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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

春が来た 第74回

チンピラに悟られぬように
慌てて、沖田は瑞希を抱きしめ首筋に唇を這わせる


「いや・・・十分楽しんでいるよ・・手伝いなんて必要ない」

「そうですかねぇ・・さっきから時間ばかり経って、何にもしていないんじゃ?」

「わ、私は前戯をゆっくりと楽しむ主義でね・・・・ほれ、このように
 そ、それにしても・・この女性の肌は綺麗なもち肌、乳房が手に吸い付いてくる」

沖田は瑞希の耳元で小さく御免と言うと、瑞希の乳房を揉み始めた


「あぁぁ・・嫌」

瑞希も沖田という救世主が現れたとはいえ、もともと生理的に合わなかった男
荒々しい乳房への愛撫に反射的に嫌悪を感じた


「いよぅ・・やっと一声でましたね・・・旦那、女の手は縛ってあるんで抵抗はできません
 あっしが上半身を受け持ちますから・・・旦那は下半身を・・へへ・・舐めてやってくださいよ」

「嫌、やめて・・・そんなの嫌・・・嫌」


もともと浴衣の下には下着などつけていない
沖田の無骨な手が、胸元から形の良い瑞希の乳房を搾り出す


「やめて・・・男が二人がかりで女を甚振るなんて・・・・そんなの嫌」

「おいおい、奥さん・・・お客さんの前で恥をかかせると、どうなるか分かってんだろうなぁ」

チンピラが瑞希の背後に回り、浴衣を腰の辺りまで力任せに剥ぎ取った
沖田はその勢いで瑞希から跳ね飛ばされ、蒲団の端に追いやられている


「何をするんだ!乱暴な・・・・私も二人っきりで楽しみたいんだよ、やめろ!」

「まあまあ、お客さん・・・この奥さん、少し我侭でね、直につけあがるんで
 こうやって、しばかないと・・・お客さんに怪我でもされては申し訳ないでしょう」



チンピラが瑞希を羽交い絞めにしている
浴衣が乱れ、白く艶やかな太腿が沖田の目に入ってくる


「堪んないでしょう・・・この白い太腿・・・そして、この絹草・・・
 どうです、お客さん・・・早く舐めてやってくださいよ、奥さんのここを」


チンピラの指が抵抗できない瑞希の太腿を割り、女の源泉を嬲る



「あぁぁぁ、嫌・・・・見ないで!」

「見ないでって?・・・奥さん、今からこのお客さんにたっぷりと女汁を吸ってもらうんだぜ
 ・・・ほら、早くお客さん・・・ここ、ここ・・・」


チンピラの指が瑞希の女陰を捏ね回した
極道が女を甚振る様を初めて見た沖田・・・・強烈だ、頭を怒衝かれている
得たいの知れない感情が沖田を襲ってくる


(舐めろよ・・そこを・・・・美味い女汁を吸い尽くすんだ)


瑞希の女陰に吸い寄せられるように、沖田が顔を近づけていく
香ばしい女の匂いが、沖田の理性を狂わせる
老人の手管で逝かされていた美女の姿がフラッシュバックする
もう少しだ・・・もう少しで、届く・・・・
  1. 2014/11/13(木) 00:20:40|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第73回

老人の手管で快楽に酔いしれる女
汗が流れ、顎は上がり、頸を振っていた女
その女は見事に化粧を施し、浴衣を着せられて畳の上に正座している
両の腕は後ろに回され、手首のところで縛られているようだ
女の前には蒲団が敷かれており、そこはまるで高級旅館の和室である
ぼんやりとした灯の中、陵辱を待つ女の姿が男の視界に入る
女は俯き・・・・目を閉じている

「師匠・・お客さんをご案内しました」

チンピラが老人に声をかける


「お客さん、どうぞお近くに・・・どうです、いい女でしょう
 私が手塩にかけて仕込んでいる奥さんでね・・・私ら以外の相手をするのは今夜が初めて
 運がいいですよ、お客さん」

沖田の視線は瑞希に釘付けだ


「お客さんのお好きなようにしていただいて結構ですが・・・・
 一つだけ注意してください・・・体位はお腹に負担のないように願います
 へへへへ・・・・赤ちゃんがいるんですよ・・・じゃ、お楽しみください」


老人たちが部屋から出て行くと
沖田は『ふー・・』と息を吐いた、そして改めて瑞希を見つめると小声で語りかける

「申し訳ないことをした、伊藤さん」

「えっ!?・・・あ、あなたは沖田課長」

この時、瑞希は出会う筈もない男の声とその姿に驚き、そして喜んだ


「酷い事をした・・・あなたの居場所を知りながら、報告せずに握りつぶした
 本当に、申し訳ない・・・・私は、命をかけて必ずあなたを助け出す!」

沖田は深々と頭を下げた
瑞希が慌てて、沖田ににじり寄る


「沖田さん、早く・・私と蒲団の中へ・・そして、私を抱いている振りをしてください
 あの人たちに疑われては、あなたの身も危ない・・・・」

「えっ、そうだった・・・ここはやつらのテリトリー、あぁぁ迂闊・・・」


風俗の遊びも知らない沖田だ
ぎこちない動作で瑞希を蒲団の中に誘い込む
職場の上司の秘書として、常に沖田に冷ややかな視線を送っていた瑞希
洒落た衣服で身を飾り、女のフェロモンを発してした女性
それ故に、ためにならぬ目狐として居場所の情報を握りつぶしたのだった

今、その瑞希と一つの蒲団の中で、浴衣のみで肌を合わせている
なんという運命か・・・その二人が俄か同志となっている
上布団を被り、抱き合っているように見せ掛け、互いの耳元で意志を伝えている

「伊藤さん・・・ここはいったい何処なんだい」

「私にもハッキリとは分からない・でもここに連れて来られる時に大きな橋を渡った気がする
 そして、船の汽笛・・そう恐らく淡路島・・そして海岸近くであるのは間違いない」

「それなら何とかなる・・・我が県内じゃないか」

「でも、あの人たちに立ち向かうには・・本部長の力が必要よ・・・
 ねぇ、あなたはここをうまく抜け出して、新藤本部長に知らせてください」

「わかった・・そうしよう・・・もう暫くの辛抱だ、伊藤さん」

「お願いします・・・沖田さん・・・あなたが頼りです・・お願いします」

瑞希は天敵であった沖田を信じ、心からの願いを伝える
沖田もまた、瑞希を救出することに全力を上げると何度も誓う


そんな二人をあざ笑うが如く
突然に、襖が開きチンピラが入ってくる

「旦那・・旦那・・・どんな按配でしょう?
 あっしが、お手伝いさせて頂きましょう・・・」
  1. 2014/11/13(木) 00:19:27|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第72回

県庁の一日が終わる
日中、テキパキと精力的に仕事を捌いた男の動きが止まる

「副知事・・・お茶をお入れしましょうか」

「うん・・・」

美樹はあの日以来、仕事のこと以外は新藤とは話をしていない
瑞希の安否が気になるものの、自分からは聞けないでいた


「どうぞ・・・」

「うん・・・」

新藤は無気力にお茶をすする

(思っていたとおり・・・この娘は活きの良いお嬢さんだった・・あの感触・・)

もうすぐ衆議院選挙だ
その結果次第では、国と地方の大変革が起きるというご時世に
新藤自身は来春の知事選の有力候補で大本命である

事態は深刻な状況であるにもかかわらず、この男はこんな事を考えている
それが、この男の持って生まれた性格である
この男は済んでしまったことをまったく気にしない、考えるのはこれから先のこと
将来の求めるべき姿を画き全力を尽くす
この男はそれに徹している・・・・問題は、その姿を画けるかである


(ははは・・どうも私は自分の人生の目標を他人から押し付けられているようだ
 人が好き・・地域が好きで、公務員になっただけなのに
 ああぁ・・元気がでない・・・やる気がでない・・・必要だ、エネルギーの充填が)


空ろな視線の先には、飛びきり元気な若い秘書
自然と新藤の手が美樹の肩に伸びていく・・・・・

「美樹ちゃん・・・この前はご免ね・・いろんなことが重なっててどうかしていた
 お詫びに・・食事でもどうかなぁ」

「!?・・・・・・・」

「彼氏とは上手くいってる?・・・どうだろ・・会計は私が持つから、若い人が行くところがいいなぁ・・・」


「まぁ・・・呑気なお話しで・・・それより、あの深刻な問題はどうされたのですか?
 世間知らずの私にしがみついて、助けて欲しいと言われていた・・・あの件は?」

美樹が呆れ顔で新藤を見つめている


「あー・・興味あるんだ、大人の世界の話・・・うんうん、いいよ・・その話もしよう
 兎に角、職場では堅苦しくなるし・・さぁさぁ、ね・・美樹ちゃん、出発、出発」

「わかりました・・・じゃ、私の行きたいところでよろしければ」

「そう・・そうこなくっちゃ・・・ははは、で・・どちらがご希望でしょうか?」

「はい・・・・では、遼子さんのいらっしゃるところへお願いします」

「あん!?」

美樹の肩に置かれていたセクハラ男の手が固まっている
  1. 2014/11/13(木) 00:18:10|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第71回

冬の訪れを待つ晩秋の京都
既に紅葉のシーズンは過ぎ、この古寺を訪れる人は疎らだった
そこに、芝田美樹がバドミントンペアの彼氏といる

「美樹・・もうシーズンオフのようだね」

「ごめんね・・・いろいろ忙しくて・・」

二人は茶店の赤い布で覆われた縁席に腰を降ろして、甘酒を楽しんでいた



「美樹・・僕たちも、ずっと先になっても・・
 あのお二人のようになれたらいいなぁ・・・・ほら、あの・・古木の先にいる」

美樹の視線の先に高齢の老人と寄り添う婦人
長い人生を生き抜き、いずれ訪れる人生の終焉・・その最後の時間を楽しむ二人
美樹が彼氏の手をそっと握り締める


「あのお二人・・・年齢は離れているが・・ほんとに感じがいい」

「ご夫婦かしら・・・夫婦であんな風になれるのかしら」

「うーん・・・夫婦でないかもしれない・・・いや、ご夫婦であって欲しいなぁ
 恋愛は夢の世界、不倫や浮気はリゾート・・しかし、夫婦、家庭は現実でアパートか?
 結婚しない人が沢山いる、熟年離婚も増えている・・・・・・・
 でも、美樹・・・僕たちはそれを乗り越えられるだろう?
 そして、あのご夫婦のように晩年の人生を安らかに楽しみたい」

「そうね・・・そうならなくっちゃね」

再び、美樹が彼氏の手を握り締める



「最近の美樹・・・少し変わったような気がするんだけど」

「そう?どんな風に・・・」

「うーん・・・僕たち学生時代からの長い付き合いだろう
 だから分かるんだ・・・一緒にいても何か別の事を考えているような
 こんなことは今までになかった・・・悩み事があるなら話してくれないか」

「ごめん・・そんな風に見えてる?・・自分では普通よ
 ただ、今の副知事の秘書の仕事に疲れているのかな?
 ほんとに・・困った人なんだから
 大人なのか子どもなのか・・・誠実なのかそうでないのか」

