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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

女友達と妻 第1回

マンションに引っ越して以来、私と妻が最も親しくしている住人に
玲子さんという女性がいます。

元々は自治会の役員を一緒にやったのがきっかけだったのですが、
玲子さんは女性ながら新しいマンションの出来たばかりの自治会の
中心人物として、事務局としての仕事以外に自治会主催の模擬店を
妻と一緒に運営するなど、大活躍でした。

玲子さんは私と同い年(ですから、始めてあった時は30代半ばで
した)でしたが、日頃バレーボールで鍛えているためか若々しく、
またそのエネルギーにはしばしば圧倒されるほどでした。

容姿は女優さんにたとえるなら天海裕希に似た、切れ長の目が印象
的な美人です。私の妻も身長は165センチとかなりの長身ですが、
玲子さんはそれ以上で168センチと、私と同い年の女性としては
相当の高さです。その点も宝塚の男役を思わせます。

だからというわけではないのですが性格も男っぽく、着るものもジ
ーパンにTシャツというスタイルが殆どです。しかしながら妻と違
ってオッパイが大きく、Tシャツの下で窮屈そうに布地を押し上げ
ている玲子さんの胸を目にすると容姿にはアンバランスな女っぽさ
を感じさせ、ドキッとするほどでした。

といっても私と玲子さんの間には色っぽい話は一切なく、どちらか
というと男友達のような感覚で付き合っていました。子供もわが家
と同じ男2人ということで、共通する話題が多かったこともありま
す。

玲子さんのご主人はプラント関係で海外への長期出張が多く、私と
はあまり顔を合わせませんでしたが、玲子さんとの夫婦仲はすこぶ
る良いようでした。

玲子さんの生活に激変が訪れたのはこの物語から3年前のことです。
ご主人が出張先の交通事故で急死したという知らせが舞い込んだの
です。

すぐに子供とともに赴任地へ飛んだ玲子さんが、夫の遺骨とともに
帰国したのはそれから一週間後のことでした。遺体は損傷が激しい
ということでそのまま持って帰れず、現地で荼毘にふしたとのこと
でした。子供たちに最後のお別れをさせて上げることが出来たのが
せめてもの慰めだと後になって玲子さんは妻に話したそうです。

葬儀にはもちろん私も出席しましたが、参列者の多さに驚きました。
玲子さんのご主人もさることながら、玲子さん自身も交友関係の広
さを改めて認識させられました。喪主として気丈に振舞っている玲
子さんの姿が印象的で、またお父さん子の2人の男の子が涙をこら
えている様子はこちらまでもらい泣きしそうになりました。

その後2年ほどは玲子さんの表情から笑いが消え(無理をした作り
笑いはありましたが)、妻も随分彼女のことを心配しました。しか
し1年ほど前からは徐々に玲子さんは明るさを取り戻し、私を見か
けても以前のように自分から元気そうな声をかけてくれるようにな
りました。

ちなみに玲子さんのご主人は十分な生命保険をかけており、しかも
業務中の事故ということで会社からは相当の保証金が降りたとのこ
とで、当面の生活に困ることはないようでした。しかし、玲子さん
はご主人が残したお金には出来るだけつけないようにしたいそれま
でのパートの仕事をフルタイムに変えました。

妻が玲子さんに誘われて地域のバレーボールクラブに入るようにな
ったのはちょうどその頃です。元々玲子さんはクラブの世話役のよ
うな立場だったのですが、ご主人が亡くなってからしばらくはその
ような気分にもなれず、活動から離れていたようです。妻がバレー
ボールをするのは中学校のクラブ活動以来ということですが、久し
ぶりに身体を動かす楽しさと、玲子さんの「社会復帰」の手助けに
なるということで、積極的に参加するようになりました。

仕事の時間も増え、バレーボールクラブに復帰したため休日は練習、
これに加えて2人の男の子の子育てと玲子さんは一気に多忙になり
ましたが、忙しくしている方が亡くなったご主人のことも考えるこ
ともなく、玲子さんの生活は充実しているようでした。

玲子さんの変化に私が気が付いたのは春の終わり頃でした。私と妻
が買い物に行くために駐車場に降りた時、玲子さんと出会いました。

「こんにちは、お久しぶりです」

にこやかに挨拶する玲子さんを見て私は少し驚きました。まだ肌寒
さを感じる季節に、上はTシャツ一枚というのは彼女らしいと言え
ば言えるのですが、問題はボトムです。その頃ようやく流行り出し
たばかりのローライズのジーンズで、若い娘ならともかく、玲子さ
んのような年齢の女性がはくのを見るのは滅多にありませんでした。

いかに若々しく見えるとはいえ私と同い年ですから42歳です。T
シャツの下からチラチラと覗く肌が妙に媚めかしく、私はどぎまぎ
してしまいました。いつもあっさり目だった化粧も心なしか濃くな
っているようで、ショートの髪の色もかなり明るくなっています。
元のつくりが良い玲子さんですから引き立つのですが、私は玲子さ
んに妙に女を感じてしまいました。それでマンションへ向かう玲子
さんの後ろ姿、特に格好の良いお尻のあたりをつい目で追ってしま
います。

「何を見とれているの、あなた」

妻は肘で私の脇腹をドンとつきました。

「い、いや……何でもないよ」
「玲子さんのお尻に見とれていたでしょう」
  1. 2014/07/15(火) 11:45:09|
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女友達と妻 第2回

妻と玲子さんは親しい友人ですが、玲子さんの方が3つ年上という
こともあって、妻は「玲子さん」と呼んでいます。玲子さんの方は
妻のことを親しみを込めて「紀美ちゃん」と呼んでいます。

「馬鹿いうな」

私はわざと怒ったような声を出します。

「玲子さんをそんな目で見る訳はないだろう」

まさに「そんな目」で見ていたのですが、妻はそれまでの私と玲子
さんの男友達のような関係を知っているからか「そうね」とあっさ
り納得します。

「若い娘が着るようなジーパンをはいているからちょっと驚いただ
けだ。いつもと違ってお化粧の感じも随分変わっているし」
「玲子さん、彼が出来たのよ」
「何だって?」

妻の意外な発言に私は思わず聞き返します。

「バレーボールクラブのコーチをしている人。遠藤さんっていうの」
「前から知っている人か?」
「いいえ、玲子さんがクラブを休んでいる間に新しく入ったコーチ
よ」
「お前も玲子さんと一緒にバレーをやっているんだよな。どういう
人なんだ?」
「あら、気になるの」

妻が悪戯っぽい目で私を見ます。

「気になるって……玲子さんとは亡くなったご主人を含め家族ぐる
みのお付き合いだ。気になるのも当たり前だろう」
「冗談よ」

妻は楽しそうに笑います。

「いかにもスポーツマンタイプの爽やかな感じの人よ。年は、そう
……私よりも5つくらい下かしら」
「えっ」

妻より5つ下ということは、私と同い年の玲子さんとは8つ違いと
いうことになります。

「まだ30代前半ってことか」
「そうね……そういえば玲子さんよりは随分年下ね」

妻はのんびりしたもので、初めて気づいたように言います。

「でも、最近はそんなカップルも珍しくはないわ。玲子さんも若々
しいし」
「しかし……」

私はなんとなく腑に落ちません。男勝りで毅然とした玲子さんと、
8歳も年下の男の組み合わせというのが彼女らしくないと感じたか
らかも知れません。

「それに、遠藤さんってどことなく、なくなった玲子さんのご主人
に似ているの」
「へえ……」

私はそこで始めて納得したような声を出しました。

「お前はどうなんだ。若いコーチに色目を使ったりしていないだろ
うな」
「あなたこそ馬鹿なことは言わないで」

私は妻をからかいながら牽制しましたが、妻は相手にしません。

玲子さんはご主人のことを深く愛していたことは間違いありません
が、亡くなって2年以上がたち、寂しさを埋めるような存在が現れ
たとしても不思議ではありません。ましてご主人に似た男性という
ことでしたらなおさらでしょう。

玲子さんのご主人が亡くなってから、私は時々男でなければ難しい、
たとえば大きな家具を動かしたり、パソコンの設定をしたりという
仕事を玲子さんの家でこなしたことがあります。私は玲子さんに幸
せになってもらいたいと思う反面、彼女が遠くに行ってしまうよう
な寂しさを感じていました。

その時私は、この遠藤というまだ見ぬ男のために、玲子さんだけで
はなく私の妻までもがとんでもない体験をすることになるとは思っ
ても見ませんでした。

会社から帰った私に、妻が言いにくそうに話を切り出したのは、夏
の初めの頃でした。

「あなた……玲子さんのことだけど」
「彼女がどうかしたか」

私はスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外しながら聞き返します。

「ちょっとおかしな噂を聞いたの」
「噂?」

私は妻の方を向き直ります。
  1. 2014/07/15(火) 11:47:13|
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女友達と妻 第3回

「うちと同じエントランスの中島さん……彼女、今自治会の役員を
しているの。玲子さんのところが自治会費の納入がずっと滞ってい
るということで、昨日催促に行ったらしいの。ドアのチャイムを鳴
らしたら玲子さんが出て来たんだけれど……」

妻はそこで言いにくそうに言葉を切ります。

「どうしたんだ?」

私はじれったくなって先を促します。妻の話は(女の話は往々にし
てそうなのでしょうが)なかなか結論に到達しないので、聞いてい
て苛々してしまいます。

「その……ビキニの水着姿で出て来たんですって」
「なんだって?」

私はさすがに驚きます。

42歳の女性が家の中とはいえ、ビキニの水着で過ごすでしょうか
。たまたま来客があった時にシャワーを浴びており、裸にバスタオ
ルを巻いて出て来たという方がまだありそうです。

「日光浴でもしていたのかな」
「まさか……昨日は一日中雨よ」
「そうだった……」

どういうことでしょう。先日見かけたローライズのジーンズ姿とい
い、不審なことが続きます。玲子さんの新しい彼、遠藤という男と
何か関係があるのでしょうか。

「しかし、噂は噂だ。本人に確認した訳じゃないだろう。それに、
たまたま買って来た水着を試しに着てみたところかもしれないぞ。
ほら、若い恋人が出来たと行ったじゃないか。そいつと一緒に海に
行くつもりかもしれない」
「それだけじゃないの」

妻は話し続けます。

「少し前だけれど、スーパーで買い物をしている玲子さんを見かけ
たの。声をかけようと思ったんだけど……」
「誰かと一緒だったのか」
「ううん……そうじゃなくて、その時の格好なの。若い娘が着るよ
うなタンクトップに、ジーンズを股下で切ったようなパンツ……あ
れは驚いたわ」
「若い彼の趣味かな?」
「それにしても極端よ。あれじゃまるで……」

妻は言いかけて言葉を飲みました。親しい友人に対してやや侮蔑的
な表現を使いそうになって、さすがに気がさしたのかも知れません。

「玲子さんはいつも色気のない格好をしていたからな。だからかえ
って目立つのかもしれない。まあ、彼女もたまには冒険したい時が
あるんだろう」

私は妻の懸念を軽く受け流しました。実際、その後妻の口からは玲
子さんの服装に関する話題は聞かなくなりました。私もいつしか仕
事の忙しさに紛れ、玲子さんのことは頭から消えていきました。

私が妻の最初の変化に気づいたのはそれから暫くたっての休日のこ
とです。ソファにすわって新聞を読んでいた私の前で、妻が洗濯物
を畳もうとしてしゃがみこみました。

後ろを向いた妻のジーンズとシャツの間から大きく肌が露出し、白
いレースの縁取りをしたパンティの上部までが丸見えになりました。
私は驚いて新聞を置きます。

「おい……下着が見えているぞ」
「え?」

妻が振り向いて小首を傾げます。

「ああ……見えていてもいいのよ。そういうデザインなの」

妻は平然としています。

以前玲子さんがはいていたようなローライズのジーンズです。スタ
イルのよい玲子さんの場合はお洒落な感じがありますが、お尻が大
きな妻がはいていると妙な媚めかしさが先にたちます。

「外へもその格好で行くのか」
「おかしいかしら? みんなはいているわよ」
「渋谷あたりを歩いている若い娘だけだろう」
「そうかな?」

妻は自分の姿がそれほど抵抗がないようです。

妻は人一倍羞恥心が強く、若いころから例えばビキニの水着など、
私が勧めても決して着ようとはしませんでした。それがしゃがみこ
むとお尻の割れ目まで見えそうなローライズを平気ではいていると
いうのが私には分かりませんでした。

「玲子さんもはいているわよ」
「それは知っているが……玲子さんに選んでもらったのか?」

妻はにっこりして頷きます。妻はパートの帰りなど玲子さんと一緒
に買い物に行くことが度々あるようです(玲子さんと妻の勤め先は、
部署こそ違いますが同じ銀行の本店です)。

「あなた、この間玲子さんのお尻に見とれていたでしょう。それを
彼女に話したら、それは大変。ご主人を私に取られる前に、紀美ち
ゃんも買いなさい、って」
  1. 2014/07/15(火) 11:48:37|
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女友達と妻 第4回

妻はあくまで無邪気です。

「玲子さん、お洒落になったわよ。この間なんか随分大胆なミニの
スーツを着ていたけれど、彼女、足が長いからすごく似合ったわ。
女優さんみたいだった」

妻がやや興奮して話します。

「女は年を取ると地味な格好をしてますますオバサン臭くなるけれ
ど、かえってお洒落をしないと駄目ね。私も玲子さんを見習わなく
っちゃ」

妻がお洒落になるのは歓迎ですが、最近若い恋人のせいで急激な変
化を遂げたと思われる玲子さんの影響でそうなったということに、
私は一抹の懸念を覚えました。しかし、私はその時はまだまだ事態
を軽く考えていました。

次の週末、わが家は玲子さん一家とともに、海へ出掛けることとな
りました。私の家族が4名、玲子さん一家が3名、それぞれの車に
分乗し、朝早くマンションを出ます。

用心して早めに出かけたせいか、それほど渋滞にもぶつからず、予
定よりも早めに海岸につきます。海の家に荷物を置いた私達は早速
水着に着替えることにします。妻と玲子さんは楽しそうに笑いなが
ら更衣室に向かいます。

子供たち4人ははしゃぎながら先を争って着替え、シャワーもそこ
そこに海へ走ります。小さなころからスイミングスクールに行かせ
ておいたお陰で、私の子供は2人共海が好きですし、玲子さんの家
もスポーツマン一家ですから、泳ぎは得意のようです。

私は海の家で借りた大きめのパラソルの下に座り、子供たちが波打
ち際ではしゃぐ様子を眺めていたら、いきなり目の前に4本の足が
現れました。

「○○さん、どう?」

水着姿の玲子さんがポーズを取ります。玲子さんの水着は鮮やかな
グリーンのビキニでした。隣の妻の水着も驚いたことに玲子さんの
ものと同じデザインで色違いのオレンジのビキニです。私は妻のビ
キニ姿をみるのは初めてでした。

「これは?」

玲子さんは悪戯っぽく笑って、両腕で乳房を絞るような格好をしま
す。「お笑いも出来るアイドル2人組」が流行させていたポーズで
す。玲子さんの豊かな胸が強調され、私はどぎまぎしました。

「駄目よ、玲子さん」

妻が玲子さんを肘で突くような格好をします。玲子さんは笑いなが
ら「ごめん、ごめん。ご主人を取るつもりはないわよ」などと笑い
ます。

私は妻の姿を改めて見ました。比較的オーソドックスなビキニです
が、サイドの一番細い部分はほとんど紐状になっており、それなり
に露出度は高いです。若い娘が着る分にはそれほどでもないのでし
ょうが、既に熟女の領域に入る妻が着ると、むっちりとした肉が強
調され、健康的というよりは妙に扇情的に見えます。

「そんなにじろじろ見ないで……」

妻は恥ずかしそうにいうと用意していた薄い上衣を羽織ります。私
は少し横にずれ、妻と玲子さんのために場所を空けました。玲子さ
ん、妻、私の順で座ります。

「紀美ちゃん? 少し海へ入らない」

玲子さんが妻を誘います。妻が許可を得るように私の方を見ます。

「ここで荷物を見ているから行っておいで」
「荷物を見ているんじゃなくて、紀美ちゃんと私のビキニを見てい
るんでしょ?」

玲子さんはそう言って笑うと、上衣を取った妻と共に海の方へ歩い
て行きます。私はぼんやりと2人の姿を眺めていました。

さきほどまで空いていた海岸もだいぶ人が増えて来たようです。私
達のような家族連れも多いですが、やはり海は男女のカップルが目
立ちます。それらの中にはとてもプールでは着れないだろうと思う
ような大胆な水着姿の女性も多く、また家族連れの女性でもビキニ
姿は少なくありません。その中で玲子さんや妻の姿が特に不自然と
いう訳ではありません。

しかし、168センチの玲子さんと165センチの妻が、鮮やかな
グリーンとオレンジの同じデザインのビキニを身につけ、颯爽と海
岸を歩く姿はそれなりに目立ちます。若い女にはないいわゆる熟女
の色気とでもいうべきものが醸し出されているのでしょうか。カッ
プルの若い男が思わず2人を目で追い、隣の女の子からつつかれる
姿も見ました。

ふと見ると、サングラスをかけた2人の男が妻達に近づき、話しか
け出しました。よく日焼けした筋肉質の、いかにもスポーツマンタ
イプの男たちです。

(ナンパ?)

私は妻達が男たちを軽くいなすものと思っていたら、意外なことに
楽しそうに話し始めました。4人は不審そうに眺めている私に近づ
きます。
  1. 2014/07/15(火) 11:54:23|
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女友達と妻 第5回

「○○さん、こちら私と紀美ちゃんがバレーボールでお世話になっ
ている遠藤さん」

玲子さんが紹介すると男の一人がサングラスをとり、私に向かって
頭を下げます。

「遠藤です。はじめまして」

私はあわてて立ち上がり、頭を下げます。

「こちらこそ初めまして。家内がいつもお世話になっています」
「こちらこそ奥様と玲子さんにはいつもお世話になってます。あ、
こっちは友人の竹井です」
「こんにちは、竹井です」

竹井と呼ばれた遠藤と同じ年くらいの、やはりスポーツマンタイプ
の男が頭を下げます。

妻は遠藤が玲子さんの亡くなったご主人に似ていると言っていまし
たが、確かにどことなく雰囲気は似ています。違いを言うなら遠藤
の方がバレーボールのコーチということで背が高く、当然のことな
がらはるかに若く、かなり色男であり、反面やや軽薄な感じがする
くらいでしょうか。

連れの竹井は、遠藤とは違い無骨な感じの男です。身長も遠藤ほど
高くはありません。

「こんなところで会うなんて偶然ですね」

妻は目を丸くしながら微笑しています。妻はこういった天然のとこ
ろがありますが、そんな都合のよい偶然はそうそうありません。玲
子さんと遠藤は待ち合わせをしていたに決まっています。

「ご一緒してもよいですか?」
「どうぞ、どうぞ」

私は仕方なく場所を空けます。遠藤と竹井は玲子さんと妻の間に座
ります。端から玲子さん、遠藤、竹井、妻、私という順になりまし
た。

玲子さんと遠藤は2人で話が盛り上がっている様子で、残された3
人はやや手持ち無沙汰になります。仕方なく妻が竹井に話しかけま
す。

「竹井さんもバレーボールをされるんですか?」
「はい、遠藤とは大学のバレー仲間です。奴がスパイカーでセンタ
ー、僕がセッターでした」
「セッターですか、すごいですね」
「いや……僕たちの代はあまり強くなくて……先輩からいつもどや
されていました」
「今はもうやっていないんですか?」
「就職してから会社のクラブでしばらくやっていたんですが、ここ
のところずっとご無沙汰で……今度遠藤からクラブのコーチを手伝
ってくれと言われているんです」
「そうなんですか!」

妻の顔が輝きます。

「それは心強いです。最近ずっとセッターをしていた人が抜けちゃっ
て……玲子さんは私に後をやれというんですが、自信がなくて……」
「奥さんなら大丈夫ですよ。遠藤から聞いています。筋がいいって」
「本当ですか、うれしいわ」

妻は私をそっちのけで、すっかりはしゃいでいます。私はあまり面
白くありませんでした。

竹井の視線は時々妻のビキニの胸元にちら、ちらと注がれているよ
うでした。

その後子供たちが海から上がってくると、遠藤と竹井はすすんで4
人の男の子の相手をし始めました。玲子さんの2人の息子は既に遠
藤とは面識があるようで、すっかり慣れた雰囲気です。私の息子2
人も最初は戸惑っていましたが、すぐに打ち解けて一緒に遊び出し
ました。さすがにクラブのコーチを引き受けるだけあって人あしら
いは上手いものです。

最初は玲子さんと遠藤のダシに使われたようでやや不愉快だった私
ですが、子供たちが楽しそうにしているのを見ているうちに、すっ
かり気分がよくなりました。

いつの間にか帰る時間になり、遠藤は玲子さんに車を運転してマン
ションまで送り、遠藤と2人で来た竹井が1人で車で帰ることにな
りました。私達はもちろん家族4人でマンションへ帰ります。

帰り際に玲子さんは私に近寄ると、すまなそうに言いました。

「○○さん、ごめんなさい。家族でのお出掛けをダシに使ったみた
いで。海に行くのなら今日しか予定が会わないと彼が言うものだか
ら……」

玲子さんはちらりと遠藤の方を見ます。遠藤は玲子さんの息子2人
とふざけあっています。

「いや、気にしなくていいよ。良い人みたいじゃないか」
「そう思う? ありがとう」

玲子さんはにっこり笑ってそう言うと、妻に挨拶をして車に乗り込
みました。
  1. 2014/07/15(火) 11:55:22|
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女友達と妻 第6回

私達家族も車に乗り、家路につきます。早めに出ましたがそれなり
に渋滞はあります。子供たちは疲れたのか、後部座席でぐっすり眠
っています。

突然妻の携帯が、着信メールを告げる小さな音を立てました。

「あら?」

妻が携帯を取り上げ、メールを確認すると驚いたような声を上げま
した。

「竹井さんからだわ」
「竹井だって?」

私は聞き返しました。

「どうして彼が紀美子のメールアドレスを知っているんだ?」
「さっき交換したのよ」
「なに?」

妻はけろりとして答えます。

「だって、これからバレーのクラブでお世話になるし、練習日時な
んかの連絡のために教え合った方が便利だなと思って」
「見せろ」

私は妻の携帯に手を伸ばします。

メールの内容は大したものではなく、今日は楽しかった、家族の団
欒に割り込んで申し訳ない、これからもよろしく、といったもので
した。

「練習日時の連絡じゃないな」

私は皮肉っぽくそう言うと、妻に携帯を返します。

「ただの挨拶よ」
「紀美子は簡単に自分のアドレスを男に教えるのか?」
「誰にでも教える訳じゃないわ。遠藤さんのお友達だって言うから、
信用できる人だと思って」
「どうして遠藤の友達だと信用ができるんだ? 紀美子は遠藤の何
を知っている?」
「……」

紀美子は黙り込みます。それを見ていると私は少し言い過ぎたかな、
という気分になって来ました。

「もうやめよう、楽しかった一日をこんなことで不愉快に終わらせ
たくない」
「あなた、ごめんなさい。私が軽率でした」
「もういい」

渋滞で止まっていた車の流れが動き始めました。私はハンドルを握
り直し、アクセルを踏みます。私の心に刺のような不安が残りまし
た。

その後、しばらくの間は平穏な日々が続きました。8月に入ったあ
る日、私はたまたま仕事でわが家に近いターミナル駅まで行くこと
があり、そのまま直帰することにしました。

(そういえば、妻がパートをしている銀行はこの近くだな。もう仕
事が終わっている頃だろうか)

もしこの辺りにいるならお茶でも飲んで帰ろう。そう考えた私は駅
を降りた広い連結通路で携帯を取り出しました。すぐ前を男女4人
連れが歩いています。女性2人が真ん中、その両隣を男2人が挟む
ようにしており、4人ともかなりの長身です。

私は2人の女性のミニスカートに包まれたヒップや、すらりと伸び
た太腿をぼんやりと眺めていました。

(紀美子もたまにはあんなミニをはいてくれないかな)

そんなことを考えながら、携帯で妻を呼び出します。すると前を歩
いていた女性がバッグから携帯を取り出し「はい」と言った途端に
携帯がつながったので、私は死ぬほど驚きました。前を歩いていた
ミニスカートの女性、その一人が妻だったのです。

私はなぜかあわてて、柱の陰に身を隠しました。

「もしもし?」

妻は立ち止まって携帯を耳に当てます。他の3人もその場で、妻の
様子を見ています。私は妻以外の3人の男女が玲子さん、遠藤、竹
井だということを確認しました。

「俺だ」
「あ、あなた……どうしたの?」
「実は仕事でA駅まで来たんだが、紀美子が近くにいるならお茶で
も飲もうかと思って」
「えっ?」

妻は慌てた様子で辺りを見回します。私の姿を探しているのでしょ
う。

「A駅のどこなの?」
「西口のXデパートの地下だ」

私はあえて嘘を言います。妻の声が安堵したような響きに変わりま
した。
  1. 2014/07/15(火) 11:56:40|
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女友達と妻 第7回

「……ごめんなさい。もうC駅についてしまったところなの。ここ
で待っていようか?」

C駅は私たちのマンションの最寄り駅で、A駅からは10分ほどで
す。

「いや、それならいい。俺も早く帰るから家で珈琲でも飲もう」
「わかったわ」

私が携帯を切ると、妻は焦って他の3人に事情を説明し始めます。
3人と別れた妻は急いで改札に向かいました。私が隠れている柱の
すぐ横を通り過ぎましたが、慌てている妻には私の姿は目に入らな
かったようです。妻を見送った3人はやがて駅の外へ向かって歩い
て行きます。

私はそのまま少し時間をつぶすと、ゆっくりと改札へ歩きだしまし
た。妻とは確実に電車一本分ずらすことが出来たでしょう。

「ただいま」
「お帰りなさい」

妻が私を迎えに出ます。ブラウスは確かに先程着ていたものと同じ
ですが、ミニスカート姿ではなくパンツに着替えています。キッチ
ンで珈琲メーカーが小さな音を立てています。

「さっきはごめんなさい。折角誘ってくれたのに」
「ああ、残念だったな」

私はすまなそうな顔をする妻をちらりと見ます。

「おれも紀美子のミニスカート姿を見たかったんだが」
「えっ」

妻の顔色がさっと変わります。

「いたの……」
「ああ、お前たちのすぐ後ろにな。電話をかけたら目の前の女が出
たので、さすがのおれも驚いた」
「……」
「そればかりかもうC駅に着いているって言うじゃないか。一体今
目の前で電話に出ている女は誰なんだと悩んだよ」
「西口のXデパートにいるっていったのは……」
「嘘だ。しかし紀美子の嘘に比べると罪はないだろう」

妻は悄然と肩を落とします。

「……ごめんなさい」
「何を謝るんだ? 玲子さんたちと一緒に竹井とダブルデートをし
ていたことか? この前の海以来ずっと付き合っていたことか? 
それとももう奴と寝てしまったことか?」
「ひどい、そんなことは絶対ありません。誤解です」
「誤解されるような行動をとったのは紀美子だろう」
「嘘をついてしまったことは謝ります。ですが、あなたが考えてい
るようなことは一切ありません。今日も玲子さんと2人で買い物を
するはずだったんです。そうすると、なぜか待ち合わせの場所にあ
の2人が……」

妻は必死で私に説明します。

「この前の海と同じで、また2人のデートのダシに使われたという
訳か? それならどうして竹井が一緒にいた?」
「遠藤さんの話では……竹井さんがどうしてももう一度私に会いた
いと……」
「なぜ人妻のお前に会いたがる? それにあいつとなら、バレーの
練習でも顔を合わせているだろう?」
「みんながいる場所でなく、2人で話をしたいと……でも、2人き
りでは誤解されるから、玲子さんと遠藤さんと一緒にということで」
「何の話があるんだ? 紀美子を口説きたいってことか? 遠藤が
玲子さんと付き合っているのを見て、自分も人妻と付き合いたくな
ったってことか」
「そんなのじゃありません。ただ、友達として……」

私は妻の言葉をピシャリと遮ります。

「言っておくが、玲子さんと紀美子はまったく立場が違うぞ。玲子
さんは独身だが、紀美子は俺の妻だ」
「もちろん分かっています。でも、あなたにも女友達はいるでしょ
う。玲子さんもその一人ではないですか」
「確かにいるが、紀美子に聞かれた時に嘘をついて隠さなければな
らない相手はいない」

私の言葉に妻はがっくりとうなだれました。

「携帯を見せてみろ」

妻は黙って私に携帯電話を差し出します。着信やメールをチェック
しましたが、不審なものはありません。玲子さんからのメールは今
日の買い物の待ち合わせに関するものでしたが、確かに遠藤や竹井
のことについては一切触れられていませんでした。

「玲子さんと買い物の約束をしていたというのは嘘では無さそうだ
な」

妻は愁眉を開いたような表情を私に向けます。

「しかし、この前のこともあるから玲子さんには少し注意しておい
た方が良いかもしれないな」
「あなた……それはやめて。お願いです」
「なぜだ?」
  1. 2014/07/15(火) 11:57:41|
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女友達と妻 第8回

「玲子さんはあまりにも辛いことがあって、そんな時に遠藤さんに
出会って、多分今は気持ちが普通じゃないんです。私がこれからち
ゃんと注意しますから」
「お前も玲子さんの影響で普通じゃなくなっているように見えるぞ。
この前のビキニや今日のミニスカートは一体なんだ?」
「すみません。つい、玲子さんの変化が眩しくて、確かに影響され
てしまいました。これからは気をつけますから」

私には釈然としないものが残りましたが、必死で哀願する妻を見て
今回は許すこととし、玲子さんへ注意することもありませんでした。

それからの妻はミニスカートやローライズのジーンズをはくことも
なく、以前のおとなしい格好に戻りました。私はほっとする反面、
なんとなく物足りない気分になったのも事実です。妻は私に気を使
ってか、玲子さんとの付き合いはバレーボールクラブだけに留めて
いました。

夏も終わり、秋の始めになると妻達のバレーボールクラブも定期的
に試合が入るようで、練習時間がだんだん長くなっていきました。

ある週末、その日も練習のあった夜、私の携帯に玲子さんから電話
が入りました。

「○○さん、玲子です」
「ああ、玲子さん。お久しぶりです」
「そう、海以来ですね。あの時はごめんなさい」

私の携帯に玲子さんが電話して来るなんて今までないことです。妻
が練習中に怪我でもしたのでしょうか?

