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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

胎動の夏 第13回

一度は新藤によって心身とも蹂躙され、男女の交わりの快楽を叩き込まれたプライド高き女
その誇り高き女が、絶え間なく沸き起こる性欲を理性でコントロールしようとしている
同性のライバル美樹が目の前にいると、性欲は吹っ飛ぶ・・・女であっても闘争心が勝る
だが・・・快楽の火に焼かれた女体はもう以前の優子に戻しはしない


  「優子君、酷いじゃないか・・・君の首領の前であんな言い方」

あの後直ぐに、優子の携帯に新藤がかけてきたのだ


  「・・・・あの時は、ついかっとなって・・・あんなことを」

  「まあいい・・・・私の君への期待と信頼は今も変らないから
   今夜はこちらで泊まるが、明日の夜は君のマンションに行く・・・・いいね、仲直りだ」


もう、この男には嫌と拒否のできない優子になっていた
『訪ねてきたら追い返そう』そう自分に思い込まそうとしても、約束の時間が近づくにつれ落ち着きが無くなる
いつの間にか、男の訪問に備えてシャワーを浴び化粧を始めている
鏡に映る自分の顔、その唇にルージュを引く


  (なぜ?!私はあんな男のために・・・・こんなことを)


自問自答をしている間に5分、10分と約束の時間が過ぎる・・・『まさか?そんな・・・来ないの?』
逆に、男が訪ねてこないことに苛立ちが勝ってくる


玄関のチャイムが鳴る
もう待ちきれない、小走りに玄関に向かい確認もせずにドアを開ける

  「私だ・・・・優子、待たせたね」


愛しい男を待つ女の手が伸び、部屋の中に男を引き入れる

廊下に、『カシャ』と盗撮のシャッター音が静かに響く



目の前に映し出された女の画像を食い入るように見つめる25歳の大学生
優子の隣に住む斉藤だ
綺麗なお姉さんの一人住まい、その部屋から出てきた紳士・・・それが、知事だ、不倫だと気づいたときから
この若者の妄想が始まった
そして、気づかれぬように写真を撮り始め、優子の行動を追いかけ、優子との接触を試みた
未だに童貞である斉藤の憧れのターゲットが優子なのだ
今も画面を拡大し、大写しとなった優子の横顔を見つめて自慰に没頭する

恐らく、今頃は『あの男にお姉さんが抱かれている』
後ろからか、前からか・・・それとも、この上品な口に男の物を咥えているのか?
妄想はどんどんと膨らんでゆく


  (抱きたい・・・この人を抱きたい・・・・何としても・・・あっっ、出る!)


若い精の思考は正義感とともに猛進する


  (社会的に最も倫理観を求められる人間が、こんなに清純なお姉さんと・・なんて奴だ、許せない
・・お姉さんも、お姉さんだ、そんな男となんて・・たぶん事情があるんだ、助け出すんだ・・絶対に)


壁に耳を押し当てても無駄だ、隣の部屋からは物音一つ聞えたりしない
このマンションは徹底した防音構造で造られている


玄関から話し声が聞えてくる
『あれ、もう帰るのか?今夜は泊まれないんだ』・・・カメラを手に持ち玄関に向かう
男と一緒にエレベータに向かうお姉さんの姿が見える
エレベータの前で別れの会釈をするお姉さんを男が引っ張り込んだ


  (おい、おい!?・・何をするんだ、そんな所で)


慌てて追いかけ、非常階段を駆け下りる斉藤青年
危うく見失いかけた二人の姿は、マンション前にある木が鬱蒼とした大きな公園に向かっていた
そこは『痴漢危険』の看板が多く立てられ、犯罪も頻発している所
それに今の時刻は午前零時少し前だ


  (おかしい、こんな時刻にあんな場所へ???・・・あの男、お姉さんに何かするつもりだ!)
  1. 2014/11/14(金) 08:01:16|
  2. 胎動の夏・道明
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胎動の夏 第22回

スプリングの利いたベッド
若鮎のようにぴちぴちと跳ねる引き締まった肢体

男はベッドに横たわり、女が男を跨ぐ
ずんずんと下からの突き上げに揺れる20代のこしのある乳房、その乳房を太い男の指が支えながら動き回る
そこには、娘と同世代の女と気を通じ合っている新藤とフィアンセのいる美樹が絡み合う

乳房を揉み、乳首を撥ね・・・尻肉を摩る
若い女の肉体に陶酔する50歳の男、いくら妻を愛していても、その美肉は比べようもない
まるでスポーツをするかの如く終わらせる恋人よりも、老練な手管に長けた実年の性技に若い女は翻弄される


  「美樹・・・そろそろなのか?」

  「うん・・・逝きそう」


いつものことだ・・・先に若い女が音を上げる、その逝く瞬間の女の顔を見るのを男は楽しみにしている


  「ねえ・・・逝くよ!」


自分で激しく腰を振り、男の剛直を女陰で締め付ける
顎を上げ、髪を振り乱し天を仰ぐ
新藤はこの瞬間が堪らない



一方こちらでは、若い男の豪棒に手を添えている熟女がいる
夫の物ですら、こんなに明るいところで見たことがない
ましてや、手を添え筒先の部分を口で味わうなどという行為は別の世界の話だと思っていた


  「さあ、奥様・・・体験してみましょう・・・きっと新しいご自分を発見されます・・さあ」


おずおずとおチョボ口の先から朱美は舌を出す
その先端が今、亀頭部分の裂け目にあてられる
手に伝わる感触は夫の物より硬く、青い血筋が浮き出している


  「奥様、しばらくはそのまま舌を使い・・・次に唇を使って口先で包み込む・・そして、中のものを吸い出すように口の中に収めるんです・・・さあ、やってください」


言われるがまま、朱美の口が男の亀頭部分を口中に納める
女47歳にして、初めての経験
心臓が高鳴り息苦しく、興奮で女の奥から何かが込み上げてくる


  「お手伝いをしましょう・・・奥様が羞恥心を捨て去り、熱中できるように肉体を解します」


そう言って、沖田は熟れた乳房に優しく手を添える
乳首を転がし、乳房全体に滑るように手で撫でる


  「いいですね・・・良くなってきました・・・一度口から離して目で確認ください
   先端から男の走水が出てきます・・・匂いにも慣れなければなりません・・男の匂いです」


沖田は朱美の髪を撫で、乳房への愛撫を続ける
愛撫の手が髪から背に、乳房から女陰へと移る頃
朱美は自分の意思で再び豪棒へのフェラチオを再開する


  「奥様、その調子です・・・飲み込みがお早い・・・もう少し顎を上げて、視線は私に、そう、そうです
   それではそろそろ男精ジュースを馳走いたします・・・・漏らさず味わいながら試飲ください」


冷静そうに見える沖田だが、フェラチオに耽る初心な熟女を見下ろしながら、乳房を強く握り潰す
何度もお客と遊んではいたが、射精はしない主義だった
この商売に就いて、この男にして初の特別射精だ、何かがこれまでと違う
  1. 2014/11/14(金) 08:00:21|
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胎動の夏 第21回

 「これは、これは、なんともとんだ所に来てしまいました・・・・奥様、私が講師の沖田です」


男の声が朱美に届いたかどうか判らないが、白衣の若い男の姿は目に入ったのは間違いない
そのまま朱美はアシスタントに弄ばれ、その痴態を特別講師に曝すこととなった
自分の痴態が初対面の異性に見られているという極限の恥辱・・・それが、この後の躾の最大のエキスとなる
朱美の肉体からは汗が滝のように流れ、顎も上がり、喘ぎと全身の痙攣が止まらない
今や深窓の令夫人の気品など全く消え失せ、まるで淫女と化す
そんな状態でも、第一級の素質を持った熟女の魅力は失せたりしない
激しい呼吸に揺れる見事な円錐形の乳房が男の目を惹きつける


 「どうぞ召し上がれ、奥様・・・・火照った肢体をリフレッシュさせる美味しいジュース
  そして、気持ちよくシャワーで汗を流してください・・・私の施術はその後としましょう」


アシスタントは、よろけそうになる朱美を抱きかかえシャワー室へと向かう


 「君、判っているだろうね・・私は、施術前に汗臭い女性は施術しないことにしている
  君には、このご婦人をもとの貴婦人に戻す義務がある!いいね・・・まったく、調子に乗ってしまって」

 「わかりました先生、ですが・・・この奥様がすっきりした気分になるには、もう二度程気を遣らないと・・」

 「もういい・・・任せるよ、君に」



ほんの数分前、別室で20代の若妻の蜜壷を蹂躙していた自慢の豪棒がピクリと跳ねる
先程見た朱美の痴態がフィードバックし、熟女のヒップのエロさに反応したのだ


(あの奥さん、歳はいってるが・・・初心そうなところがなんとも俺の男を惹きつける
 入れて、入れての若妻さん達より・・・・慎み深い楽しみ方があるというもの、いい玉に出くわしたもんだ
 しかし、俺も駄目な人間になっちまった・・・かつてのエリート公務員のなれの果てか)



もの思いに耽る沖田
かつて、新藤の部下として辣腕をふるい、新藤から紹介された遼子とは結婚の直前で破談となる
それからが・・・・絵に描いたような人生転落の一途
熱い正義感に駆り立てられ、伊藤瑞希の救出に向かうが、ヤクザに見抜かれ瑞希と肉の関係を持たされる
その時に身に染み込んだ女肉の味・・・プロの手管を身に付けて、とうとう裏の世界から表を覗く男になった


  「やっと、出てこられましたね・・・さあ奥様、恥ずかしがらずに、こちらにどうぞ」


シャワー室から一糸も纏わず裸体のまま、アシスタントに抱きかかえられて出てくる朱美


  「君、奥様にお化粧を施してあげて・・・それが済んだらもう帰っていいよ」


言われるまま、アシスタントは大きな鏡台の前に朱美を座らせ、髪を梳かし紅色のルージュをひく
脇の下と女陰に香水を振り撒き、乳房に薄くパウダーを降る
名残惜しげに、朱美の乳首を捻る


  「あっっ!」

  「奥様・・それでは、私はこの辺で・・・・先生、後は宜しく・・じゃ、可愛い奥様、いずれまた」


  (まったく!抜け目のないレズ女め!美味しい肉に群がるハイエナ女が!!何が後は宜しくだ)


そうは思っていても沖田の顔は端正そのもの、修行を積んだ男の顔は決して気色ばったりしない



  「奥様、それでは施術を始めましょうか・・・こちらで、うつ伏せになってください」


言われるままに、立ち上がり振り向いた朱美の目に飛び込んできたものは・・・・
筋骨隆々とした30代の若者の裸体・・・既に、その豪棒は天を突く



  「私の施術の基本は、対等とスキンシップ・・・奥様だけを裸にはしておきません」
  1. 2014/11/14(金) 07:59:31|
  2. 胎動の夏・道明
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胎動の夏 第20回

 「奥様、お待たせしました・・今夜は、特製オイルを使用し最新のリンパマッサージを施します
  まずは、精神と肉体のリラックスを促進させる効用のあるドリンクを召し上がってください」

 「ありがとう・・・それで、特別講師の先生はどちらに?」

 「今、先生は別室でもう一方のお客様の施術中でございまして、今から約20分間は私が事前のマッサージをさせていただきます
  それでは、早速・・・」

アシスタントの女性が朱美のバスローブを開いていく
手のひらを上に向け、両手を下に伸ばし目を閉じる朱美
室内にはBGMが流れている


 「奥様、素敵!・・なんとも、瑞々しいお身体を保たれていらっしゃる・・羨ましいですわ
  では、特製オイルをお塗りしますね
  このオイルは肌に染み込んで、血液の循環を促進するだけでなく、女性の性感を高める効果もあって・・・」

 「あっ!?」

 「失礼・・驚かれましたか?・・乳房全体に塗り込み、乳首にも摺りこむように指示されておりまして」

 「こんなこと、初めてで・・・うっっ、あぁ」


アシスタントは手を休めることなく、二つの乳首を転がすように指先でオイルを塗していく
朱美の肉体は先程から発汗作用が始まり、乳首を摘まれるとジーンとした痺れが背筋に走り
思わず顎を伸ばしたのだ


 「奥様、次は下半身に移らせて頂きますが、女性器にも塗るよう指示されておりまして
  水着を少しお下げ致しますね、緊張なさらずに・・・まぁ、お上品で見事な毛並みですこと
  それに、この腰周りの肉付きと肌の艶、四十そこそこのお身体ですわ」

 「あっっん、うっっ」


朱美を褒めちぎり、たっぷりと陰核にオイルを塗りつける
どういう訳か、朱美は言葉がでにくくなった
先程飲んだドリンクの効用か、それとも特製オイルの影響か
痺れが全身に広がり、それが次第に快感へと変化していく


 「あら?・・・奥様、少しお汁が染み出していらっしゃる・・・でも、大丈夫ですよ
  今夜の先生は男性ですが、女性の身体や性感は勿論のこと生理も知り尽くされています
  恥ずかしがる必要はありません、心を開いてリラックス、そうリラックス・・・それがエステの真髄です」

 「あっ、あん、あーん」

 「随分と良くなってきました、先生がお越しになるまでには、まだ少しお時間がありますね
  今しばらく、私の手淫でご辛抱ください・・・・少し、指を膣の中に入れてみますね」



『クチュ、クチュ』という音が、朱美の耳にも聞こえてくる
自身の肉体から発する淫音
イヤイヤと首を振り、『止めて』と言おうとしても声がでない
奥から、奥から、痺れるような快感が込み上げてくる・・もう、山頂のすぐそこまで朱美は上り詰めている


 「まあ、奥様、私の手淫をお気に召されたのかしら?・・私の指を締め付け、こんなに収縮を繰り返しています
  しかたないですね・・・これも、当店のルールなのですが、男性講師による施術の場合、お客様と講師との過ちを防止する意味で
  お客様がこのように発情されている場合は、中途半端な状態にしないようアシスタントがお手伝いしております
  さあ、奥様、思いっきり、気を遣ってしまいましょう・・・時間がありません、さぁ、さぁ・・・どうぞ」

 「い、いい・・うっ、あっ」

 「そう・・それじゃ奥様・・心の中で『逝く』と叫んでみましょう・・・さあ、『逝く』と」


朱美は言われるまま、心の中で叫ぶ

 (もう、もう・・だめ、だめ・・・逝く、逝く・・・・)


その時、30代の白衣を着た男性が入室して来る
その男の前で、朱美は絶頂を迎えた
アシスタントの女性の手淫がここぞと激しく膣道を掻き回す
・・・・そして、淫穴からは止め処なく淫汁が飛沫となって飛び散り、朱美は恥ずかしい女の叫びをあげた


 「逝く・・逝く・・・・だめ、嫌・・」
  1. 2014/11/14(金) 07:58:31|
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胎動の夏 第19回

新藤と政権党の首領との会談は1時間を越えた
そして、お開きの時に首領が新藤に耳打ちをした


 「新藤君、いいかね・・・用心怠り無く、足元を固めよ・・これが、この世界の鉄則だ
  今の政治家に気骨などとても期待できない、ハトの集団なんだ・・だからこそ、新しい人物に夢を託す
  僕は・・・・・・今度が最後の戦いだ、次は君らの時代・・チャレンジしたまえ、新藤君、今を生きろ!」


笑いながら片手を挙げ、優子を伴って退席してゆく旧時代の猛者
それを最敬礼で見送る新藤と美樹

 
 「ほら見なさい・・あの女を信用するのは早いと・・もう、知事ったら甘いんだから」

 「そう言いなさんな・・・しかし、彼女は習得が早過ぎる・・あれじゃ、本当の良さが理解できん!」

 「まぁぁ、この人ったら・・・暢気なことを」


首都の一等地の高級マンション
窓からの眺めは最高だ
肩を寄せ合い、二人はワインを飲む
歳の差が二回りもあるというのに、息があっている


 「さて・・どうするの竜馬さん?」

 「さあ・・な、周囲は走り出しているし、ヒントも頂いた・・まずは、ウェイトトレーニングか」


話しながら新藤の手が美樹の乳房に向かう
同時に美樹の手が新藤の股間に添えられる、まさに今を生きる一心同体の同志だ


 「ねぇ・・私を知事室に戻して」

 「そうだな・・優子君があの様子じゃ、美樹を戻してアドバイスどおりに足元を固めるか」


 「素直なんだ、知事・・・それがあなたの最大の武器、川の流れに逆らわずに船を漕ぐ」

 「そうじゃない・・美樹が側にいないと淋しいんだ」

 「まぁ、私ですら、ほろっときちゃう・・・誰も、知事のこの真似はできないわ・・・・・ふふふふ」


首都の夜を満喫しようと、二人の会話は途切れない



その頃大阪では、新藤の妻の朱美が時間外のエステに向かっていた
いつもは、日中の午後に予約を入れているのだが、今夜は店の方から特別講師によるマッサージを体験して欲しいとの連絡があった
店としても、朱美のような上得意のお客には特別のサービスを実施するのだという


 「お待ちしておりました、新藤様・・・今夜は特別講師による最新のマッサージ体験を受けていただきます」

 「ありがとう」


 「少しお時間がかかるのですが、お家の方は大丈夫ですか?」

 「ええ、大丈夫です・・・主人は出張ですし、娘も旅行中で」


 「畏まりました、それでは特別ルームにご案内致します」

 「お願いします」

品の良い女性だ、昼間のパートの受付女性と異なり、朱美は少し緊張した
特別ルームに案内され、普段と違う薄手のビキニの水着に着替えるように言われ、戸惑いながらも着替えをしてゆく
  1. 2014/11/14(金) 07:57:26|
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胎動の夏 第18回

 「初めてお目にかかります・・・・新藤です、今夜はお忙しい中お時間を頂きまして」


眼光は鋭く、一見堅物に見える政権党の第1人者の前で、挨拶をする新藤
新藤の後ろには美樹が控え、優子がお酌をしている



 「新藤君か・・久しぶりだね、先の知事選の演説会場、君の演説を今もよく覚えているよ」

 「あの場にいらしたのですか?」


 「いたよ・・・隣にいる優子君もよく頑張ったが、君の印象が強烈に残っている」

 「有難うございます」


 「その君が激戦の選挙戦を勝ち抜きながら、優子君を後継に指名したいと言い出したのには
  流石に、私も驚いた・・・勿論何か、考えがあってのことだろうが」

 「そんなとんでもない・・・私は身の程を弁えているつもりです
  ただ、計らずもこの政治の世界に関わったのも何かのご縁
  先生のようにこの国の現状を憂い、この国のために一身を投げ打つ大政治家に一度お目にかかりたいとの思いが募りまして」


 「初めて言葉を交わすというのに、昔からの仲間の雰囲気にさせる・・・
  優子君の好敵手はやはり魅力がある、新藤君!国に出てこないか?僕と一緒にやらないか?
  君がこちらに来れば、君の県はわが党の完封勝利だ・・・優子君もそう思うだろう?」

 「そうですね、ごく親しい人の雰囲気を漂わせ、安心して誰でもが近づいていく
  気取ることもなくごく自然・・・地元で強力な支持基盤を築き、加えて個人的な人気もあります
  でも・・・・用心しないと、このお方は切れすぎる名刀『もろ刃の剣』になる危険性もあります」



 (矢張り・・優子を信用するのは早すぎた)・・・・美樹の矢のような視線が優子を射る


 「なに?それはどういう意味かね?彼は信用できないと言うのかね」

 「言い難いことですが、普段のこの人は確かに紳士ですが・・・・
  欲しい女は手篭めにしても手に入れるお方、いずれ本性が世間に知れ渡る、女性のためにも引退なさるのがベスト
  ・・・・危うく、私もその毒牙にかかるところでした」