「うん?なんかあるんだ」

「大変な時期に・・・歳を忘れて・・・夢中になって・・・・ほんとに・・・」

「ひょっとして・・・女性かい?」

「・・・・それは、あなたにも言えない」

「やっぱりそんなところか・・・・美樹は『スマッシュ』一筋だからなぁ
 スポーツばかりしていて、僕も男と女のことはあまり分からないが
 夫だから、妻だから不道徳なことをしてはならないとなってはいても
 『恋は盲目』・・年齢など関係なく、互いに心や、肢体が惹き合うことも・・?!
 ・・・・美樹!・・・ひょっとして気になる人でも、できたのかな?」

「そんな人・・・いないわよ!」


美樹の頭の中で、『助けてくれ』と言ってしがみついてきた新藤の顔が浮かぶ
視線の先の老人の後姿が新藤の背に見え、寄り添う女性が遼子と重なる

(奥さんや遼子さんがいながら・・・私にもキスしようとするなんて・・もう、なんて人なの)
  1. 2014/11/13(木) 00:17:10|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第70回

沖田がチンピラの後をついて行く・・・

(何という偶然か・・・いや偶然であるはずがない!
 天が私にチャンスをくれたのだ・・・・罪を償い、立ち直る機会を!
 何としても助け出す・・・それが今の私の為すべき全て)

沖田はふざけた歩き方をするチンピラの背を睨みつける



「旦那・・・ここからはタクシーに乗ってもらいます・・・それと
 アイマスクをしてもらいますよ・・・場所はまだお教えできないんで・・」

「おい・・あんた
 それじゃ、出会い頭の一限さんじゃないか・・・いい女なんだろう?
 いい女だったら一度きりなんておかしくはないか!」

「まぁ、まぁ、旦那・・・そんなに熱くならないで
 さっきも言ったように、ちょっと訳ありでね・・・・お願いしますよ」



チンピラに従った沖田
今、沖田はアイマスクを付けられたまま椅子に座らされている
その沖田の耳に女の声が入ってくる

「あっああ・・あーん」

沖田の全身が固まる


「始ってますぜ・・旦那・・それじゃ・・よーく視ておくなさい」


アイマスクを外した沖田の視界に飛び込む映像
マジックミラー越しに、美女とその肢体にしゃぶりつく老人の姿
女は、先に見せられた写真と同じように、両手を縛られ天井から吊るされていた
その女が突き出す乳房
その乳房を口でほう張り、先端を舌で転がす老人
沖田の喉がなる
目が突き刺すように白く輝き揺れる女体を見つめている


「どうです?・・・・旦那・・・いい女でしょう・・・ぐっと来ますよね」

チンピラがへらへらと沖田の横顔を眺めている


「あの奥さん・・・・身篭っているんですよ・・あのお腹の中にね」

(なに!妊娠している・・・・・)

「その赤ちゃんの父親がね・・・酷い男でね・・・かわいそうに、あの奥さん」

(こいつら・・伊藤さんのご主人のことを調べているのか!)

「いろいろとお知らせしているのに、全くしらん顔
 可哀そうな奥さん・・・・そんなことも知らずに
 視てて判りますよ・・母性本能でしょうね・・お腹の赤ちゃんを気にして
 逝きたくても逝けなくて・・・・女になったり母になったりで」

「お前ら・・・それでも人間か!」

「へへへ・・・あっしらは、それで食べているんですから
 世の中にはそんな女を求める男が沢山いましてね・・・・・
 旦那、見てくださいよ・・あの奥さんの顔・・・ほら・・切ないよね
 爺さんの指が・・・ほらほら・・・奥さんのあそこを・・・」

「おい・・・もう止めろ
 私にやらせろ・・・・お金なら払う・・・いくらだ・・おい!!!」


チンピラがニヤニヤしながら沖田の顔を見る
そして、両手を広げた・・・・そう十万だと
  1. 2014/11/13(木) 00:15:37|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第69回

時刻は午前零時を指した
地方議員選挙で与党大敗のニュースが流れている
地方選挙とはいえ首都におけるこの結果は、一時代の終焉を告げ、我が国の政治・経済・社会の大転換のうねりの序章だろうか?
それとも、無責任な連中による混沌社会の第2幕か?
いずれにしても、既存の制度や価値観の破壊が始ったと言える
大衆の意志は明らかに、我慢の限界を示していた



酔いで空ろな目をした中年の男が、居酒屋のカウンターを立った
その男を追って同じ居酒屋を出る若いチンピラがいた

「・・旦那・・・遊びませんか?・・旦那・・本当にいい女なんですぜ・・旦那」

中年の男は声の方に振り返る


「歳は30を過ぎていますが・・・・女盛りのいい女・・・ほれ、この写真」

均整のとれた女のヌード写真
バストは大きくはないが、形良く突き出ている
脚は長く、女の下腹部には多めの漆黒の繊毛が光る
両手を縛られ吊るされているようだ
酔った目が写真の女の顔に焦点をあてる

(伊藤さん?!・・・この女性、伊藤瑞希にそっくりだ)


「こ、こ、この女性・・・・」

「ええ・・まだ、この奥さんは一度もお客は取っていないんで・・・
旦那がお初になりますが、お気に入られましたっすか・・・いい女でしょう」

「どこにいるんだ!・・・この女性は」

「まぁまぁ・・旦那、夜はこれからですぜ・・・そう慌てずに」


伊藤瑞希がいた!間違いない!
渡された写真に目が張り付いている


「旦那・・・相当、気に入りましたね
 この奥さん・・訳ありでね・・・・無茶はできないんで
 その・・・逝くところをね・・・うーん・・鑑賞するってことなんですが・・」

「そんなことはどうでもいい・・・早く連れて行け・・この女性のところに」

「まぁ・・その・・うーん・・お触り程度なら何とかなんですが」

「何を言っているんだ・・・早く連れて行けと言ってるだろうが!」

「へへへ・・判りました・・・じゃ・・前金で五つ頂きましょうか」


中年の男は沖田元課長
チンピラは瑞希に逝かされたあの若造

その沖田がチンピラの後をついて行く・・・・・・・・
  1. 2014/11/13(木) 00:14:27|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第68回

 新藤は若い美樹の胸に顔を埋めている
 やんちゃな小僧が、駄々を捏ねるように頸を振る


 「さあ元気を出して・・・あなたは強い男よ
  何といっても、この県の筆頭副知事・・・あなたにできないことはないはずよ」

 「・・・しかし、相手はヤクザ・・」

 「ヤクザがなんなのよ・・あなたには警察も動かせる力がある」

 「警察の力?・・・・しかし、警察がこんな私の味方になってくれるもんか!
  はやり駄目だ・・・・もうおしまいだ・・・」


 新藤の腕が美樹の柔らかな腰に回る
 顔を上げ、美樹の首筋に口を添える


 「落ち着いて!どうしたの・・・副知事!
  冷静で沈着、そしてカミソリの知恵は何処へいったの・・・・・」


 美樹は気が付いていない・・・
 今、色魔が蘇りつつあるのを
 新藤の手が美樹の尻肉の感触を味わい
 目が輝き、活きの良い若い獲物の匂いを嗅いでいることを
 美樹の耳元で、色魔が囁く

 「助けてくれ・・・美樹・・・・助けて」

 「大丈夫よ・・・絶対に・・・何とかなるわ・・・絶対」


 美樹は今でも、学生時代からの彼氏と組んで混合ダブルスのバドミントン選手だ
 足腰の筋肉は引き締まり、贅肉などは一切ない見事な肢体
 オフェンスとデフェンスの息の合ったコンビネーションで相手を圧倒し
 強烈なスマッシュを相手陣地に叩き込む
 美樹は不屈の精神力をもった女性である
 
 新藤は、駄目だ、助けてくれ・・と呟くと同時に
 美樹の肢体に手を回して、その感触を確めている
 それに、美樹は気付かない、いや・・・気付けない
 この女性はまだ男とそんな経験がない


「美樹・・・助けてくれるんだね?・・こんな私を」

「ええ・・・このままでは、表が裏に負けてしまう」

「有難う・・・美樹くん」

 新藤は体勢を変え、獲物を逃がさぬようにしっかりと女の腰を引き寄せる
 そして縋るような目で女の顔を仰ぎ、唇を求めていく・・・
 美樹の目が丸くなった瞬間・・・新藤の頬に強烈なスマッシュが叩き込まれた


「なにを考えているの!こんな時に・・・このお馬鹿さん!」
  1. 2014/11/12(水) 11:51:09|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第67回

(気付かれていた!?
 あの夜、副知事と遼子さんの情事を私が覗いていたこと・・・)


「・・・・忘れ物のバッグを取りに返った時、偶然にお二人の関係を・・」

「やはりそうだったんだ・・・翌日からの君の態度が変わったからね
 ・・・私は人でなしの最低の男だ
 誠実な部下を出汁にして、自分の出世のために女性関係を清算しようとしたと思っているだろう?
 でも、私は本当にお似合いだと思ったんだ
 結果的に、沖田君が大変不幸なことになってしまった
 それだけじゃない・・・・瑞希君も・・
 これを見てくれ、ヤクザな連中が私を脅して来た
 ・・・もう、私はおしまいだ・・・天罰だよ」


 新藤が分厚い封書を、机の引き出しから取り出した


 あの新藤が頭を抱えたまま動かない
 美樹はまず、沖田からの手紙を読み
 続いて、新藤を脅しているという封書に目を通した

 その封書の中には
 スレンダーな美女のヌード写真・・・両手をお腹にあてている
 それと、一枚に綴られた手紙があった

  『あなたの不倫相手を大切に預かっている』
   女性の名は、伊藤瑞希・・・・妊娠四ヵ月
   お腹の子の父親は新藤進・・・・あなただ!


 若い美樹はパニックになる
 素敵な大人の男・・・一度はそのように憧れもした新藤
 それが遼子ばかりでなく、前任秘書の瑞希と肉体関係を持ち、その瑞希が妊娠している?!
 憤りで頭の中が煮えくり返る
 新藤は頭を抱えたまま、先ほどから動かない
 更に文章の先を読んでいく・・・

 『あなたは、来春の知事選の準備で大変お忙しいでしょうから
  あなたに代わって、子を身ごもっている瑞希さんの世話をさせていただく
  でも心配はご無用に・・・都度、記録写真はお送りします
  あなたは、私たちの利益のためにも
  是非とも、来春の知事選には勝利していただきたい』

悪の組織が知り得た情報を、脅す相手に第一報を送ったという内容だ


「副知事・・・副知事!事実なんですか?・・・・この内容」

「・・・・・・判らないよ・・・赤ちゃんだなんて・・」

「もうなんて人なの!・人妻であった瑞希さんとも、関係を持ったのですね」

「彼女が・・彼女の方から私を・・・」



 美樹の怒りの目が、副知事の新藤を射る


「不潔!不潔よ!なんて不潔!・・・沖田さんや、瑞希さんのご主人に謝りなさいよ」

「本当に、すまないことをして、申し訳なく・・・」

「なに、私に謝っても!・・・どうにも」

「ああ・・・わかっている、でも今は誰かに謝り、心から叱って欲しいんだ」

「馬鹿ね・・本当に馬鹿・・・でも、こんな脅しに屈するわけには・・・」

「・・・・でも、駄目だ・・もう、駄目だ・・・私を助けてくれる人なんかいない」


 向かうところ敵なし、明朗で頭が切れ、精悍な男・・・
 この県のホープ、希望の星との評判を得ていた新藤が、若い秘書から叱られている
 

「あぁぁぁ、もうぅ・・・」

「だらしがないわねぇ・・・男でしょう!あなたは!
 あなたの罪は罪として、今は闘うしかないのよ・・・そして助け出すの、瑞希さんを!」

 どうしてこんな時の女は、強いのか・・・
 美樹がうろたえている大人の男を抱きしめている
  1. 2014/11/12(水) 11:50:26|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第66回

 海の中の空港、そこを飛びたつジェット旅客機が瞬く間に消えていく
 県庁舎七階の副知事室から、遠くの青い水平線を眺めている男がいる
 その男の顔を、瀬戸内に沈む夕陽が赤く染める
 来春の知事選挙の本命候補者でもある、この男
 前途は揚々、しかし以前にも増して愁いは濃くなっている


「新藤副知事・・・・お帰りにはならないのですか?」

「ああ、もう少し・・・・あの海を眺めていたい」

 美樹が珈琲を差し出す
 若い秘書の白い指が新藤の視界に入る
 入れたての芳しい香りが漂った


「沖田課長さんはお気の毒でした・・・あんなに喜ばれていたのに」

「ああ・・・そうだね」

「何も・・・県を退職されなくてもよかったのに・・」

「それは無理だ・・・・彼はプライドの高い、誇り高き本県幹部職員
 知り合いに招待状を送った結婚式の直前に、花嫁に逃げられたんだ
 彼にとって・・・・・・・これは死を意味する」

「あの遼子さんには、お好きな人でもいらしたのでしょうか?」

「・・・・さぁ・・・どうだかね」


(何を惚けて・・・あなたが原因じゃない!!)