「実はまた試合が近いんですが、私と奥さんのコンビプレーが上手
くいかなくて、少し特訓していくことになったんです。そのご連絡
をと思って」
「そうですか、でも、どうして玲子さんが連絡を?」

妻が直接私に電話をすればすむことなのに。私は不思議に思いまし
た。

「それが先日、あんなことがあったばかりでしょ? 紀美ちゃんか
ら聞きました。私が軽率だったんですが、今回も自分から電話して
も○○さんから信用してもらえないんじゃないかって、紀美ちゃん
が……」

練習で遅くなるなどと私に言えば、竹井との仲を私に疑われると思
ったのでしょう。

「わかりました。妻に代わってもらえますか?」
「はい、ちょっと待ってくださいね。紀美ちゃん、ご主人よ」

玲子さんが妻を呼ぶ声が聞こえます。少し待たされてから妻が電話
口に出ました。

「もしもし……あなた……」

妻の声が少し変です。

「大丈夫か、随分息が荒いけど」
「ずっと練習していて……それで……あっ!」
「どうした?」
「な、なんでもありません。大丈夫です……そ、それで、玲子さん
から聞いたと思いますが、もう少し練習していくことになって……
すみません」
「わかった。あまり無理しないようにしろよ」
「あ、ありがとうございます……うっ」

そこで電話は切れましたが、切れる寸前に妻が低いうめき声を上げ
たような気がしました。

私は何か胸騒ぎのようなものを感じましたが、玲子さんが一緒だか
ら、ということで自分を納得させました。その日、妻はいつもより
2時間半程も遅い夜の9時過ぎに帰って来ました。

「奥さんを遅くまでお借りしてすみません」

チャイムが鳴ったので迎えに出ると、妻と玲子さんが玄関口に立っ
ていました。妻は玲子さんの車で送ってもらったようです。Tシャ
ツとジーンズ姿の妻は疲れ切っているようで、玲子さんに支えられ
るようにして立っています。

「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……」

妻は喘ぐように答えます。

「ごめんなさい、つい練習に夢中になっちゃって。でも、紀美ちゃ
んは私よりもずっと若くて体力もありますから、心配ありませんよ」

玲子さんはいつものような明るい声で私に話しかけます。

「おかげさまであと3、4回今日のような練習をすれば、コンビは
完成するって、遠藤さんも竹井さんも言っていました。やっぱり紀
美ちゃんは筋が良いそうです」

妻が玲子さんの方をちらりと見ました。なぜかその目には一瞬脅え
たような色が浮かんでいました。

「そうですか……わざわざ送っていただいてありがとうございます」
「いいえ、どういたしまして。それじゃ、紀美ちゃん、また来週ね」
  1. 2014/07/15(火) 11:58:49|
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女友達と妻 第9回

玲子さんはそう言うと自分の部屋に帰って行きました。妻はそれを
確認した後、私に「遅くなってすみません、シャワーを浴びます」
といって着替えをとりに行くと、すぐに浴室に向かいました。

私は居間でぼんやりテレビを観ながら、妻が出て来るのを待ってい
ました。妻の疲れ切った様子は練習のせいでしょうが、少し不審な
ところもあります。

シャワーを浴びるにしてはかなりの時間がたってから、ようやく妻
が浴室から出て来ました。妻はリビングにいる私を見ると、なぜか
目を伏せます。

「申し訳ありませんが今日は疲れてしまったので……このまま休ま
せていただきます」
「ちょっと待て」

そのまま出て行こうとする妻を私は呼び止めます。

「バレーボールの特訓をしていたというが、本当か」
「本当です……」
「どんな特訓だ」
「玲子さんと私のコンビプレーです……。うちのチームでは玲子さ
んがアタッカー、私がセッターなんですが、一番背が高いのが玲子
さん、その次が私なので、時には役割をチェンジして攻撃すること
があります。つまり玲子さんがトスを上げて、私が打つんです」
「ママさんバレーがそんな高度なことをやるのか」
「これくらいは高度でもなんでもないって遠藤さんや竹井さんが……
実際もっと多彩な攻撃をして来るチームはたくさんいます。一人時
間差とか……」

私はママさんバレーに対する認識を新たにしました。考えて見れば
バレーボール人口の裾野は広く、高校や大学の部活動で本格的にや
っていた人間がママさんバレーに移って来る訳ですから、相当の技
術をもっていても不思議ではありません。私は一応納得はしました。

「わかった。今日は疲れただろうからもう休め」
「ありがとうございます」

妻は無意識に顔を上げて私と目を合わせましたが、あわてて目を伏
せます。私は妻の目が赤くなっていることに気がつきました。

(泣いていた?)

次の週末も、その次の週末も妻は遅くまで「特訓」をし、玲子さん
に送られて9時過ぎに帰って来ました。その翌週は帰りが10時近
くとなり、憔悴仕切った妻はシャワーもそこそこに、ベッドに倒れ
込むように寝入ります。
心なしか妻からはいつものような明るさがなくなり、沈み込んでい
ることが多くなって来ているような気がしました。

さすがに妻のことが心配になって来た私はその次の週末、妻の練習
を内緒で見に行くことにしました。

妻達のクラブの練習は、近所の中学校の体育館にあるコートを借り
て行われます。昼間は中学校のバレーボール部が使用するため、妻
達が利用できるのは夕方以降です。

通常の練習は午後4時から6時までの2時間です。後片付けをして
も6時半には帰宅できますので、主婦の練習時間としては適当なと
ころです。私はすでに「特訓」が開始されているであろう7時ころ
に体育館に到着しました。

中学校の駐車場には見慣れた玲子さんの車と、この前の海で見かけ
た遠藤の車が停まっています。館内には煌々と明かりがついており、
コートの中に数人の人影が見えます。私は中の人間に気づかれない
ように、扉の外からそっと様子を伺います。

「それ!」
「はい!」

掛け声をかけながら妻と玲子さんがトスとアタックの練習をしてい
ました。籠に山盛りになったボールを遠藤が角度、強さを微妙に変
化させながら次々に玲子さんに投げます。玲子さんは身体を縦横に
動かして、巧みにトスを上げます。妻が必死でジャンプしてそれを
相手コートに打ち込みます。

「もっと高く飛んで!」
「ハイ!」
「トスが乱れた!」
「ハイ!」

遠藤の真剣な声が妻達に飛びます。竹井は向かいのコートでボール
拾いを担当しているようで、転がって来るボールを次々に回収して
遠藤の籠に戻して行きます。

私は妻たちの真剣な練習の様子を、やや驚きをもって眺めていまし
た。どちらかというと運動に縁がなさそうな妻が、ここまでやれる
とは思ってもいませんでした。

練習そのものとは別に私が驚いたのは、妻と玲子さんが着ているユ
ニフォームです。アテネオリンピックでギリシャの女子バレーチー
ムが着用していたユニフォームと言えば、お分かりの方もいるでし
ょうか。まるでワンピースの水着のように身体にフィットしたもの
で、力いっぱいジャンプする妻のお尻の割れ目や、トスを上げる玲
子さんの大きな乳房もはっきりとわかります。

アテネオリンピックはこの話の時点から2年後ですので、私はもち
ろんこのようなユニフォームは見たことがありませんでした。私が
思わず身を乗り出して見ていると、ボール拾いをしていた竹井が気
づいたようで、私に近づいて来ました。
  1. 2014/07/15(火) 11:59:52|
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女友達と妻 第10回

「ご主人」

竹井が私に声をかけます。私は仕方なく靴を脱いで体育館に入りま
す。

妻たち3人も練習を中断します。遠藤がにこやかに私に会釈します。

「すみません、いつも遅くまで」
「いえ、こちらこそ家内の練習に付き合っていただいて恐縮です。
ご迷惑をかけているんじゃないですか」
「いえ、とんでもない」

遠藤が笑みを浮かべながらいいます。

「奥さん、とても筋がいいですよ。今日もこれから新しい技を覚え
てもらう予定です」

遠藤がちらと家内の方を見ます。一瞬家内の目に脅えのような色が
走った気がしました。私はやや不審に感じましたが(練習がきつい
ので参っているのかな?)と思い、そのままにしました。

それよりも気になっているのはユニフォームです。近くで見ると想
像以上に大胆で、薄い生地が汗のためぴたりと肌に張り付いている
ため、身体の線がはっきりと見えます。さすがにバストトップには
パッドがついているようですが、激しく運動したためお尻がかなり
丸出しになっており、妻は恥ずかしそうに何度もユニフォームの裾
を引っ張ります。

「○○さん、ユニフォームが気になるんでしょ」

玲子さんが微笑を浮かべ、わざと私の方へ胸を突き出すようにしま
す。

「い、いや……」

私は目を逸らします。

「無理もないわね。私もこんなに薄いとは思わなかったから。でも、
これが最新の素材らしいの。竹井さんが調達してくれて」
「スポーツアパレルのメーカーにいる友達に、ママさんバレーボー
ルクラブのコーチを始めたっていったら、新製品のモニターになっ
てくれと頼まれて……サイズが限られているし、まだ2着しかない
もので、とりあえず奥さんと玲子さんにお願いしたんです」
「そうですか……」

私は再び妻の方を見ます。妻はなぜかうつむいて、私と目を合わさ
ないようにしています。

「どうします? もう少し練習を見学して行きますか?」
「いや……私が見ているとかえって妻もやりにくいでしょう。この
まま家に戻ります」
「そうですか……」

遠藤と竹井が一瞬顔を見合わせました。

「それじゃあ、あまり遅くならないようにしろよ」
「あっ……」

私が声をかけると妻がすがるような目を向けます。

「心配しないで、○○さん。愛する奥様は私がしっかりお送りしま
すから」

玲子さんの言葉に遠藤と竹井はどっと笑います。私はなんとなく腑
に落ちないものを感じながら家に帰りました。

帰宅した私はソファに寝転び、ぼんやりと時計を眺めていました。
すでに時計の針は9時半を指しています。

練習を見に言った時に妻の目に走った脅えの色が、次第に黒雲のよ
うに広がり、私の中を覆っていきました。それは私の中でひとつの
恐ろしい仮説を作り出しつつありました。

私は亡くなったご主人を含め家族ぐるみで付き合っていた玲子さん
とのことを、これまで疑ったことはありませんでした。妻が玲子さ
んのことをまるで姉のように慕っていたこともありますが、私自身
も自治会で共に役員を務めた時の彼女の姿や、ご主人が亡くなった
時の打ちひしがれた様子などを近くで見ていて、その人間性につい
て理解しているつもりでいました。

しかし最近の玲子さん、つまり遠藤と付き合い出してからの彼女は
まるで人が変わったように思えます。妻に嘘をついて(妻の言うこ
とを信じるならですが)、竹井と会わせようとしたりしたのも以前
の彼女なら考えられなかったことです。

そもそも、家族同士で海に行った時に遠藤だけでなく竹井まで来て
いたのも不審です。玲子さんが恋人の友人である竹井のために妻を
紹介したとも考えられます。

(まさか……)

私はソファから立ち上がると車のキーを手に取りました。マンショ
ンを出て駐車場に向かおうと思いましたがふと考え直し、そのまま
駆け出します。

妻たちが練習用に借りている体育館は、マンションから歩くと20
分ほどかかります。練習が終わるのが遅いこともあり、行き帰りは
車を使うのが通常です。

息を切らせながら10分弱で体育館につきました。体育館は明かり
が消えて真っ暗で、駐車場にあるはずの遠藤の車も、玲子さんの車
も見当たりませんでした。
  1. 2014/07/15(火) 12:19:25|
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女友達と妻 第11回

(どこへ行った)

私はあせりました。私の悪い想像があたっていれば、妻の身が危険
です。

(マンションの玲子さんの部屋に戻っている? ……いや、それは
ない。顔を知った住人に見られる恐れがある。それならどこだ)
(ラブホテルにでも連れ込まれたのか? ここから一番近いホテル
でも車で20分はかかる。時間をロスするのは嫌がるだろう)

私はふと思い立って携帯を取り出し、自宅にかけました。何度かコ
ール音がするのを苛苛しながら待っていたら、ようやく上の息子が
出ました。

(はい、○○です)
「お父さんだ」
(なんだ、今どこにいるの? 今日はお母さんも随分遅いね)
「それよりも、この前海に行ったとき、遠藤と竹井という男が来て
いただろう。あいつら、どこに住んでいるか聞いていないか?」
(そんなの知らないよ)
「何でもいいから覚えていないか? よく思い出せ」
(思い出せっていわれても……待って、××に聞いてみる)

弟に聞きに行ったようです。私はじりじりしながら待ちます。

「わかったよ」
(どこだ?)

私は勢い込んで聞きます。

「Dマンションの最上階らしいよ。弘明と祐樹がお母さんと一緒に
何度か遊びに行ったって。眺めのいい部屋だったそうだよ」
「Dマンション……」

弘明と祐樹というのは玲子さんの2人の息子です。玲子さんはすで
に子供達を連れて遠藤の部屋に行ったこともあるのでしょう。
Dマンションは私たち家族が住んでいるマンションと同じ業者が販
売したもので、建物の作りはそっくりです。そして妻たちが練習し
ている体育館のある中学校の3ブロック先がDマンションなのです。
私は携帯を切るや否や再び駆け出しました。

Dマンションに着いた私は、来客用の駐車場に見慣れた玲子さんの
車が停められているのを見つけました。遠藤の駐車スペースは分か
りませんが、これで彼らがこのマンションに妻を連れ込んでいるこ
とはほぼ確実です。私はエントランスに表示してある名前を上から
順にチェックします。最上階の1006号に「遠藤」という名前が
あるのを見た私はマンションの入口に向かいます。

(くそっ)

当たり前といえば当たり前ですが、入口にはオートロックがかかっ
ています。私は少し考えて、テンキーで「806」と入力しました。

(はい)

見知らぬ主婦の声が応答します。私は緊張を押さえながら「宅急便
です」と告げます。806号室の主婦は疑うことなくオートロック
を解除しました。

入口が開き、私はエレベーターホールに向かいます。防犯カメラに
私の姿がとらえられたかもしれませんが、非常事態ですのでそんな
ことはかまってられません。私はエレベーターに乗り込むと「10」
のボタンを押します。

エレベーターが停止し、降りたところの正面が1006号室でした。
私は息を整えてチャイムを押そうとしましたが、念のためドアのノ
ブを回してみました。

(開いている……)

なんとうかつなことに、また私にとっては幸運なことに、彼らはド
アに鍵をかけるのを忘れたようです。私は音を立てないようにして
ドアを開けると、靴を履いたまま部屋の中に入ります。

玄関にゴルフバッグが無造作に置かれていました。私はその中から
アイアンを一本取り出し、手に持ちます。マンションの部屋の作り
はどれも似たようなものですが、Dマンションは特に私たちのマン
ションと設計事務所が同じだけあってそっくりと言って良いほどで
す。私は廊下をとおり、リビングの向こうの寝室に向かいます。リ
ビングに入ると寝室のほうから女がすすり泣くような声と、男女の
笑い声が聞こえてきました。私は寝室のドアに耳を当てます。

「……もう、もう家に帰してください」
「駄目よ、紀美ちゃん。今日のプレイを自分のものにするまではい
つまでも特訓よ」

男たちがゲラゲラ笑う声が聞こえます。

「遠藤さんと竹井さんを同時にフィニッシュさせるのよ。どの穴を
使っても良いのよ。おマンコとお口でも、こっちの穴でも」
「ああっ」

妻が悲鳴を上げます。

「そろそろそっちの穴を使わせてくれよ、ええ、奥さん」
「い……いや」
「逆らうとこの前みたいに素っ裸でレシーブの特訓をさせるぞ」
「それとも、俺達のチンポを2本同時にしゃぶっている写真をネッ
トに流されてもいいのかよ」
「やめて……お願い」
  1. 2014/07/15(火) 12:20:26|
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女友達と妻 第12回

男の喘ぎ声、妻は突然ああっと叫びます。

「あらあら、またイっちゃったみたいね。黙ってイっちゃだめだと、
あれほど言ったでしょ。どうなの、イったの」
「イキました。イっちゃいました……」
「今日はこれで何回目?」
「7回目……」
「助平な女だぜ。これは玲子以上かもしれないな」
「どういう意味よ」
「自分一人でイってないで、速く俺達もイかせてくれよ」

再び男たちの笑い声。

「しかしさっきは面白かったな。旦那の前でマンコにローターぶち
込まれて、スパイクの練習をした気分はどうだい」
「ああ……ひどい……」
「しかし何も気づかないで、本当に間抜けな野郎だぜ」
「だけど紀美ちゃんも本当にエッチね。○○さんが帰ってからすぐ
にユニフォームを着たまま竹井さんのオチンチンを突っ込まれて、
ヒイヒイいいながらイっちゃったじゃない」

そこまで聞いた私は怒りで全身がカッと熱くなり、寝室の扉を蹴破
るようにして中に入ります。

かなり広めの寝室におかれたキングサイズのベッドの上で素っ裸の
妻が2人の男の嬲り物になっていました。妻をバックから犯してい
るのが竹井で、遠藤が前面に回っていきり立ったペニスを妻に咥え
させようとしています。ベッドの脇ではやはり素っ裸の玲子さんが
片手にデジタルカメラを持ち、片手を妻の尻にかけています。

突然私が入って来たのを見て、遠藤、竹井、玲子さんは驚きのあま
り全身を固まらせています。一瞬遅れて私に気が付いた妻がわあっ
と泣き出しました。

「この野郎」

私は手に持ったアイアンを振り上げ、遠藤の頭目がけて振り下ろし
ます。頭を殴ると死んでしまうかもしれないという一瞬の逡巡から
目標がずれ、アイアンは遠藤の肩に命中します。

「ぎゃっ」

遠藤の肩がおかしな音を立て、苦痛のあまり遠藤はベッドに倒れま
す。玲子さんが悲鳴を上げて遠藤に駆け寄ります。勃起したままの
ペニスが妻の唾液でぬらぬらと光っているのを見て、私の怒りはさ
らに高まりました。私はアイアンを持ち直し、いまだ妻とつながっ
たままの竹井に向き直りました。

「や、やめろ……」
「殺す」

私が低い声でそう言うと竹井はひいっと恐怖の声を上げて妻から離
れます。

「す、すみません……許して……」
「謝ってすむか。貴様は殺す」

竹井は床にはいつくばって私にペコペコと頭を下げます。私が竹井
に向かって裸の妻が私の足にすがりついて来ました。

「あなたっ。やめてっ」
「邪魔をするなっ」

竹井の命乞いをするつもりか、妻の行為に私の怒りは火に油を注い
だようになります。

「あなたが、あなたが犯罪者になってしまう」
「ぐっ……」

私は言葉に詰まります。確かにアイアンで頭を殴ると死ぬかも知れ
ません。そう思って遠藤の時は狙いを外したのです。

しかし、このままでは怒りが治まりませんし、体格のよい竹井が開
き直って反撃して来たら防げません。

「紀美子、服を着ろ」

私は竹井の上でアイアンを構えたまま妻に指示します。妻はあわて
て素肌の上にブラウスとスカートを身に着け、ベッドの下に散らば
っている下着を拾い集めて握りしめます。

「立て」

私がそう言い放つと、竹井はゆっくりと立ち上がります。おどおど
した表情を見せていますが、隙があれば私に反撃しようというよう
なこ狡さも見えます。

私はいきなり竹井の足目がけてアイアンを振り下ろしました。アイ
アンは竹井のすねに命中し、竹井は「ぎゃっ」と豚が屠殺されるよ
うな悲鳴を上げて床の上に崩れ落ちます。竹井も遠藤も、当分バレ
ーのコーチをすることは無理でしょう。

私は視線を、うめき声を上げている遠藤を抱くようにしている玲子
さんに移します。玲子さんの目には恐れ、憎しみが入り混じった、
私にとっては初めて見る感情が浮かんでいました。私は無言で床に
落ちたデジカメを拾い上げると、靴を履き終わった妻に声をかけま
す。

「帰るぞ」
  1. 2014/07/15(火) 12:21:21|
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女友達と妻 第13回

妻は涙をためてうなずき、私とともに遠藤の部屋を出ました。Dマ
ンションから外に出ると駐車場に1台のタクシーが停まっており、
ちょうど客を降ろすところでした。私と妻はそのタクシーに乗り込
み、わが家へと帰りました。

タクシーの中で放心状態のようだった妻は、家に入ると一直線に浴
室に向かいました。心配で後を追う私の目も気にすることなく、脱
衣所でブラウスとスカートを脱ぎ捨てて素っ裸になると、浴室に駆
け込みます。少したってシャワーの音と共に引きつったような妻の
泣き声が聞こえ始めました。

私はしばらくその場で立ちすくんでいましたが、ふと思い立って妻
が握り締めていた下着を拾い上げます。それを見た私は、羞恥心の
強い妻がなぜ下着を着けないまま帰って来たのかが分かりました。

下着は上下とも白の、いかにも高級そうな素材でできていますが、
ブラジャーは乳首を中心とした半径5センチほどの部分がシースル
ーで、着用したら乳首がはっきりと見えるでしょう。パンティも同
様で、大事な部分が透けており、陰毛や割れ目まで完全にわかるよ
うになっています。

あの3人に無理やり着せられていたのでしょうか。そういえば妻が
着ていた水着のようなユニフォーム。あれも3人に強制されていた
のかも知れません。

とにかく妻から事情を聞かないと話になりません。時計を見ると針
はすでに11時過ぎを指しています。何も知らない子供たちはとう
に自分たちの部屋で眠りについています。私は今のソファにすわり、
落ち着かない気分で、妻が浴室から出てくるのを待ちました。

ようやく妻が居間に現れました。たっぷりしたパジャマの上下を着
た妻は浴室でだいぶ泣いたのか、目を真っ赤に腫らしています。妻
は私の隣に座ると、いきなり抱きついてきました。

「あなた……ごめんなさい」

私は妻を強く抱きしめます。

「だけど……嬉しかった。助けに来てくれたとき」

妻はまたシクシクと啜り泣きを始めます。しばらく無言で妻を抱い
ていた私は、やがて腕を解くと、妻に問いかけました。

「話してくれ。一体何があったんだ。どうしてあんなことになった」

妻は気弱げに眼を伏せます。

「つらいだろうが、俺は聞く権利がある。いや、きちんと聞いてお
かないと後の対応が出来ない。なにしろ、あの連中に怪我を負わせ
てしまったからな」
「あれくらいは当然です……本当は殺しても飽き足らなかった」
「そうかもしれないが、それはそのときに紀美子が言ったように、
殺してしまえば犯罪者になる。いや、すでに傷害罪でやつらが訴え
ようとすれば訴えることも出来る。しかし、紀美子がやつらに無理
やりに……その、されていたのなら話は別だ」
「もちろんです。無理やりでした」

