクザ男が清子の反応を楽しむように、身体中に手を這わしていく
  1. 2014/11/16(日) 13:47:20|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第20回

清子のいる覗き部屋の両サイドの壁は、大パノラマの実演セックスショーの最中
それも、一人は実の母の浮気現場、もう一つは恋人の拓也の裏切り肉交場面なのだ
部屋中に双方の部屋から女と男の淫声が、絶え間なく伝えられる
性交渉の経験のない清子でなくとも、正常ではいられない
全身が振るえ、ただただ首を小刻みに振り続けている
それをいいことに、ヤクザ男が清子の衣服を剥ぎ取っていく
抵抗することも忘れ、裸にされても清子は立ち竦んでいる



 「お嬢さん・・・素晴らしい!
  この見事な乳房の形・・・そして、このヒップの肉付き・・・・」



清子の性感度を確かめるように、ヤクザ男がゆるゆると淫手を這わす
女の抵抗を予防するように、時折、顔を隣室に無理やり向けさせ、情景を見せ付ける



 「ほら、よくご覧・・・お母さんのあの腰の動き
  あの男の豪棒を女陰に受け入れ、感極まって痺れている・・ほら、顎があのように」



そう言いながら、ヤクザ男の手が清子の首筋を撫でる
乳房を優しく揉み、乳首を摘む
大きな両手で清子の裸の肢体全体を隈なく愛撫している



 「ああっと・・・あんたの好きな優男もそろそろ限界のようだ・・
  早いね・・・・二度目だよ」

 「嫌!・・・もう」



ヤクザ男の手が清子の陰核を擦っている
円を描き、ちょんちょんと撥ねる



 「心配しなくていいよ・・・実は、俺は紳士なんだ
  こんなところで、お嬢さんを犯すなんて野暮なことはしない
  今は、こうでもしないとお嬢さんの気がふれる・・・だから、やってるんだよ」

 「あっ、あぁぁぁ・・・ん」


 「今まで、こんなことやった事がないんだろう?・・・気持ちいいだろう!」

 「そ、そんなことない・・・・・あぁぁぅ」



覗き部屋に流れる、隣室からの淫声のトーンがクライマックスに近づいている


 「おおっと・・・時間が来たようだ
  お嬢さんには、隣室のお二人の逝くところをじっくりと見学願おう」



そう言うなり、ヤクザ男は強引に清子の舌を吸い上げる


 「あぁっ・・うぅぅぁ」



甘い、清らかな舌の感触を楽しんだヤクザ男は
清子を立たせたまま、少し両脚を広げさせ、その正面に潜り込むと
露に濡れる処女の女陰に刻印を押すかのように、ヤクザ男が舌を伸ばしていく



 「あっあぁぁぁぁ・・・駄目ぇ・・・」
  1. 2014/11/16(日) 13:48:07|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第21回

身支度をしている朱美を、ベッドの中から沖田が眺めている
自分の子を宿し、我が精をたっぷりと女陰の中に収めた女が
後ろ向きにブラを付け、パンティを身に付ける・・・鏡の前で髪を整え、ルージュをひく


 「それでは・・・これでお別れです・・・どうか、お元気で・・・・」



沖田は応えない・・・
そう、直ぐに戻ってくる・・・そして、この女は完全に自分のものとなる
だが眺めている女は、これまでの因縁を断ち切れる安心感で満ちていた



朱美は、フロントで支払いを済ませて振り向くと、信じられらい光景が目に写った
娘の清子がこちらを見て立っている・・・その後ろには、厳つい見覚えのあるヤクザ男


 「不潔よ!・・淫乱!澄ました顔をしてあんなこと、お父さんが可哀そう!」




『パーン』・・と頬が打たれた音が、ロビーに響く
清子がホテルから走り去っていく
ヤクザ男が首を傾け、朱美に向かってヘラヘラと笑う


 「楽しい夢の後は、現実が待ち構えている・・奥さん、世の中そんなもんですよ
  先ほどの情交は生で覗かして貰いました・・お嬢さんと一緒にね
  凄い逝きっぷりだった・・これからのことは、沖田の兄とよく相談するんですね
  お嬢さんのことは心配いらねぇ・・・一人前の女に、あっしが育てますから」