 美樹の射すような視線が、新藤の横顔に向けられる
 偶然にも、遼子と新藤の関係を知ってしまった美樹
 汚れた社会を知らない清純な女性
 そのプライドと公務員としての正義感が沸々と煮えたぎる
 この聡明であまり男経験のない美人秘書は、まだこの男の怖さを知らない


 珈琲を口につけた新藤に、差出人の名がない「親展」の手紙が目に留まる

「美樹君・・・この手紙は?」

「はい、先ほど総務課長が直接持参され副知事にと・・・」


 封を切り、文面に目を通す新藤の顔色が変わる
 退職した沖田からの手紙であった



『私に天罰が下ったのです・・・』で始る文面

 切々と心情を訴えている・・・・・
 自分は、瑞希の失踪時にGPSで彼女の居場所を知っていた
 にも拘わらず、そのことを上司の新藤に報告せず、瑞希を見捨てた
 人として、やっては為らぬ裏切り行為を自分は犯したのだ
 この度の自分と遼子との婚約解消の原因は、この悪行の報いだと
 このままでは、人として生きて行けないと思い
 県を退職し、瑞希を探したが・・・既にその場所は引き払われていた
 周辺での聞き込みから
 使用していたのは、いかがわしい男たちと恐らく瑞希と思われる若い女
 自分の力では、もはやどうする事もできず
 新藤の力をもって、瑞希を助け出してくれるように真摯に訴えているのだ



 手紙を持つ新藤の手が振るえ、目に涙が滲む
 美樹は何事かと固唾を飲んでいる


「副知事・・・どうかされましたか、副知事・・・」

「美樹君・・・これは沖田君からの手紙だ
 君は知っているね!・・・私と遼子の関係
 君は私のことを最低の人間と思っているだろうね・・そう、私は全く酷い男だ」
  1. 2014/11/12(水) 11:49:39|
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春が来た 第65回

  美樹は料亭の玄関のところで、バッグを忘れているのに気が付いた
  どうかしているわ・・・私

  二人の部屋に取りに戻るのは躊躇したが、置いて帰るわけにもいかない
 

  廊下に、「あん・・・」と女の切ない一声が響く


  (えっ・・・なに、今の・・・・・・・)

  「あぁぁぁん・・・・うん・・・・・」


  美樹は理解した・・・襖の向こう側の状況を
  部屋にはもう入れない・・・溜息を付き、帰るために背を向けた

  「進さん・・・お願い、もっと・・ねぇ・・もっと」


  あの愁いを身に纏ったセクシーな上司
  あの人が女を抱いている・・・・どんな風に?


 「あーん・・・駄目、駄目・・・あーん・・もう」


 美樹の鼓動が激しく鳴る、熱いものが肢体に流れ出す
 手が恐る恐る、襖を押し開けた・・・・・・
 先ほどまで女の身を締めていた鮮やかな帯
 その帯が絨毯のように延び、部屋の暗闇の中で白い女体が揺れている
 男は悠然と、敷かれた蒲団の上で寝そべり
 その分厚い男の胸に手をあて、女がゆっくりと腰を降ろしていく


 「ああぁぁ・・堪らない・・・・いい」


 女が快楽を貪り始めた
 腰が浮く・・・そして、沈む・・・また、浮く、そして沈む
 美樹の視線の先には、黒光りする剛直
 女の艶液で濡れ、光り・・固く、太くそして長い
 その剛直を包み込むように、白い透き通るような・・女の白い太腿と美尻


 「進さん・・・こんな女・・・こんな私にしたのはあなた
  私、先に逝きそう・・・逝かして、いいでしょう?」


 男は応えず・・・女の顔を見つめている
 女は目を瞑り、男の剛直を膣奥深く受け入れ
 腰を緩やかに振り続け、顎を上げ天を仰いだ


 「あ、あぁぁぁぁん・・・・」


 その声が、その場から立ち去る美樹の背に覆いかぶさる
  1. 2014/11/12(水) 11:48:44|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第64回

遼子の親密な接客が続く・・・
自分だけが蚊帳の外で、美樹は居た堪れなくなった

「あの・・本部長・・・本部長!」

遼子が涼しげに若い美樹をチラリと見た


「どうした?美樹ちゃん」


美樹が不機嫌そうに新藤に告げる

「私、用事を思い出しました・・
 本部長にはお相手がいらっしゃいますので、お先に失礼します」

美樹がサッと席を立つ
新藤の言葉も待たずに部屋を出て行ってしまった
新藤の口がポカンと開いている


「進さん・・・ふふふ・・・ああ、面白い
 色っぽい瑞希さんの後に、今度はあんなに若い娘さんを秘書にして
 さては、悪い事を考えていたんでしょう!
 さっさと帰られちゃって・・・・ふふふふふはははは」

遼子は二人きりになったことで、より大胆になってくる
愛しい男を、あの瑞希に取られた
一人で悔しい酒を浴びるほど飲んだ
そんな心情のところに、沖田からのプロポーズ
熱心に口説かれ、断れなかった
しかし・・・自分に女の喜びを気付かせたのは・・この男だ
身も心も捧げて悔いのない、唯一人の男
やはり、離れられない・・・・どうしてもこの男の側にいたい

「進さん・・・私、もう決して妬いたりしない
 嫌な女になるのは・・・もう懲り懲り
 あなたが、どんな女性と遊ぼうとかまわない
 ねぇ・・お願い・・私もあなたの側において下さい
 それでいいの・・・私はそれだけで・・・・」


遼子の白魚の指が踊る
愛しい男の股座に伸びていく
今のこの逢瀬を逃さない、精一杯尽くして・・男の心を?ぎ止めたい

「遼子・・・お前・・」

女が男の口を吸い
男がそれに応える
互いに相手を知り尽くした男と女

遼子は新藤の部下との再婚を目前にして・・・
これが自分の運命と信じ、再び愛欲の世界へ戻っていく
  1. 2014/11/12(水) 11:47:30|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第63回

芝田美樹が上司である新藤の横顔を眺めていた

知事の信頼が厚く、次の筆頭副知事内定者
学歴も一流、財力もある・・・・今、この男の進む道を妨げる者などいない
精力的に仕事を片付け、部下からの人望も集まっている
今、まさに天地人・・・此処に整ったというところか
だが、何故だろう・・・・仕事の合間に時折見せる「愁いの表情」
それが若い美樹には、たまらなくセクシーな大人の男に映る


「本部長、先ほどお見えになった伊藤さんは、私の前任者の・・・・」

「えっ・・ああ、瑞希君のご主人だ
 瑞希君が事件に巻き込まれたのか、行方知れずらしい・・・
 我が推進本部の力を以ってしても、見つけ出すことは不可能のようだ
 辛いことだが・・・ご主人には失踪宣告も考えておかなければならないと言っておいた」

新藤の目が、そうですかと頷く美樹の胸元に視線がいってしまう
まだ恐らく男には触れられていない若い女の乳房
この男が大事の前に、自らに科した女欲の禁止もそろそろ限界に来ていた



「ところで、美樹ちゃん・・・今夜は予定があるの?」

「はい?!はい友達と・・・うーん、でも・・・何でしょうか?」

美樹は週末には必ず、大学時代から付き合っている彼氏とデートをしていた
それに・・・新藤に対する警戒心など微塵もない



「よければ、食事でもと思って」

「お食事ですか?奢ってくれるんですね、本部長・・・・それじゃ、甘えちゃうかな」

「有難う・・それじゃ、私は若い美樹ちゃんから少し元気をもらうとしよう」

この男の先ほどの愁いは何処へ行ったか・・・新藤は美樹にウインクをした
美樹もふざけて、投げキッスを新藤に返す



ここは新藤の幼馴染のお恵が営む料亭


部屋に運ばれてきた豪華な料理を前にして、新藤と美樹が向かい合わせで乾杯をしたところだ

「進さん、お久しぶりです」

着物姿の遼子が挨拶をした


「やあ、遼子ちゃん・・・いや、もうすぐ沖田夫人か
 この度はほんとうにおめでとう・・・・・幸せ一杯で顔が輝いているよ」

「まあぁ、進さんたら」


遼子が新藤の側に侍り、お酌をする
親しげに新藤のネクタイに触れる
甘えるような仕草で、新藤に語りかける
そして、新藤の手をとり頬に当てる
美樹の存在が消えているような二人だけの世界を創りだす


(淑やかで綺麗な人!・・沖田課長の新婦になる人なんだ
 でも嫌だわ・・本部長への接し方はあまりにも節操が無さ過ぎ)
  1. 2014/11/12(水) 11:46:17|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第62回

「奥さん・・・はやり相当教え込まれているな・・・真男に
 私のお尻の穴を責めて来るとは・・・流石に驚いた、いや・・感動もんだ!」


瑞希の渾身の奉仕は、この老人の「助けてやる」の一言が効いている
何年か振りに、精の放出を遂げた年老いた怒張
その怒張が、孫のような瑞希の口で清められている
老人の手は瑞希の顎から肩、そして乳房へと下る

「やはり・・・上玉だ
 奥さん、その様子じゃまだまだ足りないよね・・・男の精が!
 さて、次の注文だ
 今、待たせている、あの若いチンピラの精を全部吸い取るんだ
 あいつは一晩で三回は射精できる
 私の代役で、女に突っ込むだけしか能がない若造だけどな」

「そんな男の相手なんて、嫌です・・・あなただけで助けてやるとの約束でした」

「ああ、そのとおりだよ・・必ず助けてやる
 だが、此処にいる間は私を惚れた男と思えとも言った
 その真男の命令だ・・・・あのチンピラの精を食い尽くせ!
 搾り取る前に、奥さんがダウンしたら・・ご破産だ
 おーい・・待たせたな、この奥さんを好きにしな
 ただし、お腹に子がいることを忘れるんじゃないぞ」