妻はきっとした眼で私を見ます。

「それならちゃんと、初めから話してくれ。今がつらいのなら明日
でもいいが」
「大丈夫です」

妻は覚悟を決めたように話し始めました。

「竹井さんが遠藤さんの紹介ということでバレーボールクラブのコ
ーチになったのは、海に行ってからすぐの週末でした。とても練習
熱心で、特にセッターをやっていたということもあって、私には随
分一生懸命教えてくれました。海に言ったときの印象も良かったせ
いで私はすっかり信用してしまいました」

「それでもずっと、クラブの練習の間だけのお付き合いでしたし、
コーチと選手以上のもの関係ではありませんでした。それが変わっ
てきたのはあなたに見られた、A駅の近くで4人で会ってからのこ
とです」

「あなたにお話したとおり、あの時は本当に私は待ち合わせ場所に
竹井さんがいることは知りませんでした。竹井さんは玲子さんや遠
藤さんがいる前で私を一目見てから好きになった、こんな気持ちに
なったのは生まれて初めてだとといい、一度でいいから恋人になっ
たような気分でデートして欲しいと私に頼みました。2人では誤解
されるので4人でかまわない。私は人妻で、玲子さんから聞いて夫
を愛していることはわかっているから、一度だけデートしてもらっ
たらその後は私への思いはきっぱりと断ち切る、といったのです」

「私はもちろん最初はそんなことは出来ないと断りました。でも、
一緒にいた遠藤さんが、親友の望みを一度だけかなえてやってくれ
と頼み、玲子さんまでが頭を下げるので断りにくくなってしまいま
した。それであくまで真似事で、せいぜい手をつなぐだけ、それも
約束どおり今日一日だけ、しかも4人一緒ならということでOKし
てしまいました」
「その最中に俺に見られたというわけか」
「はい……」

妻は頷きます。

「誰かに見られたら困るとは思わなかったのか」
「バレーボールの打ち合わせとでもいえばなんとかなると言われま
した。それに遠藤さんと玲子さんがクラブの中では公認のカップル
と見られていましたので、私たちについては注目されない。もし見
られても2人の友達ということでたまたま一緒になったという顔を
していれば良いともいわれました」

妻は弁解するように言いました。
  1. 2014/07/15(火) 12:22:11|
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女友達と妻 第14回

「でも、やはり悪いことは出来ないもので、あなたに見られてしま
いました。私は反省して、もう個人的なお付き合いは一切出来ない
と竹井さんに言いました。竹井さんはその時は分かったと言い、そ
の後またコーチと選手という関係に戻りました。私は玲子さんとも
プライベートでは距離を置くようになりました。ところがしばらく
たって、竹井さんが私にメールをくれるようになったんです」
「何だって?」

私は妻の意外な言葉に驚きました。

「そんなことは初めて聞いたぞ」
「黙っていました。ごめんなさい」

妻は頭を下げます。

「メールといっても最初は、私のバレーボールの練習に関すること
でした。依然として私はセッターとしての技術を竹井さんから指導
してもらうことが多かったのですが、練習中にうまく伝えられなか
ったことを後で簡単なメモにして送るので、イメージトレーニング
をしてほしい。内容はそれ以上でもそれ以下でもないのだが、読み
終わって自分のものにしたら削除してほしいということでした。こ
れは以前指導していた時にも行ったやり方で、技術の向上のために
有効だ、ということでした」
「紀美子はおかしいとは思わなかったのか?」
「実際、メールの内容は本当にバレーボールの技術に関するものば
かりで、それ以外のことは全くかかれていませんでした。それに確
かにメールでは私の弱点や強化すべきポイントが的確に指摘されて
いたため、純粋に指導の意味でメールを送ってくれるんだろうと思
ったんです」

妻は話を続けます。

「最初のうちは私は返事をしなかったのですが、メールは毎日のよ
うに続きます。さすがにこれだけ熱心に指導してくれているのに何
も返さないのは失礼なような気がして来ました。それで私は時々
『ありがとうございます』とか『いつもすみません』といった簡単
なお礼のメールを返すようになりました」

「そのうちに私のお礼のメールに対する返信などの中に、竹井さん
のプライベートに関わることが少しずつ混じってくるようになりま
した」
「どんなことだ?」
「他愛もないことです。今日は何を食べたとか、どんなビデオを見
たとか、どこへ行ったとか、カップルを多く見かけたが自分は相手
がいなくて寂しいとかいったことを一言書き添えて来るのです」

「私はいつも儀礼的なメールばかり返しているのが申し訳なくなっ
て来ていたので、そんな竹井さんの他愛のないメールに反応するよ
うになりました。食べものは何が好きとか、自分はこんなビデオが
好きとか、秋になったらどこへ行きたいとか……」

私は妻が次第に竹井の罠に搦め捕られていくのを見るようで、ぞっ
としました。

「そのうちに竹井さんからメールが来るのを楽しみにするようにな
りました。いけないことをしているのではと思いましたが、バレー
ボールの話題が他愛のない世間話に変わっただけ、と自分に言い訳
をしていました。私よりも年上の玲子さんが、若い恋人が出来たこ
とで急に生き生きし出したのを見てうらやましく思ったのかも知れ
ません」

「しばらくすると、竹井さんのメールにはやはり私が忘れられない、
諦めなければいけないことは分かっているのだがどうしようもない、
と言った言葉が混じるようになって来ました。私は驚いて、この前
デートしたのだから約束を守ってくれなければ困ると返しました。
すると竹井さんは、あの時のデートは中断されたのでかえって思い
が深くなった。一度だけキスをしたい。それですべて忘れる。バレ
ーボールの練習後少しだけ時間がほしいと言って来ました」

「私はそんなことは出来ないと拒みましたが、そうしないと自分は
おかしくなって、メールのやり取りをご主人に話してしまうかもし
れない。必ず約束は守る。証人として玲子さんと遠藤さんに立ち会
ってもらっても良いと言って来ました」

「あんなにあなたに注意されたのに、うっかり竹井とメールのやり
取りをしてしまったことをとても後悔しました。ここであなたに相
談すれば良かったのですが、また叱られると思い言い出せませんで
した。それで絶対に一度だけで、これ以降はメールのやり取りもプ
ライベートな会話も一切しないということを3人の前で誓ってもら
うことで承諾したのです」

「練習が終わり、体育館に4人以外は誰もいなくなってから、竹井
さんは神妙な顔をして私が言った通りのことを誓いました。玲子さ
んと遠藤さんも真剣な顔でそれを聞いていました。竹井さんの顔が
私の顔に近づき、私は目を閉じて死んだ気になって、このことが早
く終わらないかとばかり考えていました。竹井さんの唇が私の唇に
触れた瞬間、フラッシュが光りました。玲子さんがデジカメで私と
竹井さんのキスの瞬間を撮ったのです」

「私は親友である玲子さんがそんなことをするとは信じられず、し
ばらくの間呆然としていました。何かの冗談だろうと思って玲子さ
んに、すぐに画像を削除してくれるよう頼みました。しかし、玲子
さんは遠藤さんと一緒になって『決定的瞬間が撮れたわ』などと笑
っているだけでした」

「ショックを受けている私にいきなり竹井さんが襲いかかって来ま
した。私は必死で抵抗しましたが、遠藤さんも暴行に加わり男2人
がかりで押さえ付けられると身動きで来ませんでした。服を一枚一
枚はぎとられて行く私の様子を玲子さんが笑いながら撮影して行き
ました」
  1. 2014/07/15(火) 12:23:10|
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女友達と妻 第15回

「私はその場で2人からレイプされました。竹井さん、遠藤さん、
そしてまた竹井さんがのしかかって来た時、玲子さんがあなたに電
話をかけました。竹井さんに犯されている私に玲子さんが電話を回
して来た時は恥ずかしさと狼狽で気がおかしくなりそうでした」

あの時の電話がそうか――玲子さんが私の携帯に初めて電話をかけ
て来た日のことを思い出しました。

「その後、週末になると私は特訓という名目で、練習の後に居残り
を命じられ、3人から弄ばれるようになりました。最初は体育館で
犯されていたのですが、そのうちに遠藤さんのマンションに連れて
行かれるようになりました。私はもちろん泣いて拒みましたが、行
為の最中を撮った写真やビデオをあなたの会社に送ると脅され、ど
うしようもありませんでした」

妻はそこまで話すとこらえきれなくなったのか、わっと泣き出しま
す。

妻の話が本当なら妻は3人によって計画的に罠に落とされたという
ことになります。心の弱さに付け込まれた妻の愚かさは否定出来ま
せんが、信頼していた友人の玲子さんに裏切られたという点は同情
すべきです。私は3人を暴行罪、あるいはその共犯ということで訴
えることが出来るだろうかと考えましたが、最初にキスの写真を撮
られている以上、合意があったとみなされる可能性もあります。そ
れに警察沙汰にすると妻や子供が傷つく恐れもあります。

それなら民事ならどうでしょうか。不法行為としての損害賠償、あ
るいは慰謝料の請求は出来そうです。しかし、私が今夜、彼らに怪
我を負わせたことで相殺を主張して来るかも知れません。いずれに
しても、彼らを二度と妻に近づけないことが先決です。そのための
打撃を彼らに与える必要があるでしょう。

しかし分からないのは玲子さんです。出会ったころの明るい玲子さ
ん、ご主人を失って打ちひしがれている玲子さんの印象からは、彼
女が妻を陥れるようなことをするようになるとは信じられません。
それにしてもどうして玲子さんがそのようなことに加担したのでし
ょうか。彼女の心境の変化は私には全くの謎でした。

妻はその夜、泣き疲れたように私のベッドで眠りましたが、あれこ
れ思いを巡らせている私は一向に眠ることが出来ませんでした。

それでも明け方にようやくうとうとして、気が付くとすっかり日が
昇っていました。隣で眠っていた妻はもう起きたようで、ベッドは
空になっています。

キッチンに行くと、妻は珈琲をいれていました。

「子供たちは?」
「今日は友達と映画に行くとかで、早く出掛けて行きました」

テーブルに着いた私の前に妻はトースト、サラダ、オムレツなどを
並べます。

「紀美子は食べないのか」
「食欲がなくて……」

昨日あんなことがあったのですから無理もないでしょう。私はうま
く声をかけることも出来ず、無言でトーストをほうばります。

しばらく黙っていた妻が顔を上げました。

「あなた……少し実家に帰っていて良いでしょうか?」

私はトーストを珈琲で流し込むと妻の顔を見ました。

「どうして?」
「すみません……ここにいるとなんだか怖くて。気持ちが落ち着く
まで帰っていたいのです」
「俺が一緒にいても駄目か」
「そうではありませんが、あなたは平日は家にいないから……」

紀美子はすまなそうに目を伏せました。

信頼している友人に裏切られ、毎週のようにレイプをされた妻の心
の傷は相当深いのでしょう。私は納得してうなずきました。

「わかった。この夏はバタバタしていて帰省出来なかったからちょ
うど良い。お義父さんとお義母さんによろしく言ってくれ」
「ありがとうございます」

妻はほっとした様子で頭を下げました。

妻はその日の午後、荷物をもって実家に向かいました。気持ちが楽
になったのか、別れ際にわずかながら笑みが見えたのが救いでした。

翌日の月曜日は休日で、子供たちはやはり朝早くから出掛けていま
す。男の子はある程度の年になると自分の世界が優先のようで、父
親が家にいようがほとんど関心が無いようです。妻は実家に帰って
いるので、手持ち無沙汰な私は簡単な朝食を取ると、パジャマのま
ま新聞を読んでいました。

その時、ドアのチャイムがなりました。玄関の扉を開けるとそこに
は玲子さんが立っていました。

「おはようございます」

玲子さんはにっこり笑って頭を下げます。秋とはいえまだ暑い日が
続いていますので、薄着は珍しくありません。しかし、玲子さんの
胸元が大きく開いたブラウスに黒いミニスカートといういで立ちは
私と同い年の女性としては大胆なものに感じました。
  1. 2014/07/15(火) 12:24:19|
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女友達と妻 第16回

「お話したいことがありまして、あがってもよろしいですか?」
「あ、ああ……」

何をしに来たんだろう。私は玲子さんの意図が計り兼ねていました
が、同時に玲子さんから先制攻撃を受けたような気分になっていま
した。

「どうぞ」
「失礼します」

一礼して部屋に上がった玲子さんは小わきに小さな紙包みを抱えて
いました。私は玲子さんを客室兼用の居間に通すと朝食時に多めに
用意した珈琲をいれ、自分は寝室に行ってパジャマから普段着へ手
早く着替え、居間に戻りました。

「紀美ちゃん……奥様はお留守なんですか」
「ちょっと実家に帰っている」
「そうですか……」

玲子さんはしばらく黙っていましたが、いきなりソファから降りて
絨毯の上に土下座しました。

「○○さん、このたびは誠に申し訳ございません。私と遠藤さんが
ついていながら、奥様と竹井さんの関係を止めることができなくて
……」

私は呆気に取られて床に這いつくばる玲子さんを見つめました。

「どういうことですか?」
「ですから紀美ちゃん……いえ、奥様と竹井さんの不倫の関係を……」
「玲子さん……」
「私が悪かったんです……奥様が竹井さんの純粋な愛に徐々に引か
れて行くのに気づいて、最初は一生懸命止めたんですが、奥様はど
んどん深みにはまっていって……最後はあんなことに……」
「ちょっと待ってください」
「竹井さんもすごく反省しています。先日の件の治療費は請求せず、
それとは別に慰謝料として30万円をお支払いする、と言っていま
す。ここに竹井さんからお金と二度と奥様には自分から関わること
はしない、という誓約書も預かってきました。遠藤さんも、自分に
も責任があるので○○さんに対して治療費は請求しないと言ってい
ます」

玲子さんは私の制止にもかかわらずそこまで一気にしゃべりました。
私は玲子さんの言葉に呆気に取られていました。

「玲子さん、今の話は私が妻から聞いている話とまるで違う。そも
そも不倫とはどういうことですか? 妻は竹井と遠藤にレイプされ
たんですよ?」
「紀美ちゃんがそんなふうに言ったんですか?」

玲子さんは目を丸くして驚きの表情を見せます。

「妻が言ったもなにも、私もその現場をしっかりとこの目で見てい
ます。玲子さん、あなたもその場にいたじゃないですか」
「あれは違います。あれはただの、その……プレイです」
「プレイ?」
「その……奥様がああいう風にしてほしいと言われたので私と遠藤
さんがお付き合いしたのです。もちろん私達も、つい悪乗りしてし
まったのは反省しています。申し訳ございません」

玲子さんは土下座したまま再び頭を下げます。私はすっかり混乱し
てしまいました。

「……では、レイプではないと?」
「もちろんです。私と奥様のこれまでの仲を考えてみてください。
そんなことをさせる訳がないじゃないですか。それにそもそも女と
して、目の前でレイプが行われるなんて許せるはずがありません」

玲子さんは真剣な目で私に訴えます。

「それでは……不倫とはどういうことですか?」
「最初、海で会った日からのことです。私と○○さんの家族で海に
出掛け、遠藤さんと竹井さんと偶然のように海で出会ったことです
が……」
「ああ、玲子さんが後で私に、ダシに使ってごめんなさいと言いま
したよね」
「そうです。ですが、あれは私だけではなくて、奥様も含めてのこ
とだったんです」
「何ですって?」
「つまり、海で遠藤さんと竹井さんがいることを奥様も知っていた
ということです。私が奥様との会話の中で、遠藤さんの友人でバレ
ーボールの選手をしていた竹井さんという人がいるということを度
々話していたら奥様が興味をもって、ぜひ一度紹介してほしいと私
にねだるようになったのです」

「もちろん私は気が進みませんでした。私は遠藤さんと一緒に竹井
さんと何度も会っていましたが、年齢の割に純粋なところがあって、
安易に紹介してお互いに本気になったら大変だと思ったのです。そ
れでずっと断
っていたのですが、バレーのアドバイスを聞きたいだけで、それ以
上進むつもりはない。自分は夫――○○さんのことです――以外に
世間話ができる男友達もいない。私に迷惑をかけることは絶対しな
いからとせがまれたので、ついOKしてしまいました」

私は玲子さんの言葉に驚きました。妻から聞いていた説明と全然違
うのです。

「それじゃ、A駅の近くで4人でデートしていたのは?」
  1. 2014/07/15(火) 12:27:28|
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女友達と妻 第17回

「あれも奥様からお願いされてのことです。竹井さんがチームのコ
ーチになってから、奥様はどんどん本気になって行きました。竹井
さんも最初は自制していたのですが……やはり健康な男性ですから、
奥様に迫られるとつい心が動いてしまうようです。私と遠藤さんは
2人をたしなめたのですが、奥様はバレーのコーチと選手という関
係だけでは苦しい。一度だけ恋人のようにデートをしたい。それが
かなえばすっぱりと諦めると言い出しました」

「それでも2人だけで会わせることは危険だと思いましたので、私
と遠藤さんを加えた4人で会うことにしました。奥様は2人だけで
はないということで最初は不満そうでしたが、そのうちに4人でい
ても竹井さんしか目に入らないと言ったふうにはしゃぎ出しました。
私と遠藤さん
はまずいな、と思い、内心はらはらしていたら、○○さんから奥様
に電話が入ったのです」

「奥様はあわてて家に帰り、その後はしばらくおとなしくしている
ようでしたので、さすがに懲りたのかなと思っていました。ところ
が、間もなく奥様から竹井さんへのメール攻勢が始まったのです」
「紀美子からですか? 竹井からではないのですか?」
「……奥様からです。最初は他愛もない世間話ばかりだったような
のですが、次第にもう一度2人だけで会いたい、この前デートが中
断されて余計に思いが深くなった、もう一度会いたいというような
内容に変わっていきました」

妻から聞いていた話とまるで逆です。

「奥様は普段着るものはおとなしいものに変えたようですが練習中
の行動はどんどん大胆になってきました。竹井さんにわざとお臍を
見せたり、コーチを受けている時はお尻や胸を押し付けるようにし
たり……私はチームの中で噂になるんじゃないかとはらはらしてい
ました」

「ある時、練習が終わったのになかなか奥様が更衣室から出てこな
いので探すと、体育館の裏で竹井さんとキスをしていました」
「何だって」

徐々に玲子さんの話に引き込まれていた私は、まるでその場にいた
かのように驚きの声を上げました。

「どうしてとめてくれなかったんですか」
「……すみません。後で強くたしなめました。竹井さんには遠藤さ
んの方から注意してもらいました」

玲子さんはしゅんとなって頭を深々と下げます。

「そうすると奥様はわっと泣き出しました。どうしても自分の気持
ちが押さえられない。夫も子供も捨てて竹井さんのところへ行きた
いという自分がいる。それがたまらなく怖い。一度だけ竹井さんに
抱かれたら必ずふっ切ることができるから力を貸してしてほしいと
私に懇願してきました」

「もちろん私は必死で止めたのですが奥様はそれこそ半狂乱になっ
ていて……奥様のことを妹のように思っていた私はそれで再び普
通の生活に戻れるのなら、ということでつい協力を約束してしま
いました」

「奥様は、ラブホテルのような場所で竹井さんに抱かれると出入り
の際に誰に見られるか分からない。体育館の近くの遠藤さんのマン
ションなら時間もかからないし、誰かに見られても4人で練習日程
の打ち合わせをしていた、と言い訳が出きると、わざわざ指定して
きました。それにそこなら私がアリバイ作りの協力もできるだろう
と……」

私は呆気に取られて玲子さんの話を聞いています。

「ここできっぱりと断るべきでした。奥様と竹井さんの関係を断固
止めるべきでした。○○さんには本当に申し訳ないことを致しまし
た」

玲子さんは再び深々と土下座します。

「その夜、私達は遠藤さんのマンションに行きました。奥様と竹井
さんは狂ったように……すみません。とにかく奥様は何度も竹井さ
んを求め、体力のある竹井さんもたじたじとなるほどでした。帰り
の時間が心配になった私と遠藤さんは相談して○○さんに電話する
ことにしました。私はバレーの特訓をしていると言えば怪しまれな
いのじゃないかと思って、私が電話をしている間に遠藤さんは奥様
を少し落ち着かせ、電話を代わりました」
「それがあの時の電話ですか……」
「そうです……騙して申し訳ありません」

玲子さんは土下座したままそう言いました。

「それから奥様と竹井さんの関係はエスカレートして行きました。
私と遠藤さんはなんとか○○さんに知られないうちに関係を終わら
せようとあれこれ試みたのですが、すべて無駄に終わりました。奥
様と竹井さんは週末の練習時間だけでなく、平日も遠藤さんのマン
ションの鍵を借りて……その……情事に耽るようになりました」

「私と遠藤さんは段々奥様と竹井さん、特に奥様のペースに乗せら
れて行きました。ある時遠藤さんのマンションへ行った私は、奥様
が竹井さんと遠藤さん2人に絡み付かれているのを見て大変なショ
ックを受けました。泣いて抗議する私に奥様は、私も遠藤さんだけ
ではなく竹井さんにも抱かれたら良いんじゃないかと言い放ちまし
た」

「私は奥様に対して軽い復讐心が芽生えました。そこで、奥様が男
2人を相手に情事に耽るのを見ながら、奥様をいたぶることが習慣
になりました。しかし奥様はあくまで貪欲で、私のそんな責めなど
軽く跳ね返すようでした」
  1. 2014/07/15(火) 12:28:43|
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女友達と妻 第18回

私は玲子さんの妻に関する信じられない話を聞いてただただ呆然と
するばかりでした。

これまでの行動から玲子さんの言うことはは信用できない、妻を信
じるべきだという思いはもちろんあるのですが、一方でひどく動揺
している私がいます。

「……どんな理由があれ、○○さんには申し訳ないことをいたしま
した。私自身、どうやってお詫びをしたらよいのか分からないくら
いです」

玲子さんは床の上に這ったまま私に少しずつ近づいてきました。

「奥様に裏切られた……すみません……他の男に奥様を奪われるこ
とになった○○さんのお気持ち、お察しします。私も違う形とは言
え、誰よりも愛していた人を失ったことがありますから」

玲子さんはそう言うと力が抜けたようにソファに座っている私の太
腿のあたりに手をかけました。玲子さんの目は真っすぐに私の目に
向いています。私ははっと我に返ると玲子さんの手を払いました。

「玲子さん、申し訳ないが私はあなたの言うことを信用することが
できません。今の話は紀美子から聞いた話とまるで正反対です」
「紀美ちゃんが○○さんに隠すのは当然です。そんなことを正直に
話したら離婚になってしまいます。私も○○さんたちの家族がこん
なことでバラバラになって欲しくありません」

玲子さんは真剣な顔でそう訴えます。

「妻のことはともかく、玲子さんはその……昔とはまるで変わって
しまったように思える。特に、あの遠藤という男と付き合い出して
からだ」
「女は男次第で変わります。亡くなった夫は私より年上で、私にと
っては全面的に頼れる存在でした。遠藤さんはそれに比べてまだ若
く、時には私がリードしなければなりません。着るものだって、化
粧のやり方だって、亡くなった夫の好みと、遠藤の好みでは全然違
うのです」

玲子さんはそういって私を見上げるようにします。大きく開いたブ
ラウスの胸元に、玲子さんの豊かな乳房の谷間があらわに見えてい
ます。私はあわてて目をそらしました。

「とにかく私は妻の話を信じます。申し訳ないが今日はかえってく
れませんか」
「そうですか……」

玲子さんは困ったような顔をしました。

「これはできればお見せしたくなかったのですが……このままでは
遠藤さんと竹井さんが紀美ちゃんからレイプの罪で訴えられてしま
うかも知れません。あの2人も確かに軽率ですが、冤罪で苦しむの
を見逃す訳には行きません」

玲子さんはそう言うと紙袋から一巻のビデオを取り出しました。

「帰る前に、これを見ていただけませんか」
「何ですか? これは」
「ご覧になっていただければ分かります」

いやな予感がした私がためらっていると、玲子さんは今のテーブル
においてあったテレビとビデオ兼用のリモコンを取り上げ、電源を
入れます。次に箱からテープを取り出すと、ビデオデッキの中にセ
ットしました。

一瞬ざらっとしたノイズのような画面が現れ、次に26インチのモ
ニターに信じられない場面が映し出されました。

素っ裸の妻が四つん這いになって背後から男に犯されています。男
の顔が画面に映ります。やはり思ったとおり竹井です。竹井は時折
妻の豊かな尻をパンッ、パンッと叩きながら、激しくピストン運動
をさせています。

「あ、あっ……」
「気持ちいいのか、紀美子」
「気持ちいい……」
「紀美子のオマンコに何が入っている?」
「竹井さんの……オチンチン」
「紀美子のオマンコに竹井さんの太いオチンチンが入っています、
と言ってみろ」
「紀美子のオマンコに……竹井さんの……太いお、オチンチンが入
っています……ああっ」

 そこまで妻に言わせた竹井は激しく妻を突き上げます。妻は絶頂
が近いのか「も、もうっ」と声を上げます。

「あらあら、もう、もうなんて牛みたいね、紀美ちゃん。いつもの
おねだりはどうしたの?」

画面の外からの声は玲子さんのものです。

「あ、ああ……紀美子、もう、イっちゃいます……お願い……竹井
さん……紀美子の膣(なか)に、紀美子の膣にくださいっ」
「よし、いくぞっ、紀美子っ」

竹井は再び妻の尻を力強く叩きます。その瞬間妻はイったのか、身
体を弓なりに反らせてブルブル震わせます。

「い、イクっ、紀美子、イクっ」
  1. 2014/07/15(火) 12:29:41|
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女友達と妻 第19回

私が唖然として画面を見つめていると場面は切り替わり、やはり素
っ裸の妻が男の上にまたがり、ゆっくりと腰をうねらせています。
もう一人の男が妻の背後に回り、小ぶりですが形の良い乳房をゆさ
ゆさと揉み上げています。

「……それでは現場の○○紀美子アナを呼んでみたいと思います。
紀美ちゃーん」

画面の外から声がしました。ビデオを回している玲子さんのようで
す。驚いたことに妻は声の方に顔を向けると、にっこり笑ってピー
スサインをしました。

「紀美ちゃん、今の現場の様子はどうでしょう。実況をお願いしま
す」
「は、はい……ただいま現場では紀美子が竹井さんからオマンコに
オチンチンを入れられ……え、遠藤さんにオッパイをも、モミモミ
されています。あ、ああっ」
「少し音声が乱れていますが、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です。あ、あんまり気持ち良いので、こ、声が出ただ
けです。ああっ……」
「どこがそんなに気持ち良いんですか?」
「た、竹井さんの太いオチンチンで……紀美子の子宮を突き上げら
れるようで……」
「オッパイも気持ち良いですか?」
「お、オッパイも気持ち良いです。紀美子はオッパイがすごく感じ
るんです。え、遠藤さんはとってもモミモミが上手で、き、紀美子、
玲子さんがうらやましい……ああっ」
「オッパイを揉むくらいならいつでもお貸ししますわ。でも、オチ
ンチンは駄目よ」
「はい……わかっていますわ……紀美子は竹井さんのオチンチンが
あれば十分ですわ……ああっ」
「あっ、いよいよ紀美子アナ、イキそうです。いつものようにイク
瞬間を本人の口から実況してもらいましょう」