 「ほうぅ・・新藤君、この優子君を襲ったのかね?」

 「先生、今のは戯言、冗談ですよ・・・私が優子君を襲うなどと・・・優子君、少し酔ったんじゃないのか?」


 「まあ,慌てて面白い、私は兎も角・・・後ろに控える秘書さんは、自ら進んでとっくの昔にできてるんでしょうね?」

 「まあ、この席で何ということを!・・いくらなんでも失礼なお話、副知事の見識と品格が問われますよ!」



とうとう、美樹が業を煮やした
このままでは、これまでの努力が水泡に帰す


 「知事、目の前におられる方は、今も、今後もこの国を引っ張っていかれるお方・・・
  如何でしょう、このお方を全力で支援したいと思われた動機を私にもお話しいただけませんか?」

 「若さだなぁ、こちらのお嬢さんも活きがいい・・・僕もそれを知りたい、言ってくれないか新藤君」


 「困りましたね、ここでそんな振りが来るとは・・・・・では、凡人の考えとご容赦頂いて
  我が国は、先達たちが血と汗を流し、先の大戦の苦しみを乗り越え、世界で渡り合える国家にまでにしてくれました
  なのに、その財産の上に胡坐をかき、口先だけの政治家、利己主義にはしる官僚、自分本位で退廃した国民・・・・
  無秩序、無気力、混沌が支配する今の社会、こんな国にした現代人に先祖は泣いています」

 「なら・・・どうする?」


 「壊すしかない・・・もう一度、ゼロからやり直すしかない、腐った国の根本を洗濯するしかない」

 「坂本竜馬だな、新藤君・・・わははっ」
  1. 2014/11/14(金) 07:56:37|
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胎動の夏 第17回

東京で情報収集にあたる美樹には、公費の他に新藤からも充分な活動資金が与えられている
美樹が居住する贅沢なマンションの家賃も、勿論、新藤持ちだ
しかし、美樹の忠犬ハチ公の働きぶりはそれを補って余りある、まさに新藤の側用人兼女切込隊長だ

 「美樹です・・・いよいよ、こちらにお越しになるのですね、知事・・・準備万端でお待ちます」

 「君の活動振りは、ちゃんと聞いているからね・・・宜しく頼むよ」


 「あの・・・・・知事、あの女を信用して重用するのは、少し早過ぎではないでしょうか?」

 「心配しなくていい、もう私の言いなりの女になった・・・首領の前で私を持ち上げさせるさ」

 「まぁ・・・たいした自信、それならいいんですが・・・では」


東京から美樹が新藤に電話をかけてきたのだ
新藤の上京は党内抗争で勝負に出る、政権党の大物に取り入るのが目的だ
そのためには、第1品は資金提供、第2品は県内の集票、そして・・
優子には気の毒だが・・・人身御供になってもらう
新藤は今が絶好の機会と踏んだ


 「あなた・・叔父さんから聞きました、国政にチャレンジするって本当ですか?」

 「そうだなぁ・・・」

新藤は久しぶりに自宅で妻の朱美とくつろいでいる
新藤は資産家の一人息子、朱美もまた良家の娘である
朱美もまた何不自由のない生活と、世の中の光のあたる場所しか知らないで育ってきた


 「私は・・あなたが側にいてくれて、娘の清子が幸せになってくれたら、それだけで十分なんです」

 「ああ、分かっている」

 「これまで1度もあなたがすることに反対しませんでした・・・・が
  あなたが選挙に出るのは、もう私は嫌です・・・あなたが、あなたが遠くに行ってしまいそうで」


新藤は朱美の肩を抱く
蝶よ花よと育てられた娘を娶り・・・愛娘の清子を二人で育ててきた
しかし、人の人生とはダイナミックだ
一度経験した選挙の熱気の魅力にとりつかれて、女に盲目の男になった


 「心配するな・・・この先の人生が波乱であったとしても、決して君を不幸な目にはあわせない」

新藤の腕の中に、こよなく愛してきた妻の朱美がいる
47歳の肉体はまだ瑞々しく、優子や美樹の肢体とは異なる安らぎを感じさせる
その秘訣は、県内でも指折りのエステに通っていることにあった
娘の清子を育てた乳房は、柔らかく新藤の手に馴染んで揺れる
硬くなり始めた一物を握らせる、その手はいつもその剛直の硬さを確認するにとどまる
朱美はまだ新藤以外の男の経験は無く、性の深みを知る由も無い


 「朱美・・・久しぶりに・・」

これまで、新藤が女遊びをしなかったのは、間違いなくこの妻が気に入っていたからだ
童顔の京人形のような女、逝く時の表情が堪らなく可愛い・・・そして、男の精を受け入れる
それは、この歳になっても変わらない


 「あぁぁ・・・あっ・・あん・・・」

 「逝くのか?朱美・・・・・・・・」

朱美は喘ぎで応える
首を左右に振り、顎をあげ快楽を素直に受け入れる妻
その顔を見ながら、新藤は心身とも癒しの世界に入っていく
  1. 2014/11/14(金) 07:55:47|
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胎動の夏 第16回

今年の夏は記録的な暑さだ
もう8月の下旬だというのに、摂氏36度の残暑が続いている
この異常な猛暑は9月も続く・・・国民の希望を叶えられない政権党内部抗争が拍車をかける

優子が職務に復帰して幾日か経ち、県庁内に噂が拡がり始めた

『副知事に男ができた??』


そんな噂が立つのも、仕方が無い
優子のイメージが明らかに変わった
清楚な服装から派手な服装に、スカートの丈は生太股まで見える超ミニだ
確かにスタイルも良く、若く見える女性だが、35歳の女盛りの女性なのだ・・・男を知った妖艶な女の匂いがする


知事室に叔父の県会議長が訪れている

 「進君、君の耳にも入っているだろう?敵さんの副知事の噂・・・男がいるって?」

 「そのことですか・・私も心配しているんですよ、なにしろ私の後継に指名した女性ですから」


 「真偽のほどは別として、この際、後継は取り消したらどうだい?政権党もごたごたしているし、チャンスだ」

 「そうでしょうか、叔父さん・・彼女にどのような心の変化があったのか分かりませんが、私はもう少し様子をみてやりたいと思っているんです」

 「それは君らしい思いやりだが、君には大志がある、甘いことを言っていると、足元をすくわれるぞ!」


誰かが冷茶を運んできた
議長の視界の中に、細くて長い白い腕・・・二の腕の肉がぷるんと目の前で弾む
差し出された腕の方に、少し首を振ってどきりとする
しなやかな長い脚、それにノーストッキングだ・・・・・思わず、議長は唾を飲み込む


 「有難う、優子君・・・・今、叔父さんと君の事を話してたんだ」

 「はい?・・・・私のことを、ですか」


 「き、君・・その、うん・・君のその、うん」

 「叔父さん、どうしたんですか・・・はっきり云ってやってくださいよ」


 「そうだな・・いや、そのことより、どうして君がこの知事室にいるんだ?」

 「それは・・・党本部から付けられた秘書さんの研修よりも、実務経験のある新藤知事の教えを受ける方がためになると思いまして
  知事にお願いして、職務の合間にこうして訪問しております」


 「教えを受ける?・・・なら、如何なものかな・・その服装は!まるで・・・」

 「議長さん・・・私は気に入っているんですよ、コレが・・・似合っていませんか?私に」


優子が議長の前でポーズをとる
ノースリーブの上着にミニスカート、肌の露出は大胆だ
指を合わせて、まっすぐ下に降ろし、長い両脚をきちんと合わせて背筋を伸ばす
まるでファッション雑誌から抜け出てきたような知性的で美貌の女性
男なら、年齢に関係なく感嘆のため息を漏らすだろう


 「うーん・・すて、いや・・駄目だ、ここは行政の職場なんだ・・・進君、君から注意したまえ」 

 「優子君、叔父さんの言うとおりだ、君に似合っているが・・・ここでの肌の露出はいかん、長めの物に明日から変えなさい
  君の魅力は服装で左右されるものではない、大事なのは内面なんだ・・叔父さん、私が指導しますから今日のところは」

 「分かった、じゃ頼むよ、進君・・・・あっ、そうそう、姪には心配いらないと言っとくから・・はははは」


議長が退室すると、新藤は執務室の奥の着替えエリアに優子を手招きする
先ほどから新藤は、姦りたくてうずうずしていたのだ・・毎日、この場所で優子と情を交わす
人に知られない一番安全な場所なのだ、だが時間は限られている
壁に両手を突かせ、臀部を突き出させる・・髪を掻き揚げ、顔をこちらに向ける・・男を誘う卑猥なポーズだ
白い太腿に対比して豊かな臀部に張り付いた紫紺のパンティが覗くと、この男はもう耐えられない


 「今日も私を挑発しているんだね、優子君・・・ただ、ケジメは必要だよ、性とビジネスは別物なんだよ
  そうだ、大切なことを忘れていた・・・君の首領、政権党の第一人者に合わせてくれないか?」

 「こんな時に・・・そんな話」

 「いや、君と二人で会いに行こう・・・名目も立つし、東京でゆっくり時間も持てる・・・いいね」

 「二人で東京に・・あっ!知事、いい、いい・・堪らない・・・もう、もう、私・・・」


いつものように、女が先に逝かされる・・・男の強い精がこの女に馴染み溶け込んでゆく
この女も普通の女ではない、『性とビジネスは別物』という感覚を既に修得しだしている
  1. 2014/11/14(金) 07:54:53|
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胎動の夏 第15回

拓也の歩行速度は上がる一方だ、漸く姉のいる高層マンションが見えてきた


 『この男の首を取って、人生をやり直す』
と言った姉の言葉に胸騒ぎが収まらない


息を切らしてドアの閉まりかけたエレベーターへと走る
しかし、流行のリズムの余韻をフロアに残したまま、エレベーターは昇っていく
堪らず拓也は階段を駆け上がる、心臓が張り裂けそうになる


エレベーターを降りたのはこの階の住人で斉藤一、26歳の大学8回生だった
この若者は自分の部屋の前で、お隣の玄関ドアが少し開いているのに気がついた
音楽を止め、じっとドアを見つめていると何か肉がぶつかり合うような音が聞こえてくる
足が自然と隣の住人の玄関へ向かいかけた時、ドアはゆっくりと『カシャ』という音とともに閉まった


そこへ、息を切らして男がこちらに走ってきた
その男は何度もチャイムを鳴らし、隣の住人を呼び出している
しかし、なぜか部屋の中からは応答が無いようだ
その部屋の主は綺麗な女性の一人住まい、この若者はその女性に廊下で出会うことが楽しみになっている
その女性は必ず愛想よく会釈をしてくれるし、颯爽と歩いてゆく後姿に見とれてしまう
スカートから見える白くて柔らかそうな脹脛、引き締まった足首のアキレス腱にうっとりとし、若い欲情の手淫ネタに何度もしていた


チャイムを押し続ける男の携帯が鳴り出す
なにやら話をしている
会話が終わると、その男はエレベーターに向かい、そのとき若者と視線があった
その男も愛想よく会釈をし、何も言わずに通り過ぎる


 「あの・・・お隣の方の?」

 「えっ!・・はい、身内の者ですが・・・」


 「お隣の人に何かあったのですか?酷く慌てて・・」

 「いえ、少し姉に聞きたいことが有ってきたのですが、急用で出かけたようです・・・それじゃ」


去っていく男を見送りながら、若者は首を傾げた
急用で留守?そんなはずはない・・・とは思ったが、どうしようもなく自宅へと戻った


 「優子君・・・あんな状況でも、うまく誤魔化すもんだ、時々善がり声が混じって心配だったよ」


肉交の最中に優子に電話をさせたのだ
今、新藤は優子のベッドの上で大の字になり、濡れ光る自慢の一物の後始末をさせている
勿論、優子への縛めはまだ解いていない・・・従って、唇と舌を使って憎い男の物を清めさせられているのだ
先ほど射精をしたというのに、この男の剛直はなおも固さを保っている


 「・・・君の喜汁と私の精液が混ざって、不思議な味がするだろう?
  そのうち、それが堪らなく欲しくなる・・・それが女の習性だ、覚えとくといい」


新藤はやっと優子の両手を自由にする、目的は舌のほかに手も使わせるためだ


 「君が拓也君と会う約束の時刻には、まだたっぷりと時間がある
  さあ、手も使って続けたまえ・・・私の残り液を吸いだすんだ、そして口中で味わうがいい」


従順に奉仕を続ける女の垂れた乳房を、男の手が甚振っている
助けを呼ぼうと思えばやれたはず、しかしこの女はできなかった・・・そう、新藤の読みが勝った

完璧な勝利の余韻が益々この男の性欲を高めている
そうだ・・・このまま、この女の口の中でもう一度射精する、飲ませてやるんだ
それから・・シャワーで身を清め・・・・・もう一発、今度は仲良く、優しく、優しくだ
それで、この女はもう・・・今度こそ、私の云うがままの奴隷となるはず


夕刻、日課の散歩から若者が戻って来た時、お隣から紳士が出てきた
そして、憧れの綺麗なお姉さんも見送りに出ている
紳士からは揚々とした気が発散しているが、お姉さんからは哀愁が感じられる
自室の玄関のところで、その紳士と目が合う
若者はその紳士をどこかで見た気がした・・・・・確か・・そうだ、この県の知事さんだ
  1. 2014/11/14(金) 07:54:03|
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胎動の夏 第14回


 「駄目!!何をするの・・・・あなた、気でも狂ったの?」


男もまた腹を括った・・・今度こそ二度と逆らえぬように、力による徹底した陵辱を開始する
優子の清楚な白の衣服は剥ぎ取られ、見事な裸体がさらけ出される
遮音性の高い高級マンションの一人住まい・・・女の叫び声は、色魔の暴力を一層助長する


 「止めて!・・もう直ぐ弟が来るわ、そうなったらあなた本当にお仕舞よ!嫌、縛らないで」


男は無言で女の細腕を掴むと、後手に縛り上げる


 「痛い、何?!こんなこと、もう嫌あっ、あぁぁっ」


震える両の乳房を力任せに握りつぶす
二度、三度と悲鳴を上げさせ、女が怯んだところで自らも下半身を剥き出す
既に、この男の剛直は天を突いている
それを見た女は顔を背ける
男は玄関ドアのところへ行き、ドアロックを解除する


 「そ、それは・・えっ?どうゆうこと・・」

 「決まっているじゃないか、大好きな弟さんが来るんだろ?鍵が掛かってちゃ、入れない
  それに、このように少しドアを開けておくよ
  この方が君にはいいだろ?助けを呼ぶ叫び声が届きやすい・・・が、善がり声も廊下に響き渡る
  ひょっとすると、弟さんよりもお隣さんが先に助けに駆けつけてくるかもな、優子君」


言うが早いか、新藤は獣のように優子に襲いかかる


 「そ、そんな!・・・い、嫌・・あっ!」

 「どうした?そんなに弱い声じゃ、廊下まで届かんぞ!」



撓む乳房にしゃぶりつき、男の右手が女陰を弄る


 「あっっ!あぁぁ・・・」

 「まだまだ小さい、小さいぞ!声が」

 「嫌、止めて、嫌・・・」



豊満な臀部をバックから抱え込み、剛直で女陰の入り口を擦ると挿入を開始する


 「あっっ・・痛い、止めて」

 「痛いだと、私の首を取るんだろ?どうした・・・早く大声で助けを呼ばないか!
  うん、そうか、もっとドアの近くにいきたいのだな!」


新藤は挿入を繰り返しながら、よちよちと玄関近くまで優子を追い立てる
そして、いっそう激しく突きを入れると同時に垂れる乳房を揉み上げる


 「ここなら、人が通れば小さい声でも十分に届く・・・・が
  当然・・・この卑猥な恥ずかしい姿もさらすことになる
  私はどうせ御用になる身、その前に溜まっているものを君にぶっ掛けてやる」

 「嫌、嫌、いやー」



なおも、新藤の立ちバックからのピストン運動は激しさを増し、同時にクリと乳首も弄られる


 「あっっあっ、あぁぁぁ・・・あっうっ・・あっあぁぁ・・」


その時、『チン』という音とともに、同じ階のエレベーターの扉が開いた
テンポの早い、今流行のミュージックの響きがずんずんと大きく近づいてくる
新藤はがっちりと女の腰を抱え、女陰の奥深く剛直を突き入れ天を仰ぐ・・・優子は歯を食いしばり頭を垂れる
  1. 2014/11/14(金) 07:53:09|
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胎動の夏 第13回

(駄目だ、駄目だ、効かないよ、優子君
 いくら強がっても君のからだの泣き所を知っている男なんだよ、私は!
 深く突き上げれば締め付ける・・・指でつぼを擦れば『あーん』と応える・・・・・うははは)


 「何を勘違いしているんだ!私を怨む?道連れ?それに謝罪しろなんて、よくも言えたもんだ
  今だってなんだい?もじもじと厭らしく太腿を擦り合わせているじゃないか!
  まるで娼婦の風情だ、優子君・・もう一度私に抱いて欲しいとサインを送っているようだよ」


新藤は嵩にかかって、優子を追い詰めていく


 「あの夜、アルコールも手伝ったとはいえ、君から私を誘ったんだ、覚えていないのか?
  酒に飲まれ男を欲しがったのは君自身だよ、そのことは女将も証明してくれる
  普段は誠実な君だが、あの時はその熟れた肢体で私ににじり寄ってきた
  魅力的だったなぁ、それで私も狂わされたんだ・・・息子がギンギンになっちゃってね」


 「そんなことはありません!私はお酒に酔いつぶれただけ・・・それをあなたが・・」


 「それじゃ、この私が女相手に卑怯なことをしたって言うのか?
  あまりにも正当化させるための勝手な言い分だ・・・女将も見てたんだよ、君が善がり狂うところを」

 「嫌、もう嫌・・・その話は聞きたくない」


 「聞きたくない?勝手なもんだ・・
  ああそうそう、あの後の処置はしたんだろうね・・
  君がいい声を上げて、あまりにも気持ちよく締め付けるものだから、君の中に出してしまった
  あの君の発情状態からして心配なんだ・・・妊娠がね」

 「妊娠!?そんな酷い・・」


 「酷い?って・・・妊娠されたら私の方がもっと困るんだ、君と違って大事な家庭がある身だろ
  でも、聡明な君だ、避妊の処置は忘れずにしたんだろう?」

 「避妊処置って!?・・・そんなこと」


 「なに!?性交渉の後処理だよ、やってないのか!!君は私の子を生みたいのか?」


二日に渡って犯され続けたといってもいい状況では、そんなこと、できるはずもない
当然、新藤は承知の上で、卑猥な表現を多用してプレッシャーをかけているのだ



 「やはりそうか・・・恥毛の淫らさからして、特定の男はいないとは思ったが、その知識もないか
  今後も政界で生き抜くつもりなら、君はその類まれな肢体を有効に使っていくか能の無い女
  ならば、性技を磨き男を虜にしろ、私が初歩から性の手ほどきをしてあげよう
  さあ始めようか・・優子君、自分で服を脱いで裸になりなさい」


俯き、手を小刻みに震わせている女に向かって、まるで自分の持ち物のように新藤は威圧的な言葉をあびせる


 「判りました・・・あなたがここに来た訳が」

 「うん???」



 「私を守るなどと調子のいい言葉を並べ立て、私の様子を探りにきただけ
  全ては、自分の保身のため・・・・・・・私を辱める嫌な男!最低なセクハラ男よ、あなたは!」


俯き、手を震わせていたのは、激しい怒りの表れであって、女が憔悴し観念していたのではなかった
優子の携帯が鳴る・・・弟の拓也からだ


 「私、ええ、大丈夫よ・・・心配してくれてありがとう、いろいろあってね・・でも、やっと決心がついたの
  姉さんね、この男の首を取って、人生をやり直すの・・・えっ、今から来るの?じゃ、そのとき」



(しまった!・・・生き返りやがった)


新藤の目の前に立つ美貌の女が、ジャンヌダルクに見える
  1. 2014/11/14(金) 07:51:56|
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胎動の夏 第12回