バイバイと片手を振りながらヤクザ男もホテルから去っていく
その場で、呆然と立ち竦む朱美がいた



悪党どもが、沖田のアジトに集合した
もはや完全に、瑞希が仕切っている


 「じゃ・・これで皆取りあえず、解散しましょう・・・その方が間違いなく安全
  念願かなって朱美と家庭を持つ男、拓也という美男子を手に入れた女
  これからレディになる清子を思いのままにできるヤクザ
  それぞれ、これから先十分にやっていけるわね
  朱美は金持ちだし、拓也もしっかり働いている・・・ただ清子は」

 「それは心配いらねぇよ、瑞希姉さん
  あの玉は高く売れる・・間違いなく処女だし、俺が仕込んでたっぷり稼がせる
  そのために、あの場は我慢したんだぜ・・・この俺が」

 「ほうぅぅ・・あなたも、少しは成長したようね
頼んだわよ・・あの娘に屋敷に居られちゃ、この私が困るんだから」


 「しかし、瑞希・・お前という女はとんでもない・・・」

 「悪女だって?
  あなたには、感謝して貰いたいわ・・・朱美をものにできたのは誰のお陰かしら」

 「ああ、そうだな
  ホテルで呆然自失の朱美に離婚届にサインをさせ
  その後、ねっとりと夫婦の契りを交わす・・これまでで最高のセックスだったぞ
  必死でしがみ付いてくるわ、狂ったようにしゃぶりつくわ、ぎゅっと締め付けるわで
  男冥利につきたとは、このことを言うんだろうな」


 「それはそれは、沖田の兄貴、念願が叶っておめでとうございます」

 「あたいも、あの拓也を気に入っているし・・・あたいの身体で虜にしてみせるわ」

 「みんな、その意気よ!誰にも等しく陽が当たって当然よ
  金持ちや家柄の上に、胡坐をかいてのうのうとしている人間には鉄槌が下ればいいのよ!
  私もこれから本当の大一番・・・・
  上手くいったら声を掛けるから、楽しみにしてて・・・じゃ、これで暫くお別れよ」


悪党全員が再会を期して、『オー』と気勢をあげた

  1. 2014/11/16(日) 13:48:52|
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冬のお天道様 第22回

 「瑞希!どうして君がここにいる?・・・その子は」

 「この子は進一、もうこんなに大きくなった・・抱いてあげて、あなたの息子を!」


新藤の屋敷で主を出迎えたのは、妻の朱美ではなく瑞希だった
リビングの机の上には二通の離婚届
一つは、朱美のサインがあり、もう一つは瑞希夫婦のもので瑞希の夫のサインがある



 「瑞希、これはどういうことだ・・・話してくれ」

 「さて・・何からあなたにお話しすればいいか、とんでもない事態になってしまって
  そう・・なぜここに私と進一がいるのか?・・それからお話しします」



瑞希の話は、自分と進一のことから始まる・・・
夫が進一の出生に疑念を持ち離婚を迫られていたこと、元同僚の沖田からも脅され
仕方なく沖田に従い、そこで沖田と朱美の関係を知ったと言う
朱美は沖田の子を宿しており、その子を新藤の子として騙して育てることも考えたが
沖田に肉体的にも精神的にも依存して離れ難く、新藤と別れる決心をしたという


 「何だと!朱美が妊娠していたと・・・」

 「ええ、奥様があなたより沖田を選んだ最大の理由、ただ運悪く・・
  お嬢さんにそのことを知られてしまい・・・・お嬢さんにも災難が飛び火した」



清子は拓也の淫行現場を目撃してしまい、そのショックを受けたまま帰宅したところ
母の朱美と沖田が不貞行為の最中で、その会話から朱美の妊娠を聞いてしまった
呆然自失となった清子を、沖田と行動をともにしていたヤクザ男が逃走の駄賃にと連れ去り、進一を連れた瑞希は彼らには邪魔でしかなく、ここに残されたという訳だ・・・・