「そんな・・・嫌・・」


筋肉マンのチンピラが部屋に入ってくる
扉越しに漏れてきた女の艶声で、この男の怒張の先からは涎が垂れている

「それじゃ師匠・・・相手をさせてもらいます」

「ああ・・・そうだ、お前に一つヒントをやろう
 この奥さん、立ちバックが効きそうだ
 若造!負けるんじゃないぞ、ハンディをやったんだからな!」

チンピラが瑞希にしゃぶりついていく
師匠のアドバイスに従い、忠実にバックから攻める
この若造も強兵だ
揺れる乳房を優しく撫でると思えば、強く揉みたてる
乳首を転がし撥ねる
そして、リズミカルな挿入、深く、浅く・・を継続する
だが・・・


「うーん?奥さん・・・奥さんの此処が!!あっ・・ああ」

「おい!早すぎるぞ・・・お前」

老人が目を細めた
自分の目に狂いはない
間違いなく名器の持ち主、それも誰かの手によって磨かれている
見ろよ、この腰の振りよう・・・・
男の精を欲しがる雌、精を出したがらない雄
その凌ぎあいを幾度となく経験し、術を身につけた女体
この勝負は見えていた


瑞希は第二の注文も突破し、シャワー室で肢体の汗を流している

「師匠・・・すみません・・・こんな女、初めてです」

「ああ・・・そうとも」

「師匠!こんな良い女を逃がしてやるんですか・・・残念です」

「馬鹿かお前!情でも移ったか!何年一緒にこんなことやっているんだ」

「それじゃ・・・師匠」

「ああ、そうだ・・・義理や人情や道徳など、もうとっくに無いだろうが俺たちに
 女に食らい付き、搾れるだけ搾り尽くす・・・そうだろ若造!
 ただ、奥さんの心は壊せない、そんなことしたら客が喜ばない
 身も心も組織に忠実な女に作り変えてきたんだろうが?
 考えるんだ堕ちる方法を・・・そうだ、奥さんの周りを調べて来い!関西に行け」
  1. 2014/11/12(水) 11:42:30|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第61回

(妊娠!?・・・まさか・・・でも、でも、それならあの人の・・・)

「近頃はやたら薬や電動機器を使って、女を嬲りたがる輩が増えてきた
 馬鹿な奴らだよ、それでは女をオモチャにはできても、真の美しさは引き出せない
 女は可愛がり褒めて育てるもんで、オモチャにするものではない」


「あっ・・嫌!」

老人の二本の指がつんつんと陰核を抓っている



「うん?・・敏感だなぁ、それに声色がそそるように良い・・
 次は、中に入れるぞ・・・・どうだい、この辺りかな?」

「あーーん・・・もう、やめて!」

「此処か?此処なんだ!・・・それにしても」



老人の口が瑞希の乳房を襲う、乳首を吸いたてる

「堪らんなあ・・・あなたが醸し出すこの色情がこんな老人をも・・その気にさせる
 この乳首に、この私が自然と吸い付いてしまう・・・・・・・」

「ねぇ、お願い・・無茶なことは止めてください
 妊娠しているなら・・・お腹の赤ちゃんに・・・・・」

「そうだった・・・妊娠しているんだった
 ふふふふ・・・しかし、飛び切りの良いネタを仕入れたもんだ
 奥さん、あなた・・もしかして、ご主人以外の男がいるね?
 ご主人一人だと、こんなに良い女には到底なれない
 惚れた男がいるんだろう?お腹の子の父親だろうなぁ・・その男が」

「・・・・・・・」

「まぁ、そんなことは・・・我々にはどうでもいいが
 一つ、いいことを教えておいてやろう
 此処では、私をあなたの惚れた男と思って尽すことだ
 それが生き延びる術・・・決して悪いようにはしない
 お腹の赤ちゃんが大事と思うなら、なお更だ・・・・」

瑞希が小さくイヤイヤと頸を振る



「おい、お前・・部屋から出てろ!
 お前にも抱かせてやるから、外で待ってろ
 今から、この奥さんと何年か振りにしっぽりと姦りたいんだ
 奥さん!・・今からが肝心だ、あなたの覚悟を見せてもらう
 この私から、精を一滴でも絞りとれたら・・・・助けてやるよ、必ずな
 奥さんと、お腹の子を賭けて頑張ってみな」


若いチンピラが渋々部屋から出て行く
老人が瑞希を縛り付けている紐を解き始めた
わが身と子を守ろうとする母の白い女体が
老人の巧妙な手管によって蹂躙され、食い尽くされていく・・・


「それにしても・・・この唇といい、この乳房といい・・」

老人の手が唇を撫で、乳房を掴む

「さあさあ・・・奥さん、まずはコレを何年か振りに立たせてみぃ」
  1. 2014/11/12(水) 11:41:47|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第60回

此処はいったい何処?
男たちの言葉使いからして関東地方に違いない
瑞希は暗い部屋のベッドの上で、両手両脚を縛られ裸で人の字に寝かされている

(まったく!!嫌んなっちゃう・・これからというのに、こんな目に遭うなんて)


瑞希は新藤の特命に従った
自己都合の退職届けを出し、江島に接近
やっとのことで掴んだ江島たちの違法行為
その証拠を沖田に知らせた直後、瑞希は此処へ連れ去られた
持ち物や衣服は全て処分され
もしもの用心として、沖田から渡されたGPS機能付きイヤリングも取り上げられた
今となっては、電源のある内に此処の場所を見つけていてくれることを願うしかない

薄暗い天井に頼りない夫の一介の顔が浮かぶ
その夫には新藤の特命のことは、口止めされ何も話していない
夫は、瑞希が毎日、県庁へ出勤しているものと思っている

(夫には・・・・話しておいた方がよかったのかもしれない)


「どんなことになっても、私が保障する」と言ってくれた新藤
 瑞希の肢体の隅々まで夫以上に知り尽くしている男
 いや、心底までも理解して信頼を寄せている上司
 そして、何よりもこれから権力の中枢に昇ろうとする勢いのある男
 ・・・この男の力を信じるしかない

(お願い・・必ず私を助け出して・・新藤本部長!)




「どうですか奥さん・・・・少しは落ち着きましたかな?」

扉が開き、若いチンピラと初老の男が入ってきた


「西の方では警察が大層ご活躍らしいよ、きっと誰かのリークだね?
 おっ!少し顔に灯がさしたみたいだね
 しかし・・・諦めが肝心だよ、警察の捜査は此処までは到底及ばない
 何故かって?
 江島とかいう・・ど素人が、あなたを本物のヤクザに売り飛ばしたんだ
 そのヤクザから我々があなたを買い取った
 我々がどんな組織の人間か・・そんなこと、ヤクザは全く関知しない
 だから、此処が発見されることはないし、助けは絶対に来ないんだ」

「そんな!?」

「でも・・考えてみれば此処もいいところなんだよ奥さん
 これからあなたを磨き上げる・・・高級な商品としてね
 美味しいバランスのとれた食事に高度なエステ、そして十分な睡眠
 そう・・・・
 家庭のしがらみや形ばかりの夫婦生活から開放され、優雅に教養も身につけながら
 知性のある強い男たちと遊ぶ・・・あなたには、快楽の日々が提供されるんだ
 ただし、あなたに価値のある期間だけだけどね・・・・・・・」

「嫌です!家族の元へ帰してください
 あなた方が私に支払った金額以上のお金を必ず用意しますから」

「ほうう・・・あなたには、スポンサーでもついているのかな?
 それは、後でじっくりと話を聴くとして・・・・・」


初老の男の萎びた指が瑞希の乳首を撥ねる

「嫌!やめて・・」

「活きがいいなぁ、奥さん
 こりゃ良い・・あなたをヒロインにして、まずはビデオを創る
 あなたのビデオを見て興奮する男たちを見たくはないかい?
 あなたを抱きたいと、精と金を惜しみなく注ぎこむ男たち
 そう・・・そんなビデオの主演女優が・・あなたなんだ
 じゃ、私が味見させてもらうよ」

初老の男は入れ歯を外し、瑞希の乳首に吸い付く
同時に、瑞希の陰核を指が嬲り始めた

これまでに何人の人妻が、この男の舌と指の洗礼を受けたことか
顔の表情から逝く時の声、そして肢体の色艶からあそこの感度まで
連れてこられた人妻の女体は徹底的に調べつくされるのだ
若い男がニヤニヤしながらビデオカメラを回している

「おうっ・・こいつは面白い・・・・奥さん、妊娠しているね!」
  1. 2014/11/12(水) 11:40:52|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第59回

今年の夏はお盆を過ぎても残暑が厳しい
関西地方は6月上旬に入梅したものの、雨はほとんど降らなかった
冷房の効いた新藤の執務室
新藤は、10月の県議会で副知事へ推薦されることとなり、現在の仕事の整理に追われていた

「美樹ちゃん・・少し休憩しようか?」

「はい・・・では、冷茶をおもちします」


瑞希の後任に秘書となった芝田美樹が、部屋から出て行く
美樹は25才、人事課からの抜擢である
背が高く、髪はロングで才色兼備の女性エリート職員であった
沖田課長が急ぎ足で入ってきた

「本部長!県警がとうとうやりましたよ・・・江島一派を一網打尽
 売春の斡旋容疑で現行犯逮捕との報告がありました
 これも、伊藤さんからの情報提供があってこそですが・・・・」

「おっ、そうか・・これで彼らは全員、懲戒免職処分だな
 それにしても・・瑞希君はよく頑張ってくれたね」


沖田が皮肉な笑いを浮かべた

「それが・・伊藤さんとは急に連絡が途切れてしまって・・・」

「瑞希君と連絡がとれない?」

「はい、江島もなかなかの曲者
 踏み込んだ時には、伊藤さんの姿が見えず
 どうやら、伊藤さんを別の組織に売り飛ばしたようで
 もしそうであれば、探し出すことは非常に難しいと」

「まさか!?そんな・・・」


新藤の言葉は驚いているが、態度は変わらない

「それじゃ、相討ち!ということか・・
 しかし裏の社会に身を売られたんじゃ、余りにも瑞希君が残酷で不憫だ・・・」

「はい・・・しかし、本部長、彼女は両刃の剣、情けは私たちの為にならず
 これも彼女に泣かされた男たちの恨み辛みが、このような結果を生んだと考えることもできます
 それに・・・・私たちにはもう手の打ちようがないかと」


美樹が部屋に戻ってきて、新藤と沖田にお茶を差し出す

この娘の指も白くて透き通るようだ
自然と、新藤の脳裏に慣れ親しんだ瑞希の肢体が浮かんできた
目の前の美樹の身につけている服が消えていく
瑞々しい乳房・・・・そして引き締まったウエスト、しなやかな長い脚
新藤が深い息を吐いた


「ところで、沖田君・・・君の結婚式の準備は万端でしょうね?」

「はい・・・本部長には仲人をお引き受けいただいて、本当に有難うございます
 この歳になって、遼子さんのような女性に廻りあうなんて、私は幸せ者です」

「ほんとうによかった・・君には、これからも私の右腕として頑張ってもらえるように
 昇進のプレゼントも用意している・・・遼子ちゃんを大切に頼むよ」

「勿論です、本部長のご恩には必ずお応えする所存です・・・宜しくお願い致します」

沖田が退室していく
頬杖した新藤の目が自然と美樹に向けられる
可愛くて良い娘だ
背筋を伸ばしパソコンを操作する姿勢
その娘の顔が瑞希とダブル
着ている服がまた・・・消えていく
形の良い乳房に、この男が舐め吸い尽くした茶色の乳首が息づいていた
  1. 2014/11/12(水) 11:40:01|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第58回

「驚いたよ・・・あのご主人がねぇ」

「でも、それで元気になれるんなら・・・あの朝も」

瑞希の話によると
新藤を自宅に招待した翌日の朝、夫の一介は狂ったように瑞希を抱いたという
前日の夜、一介は酒に弱く、新藤を見送ることもできずに寝込んでしまっていた
接待中の新藤と瑞希の遣り取りや振る舞いが、一介の心に嫉妬に似た感情を生みだし
瑞希が新藤に抱かれている妄想に興奮し、勃起したというのだ


「私、その話を聴いて・・・見られたと思ったわ
 主人がいるのに、台所で私を裸にするんだもの・・・・本部長ったら」

「ああ、あの時は私も興奮したよ
 寝ているご主人の前で君を抱く・・・・なんか、急にそんなことをしたくなって」

「ふふふ・・本当にあなたは、我侭気侭な人」


瑞希はその時のことを思い出して笑った
もうこの男は自分の虜
夫よりも1日の中で、長く一緒にいて意識し合う男と女
夫婦以上の・・・・男女の関係
瑞希の唯一の心配は・・・・・遼子の存在

(この男の中で私は・・・・遼子さんを凌いでいるのかしら?)