今日も何度シャワーを浴びたことか
優子は新藤に犯されてから、幾度となく肢体に聖水を掛ける
そして、下着からすべて優子の好きな白色の衣服で身を包み、化粧を施し、鏡に映る自分に微笑んでみる
そうだ・・・以前の清楚で誠実な自分を取り戻そうとしている
だが、鏡に映る姿からは艶やかで淫らな女の香りが内面から滲み出す
そう感じてしまうことで、優子の心はより深く傷つき、益々憂鬱の深みに落ちる
そのとき決まって別の優子が現れる、理不尽に犯されながらも女の喜びに酔い、男を求め続ける女
・・・・ここには、どうしても以前に戻ることのできない美貌の聖女がいる



玄関のチャイムが鳴る
優子はマンションでの一人住まいだ


 「優子君、話がある・・・・ドアを開けてくれないか」

新藤が訪れていた


 「(!?新藤知事)・・・・・あなたに、話すことは何もありません・・帰ってください」

 「私もまだまだ未熟、あんなことになってしまって・・・・誠に申し訳ない」

 「聞きたくない、思い出したくもない・・・・帰って、早く帰ってください」

 「いや、そうもいかない・・・今のままでは、君は二度と再起ができない
  私はこんな歳でどうなっても仕方がない悪人だが、このまま将来のある君が消えていくのは忍びがたい
  だから、君を守りたい、君のためなら何でもする、君の話を聴きたい・・お願いだ、ドアを開けてくれ」



あの気丈夫な優子も、今は家に閉じこもる迷える女
誰かと話をしないと精神が壊れそうだ・・・・しかし、無二の弟にも話せない卑猥な事実
ジレンマと気弱になってる優子は「君を守る」という甘い言葉に、ドアを開けた


 「今日は、県会の議長さんが来られて、大層心配をされていたよ・・・それに、君のところの秘書さんもね
  とにかくどうだろう、明日からでも職務に復帰してみたら?・・・すべてはそれからだ」

 「でも・・・今の私は、とても人と会えないし、仕事なんてとてもできない」


 「大丈夫だよ、私がフォローするから」

 「でも・・・無理・・・こんな私を誰にもみられたくない」



目の前に、この男の自慢の剛直で、善がり狂った美貌の女がいる
嫌がるその口に一物を咥えさせ、何度も剛直で頬を叩いてやった
優子を見ているとあの時の情景がまざまざと蘇ってくる


『この女にトドメを刺してやれ、ほら見てみろ!お前を誘っているんだ』・・あの時の新藤が顔をだす

こんなもじもじとした優子を見たことが無い、明らかに以前の優子ではない
目は空ろでしきりに手足を動かし、落ち着きが無い



 「安心しなさい、優子君・・・全て、私に任せたらいい、大丈夫だよ、何も心配することはない
  それに素敵だよ今日の君、その白色は君のためにあるようだ、清純と清楚そのものだ
  にも拘らず、今の君は大人の女の魅力も感じさせる・・・そう、君は以前より魅力を増した」

 「そんなこと・・・言わないで・・・もう、以前の私には戻れない
  あなたがしたのよ、こんな私に・・怨んでやる、あなたも道連れにしてやる」



 「そんな邪なことを考えるものじゃないよ
  君は以前より素敵になった、今の君はもっとなんというか、また一つ魅力を増したように私は思う
  自信をもって、職務に復帰してくれないか?優子君」

 「嫌といっているでしょ
  そんな仕事のことより、何をおいても謝罪をすべきでしょう・・・謝らないのね!新藤知事」



優子に激しい怒りが込み上げてくる・・・
これまでの嘆き悲しみと今感じている怒りが、悩める女への良薬となって優子本来の精神を蘇らせつつある
  1. 2014/11/14(金) 07:51:03|
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胎動の夏 第11回

 「馬鹿じゃないの、知事は・・・そんな気もないくせに、いい加減なことを言っちゃって!」

叔父の議長が退室しての、美樹の第1声だ


この男・・・『人生とは、重い荷物を背負って坂道を登るがごとし』の家康か?いや、とんでもない
死ぬ時でさえ虚勢をはった大泥棒『浜の真砂はつきるとも、世に盗人の種はつきまじ』の石川や?
いや、まだまだそんな・・『ゴマをすりーまーしょ陽気にゴマをね』の無責任男か、でも天下の県知事さんだ

この状況も自らが撒いた種・・・新藤は自分の口からとんでもないことを口走った
内輪の話とはいえ、『さっきの話は冗談ですよ』は通じない、全国でも雄県の現職知事の言葉である
さも熟慮しての決断と叔父は受け取ったが、実は苦し紛れの男の戯言


 「うーん・・・・」

 「反発できないところを見ると、当たりね・・・それよりも、許せないのは私を遠ざけようとするスケベ男の卑しい心」


 「いや、美樹にはもっと活躍してほしいというのは本当の気持ちだ」

 「そうなの?ありがとう・・でも、心のどこかであの女と二人きりになりたいと思っていたんでしょう?私は邪魔者よねぇ」


 「・・・・美樹、そんなことより今のことだ・・・・・・何とか知恵を出してくれ、そして助けてくれ
  私は今までも君の書いたシナリオを、演じてきた役者にすぎない人間だ」

 「あらまあ、私の役者だなんて?
  シナリオを自分流に気侭に変更して、後のことを考えずに狙っていたあの女を姦ったくせに!正直に言いなさい」



美樹にかかれば、知事でも何でもない・・・唯のスケベ親父だ


 「ああ、そのとおり・・・君はお見通しだな、二日間もかけて巧くいったと思ったんだが、彼女は休んじまった」

 「ふん!それで、精彩がないのね・・・このお馬鹿さん!」


 「さっきは、叔父さんがあんなに追及してくるもんだから・・・・つい、あんな夢みたいなことを言ってしまった、どうしよう?」

 「どうしようって?相変わらず無責任ね、あなた・・・・それに、とんでもない夢、夢ね、そう夢
  でも、名台詞で素敵な演技だったわ、竜馬には及ばないけど・・仲間と力を合わせてこの国を救うと言い切った、あの毅然とした態度
  そして、この私にもっと働けとも言ったのよ・・私、あんなに堂々とそんな事を言える男、あなた以外に会ったことがない」

 
 「あぁぁぁ・・・もう止めてくれ・・・元々、こんなこともう終わりにしたいと思っていたのに
  お酒に酔った彼女が目の前にいた・・美人は酔うほど艶っぽくて堪らなくなった・・・そこへ、もう一人の私が現れて」


 「その話は聞きたくないの!・・・私が賭けているのは、この国の状況を憂いた、もう一人のあなたよ
  その男のためなら私は、私はどこまでもついて行くつもりよ・・・しっかりなさい、あなたにはお金もあるし、運もついている・・・・大丈夫よ、もっと上を狙いましょうよ」



いつの間にか新藤は、美樹の胸に顔を埋めている
若い秘書が、その男の髪をなでる・・・・その光景はまるで、歳は逆さまだが母親と息子だ
  1. 2014/11/14(金) 07:49:42|
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胎動の夏 第10回

さらに新藤は続ける


 「我が国は今、苦しみもがいています、かつて世界第2位といわれたこの国がです!・・私は微力ではありますが、支持してくれる仲間と全力でこの国を救いたい、お役に立ちたい!」


叔父と美樹は言葉もでない


 「私の知事の任期の間に、必ず総選挙が行われる・・・・その時が一世一代の勝負の時
  50歳という歳を考えると、一気に天下を取るしかない
  天は私に時も地も人も与えてくれている、進め、進めと言っているような気がして・・・
  今の私には、叔父さんや高遠副知事の力が絶対必要で、助けていただかねば大事は成し遂げられません」

 「す、・・進君、よくぞ本心を明かしてくれた・・ぜ、全国制覇を目指すか!その意気やよし、進君」


 「ありがとうございます、叔父さん・・
  それで、美樹君には先兵となって中央で動向を掴み、併せて霞ヶ関での人脈を調べてもらいたいと思っている」

 「えっ!?私を東京にですか?・・・それは大役で光栄なことですが・・・その間の知事のお世話はどなたが?」

 「私の世話など無用だ、それより来年早々にも解散があるかも知れない情勢と聞く、君の役目の方が緊急課題だ、頼むよ」


美樹の感性が訴えてくる・・何やらおかしい、裏がある・・・美樹には新藤の言葉をそのまま飲み込めない


 「でも、知事・・私は知事のお側近くでずっと」

 「駄目だ!判らんのか?進君の気持ちが!・・・確かによくやってくれてるよ、君は
  だが私は進君の妻の叔父だぞ、言わせてもらう
  姪のためにも大志のためにも、君がべったりと側にいるのはよくない、噂にもなっているんだ」

 「噂!?・・・」

 「そう、知らぬは本人達のみってこと!・・だから、これでいい、これがいいんだ・・・なあ、進君」


姪の夫に寄り添う若い秘書、姪のためにもこの際に引導を渡したい叔父
そんな思いをはるかに超えて、どんどん話が大きく先に進む



 「それで進君、もちろん県議会最大会派の保守党からの出馬だよな・・・
  待てよ、高遠副知事?・・まさか政権党とでも考えているのか?」

 「叔父さん、私は・・・そう、この国を元気にし、希望を国民に与えるためには、党がどうのこうのと言っている時ではありません
  緊急事態ですよ、我が国は!与党も野党もない、ましてや政治家も官僚もない・・・英知をあつめて強力な挙国一致の体制を築くことが今必要なんです」


あのバブル崩壊以来、資産家である新藤は大打撃を被っている
デフレの続く日本の社会、地価は今も下がり続け、株価も低落の現状を誰でもいいから何とかして欲しいというのがこの男の本音である


 「素晴らしい!わが姪の婿殿がこれほどの人物とは・・・私ら一族あげて応援する、頑張るんだぞ、進君
  よしよし、男はそうでなくっちゃ・・・うんうん早速、わが同志と根回しを始めるよ、いや実に愉快、愉快だ」

 「お願いいたします、叔父さん・・・」



 (これはとんでもないことになったぞ・・・どうしよう、美樹)


放心の視線を美樹に向ける新藤に対し、新藤を見つめる美樹の視線は明らかに呆れ返っている
  1. 2014/11/14(金) 07:48:35|
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胎動の夏 第9回

新藤がいる知事室に叔父の県議会議長が訪れていた


 「進君、噂を聞いたよ・・・副知事が出庁拒否症になっているって?」

 「えっ!さすがに叔父さん、アンテナが高いですね・・・まだ3日目だというのに」


秘書の美樹が珈琲を運んで来て、口をはさむ


 「議長さん、そのお話しはどなたからお聞きになったのですか?」

 「君か?まあいいだろ・・・実は、敵さんの秘書が、ぼやいているって情報が入ってね
  彼女はあちらにとっては大事な玉、これからって時だろうからなぁ」


 「それで、その原因は何て?」

 「それだよ、それを私も知りたくて、進君なら知っているかと思ってね」



二人は揃って、珈琲を口にする新藤の顔を見つめる


 「なんだい!?私が何かしたとでも思っているの?」

 「議長さんの前ですが・・・
  私が仕えるこのお方は、普段は素晴しいお人なんですが、いい女とみると人格が変わるというか、見境がなくなるというか・・・
  それに、昨日は大変お疲れのご様子でしたし・・・」


 「止めなさい、美樹君!・・叔父さんの前だぞ」

 「まあ、まあ、こんなところで仲間割れをしてもしようがない
  原因はともかくとして、敵さんのホープがダウンしたんだ・・・当然、この機を逃さず巻き返しだよな、進君」


 「巻き返し?・・そ、それは・・はい・・・今直ぐとはいきませんが、いろいろと考えています」

 「それならいい、来年は統一地方選挙だよ
  折角、激戦の知事選に勝っておきながら、その相手候補を副知事に押すと言われた時は、私も仲間を説得するのが大変だったんだ
  自分の跡目を彼女にという話を鵜呑みにはしていないが、未だに、本心を私にさえ話してくれない・・なあ、進君」

 「知事、どうなんですか?そのことは私もずっとお側にいても理解できません・・唯一、考えられるのは善からぬ事しか」



美樹の直感は鋭い、本音を射抜かれた新藤は困った・・・
そして、思いつきの途方もないことを口にする


 「仕方がない、お二人には私の本心をお話ししておきましょう・・くれぐれも、その時が来るまでは内密に」

 「おう、やっと話してくれるか」


 「叔父さん、私は望んでこの政治の世界に入ったわけではありません・・・引き入れたのは、叔父さんや前知事
  しかし、あの知事選・・あの時のスタッフの情熱と熱気が今でも忘れられない、今思い出しても、体が震える
  自分の主張を選挙民に訴え、戦い抜く世界・・これは私の天職かも知れないと思うようになったんです
  それならば・・・県政は所詮一地方の政治、もっと全体を良くするために、もっと上を・・・」

 「えっ!?・・・進君、もっと上とは・・・国?国政のことか」


驚きで目を丸める叔父の議長に対し、らんらんと輝きだすのは美樹の視線

  1. 2014/11/14(金) 07:47:32|
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胎動の夏 第8回

(うっはははは・・・・優子の奴、からだをがちがちにしやがった、こんな卑猥な姿を他人に見せられないよなぁ)


優子は声のする襖の反対の方へ顔を背けている
その緊張した横顔に顔を近づけ新藤が耳元で囁く

 「困ったなぁ・・・優子君、こんな二人の姿を女将に見られちゃ大変だ、それに君のあそこは淫汁が垂れてるし」

 「あぁっ・・嫌」


新藤の一物が硬さを増し、ゆっくりと、そして深く優子の肉奥を突いてきたのである
嫌がる優子を無視して、尚も挿入を繰り返してくる



 「どうされました?お客様・・・今、なんとおっしゃいましたか?」

 「いいえ、大丈夫・・・・私は、大丈夫っう・・・ですから」

 「そうですか、それならいいのですが・・・何しろ、お連れの方から『将来のある大切なお人だから、宜しく頼む』と申し付かっておりましたもので」


この状況下でもお構いなしに、新藤は何度も女陰の奥に突きを入れる
先ほどの射精と反応し始めた女の愛液とで、優子の女は蕩け始めていた


 「女将さん、心遣いありがとうぅぅぅぅ・・・ございます・・・あっ」


優子は思った『女将をこの場から早く遠ざけたい』と、しかし相手の男は頃合い良しと、体位を変化させる
優子を繋がったまま抱き上げると、女上位の型にする
分厚い自分の胸に両手をつかせ、下から剛直で突き上げる


 「女将さん・・わ、わたしは大丈夫う・・・下がっていただいてぇ・・あぁぁ」


ここまでで、優子は精一杯だった
余裕たっぷりと、新藤の両手が優子の乳房を下から捏ね繰る、強く、優しく・・そして、握りつぶすように荒く
これまで、男からこのように扱われた経験はもちろんない
最早、臨終の時がそこまで来ている


 「そうですか・・それでは、下がらせて頂きますが・・
ただ、あなた様は相当お酒を召し上がられ、お連れの男の方の体を触っておられましたから心配になりまして
  私の店はそのようなことは許さない格式のある料理店でして、ラブホテルではございませんので
  ・・・あっ、そうそう、冷たいお水をお持ちしましたのでお取替えを」


そして、女将が襖を開く
女将と男に跨り腰を振り、乳房を潰されている女の目が合った


 「嫌、見ないで・・・お願い!」

 「まあ!お客様!?・・・・私のお店で何ということを!」


新藤は、女将のお恵にウインクを送ると再び体位を正上位に戻し、本格的な突きを開始する

 「女将さん、このお店にご迷惑をおかけして申し訳ない・・・この女がこんな淫乱症だったとは知らなかった
  こんな歳の私に迫ってきて、今夜これで、二度目なんだよ・・もう、くたくたでお仕舞いにしたいんだ
  この女がどんな淫乱な逝き方をするか、そこで念仏でも唱えて見守ってくれないか・・頼むよ」

 「やはりそうでしたか?・・・それじゃ早く、あなたのその聖棒でこの淫乱女を往生させてあげてください」


 「嫌よ、嫌、いゃぁー」

 
いくら美貌を備えた女であっても、男女の性交渉の姿は他人からみれば卑猥なもの
その姿を見られながら、聖女は無念の叫びをあげ続けた
  1. 2014/11/14(金) 07:46:26|
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胎動の夏 第7回

空調の効いた部屋とはいえ、そこは男女の汗と淫臭が立ち込めている
新藤は裸の身体に浴衣を羽織り、口直しに冷酒を一杯飲み干した
彼の視線の先には酔い潰れ、反射的な反応しかしない女体が転がっている


(さて・・・どう仕上げるか)


勝気な優子のこと
下手をすると、副知事を辞職し新藤を訴えるという行動も考えられる
ここは徹底的に打ちのめす必要があった
新藤は暫く部屋から抜け出した・・・そして、戻ってくると窓を開ける

外は既に、夜明けが近づいている
部屋の中に朝の冷気が流れ込み、優子の熱った肢体を醒ましてゆく・・・


「う、うぅぅーん」

(漸くお目覚めか・・・なら、そろそろ仕上げといくか)


新藤は自慢の剛直に唾を塗し扱き立て、優子の女陰を舌で嘗め回して挿入の態勢をとる
そして、両脚を大きく広げ狙いを定めて、一気に女陰を突き破る
待ちに待った挿入の時だ・・・優子は局部の痛みで、否応なく目覚めていく


「あっ、あぁ痛い・痛い・・何を、止めて、何を!・・知事!何をするんですか」

「何をって!?・・・君が望んだことじゃないか?それに、ほら、もう繋がっているんだ」

「えっ?そんな・・・嫌、止めて!止めてください」


優子の悲鳴を無視し、お構い無しに剛直の挿入を繰り返す新藤
せりあがる女体を逃がさぬように、両脚を抱え込み上半身を腕で抱きこむ
そして、強引に優子の口も奪いにいく
それでも優子は必死の抵抗を繰り返す・・・だが

「あ、あぁぁぁ・・・嫌、いやーん」


そう・・女なら誰でも分かる
膣内に男の精を浴びる感覚・・・・新藤がここぞとばかりに溜めに溜めた男精を余裕たっぷりに注ぎ込む


「優子君、どうだい?・・・君の欲しがっていたものだ、しっかりと受け留めてくれたかい?」

「嫌・・こんなもの、欲しがったりしていません」


新藤の精は獣の精
放った後も堅さを失わず、自らの精を潤滑油にしてなおも挿入を繰り返す


「優子君、これが君が望んでいた男と女の関係だよ
酒に酔ったのかどうか知らないが、君から私に強請ってきたんだ・・・もう少し続ければこの良さが実感できる」

「嫌、嫌です・・・こんなの」

「ほら、ほら・・どうだい、ほら・・ここ」

「あんはーん・・あぁぁーん・・・嫌、どうして」

「そら、そら・・・優子君、気持ちよくなってきたんだろ・・ほら」



その時、襖の向こうから女将の声が聞こえる

「お客様、お客様!・・・どうかされましたか?」


(女将さん!?・・・・嫌、いやーー)
  1. 2014/11/14(金) 07:45:36|
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胎動の夏 第6回

「ううっーん」

目の前で、素晴らしいプロポーションの女体が寝返りを打つ
冷酒を飲みながら、その女体を眺めている新藤
女将に頼んで蒲団を敷いてもらい、今、優子をその上に運んだところだ

犯す女の衣服を一枚一枚剥ぎ取るごとに、雌の匂いが周囲に漂う
蒲団の周りには衣服が散らばり、優子は下着姿で肢体をさらけ出している
男の手がブラの上から乳房を握り締めると、「あ、あーん」と女体が応えた
新藤の下の人格が呟く

(あぁ堪らん・・・いい声で鳴く)


思うより早く、手が両のブラを押し上げ乳房にしゃぶりつく
見事な円錐形の女肉は乳首が搾りだされ形が歪む、そして男の唾で濡れ光ってゆく


(優子の汗?・・・いい味だ、この女そのものだ・・・こりゃ、ますます楽しみだ)


