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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

黒の凱歌 第二部 第1回 

坂口忠明は二ヶ月ぶりに我が家の土を踏んだ。
インター・フォンを押す。すぐに妻の声が出る。
「はい?」
「おれだ」
「ああ、あなた・・・。ちょっと待ってください」
玄関の戸が開いた。現れた妻の変わらない清楚な姿を見て、忠明はここ数ヶ月の胸のつかえがすっと溶けていくような気がした。
思わずその場で妻を強く抱きしめた。
「あなた・・・こんなところで恥ずかしいわ。いったいどうしたの?」
ちょっと抗う素振りを見せたものの、その肢体を忠明に預けたままで妻はそう言った。幼子を慈しむような優しい口調だった。
「いや、なんでもない。中へ入ろう」
照れた顔を見られないようにそっぽを向きながら、忠明は玄関の戸を開いて中に入るよう、妻を誘った。
「変なひと」
くすりと笑って、妻が家の中へ消える。それを追って忠明も中へ入り、玄関の戸を閉めようとしたとき、家の前の道路で見覚えのある中年の男がこちらの様子を窺っているのが見えた。少し不審に思いながら、忠明は家の中へ入り、戸を閉めた。
そのときになってようやく、忠明は今の男が近所に住む大宮という名の男だと思い当たった。

妻が夕食を作っている。
包丁がまな板を打ち叩く音を安らいだ気持ちで聞きながら、忠明は居間に寝そべって、エプロンを着けた妻の後ろ姿を眺めている。
夕焼けがの色が、カーテンを閉めていない居間を染めていた。
ふと、気にかかっていたことを思い出し、妻の背中に問いかける。
「あのさあ」
「なあに?」
「最近、うちに電話をかけても、お前、出ないことが度々あっただろ。ちょっと前に電話で話したときにも、それについて怒ったけど・・・」
「ああ・・・」
妻はちょっと手を休め、台所の布巾で濡れた手を拭った。
「ごめんなさい。あのときも話したけど、最近、英会話教室を通じて知り合ったお友達とお出かけする機会がよくあって・・・それで家を空けたりしていたの」
「そのお友達って女だろうな」
「・・・・あたりまえでしょ」
忠明に背を向けたまま、ちょっと怒ったように妻は早口で言った。
「いや、わるい。最近は電話をかけてもしょっちゅうお前が出ないんで、ヤキモキしてたんだ。もしかして浮気だったらどうしようって」
「・・・・・」
妻は無言で料理を作る手を再開した。
「怒るなよ」
「怒ってません」
「嘘をつけ」
忠明は立ち上がって妻のもとへ寄り、背中から彼女を抱きすくめた。一瞬、妻はびくっと
身体を震わせたが、すぐにおとなしくなった。
「疑ってすまなかった。一人で暮らしてると、時々、淋しくてたまらなくなるんだ。お前の声が聞きたいときに聞けないのは、こんなにも辛いことだとは思わなかった」
その言葉の終わらないうちに妻は振り返って、忠明の口に唇を押し付けてきた。忠明も我を忘れて妻を強く抱きしめ、その口を吸った。

その夜、夫婦は久々に床をともにした。
「忠志がいないから、今夜は気兼ねなく声をあげられるな」
「イヤなひと・・・」
忠明がからかうと、すでに裸でシーツに埋もれている妻はぱっと頬を染め、瞳を逸らした。
その表情を見て、忠明は熱くなった。
妻に組み付き、二十年近くの夫婦生活でじっくり探求してきた妻の性感帯を、念入りに愛撫した。最初は声を抑えていた妻も、その美しい肢体がじっとりと汗ばみ、桜色に火照ってきたころには、はばかりなく声をあげていた。
「あぁん、あなた・・・・もう・・・」
「よし」
忠明は美枝子の女の中心に自らを嵌めこんだ。二ヶ月ぶりの妻とのセックス。そこはしっとりと熱く潤んでいて、忠明のものを優しく包んでくれる。まるで母の腕に抱かれているような至福の感覚に、忠明は目眩めく思いがする。
「愛してる」
思わずそう呟いていた。
忠明の身体の下から、妻はじっと見つめ返してきた。しっとりとした美しい切れ長の瞳が、なぜか哀しげな色合いを帯びているように見え、忠明は胸を締め付けられた。
「わたしもです・・・あなたが好き、大好きなの」
「・・・・今日は一緒にいこう、美枝子」
忠明は情熱のままに腰の動きを早めた。
愛しい女の悦びの声が大きくなった。

ちょうど同じ時刻。
坂口家からわずかの距離にある公園に、いかにもヤンキーといった格好の若者たちが四人、集まっていた。
環になって座る彼らの中心に置かれたスピーカーからは、男女の交わりの声がか細く流れている。
坂口家の寝室に取り付けられた盗聴器が、今まさに夫婦の閨の様子を伝えているのだ。
『あはっ・・・いい・・・あなた・・・すごくいいの』
『美枝子・・・ああ、美枝子』
「こいつ、女房が普段、何をされてるかも知らないで、気持ちよさそうにしてやがる」
若者の一人が言うと、一同は大爆笑した。
  1. 2014/07/08(火) 00:52:22|
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黒の凱歌 第二部 第2回

「しかし、汚い部屋だな。こんなんじゃいつまでたっても彼女なんて出来ないぜ」
坂口忠志は呆れたようにそう言った。今日初めて足を踏み入れた、友人の菅沼の散らかった下宿を見ての素直な感想である。
「なんだよ、それ。たとえ部屋が綺麗でも、どうせ俺はお前みたいにモテね~よ」
「そりゃそうだな」
「おい」
菅沼がぎょろっと目を剥くと、忠志は朗らかに笑った。この屈託のない笑顔が、世の女たちを惹きつけるのである。菅沼も釣られて笑ってしまった。
忠志は名門T大学に通っている。当然ながらT大学は勉強漬けの青春を送った輩がわんさと集まっている大学で、めでたく合格して我が世の春を謳歌しようとしても、どこか遊び慣れないぶきっちょな若者が多かった。その点、忠志はもちろん勉強も出来たが、要領よく遊ぶ方法も心得ていたし、すぐに誰とでも仲良くなることが出来た。彼は若竹のように溌剌としていて、天性快活な若者であった。

「そうだ、今日のプロ野球の結果を知りたいから、テレビ付けてくれ」
しばらく二人で噂話に花を咲かせた後で、忠志はそう言った。
「テレビはないぜ」
「わ、本当だ。なんちゅう生活してんだ、まったく。なら、パソコン貸してくれ。ネットで結果を見る」
「あいよ」
菅沼が押しやったノート・パソコンを開き、ネットをつなぐ。忠志の贔屓のチームは昨日に続いて今日も勝利していた。
いい気分になってパソコンを眺めていた忠志は、画面の横、登録したお気に入りサイトが表示されている場所に、「M熟女・公開露出」という刺激的なタイトルを発見した。
「なんだよ、これ」
「ああ、バレちった。俺がよく見てるエロサイトだよ。凄いぜ~、そこは」
「まったく・・・こんなのばっか見てるから、彼女が出来ないんだよ」
などと、毒づきながらも、忠志はそのサイト名をクリックした。天性快活ではあったが、彼は年相応にスケベであった。
画面が切り替わる。
闇のような黒色を背景に、「M熟女・公開露出」というケバケバしい赤の文字で書かれた画面が現れた。文字の後ろに、縛られた裸女の画像がうっすらと浮かびあがっている。
(あれ・・・・)
忠志は一瞬、背筋に冷たいものを感じた。画面上の緊縛された裸女――生白い肌に、年増らしい豊満な肉付き。いかにも男の欲情をそそる肢体だった――の目元は、黒く塗りつぶされていたが、その顔の感じが忠志のよく知る女性に似ていたのだ。
震える手を抑えて、サイト内に入る。
「このサイトでは露出狂のマゾ熟女、M子の調教の日々を豊富な写真付きで公開しています。恥ずかしい姿を他人に見られるほどに濡らしてしまう、淫乱なM子の身体をどうかじっくりご覧ください」
そんな紹介文の後にM子と思われる女が、どこかの公園らしい場所のベンチで何も付けていない下半身を大きく開いている画像があった。股間の柘榴のような紅い裂け目が、痛々しいまでに露出させられていた。上半身に着ているのは、いかにも露出プレイ用の黒い網状服で、その下の白い肌や赤い乳首が透けて見えている。
「このM子って女、エロい身体してるだろ~。もっとすげえ画像いっぱいあるぜ」
食い入るように画面を見つめている忠志の横に、菅沼が割り込んできて画面の「ギャラリー」という文字をクリックした。
しばらくして、M子の過激な露出画像が次々と現れる。
乳首と股間のみをわずかに隠しているだけのV字状のド派手な赤い水着を着て、人の大勢いるプールサイドを歩かさせられているM子。
混んだ電車内でカメラに向かってスカートの後ろをまくりあげ、裸の尻を見せているM子。
公衆便所らしき場所で、両脇に並んだ男のペニスを同時に咥えさせられているM子。
目元に入れられた黒の棒線でM子の表情はよく分からないが、それにしても卑猥極まる写真ばかりだった。
「やばいだろ~。この電車の中の画像なんて乗客の二、三人は気づいて、M子のでかいケツをじろじろ見てるのが写ってるもんな。そりゃそうだよな~。俺もその場にいたら――お、おい」
「ちょっと急用を思い出した。帰る」
突然、無表情に強張った顔つきで帰り支度を始めた忠志を、菅沼は呆気にとられた顔で見た。
「ど、どうしたんだよ。俺、何かしたっけ?」
「じゃあな」
「お、おい・・・・ったく、なんなんだよ」

今、自室のパソコンの前で忠志は物思いに耽っている。
画面上に映し出されているサイトは、あの「M熟女・公開露出」だ。
その中で公開されているM子の画像を、忠志は丹念に一枚づつ見ている。
どれを見ても、思いは一つの場所へ向かってしまう。
M子は―――
母の美枝子にそっくりだった。
もちろん、目元が消されているので断定は出来ないが、忠志にはどうしてもそう見えてしまうのだ。
思わず携帯に手を伸ばした。自宅の番号を押しかけて、やめる。母が電話に出たとして、自分は何を、どう聞くつもりなのか。
「今、ネットでエロサイト見てたんだけどさ。「M熟女・公開露出」ってサイトで、スケベな写真を載せられてる女って、もしかして母さん?」
そんなことは口が裂けても言えない。
人違いだ。忠志は必死に自分に言い聞かせる。あの母がこんなことをするはずがない。
母の美枝子は呆れるくらい潔癖な女だった。忠志がちょっとでも下品な話をすると、すぐさま頬を赤らめ、じろっと睨んできたものだ。
「M熟女・公開露出」に掲載されている文章を読むと、このサイトはM子の愛人の男が管理しているようだ。もし母が誰かと浮気して、その相手に強制されてこんな写真を撮られているとしたら・・・?
いや、ありえない。母が父のことを深く愛している様子は、傍で見ていて忠志が照れてしまうほどはっきりと分かった。浮気などするはずがない。
やはり、人違いだ。

改めてそう思い、自分を納得させようと苦慮している今の忠志には、後になって自分が母の痴態を実際に目の当たりにするなどとは、もちろん予想すら出来なかった。
  1. 2014/07/08(火) 00:54:22|
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黒の凱歌 第二部 第3回

大宮は備え付けのソファーにどっかり腰掛けて、目の前の獲物を眺めた。
獲物―――坂口美枝子は今、全裸で後ろ手に縛られ、M字開脚に足を開いた状態のまま、幾本もの縄で固定された格好で宙に吊るされている。若々しい張りを保った豊かな乳房が、縄でギュウギュウに引き絞られ、前方に飛び出している。大きく開かされた股の間では陰部も尻の穴も丸見えだ。
不安定な空中に放り出された美枝子の両足が、ぴくぴくと蠢いている。
淫靡極まりない姿――。
その姿を見ながら、大宮は物思いに耽っている。
グラスハウスで過ごしたあの日―――美枝子を犯し、気絶させた後で、大宮は岡たちに自分が美枝子の英会話教室の「生徒」であることを喋った。岡たちと美枝子の関係の秘密を握っていることをネタに、今後も美枝子との関係を続けていくことを承知させようとしたのだ。相手は危険な若者たちである。そう言って脅したはいいが、逆に襲われて酷い目に遭うかもしれない。もともと気の弱い大宮にとっては、ひとつの賭けであった。
だが、予想に反してリーダー格らしい岡は、大宮の提案をあっさり了承した。そればかりか、その後で岡たちが美枝子を調教する機会があるときには、大宮に協力させるとまで約束した。大宮には岡という男が何を考えているのか今もって分からない。ただ、時折見せるあの不気味な目つきを見ていると、油断は絶対に禁物だと思える。いつ足元をすくわれることになるか、知れたものではない。
二人の談合が成立した後で、ようやく目を覚ました美枝子はその場にいる大宮を見て驚きのあまり、声も出ない様子だったが、それでも裸の胸と股間を必死に手で隠そうとした。さっきまで見知らぬ人々に囲まれながらあれほど乱れていたというのに、思いがけない「知人」を見て、また恥じらいがぶり返したらしい。
岡がその様子を面白がって、
「いまさら何を恥ずかしがってるんだ。さっき最後にお前とヤッたのは、このおっちゃんだぜ」
そのとき美枝子があげた悲鳴は、二週間経った今も耳にこびりついている。
その二週間の間に、大宮はすでに三回も美枝子を抱く機会を持った。以前は見ているだけで陶然となり、二言三言話した日には天にも昇る心地だった女を、今では好きなときに呼び出し、どんな淫らな奉仕でも強制させることが出来るのだ。大宮は異常な興奮を持って、この二週間の日々を過ごしていた。あの日を境に、大宮の平凡極まりない人生は確実に変化を遂げていた。
そして今日が四回目の呼び出しである。場所は或るSM専用ラブホテルの一室だ。

「この前、岡に面白いテープを聞かせてもらったよ。お前の旦那が帰ってきた夜に、お前と旦那が乳繰り合ってる声を録音したやつだ」
大宮はソファーから起き上がり、空中に吊られている美枝子に向かってゆっくりと嬲るように声を投げる。性奴隷そのものといった姿を晒しながら、ぐったりとうなだれていた美枝子が、その言葉にぴくりと頭をもたげた。あまりにも苛酷な調教の連続で最近は感覚が鈍磨してきたようにも見える美枝子が、夫のことを持ち出されたときは変わらずに狼狽し、哀しげな表情をすることに大宮は気づいていた。
「美枝子もなかなか演技が上手いじゃないか。何食わぬ顔で旦那に抱かれて、可愛いよがり声まであげていたっけなあ。だが―――」
大宮は美枝子の限界まで開かされた股間の付け根に咲いている食蟲花めいたそこへ、指を這わせ、花弁の一枚を摘まみあげた。途端に美枝子が「あぁ・・」と小さく呻く。
「グラスハウスで大勢の男たちにされたときのよがりようは、あんなものじゃなかったよな」
「・・・もう堪忍してください。主人のことは・・・言わないで・・・」
「ふふん、こんな淫らな身体を晒しながら、旦那に遠慮するのか」
大宮はそう鼻で笑うと、淫猥な香りを放つ食蟲花の中心へ口をつけた。そのまま「じゅるじゅる・・・」と派手な音をたてて蜜を吸い上げる。瞬間、電撃に打たれたように緊縛された裸身を空中でじたばたさせて陰部に吸い付いた大宮の分厚い唇から逃れようとする美枝子だったが、その唇から出てきた舌で花びらや性感帯の集まる膣の開口部をざらざらとまさぐられると、
「あひーっ・・・」
と、うつつない声をあげ、顔を真っ赤にして快感に身をくねらせだした。
「堪え性のない肢体になったな。旦那にわるいとは思わないのかね?」
「あんあんあ~んっ、も、もう、許して、あはぁーっ、そこ、そこはやめてぇ!」
陰部を舐めまわす大宮の舌の攻撃からやっと逃れられたと思った瞬間、無惨に晒しあげられた尻の穴に節くれだった指が侵入してきたのを感じて、美枝子は泣き声をあげた。
「この前会ったときに言っておいただろう。次からはここの穴を調教するとな。前の穴は使われすぎて締まりがなくなってきたみたいだから、今度はここを使って俺に奉仕するんだ。いいな」
大宮の言葉は人間の女にではなく、獣の牝に向かって放たれたもののようだった。さすがに美枝子の顔が一瞬サアッと蒼ざめたが、大宮の指がまたも尻の穴をえぐるように侵入してくると、途端に反発の気力をなくし、泣き叫んでしまう。
「ああ・・・お許しを・・・分かりましたから」
「何が分かったんだ? 言ってみろ」
「お、お尻の穴で・・・大宮さまを満足させるよう・・・調教をお受けすることです」
そう言ってから美枝子は、自分の吐いた言葉のあまりの浅ましさに、「ああっ」と恥辱のうめき声を洩らした。
そんな人妻の姿を大宮は満足げに見ていた。
最高の気分だった。
  1. 2014/07/08(火) 00:55:10|
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黒の凱歌 第二部 第4回

自分という女は一度、あのグラスハウスで壊れてしまったのだと、美枝子は考えている。
見知らぬ人々の前で嬲られ、犯され、あろうことかそのことで肉体を激しく燃え上がらせてしまった自分。
あのとき、それまでの坂口美枝子というひとりの女――平凡な人生を送り、主婦として母としてささやかな幸福に満足していた自分は、猛り狂う情欲の業火の中で燃え尽きてしまったのだった。
そして灰燼の中から新たに生まれ変わった美枝子は、それまでの自分ではなかった。
身体が、精神が、変質してしまっていた。
今では岡や大宮らに恥辱の行為を強制され、口では「いやいや」と抵抗しながらも、どこかでそれを待ち望み、淫らな楽しみを享受している。恥じらい悶えながらも、その羞恥にいっそう身体が昂ぶってしまう。そんな身体の反応を残酷な男たちにあざ笑われ、痛烈に罵られて、屈辱の涙を零しながら、どこかでそんな屈辱的な自分の姿に恍惚としている。
昨夜は大宮に尻の穴をたっぷりと調教された。宙に吊られた格好で、アナルスティックを挿入され、菊蕾をネチネチといじりまわされた。
以前の自分なら、そんな行いは不潔としか思えなかっただろう。尻で男を受け入れるなどという行為があることは知ってはいたが、それは人倫に背く畜生の行いだと嫌悪していたのだ。
だが昨夜の美枝子は大宮に尻の穴を嬲りぬかれ、まるで自分が汚辱の沼にずるずると引きずりこまれていくような絶望感に囚われながらも、そんな変態的な行為を強制されていることに奇妙な興奮を覚えていた。排泄するための器官としか思っていなかったそこへ侵入した異物に掻き回されていると、たまらない嫌悪感と不快感がいつしか捻じれていき、身体中の血管が沸騰しているような情態に陥ってしまったのだった。
禁忌を犯す。その禁忌の感覚が強ければ強いほど、マゾの性癖を持つ者にとってはより激しい刺激となることに、まだ美枝子は気づいていない。
「なんだ、尻をいじられているうちに前の穴も濡れてきたぞ。どこまで淫乱なんだ? 美枝子の身体は」
大宮は美枝子の身体の変化を目ざとく見て取って、せせら笑った。美枝子は以前から、この大宮という男が嫌いだった。女にも人格があることなど、まったく念頭にないように、好色の目でしか女性を眺められない男。てらてらと脂ぎった顔も、分厚い唇も、そのすべてが潔癖な美枝子の嫌悪を誘った。今ではその男に、言いように身体を弄ばれ、変態的な行為を強制されているのだ。そしてそんなことをされながら、心を無視した悦びに悶えてしまうのだ。
底なし沼に沈み込んだような気分だった。この前、久々に会い、変わらぬ愛を確かめ合った夫の顔がふと浮かび、美枝子をたまらない気持ちにさせた。
あのひとが、今の自分の本当の姿を知ったら、もう以前のように愛してはくれないだろう。それどころか死ぬまで憎まれ、軽蔑されるだろう。
そのときのことを思うと、いつも冷たい戦慄が背筋を走りぬける。
だが――今のままで夫に自分の現状を隠したまま、のうのうと二重生活を続けていくことも耐えがたかった。美枝子は自分がそんなに器用なことの出来る女ではないと知っていたし、何より夫へのすまなさでいっぱいだった。
やがて、破滅の時が来てしまうのだろう。そのとき、夫婦は、家族はどうなってしまうのだろうか。
美枝子は哀切な瞳でそんな自分の未来を眺めた。過去の幸せな家庭の情景が次々と蘇り、辛い重みとなって肉欲の獄につながれた心にのしかかる。その重みに潰されそうになりながら、美枝子は黒い霧に閉ざされた未来を見つめている。
そして―――美枝子は今日も指定された場所に、岡に調教されるために歩いていくのだった。岡にこれから与えられるはずの恥辱の指令を予感して、無意識に身体を火照らせながら。
  1. 2014/07/08(火) 00:56:01|
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黒の凱歌 第二部 第5回

「おトイレへ行かせてください・・・」
美枝子は傍らでものも言わずにどんどん歩いていく岡に今日何度目かの言葉をかけた。今、二人は手をつないで、美枝子の住む町から少し離れた都市の繁華街を歩いている。
今日の美枝子は薄布の白いタンクトップを着ていて、むちむちした生白い腕が人目に晒されている。ノーブラなので、胸の中心で服を押し上げている突起の形が一目瞭然だ。下は黒いレザーのミニスカートだが、こちらも豊満な尻の形の良さが、道行く人々の目を否応なく惹きつけている。
そんな視線に頬を染め、顔をうつむけながら、美枝子は
「おトイレへ・・・」
と、か細い声でまた繰り返す。実はミニスカートの下では、禍々しく黒光りする、張り形つきの貞操帯が美枝子の股間を締め付けているのだ。昨夜、大宮が別れる際に美枝子に取り付けていったもので、それ以来、美枝子は排泄する自由すら奪われて、悶々としているのだった。圧迫する尿意に思わずしゃがみこんでしまいそうだ。
「我慢しろ。これから昼飯をとるからな」
一言そう冷たく言い放つと、岡は美枝子の手を引いてファーストフードの店に入った。美枝子は残酷な情夫を怨むように見ながら、その後に従う。
岡が注文している間、美枝子は座席で座って待っていた。容姿端麗な色っぽい女が、過激な装いで座っているのを見て、周囲の者たちがちらちらと好奇の視線を向けてくる。その視線を気にしながらも、美枝子は下半身を責めつける尿意に身を小さくしてじっと耐えている。
ハンバーガーを抱えて岡がようやく戻ってきた。美枝子はすがりつくような視線を向けて
「どうかおトイレへ行かせてください」
と震える声音で頼む。岡はジロリと美枝子を睨んで、
「小さな声でぼそぼそ言われても、聞こえないぜ」
「・・・・・」
「店中に聞こえるくらい、大きな声で何をしたいのか言ってみな。そしたら考えてやる」
岡の露骨な意図を感じさせる要求に、美枝子はうつむいた。だが、迫り来る尿意が沈黙を続けることを許さない。やがて決心したように、美枝子は岡を想いのこもった瞳で見つめて、
「おしっこがしたいです!」
と、やや大きめな声で叫んだ。近くにいた二、三人の客が、ぎょっとしたように美枝子のほうを見た。首まで赤くして美枝子はうなだれている。顔から火が出そうだった。
だが、主人である若者は、性の奴隷と化した人妻を責め嬲る手を止めない。
「う~ん、聞こえないなあ。もう一度だけ聞くぞ。美枝子は何がしたいんだ」
「・・・・おしっこが」
「大きな声でと言ったはずだぞ」
「・・・・おしっこがしたいです!! あ、あ、あ・・・」
思わず自棄な気持ちになって、美枝子は大声でそう叫んだ。叫んだ瞬間、羞恥がぶり返してきて、情けない声をあげてしまった。
瞬間、辺りがしんと静まった。そして店中の客たちから一斉に向けられる好奇、好色、嘲笑の眼差し―――。
美枝子は耐え切れなくなって、テーブルに突っ伏し、ぐじぐじと泣き出してしまう。その肩が小刻みに震えているのを見て、岡もようやく手を緩める気持ちになった。
「泣いてないでさっさと食べろ。そしたら、トイレへ行かせてやる」
「・・・ありがとうございます・・・」
耳まで赤くした美枝子はその声を聞いて、そろそろと顔をあげ、弱々しい声で岡に礼を言う。涙でくちゃくちゃになったその顔を眺め、岡はあらためて美しいと思った。
だが、美枝子にとって不幸なことに、その美しさは男の嗜虐欲をより激しくそそるような美しさだった。いや、マゾの女にとってそれは不幸ではないのか―――。
  1. 2014/07/08(火) 00:58:44|
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黒の凱歌 第二部 第6回

美枝子が徐々に変化しているきているように、岡もまた、最近では少し変わりつつある。
岡が美枝子の調教に執心したのは、もちろん自身のサディスト的嗜好のためでもあるが、美枝子の隠し持っていたマゾ性を見抜いてしまったことも大きな原因である。
男に嬲りぬかれるために生まれたような女。
嬲られるたびに美しさを増していく女。
そんな幻影を岡は美枝子に見た。そしてますます調教にのめりこんでいった。最初の頃にはあった美枝子を他の男に抱かせることへの抵抗感は霧消し、美枝子をより貶め、真の奴隷に堕とすためなら、どんな危険なことでもやる気になっていた。
岡もまた、壊れ始めているようだった。
そして今。
ファーストフード店から出て、岡は嫌がる美枝子を近くの公園内にある男子トイレへ引っ張り込んでいる。
「ここはいやです・・・」
「貞操帯を外して欲しくはないのか? そのままで小便する気か?」
「・・・女子トイレで・・・」
「馬鹿。そしたら俺が変態扱いされるだろうが」
まあ、実際に俺は変態だがな、と岡は心の中で笑った。そして、今、自分の目の前で羞恥と圧迫する尿意の狭間で煩悶しているこの美しい生き物もまた、異常な欲望の世界へと一歩一歩足を進めているのだ。
ようやく諦めた美枝子の手を取って、岡は男子トイレへ入った。中は誰もいない。室内は生暖かく、こもった臭いがした。
周囲を気にし、今にも誰か入ってくるのではないかと怯える人妻のスカートを、岡はしゃがみこんだ姿勢で前からめくりあげた。妖しく黒光りする貞操帯が現れる。
岡は鍵を取り出し、がっちりと美枝子の股ぐらへ喰い込んだそれの錠を外した。そしてゆっくり剥がしていく。貞操帯に接着している張り形が膣内から抜けていく刺激に、思わず美枝子は「ああ・・・」と生臭い女の声を出してしまう。
「何をよがってるんだ、まったく。あ~あ、こんなに股ぐらをべとべとにさせて恥ずかしくないのか?、美枝子は。この濡れ具合から見ると、さっきのファーストフード店でもだいぶ感じていたんだろ?」
「・・・・・・」
「答えないと小便をさせてやらないぞ」
「・・・感じてました・・・すごく・・・おかしくなりそうなくらい・・・」
頬を染めた顔を深くうつむけながら、美枝子はやっとそう答えた。そう答えなければ、いつまでもトイレはさせてもらえない。
それに―――
美枝子は知っている。今でも理性は認めたがらないが、自分の身体がたしかにあの時、震えるような恥辱の中で、ぞくりと疼いていたことを。周囲の人間の嘲るような好奇の目が、美枝子の深い部分を刺し貫き、目眩めくような悦びを精神にもたらしていたことを。
要するにそれは本心の告白だった。
美枝子は最近、恐怖とは別の感情で、この若い暴君に逆らえなくなってきている。一人の女の、自身すら知らなかった陰の部分を完膚なきまでに暴き出し、その女が淫靡な悦びにのたうちまわる様を一部始終見ていた男。そんな男に逆らえる女がいったいこの世にいるだろうか。 
美枝子は時々、想像する。心労も不安も何もかも放り投げ、岡に身も心も支配された一人の性奴隷として快楽に狂いながらただただ毎日を生きる自分の姿を。暗い将来に怯え、夫や子を思って涙を流している今の自分よりは、そんな幻想の中の自分のほうが幸せに見えてしまうこともあった。
それは美枝子が精神的に、完全に岡に屈服する日が近づいている証拠なのかもしれない。

貞操帯を外した後で、岡は美枝子にスカートも脱ぐように命じた。
「そんな・・・・なぜ」
「お前、これからションベンするんだろうが。そのときにスカートにお前の汚いおしっこがつかないように、という俺の暖かい配慮だよ」
「そんなこと・・・」
頬を紅潮させながら恨むような瞳で岡を見る美枝子の姿は、横暴な恋人に拗ねながら、一方で甘えている女の姿に見えなくもなかった。
それはともあれ、下半身の生理現象はもはや我慢が出来ない状態まできている。
「ああ・・・・もうダメです。早く早く」
「なら、さっさと脱げ」
それでもなおためらった後、美枝子はようやくスカートのホックへ手をかけた。もちろん、視線はトイレの入り口へ油断なく向けたままである。
美枝子はスカートを脱ぎさった。
繁華街近くの公園の男子トイレ内で三十九歳の美しい人妻は、下半身を完全に露出させた格好で立っていた。生白い太腿がふるふると震えている。ぷりぷりと張りのある肉感的な尻が窓から差し込む日の光で、美しく照り輝いていた。
  1. 2014/07/08(火) 00:59:48|
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黒の凱歌 第二部 第7回