瑞希は更に新藤に食い込んでいく

「本部長・・私と二人だけのときは、君は付けずに瑞希と呼び捨ててください
 私・・・・そうして欲しいんです」

「それは・・・・職場でもかい?」

「はい・・・・・・・本部長、それで・・」

瑞希の目が言っている・・・・・あなたの女なのよ・・・と


「・・どうした?」

「今夜の遼子さん、かなり怒っていらっしゃるでしょうね?」

「ああ、そうかもしれない、遼子は一途な女だから」
 
瑞希の手が新藤の太腿に伸びてくる
50歳とはいえ、筋力の衰えない男の両脚
その中心・・剛毛に囲まれた男の象徴
その象徴をしなやかな白い指が弄ぶ


「私・・我慢できない・・・
 あなたのこれで突かれている・・・別の女の人の存在」

「瑞希は、独占欲の強い女だ
 他の女とさせたくないのなら・・・常に私の精を搾り取るように、頑張るんだ・・瑞希」

「まあ・・・なんて強い言葉かしら
 ふふふふふ・・・・・じゃ、もう一度、私に下さい、お願い」


瑞希は再び男の怒張に唇を這わす


男は思った
今夜は長くなる・・・・やりたい事をやらせてもらう
そうだ・・・・・・・・この女の処女の穴を奪ってやるんだ
この女は、きっと私に捧げる筈
夫にさえ与えることなど考えていない処女の穴
それを奪う・・どうなる?瑞希
  1. 2014/11/12(水) 11:39:19|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第57回

「あの人、本部長のことを進さん、なんて言って・・・・ああーん」

新藤の手のひらに納まる瑞希の乳房
その乳房を愛撫する指が、勃起し始めた乳首を捻った


「なんだ?・・瑞希、妬いているのか」

「私には渡さない、だなんて・・・もうとっくにこんな関係なの・・・あうっ!」

新藤の指が今度は、瑞希の女陰を責めだした
欲情している女の陰核を剥き出しにして、二本の指で摘み、転がしている


「ねぇ、お願い・・ベッドで・・・・ねぇ、ベッドへ」

立っていられなくなった瑞希は、白いシーツが張られたベッドへと誘う
シーツに顔を擦り付け、臀部を高く突き出す
もう女の女陰は露で光っている
男は両手で女の垂れ下がる乳房を握り締め、滑らかなカーブを下り
女の揺れる腰をしっかと掴む
男の怒張が女の女陰の入り口をこね回している


薄明かりの中、枕元に置かれた携帯電話に着信の灯が燈る
瑞希の夫・・一介からだ
女は携帯電話に手を伸ばし、男はおかまい無しに怒張を突き入れた


「あなた?・・・私、瑞希
 えっ?・・・ふふふふ、そうよ・・・今、本部長にバックから責められているの」

「!!!」

女の言葉に、男の怒張は動きが止まった

「あーん、嫌!・・本部長、激しすぎる・・ねぇ、お願い・・優しくして、お願い」

男は怒張を女陰深く差し込こんだまま動きを止めている


「どーお?あなた・・・少し元気がでた?固くなってる?
 もっと、聴きたい・・・・・・でも、私、演技下手だから
 ええ!もっと聴きたいの・・しかたないわねぇ」

瑞希が振り向き、新藤に催促する
状況がようやく理解できた男の手が、女の乳房を握り潰す


「やめて、痛い!・・・そんなに強く掴んじゃ嫌・・・
 そう・・そうよ・・優しく、撫でるように
 うーん・・・・気持ちいい・・あーん・・・・・・・」

体位が変わる・・・
男が上から被さり、女の首筋に唇を這わす


「くすぐったいわ、もう・・・でも、気持ちいい
 お願い、そのまま乳首を舐めて・・・そう、そうよ
 あっ!・・・・噛んだらダメ、痛い・・・」

男の指が女の尻穴に伸びた


「や、止めて・・そこは!?・・・・えっ、ううん・・なんでもない
 あん・・あん・・うーーん・・あーーん」

男の舌が女陰を嘗め回し、溢れ出た淫汁を指に擦り付けると
少しずつ、男は女の尻穴の中に差し込んでいく
瑞希にとって初めての経験、美乳には汗が滲んでいる
演技ではない女の淫声・・・それが夫の耳に届けられていく
  1. 2014/11/12(水) 11:38:50|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第56回

「未曾有の経済危機からの脱出~自治体それぞれの挑戦」
 このテーマで開催されている大研修会
 そのメインホールでは、新藤が実践発表を行っていた
 新藤の取り組んでいる「人材育成~職員の意識改革とその対応」への参加者の反響は大きい
 それは、有力県の筆頭副知事内定者
 そして次期知事選の最有力候補者であるとの情報が流れていたためでもある


「お疲れ様でした」

「ああ、瑞希君ありがとう・・・君のお陰で満足のいく発表ができたよ」


実践発表を終え、ホールから出てきた新藤に瑞希が声をかけた
新藤が進み、その後に瑞希が続く

「あっ・・ちょっと、本部長待って下さい」

振り向く新藤のスーツの肩に、しなやかな手が伸びる
服に付いた糸くずをその手が摘む


「気が付くね・・・有難う」

新藤が微笑む
そして瑞希が笑顔で応える
その様子を柱の陰から見つめている女性がいた


新藤と瑞希は研修会場の高級ホテルに宿泊している
公費の旅費ではとても泊まれないホテルだが、新藤は差額を自己負担しても意に介さない
新藤は資産家だ
県職員として得る所得より、個人の財産収入の方がはるかに優っているのだ
夕食の後、今夜も新藤は瑞希をラウンジに誘っている
二人は甘いカクテルを飲み談笑していた
カウンター席の奥に座っている女性が新藤に近づいてくる

「進さん・・・楽しそうですね」


瑞希が女性の顔を見て俯いた
そして、新藤に握られていた手をそっと離す


「遼子じゃないか・・・・どうして此処に?」

「私もたまには生き抜きをと・・・それで追っかけて来ちゃた
 でも・・・お邪魔のようですね、進さん・・・・」

「そんなことないよ・・・・どう?これから私の部屋で飲みなおそうか」

「それより、進さん・・・こちらの綺麗な方はどなたですか?」

「ああ・・私の秘書で瑞希君・・いや伊藤さんだ」

「そうですか・・秘書の伊藤瑞希さん」


遼子が瑞希に鋭い視線を送る
瑞希は流石に穏やかでない
なぜこの場所にこの女性が?
感の鋭い瑞希は思った・・・・この人は私と新藤の関係を疑っている


「進さん・・・こんな綺麗な方がいつも部屋にいらっしゃるのなら
 随分とお仕事が楽しいでしょうね・・・・・・手を握ったりして」

「どうしたんだ、遼子
 疑っているのか・・・ばかだなぁ
 瑞希君の手相を視てあげていたんだよ」

「いいんです・・・そんな言い訳
 今日は帰ります・・・でも、私・・この人には進さんを絶対に渡さないから」


こんな場面になると瑞希の肝は据わっている
瑞希は女の戦いには強い
もう・・この人は私のものよ
そのような目で、遼子を一瞥すると


「本部長・・・遼子さんは帰られるそうですから
 私たちも、そろそろ部屋に戻りましょうよ・・・・
 今日はお疲れでしょうから
 私の下手なマッサージでよければ、させていただきます」

「そうだなぁ・・・少し私も酔ったようだ
 遼子・・・関西に戻ったら埋め合わせするから
 今日は、気をつけて帰りなさい
 それと、この瑞希君は優秀な秘書で、相思相愛のご主人もいる
 君が想像しているよう事は決して無いからね・・・・」


瑞希が新藤と遼子より先に席を立った
その後を追う新藤
二人を見送る遼子は、アルコール純度の高いカクテルの注文を出した
  1. 2014/11/12(水) 11:38:04|
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春が来た 第55回

「嫌です、進(しん)さんと別れるなんて・・・絶対に」

遼子は新藤のことを、名で呼び「進さん」と言っている
沖田が帰った後、新藤が遼子との別れ話を切り出したのだ


「遼子、聞き入れて欲しい
 亡くなったご主人が一人目、私が二人目・・・
 今夜、出会った沖田君がきっと三人目の男となって君を幸せにする
 彼は、君に一目惚れだ・・分かっただろう?
 勤勉、実直・・・・間違いなく、君を大切にする男だ
 美しい君は、亡くなったご主人を未だに想っている・・・
 ・・・彼には、君がきっとお似合いだ・・・・彼は誠実で良い男だ」

「そんな・・・そんなこと・・・私は進さんを忘れられない」


新藤が遼子を優しく抱きしめている


「私も遼子のことを忘れたりはできない
 しかし、私には妻も娘もいて、現実に家庭がある・・・
 こんな関係が続くと、君は永遠に再出発ができないし幸せになれない」

「いいえ・・私は、あなたとこうしているだけで幸せです
 それ以上のことは望んでいません・・・お願いします、そんなこと言わないで」

「そうか・・そんなに私を
 でも遼子・・・・急がなくていいから自分の将来を考えてみて欲しい、いいね」

そう言うと新藤は、遼子と唇を合わせる
舌と舌が絡み合い
今夜の遼子は男の舌を捕らえて離さない

薄明かりの中で、従順な女の裸体が浮かびあがる
男の希望で女が裸体を晒しているのだ
しなやかな腕を後ろで組まされ、豊満な乳房を突き出す
少し両脚を開き加減に後ろ姿を男に見せる
肉付きの好い臀部が男の視線を惹きつける
透き通るような輝きの乳房が揺れ、男の愛撫を誘っている

男はこの女によって強い逞しい男に成長した
女もまた、この男によって女の真の喜びを知った


「遼子・・・一人で慰めているところが見たい」

女は頸を振る
あなたにして欲しいと女の目が言っている

「駄目だ・・一人で慰めるんだ・・逝くところを私に見せてごらん」


しかたなく女は男の命令に従い自慰を始めた
蒲団の上に仰向けに寝そべり
両脚をくの字に曲げて開いていく
片手で乳房を揉み、乳首を抓る
もう片方の手が陰核に伸びていく
少しずつ、少しずつ・・・・息が荒くなっていく