シャワーで洗い流された女の肌は、本来の味も匂いもない無味乾燥の肉塊だ
元来セックスとは、男女相互に己が精を付け合う行為・・・それで雄と雌が一体となる
汗にも指紋と同じように、その人固有の味と匂いがあり、それが男女の相性につながるのだ
女の乳房を堪能した男の唇は胸から臍へ、そして女の源泉へと下ってゆく


(さあ、いよいよだ・・・どんな毛並みでどんな香りがするか・・拝見しよう)


パンティを脛まで引き降ろし、片方のみ脚を抜く
そして、抜いた方の脚を持ち上げ女の源泉を二指で開く


「う、うぅーん」

(汗と小水とが入り混じった匂い・・それに、この色?・・・なんとも見事)


優子は清楚な服装を好み、外見は髪型も顔立ちも清純そのもの
しかし今、新藤が見つめている女陰を包む繊毛は黒々として量もたっぷりある
新藤は確信した


(この女は、きっと好き者・・・・勝気な性格とこの肉付き、男を虜にし破滅させる女になれる)


新藤の舌が唇を舐める
そして、そのまま女の女陰に吸い寄せられる


「あぁ、うぅ・・うぅーん」


男の舌は優しく、さらに優しく
丁寧に、さらに丁寧に・・・・一枚、一枚、女肉を捲ってゆく
自然と勃起する陰核を探り当て、唇がそれを吸い上げる


「あぁ、あーーん」
  1. 2014/11/14(金) 07:44:29|
  2. 胎動の夏・道明
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胎動の夏 第5回

ここは新藤の幼馴染のお恵が営む料理屋
かつて、新藤が県の出先機関の所長時代に、遼子との運命的な出会いとなった店である


 「進ちゃん、お久しぶり・・・私の見込んだとおりに、偉くなって」

 「そうかな?僕自身は何も変わらないよ、昔のままだ」


そんなことはない
お恵が新藤と遼子を娶わせたことから、明らかに新藤は変身した・・否、眠っていたものが目覚めた
生真面目で堅い性格の行政マンだった新藤、それが今は精神的にもタフになり野心家にもなっているが
何よりも・・・女が好きになった、頭と下半身の人格がまるで別人だ


 「遼子ちゃん、元気にしている?」

 「ああ、元気だよ・・・彼女は僕が最後まで面倒をみるよ、沖田君とのことでは辛い思いをさせたからね」


 「そうね・・・奥様以外の女性を紹介した私にも責任があるわね
でも、女性にはからっきし駄目だった進ちゃんが、遼子ちゃんを 知って明らかに変わったもの
  人の気持ちが分かるようになったのかしらね、進ちゃん?」

 「人の気持ち?それはまだまだだよ・・でも、あの頃の僕よりは少しは気づけるようにはなっている
  勿論、気遣いもね・・・・だけど、自分を抑えられなくなって・・過激な衝動に襲われることもある」


 「そう・・・でも、いつかコントロールできるようにきっとなれる、進ちゃんなら
  ・・・・・・で、今夜のお連れさんは?」

 「もう直ぐ来る・・・まるで20年前の僕だよ、女性だけど若い副知事だ」

 「まあ女性の副知事?進ちゃん・・・それで、その人を育てるのね?あなたの後継者として」


女将のお恵は新藤の幼馴染
新藤が頭で考えていることは察しが付く、方向は間違っていないがその過程はお恵の想像をはるかに超える


 「優子君、まずは一献」

新藤が優子に酌をする・・・今二人は座敷机を挟んで向かい合い、目の前には女将自慢の料理が並んでいた
新藤と指しでの話し合いの機会を得た優子は、気合いが入り緊張感が漂っている
そして注がれた冷酒を一気に飲み干した・・・これまで優子はお酒に飲まれたことがない
少し顎を上げ、酒を飲み干し「ふうぅ」と息を吐く・・・真っ向勝負だ、新藤の考えていることを全て聞き出すつもりだ


 「なんと美味しいお酒・・・知事、ご返杯を」

 「ああ・・頂こう」

手渡されるガラスの盃に白い指が添えてある、その指に新藤の指が自然と触れた
すると・・・この男の下半身が疼き始める



 「本当に美味い酒だ・・本県の宝だよ・・優子君、話は後回しにしてまずは、腹ごしらえだ、いいね?」

 「はい、そうしましょう」


新藤の口元は微笑み、自然と目が細まる・・・視線の先は女の胸元へ流れていく

優子は目の前の豪華な料理に箸をいれた
たっぷりと1時間が過ぎる頃には緊張感も解け、美酒の酔いが優子を包んでいる
口当たりの良いお酒ではあるが、純度は高い
新藤は控えめに飲み、優子は気負いから注がれるままに飲み続けていた

新藤は厠からの戻り際、優子の肩に手を置き、顔を覗き込む
普段なら、肩に手を置いた瞬間に跳ね除けるであろうが、酒の酔いがそうさせない


 「・・もう8時だ、明日は休日とはいえ、そろそろ君の話を聞こうかな?」

 「・・で、ではよろしいですか」


新藤は飲みながらの方が良いと、更に別の冷酒を注文し優子に勧める
そして優子の問いに、逆らわず相槌を打ちながら丁寧に応じてゆく
天性の聞き上手、話し上手な男だ・・・特に女性の扱いは天下一品の磨きがかかっている
アルコールの影響なのか、新藤の話すことが優子にもストレートに飲み込めてしまう
そして、美酒が女の喉を潤す


(新藤知事はこんな気さくな男性?・・・私はもしかして、入った情報を妄信してしまったのかもしれない)


2時間経過する頃には・・・・優子と新藤は昔からの同志のように和んでいる、そしてさらにお酒がすすむ
耳に聞こえてくる男性のバリトンの声音、そして時々鼻をかすめる逞しく、頼れる男の匂い
その匂いに惑わされ、注がれた酒を飲み続ける優子


そして、その時が来た・・・
優子は危険な男の前だというのに、初めて酒に飲まれた
  1. 2014/11/14(金) 07:42:57|
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胎動の夏 第4回

「姉さん、副知事の職はどう?もう慣れた?」

「さあ・・一応は特別職だけど、一般の行政職って感じかな・・訪れる人の要望を聞いているうちに、知事と一体になって、政務を実行しなけれぱならない・・・・内助の功を果たせれば立派な副知事なんでしょうね、言ってみれば知事の職場の妻ってところかな」


100万ドルの夜景といわれた街の灯が眼下に見渡せるレストラン
そこに、食事を終えた優子と弟の拓也がいる


「それにしても、あの新藤知事!
 選挙で戦った私を後継に指名しておいて、自分は仕事らしいことは一切せずに、素人の私にお任せなんだから」

「いいじゃないの、どうせ4年後には引退なんだから」


「引退!?・・・本当に引退するのかしら、知事はまだ50歳・・お歳の割には体力も知力も精力も漲っていて」

「姉さん、姉さん・・精力って!まさか、彼を男として見ているの?」


「馬鹿言いなさんな・・・姉をからかうもんじゃありません」

「でも、確かに新藤知事は僕から見ても羨ましい男だよ、財産もあるし全てのものを持っている
 何よりも、あの不利な情勢の中で姉さんと勝負して勝ち抜いたんだから・・・運もある人だろう」


「でも・・・この世にそんな神がかりな人なんていない、運に見放され今にきっと地に落ちる
 酷いことをしているもの、あの人の周りにいた女性は不幸な目に遭っているし、部下の方も痛ましいことに・・
 私は絶対に許せないわ・・・・・あんなスケベ男」

「そうかな?僕の勘では・・・まあ、いいか」

「何がまあ、いいか・・・よ・・・・面白い子ね、拓也は・・ふふふふ」


弟の拓也は言いかけて、言葉をつぐんだ
選挙戦の最終局面で、本人は気付いていないが女の弱さが出た・・・相手に情けをかけたのだ、それが結局、敗北につながったと分析している
しかし、拓也はそれで良いと思っている
美しく、清らかで真っ直ぐな性格、何よりも優しい・・そんな姉が拓也の理想の女性像だ


「でも姉さん、気をつけろよ・・・・姉さんは『父』という存在に弱い、頼れる逞しい大人の男なんかにも憧れてるんだ」

「馬鹿ね・・・拓也は考え過ぎよ、姉さんは大丈夫・・・それより、あなた、いい人早く見つけなさい」


爽やかな山からの吹き降ろしの風が吹く
姉のしなやかな髪が揺れ、仲の良い姉弟の会話は、終わりが見えない・・・・
拓也は夜の照明に浮かび上がる美しい姉の横顔を眺めていた
  1. 2014/11/14(金) 07:36:46|
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胎動の夏 第3回

知事室の前に優子が立っている
その自動扉の中の秘書スタッフたちは既に退庁していた
優子は、灯りが隙間からもれる知事執務室のドアをノックする


「高遠です・・・新藤知事・・いらっしゃいますか?」


しばらくして・・


「高遠君か?・・・私はまだいるよ、どうぞお入り下さい」


知事の執務室は広い
その奥の大きな机を前にして、ネクタイを外しラフな感じで新藤が知事の椅子に座っている
手には愛用のモンブランの万年筆を持ち、何やら記述している様子であった

「今夜は弟さんと食事の予定ではなかったですか?」

「ええ・・・今から帰宅するところですが、その前に少し伺いたいことがありまして・・」


新藤は万年筆を置き、老眼鏡を外すと正面に立つ優子を改めて見つめ
足の爪先から視線が昇っていくと、胸のところで一服し、漸く優子と視線を合わせた


「何だね、聞きたいこととは?」

「一つは、当選直後に早々と私を後継にした真の理由です
 知事は、『県民は私を選んだが、知事の職には・・私より、高遠さんの方が相応しい』と仰って、ご自身の後継者として党本部と交渉
 結果、このようになりましたが・・・・・・・・私はまだ知事のお考えに納得がいきません」

「そのこと・・・他には」

「二つ目は、あなたの元部下たちのこと・・・・それと」

新藤はじっと優子をみつめて頭を左右に振る


「それをお話しするには、少しの時間ではすまない
 弟さんが待っているんだろ?早く行ってやりなさい
・・・今、言えるのは君が頑張っている限り私は全力で君を支えるということです・・後日、時間を作って下さい」

「そうですか?それでは、知事・・・後日、機会をご連絡します」


一礼をして、知事室を退出する優子を見送る新藤、その視線はしなやかな動作と女性の肢体の見事なカーブ、すらりと伸びる脚線を追っている

(それにしても、いい女だ・・・・・知事選では本当によく戦った好敵手・・・是非とも私の・・)



美樹の声が机の下から聞こえる


「知事・・・知事・・・・今日は、何時もより凄くお元気で・・」

「ああ・・・美樹・・・・そのまま続けて・・・・・」



新藤は下半身むき出しで、知事の椅子に座っていた
先ほど万年筆を持っていた右手は、今・・・若い女の乳首を転がしている

  1. 2014/11/14(金) 07:35:34|
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胎動の夏 第2回

「ふぁはははは・・・また、振られちゃって、知事」


ここ知事室では、秘書の美樹と新藤がまるで子どものようにじゃれあっている
知事の椅子に座っている新藤の膝の上に、美樹が横向きに腰を降ろし
しなやかな細い腕を新藤の首筋に回して、キスを強請っていた
この二人は、優子との熾烈を極めた知事選を共に戦い抜いた性別を超越した同士でもある


「何を言うか・・諺にあるだろう!『急いては事を仕損じる』とな・・・
 それにしても、美樹ちゃん・・・私とこんなことしていて大丈夫か?」

「あら、気遣ってくださるの?・・・私は、大丈夫よ、へまはしないから」


「そりゃ大した自信だ、ところで・・・瑞希はどうしているんだ?」

「瑞希さんが気になるの?・・・ふふふ
 生まれたのは男の子で、名前は『進一』
 彼女はどうもあなたと旦那の名を掛け合わしたみたいね
 元気よ、彼女・・・・・・・・ふふふ・・・ねぇ、もう話はそれくらいにして、知事・・ねぇ」


美樹がせがんで、二人はディープキスを始める
新藤が美樹の甘い舌を唇で挟むと、白魚のように女の舌は男の網から逃げ出す
その白魚を、男の舌が追いかけ・・・逆に女の唇に捕らえられる
左手でしっかりと女体を抱きしめ、右手はバドミントンで鍛えられた太腿の奥を弄っている


「美樹ちゃん・・・短期間に随分と上手くなったな」

「そう思う?・・あなたの指導が良いんじゃないの?・・・・ああん!」


「それに・・敏感に肢体が反応するようになって・・・・いいぞ、美樹」

「嫌よ、私を捨てちゃ・・・・・こんなにも、あなたに尽くしているんだから」


「ふん・・私が自分から女を放したりしないことを、良く良く承知しているくせに」

「ほんと、そうよねぇ・・・あなたは、これまで関係した女性を見捨てたりはしなかった
 その点は他の男とは違う、あなたらしいところ・・・・・・ねぇ、お願い、ねぇ、そろそろ」


25歳の芝田美樹には結婚を約束したフィアンセがいる
しかし、新藤の副知事時代にその秘書に抜擢されたことが、この娘の運命を変えた
今あるのは、新藤の地位を利用して女性キャリアの頂点を目指していくこと
そのためには、この男を独占するのが最大の近道
そして、自らの若い女体でより深い絆を求めるのだが・・・相手は50歳にして、精力が漲っている
これまでに培った、老練な手練手管で若い小娘は何度も追い詰められ・・・そして、とどめを刺される
美樹の勘と頭脳は明晰だが、こちらの方は経験の差が歴然としていた
美樹の思いとは反対に、重ねれば重ねるほど自分が虜になってゆく


「さあ・・・美樹ちゃん」

新藤の指先は神の指、この指で逝かされぬ女はいない
その指が、今、美樹のパンティの中で頃合い良しと濡れ光っている



・・・・誰かがドアをノックする
  1. 2014/11/14(金) 07:31:05|
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胎動の夏 第1回

今年の夏は異常に暑い
まるで今の混沌とした日本社会をあざ笑うが如くに
灼熱の地獄の業火熱風が、今日も続く・・・・・・・・・・

日中、積乱雲がもくもくと山手の空を支配した、ようやく陽は西に傾き夕闇が迫る
鼻筋の通った、白色の美人・・・・その横顔を赤い灼熱の夕陽が照らしている
H県の副知事室
この部屋の主である高遠優子が、デスクの上に山と積まれた決裁書類に目を通している


 (ふぅぅ・・・あと、もう少しね)


副知事に就任して、早や3ヶ月が過ぎた
民放テレビのニュースキャスター出身で、独身35歳
現知事の新藤進の対抗馬として知事選に出馬し、惜敗した
ところが、当選した新藤知事は「2期目は出馬せず」と宣言し、優子を自分の後継知事候補として副知事就任を要請してきた
そして、後ろ盾であった政権党幹事長の薦めもあって、優子はこの副知事職を受けたのだった

全国でも雄県として知られるH県の知事職
政権党にとって、それを4年後に労せずに獲得できるという思いが動く
行政経験のない優子への支援として、政権党幹事長からは選り抜きの男性秘書が付けらている
そして、優子は政務に忙殺される毎日であったが、2時間近く、この秘書のレクチャーを受けている


(それにしても新藤知事・・自分は1期で引退するからと、政務の全般を私に任せるなんて、潔いというよりも、無責任すぎる)


優子は、窓際へと移動し背筋を伸ばす
均整のとれた肢体にフィットした白のスーツ・・その胸の辺りが前に突き出て、なんとも艶かしい
そう・・・この女性は、清楚で誠実・・・・色白の美人副知事なのだ
今日も、県の関係団体の役員がご挨拶と称して、幾人も優子の部屋を訪れている
千客万来・・・・一目だけでも優子を見ようと訪れる人の数は、知事室への陳情者よりも圧倒的に多い


(あの人たちは、新藤知事の強力な支援団体の幹部たち
私の様子を探ってきっと報告しているんだわ・・・・しっかりと、気を引き締めなくっちゃ)


惜しむらくは、この女性
陳情者の真の目的・・彼らの視線が、自分の肢体に向けられていることには全く無頓着な女性なのだ

デスクの電話が鳴る


「はい、高遠ですが・・」

「精がでるねぇ?・・高遠君、私だ、新藤だ
 どうだね、今夜・・・時間あるかい?・・・よければ、美味しいものでもご馳走しようか?」


「お誘い・・有難うございます・・・・ですが、今夜は弟と食事をすることになっておりまして」

「そう?・・・残念だなぁ・・・それじゃ、またの機会にしよう」


新藤はこのように、日に1度は必ず電話をかけてくる
それは、職務上の用件ではなく、何時もこのような食事の誘いや体調を気遣う内容だ
しかし、優子の知る限り、家庭の中ではよき夫、よき父でありながら・・・
外へ出るとまるで本能の赴くまま、己が欲望を満たすために人妻や未亡人を我が物にしてきた男だと認識している

(これまで女性を冒涜してきた罪は、いつかこの私が償わせてあげる)

優子は、今も忘れはしない
それは・・・チンピラやくざの若者が選挙戦終盤に持ち込んできた情報
共に新藤の元部下であった・・新藤の種とされる子を身籠った瑞希と、新藤の愛人と結婚する予定だった沖田のこと
その二人のことを新藤は何も話さないが、新藤の鬼畜の仕業の犠牲者だと優子は思っていた
  1. 2014/11/14(金) 07:29:03|
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貸し出しと密会

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  1. 2014/11/14(金) 07:22:56|
  2. 寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那

妻への夜這い依頼 第22回

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  1. 2014/11/14(金) 07:13:27|
  2. 妻への夜這い依頼・則子の夫

春が来た ~~その後

H県の知事公室に高遠優子がいる
まさに、個性的な有力候補同士の死力を尽くした激しい選挙戦だった

(あの時、私の中に生まれたあの感情・・・・
 不貞な行為を許せる訳がない
 しかし、あの場でそのことを詫びる情けない父親の姿
 そんなものをどうして清純な娘に見せられようか
 それにしても・・・あの人、抜けしぁしぁと
 『私には、お前たちの笑顔が命なんだ』・・なんて)


この部屋の主、新藤知事が秘書の美樹を従えて、会議から戻ってきた


「お待たせして申し訳ありません、高遠さん」

「いえ・・・・それより、私へのお願いとはどのようなことでしょうか?」


「ええ、そのことで今も県議会の会派の代表に根回しに行っておりました
 実は、あなたに副知事への就任をお願いしたい」

「私に?!副知事になれと?」


「はい、あなたは暫く行政経験を積まれればきっと、良い知事になれる
 わたしは、1期限りで知事の職をあなたに譲ります
 そのつもりで、副知事への就任を承諾して頂きたい」

「それは・・・あの時、私があなたの不貞の事実を暴露しなかった返礼とでも?」


「いいえ、違う・・・我が県民は知事に私を選んだが、私はあなたの方が知事に相応しいと思うからです
 良く考えて、ご返事下さい」



優子が新藤の真意を測りかねて、目の奥を探っている
新藤の目には迷いがない・・・本心からそのように思っていると優子は感じた

「はい・・・・しばらく、考えさせて下さい」

「良い、ご返事を待っていますよ・・宜しく」



知事公室から出て行く優子の後姿を見送る新藤
その新藤の顔を美樹が見ている

「知事・・良からぬ事をお考えでは?」

「非情になれぬ不完全な善人は、悪人の餌食になる・・・・鴨がねぎを背負ってやってくるんだ
 私が、いただくよ・・・・あの美味そうな肉を」



新藤が美樹に流し目でウインクをし、抱き寄せる

「何といっても、今回の一番の功労者は君だ・・・君の働きが無ければ完全に負けていたよ」

「有難うございます、それをご理解頂ければ私は・・・・・ああぁ、あん、もう・・・」


「どうするんだい?・・彼氏は?結婚するんだろう?」

「ええ、します・・・・でも、私は知事について行きます・・・どこまでも」


「そうかい・・・私も、しばらくはこの君の肢体で満たされそうだ」

「しばらく?・・だ、なんて・・・そうは、させるものですか・・・・あうぅぅ・・」


「若いのに、なんとしたたかな女なんだ・・君は」

「あん!・・・そう、瑞希さんと沖田さんの事は心配なさらずに・・私にお任せを」

「ああ、頼む・・・・・」


県民の幸せと、夢の実現に向けて、これまで歴代の知事が真摯に執務してきた知事の公室
その神聖なる場所が偽善の気に満ち、男と女の肉の擦れ合う淫靡な音で溢れる・・・・


「ああぁぁ・・・たまらない」

 女が叫び、男が唸る

                        了
  1. 2014/11/14(金) 07:07:54|
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春が来た 最終回

壇上でじっと見つめ合う、父と娘
その姿は、娘を持つ父親なら一度は経験している
穢れを知らない娘との、現実の父親との対面だ
此処に来て、新藤に動揺が走る
この愛娘の清純な感性を嘘で誤魔化せるものではない


(・・・この娘と私はそんな絆でつながっている)


たとえ、聴衆は誤魔化せたとしても・・・・父娘の縁が切れる!