 「拓也君が清子以外の女と淫行?・・・それで、清子もあのヤクザ男と
  うぅぅぅむ・・・この期に及んでは如何しようもない、裏世界に潜ってしまう」

 「進一を連れた私一人では、どうすることもできなくて・・ごめんなさい」




沈痛な表情を見せる新藤を横目に、瑞希は一枚の写真を取り出した


 「この写真のお相手は、確か副知事の高遠さんよね・・・・
  沖田があなたを脅すために大事に隠していたのを、私が何とか取りかえしたのよ」

 「この盗撮写真を利用して、朱美も拓也も淫の世界へ引っ張り込んだか!・・沖田」



沖田一味にしてやられ、怒り心頭の新藤を見ながら
ヨチヨチ歩きの進一をしっかりと抱き、瑞希が懇願する



 「あなた・・お願いです、この子を認知してやって
  お願いです、このとおり・・・・・・私はなんとか自分で生きていきますから」


と、深々と頭を下げる
瑞希は泣いているのか、身体を小刻みに震わし新藤の言葉を待つ・・・
暫し沈黙が流れ、瑞希の耳に願ってもない朗報が届く



 「事、此処に至りて、為すべきことは決している
  私は、今からこの進一と人生をやり直す・・
  もちろん進一の母の瑞希は、私の妻として共に人生を歩んでもらいたい」

  1. 2014/11/16(日) 13:49:50|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第23回

混乱、激動の寅年の年末が過ぎ、新しい卯年の新春を迎えた
『卯』の語源は神への供え物として、肉を真二つに切り両手で差し上げた姿だという


新藤は仕事始めに予定していたとおり、「地域政党」立ち上げの記者発表を行う予定だ
だがその席には、朱美の叔父の県議会議長は顔を出さないという連絡が入っている
当然だろう!
正月の挨拶に新藤の屋敷を訪れた議長は、姪の朱美も清子もいない屋敷にいる瑞希に逢って、かんかんになって帰って行ったのだ


新藤は、副知事の優子と土方を召集していた


 「知事!
 議長が離反するということになれば、新党創設の根本基盤が崩れてしまいますが・・」

 「土方さん、説得できるかどうか・・今、美樹に叔父さんを迎えに行かせています」



知事執務室のドアが荒々しく開くと、叔父の議長が新藤を睨みつける


 「進君!君という男は政治家には到底なりえん!
  政治家にとって一番大切なものは、何だと思っているんだ!
  教えてやろう、『信頼』と『節操』だ・・・・君にはそれが全くない
  なんなんだ、正月に見た子どもと女は?それで姪の朱美を追い出したのか?
  清子ちゃんも屋敷を飛び出したと言うじゃないか!
  君は、親として、夫として、いや人間として失格だ・・そんな人間など世間は認めん!」



朱美の親族である議長は、新藤を厳しく叱責する
確かに言われていることは正当であり、優子も土方も新藤を擁護できない



 「叔父さんの言うとおりです・・・私の火遊びから朱美と清子を酷い目にあわせました
  だから叔父さん!私は、何としても二人を探して見つけ出したいのです」

 「詭弁だ・・・あの女が言ってたぞ、離婚届を出し、君が妻にすると約束したと!」


 「それは彼女を信用させるために、やった方便です
  離婚届を彼女自身に提出させ、待婚期間が過ぎれば結婚すると嘘の約束をしました
  朱美と清子を連れ去ったヤクザは、恐らく彼女の手先
  裏の世界に入り込んだ女は、表の世界に戻って来る可能性はほとんどありません
  彼女を見張っていれば、手掛かりが見つかるかも知れないと思ってしたことです」

 「裏の世界だと?」


 「清子を連れ去ったのは・・瑞希を調教していたヤクザ男
  朱美を誑かしたのは、その瑞希と同僚の元部下です・・これは完全に仕組まれたもの」

 「そんなに怨まれるとは、彼らに何をしたんだ、君は?
  ・・それで、姪の朱美と愛娘の清子ちゃんを助けられるのか!この浮気者が!」



参謀格の土方は、もう黙ってはいられなかった


 「議長さん、それと副知事も、美樹さんも驚かないで聴いて下さい
  知事には決して他言無用と口止めされていますが、お話しした方がよさそうです
  実は、清子さんは、知事のお子さんではありません・・勿論、知事の子と言われている進一君も」