「もういいだろう・・・私の上に跨りなさい」

女が焦がれるこの男の怒張が聳えている
この精で離れられない
この精で別れられない
この精で家庭を求めない
女は、静かにゆっくりと腰を落としていく・・・・
・・・愛しい男の視線は冷ややかに女の揺れる乳房を眺めていた
  1. 2014/11/12(水) 11:37:06|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第54回

ここは新藤の幼馴染のお恵が営む料理屋
新藤に沖田がお酒を注いでいる

「本部長、本当に信用していいんですかね・・・伊藤さんを」

「信用?・・・彼女と我々の間に信頼関係があるのかねぇ」

「しかし、先ほどはあんなに」

「馬鹿だなぁ、君は
 あれ位言わないと彼女は動かないだろう?
 君を証人にした意味が判っていない様だ
 しっかり頼むよ、沖田課長・・・・・」

「では・・・女狐を動かすための方便!?」

「私が瑞希君を秘書にしたのは、こんな働き方をしてもらうためだよ
 両者共倒れを狙って作戦を立てるんだよ、沖田君
 ただ、今の瑞希君は少しまともになりかけているから
 心が少し痛むが・・・・・・・・・・・」

「本部長・・・彼女にそのような配慮はご無用と思います」

新藤は笑いながら、沖田に酒を注いだ


「それはそうと・・・君、独身だったね
 結婚はしないつもりか・・・歳は、幾つだった?」

「本部長、からかわないでくださいよ
 とうとう45歳になりましたが、これはという女性には未だに・・」



すっと、静かに襖が開く
着物姿の美女が三つ指をついて、お辞儀をした
沖田はその女性の美しさに、目が釘付けとなった


「ああ、遼子ちゃん、待ってたよ
 さぁ、こちらの沖田君にお酒を注いであげて」

「はい、初めまして・・・遼子と申します
 沖田様、宜しくお願いいたします・・・・」


遼子は、沖田の側に寄ると、早速お酌をする
着物の裾から覗く白い腕と細い指
沖田は緊張している


「沖田君・・・どうした?そんなに固くなって
 この人はご主人を亡くされて、この若さで未亡人なんだ
 これほどの器量だろ・・・私は過去を忘れて再出発を勧めているんだが
 亡くなったご主人に、未だに貞操を尽くしている人なんだ」

「そうですか・・ご主人を亡くされて・・・」

「遼子ちゃんは、ここの仕事にまだ慣れないし
沖田君、良かったら・・・遼子ちゃんを贔屓にしてやってほしいんだが」

「・・・わ、私のような男でよければ」

「わっはは・・沖田君、肩の力を抜いて・・そう、抜いて
 良かった・・本当に今夜は良かった」
  1. 2014/11/12(水) 11:35:46|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第53回

「瑞希君、どうだろう・・ここは一つ、君の力を貸してくれないか?」

「はい??」

「君なら・・あの江島係長の尻尾を掴めるだろう」

「この私に・・・証拠を掴んで来いと言われるのですか?」

「ああ、そうだ
 用心深く、狡賢い彼のことだ・・・君の身も危険にさらす事になる
 しかし・・・首尾よくいけば、ぐーたらで役立たずの職員を一網打尽にできる
 君が協力してくれるのなら、君の将来は私が絶対に保証する
 今のままでは、瑞希君は一生疑われたまま、光が射すこともない
 どうする・・・瑞希君」

「・・・・・・わかりました、やってみます・・本部長」

瑞希は新藤の本意が判らない
しかし、既に肉体関係を持った男の提案だ、その親近感が同意を促した


「よかった
 沖田君、今のこと忘れないように・・・・君が証人だ
 いいかい・・・昨日の敵は今日の友だ
 目的は一つ・・県民に対して不忠の職員の処分だ、いいね」

沖田は、瑞希との共同作戦は気に入らない・・不服そうな顔をしている
それを新藤は見逃さない

「沖田君、納得がいかないようだね?
 どうだい、今夜・・美味しい料理をご馳走するよ」

「私はそんな・・・・・わかりました本部長、お供します」


沖田が事務室に戻っていく

「本部長・・・私も、沖田課長とは上手くやっていく自信がありません」

「仕事に、好き嫌いなどと我侭は通らないよ
 命令された事を、全力で実行する・・・それしかないんだよ
 結果責任は、上司の私が負うし・・・
 君と私はもうとっくに同志だろう?」

「わかりました・・・そうですよね、ふふふ、本部長とは裏切れない同志ですね
 ・・それで、出張のことですが
 主人が了解してくれました
 お世話になっているから、私の手料理でも召し上がってもらえって」

「そう、出張がOK出たの
 それに、私にご馳走をと・・・・いいご主人だ、有難い、行かせて貰うよ」

「主人の言ったとおりになりました」

「えっ!?」

「それでは・・・この土曜日にでも
 あっ・・土曜日は本部長にはプライベートでお忙しい・・・ですよね」

瑞希の好奇の目が新藤に向けられる
新藤は笑って応えた


「もういいよ、彼女の事は気にしないで
 彼女にも、掴まさせてあげるつもりだ・・・幸せをね」
  1. 2014/11/12(水) 11:34:48|
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春が来た 第52回

沈黙が流れ、空気が淀んでいる
やっと瑞希が顔を上げた

「私は江島係長を訪ねて来られた方にお茶を出しました
 でも、その方達だけではありません
 そこにいらっしゃる新藤本部長のお客様にも、お茶をお出ししました
 江島係長が私に、執務時間中にセクハラをしていたことは
 本部長もよくご存知で、係長の来客の時だけではありません
 私は、嫌で嫌で仕方が無かったのですが、我慢しました
 江島係長はまるでヤクザ男のようで怖かったのです」

「何だって!?・・・みんなは、あなたは触られて喜んでいたと言っているぞ」

「それは違います・・・私は怖かったのです」


沖田は瑞希を甘くみていた

「朝夕、私の車での送り迎えも同じです
 係長の機嫌を取り、職場での不機嫌で粗野な態度をできるだけ
 抑えようとして、私なりにやっていたことです」

「君があの江島の態度を変えようとしてやった事だと!?」

「そうです
 でも、私も甘かった
 車の中でいきなりキスをしてくるとは思いませんでした
 男と女です、力では及ばないのはわかっていますが・・
 この時ばかりは、係長の顔を思いっきり引っ叩きました」

「ほう???・・・口は重宝だ
 では・・・あなたが情事を重ねた福祉局の色男とのことはどうなんだい」

「彼は、可哀そうな人でした
 こんな私に親切、丁寧に接してくれて、いろいろ相談にも乗ってくれて
 奥様が何にお怒りされたのか、私には判りません
 彼は、離婚直後に私に言い寄ってきました
 余りにも彼が気の毒で・・・私も感情が高ぶり、つい彼の思いを受け入れました
 その後、彼は執拗に肉体関係を迫って来ましたが、その時の一度だけ
 私にも家庭があります・・それで、諦めてもらいました」

「な、なんだと・・・」

「ですから・・・私は職場では何も悪い事をしたとは思っていません
 私は生意気で服装も派手、女性職員とも上手くコミュニケーションが取れません
 こんな私の周りに集まるのは、鼻の下を伸ばした男性職員ばかり
 それで、ますます女性職員から疎まれ、私に対して偏見を持って見られていたことは
 私も気が付いていました
 しかし、しかし・・・私は職場において叱られるような事はしていません」

「叱られるような事はしていないだと!」

「はい・・全て私の身を守るためと同情からの行動です
 周りの人が、私を偏見と好奇の目で見ているから
 沖田課長が報告されたように映ったのでしょう
 新藤本部長・・・・本部長は、私の事・・判っていただけますね」

「信じてはなりません・・・この女を」


漸く新藤が目を二人に向けた

「二人とも・・・もう、そのくらいにしときなさい
 沖田君・・・敵が本能寺になってはならない
 ターゲットは、あくまで江島係長とその仲間連中
 彼らにどんなに働きかけても、自発的に職場を去るなどとは考えられず
 我が県民も、そんな対応ではとても許さない
 彼らには、厳しく懲戒免職処分の罰が相当と思うが・・・」

「懲戒免職処分!?・・・それは、証言、証拠の少ない現状では・・」

沖田が力なく、頸を垂れる
  1. 2014/11/12(水) 11:34:06|
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春が来た 第51回

朝早くから、沖田課長が新藤のところへ次なる標的の内偵報告に来ていた

「あの江島係長一派は、全くの下衆どもです
 内偵をすればするほど、悪事が浮かびあがってきております
 あの江島は、上司の職務命令に違反すること数知れず
 特に、同僚の女性職員へのセクハラ、暴力行為も常習で
 セクハラ、煽て、暴力・暴言のコンビネーションで精神状態を狂わせ
 相手が堕ちると、ホテルに連れ込み関係を持つという手口
 この罠に嵌った女性職員は、派手な服装になり仕事は全くの二の次
 所属長からは人事局に早期異動対象者として、報告されています
 彼は、仲間とそんな女性をオモチャにして遊んでいるようです
 ただ、その・・・・・・・・・・」

「ただ?・・・どうしたんだい」

「その・・」

「その?・・・はっきり言いなさい」

「本部長、ここから先は二人でお話ししたいのですが・・・」

沖田の視線が新藤から瑞希の方に向けられた
新藤もつられて、瑞希を見る
瑞希のパソコンを叩いている手が止まった



「彼女も関係があるのか?」

「はい、・・内偵しているうちに判明したのですが
 彼は、そこにいる・・・伊藤さんとも・・その」

瑞希が怒りに震え、沖田を睨みつける


「沖田課長さん!
 はっきりと、言っておきますが
 私と江島係長とはそのような関係ではありません
 なのに、私に関する悪い情報が伝わっているようです
 あなたが調べられた情報を私も聴く権利があると思います
 全て話してください」

新藤は平然として、窓の外を眺めている


「じゃ・・ご本人も話せということですので・・・
 江島は伊藤さんを前の職場の3ヶ月の間、まるで情婦のように扱い
 執務中でも、仲間の連中が訪れるとお茶を出させ
 彼らの前で、お尻をさわるなどのセクハラ行為を行い
 伊藤さん自身はこの事を嫌がるどころか、それに応じ媚を売る態度で接し
 それ故に、仲間連中からも周囲の職員からも江島とできていると噂され
 更にはそれを裏付ける行為として、出退所時の通勤には常に伊藤さんが車で送り迎えをするなど
 誰が見ても疑わしい行為を続け
 目撃情報として、車内で接吻行為をしているとの内部通報もされております」

「情婦だなんて!よくもそんな・・・・」

瑞希の顔は怒りで青ざめている



「本部長!・・このような女性を側に置いておくことは危険で
 即刻、秘書を解任し他部署への異動処置を進言いたします」

「それが真実なら困った事だが、瑞希君・・・反論はしないのか?」

瑞希は、目を細め新藤の足元を見つめたままだ・・

沖田は日頃から瑞希を快く思っていない
虎の威を借りる女狐
狡賢く、生き延びる女
そんな瑞希に、沖田は徹底した内偵を行っていたのだ


「本部長、反論などできるはずがありません
 全て事実でありますし、そのこと大勢の職員が見ております」

「うーん・・・沖田君、一つ確認だが
 車中での接吻行為を通報した者は、匿名だったんだろう?」

「それが、本部長
 あの福祉局の男・・・・先だって自己都合退職を申し出た男
 女に逆上せ上がりその女と情事に耽り、その事で妻から離婚され、挙句にその女から見放された男
 あの男ですよ
 どうも、江島と伊藤さんの噂を聞きつけ、ストーカー行為をしていたようです」