上半身に薄布の白いタンクトップを着ただけの格好で、もじもじと立ち尽くしている美枝子に、岡は男子用の便器で用をたすように命じた。せめて個室で排泄させてもらえるだろうと思っていた美枝子は、当然抵抗したが、むろんのこと許されるはずもない。
本日何度目かの哀しい諦めをして、美枝子は辺りを見回し、他に誰もいないことを確認してから、小便用の便器の前に立った。
「足を大きく広げろよ。お前にはち*ぽがついてないんだから、下手すると足にひっかかるぞ」
言いながら、岡は美枝子の背後から裸の尻にカメラを向けている。岡が公開している露出サイトのための写真を撮るつもりなのだろう。最初にそのサイトを見せられたときは、美枝子はショックで口もきけなくなってしまったものだ。自分の恥ずかしすぎる写真の数々を、モザイク入りとはいえ不特定多数の人間に公開される・・・。もしかして、自分のごく近しい人にも見られているかもしれない。画面上で痴態を晒している自分を呆けたように見つめながら、美枝子はそう思い、恐怖した。
それからも断続的に写真を撮られては、ネットで公開されている。美枝子も最近では少しづつ、そのことに慣れてきていた。時折、誰も傍にいないときなど、一人でパソコンを開いてはそのサイトを恐る恐る見ることさえある。そんなとき美枝子は、まるで別人のような自分のエロティックな姿を画面越しに見つめながら、身体の奥がじっとりと熱くなるのを感じていた・・・。
「ほら、もっと足を広げていいポーズをとれ。男子トイレで立小便までする、変態のマゾ女ぶりを写真に撮ってやるからな」
「ああ・・・・」
鼻から熱い息を吹きこぼしながら、美枝子はそろそろと足を広げていった。
男子用とはいえ便器の前に立つと、切迫した尿意がいよいよ激しくなるのは人間の不思議な性である。美枝子の限界まで達した膀胱も、抵抗する理性の制止ももはや聞かず、ゆっくりとその緊張した筋肉をほどいていく。
しゃーっ、と耳を覆いたくなるような音とともに、激しい勢いで美枝子の股間から、羞恥の黄金水が流れ出した。
「はあぁぁ・・・・」
「お、出た出た。ずいぶん溜め込んでたんだな。もの凄い勢いだぜ。どうだ、美枝子。はじめて立小便する気分は?」
岡にからかわれても、美枝子は今の異常な状況に気をとられていて、それどころではなかった。女の股間はそもそも、しゃがみこんで小便をするように構造上造られている。だから、懸命に身体を反らして股間を便器に近づけなければ、床に小水が垂れてしまうのだ。
岡に言葉で嬲られ、羞恥の姿を写真に撮られながら、必死になって流れ出る小水を便器から零さないように努力している美枝子は、そのときトイレの中へ入ってきた人影に気づかなかった。
「お・・・っ」
入ってきたのは、貧相な顔をした中年のサラリーマンだった。ぶらりとトイレへ入ってきて、小便用便器で用を足している下半身裸の美女を目にし、ぎょっとした顔になった。ちらちらと美枝子に視線を送りながら、それでも慌ててその場を離れようとした。
「あ、いいですよ。もうすぐこの女も済むと思うんで、遠慮なく」
岡が出て行きかけた男に声をかける。その声でようやく、第三者の存在に気づいた美枝子は、小さく悲鳴をあげた。かといって、股間の放出は止めることもできず、その場から逃げることも出来ない。
声をかけられた男は、汗を拭き拭き、近づいてきた。美枝子の裸の尻をちろちろと見、清楚な美女の立小便図に見とれている。
「何かの撮影ですか?」
カメラを構えている岡に男が聞く。
「そうです。この女はいい年して、人に恥ずかしい姿を見られることで興奮する露出狂のマゾ女なんですよ。今日も自分から男子トイレで立小便をしてるところを写真に撮ってくれ、と言い出しましてね。仕方なく、こうして付き合ってるわけです」
(うそ・・・うそよ・・・)
岡の言葉に美枝子は心の中で弱々しく反駁するが、現実にはなよなよと首を振るしか出来ない。そんな弱々しい抵抗の所作のひとつひとつに、マゾ女の雰囲気が漂っている。
「あなたもどうか近くでじっくり眺めてやってください。こいつは見られることが快感なんです」
「よ、よろしいんですか」
「どうぞどうぞ。この女もそれを望んでいます」
言われた男は、恐る恐るといった態で、美枝子に近づいてきて、横からその姿を眺めた。
(あああ、見られてる・・・こんな、こんな姿を・・・)
美枝子は首筋まで真っ赤にして、うなだれている。頭の中は沸騰したように熱く、もう何も考えられない。男の視線が美枝子の広げられた股に向かうのを感じて、両足ががくがくと震えた。ちょうど勢いを弱めていた小水が、ぴちゃぴちゃと太腿を濡らした。
「あああああ・・・・」
穴があったら入りたいとはこのことだろう。
あまりの羞辱に美枝子は涙ぐみながら、しかし一方で、美枝子は別種の感情が身体の奥底から湧きあがってくるのを感じていた。
それはくらくらと眩暈がしそうな露出の快感だった―――。
股間ではようやく恥ずかしい放水を終えた小水が、ぽつぽつと惨めな音を立てて便器へ垂れ落ちている。
岡はそんな美枝子の姿をじっと見つめていた。ノーブラの胸の中心が大きく勃起して、シャツを押し上げているのがはっきりと分かる。きっと今頃は小水とは別の液体が、股間を濡らし始めていることだろう・・・。
  1. 2014/07/08(火) 01:00:32|
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黒の凱歌 第二部 第8回

美枝子はきょろきょろと辺りを見回しながら、すがるように岡の背中へ寄り添いつつ、公園内を歩いている。
その下半身には何も着けていない。上半身にシャツを着ただけの格好で、美枝子は白昼の公園を歩いていた。何とか、前だけは隠そうとシャツの裾を手で掴んで、秘所の毛むらを覆おうとしている。
羞恥のトイレタイムが終わって、呆然としている中年男を残し、二人は今、公園に隣接したロータリーにあるタクシー乗り場へ向かっている。トイレで剥ぎ取られたスカートは返してもらえないまま、美枝子はこうして裸の下半身を必死で隠しながら、へっぴり腰で歩いている。
上着のシャツの裾は長くないので、それを掴んで前を隠すと、今度は後ろの裾が上がり、裸の尻が露出してしまう。尻にすうすうと風を感じるたび、美枝子は不安げに後ろを振り返り、泣きべそをかきながら、シャツを掴んでいないほうの手で尻を隠すのだった。
この公園は大きく、樹木も豊富に植えられている。今、二人が通っているのは、中心のグラウンドを取り巻く通路で、人通りも少ないし、道の脇に植えられた木々で、公園の外からも、グラウンドからも見られにくい。それでも、午後のひと時を楽しむ子供たちや、その母親らしき人々の声が盛んに聞こえてきて、美枝子の怯えを誘う。
「そんなにびくびくと歩いてないで、もっとしゃんとして歩けよ」
美枝子の情けない歩行ぶりを見て、岡は笑いながら、その裸の尻めがけて平手を振り下ろした。ぴしゃんっ、と小気味のいい音がする。
「ひっ! や、やめてください!」
「ふ~ん、そう言うなら俺は先に行って待ってるぞ」
岡はそう言って、歩みを速めた。岡の背に身を隠すようにして歩いていた美枝子は、慌ててそのあとを追う。
「ま、待ってください。見られちゃいます・・・っ」
「見せたらいいじゃん。露出狂なんだから、そのほうがいいんだろ。さっきもトイレでお前の後始末をしてやったとき、お前が興奮してアソコを濡らしまくるから、いつまでたっても綺麗に出来なかったじゃないか」
「・・・・・・」
「今も濡らしてるんだろうが」
岡は手を伸ばし、嫌がる美枝子の抵抗をかいくぐって、その蜜壷に指を這わせた。
「あうう」
「ほら見ろ。もうぐちょぐちょじゃないか。本当にスケベな女だな、美枝子ちゃんは」
ねっとりと濡れ光る指を眼前に見せつけられた美枝子は、頬を染め、そっと顔をうつむけた。
そのとき、一陣の風が頼りない下半身を吹きぬけ、思わず立ちすくんだ美枝子は、股間の奥がきゅっと熱くなるのを感じた。

タクシー運転手の宮下は、後部座席に乗り込んできた二人の男女を見てぎょっとした。
若いチンピラ然とした男と、黒髪を上品に結いあげた美しい年増の女である。その組み合わせだけでも異色なのに、女のほうはなんと、上半身にタンクトップのシャツを着ているだけの格好なのである。
宮下の視線をさけるようにうつむきかげんになりながら、女はシャツの裾を伸ばして股間を覆っている。その恥ずかしげな風情に、宮下は興奮して声をうわずらせながら、やっとのことで、
「ど、どちらまで行きますか」
と、聞いた。若い男がそれに答えている間も、宮下はミラーで女をじろじろと見つめていた。女もそれに気づいているのか、いっそう顔を伏せた。
行き先を聞いて走り出した後も、宮下は後ろが気になってたまらない。ミラーの中では若い男がくすくすと笑いながら、女の耳に何事か囁いていた。女は首筋まで真っ赤にしながら首を振っている。
女は若い男の愛人で、今は淫猥なプレイの最中なのだろうか。
そんなことを考えていたら、若い男が不意に声をかけてきた。
「すみません、運転手さん。今からちょっと、後ろの座席でこの女がヘアの処理をしたいと言ってるんですが、よろしいですか」
「へ、ヘアの処理と言いますと」
思わず眼鏡がずり下がった。
「今日は暑いでしょう。それでこの女、暑がりなものでスカートも履かないで家を出てきたんですが、今頃になって下の毛の処理が甘くて恥ずかしいと言うんですよ。だから、ここの座席を使って、いっそ毛を全部剃ってしまいたいと言い出しましてね。ちょっと席を汚してしまうかもしれませんが、よろしいですかね?」
「けえっ」
宮下は思わず、奇声をあげた。あげてから、がくがくとうなずいて、
「よ、よろしいですよ。お好きなようにしてください」
と言った。興奮で頭に血が昇っている。
「じゃあ、好意に甘えて・・・おい、これを使えよ」
若い男が取り出したのは剃刀と、スプレー式のシャボンだった。
「いや、ダメです・・・」
「なんでだよ。旦那が帰ったら剃らせるとこの前言っておいただろ」
男が小声で囁いているのが聞こえる。
「さっさと剃れ。嫌なら、お前だけここで放り出すぞ」
「ああ、こんなところで・・・絶対無理です・・・」
なよなよと首を振りながらも、女は剃刀とシャボンを受け取った。そうしてためらいがちに、抑えつけていたシャツの裾をそろそろと上げていく。
思わず食い入るようにミラーを見ていた宮下は、そのときちらりと目を上げた女と目が合った。女は羞恥に顔を歪めて、イヤイヤした。
「ダメです・・・やっぱりこんなところで」
小声で若い男に訴えている。
「何度も言わすな。家に着く前に剃りあげていなかったら、お仕置きだからな。それから運転手さん。ミラーでちらちら見るのはいいけど、事故は起こさないように頼むよ」
「は、はい!」
突然、男がそう声をかけてきて、宮下は動揺した。どう見ても、二十歳かそのくらいの若造になめた口をきかれて、普段ならむかっとするところだが、図星なので仕方ない。宮下は運転に集中することにした。
後ろの二人はそれからもなおも押し問答していたようだが、ついに女が折れたようだった。
しばらくして、スプレーの吹き付ける音がした。その後で、
ジョリ・・・ジョリ・・・
という毛を剃る音がしてきた。宮下は気になってたまらない。ミラーを見ると、女が上半身をかがめて、その部分を隠すようにしながら、剃毛をしているのが見えた。肩口がぶるぶると震えている。首筋にうっすらとかいた汗が、窓から差し込む光で艶めかしく輝いていた。
「横の車の子供がお前を見てるぞ。何してるんだろうって顔してるな。もっと股を開いて、何をしてるかよく見せてやれよ」
若い男が言葉で女を嬲ると、女はか細い声でうわごとのように
「「恥ずかしい・・・恥ずかしい・・・」
と繰り返しながら、それでも手を止めようとはしない。
宮下は自分が白昼夢の中にいるような気がした。夢の中で宮下は激しく勃起していた。

指定された場所から少し離れた人気のない裏路地で、若い男は車を停めるように言った。
すでに剃毛を終えて、ぐったりとしながら女は、男の胸に顔を埋めている。その震える背中に男の手が回っていた。
車を停めると、男は料金を差し出しながら、
「すいません、運転手さん。この女、ちょっと露出狂の気があるもんでね。車内でヘアを剃りながら、アソコを濡らしてちょっと席を汚してしまったみたいなんですよ」
「へ、へえ・・・それは」
「でも綺麗に剃れました。ほら、お世話になった運転手さんにツルツルのアソコを見せてやれよ」
男はそう言って、嫌がる女を前に向かせると、シャツの裾を引きめくった。
「あうう・・・」
恥じらい悶える女の股間は、男の言ったように、まるで童女のごとく、清らかな無毛の丘を晒していた。宮下は思わず「凄い・・・」と呟いていた。
「どうです。まるで幼児みたいでしょ。手触りもツルツルでなかなかですよ。あなたも触ってみてください」
「い、いいんですか」
「座席を汚したお詫びですよ。ほら、お前からもお願いしないか」
男が女をどやす。女は弱々しく顔をあげて、とろりとした表情で宮下を見つめた。
「・・・・ど、どうぞお触りください・・・」
高熱にうなされているかのように、どこか焦点の定まらない瞳で、女はうつつなく言った。
もはや興奮の絶頂にある宮下は、言われるままに震える手を伸ばした。もっこりと盛り上がった美しい白肌の丘。そこに一筋、深い切れ込みがはいっている。宮下がその切れ込みにそっと指をつけ、溝に沿ってそっと指を這わせると、
「ふああああああ・・・っ」
女は悦楽の極みといった声をあげ、上気した身体をぶるぶると揺すった。その瞬間、股間の溝から、びゅっと愛液が染み出してきて、宮下の指を汚した。
「あ、あ、あ」
ひゅうひゅうと息を洩らしながら、女はビクビクと身体を痙攣させている。その表情はたった今、絶頂を迎えたことをはっきりと告げていた。
「また、イッてしまったみたいです。凄いでしょ? こいつは本物の淫乱女なんですよ」
「す、凄い・・・・」
宮下は呻いた。イッてしまったのは女だけではなかった。すでに宮下もズボンの前目掛けて、勢いよく放出してしまっていたのである。
次第に夕闇の迫る中で、さながら夢幻の世界にいるがごとく、車内で淫らな表情を晒している無毛の女を見ながら、宮下は今更、恐ろしい気持ちになっていた
  1. 2014/07/08(火) 01:01:34|
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黒の凱歌 第二部 第9回

坂口家の居間で四人の若者たちが酒を飲んでいる。もちろん、岡、元倉、藤吉、金子の悪党四人組である。
四人がわいわいと酒を酌み交わしているその前で、今夜も酒の肴となるべく、美枝子が淫猥な「余興」をやらされている。
今、美枝子は全裸に後ろ縛りの格好で、ルームランナー上をひたすら走らされている。
ルームランナーの速度はそれほどでもないが、不自由な格好ですでに三十分も駆けさせられているので、美枝子はもはや疲れきり、汗だくとなっている。
さらに別の拷問が美枝子には与えられていた。
やっとのことで自宅へ帰りついたとき、野外での様々な露出調教の刺激で、美枝子はすでに痛々しいほど発情しきっていた。恥も外聞も忘れて岡に抱いてもらおうと身を寄せた。だが、岡はそれをあっさり拒絶し、あろうことか、美枝子をベッドの上に大の字に固定し、家を出て行った。
二時間後、やっと帰ってきた岡は、他の三人の悪友を連れていた。その中のひとり、元倉は、さらに美枝子を地獄へ追い込む淫具を持っていたのである。
インターネットで取り寄せた中国製の発情昂進薬。ひらたくいえば媚薬である。
その媚薬は、中国では古くから馬の種付けのために使われていた。つまり、薬で強制的に馬をサカリの情態にし、つがわせるのである。
だが、その媚薬は悪いことに人間にも効いた。規制がなかった時代は、若い男女が遊び半分にそれを使って嵐のようなセックスに耽り、あげくのはてはミイラのようになっても情交を続け、凄惨な死を遂げることが度々あった。原料にモルヒネ系の麻薬が使われていることもあり、近代になってその媚薬の使用は法律上で完全に禁止された。
だが、最近の世界的な「性風俗の過激化」で、それは再び脚光を集めることになった。数年前にもアメリカ人観光客に、現地の裏社会の者がそれを売りつけ、騒動になったことがある。
その媚薬は人知れず日本にも入ってきていた。それを元倉がネット経由で手に入れた。
そして今、全裸後ろで縛りで室内マラソンさせられている美枝子の股間に、その媚薬はたっぷりと塗りつけられている。その効果のほどは、汗でどろどろになって走る美枝子の身体がまるで茹でられたように火照りきり、時折転びそうになりながら懸命に走っている両足の股間から、尋常でない量の愛液が垂れ落ちていることからも分かる。
「あ、あ、あ、も、もうだめぇ―――は、はやく抱いてぇぇぇっ!」
疲れきった身体を激しく揺すりたてながら、美枝子は狂ったように喚いた。その顔は汗と涙と鼻水で凄惨な様相を呈している。股間に塗りつけられた媚薬がすでに身体中を犯し、血液中をドロドロと流れている。もはや男たちのペニスを思う存分、膣に突き入れてもらって、溜まりに溜まった欲望を思う存分解き放つこと以外、頭には何もない。
「あああんっ、く、くるっちゃうぅぅっ、おねがいですっ、犯してっ、美枝子をべちゃべちゃに汚してぇぇっ!!」
惨めな泣き声をあげながら、美枝子は凄惨な表情で哀願を繰り返す。その姿には、かつての美人妻の面影は微塵もなかった。
「おらおら、何を言ってんだ。まだ三十分しか走ってないじゃないか。一時間は走る約束だっただろうが」
「泣き言を言った罰として、あと一時間追加で走ってもらうぜ」
「いやああんっ、意地悪言わないでぇっ! もう限界なのぉ! おねがいっ、誰でもいいから美枝子とセックスしてっ、ああん、してぇっ!!」
「やれやれ、仕方ねえなあ。しかし、この奥さん、ホントにただの淫乱女になっちゃったね」
笑いながら、金子がルームランナーを停め、美枝子の縄をほどいた。自由になるのが待ちきれず、男たちにむしゃぶりついていこうとする美枝子の哀れな姿が、また笑いを誘った。
「おいおい、少しは我慢できねえのか。まったく、本物の変態だな、お前は」
「ああん、変態よ、美枝子は変態なのぉ、あ、あ、もうはやくHなことしてっ!!」
ようやく拷問から解放された美枝子は、限界まで発情した身体をぶつけるようにして、男たちに組み付いていく。男たちもすぐに服を脱ぎ捨て、我も我もと美枝子に雪崩れこんでいった。
凄まじい肉の宴が始まった―――。

二時間後。
岡は一人、宴の続く居間を離れた。
美枝子が家族の為に、毎日食事の用意に励んだ台所に立ち、携帯を取り出す。
かつての台所の主の狂ったような嬌声と、男たちの声が居間から響いてくる。
数回のコール音の後で、大宮が出た。
「よう、おっさん」
「どうした?」
「さっそくだけど、今度の土曜の夜に前言ってた計画を実行にうつしたいんだ。それでおっさんに頼んでた人集めは上手くいきそうか?」
「たぶん大丈夫だ。なにせ、たまの休みを潰してまで英会話教室なんぞへ通って、美枝子の顔を拝みにきてた連中だからな。憧れの女神の痴態が見られるとなれば、どんな用があってもすっ飛んでくるさ」
美枝子の英会話教室――二週間前から体調不良の名目で休止状態となっているが――の元生徒である中年男たち。彼らに美枝子の次の調教の「観客」になってもらおう、というのが岡の計画だった。
「じゃあ頼む」
電話を切って、岡は居間へ戻った。その頃には、さしもの若いヤンキー連中も、美枝子の過激に昂進させられた肉欲の前にへたばっていた。満足していないのは美枝子一人。萎びた肉棒をしゃぶりながら、「もっと、もっとしてぇ!」と涙まで流しながらせがんでいる。
その姿を見て、岡は自分がやったこととは言いながら、なんとなく哀切な感情が胸を湧くのを抑えきれない。幼い頃からの憧れ、自分の永遠の理想たる坂口美枝子をここまで壊してしまったことへの、後悔の混じった哀愁の気持ちだった。
居間へ入ってきた岡の姿を見て、美枝子はぱっと顔を輝かせた。もちろん、絶え間なく肢体を灼き続ける肉欲の捌け口を見つけた悦びの表情だ。
「はああっ、うれしいっ、早くあなたのものを美枝子にくださいっ!」
汗と精液でべっとりと汚れた美枝子がしがみついてくると、岡もやけくそまじりの欲望に我を忘れた。
「やってやる。今日はとことんお前のお**こを使ってやるからな」
「使ってぇっ、美枝子のアソコが擦り切れるまで使ってぇっっ!!」
地獄の業火に焼かれた男と女の、果てしない性宴はまだまだ終わりそうにない。
  1. 2014/07/08(火) 01:04:38|
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黒の凱歌 第二部 第10回

「坂口さんは単身赴任だよね? もうけっこう長かったっけ?」
「一年とちょっとですね」
豊島に聞かれて、忠明はそう答えた。
豊島は会社の違う部所で働く同僚である。階級は豊島のほうが上だが、なぜか二人は馬が合って、よく一緒に飲みに出かけていた。
その晩も二人は会社が終わってから、誘い合わせて、近くの店で一杯やっていた。
「この前、久しぶりに家に帰ったんですが、やっぱり我が家はいいですね。実は最近、仕事が上手くいかなくてイライラしてたんですが、家に帰って見慣れた妻の顔を見ていたら、それだけで救われた気持ちになりましたよ」
「それはよかったね」
「やっぱり、自分は家庭がないと生きていけない人間なんだな、と改めて思いましたよ。今でも根無し草の生活をしていたら、とてもやっていけていないと思います。こうして離れて生活をしていても、どこかで妻や子を心の支えにしているんですね」
忠明がグラスを開けながら、しみじみとそう言うと、豊島はちょっと黙って、それからほろ苦い笑みを浮かべた。
「いいね・・・坂口さんは幸せ者だよ」
「豊島さんのご家族は・・・?」
「いや、二年前に妻と別れてね」
「それは・・・申し訳ありませんでした」
「いいんだ」
忠明は恐縮した。親しく付き合ってはいたが、豊島の家庭の話を聞いたのはその日が初めてだったのだ。
「人生何が起きるか分からないね。この年になって自分が妻と別れて、一人で暮らすことになるとは思っていなかったよ。でもやっぱり、一人の生活は侘しいね。一緒にいるときは喧嘩ばかりしていたけど、今になってみるとそれもいい思い出だよ。思い出があるから、今でもこうして生きていられる気がする」
「・・・・・・」
「坂口さんには思い出だけじゃなく、今でも愛する奥さんとお子さんがいる。それは本当に幸せなことだよ。君はまだ若いから、この先もいろいろ思いがけないことがあるかも知れないけど、家庭だけは大事にしてください」
「分かりました」
豊島の滋味に富んだ優しげな瞳を見つめながら、忠明はしっかりとうなずいた。

坂口忠志は、最近とみにパソコンの画面に向かうことが多くなった。
その晩もサークルの飲み会から帰ってきて、忠志はなかば無意識にパソコンを開き、ネットに接続した。
見るサイトはもちろん「M熟女・公開露出」だ。
もはや何回見ているか分からないが、忠志はこのサイトを訪れる度に空恐ろしい気持ちになる。
母にしか見えない女性「M子」が見せる痴態の数々。
しかもサイトの管理人Sが「M子」に強制する行為は次第にエスカレートしているようだ。
今日更新されたらしい新たな画像には、「M子」が男子便所で立小便を強制されている画像、そしてどう見ても一回り以上年の離れた若者たちと濃厚なセックスに耽っている画像があった。
目元に黒い線が入れられているが、そのセックス画像の「M子」は明らかに、喜悦の表情を浮かべていた。
設置されている掲示板を覗く。
<今回アップされた分見ました。すげえ、興奮したっす~。M子の身体はエロ過ぎですよ>
<今度はもっともっと恥ずかしいことをM子にやらせてやってください。たとえばどっかの道端で見知らぬ通行人にアソコを舐めさせるとか・・・(笑)>
母に似た女に欲情している男たちの書き込みを見ていた忠志は、不意に胸がむかついてきた。パソコンを閉じて、灯りを消し、ベッドに転がる。
今度の休みには実家に帰ろう。
忠志は暗闇の中でそんなことを考えていた。

熱いお湯が身体にかかると、それだけで疲れきった身体に少しだけ生気が戻ってくる気がする。
美枝子は今、自宅のシャワーを使っているところだ。
先日の岡たちとの嵐のような乱交。その熱も冷めきらないうちに、今日は大宮に呼び出された。
前々から大宮に施されていたアナル調教。今日はその成果を試す日だった。
最初は恐怖で、後になってからは痛みで、美枝子は大宮のものを尻の穴に受け入れることに泣いて抵抗したのだったが、しばらく大宮にその部分を嬲られていると、もう新しい快感に目覚めている自分がいた。先日、岡たちに使われた妖しげな薬の効用が、まだ身体のうちに残っていたのかもしれない。
「なんだ、なんだ。やっぱり、美枝子の身体はどこででも感じるようになっているんだな」
「これなら心配ない。実はな、今度、またグラスハウスでのときのように、大勢の観客の前でお前のセックスの様子を披露することになった。そのときは口もアソコも尻の穴もすべて使って、お前の恥ずかしい姿を見せるんだ」
「分かったな」
尻を貫かれながら、美枝子はそんな言葉をぼんやり聞いていた。まるで他人事のように。
だが、今こうしてシャワーを浴びながら、その言葉を考えている美枝子の意識は、次第にグラスハウスでの出来事を思い出し始めている。
あの圧倒的な悦びと解放感―――。
牝犬のように尻を振って男たちに媚びながら、自分の性のすべてを晒す興奮―――。
思い出すだけでゾクゾクした。
浴室から出て、タオルで身体を拭こうとしたとき、そのタオルを新しいものに取り替えていなかったことに気づいた。
夫や子が自宅にいたときは、浴室のタオルは毎日欠かさず取り替えていたのに。
ぼんやりと身体を拭きながら、美枝子は刺すような哀しみを感じていた。
淫欲に爛れた生活を続けているうちに、生活の細かい部分にどんどん気がまわらなくなっていた。かつてはあれほど打ち込んでいた英会話教室も、最近ではずっと休んでいる。
自分の中で、これまで大切にしてきたもの、これだけは失うまいと頑なに守ってきたもの。
そのひとつひとつが、確実に壊れてきていた。
そして。
美枝子は夫と子供の顔を思い浮かべる。
ごくごく平凡な、でもとても幸福だった自分の人生のそのすべてをかけて愛してきた、二人。
その二人を、今、自分は失おうとしている。
そう考えたとき、美枝子の瞳に涙が溢れた。
今からでもいい。二人に何もかもぶちまけて懺悔しよう。これまでのこと、自分の今の姿、本当の姿を何もかも打ち明けよう。たとえ許してもらえなくても、このまま何もせずに破滅へと向かっていくよりはましだ。
そんな激情に取り付かれて、美枝子は裸のまま、風呂場を出た。居間の電話の受話器を取ろうとしたその瞬間、電話が鳴り、美枝子をびくっとさせた。
「もしもし・・・」
「俺だ」
岡からだった。大宮の話した件について、改めて確認するためにかけてきたらしい。
「すでに聞いているなら話は早い。やるのは今度の土曜日だ。いいな」
美枝子は―――
「はい・・・」
と答えた。
「オウケイ。それまで時間はまだる。また外に連れ出して、新しい悦びをたっぷり教えてやるから、楽しみにしておけよ」
電話が切れた後も長い時間、美枝子は虚脱したようにその場に立っていた。
濡れたままの髪の毛の先から、雫がぽたぽたと床へ垂れ落ちていた。
しばらくして美枝子は、前に岡からこれからは毎日するようにと言われた、無毛の股間の処理を怠っていたことを思い出し、また浴室へ戻った。

そして―――
時間は一ヵ月後に移る。破滅のときはもうすぐそこに迫っている。
  1. 2014/07/08(火) 01:05:43|
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黒の凱歌 第二部 第11回

その日、坂口忠明は出張で名古屋へ行っていた。取引先との商談は、思ったよりも早く終わった。予定ではその晩は名古屋に一泊し、翌日は朝一番の新幹線で福岡まで戻るはずだったが、時間の余裕が出来たので、忠明は久しぶりに我が家へ寄っていくことを思い立った。
前もって家に電話を入れることもせずに、いきなり現れて妻をびっくりさせよう。
そんな稚気溢れる考えを抱いて、我が家へと向かう電車に乗り込んだ忠明の心は、どこまでも和やかだった。
そんな忠明の心に、ふと翳りがさしたのは自宅近くの道を歩いているときだった。
あまり付き合いはなかったが、顔見知りではある近所の奥さん連中の様子がおかしいのだ。忠明の姿を見て眉をひそめたり、ヒソヒソ話をしたりしている。たまに目が合って、こちらが会釈をすると、急にそわそわとして黙り込んでしまう。
決定的なことは忠明が自宅の前で、門を開けようとしていたときに起こった。
「あんたの奥さんは牝犬以下だよ!!」
不意に背後から、そんな痛烈な言葉が浴びせかけられたのだ。
振り返ると、向かいの家の奥さんがいた。涙をいっぱいに溜めた眼を吊り上げ、肩を震わせた凄まじい形相に、気を飲まれた忠明は咄嗟に何も言えなかった。その間に奥さんはさっと身を翻して、家の中へ消えてしまった。
まさに茫然自失といった態で、忠明はしばらくその場に突っ立っていた。
<あんたの奥さんは牝犬以下だよ!!>
・・・・いったい、どういう意味だ?