 「な、なにを馬鹿な?!・・土方先生」

 「新藤知事は、それを承知の上でおっしゃられている
  そのことを隠していた奥様と、血のつながらない娘の清子さんを探し出すと
  自分の罪を詫び、恥を忍び・・朱美奥様と清子お嬢さんを助け出したい一心なんです
  そうですね・・知事」



一同全員が、新藤を見つめている


 「私は情けない男だ
  どうしようもなく暢気で、他人の心の傷みを机の上で理解していた男だった
  今のこの事態は、裕福な家庭環境で驕った私の傲慢な行為への天罰だ
  全ては、私に責任があり、朱美や清子に・・必ず逢って謝罪しなければならない
  恥をかこうが、全財産を失おうが・・・何年かかろうとも、必ず二人は助け出す!」
  1. 2014/11/16(日) 13:50:48|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第24回

このメンバーの中で冷静沈着かつ非情になれるのは、美樹だ


 「私たちにとって非常事態ですが、知事の朱美さんや清子さんへの思いを叶えるためにも
  こちらもスクラムを組んで悪党どもに反撃しましょう!
  まずは沖田側の最も脆いところを全員で叩く!・・それは、拓也さんに付いている女
  一方で、当初の基本方針どおり新党を立ち上げ、総選挙と知事選のダブル選挙に備える
  議長、それで宜しいですね」



美樹は前面の迷いを断ち、後面の敵と戦うという『知事派団結』を提案したのだ

まずは、姉の優子が拓也を立ち直させる
困った単純なケバ女は、仲間を頼る
頼る相手は、第1に瑞希・・・第2にヤクザ男・・・最後に沖田
瑞希との接触を絶つことができれば、自然と清子、朱美に辿り着けるというものだ


 「美樹・・・君は『男』だ、叔父さんを納得させた
  一族あげて、私を支えると言わしめた・・・・・・有難う」


と・・・美樹と二人きりになった知事室で新藤がポツリと言った



 「知事・・幸せな家庭、有り余る財産・・・そんな家柄のお坊ちゃん
  そんなお坊ちゃんが、女に目覚めて・・次から次へと手を出した
  瑞希さん、優子さん、そして私や遼子さん、この事態はその報いかと思っていました
  でも・・清子さんが知事の子種じゃないとすると・・原因はもっと奥が深い
  いったい誰の画いたシナリオなの?・・・今の状況は?」

 「美樹・・・私の側にきておくれ
  君を抱いていると、心が休まるんだ・・・私も怖くなってきた
  なぜ、私が知事なんだ・・どうして、私が国政を目指さなければならないんだ
  私はもともとそんな野心家ではない・・・後ろで誰かが私の背を押している」



美樹を抱く、豪胆で奔放の新藤の腕が震えている


 「もしかして・・・清子の父がこの世で成し遂げ得なかった夢を
  この私を通じて実現しようと・・・そんな、そんなことが」

 「知事・・・妄想は止めましょう
  あなたは、あなたであって他の誰でもない
  あなたは、誠実で他人から影響を受けやすい・・でも、間違ったことを憎む人
  家族も大事に思っているし、一般の人も幸せにしたいと思っている優しい人
  だからこそ、知事にもなれた・・県民はあなたを選び、私も、遼子さんも、優子さんも
  あなたに従って生きている・・・・・あなたは、あなたよ・・しっかりしなさい!」

 「美樹・・・有難う」


新藤が美樹を抱き寄せ、キスをする


『全ての人の父になれ!』と言って励ましたのは優子
今また、美樹によって『自分は他の誰でもない自分』だと、自律した人間を目指せと勇気付けられている



 「美樹・・・私はやるぞ
  自分の意思で、叶わなくとも心に決めたことを徹底的にやっていく
  先祖から貰った財産や、今の名誉などいらぬ!私のワールドを構築してやる
  どこまでも、いっしょだ・・・・美樹」