(・・・この娘をそんな女性に、私が育ててきたのだ)




不思議だ、この性魔、怪物が娘の発した言葉で固まっている
そして・・・・・・・・

(・・・・ふぅ・・これまでだなぁ・・・・少なくとも、真実を話し謝罪すれば
 この娘との縁が残る可能性はある・・・・みんな、すまない、それしか・・ない)



新藤の周囲の空気が落ちついてくる


「・・・・すまなかった・・・・・私は」


会場にいる全ての者が、父娘の対話に耳を澄ます
誰もが、これまでの流れと新藤の雰囲気で、父が発する次の言葉が何であるか確信していた

新藤とは逆に、優子は何故か苛立ち、動揺している・・視界にはこの父娘しか映らない

(私は・・私は・・何て酷い事をしていたのか!
 あの仲の良い、幸せな父と娘の仲を裂く・・・私が見たあの美しい父娘の仲をこの私が・・)



優子の心の中に、これまでの自分ではない新しい自分が生まれた

(駄目、駄目よ・・本当のことを言っちゃ駄目・・・・お願い!お願いだから・・)


新藤は意を決している
話し始める瞬間、優子を振り返りじっと目を見つめた
そして・・・

「・・私は、自分の選挙のために、お母さんやお前たちを利用した
 相手候補の高遠さんが持っていない、夫婦や親子の幸せな家庭を見せつけようとした
 これは、卑劣な行為だ・・・・私は男らしく、高遠さんと同じ条件で戦うべきだった
 そんな行為の報いがきた・・・みんなを苦しめてご免よ・・・・・許してほしい」


静かだが、低い落ち着いた口調で話す言葉は聴衆の心に染みる


「いいかい?・・・よーく聞いてほしい
 神に誓って、私はお母さんを泣かすようなことはしていないし、これからもしない
 私には、お前たちの笑顔が命なんだ」


会場にいる新藤の支持者はもちろん、高遠候補の支持者からも感動の泣き声が漏れる
真実がどうであれ・・・全ての者はこれでいいと思った


壇上で優子が新藤に歩み寄り、手を差し延べる
二人は無言でしっかりと握手を繰り返した
 


拍手で沸き返る県民会館の前に、黒塗りの車が主人を迎えに来た

「幹事長・・・首尾は如何でした?」

「うん・・・上々だ!
 高遠優子君は俺が見込んだとおりの候補だった
 相手の新藤候補は・・・・・・いずれ、我々の強敵になるだろう
 ふん・・面白いじゃないか・・この国は、まだまだ切磋琢磨が必要だよ
 ・・・反対に、彼を俺の跡継ぎにしてもいいなぁ
 きっと、彼は、俺を超える・・・・それを、見てみたい」

「ほうぅ・・・それほどの人物ですか?」

「うん・・・・彼は全ての人を味方にできる不思議な魅力をもっている
 一つ間違えば大変危険な人物だがなぁ・・・・だが、今のような混乱した社会では
 そんな、強い神がかりなリーダーを国民は待ち望んでいる
 ・・・・・・・・ああ、そうだ・・・これは厳命だぞ
 今回、取得した彼に関する資料は写真、ビデオなど全て破棄しろ!いいな!
 それが・・・我が国のためになる・・・・・新藤君は生かすんだ!」

・・・・・・この男にも、真の春が少し見えて来た

               完
  1. 2014/11/13(木) 02:47:15|
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春が来た 第97回

会場入り口の扉付近に立つ妊婦にむかって新藤は叫ぶ


「無理をするな!瑞希君・・・お腹の子に、もしものことがあったら、ご主人にお詫びのしようがない!」

「いいえ、私が信頼している上司が悪人扱いされ、お腹の子の出生に疑惑をかけられているんです!黙ってはいられません
 間違いなく・・・このお腹の子は私と主人との大切な第2子、この子の名誉のためにも疑惑を晴らしておかなければ・・・母の、母の務めです」


気迫のこもった母親の叫び
この叫びを遮ることのできる者など、この会場に存在しない
真実はどうであれ、母なる女性が我が子の父を夫であると宣言したのだ


優子のシナリオは突然の登場者に狂い始める

(瑞希さん・・・あなたは間違っている
 新藤候補のしたことを許してはならないのです・・女性として、妻として絶対に!
 どうして?あなたは妻の義心、母の真心まで売ってしまうのですか!)



予想外の展開にも、自立した強い女性のプライドが優子を怯ませたりしない


「そうなんですか・・・新藤候補とは不貞はしていないと仰るのですね・・・」


優子の視線は瑞希のその後方・・・・涼しい眼をして立っている美樹に向けられている
身重の瑞希をこの場に連れ出せたのは・・・・美樹!美樹からの働きかけ?
そのように優子は直感した・・・・・・


(少しずつ見えてくる・・・私の目の前に立っている男が、情を通じた女たちの女人柵で守られている
 ・・・・・許せぬ!この男・・・・財力と権力で女を操る!!)



「新藤候補・・・助かりましたね
 あなたがお答えになる前に、瑞希さんが否定された
 瑞希さん・・・早く病院に戻られて、養生してください
 あなたの将来にとって、本当に大切な・・大事な赤ちゃん・・・・そうでしょう!
 でも、女性として一番大切なものを失くさないように・・・お願いしますね」


瑞希が美樹に支えられ会場を去っていく
優子は青年が持ち込んだ、写真や記録ビデオを見ている
しかし、この場ではその内容を明かすことは、さすがにできない・・・・


お腹がでているとはいえ、瑞希の一段と艶を増した肢体からは周囲にえも知れぬ色香が漂う

(瑞希・・・ああ、瑞希・・よく言った・・・これで私は勝てる!)


残るは・・・・沖田と遼子のこと


「新藤候補!・・・・あなたは卑怯な人です
 自分の口からは何も言っていない・・・そんな男なのですか?
 もう一つのことは、あなたのご家族にもわかるようにお話し下さいませんか
 改めて、お聞きします
 あなたは知事になるために、、愛人の女性を部下を結婚させようとしたのですか」



新藤の愛娘が顔をあげる
目には涙が光っていた


「お父さん!・・私の好きなお父さん!お願い、お母さんに本当のことを話して!」


(えっ!なに・・・・お嬢さん・・・私は、私は・この人の心をこんなに苦しめていた・・ああぁぁ)


 この愛娘は清純で穢れを知らない・・・・優子の言葉に娘の感性が共鳴しているのだ
 新藤の娘の心からの叫びに、優子の目も涙で曇った
  1. 2014/11/13(木) 02:46:05|
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春が来た 第96回

高遠優子候補が語り続ける
それはまさに、聴衆を前にして清楚で誠実な美人キャスターの真骨頂を発揮した瞬間だ


「昨夜、ひとりの若者が情報を持ち込んできました・・・許せぬと」


会場は水を打ったように静まりかえり、優子の次の言葉を待つ


「その若者も、決してまともな生き方はしていません
 しかしそれは、恵まれない家庭環境で育ち、生きるためにヤクザな世界へ入り込んだもの
 その彼が、あなたは偽善を装い自分の家族までも騙し、悪魔の所業を重ねていると」


「ふううう・・・・・・」


新藤の額に汗が滲む



「あなたは、部下であった秘書の人妻女性を妊娠させたのですか?
 あなたは、愛人であった女性を忠実な部下に引き合わせ、結婚させようとしたのですか?
 そんなあなたが、知事になってどのように県民の真の幸せを実現するのですか?
 どうなんですか・・・・新藤候補」



新藤の愛する家族の目の前で、優子は心を鬼にしてこの男の仮面を剥ごうとしていた


「私は、私は・・・・そんなこと・・」


「していないと言うのですか!・・・新藤候補
 彼には師匠と呼んでいた親代わりの老人がいました
 社会からはみでた人生を、肩を寄せ合って生きてきた二人
 筋違いとは言え、敵討ちだと言っていましたよ・・・新藤候補」



会場に沈黙が流れる
新藤の妻は優子を睨みつけ、今にも泣き出しそうな娘をこの場から引き揚げさせようとした


「お父さん・・・・・そうなの?本当にそんなことを?」

愛娘の一途な視線が新藤の胸を突き刺す



「お父さん!お父さん!否定しないの?」

「あなた!娘のために何か言ってあげて・・・ねぇ」



会場の空気はより重く淀む
新藤は意を決するように閉じていた目を、妻と愛娘に向ける


「すまない・・・・私は職場でのことを家庭では話したくなかった
 公務とはいえ、人の心を傷つけてもしなければならない事もある
 私は、過酷な任務を部下に課し、酷い目にあっているその部下を救うことができなかった」



その時、会場の入り口の扉が開く


「いいえ!助け出してくださいました・・・・
 この激戦の選挙戦終盤で不利な立場になるにもかかわらず、暴力に屈せず・・あなたは!
 私は、そんな・・・あなたを信じてずっと待っていました」


会場にいる全ての者の耳に、女性の透き通った声が届く
  1. 2014/11/13(木) 02:44:54|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第95回

投票日を明日に控え
県民会館の大ホールは新藤・高遠両陣営の支持者で満席だ
まるで合衆国大統領選挙の演説会場の雰囲気そのものだ・・・・・

そして・・討論が開始された
日常生活に身近な子どもの安全、地域防犯やゴミ処理などの県民生活から小学・中学の教育問題、地域コミュニティの活性化、地域経済対策などあらゆる分野で双方の主張がぶつかり合う
弁舌は互角だが、流れは行政実務に長けた新藤候補が少しずつ高遠候補を引き離していく形勢だ


「私は長年培ってきた行政経験を活かし、県民ひとり一人の幸せを願い・・・
 全力で困難な事業に取り組んでいくことをお誓い申しあげる・・・」

理路整然と語り掛ける、バリトンの男声は聴衆を魅了し県民に勇気と希望を与える
それは静かにヒタヒタと心を侵略する・・・まるで槍衾・・・林の如くだ
対抗馬の高遠候補の政策の考え方の甘さを叩くのではなく
言ってみれば・・・逆にフォローして経験の差を浮き彫りにし
新藤の実務経験の深さを聴衆に印象付ける
新藤は父親が娘に話しかけるように・・・・・・・優子の政策をも飲み込んでいく

一方の高遠候補は、女子アナ特有の流暢な話し口調の中に
若さと情熱・・・・そして、未成熟ではあるが完成されていない人間がもつ可能性を強く訴えていく
しかし、実務経験の差は如何ともしがたく、高遠候補にしては日頃の切れが見られない

話題が漸く、候補者の家族や趣味へと移った


「皆さんにご紹介します・・・・・これまで、私の影、日向になって支えてくれた
 私の妻です・・・その隣にいるのが長女と次女・・・この家族が私の宝です」



この時、新藤が初めて高遠候補を見下した視線を送った

『あなたには、このような家族はいないだろう・・・この世で幸せを共に求め合う、愛するパートナー・・・・・どうだ、参ったか』



「羨ましい・・・素晴らしい、ご家族ですね・・・・これまで、なんの苦労もなくすくすくと・・・・本当に良いご家族」


高遠優子が、大きく息を吸った


「私、選挙前に新藤候補が下の娘さんと腕を組んで歩いているところをお見かけしました
 なんて、仲が良くて楽しそうな父と娘さん・・・・道を渡ろうとしている目の不自由な人をごく自然に当たり前のように、手助けされた素敵なお父さん・・・・でした」



「そ、そうなんだ・・・高遠さん・・・見てたんだ、あの時の様子を」

高遠陣営の支持者達は天を仰ぐ
これは駄目だ!決戦の場で言うことではない・・・我々の大将はやはり女だったと



「そんな素敵な夫であり、父親である新藤候補・・そのあなたが県民の幸せを求めて知事を目指す・・・・
 私にはわからない、どうしてそんなあなたが・・・わからない」


「わからない?・・・何がですか、高遠さん」


「どうして?どうして!
 人妻である部下を身篭らせ、腹心の部下のフィアンセを愛人としたのか
 人の為せる所業ではない酷い事をなぜしたのか」


「な・・・なんと、今・・・・・高遠さん」


新藤の表情は強張り、口が震える
会場内は騒然となり、前列に構えていた報道陣のフラッシュとシャッター音が雷光した
  1. 2014/11/13(木) 02:43:48|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第94回

翌朝『ヤクザ男、知事候補への恐喝及び監禁などの容疑で逮捕』の報道が流れる
詳しい内容は報道されない、警察もまだ事情聴収の最中なのだ
瑞希と沖田は救出され、昨夜の内に病院へ移されたとの情報を
新藤は今朝、聞かされていた
逮捕者は老人だけで他の仲間は姿が見えなかったという・・

報道関係者が新藤を取り囲んでいる


「新藤さん・・・投票を明後日に控えたこの時期です、是非とも有
権者が正しい審判が下せるよう、事実を伝える責務があなたにあると思います・・・どうかお話しを」

「私もそのつもりでおりました・・・すべてお話ししましょう
 ・・・実は、私がまだ副知事になる前の頃ですが・・」


「新藤候補!・・・政権党のあの幹、幹事長から急ぎのお電話です!」



突然、新藤の選挙スタッフがワイヤレスの受話器を持って駆け込んでくる
報道陣は何事かと騒然となる


「あの!?・・・幹事長から私に電話!?
 もしもし、新藤ですが・・・はい、ええ・・・えっ!それは・・少し考えさせてください・・はい、はい
 ・うーん・・・みなさん、申し訳ない・・・暫くお待ちを願います」



30分後、新藤が会見場に現れた


「みなさん、申し訳ない・・・私的な事情は別の機会にお話しすることにしました」

「逃げるんですか!・その私的な事情が有権者の投票行為の判断に必要なんですよ」


「それは分かっています・・・しかし、それより今の電話なんですが
 相手候補が公開での討論会を申し込んできました
 政策全般から私的なところまで含めて、対面形式でのね・・・
 私はこの申し出を受けねばなりません・・・私は逃げるような卑怯な男じゃない
 みなさんの知りたいことも、相手候補が間違いなく聞いてくるはず
 ・・・それで十分でしょう」



報道陣はビッグニュースとばかりに、引き揚げていく
その後姿を見送る新藤


「さぁ・・美樹!駅前に行くぞ・・・最後のお願いをするんだ」

「先ほどの電話は?」


「ああ・・・あの大幹事長が私に華やかな死に場所と機会を設けてくれた?
 違うよなぁ・・・これは起死回生のチャンスだよ
 昨夜、君が捧げてくれた聖水で我は蘇り・・だ・・・・・ははははは
 帰って来たら、昨日の続きだ・・・・・もっと、生気を頂くよ」


新藤がポンと美樹の尻をたたき
ついて来いとばかりに軽快に選挙カーに乗り込んでいく
何度も絶頂を極めさせられ、この男の精を注がれた女の腰がプリプリと左右に振れる


美樹もまた、一夜の肉交で・・・・この男の虜になっていた
  1. 2014/11/13(木) 02:42:45|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第93回

老人が駆けつけた警官に手錠を嵌められる
この男も一端のヤクザ、肝が据わっている・・・もうジタバタしない
連行される途中で、新藤の方に視線を向けた


(見抜けなかった・・・女好きのぼんぼん助平親父と思っていたが、是非もない
 女がこの男の魅力に引き寄せられ、姦られる・・性獣のような精力的な強靭な体躯
 ところが・・・・頭は仏?いや聖か?
 無欲?そんな人間などいるはずがない・・この状況では自己保身に走るのが常
 なのにこの男ときたら・・・
 この歳になって、最後にとんでもない化け物に出くわしたものだ)



「新藤さん・・・私はもう歳だ、二度とお会いすることは無いだろう
 しかし残念だ・・・・あんたの行く末をこの目で見てみたかったよ
 ふん、ふふふふ・・・まあ、人生ってこんなもんだ・・・祈ってるよ、当選を・・
 あんた、獣のようだが純な人、人のようだが魔物!・・ひょっとすると・・わははははは」



パトカーのサイレンとともに老人の笑い声が遠ざかっていく
気が動転しているスタッフを引き揚げさせ、美樹は新藤の側にいる


もはや、どう足掻いてもこの選挙の勝敗は決している・・・・・・
己の撒いた種とは言え、最期は潔い態度だった
この男を叱咤激励し、肢体を触らせ唇までは許しはしたが・・美樹の夢も、もうこれまで


「私、そろそろ・・・」



帰り支度を始めた美樹の後姿を見つめている新藤の鼓動が高まる
新藤の視線が、女の肉付きの良い臀部からスラリと下る引き締まった太腿のラインへ注がれる


「美樹・・・お願いだから、今夜は側にいてくれ!」



美樹もこの男の本質をまだ理解できていない
この男の並外れた魔力的な怒張に貫かれた女・・遼子と瑞希がこの男に決して逆らえぬ女になっている理由を


「もう終わりにしましょう・・・あの女が知事になるのは癪にさわるけれど
 あなたも良くやったわ・・・劣勢を跳ね返し、ここまで追い詰めたんだもの
 でも・・・・・・・・・これまで」


美樹は新藤の方を見ることなく呟いた



「わかったよ、美樹・・・・・冷たい女だ、君は
 じゃ・・・お別れに最後のキスをしてくれないか・・・頼むよ」


「ええ・・・・いいわよ・・・楽しい夢を見させてもらったわ」



美樹が新藤に優しく抱かれ、甘く舌を吸われる
静かに、別れの儀式が始った


いつものように、美樹を抱く新藤の手が美樹の引き締まった尻肉を撫でている
美樹は目を瞑り、吸われるままに舌を新藤に預けている


(ほんとうに、この人・・・キスが上手・・・蕩けそう・・・
 夢は砕けて、夢と知りか・・・・・・・でも、今夜でお別れね
 ・・・・・・・・・なに?興奮して・・・堅いものを圧し付けちゃって!)
  1. 2014/11/13(木) 02:41:44|
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春が来た 第92回

つい先ほどまでの活気に満ちていた空気が凍っている
美樹は老人を睨みつけ、新藤は沈黙を続けた・・・そして
ようやく呟くように口を開く



「瑞希は出産を望んでいるのですね?」

「ほう・・・否定なされないので」


「瑞希は、瑞希は元気なのでしょうね?」

「ええ・・・母子とも健やかに
 ただ、あなたの元部下の沖田さんが瑞希さんにご執心で、纏わりついて困っております」


「居所がわからなくなっていた沖田君も一緒にいるのですか・・・
 それは、よかった」

「よかった?」


「彼は私の右腕として働いてくれた男、何も県庁を去る必要などなかった
 全ては、私の不徳からの成り行き
 その彼が、あれほど嫌っていた瑞希に執心とは
 彼もまたすべての事実を認識したということ・・・・さぞや、二人とも私を恨んで」



老人がしたり顔で笑みを浮かべる


「さすがに、全てを見通していらっしゃる
 お困りなら、二人とも、いや三人とも闇の中に閉じ込めることも出来るのですが・・」

「いや、それはできぬ、しては成らない・・・・私が人でなくなる」


(なんと!この男・・・・・誘いに乗らない?!)
 