夜の闇の中、忠明は自宅の玄関の前で一人うずくまっている。
妻が戻ってこない。
最初に妻を驚かせようとして、連絡をいれずに帰宅することを思い立ったとき、もしかして妻が家にいないかもしれないと考えてはいた。だが、それでもしばらく待てば帰ってくるはずだった。今日は英会話教室もやっていないはずだし、少なくとも夜の六時か、七時には・・・。
今、時刻は十一時をまわったところだ。
しかし、時間の経過も気にかからないくらい、忠明は嫌な思考に苛まれていた。さきほどの近所の奥さん連中の奇妙な態度、そして向かいの奥さんが妻を「牝犬」呼ばわりしたこと。
これはどう考えても、妻が近所の人々と何かトラブルを起こしたとしか考えられない。トラブル? あの穏和な、誰にでも優しい妻が?
妻がその美貌と溌剌とした気性ゆえに近所の男たちに人気があり、その反面で奥さん方の不評を買いがちであることは、なんとなく気づいていた。もちろん妻がそのようなことで愚痴をこぼしたり、夫である忠明に余計な気遣いをさせることなどなかったが、そこは夫婦の間柄である。別に具体的な言葉など交わさなくても、互いの心痛は手に取るように分かる。分かるはずだった。
だが、今にいたって忠明はその考えを改めざるを得ない。妻が、少なくともここ最近の妻が、夫の忠明の知らないところで、何か妙なことに巻き込まれていることは確実だった。
それはいったい何だろうか。
悩み苦しむ忠明の耳に、そのとき、夜の静寂を切り裂いて車のエンジン音が近づいてくるのが聞こえてきた。
車は坂口家のすぐ近くに停まった。ドアを開けて、人が降りてくる音がする。かすかに男と女の声がしたようだ。
忠明はそろそろと門の傍まで近寄っていった。目立たぬように外の様子を覗く。
男と女が抱き合っていた。男の顔には見覚えがあった。近所に住む中村という妻子持ちの中年男。たしか妻の英会話教室へ通っていたはずだ。
女のほうは後ろ姿しか見えない。
だが―――
忠明には分かる。
目の前で中村に抱かれている女は、妻の美枝子だった。
瞬間、忠明は頭の中が真っ白になった。
中村が口を開くのが見えた。
「ああ、名残惜しいな。いつまでもこうして奥さんの身体を抱きしめていたい」
言いながら、中村は美枝子を抱きしめる手を背中から尻へ移した。スカートを盛り上げる魅力的な尻の膨らみを、いやらしい手つきで撫でまわしている。
「それに今夜はここの穴を使わせてもらってないからね。前に大宮さんが皆の前で、奥さんのここを貫いたときの、あの奥さんの悦びようが忘れられないな。出来ることなら、私もあのように奥さんをのたうちまわらせたかった」
酔ったように言葉を続ける中村。その言葉のひとつひとつが、それまで忠明の住んでいた世界、信じていた世界を、激烈に打ち壊していく。
「まったく残念だよ。奥さんのアソコも口も実によかったけど、この熟れた尻の感触を味わいたかった」
「今度・・・」
女が口を開いた。相変わらず背を向けてはいるが、その声は少しかすれてはいたものの、まぎれもなく美枝子の声だった。
忠明はぎゅっと拳を握り締めた。掌にじっとりと汗をかいている。
「今度、私をお買いになったとき、どうぞご存分に・・・そこを使ってくださいませ」
「楽しみにしているよ。でも予約が詰まっているんだろ。次は多田さんとこのご主人か。奥さんも大変だね」
中村はそう言うと、美枝子をぎゅっと抱き寄せた。そして、その口を美枝子の顔へ近づけようとした。
忠明が黙って様子を窺っていられたのはそこまでだった。わけの分からない激情に囚われて、忠明は怒声をあげながら門から走り出た。「ぎゃっ」と情けなく叫んでのけぞった中村の襟首を掴んで、忠明はその頬に強烈な一撃を加えた。
中村は地面に崩れ落ちた。その顔は恐怖にひきつっていて、口元からは血が流れ出している。
「ご、ご主人・・・・これは」
何か言いかけようとした中村の腹を、忠明は蹴り飛ばす。ぐえっと呻きながら、中村の身体が道路を転がった。なおも追撃を加えようとする忠明の身体に、誰かがしがみついてきた。
美枝子だった。
その隙に中村は後も振り返らずに、大慌てで逃げ去っていった。
夜の静寂が、またその場を支配した。
忠明は妻を見た。息を弾ませながらも、正面からはっきりとその姿を見た。
妻もまたその大きな瞳をしっとりと見開いて、忠明を見つめ返している。
「あなた・・・・・」
呟くように、妻はそう言った。
  1. 2014/07/08(火) 01:06:35|
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黒の凱歌 第二部 第12回

夫婦は今、二人が長年の歳月をともに過ごした家の居間にいる。その部屋の家具や床に残る傷のひとつひとつにさえ、家族の歴史が刻み込まれている。
この部屋の空気は二人と息子の忠志が長年かけて作ってきたものだ。長い年月の間に、家族の洩らした笑い声、泣き声。そのすべてが調和して、今のこの空気を形作っている。世界中の他のどこにもない匂いと温かさを持った空気―――。
その空気に、しかし今夜の忠明はくつろいだ気持ちを感じることが出来なかった。
目の前には妻の美枝子が立っている。
漆黒のロングドレスに、紅のイヤリングを付けた艶やかな姿。
忠明の記憶にあるような家庭の温かさを感じさせる女性ではない、娼婦めいた艶めかしさと妖しさを持った女が目の前にいた。
もはや何もかも諦めきって死刑の宣告を静かに待つ罪人のように、美枝子はどこか疲れた表情で、何も言わずにうつむいている。
忠明は口を開いた。口の中はカラカラに渇いていた。
「何があったのか聞かせてくれ・・・・」
ともすれば、激烈な感情が迸ってしまいそうな自分を必死に抑えて、忠明はそう言った。
「・・・・・・」
美枝子は無言でそっと目を伏せた。
「だんまりを決めこむ気か? あれだけ恥知らずな行いを俺に見せつけておいて、それで済むと思っているのか?」
思わずカッとなって口走った忠明の言葉に、美枝子はびくっと身体を震わせた。傷ついた瞳で忠明を見つめ返した。
美枝子はゆっくりと、感情を喪失したような声で話しだした。
「・・・あなたには本当に申し訳ないことをしました。どんなに謝っても許されるはずのないことを、私はしてしまいました。もう、どんな言い訳の言葉もありません。・・・どうか、私と離婚してください」
「そんなことが聞きたいんじゃない!!」
忠明は怒鳴った。
「俺はお前に言い訳がしてほしいんだ! たとえそれがどんな言い訳であったとしても、お前の口から理由を説明してほしいんだよ!!」
「ごめんなさい・・・本当にごめんなさい。この償いは一生かけても」
美枝子がそこまで言ったとき、忠明の平手がその頬を強く打った。跳ね飛ばされたように、美枝子は床へ倒れこんだ。
我を忘れて妻を打ったものの、生まれて初めて妻に暴力を振るった自分自身に忠明はショックを受けた。狼狽して、倒れた妻のもとへ近寄り、手を差し伸べようとした。
美枝子はその手を払いのけた。そして叫んだ。
「触らないでください!!」
「・・・・」
「・・・私のような女に触れると、あなたまで穢れてしまいます」
まるで何かの宗教に狂信しているがごとく、美枝子は少し常軌を逸したような凄絶な顔で言った。その深く思いつめた表情に、忠明は圧倒された。
「・・・・見てください」
美枝子は静かにそう言うと、不意に服を脱ぎ始めた。
次第に露わになっていく妻の白い肌を、呆気にとられて見ていた忠明は、次の瞬間目に飛び込んできた光景に衝撃を受けた。
自然な形で優しくまろやかな線を描く妻の乳房。その頂点に位置する、紅色の乳首。その乳首にまるで牛の鼻輪のような、巨大なピアスが嵌まっていた。
さらに衝撃だったのは、妻の股間だった。そこには艶々とした漆黒の繊毛は影も形もなく、なだらかに盛り上がる肉の割れ目が、あまりにも生々しく剥きだしになっていた。しかも、切れ込みの傍らの肉唇には、乳首と同じように無機質な金属性のピアスが、両側に三つづつぶら下げられている。
美枝子は両の乳房を手ですくい上げるようにして、忠明に見せつけた。頂点の突起に取り付けられたピアスがきらりと妖しく光った。
「これが・・・今の私です。私の・・・本当の姿なのです。あなたにかまってもらう価値もない・・・」
美枝子はこわいほど真剣な顔で、忠明の瞳から目を逸らさない。
「今日、私が何をしていたか知っていますか? ご近所の中村さんと昼間からホテルへ行っていたのです。お金を貰って、その代わりに彼の望むどんなことでもしました。そうやって彼に抱かれて、何度も気をやりました。彼だけじゃありません。もうずっと前から、私はたくさんの男性とそうした淫らな関係を持っていました。そんなどうしようもない女なのです」
「美枝子・・・・・」
忠明が思わず声をかけると、不意に美枝子の瞳から涙がはらはらと零れ落ちた。流れ出したそれはなかなかとまらず、美枝子はしばらく両手で顔を抑えていたが、やがて気を取り直したように、ぐいっと手の甲で涙を拭うと、床に散らばった衣服へ手を伸ばし、再びそれを身につけはじめた。
「美枝子・・・・」
再び忠明はそう呼びかけた。呼びかけるしか出来なかった。あまりにも様々な出来事の連続で、思考も感情もばらばらになっていた。知らぬ間に自分の手の届かない未知の領域へ飛び去ってしまったような妻を、忠明は何か恐ろしいものでも見るような目で、呆然と見つめた。
娼婦の服装を身にまとった妻は、そんな忠明の瞳をじっと見返した。
「あなたと忠志と、三人で幸せに暮らしていた頃は、自分がまさかこんなふうに堕ちていくとは思いもしませんでした・・・」
ぽつりとそう言った。
立ち尽くしている忠明に、もう一度ぺこりと頭を下げ、それから美枝子は静かに部屋を出て行った。
虚脱した顔で突っ立ったままの忠明の耳に、やがて玄関の戸が開き、そして閉まる音が聞こえてきた。
  1. 2014/07/08(火) 01:07:23|
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黒の凱歌 第二部 第13回 

美枝子が失踪して一週間もの時が流れた頃、坂口忠志はようやく自宅の土を踏んだ。忠志は母の失踪を知らなかったのだ。
居間に入って彼が目にしたものは、床中に転がった酒瓶と、酔いつぶれて寝ている父親の姿だった。
「どうしたんだ、親父」
慌てて父のもとに駆け寄り、抱き起こす。父は酒臭い息を吐きながら、薄目を開けた。その目元には汚らしい目やにと、涙の跡が付いていた。
「ううう・・・」
父は何かよく分からない言葉を呟きながら、弱々しくテーブルの上を指差した。
父の指差した先には一通の封筒があった。中には一通の手紙と離婚届、それと五十万の小切手が入っていた。
忠志は手紙を広げた。見慣れた母の筆跡だった。

あなたと忠志には大変申し訳ないことをしてしまいました。
許してくれとは言いません。どうか、憎んでください。罵ってください。
そのほうが私にとっても、まだしも救いになります。
離婚届を同封しておきました。私の署名は済ませてあります。勝手なことばかり言うなとあなたはお怒りになるかもしれませんが、どうか、私のような人でなしのあばずれ女のことなどは忘れて、新しい人生を送ってください。
これから毎月、五十万円のお金をあなたへ送ります。これだけはどんなことがあっても続けるつもりです。私のような女の送ったお金など、あなたは気分が悪くて使う気にもなれないかもしれませんが、私のせめてもの償いを受けてくださることを希望します。
あなたと忠志の幸せを心からお祈りしています。
どうか御身体に気をつけて、よい人生を送ってくださいませ。
最後にもう一度書かせてください。
本当に、本当にごめんなさい。

忠志は手紙を読みながら、涙を抑えることが出来なかった。テーブルに突っ伏している父親の襟首を掴んで引き起こすと、噛み付くように言った。
「いったい、何があったんだよ! 母さんはどうして出ていったんだ!!」
父親はぼんやりとした顔で息子を見返した。やがてその瞳から、涙がぶわっと噴き出した。

忠志は今、自室のパソコン画面に向かっている。
父親の話では、ここ最近の間になぜ母が奇怪な変貌を遂げ、挙句の果てに失踪してしまったのか、まるで分からなかった。
だが、忠志にははっきりとした直感があった。
やはり、あの「M熟女・公開露出」で痴態を晒している女は母だったのだ。母は何かのきっかけで「管理人S」と知り合い、激しい調教を受け、ずるずると淫欲の沼へ引きずりこまれていったのだ。
「M熟女・公開露出」のトップページを見る。そこにはちかちかと点滅する赤文字で、「緊急告知」と出ていた。忠志はその文字をクリックする。

<緊急告知!>
いつも当サイトをご利用いただき、ありがとうございます。この度、当サイトでは、性奴隷M子の公開調教を行うことに決めました。その調教へ参加してくださる方を募集します。
参加費は有料でお一人様、三万円です。ぜひ参加したいという方は、管理人Sにメールをください。日程と場所をお知らせします。

忠志はしばらくの間、鋭い目でその文字を追っていた。それから管理人Sに参加希望のメールを送った。一時間ほどで返信があって、調教の日程と場所を知らせてきた。
次の日曜が、その公開調教の日だった。場所は東京近郊の怪しげな店である。
忠志は二階の自室から、一階へ降りた。
居間では父親が相変わらず、酒を飲んでいる。今までも仕事が上手くいかないとき、父はこうしてよく酒を飲んで気を紛らわせていたものだ。違うのは、こうしたとき、いつもその傍らに寄り添い、暖かいまなざしで父を見守っていた母がいないことだった。
母を失った父がまるで途方に暮れた迷い子のように見え、忠志の胸は痛んだ。
「親父」
忠志は呼びかけた。父はぴくっと身体を動かしただけで、返事をしなかった。
「母さんの居場所が分かった。たぶん東京にいる。俺は今から東京へ行ってくる」
「やめておけ」
父は絶望の極みといった声を出した。
「あれの様子は普通じゃなかった。お前が何といっても、もう戻ってこないと思う」
父の言葉に忠志はカッとなった。
「だからって放っておけないだろうが・・・! だいたい母さんが出て行ったとき、親父は傍にいたんだろ・・? どうして止めなかったんだよ・・・。母さんを愛してるんだろ? 見苦しくても、惨めでもいいから、母さんにすがりついて『行かないで欲しい』と言えばよかったんだよ・・・! そのほうが今みたいに飲んだくれてメソメソ泣いているより、よっぽどマシだったはずだ!!」
忠志は怒鳴った。悲しみに暮れる父に対してこんな言葉を投げつけることに罪悪感はあったが、何もかも吐き出さずにはいられなかった。
「それに・・・このままじゃ母さんが可哀相すぎるだろ・・・。どんな理由があったにしてもさ・・・。送ってきた五十万円だって、どうやって女手ひとつで稼いだっていうんだ?
これからもどうやって稼ぐっていうんだ? きっと悲惨なことになってるんだ。母さんをそんな目に遭わせて、のうのうとしていられるかよ!!」
父は顔を伏せて、何も言わなかった。その肩が小刻みに震えているのが見えた。
忠志はしばらくそんな父の姿を見ていた。荒涼とした風が心を吹き抜けていくのを感じた。
やがて忠志は居間から出て行った。
  1. 2014/07/08(火) 01:08:19|
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黒の凱歌 第二部 第14回

坂口忠明は自宅の居間で酔いつぶれながら、ぼんやりと物思いに耽っている。
何日もろくなものを食べていない身体はふらふらで眩暈がしたが、心の中はどこまでも冷えきっていた。
一昨日出て行った息子はまだ帰ってこない。
忠明はまた妻のことを考える。
一緒になってから、今年で二十年。その間に何度か深刻な喧嘩もあったが、離婚などは考えたこともなかった。妻以上の女はいない、と思っていた。結婚したときは、まだ互いに未熟な男と女であったが、その後喜怒哀楽をともにしながら、暖かい家庭をつくってきた。
二人は一本の木だった。晴れの日は喜び勇んで幹を伸ばし、雨風の吹く日はじっと頭を低くしてこらえながら、したたかに成長してきた。そして頼りなかった細木は、揺らぐことのない大木となった。
その大木が突然、無惨にへし折れてしまった―――。
所詮、永遠に続く絆など存在しないのだろうか。
日々の生活のささやかな喜びも、妻の笑顔も、やがては夢幻のごとく色あせてしまうのだろうか。
そんな考えに耽っていた忠明の耳に、いつか酒場で聞いた豊島の声が蘇った。
『人生何が起きるか分からないね。この年になって自分が妻と別れて、一人で暮らすことになるとは思っていなかったよ。でもやっぱり、一人の生活は侘しいね。一緒にいるときは喧嘩ばかりしていたけど、今になってみるとそれもいい思い出だよ。思い出があるから、今でもこうして生きていられる気がする』
『坂口さんには思い出だけじゃなく、今でも愛する奥さんとお子さんがいる。それは本当に幸せなことだよ。君はまだ若いから、この先もいろいろ思いがけないことがあるかも知れないけど、家庭だけは大事にしてください』
そう語ったときの豊島の瞳のなんともいえない温かさ、そして寂しさが脳裏に蘇る。
豊島の真摯な言葉に対して、あのとき自分は「分かりました」と答えた。
だが、現実に「思いがけないこと」に遭遇した自分は何をしているか。何もしていない。ただただ絶望して、妻を恋しがって―――酒を飲んでいる。
ゆらり、と忠明は立ち上がった。
立ち上がるべきときは、間違いなく今だった。
そのことを忠明はやっとのことで悟った。

二階の忠志の自室に忠明は入った。妻の居所の手がかりを求めて。
勉強机の上にパソコンがのっている。そのキーボードに、乱雑な文字で書かれたメモが残っていた。
忠志が「管理人S」からきたメールの内容をメモしたものだ。
それに目を通して、忠明は一階へ降りた。簡単な旅支度をして、家を飛び出す。
今日は土曜日。メモに記された日は明日だった。
忠明はもう迷わなかった。

ちょうど同時刻―――。
東京、品川にあるホテルの一室で、「管理人S」―――岡がソファに腰掛けている。
その股間に頭を寄せ、突き出した怒張に頬張っている全裸の女がいた。
美枝子だった。
もはや無念無想といった感じで口の奉仕をしている美枝子の姿を見ながら、岡は考えている。
最初に美枝子を我が物にしようとしたとき、岡はここまで事態が深刻化するとは思っていなかった。
すべてを捨てたのは美枝子だけではない。岡もだった。家族を捨て、友人を捨て、岡は今こうして、美枝子とともにいる。
生まれ育った町から姿を消した後も、大宮をはじめとする美枝子の肉に狂った男たちから、携帯に頻繁に連絡がきた。うざったくなって、岡は携帯をゴミ箱に捨てた。
もう自分には何もいらない。この女さえいればいい。
すべてを失った美枝子はまるで抜け殻のようになった。岡に魂までも渡したように、どんな命令にも従い、言われるままに淫猥な快楽に耽った。
美枝子は完全な奴隷と化したのだ。
その姿からは破滅の匂いがした。
それでもいい、と岡は思っている。ならば自分もともに破滅していこう。
ただし、その前にこの世の誰も味わったことのない快楽を存分に味わいつくしてからだ。
蝋燭が燃え尽きる前にその輝きを強めるように、岡は邪悪な欲望をいっそう燃やした。
不意に大きくなった肉棒を一度吐き出してから、美枝子はまた器用にそれを飲み込んでいった。
  1. 2014/07/08(火) 01:09:07|
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黒の凱歌 第二部 第15回 

「管理人S」が公開調教の場として指定した店―――どうやら非合法の秘密クラブらしい―――「ヴァニティ・フェア」の前に坂口忠志が立ったのは、日曜日の夜十時をまわった頃だった。
この数日間、周辺をうろついて母の姿を捜し求めたのだが、とうとうその姿を発見することは出来なかった。こうなれば仕方ない。その公開調教の席とやらで、どんなことをしても母をつかまえて連れ戻そう。忠志はそう決意した。もしかして必要になるかもしれないと考えて、忠志は護身用のナイフをジャケットに潜ませてすらいる。
三万円を払って「ヴァニティ・フェア」の薄暗い店内に通された。途中でボーイにマスクを渡された。マスクはレスラーのかぶるような顔全体をすっぽり覆うもので、鼻と口の部分にだけ穴が空いている。
店内は薄紫の間接照明の海だった。インド楽器のシタールらしい、陰々滅々とした演奏が不気味なメロディーを奏でている。
いかにも妖しげなムードだった。その中で、マスクをかぶったたくさんの男たちが、ショーの始まりを今か今かと待っていた。
前方には客席より一段高い場所にステージが設けられていて、背後には緋の緞帳が垂れている。前列の客たちはまだ誰もいないのに、ステージに身を乗り出して、時折揺れ動く緞帳を興奮した表情で眺めていた。遅くに入った忠志は、列の一番後方に立っている。
不意にシタールの演奏が終わった。
緋の緞帳を割って、金髪の若い男が出てくる。
その顔に忠志は見覚えがあった。
幼馴染の岡祐樹だった。
驚きに打たれる忠志の頭の中で、春ごろに母と電話で話したときのことが蘇る。あのとき母は今度、英会話教室に岡が入会したいと言ってきたと話していた―――。
(そうか・・・・こいつが)
(岡祐樹が管理人Sだったのか)
岡はステージ上で、マイクを片手に喋り始めた。
「本日はたくさんの方にお集まりいただいきまして、ありがとうございます。皆さんもすでにご承知のように、我らが性奴隷M子は重度の露出狂にして変態のマゾ女です。今日はたくさんの皆さんの目で、M子の恥知らずの牝犬ぶりをたっぷりと視姦してやってください。もちろん―――」
岡はそこで言葉を切り、観衆に向かって不気味な笑みを見せた。
「それだけで終わることはありません。時間の許す限り、出来るだけ多くの方にM子の淫猥極まりない肢体を味わっていただこうと思っています」
その言葉に熱狂した観衆が、割れんばかりの大歓声をあげた。忠志はぎゅっと拳を握り締めた。
「それではM子の登場です」
岡はそう言うと、ステージの横に移動した。スポットの光がステージの中心に落ちた
緞帳を割って、一人の全裸の女が現れた。いや、全裸ではない。首には黒い皮製のごつい首輪を付けていた。いかにもSM嬢が着るようなボンテージの黒ブラジャーを付けていて、乳房が丸くくり抜かれたように前へ絞り出されている。股間にもボンテージ風の、鎖がじゃらじゃらと付いた衣装を着ているが、尻も股間も肝心な部分はすべて剥きだしであった。
女はスポットの光に入った。改めてはっきりとその姿が観衆の目に晒される。光に照らされて輝く両の乳房にまたがって、マジックインキの不細工な文字で「牝」「犬」と書かれているのが見える。乳首の先にも、そして無毛の股間の肉ビラにも金属製のピアスがぶらさがっていた。
どこからどう見ても、SMプレイ専用のマゾ娼婦といった趣の女だった。最初はどよめき、沸きたった観衆も、今はただただ息を呑んで淫の化身のような女の姿を眺めている。
(母さん・・・・・)
覚悟はしていたが、今初めて実物を目にし、その女が母親であることを確認した忠志は、足ががくがくと震えるのを抑えることが出来なかった。あの暖かく、優しく、そして時に可愛らしかった母が、どうしてここまで変わってしまったのか。変えられてしまったのか。
人知れず慟哭する忠志の耳に、岡の残酷な進行はつづく。
「さて、皆さんにお前の淫らな肢体をご覧になっていただいたところで、M子の挨拶へいきたいと思います」
「うあ・・・み、皆さん」
「違う」
岡がいつの間にか手にしていた皮の鞭で、母の突き出た乳房を打った。「ひんっ」とか弱い悲鳴をあげて、母はのけぞった。
「さっきあれほど教えこんだだろうが。M子、お前はいったいなんだ?」
焦点の合わない瞳を岡へ向けて、母はとろりとした表情で答えた。
「・・・・め、牝犬です・・・・マゾの牝犬です」
「なら牝犬らしいポーズをとって、きちんと皆様にご挨拶をしろ」
「は・・・い・・・」
母はゆるりと観衆の方に向き直った。まるで四股を踏むかのように股を大きく広げていき、そのまま地面すれすれまで腰を落した。両手はグーにして乳房の脇まで持ち上げ、そこから動かさない。
牝犬のポーズ―――チンチンの格好だった。
女の隠しておきたいところをすべて観衆に晒したまま、母は教え込まれたらしい口上を述べていく。
「本日は淫乱マゾ牝M子の調教にお集まりいただき、本当にありがとうございます。今日はM子の口もお**こも尻もすべて使って、皆様方に全身全霊のご奉仕をさせていただきます。どうか、皆様でこのM子を思う存分おもちゃにして、M子の淫らに火照った肢体の熱を静めてくださいまし」
言い終わると母は腰を突き出し、割り裂かれた無毛の股間を見せ付けるように、うねうねと揺すりたてた。腰が動くのに合わせて、むっちりとした太腿の肉がぷるぷると震えるの見えた。
そのあまりにも淫靡な姿に、観客の熱気はさらに高まった。もっと近くで女の姿を見ようと、男たちの列は押し合いへしあい、どっと前へ進んだ。
「母さん――――母さん!!」
我を忘れて忠志は叫んでいた。無我夢中でステージに駆け上がろうとするが、興奮の極みにある男たちの背中に阻まれて、どうしてもたどり着くことが出来ない
「それではM子のご挨拶も済んだようですので、最初の余興へ移りたいと思います。皆さんに見られることでM子も興奮して、アソコをじっとり濡らしているようです。どうです?
 この勃起した乳首」
言いながら岡は、母のピアスをぶら下げた乳首をぎゅっと握った。すでに痛々しいほど勃起しきっていたそこを、乱暴に握り締められて母は悲鳴をあげた。
「あは・・・あ・・・」
「どうだ、M子? 一度気をやりたくてたまらないんだろ?」
岡がいやらしい声音でそう問いかけると、母はがくがくとうなずいた。
「気を・・・・やらせてください」
「じゃあ、まず自家発電で思いきりイクところを皆さんに見てもらおうな」
「はい・・・M子のはしたなく気をやるところを・・・ご覧になってください」
美枝子は快感に濁った瞳で、観客のほうを見てそう言った。その瞳には息子が客席で苦悶している様子など映っていない。露出の快感、被虐の悦楽で美枝子の頭は霞がかったよう。一匹の牝犬と化して、肉欲を満たすことしかその脳裏にはもはやない。
岡はそんな美枝子の勃起した両方の乳首をテグス糸でぴんと縛りつけ、結びつける。さらにその糸を股間に伸ばし、こちらも勃起しきっているクリトリスに結びつけた。女体の一番敏感な部分を結ぶ淫の三角形が完成する。
「ううううううっ!」
痛みの混じった凄まじい快楽の刺激に、美枝子は顔を歪めて悶えている。
「さあ自家発電で思いきりイッて見せろ。さっき教えたように、牝犬のやり方でな」
「は・・・ひ・・・」
美枝子はよだれをたらたらと流す口元から、赤い舌を出した。そのまま、まさに牝犬のごとく舌を出しながら「はっ、はっ」と息を吐きつつ、テグスで縛られた身体を上下に揺さぶりたてる。豊満な乳房がぷるんぷるんと揺れる度に、ぎゅっと絞りたてられた乳首と、それに連結したクリトリスが激しい刺激を受ける。
「ひあ・・・っ、あう、あう、あうううっ!!」
「イケ! はしたなく気をやるところを見せてやれ!」
「あぐぐぐぐ・・・・はあぁ~、イクぅ! あんあんあんっ、イキますぅっ!!」
どろどろと愛液を垂れ流しながら、美枝子が身体中をぶるぶると痙攣させて絶頂に達したのと、忠志がようやくステージの傍にたどり着いたのはほぼ同時だった。
「母さんっ!!」
  1. 2014/07/08(火) 01:09:57|
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黒の凱歌 第二部 第16回 

一声叫んでステージ上に駆け上がった忠志は、横で待機していたらしい警備員の男に取り押さえられた。それでもばたばたと忠志はもがいたが、警備員の太い腕に取り押さえられた身体はそれ以上前に進まない。
激しいアクメの末に弛緩した身体をぐったりと床へ横たえさせていた美枝子は、不意の闖入者をぼやけた瞳で見た。次第に意識がはっきりしてきて、その闖入者がまぎれもなく自分の息子であると悟ったとき、美枝子は悲鳴を――悲鳴ともいえない、動物的な叫び声をあげた。そのまま床に突っ伏して両手で顔を抑えると、まるで幼子のようにえーんえーんと声をあげて泣き始めた。それ以外、美枝子に出来ることはもはや何もなかった。
岡は最初さすがに驚いた顔で、忠志を見た。それからしばらく何か考え込んでいるように黙っていたが、やがてぞっとするような陰気な笑みを浮かべた。
「久しぶりじゃないか、忠志」
「母さんを返せ!! お前だけは絶対に許さないぞ!!」
押さえつけられた身体をじたばたさせながら忠志は叫ぶ。
「美枝子はもうお前のお袋なんかじゃないよ。俺のものだ。俺の奴隷だよ。そうだな、美枝子?」
岡に呼びかけられた美枝子はびくっと背中を震わせたが、そのまま身体を起こすこともせず、「見ないで・・・見ないで・・・」と泣きながらうわごとのように呻いている。
岡はそんな美枝子に背後から近づいていき、ぐいっとその肩をつかんで顔を引き起こした。涙でぐちょぐちょになった母の顔が、忠明と観衆の前に晒された。
「もう、この女は普通の生活には戻れない。変態的な生活にどっぷり浸かって、本物のマゾ女になったのさ。そうだよな、美枝子」
「あ・・・あ・・・・」
「それでは気の毒な息子の忠志くんへの餞別をやろうか。母親が目の前でファックされて気をやるとこを見せてやろう」
岡はそう言うと、美枝子の尻を掴んで、ぐいっと自分のもとに引き寄せた。そしてズボンのチャックから取り出した怒張を、美枝子の秘孔にあてがう。
「や・・・やめて・・・・」
「股ぐらをこんなにべとべとに濡らしたままで、何を言ってるんだ。そうか、美枝子は露出狂だからな。息子の前でやられることに興奮しているんだろ? 息子の前でズコズコとお**こを突かれて、派手によがりたいんだな?」
「お許し―――それだけは許して!」
美枝子ががくがくと頭を揺すりながら抵抗するのを軽くいなして、岡は肉棒を秘所に突き入れた。
「あぐうう」
「ははは、入れた途端に、お**こがきゅっと俺のものを喰い締めてきたぞ。よっぽど期待していたようだな。忠志、お前の母さんはよっぽどの淫乱だな」
「もうやめろ・・・・やめてくれ・・・っ」
忠志は泣いていた。目の前で犯されている母の姿を見ながら、忠志は生まれて初めて絶望という言葉の意味を知った。
岡はそんな打ちひしがれた忠志の様子を小気味よさそうに眺めながら、美枝子の髪を掴んで頭を引き上げ、母のよがる顔を息子にいっそう見せつけるようにした。同時にいよいよ激しい勢いで、バックから美枝子を貫いた。美枝子の肢体には、まだ先ほどのテグスが付けられたままだ。乳首を締め付けられた乳房をぐいぐいと揉みたて、絞りあげられたクリトリスを巻き込みながら、猛り立った怒張で膣内をずんずんと突き上げる。
「あ、あ、あ」
岡の赤黒い怒張がずんと激しい一突きをくれる度、母の裸体が揺れ、その口から悦楽の呻きが洩れるのが、涙で曇った忠志の瞳にはっきりと映った。
観客たちも息を呑んで、不意に始まった背徳のショーに見とれている。
「はああ~、だめっ、これ以上は・・、ゆる、ゆるしてぇ・・・っ」
美枝子が泣き声をあげる。
「おやおや、もうイキそうなのか。本当に堪え性のない、淫らな肢体だな。じゃあ、さっきよりももっと激しくイキな。お前の本性を息子に見せつけてやれ」
「いやぁ~、そ、そんなことっ、あはぁぁぁっ、ひっ、ひっ、だめぇ・・・っ」
「ふふふ、口ではそんなことを言っていても、もうイキたくてイキたくてたまらないんだろ。そら、そら」
岡は薄く笑いながら乳房を鷲づかみにした手指で、勢いよく乳首を擦りあげた。
「あああああああ」
快楽に狂った凄まじい形相の母の口元からよだれがどろりと垂れた。
「イケ! 息子の前ですべてを晒して見せろ!」
「うああああ、も、も、ダメぇぇ、あうあうあうイクッ、イッちゃうっ!!」
忠志は見た。肉の悦びに蕩けきった顔が引き攣り、白目まで剥いて激しい絶頂を迎えた母の顔を。ぶるぶると身体を震わせながら、ぐにゃりと崩れ落ちていく、その様を。