新藤陣営もなんとか体裁は整った
だが、この間も朱美と清子は淫靡な世界を彷徨っている・・・・・・・
  1. 2014/11/16(日) 13:52:00|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第25回

 「お顔を見たくて面会にやってきました、師匠」

 「よく来たな、若僧」



ヤクザ男が師匠と呼ばれた老人のいる刑務所に面会に来たのだ
この老人は、強請りの現行犯で新藤の選挙事務所で逮捕されて服役中だ


 「師匠、あの憎っくき新藤に一泡ふかせてやりましたぜ
  かつての部下、瑞希と沖田と手を組んで・・あっしは奴の娘を手に入れました」

 「・・・・そうかい」

 「今頃、奴さん・・・どんな面をしていることか
  女房も沖田に孕まされて駆け落ち離婚・・・・その後に、瑞希が座ってまさぁ」



ヤクザ男は、自慢げにここまでの経過を詳細に師匠に伝えた


 「ふうぅぅん・・・それで?」

 「そ、それでって・・・師匠は嬉しくなんですかい?あの野郎への恨み辛みを晴らすことに」


 「ああ・・・ワシはもうこの歳だ、先も短く今の娑婆に未練などない
  欲もないからよく見える・・・・この先がな
  お前とワシは付き合いが長い、だから一つ忠告してやるぞ
  あの新藤という男は・・・神か悪魔か・・・・いや、その両方を備えた怪物だ
  人間らしくなる時が神、自分の本能で動く時が悪魔
  妻や娘、家庭・・そんなものから超越している・・恐らく、もう動き始めているぞ」

 「それじゃ・・奴さん、妻や娘がどうなろうと痛くも痒くもないというんですか?
  なんという人間・・・ヤクザ以下の下種野郎が!」

 「いや違う、ただの下種野郎ではない・・・いいところもあるから知事なんだ」
  


そんな理屈はこのヤクザ男には到底分からない


 「それより師匠・・・奴の娘は実にいい素質の持ち主で、仕込み甲斐のある女
  毎朝、あっしの特製ホルモンミルクを飲むのを日課にして男の体に馴らしています
  あの娘の舞台デビューを、師匠に御見せできないのが本当に残念です」

 「それで、もう抱いたのかい?」


 「へっへへ・・・それは、まだ・・はっはは・・・お客のために我慢、我慢です」

 「ほうぅぅ・・・お前も成長したもんだ・・それは大事なこと、商品は大切に、だな」

 「じゃ、師匠・・お達者で」



ヤクザ男の面会が終わると、老人が看守に耳打ちをする
看守は顔色を変え、走り出した

  1. 2014/11/16(日) 13:52:53|
  2. 冬のお天道様・道明
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冬のお天道様 第26回

天井に設置された大きな鏡に、男の胸にしがみつくように眠りこける裸の熟女の背が写る
男は煙草に火をつけ、大きく一服の煙を吐いた

さて・・・・
沖田の目算が狂い始めている
財産家の夫人の心を奪い取りさえすれば、少なくとも生活は安泰と思っていた
だが、深窓の中で苦労知らずの生活を送っていた朱美のカードの名義は全て夫だった
当然の如く使用禁止の措置がとられ、いずれ引き出した現金も底をつく
今更、財産分与などと新藤の前に姿を出す訳にはいかない
金のことは・・・・・・・瑞希に頼るほかない

それに・・・
新藤の妻であった朱美を抱く時のあの激しい興奮は、今は完全に色褪せている
憎き男の妻を誑かすという魅力は、この男にとって何よりも代えがたい興奮剤だったのだ
だが、手に入れた朱美は美貌の持ち主とは言え、子を宿した40代後半の熟女でしかない
その熟女の手が動いた