カメラがぐっと妻に近寄ります。妻の顔は赤く染まり、ハア、ハア
という荒い息遣いまでが聞こえてきます。

「ああっ、き、紀美子、イキますっ、イっちゃいますっ」

妻はそうほざくように言うと電流に触れたように身体を震わせなが
らのけぞらせます。背後から妻を責めていた遠藤が唇を求めると、
妻はうっとりとした表情で遠藤に唇を合わせます。

画面の中で妻と遠藤が熱い接吻を交わしているのを呆然と見つめて
いる私の隣に、気がつくと玲子さんが密着するように座っています。
玲子さんはいつの間に脱いだのか、玄人っぽい紫のレースのパンテ
ィ以外は裸でした。玲子さんはそっと私の股間に手を差し伸べます。

「○○さん、少しここが堅くなっているわ。奥様が気持ち良さそう
にイっているのを見て、興奮したのかしら」

玲子さんは悪戯っぽい目で私を見つめます。

「それとも朝の生理現象がまだ続いているの? どちらにしてもこ
のままじゃ身体に良くないわ。玲子が鎮めて上げる」
「玲子さん、何をするんだ」

私は拒絶の言葉を口にしますが、思いがけない妻の姿のビデオを見
た衝撃で身体が動きません。玲子さんは器用に私のズボンのベルト
を外すと、前のファスナーを降ろしました。

「そんなことを言ってもここのところは正直よ」

玲子さんは私のパンツの前を広げ、半勃ちになったペニスを取り出
します。

「まあ、立派ね。紀美ちゃんがうらやましいわ」

玲子さんは溜め息をつくようにそういうと、私のペニスをゆるやか
にさすり始めます。画面の中では仁王立ちになった遠藤の前にひざ
まずいた妻が、屹立した遠藤の肉棒にじっと瞳を注いでいました。
妻がぐっと目を閉じて遠藤を咥えようとした時、画面の外から玲子
さんの叱咤の声が飛びます。

「黙って咥えるなんてお行儀が悪いわよ。紀美ちゃんは食事の前に
『いただきます』も言わないの?」
「い、いただきます……」

妻は小声でそう言うと遠藤のペニスにそっと口吻を注ぎ込みました。

(紀美子……)

「奥様、なかなかおしゃぶりがお上手だったわ。○○さんのお仕込
みが良かったからかしら」

玲子さんも画面に視線を向けながら、私のペニスに愛撫し続けます。

「私も負けてはいられないわ」

玲子さんは大きな裸の乳房を2度、3度と私の熱くなった逸物に押
し付けるようにすると、ぱくりと咥え込みました。

「おおっ……」

玲子さんの絶妙な舌技に責め立てられ、私の口から情けない声が漏
れます。画面の中の妻も玲子さんの動きにシンクロするように激し
く顔を前後に動かしています。私はいつしか妻にフェラチオされて
いるような錯覚に陥りました。
  1. 2014/07/15(火) 12:31:23|
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女友達と妻 第20回

その時、私の脳裏に一昨日、遠藤のマンションから連れ帰った時に
見せた妻の泣き顔が浮かびました。

(何をやっているんだ……俺は)

私は必死で自制心を働かせ、玲子さんの頭を思い切りおしやるとリ
モコンを手に取り、ビデオを停止させました。半裸の玲子さんは絨
毯の上に尻餅をついています。

「どうしたの? もう少しだったのに……」
「いい加減にしろ。俺は玲子さんの言うことは信じない。言ってい
ることが紀美子とまるで違う」
「馬鹿ね。今のビデオを見たらどちらを信じるべきかは一目瞭然じ
ゃない」

玲子さんは余裕の笑みを浮かべます。私の言葉も乱暴になっていま
すが、玲子さんもそれまでの慇懃な言葉遣いが嘘のように、蓮っ葉
な口調になっています。

「黙れ。俺は紀美子を信じている」
「なによ、格好をつけちゃって。今まで私のフェラでオチンチンを
立てていたくせに」

玲子さんはそう吐き捨てるように言うと、脱ぎ捨てたブラウスとミ
ニスカートを身につけ、立ち上がりました。

「紀美ちゃんはいつまで実家に帰っているの?」
「玲子さんには関係ない」
「ふん、奥様がいないと寂しいでしょう? 私も遠藤が肩の骨を脱
臼してしまって、アレどころじゃないの。また遊びにくるわ」

玲子さんはそう言い残して私の家を出て行きました。後には一本の
ビデオが残されました。

玲子さんに対しては強がってはみたものの、私は今しがた目にした
ビデオに打ちのめされていました。竹井に背後から侵されながらは
っきり快感を訴えていた妻、竹井の上に跨って気をやりながら遠藤
と熱い接吻を交わしていた妻、遠藤のペニスを美味しそうに咥えこ
んだ妻──それらの姿は私の妻に対する信頼を大きく揺るがすもの
でした。

(電話をかけて確かめようか──)

私は受話器に手を差し出しかけて止めました。妻が竹井や遠藤、そ
して玲子さんから脅されて無理やりあのような「演技」をさせられ
たとしたらどうでしょうか。それとも何らかの薬物、幻覚剤のよう
なものを投与されたとしたらどうでしょうか。

もしそうなら、私が妻を問いただすことは私が妻を信用していない
ということを明らかにしてしまいます。

(ビデオの続きを確認しようか──)

私はそれもやめました。玲子さんがあえて私のところに持ってくる
からには、彼女や遠藤、竹井にとって有利な、かつ妻にとって不利
になる場面が収められているに違いありません。それを観ることは
私の妻に対する信頼をさらに大きく揺さぶることになり、それこそ
玲子さんたちの思う壺です。私は袋小路に追い詰められたような気
分になり、頭を抱えました。

頭の中には妻と竹井が繋がっている場面が焼き付けられているよう
で、消そうにも消えません。その時、突然電話のベルが鳴り、私は
心臓が大きく音を立てるほど驚きました。

「はい、○○です」
「あなた……紀美子です」
「ああ……」

電話は妻からでした。妻は実家に帰っても必ず一日一度は電話をか
けてきます。特に今日のような休みの日は、私がいつまでも朝寝を
しないように心配して、午前のやや遅めの時間にかけてくることが
多いです。

「勝手をしてすみません。何か困ったことはないですか?」
「いや、こちらは大丈夫だ」

全然大丈夫ではないのですが、今は妻に本当のことを言うわけには
いきません。私はわざと話題を変えます。

「ところで、お義父さんとお義母さんはどうしている? しばらく
話をしていないし、今回は急に紀美子が帰省することになったので、
せめて電話でご挨拶をしておきたい。代わってもらえないか?」
「え? 父と母ですか」

妻は一瞬言葉を呑んだようです。

「ごめんなさい…今日は2人とも朝から出かけています」
「紀美子が帰っているのにか?」
「前から予定していたようで……私は突然帰ってたから」
「そうか……それなら、帰ってきたらよろしく言っておいてくれ。
夜にでももう一度こちらからかける」
「あ……あなた」

妻が言葉をはさみます。

「なんだ?」
「電話するときは、私の携帯にしてくれませんか?」
「なぜだ?」
  1. 2014/07/15(火) 12:32:27|
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女友達と妻 第21回

「2階にある子機の調子が悪くて、聞こえにくいんです。私は大抵
2階にいるから。それと今晩はだいぶ遅くなるようなことを言って
ましたから、両親への電話は明日にしてください」
「そうか……わかった」
「それじゃあ、出来るだけ早く帰ります」
「あ、紀美子」
「なんですか?」

私は一瞬、ビデオのことを尋ねようかと迷いましたが、すぐに今の
妻に聞くべきではないと思い直しました。

「いや……なんでもない」
「それじゃあ、切りますね」

妻からの電話はそこまでで切れました。

私は妻のことを疑うのを意図的にやめて、竹井と遠藤にどのように
対処すべきかということを考えることにしました。法的な措置に出
るのも良いですが、私が彼らに怪我を負わせたということもあり、
また、今のビデオを見ると強姦罪で訴えるというのはあまり得策で
はないように思えます。

かといって民法上の不法行為による損害賠償ということなら、妻が
竹井によって強姦されたのではなく不倫関係にあった、玲子さんと
遠藤はせいぜいその幇助をしたに過ぎないということにとどまりそ
うです。私はこの件で妻と別れるなどということはさらさら考えて
いませんので、慰謝料などを請求できたとしても僅かな金額に留ま
るでしょう。それこそ玲子さんが提示した30万円というのが精々
かもしれません。

私はここでも行き詰まりました。妻を助けるために竹井と遠藤に痛
撃を加えたものの、玲子さんを含む彼ら3人は反撃に転じ、じわじ
わと私を攻め立てているようです。法律的手段ではなくても、二度
と妻に近づきたくなくなるほどの打撃を彼らに与えない限りは、妻
を実家から呼び戻すことも出来ません。

妙案が浮かばないまま夜を迎えベッドに入りますが、なかなか眠る
ことが出来ません。目を閉じると今日ビデオで見た妻の痴態が頭に
浮かんでくるのです。必死で追い払おうとしているうちに、私にふ
とある疑いが生まれました。

(紀美子は本当に、実家に帰っているのだろうか?)

昨日の朝、私が目を覚ましたときには妻はもう起きていて、朝食の
最中に私に実家に帰りたいということを切り出しました。妻が実家
の両親に事前に何の連絡もなしに帰ることを決めることはないはず
ですから、私が起きる前に実家に電話したはずです。

しかし、妻によると妻の父と母は今日一日中不在ということでした。
それも前から決まっていた予定だということです。それならどうし
て今日の夜、または明朝まで帰るのを延ばさなかったのでしょうか。

妻は実家に帰りたい理由を、平日は私がいないので気持ちが落ち着
かないからと言っていました。しかし、少なくとも今日までは休日
で、私は家にいることは可能なのですから、両親が不在なのであれ
ば慌てて帰る必要はないはずです。

(念のためにこちらからかけ直すんだった)

妻との電話が終わってから、私が妻の携帯ではなく妻の実家に電話
をしたらどうなっていたでしょうか。妻がその電話に出ることが出
来たでしょうか。それとも不在のはずの妻の両親が電話に出たので
はないでしょうか。

そこまで考えた私は、こういった思考もひょっとして玲子さんたち
の思う壺にはまっていることではないかと感じました。私は完全に
彼らの揺さぶりに翻弄されています。とにかく今は妻のことは信じ
ることとし、竹井たちへの対抗策のみを考えることとして無理やり
に眠りに入りました。


三連休明けの会社は仕事が溜まっており、私は一日を忙しく過ごし、
妻や竹井について考える余裕はほとんどありませんでした。仕事を
片付け、家に帰ると10時半頃になっていました。

玄関の前に立った私はチャイムを鳴らします。まだ子供たちが起き
ていて、迎えに出るだろうと思っていました。

(そういえば、子供たちは夕食をどうしただろう)

忙しさにかまけて、子供の食事のことがすっかり頭から抜け落ちて
いました。昨日は妻が作り置きしておいたカレーを食べたのですが、
食欲旺盛な男の子が二人揃っていますから、ほとんど平らげてしま
いました。

(ご飯くらいは炊けるはずだが……あの子達はあまり冷凍食品が好
きじゃないし)

そんなことを考えていると玄関の扉が開きました。

「お帰りなさい」

なんとそこには、Tシャツとジーンズの上にエプロンを着けた玲子
さんが立っていました。その後ろにパジャマを着たこどもたち2人
が立っています。

「お父さん、弘明のお母さんがおかずをつくってくれたんだよ」
「お母さんはいないし、お父さんも遅いし、僕達困っていたら祐樹
のママが来てくれたんだ」

子供たち2人がニコニコしながら話すのを、私は唖然として聞いて
いました。
  1. 2014/07/15(火) 12:33:20|
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女友達と妻 第22回

「どうしてここにいる」という言葉を私は慌てて飲み込みました。
子供たち2人は私たち夫婦と玲子さんの間に何が起こったのか、妻
がなぜ実家に帰っているかなどについて本当のことは何も知りませ
ん。子供たちの前で争うわけには行かないのです。

「そうですか……どうも有難う、玲子さん」

私は内心の苦々しさを噛み殺してそういいました。

「しかし……もう遅いから帰ったほうがいいんじゃ……」

私がそういうのを玲子さんは途中で遮りました。

「いいのよ。どうせうちは私と子供たちだけだし。困ったときはお
互い様──というより、今まで○○さんには随分助けてもらってい
るから、これくらいのことはさせて頂かないと」

玲子さんは笑みを浮かべてそういいますが、目は私の顔にじっと注
がれています。私は思わず目をそらしました。

「マンションって便利ね。部屋のつくりが似ているから、何がどこ
にあるか大体想像がつくわ」

そういうと玲子さんは子供たちに「あなたたちはもう部屋に戻りな
さい。遅くならないように寝るのよ」といいます。

子供たちは「はあい」と素直に返事をし、自分たちの部屋に戻りま
す。

「何を考えている」
「先にお風呂にします? お食事にします」

玲子さんは質問には答えず、私からスーツの上着を脱がせようとし
ます。

「自分でやるからいい」
「そうですか」

玲子さんは手を引っ込め、私がネクタイを外すのをじっと見ていま
す。

「先にお風呂に入るでしょ。下着とパジャマを出しておきました」

私は少し驚いて玲子さんのほうを見ます。

「前に紀美ちゃんから聞いたことがあるのよ。○○さんは帰ったら
必ず真っ先にお風呂に入るって」
「……」
「今日のお食事は麻婆豆腐です。好物でしょ?」
「それも紀美子から聞いたのか?」
「うちのとレシピは違うかもしれないけれど、その辺は我慢して頂
戴。おつまみはアボガドよ。ちょうど良く熟れたのがあったわ」

アボガドを刺身のように、わさび醤油で食べるのが私の好きな酒の
つまみです。私は完全に玲子さんのペースに乗せられているのを感
じました。

玲子さんがキッチンへ向かうのを見送った私は、風呂へ向かいます。
脱衣所には確かに私の下着とパジャマがきちんと畳んで置かれてい
ました。

(一体何を考えている? あの女は)

私は湯船に漬かりながら玲子さんの行動の理由を考えていました。
するといきなり扉が開き、バスタオル一枚の玲子さんが風呂場に入
ってきました。

「ど、どういうつもりだ」

私は驚いて思わず声を上ずらせます。

「お背中を流しますわ」

玲子さんは落ち着いた表情でバス用のスポンジにボディソープを垂
らし、泡立てます。

「どうぞ」
「出て行ってくれ」
「大きな声を出すと、子供たちが不審に思いますよ」

私はぐっと言葉につまり、仕方なく湯船から出ます。玲子さんは背
中を向けて座った私の身体を洗い始めました。

「ああ……主人の背中をこうやって洗ったことを思い出すわ」
「……」
「○○さんは紀美ちゃんとよく一緒にお風呂に入るんですか」
「いや……」

妻は恥ずかしがり屋で、私と一緒に入浴するのは、子供たちが小さ
いときに行った温泉での家族風呂くらいです。そういえば私は妻の
裸を明るいところでは滅多に見たことがありません。

「それはつまらないわねえ。私たちはしょっちゅう一緒に入ってい
たわ」
「今も遠藤と入るのか」

私は余計なことを聞いてしまいました。

「遠藤さんとはお風呂に入るというよりも、セックスの流れの中で
そうするようなものだから……」

玲子さんの声が艶を帯びてきました。
  1. 2014/07/16(水) 09:55:19|
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女友達と妻 第23回

私の背に柔らかいものがぐいと押し付けられました。振り返ると玲
子さんはバスタオルを外し、全裸になって豊かな乳房を私の背に押
し付けるようにしています。

「玲子さん……やめるんだ」

玲子さんは泡立てたボディソープを乳房にたっぷり垂らして、私の
背をぐいぐいと洗い始めます。私の拒絶にもかかわらず、玲子さん
は面白がるように柔らかく豊かな乳房を押し付けてくるのです。

「いかが? ○○さん。玲子のオッパイで洗われる気分は。気持ち
良い?」
「馬鹿をいうな。早くやめろ」
「ここんところを大きくしてそんなことを言っても、まるで説得力
ないわよ」

玲子さんはくすくす笑いながら私の股間にそそり立った肉棒を握り
締めます。確かに私のその部分は硬く、大きくなっています。

「死んだ夫も、遠藤も、私がこうやって洗って上げると必ずオチン
チンを大きくしたわ。男は誰も同じね。大きなオッパイが好き」

玲子さんは笑いながら私のペニスをやわやわと愛撫し、大きな乳房
で私の背中に「の」の字をかくように身体を動かしています。

「もういい。出て行くんだ。いや、もう自分の家に帰ってくれ」
「あら、これからが本番なのよ」
「背中を洗うのはもういいと言ってるんだ」

私はそう言うと急いで身体の泡を流し、湯槽の中に身体を浸します。

「玲子さん、俺を誘惑して事態を有利に運ぼうとしているのかもし
れないが、こんなことをしても無駄だ。俺は紀美子を裏切るような
ことはしない」

私は玲子さんの裸身から目をそらしながら言います。

「あら、奥様の方は○○さんを裏切っても?」
「紀美子も俺を裏切ったりしない。わかったら早く帰れ」
「わからないわ。いえ、○○さんがわかるように、本当のことを教
えて上げる」

玲子さんはそう言うと立ち上がり湯槽の中に入ってきました。あふ
れ出たお湯が洗い場にざあっと流れます。玲子さんは私に向かい合
ってしゃがみこむような姿勢を取ると、私の両足を肩の上に抱え上
げるようにします。私は驚いて抵抗しましたが、狭い湯槽の中では
思うように身体も動かず、玲子さんも日頃スポーツで鍛えているせ
いか女とは思えない力で私の足をしっかりと抱えます。私の腰が浮
かぶようになり、屹立したペニスが湯から顔を出しました。

「これ、何て言うか知っている? 潜望鏡っていうのよ」

玲子さんはそう言うといきなり私のモノを咥えてきました。

「うっ……」

私は湯の中に滑り落ちないように縁を掴んでいるのに必死で、玲子
さんの大胆な行為にすっかり翻弄されていました。玲子さんは舌先
でチロチロと私の裏筋を嘗めていたかと思うと、深く飲み込み、顔
を激しく前後させて私を責め立てます。

「ねえ、○○さん。イキたい?」

玲子さんはふと私のものから顔を話すと、上目使いに私の顔を見つ
めます。

顔を横に振る私に玲子さんは「素直じゃないわね……」と呟き、手
で私のものをゆっくりとこすり立てます。

「奥様と竹井さんが一緒にお風呂に入った時は、必ず奥様は一度、
竹井さんをイカせていたわよ……」

玲子さんはそう言うと何かを思い出したようにクスリと笑います。

「奥様は今の私のように竹井さんと一緒にお風呂に入って、手や口
を使って竹井さんのものを愛撫していたわ。時々竹井さんが奥様に
聞くの。俺のものと亭主のものはどちらが大きいかって……」

玲子さんが私を動揺させようとしてそんな話をしているのは明白で
す。私は玲子さんのペースに嵌らまいと思いながら、その部分を緩
やかに愛撫されることでまるで麻酔をかけられたように気力が萎え
てくるのを感じました。

「すると奥様はこんなふうに答えるの。あなたのものの方が大きく
て素敵です。紀美子、大きなオチンチンが大好き、って」

玲子さんはそう言うとショックを受けている私のモノを舌先でペロ
リと嘗めます。

「……ごめんなさい。私は○○さんのオチンチンが小さいとは思わ
ないわ。でも、竹井さんのオチンチンの大きさは、ちょっと人並み
外れているのよ」

玲子さんは口を開いて私のモノを呑み込み、5、6回大きなストロ
ークで愛撫します。

「奥様は時々こういいながら竹井さんのモノをしゃぶっていたわ。
ああ、紀美子、大きなオチンチンが大好き……あなたのザーメンを
紀美子に一杯飲ませて、って」
  1. 2014/07/16(水) 09:56:50|
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女友達と妻 第24回

玲子さんは舌、唇、歯、頬の肉、そして喉まで総動員して私を責め
上げます。そして鼻息交じりに「紀美子に飲ませて……一杯飲ませ
て……」と妻の口まねをします。私は玲子さんや竹井に怒りを感じ
ながらもその部分は限界まで膨張し、玲子さんの口の中で爆発寸前
になります。

「ああ……こんなに大きくなって……素敵……あなたのオチンチン
……紀美子だけのものよ……ねえ、イって……紀美子のお口でイっ
て……」

妻は本当にそんなことを言いながら竹井のモノを愛撫していたので
しょうか。私は竹井のその部分がどうなっていたか思い出そうとし
ます。

妻が竹井と遠藤にレイプされている部屋に踏み込んだ時、竹井のモ
ノは妻の中に収まったままでした。私は怒りに任せてアイアンを竹
井の足に叩きつけたのですが、その時竹井のモノはどういう状態だ
ったのか、よく覚えていません。

玲子さんの言う通り人並み外れて大きなものだったなら気が付いて
いると思うのですが、その時は恐怖のため縮こまっていたのかも知
れないのです。

「ねえ……紀美子に飲ませて……あなたのモノを……いっぱい紀美
子に飲ませて……」

私は心の中にある暗い感情が沸き起こってくるのを感じました。そ
れは紛れも無い、妻に対する復讐心でした。陶酔した表情で私のモ
ノをフェラチオし続ける玲子さんの顔が妻の顔とダブり、私は裏切
った妻を汚すような思いで身体の緊張を解きました。

「ううっ」

私は自分でも驚くほどの量の精液を玲子さんの喉の奥に叩きつけま
した。玲子さんは眉をしかめて咳き込みそうになるのをこらえ、必
死で飲み干して行きます。長い射精が終わり、玲子さんは最後の一
滴まで絞り尽くすように喉を鳴らすと、ようやく私から口を離して
ふう、と息をつきました。

「先に上がってお食事の支度をしているわ」

玲子さんは勝ち誇ったような表情でそう言うと、私に裸の背を向け
て浴室を出て行きました。私は玲子さんの引き締まった尻をぼんや
りと眺めていました。

浴室に残された私の中に、妻に対する罪悪感が沸き上がってきまし
た。玲子さんの術策にはまり、妻を裏切ってしまったのです。子供
の存在を人質に取られて一方的に責められる、いわば逆レイプのよ
うな行為でしたが、最後は私は玲子さんに誘導されて妻が裏切った
と思い、積極的に玲子さんの口内に精を放ったのは事実です。

(やはりすぐに帰ってもらおう)

私はそう心に決めると浴室を出て、急いで身体を吹いて下着とパジ
ャマを身につけ、リビングダイニングに向かいます。

「あら、もっとゆっくり入っていたらよいのに。お風呂は好きなん
でしょう」

エプロン姿の玲子さんが微笑を浮かべて私を迎えます。私は先程の
行為の後ろめたさから思わず目をそらしました。

「そんなのんびりした気分じゃない。いますぐ帰ってもらえないか」
「冷たいわね。私が夕食を用意して上げたのよ」
「それについては感謝している。しかし、もう夜も遅い」
「何を子供のようなことを言っているの」

玲子さんが身体を寄せてきます。私は思わず彼女の方に目を向けま
した。エプロン姿の玲子さんの肩は丸出しで、Tシャツを身につけ
ている気配はありません。

「急いでお風呂から上がったので、エプロンしか着ていないの……」

玲子さんは微妙な笑みを浮かべて私の耳元に口を寄せ、そう囁くと
くるりと後ろを向きました。

確かに玲子さんはエプロンの下は一糸まとわぬ裸でした。湯上がり
の少しピンク色に火照った肌が私の目にたまらなく扇情的に写りま
した。

「……服を着てくれ」

絞り出すような声でそう言い、目を逸らした私に玲子さんは再び身
体を近づけます。

「竹井さんも裸エプロンが大好きなんですって。一度○○さんもお
子さんも留守の休日に、奥様が竹井さんのマンションに行って、一
日中裸エプロンで過ごした、って聞いたことがあるわ……」

玲子さんの言葉に私はいきなり心臓をつかまれたようなショックを
受けました。

「竹井がそう言ったのか」
「竹井さんと奥様から別々に聞いた、いえ、聞かされたのよ」
「いつの話だ」
「さあ……いつだったかしら」

玲子さんは微笑を浮かべたまま私から目を逸らします。

「私も一緒に食事をしていっていいかしら。今から帰って自分一人
で食べるのはわびしいわ……」
  1. 2014/07/16(水) 09:57:44|
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女友達と妻 第25回

私が黙っていると玲子さんは畳み込むように言います。

「奥様の話、もっと聞きたくない?」
「……勝手にしろ」

ついに私は玲子さんの軍門に下ります。ここで追い返すべきだ。こ
れ以上玲子さんの話を聞いたら私の動揺は大きくなり、妻に対する
不信感が広がる。それは玲子さんや竹井の思う壷だ。私の理性はそ
う叫ぶのですが、妻の話をもっと聞きたい、もっと知りたいという
欲求を抑えきれないのです。

玲子さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、ビールとつまみの用意
をします。350CCの缶2本とグラス2つがテーブルに並びます。

「一緒に頂いて良いかしら?」

私が無言で頷くと、玲子さんはビールを2つのグラスに注ぎます。
私はグラスを持ち上げると玲子さんは私に合わせて、グラスをカチ
ンと軽くぶつけます。

「乾杯」

玲子さんは媚めかしい笑みを浮かべて私を見つめます。

「何に乾杯だ」
「もちろん、私と○○さんが初めて結ばれた夜によ」

私は苛立たしさを抑えながら、グラスのビールをぐいと飲み干しま
す。

「結ばれてなんかいない」
「あら、それならさっきのお風呂でのことは一体なんだったの?」
「あれは玲子さんが無理やり……」
「○○さんは男でしょう? 本当に嫌だったらどうとでも出来たは
ずだわ。それなのに私の口の中で最後までイったのはどうしてなの?」