美枝子は床に倒れ伏している。両足と両股を広げきったあられない格好で。まだ岡のものを喰い締めているかのように、時折、尻がぴくぴくと痙攣しているのが見える。
岡は満足げな顔でそんな美枝子を仰向けにし、その乳首とクリトリスを痛めつけていたテグスをようやく外してやった。
それから、忠志を見た。
「見てのとおりだ。お前の母さんはこんな女なんだよ。もうお前の知っているお袋はどこにもいないんだ。分かったら、さっさと帰るんだな」
忠志は―――
がっくりと肩を落していた。表情は虚ろで、もはや岡の言葉が聞こえているかどうかすら定かではない。
それを見て、岡は冷酷な笑みを洩らした。
警備員に忠志を連れ出すように言い、岡は背中を向けた。
そのときだった。
すべての力を失ってしまったかのようだった忠志が、恐ろしい勢いで警備員を突き飛ばした。そのまま、獣じみたうなり声をあげて岡に向かい、突進した。
その手にはジャケットの裏に潜ませておいたナイフが握られていた。
振り返った岡が驚愕の表情を浮かべる。
そのときだった。
跳ねるようにして起き上がった美枝子が、岡を突き飛ばした。
だが、勢いよく突き出されたナイフの刃先を、忠志はその瞬間に止めることが出来なかった。
「美枝子っ!!」
岡の叫びを忠志は背中で聞いた。
一瞬後―――。
忠志は自分の手が血にまみれているのを見た。そして恐怖で身体を凍らせながら、振り返った。
母が倒れていた。その腹に深々と突き刺さっているナイフ―――。
「うあああああ」
忠志が叫んだのと、観客の狂ったようなどよめきとはほぼ同時だった。パニックになった観客たちは、我先にその場を逃げ去ろうと入り口に向かった。
阿鼻叫喚の地獄の中で、ステージに残ったのは三人だけ。一人は血を流し、倒れている。
忠志は虚脱していた。
岡も虚脱していた。
時間は完全に止まっていた。
そのとき、どよめき逃げ出す男たちとは逆に、その部屋へ入ってくる人影があった。

美枝子は薄れゆく意識の中で、どこか安らいだ気持ちを感じていた。
これでやっと終われると思った。
肉に負け、心に負け、家族まで捨てた自分。
死んで当然だった。この汚れきった肉体は、もはや滅するより他に救われることなどはあるまい。
だが―――
ひとつだけ心残りがあった。
最後に。
最後に一目だけでも。
「美枝子・・・・・」
暗闇の中で声がした。
美枝子は薄目を開ける。
懐かしい夫の顔がそこにあった。
美枝子は満たされた。夫に向かってにこっと笑いかけた。
それから美枝子は深い闇へと沈んでいった。
  1. 2014/07/08(火) 01:10:59|
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黒の凱歌 第二部 最終回 

一週間後―――。
白い病室で意識を取り戻したとき、美枝子がまず目にしたものは、自分の胸元にすがりつくようにして泣いている息子の姿だった。
「母さん・・・母さん・・・・」
美枝子は優しい瞳で息子を見た。弱々しく手を伸ばして、その顔に触れた。
忠志は涙にまみれた顔をくちゃくちゃにして、また泣いた。
顔を上げると、夫が病室の隅で白衣の医者と話をしているのが見えた。話しながら夫はちらりと美枝子を見た。
美枝子は顔をうつむけた。夫の顔をまともに見ることが出来なかった。それは辛すぎた。
シーツの下で、傷口がずきんと痛んだ。

あの騒ぎののち、美枝子が病院に運ばれた後で、岡は警察に自首したのだそうだ。
美枝子を刺したのは自分だ、と岡は警察に言ったという。そして過去のこと、美枝子を犯し、調教し、強制的に売春までさせたことをすべて話した。
岡の自白により、大宮を含む近所の男たちも、そうした犯罪に関わったとして一斉に検挙された。
マスコミは大々的にこの事件を報道し、病院の外では大変な騒ぎになっている、らしい。
美枝子は考えている。
自分はどうしてあのとき、岡をかばってナイフに刺されたのだろう、と。
結局、美枝子にとって岡とは、自身の弱さそのものだったのかもしれない。
あれほど酷い目に遭わされながら、美枝子はそれでも岡から離れられなかった。夫のもとから去り、家を飛び出した後でまた岡のもとへ行った。
美枝子が心の奥深くに隠し持っていた欲望。
自分自身すら知らなかったそんな欲望を、岡は白昼の下に晒してみせた。
そのことで美枝子は悩み苦しみ、最後には考えることすら放棄してしまった。すべてを岡に委ね、支配されることでどこかに安定を見出していた。
自分が弱い人間だったからだ、と美枝子は思った。岡はそんな美枝子の弱さにつけこんだのだ。

忠志は毎日病室へやってきては、何かと美枝子の世話をやいた。
誤ったこととはいえ母親を刺してしまったことが、母の知られざる女の部分を見てしまったことよりも深く、忠志の心を傷つけているようだった。
自分は周囲の人を傷つけてばかりいる、と美枝子は思う。何よりも大切な人たちの気持ちをずっとずっと踏みにじってきた。すべて自身の弱さゆえのことだ。
そして今―――
美枝子は最も深く愛し、最も深く傷つけた人物の背中を見つめている。
夫の忠明は、美枝子の意識が冷めてからも一言も責めることをしなかった。というより、あまり口を開くこともなかった。ただただ哀しそうな笑みを浮かべて、横たわる美枝子を見守っては家へ帰っていった。美枝子も夫に語りかける言葉を持っていなかった。
今も忠明は見舞いにきたものの、話す言葉を見つけられず、美枝子に背を向けて座り、病室の窓から見える風景を眺めている。
美枝子はその背中をぼんやり見つめていた。
不意に涙が溢れてきた。そっと身体を起こして、後ろから忠明の身体にそっと顔を押し付けた。
「ごめんなさい・・・・あなた・・・ごめんなさい・・・」
美枝子はかすれる声で、何度も何度もそう言った。
忠明はゆっくりと美枝子のほうに向き直った。そしてその身体をしっかりと抱きしめた。

今日は退院の日だ。
世話になった医者や看護婦に礼を言い、美枝子は忠明と一緒に病院を出た。忠志は詰め掛けたマスコミ陣を撒くために、ダミーの看護婦と一時間ほど前に病院を出ていた。
病院の玄関を通り抜けると、外は眩しいほどの陽光が溢れていた。
久しぶりに見る外の世界。美枝子は少しだけこわいと思った。
これからいったい何が待っているのだろう。
だが―――
美枝子はもう知っている。たとえ弱い人間であっても、時には全身全霊を賭けて戦わなくてはならない瞬間があることを。
ふと気づくと、傍らで夫が心配そうにこちらを見ていた。
美枝子は夫に微笑み返した。精一杯のありがとうとごめんなさいの気持ちをこめて。
夫も笑い返してくれた。
そして―――
夫婦はともに歩き出した。
  1. 2014/07/08(火) 01:12:09|
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女友達と妻 第1回

マンションに引っ越して以来、私と妻が最も親しくしている住人に
玲子さんという女性がいます。

元々は自治会の役員を一緒にやったのがきっかけだったのですが、
玲子さんは女性ながら新しいマンションの出来たばかりの自治会の
中心人物として、事務局としての仕事以外に自治会主催の模擬店を
妻と一緒に運営するなど、大活躍でした。

玲子さんは私と同い年(ですから、始めてあった時は30代半ばで
した)でしたが、日頃バレーボールで鍛えているためか若々しく、
またそのエネルギーにはしばしば圧倒されるほどでした。

容姿は女優さんにたとえるなら天海裕希に似た、切れ長の目が印象
的な美人です。私の妻も身長は165センチとかなりの長身ですが、
玲子さんはそれ以上で168センチと、私と同い年の女性としては
相当の高さです。その点も宝塚の男役を思わせます。

だからというわけではないのですが性格も男っぽく、着るものもジ
ーパンにTシャツというスタイルが殆どです。しかしながら妻と違
ってオッパイが大きく、Tシャツの下で窮屈そうに布地を押し上げ
ている玲子さんの胸を目にすると容姿にはアンバランスな女っぽさ
を感じさせ、ドキッとするほどでした。

といっても私と玲子さんの間には色っぽい話は一切なく、どちらか
というと男友達のような感覚で付き合っていました。子供もわが家
と同じ男2人ということで、共通する話題が多かったこともありま
す。

玲子さんのご主人はプラント関係で海外への長期出張が多く、私と
はあまり顔を合わせませんでしたが、玲子さんとの夫婦仲はすこぶ
る良いようでした。

玲子さんの生活に激変が訪れたのはこの物語から3年前のことです。
ご主人が出張先の交通事故で急死したという知らせが舞い込んだの
です。

すぐに子供とともに赴任地へ飛んだ玲子さんが、夫の遺骨とともに
帰国したのはそれから一週間後のことでした。遺体は損傷が激しい
ということでそのまま持って帰れず、現地で荼毘にふしたとのこと
でした。子供たちに最後のお別れをさせて上げることが出来たのが
せめてもの慰めだと後になって玲子さんは妻に話したそうです。

葬儀にはもちろん私も出席しましたが、参列者の多さに驚きました。
玲子さんのご主人もさることながら、玲子さん自身も交友関係の広
さを改めて認識させられました。喪主として気丈に振舞っている玲
子さんの姿が印象的で、またお父さん子の2人の男の子が涙をこら
えている様子はこちらまでもらい泣きしそうになりました。

その後2年ほどは玲子さんの表情から笑いが消え(無理をした作り
笑いはありましたが)、妻も随分彼女のことを心配しました。しか
し1年ほど前からは徐々に玲子さんは明るさを取り戻し、私を見か
けても以前のように自分から元気そうな声をかけてくれるようにな
りました。

ちなみに玲子さんのご主人は十分な生命保険をかけており、しかも
業務中の事故ということで会社からは相当の保証金が降りたとのこ
とで、当面の生活に困ることはないようでした。しかし、玲子さん
はご主人が残したお金には出来るだけつけないようにしたいそれま
でのパートの仕事をフルタイムに変えました。

妻が玲子さんに誘われて地域のバレーボールクラブに入るようにな
ったのはちょうどその頃です。元々玲子さんはクラブの世話役のよ
うな立場だったのですが、ご主人が亡くなってからしばらくはその
ような気分にもなれず、活動から離れていたようです。妻がバレー
ボールをするのは中学校のクラブ活動以来ということですが、久し
ぶりに身体を動かす楽しさと、玲子さんの「社会復帰」の手助けに
なるということで、積極的に参加するようになりました。

仕事の時間も増え、バレーボールクラブに復帰したため休日は練習、
これに加えて2人の男の子の子育てと玲子さんは一気に多忙になり
ましたが、忙しくしている方が亡くなったご主人のことも考えるこ
ともなく、玲子さんの生活は充実しているようでした。

玲子さんの変化に私が気が付いたのは春の終わり頃でした。私と妻
が買い物に行くために駐車場に降りた時、玲子さんと出会いました。

「こんにちは、お久しぶりです」

にこやかに挨拶する玲子さんを見て私は少し驚きました。まだ肌寒
さを感じる季節に、上はTシャツ一枚というのは彼女らしいと言え
ば言えるのですが、問題はボトムです。その頃ようやく流行り出し
たばかりのローライズのジーンズで、若い娘ならともかく、玲子さ
んのような年齢の女性がはくのを見るのは滅多にありませんでした。

いかに若々しく見えるとはいえ私と同い年ですから42歳です。T
シャツの下からチラチラと覗く肌が妙に媚めかしく、私はどぎまぎ
してしまいました。いつもあっさり目だった化粧も心なしか濃くな
っているようで、ショートの髪の色もかなり明るくなっています。
元のつくりが良い玲子さんですから引き立つのですが、私は玲子さ
んに妙に女を感じてしまいました。それでマンションへ向かう玲子
さんの後ろ姿、特に格好の良いお尻のあたりをつい目で追ってしま
います。

「何を見とれているの、あなた」

妻は肘で私の脇腹をドンとつきました。

「い、いや……何でもないよ」
「玲子さんのお尻に見とれていたでしょう」
  1. 2014/07/15(火) 11:45:09|
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女友達と妻 第2回

妻と玲子さんは親しい友人ですが、玲子さんの方が3つ年上という
こともあって、妻は「玲子さん」と呼んでいます。玲子さんの方は
妻のことを親しみを込めて「紀美ちゃん」と呼んでいます。

「馬鹿いうな」

私はわざと怒ったような声を出します。

「玲子さんをそんな目で見る訳はないだろう」

まさに「そんな目」で見ていたのですが、妻はそれまでの私と玲子
さんの男友達のような関係を知っているからか「そうね」とあっさ
り納得します。

「若い娘が着るようなジーパンをはいているからちょっと驚いただ
けだ。いつもと違ってお化粧の感じも随分変わっているし」
「玲子さん、彼が出来たのよ」
「何だって?」

妻の意外な発言に私は思わず聞き返します。

「バレーボールクラブのコーチをしている人。遠藤さんっていうの」
「前から知っている人か?」
「いいえ、玲子さんがクラブを休んでいる間に新しく入ったコーチ
よ」
「お前も玲子さんと一緒にバレーをやっているんだよな。どういう
人なんだ?」
「あら、気になるの」

妻が悪戯っぽい目で私を見ます。

「気になるって……玲子さんとは亡くなったご主人を含め家族ぐる
みのお付き合いだ。気になるのも当たり前だろう」
「冗談よ」

妻は楽しそうに笑います。

「いかにもスポーツマンタイプの爽やかな感じの人よ。年は、そう
……私よりも5つくらい下かしら」
「えっ」

妻より5つ下ということは、私と同い年の玲子さんとは8つ違いと
いうことになります。

「まだ30代前半ってことか」
「そうね……そういえば玲子さんよりは随分年下ね」

妻はのんびりしたもので、初めて気づいたように言います。

「でも、最近はそんなカップルも珍しくはないわ。玲子さんも若々
しいし」
「しかし……」

私はなんとなく腑に落ちません。男勝りで毅然とした玲子さんと、
8歳も年下の男の組み合わせというのが彼女らしくないと感じたか
らかも知れません。

「それに、遠藤さんってどことなく、なくなった玲子さんのご主人
に似ているの」
「へえ……」

私はそこで始めて納得したような声を出しました。

「お前はどうなんだ。若いコーチに色目を使ったりしていないだろ
うな」
「あなたこそ馬鹿なことは言わないで」

私は妻をからかいながら牽制しましたが、妻は相手にしません。

玲子さんはご主人のことを深く愛していたことは間違いありません
が、亡くなって2年以上がたち、寂しさを埋めるような存在が現れ
たとしても不思議ではありません。ましてご主人に似た男性という
ことでしたらなおさらでしょう。

玲子さんのご主人が亡くなってから、私は時々男でなければ難しい、
たとえば大きな家具を動かしたり、パソコンの設定をしたりという
仕事を玲子さんの家でこなしたことがあります。私は玲子さんに幸
せになってもらいたいと思う反面、彼女が遠くに行ってしまうよう
な寂しさを感じていました。

その時私は、この遠藤というまだ見ぬ男のために、玲子さんだけで
はなく私の妻までもがとんでもない体験をすることになるとは思っ
ても見ませんでした。

会社から帰った私に、妻が言いにくそうに話を切り出したのは、夏
の初めの頃でした。

「あなた……玲子さんのことだけど」
「彼女がどうかしたか」

私はスーツの上着を脱ぎ、ネクタイを外しながら聞き返します。

「ちょっとおかしな噂を聞いたの」
「噂?」

私は妻の方を向き直ります。
  1. 2014/07/15(火) 11:47:13|
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女友達と妻 第3回

「うちと同じエントランスの中島さん……彼女、今自治会の役員を
しているの。玲子さんのところが自治会費の納入がずっと滞ってい
るということで、昨日催促に行ったらしいの。ドアのチャイムを鳴
らしたら玲子さんが出て来たんだけれど……」

妻はそこで言いにくそうに言葉を切ります。

「どうしたんだ?」

私はじれったくなって先を促します。妻の話は(女の話は往々にし
てそうなのでしょうが)なかなか結論に到達しないので、聞いてい
て苛々してしまいます。

「その……ビキニの水着姿で出て来たんですって」
「なんだって?」

私はさすがに驚きます。

42歳の女性が家の中とはいえ、ビキニの水着で過ごすでしょうか
。たまたま来客があった時にシャワーを浴びており、裸にバスタオ
ルを巻いて出て来たという方がまだありそうです。

「日光浴でもしていたのかな」
「まさか……昨日は一日中雨よ」
「そうだった……」

どういうことでしょう。先日見かけたローライズのジーンズ姿とい
い、不審なことが続きます。玲子さんの新しい彼、遠藤という男と
何か関係があるのでしょうか。

「しかし、噂は噂だ。本人に確認した訳じゃないだろう。それに、
たまたま買って来た水着を試しに着てみたところかもしれないぞ。
ほら、若い恋人が出来たと行ったじゃないか。そいつと一緒に海に
行くつもりかもしれない」
「それだけじゃないの」

妻は話し続けます。

「少し前だけれど、スーパーで買い物をしている玲子さんを見かけ
たの。声をかけようと思ったんだけど……」
「誰かと一緒だったのか」
「ううん……そうじゃなくて、その時の格好なの。若い娘が着るよ
うなタンクトップに、ジーンズを股下で切ったようなパンツ……あ
れは驚いたわ」
「若い彼の趣味かな?」
「それにしても極端よ。あれじゃまるで……」

妻は言いかけて言葉を飲みました。親しい友人に対してやや侮蔑的
な表現を使いそうになって、さすがに気がさしたのかも知れません。

「玲子さんはいつも色気のない格好をしていたからな。だからかえ
って目立つのかもしれない。まあ、彼女もたまには冒険したい時が
あるんだろう」

私は妻の懸念を軽く受け流しました。実際、その後妻の口からは玲
子さんの服装に関する話題は聞かなくなりました。私もいつしか仕
事の忙しさに紛れ、玲子さんのことは頭から消えていきました。

私が妻の最初の変化に気づいたのはそれから暫くたっての休日のこ
とです。ソファにすわって新聞を読んでいた私の前で、妻が洗濯物
を畳もうとしてしゃがみこみました。

後ろを向いた妻のジーンズとシャツの間から大きく肌が露出し、白
いレースの縁取りをしたパンティの上部までが丸見えになりました。
私は驚いて新聞を置きます。

「おい……下着が見えているぞ」
「え?」

妻が振り向いて小首を傾げます。

「ああ……見えていてもいいのよ。そういうデザインなの」

妻は平然としています。

以前玲子さんがはいていたようなローライズのジーンズです。スタ
イルのよい玲子さんの場合はお洒落な感じがありますが、お尻が大
きな妻がはいていると妙な媚めかしさが先にたちます。

「外へもその格好で行くのか」
「おかしいかしら? みんなはいているわよ」
「渋谷あたりを歩いている若い娘だけだろう」
「そうかな?」

妻は自分の姿がそれほど抵抗がないようです。

妻は人一倍羞恥心が強く、若いころから例えばビキニの水着など、
私が勧めても決して着ようとはしませんでした。それがしゃがみこ
むとお尻の割れ目まで見えそうなローライズを平気ではいていると
いうのが私には分かりませんでした。

「玲子さんもはいているわよ」
「それは知っているが……玲子さんに選んでもらったのか?」

妻はにっこりして頷きます。妻はパートの帰りなど玲子さんと一緒
に買い物に行くことが度々あるようです(玲子さんと妻の勤め先は、
部署こそ違いますが同じ銀行の本店です)。

「あなた、この間玲子さんのお尻に見とれていたでしょう。それを
彼女に話したら、それは大変。ご主人を私に取られる前に、紀美ち
ゃんも買いなさい、って」
  1. 2014/07/15(火) 11:48:37|
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女友達と妻 第4回

妻はあくまで無邪気です。

「玲子さん、お洒落になったわよ。この間なんか随分大胆なミニの
スーツを着ていたけれど、彼女、足が長いからすごく似合ったわ。
女優さんみたいだった」

妻がやや興奮して話します。

「女は年を取ると地味な格好をしてますますオバサン臭くなるけれ
ど、かえってお洒落をしないと駄目ね。私も玲子さんを見習わなく
っちゃ」

妻がお洒落になるのは歓迎ですが、最近若い恋人のせいで急激な変
化を遂げたと思われる玲子さんの影響でそうなったということに、
私は一抹の懸念を覚えました。しかし、私はその時はまだまだ事態
を軽く考えていました。

次の週末、わが家は玲子さん一家とともに、海へ出掛けることとな
りました。私の家族が4名、玲子さん一家が3名、それぞれの車に
分乗し、朝早くマンションを出ます。

用心して早めに出かけたせいか、それほど渋滞にもぶつからず、予
定よりも早めに海岸につきます。海の家に荷物を置いた私達は早速
水着に着替えることにします。妻と玲子さんは楽しそうに笑いなが
ら更衣室に向かいます。

子供たち4人ははしゃぎながら先を争って着替え、シャワーもそこ
そこに海へ走ります。小さなころからスイミングスクールに行かせ
ておいたお陰で、私の子供は2人共海が好きですし、玲子さんの家
もスポーツマン一家ですから、泳ぎは得意のようです。

私は海の家で借りた大きめのパラソルの下に座り、子供たちが波打
ち際ではしゃぐ様子を眺めていたら、いきなり目の前に4本の足が
現れました。

「○○さん、どう?」

水着姿の玲子さんがポーズを取ります。玲子さんの水着は鮮やかな
グリーンのビキニでした。隣の妻の水着も驚いたことに玲子さんの
ものと同じデザインで色違いのオレンジのビキニです。私は妻のビ
キニ姿をみるのは初めてでした。

「これは?」

玲子さんは悪戯っぽく笑って、両腕で乳房を絞るような格好をしま
す。「お笑いも出来るアイドル2人組」が流行させていたポーズで
す。玲子さんの豊かな胸が強調され、私はどぎまぎしました。

「駄目よ、玲子さん」

妻が玲子さんを肘で突くような格好をします。玲子さんは笑いなが
ら「ごめん、ごめん。ご主人を取るつもりはないわよ」などと笑い
ます。

私は妻の姿を改めて見ました。比較的オーソドックスなビキニです
が、サイドの一番細い部分はほとんど紐状になっており、それなり
に露出度は高いです。若い娘が着る分にはそれほどでもないのでし
ょうが、既に熟女の領域に入る妻が着ると、むっちりとした肉が強
調され、健康的というよりは妙に扇情的に見えます。

「そんなにじろじろ見ないで……」

妻は恥ずかしそうにいうと用意していた薄い上衣を羽織ります。私
は少し横にずれ、妻と玲子さんのために場所を空けました。玲子さ
ん、妻、私の順で座ります。

「紀美ちゃん? 少し海へ入らない」

玲子さんが妻を誘います。妻が許可を得るように私の方を見ます。

「ここで荷物を見ているから行っておいで」
「荷物を見ているんじゃなくて、紀美ちゃんと私のビキニを見てい
るんでしょ?」

玲子さんはそう言って笑うと、上衣を取った妻と共に海の方へ歩い
て行きます。私はぼんやりと2人の姿を眺めていました。

さきほどまで空いていた海岸もだいぶ人が増えて来たようです。私
達のような家族連れも多いですが、やはり海は男女のカップルが目
立ちます。それらの中にはとてもプールでは着れないだろうと思う
ような大胆な水着姿の女性も多く、また家族連れの女性でもビキニ
姿は少なくありません。その中で玲子さんや妻の姿が特に不自然と
いう訳ではありません。

しかし、168センチの玲子さんと165センチの妻が、鮮やかな
グリーンとオレンジの同じデザインのビキニを身につけ、颯爽と海
岸を歩く姿はそれなりに目立ちます。若い女にはないいわゆる熟女
の色気とでもいうべきものが醸し出されているのでしょうか。カッ
プルの若い男が思わず2人を目で追い、隣の女の子からつつかれる
姿も見ました。

ふと見ると、サングラスをかけた2人の男が妻達に近づき、話しか
け出しました。よく日焼けした筋肉質の、いかにもスポーツマンタ
イプの男たちです。

(ナンパ?)

私は妻達が男たちを軽くいなすものと思っていたら、意外なことに
楽しそうに話し始めました。4人は不審そうに眺めている私に近づ
きます。
  1. 2014/07/15(火) 11:54:23|
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女友達と妻 第5回

「○○さん、こちら私と紀美ちゃんがバレーボールでお世話になっ
ている遠藤さん」

玲子さんが紹介すると男の一人がサングラスをとり、私に向かって
頭を下げます。

「遠藤です。はじめまして」

私はあわてて立ち上がり、頭を下げます。

「こちらこそ初めまして。家内がいつもお世話になっています」
「こちらこそ奥様と玲子さんにはいつもお世話になってます。あ、
こっちは友人の竹井です」
「こんにちは、竹井です」

竹井と呼ばれた遠藤と同じ年くらいの、やはりスポーツマンタイプ
の男が頭を下げます。

妻は遠藤が玲子さんの亡くなったご主人に似ていると言っていまし
たが、確かにどことなく雰囲気は似ています。違いを言うなら遠藤
の方がバレーボールのコーチということで背が高く、当然のことな
がらはるかに若く、かなり色男であり、反面やや軽薄な感じがする
くらいでしょうか。

連れの竹井は、遠藤とは違い無骨な感じの男です。身長も遠藤ほど
高くはありません。

「こんなところで会うなんて偶然ですね」

妻は目を丸くしながら微笑しています。妻はこういった天然のとこ
ろがありますが、そんな都合のよい偶然はそうそうありません。玲
子さんと遠藤は待ち合わせをしていたに決まっています。

「ご一緒してもよいですか?」
「どうぞ、どうぞ」

私は仕方なく場所を空けます。遠藤と竹井は玲子さんと妻の間に座
ります。端から玲子さん、遠藤、竹井、妻、私という順になりまし
た。

玲子さんと遠藤は2人で話が盛り上がっている様子で、残された3
人はやや手持ち無沙汰になります。仕方なく妻が竹井に話しかけま
す。

「竹井さんもバレーボールをされるんですか?」
「はい、遠藤とは大学のバレー仲間です。奴がスパイカーでセンタ
ー、僕がセッターでした」
「セッターですか、すごいですね」
「いや……僕たちの代はあまり強くなくて……先輩からいつもどや
されていました」
「今はもうやっていないんですか?」
「就職してから会社のクラブでしばらくやっていたんですが、ここ
のところずっとご無沙汰で……今度遠藤からクラブのコーチを手伝
ってくれと言われているんです」
「そうなんですか!」

妻の顔が輝きます。

「それは心強いです。最近ずっとセッターをしていた人が抜けちゃっ
て……玲子さんは私に後をやれというんですが、自信がなくて……」
「奥さんなら大丈夫ですよ。遠藤から聞いています。筋がいいって」
「本当ですか、うれしいわ」

妻は私をそっちのけで、すっかりはしゃいでいます。私はあまり面
白くありませんでした。

竹井の視線は時々妻のビキニの胸元にちら、ちらと注がれているよ
うでした。

その後子供たちが海から上がってくると、遠藤と竹井はすすんで4
人の男の子の相手をし始めました。玲子さんの2人の息子は既に遠
藤とは面識があるようで、すっかり慣れた雰囲気です。私の息子2
人も最初は戸惑っていましたが、すぐに打ち解けて一緒に遊び出し
ました。さすがにクラブのコーチを引き受けるだけあって人あしら
いは上手いものです。

最初は玲子さんと遠藤のダシに使われたようでやや不愉快だった私
ですが、子供たちが楽しそうにしているのを見ているうちに、すっ
かり気分がよくなりました。

いつの間にか帰る時間になり、遠藤は玲子さんに車を運転してマン
ションまで送り、遠藤と2人で来た竹井が1人で車で帰ることにな
りました。私達はもちろん家族4人でマンションへ帰ります。

帰り際に玲子さんは私に近寄ると、すまなそうに言いました。

「○○さん、ごめんなさい。家族でのお出掛けをダシに使ったみた
いで。海に行くのなら今日しか予定が会わないと彼が言うものだか
ら……」

玲子さんはちらりと遠藤の方を見ます。遠藤は玲子さんの息子2人
とふざけあっています。

「いや、気にしなくていいよ。良い人みたいじゃないか」
「そう思う? ありがとう」

玲子さんはにっこり笑ってそう言うと、妻に挨拶をして車に乗り込
みました。
  1. 2014/07/15(火) 11:55:22|
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女友達と妻 第6回

私達家族も車に乗り、家路につきます。早めに出ましたがそれなり
に渋滞はあります。子供たちは疲れたのか、後部座席でぐっすり眠
っています。

突然妻の携帯が、着信メールを告げる小さな音を立てました。

「あら?」

妻が携帯を取り上げ、メールを確認すると驚いたような声を上げま
した。

「竹井さんからだわ」
「竹井だって?」

私は聞き返しました。

「どうして彼が紀美子のメールアドレスを知っているんだ?」
「さっき交換したのよ」
「なに?」

妻はけろりとして答えます。

「だって、これからバレーのクラブでお世話になるし、練習日時な
んかの連絡のために教え合った方が便利だなと思って」
「見せろ」

私は妻の携帯に手を伸ばします。

メールの内容は大したものではなく、今日は楽しかった、家族の団
欒に割り込んで申し訳ない、これからもよろしく、といったもので
した。

「練習日時の連絡じゃないな」

私は皮肉っぽくそう言うと、妻に携帯を返します。

「ただの挨拶よ」
「紀美子は簡単に自分のアドレスを男に教えるのか?」
「誰にでも教える訳じゃないわ。遠藤さんのお友達だって言うから、
信用できる人だと思って」
「どうして遠藤の友達だと信用ができるんだ? 紀美子は遠藤の何
を知っている?」
「……」

紀美子は黙り込みます。それを見ていると私は少し言い過ぎたかな、
という気分になって来ました。

「もうやめよう、楽しかった一日をこんなことで不愉快に終わらせ
たくない」
「あなた、ごめんなさい。私が軽率でした」
「もういい」

渋滞で止まっていた車の流れが動き始めました。私はハンドルを握
り直し、アクセルを踏みます。私の心に刺のような不安が残りまし
た。

その後、しばらくの間は平穏な日々が続きました。8月に入ったあ
る日、私はたまたま仕事でわが家に近いターミナル駅まで行くこと
があり、そのまま直帰することにしました。

(そういえば、妻がパートをしている銀行はこの近くだな。もう仕
事が終わっている頃だろうか)