「そうか・・・あの男が」

瑞希は縋るような視線を、新藤に投げかける
それを感じた沖田が言い放つ


「伊藤さん
 もし、あなたが退職を希望するなら
 今、話した情報は全て無かった事として外部には漏らさない
 それが、あなたのご主人やご家族・・・なによりもあなたの為になる
 どうだい?・・・・退職を申し出るだろ?」

沖田はそうしろとばかりに瑞希を睨みつける
瑞希は視線を床に落とし、新藤は目を瞑っている
  1. 2014/11/12(水) 11:33:04|
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春が来た 第50回

一方、伊藤家では瑞希が一介の男根を扱いている
夫の一介は、もともと性欲の強い男ではない
妻の不倫を疑ったあの時は、疑心暗鬼で特別な興奮状態であったと言える
普段の精神状態に戻ると、以前にも増して性行為に興味を示さなくなっていた
それが、瑞希の欲求不満をますます助長している


「あなた・・・」

「すまない、瑞希・・・今夜もその気になれないようだ」

「いいのよ、あなた
 私は、あなたの優しさが好きなんだから・・・
 無理しないで、その内に元気になるから・・・ね」

「ああ、そうだね」

瑞希は夫の頭を抱きしめる



「ああ、そうそう・・
 新藤本部長が関東で開催される研修会で、事例発表をされるの
 それで、私に一緒に行って欲しいって
 私はあなたに相談してからと、返事をしていないんだけど、どうしようか?」

「あの新藤さんだろう・・優秀なスタッフも行くんだろうし
 秘書のお前が、お手伝いするのはあたりまえじゃないか」

「でも、あなた・・・1週間もよ、炊事や洗濯・・・いいの大丈夫?」

「何を心配してるんだ?
 こんな時こそ、親と同居の意味があるんじゃないか」

「じゃ・・・行くって返事するね」

瑞希は夫の髪を優しく撫でる



「新藤さんか・・・あの人はいい人だ、きっともっと偉くなる
 そうだ、一度お前の手料理でも召し上がってもらったらどうだ
 瑞希は、仕事はからっきし駄目だろうけど
 料理は上手い・・・そうしよう、あの人にはこれからもお世話になるだろうし」

「よく言うわね
 でも、この家に来てもらうの・・・来てくれるかなぁ
 本部長は資産家の一人息子でお金の苦労とは無縁の人
 豪邸に住み、一般庶民の私たちとは別の世界の人なのよ」

「心配しないで、あの人を誘ってごらん
 あの人は、そんなこと全然気にしない人だと思うよ
 一度しかお会いしていないが、真っ直ぐで気持ちのいい人だった」

「・・・・あなたが、そう言うんなら誘ってみるわ」


瑞希は再び夫の髪を撫でる
そして、優しく夫の頬にキスをした
  1. 2014/11/12(水) 11:32:15|
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春が来た 第49回

新藤の妻は世間知らずのおとなしい女性だ
資産家の一人息子の新藤とは、お見合い結婚
スポーツが万能で学力優秀な若い青年が、生花、お茶系の淑やかな女性を見初めたのだ
妻の実家も裕福で、親戚には経済界の人が多く、県会議長を務める叔父さんもいる


「あなた・・今日、叔父さんにお食事をご馳走になったの」

「叔父さんて・・・県議会議長の?」

「ええ、あの叔父さん
 その叔父さんがね・・・内緒だといって教えてくれたの
 今の筆頭副知事さんが今期の任期で勇退されるそうなのよ」

「ああ、その噂なら私も聞いている・・・この9月末だそうだ」

「それで・・・その後任にあなたの名前があがっているって」

「本当か?それは初耳だ
 でも、いくらなんでも早すぎるし、先輩がたくさんいるんだから
 きっと、面白おかしく他人が法螺を吹いているんだろう」

「でもね・・どうも、知事さんがその気らしいって」

「知事が!」

「知事さん、今2期目でしょう
 叔父さんが言うには、今の知事は次の選挙には出ないって
 それで、自分の後継を選んでいるらしいの
 知事さん、あなたのことをこれからの人物だとおっしゃていたそうよ」

「そんなこと・・・」

「それで叔父さん、あなたによく言っておけって
 くれぐも、身辺は油断無く、清潔にと
 政治家で成功するには、家庭円満が第一条件
 地盤、看板、鞄と言っていたころと異なり
 今は、女性とのスキャンダルなどは命取りだぞ・・って」

「う、うっん・・・・女性とのスキャンダルだって?
 そんなことできる男で無いことは、君が一番良く知っているだろう」

「そうね・・・あなたは若い頃からそんなことは一度もなかった
 でも、男の人って・・・・最近のあなた、少し・・」

「ば、馬鹿を言うな・・・君は、私を疑っているのか?」

「いいえ・・・だだ、県の幹部になってから少し変わったかなって
 あなた、私たちには結婚前の娘が二人います
 たとえ、遊びであっても私は絶対に嫌よ
 あなた、お願いしますね・・・くれぐれも女性に迷わないようにね」

言いたい事だけ言うと、新藤の妻は寝室に消えた
そう言えば・・遼子と遊びだしてから、妻を抱いていない
それで、妻は・・・・・・

新藤は大きな溜息をつく
新藤は洒落たワイングラスに高級ワインを注ぐと、寝室の妻に声をかける

「おーい、ワイン飲むだろう・・・今、そちらに行くから」

新藤の妻は、45歳・・・清楚で貞淑な女の魅力を備えた熟女だった
  1. 2014/11/12(水) 11:31:28|
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春が来た 第48回

新藤は夕刻近くに戻ってきた
瑞希がお茶を持っていくと、自分の香水と異なる香りが漂っている
気だるそうに、窓の外を眺めている新藤


「本部長、今日も早く帰って家庭サービスされるんですか?」

「うん・・そうしようかなぁ
 昼間に神経を尖らせているから、家に直行してもバタン・キューの生活だけど・・ね」

「ふふ・・本部長
 神経じゃなくって、体力の消耗し過ぎの間違いじゃないですか?」

「言うね・・瑞希ちゃんたら」


瑞希の顔が明るくなった
自分とこの主としか交わせない会話
それを今している・・・

「知事がねぇ・・・
 気分転換に、研修会に行けと言うんだ、関東での1週間の大研修会なんだ
 そこで、今やっていることの実践発表をしろとね
 どう?アシスタントとして君も行くかい?」

「それには、他の職員の方も参加されるんでしょうね?」

「いいや、二人だけだよ・・・初めは沖田君と、と思っていたんだが
 彼、今忙しいから・・・・」

「では・・・主人と相談して、それからでいいでしょうか?」

「うん、それでいいよ」


再び新藤は窓の外を眺めている
既に退庁時刻は過ぎ、隣の事務室は物音がしなくなった
今日の瑞希は白のブラウスに紺のタイトミニだ
その容姿を男にアピールしている

「本部長・・・今日は大変お疲れのご様子ですね
 ・・・少しはお歳のことを考えて、わざわざ出向いてご無理なさらないように」


その言葉に、新藤は目の前の女を射すように見つめ出した
あの時以来だ・・・このムードは
雄が雌を手招きする
瑞希は待っていた・・・
久しぶりに、この男が女としての自分に振り向いている


「随分遠まわしな言い方だな、瑞希君・・・して欲しいのかい?」

「・・・・・・・」

新藤の手がタイトミニから伸びる女の太腿を、ストッキング越しに擦っている
女は甘えるように男の膝に腰を寄せている


「君のこの華奢な肢体を抱きしめ、甘い声を聴き、匂いを嗅ぐと生気が蘇る」


「・・そ、そのようですね・・もう、あなたが、あなた自身が、私をこのように・・・」


「君はなんとも駆け引きの上手な女だ・・・だが、欲しがっているのは君の女だ」


「ええ、そうです・・・もう、もう、これ以上私は待てない」


「ふん・・・やっと素直になったか」


瑞希は男の膝から降りると
本部長の広いデスクの下に潜り込み、男のズボンのチャックを引き下ろす
思ったとおり、あの黒光りしたこの男の怒張が反り返り飛び出してくる
二人の目が交差する
女は匂いを嗅ぎ、舌を這わす
男の怒張が、天を貫くかのようにそびえている


(瑞希、どうだ・・この怒張で先ほどまで、遼子がよがっていたんだよ・・わかるか)

(あなた・・これで、あの女を突いてきたのね・・ここに私がいるというのに)
  1. 2014/11/12(水) 11:30:40|
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春が来た 第47回

県のトップである知事の肝入りで組織化された意識改革推進本部
その成果が見え始めていた
通称「一番隊隊長・沖田課長」が新藤のところに報告に来ている

「本部長、私の担当している職員は口先ばかりのインテリばかりですが・・
 第1号の依願退職の申出者がでました」

「いいぞ、沖田君
 その第1号は誰なんだい」

「福祉局の・・・・・・です
 どうも一人よがりの思い込みで女に走り、妻から離婚され
 相手の女からも見放されたようで・・・・これまでと思ったようです」

新藤の目が瑞希に向く
瑞希は表情も変えずにパソコンを叩いている


「ご苦労様・・・それで、次のターゲットは?」

「はい、支所勤務の江島係長とその仲間
 今、内定を進めています
 あの男は叩けば必ず埃がでる男
 上手く行けば、関係した役立たずの女性職員も一網打尽にと」

「そうか・・・慎重にな、彼は暴力を振るう可能性もある」

「心配いりませんよ、本部長
 私の見るところでは
 あの男は、女や弱い男には嵩にかかって攻め立て、風を吹かしますが・・
 強い男には靡いてしまう、全くなんと言うか
 女の腐ったチンピラやくざのような男・・・絶対に叩いてやります」

「そうだ沖田君・・・その意気だ、頑張ってください」


沖田が出て行くと
再び新藤が瑞希の様子を見た
パソコンを叩く手が止まって、画面を空ろな目で見ている

「瑞希君、どうしたんだ・・最近、少し元気がないようだが」

「いえ、そんなことはないです」

「ご主人とはさぞ上手くいっているんだろう?」

「はい、ご心配なく・・・」

「そう・・・ならいい
 判っているだろうが、先ほど沖田君が話した事、他言無用だぞ
 君に関係した職員だが、知らぬ存ぜぬを通せばいい
 それが・・・・・・君のためだ」


そう言って新藤は瑞希の席の前に来た
大きく胸の開いたブラウス
頸から胸への輝く白いラインに自然と目が走る

「今から出かけますが・・・昼過ぎには戻ります、じゃ」

部屋を出ていくこの部屋の主
この主との情事から一ヶ月
その間に前の男と縁を断ち、瑞希は服装を少し派手目にして
無意識に、この主の気を惹こうとしていた
しかし、この主は全く気にとめない
服装のことも、情事のこともまるで関心がない様子
きっと、あの遼子さんのところへ行ったに違いない
瑞希の胸にチクチクと針が刺さったような痛みが走る
  1. 2014/11/12(水) 11:29:50|
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春が来た 第46回

 携帯の着信音が鳴る
 瑞希はその音で目覚めた

「遼子か?私だ・・・どうした?
 えっ、今夜も逢いたいって?
 そんなに、度々は・・・・うん、わかったよ
 じゃ、いつものレストランで6時に・・・・」

 (あの女性、遼子さんていうんだ・・この人、こんな優しい声を出して)