玲子さんの指摘に私は黙り込みました。確かに、子供に知られても
よいのかと玲子さんは脅迫的な事を言っていましたが、強く拒絶す
れば拒絶することは出来たはずです。

「あまり苛めるとかわいそうね。奥様と竹井さんの話をしましょう」

玲子さんは空になった私のグラスにビールを注ぎます。

「そうそう、おつまみを取って来なくちゃ」

玲子さんは立ち上がると私に背を向け、冷蔵庫に向かいました。裸
の上にエプロン一枚のため、形のよいお尻が丸見えです。私は思わ
ず目が釘付けになります。

先程浴室で裸を見たはずなのに、エプロンの紐だけの玲子さんの後
ろ姿は、素っ裸よりもむしろ扇情的です。玲子さんは冷蔵庫を開け
ると、ラップをかけた皿をいくつか取り出します。

「私が好きなものと似ているわ。矢っ張り同い年ね」

玲子さんがテーブルの上に並べたのはスライスしたアボガド、冷や
奴にキムチと鰹節をかけたもの、オクラ、浅漬けなどです。いずれ
もそれほど手間はかかりませんが私の好物で、妻がよくつまみとし
て用意するものです。

私は腹立たしい気持ちはあるのですが、これから素面で玲子さんと
話す気にもなりません。悪酔いしないように料理を食べだしました
が、これが美味しく、そんな風に感じる自分にも嫌気がさします。

「竹井や遠藤は若いからこういうものじゃ満足出来なくて、揚げ物
なんかが好きみたいね。奥様も竹井の部屋でつまみに鶏の空揚げを
作らされた、っていってたわ」

私は妻が裸にエプロン一枚の格好で台所に立ち、料理している姿を
想像しました。玲子さんが私を動揺させるために嘘をついているに
違いないと思いつつ、心は穏やかではありません。

「紀美子が竹井のマンションに行った日というのはいつのことだ」
「いつだったか……覚えていないわ」
「それは本当のことじゃないからだろう」
「本当よ」
「嘘だ」

私は再びグラスのビールをぐいと飲みます。玲子さんがすかさず空
いたビールに注ぎます。

「ビールが足らないわね」

玲子さんは再び立ち上がり、冷蔵庫にビールを取りに行きます。玲
子さんの裸の尻を目で追う自分が嫌になります。

「足らなくなると思って、家から持って来ておいたの。たくさんあ
るから遠慮なく飲んでね」

玲子さんはそう言うと自分のグラスのビールを飲み干し、持って来
たロング缶を開けて注ぎます。

「ところで、押し問答をしていてもしょうがないわ。現に奥様は一
昨日から昨日までも竹井のマンションへ行っているわよ」
「なんだと?」

玲子さんの言葉に私は頭を殴られたようなショックを受けました。
  1. 2014/07/16(水) 09:58:48|
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女友達と妻 第26回

「馬鹿なことを言うな。紀美子は一昨日から実家に帰っている」
「あら、確認をしたの」
「実家にいる紀美子と電話で話した」
「○○さんからかけたの?」
「いや……」

確かに一昨日の電話は妻からかけて来ました。しかも電話の子機の
調子が悪いということで、自分の携帯からかけて来たのです。

「○○さんはその時、実家の奥様のご両親と話した?」

私は玲子さんの問いかけに黙り込みます。

「話していないのね?」
「義父と義母は一日中留守で、遅くならないと帰らないから電話は
明日にしてくれということだった」
「おかしいと思わなかったの? どうしてご両親が留守なのに急い
で実家に帰らなければいけないの。帰るのは昨日でいいはずじゃな
い」

確かに玲子さんの指摘のとおりです。私もそれを疑問に思い、なか
なか眠ることが出来なかったのです。

「奥様は実は竹井さんのマンションに行っていたのよ。○○さんに
殴られた傷が心配になったみたいね」
「嘘だ……」
「そう思いたい気持ちはわかるわ。でも事実なのよ。竹井は足の骨
にヒビが入っているようなの。奥様は、自分のせいでこんなことに
なって申し訳ないと竹井さんに謝りに行って、身の回りのお世話を
しているうちにそのまま泊まったみたいなの」
「なぜそんなことを玲子さんが知っている?」
「昨日の朝、私も竹井さんのマンションにお見舞いに行ったのよ。
もともと私と遠藤さんが巻き込んだようなものだから、責任を感じ
ちゃって。簡単に食べられるものをタッパーに入れて持っていった
んだけど、奥様が甲斐甲斐しく朝ご飯を作っていたので私の出る幕
はなかったわ」

玲子さんはそこまで喋ると、ふふっと小さく笑います。

「何がおかしいんだ」

私はグラスにビールを注ぎ足して、一気に煽ります。

「2人ともまるで新婚の夫婦みたいに楽しそうだったわ。竹井さん
が怪我をしたせいでかえって絆が深まったみたい――竹井さんった
ら、怪我はしているけれどあっちのほうは元気でしょう。それでも
奥様に散々攻められて大変だったって、笑いながらこぼしていたわ。
あなたはそのまま横になっていて、紀美子がしてあげるから、って
フェラチオで責め立ててそのまま騎乗位で」

私が硬化した表情で黙り込んでいるのを見て、玲子さんは口をつぐ
みます。

「……ごめんなさい、調子に乗り過ぎたみたいね。○○さんには辛
い話だったかしら」

そんなはずはない……妻がそんなことをするはずはない。私は頭の
中で玲子さんの言葉を必死に否定しようとするのですが、片足をギ
ブスで固めて横になった竹井の上に素っ裸の妻が跨り、淫らに腰を
振っている姿を想像し、たまらない気持ちになりました。

「あ、そうそう、話は変わるけれど、土曜日に○○さんが持ってい
ったデジタルカメラ、返していただけるかしら? 次の週に子供の
サッカーの試合があるので、撮ってあげたいのよ」

私は頷き、寝室に置いてあるデジタルカメラを取りに行き、玲子さ
んに返します。

「当然のことだが、メモリに入っていた写真はすべて削除させても
らった」
「中身は確認したの?」

私は首を横に振りました。

「そう、でもバックアップは取ったのね」

私はぐっと言葉に詰まりました。証拠になるかもしれないのでメモ
リの中の数十枚の写真は私のパソコンにバックアップしていますが、
内容を確認する勇気はありませんでした。

「そういえば、この前のビデオはどうしたの。ここには置いていな
いのね」

玲子さんは部屋の中を見回すと立ち上がり、テレビの横にあるビデ
オ棚を確認します。

「当たり前だ。子供が間違ってみたらどうする」
「でも、捨ててはいないんでしょう?」

沈黙が私の回答でした。

「○○さんって、嘘のつけない人ね。似たもの夫婦って言葉がある
けれど、○○さんのところはその逆ね」

玲子さんはクスクス笑いながらこちらを見ます。

「私も嘘はつけないタイプなの。○○さんと同じよ」
「それこそ嘘だ」
「どうして? 私が嘘をついたことがある?」
「それは……」

確かに、玲子さんが嘘をついているということが証明されたわけで
はありません。今のところは、玲子さんと妻の言うことが互いに矛
盾しているというだけなのです。

「ねえ、一緒に奥様のビデオの続きを見ましょうか」
「馬鹿を言うな」
「残念ね……あれからがいいところなのに――あ、そうそう、○○
さんに渡しておかなければいけないものがあるの」
  1. 2014/07/16(水) 09:59:54|
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女友達と妻 第27回

玲子さんはもってきたバッグの中から紙袋を出します。

「デジカメのファイルは消去しても、他に写真があるかどうか不安
でしょう? ここにこれまでの奥様の写真が入っているわ。少なく
とも私が撮ったものはこれで全部。あとはメモリからも消去してい
るし、これ以外のバックアップはないわ」

玲子さんの差し出したものは5枚のCDーRです。

「竹井や遠藤が撮っている可能性は?」
「遠藤さんはデジカメを持っていないわ。竹井さんはどうかわから
ないわね、でも、遠藤のマンションで奥様が2人に抱かれた……ご
めんなさい、その時は少なくともカメラやビデオは私しか操作しな
かったわ」
「そういえば、ビデオはこの前のもので終わりか?」
「あれでおしまいよ。元のテープはすべて消去しているわ。家に来
て家捜ししてもいいわよ」

玲子さんの言うことが本当だとすると、妻の痴態を記録したビデオ
や写真は一応回収したことになります。しかし、妻が竹井のマンシ
ョンに行っているのなら、そこで竹井に新しい写真やビデオを撮ら
れている可能性もあります。

妻の言うことを信じるなら玲子さんの言うことは信じられない、つ
まり、ビデオや写真がこれで終わりとは限りません。玲子さんの言
うことを信じるなら妻が私にその存在を隠しているビデオや写真が
あるかも知れません。

いずれにしてもビデオと写真の件はこれで解決、という訳にはいか
ないのです。私はテーブルにおかれたCDーRを睨みながら、ビー
ルをあおり続けます。

「○○さんもつらいのね。今夜はとことん飲みましょう」

玲子さんは空いたグラスにすかさずビールを注ぎ足し、自分もどん
どん飲み続けます。玲子さんのエプロン一枚に隠されたほんのり赤
くなって行くのが分かります。

「○○さん、一昨日遠藤のマンションに乗り込んで来た時の姿、と
ても素敵だったわ」

玲子さんは突然ため息をつくようにそういいます。

「なぜだ? 俺は玲子さんの恋人をぶん殴ったんだぞ」
「それが素敵なの。妻を守るために一人で乗り込み、果敢に戦い奪
い返して行く。遠藤さんは若くて、亡くなった主人に似たスポーツ
マンタイプで男らしい人だと思っていたけれど、○○さんの男らし
さと比べたら月とスッポンよ」

私は玲子さんの意図が計り兼ねて黙っています。玲子さんはグラス
を手に持ち、私の隣の椅子に移動します。

「こんなに素敵なご主人を袖にして若い男に走るなんて……奥様も
どうかしているわ」

玲子さんの豊かな乳房の上半分がエプロンから覗いています。いや、
堅くとがった乳首までがエプロンの布と胸の間にはっきりと見えて
いるのです。

「ねえ、○○さん……」

玲子さんは私の右手を取ると、自らの太腿の間に導いて行きます。
いつの間にそうしたのか、エプロンの裾は大きくまくれがっており、
私の手は玲子さんの股間の繊毛に触れました。思わず手を引こうと
する私を玲子さんは両手でしっかりと引き留めます。

「……○○さんのことを考えてこんなになってしまったの」

玲子さんの蜜壷ははっきりと潤いを見せていました。

「……駄目だ」
「○○さんだって、大きくしているじゃない」

玲子さんは右手で私の右手をしっかりと持ち、左手でパジャマ越し
に私のペニスを握るようにします。確かに玲子さんの指摘どおり、
私はその部分を無様に膨張させていました。

「玲子さんには遠藤がいるだろう」
「あんな男はもういいの。私は○○さんに乗り換えるわ」
「紀美子の友達じゃなかったのか」
「奥様は竹井さんを選んだのよ。こっちはこっちで楽しくやりまし
ょう。一緒になってもかまわないのよ」

玲子さんは片手で私のモノを握り締めながら、私にしがみつくよう
にします。豊かな乳房を押し付けられ、思わず理性を失いそうにな
ります。

「主人の残した生命保険も、遺族年金もあるから生活には困らない
わ。奥様と竹井からたっぷり慰謝料と養育費も搾り取れるし……」

玲子さんの甘い香水の匂いが私の鼻孔を刺激します。ビールの酔い
とあいまって、私は陶然とした気分になって来ました。

「証拠ならたくさんあるわ。私と○○さんの中がばれないようにし
ておけば、有責なのは奥様よ」
「……」
「ねえ、女に恥をかかせないで……」

玲子さんは私のパジャマのズボンをずらし、パンツの前から硬直し
たペニスを取り出すと、愛しげに摩り始めました。
  1. 2014/07/16(水) 10:01:08|
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女友達と妻 第28回

「さっき私のお口に出したばかりなのにもうこんなになって……素
敵だわ」
「やめろ……玲子さん」

私は必死で自制心を取り戻し、玲子さんを押しのけようとします。

「奥様も竹井さんと楽しんでいるのよ。何をためらっているの」
「玲子さん……」
「玲子、って呼んで」

玲子さんはそう言うと唇を私の唇にぶつけるようにして来ました。
玲子さんのしっとりと濡れた舌が私の口の中に入って来ました。妻
に裏切られたかもしれないという思いと、ビールの酔い、そして玲
子さんの甘い匂いに私の身体は麻痺したようになり、そのまま玲子
さんを抱き締めるとエプロンの紐を外していきました。


酔いではっきり覚えていないところもあるとはいえ、私はリビング
ダイニングで裸にした玲子さんを寝室に連れ込み、抱いたことは記
憶にあります。私は妻とのセックスの時には滅多にできないバック
のポーズで玲子さんを責め上げました。大きく突き出した玲子さん
の尻がまるで妻のそれであるかのように感じられ、私は妻に復讐す
るような思いで玲子さんを突き上げました。

獣のような声を上げてよがる玲子さんはそれだけで何度も達しなが
ら私に許しを乞い続けました。

「あなたっ、許してっ。もっときつくお仕置きしてっ」

明け方近く玲子さんは自分の部屋に帰って行きました。私の頭は二
日酔いで割れるように痛みました。これほど酔ったのはいつ以来で
しょう。

私の胸の中に深い後悔が湧き上がって来ました。理由はどうあれ、
私は妻を裏切ってしまったのです。日曜の朝は最後までいきません
でしたが、昨日の夜は浴室で玲子さんの口の中に射精し、その上、
夫婦の寝室で彼女を抱いたのです。

とても会社に行く気力はなく、私は電話をして熱があるから休むと
伝えました。仕事がたくさん溜まっているというのに、我ながら情
けない気分です。私は熱い珈琲を入れ、砂糖もミルクもいれないで
飲みます。おかげで二日酔いの頭が幾分覚めて来ました。

妻が実家に帰って――玲子さんの言うとおりなら少なくとも最初の
2日は竹井のマンションに行っていたことになりますが――3日が
経ちました。妻からは月曜日に電話があって以来話をしていません。

私は玲子さんの言うとおり、妻が私を既に裏切っているのではない
かという不安に襲われていました。そう、私が会社に行く気力を持
てなかったのは、二日酔いのせいでも、玲子さんと関係を持ってし
まったことによる罪悪感でもありません。愛する妻を失ってしまっ
たという悲しみと喪失感のせいなのです。

実家にいるはずの妻に電話しようとして私は手を止めました。妻を
信じたらよいのか、そうではないのか私には迷いがあります。たと
えどちらの場合であってもこのままの状態で妻と話すことは得策で
ないように思えました。

私は玲子さんが持って来たビデオと、5枚のCDーRをテーブルの
上に並べました。今のところ妻の行動を知る手掛かりはこれしかあ
りません。私はそれを見るべきかどうか、しばらく悶々と悩みました。

玲子さんがそれを持って来たということは、当然のことですがこれ
らのビデオやCDーRが彼女の言っていることの裏付けになってい
る可能性が高いということを意味します。今これを見ると妻の私に
対する裏切りが確定的になるかも知れません。そうすると私と妻の
仲が終わりを告げることになるのです。

しかし、私は結局それを見たいという誘惑に抗うことはできません
でした。妻が自ら進んで痴態を演じているのか、それとも強制され
てそうしているのかは夫である私が見ればわかるという甘い考えも
あったのです。

私は自分の部屋のPCを立ち上げ、また机の鍵のかかる引き出しに
仕舞ってあったビデオを取り出しました


私は胸の鼓動を押さえながらテレビとビデオの電源を入れ、ビデオ
をデッキの中にいれます。ビデオは自動的にスタートし、見覚えの
あるマンションの玄関が映りました。

チャイムが鳴り、「はーい」という男の声がします。画面に現れた
のは竹井です。玄関の扉が開かれ、そこには妻と玲子さんが立って
いました。

妻は太腿が丸見えになるようなミニスカートと、大きく胸元が空い
たブラウスという姿で恥ずかしげに俯いています。玲子さんが妻の
脇腹を軽くつつくと、妻はほのかにピンク色に染めた顔を上げまし
た。

「た、竹井さまのお宅ですか?」
「はい」

後ろ姿の竹井が答えます。

「し、『素人奥様淫乱倶楽部』からまいりました、○○紀美子と申し
ます。き、今日は一日、竹井さまの淫乱妻として奉仕させていただき
ます……よ、よろしくお願いします」
「どうですか、写真の女の子と間違いないですか?」
「うーん、確かに写真の女の子のようだけど……」
  1. 2014/07/16(水) 10:02:14|
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女友達と妻 第29回

竹井は首をひねるといきなりブラウス越しに妻の乳房をつかみまし
た。

「あっ……」

妻は驚いて目を丸くしますが、これといった強い抵抗はしません。

「写真ではもう少しオッパイが大きかったような気がするな」
「それじゃあ、ぜひご覧になって確認してください。ほら、紀美ち
ゃん、オッパイを出して」

クスクスと笑う声が聞こえました。聞き覚えのあるその声は遠藤の
ものです。ビデオを操作しているのは3人のうち画面に映っていな
い遠藤だということが分かりました。

要するにこのビデオは、妻を人妻専門のデリバリーヘルスから派遣
された女だと見立てて、竹井をその客、玲子さんがデリヘルのマネ
ージャーという役割分担で芝居を演じているのです。

玲子さんの指示に妻は脅えたような顔をします。しかし、玲子さん
にスカート越しにお尻を叩かれると覚悟を決めたようにブラウスの
前のボタンを外しました。

胸をはだけると妻はブラジャーをしていないようで、小ぶりの乳房
が露になります。竹井は妻の裸の乳房をいきなり揉み始めました。

「あっ……」

妻は再び小さな悲鳴を上げます。

「お客さん、お触りは決めてからにしてくださいね」
「ごめんごめん。写真よりオッパイが小さいように思ったから確認
していたんだ」

胸が小さいのは妻のコンプレックスの一つで、私が下手にそのこと
に触れようものなら本気で怒ることもあります。しかしこの時の妻
は、竹井に何度も胸のことを言われても、ただ黙っているだけでし
た。

「それで、どうします? この女の子でいいですか?」
「うーん、どうしようかな。チェンジは何度でも出来るんだよね」
「もちろんですわ。当『素人奥様淫乱倶楽部』は選りすぐりの美熟
女を揃えております。オッパイの大きな子をご希望なら、私などは
いかがですか?」

玲子さんはそういうと豊かな胸をぐいと突き出します。それを見た
妻は慌てたように口を開きます。

「た、竹井さま……どうか、紀美子を選んでください。お、お願い
致します」
「どうしてそんなに俺に選んで欲しいんだい」
「紀美子は、もう2日も続けてお茶を挽いているのです。き、今日
お客様を取れなければお店を辞めさせられてしまいます」

妻の真に迫った演技に、遠藤だけでなく竹井と玲子さんもクスクス
笑い出します。

一体妻はどうしたのでしょうか。デリヘル嬢の演技をするように脅
されているのでしょうか。それとも自ら進んでそうしているのでし
ょうか。

「辞めさせられようが、されまいが、僕の知ったことではないけど
……」

竹井は笑いをこらえながらそういいます。

「そんなことをおっしゃらないで……一生懸命サービスいたします
わ」

妻はそう言うとブラウスの前をはだけたまま、くねくねと身体を揺
らします。いつ他の人が現れるかもしれないマンションの玄関先で、
そんな淫らな演技を強いられる妻──私はカッと身体が熱くなるの
を感じました。

「まあ、貧乳だけど僕はあまりオッパイの大きさは気にしないんだ。
やっぱり熟女はなんといってもケツの大きさだよ」

竹井の言葉に玲子さんと遠藤がぷっと噴き出します。

「ほら、紀美ちゃん。竹井さんはお尻の大きな女の子がお好みなの
よ。よかったじゃない、お尻が大きくて」

玲子さんは笑いながら妻のお尻をポン、ポンと叩きます。

「大きいだけじゃダメだ。形も重要だよ。ここで見せてもらえるか
な」
「えっ」

妻の大きな目がさらに大きく開かれます。

「ほらほら、早くお尻を見せるのよ。チェンジされてもいいの?」

玲子さんにせきたてられて、妻は覚悟を決めたように後ろを向きス
カートを捲り上げ、パンティを下ろします。

妻の大きな白い尻が丸出しになりました。ビデオのレンズがぐっと
妻に寄ります。妻のヒップは羞恥にフルフルと小刻みに震えている
ようです。

「大きさは申し分ないけれど、ちょっと垂れているみたいだな」
  1. 2014/07/16(水) 10:03:07|
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女友達と妻 第30回

竹井は丸出しになった妻の尻を触りながらいいます。

「どうです? お客さん。チェンジしますか」
「まあ……いっか。肉も柔らかそうだ。この子にするよ」
「ありがとうございます。ほら、紀美ちゃんからもお礼を言うのよ」

玲子さんは妻の尻をパシンと叩きます。

「あ、ありがとうございます……お客様。紀美子、精一杯サービス
させていただきますわ」

妻はほっとしたような顔で深々と頭を下げました。

ようやくマンションに入れてもらった妻は、ベッドに座る竹井の前
に直立不動の姿勢で立たされています。

「そ、それでははじめに『素人奥様淫乱倶楽部』のシステムをご説
明いたします。ディープキス、フェラ、全身リップ、ローションプ
レイ、指入れ、タマ舐め、混浴、69が基本プレイとなっておりま
す。ローター、バイブ、オナニーはオプションとなっておりますの
でご自由にお申し付けください。な、何かご質問はございますでし
ょうか」
「口内発射とごっくんはぜひやって欲しいんだけどな」
「ご、ごっくんって……」

妻は気弱な顔で玲子さんの方を見ます。

「お客さまのザーメンをごっくん、って飲み込むことよ。そんなこ
とも知らないの?」
「す……すみません。知りませんでした」
「出来るの? 出来ないの」
「が、がんばります」
「頑張りますはよかったな」

竹井が声を上げて笑います。

「聖水とAFは出来ないの?」
「えっ?」
「聖水というのはお客さまの前でおしっこをお見せすること。AF
はアナルファックのことよ」
「そ、それは……」

妻は泣き出しそうな顔で俯きます。

「お客さま、この子、アナルはまだ調教中なんです。ローターくら
いなら大丈夫ですわ」
「しょうがないなあ。聖水はどうなの?」
「おしっこくらい出来るでしょ。誰だって出来ることなんだから、
いいわね? 紀美ちゃん」
「は、はい……わかりました」
「本当、世話が焼けるわね。それじゃ、お客様、よろしくお願いし
ます」

玲子さんのこの声と同時に、プレイが始まったようです。竹井はい
きなり妻を引き寄せるとディープキスを始めました。妻は最初のう
ちは軽く抗っていたようですが、竹井に執拗に攻められ、諦めたよ
うに力を抜いていきます。

竹井は妻を片手でしっかりと抱いてキスを注ぎ込みながら、もう一
方の手で妻の乳房をブラウスの上から揉みしだき始めます。ビデオ
が熱い接吻を交わしている竹井と妻にズームインしていきます。妻
の顔はほのかなピンク色に上気しており、鼻息が荒くなっているの
まで分かります。

私は妻たちの「デリヘルプレイ」を見ていて、これはやはり妻が竹
井や遠藤、そして玲子さんたちに強制されて演じているのだと思い
ました。しかし、竹井と妻がまるで本当の恋人か夫婦のように熱い
接吻を交わしているのを見ていると、ひょっとして妻は竹井のこと
を本当に愛しており、プレイにも積極的に応じているのではないか
という疑問が湧いてきます。

その疑問を裏付けるように、妻の喘ぐような甘い声が画面から響い
てきました。

「ああ……あなた……好き……愛していますわ」
「僕も愛しているよ、紀美子」
「嬉しい……今日は紀美子を思い切り可愛がって」

妻は陶然とした表情で睦言めいた言葉を吐きつづけます。乳房をま
さぐっていた竹井の手はいつしか妻のスカートの下にもぐりこんで
いきます。

「もうじっとりと濡らしているじゃないか……さすがは自分で淫乱
妻というだけあるな」
「ああ……恥ずかしいわ……」

妻は真っ赤に赤らめた顔を伏せます。

妻はディープキスに弱く、私とのセックスの前戯でもそれだけで濡
らしてしまうほどです。直接的な刺激がなくてもそうなるのは、妻
が私を愛しているからだと思っていました。

しかし、ビデオの中でうっとりした顔つきで竹井と接吻を交わし、
早くも秘苑を濡らしている妻を見ていると、私の中の妻に対する疑
いは少しずつ大きくなっていきます。

結局私は、妻の竹井に対する行為は強制されたもので、妻の愛は私
に対してのみ向けられているということを確認したくてビデオを見
ているのですが、そのことが逆に妻に対する疑念を増していく一方
なのです。
  1. 2014/07/16(水) 10:04:03|
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女友達と妻 第31回

画面は変わり、妻と竹井がマンションの風呂に一緒に入っています。
竹井はもちろん素っ裸ですが、妻もバスタオル一枚を許されただけ
の裸です。竹井の背中を洗っている妻の立てた膝から、陰毛がチラ
チラと見えているのが卑猥です。

妻は恥ずかしがり屋で、結婚以来私と一緒に風呂に入ったことは本
当に数えるほどしかありません。ビデオの中の妻も恥ずかしそうに
はしていますが、特に抵抗するでもなく竹井の筋肉質の身体を洗っ
ているのが私の激しい嫉妬心をかきたてます。

「そろそろお前も裸になれよ」
「はい……あなた」

竹井はまるで妻を自分の所有物のように「お前」呼ばわりしている
のが、私の怒りをかき立てました。

妻は素直に素っ裸になると、浴室に置いてあるローションの瓶を手
に取り、どろりとした中身を身体に塗り付けます。特に乳房と陰部
にたっぷり塗ると竹井の背中に密着し、身体を上下し始めました。

「あ、ああ……」

小さめですが形の良い乳房が竹井の背中に押されてへしゃげていま
す。妻はローションの感触に刺激されるのか、たちまち甘い喘ぎ声
を上げ始めます。

次に妻は前面に回ると、竹井の太腿を跨ぐようにして身体を前後さ
せます。陰毛がブラシのようになって竹井の身体を洗う、まるでソ
ープ嬢のようなプレイです。妻は興奮して崩れ落ちそうになるとこ
ろを竹井に抱き止められ、再びディープキスを施されます。

「次は何をするのか、わかっているな」
「はい……あなた」

妻は素直に頷くと、大きく股を開いて座っている竹井の前に犬のよ
うに四つん這いになり、硬直している肉棒に奉仕し始めます。私は
そこで勃起した状態の竹井のペニスを始めて見ましたが、それは玲
子さんが言う通りかなり大きなもので、こんなものを妻が受け入れ
ていたのかと思うと驚くばかりです。