「では・・・こちらは銭次第であなたのどのようなご希望にもお応えできますが・・」

「銭?・・そのようなもので、私の誠意は二人には伝わらない
 ただ、ひたすらに謝罪するのみだ・・・・・・・そうだったよな?美樹君」



以前、美樹が新藤に言ったことだが、突然にふられた美樹は返事のしようがない


「新藤さん!あなたが二人に謝罪するのは自由だが、私を無視されたら困りますね
 投票日まであと僅かなこの時期に、私があなたの陣中見舞いに来たことの意味を判ってもらいたいですね
 こんなことが相手陣営に知られたら、どうなるんでしょうね
 あなたが目指す知事の椅子どころか・・・あなたの家庭も人生も崩壊ですぞ」



美樹は最早、口止めしか手がないと新藤の顔を見つめた
しばし、沈黙が流れた



「知事の椅子?・・・それは私が望んでいるものじゃない
 この激動の時代に私を知事につかせたいのは、私の支持者や県民自身だ
 それに、なに・・私の人生?・私の家庭?・・・が崩壊だって?そんなことより
 今の私の一番の願いは、瑞希が戻り、沖田君が真っ当に生きていけるようにしたいんだ」

「なんだって!?」

「美樹君、110番通報だ・・・この老人を逃がすな!
 捕まえれば行方不明の瑞希の居場所が判る
 それに、沖田君もだ」

「いいんですか?・・・本当にそれで」

「いいんだ・・・これで、やっと瑞希が戻ってくる・・・美樹!!早く」


美樹が事務所にいるスタッフを大声で呼び込む


「止めろ!!そんな事したら・・・お前は破滅だぞ」
  1. 2014/11/13(木) 02:40:45|
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春が来た 第91回

ベッドの軋む音が聞こえる
臨月が近い妖艶な妊婦を四つん這いして、バックから犯すように怒張を突きたてる


「よくも、飽きなぇーで姦るもんだ・・・沖田の旦那は・・・ねぇ、師匠」

「これだから、素人の旦那は頼りにならない・・セックス病に侵されちまって
 放っておけ・・・・もう、止らない」

老人は、食い入るように週刊誌を読んでいる
H県知事選に続々と政権党の人気代議士が応援に駆けつけている
華やかな初当選の女性代議士の写真と候補者である人気女性キャスターが並んでいる
派手さ、華やかさとは裏腹に・・・・情勢は終盤にさしかかり、新藤が猛追している
新聞も、雑誌も・・新藤陣営の健闘に舌を巻いている
『新藤候補の行く所に美人秘書の奮闘』などと、裏ネタを暴露する記事もでた


「おい、若造・・・これは、お宝の値打ちが上がって来たぞ」

「師匠、よかったですねぇ・・・・で、いよいよ動きますかい?」

「そうだなぁ・・・・・・潮時のようだ」

「師匠・・・いくらぐらい吹っかけるんです
新藤ってやつ、セックス漬けになった、あんな女に銭を出しますかねぇ」

「相変わらず、お前は阿呆よのう・・女に銭を出すんじゃない!情報を買い取るんだよ」

「へいへい・・・・で、あの二人はどうします?」

「そうだなぁ・・・・・新藤さんの返事次第だ」



今夜も、新藤の選挙事務所は活気に包まれている
徐々に劣勢を挽回し、今や胸一つ先に出たとの情勢分析データが届いた
中央からの支援を頼らず、県会議員など地方議員の応援と自ら培ってきた縁故で戦ってきた
選挙スタッフは、闘気に包まれていた・・・あと、もう一分張りだと


「新藤候補に助けて頂いたといわれる方が、陣中見舞いにお越しですが・・」

「お名前は何とおっしゃるの?候補は大変お疲れですから・・・」

美樹が新藤にお茶を差し出しながら尋ね返す


「何でも、路上で倒れているところを助けていただいたと言われてまして、ご老人です」

「お通しして・・・会おう・・・私を支援してくれる人に会わないわけにはいかない」


鋭い眼光の老人が、杖をついて案内されてくる
美樹はその老人が発する気配に尋常でないものを感じ取って身構えている
バドミントンの試合でサーブを打つ瞬間のような緊張感が漂う

「私が新藤です・・・申し訳ないのですが、お会いしたことを忘れておりまして・・」

「そうですか・・一度、県庁舎の前で・・・そこの秘書の方もおられましたよ」

「県庁舎の前ですか・・・」

「ただ、その時、身なりはボロを纏っていましたので・・・・・
 それよりも、お手紙は副知事であられた時に、再三お送りしましたが、返事はいただいておりません」

「手紙?!」

「はい・・・あなたの当選を祈り、あなたの大切な母子をお世話している者です」

流石に、この一言で新藤の顔色が消えた
  1. 2014/11/13(木) 02:39:41|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第90回

優子の選挙事務所に政権党幹事長が訪れている

「高遠さん・・初めての選挙にしては、よく頑張っているね
 事務所内の雰囲気も良いし、有権者の反応もまずまずだ・・この調子だよ
 選挙戦の中盤は、働く女性にポイントを絞っていこう
 それにしても、相手もやるなぁ・・・・イケメンを集めて女性票を狙うとは」

「そうですねぇ・・・・おそらく、付っきりの若い女性秘書の方の発案でしょうが・・
 イケメン『風』部隊と呼んでいるようです」

「はっはは・・・そうですか
 面白い、地方選挙でこんな戦いがみられるとはほんとに面白い
 しかし、こんなにも逆風があるというのに、敵さんなかなか善戦だなぁ」


優子は俯き加減に視線を落とす
あの新藤が熱っぽく有権者に語りかける・・透き通った甘く、低い声色
まさに、強敵だ


「心配しなくていいよ、優子ちゃん・・・・私が着いている
 続々と我が党の人気のある女性代議士を応援に送り込んでやる
 はっはは・・・・私には、この前の選挙で当選した新進気鋭のガールズもいる
 男性票は労組の組織票も含めていただきだよ」

「宜しく、お願いいたします」

優子は深々と大幹事長に頭を下げた



一方、新藤の事務所では美樹が次の一手を進言していた

「滑り出しは上々ですね・・・お歳の割には精力的で・・・ふふふ」

「こら、美樹ちゃん・・・・・大人をからかうもんじゃない」

「さて、相手方は続々と代議士を応援に送り込んできそうですが
 こちらには、お願いできそうな元気な代議士が見当たりません
 そこでですが・・・・・・奥さんと娘さんたちにご登場願おうかと」

「なに、私の家族を引っぱり出すのか?」

「はい、相手は独身・・・こちらは家庭持ち・・・・家庭環境はこちらが数段優っています
 良好な夫婦親子関係を有権者に見ていただき、信頼と安心感を与えていきたいと」

「ほうう・・・・それも、美樹ちゃんの発想かい」

「はい、いくら中央から応援者がきたとしても・・・・県政を与かり実行するのは
 候補者のどちらかなんです・・・・あなたか?それともあの女」

「あの女?・・・厳しいなぁ、美樹ちゃん、その言い方」

「いいんですよ、この呼び方で・・・・いずれ、姦っちゃうんでしょ?
 あなたの自慢のコレで・・・・ふふふ・・・だから、いいんですよ」


今夜も新藤陣営のスタッフはもう引き揚げている
美樹は冷蔵庫から冷えた缶ビールを取り出し、飲みはじめる
ポニーテールに纏めていたバンドを解くと、髪を気持ち良さそうに左右に振る
新藤は背後から美樹を抱きしめると、白い項に唇を這わす


「美樹がこんな女だったとは・・・・」

「私にも意地と野心はあるは・・・・絶対に負けられないあの女には」


互いの舌を貪るように、激しいキスが始った・・・・・
  1. 2014/11/13(木) 02:38:43|
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春が来た 第89回

「ふぅぅ・・・・予想以上じゃないか、美樹ちゃん・・・あれで35歳か?」

新藤と美樹は新藤陣営の選挙事務所に戻っている
すでに時刻は午前0時をまわり、つい先ほどスタッフは全員引き上げ二人きりだ


「はい・・・・・実年齢は間違いなく・・・」

「あの手に触れられた有権者は、イチコロだろうなぁ
 手の感触がぷりぷりとして・・・・・おまけに清楚な色香が漂っていて」


美樹は苛ついて来た・・・この感情はなんだ
新藤の関心が優子に没頭している・・・対抗の候補者としてではなく、女性として・・
勝気な美樹は、秘書である自分を子馬鹿にされたようで腹立たしい
優子のとったあの振舞は、明らかに新藤の秘書であるの自分への当て付けと受け取っていた


(私としたことが、何故!気付かなかったのか・・・あんな大切な場面で・・・完全に1セット取られたわ・・・・・えー・・なに!?)

美樹が我に返ると、新藤が美樹の手を取り肌の感触を確めている


「止めてください・・・あなた、私と彼女を比べているのね!!
 止めてったら・・・・もう」

「美樹ちゃん、確か、君・・・25歳だったよなぁ」

「もう・・・・・・」


美樹は新藤の手を振り払い、背を向けて立ち上がった
美樹も自分の美貌には自信がある・・・・私があの人に負けてるもんですか
美樹の中に優子への対抗心がメラメラと沸き起こってくる

「ふふふふ・・・それじゃ、十歳も離れた女の肌の違いをお見せしましょうか・・あなたに」

「・・・・美樹ちゃん、本気かい?何時ぞやの、途中でのビンタはご免だよ」


美樹が新藤に背を向けたまま、タイトスカートを足元にすとんと落とす
バドミントンで鍛えられたストレートな美脚とその先に続く程よい肉付きの臀部
その美肉が黒のパンティストッキングにつつまれ、白いパンティが浮かびあがる



H県知事選挙が告示され、激しい選挙戦が火ぶたを切る

関係支援団体への挨拶を既に済ましている新藤
県庁所在地のJR駅前で連日、通勤の会社員に政策を訴える
その足で商店街を練り歩く・・・・いわゆる桃太郎だ
買い物中の主婦に声をかけ、両手で相手の手に合わせる
新藤の機動部隊はイケメン揃いの男性“風”部隊だ
東の政令都市から西の中核都市へ
北の漁村から中部の観光都市へとまさに風の速さで移動する
新藤は訴える
「未曾有の激動の時代に、県政を素人なんかに任せられない」
「奥さん、私は頼りになる男です」と

一方の高遠候補は、若い独身女性で構成する“姫”部隊
中心部を自転車で移動し、辻演説を小まめに繰り返す
道行く通勤男性は必ずと言っていいほど、足を止める
その男性会社員たちに優子も政策を訴える
「素人だからこそできる、大胆な県政改革」
そして、「今日も一日頑張って、行ってらっしゃい」と締めくくる


選挙戦序盤の情勢は、高遠候補が一歩リードの展開である
しかし、知名度と刷新を求める風の向きを考えれば、新藤は善戦していたのである
  1. 2014/11/13(木) 02:37:30|
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春が来た 第88回

政権党大物代議士の秘書が選挙参謀として高遠優子の事務所にやってきた

「高遠さん、うちの先生はあなたにぞっこんですよ
 これからは、地方の時代であり政権が変わったことで、積極的に男女共同参画社会を推し進める好機の到来です
 あなたには、我が党の地方の顔、そして働く女性のリーダーになってもらうと」

「はい、全力で頑張りたいと思っています、宜しくご指導下さい」

「えぇえぇ、もちろんですとも・・
 しかし、美しい方とは聞いていましたが、実際にお会いしてみてなるほどと・・
 いや、これは・・失礼、でも本当にお美しい・・絶対に勝てますよ
 さて、対抗の相手候補なんですが・・・まず、これを見てください」


差し出された資料には、新藤進の経歴、家族構成、親族関係、支援する団体、そして趣味までが細かく調べられていた
優子の目が大写しにされたスナップ写真に向く・・・・自然と表情がこわばる

(この人!・・・あの時の・・あの優しいお父さんだわ)



「この人と!?・・・・私が戦う・・・・」

「えっ、ご存知なのですか?」

「いえ、面識はございませんが・・・・」

「うーん・・驚いてらっしゃる?
 無理もない、確かに強敵です
 行政手腕は一流だし、働き盛りの男性・・・弁も達者で頭もいい、それにこの容姿
 前の政権党が巻き返しをこの人に賭けてくるのも分かるというもの
 それで、我が党もあなたに出馬をお願いして、相手の息の根を断つよう指示がでたのです
 まあ、心配なさらずに・・・・あなたには時が味方している、いざとなれば党首クラスの代議士を続々と応援させます
 まさに、天下分け目の戦いの前哨戦・・・・負けられません」

「ええ・・・・・・」


その後も、選挙参謀の選挙戦の取り組みへの説明が続いた
しかし、その説明している言葉が優子には届いていない
心の中はなぜか『動揺』が駆け巡っている


その時、選挙スタッフが走り込んでくる

「今、相手候補がご挨拶にと・・・・訪ねて来ました」

「なに!?・・・新藤候補がか!!・・・ありえない」


「いえ、間違いなく、候補者ご本人と秘書の女性のお二人です
 それに・・・新聞記者の者が一緒に」

「ほぅぅぅ・・・・・敵も、然る者とはこういうことだなぁ
 高遠さん、心配ご無用です・・・私が対応します・・・あなたは、相手を観察していてください」



ドアが開き新藤と美樹、そして新聞記者が入ってくる
真っ白なワイシャツに縞のネクタイ、そして紺のスーツ
とても五十歳代とは見えない・・・日焼けした精悍なマスクにスポーツで鍛えられた身体

(やはり・・・・あの時のお父さん・・・)


「初めまして、私が新藤です・・・突然押しかけたにも関わらずお会いして下さって有難うございます
 長居は致しません・・正々堂々の戦いを致したいとの気持ちをお伝えたいと思いまして」

「でもねぇ、新藤さん・・・突然でおまけに新聞記者が同伴とは、あまりにも」


「待って!・・・良くお越しになられました新藤候補・・・私が高遠です」


優子は選挙参謀の言葉を制し、真っ直ぐに新藤を見つめて挨拶をした


「行政のプロに挑戦する素人の女です・・・・どうか、お手柔らかにお願いします」



すると、優子が新藤に真っ直ぐに歩み寄る
そして、新藤の肩に手を伸ばし、肩先についていた糸くずを摘むと記者たちのフラッシュ音が響き渡る
二人は息がかかるほどの近くで顔を見つめ合っている


「有難う、高遠さん・・・・私には無い・・女性らしい、素晴らしい心配りだ
 握手させてください、よろしいかな?」

「ええ・・・共に正々堂々の戦いを」


二人がしっかりと握手をすると再びフラッシュ音が鳴る
優子の選挙参謀は口は開いたまま立ち竦み
美樹の鋭い視線が優子を貫いていた
  1. 2014/11/13(木) 02:36:25|
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春が着た 第87回

望んで立候補したわけではない女がいる

高遠優子は仕事を終え、久しぶりに弟と外食を楽しんでいた
女の身でありながら一家の大黒柱として、弟と病弱な母を養い漸く安定した家庭を築き上げた
幼い頃からのその苦労は、今振り返っても辛く苦しいものであった
父が生存していてくれたなら、どれ程人生が変わっていただろう
この女は35歳になっても、幼くして亡くした父の温かさ、力強さに憧れていた


「姉さん、いよいよだね・・・・選挙、大丈夫かい?」

「心配しないで・・・負けたりはしないわ、風は明らかに私に吹いてくるはずよ
 私はね、恵まれない環境にある子ども達やお年寄りへの支援に全力を尽くすわ」


「へぇ・・もう当選した後のことに気がいってるみたいだけど、相手候補・・
 そう、新藤っていう副知事の人、うちの会社ではかなり評判がいいんだよ
 関西ではピカイチの行政マンだって・・・・・油断するなよ、姉さん」

「そうなんだ・・・私、まだ、どんな人かあまり知らないけれど
 でも、悪い巡りあわせよね・・県職の生え抜きで前知事に見出された逸材なんでしょ」


「ああ、そうらしい・・・・それに、我が家と違って資産家のぼんぼんで苦労知らず
 副知事になる前は、県職員の怠け者退治に奮闘したらしい」

「ふーん・・・・・私が知る公務員イメージからすれば少し異色の人のようね
 でも姉さんは絶対に負けないからね・・・これでも、子どもの頃から男の子をギャフンと言わせて来たんだから・・・・ふふふふ」


「そんなこと言ってないで、早くいい男を見つけなよ・・・結婚できなくなっちまうぞ」

「はいはい・・・仰せのとおりにいたします・・・・ふふふふ」



食事を終えた姉弟は、気持ちよい弥生の夜風を肌に感じながら街路樹の歩道を歩いて行く
その先の横断歩道で信号待ちをしている杖を持ったお年寄りと、腕を組んだ父娘の姿が目に映る

(まあ、仲のよろしいことで・・・五十歳代のお父さんと二十歳代の娘さんか)



信号が青に変わる
すると、父親らしい男性がお年寄りに声をかけた

「道路を渡られるんですね・・・ご案内しましょう・・さぁ、私の肩に手を置いて」

(えっ・・・)


「目が不自由なんでしょう?遠慮はいりません・・・・どうぞ、どうぞ」

(目が見えない!?・・・・あっ、白い杖・・・これは、視覚障害者の人が持つ・・)


「有難うございます・・・それじゃ、お願いします」


道路を渡り終えると、挨拶を交わしてお年寄りと父娘が別れていく
別れ際に見せた男の笑顔に甘える幸せそうな娘の表情・・・素敵なお父さんだわ
再び娘が優しい父と腕を組み、歩いていく・・・・何と微笑ましい姿

父との触れあいの経験のない優子の脳裏に、その男のすがすがしい行為と笑顔が焼きつく

(今の日本社会にもこんなところがあるなんて・・なんと・・・素敵な、お父さん)


高遠優子の心に、弥生の風が心地よく吹き抜ける
  1. 2014/11/13(木) 02:35:10|
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春が来た 第86回

新藤が知事選出馬のため、副知事を辞職し県庁を去る時が来た


H県の知事選は、衆議院選挙での保守惨敗後、初の大型地方選挙である
夏の参議院通常選挙の前哨戦として、その情勢が全国の注目を浴びている
旧政権党の推す「前副知事」と勢いに乗る新政権党の「女性ニュースキャスター」
この構図は、先の衆議院選での大物保守候補に対する新政権党の若手ガールズの挑戦そのものである
しかし、この選挙には先の選挙とは基本的な相違がある
知事選は議会を形成する複数の議員を選ぶのではなく、一人の首長を選ぶのである
当然ながら、トップとなる人の資質・・・
中でも、昨今では特にリーダーシップと品格が最重要視されるのだ


「副知事・・・この執務室では暫くのお別れですね」

「世話になったね・・美樹君、ありがとう・・・君からは若いエネルギーを頂いたよ」

「副知事!・・・戻るんですよ、必ずこの県庁に
 あなたの行政手腕は県民の宝、本県にとってはかけがいのない人
 他人の哀しみを感じることのできる人、他人と喜びを共にできる人
 それが、あなたなのです
 必ず良い県政を実行できる人と、私は信じています
 少し、倫理観が世間の人より甘いのが玉に傷のようですが・・・・・」

「倫理観?・・・・・・君もそのように思っているんだね」

「・・・・・・・」

「私は自分の気持ちに正直なだけだよ
 それを世間がどんなに罵ろうとも、それが私の生き方なんだから・・・・・
 私は心底、遼子や瑞希君を幸せにしたいと思っているし、妻も娘たちも愛してる・・・・・
 心の中で思うだけで行動を起こさず、世間を気にして紳士を装う
 そんな眺めているだけのつまらない男なんて・・今の私にはなれない
 複数の女性を愛することが批判される社会なんて“くそ食らえだ”」


(だめだわ・・危ない・・まるで思春期の青年で分別のある大人の考えではない
 真面目な人が女に溺れて、許されない倫理観を正当化しようとして暴走している
 でも、今は闘争心、野心が必要なとき・・・・この人にはやはり女・・・・)


「副知事・・・・今は、人生をどう生きていこうかと悩んでいる時ではありません
 目前の選挙で勝ち抜くことが使命・・・あなたを担いでいる人たちのため
 あなたは、自分を捨てて戦わなければならないのですよ」

「負けを覚悟で、みんなのために戦うのか?お姫様といわれている女性を相手に・・・」

「お姫様?!・・・そうでした、ご存知ですよね、相手候補のお顔?」

「顔?・・・いや、知らない・・・私はニュース番組など見る気がしないから」



美樹の目が『シメタ』と輝く、新藤を動かすエネルギーが見つかった

「美人ですよ・・・この人に握手をされたら、必ず投票するでしょうね・・・男性なら」

「そんなに美人?・・・でも、顔やスタイルがいいだけの女性ならいくらでも」

「違いますよ・・・・・女の私ですら、惹かれますから・・そう、まさに歌劇団の男役」

「へぇー・・・そんな女性?!」



美樹が相手候補の写真を新藤に見せる

先ほどまで、悩み、迷い、無気力で死んだような目の色
その男に息が吹き返る・・・・・・・

(美人だ・・・本当に美人だ・・・私がこの女と戦う?)