もしこの辺りにいるならお茶でも飲んで帰ろう。そう考えた私は駅
を降りた広い連結通路で携帯を取り出しました。すぐ前を男女4人
連れが歩いています。女性2人が真ん中、その両隣を男2人が挟む
ようにしており、4人ともかなりの長身です。

私は2人の女性のミニスカートに包まれたヒップや、すらりと伸び
た太腿をぼんやりと眺めていました。

(紀美子もたまにはあんなミニをはいてくれないかな)

そんなことを考えながら、携帯で妻を呼び出します。すると前を歩
いていた女性がバッグから携帯を取り出し「はい」と言った途端に
携帯がつながったので、私は死ぬほど驚きました。前を歩いていた
ミニスカートの女性、その一人が妻だったのです。

私はなぜかあわてて、柱の陰に身を隠しました。

「もしもし?」

妻は立ち止まって携帯を耳に当てます。他の3人もその場で、妻の
様子を見ています。私は妻以外の3人の男女が玲子さん、遠藤、竹
井だということを確認しました。

「俺だ」
「あ、あなた……どうしたの?」
「実は仕事でA駅まで来たんだが、紀美子が近くにいるならお茶で
も飲もうかと思って」
「えっ?」

妻は慌てた様子で辺りを見回します。私の姿を探しているのでしょ
う。

「A駅のどこなの?」
「西口のXデパートの地下だ」

私はあえて嘘を言います。妻の声が安堵したような響きに変わりま
した。
  1. 2014/07/15(火) 11:56:40|
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女友達と妻 第7回

「……ごめんなさい。もうC駅についてしまったところなの。ここ
で待っていようか?」

C駅は私たちのマンションの最寄り駅で、A駅からは10分ほどで
す。

「いや、それならいい。俺も早く帰るから家で珈琲でも飲もう」
「わかったわ」

私が携帯を切ると、妻は焦って他の3人に事情を説明し始めます。
3人と別れた妻は急いで改札に向かいました。私が隠れている柱の
すぐ横を通り過ぎましたが、慌てている妻には私の姿は目に入らな
かったようです。妻を見送った3人はやがて駅の外へ向かって歩い
て行きます。

私はそのまま少し時間をつぶすと、ゆっくりと改札へ歩きだしまし
た。妻とは確実に電車一本分ずらすことが出来たでしょう。

「ただいま」
「お帰りなさい」

妻が私を迎えに出ます。ブラウスは確かに先程着ていたものと同じ
ですが、ミニスカート姿ではなくパンツに着替えています。キッチ
ンで珈琲メーカーが小さな音を立てています。

「さっきはごめんなさい。折角誘ってくれたのに」
「ああ、残念だったな」

私はすまなそうな顔をする妻をちらりと見ます。

「おれも紀美子のミニスカート姿を見たかったんだが」
「えっ」

妻の顔色がさっと変わります。

「いたの……」
「ああ、お前たちのすぐ後ろにな。電話をかけたら目の前の女が出
たので、さすがのおれも驚いた」
「……」
「そればかりかもうC駅に着いているって言うじゃないか。一体今
目の前で電話に出ている女は誰なんだと悩んだよ」
「西口のXデパートにいるっていったのは……」
「嘘だ。しかし紀美子の嘘に比べると罪はないだろう」

妻は悄然と肩を落とします。

「……ごめんなさい」
「何を謝るんだ? 玲子さんたちと一緒に竹井とダブルデートをし
ていたことか? この前の海以来ずっと付き合っていたことか? 
それとももう奴と寝てしまったことか?」
「ひどい、そんなことは絶対ありません。誤解です」
「誤解されるような行動をとったのは紀美子だろう」
「嘘をついてしまったことは謝ります。ですが、あなたが考えてい
るようなことは一切ありません。今日も玲子さんと2人で買い物を
するはずだったんです。そうすると、なぜか待ち合わせの場所にあ
の2人が……」

妻は必死で私に説明します。

「この前の海と同じで、また2人のデートのダシに使われたという
訳か? それならどうして竹井が一緒にいた?」
「遠藤さんの話では……竹井さんがどうしてももう一度私に会いた
いと……」
「なぜ人妻のお前に会いたがる? それにあいつとなら、バレーの
練習でも顔を合わせているだろう?」
「みんながいる場所でなく、2人で話をしたいと……でも、2人き
りでは誤解されるから、玲子さんと遠藤さんと一緒にということで」
「何の話があるんだ? 紀美子を口説きたいってことか? 遠藤が
玲子さんと付き合っているのを見て、自分も人妻と付き合いたくな
ったってことか」
「そんなのじゃありません。ただ、友達として……」

私は妻の言葉をピシャリと遮ります。

「言っておくが、玲子さんと紀美子はまったく立場が違うぞ。玲子
さんは独身だが、紀美子は俺の妻だ」
「もちろん分かっています。でも、あなたにも女友達はいるでしょ
う。玲子さんもその一人ではないですか」
「確かにいるが、紀美子に聞かれた時に嘘をついて隠さなければな
らない相手はいない」

私の言葉に妻はがっくりとうなだれました。

「携帯を見せてみろ」

妻は黙って私に携帯電話を差し出します。着信やメールをチェック
しましたが、不審なものはありません。玲子さんからのメールは今
日の買い物の待ち合わせに関するものでしたが、確かに遠藤や竹井
のことについては一切触れられていませんでした。

「玲子さんと買い物の約束をしていたというのは嘘では無さそうだ
な」

妻は愁眉を開いたような表情を私に向けます。

「しかし、この前のこともあるから玲子さんには少し注意しておい
た方が良いかもしれないな」
「あなた……それはやめて。お願いです」
「なぜだ?」
  1. 2014/07/15(火) 11:57:41|
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女友達と妻 第8回

「玲子さんはあまりにも辛いことがあって、そんな時に遠藤さんに
出会って、多分今は気持ちが普通じゃないんです。私がこれからち
ゃんと注意しますから」
「お前も玲子さんの影響で普通じゃなくなっているように見えるぞ。
この前のビキニや今日のミニスカートは一体なんだ?」
「すみません。つい、玲子さんの変化が眩しくて、確かに影響され
てしまいました。これからは気をつけますから」

私には釈然としないものが残りましたが、必死で哀願する妻を見て
今回は許すこととし、玲子さんへ注意することもありませんでした。

それからの妻はミニスカートやローライズのジーンズをはくことも
なく、以前のおとなしい格好に戻りました。私はほっとする反面、
なんとなく物足りない気分になったのも事実です。妻は私に気を使
ってか、玲子さんとの付き合いはバレーボールクラブだけに留めて
いました。

夏も終わり、秋の始めになると妻達のバレーボールクラブも定期的
に試合が入るようで、練習時間がだんだん長くなっていきました。

ある週末、その日も練習のあった夜、私の携帯に玲子さんから電話
が入りました。

「○○さん、玲子です」
「ああ、玲子さん。お久しぶりです」
「そう、海以来ですね。あの時はごめんなさい」

私の携帯に玲子さんが電話して来るなんて今までないことです。妻
が練習中に怪我でもしたのでしょうか?

「実はまた試合が近いんですが、私と奥さんのコンビプレーが上手
くいかなくて、少し特訓していくことになったんです。そのご連絡
をと思って」
「そうですか、でも、どうして玲子さんが連絡を?」

妻が直接私に電話をすればすむことなのに。私は不思議に思いまし
た。

「それが先日、あんなことがあったばかりでしょ? 紀美ちゃんか
ら聞きました。私が軽率だったんですが、今回も自分から電話して
も○○さんから信用してもらえないんじゃないかって、紀美ちゃん
が……」

練習で遅くなるなどと私に言えば、竹井との仲を私に疑われると思
ったのでしょう。

「わかりました。妻に代わってもらえますか?」
「はい、ちょっと待ってくださいね。紀美ちゃん、ご主人よ」

玲子さんが妻を呼ぶ声が聞こえます。少し待たされてから妻が電話
口に出ました。

「もしもし……あなた……」

妻の声が少し変です。

「大丈夫か、随分息が荒いけど」
「ずっと練習していて……それで……あっ!」
「どうした?」
「な、なんでもありません。大丈夫です……そ、それで、玲子さん
から聞いたと思いますが、もう少し練習していくことになって……
すみません」
「わかった。あまり無理しないようにしろよ」
「あ、ありがとうございます……うっ」

そこで電話は切れましたが、切れる寸前に妻が低いうめき声を上げ
たような気がしました。

私は何か胸騒ぎのようなものを感じましたが、玲子さんが一緒だか
ら、ということで自分を納得させました。その日、妻はいつもより
2時間半程も遅い夜の9時過ぎに帰って来ました。

「奥さんを遅くまでお借りしてすみません」

チャイムが鳴ったので迎えに出ると、妻と玲子さんが玄関口に立っ
ていました。妻は玲子さんの車で送ってもらったようです。Tシャ
ツとジーンズ姿の妻は疲れ切っているようで、玲子さんに支えられ
るようにして立っています。

「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です……」

妻は喘ぐように答えます。

「ごめんなさい、つい練習に夢中になっちゃって。でも、紀美ちゃ
んは私よりもずっと若くて体力もありますから、心配ありませんよ」

玲子さんはいつものような明るい声で私に話しかけます。

「おかげさまであと3、4回今日のような練習をすれば、コンビは
完成するって、遠藤さんも竹井さんも言っていました。やっぱり紀
美ちゃんは筋が良いそうです」

妻が玲子さんの方をちらりと見ました。なぜかその目には一瞬脅え
たような色が浮かんでいました。

「そうですか……わざわざ送っていただいてありがとうございます」
「いいえ、どういたしまして。それじゃ、紀美ちゃん、また来週ね」
  1. 2014/07/15(火) 11:58:49|
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女友達と妻 第9回

玲子さんはそう言うと自分の部屋に帰って行きました。妻はそれを
確認した後、私に「遅くなってすみません、シャワーを浴びます」
といって着替えをとりに行くと、すぐに浴室に向かいました。

私は居間でぼんやりテレビを観ながら、妻が出て来るのを待ってい
ました。妻の疲れ切った様子は練習のせいでしょうが、少し不審な
ところもあります。

シャワーを浴びるにしてはかなりの時間がたってから、ようやく妻
が浴室から出て来ました。妻はリビングにいる私を見ると、なぜか
目を伏せます。

「申し訳ありませんが今日は疲れてしまったので……このまま休ま
せていただきます」
「ちょっと待て」

そのまま出て行こうとする妻を私は呼び止めます。

「バレーボールの特訓をしていたというが、本当か」
「本当です……」
「どんな特訓だ」
「玲子さんと私のコンビプレーです……。うちのチームでは玲子さ
んがアタッカー、私がセッターなんですが、一番背が高いのが玲子
さん、その次が私なので、時には役割をチェンジして攻撃すること
があります。つまり玲子さんがトスを上げて、私が打つんです」
「ママさんバレーがそんな高度なことをやるのか」
「これくらいは高度でもなんでもないって遠藤さんや竹井さんが……
実際もっと多彩な攻撃をして来るチームはたくさんいます。一人時
間差とか……」

私はママさんバレーに対する認識を新たにしました。考えて見れば
バレーボール人口の裾野は広く、高校や大学の部活動で本格的にや
っていた人間がママさんバレーに移って来る訳ですから、相当の技
術をもっていても不思議ではありません。私は一応納得はしました。

「わかった。今日は疲れただろうからもう休め」
「ありがとうございます」

妻は無意識に顔を上げて私と目を合わせましたが、あわてて目を伏
せます。私は妻の目が赤くなっていることに気がつきました。

(泣いていた?)

次の週末も、その次の週末も妻は遅くまで「特訓」をし、玲子さん
に送られて9時過ぎに帰って来ました。その翌週は帰りが10時近
くとなり、憔悴仕切った妻はシャワーもそこそこに、ベッドに倒れ
込むように寝入ります。
心なしか妻からはいつものような明るさがなくなり、沈み込んでい
ることが多くなって来ているような気がしました。

さすがに妻のことが心配になって来た私はその次の週末、妻の練習
を内緒で見に行くことにしました。

妻達のクラブの練習は、近所の中学校の体育館にあるコートを借り
て行われます。昼間は中学校のバレーボール部が使用するため、妻
達が利用できるのは夕方以降です。

通常の練習は午後4時から6時までの2時間です。後片付けをして
も6時半には帰宅できますので、主婦の練習時間としては適当なと
ころです。私はすでに「特訓」が開始されているであろう7時ころ
に体育館に到着しました。

中学校の駐車場には見慣れた玲子さんの車と、この前の海で見かけ
た遠藤の車が停まっています。館内には煌々と明かりがついており、
コートの中に数人の人影が見えます。私は中の人間に気づかれない
ように、扉の外からそっと様子を伺います。

「それ!」
「はい!」

掛け声をかけながら妻と玲子さんがトスとアタックの練習をしてい
ました。籠に山盛りになったボールを遠藤が角度、強さを微妙に変
化させながら次々に玲子さんに投げます。玲子さんは身体を縦横に
動かして、巧みにトスを上げます。妻が必死でジャンプしてそれを
相手コートに打ち込みます。

「もっと高く飛んで!」
「ハイ!」
「トスが乱れた!」
「ハイ!」

遠藤の真剣な声が妻達に飛びます。竹井は向かいのコートでボール
拾いを担当しているようで、転がって来るボールを次々に回収して
遠藤の籠に戻して行きます。

私は妻たちの真剣な練習の様子を、やや驚きをもって眺めていまし
た。どちらかというと運動に縁がなさそうな妻が、ここまでやれる
とは思ってもいませんでした。

練習そのものとは別に私が驚いたのは、妻と玲子さんが着ているユ
ニフォームです。アテネオリンピックでギリシャの女子バレーチー
ムが着用していたユニフォームと言えば、お分かりの方もいるでし
ょうか。まるでワンピースの水着のように身体にフィットしたもの
で、力いっぱいジャンプする妻のお尻の割れ目や、トスを上げる玲
子さんの大きな乳房もはっきりとわかります。

アテネオリンピックはこの話の時点から2年後ですので、私はもち
ろんこのようなユニフォームは見たことがありませんでした。私が
思わず身を乗り出して見ていると、ボール拾いをしていた竹井が気
づいたようで、私に近づいて来ました。
  1. 2014/07/15(火) 11:59:52|
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女友達と妻 第10回

「ご主人」

竹井が私に声をかけます。私は仕方なく靴を脱いで体育館に入りま
す。

妻たち3人も練習を中断します。遠藤がにこやかに私に会釈します。

「すみません、いつも遅くまで」
「いえ、こちらこそ家内の練習に付き合っていただいて恐縮です。
ご迷惑をかけているんじゃないですか」
「いえ、とんでもない」

遠藤が笑みを浮かべながらいいます。

「奥さん、とても筋がいいですよ。今日もこれから新しい技を覚え
てもらう予定です」

遠藤がちらと家内の方を見ます。一瞬家内の目に脅えのような色が
走った気がしました。私はやや不審に感じましたが(練習がきつい
ので参っているのかな?)と思い、そのままにしました。

それよりも気になっているのはユニフォームです。近くで見ると想
像以上に大胆で、薄い生地が汗のためぴたりと肌に張り付いている
ため、身体の線がはっきりと見えます。さすがにバストトップには
パッドがついているようですが、激しく運動したためお尻がかなり
丸出しになっており、妻は恥ずかしそうに何度もユニフォームの裾
を引っ張ります。

「○○さん、ユニフォームが気になるんでしょ」

玲子さんが微笑を浮かべ、わざと私の方へ胸を突き出すようにしま
す。

「い、いや……」

私は目を逸らします。

「無理もないわね。私もこんなに薄いとは思わなかったから。でも、
これが最新の素材らしいの。竹井さんが調達してくれて」
「スポーツアパレルのメーカーにいる友達に、ママさんバレーボー
ルクラブのコーチを始めたっていったら、新製品のモニターになっ
てくれと頼まれて……サイズが限られているし、まだ2着しかない
もので、とりあえず奥さんと玲子さんにお願いしたんです」
「そうですか……」

私は再び妻の方を見ます。妻はなぜかうつむいて、私と目を合わさ
ないようにしています。

「どうします? もう少し練習を見学して行きますか?」
「いや……私が見ているとかえって妻もやりにくいでしょう。この
まま家に戻ります」
「そうですか……」

遠藤と竹井が一瞬顔を見合わせました。

「それじゃあ、あまり遅くならないようにしろよ」
「あっ……」

私が声をかけると妻がすがるような目を向けます。

「心配しないで、○○さん。愛する奥様は私がしっかりお送りしま
すから」

玲子さんの言葉に遠藤と竹井はどっと笑います。私はなんとなく腑
に落ちないものを感じながら家に帰りました。

帰宅した私はソファに寝転び、ぼんやりと時計を眺めていました。
すでに時計の針は9時半を指しています。

練習を見に言った時に妻の目に走った脅えの色が、次第に黒雲のよ
うに広がり、私の中を覆っていきました。それは私の中でひとつの
恐ろしい仮説を作り出しつつありました。

私は亡くなったご主人を含め家族ぐるみで付き合っていた玲子さん
とのことを、これまで疑ったことはありませんでした。妻が玲子さ
んのことをまるで姉のように慕っていたこともありますが、私自身
も自治会で共に役員を務めた時の彼女の姿や、ご主人が亡くなった
時の打ちひしがれた様子などを近くで見ていて、その人間性につい
て理解しているつもりでいました。

しかし最近の玲子さん、つまり遠藤と付き合い出してからの彼女は
まるで人が変わったように思えます。妻に嘘をついて(妻の言うこ
とを信じるならですが)、竹井と会わせようとしたりしたのも以前
の彼女なら考えられなかったことです。

そもそも、家族同士で海に行った時に遠藤だけでなく竹井まで来て
いたのも不審です。玲子さんが恋人の友人である竹井のために妻を
紹介したとも考えられます。

(まさか……)

私はソファから立ち上がると車のキーを手に取りました。マンショ
ンを出て駐車場に向かおうと思いましたがふと考え直し、そのまま
駆け出します。

妻たちが練習用に借りている体育館は、マンションから歩くと20
分ほどかかります。練習が終わるのが遅いこともあり、行き帰りは
車を使うのが通常です。

息を切らせながら10分弱で体育館につきました。体育館は明かり
が消えて真っ暗で、駐車場にあるはずの遠藤の車も、玲子さんの車
も見当たりませんでした。
  1. 2014/07/15(火) 12:19:25|
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女友達と妻 第11回

(どこへ行った)

私はあせりました。私の悪い想像があたっていれば、妻の身が危険
です。

(マンションの玲子さんの部屋に戻っている? ……いや、それは
ない。顔を知った住人に見られる恐れがある。それならどこだ)
(ラブホテルにでも連れ込まれたのか? ここから一番近いホテル
でも車で20分はかかる。時間をロスするのは嫌がるだろう)

私はふと思い立って携帯を取り出し、自宅にかけました。何度かコ
ール音がするのを苛苛しながら待っていたら、ようやく上の息子が
出ました。

(はい、○○です)
「お父さんだ」
(なんだ、今どこにいるの? 今日はお母さんも随分遅いね)
「それよりも、この前海に行ったとき、遠藤と竹井という男が来て
いただろう。あいつら、どこに住んでいるか聞いていないか?」
(そんなの知らないよ)
「何でもいいから覚えていないか? よく思い出せ」
(思い出せっていわれても……待って、××に聞いてみる)

弟に聞きに行ったようです。私はじりじりしながら待ちます。

「わかったよ」
(どこだ?)

私は勢い込んで聞きます。

「Dマンションの最上階らしいよ。弘明と祐樹がお母さんと一緒に
何度か遊びに行ったって。眺めのいい部屋だったそうだよ」
「Dマンション……」

弘明と祐樹というのは玲子さんの2人の息子です。玲子さんはすで
に子供達を連れて遠藤の部屋に行ったこともあるのでしょう。
Dマンションは私たち家族が住んでいるマンションと同じ業者が販
売したもので、建物の作りはそっくりです。そして妻たちが練習し
ている体育館のある中学校の3ブロック先がDマンションなのです。
私は携帯を切るや否や再び駆け出しました。

Dマンションに着いた私は、来客用の駐車場に見慣れた玲子さんの
車が停められているのを見つけました。遠藤の駐車スペースは分か
りませんが、これで彼らがこのマンションに妻を連れ込んでいるこ
とはほぼ確実です。私はエントランスに表示してある名前を上から
順にチェックします。最上階の1006号に「遠藤」という名前が
あるのを見た私はマンションの入口に向かいます。

(くそっ)

当たり前といえば当たり前ですが、入口にはオートロックがかかっ
ています。私は少し考えて、テンキーで「806」と入力しました。

(はい)

見知らぬ主婦の声が応答します。私は緊張を押さえながら「宅急便
です」と告げます。806号室の主婦は疑うことなくオートロック
を解除しました。

入口が開き、私はエレベーターホールに向かいます。防犯カメラに
私の姿がとらえられたかもしれませんが、非常事態ですのでそんな
ことはかまってられません。私はエレベーターに乗り込むと「10」
のボタンを押します。

エレベーターが停止し、降りたところの正面が1006号室でした。
私は息を整えてチャイムを押そうとしましたが、念のためドアのノ
ブを回してみました。

(開いている……)

なんとうかつなことに、また私にとっては幸運なことに、彼らはド
アに鍵をかけるのを忘れたようです。私は音を立てないようにして
ドアを開けると、靴を履いたまま部屋の中に入ります。

玄関にゴルフバッグが無造作に置かれていました。私はその中から
アイアンを一本取り出し、手に持ちます。マンションの部屋の作り
はどれも似たようなものですが、Dマンションは特に私たちのマン
ションと設計事務所が同じだけあってそっくりと言って良いほどで
す。私は廊下をとおり、リビングの向こうの寝室に向かいます。リ
ビングに入ると寝室のほうから女がすすり泣くような声と、男女の
笑い声が聞こえてきました。私は寝室のドアに耳を当てます。

「……もう、もう家に帰してください」
「駄目よ、紀美ちゃん。今日のプレイを自分のものにするまではい
つまでも特訓よ」

男たちがゲラゲラ笑う声が聞こえます。

「遠藤さんと竹井さんを同時にフィニッシュさせるのよ。どの穴を
使っても良いのよ。おマンコとお口でも、こっちの穴でも」
「ああっ」

妻が悲鳴を上げます。

「そろそろそっちの穴を使わせてくれよ、ええ、奥さん」
「い……いや」
「逆らうとこの前みたいに素っ裸でレシーブの特訓をさせるぞ」
「それとも、俺達のチンポを2本同時にしゃぶっている写真をネッ
トに流されてもいいのかよ」
「やめて……お願い」
  1. 2014/07/15(火) 12:20:26|
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女友達と妻 第12回

男の喘ぎ声、妻は突然ああっと叫びます。

「あらあら、またイっちゃったみたいね。黙ってイっちゃだめだと、
あれほど言ったでしょ。どうなの、イったの」
「イキました。イっちゃいました……」
「今日はこれで何回目?」
「7回目……」
「助平な女だぜ。これは玲子以上かもしれないな」
「どういう意味よ」
「自分一人でイってないで、速く俺達もイかせてくれよ」

再び男たちの笑い声。

「しかしさっきは面白かったな。旦那の前でマンコにローターぶち
込まれて、スパイクの練習をした気分はどうだい」
「ああ……ひどい……」
「しかし何も気づかないで、本当に間抜けな野郎だぜ」
「だけど紀美ちゃんも本当にエッチね。○○さんが帰ってからすぐ
にユニフォームを着たまま竹井さんのオチンチンを突っ込まれて、
ヒイヒイいいながらイっちゃったじゃない」

そこまで聞いた私は怒りで全身がカッと熱くなり、寝室の扉を蹴破
るようにして中に入ります。

かなり広めの寝室におかれたキングサイズのベッドの上で素っ裸の
妻が2人の男の嬲り物になっていました。妻をバックから犯してい
るのが竹井で、遠藤が前面に回っていきり立ったペニスを妻に咥え
させようとしています。ベッドの脇ではやはり素っ裸の玲子さんが
片手にデジタルカメラを持ち、片手を妻の尻にかけています。

突然私が入って来たのを見て、遠藤、竹井、玲子さんは驚きのあま
り全身を固まらせています。一瞬遅れて私に気が付いた妻がわあっ
と泣き出しました。

「この野郎」

私は手に持ったアイアンを振り上げ、遠藤の頭目がけて振り下ろし
ます。頭を殴ると死んでしまうかもしれないという一瞬の逡巡から
目標がずれ、アイアンは遠藤の肩に命中します。

「ぎゃっ」

遠藤の肩がおかしな音を立て、苦痛のあまり遠藤はベッドに倒れま
す。玲子さんが悲鳴を上げて遠藤に駆け寄ります。勃起したままの
ペニスが妻の唾液でぬらぬらと光っているのを見て、私の怒りはさ
らに高まりました。私はアイアンを持ち直し、いまだ妻とつながっ
たままの竹井に向き直りました。

「や、やめろ……」
「殺す」

私が低い声でそう言うと竹井はひいっと恐怖の声を上げて妻から離
れます。

「す、すみません……許して……」
「謝ってすむか。貴様は殺す」

竹井は床にはいつくばって私にペコペコと頭を下げます。私が竹井
に向かって裸の妻が私の足にすがりついて来ました。

「あなたっ。やめてっ」
「邪魔をするなっ」

竹井の命乞いをするつもりか、妻の行為に私の怒りは火に油を注い
だようになります。

「あなたが、あなたが犯罪者になってしまう」
「ぐっ……」

私は言葉に詰まります。確かにアイアンで頭を殴ると死ぬかも知れ
ません。そう思って遠藤の時は狙いを外したのです。

しかし、このままでは怒りが治まりませんし、体格のよい竹井が開
き直って反撃して来たら防げません。

「紀美子、服を着ろ」

私は竹井の上でアイアンを構えたまま妻に指示します。妻はあわて
て素肌の上にブラウスとスカートを身に着け、ベッドの下に散らば
っている下着を拾い集めて握りしめます。

「立て」

私がそう言い放つと、竹井はゆっくりと立ち上がります。おどおど
した表情を見せていますが、隙があれば私に反撃しようというよう
なこ狡さも見えます。

私はいきなり竹井の足目がけてアイアンを振り下ろしました。アイ
アンは竹井のすねに命中し、竹井は「ぎゃっ」と豚が屠殺されるよ
うな悲鳴を上げて床の上に崩れ落ちます。竹井も遠藤も、当分バレ
ーのコーチをすることは無理でしょう。

私は視線を、うめき声を上げている遠藤を抱くようにしている玲子
さんに移します。玲子さんの目には恐れ、憎しみが入り混じった、
私にとっては初めて見る感情が浮かんでいました。私は無言で床に
落ちたデジカメを拾い上げると、靴を履き終わった妻に声をかけま
す。

「帰るぞ」
  1. 2014/07/15(火) 12:21:21|
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女友達と妻 第13回

妻は涙をためてうなずき、私とともに遠藤の部屋を出ました。Dマ
ンションから外に出ると駐車場に1台のタクシーが停まっており、
ちょうど客を降ろすところでした。私と妻はそのタクシーに乗り込
み、わが家へと帰りました。

タクシーの中で放心状態のようだった妻は、家に入ると一直線に浴
室に向かいました。心配で後を追う私の目も気にすることなく、脱
衣所でブラウスとスカートを脱ぎ捨てて素っ裸になると、浴室に駆
け込みます。少したってシャワーの音と共に引きつったような妻の
泣き声が聞こえ始めました。

私はしばらくその場で立ちすくんでいましたが、ふと思い立って妻
が握り締めていた下着を拾い上げます。それを見た私は、羞恥心の
強い妻がなぜ下着を着けないまま帰って来たのかが分かりました。

下着は上下とも白の、いかにも高級そうな素材でできていますが、
ブラジャーは乳首を中心とした半径5センチほどの部分がシースル
ーで、着用したら乳首がはっきりと見えるでしょう。パンティも同
様で、大事な部分が透けており、陰毛や割れ目まで完全にわかるよ
うになっています。

あの3人に無理やり着せられていたのでしょうか。そういえば妻が
着ていた水着のようなユニフォーム。あれも3人に強制されていた
のかも知れません。

とにかく妻から事情を聞かないと話になりません。時計を見ると針
はすでに11時過ぎを指しています。何も知らない子供たちはとう
に自分たちの部屋で眠りについています。私は今のソファにすわり、
落ち着かない気分で、妻が浴室から出てくるのを待ちました。

ようやく妻が居間に現れました。たっぷりしたパジャマの上下を着
た妻は浴室でだいぶ泣いたのか、目を真っ赤に腫らしています。妻
は私の隣に座ると、いきなり抱きついてきました。

「あなた……ごめんなさい」

私は妻を強く抱きしめます。

「だけど……嬉しかった。助けに来てくれたとき」

妻はまたシクシクと啜り泣きを始めます。しばらく無言で妻を抱い
ていた私は、やがて腕を解くと、妻に問いかけました。

「話してくれ。一体何があったんだ。どうしてあんなことになった」

妻は気弱げに眼を伏せます。

「つらいだろうが、俺は聞く権利がある。いや、きちんと聞いてお
かないと後の対応が出来ない。なにしろ、あの連中に怪我を負わせ
てしまったからな」
「あれくらいは当然です……本当は殺しても飽き足らなかった」
「そうかもしれないが、それはそのときに紀美子が言ったように、
殺してしまえば犯罪者になる。いや、すでに傷害罪でやつらが訴え
ようとすれば訴えることも出来る。しかし、紀美子がやつらに無理
やりに……その、されていたのなら話は別だ」
「もちろんです。無理やりでした」

妻はきっとした眼で私を見ます。

「それならちゃんと、初めから話してくれ。今がつらいのなら明日
でもいいが」
「大丈夫です」

妻は覚悟を決めたように話し始めました。

「竹井さんが遠藤さんの紹介ということでバレーボールクラブのコ
ーチになったのは、海に行ってからすぐの週末でした。とても練習
熱心で、特にセッターをやっていたということもあって、私には随
分一生懸命教えてくれました。海に言ったときの印象も良かったせ
いで私はすっかり信用してしまいました」

「それでもずっと、クラブの練習の間だけのお付き合いでしたし、
コーチと選手以上のもの関係ではありませんでした。それが変わっ
てきたのはあなたに見られた、A駅の近くで4人で会ってからのこ
とです」

「あなたにお話したとおり、あの時は本当に私は待ち合わせ場所に
竹井さんがいることは知りませんでした。竹井さんは玲子さんや遠
藤さんがいる前で私を一目見てから好きになった、こんな気持ちに
なったのは生まれて初めてだとといい、一度でいいから恋人になっ
たような気分でデートして欲しいと私に頼みました。2人では誤解
されるので4人でかまわない。私は人妻で、玲子さんから聞いて夫
を愛していることはわかっているから、一度だけデートしてもらっ
たらその後は私への思いはきっぱりと断ち切る、といったのです」