「よし……いいぞ……なかなかうまいじゃないか……」

妻は竹井の巨根を頬を一杯に膨らませて呑み込み、必死で顔を上下
させています。妻の懸命の努力によりようやく竹井の緊張が解放さ
れます。

「よし……出すぞ……全部口の中で受け止めるんだ。わかったな」

妻は竹井のモノを咥えたまま2、3度頷いたようです。竹井は妻の
頭を押さえると、「うっ」とうめき声を上げ、絶頂に達しました。

「うっ……ううっ……」

妻は竹井の大量の射精を必死で受け止めています。すべて出し切っ
た竹井は妻に命じます。

「口の中を開けて見せてみろ」

妻は言われた通り口を空けます。乳白色の竹井のザーメンが妻の口
の中一杯に溜っています。ベソをかいたような表情で口内発射の証
拠を見せている妻に、3人の嘲笑が浴びせられます。

「よし、それをごっくんと音を立てて飲み込むんだ」

妻は悲痛な表情で口を閉じ、喉を鳴らします。ごくりという嚥下音
がはっきりと聞こえ、3人の笑い声が一層高まりました。

「全部飲み込んだな」
「はい……」
「よし、もう一度口を開けて見せてみろ」

再び妻は口を開きます。竹井のザーメンはほとんど妻の胃の中に飲
み込まれたようで、ぬらりとした舌の上には白っぽい残滓しかあり
ませんでした。

「見せつけられる方はたまんないぜ。玲子、ちょっといいだろう」
「何よ、私が見ている前で紀美ちゃんを抱こうっていうの?」

画面の外から遠藤と玲子さんが言い合う声がします。

「駄目なら口でもいいんだ。俺のザーメンも紀美子に飲み込ませて
やりたいぜ」
「しょうがないわね……紀美ちゃん、どうする? 遠藤さんが紀美
ちゃんに自分のも飲んでほしい、っていっているわよ」

妻は表情に戸惑いを浮かべ、竹井の方を見ました。それはまるで犬
が飼い主に指示を求めるような視線でした。妻の顔が画面に大写し
になり、そこでビデオは停止しました。

あまりにも衝撃的なビデオを見た私は、しばらくの間ソファから起
き上がることができませんでした。ビデオはいったん停止した後巻
き戻され、画面は平日の昼間にありがちな、お笑いタレントが司会
のバラエティ番組を映し出しています。あまりにも日常的なその光
景が私には信じられませんでした。

今の「デリヘルプレイ」での妻の姿、それが竹井や玲子さんから強
制されたものなのか、それとも玲子さんの言うように妻がむしろ貪
欲に主導権をとって、背徳的な快楽を求めたものなのか、私には全
く判断ができませんでした。妻の言うことを信じるならば強制され
たものだと見ることもできますし、玲子さんの言うことを信じるな
らば妻主導のプレイのようにも見えるのです。
  1. 2014/07/16(水) 10:04:58|
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女友達と妻 第32回

少なくともほぼ確実に言えるのは、妻の表情からはなんらかの薬を
投与されたようには見えないことです。強制されたとしてもそうで
ないにしても、妻は羞恥の表情を浮かべながらも竹井や玲子さんと
それなりのやり取りをしていました。妻が主体的にプレイにのめり
込んだのかどうかは、今見たビデオだけでは判断がつかないのです。

このビデオにはおそらく続きがあるのではないか。そこで妻が激し
く抵抗し、結果としてプレイが中断されたのを知られたくないため
に、玲子さんが途中でカットしたのではないかという考えが浮かび
ました。しかしそれも、今は推測に過ぎません。

私はテーブルの上の5枚のCDーRを取り上げると自室に向かい、
「1」と番号が振ってあるディスクをドライブに挿入しました。

JPEGファイルに関連づけられているスライドショーのソフトが
立ち上がり、大きめの液晶画面いっぱいにデジカメの画像が映し出
されます。私はそこにいきなり妻の痴態が現れるかと覚悟していた
のですが、意外なことに最初に映されたのは桜の木の下に立つ玲子
さんの姿でした。

玲子さんは身体にぴったりフィットしたシャツブラウスにローライ
ズのジーンズという姿で、私が春の終わりごろマンションで見かけ
た格好とよく似ていました。

何枚か玲子さんの写真の後、妻の写真が現れました。妻は玲子さん
と同様、身体の線がはっきり見えるシャツブラウスにローライズジ
ーンズという姿です。桜の花が写っているということは、私がマン
ションの駐車場で玲子さんの大胆な姿を見かける前のことです。

妻は最初、玲子さんの服装がTシャツにローライズといった程度の
時は「若い恋人ができたから」ということで納得していました。し
かしその後ビキニの水着姿で玄関先まで出て来たとか、あるいはカ
ットジーンズとタンクトップ姿で買い物をするところを見かけたと
いうことを、私にやや批判的に話していたことがあります。

妻が玲子さんの影響を受けて、私の前でパンティが見えるようなロ
ーライズのジーンズをはくようになったのは夏の始めのころです。
妻はそれを、私が玲子さんのローライズ姿に見とれていたから「旦
那さんを私にとられないように」玲子さんから薦められて買ったと
説明していました。

しかし事実はすでに桜の季節に妻はこのような大胆な姿を人前に晒
していたことになります。他に何もなければ夫婦の間の他愛のない
秘密、罪のない嘘で済ますことができることですが、私はこんな些
細な事からも妻への不信感をかきたてられずにはいられませんでし
た。

妻の少し恥ずかしそうな笑顔を捉えた写真が数枚続いた後に現れた
写真に私はショックを受けました。それは桜の下に立つ遠藤と竹井
の写真でした。

(どうして竹井がここに……)

私は訳が分からなくなりました。妻と竹井は私が玲子さん一家と海
に行った時に始めて会ったのだとばかり思っていました。現に妻は
その時いかにも初対面だという応対をして、竹井に対してバレーボ
ールの選手をしていたころのポジションなどを訪ねていたことを覚
えています。

次に遠藤と玲子さんが仲良く腕を組んでいる写真が数枚続きます。
いかにも恋人同士といった親密な雰囲気で、玲子さんが若々しいせ
いか、8歳もの年の差は感じられません。私はマウスをクリックし
て、スライドショーを進めて行きます。

次に現れたのは竹井と妻のツーショットでした。腕こそ組んでいま
せんが、親しげに身体を寄せ合っており、知らない人が見れば夫婦
か恋人同士と思われても不思議はありません。妻は少し困ったよう
な表情をしているようですが、恥ずかしげなその顔は決して嫌がっ
てはいないのが分かります。

どういうことでしょう? 玲子さんと遠藤、そして妻と竹井がダブ
ルデートをしたのでしょうか。そうではなく、妻は玲子さんと2人
で花見に行くつもりで、現地で遠藤と竹井が待っていることは知ら
なかったことも考えられます。

しかしたとえそうであっても、玲子さんの家族と海に行った時に、
目的地で遠藤と竹井が待っていることを妻が知らなかったというの
は極めて怪しくなります。少なくともその場で妻は私に、竹井とは
初対面だという、つかなくても良いはずの嘘をついたのですから。

次に妻がオープンカフェで珈琲を前に、携帯を眺めている写真が現
れました。妻は撮らないで、という風に照れ笑いをしながら手でカ
メラを遮るようにしていますが、やがて諦めたようにポーズをとっ
たりしています。玲子さんに催促されたのでしょうか、妻は携帯の
画面をカメラの前に差し出しました。

そこには妻と竹井のツーショットが写し出されていました。それは
玲子さんのカメラで撮られたものとは違って、妻と竹井は腕を組ん
でいます。妻の携帯のカメラで遠藤か玲子さんが撮ったのでしょう
か、それとも遠藤か竹井の携帯で撮ったものが妻に送られて来たの
でしょうか。

小さな携帯の画面を撮っているためにはっきりとはわかりませんが、
少なくとも妻の目線はカメラの方を向いていないとように思えます。
玲子さんからカメラを向けているうちはそのようなポーズはとらな
かったのが、油断したところを遠藤がカメラ付携帯でとったのでし
ょうか。

たまたま女友達の恋人とその友人に会った。自分よりも5歳も年下
のその男から容姿を褒められ、一緒に写真を撮ってくれとまで頼ま
れた。その写真が一枚、記念にということで送られて来た。一度き
りでもう二度と会う機会がないからこそつい大胆に腕まで組んでし
まった。妻に好意的に考えるとそういう解釈もできます。
  1. 2014/07/16(水) 10:06:06|
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女友達と妻 第33回

次の写真は玲子さんのマンションの部屋で撮られたもののようです。
玲子さんが黒いTバックのビキニ姿で様々なポーズをとっています。
大きな乳房がブラジャーからこぼれ落ちそうで、後ろを向いた時の
ほとんど裸といって良いヒップも実に扇情的です。

その次に妻の姿が現れました。妻は色こそ清純そうな白ですが、デ
ザインは玲子さんが着ていたのと同じように大胆なTバックでした。
妻が海に行った時に着たオレンジのビキニもこれほどではありませ
んでした。

妻は写真を撮られるのが苦手で、何枚か持っている競泳用の水着姿
でさえ、写真はほとんどありません。そんな妻が恥ずかしそうにし
ているとはいえ、Tバックの水着姿を写真に撮らせるなど、想像も
できないことでした。

玲子さんと妻はまるで水着のファッションショーを楽しむように、
色々なビキニを着てはお互いに写真を撮っているようです。妻が玲
子さんが着ていた黒いTバックを着たり、玲子さんが妻が着ていた
白いTバックを着たり、2人のビキニ姿の写真が何枚も続きました。
玲子さんはもちろん、妻も段々撮られることに慣れて大胆になって
来たようで、モデルのように頭の後ろで腕を組んでみたり、後ろ向
きになってお尻を突き出したりしています。

今のような精神状態でなければ、妻と玲子さんの思わぬ水着ショー
を楽しむところですが、私はそれどころではありません。妻と玲子
さんが楽しげに様々なビキニを試しているのは、海で遠藤や竹井に
水着姿を見せることを楽しみにして、どんな水着を着れば年下の男
たちが喜ぶかを相談しているように思うのです。

ようやく妻が実際に海できたオレンジの水着を身につけている写真
が現れます。Tバックのものほどではないですが、ボトムのサイド
がほぼ紐状態になったそれは十分扇情的で、色合いも妻の白い肌を
引き立てています。

玲子さんも同様にグリーンの水着姿になりました。これも玲子さん
の小麦色の肌にマッチしており、今まで着たどの水着よりも確かに
彼女に似合っています。

次の写真を見た時、私は心臓が跳ね上がるような驚きを感じました。

玲子さんと妻がビキニ姿で並んでポーズを撮っている写真が現れた
のです。2人の写真は何枚も続き、挑発的な視線をカメラに送った
り、2人で胸やお尻を突き出したり、軽く抱き合って楽しげに笑っ
たりしています。

(写真を撮っているのは誰だ?)

私は妻と玲子さんが2人でお互いの水着姿を撮りあっているのだと
ばかり思っていました。様々な水着を次から次へと試すためには、
そのたびに裸にならなくてはなりません。当然2人しかいない部屋
での行為だと考えていたのです。

しかし、2人が同時に写っているということは、部屋の中に第3者
がいるということを示しています。もちろん三脚を使ってカメラを
固定して、セルフで撮ったということも考えられますが、2人の写
真のアングルや距離は次々に変化しており、誰かが手で撮影してい
ると考えるのが自然なのです。

(もしかして遠藤……それに竹井も?)

私の妻に対する疑いはさらに深くなります。

この後CDーRには、写真は妻と玲子さんのミニスカート姿が続き
ます。もちろん2人が遠藤と竹井とA駅の近くで会い、私に目撃さ
れた時に着ていたものです。それはビキニのものと同様に、妻と玲
子さん一人ずつの写真が何枚か続いた後、2人が並んでポーズをと
っている写真がありました。楽しげに笑い合う妻と玲子さんの姿を
見ながら、私の気持ちは果てしなく落ち込んで行きました。

一枚目のCDーRはそこで終わりました。妻と竹井のセックスシー
ンは一切収録されていませんでしたが、私はそれを目にするよりも
はるかに大きな衝撃を受けていました。妻の私に対する裏切りの証
拠を次々に積み上げられたようなものだったからです。

私は2枚目のCDーRをドライブに装填しました。しばらくの間メ
ディアにアクセスする機械音が低く響き、やがてスライドショーが
開始されました。

最初に現れたのはトレーニングウェアを身につけた妻の姿です。場
所は例の中学校の体育館のバレーボールコートです。妻は練習中な
のか練習後なのか、顔は上気しており、髪も少し乱れています。

練習中の妻の姿が何枚も続きます。妻のポジションはセッターで、
玲子さんにトスを上げる場面が大部分ですが、時に妻自身もトスを
受けてスパイクを打ちます。思い切りジャンプした時にウェアがま
くれ上がり、お臍が丸出しになった妻の姿は夫の私が見ても扇情的
でした。

次にレシーブの練習をする妻が写ります。何回も何回もボールを受
け、時にコートの床に転がりながら必死でレシーブをする妻。激し
い練習でウェアが汗でベットリと肌に張り付いた妻。大きなお尻を
突き出し、ボールに向かって飛び込む妻、誤ってボールを顔に受け、
痛みに表情を歪ませる妻。そんな妻を見ているうちに私は次第に奇
妙な興奮を感じ初めていました。

竹井が画面に現れ、妻に指導をつけています。竹井の手が妻の身体
のあちこちに触れていますが、妻は神妙な顔付きをして竹井の言う
ことを聞いているようです。竹井は元々セッターをしていたという
こともあって、まるで妻専属のコーチのように延々とマンツーマン
の指導を続けます。画面には他のバレーボール部員(要するに妻と
同様、この近所の奥様です)が妻と竹井に複雑な視線を送っている
こともわかります。
  1. 2014/07/16(水) 10:07:00|
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女友達と妻 第34回

次の場面は私が目撃した、玲子さんと遠藤、妻と竹井のダブルデー
トの様子です。妻は玲子さんに買い物に誘われてそこで遠藤と竹井
に会ったと私に話していましたが、写真の風景は私も何度か妻と行
ったことのある海の近くの大きな公園でした。

私は妻の説明から、妻は竹井とはその時お茶を飲んだだけで、すぐ
に私に見られて別れることとなったとばかり思っていたのですが、
その日4人はA駅から3駅ほど離れた駅の近辺にある公園にまで出
掛けていたのです。

玲子さんと遠藤、妻と竹井の写真が何枚か続きます。それは花見の
時以上に親しげで、妻の笑顔も自然に見えます。中には妻と竹井が
恋人のように手をつないでいる写真もありました。

新しい画像がPCのディスプレイに現れる度に、私は神経を切り刻
まれるような思いでした。特に日常的な場面で妻と竹井が親しげに
ふるまっているものは、2人のセックスシーン以上に私の嫉妬と悲
しみをかき立てました。私はもはや妻の私に対する愛情を殆ど信じ
ることができなくなっていました。

次に現れたのは妻と竹井のキスシーンでした。場所は例の中学校の
体育館。妻と竹井はトレーニングウェア姿です。妻の話では一度だ
けキスをすることが出来れば妻のことをあきらめるという竹井が申
し出でて、拒絶すると竹井と妻のメールのやり取りの件を私に話す
かもしれないと脅迫して、無理やりに行われたというものです。

しかし、ディスプレイ上の妻と竹井はまるで恋人同士のような熱烈
な接吻を交わしていました。私はその写真からはどうしても、妻が
竹井に強制されたと見做すことは出来ませんでした。

その後のCDーRに収録されていた膨大な画像は、私にとって見る
に堪えないものばかりでした。竹井の屹立したものをうっとりした
表情で咥えている妻、竹井の背中にしっかりと腕を回して抱かれて
いる妻、竹井の上に乗せ上げられて腰部を淫らに揺らしている妻――
様々な妻の痴態がこれでもかとばかり収められていました。私はす
っかり神経が麻痺してしまい、無感動にスライドショーの画面をク
リックし続けるばかりでした。

いつの間にか私は5枚のCDーRをすべて見終わっていました。窓
の外はすっかり暗くなっています。子供たちはもう学校から帰って
いるころです。母親は実家に帰り、父親は会社を休んで部屋の中に
閉じこもり、子供たちの食事のことも気にかけない。まさに崩壊寸
前ともいうべき状況にある家庭を子供たちはどう思うでしょうか。
私は慌てて立ち上がり、キッチンに向かいます。親として子供たち
に何か夕食を与えなければなりません。とはいっても、日頃料理を
していない私は冷凍食品と、冷蔵庫の中の残り物を使った総菜くら
いしか出来ませんが。

キッチンの手前のリビングダイニングのドアまで行くと、部屋の中
から明るい笑い声が聞こえて来ました。訝しく思ってドアを開ける
と、中には2人の子供と玲子さんがいました。

「あっ、お父さん」

夢中で玲子さんと話していた2人の子供が私の方を向きます。2人
は食卓につき、夕食をとりながら玲子さんと話をしていました。内
容は学校での出来事や最近夢中になっているゲームといった他愛も
ないものですが、その光景はまるで本当の母子のように見えました。

実際玲子さんは妻に比べると社交的で、性格も男性的なところがあ
り、子供たちにとってはおとなしい妻よりも波長が合うようです。
子供たちは妻の不在にもかかわらず、普段よりも楽しそうにしてい
ました。

玲子さんは私を見ると席を立ちます。いつもはパンツルックの多い
玲子さんは、今日はミニスカートにサマーセーターという女っぽい
格好でした。大きな胸がセーターの布地を押し上げているのが、玲
子さんの身体を知った私に生々しく感じられます。

「会社を休んだんでしょう。お身体、大丈夫ですか?」
「あ、ああ……」

私は玲子さんの意図を計りかねてあいまいな返事をします。

「子供たちの食事の用意をしてくれたんですか。どうもありがとう
ございます」
「あら、そんな他人行儀な。いいんですよ」

玲子さんは微笑すると、キッチンに向かいます。

「○○さんの分もすぐに用意しますね。お食事は普通で大丈夫です
か?」
「あ、構わないでください。申し訳ないです」
「いいんです。うちの子供たちの用意はして来ましたから、勝手に
食べていますわ」

玲子さんはそう言うと、大人2人分の夕食を手早く用意します。妻
のビデオと5枚のCDーRを見て完全に気力がなくなっている私は
それ以上何も言うことも出来ず、玲子さんのペースに嵌まっていま
す。

「それじゃああなたたち、自分たちの部屋に行きなさい」
「はあい」

ふだんなら食事が終わっても愚図愚図とリビングでテレビを見たり
して、妻が勉強を始めるようにいってもなかなか聞かない子供たち
が、玲子さんの言葉には素直に従います。私はまた部屋の中で玲子
さんと2人きりになりました。
  1. 2014/07/16(水) 10:07:52|
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女友達と妻 第35回

「おビールは飲まれますか?」
「ああ……」

酒でも飲まなければ神経がもちそうにありません。私は玲子さんの
問いにうなずきました。

玲子さんは微笑するとグラス2つにビールを注ぎ、自分もグラスを
手にとると私のグラスにカチンと軽くぶつけます。

「乾杯」

玲子さんは私の目をじっと見つめてそういいます。

「今夜は何に乾杯なのか聞かないのね」
「……」
「もちろん○○さんと私が完全に結ばれたことによ。昨夜のことを
忘れた訳じゃないでしょう?」
「やめろ」
「あら、まだ奥様に未練をもっているの?」
「どういう意味だ?」

私は玲子さんを見返します。玲子さんは挑発的な視線をじっと私に
注ぎ込んでいます。

玲子さんは立ち上がると、バッグの中から紙袋を取り出しました。

「奥様のビデオテープがデッキに入ったままになっていたわよ」
「……」
「お子さんが見たら大変よ。気が付いたので回収しておいたけれど」

迂闊でした。気が動転していた私はうっかりビデオをデッキに入れ
てそのままにしていたようです。確かに妻がデリヘル嬢の真似事を
しているようなビデオを子供たちが見たら、大変なことになってい
るところでした。

それもそうですが、私は妻の痴態が収められたビデオを観ていたこ
とを玲子さんに知られて、なぜかいたたまれない気持ちになりまし
た。

「ありがとう……助かった」

私はようやくそれだけを言いました。

「いいのよ……でも、○○さん、最後までビデオを観たのね?」

玲子さんは囁くような声で言います。

「かわいそう……あんなに愛していた奥様に裏切られるなんて……」
「裏切る?」
「だってそうでしょう? 奥様は喜んで竹井さんとあんなプレイを……」
「悦んでいたかどうかはあれだけでは分からない。強制されていた
のかもしれないじゃないか」
「まだそんなことを言っているの? CDーRの写真もご覧になっ
たでしょう? 奥様と竹井さんの愛の記録を」

玲子さんは私に身を寄せて来ます。

「奥様は竹井さんに本気よ。もうここには帰って来ないかも知れな
いわね」
「紀美子は実家に帰っているだけだ」
「奥様から連絡はあったの?」
「……」

確かに妻からは一昨日の月曜に電話があって以来話していません。
それも妻は自分の携帯からかけて来たため、実家にいたかどうかの
証拠はないのです。玲子さんの言う通り、実家に帰ったと偽って竹
井のところにいる可能性は否定出来ません。私は日曜の午後、妻が
家を出る時に見せたほっとしたような微笑を思い出していました。
あれは夫も子供も忘れて恋人と2人だけの時間を過ごせるという幸
福感から出た微笑だったのでしょうか。

「日曜からだから、今日でもう4日目ね。奥様と竹井さん、誰にも
邪魔されずに心行くまで愛し合っているでしょうね」

動揺している私に追い打ちをかけるように、玲子さんが話しかけま
す。

「そうそう、奥様は私に話していたことがあったわ。奥様が竹井さ
んのマンションにいる時は素っ裸か、裸エプロンか、Tバックのビ
キニか下着、それともいつかバレーボールの練習で着ていたハイレ
グのユニフォーム、その4通りしか許されないんだって」
「……」
「とても恥ずかしいんだけれど、その恥ずかしさがだんだん悦びに
なって来た、って嬉しそうに言っていたわ。その中で特に奥様のお
気に入りは何だと思う?」
「……」
「それはね……裸エプロン。竹井さんが一番燃えるらしいのよ。竹
井さんは奥様の大きなお尻を鷲づかみにして、バックからするのが
大好きなんだって」
「……やめろ」

玲子さんが私を動揺させるために、あることないことを吹き込んで
いるのだ。そう思った私はようやく制止の声を上げました。

すると玲子さんはいきなり片手を私の股間に延ばし、まさぐるよう
にしました。

「何をするんだ」
「堅くなっているじゃない……○○さん」
  1. 2014/07/16(水) 10:09:08|
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女友達と妻 第36回

玲子さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべます。

「奥様のエッチな話を聞いて興奮したの? ○○さんってそういう
趣味があったの? 奥様が他の男に抱かれるのを想像して興奮する
なんて」

私は何も言い返せません。確かに玲子さんの話から、竹井に犯され
ている妻を想像して不思議に興奮したのは事実です。もちろん腹立
たしさもあるのですが、それと同時に性的に刺激された自分の気持
ちを説明することが出来ませんでした。

「違うわよね。○○さんはそんな変態じゃないはずだわ。私の胸を
見て興奮したんでしょ?」
「……」
「ねえ、どうなの」
「妻が寝取られるのを想像して悦ぶ男がいるはずがないだろう」
「あら、それがいるのよ。寝取られマゾとでもいうのかしら」

私は以前お話した通り「妻物語」の愛読者でしたから、もちろん世
の中にそういった趣味の男がいることは良く知っています。しかし、
自分はそうではない。少なくとも現実に自分の身にそんなことが起
きれば興奮するどころではないと思っていました。

仮に今、目の前で妻が竹井に抱かれていたらどうするか。私は間違
いなくこの前と同じような行動を取ると思います。竹井を殺さない
までも大怪我をさせることでしょう。そこで性的に興奮するとはあ
り得ないことです。

しかし玲子さんの口から語られる、私を裏切り自ら進んで竹井に抱
かれていたという妻の様子を聞くと、私はなぜか興奮せずにいられ
ないのです。

「でも、もし○○さんがそういう趣味だったとしても私は軽蔑しな
いわ。いえ、むしろ○○さんをより理解出来るかもしれない」
「どういうことだ」
「死んだ主人がそういうところがあったのよ」
「何だって?」

私は耳を疑いました。

「主人は私とセックスする時、時々私の昔の男関係を執拗に聞くこ
とがあったわ。最初は煩わしかったし、そんな昔のことをほじくり
返されるのが不愉快で相手にしなかったのだけど、私が根負けして
誰にどんなふうに抱かれたとか話すとすごく興奮して、あそこも信
じられないくらい堅くなって……ごめんなさい……そのうちに私も
進んで話すようになったの」
「そのうちに話のネタも尽きてしまって、本当にあったことよりも
誇張して話したり、時には全くの作り話をすることもあったわ。主
人がどうしてそんなことを聞きたがるのか理解出来なかったけれど、
私は主人を悦ばせたくて付き合っていたの」
「でも、今○○さんを見ていたらようやくわかったわ。主人以外に
もそういう趣味の人がいるんだって」
「俺は玲子さんのご主人とは違う。そもそもそんなプライベートな
話は聞きたくない」
「ごめんなさい……でも奥様に妬けてしまったの。いつかは、私が
遠藤に抱かれた話をして、○○さんを興奮させてみせるわ」
「とにかく、妻が俺を裏切ったという確証はない。食事の最中にそ
んな話はやめてくれ」
「まだそんなことを言っているの。呆れたわ」

玲子さんはクスリと鼻で笑うとグラスのビールをぐいと飲み干しま
した。

「そうそう、面白いものを持って来たのよ。○○さんが絶対に観た
がるもの」

玲子さんはカバンを取ってくると紙包みを取り出し、テーブルの上
に置きます。

「……例のビデオの続きよ。奥様があれからどんなに乱れたか、観
たいとは思わない?」
「……」
「寝室にもビデオがあったわよね? お食事が終わったら2人で観
ましょうか?」
「……」
「それともこのまま持って帰りましょうか? ○○さんが奥様を信
じているのなら、観ても観なくても同じでしょうし」
「……」
「どうなの? 観るの? 観ないの」
「……観る」

私は憮然として小声で言いました。

「聞こえないわ。もっと大きな声で言って頂戴」
「観る、これでいいだろう」

私はさすがに腹立たしくなり、声を荒げます。

「観たいなら観たいと最初から言えばいいのに……」

玲子さんはクスクス笑うとカバンの中にビデオをしまいます。

私はその後、何を食べているのか全く味が分かりませんでした。食
事が終わるや立ち上がろうとする私を玲子さんは引き留めます。

「先にお風呂に入りましょう、いいわね?」
「もったいをつけるのはいい加減にしろ」
「でも、ビデオを観たら必ずしたくなるわよ。わかるでしょ?」
「勝手にしろ」
  1. 2014/07/16(水) 10:10:12|
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女友達と妻 第37回