「この女性は知事になる人ではなく・・・
 強くて優しい男に囲われ、愛され、援助されて幸せを掴む人
 強い男に助けを請う姿を見てみたいと思いませんか・・・
 あなたの力で、この人に女性であることの幸せを教えてあげ て・・・ねぇ、新藤知事」

「面白い・・・面白いじゃないか、美樹君」
  1. 2014/11/13(木) 02:34:19|
  2. 春が来た・道明
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春が着た 第85回

瑞希の下腹が少し膨らみを示し、妊娠は安定期に入っている
沖田が少し黒味を帯びだした乳首を弄んでいる


「なぁ・・瑞希、もう何度もやったんだ、そんなに嫌がることはないだろう?」

「嫌なのよ、あなたが!」

「ちっ・・・なんて言い草だ、俺たちはともに新藤さんに利用され、コケにされた者同士じゃないか、仲良くしようぜ」

「もう、なにを言ってるの・・・そのことが私を抱く理由にはならない
 女の気持ちも考えないで、自分の性欲を満たそうとする男なんて最低よ
 だから・・・・ああん、やめて」


沖田が瑞希の乳首に吸い付き、指で陰核を捏ね繰り回す
新藤が遼子と知り合った頃と同じように、瑞希は沖田の格好のダッチワイフになっていた
違うところは、新藤には相手に対する思いやりがあり沖田にはそれがまだない


「ふん・・・嫌だ、嫌だと言っておきながら
 そのうちにしがみついてくるんだ・・・いやらしんだよ、君のからだ
 職場でもそうだった・・・男から見れば、誘っているように思えるがなぁ」

「それは・・・女なら誰だってそうなるのよ、あなたが好きなわけじゃない
 イヤーン、やめて」

「黙れ・・・・さあ、入れるぞ
 父違いだが、赤ちゃんに朝の挨拶だ
 たっぷりとミルクを飲ませてやるんだ、感謝しろよ」

「もう・・・嫌」



隣の部屋からは、淫靡な肉摺れの音が微かに聞こえてくる
老人は立ち上がり、チンピラを引きつれ館を後にした



その頃、新藤は自らの陣営のスタッフと詳細な戦術チェックを行っていた
昔流の地盤、看板、鞄の基盤比較だけではなく、人柄、家族構成なども検討していく


「相手候補の特徴は、何と言っても抜群の知名度と若さ、そして女性であること
 そして、政治の素人・・・・清純さを売りにして、労組を主体とした組織票に浮動票の若者票、男性票、そして女性票まで全方位で攻めて来るでしょう
 それに、党本部の重鎮の秘書がバックアップに張り付くとの情報もあります」


スタッフ幹部が問いかける

「相手の弱みはないのか?・・・テレビの女性キャスターで美人なんだ
 スキャンダルの一つや二つはきっとある」

「それが・・・・男性に対して潔癖な性格らしく、今のところ何もでてきません
 家庭環境はご母親と弟の3人家族で、父親を早く亡くし、苦学して大学を卒業
 弟の世話をしながら・・・・家の近所でもそれは評判のいい」

「もういい・・・しかし、何かあるだろう・・・弱みがある筈だ、探せ」


新藤が口を挟む

「スタッフの皆さんには、大変お世話になります
 相手候補の弱点などを叩くのは、止めておきましょう
・・・この前の総選挙で有権者がどう判断したか、それが大事です」

「副知事、生ぬるい戦い方ではこの劣勢を跳ね返すには・・・」

「いや、いいんだ・・・正々堂々と正面から戦いたい
 私だけの選挙戦ではない、たとえ結果がでなくともそれは私の責任だ
 君たちには、未来がある・・・・・次の芽を残していかねばならない」

「大丈夫よ、みんな」


美樹が元気づける

「新藤副知事は素敵な実年男性・・・・私が俳優顔負けのスタイルにしてみせるわ
 行政の実務実績、話術、態度、どれをとっても知事に相応しい
 正々堂々とお嬢さん候補と戦いましょう
 必ず、互角に渡り合える・・・・・・国の態たらくとはここは違うの」

「そうだよ・・・・美樹さんはいいことをいう
 私たちが担ぐ新藤副知事は立派な人だ、とことん戦ってやろうぜ、みんな」

「おう、そうだ、そうだ・・・副知事、体力付けておいてくださいよ・・ははは」


ミーティングが終わり、新藤と美樹が県庁舎の玄関から出てくる
新藤の目に、ボロを着て咳き込む年寄りの姿が映る
新藤は駆け寄り抱きかかえる

「大丈夫ですか?あっ、これはひどい・・美樹君、救急車だ」

「いや、待って・・・ご親切はありがたいのですが、病院はいけません」

「なぜなんです?」

「旦那さん、服が汚れます・・・もう、大丈夫です、直ぐになおります
 それに、病気じゃないし、病院が嫌がります」

美樹が新藤に耳打ちをする

「そうですか・・お体は大丈夫ですか
 それじゃ、この先に美味い飯の食堂があります
 ここで会ったのも何かのご縁でしょう
 失礼ですが、これを受け取ってください・・・・・それじゃ、お元気で」

ボロの年寄が礼を言い、立ち去る二人を見送る

(あれが新藤か・・・・・女に溺れ、出世のために部下を見捨てた新藤?)
  1. 2014/11/13(木) 02:33:03|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第84回

全国の地方自治体の中でも五指の中に入る雄県の知事選
先手を打って、新藤は出馬の記者会見を行った


「地方分権の時代が、今まさに幕を開けようとするこの時
 県民が求める地方自治体のリーダーの資質は
 一に、信用・・二に、実績・・三に、信条
 私は、我が郷土、我が県民のため私の持つ全能力を賭して働くことをお誓いする」


漲る闘志を纏った男の出陣である
まさに、暗雲を吹き飛ばす気迫のこもった男の言葉
実年の男らしさを演出する真っ白なワイシャツに紺のスーツ
女性の目を惹きつける甘いマスクにスポーツで鍛えた精悍な肉体
背後で見守る美樹ですら、目の前の男が自信を喪失して迷える羊だったとは思えないぐらいの変身だ


(状況は厳しいとはいえ、これなら戦える・・・
 相手が鼻の下を伸ばす男の票をさらうのなら、こちらは女性票を全部いただくわ)


新藤を担ぐ人たちに、この候補者を押し立てて戦い抜く誇りを感じさせたい
私が、そのように必ずしてみせる


記者からの質問に、自信を持って信条を話す男の姿に
若い美樹の心も躍る



「副知事、お疲れ様でした・・・珈琲をお持ちします」

「美樹君、ありがとう・・私は本当に良きパートナーをもった
 君といい・・遼子といい・・・そして、瑞希」

「新藤副知事・・・・・・」

「美樹君、私の覚悟はできている・・・なんでもする、なんでも言ってくれ
 勝利できなくとも、口先ばかりの浮かれたやつらに一泡も二泡も吹かせてやる
 行政の仕事がなんたるかを叩き込んでやる・・・それが私の最後の仕事だろ?」


新藤に背を向けたまま、美樹が頷く
美樹の頬には涙が伝っていた



その翌日の朝刊を老人が眺めている


「新藤副知事、H県知事選挙に出馬表明・・・・・
 わし等もいよいよ動く時がきたようだ」

「師匠、沖田の旦那とあの奥さんは信用して大丈夫でしょうか?
 旦那が、奥さんにいろいろと吹き込んでいますが、どうも奥さん納得していないようで」

「そうかい・・・こんなになっても奥さん、新藤に惚れちまったかな
 無理もねぇか、お腹の子の父親なんだから
 それとも・・・ひょっとすると、新藤って男は・・・」


この老人もこれからの日本社会の先行きがまったく読めない
新藤が先の読める普通の人間なら、出馬はしないと踏んでいた
その場合は、従来どおりの脅しを掛けようと考えていたのだ
しかし、敗戦覚悟の出馬とは・・・・・お人好しか、大馬鹿者


(一度、会ってみるか・・・・そして、わし自身の目で人物を確かめてからでも遅くはないか・・・・・・ちっ!!沖田のやつ、女体に溺れやがって)


朝だというのに、隣の部屋から瑞希の嫌がる声が聞こえてくる

「師匠・・・また、沖田の旦那が奥さんと始めましたぜ
 こりゃ、まるで自分専用の娼婦扱いだ・・・・・・ははははは」
  1. 2014/11/13(木) 02:31:19|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第83回

平成22年の正月を迎えた
新藤の執務室に叔父の県議会議長が訪れている


「進君、いよいよだ・・・・選挙準備は万端だろうな」

「叔父さん、いつも有難うございます」

「それにしても、昨年の衆議院選挙の大敗は厄介なことだ
 その影響で、県内の各種団体の中でも様子見を決め込むところもでてきている
 全くふざけた話だ・・・結婚もしていない世間知らずの女性が君の対抗馬だとは
 どうも、県連で擁立を考えたのではなく、党本部の押し付けらしい」

「叔父さん、私は県行政の実務をやってきた人間です
 政治の駆け引きなどは全くの素人、宜しくご指導ください」

「うん、わかっている・・・・それはそうと
 あっちの方は整理がついたんだろうね?」

声をひそめ、秘書の美樹に聴かれないように囁いた


「ええ・・・一つ気がかりなことがあったのですが、沙汰止みになっていまして」

「沙汰止み?」

「はい、でも心配はご無用に・・・・・」

「ふーむ・・・・
 世間知らずとはいえ、相手は風に乗り、知名度も高い人気の美人キャスターだ
 こちらの女性スキャンダルは致命傷になるぞ・・・・くれぐれも用心を怠りなくだ」


ニタッと笑って県議会議長は部屋を後にする
美樹が新藤の前にお茶を運んでくる


「美樹ちゃん・・・聞こえただろう?どうも、叔父さんは私が勝てると思っているようだ」

「はい!?・・・何と、今」

「だから・・・・私は今度の選挙では負けると言ったんだよ」

「副知事!!あなたは今言っていることと、先ほどの言葉とは違うじゃないですか・・・」

「何をいっているんだ、考えても見ろ・・・もう世の中は変わったんだ
 県民は目覚めたんだよ・・古いもの、権威とされていたもの、旧来のシガラミ
 先の選挙結果をみればわかるじゃないか・・・すべて否定され、絆など微塵もない
 風が吹いた?・・・そんなものじゃないよ、地殻変動だよ
 日本社会には神話があった、絶対下がらぬと言われた土地神話、首を切らない終身雇用などだ
 今はどうなった?それでも変わらなかったのは政治意識だけ・・それが今回動いたんだ
 その旧体制の象徴のような私が、今人気の美人キャスターに勝てる筈がない
 おまけに、いつ何時・・ヤクザなやつらが仕掛けてくるやも知れんのだ」


スポーツウーマンの美樹の拳が震えている


「全く、私はピエロだ、生贄だ、操り人形だ・・・間違いなく惨めな男になる」

「情けない・・・男、副知事!!何をくよくよと、それでもあなた・・・男なの」

「男?・・・選挙に男も女もあるもんか、君のような小娘に何がわかる」


新藤は若い美樹の前で、本音を吐いていた


「・・・もう、あなた・・・死んで腐っている!立たないんじゃないの」

「なに!?」

「哀れよねぇ、さんざ女と遊び周り後始末もできず
 ・・その因果で恐れをなし、支援者を裏切り戦うことなく、敵前逃亡ですか
 はっ、その首、今直ぐ美人キャスターの前にさっさと差し出してはいかが?
 そうすれば、あなたを買い被っている遼子さんの目も醒め
 あなたの助けを待っている瑞希さん母子も愛想が尽き、ご家族もさぞ安心されるでしょうに」


美樹もわかっている・・・
逆風の選挙戦になるのは必至、勝利するのは困難だと
だが、今さら現知事の後継と指名された男が逃げ出すことなど前代未聞
戦うしか道はないのだ
それに、県民にとって品性に問題があっても、知事の職責を果たせるのはキャリアのある新藤がベターなのだと
そして、なによりも新藤の行政手腕、県民への情熱には右に出るものはいない


「新藤副知事・・・覚悟を決めなさい
 逃げ出すことが、あなたにとってどれほどの信用を失うことになるか
 少なくとも、ご家族や遼子さん、私を含めてあなたを上司と仰いでついて来た県職員はあなたを支持しているんですよ
 結果を恐れず・・・戦うのです・・それが、あなたのとるべき道」


迷える新藤には、美樹の顔が菩薩に見えた


腹を括った男の死に物狂いの激しい選挙戦が始る

神の悪戯か、審判か・・・・相手は清純な女性キャスター
  1. 2014/11/13(木) 02:29:56|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第82回

配達された朝刊の第1面を食い入るように見つめている老人
全国、津々浦々から初当選者の万歳の模様をテレビニュースが流す

「師匠・・・若い者が年寄りを蹴落として調子こいてますね、ははは・・ざまぁ見ろだ」

「そうだなぁ、お前ならそう感じるか・・・」


老人が紙面を捲ると、目が輝やいた
そのページには、『H県の知事選に女性ニュースキャスターを擁立』との記事が載っていた

「まだ、起きてこねぇなぁ・・・・あの二人・・・ちょっと覗いてきまさぁ」

「ああ・・・そうしろ・・・一晩の内に世の中かわっちまったぁ
 へへへ・・この風がわし等の援軍になればいいがなぁ・・・」


瑞希は昨夜、頼みの綱と信じていた沖田によって、何度も恨みの陵辱を受けたのだ
何も知らなかった沖田にしてみれば、新藤の愛人秘書への当然の行為である
ヤクザたちの手管によって、事実を語らされた瑞希
失意と無念の感情の中での陵辱は、男を手玉に取るこの女でも相当堪えたはずだ

(さてと・・・これからだなぁ)


「おはようございます・・・沖田の旦那」

「ああ・・」

「旦那にとっちゃ・・・宿敵の愛人、身代わりの新妻の味・・・満足されましたか?」

「ふん!」

「なんだか、一晩の内に男の貫禄を身につけられたようで・・落ち着いてらっしゃる」

「そうかい、そんな風に見えるかい」

「ええ、それで旦那
 まずは新聞を読んでください、面白くなってきましたぜ
 どうやら、新藤さんに女性の対抗馬が立候補しそうです」

「知事選挙に女性の対抗馬が?」

沖田は老人の差し出した新聞に目を走らせる
明らかに、変化を求める意思表示だ・・・これで社会がどう変わるか
その混乱の中でのH県の知事選挙が行われることとなる


「怨敵が国と地方は別物?と保守陣営の巻き返しの先駆けとして、立候補してくれれば
 お宝の価値が跳ね上がるんですが・・・まさか、怯むようだと困るんですが」

「うーむ・・・どうだろうか
 副知事は育ちの良い坊ちゃんだが・・・真っ直ぐな気性だから」

「ここは、わし等としても立候補表明をするまでは・・・暫く情報収集に専念しましょうぜ
 それと、瑞希奥さんの気持ちはどうなんでしょう・・・新藤さんへ味方されたんじゃ」

「それは・・・彼女の敵は・・私の元フィアンセの遼子、それが縁りを戻し
 副知事の命令で、仕事をしている間にまんまと城を乗っ取られたとなれば・・」

「なるほど、鋭いですなぁ・・・」


隣の部屋から瑞希の悲鳴が聞こえる

「いやーん・・・・もう、嫌」

「全く、あの若造・・・朝勃起の処理でもしようってかい」

老人が沖田の顔を見て笑った
  1. 2014/11/13(木) 02:28:46|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第81回

 こちらは京都の遼子と美樹・・・・
 
「若いはねぇ・・・・美樹ちゃん、肌がぷりぷりしている・・羨ましい」

 風呂場で、ボディマッサージで美樹をメロメロにした遼子
 今・・・美女二人は閨の中にいる


「女同士が愛し合うことも・・・悪くはないでしょう」

 遼子が美樹の可憐な乳首に、自らの乳房を重ねていく


「あーん・・遼子さん」


 遼子は美樹への愛撫を継続しながら
 遼子は新藤との出合いから、秘書となった瑞希との確執まで淡々と話し始めていた
 そして、自分が沖田の人生を狂わせたように
 瑞希が新藤の将来に災いを及ぼす魔性の女であると美樹に訴えた
 ・・このままではきっと、知事を目指す新藤の可能性を消し去ってしまう存在になると


「うーん・・」

「それで・・美樹ちゃんには進さんのボディガードになってもらいたいの
 あの人は悪女も聖女も見分けがつかない、あの人は誰にでも優しすぎる
 恐らく、瑞希さんのことを決して忘れてはいないはず・・・・それが怖いの」


 美樹は遼子が与える快感の中で、神経を研ぎ澄まし遼子の話を聴いている
 美樹にとっても、新藤の知事への転進は自らの将来を担保するものだ



「ねぇ・・遼子さん、私は何をすればいいの?・・あん」

「そうね・・・進さんの関心を決して瑞希さんに向けてはならない
 兎に角・・・来春の知事選の勝利までは完全にシャットアウトよ」

「わかりました・・・・あーん、あーん・・・もう、私」




 その頃、日本中が新たな歴史の1ページを開く

 長年、政権を担当維持してきた保守政党が衆議院選挙で壊滅的大敗
 日本国民は政治に対して、少し大人になった

 これまでの、長いものには巻かれろ的な考え方は一掃され
 旧秩序、旧慣習の絆を断ち切り、新しい者に期待を寄せる流れが顕著になった
 このことは、上辺の学歴、経験、血筋で評価されてきた人間への選挙民の反発でもある

 絶える間のない努力家、真の知恵者、広い度量と誠実な人間性
 これらを兼ね備えた者が勝ち残る世の中への扉が開かれたといえる
 そうだ・・・ほんとうに人のために政治家になる者が選ばれる時代に入った


 来春の知事選の本命候補として
 県政オール与党の会派から推薦され、一歩も二歩も前を歩いていた新藤の戦略に暗雲が漂う


 衆議院選挙の前哨戦として戦われた地方の首長選挙で連勝を続けた政党
 衆議院選挙で大勝し、これから内閣を組織し脱官僚政治をかかげる政党
 その政党が相乗り選挙から独自候補の擁立に動き始めたのだ・・・・・
  1. 2014/11/13(木) 02:04:24|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第80回

 老人の瑞希への甚振りは続く・・・


「旦那にしてみれば、奥さんが内緒で県を退職して風俗で働いていたんだ
 ・・おまけに、裏の組織に売られたとなると・・・・こりゃ・・しんどいわ」


 老人の指が丹念に瑞希の陰核を捏ねている
 チンピラの指も同調して乳首をこね回す


「あーん・・もう・・・私を甚振りながらそんな話をするのはやめて!」



 老人とチンピラが顔を見合わせる

「お願い・・・私をここから解放して・・・そうしたら、必ず十分なお金を用意しますから」

「ほうう・・・お金をねぇ・・・だけど、奥さんの退職金ではだいぶ足りないぞ」



 身体の芯から込み上げてくる快感と闘いながら瑞希が訴える

「私には・・私には・・信頼できる上司がいるんです・・・その方が必ず」

「信頼できる上司ねぇ・・・それはひょっとしてお腹の子の父親かい?
 そうでなければ、いくらなんでも奥さんのために大金は出さないだろう?
 どうなんだい・・・ハッキリしてほしいなぁ」