「私はもちろん最初はそんなことは出来ないと断りました。でも、
一緒にいた遠藤さんが、親友の望みを一度だけかなえてやってくれ
と頼み、玲子さんまでが頭を下げるので断りにくくなってしまいま
した。それであくまで真似事で、せいぜい手をつなぐだけ、それも
約束どおり今日一日だけ、しかも4人一緒ならということでOKし
てしまいました」
「その最中に俺に見られたというわけか」
「はい……」

妻は頷きます。

「誰かに見られたら困るとは思わなかったのか」
「バレーボールの打ち合わせとでもいえばなんとかなると言われま
した。それに遠藤さんと玲子さんがクラブの中では公認のカップル
と見られていましたので、私たちについては注目されない。もし見
られても2人の友達ということでたまたま一緒になったという顔を
していれば良いともいわれました」

妻は弁解するように言いました。
  1. 2014/07/15(火) 12:22:11|
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女友達と妻 第14回

「でも、やはり悪いことは出来ないもので、あなたに見られてしま
いました。私は反省して、もう個人的なお付き合いは一切出来ない
と竹井さんに言いました。竹井さんはその時は分かったと言い、そ
の後またコーチと選手という関係に戻りました。私は玲子さんとも
プライベートでは距離を置くようになりました。ところがしばらく
たって、竹井さんが私にメールをくれるようになったんです」
「何だって?」

私は妻の意外な言葉に驚きました。

「そんなことは初めて聞いたぞ」
「黙っていました。ごめんなさい」

妻は頭を下げます。

「メールといっても最初は、私のバレーボールの練習に関すること
でした。依然として私はセッターとしての技術を竹井さんから指導
してもらうことが多かったのですが、練習中にうまく伝えられなか
ったことを後で簡単なメモにして送るので、イメージトレーニング
をしてほしい。内容はそれ以上でもそれ以下でもないのだが、読み
終わって自分のものにしたら削除してほしいということでした。こ
れは以前指導していた時にも行ったやり方で、技術の向上のために
有効だ、ということでした」
「紀美子はおかしいとは思わなかったのか?」
「実際、メールの内容は本当にバレーボールの技術に関するものば
かりで、それ以外のことは全くかかれていませんでした。それに確
かにメールでは私の弱点や強化すべきポイントが的確に指摘されて
いたため、純粋に指導の意味でメールを送ってくれるんだろうと思
ったんです」

妻は話を続けます。

「最初のうちは私は返事をしなかったのですが、メールは毎日のよ
うに続きます。さすがにこれだけ熱心に指導してくれているのに何
も返さないのは失礼なような気がして来ました。それで私は時々
『ありがとうございます』とか『いつもすみません』といった簡単
なお礼のメールを返すようになりました」

「そのうちに私のお礼のメールに対する返信などの中に、竹井さん
のプライベートに関わることが少しずつ混じってくるようになりま
した」
「どんなことだ?」
「他愛もないことです。今日は何を食べたとか、どんなビデオを見
たとか、どこへ行ったとか、カップルを多く見かけたが自分は相手
がいなくて寂しいとかいったことを一言書き添えて来るのです」

「私はいつも儀礼的なメールばかり返しているのが申し訳なくなっ
て来ていたので、そんな竹井さんの他愛のないメールに反応するよ
うになりました。食べものは何が好きとか、自分はこんなビデオが
好きとか、秋になったらどこへ行きたいとか……」

私は妻が次第に竹井の罠に搦め捕られていくのを見るようで、ぞっ
としました。

「そのうちに竹井さんからメールが来るのを楽しみにするようにな
りました。いけないことをしているのではと思いましたが、バレー
ボールの話題が他愛のない世間話に変わっただけ、と自分に言い訳
をしていました。私よりも年上の玲子さんが、若い恋人が出来たこ
とで急に生き生きし出したのを見てうらやましく思ったのかも知れ
ません」

「しばらくすると、竹井さんのメールにはやはり私が忘れられない、
諦めなければいけないことは分かっているのだがどうしようもない、
と言った言葉が混じるようになって来ました。私は驚いて、この前
デートしたのだから約束を守ってくれなければ困ると返しました。
すると竹井さんは、あの時のデートは中断されたのでかえって思い
が深くなった。一度だけキスをしたい。それですべて忘れる。バレ
ーボールの練習後少しだけ時間がほしいと言って来ました」

「私はそんなことは出来ないと拒みましたが、そうしないと自分は
おかしくなって、メールのやり取りをご主人に話してしまうかもし
れない。必ず約束は守る。証人として玲子さんと遠藤さんに立ち会
ってもらっても良いと言って来ました」

「あんなにあなたに注意されたのに、うっかり竹井とメールのやり
取りをしてしまったことをとても後悔しました。ここであなたに相
談すれば良かったのですが、また叱られると思い言い出せませんで
した。それで絶対に一度だけで、これ以降はメールのやり取りもプ
ライベートな会話も一切しないということを3人の前で誓ってもら
うことで承諾したのです」

「練習が終わり、体育館に4人以外は誰もいなくなってから、竹井
さんは神妙な顔をして私が言った通りのことを誓いました。玲子さ
んと遠藤さんも真剣な顔でそれを聞いていました。竹井さんの顔が
私の顔に近づき、私は目を閉じて死んだ気になって、このことが早
く終わらないかとばかり考えていました。竹井さんの唇が私の唇に
触れた瞬間、フラッシュが光りました。玲子さんがデジカメで私と
竹井さんのキスの瞬間を撮ったのです」

「私は親友である玲子さんがそんなことをするとは信じられず、し
ばらくの間呆然としていました。何かの冗談だろうと思って玲子さ
んに、すぐに画像を削除してくれるよう頼みました。しかし、玲子
さんは遠藤さんと一緒になって『決定的瞬間が撮れたわ』などと笑
っているだけでした」

「ショックを受けている私にいきなり竹井さんが襲いかかって来ま
した。私は必死で抵抗しましたが、遠藤さんも暴行に加わり男2人
がかりで押さえ付けられると身動きで来ませんでした。服を一枚一
枚はぎとられて行く私の様子を玲子さんが笑いながら撮影して行き
ました」
  1. 2014/07/15(火) 12:23:10|
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女友達と妻 第15回

「私はその場で2人からレイプされました。竹井さん、遠藤さん、
そしてまた竹井さんがのしかかって来た時、玲子さんがあなたに電
話をかけました。竹井さんに犯されている私に玲子さんが電話を回
して来た時は恥ずかしさと狼狽で気がおかしくなりそうでした」

あの時の電話がそうか――玲子さんが私の携帯に初めて電話をかけ
て来た日のことを思い出しました。

「その後、週末になると私は特訓という名目で、練習の後に居残り
を命じられ、3人から弄ばれるようになりました。最初は体育館で
犯されていたのですが、そのうちに遠藤さんのマンションに連れて
行かれるようになりました。私はもちろん泣いて拒みましたが、行
為の最中を撮った写真やビデオをあなたの会社に送ると脅され、ど
うしようもありませんでした」

妻はそこまで話すとこらえきれなくなったのか、わっと泣き出しま
す。

妻の話が本当なら妻は3人によって計画的に罠に落とされたという
ことになります。心の弱さに付け込まれた妻の愚かさは否定出来ま
せんが、信頼していた友人の玲子さんに裏切られたという点は同情
すべきです。私は3人を暴行罪、あるいはその共犯ということで訴
えることが出来るだろうかと考えましたが、最初にキスの写真を撮
られている以上、合意があったとみなされる可能性もあります。そ
れに警察沙汰にすると妻や子供が傷つく恐れもあります。

それなら民事ならどうでしょうか。不法行為としての損害賠償、あ
るいは慰謝料の請求は出来そうです。しかし、私が今夜、彼らに怪
我を負わせたことで相殺を主張して来るかも知れません。いずれに
しても、彼らを二度と妻に近づけないことが先決です。そのための
打撃を彼らに与える必要があるでしょう。

しかし分からないのは玲子さんです。出会ったころの明るい玲子さ
ん、ご主人を失って打ちひしがれている玲子さんの印象からは、彼
女が妻を陥れるようなことをするようになるとは信じられません。
それにしてもどうして玲子さんがそのようなことに加担したのでし
ょうか。彼女の心境の変化は私には全くの謎でした。

妻はその夜、泣き疲れたように私のベッドで眠りましたが、あれこ
れ思いを巡らせている私は一向に眠ることが出来ませんでした。

それでも明け方にようやくうとうとして、気が付くとすっかり日が
昇っていました。隣で眠っていた妻はもう起きたようで、ベッドは
空になっています。

キッチンに行くと、妻は珈琲をいれていました。

「子供たちは?」
「今日は友達と映画に行くとかで、早く出掛けて行きました」

テーブルに着いた私の前に妻はトースト、サラダ、オムレツなどを
並べます。

「紀美子は食べないのか」
「食欲がなくて……」

昨日あんなことがあったのですから無理もないでしょう。私はうま
く声をかけることも出来ず、無言でトーストをほうばります。

しばらく黙っていた妻が顔を上げました。

「あなた……少し実家に帰っていて良いでしょうか?」

私はトーストを珈琲で流し込むと妻の顔を見ました。

「どうして?」
「すみません……ここにいるとなんだか怖くて。気持ちが落ち着く
まで帰っていたいのです」
「俺が一緒にいても駄目か」
「そうではありませんが、あなたは平日は家にいないから……」

紀美子はすまなそうに目を伏せました。

信頼している友人に裏切られ、毎週のようにレイプをされた妻の心
の傷は相当深いのでしょう。私は納得してうなずきました。

「わかった。この夏はバタバタしていて帰省出来なかったからちょ
うど良い。お義父さんとお義母さんによろしく言ってくれ」
「ありがとうございます」

妻はほっとした様子で頭を下げました。

妻はその日の午後、荷物をもって実家に向かいました。気持ちが楽
になったのか、別れ際にわずかながら笑みが見えたのが救いでした。

翌日の月曜日は休日で、子供たちはやはり朝早くから出掛けていま
す。男の子はある程度の年になると自分の世界が優先のようで、父
親が家にいようがほとんど関心が無いようです。妻は実家に帰って
いるので、手持ち無沙汰な私は簡単な朝食を取ると、パジャマのま
ま新聞を読んでいました。

その時、ドアのチャイムがなりました。玄関の扉を開けるとそこに
は玲子さんが立っていました。

「おはようございます」

玲子さんはにっこり笑って頭を下げます。秋とはいえまだ暑い日が
続いていますので、薄着は珍しくありません。しかし、玲子さんの
胸元が大きく開いたブラウスに黒いミニスカートといういで立ちは
私と同い年の女性としては大胆なものに感じました。
  1. 2014/07/15(火) 12:24:19|
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女友達と妻 第16回

「お話したいことがありまして、あがってもよろしいですか?」
「あ、ああ……」

何をしに来たんだろう。私は玲子さんの意図が計り兼ねていました
が、同時に玲子さんから先制攻撃を受けたような気分になっていま
した。

「どうぞ」
「失礼します」

一礼して部屋に上がった玲子さんは小わきに小さな紙包みを抱えて
いました。私は玲子さんを客室兼用の居間に通すと朝食時に多めに
用意した珈琲をいれ、自分は寝室に行ってパジャマから普段着へ手
早く着替え、居間に戻りました。

「紀美ちゃん……奥様はお留守なんですか」
「ちょっと実家に帰っている」
「そうですか……」

玲子さんはしばらく黙っていましたが、いきなりソファから降りて
絨毯の上に土下座しました。

「○○さん、このたびは誠に申し訳ございません。私と遠藤さんが
ついていながら、奥様と竹井さんの関係を止めることができなくて
……」

私は呆気に取られて床に這いつくばる玲子さんを見つめました。

「どういうことですか?」
「ですから紀美ちゃん……いえ、奥様と竹井さんの不倫の関係を……」
「玲子さん……」
「私が悪かったんです……奥様が竹井さんの純粋な愛に徐々に引か
れて行くのに気づいて、最初は一生懸命止めたんですが、奥様はど
んどん深みにはまっていって……最後はあんなことに……」
「ちょっと待ってください」
「竹井さんもすごく反省しています。先日の件の治療費は請求せず、
それとは別に慰謝料として30万円をお支払いする、と言っていま
す。ここに竹井さんからお金と二度と奥様には自分から関わること
はしない、という誓約書も預かってきました。遠藤さんも、自分に
も責任があるので○○さんに対して治療費は請求しないと言ってい
ます」

玲子さんは私の制止にもかかわらずそこまで一気にしゃべりました。
私は玲子さんの言葉に呆気に取られていました。

「玲子さん、今の話は私が妻から聞いている話とまるで違う。そも
そも不倫とはどういうことですか? 妻は竹井と遠藤にレイプされ
たんですよ?」
「紀美ちゃんがそんなふうに言ったんですか?」

玲子さんは目を丸くして驚きの表情を見せます。

「妻が言ったもなにも、私もその現場をしっかりとこの目で見てい
ます。玲子さん、あなたもその場にいたじゃないですか」
「あれは違います。あれはただの、その……プレイです」
「プレイ?」
「その……奥様がああいう風にしてほしいと言われたので私と遠藤
さんがお付き合いしたのです。もちろん私達も、つい悪乗りしてし
まったのは反省しています。申し訳ございません」

玲子さんは土下座したまま再び頭を下げます。私はすっかり混乱し
てしまいました。

「……では、レイプではないと?」
「もちろんです。私と奥様のこれまでの仲を考えてみてください。
そんなことをさせる訳がないじゃないですか。それにそもそも女と
して、目の前でレイプが行われるなんて許せるはずがありません」

玲子さんは真剣な目で私に訴えます。

「それでは……不倫とはどういうことですか?」
「最初、海で会った日からのことです。私と○○さんの家族で海に
出掛け、遠藤さんと竹井さんと偶然のように海で出会ったことです
が……」
「ああ、玲子さんが後で私に、ダシに使ってごめんなさいと言いま
したよね」
「そうです。ですが、あれは私だけではなくて、奥様も含めてのこ
とだったんです」
「何ですって?」
「つまり、海で遠藤さんと竹井さんがいることを奥様も知っていた
ということです。私が奥様との会話の中で、遠藤さんの友人でバレ
ーボールの選手をしていた竹井さんという人がいるということを度
々話していたら奥様が興味をもって、ぜひ一度紹介してほしいと私
にねだるようになったのです」

「もちろん私は気が進みませんでした。私は遠藤さんと一緒に竹井
さんと何度も会っていましたが、年齢の割に純粋なところがあって、
安易に紹介してお互いに本気になったら大変だと思ったのです。そ
れでずっと断
っていたのですが、バレーのアドバイスを聞きたいだけで、それ以
上進むつもりはない。自分は夫――○○さんのことです――以外に
世間話ができる男友達もいない。私に迷惑をかけることは絶対しな
いからとせがまれたので、ついOKしてしまいました」

私は玲子さんの言葉に驚きました。妻から聞いていた説明と全然違
うのです。

「それじゃ、A駅の近くで4人でデートしていたのは?」
  1. 2014/07/15(火) 12:27:28|
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女友達と妻 第17回

「あれも奥様からお願いされてのことです。竹井さんがチームのコ
ーチになってから、奥様はどんどん本気になって行きました。竹井
さんも最初は自制していたのですが……やはり健康な男性ですから、
奥様に迫られるとつい心が動いてしまうようです。私と遠藤さんは
2人をたしなめたのですが、奥様はバレーのコーチと選手という関
係だけでは苦しい。一度だけ恋人のようにデートをしたい。それが
かなえばすっぱりと諦めると言い出しました」

「それでも2人だけで会わせることは危険だと思いましたので、私
と遠藤さんを加えた4人で会うことにしました。奥様は2人だけで
はないということで最初は不満そうでしたが、そのうちに4人でい
ても竹井さんしか目に入らないと言ったふうにはしゃぎ出しました。
私と遠藤さん
はまずいな、と思い、内心はらはらしていたら、○○さんから奥様
に電話が入ったのです」

「奥様はあわてて家に帰り、その後はしばらくおとなしくしている
ようでしたので、さすがに懲りたのかなと思っていました。ところ
が、間もなく奥様から竹井さんへのメール攻勢が始まったのです」
「紀美子からですか? 竹井からではないのですか?」
「……奥様からです。最初は他愛もない世間話ばかりだったような
のですが、次第にもう一度2人だけで会いたい、この前デートが中
断されて余計に思いが深くなった、もう一度会いたいというような
内容に変わっていきました」

妻から聞いていた話とまるで逆です。

「奥様は普段着るものはおとなしいものに変えたようですが練習中
の行動はどんどん大胆になってきました。竹井さんにわざとお臍を
見せたり、コーチを受けている時はお尻や胸を押し付けるようにし
たり……私はチームの中で噂になるんじゃないかとはらはらしてい
ました」

「ある時、練習が終わったのになかなか奥様が更衣室から出てこな
いので探すと、体育館の裏で竹井さんとキスをしていました」
「何だって」

徐々に玲子さんの話に引き込まれていた私は、まるでその場にいた
かのように驚きの声を上げました。

「どうしてとめてくれなかったんですか」
「……すみません。後で強くたしなめました。竹井さんには遠藤さ
んの方から注意してもらいました」

玲子さんはしゅんとなって頭を深々と下げます。

「そうすると奥様はわっと泣き出しました。どうしても自分の気持
ちが押さえられない。夫も子供も捨てて竹井さんのところへ行きた
いという自分がいる。それがたまらなく怖い。一度だけ竹井さんに
抱かれたら必ずふっ切ることができるから力を貸してしてほしいと
私に懇願してきました」

「もちろん私は必死で止めたのですが奥様はそれこそ半狂乱になっ
ていて……奥様のことを妹のように思っていた私はそれで再び普
通の生活に戻れるのなら、ということでつい協力を約束してしま
いました」

「奥様は、ラブホテルのような場所で竹井さんに抱かれると出入り
の際に誰に見られるか分からない。体育館の近くの遠藤さんのマン
ションなら時間もかからないし、誰かに見られても4人で練習日程
の打ち合わせをしていた、と言い訳が出きると、わざわざ指定して
きました。それにそこなら私がアリバイ作りの協力もできるだろう
と……」

私は呆気に取られて玲子さんの話を聞いています。

「ここできっぱりと断るべきでした。奥様と竹井さんの関係を断固
止めるべきでした。○○さんには本当に申し訳ないことを致しまし
た」

玲子さんは再び深々と土下座します。

「その夜、私達は遠藤さんのマンションに行きました。奥様と竹井
さんは狂ったように……すみません。とにかく奥様は何度も竹井さ
んを求め、体力のある竹井さんもたじたじとなるほどでした。帰り
の時間が心配になった私と遠藤さんは相談して○○さんに電話する
ことにしました。私はバレーの特訓をしていると言えば怪しまれな
いのじゃないかと思って、私が電話をしている間に遠藤さんは奥様
を少し落ち着かせ、電話を代わりました」
「それがあの時の電話ですか……」
「そうです……騙して申し訳ありません」

玲子さんは土下座したままそう言いました。

「それから奥様と竹井さんの関係はエスカレートして行きました。
私と遠藤さんはなんとか○○さんに知られないうちに関係を終わら
せようとあれこれ試みたのですが、すべて無駄に終わりました。奥
様と竹井さんは週末の練習時間だけでなく、平日も遠藤さんのマン
ションの鍵を借りて……その……情事に耽るようになりました」

「私と遠藤さんは段々奥様と竹井さん、特に奥様のペースに乗せら
れて行きました。ある時遠藤さんのマンションへ行った私は、奥様
が竹井さんと遠藤さん2人に絡み付かれているのを見て大変なショ
ックを受けました。泣いて抗議する私に奥様は、私も遠藤さんだけ
ではなく竹井さんにも抱かれたら良いんじゃないかと言い放ちまし
た」

「私は奥様に対して軽い復讐心が芽生えました。そこで、奥様が男
2人を相手に情事に耽るのを見ながら、奥様をいたぶることが習慣
になりました。しかし奥様はあくまで貪欲で、私のそんな責めなど
軽く跳ね返すようでした」
  1. 2014/07/15(火) 12:28:43|
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女友達と妻 第18回

私は玲子さんの妻に関する信じられない話を聞いてただただ呆然と
するばかりでした。

これまでの行動から玲子さんの言うことはは信用できない、妻を信
じるべきだという思いはもちろんあるのですが、一方でひどく動揺
している私がいます。

「……どんな理由があれ、○○さんには申し訳ないことをいたしま
した。私自身、どうやってお詫びをしたらよいのか分からないくら
いです」

玲子さんは床の上に這ったまま私に少しずつ近づいてきました。

「奥様に裏切られた……すみません……他の男に奥様を奪われるこ
とになった○○さんのお気持ち、お察しします。私も違う形とは言
え、誰よりも愛していた人を失ったことがありますから」

玲子さんはそう言うと力が抜けたようにソファに座っている私の太
腿のあたりに手をかけました。玲子さんの目は真っすぐに私の目に
向いています。私ははっと我に返ると玲子さんの手を払いました。

「玲子さん、申し訳ないが私はあなたの言うことを信用することが
できません。今の話は紀美子から聞いた話とまるで正反対です」
「紀美ちゃんが○○さんに隠すのは当然です。そんなことを正直に
話したら離婚になってしまいます。私も○○さんたちの家族がこん
なことでバラバラになって欲しくありません」

玲子さんは真剣な顔でそう訴えます。

「妻のことはともかく、玲子さんはその……昔とはまるで変わって
しまったように思える。特に、あの遠藤という男と付き合い出して
からだ」
「女は男次第で変わります。亡くなった夫は私より年上で、私にと
っては全面的に頼れる存在でした。遠藤さんはそれに比べてまだ若
く、時には私がリードしなければなりません。着るものだって、化
粧のやり方だって、亡くなった夫の好みと、遠藤の好みでは全然違
うのです」

玲子さんはそういって私を見上げるようにします。大きく開いたブ
ラウスの胸元に、玲子さんの豊かな乳房の谷間があらわに見えてい
ます。私はあわてて目をそらしました。

「とにかく私は妻の話を信じます。申し訳ないが今日はかえってく
れませんか」
「そうですか……」

玲子さんは困ったような顔をしました。

「これはできればお見せしたくなかったのですが……このままでは
遠藤さんと竹井さんが紀美ちゃんからレイプの罪で訴えられてしま
うかも知れません。あの2人も確かに軽率ですが、冤罪で苦しむの
を見逃す訳には行きません」

玲子さんはそう言うと紙袋から一巻のビデオを取り出しました。

「帰る前に、これを見ていただけませんか」
「何ですか? これは」
「ご覧になっていただければ分かります」

いやな予感がした私がためらっていると、玲子さんは今のテーブル
においてあったテレビとビデオ兼用のリモコンを取り上げ、電源を
入れます。次に箱からテープを取り出すと、ビデオデッキの中にセ
ットしました。

一瞬ざらっとしたノイズのような画面が現れ、次に26インチのモ
ニターに信じられない場面が映し出されました。

素っ裸の妻が四つん這いになって背後から男に犯されています。男
の顔が画面に映ります。やはり思ったとおり竹井です。竹井は時折
妻の豊かな尻をパンッ、パンッと叩きながら、激しくピストン運動
をさせています。

「あ、あっ……」
「気持ちいいのか、紀美子」
「気持ちいい……」
「紀美子のオマンコに何が入っている?」
「竹井さんの……オチンチン」
「紀美子のオマンコに竹井さんの太いオチンチンが入っています、
と言ってみろ」
「紀美子のオマンコに……竹井さんの……太いお、オチンチンが入
っています……ああっ」

 そこまで妻に言わせた竹井は激しく妻を突き上げます。妻は絶頂
が近いのか「も、もうっ」と声を上げます。

「あらあら、もう、もうなんて牛みたいね、紀美ちゃん。いつもの
おねだりはどうしたの?」

画面の外からの声は玲子さんのものです。

「あ、ああ……紀美子、もう、イっちゃいます……お願い……竹井
さん……紀美子の膣(なか)に、紀美子の膣にくださいっ」
「よし、いくぞっ、紀美子っ」

竹井は再び妻の尻を力強く叩きます。その瞬間妻はイったのか、身
体を弓なりに反らせてブルブル震わせます。

「い、イクっ、紀美子、イクっ」
  1. 2014/07/15(火) 12:29:41|
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女友達と妻 第19回

私が唖然として画面を見つめていると場面は切り替わり、やはり素
っ裸の妻が男の上にまたがり、ゆっくりと腰をうねらせています。
もう一人の男が妻の背後に回り、小ぶりですが形の良い乳房をゆさ
ゆさと揉み上げています。

「……それでは現場の○○紀美子アナを呼んでみたいと思います。
紀美ちゃーん」

画面の外から声がしました。ビデオを回している玲子さんのようで
す。驚いたことに妻は声の方に顔を向けると、にっこり笑ってピー
スサインをしました。

「紀美ちゃん、今の現場の様子はどうでしょう。実況をお願いしま
す」
「は、はい……ただいま現場では紀美子が竹井さんからオマンコに
オチンチンを入れられ……え、遠藤さんにオッパイをも、モミモミ
されています。あ、ああっ」
「少し音声が乱れていますが、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫です。あ、あんまり気持ち良いので、こ、声が出ただ
けです。ああっ……」
「どこがそんなに気持ち良いんですか?」
「た、竹井さんの太いオチンチンで……紀美子の子宮を突き上げら
れるようで……」
「オッパイも気持ち良いですか?」
「お、オッパイも気持ち良いです。紀美子はオッパイがすごく感じ
るんです。え、遠藤さんはとってもモミモミが上手で、き、紀美子、
玲子さんがうらやましい……ああっ」
「オッパイを揉むくらいならいつでもお貸ししますわ。でも、オチ
ンチンは駄目よ」
「はい……わかっていますわ……紀美子は竹井さんのオチンチンが
あれば十分ですわ……ああっ」
「あっ、いよいよ紀美子アナ、イキそうです。いつものようにイク
瞬間を本人の口から実況してもらいましょう」

カメラがぐっと妻に近寄ります。妻の顔は赤く染まり、ハア、ハア
という荒い息遣いまでが聞こえてきます。

「ああっ、き、紀美子、イキますっ、イっちゃいますっ」

妻はそうほざくように言うと電流に触れたように身体を震わせなが
らのけぞらせます。背後から妻を責めていた遠藤が唇を求めると、
妻はうっとりとした表情で遠藤に唇を合わせます。

画面の中で妻と遠藤が熱い接吻を交わしているのを呆然と見つめて
いる私の隣に、気がつくと玲子さんが密着するように座っています。
玲子さんはいつの間に脱いだのか、玄人っぽい紫のレースのパンテ
ィ以外は裸でした。玲子さんはそっと私の股間に手を差し伸べます。

「○○さん、少しここが堅くなっているわ。奥様が気持ち良さそう
にイっているのを見て、興奮したのかしら」

玲子さんは悪戯っぽい目で私を見つめます。

「それとも朝の生理現象がまだ続いているの? どちらにしてもこ
のままじゃ身体に良くないわ。玲子が鎮めて上げる」
「玲子さん、何をするんだ」

私は拒絶の言葉を口にしますが、思いがけない妻の姿のビデオを見
た衝撃で身体が動きません。玲子さんは器用に私のズボンのベルト
を外すと、前のファスナーを降ろしました。

「そんなことを言ってもここのところは正直よ」

玲子さんは私のパンツの前を広げ、半勃ちになったペニスを取り出
します。

「まあ、立派ね。紀美ちゃんがうらやましいわ」

玲子さんは溜め息をつくようにそういうと、私のペニスをゆるやか
にさすり始めます。画面の中では仁王立ちになった遠藤の前にひざ
まずいた妻が、屹立した遠藤の肉棒にじっと瞳を注いでいました。
妻がぐっと目を閉じて遠藤を咥えようとした時、画面の外から玲子
さんの叱咤の声が飛びます。

「黙って咥えるなんてお行儀が悪いわよ。紀美ちゃんは食事の前に
『いただきます』も言わないの?」
「い、いただきます……」

妻は小声でそう言うと遠藤のペニスにそっと口吻を注ぎ込みました。

(紀美子……)

「奥様、なかなかおしゃぶりがお上手だったわ。○○さんのお仕込
みが良かったからかしら」

玲子さんも画面に視線を向けながら、私のペニスに愛撫し続けます。

「私も負けてはいられないわ」

玲子さんは大きな裸の乳房を2度、3度と私の熱くなった逸物に押
し付けるようにすると、ぱくりと咥え込みました。

「おおっ……」

玲子さんの絶妙な舌技に責め立てられ、私の口から情けない声が漏
れます。画面の中の妻も玲子さんの動きにシンクロするように激し
く顔を前後に動かしています。私はいつしか妻にフェラチオされて
いるような錯覚に陥りました。
  1. 2014/07/15(火) 12:31:23|
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女友達と妻 第20回

その時、私の脳裏に一昨日、遠藤のマンションから連れ帰った時に
見せた妻の泣き顔が浮かびました。

(何をやっているんだ……俺は)

私は必死で自制心を働かせ、玲子さんの頭を思い切りおしやるとリ
モコンを手に取り、ビデオを停止させました。半裸の玲子さんは絨
毯の上に尻餅をついています。

「どうしたの? もう少しだったのに……」
「いい加減にしろ。俺は玲子さんの言うことは信じない。言ってい
ることが紀美子とまるで違う」
「馬鹿ね。今のビデオを見たらどちらを信じるべきかは一目瞭然じ
ゃない」

玲子さんは余裕の笑みを浮かべます。私の言葉も乱暴になっていま
すが、玲子さんもそれまでの慇懃な言葉遣いが嘘のように、蓮っ葉
な口調になっています。

「黙れ。俺は紀美子を信じている」
「なによ、格好をつけちゃって。今まで私のフェラでオチンチンを
立てていたくせに」

玲子さんはそう吐き捨てるように言うと、脱ぎ捨てたブラウスとミ
ニスカートを身につけ、立ち上がりました。

「紀美ちゃんはいつまで実家に帰っているの?」
「玲子さんには関係ない」
「ふん、奥様がいないと寂しいでしょう? 私も遠藤が肩の骨を脱
臼してしまって、アレどころじゃないの。また遊びにくるわ」

玲子さんはそう言い残して私の家を出て行きました。後には一本の
ビデオが残されました。

玲子さんに対しては強がってはみたものの、私は今しがた目にした
ビデオに打ちのめされていました。竹井に背後から侵されながらは
っきり快感を訴えていた妻、竹井の上に跨って気をやりながら遠藤
と熱い接吻を交わしていた妻、遠藤のペニスを美味しそうに咥えこ
んだ妻──それらの姿は私の妻に対する信頼を大きく揺るがすもの
でした。

(電話をかけて確かめようか──)

私は受話器に手を差し出しかけて止めました。妻が竹井や遠藤、そ
して玲子さんから脅されて無理やりあのような「演技」をさせられ
たとしたらどうでしょうか。それとも何らかの薬物、幻覚剤のよう
なものを投与されたとしたらどうでしょうか。

もしそうなら、私が妻を問いただすことは私が妻を信用していない
ということを明らかにしてしまいます。

(ビデオの続きを確認しようか──)

私はそれもやめました。玲子さんがあえて私のところに持ってくる
からには、彼女や遠藤、竹井にとって有利な、かつ妻にとって不利
になる場面が収められているに違いありません。それを観ることは
私の妻に対する信頼をさらに大きく揺さぶることになり、それこそ
玲子さんたちの思う壺です。私は袋小路に追い詰められたような気
分になり、頭を抱えました。

頭の中には妻と竹井が繋がっている場面が焼き付けられているよう
で、消そうにも消えません。その時、突然電話のベルが鳴り、私は
心臓が大きく音を立てるほど驚きました。

「はい、○○です」
「あなた……紀美子です」
「ああ……」

電話は妻からでした。妻は実家に帰っても必ず一日一度は電話をか
けてきます。特に今日のような休みの日は、私がいつまでも朝寝を
しないように心配して、午前のやや遅めの時間にかけてくることが
多いです。

「勝手をしてすみません。何か困ったことはないですか?」
「いや、こちらは大丈夫だ」

全然大丈夫ではないのですが、今は妻に本当のことを言うわけには
いきません。私はわざと話題を変えます。

「ところで、お義父さんとお義母さんはどうしている? しばらく
話をしていないし、今回は急に紀美子が帰省することになったので、
せめて電話でご挨拶をしておきたい。代わってもらえないか?」
「え? 父と母ですか」

妻は一瞬言葉を呑んだようです。

「ごめんなさい…今日は2人とも朝から出かけています」
「紀美子が帰っているのにか?」
「前から予定していたようで……私は突然帰ってたから」
「そうか……それなら、帰ってきたらよろしく言っておいてくれ。
夜にでももう一度こちらからかける」
「あ……あなた」

妻が言葉をはさみます。

「なんだ?」
「電話するときは、私の携帯にしてくれませんか?」
「なぜだ?」
  1. 2014/07/15(火) 12:32:27|
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女友達と妻 第21回

「2階にある子機の調子が悪くて、聞こえにくいんです。私は大抵
2階にいるから。それと今晩はだいぶ遅くなるようなことを言って
ましたから、両親への電話は明日にしてください」
「そうか……わかった」
「それじゃあ、出来るだけ早く帰ります」
「あ、紀美子」
「なんですか?」

私は一瞬、ビデオのことを尋ねようかと迷いましたが、すぐに今の
妻に聞くべきではないと思い直しました。

「いや……なんでもない」
「それじゃあ、切りますね」

妻からの電話はそこまでで切れました。

私は妻のことを疑うのを意図的にやめて、竹井と遠藤にどのように
対処すべきかということを考えることにしました。法的な措置に出
るのも良いですが、私が彼らに怪我を負わせたということもあり、
また、今のビデオを見ると強姦罪で訴えるというのはあまり得策で
はないように思えます。

かといって民法上の不法行為による損害賠償ということなら、妻が
竹井によって強姦されたのではなく不倫関係にあった、玲子さんと
遠藤はせいぜいその幇助をしたに過ぎないということにとどまりそ
うです。私はこの件で妻と別れるなどということはさらさら考えて
いませんので、慰謝料などを請求できたとしても僅かな金額に留ま
るでしょう。それこそ玲子さんが提示した30万円というのが精々
かもしれません。

私はここでも行き詰まりました。妻を助けるために竹井と遠藤に痛
撃を加えたものの、玲子さんを含む彼ら3人は反撃に転じ、じわじ
わと私を攻め立てているようです。法律的手段ではなくても、二度
と妻に近づきたくなくなるほどの打撃を彼らに与えない限りは、妻
を実家から呼び戻すことも出来ません。

妙案が浮かばないまま夜を迎えベッドに入りますが、なかなか眠る
ことが出来ません。目を閉じると今日ビデオで見た妻の痴態が頭に
浮かんでくるのです。必死で追い払おうとしているうちに、私にふ
とある疑いが生まれました。

(紀美子は本当に、実家に帰っているのだろうか?)