私は浴室に行き、さっさと服を脱ぎます。玲子さんが下着とタオル
を持って追いかけて来ます。

「もう、子供みたいに拗ねちゃって。可愛いわ」

玲子さんはそういいながら素っ裸になると、私の後から浴室に入っ
て来ます。

「洗って上げるわ」
「自分で出来る。放っておいてくれ」
「後で私の口の中に入るものよ。奇麗にしておかないと嫌だわ」

玲子さんは無理やり私を座らせ、ボディソープを手に取ると私の股
間を丹念に洗い出します。

「こんなに大きくしちゃって……頼もしいわ」

私のペニスは玲子さんの手の中で無様に膨張しています。私は自棄
的になって、玲子さんのなすがままに任せていました。

「でも、まだ出させて上げないわ。後でビデオの中の奥様と一緒に
イカせて上げる」

玲子さんはそう言うと硬化した私のペニスを持ち上げ、睾丸から肛
門に至るまで丁寧に洗います。

「奥様のイキっぷりは凄いわよ。○○さん、観たらきっと驚くわ。
身体をブルブル震わせながら、ああ、紀美子、イキますっ、なんて
可愛い声を出しちゃって」

私は耐えられなくなって立ち上がりました。

「あら、もう出るの? ○○さんはお風呂好きなのに、もったいな
いわねえ」

玲子さんはクスクス笑いながら私を見上げます。

「先に寝室に行って待っていてね。一人で始めちゃダメよ」

私は乱暴に浴室のドアを閉め、外へ出ました。玲子さんの笑い声が
中から響いてきます。私は完全に玲子さんのペースに乗せられてし
まっているのを自覚しました。

パジャマを着て寝室に入った時、聞きなれた着信音がしました。机
の上に置きっぱなしにしてあった私の携帯電話が微かな光をを放っ
ています。ディスプレイを見ると「紀美子」という表示があります。
私は携帯電話を手にとり、通話ボタンを押しました。

「もしもし」
(あなた、紀美子です)

妻の声はどことなく深刻な響きを帯びていました。

「ああ……どうした?」
(どうした……って、あなたがどうしているかと思って……)
「ずっと電話をかけてこなかったじゃないか」
(さっき自宅の電話にかけました。あなたの携帯にも何度かかけた
のだけれど、出なくって)

そういえば電話を手に取るとき、いくつか不在着信が入っているよ
うでした。

(それより……電話に△△(上の子)が出たんだけれど、玲子さん
が家に来ていたの? それも昨日も今日もだって)
「ああ……」
(どうして彼女が来ているの? 彼女が私に何をしたのか知ってい
るでしょ?)
「別に来てくれと頼んだわけじゃない。勝手に来て子供たちの夕食
を用意してくれたんだ。子供たちには事情を知らせていないのだか
ら、断るわけにはいかない」
(昨日だけならともかく、その時点で断ってくれれば今日また来る
なんてことはないはずじゃない。あなた、玲子さんに何か言われた
の?)
「何も言われていない。それより、紀美子は今どこにいるんだ?」
(どこって……実家にいるに決まっているじゃない)
「お義父さんとお義母さんは?」
(下の居間にいるわ。どうして?)
「なぜ実家の電話からかけない」
(父と母には私が帰省した本当の理由を知らせていないわ。今は父
と母の前であなたに電話することは出来ない)
「お義父さんかお義母さんと話をしたいんだが」
(……もう遅いから明日にしてくれない?)
「どうしてだ? 話をすると何かまずいことがあるのか」
(そんなことはないわ。あなたこそどうしてそんな風な言い方をす
るの)

妻が苛立ったような声を上げたとき寝室の扉が開き、玲子さんが入
ってきました。

「お待たせ。夫婦の寝室にお邪魔するのは二回目ね。いえ、もうす
ぐ私と○○さんの部屋になるかしら」

玲子さんは黒いレースをあしらったパンティに、シースルーのキャ
ミソールという格好で、豊満な乳房が布越しにはっきりと形を見せ
ています。私は慌てて携帯の通話口を手で塞ぎました。

「あら、ひょっとして奥様から? 竹井さんと仲良くやっているの
かしら」

玲子さんは口元に笑みを浮かべると、私の傍に近づきます。
  1. 2014/07/16(水) 10:12:09|
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女友達と妻 第38回

「紀美ちゃん、今からご主人と一緒にあなたの素晴らしいビデオを
観ながら、とっても楽しいことをさせていただくわ。ごめんなさい
ね」

玲子さんは携帯電話に向かってそんな風に話しかけます。

「やめろ」
(どうしたの? あなた。誰かいるの)

私は携帯を持ったまま寝室の外へ出ました。ドアの後ろから玲子さ
んのさも楽しげな笑い声が響きます。

「なんでもない」
(玲子さんがまだ家の中にいるんじゃないの?)
「彼女は食事の支度だけして、もう帰った」
(お願いだから玲子さんを家にあげるのはやめてください。私は明
後日の金曜日には帰ります。夕食の支度が大変なら小夜子にお願い
しておきますから)

小夜子さんというのは妻の短大時代からの最も親しい友人で、この
マンションにも遊びに来たことがあります。

「わかった。そういう風に言っておく」
(私の甘さからこういうことになったのは分かっています。でも、
玲子さんがあんな人だとは思わなかった
。いえ、ご主人が亡くなったから彼女は変わってしまった)

妻は電話の向こうで涙ぐんでいるようです。
「わかった。こっちのことは心配しないでゆっくりしていろ」
(不自由かけて申し訳ありません……)

妻はそういうと電話を切りました。

妻が竹井たちからレイプされ、ビデオやCDーRに収録されていた
さまざまな痴態も玲子さんや竹井から脅迫されてのものなら、しば
らく彼らの手の届かないところで心の傷を癒したいというのも分か
ります。私や子供たちのいない昼間に彼らがマンションに来たら、
と思うと恐怖でいられないでしょう。

玲子さんの話を聞いて高まっていた妻への不信感が少し弱まって行
きました。妻はやはり竹井のところではなく、実家にいるのかも知
れません。私はそう思いながら玲子さんの待つ寝室に戻りました。

いきなり部屋の中に女の嬌声が響き渡りました。見ると寝室に置い
たテレビの画面に四つん這いになって、後ろからバイブを突っ込ま
れ、顔の前に仁王立ちになった男のペニスに口唇による奉仕を行っ
ている妻の姿が映し出されていました。

(あ、ああっ、そんなにされたら……紀美子、イキそうっ)
(遠藤さんより先にイッたらお仕置きよ。また浣腸責めにあいたい
の?)
(い、嫌っ、お浣腸は許して……)
(それじゃ、もっとしっかりお口を働かせるのよ)
(は、はいっ)

私は部屋の入り口に立ち、テレビの画面を呆然と見ていました。

「奥様との熱い電話は終わったの? 待ち切れないから先に始めち
ゃったわ」

ベッドに横たわった玲子さんが振り向きます。キャミソールはまく
れ上がり、薄いパンティに包まれた形の良い尻に思わず私の目は奪
われました。

「そんなところでぼおっと立っていないで、こっちで一緒に見まし
ょうよ」

私は玲子さんに誘われ、ふらふらとベッドに近づくと彼女の隣に横
たわりました。

画面の中の妻は一心不乱に遠藤の肉棒に奉仕しています。妻の中に
出たり入ったりしているバイブは愛液で濡れ、表面がねっとりと光
っています。

「奥様ったら、あんなに美味しそうに遠藤さんのオチンチンを嘗め
ちゃって……私、あんまり妬けるものだからこの時は少し意地悪し
ちゃったの」

ビデオの中の玲子さんは片手でバイブを操作しながら、もう一方の
手で小さなピンクローターを取り上げ、妻の肛門にそっと押し当て
ます。

(あっ、ああっ……)

いきなり肛門を責められた妻は思わず遠藤の肉棒から口を離し、う
ろたえたような声を出します。

(駄目じゃないの、紀美ちゃん。勝手にお口を離したら。お仕置き
にかけるわよ)
(だ、だって……)
(早くアナルファックが出来るように調教してあげているんじゃな
い。感謝してほしいわ。さあ、続けるのよ)
(は、はいっ)

妻は再び遠藤の肉棒を口に含みます。敏感な二か所を執拗に責めら
れる妻の悶えは次第に大きくなり、もはや絶頂は間近のようです。
  1. 2014/07/16(水) 10:13:15|
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女友達と妻 第39回

「奥様ったら、あんな風に嫌がっている振りをしているけれど、最
近はすっかり後ろの方も感じるみたいで、前だけを責めていると物
足りない、ってはしたなくお尻を振っておねだりをするのよ。ねえ、
ねえ、紀美子のお尻の穴も一緒に苛めて、って」

妻がそんな行為をするとは信じられませんが、確かに画面の中の妻
の身悶えは、肛門への責めが始まってから一層大きくなったようで
す。

(ほらほら、このままじゃ先にいっちゃうわよ。黙っていたら駄目
じゃない)
(ああ……)

妻は喘ぐような声をあげ、とろりとした視線を遠藤に向けます。

(え、遠藤さんのオチンチン……太くて、長くて……素敵ですわ……
紀美子、こんな素敵なオチンチンをしゃぶれるなんて……し、幸せ
です)
(紀美ちゃんはご主人のオチンチンをしゃぶったことはあるの?)

思い掛けぬ質問に妻はうろたえたような表情をしますが、玲子さん
のバイブで深く突かれて「あっ、ありますわっ」と声をあげます。

(ご主人のものを飲んだことは?)
(あ……ありません……)
(それじゃあ、飲んだことがあるのは誰のもの?)
(……た、竹井さんと、遠藤さんのものです)

確かに私は妻にフェラチオさせたことはありますが、妻は恥ずかし
がってほんのまね事のような愛撫しかしたことはありません。今見
ているビデオの中の妻のように、口の中全体を性器にしたような情
熱的な愛撫をされた経験はないのです。

「○○さん、奥様に飲んでもらったことがないの?」

玲子さんが私に身を寄せて囁きます。

「愛情があれば飲めるはずだわ……。私も昨日○○さんのものを一
滴残らず飲んだでしょ?」

玲子さんはパジャマ越しに私の股間の逸物に触れてきます。

「○○さん……かわいそう。奥様に本当に愛してもらったことがな
いのね」

そんなことで愛情が量れるとは思っていませんが、妻が私にはした
ことがない行為を竹井や遠藤には行ったのだと思うとやはり、激し
い嫉妬を禁じえませんでした。

(これからも、竹井さんと遠藤さんのものしか飲んじゃ駄目よ、わ
かった)
(は、はいっ)

ビデオの中の妻は素直に答えます。

(これからはご主人のものもしゃぶっちゃ駄目。紀美ちゃんのお口
は竹井さんと遠藤さん専用よ)
(わ、わかりました……)
(わかったらこんなふうに言いなさい)

玲子さんが妻の耳元で囁くと妻は嫌々をするように首を振っていま
したが、やがて根負けしたように口を開きます。

(き、紀美子のお口は竹井さんと遠藤さんのオチンチン専用のお便
所ですっ。い、いつでもお好きな時にお使いくださいっ)
(まだ続きがあったでしょ)

玲子さんが妻の豊満な尻をパシンと平手打ちします。

(竹井さんと遠藤さん専用ですから、しゅ、主人には二度と使わせ
ないことを誓いますわっ)

妻の言葉を聞いて3人の男女はいっせいに笑います。

(可愛そうな亭主だぜ)
(ほんと、こんな紀美ちゃんの姿を見たら、○○さん、どう思うか
しら)

妻は3人の嘲笑を浴びて肩を震わせています。

「ひどいわ……奥様ったら。○○さんに対する完全な裏切りだわ」

玲子さんは私のパジャマのズボンとパンツを脱がせると、堅くなっ
たペニスをやわやわと揉み上げ始めます。

「かわいそうな○○さん……玲子が慰めてあげる」

玲子さんは私のペニスの先端にチュッ、チュッと接吻を注ぎ出しま
した。

「最近奥様にお口で愛してもらったことがないんじゃないの?」

そういえば妻とのセックスでここのところフェラチオされた経験は
ありません。妻があまり好まないので私のほうも求めなかったこと
もあるのですが、ビデオの中の妻が私に二度と口を使わせないこと
を誓っているのを見ると、まるで妻は竹井たちに操を立てるために、
私に対する口唇での愛撫を拒絶していたように思えるのです。
  1. 2014/07/16(水) 10:14:23|
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女友達と妻 第40回

「いかが? ○○さん。奥様の本当の姿を見た感想は?」
「……」
「こんなに大きくしちゃって……奥様のエッチな姿を見て興奮しち
ゃったのね」

確かに私の目はビデオの中の妻に釘付けになっていました。夫であ
る私に対して行ったこともない愛撫を、他の男に注ぎ込む妻。玲子
さんの言う通りそんな妻の姿を見て私は興奮しているのです。

「素敵だわ……○○さんのオチンチン……もう玲子のだけのものよ」

玲子さんは溜息をつくようにそういうと、私の怒張を深々と口に含
みました。同時にビデオの中の妻も遠藤にせきたてられて、屹立し
た肉棒を再び咥えます。妻に対するバイブとローターによる玲子さ
んの責めも再開されました。

玲子さんと妻の「うっ、うっ……」というくぐもったような声がシ
ンクロしていきます。すでに高まっていた私は、玲子さんの巧みな
舌技でたちまち追い上げられていきました。

(あっ、ああっ……もうっ……)
(イキそうなの?)
(は、はいっ)
(先にイクとお仕置きだと言ったわよね。それでもいいの?)
(ああ……それは嫌っ……)
(それじゃあもっと頑張るのよ)
(はいっ)

妻はもうイク寸前なのでしょう。裸身をブルブル痙攣させながら猛
然とした勢いで遠藤を責め立てます。

「ビデオの中の奥様と同時にイカせて上げるわ……」

玲子さんは私のペニスから一瞬口を離してそう言うと、額にかかっ
ていた前髪を跳ね上げ、激しく私を責め立てます。

(おっ、おおっ……)

ついに絶頂を迎えた妻が獣のような声を上げて全身を激しく震わせ
ました。それを見た私は玲子さんの口の中に緊張を解き放ちました。

「ううっ……」

玲子さんは眉をしかめ、必死に私のものを飲み下しています。画面
の中では快楽の余韻に震えている妻の口内に遠藤が溜まっていたも
のをぶちまけています。

「たくさん出したわね……○○さん……美味しかったわ」

私は玲子さんに丹念に後始末されながら、妻が口の中にたっぷりと
溜まった遠藤のザーメンを見せ、それをごくりと飲み込むのを呆け
たように見つめていました。


ビデオの中の妻の痴態はさらに続きます。素っ裸の妻は浴室の洗い
場で立ったまま放尿を強いられていました。

(あ、あなた……これから……紀美子はあなたの前で立小便をお見
せしますわ……ひ、ひっかけたりしませんから、よくご覧になって)

妻はそう言うと両手で陰唇を開き、竹井に向かって尿道口まで見せ
つけるようにします。
「奥様ったら、凄いわね……あんなこと、商売女でもやらないわ」

私と玲子さんは裸のまま並んでベッドに横たわり、ビデオを観てい
ました。私の心は次第に麻痺していき、画面の中の妻をまるで他人
のように眺めていました。

(ああ……)

妻の股間から一条の水流がほとばしります。妻はさすがに羞恥のあ
まり裸身をピンクに染めてくねらせていますが、私にはそれがまる
で竹井たちの前で媚態を示しているように思えます。

「奥様……好きな人のまで恥ずかしい姿を見せるのを悦んでいるの
よ……だいぶマゾっ気があるみたいね」

玲子さんはそう言うと私にのしかかるようにして、身体のあちこち
に接吻を注ぎだします。

「ご主人は寝取られマゾで、奥様もマゾっ気があるんじゃあ、あま
り相性が良いとはいえないわね」
「……」
「そういえばさっき、遠藤さんより奥様が先にイッちゃったでしょ
う。このビデオには映っていないけれど、プレイが終わってから奥
様に浣腸のお仕置きをしてあげたの」
「……」
「奥様ったら、少し便秘気味みたいだったようで、びっくりするほ
どたくさんウンチをしたのよ。私と遠藤さんは臭いのはごめんで、
一度でうんざりしたんだけれど、竹井さんが浣腸プレイにはまって
しまって何度も奥様に繰り返すもんだから、最後は透明なお薬しか
出なくなったわ。その後も竹井さんと奥様が2人で会うときは、よ
く浣腸プレイをしたみたい」
「……」
「竹井さんったら、必ず奥様をアナルファックできる身体にするん
だ、って張り切っていたわ。奥様も満更嫌いじゃないみたいで、竹
井さんに浣腸されるんで便秘も治ったし、肌の艶がよくなったって
私に話していたことがあったわ。今も竹井さんのマンションで浣腸
されているのかしら。それとももう奥様はお尻の処女を竹井さんに
捧げちゃったかしら……」
  1. 2014/07/16(水) 10:15:22|
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女友達と妻 第41回

私は玲子さんに妻を侮辱するような言葉を投げかけられても、もは
や言い返す気力もありませんでした。実際、妻は考えられなかった
ような淫らで卑猥な行為を、ビデオの中で平気で行っているのです。

「○○さんを裏切った奥様なんて、竹井さんにあげちゃいなさい……
玲子が奥様の分までたっぷり愛してあげるわ……」

玲子さんはそう言うと唇を私の唇に触れさせました。

「ねえ……○○さんのこと、あなた、って呼んでもいい?」

私は視線をテレビの画面に向けたまま頷きました。

「うれしい……」

玲子さんは再び私にキスします。今度は濡れた絹のような感触の舌
先まで入れてきました。

「あなたも私のことを、玲子、って呼んで」
「……わかった」
「じゃあ、呼んでみて」
「……玲子」
「あなたっ」

玲子さんは叫ぶようにそう言うと、私の身体にしがみついてきまし
た。豊満な胸が肌に押し付けられ、私は傷ついた心が微かに癒され
ていくのを感じました。

ビデオの場面は変わり、妻は目隠しをされたままベッドの上に大の
字の形で固定されています。玲子さんと竹井が手にもったローター
で妻の肌をくすぐりだしました。

(あっ……ああっ……)

首筋からうなじ、胸元と責められた妻は左右の乳首をローターで刺
激され、舌足らずの悲鳴をあげています。

(オッパイは小さいけれど、なかなか敏感じゃないか)

竹井はクスクス笑いながら乳首を責めつづけます。妻の茶褐色の乳
首はすっかり勃起し、ローターの刺激にフルフルと震えてているの
がわかります。

「あなた……あなたも玲子のおっぱいを……」

玲子さんにせがまれて私は大きな胸に顔を埋めるようにし、乳首を
口に含んで舌先で転がします。

「ああ……感じるわ」
(き、紀美子……おっぱいが感じますっ)

竹井は次にお臍、下腹部と責めた後、クリトリスにローターを触れ
させます。妻の身体が魚のように跳ねました。

(あっ、あっ……そこはっ)
(お前は本当にここが弱いな)
(だ、だって……)

玲子さんは私の上で身体の向きを変え、シックスナインのポーズを
とると再び屹立した私のペニスに接吻しながら、すっかり濡れた女
陰を私の目の前に突き出しました。

「あなた……お願い……クリトリスを……」

私は吸い寄せられるように玲子さんの女の部分に口をつけ、硬く尖
ったクリトリスを舌先で嘗めました。「はあっ」という溜息に似た
声が玲子さんの喉から迸ります。

「ああ……素敵よ……あなた……」
(あっ、あなたっ、そんなにしたらっ)
「ああ……感じるわ……お願い……今度は下のほうを」
(オマンコを……紀美子のオマンコを責めて……)
「そう……そうよ……もっと舌を使って)

私は舌先を尖らせて、玲子さんの熱い蜜壷の中に突き入れます。玲
子さんは「ヒイッ」と声を上げて、私の上でガクガクと身体を震わ
せました。玲子さんの熱い愛液が私の顔を濡らすのを感じました。

「素晴らしかったわ……今度は私が……」

玲子さんはそう言うと身体の向きを変え、私の怒張を深々と口に含
みます。再び開けた私の視界に、玲子さん、遠藤、竹井の3人がか
りで責められている妻の姿が飛び込んできました。

(あっ、もう、もうっ、イキそうっ……)

遠藤のローターで乳房を責められ、肛門にローターを押し込まれ、
さらに玲子さんのローターでクリトリスを、竹井の持つバイブでオ
マンコを責められている妻は崩壊寸前を告げる声を上げました。す
ると3人はいっせいに責め具を引き、頂上近くの妻を再び7、8号
目まで引き下ろします。

それに合わせるかのように、玲子さんも私の怒張から口を離し、熱
を冷ますように豊かな乳房を押し付けるようにします。

責めが再開され、妻はまた頂上近くに追い上げられます。それと同
時に私への玲子さんの攻撃も再開されました。
  1. 2014/07/16(水) 10:16:15|
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女友達と妻 第42回

(い、イっちゃう……イっちゃいます……)

私のペニスは爆発寸前になります。画面の中の妻も思わず裸身をの
けぞらせたとき、また責めが中断されました。そんなことが何度も
繰り返された後、妻はついに泣きじゃくり始めました。

(意地悪しないでーーお願いーー)
(イキたいのか? 紀美子)
(は、はいっ。もうイカせてーー。気が、気がおかしくなってしま
います)

ビデオの中と妻と同様、何度も射精寸前で中断された私の精神も限
界を迎えていました。

「ねえ? あなた……もうイキたい」

私は催眠術にかけられたように頷きます。

「それなら、もう奥様のことは諦めて、私のものになるって約束す
る?」
「それは……」

ぐっと言葉を詰まらせた私の耳に、妻の叫ぶような声が聞こえてき
ました。

(紀美子は、紀美子は、主人を捨てて、身も心も竹井さんの女にな
りますっ)
(俺のためなら何でもすることを誓うか?)
(は、はいっ。誓いますっ。だから早く紀美子のオマンコに竹井さ
んの太いオチンチンを下さいっ)

遠藤と玲子さんの笑い声が響きます。竹井は満足そうに笑うと妻の
上にのしかかりました。

(ああっ)

それまで焦らしぬかれていた妻は、竹井の肉棒で貫かれた途端、悲
鳴のような声を上げました。数回ピストン運動をされただけで妻は
早くも絶頂寸前になります。

(ああっ、イクっ。紀美子っ、イッちゃいますっ)

妻の痴態を呆然と見つめる私の肉棒を、玲子さんは舌の先でチロチ
ロとくすぐるように嘗めています。

「どうなの? あなた、約束する? 私のものになるって」
「……玲子のものになる」
「本当? 奥様のことは諦めると約束してくれるのね」
「約束する……」
「嬉しい……」

玲子さんは私の上に騎乗位になり、私の肉棒を深々と呑み込むと激
しいグラインド運動を開始しました。

「奥様とのお別れの記念に、同時にイカせてあげるわっ」

玲子さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、私のペニスを締め上げ
ます。

(もうっ、もうっ、イカせてっ、紀美子をイカせてくださいっ)
(よしっ、イケっ。イッていいぞっ)

玲子さんの肉襞が私のペニスに絡み付いてきます。その妖しいまで
の感触に私はついに限界を迎えました。

(ああっ、あなたっ、イクっ)

妻が竹井の下で海老のように身体を反らせ、絶頂に達しました。同
時に私も玲子さんの膣内に熱い迸りを放ちました。玲子さんは私の
精液を絞り尽くすように巧みに肉を収縮させます。

妻は快楽の余韻に時折身体を震わせながら、竹井に舌を吸わせるが
ままにしています。私は妻との関係が完全に終わりを告げたと感じ
ていました。

「悲しまないで……あなた……私がいるじゃない」

玲子さんは私の耳元でそう囁きます。私は玲子さんに求められるま
ま、再び接吻を交わしました。

「私は奥様のようにあなたを裏切らないわ……玲子はもうあなたの
女よ……そうでしょう?」

私は力なく頷きました。

「紀美ちゃんのことは忘れましょう……あんな女、もうあなたの奥
様とは呼べないわ」
「……」
「たとえ竹井さんに捨てられて戻ってきても、もうこの家に入れな
いで……あなたはもう私のものになるって約束したんだから」
「……わかった」

(素晴らしかったわ……あなたのオチンチン)
(紀美子のオマンコも最高だったよ)
(嬉しい……あなた……紀美子を捨てないで)

「……汚らわしい……もうビデオは止めるわね」

玲子さんは枕元のリモコンを手に取ると、ビデオを停止させました。

妻の姿が消え、私の胸は深い喪失感で締め付けられるようでした。
  1. 2014/07/16(水) 10:17:19|
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女友達と妻 第43回

私と玲子さんはその後もう一度セックスをし、そのまま裸で抱き合
って眠りました。朝起きるとベッドは空だったため、てっきり自分
のマンションに戻ったのかと思っていたら、扉の外から声がしまし
た。

「あなた、起きて下さい。会社に遅れてしまいますよ」

扉が開き、エプロンをつけた玲子さんが立っていました。

「おはようございます」
「帰らなかったのか……」
「何を言っているの? あなた。昨日言ったことをもう忘れたの」

玲子さんは驚いたような顔をします。

「私はあなたの妻、ここはもう私の家よ。どこに帰るっていうの?」
「待ってくれ……」

確かに妻に裏切られた衝撃のあまり気持ちが不安定になって、そん
な約束をした覚えはあります。

「……すぐにそうするとはいっていない」
「今さら何を言うの?」

玲子さんはきっと私を睨みます。

「紀美子はもう俺の妻じゃない。竹井に捨てられて戻ってきてもも
う家に入れない。これからは玲子が俺の女だと何度も誓ってくれた
じゃない。あれはただの寝物語だというの?」
「そう言うわけじゃない。少し待ってくれ」

私は玲子さんの迫力に押されそうになるのを、必死でこらえます。

「妻が……紀美子が明日の金曜日には帰ってくる。その時にちゃん
と話す」
「……わかったわ」

玲子さんはようやく声を落ち着けます。

「せっつくようなことを言ってごめんなさい。早くあなたと一緒に
暮らしたいものだから」

私は頷きます。妻を失った今、私には玲子さんしかいないとぼんや
り思っていました。

「子供たちが起きてこないうちに、私はいったん家に戻りますね」

玲子さんはそういって微笑むと私の首に手を回し、キスを求めてき
ました。私もそれに応えます。

「今晩また来るから、待っていてね」
「今晩はまずい」
「どうして?」

今日は妻の短大時代の友人の小夜子さんが、子供たちの食事を作っ
てくれることになっています。そう説明すると玲子さんは少し不満
そうな顔をしていましたが、最終的には「わかったわ」と返事をし
ました。