「・・・・それは・・・・あーん・・・・それは・・・間違いなく・・そう」

「そうかい・・・で・・・その頼りになる上司ってのは・・・・新藤って方かい?」

「なぜ・・そんなことまで・・・・あぁぁん・・・嫌、嫌」

「やっと、ゲロしやがった・・
 だがなぁ・・その子の父親は冷てぇーぞ、わし等がお知らせしたんだが・・・
 まぁいいや、お腹の赤ちゃんは不倫の証
 それに、子どもを押さえられていちゃ縁はきれねぇ
 その子の父親が、奥さんを粗末に扱うなら・・わし等が助太刀してやるぞ
 ・・・なんせ、奥さんのからだがこんなに馴染んでいるんだ・・わし等に
 じゃこのへんで・・・・一度、気を遣るか
 ここにいらっしゃるお客さんにも逝くところを見せてサービスしとかないとなぁ
 おい、若造・・・・一気に追い込むぞ」


 老人が振り返り沖田に『ほら、言ったとおりだろ』と目配せする
 瑞希の蜜坪から引き出した指でVのサインを見せた


「おっと・・・忘れてた・・・奥さん逝く前にもう一つ教えてくれや
 わし等の調べによると・・・そう、新藤って人には女がいたよな
 確か、遼子っていう未亡人・・・・綺麗な人だ、奥さんのライバルかな?」

「り・・遼子さん!?・・・そう、遼子さん・・・でも、もうライバルじゃない
 あの人は私のもの・・・・遼子さんは・・捨てられたのあの人に
 再婚することになっていたんだけど・・・・・・あの人の部下と」

「そうなんだ・・・・色男なんだろうなぁ・・・奥さんが惚れた愛しい男はよう」


 くくく・・・
 沖田が声を噛み殺している
 握りこぶしが怒りで震えてくる
 


「もういいだろう・・・・奥さん、ご褒美だ、存分に逝くがいい・・・・このお客さんの前で
 今夜は長くなりそうだ・・・・」
  1. 2014/11/13(木) 02:03:16|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第79回

一方、こちらは目隠しをされ浴衣姿でお客を待つ、瑞希


「おい、奥さんの支度はととのったようだなぁ」

「へい、師匠・・・・そちらがお客さんですかい?
 どうです・・・何ともいい女でしょう?へへへ」


チンピラが抵抗のできない瑞希の胸元から手を差し込み、乳房を握りつぶす


「痛い・・・」


へらへらと笑いながら、お客さんにウインクを送る
瑞希は、娼婦としてお客を取らされる無念さと緊張感で胸が張り裂けそうだ


「奥さん・・・さっきは嵌めてもらえなくて、中途半端になっちまった
 だから、今度が初仕事だよなぁ
 無賃飯ばかり食っておられては、わしらも困るんだ
 そうそう、このお客さんも先のお人と同じで、あまり女性経験がないとおっしゃる
 それで、わしらに随伴して欲しいとのご要望だ」

「嫌よ、そんなの・・・・三人がかりで私を嬲るなんて」

「奥さん、甘えてんじゃないの!・・・・まぁ、頃合いを見てわしらは消えるから・・」



じゃ・・とばかりに、チンピラが浴衣の帯を解く
チンピラ、老人そして・・再びお客として戻ってきた沖田
三人の目に、両手両脚を縛られ浴衣を羽織っただけの、瑞希の見事な裸体が晒される


「どうです?・・お客さん、この奥さんの肢体・・・肌の色、この乳房そして腰つき」



老人の鄙びた指が瑞希の肢体を滑ると
沖田が、いつの間にか口の中にたまった生唾を飲み込んだ



「さぁ・・始めようか・・・おい、若造!決して奥さんに唾をつけるんじゃねぇーぞ」

「心得てまさぁ・・・師匠」



チンピラと老人の二人がかりの色責めが始まる
瑞希の背後から乳房に手を伸ばすチンピラ
そして、老人は引き裂かれた両脚の前に腰を降ろす


沖田はまだ・・半信半疑
敵対関係であったとは言え、同じ職場で働き、上司の秘書として色香を振りまいていた人妻
信じていた上司が自分に浮気相手の女をあてがい
目の前の瑞希とも不倫をし、しかも妊娠させているという
だが、やはり・・・・信じられない


瑞希の乳房が、チンピラの指に翻弄されている
強く揉みこむかと思えば、優しく緩やかに擦られる
乳首を摘み、そして撥ねる・・・・
一方で、老人がしなやかな太腿を撫で回す
その指が、徐々に女の源泉に近づいていく
悲しいことに、逝くことを何度も経験している女体が、二人の愛撫に反応するのに時間はかからない
女の甘い声が漏れはじめた


「あん・・・ねぇ・・・・もう」


瑞希が乳揉みを受け持っているチンピラにキスをねだる



「奥さん・・・もう、舌を吸って欲しくなったのかい?」


顔を、背後にいるチンピラに寄せていく瑞希



「若造!気をつけるんだぞ・・・奥さんのペースに乗せられるな!いつも遣られているだろうが・・馬鹿が!」


師匠と呼ばれる老人の声が飛ぶ



「ところで、奥さん・・・・一つ確認しておきたいんだが
 このお腹の赤ちゃんの父親は・・・・・あんたの旦那じゃないんだろう?」

「・・・!?・・・なにを馬鹿なことを!・・・主人の子よ」


「そうかなぁ・・・第1子からじゃ開き過ぎだろう!
 それに、旦那の子でなくても・・・もう心配はいらねぇぞ」

「そ、それは・・・どういうこと?」


「ははは・・・わし等、ちょっと奥さんのこと調べたんだよ
 そしたら・・旦那は奥さんのことを諦めて新しい人生を送りたいらしい
 失踪宣告を申し立てている・・つまり、7年経てば奥さんは死んだ人と同じ扱いだ」

「そんな!!」


「もう諦めているんだ、旦那は・・・奥さんが戻ってこないと
 そんな旦那のところへ戻らずとも、ここで楽しく暮らそうや・・・なぁ、奥さん」


老人が、いよいよ瑞希の女陰を弄りだす
  1. 2014/11/13(木) 02:02:16|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第78回

「美樹さん・・・私、今・・幸せよ・・・あの人と一緒だから」

遼子が美樹のすべすべした太腿にボディシャンプーを塗りながら呟く


「あの人は・・・私に・・女の艶火をつけた男の人なの」

遼子の左手は美樹の乳房を・・右手は引き締まった太腿をマッサージしながら浮遊する


「だから・・・私・・あの人とは離れられない、ずっと一緒にいたい
 恐らく・・・あの人に・・・男を目覚めさせたのは私か・・それとも、瑞希さん
 家庭生活を経験し、子どももいる・・・・分別のあるいい歳をした大人同士がね
 互いに・・・惹き寄せ合って」

遼子の手の動きが止まる
美樹の背後からそっと肩越しに頬を寄せる
その仕草や表情が正面の鏡を見つめている美樹にも伝わってくる


「私・・・あの人を愛してしまったの・・・・誰にも渡したくない」

「あっ・・・」

鏡に映るうす桃色の乳首を二本の指が挟み、摘む
もう片方の白い腕が漆黒の繊毛の中に差し込まれる

鏡に映る二人の美女
その姿は、既に年嵩の熟女が経験のない聖女を、性の世界へ引きずり込む絵だ
男の手によってではなく、同性の手で快感への扉が開かれようとしている


「うっ・・・うん・・・・やめて・・・やめて下さい」

いつの間にか、その快感が襲っている美樹は・・・そう言うと頭を垂れる
熟女の視線は、鏡の中で快感に痺れだしだ聖女の姿をじっと見つめている


「美樹さん・・・もう少し、もう少しよ・・・・私に任せて」

身体の芯から染み出す快感
それを圧しとどめようとする聖女を、女の喜びの世界に引きずり込む
遼子の研ぎ澄まされたテクニックが、ここぞとばかりに急所を攻めだす


「あぅ・・・あーん」

いいのよ、声をあげて・・・・と耳元で呟く遼子


「こんな・・・こんなの初めて・・・・あぁぁぁ」

もっと、もっと、さらけ出すのよ・・美樹さん


「あん・・・あぁぁ・・・うぅぅぅーん」

そう、そう・・・それでいいの・・女なの・・私たち


大きな鏡の中で、乳房と乳房が重なり合い
女同士の濃密なキスが始っている
熟女が聖女に施す『性の手ほどき』が開演した


「美樹さん、私からもあなたにお願いしたいことがあるの・・後で、ゆっくりと」

互いに相手を理解し
裏切ることが決してない絆を結ぶ
それを完璧なものとするのに・・・・・まだまだ、朝までたっぷりと時間はある
  1. 2014/11/13(木) 01:53:52|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第77回

ここは京都の新藤の妾宅・・・・遼子がいる
そこへ美樹が新藤を伴ってやってきた
なんとも・・次の知事の椅子を目指す男の気概は何処へやら
ただ、言えるのは・・この男、自分は悪いことをしたという認識は未だにない
資産家の一人息子として育てられ、何不自由なく生きてきた
まるで・・・・水が流れる如く、風の吹くままである
今も、遼子の創った料理を満足顔で食している


「美樹ちゃん・・・どう?・・遼子は料理が上手い・・・美味しいだろう?」

新藤は気を遣ったつもりだが、美樹が俯く

(馬鹿かこの人は・・・もう、信じられない!?・・・私が何故ここに来たのかも理解していない)



遼子は落ち着きのある風情で、新藤にお酌をしている

「遼子さん・・・お食事の後で、二人きりでお話ししたいのですが」

「美樹ちゃん・・なんだい、私を除いて二人だけでかい?」



美樹が冷たい視線を新藤に向ける

「副知事・・・今は、緊急事態ですよ・・私は、あなたの秘書として
 私なりに状況の把握をし、あなたのために何ができるかを考えたいのです
 遼子さんのお気持ちや、知っておられることをお聞きしたいと思っているのです」

「美樹さん、有難うございます・・・新藤のこと、よろしくお願いしますね」

「じゃ・・・遼子さん、後で」


総檜造りの風呂の湯に、美樹が浸かっている
食事の後、邪魔者の新藤を追っ払い、明日の休暇も認めさせた
これで、今夜はとことん遼子から事情を聴くことができる


「美樹さん・・・私もご一緒してよろしいか?」

「えっ!一緒にですか?・・・・・・・ええ、どうぞ」


遼子がタオルで前を隠し、風呂場へと入ってくる
美樹より五歳ほど年嵩だが、色白な肌は女性の目からも美しく、妖艶だ
この女性と新藤が絡み合っていた様子が、美樹の脳裏に蘇る
遼子の艶肌に湯の玉が転げる、まだまだ美樹の若さにも劣らない
 『日本の女は三十路からよ』とはよく言ったものだ
遼子といい、瑞希といい・・共に子持ちの三十路の女性
その二人に鼻の下を伸ばして・・・ほんとうに馬鹿な上司


「美樹さん・・・背中を流しましょうか?」

遠慮する美樹を、遼子は湯船から大きな鏡の前に連れていく
風呂場にこのような鏡が据え付けてあるのは珍しい
恐らく、男女の戯れの様を刺激にして性欲を高ぶらせる目的なのだろう
その鏡の前に、二五歳の若い美樹が裸体を写す
美樹自身もスポーツで鍛えている、自分の肢体に自信があった
背中に泡を立てた、白い女の指が若い美樹の乳房の裾野に回ってくる


「前は自分で洗いますから・・・・・・・うううん・・」

もう遅い・・・・白い指が乳首を撫でた


背中には豊満な三十路の女の乳房が押し付けられている
緩やかに、軽やかに若い女の胸を洗い清める
遼子の手の動きは次第に美樹の下肢へと移動していく
  1. 2014/11/13(木) 01:52:46|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第76回

(しまった!・・・聴かれていたんだ)


沖田は、敵わぬまでも抵抗しようと、ファイティングポーズの姿勢をとった


「何ですか、その格好?・・・しかし、良い男だねぇ
 私は、益々好きになったよ・・・・沖田さん」

「喧しい・・・・何が沖田さんだ!お前らに沖田さんと言われる筋合いはない」

「まぁまぁ・・・そんなにカッカしないで
 いいですかい、よーく聴いておくんなさい・・・大事なことです
 今から話すことを聴いてもなお、あなたがあの奥さんを連れ帰るというのなら・・
 いいでしょう・・・・結構です、そうしてください
 あっしらも、極道の端くれ・・・今度の事については、腹を括っているんでね」

「なに!!・・・嘘を付け・・・そんな事、信じられるか!!」


「沖田さん・・・本当にあなたは真っ直ぐな方だ
 信じる、信じないはあなたの勝手
 だけど、今度のあっしらの山はでかい・・・歳を考えると、最後の仕事だ
 その仕事の成否をあなたが握っている・・・
 あなたの協力なしではとてもやり遂げられない・・としたら・・・わかりますよね」

「お前らの悪事に・・・私の協力がいる!?・・そんなことできるものか」



老人がその部屋の中にあるモニターのスイッチを入れる
映し出されたのは、先ほどの和室
新しい浴衣を着せられた瑞希が、チンピラに肩を抱かれて入ってきた


「ほんとに・・・涎のでる良い女ですね・・・あの瑞希奥様は
 この道のプロの私も、あの体力だけの馬鹿チンピラも、手玉にとってしまう女」



沖田の視線が、老人からモニターに映る浴衣姿の瑞希に流れる
チンピラが瑞希の手足を床柱と鴨居に縄をとおして「大の字」形に縛っていく


「あなたの元上司・・・現在は副知事の新藤さんも、手を出すのは当然の成り行き・・」


(新藤さんに限ってそんなこと・・・・・)


「あの奥さんのお腹の赤ちゃん・・・いったい誰の種なんでしょうね?沖田さん」


(何を言うんだ・・ま、まさか・・・そんなこと・・・・伊藤さんは夫のある身だ)



モニター画面の中で、瑞希がチンピラに抵抗している
チンピラが瑞希を睨みつけて、下腹のあたりに手をあてて呟いている


「あの若造が脅してますよ・・・赤ちゃんがどうなってもいいのかと
 今、あの奥さんは赤ん坊のためなら、なんでもする・・・・健気な母?
 さて、どうだか・・なんせ、子の親父は夫ではなく、お金持ちで次の知事候補ですからねぇ」

「もういい!・・そんな話
 私は、伊藤さんにした罪の償いを果たしたいだけだ・・その罪のために私も酷い目に・・」


「あなたの罪?・・・その因果で起きたあなたの不幸?ですか
 それは・・・表面上はそう取れますが・・・・
 ふふふふ・・・ほれ・・・これを見てください・・・この写真の男と女」


老人が複数枚の写真を沖田に渡す


「あっしらは、世間では極道、ヤクザと言われ、真っ当にお天道様の下を歩けない
 あの奥さんを高い金を払って仕入れ、訓練し不法な商売をさせる
ところが、同じようなことをしながら気付きもしないで繰り返す表の馬鹿人間もいる
 その写真の男は、本能のままの性獣・性魔だなぁ・・・いい女と見ると必ず手をだしてしまう
 写真の女は、その被害者第1号・・・・・名は遼子さんだ」



写真を見る沖田の顔が青ざめていく・・・・


「その被害者第1号の女性は、今、新藤に囲われている・・・・そう、あんたの元フィアンセだよ」

「うぅぅぅ・・・」


「恐らく、あんたに紹介したのは・・・単純に、この女性と清算しようとしたんだろうが」

「嘘だ・・・・それはあんまりだ・・」


「そのあんまりをしたんですよ、新藤は!・・善人面をした悪魔ですよ新藤は!
 まだ、遼子さんには良心が残っていて、それで婚約破棄ってな顛末に・・」

「・・・・あぁぁぁ・・・・嘘だ・・嘘だ・・・・・」


「あっしらはね、『盗みはすれど、非道はせず』の精神できてましてね
 あくまで、経済取引ですよ、ビジネスをしているんです
 金儲けはしても、人を陥れたり、騙したりはしない・・恨みをかっちゃ面白くねぇ
 それに比べて、新藤って旦那のやってることはお金持ちの道楽で不道徳のばら撒きだ
 どうします・・・お金を払ってあの奥さんを連れ帰るか
 それとも、あっしらと組んであの新藤を懲らしめるか・・・」



沖田を見る老人の顔が緩んだ


「旦那・・瑞希奥さんの支度が整ったようですぜ
 今夜は、あの奥さんを新婦の遼子さんと思って初夜を思い存分、楽しんでくださいな
 あなたが納得のいく趣向を凝らしていますんで・・・・・・・・・・・・」
  1. 2014/11/13(木) 01:51:42|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第75回

瑞希への縛めは両腕のみ
男の唇が女陰に接触しようとする、その瞬間
しなやかで艶のある白い太腿が、沖田の両の頬をサンドイッチにした

(はっ!?・・・息ができない)


沖田が我に返り、頭を上げた瞬間に・・・見事に暴れる女の膝が男の鼻にぶちあたる



「うわぁぁ・・・うぐぅ」

「何をするんでぃ!!この女」

沖田の顔は鼻血で染まり、唇が腫上がってくる
・・白い蒲団に鮮血が飛び散った



「お客さん・・申し訳ないことに・・その様子では続けるのは難しいかなぁ
 今日は、代金をお返ししますんで・・・なんとかご勘弁を
 その代りに、其処で
 この奥さんが次のお客さんに嬲られるところを見てってくださいな」

「いや・・・もう御免だ・・・引き揚げさせてもらうよ」

「そうですかい・・・残念だなぁ」



沖田が受けた強烈な痛みは、再びこの男の頭を冷静に戻していた


「それにしても、本当に良い肢体をしている奥さんだ・・・・」


瑞希の脚の爪先から視線を上げていく
しなやかな白い脚にも、赤い鮮血が模様を画く
その麓には黒い影・・・波打つ乳房は汗で光る
女と目が合った
女から、今の行為に対する侘びと縋るような願いが男に伝わる
それに応えるように、頷きながら誠実な視線を送り返す男


部屋を出て行く男の後姿が、瑞希には決死の覚悟で戦地に向かう兵士に見えた



「こりゃ、どうしたことか・・・・早いお帰りで」

老人が、和室から出てきた沖田に声をかける


「ああ・・・あまりにも良い女性だったんで少し油断してしまってね、この様だ
 はは、しかし、このままでは・・・もう一度会いたい、どうしたら会えるのかなぁ」


「・・・・蹴られてもなお、未練が残る・・そうなんですね・・旦那、あの肢体に」


「そうだ・・・頼む、お金ならいくらでも出す・・・もう一度だけ」


「さて、さて・・・あの奥さんは次のお客さんのために、今、身を清めている
 そして、今度は・・・お客さんに逆らえないように、足も縛り
 おまけに・・・お客の顔も見れないようにセッティングするんですよ」


「次のお客は顔を見られては困る人なんだ・・・・・・」


「ええ・・困ります・・やる事をやった後ならいいんですがね」


「ふーん、私には意味がわからないが・・・
 それより、頼むから別の日に、もう一度会わせてくれる手筈をしてくれないか」


「はぁ、はははは・・・ほんとに旦那はお人好しだ・・あんな女を助けようなんて!」


「今、な・・なんて言ったんだ・・・おい」


「旦那が助けねばならない価値のある女ですかねぇ・・・あの伊藤瑞希という奥さん
 もういい加減、目を覚ましたらどうなんだい!・・・・沖田、元課長さん」
  1. 2014/11/13(木) 01:50:29|
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