昨日の朝、私が目を覚ましたときには妻はもう起きていて、朝食の
最中に私に実家に帰りたいということを切り出しました。妻が実家
の両親に事前に何の連絡もなしに帰ることを決めることはないはず
ですから、私が起きる前に実家に電話したはずです。

しかし、妻によると妻の父と母は今日一日中不在ということでした。
それも前から決まっていた予定だということです。それならどうし
て今日の夜、または明朝まで帰るのを延ばさなかったのでしょうか。

妻は実家に帰りたい理由を、平日は私がいないので気持ちが落ち着
かないからと言っていました。しかし、少なくとも今日までは休日
で、私は家にいることは可能なのですから、両親が不在なのであれ
ば慌てて帰る必要はないはずです。

(念のためにこちらからかけ直すんだった)

妻との電話が終わってから、私が妻の携帯ではなく妻の実家に電話
をしたらどうなっていたでしょうか。妻がその電話に出ることが出
来たでしょうか。それとも不在のはずの妻の両親が電話に出たので
はないでしょうか。

そこまで考えた私は、こういった思考もひょっとして玲子さんたち
の思う壺にはまっていることではないかと感じました。私は完全に
彼らの揺さぶりに翻弄されています。とにかく今は妻のことは信じ
ることとし、竹井たちへの対抗策のみを考えることとして無理やり
に眠りに入りました。


三連休明けの会社は仕事が溜まっており、私は一日を忙しく過ごし、
妻や竹井について考える余裕はほとんどありませんでした。仕事を
片付け、家に帰ると10時半頃になっていました。

玄関の前に立った私はチャイムを鳴らします。まだ子供たちが起き
ていて、迎えに出るだろうと思っていました。

(そういえば、子供たちは夕食をどうしただろう)

忙しさにかまけて、子供の食事のことがすっかり頭から抜け落ちて
いました。昨日は妻が作り置きしておいたカレーを食べたのですが、
食欲旺盛な男の子が二人揃っていますから、ほとんど平らげてしま
いました。

(ご飯くらいは炊けるはずだが……あの子達はあまり冷凍食品が好
きじゃないし)

そんなことを考えていると玄関の扉が開きました。

「お帰りなさい」

なんとそこには、Tシャツとジーンズの上にエプロンを着けた玲子
さんが立っていました。その後ろにパジャマを着たこどもたち2人
が立っています。

「お父さん、弘明のお母さんがおかずをつくってくれたんだよ」
「お母さんはいないし、お父さんも遅いし、僕達困っていたら祐樹
のママが来てくれたんだ」

子供たち2人がニコニコしながら話すのを、私は唖然として聞いて
いました。
  1. 2014/07/15(火) 12:33:20|
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女友達と妻 第22回

「どうしてここにいる」という言葉を私は慌てて飲み込みました。
子供たち2人は私たち夫婦と玲子さんの間に何が起こったのか、妻
がなぜ実家に帰っているかなどについて本当のことは何も知りませ
ん。子供たちの前で争うわけには行かないのです。

「そうですか……どうも有難う、玲子さん」

私は内心の苦々しさを噛み殺してそういいました。

「しかし……もう遅いから帰ったほうがいいんじゃ……」

私がそういうのを玲子さんは途中で遮りました。

「いいのよ。どうせうちは私と子供たちだけだし。困ったときはお
互い様──というより、今まで○○さんには随分助けてもらってい
るから、これくらいのことはさせて頂かないと」

玲子さんは笑みを浮かべてそういいますが、目は私の顔にじっと注
がれています。私は思わず目をそらしました。

「マンションって便利ね。部屋のつくりが似ているから、何がどこ
にあるか大体想像がつくわ」

そういうと玲子さんは子供たちに「あなたたちはもう部屋に戻りな
さい。遅くならないように寝るのよ」といいます。

子供たちは「はあい」と素直に返事をし、自分たちの部屋に戻りま
す。

「何を考えている」
「先にお風呂にします? お食事にします」

玲子さんは質問には答えず、私からスーツの上着を脱がせようとし
ます。

「自分でやるからいい」
「そうですか」

玲子さんは手を引っ込め、私がネクタイを外すのをじっと見ていま
す。

「先にお風呂に入るでしょ。下着とパジャマを出しておきました」

私は少し驚いて玲子さんのほうを見ます。

「前に紀美ちゃんから聞いたことがあるのよ。○○さんは帰ったら
必ず真っ先にお風呂に入るって」
「……」
「今日のお食事は麻婆豆腐です。好物でしょ?」
「それも紀美子から聞いたのか?」
「うちのとレシピは違うかもしれないけれど、その辺は我慢して頂
戴。おつまみはアボガドよ。ちょうど良く熟れたのがあったわ」

アボガドを刺身のように、わさび醤油で食べるのが私の好きな酒の
つまみです。私は完全に玲子さんのペースに乗せられているのを感
じました。

玲子さんがキッチンへ向かうのを見送った私は、風呂へ向かいます。
脱衣所には確かに私の下着とパジャマがきちんと畳んで置かれてい
ました。

(一体何を考えている? あの女は)

私は湯船に漬かりながら玲子さんの行動の理由を考えていました。
するといきなり扉が開き、バスタオル一枚の玲子さんが風呂場に入
ってきました。

「ど、どういうつもりだ」

私は驚いて思わず声を上ずらせます。

「お背中を流しますわ」

玲子さんは落ち着いた表情でバス用のスポンジにボディソープを垂
らし、泡立てます。

「どうぞ」
「出て行ってくれ」
「大きな声を出すと、子供たちが不審に思いますよ」

私はぐっと言葉につまり、仕方なく湯船から出ます。玲子さんは背
中を向けて座った私の身体を洗い始めました。

「ああ……主人の背中をこうやって洗ったことを思い出すわ」
「……」
「○○さんは紀美ちゃんとよく一緒にお風呂に入るんですか」
「いや……」

妻は恥ずかしがり屋で、私と一緒に入浴するのは、子供たちが小さ
いときに行った温泉での家族風呂くらいです。そういえば私は妻の
裸を明るいところでは滅多に見たことがありません。

「それはつまらないわねえ。私たちはしょっちゅう一緒に入ってい
たわ」
「今も遠藤と入るのか」

私は余計なことを聞いてしまいました。

「遠藤さんとはお風呂に入るというよりも、セックスの流れの中で
そうするようなものだから……」

玲子さんの声が艶を帯びてきました。
  1. 2014/07/16(水) 09:55:19|
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女友達と妻 第23回

私の背に柔らかいものがぐいと押し付けられました。振り返ると玲
子さんはバスタオルを外し、全裸になって豊かな乳房を私の背に押
し付けるようにしています。

「玲子さん……やめるんだ」

玲子さんは泡立てたボディソープを乳房にたっぷり垂らして、私の
背をぐいぐいと洗い始めます。私の拒絶にもかかわらず、玲子さん
は面白がるように柔らかく豊かな乳房を押し付けてくるのです。

「いかが? ○○さん。玲子のオッパイで洗われる気分は。気持ち
良い?」
「馬鹿をいうな。早くやめろ」
「ここんところを大きくしてそんなことを言っても、まるで説得力
ないわよ」

玲子さんはくすくす笑いながら私の股間にそそり立った肉棒を握り
締めます。確かに私のその部分は硬く、大きくなっています。

「死んだ夫も、遠藤も、私がこうやって洗って上げると必ずオチン
チンを大きくしたわ。男は誰も同じね。大きなオッパイが好き」

玲子さんは笑いながら私のペニスをやわやわと愛撫し、大きな乳房
で私の背中に「の」の字をかくように身体を動かしています。

「もういい。出て行くんだ。いや、もう自分の家に帰ってくれ」
「あら、これからが本番なのよ」
「背中を洗うのはもういいと言ってるんだ」

私はそう言うと急いで身体の泡を流し、湯槽の中に身体を浸します。

「玲子さん、俺を誘惑して事態を有利に運ぼうとしているのかもし
れないが、こんなことをしても無駄だ。俺は紀美子を裏切るような
ことはしない」

私は玲子さんの裸身から目をそらしながら言います。

「あら、奥様の方は○○さんを裏切っても?」
「紀美子も俺を裏切ったりしない。わかったら早く帰れ」
「わからないわ。いえ、○○さんがわかるように、本当のことを教
えて上げる」

玲子さんはそう言うと立ち上がり湯槽の中に入ってきました。あふ
れ出たお湯が洗い場にざあっと流れます。玲子さんは私に向かい合
ってしゃがみこむような姿勢を取ると、私の両足を肩の上に抱え上
げるようにします。私は驚いて抵抗しましたが、狭い湯槽の中では
思うように身体も動かず、玲子さんも日頃スポーツで鍛えているせ
いか女とは思えない力で私の足をしっかりと抱えます。私の腰が浮
かぶようになり、屹立したペニスが湯から顔を出しました。

「これ、何て言うか知っている? 潜望鏡っていうのよ」

玲子さんはそう言うといきなり私のモノを咥えてきました。

「うっ……」

私は湯の中に滑り落ちないように縁を掴んでいるのに必死で、玲子
さんの大胆な行為にすっかり翻弄されていました。玲子さんは舌先
でチロチロと私の裏筋を嘗めていたかと思うと、深く飲み込み、顔
を激しく前後させて私を責め立てます。

「ねえ、○○さん。イキたい?」

玲子さんはふと私のものから顔を話すと、上目使いに私の顔を見つ
めます。

顔を横に振る私に玲子さんは「素直じゃないわね……」と呟き、手
で私のものをゆっくりとこすり立てます。

「奥様と竹井さんが一緒にお風呂に入った時は、必ず奥様は一度、
竹井さんをイカせていたわよ……」

玲子さんはそう言うと何かを思い出したようにクスリと笑います。

「奥様は今の私のように竹井さんと一緒にお風呂に入って、手や口
を使って竹井さんのものを愛撫していたわ。時々竹井さんが奥様に
聞くの。俺のものと亭主のものはどちらが大きいかって……」

玲子さんが私を動揺させようとしてそんな話をしているのは明白で
す。私は玲子さんのペースに嵌らまいと思いながら、その部分を緩
やかに愛撫されることでまるで麻酔をかけられたように気力が萎え
てくるのを感じました。

「すると奥様はこんなふうに答えるの。あなたのものの方が大きく
て素敵です。紀美子、大きなオチンチンが大好き、って」

玲子さんはそう言うとショックを受けている私のモノを舌先でペロ
リと嘗めます。

「……ごめんなさい。私は○○さんのオチンチンが小さいとは思わ
ないわ。でも、竹井さんのオチンチンの大きさは、ちょっと人並み
外れているのよ」

玲子さんは口を開いて私のモノを呑み込み、5、6回大きなストロ
ークで愛撫します。

「奥様は時々こういいながら竹井さんのモノをしゃぶっていたわ。
ああ、紀美子、大きなオチンチンが大好き……あなたのザーメンを
紀美子に一杯飲ませて、って」
  1. 2014/07/16(水) 09:56:50|
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女友達と妻 第24回

玲子さんは舌、唇、歯、頬の肉、そして喉まで総動員して私を責め
上げます。そして鼻息交じりに「紀美子に飲ませて……一杯飲ませ
て……」と妻の口まねをします。私は玲子さんや竹井に怒りを感じ
ながらもその部分は限界まで膨張し、玲子さんの口の中で爆発寸前
になります。

「ああ……こんなに大きくなって……素敵……あなたのオチンチン
……紀美子だけのものよ……ねえ、イって……紀美子のお口でイっ
て……」

妻は本当にそんなことを言いながら竹井のモノを愛撫していたので
しょうか。私は竹井のその部分がどうなっていたか思い出そうとし
ます。

妻が竹井と遠藤にレイプされている部屋に踏み込んだ時、竹井のモ
ノは妻の中に収まったままでした。私は怒りに任せてアイアンを竹
井の足に叩きつけたのですが、その時竹井のモノはどういう状態だ
ったのか、よく覚えていません。

玲子さんの言う通り人並み外れて大きなものだったなら気が付いて
いると思うのですが、その時は恐怖のため縮こまっていたのかも知
れないのです。

「ねえ……紀美子に飲ませて……あなたのモノを……いっぱい紀美
子に飲ませて……」

私は心の中にある暗い感情が沸き起こってくるのを感じました。そ
れは紛れも無い、妻に対する復讐心でした。陶酔した表情で私のモ
ノをフェラチオし続ける玲子さんの顔が妻の顔とダブり、私は裏切
った妻を汚すような思いで身体の緊張を解きました。

「ううっ」

私は自分でも驚くほどの量の精液を玲子さんの喉の奥に叩きつけま
した。玲子さんは眉をしかめて咳き込みそうになるのをこらえ、必
死で飲み干して行きます。長い射精が終わり、玲子さんは最後の一
滴まで絞り尽くすように喉を鳴らすと、ようやく私から口を離して
ふう、と息をつきました。

「先に上がってお食事の支度をしているわ」

玲子さんは勝ち誇ったような表情でそう言うと、私に裸の背を向け
て浴室を出て行きました。私は玲子さんの引き締まった尻をぼんや
りと眺めていました。

浴室に残された私の中に、妻に対する罪悪感が沸き上がってきまし
た。玲子さんの術策にはまり、妻を裏切ってしまったのです。子供
の存在を人質に取られて一方的に責められる、いわば逆レイプのよ
うな行為でしたが、最後は私は玲子さんに誘導されて妻が裏切った
と思い、積極的に玲子さんの口内に精を放ったのは事実です。

(やはりすぐに帰ってもらおう)

私はそう心に決めると浴室を出て、急いで身体を吹いて下着とパジ
ャマを身につけ、リビングダイニングに向かいます。

「あら、もっとゆっくり入っていたらよいのに。お風呂は好きなん
でしょう」

エプロン姿の玲子さんが微笑を浮かべて私を迎えます。私は先程の
行為の後ろめたさから思わず目をそらしました。

「そんなのんびりした気分じゃない。いますぐ帰ってもらえないか」
「冷たいわね。私が夕食を用意して上げたのよ」
「それについては感謝している。しかし、もう夜も遅い」
「何を子供のようなことを言っているの」

玲子さんが身体を寄せてきます。私は思わず彼女の方に目を向けま
した。エプロン姿の玲子さんの肩は丸出しで、Tシャツを身につけ
ている気配はありません。

「急いでお風呂から上がったので、エプロンしか着ていないの……」

玲子さんは微妙な笑みを浮かべて私の耳元に口を寄せ、そう囁くと
くるりと後ろを向きました。

確かに玲子さんはエプロンの下は一糸まとわぬ裸でした。湯上がり
の少しピンク色に火照った肌が私の目にたまらなく扇情的に写りま
した。

「……服を着てくれ」

絞り出すような声でそう言い、目を逸らした私に玲子さんは再び身
体を近づけます。

「竹井さんも裸エプロンが大好きなんですって。一度○○さんもお
子さんも留守の休日に、奥様が竹井さんのマンションに行って、一
日中裸エプロンで過ごした、って聞いたことがあるわ……」

玲子さんの言葉に私はいきなり心臓をつかまれたようなショックを
受けました。

「竹井がそう言ったのか」
「竹井さんと奥様から別々に聞いた、いえ、聞かされたのよ」
「いつの話だ」
「さあ……いつだったかしら」

玲子さんは微笑を浮かべたまま私から目を逸らします。

「私も一緒に食事をしていっていいかしら。今から帰って自分一人
で食べるのはわびしいわ……」
  1. 2014/07/16(水) 09:57:44|
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女友達と妻 第25回

私が黙っていると玲子さんは畳み込むように言います。

「奥様の話、もっと聞きたくない?」
「……勝手にしろ」

ついに私は玲子さんの軍門に下ります。ここで追い返すべきだ。こ
れ以上玲子さんの話を聞いたら私の動揺は大きくなり、妻に対する
不信感が広がる。それは玲子さんや竹井の思う壷だ。私の理性はそ
う叫ぶのですが、妻の話をもっと聞きたい、もっと知りたいという
欲求を抑えきれないのです。

玲子さんは勝ち誇ったような笑みを浮かべ、ビールとつまみの用意
をします。350CCの缶2本とグラス2つがテーブルに並びます。

「一緒に頂いて良いかしら?」

私が無言で頷くと、玲子さんはビールを2つのグラスに注ぎます。
私はグラスを持ち上げると玲子さんは私に合わせて、グラスをカチ
ンと軽くぶつけます。

「乾杯」

玲子さんは媚めかしい笑みを浮かべて私を見つめます。

「何に乾杯だ」
「もちろん、私と○○さんが初めて結ばれた夜によ」

私は苛立たしさを抑えながら、グラスのビールをぐいと飲み干しま
す。

「結ばれてなんかいない」
「あら、それならさっきのお風呂でのことは一体なんだったの?」
「あれは玲子さんが無理やり……」
「○○さんは男でしょう? 本当に嫌だったらどうとでも出来たは
ずだわ。それなのに私の口の中で最後までイったのはどうしてなの?」

玲子さんの指摘に私は黙り込みました。確かに、子供に知られても
よいのかと玲子さんは脅迫的な事を言っていましたが、強く拒絶す
れば拒絶することは出来たはずです。

「あまり苛めるとかわいそうね。奥様と竹井さんの話をしましょう」

玲子さんは空になった私のグラスにビールを注ぎます。

「そうそう、おつまみを取って来なくちゃ」

玲子さんは立ち上がると私に背を向け、冷蔵庫に向かいました。裸
の上にエプロン一枚のため、形のよいお尻が丸見えです。私は思わ
ず目が釘付けになります。

先程浴室で裸を見たはずなのに、エプロンの紐だけの玲子さんの後
ろ姿は、素っ裸よりもむしろ扇情的です。玲子さんは冷蔵庫を開け
ると、ラップをかけた皿をいくつか取り出します。

「私が好きなものと似ているわ。矢っ張り同い年ね」

玲子さんがテーブルの上に並べたのはスライスしたアボガド、冷や
奴にキムチと鰹節をかけたもの、オクラ、浅漬けなどです。いずれ
もそれほど手間はかかりませんが私の好物で、妻がよくつまみとし
て用意するものです。

私は腹立たしい気持ちはあるのですが、これから素面で玲子さんと
話す気にもなりません。悪酔いしないように料理を食べだしました
が、これが美味しく、そんな風に感じる自分にも嫌気がさします。

「竹井や遠藤は若いからこういうものじゃ満足出来なくて、揚げ物
なんかが好きみたいね。奥様も竹井の部屋でつまみに鶏の空揚げを
作らされた、っていってたわ」

私は妻が裸にエプロン一枚の格好で台所に立ち、料理している姿を
想像しました。玲子さんが私を動揺させるために嘘をついているに
違いないと思いつつ、心は穏やかではありません。

「紀美子が竹井のマンションに行った日というのはいつのことだ」
「いつだったか……覚えていないわ」
「それは本当のことじゃないからだろう」
「本当よ」
「嘘だ」

私は再びグラスのビールをぐいと飲みます。玲子さんがすかさず空
いたビールに注ぎます。

「ビールが足らないわね」

玲子さんは再び立ち上がり、冷蔵庫にビールを取りに行きます。玲
子さんの裸の尻を目で追う自分が嫌になります。

「足らなくなると思って、家から持って来ておいたの。たくさんあ
るから遠慮なく飲んでね」

玲子さんはそう言うと自分のグラスのビールを飲み干し、持って来
たロング缶を開けて注ぎます。

「ところで、押し問答をしていてもしょうがないわ。現に奥様は一
昨日から昨日までも竹井のマンションへ行っているわよ」
「なんだと?」

玲子さんの言葉に私は頭を殴られたようなショックを受けました。
  1. 2014/07/16(水) 09:58:48|
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女友達と妻 第26回

「馬鹿なことを言うな。紀美子は一昨日から実家に帰っている」
「あら、確認をしたの」
「実家にいる紀美子と電話で話した」
「○○さんからかけたの?」
「いや……」

確かに一昨日の電話は妻からかけて来ました。しかも電話の子機の
調子が悪いということで、自分の携帯からかけて来たのです。

「○○さんはその時、実家の奥様のご両親と話した?」

私は玲子さんの問いかけに黙り込みます。

「話していないのね?」
「義父と義母は一日中留守で、遅くならないと帰らないから電話は
明日にしてくれということだった」
「おかしいと思わなかったの? どうしてご両親が留守なのに急い
で実家に帰らなければいけないの。帰るのは昨日でいいはずじゃな
い」

確かに玲子さんの指摘のとおりです。私もそれを疑問に思い、なか
なか眠ることが出来なかったのです。

「奥様は実は竹井さんのマンションに行っていたのよ。○○さんに
殴られた傷が心配になったみたいね」
「嘘だ……」
「そう思いたい気持ちはわかるわ。でも事実なのよ。竹井は足の骨
にヒビが入っているようなの。奥様は、自分のせいでこんなことに
なって申し訳ないと竹井さんに謝りに行って、身の回りのお世話を
しているうちにそのまま泊まったみたいなの」
「なぜそんなことを玲子さんが知っている?」
「昨日の朝、私も竹井さんのマンションにお見舞いに行ったのよ。
もともと私と遠藤さんが巻き込んだようなものだから、責任を感じ
ちゃって。簡単に食べられるものをタッパーに入れて持っていった
んだけど、奥様が甲斐甲斐しく朝ご飯を作っていたので私の出る幕
はなかったわ」

玲子さんはそこまで喋ると、ふふっと小さく笑います。

「何がおかしいんだ」

私はグラスにビールを注ぎ足して、一気に煽ります。

「2人ともまるで新婚の夫婦みたいに楽しそうだったわ。竹井さん
が怪我をしたせいでかえって絆が深まったみたい――竹井さんった
ら、怪我はしているけれどあっちのほうは元気でしょう。それでも
奥様に散々攻められて大変だったって、笑いながらこぼしていたわ。
あなたはそのまま横になっていて、紀美子がしてあげるから、って
フェラチオで責め立ててそのまま騎乗位で」

私が硬化した表情で黙り込んでいるのを見て、玲子さんは口をつぐ
みます。

「……ごめんなさい、調子に乗り過ぎたみたいね。○○さんには辛
い話だったかしら」

そんなはずはない……妻がそんなことをするはずはない。私は頭の
中で玲子さんの言葉を必死に否定しようとするのですが、片足をギ
ブスで固めて横になった竹井の上に素っ裸の妻が跨り、淫らに腰を
振っている姿を想像し、たまらない気持ちになりました。

「あ、そうそう、話は変わるけれど、土曜日に○○さんが持ってい
ったデジタルカメラ、返していただけるかしら? 次の週に子供の
サッカーの試合があるので、撮ってあげたいのよ」

私は頷き、寝室に置いてあるデジタルカメラを取りに行き、玲子さ
んに返します。

「当然のことだが、メモリに入っていた写真はすべて削除させても
らった」
「中身は確認したの?」

私は首を横に振りました。

「そう、でもバックアップは取ったのね」

私はぐっと言葉に詰まりました。証拠になるかもしれないのでメモ
リの中の数十枚の写真は私のパソコンにバックアップしていますが、
内容を確認する勇気はありませんでした。

「そういえば、この前のビデオはどうしたの。ここには置いていな
いのね」

玲子さんは部屋の中を見回すと立ち上がり、テレビの横にあるビデ
オ棚を確認します。

「当たり前だ。子供が間違ってみたらどうする」
「でも、捨ててはいないんでしょう?」

沈黙が私の回答でした。

「○○さんって、嘘のつけない人ね。似たもの夫婦って言葉がある
けれど、○○さんのところはその逆ね」

玲子さんはクスクス笑いながらこちらを見ます。

「私も嘘はつけないタイプなの。○○さんと同じよ」
「それこそ嘘だ」
「どうして? 私が嘘をついたことがある?」
「それは……」

確かに、玲子さんが嘘をついているということが証明されたわけで
はありません。今のところは、玲子さんと妻の言うことが互いに矛
盾しているというだけなのです。

「ねえ、一緒に奥様のビデオの続きを見ましょうか」
「馬鹿を言うな」
「残念ね……あれからがいいところなのに――あ、そうそう、○○
さんに渡しておかなければいけないものがあるの」
  1. 2014/07/16(水) 09:59:54|
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女友達と妻 第27回

玲子さんはもってきたバッグの中から紙袋を出します。

「デジカメのファイルは消去しても、他に写真があるかどうか不安
でしょう? ここにこれまでの奥様の写真が入っているわ。少なく
とも私が撮ったものはこれで全部。あとはメモリからも消去してい
るし、これ以外のバックアップはないわ」

玲子さんの差し出したものは5枚のCDーRです。

「竹井や遠藤が撮っている可能性は?」
「遠藤さんはデジカメを持っていないわ。竹井さんはどうかわから
ないわね、でも、遠藤のマンションで奥様が2人に抱かれた……ご
めんなさい、その時は少なくともカメラやビデオは私しか操作しな
かったわ」
「そういえば、ビデオはこの前のもので終わりか?」
「あれでおしまいよ。元のテープはすべて消去しているわ。家に来
て家捜ししてもいいわよ」

玲子さんの言うことが本当だとすると、妻の痴態を記録したビデオ
や写真は一応回収したことになります。しかし、妻が竹井のマンシ
ョンに行っているのなら、そこで竹井に新しい写真やビデオを撮ら
れている可能性もあります。

妻の言うことを信じるなら玲子さんの言うことは信じられない、つ
まり、ビデオや写真がこれで終わりとは限りません。玲子さんの言
うことを信じるなら妻が私にその存在を隠しているビデオや写真が
あるかも知れません。

いずれにしてもビデオと写真の件はこれで解決、という訳にはいか
ないのです。私はテーブルにおかれたCDーRを睨みながら、ビー
ルをあおり続けます。

「○○さんもつらいのね。今夜はとことん飲みましょう」

玲子さんは空いたグラスにすかさずビールを注ぎ足し、自分もどん
どん飲み続けます。玲子さんのエプロン一枚に隠されたほんのり赤
くなって行くのが分かります。

「○○さん、一昨日遠藤のマンションに乗り込んで来た時の姿、と
ても素敵だったわ」

玲子さんは突然ため息をつくようにそういいます。

「なぜだ? 俺は玲子さんの恋人をぶん殴ったんだぞ」
「それが素敵なの。妻を守るために一人で乗り込み、果敢に戦い奪
い返して行く。遠藤さんは若くて、亡くなった主人に似たスポーツ
マンタイプで男らしい人だと思っていたけれど、○○さんの男らし
さと比べたら月とスッポンよ」