「明日、あの女にちゃんと話をしてね。いい? 財産分与なんか一
円だってする必要はないのよ。有責なのはあっちなんだから。子供
たちの養育費と相殺すればいいわ。あの女と竹井から慰謝料をたく
さんふんだくってやりましょうよ。それと、私とあなたの関係につ
いては話す必要もないけれど、仮に知られたとしてもどうというこ
とはないのよ。婚姻破綻後の関係は不法行為にならないわ」

玲子さんはそこまで言うと帰っていきました。玲子さんは妻のこと
を既に「奥様」とも「紀美ちゃん」とでもなく、「あの女」と吐き
捨てるような表現を使っていました。私自身も裏切られた衝撃から、
妻に対しては憎しみと軽蔑の気持ちしかありませんでした。

力ない足取りでキッチンへ行くと、テーブルの上には厚く切ったハ
ムを使ったハムエッグ、トースト、サラダ、ヨーグルトにフルーツ、
そして珈琲といった豪華な朝ご飯が並んでいました。私はこういっ
たホテルで出るような朝ご飯が好きでしたが、さすがに普段はあま
り食べることは出来ません。玲子さんの心遣いに感謝しながら全部
平らげ、2日ぶりに会社に向かいました。

通勤電車の窓際に立ち、ぼんやり外の景色を眺めていた私はふと、
急に夢から覚めたような気持ちになりました。

(ひょっとして……妻は私を裏切ったのではないのかもしれない)

私が目にしたのはビデオや写真であり、妻の実際の姿ではありませ
ん。私が聞いたのはビデオの中の妻の声であり、実際の妻の声では
ありません。そして、ビデオや写真で記録されている以外で妻がど
ういう行いをしていたのかは、妻から聞いたのではなく玲子さんか
ら聞いたに過ぎないのです。

真実がどうだったのかを自分で確認もしないで、15年近く共に暮
らした妻を捨てるなどと、なぜ玲子さんに約束してしまったのだろ
う。とんでもないことをしてしまったのではないかという気持ちが
湧き起こってきました。

会社に着いても私は心ここにあらずといった状態で、一日休んだた
めに溜まっている仕事もほとんど手をつけることが出来ません。ふ
と気がつくと総務部長の川崎が机の横に立っていました。
  1. 2014/07/16(水) 10:18:48|
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女友達と妻 第44回

「専務、どうしはりました? ぼんやりして。まだ体調が戻らんの
ですか?」
「いや……そんなことはないんですが」

説明が遅れましたが、私は小さなベンチャー企業の役員をやってい
ます。川崎という総務部長はオーナーである社長が会社を立ち上げ
た当時からの社員で、最初は社長の運転手のようなことをしていた
と聞いています。私は最近、この企業の営業強化のためにスカウト
されて入社しました。

川崎は言葉が示すとおり関西出身で、普段はろくろく仕事もしない
でインターネットで韓国マッサージのサイトをチェックしているよ
うな男です。会社の立上げ時代には相当の荒業も行ったと聞いてお
り、見かけだけではなかなか判断が出来ません。

「会社の営業は専務にかかってますからな。しっかりしてください。
頼りにしてまっせ」

川崎はそういって私の肩をポンと叩くと、と自分の席に戻ろうとし
ました。

「あ……川崎さん」

私は川崎を呼び止めました。

「今晩ちょっと付き合ってくれませんか」

川崎は怪訝な顔で私を見ています。私はこれまで彼と2人で飲みに
行ったことなど一度もないのですから無理もありません。しかし彼
はすぐに頷きました。

「いいですよ。そんなら早めに仕事を切り上げてしまいましょ」

川崎はそう言うとにっこり笑って立ち去りました。私はふと思い立
って携帯電話を手にすると、会社を出ました。メモリに登録してあ
る妻の実家に電話をかけます。

(はい、△△(妻の実家の姓)です)

電話から義母の声が聞こえてきました。

「XXXXです」
(あ、どうも、ご無沙汰しています)

義母の声はあくまで屈託がありません。私は胸の鼓動が高まってく
るのを押さえながら続けました。

「紀美子がそちらにお世話になっていると思うのですが」
(はい、XXXXさんにはご不自由をかけて申し訳ありません)

妻は言葉通り実家に帰っているようです。私はなぜかほっと安堵し
ていました。

(なんでも喧嘩をしたとかで、紀美子がなにか我儘を申したんじゃ
ないですか?)
「喧嘩……ですか。私と紀美子がですか?」
(いい年をして夫婦喧嘩くらいで実家に帰るなんて、と私も呆れた
んですが、本人も事情を話さないもので……何か深刻なことですか?)
「いえ……たいしたことではありません。私も少し言い過ぎて……」

妻は義父母には私と喧嘩したから実家に帰っていると話しているよ
うです。私は咄嗟に話をあわせました。

「紀美子はいますか?」
(それがあいにくあいにく朝から出かけているんです……久しぶり
に友達とゆっくり話をしたいということで。夜には戻るといってい
ますが)
「そうですか……」

私はふと思い立って義母に尋ねます。

「あの……紀美子がそちらにお邪魔したとき、お義母さんとお義父
さんは留守にしていらっしゃいましたか?」
(はい。2人で旅行に行っていました)
「旅行ですか?」
(先週の土曜から三泊四日で……帰って来たのは一昨日の、火曜日
の午後です)
「すると紀美子は、日曜から火曜まではひとりだったんですか? 
どうやって家の中に入ったんですか」
(あの子はうちの合鍵を持っていますから、私たちが留守でも入れ
ますよ)
「そうですか……」

私はしばらく当り障りのないことを話してから電話を切りました。

義母が妻と口裏を合わせていないとしたら、妻は確かに実家に帰っ
てはいるようです。しかしそのことがすなわち、妻と竹井が会って
いないという事にはなりません。

日曜の午後に家を出てから、義父母が帰ってくる火曜日の午後まで
の2日間、妻にはいわゆる「アリバイ」はないのです。

月曜の電話も昨日の電話も妻は携帯からかけてきました。それにい
ずれも実家の二階からかけていると言っていました。昨日の電話は
そうだったかも知れませんが、義父母の話では月曜の夜は妻一人き
りです。確か妻は義父母の外出はその日一日で夜には戻るといって
いました。

義父母もいない実家で妻がひとりきりで過ごすというのは不自然で
す。その時点では妻はまだ実家に帰っておらず、竹井と会っていた
のかもしれません。
  1. 2014/07/16(水) 10:20:02|
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女友達と妻 第45回

それに今日だって、友人と会っているというのは嘘で、やはり竹井
と密会しているのかも知れないのです。

疑いだすと切りがありません。私はすっかり疲れてしましました。

その日は結局仕事はほとんど手につかず、終業時間になりました。
私は川崎と連れ立ってオフィスを出ました。

「私の知ってる店でいいですか?」
「お任せします」
「あんまり綺麗なところでやないですが、客が少ないので落ち着い
て話が出来ますよ」

川崎は私が何か込み入った相談があることに気づいているようです。
私は頷き、川崎の後に続きました。

着いたのは小料理屋と居酒屋の中間のような店です。暖簾をくぐる
と中年女の「いらっしゃい」という声がします。時間が早いせいか
2人ほどの客がカウンターにいるだけで、店の中は閑散としていま
した。

「あら、川崎さん、久しぶりやねえ」
「二階の座敷、空いてる?」
「空いてるよ、どうぞ」

狭くて急な階段を上ると、小さな個室が3つほどありました。川崎
は一番奥の部屋に入ります。

「なんか考え事をしたいときや、人に聞かれとうない話をするとき
はようここに来るんです。あんまりはやってませんからねえ」

席に着いた川崎はそういいます。お絞りを持って部屋に入ってきた
女将が「はやってなくて悪かったわねえ」と声をかけます。

「あれ、聞いてたんか。女将」
「川崎さんの声は大きいからねえ。下まで聞こえますよ」
「そりゃまずいな……今日は込み入った話があるんやが」
「冗談です。ここの声は少々のことでは外へは聞こえませんよ。心
配しないでください」

女将は笑いながら注文を聞き、階段を下りていきました。

私と川崎はしばらくの間ビールや酒を飲みながら、会社の話をして
いました。だいぶ杯を重ねたところで川崎が切り出しました。

「それで専務、悩み事は何でっか? 女でっか?」

私はどきりとしました。

「どうしてそれを……」
「単なる当てずっぽうです。専務が仕事の相談を僕にするとは思え
んし、真面目やから金の相談でもない。そうすると女の悩み事しか
ないかなと思いまして」

私は目の前のグラスに半分以上入っている日本酒を一気に飲み干し
ました。

「実は……」
「あ、先にお代わりをもらときましょ。おーい、女将」

川崎は襖を開けて階下の女将を呼びます。

「酒のお代わりや。僕と連れに日本酒、同じのを持ってきて」

女将は一升瓶を抱えてくると、グラスと枡からこぼれんばかりに酒
を注ぎ、降りていきました。

「さあ、準備万端や。聞かせてもらいましょ」

川崎はグラスの酒を一口すすると、にっこり笑いました。


私の長い話の間、川崎は一度も口をはさまず、時々酒をすすり頷き
ながら聞いていました。私が話し終わると川崎は腕を組んでしばら
く考えていたようですが、やがて口を開きました。

「専務は仕事はよう出来ますが、女のことについてはさっぱりでん
なあ」
「え?」

川崎の言葉に私は意表を突かれました。

「どういう意味ですか?」
「どういう意味て……専務はそもそもどうして15年近く連れ添っ
た奥さんのことを信じんと、その玲子ていう女の言うことを信じる
んですか?」
「それは……」

酒の勢いもあって川崎にはこの数ヶ月の間に私たち夫婦の間に起こ
ったことについて詳細に話をしましたが、川崎は妻が登場するビデ
オやCD-Rを観たわけではありません。私はこの眼で妻の裏切り
を観たからこそ妻を信じられないのです。そう説明すると川崎は苦
笑して首をひねりました。

「奥さんかて生身の人間ですからね。気持ちええことをされたらそ
れなりの反応はしますよ。しかしそこに強制があったのかもしれな
いんでしょ?」
「それはそうですが……」
「玲子とかいう女がどうも怪しいですね。すべての黒幕はそいつや
ないですか?
  1. 2014/07/16(水) 10:21:01|
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女友達と妻 第46回

私は驚いて聞き返しました。

「どうしてそう思うのですか?」
「単なる当てずっぽうですよ」

川崎はさっきと同じことを言って笑いました。

「というのは冗談です。話を聞いていると玲子という女には動機が
あると思ったんです」
「動機……なんですか? 動機って」
「まあ、証拠がない段階でこれ以上話をしても専務も納得できんで
しょう。どうも玲子に骨抜きにされとるみたいやし……」

川崎は再び酒をすすりました。

「しかし私としても専務にふらふらされてると困ります。会社の経
営にかかわりますからな」

私が今ひとつ納得出来ずに口を開きます。

「しかし玲子さんは、妻が竹井という男の家にいるだろうというこ
とを知っていました……竹井から聞いたということでしたが」
「奥さんが男のところにいたということを知っていたんではなくて、
専務の家にいないのを知っていたということでしょ」

確かに川崎の言うとおりです。妻が実家にいたという証拠がないか
らといって、竹井のところにいたとは限らないのです。

「今夜家に帰ったら、電話機の周りを調べてください。静かにやる
んですよ」
「どういうことですか?」
「盗聴されている可能性があります」
「盗聴?」

私は思いがけない言葉に驚きました。

「専務……これくらいのことで驚かれたら困ります。よくある話で
すよ」
「しかし盗聴なんて普通の人間、しかも家庭の主婦に出来るんです
か?」

玲子さんはご主人が亡くなってからは、パソコンの設定も私に頼ん
でいたほどの機械音痴です。

「盗聴器なんて通販で誰でも買えますし、取り付けも簡単であっと
いう間に出来ます。専用の受信機がなくてもFMラジオがあれば問
題ありません。最初はその若い恋人にやり方を教わったんやないで
すか?」
「それにしても……」
「専務、家庭の主婦が旦那の浮気調査のために、GPS端末を車の
トランクに仕込む時代ですよ。盗聴器の取り扱いなんてたいしたこ
とはありません」

今までの電話での会話が盗聴されているかもしれない。私は急に酔
いが醒めるのを感じました。

「何か怪しいものが見つかったらそのままにして、別の部屋から私
に携帯で連絡してください。いいですね?」

川崎はそう念を押すとグラスを置き、女将を呼びました。

「おーい、女将、お勘定たのむ」


川崎と別れた私は家へと急ぎました。駅からは普通なら歩くのです
が、気がせいておりタクシーに乗りました。家に着いたら時計は11
時近くを指していました。と子供たちはもう寝たようです。夕食は
妻に頼まれて小夜子さんが作ってくれたようです。久しぶりに家に
玲子さんがいないことを私はなぜか物足りないように感じていまし
た。

私は居間の電灯をつけて電話の周りを探ります。そっと電話機を持
ち上げ、裏返して見ます。何も異常はありません。

(電話の中か? いや、それは手間がかかりすぎる)

私は電話線をたどっていきました。電話線は棚の背面を廻り、壁面
ジャックに繋がっています。私は慎重に棚をずらし、状態を確認し
ます。電話線の間に厚さ2センチほどの小さなユニットが接続され、
棚の背面に貼り付けられているのを見て私は息を呑みました。

私はその小さな機械の型番を控え、そっと棚を元に戻すと寝室に行
きました。そこで携帯を取り出そうとして、私は慌ててやめました。

(玲子さんは寝室にも入っている。ここも盗聴されていたとしても
おかしくない)

私は携帯を持ったまま家を出ると、非常階段に出ました。そこで川
崎の番号を呼び出します。

(専務、どうでした?)
「川崎さんの言ったとおりでした。電話機に発信機のような小さな
機械が取り付けられていました」

私は機械の型番を川崎に告げました。

(それは電話用のユニット型盗聴器ってやつですな。FMラジオで
50メートルくらいまでなら受信できます。専務の家と玲子という
女の家はどれくらい離れています?)
「マンションの同じ棟で、フロアは3つ違うだけです。30メート
ルも離れていないでしょう)
「間違いないですな」

川崎は確信に満ちた声でそういいました。
  1. 2014/07/16(水) 10:22:00|
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女友達と妻 第47回

他の部屋も盗聴されている可能性はないですか?」
(大丈夫やとは思いますが、盗聴器発見器が会社にありますから明
日お貸しします。それで家の中を探ってみてください)

どうしてそんな機械が会社にあるのだろう。私は川崎という男に底
が知れないものを感じました。

(それより奥さん、いつ帰って来られるんでしたっけ?)
「明日の金曜日ですが」
(それなら今から奥さんに電話をかけて、自宅に電話するように言
いなさい。やっぱり帰るのは延ばす。そう……日曜の夜くらいにす
ると言わせるんです)
「えっ? 自宅の電話は盗聴されているんですよ」
(そこが付け目じゃないですか)
「あ……」

私は川崎の言うことをようやく理解しました。

「家内に芝居をさせるんですね」
(そういうことです)

私は川崎に礼を言って電話を切ると、その場で妻の携帯に電話をし
ました。妻は最初、私の言っていることが理解できない様子でした
が、長い時間をかけてようやく納得させました。

私が家に戻ると5分ほどして、自宅の電話が鳴りました。

「○○です」
(あなた……紀美子です)
「こんな遅くにどうしたんだ?」
(すみません……ちょっと申し上げにくいんですが……)

紀美子はためらうように声を小さくする。

「なんだ? 明日には帰ってくるんだろう。その時じゃまずいのか?」
(いえ……それが、明日、帰れなくなったのです)
「何だって?」

私は驚いたような声を出します。

(今日江美子たちと会っていたら、急に明日から旅行しようという
話になってしまって……私がなかなか実家に帰れないものですから、
ぜひ一緒にと)

江美子さんというのは小夜子さんと同じく妻の短大時代の友人で、
他の多くの友人と同様妻の実家がある県に住んでいます。

「旅行? どうして急に? そもそもそんなに簡単に宿が取れるの
か?
(それが……江美子たちは前から予約していたようなのです。4人
まで泊まれる部屋だから、私一人が増えても大丈夫だと)
「日曜にそちらに帰ったんだから、今日でもう5日目だぞ。金曜ま
ででも相当長いのに、さらに2日も延びるのか」
(ごめんなさい……)
「わかった。旅館の電話番号を教えてくれないか?」
(それが……メモを取るのを忘れてしまって、覚えていないのです)
「しょうがないな。それじゃあ、旅館の名前は?」
(それもちょっと……着いたら電話しますから……)
「紀美子、お前、本当に旅行は江美子さんたちと行くのか」
(どういう意味ですか?)

妻の声が急に尖ります。

「ひょっとして……竹井と一緒なんじゃないのか」
(馬鹿なことを言わないで下さい。何を考えているのっ)

妻が声を荒げます。

「竹井がお前と一緒にいるということをある人から聞いた」
(玲子さんですか……)

妻の声は怒りに震えています。

(私は玲子さんに騙され、竹井と遠藤からレイプされたのです。ど
うしてその男と一緒にいなければいけないのですか)
「それは俺にも分からない。ただ、玲子さんから見せられたビデオ
や写真では、お前が進んでやつらに抱かれているようなものもあっ
た」
(それはそうしないとビデオをあなたの職場に送る、写真をマンシ
ョン中にばら撒くと脅迫されたからです。長年私と一緒に暮らして、
あなたはそんなことも分からないのですかっ)

妻は興奮して涙声になっていました。

(とにかく……あなたがそんな風ではとても家には帰れません。も
うすこし気持ちを落ち着かせてください)
「紀美子……」
(不自由をおかけして申し訳ございません。子供たちをよろしくお
願いします)

最後にそういって妻は電話を切りました。

妻は私の期待以上の演技をしてくれましたが、途中からは演技と本
当の感情がごちゃ混ぜになってしまったようです。私の心の中から
妻に対する疑いが拭い去れていないことを敏感に感じ取ったのでし
ょう。
妻は決して器用な人間ではありません。演技と分かっていてもつい
本気になってしまったのでしょう。やはり妻の気持ちは竹井にはな
いのではないかと私は考えました。
  1. 2014/07/16(水) 10:22:52|
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女友達と妻 第48回

翌日の金曜日、私は会社いつもより2時間ほど早めに出ました。も
ちろん川崎から盗聴器発見器を借りてもって帰りました。

家に着いた私は、盗聴器発見器で各部屋を丹念にチェックします。
幸い、居間の電話に取り付けられたものから以外の盗聴電波は探知
できませんでした。

塾から帰って来た子供たちが、私の帰りが早いのを不思議そうにし
ています。私は仕事で近くまで来たのでそのまま帰って来たと言い
訳をしました。

6時半頃に玄関のチャイムが鳴り、思ったとおり玲子さんが現れま
した。

「あら、あなた、今日は早いのね」

玲子さんは平然とした顔つきでそう言うと、部屋に上がろうとしま
す。

「今日はまずい。妻が帰ってくるんだ。2人で話をしないと」
「残念ながらあの女は帰って来ないわよ」

玲子さんはそう言い放つとさっさと部屋に入り、キッチンに向かい
ます。

「なぜだ? なぜそんなことが言える」
「竹井さんのところから連絡があったのよ。あの女と今日から旅行
に行くらしいわ。2泊3日の温泉旅行だって」
「なんだって?」

私は驚いたような声を出します。

「温泉だと? どこの温泉に行くといっていた?」
「さあ……そこまでは聞いていないわ。あの女からあなたは何か聞
いていないの」
「いや、何も聞いていない」
「本当なの? 竹井以外の人間とどこかの温泉に行くとかいってい
なかった?」
「本当に聞いていないんだ。今日帰ってくるものだとばかり思って
いた」
「あなた、何か隠していない?」

玲子さんが苛立ったような顔で私に聞きますが、私はゆっくりと首
を振ります。

「……まあいいわ。いずれにしても今日はあの女は帰ってこないわ
よ。竹井さんと一緒にいることは間違いないわね」

玲子さんは薄笑いを浮かべてそういいます。

「だけど、これであなたも踏ん切りがついたでしょう。あの女の心
はあなたにはもうないわ。あんな女、竹井さんにくれてやればいい
じゃない」
「玲子、教えてくれないか?」
「何を?」
「玲子は妻の……紀美子の親友だと思っていた。どうしてそんなに
悪し様に言う?」
「親友なんかじゃないわよ」

玲子さんはさもおかしそうに笑います。

「あの女は鈍感なのよ」
「鈍感?」
「自分がいかに恵まれているか、いかに幸せなのかに気がついてい
ないわ。それを守るための何の努力もしていない」
「そんなに恵まれても、幸せでもないだろう」
「あなたもわかっていないわ」

玲子さんが再び苛立ったような声を上げます。

「たとえばあなたの2人の息子さん、2人ともうちの子と同じよう
な年頃なのに、あなたの息子たちのほうがほんの少し良く出来る。
どちらもお父さん子なのに、うちの子にはもう父親はいない」
「遠藤は玲子さんの息子を可愛がっていたようだが」
「遠藤なんて薄っぺらい男、死んだ主人とは比べものにならないわ」

玲子さんは吐き捨てるように言います。

「それでも主人が生きている間は、そんなことはあまり気にもなら
なかった。私には最高の夫がいたから。だから紀美ちゃんとも仲良
くやれたわ。心にゆとりがあったから。主人は最高の男だと思って
いたから……」
「でも主人は突然事故で死んでしまい、私たちは死に目にも会えな
かった」
「妻にとって玲子さんはスポーツ万能だし、綺麗だし、自分にはな
い行動力があって一種、憧れの存在のようだったが……」
「ただの40女よ……今から勝負するには遅いわ」

玲子さんは自嘲的にいいます。

「遠藤と付き合ってみて思った。確かにそれほど悪い男ではない。
スポーツマンだし、子供も嫌いじゃない。ただ、あの男とこれから
の人生をずっと共にすごせるかと思うと、それは違うと思った」
「私よりも8つも若い。今はいいかもしれないけれど、いつか必ず
若い女のほうがよくなる。その時に惨めな思いをしたくない。でも、
年齢的にも吊り合いが取れて、死んだ主人と比べてもそれほど悪く
ない男なんていまどき独身でいるもんじゃない」
「それで私を罠に落として、夫を奪おうとしたの?」

玲子さんが声のする方を向くと、キッチンと居間の間に妻が立って
いました。
  1. 2014/07/16(水) 10:23:47|
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女友達と妻 最終回

「紀美ちゃん……」

玲子さんは呆然として妻を見ています。

「旅行に行ったんじゃなかったの……」
「寝室でFMラジオを聞いていたの。盗聴器って玩具みたいなもの
かと思っていたら、部屋の声まで随分良く聞こえるのね。びっくり
したわ」

妻は電話線を壁面ジャックから抜くと、ユニット型盗聴器を取り外
し、テーブルの上に置きました。玲子さんは表情を引きつらせて、
目を背けています。

「玲子さんがどうして俺の心理を言い当てることが出来るのか、不
思議だった」

私は静かな声で話します。

「だが良く考えると、俺が見ていないときの紀美子の行動について
指摘されることで、俺の紀美子に対する不安や疑いが増幅されてい
るのだと気づいた。特に、紀美子が日曜から実家に帰ったというの
は嘘で、本当は竹井と過ごしていると聞かされたのが堪えた。それ
までは紀美子を信じていたが、あれ以来一気に紀美子への疑いが深
まり、最後には猜疑心の塊になってしまった」
「しかし、紀美子が実際に実家にいることを俺が確認できていない
と知っていれば、俺の不安をかきたてるのはいとも簡単だ。盗聴と
いう手段に今まで気づかなかったのは俺の不覚だった」
「今さら否定しても無駄のようね……」

玲子さんは苦笑いを浮かべながらそういいました。

「紀美ちゃん、○○さんは一度はあなたを捨てて、私と一緒になる
といったのよ。それでも今までどおりやっていけるというの?」
「今までどおりは無理です」

妻は私のほうをちらりと見るとはっきりした声で言いました。私は
妻に対する申し訳なさで顔を伏せました。

「なぜなら、私も汚れてしまったから……」

玲子さんはいぶかしげな顔を妻に向けました。

「私も主人を捨てて、竹井さんの女になるといったのです。それが
たとえ強制されてのことだろうが、訳がわからなくなって口走った
ことだろうが、主人にとっては許すことが出来ないことです」
「なら、あなたたちはこれからどうするの?」
「もう一度、最初から夫婦をやり直します。もちろん主人がいいと
言ってくれたらですが……」

妻は今度はまっすぐ私を見ました。私も妻の視線を受け止め、頷き
ました。

「私はお邪魔みたいね」

玲子さんは静かな声でそう言うと、立ち上がりました。

「玲子……」

私は思わず声をかけました。玲子さんは「何? あなた」と微かに
笑います。

「これから……玲子さんはどうするんだ?」
「私のほうこそ今までどおりは無理だわ。近々このマンションから
は引っ越します」
「遠藤と一緒に暮らすのか?」
「まさか……」

玲子さんは寂しげに笑いました。

「母子三人で静かに暮らすわよ。もうあなたたちには付きまとわな
いから心配しないで。それと、ビデオや写真は責任を持って処分す
るわ」

玲子さんは次に妻の方を見て尋ねます。

「レイプの件は表沙汰にするつもり?」
「いいえ」

妻は首を振りました。

「私にも隙がありました。訴えることはありません」
「あの2人からろくな慰謝料は取れないわ。私が代わりに払います」
「玲子さん……」

妻が声をかけました。

「何?」
「バレーボール、もうしないんですか?」
「……無理よ、それは」

玲子さんは首を振ります。

「折角良いコンビだったのに……」
「そうね、悪くなかったわ。それだけは残念ね」

玲子さんは静かに笑いながら玄関に向かいます。

「それじゃあ、さようなら。紀美ちゃん、ご主人を大切にね」

玲子さんはそういって深々と頭を下げ、帰っていきました。


2週間後、玲子さん一家は行き先も告げずに引っ越していきました。
それからしばらくたって玲子さんから妻へ200万円の現金が送ら
れてきました。私と妻はそれぞれの身に何が起こったのかを追求し
あうことはありませんでした。私は妻が私をまったく裏切らなかっ
たとは思っていませんし、妻もそうだと思います。

しかし、真実とは常に相対的なものです。映画化もされた『藪の中』
という小説がありますが、私は妻の語る真実を信じることにしました。

時々私は玲子さんの情熱的な目と迫力に満ちた身体、そして最後に
見た寂しげな顔を思い出します。もちろんそれを妻に話すことは決
してありませんでした。(完)
  1. 2014/07/16(水) 10:25:03|
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