 「沖田さん・・・」

 「どうした?朱美・・・・激しく逝ったようだが、まだ足りないのか?」



熟女の指先が、鍛えられた男の胸の筋肉の上を這う


 「私・・・苦しくて、苦しくて・・・・・この気持ちを何とかして下さいな」

 (まただ・・・夫から逃げ、娘に非難され・・・セックスに逃げる
  勘弁してくれよ・・・・俺は、セックスマシーンじゃない)



 「私には・・・もう、あなたしかいない・・・・ねえ、お願い」

 (止めてくれよ・・・)



 「そんなに、狂いたいのか?朱美
  あんたは、あの新藤の妻だったんだぞ・・・少しはしゃきっとしたらどうだ」

 「御免なさい・・・でも、私は・・・今の私は・・・・」



憂鬱が沖田を包む
そんな沖田の気持ちも分らず、朱美は男の怒張に手を這わしていく
沖田は天井の鏡に映る自分の顔を視る

これで良かったのか?
あの新藤に恨みを晴らせたのか?

自分の豪棒を扱き、被さっている油の乗った女の背に、新藤の笑い顔が浮かぶ


 『馬鹿な奴だ・・・沖田、そんな年増の女なんぞくれてやるぞ!
  精々日陰で、生まれてくる子どもとひっそりと暮らすんだなぁ・・・ははは』

 「くそったれ!!」



沖田の豪棒が、今夜二度目の爆発をした
  1. 2014/11/16(日) 13:54:14|
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露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
妻の浮気を容認?・橘 (18)
背信・流石川 (26)
鬼畜・純 (18)
鬼畜++・柏原 (65)
黒人に中出しされる妻・クロネコ (13)
最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
妻の加奈が、出張中に他の男の恋人になった (5)
他の男性とセックスしてる妻 (3)
断れない性格の妻は結婚後も元カレに出されていた!・馬浪夫 (3)
ラブホのライター・され夫 (7)
理恵の浮気に興奮・ユージ (3)
どうしてくれよう・お馬鹿 (11)
器・Tear (14)
仲のよい妻が・・・まぬけな夫 (15)
真面目な妻が・ニシヤマ (7)
自業自得・勇輔 (6)
ブルマー姿の妻が (3)
売れない芸人と妻の結婚性活・ニチロー (25)
ココロ・黒熊 (15)
妻に射精をコントロールされて (3)
疑惑・again (5)
浮気から・アキラ (5)
夫の願い・願う夫 (6)
プライド・高田 (13)
信頼関係・あきお (19)
ココロとカラダ・あきら (39)
ガラム・異邦人 (33)
言い出せない私・・・「AF!」 (27)
再びの妻・WA (51)
股聞き・風 (13)
黒か白か…川越男 (37)
死の淵から・死神 (26)
強がり君・強がり君 (17)
夢うつつ・愚か者 (17)
離婚の間際にわたしは妻が他の男に抱かれているところを目撃しました・匿名 (4)
花濫・夢想原人 (47)
初めて見た浮気現場 (5)
敗北・マスカラス (4)
貞淑な妻・愛妻家 (6)
夫婦の絆・北斗七星 (6)
心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
胎動の夏・道明 (25)
それぞれの秋・道明 (25)
冬のお天道様・道明 (26)
灼熱の太陽・道明 (4)
落とし穴・道明 (38)
■未分類 (571)
タガが外れました・ひろし (13)
妻と鉢合わせ・まさる (8)
妻のヌードモデル体験・裕一 (46)
妻 結美子・まさひろ (5)
妻の黄金週間・夢魔 (23)
通勤快速・サラリーマン (11)
臭市・ミミズ (17)
野球妻・最後のバッター (14)
売られたビデオ・どる (7)
ああ、妻よ、愛しき妻よ・愛しき妻よ (7)
無防備な妻はみんなのオモチャ・のぶ (87)
契約会・麗 (38)
もうひとつの人生・kyo (17)
風・フェレット (35)
窓明かり ・BJ (14)
「妻の秘密」・街で偶然に・・・ (33)
鎖縛~さばく~・BJ (12)
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妻を育てる・さとし (60)
輪・妄僧 (3)
名器・北斗七星 (14)
つまがり(妻借り)・北斗七星 (5)
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1話完結■未分類 (1)
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