私は玲子さんの意図が計り兼ねて黙っています。玲子さんはグラス
を手に持ち、私の隣の椅子に移動します。

「こんなに素敵なご主人を袖にして若い男に走るなんて……奥様も
どうかしているわ」

玲子さんの豊かな乳房の上半分がエプロンから覗いています。いや、
堅くとがった乳首までがエプロンの布と胸の間にはっきりと見えて
いるのです。

「ねえ、○○さん……」

玲子さんは私の右手を取ると、自らの太腿の間に導いて行きます。
いつの間にそうしたのか、エプロンの裾は大きくまくれがっており、
私の手は玲子さんの股間の繊毛に触れました。思わず手を引こうと
する私を玲子さんは両手でしっかりと引き留めます。

「……○○さんのことを考えてこんなになってしまったの」

玲子さんの蜜壷ははっきりと潤いを見せていました。

「……駄目だ」
「○○さんだって、大きくしているじゃない」

玲子さんは右手で私の右手をしっかりと持ち、左手でパジャマ越し
に私のペニスを握るようにします。確かに玲子さんの指摘どおり、
私はその部分を無様に膨張させていました。

「玲子さんには遠藤がいるだろう」
「あんな男はもういいの。私は○○さんに乗り換えるわ」
「紀美子の友達じゃなかったのか」
「奥様は竹井さんを選んだのよ。こっちはこっちで楽しくやりまし
ょう。一緒になってもかまわないのよ」

玲子さんは片手で私のモノを握り締めながら、私にしがみつくよう
にします。豊かな乳房を押し付けられ、思わず理性を失いそうにな
ります。

「主人の残した生命保険も、遺族年金もあるから生活には困らない
わ。奥様と竹井からたっぷり慰謝料と養育費も搾り取れるし……」

玲子さんの甘い香水の匂いが私の鼻孔を刺激します。ビールの酔い
とあいまって、私は陶然とした気分になって来ました。

「証拠ならたくさんあるわ。私と○○さんの中がばれないようにし
ておけば、有責なのは奥様よ」
「……」
「ねえ、女に恥をかかせないで……」

玲子さんは私のパジャマのズボンをずらし、パンツの前から硬直し
たペニスを取り出すと、愛しげに摩り始めました。
  1. 2014/07/16(水) 10:01:08|
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女友達と妻 第28回

「さっき私のお口に出したばかりなのにもうこんなになって……素
敵だわ」
「やめろ……玲子さん」

私は必死で自制心を取り戻し、玲子さんを押しのけようとします。

「奥様も竹井さんと楽しんでいるのよ。何をためらっているの」
「玲子さん……」
「玲子、って呼んで」

玲子さんはそう言うと唇を私の唇にぶつけるようにして来ました。
玲子さんのしっとりと濡れた舌が私の口の中に入って来ました。妻
に裏切られたかもしれないという思いと、ビールの酔い、そして玲
子さんの甘い匂いに私の身体は麻痺したようになり、そのまま玲子
さんを抱き締めるとエプロンの紐を外していきました。


酔いではっきり覚えていないところもあるとはいえ、私はリビング
ダイニングで裸にした玲子さんを寝室に連れ込み、抱いたことは記
憶にあります。私は妻とのセックスの時には滅多にできないバック
のポーズで玲子さんを責め上げました。大きく突き出した玲子さん
の尻がまるで妻のそれであるかのように感じられ、私は妻に復讐す
るような思いで玲子さんを突き上げました。

獣のような声を上げてよがる玲子さんはそれだけで何度も達しなが
ら私に許しを乞い続けました。

「あなたっ、許してっ。もっときつくお仕置きしてっ」

明け方近く玲子さんは自分の部屋に帰って行きました。私の頭は二
日酔いで割れるように痛みました。これほど酔ったのはいつ以来で
しょう。

私の胸の中に深い後悔が湧き上がって来ました。理由はどうあれ、
私は妻を裏切ってしまったのです。日曜の朝は最後までいきません
でしたが、昨日の夜は浴室で玲子さんの口の中に射精し、その上、
夫婦の寝室で彼女を抱いたのです。

とても会社に行く気力はなく、私は電話をして熱があるから休むと
伝えました。仕事がたくさん溜まっているというのに、我ながら情
けない気分です。私は熱い珈琲を入れ、砂糖もミルクもいれないで
飲みます。おかげで二日酔いの頭が幾分覚めて来ました。

妻が実家に帰って――玲子さんの言うとおりなら少なくとも最初の
2日は竹井のマンションに行っていたことになりますが――3日が
経ちました。妻からは月曜日に電話があって以来話をしていません。

私は玲子さんの言うとおり、妻が私を既に裏切っているのではない
かという不安に襲われていました。そう、私が会社に行く気力を持
てなかったのは、二日酔いのせいでも、玲子さんと関係を持ってし
まったことによる罪悪感でもありません。愛する妻を失ってしまっ
たという悲しみと喪失感のせいなのです。

実家にいるはずの妻に電話しようとして私は手を止めました。妻を
信じたらよいのか、そうではないのか私には迷いがあります。たと
えどちらの場合であってもこのままの状態で妻と話すことは得策で
ないように思えました。

私は玲子さんが持って来たビデオと、5枚のCDーRをテーブルの
上に並べました。今のところ妻の行動を知る手掛かりはこれしかあ
りません。私はそれを見るべきかどうか、しばらく悶々と悩みました。

玲子さんがそれを持って来たということは、当然のことですがこれ
らのビデオやCDーRが彼女の言っていることの裏付けになってい
る可能性が高いということを意味します。今これを見ると妻の私に
対する裏切りが確定的になるかも知れません。そうすると私と妻の
仲が終わりを告げることになるのです。

しかし、私は結局それを見たいという誘惑に抗うことはできません
でした。妻が自ら進んで痴態を演じているのか、それとも強制され
てそうしているのかは夫である私が見ればわかるという甘い考えも
あったのです。

私は自分の部屋のPCを立ち上げ、また机の鍵のかかる引き出しに
仕舞ってあったビデオを取り出しました


私は胸の鼓動を押さえながらテレビとビデオの電源を入れ、ビデオ
をデッキの中にいれます。ビデオは自動的にスタートし、見覚えの
あるマンションの玄関が映りました。

チャイムが鳴り、「はーい」という男の声がします。画面に現れた
のは竹井です。玄関の扉が開かれ、そこには妻と玲子さんが立って
いました。

妻は太腿が丸見えになるようなミニスカートと、大きく胸元が空い
たブラウスという姿で恥ずかしげに俯いています。玲子さんが妻の
脇腹を軽くつつくと、妻はほのかにピンク色に染めた顔を上げまし
た。

「た、竹井さまのお宅ですか?」
「はい」

後ろ姿の竹井が答えます。

「し、『素人奥様淫乱倶楽部』からまいりました、○○紀美子と申し
ます。き、今日は一日、竹井さまの淫乱妻として奉仕させていただき
ます……よ、よろしくお願いします」
「どうですか、写真の女の子と間違いないですか?」
「うーん、確かに写真の女の子のようだけど……」
  1. 2014/07/16(水) 10:02:14|
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女友達と妻 第29回

竹井は首をひねるといきなりブラウス越しに妻の乳房をつかみまし
た。

「あっ……」

妻は驚いて目を丸くしますが、これといった強い抵抗はしません。

「写真ではもう少しオッパイが大きかったような気がするな」
「それじゃあ、ぜひご覧になって確認してください。ほら、紀美ち
ゃん、オッパイを出して」

クスクスと笑う声が聞こえました。聞き覚えのあるその声は遠藤の
ものです。ビデオを操作しているのは3人のうち画面に映っていな
い遠藤だということが分かりました。

要するにこのビデオは、妻を人妻専門のデリバリーヘルスから派遣
された女だと見立てて、竹井をその客、玲子さんがデリヘルのマネ
ージャーという役割分担で芝居を演じているのです。

玲子さんの指示に妻は脅えたような顔をします。しかし、玲子さん
にスカート越しにお尻を叩かれると覚悟を決めたようにブラウスの
前のボタンを外しました。

胸をはだけると妻はブラジャーをしていないようで、小ぶりの乳房
が露になります。竹井は妻の裸の乳房をいきなり揉み始めました。

「あっ……」

妻は再び小さな悲鳴を上げます。

「お客さん、お触りは決めてからにしてくださいね」
「ごめんごめん。写真よりオッパイが小さいように思ったから確認
していたんだ」

胸が小さいのは妻のコンプレックスの一つで、私が下手にそのこと
に触れようものなら本気で怒ることもあります。しかしこの時の妻
は、竹井に何度も胸のことを言われても、ただ黙っているだけでし
た。

「それで、どうします? この女の子でいいですか?」
「うーん、どうしようかな。チェンジは何度でも出来るんだよね」
「もちろんですわ。当『素人奥様淫乱倶楽部』は選りすぐりの美熟
女を揃えております。オッパイの大きな子をご希望なら、私などは
いかがですか?」

玲子さんはそういうと豊かな胸をぐいと突き出します。それを見た
妻は慌てたように口を開きます。

「た、竹井さま……どうか、紀美子を選んでください。お、お願い
致します」
「どうしてそんなに俺に選んで欲しいんだい」
「紀美子は、もう2日も続けてお茶を挽いているのです。き、今日
お客様を取れなければお店を辞めさせられてしまいます」

妻の真に迫った演技に、遠藤だけでなく竹井と玲子さんもクスクス
笑い出します。

一体妻はどうしたのでしょうか。デリヘル嬢の演技をするように脅
されているのでしょうか。それとも自ら進んでそうしているのでし
ょうか。

「辞めさせられようが、されまいが、僕の知ったことではないけど
……」

竹井は笑いをこらえながらそういいます。

「そんなことをおっしゃらないで……一生懸命サービスいたします
わ」

妻はそう言うとブラウスの前をはだけたまま、くねくねと身体を揺
らします。いつ他の人が現れるかもしれないマンションの玄関先で、
そんな淫らな演技を強いられる妻──私はカッと身体が熱くなるの
を感じました。

「まあ、貧乳だけど僕はあまりオッパイの大きさは気にしないんだ。
やっぱり熟女はなんといってもケツの大きさだよ」

竹井の言葉に玲子さんと遠藤がぷっと噴き出します。

「ほら、紀美ちゃん。竹井さんはお尻の大きな女の子がお好みなの
よ。よかったじゃない、お尻が大きくて」

玲子さんは笑いながら妻のお尻をポン、ポンと叩きます。

「大きいだけじゃダメだ。形も重要だよ。ここで見せてもらえるか
な」
「えっ」

妻の大きな目がさらに大きく開かれます。

「ほらほら、早くお尻を見せるのよ。チェンジされてもいいの?」

玲子さんにせきたてられて、妻は覚悟を決めたように後ろを向きス
カートを捲り上げ、パンティを下ろします。

妻の大きな白い尻が丸出しになりました。ビデオのレンズがぐっと
妻に寄ります。妻のヒップは羞恥にフルフルと小刻みに震えている
ようです。

「大きさは申し分ないけれど、ちょっと垂れているみたいだな」
  1. 2014/07/16(水) 10:03:07|
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女友達と妻 第30回

竹井は丸出しになった妻の尻を触りながらいいます。

「どうです? お客さん。チェンジしますか」
「まあ……いっか。肉も柔らかそうだ。この子にするよ」
「ありがとうございます。ほら、紀美ちゃんからもお礼を言うのよ」

玲子さんは妻の尻をパシンと叩きます。

「あ、ありがとうございます……お客様。紀美子、精一杯サービス
させていただきますわ」

妻はほっとしたような顔で深々と頭を下げました。

ようやくマンションに入れてもらった妻は、ベッドに座る竹井の前
に直立不動の姿勢で立たされています。

「そ、それでははじめに『素人奥様淫乱倶楽部』のシステムをご説
明いたします。ディープキス、フェラ、全身リップ、ローションプ
レイ、指入れ、タマ舐め、混浴、69が基本プレイとなっておりま
す。ローター、バイブ、オナニーはオプションとなっておりますの
でご自由にお申し付けください。な、何かご質問はございますでし
ょうか」
「口内発射とごっくんはぜひやって欲しいんだけどな」
「ご、ごっくんって……」

妻は気弱な顔で玲子さんの方を見ます。

「お客さまのザーメンをごっくん、って飲み込むことよ。そんなこ
とも知らないの?」
「す……すみません。知りませんでした」
「出来るの? 出来ないの」
「が、がんばります」
「頑張りますはよかったな」

竹井が声を上げて笑います。

「聖水とAFは出来ないの?」
「えっ?」
「聖水というのはお客さまの前でおしっこをお見せすること。AF
はアナルファックのことよ」
「そ、それは……」

妻は泣き出しそうな顔で俯きます。

「お客さま、この子、アナルはまだ調教中なんです。ローターくら
いなら大丈夫ですわ」
「しょうがないなあ。聖水はどうなの?」
「おしっこくらい出来るでしょ。誰だって出来ることなんだから、
いいわね? 紀美ちゃん」
「は、はい……わかりました」
「本当、世話が焼けるわね。それじゃ、お客様、よろしくお願いし
ます」

玲子さんのこの声と同時に、プレイが始まったようです。竹井はい
きなり妻を引き寄せるとディープキスを始めました。妻は最初のう
ちは軽く抗っていたようですが、竹井に執拗に攻められ、諦めたよ
うに力を抜いていきます。

竹井は妻を片手でしっかりと抱いてキスを注ぎ込みながら、もう一
方の手で妻の乳房をブラウスの上から揉みしだき始めます。ビデオ
が熱い接吻を交わしている竹井と妻にズームインしていきます。妻
の顔はほのかなピンク色に上気しており、鼻息が荒くなっているの
まで分かります。

私は妻たちの「デリヘルプレイ」を見ていて、これはやはり妻が竹
井や遠藤、そして玲子さんたちに強制されて演じているのだと思い
ました。しかし、竹井と妻がまるで本当の恋人か夫婦のように熱い
接吻を交わしているのを見ていると、ひょっとして妻は竹井のこと
を本当に愛しており、プレイにも積極的に応じているのではないか
という疑問が湧いてきます。

その疑問を裏付けるように、妻の喘ぐような甘い声が画面から響い
てきました。

「ああ……あなた……好き……愛していますわ」
「僕も愛しているよ、紀美子」
「嬉しい……今日は紀美子を思い切り可愛がって」

妻は陶然とした表情で睦言めいた言葉を吐きつづけます。乳房をま
さぐっていた竹井の手はいつしか妻のスカートの下にもぐりこんで
いきます。

「もうじっとりと濡らしているじゃないか……さすがは自分で淫乱
妻というだけあるな」
「ああ……恥ずかしいわ……」

妻は真っ赤に赤らめた顔を伏せます。

妻はディープキスに弱く、私とのセックスの前戯でもそれだけで濡
らしてしまうほどです。直接的な刺激がなくてもそうなるのは、妻
が私を愛しているからだと思っていました。

しかし、ビデオの中でうっとりした顔つきで竹井と接吻を交わし、
早くも秘苑を濡らしている妻を見ていると、私の中の妻に対する疑
いは少しずつ大きくなっていきます。

結局私は、妻の竹井に対する行為は強制されたもので、妻の愛は私
に対してのみ向けられているということを確認したくてビデオを見
ているのですが、そのことが逆に妻に対する疑念を増していく一方
なのです。
  1. 2014/07/16(水) 10:04:03|
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女友達と妻 第31回

画面は変わり、妻と竹井がマンションの風呂に一緒に入っています。
竹井はもちろん素っ裸ですが、妻もバスタオル一枚を許されただけ
の裸です。竹井の背中を洗っている妻の立てた膝から、陰毛がチラ
チラと見えているのが卑猥です。

妻は恥ずかしがり屋で、結婚以来私と一緒に風呂に入ったことは本
当に数えるほどしかありません。ビデオの中の妻も恥ずかしそうに
はしていますが、特に抵抗するでもなく竹井の筋肉質の身体を洗っ
ているのが私の激しい嫉妬心をかきたてます。

「そろそろお前も裸になれよ」
「はい……あなた」

竹井はまるで妻を自分の所有物のように「お前」呼ばわりしている
のが、私の怒りをかき立てました。

妻は素直に素っ裸になると、浴室に置いてあるローションの瓶を手
に取り、どろりとした中身を身体に塗り付けます。特に乳房と陰部
にたっぷり塗ると竹井の背中に密着し、身体を上下し始めました。

「あ、ああ……」

小さめですが形の良い乳房が竹井の背中に押されてへしゃげていま
す。妻はローションの感触に刺激されるのか、たちまち甘い喘ぎ声
を上げ始めます。

次に妻は前面に回ると、竹井の太腿を跨ぐようにして身体を前後さ
せます。陰毛がブラシのようになって竹井の身体を洗う、まるでソ
ープ嬢のようなプレイです。妻は興奮して崩れ落ちそうになるとこ
ろを竹井に抱き止められ、再びディープキスを施されます。

「次は何をするのか、わかっているな」
「はい……あなた」

妻は素直に頷くと、大きく股を開いて座っている竹井の前に犬のよ
うに四つん這いになり、硬直している肉棒に奉仕し始めます。私は
そこで勃起した状態の竹井のペニスを始めて見ましたが、それは玲
子さんが言う通りかなり大きなもので、こんなものを妻が受け入れ
ていたのかと思うと驚くばかりです。

「よし……いいぞ……なかなかうまいじゃないか……」

妻は竹井の巨根を頬を一杯に膨らませて呑み込み、必死で顔を上下
させています。妻の懸命の努力によりようやく竹井の緊張が解放さ
れます。

「よし……出すぞ……全部口の中で受け止めるんだ。わかったな」

妻は竹井のモノを咥えたまま2、3度頷いたようです。竹井は妻の
頭を押さえると、「うっ」とうめき声を上げ、絶頂に達しました。

「うっ……ううっ……」

妻は竹井の大量の射精を必死で受け止めています。すべて出し切っ
た竹井は妻に命じます。

「口の中を開けて見せてみろ」

妻は言われた通り口を空けます。乳白色の竹井のザーメンが妻の口
の中一杯に溜っています。ベソをかいたような表情で口内発射の証
拠を見せている妻に、3人の嘲笑が浴びせられます。

「よし、それをごっくんと音を立てて飲み込むんだ」

妻は悲痛な表情で口を閉じ、喉を鳴らします。ごくりという嚥下音
がはっきりと聞こえ、3人の笑い声が一層高まりました。

「全部飲み込んだな」
「はい……」
「よし、もう一度口を開けて見せてみろ」

再び妻は口を開きます。竹井のザーメンはほとんど妻の胃の中に飲
み込まれたようで、ぬらりとした舌の上には白っぽい残滓しかあり
ませんでした。

「見せつけられる方はたまんないぜ。玲子、ちょっといいだろう」
「何よ、私が見ている前で紀美ちゃんを抱こうっていうの?」

画面の外から遠藤と玲子さんが言い合う声がします。

「駄目なら口でもいいんだ。俺のザーメンも紀美子に飲み込ませて
やりたいぜ」
「しょうがないわね……紀美ちゃん、どうする? 遠藤さんが紀美
ちゃんに自分のも飲んでほしい、っていっているわよ」

妻は表情に戸惑いを浮かべ、竹井の方を見ました。それはまるで犬
が飼い主に指示を求めるような視線でした。妻の顔が画面に大写し
になり、そこでビデオは停止しました。

あまりにも衝撃的なビデオを見た私は、しばらくの間ソファから起
き上がることができませんでした。ビデオはいったん停止した後巻
き戻され、画面は平日の昼間にありがちな、お笑いタレントが司会
のバラエティ番組を映し出しています。あまりにも日常的なその光
景が私には信じられませんでした。

今の「デリヘルプレイ」での妻の姿、それが竹井や玲子さんから強
制されたものなのか、それとも玲子さんの言うように妻がむしろ貪
欲に主導権をとって、背徳的な快楽を求めたものなのか、私には全
く判断ができませんでした。妻の言うことを信じるならば強制され
たものだと見ることもできますし、玲子さんの言うことを信じるな
らば妻主導のプレイのようにも見えるのです。
  1. 2014/07/16(水) 10:04:58|
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女友達と妻 第32回

少なくともほぼ確実に言えるのは、妻の表情からはなんらかの薬を
投与されたようには見えないことです。強制されたとしてもそうで
ないにしても、妻は羞恥の表情を浮かべながらも竹井や玲子さんと
それなりのやり取りをしていました。妻が主体的にプレイにのめり
込んだのかどうかは、今見たビデオだけでは判断がつかないのです。

このビデオにはおそらく続きがあるのではないか。そこで妻が激し
く抵抗し、結果としてプレイが中断されたのを知られたくないため
に、玲子さんが途中でカットしたのではないかという考えが浮かび
ました。しかしそれも、今は推測に過ぎません。

私はテーブルの上の5枚のCDーRを取り上げると自室に向かい、
「1」と番号が振ってあるディスクをドライブに挿入しました。

JPEGファイルに関連づけられているスライドショーのソフトが
立ち上がり、大きめの液晶画面いっぱいにデジカメの画像が映し出
されます。私はそこにいきなり妻の痴態が現れるかと覚悟していた
のですが、意外なことに最初に映されたのは桜の木の下に立つ玲子
さんの姿でした。

玲子さんは身体にぴったりフィットしたシャツブラウスにローライ
ズのジーンズという姿で、私が春の終わりごろマンションで見かけ
た格好とよく似ていました。

何枚か玲子さんの写真の後、妻の写真が現れました。妻は玲子さん
と同様、身体の線がはっきり見えるシャツブラウスにローライズジ
ーンズという姿です。桜の花が写っているということは、私がマン
ションの駐車場で玲子さんの大胆な姿を見かける前のことです。

妻は最初、玲子さんの服装がTシャツにローライズといった程度の
時は「若い恋人ができたから」ということで納得していました。し
かしその後ビキニの水着姿で玄関先まで出て来たとか、あるいはカ
ットジーンズとタンクトップ姿で買い物をするところを見かけたと
いうことを、私にやや批判的に話していたことがあります。

妻が玲子さんの影響を受けて、私の前でパンティが見えるようなロ
ーライズのジーンズをはくようになったのは夏の始めのころです。
妻はそれを、私が玲子さんのローライズ姿に見とれていたから「旦
那さんを私にとられないように」玲子さんから薦められて買ったと
説明していました。

しかし事実はすでに桜の季節に妻はこのような大胆な姿を人前に晒
していたことになります。他に何もなければ夫婦の間の他愛のない
秘密、罪のない嘘で済ますことができることですが、私はこんな些
細な事からも妻への不信感をかきたてられずにはいられませんでし
た。

妻の少し恥ずかしそうな笑顔を捉えた写真が数枚続いた後に現れた
写真に私はショックを受けました。それは桜の下に立つ遠藤と竹井
の写真でした。

(どうして竹井がここに……)

私は訳が分からなくなりました。妻と竹井は私が玲子さん一家と海
に行った時に始めて会ったのだとばかり思っていました。現に妻は
その時いかにも初対面だという応対をして、竹井に対してバレーボ
ールの選手をしていたころのポジションなどを訪ねていたことを覚
えています。

次に遠藤と玲子さんが仲良く腕を組んでいる写真が数枚続きます。
いかにも恋人同士といった親密な雰囲気で、玲子さんが若々しいせ
いか、8歳もの年の差は感じられません。私はマウスをクリックし
て、スライドショーを進めて行きます。

次に現れたのは竹井と妻のツーショットでした。腕こそ組んでいま
せんが、親しげに身体を寄せ合っており、知らない人が見れば夫婦
か恋人同士と思われても不思議はありません。妻は少し困ったよう
な表情をしているようですが、恥ずかしげなその顔は決して嫌がっ
てはいないのが分かります。

どういうことでしょう? 玲子さんと遠藤、そして妻と竹井がダブ
ルデートをしたのでしょうか。そうではなく、妻は玲子さんと2人
で花見に行くつもりで、現地で遠藤と竹井が待っていることは知ら
なかったことも考えられます。

しかしたとえそうであっても、玲子さんの家族と海に行った時に、
目的地で遠藤と竹井が待っていることを妻が知らなかったというの
は極めて怪しくなります。少なくともその場で妻は私に、竹井とは
初対面だという、つかなくても良いはずの嘘をついたのですから。

次に妻がオープンカフェで珈琲を前に、携帯を眺めている写真が現
れました。妻は撮らないで、という風に照れ笑いをしながら手でカ
メラを遮るようにしていますが、やがて諦めたようにポーズをとっ
たりしています。玲子さんに催促されたのでしょうか、妻は携帯の
画面をカメラの前に差し出しました。

そこには妻と竹井のツーショットが写し出されていました。それは
玲子さんのカメラで撮られたものとは違って、妻と竹井は腕を組ん
でいます。妻の携帯のカメラで遠藤か玲子さんが撮ったのでしょう
か、それとも遠藤か竹井の携帯で撮ったものが妻に送られて来たの
でしょうか。

小さな携帯の画面を撮っているためにはっきりとはわかりませんが、
少なくとも妻の目線はカメラの方を向いていないとように思えます。
玲子さんからカメラを向けているうちはそのようなポーズはとらな
かったのが、油断したところを遠藤がカメラ付携帯でとったのでし
ょうか。

たまたま女友達の恋人とその友人に会った。自分よりも5歳も年下
のその男から容姿を褒められ、一緒に写真を撮ってくれとまで頼ま
れた。その写真が一枚、記念にということで送られて来た。一度き
りでもう二度と会う機会がないからこそつい大胆に腕まで組んでし
まった。妻に好意的に考えるとそういう解釈もできます。
  1. 2014/07/16(水) 10:06:06|
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女友達と妻 第33回

次の写真は玲子さんのマンションの部屋で撮られたもののようです。
玲子さんが黒いTバックのビキニ姿で様々なポーズをとっています。
大きな乳房がブラジャーからこぼれ落ちそうで、後ろを向いた時の
ほとんど裸といって良いヒップも実に扇情的です。

その次に妻の姿が現れました。妻は色こそ清純そうな白ですが、デ
ザインは玲子さんが着ていたのと同じように大胆なTバックでした。
妻が海に行った時に着たオレンジのビキニもこれほどではありませ
んでした。

妻は写真を撮られるのが苦手で、何枚か持っている競泳用の水着姿
でさえ、写真はほとんどありません。そんな妻が恥ずかしそうにし
ているとはいえ、Tバックの水着姿を写真に撮らせるなど、想像も
できないことでした。

玲子さんと妻はまるで水着のファッションショーを楽しむように、
色々なビキニを着てはお互いに写真を撮っているようです。妻が玲
子さんが着ていた黒いTバックを着たり、玲子さんが妻が着ていた
白いTバックを着たり、2人のビキニ姿の写真が何枚も続きました。
玲子さんはもちろん、妻も段々撮られることに慣れて大胆になって
来たようで、モデルのように頭の後ろで腕を組んでみたり、後ろ向
きになってお尻を突き出したりしています。

今のような精神状態でなければ、妻と玲子さんの思わぬ水着ショー
を楽しむところですが、私はそれどころではありません。妻と玲子
さんが楽しげに様々なビキニを試しているのは、海で遠藤や竹井に
水着姿を見せることを楽しみにして、どんな水着を着れば年下の男
たちが喜ぶかを相談しているように思うのです。

ようやく妻が実際に海できたオレンジの水着を身につけている写真
が現れます。Tバックのものほどではないですが、ボトムのサイド
がほぼ紐状態になったそれは十分扇情的で、色合いも妻の白い肌を
引き立てています。

玲子さんも同様にグリーンの水着姿になりました。これも玲子さん
の小麦色の肌にマッチしており、今まで着たどの水着よりも確かに
彼女に似合っています。

次の写真を見た時、私は心臓が跳ね上がるような驚きを感じました。

玲子さんと妻がビキニ姿で並んでポーズを撮っている写真が現れた
のです。2人の写真は何枚も続き、挑発的な視線をカメラに送った
り、2人で胸やお尻を突き出したり、軽く抱き合って楽しげに笑っ
たりしています。

(写真を撮っているのは誰だ?)

私は妻と玲子さんが2人でお互いの水着姿を撮りあっているのだと
ばかり思っていました。様々な水着を次から次へと試すためには、
そのたびに裸にならなくてはなりません。当然2人しかいない部屋
での行為だと考えていたのです。

しかし、2人が同時に写っているということは、部屋の中に第3者
がいるということを示しています。もちろん三脚を使ってカメラを
固定して、セルフで撮ったということも考えられますが、2人の写
真のアングルや距離は次々に変化しており、誰かが手で撮影してい
ると考えるのが自然なのです。

(もしかして遠藤……それに竹井も?)

私の妻に対する疑いはさらに深くなります。

この後CDーRには、写真は妻と玲子さんのミニスカート姿が続き
ます。もちろん2人が遠藤と竹井とA駅の近くで会い、私に目撃さ
れた時に着ていたものです。それはビキニのものと同様に、妻と玲
子さん一人ずつの写真が何枚か続いた後、2人が並んでポーズをと
っている写真がありました。楽しげに笑い合う妻と玲子さんの姿を
見ながら、私の気持ちは果てしなく落ち込んで行きました。

一枚目のCDーRはそこで終わりました。妻と竹井のセックスシー
ンは一切収録されていませんでしたが、私はそれを目にするよりも
はるかに大きな衝撃を受けていました。妻の私に対する裏切りの証
拠を次々に積み上げられたようなものだったからです。

私は2枚目のCDーRをドライブに装填しました。しばらくの間メ
ディアにアクセスする機械音が低く響き、やがてスライドショーが
開始されました。

最初に現れたのはトレーニングウェアを身につけた妻の姿です。場
所は例の中学校の体育館のバレーボールコートです。妻は練習中な
のか練習後なのか、顔は上気しており、髪も少し乱れています。

練習中の妻の姿が何枚も続きます。妻のポジションはセッターで、
玲子さんにトスを上げる場面が大部分ですが、時に妻自身もトスを
受けてスパイクを打ちます。思い切りジャンプした時にウェアがま
くれ上がり、お臍が丸出しになった妻の姿は夫の私が見ても扇情的
でした。

次にレシーブの練習をする妻が写ります。何回も何回もボールを受
け、時にコートの床に転がりながら必死でレシーブをする妻。激し
い練習でウェアが汗でベットリと肌に張り付いた妻。大きなお尻を
突き出し、ボールに向かって飛び込む妻、誤ってボールを顔に受け、
痛みに表情を歪ませる妻。そんな妻を見ているうちに私は次第に奇
妙な興奮を感じ初めていました。

竹井が画面に現れ、妻に指導をつけています。竹井の手が妻の身体
のあちこちに触れていますが、妻は神妙な顔付きをして竹井の言う
ことを聞いているようです。竹井は元々セッターをしていたという
こともあって、まるで妻専属のコーチのように延々とマンツーマン
の指導を続けます。画面には他のバレーボール部員(要するに妻と
同様、この近所の奥様です)が妻と竹井に複雑な視線を送っている
こともわかります。
  1. 2014/07/16(水) 10:07:00|
  2. 女友達と妻・KYO
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