 瑞希は聞き終えると、再び目を閉じた
 新藤はソファーで眠り続ける瑞希の顔を覗く



「気持ち良さそうに眠っているな・・・いい娘だ」

 ソファーの上で横向きに眠る美女
 女体が男の精を受け、一層艶やかに白く輝いている
 男の手が女の息づく乳房から臍、太腿へと滑る
 そして唇を合わせた


「ううーん・・・」

「おや、やっとお目覚めかい・・・瑞希君」

「はい、本部長・・・・・あら、もうこんな時間に」


 瑞希は起き上がり、散らばっている衣服を集める
 そして、下着から一つひとつ、衣服を身につけていく
 新藤は自分の精を受けた女がする身支度
 それを眺めているうち再び下半身が疼きだした


「瑞希君・・・」


 瑞希は振り返ると、新藤の頸に腕を回して男の目を見る
 男の手が女の腰に回ると再びキスを始めた
 女の下腹部に男の腰が押し付けられ、女に男の気持ちが伝わる
 女はキスを解き、男の目を見つめて頸を横に振る
 しかし、男の手がワンピースの裾を捲くり、パンティを下ろしにかかる
 女は観念したように再び男の口に唇を合わせた
 初めて種付けをした雌に、雄がその味が忘れられずに二度目の種付けを始めた

 

 陽が西に傾いている
 男が女から離れ、衣服を身につける

「すばらしいよ・・・瑞希君
 一日に二度の射精なんて・・久しぶりだ」

「・・・・・・・・・これからどちらに?」

「ああ・・たまには家庭サービスをと思ってね
 あまり、妻を放っておくと疑われては困るからなぁ」


 新藤はそう言って部屋を出て行く


「あっそうだ・・君、妊娠しないように頼んだよ」

「ええ、ご心配なく・・・・大丈夫です・・今日は」


 にこっと笑って男が出て行く
 行き先は妻ではなく別の女のところへ
 自分に何度も絶頂を極めさせた強い男が、背筋を伸ばして部屋を出て行く
 その姿を目で追う女
 瑞希に今までに経験したことのない感情が生まれはじめていた
  1. 2014/11/12(水) 11:28:52|
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春が来た 第45回

既に時刻は正午になろうとしている

「ねぇ・・・お願い、今度こそ一緒に・・お願いします」


女は何度も絶頂を味わっていた
男はまだ一度も果てていない
男は逝きそうになると体位を変化させる
今この男は、好みの立ちバックスタイルで女を突き上げている

「瑞希君、一緒に逝って欲しいんだな?」

「はい・・私、もう・・これ以上は・・・あーんもう」

「なんと、だらしのない女だ、君は!
 この契りの条件を出したのは君の方だよ
 もっと頑張るんだ、我慢したら・・・」

新藤は、遼子との肉交で鍛えあげた怒張で、余裕を持って瑞希の女陰の蹂躙を続行する


「あぁぁぁ・・・もう駄目、駄目です・・・お願い、終わらせてください」

「終わらせる?・・・なんと味気ない言葉だ
 それじゃ終れない、もっと誘うように言ってごらん」


瑞希は頸を振り続け快感に耐えているが、目は朦朧としている
新藤は漸くもう頃合いと判断した
そして、女の耳元でなにやら囁く
すると・・・

「お願いです・・・私を最後にもう一度逝かせてください
 そして、あなたの精をたくさん、たくさん・・・私の中に出して
 お願い、お願いです・・・私と一緒に、一緒に逝って・・・・ねぇ、お願い」

「よく言えたね・・・瑞希君、案外と優秀なんだ君は
 それじゃ、私も君に応えよう・・・・瑞希君、今度は一緒だ
 私の精を感じて、逝くんだもう一度、いいね・・さあ、呼吸を合わせて・・・」


男の突き上げが一段と激しくなる
強く、強く、さらに強く

「あぁぁぁ・・・もう駄目です、あふ・・早く、お願い早く、ください」

「もう直ぐだ・・もう少し待って」

「駄目・・あああっ・・・逝く、逝く、逝きますぅ・・・あぁ」


前かがみに倒れかける女体
それをしっかりと引き寄せ、留めの打ち込みをする男
男の額からも汗が流れ、恍惚となった女の腰をしっかと抱き寄せる
渾身の突きとともに、女陰深く男の白濁の精が放たれた
  1. 2014/11/12(水) 11:27:56|
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春が来た 第44回

女と男が互いの唇を貪るように吸い合っている
男は自分の膝の上に跨った女の太腿を撫で擦っている
女は男のネクタイを外し、ワイシャツを脱がし乳首を甚振る
舌が絡み合い、互いに唾液を相手に送り込む
女が先に飲み込んだ

「あぁぁ・・美味しい・・・」

女が上目づかいに男の顔を見る

(この人、キスは上手だわ・・・・私の送った唾液も合わせて私に送り返してきた)


女は自らワンピースを脱ぎ捨てる
白く輝くスレンダーな女体が男の目に飛び込んでくる
女は背伸びをし、髪を掻き揚げ胸を反る
男の怒張が跳ねた

女はゆっくりとブラを外した
小さいが、可愛いお椀型の美乳が揺れている
男の怒張はズボンの中で膨張を続ける

男はズボンを下ろし怒張を女に見せる

(凄い・・お歳のわりには元気そうな息子さん
 そう、きっとそうなんだわ・・・あの女性、この息子さんに惚れたのね・・)


女が男の前でひざまずく
目の前の男の怒張を口に含んでいく
亀頭部分を丁寧に舐め
竿に舌を走らすと
男の指が乳首を転がし撥ねる
そして乳房を包み込むように揉みたてる
男の怒張は益々固くなり、反りの角度をあげる

(立派だわ・・・太さといい、固さといい・・・何といってもこの色!
 この人見かけによらず・・・・遊んできたのかしら・・・・・・・・)


男は女を見下ろし
女は男を見上げている
女の手がしっかりと男の腰に回されると
既に走り水で濡れる男根を、口内深く味わうように飲み込んでいく

(本部長・・・直ぐに抜いてあげるわ・・うふ、さて・・どんなお味かしら
  1. 2014/11/12(水) 11:27:05|
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春が来た 第43回

 (まさか!この娘に・・・見られていた?)

 瑞希の指先が新藤を玩具にしている
 そして、女の胸元が男の顔に近づいてくる


 「本部長・・・あなたと私・・・同じ匂いがしません?」

 「同じ匂い?」

 瑞希の指が新藤の襟足の髪を撫でている
 ワンピースから見える生肌の白い太腿が
 もう手を伸ばさなくても触れそうなところまで近づいていた


 「同じ匂いって・・どういうことかな?瑞希君」

 「そうですね・・お互いにアレが好きってことかな
  それで・・・ふふん・・配偶者以外に遊び相手がいる?」


 新藤は顔をしかめた

 (やはり・・今朝の遼子といるところを見られたんだ)


 新藤は平静を装い

 「言っていることが良く判らないなぁ
  でも、君にはご主人以外に遊び相手の彼氏がいるんだね」

 「まぁ・・・本部長ってズルイ」

 瑞希にとって言葉のやりとりなどどうでも良かった
 この機会に何としても、この男を自分の庭に引きずり込むことだった

 「本部長、この前、主人と大変だったんですよ
  あなたが、主人にいろいろとお話しされるから・・
  これからは、あなたもそうそう話せないでしょうけど
  あなたは口が軽くてその何というか・・安心できないんです
  それで・・・絶対に私のことを話せないような事実をつくれば・・・・」

 瑞希の左手が新藤の太腿の上に伸びていく

 

 「瑞希君、事実っていっても・・・」

 「ふふ・・・以前、奥様から電話がかかってきて
  中途半端な終わり方・・・私の車の中で・・・お忘れですか?」

 瑞希は男と女の関係においては自分の方が上手だと思っている
 当然、テクニックも駆け引きも・・・・・
 あの時電話さえなければ、この男を簡単に落とせていたと


 「ああ、そうだった・・・確か、席替えの話をしたんだっけ」

 「もう、またそんな
  本部長、いいんですか・・・あなたの女遊びが奥様に知られても
  私は家庭を大事にしているし、あなたもそうでしょう
  お互いに家庭円満が一番大切なんだし、遊びと割り切っている
  だから・・・上司と部下の相互理解と互いの安心のための約束を・・」

 「・・・・・・・・・わかったよ、瑞希君」

 「そう?良かった・・・私、今日は出勤して本当に良かった
  じゃ・・本部長、私の車で何処かいいところへ」

 「いや、ここでいい」

 「ここで?」

 「ああ、そうだ
  一度きりだろうし、愛情のない単なる肉の交わりだ
  私はなにも心配などはしていないが、
  君が心配なら、ここで思うようなところまでの事をすればいい」

 「まぁ・・なんてデジタルな人」

 (ふふふ・・・私と契って平気でいられるかしら、本部長
  甘いわ、あなた・・・・脅迫や金銭などと比べられない担 保・・・ふふふ)


 瑞希は大胆にも新藤の膝に跨りキスを始めた
  1. 2014/11/12(水) 11:26:08|
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春が来た 第42回

 休日の県庁舎は警備員はいるものの閑散としている
 瑞希は警備室のカウンターで入館チェックを済ませると本部長室へ向かう

 「あっ!本部長・・おはようございます
  今日は、ご出勤ですか?」

 「やぁ、瑞希君、おはよう
  少し整理しておきたいことがあってね、それで出てきたんだ
  それより、君はどうして?」


 今日の瑞希はダーク系のワンピース
 それに、ノーストッキングだ
 肌の白さが一層際立ち、その白い腕と両脚が眩しい
 手を後ろに組んで、背筋を伸ばすと自然にバストのラインが強調される
 男の視線がそこに向いているのを、この女は当然に意識していた


 「えーと・・・そう、ひょっとしたら本部長のお顔が見れるかと思って」

 「えぇー?なんて?」

 瑞希はふざけてウインクをした


 「それより、本部長は熱心に何をされているんですか?」

 普段の瑞希でない女が新藤に近づいてくる
 天真爛漫な少女の感覚
 まるでお茶目な女生徒が真面目なクラスの学級委員に接するように
 瑞希は新藤の肩に手を添え、机の上を覗きこむ
 自然と艶やかなストレートの長い髪が新藤の肌に触れ
 この女の香りが男の周りに拡がる


 「あ、あっ・・・これは見ちゃ駄目だ」

 「何でしょうね?それは・・・今、人の氏名と所属が少し見えましたけど」

 「えっ!見たの?」

 「はい!もしかして、それって・・・・・・・」

 「君が気にするようなものではないよ、忘れなさい」


 瑞希はお父さんに構ってもらえない娘の拗ねた顔をした
 そして鼻を新藤に近づけると

 「あれ?うーん、なんでしょうね、この香りは?」

 「香りって?」

 「はい・・本部長のこの辺りから少し香水の匂いが・・これって、女性のつける・・」

 瑞希のしなやかな指が、新藤の襟元を遊んでいる
 新藤は固まった


 「それに・・・本部長、これは口紅の色でしょうか?」

 瑞希の指が新藤の首筋で遊びだした
  1. 2014/11/12(水) 11:25:18|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第41回

 瑞希の車が県庁舎へ向かう
 朝方は晴れていた天候が、下り坂となり雨が降り始めている
 瑞希は今朝の夫との会話を思い出していた
 
 (新藤本部長と上手くいってるか?って
  ほんとにどうなのかしらね・・・・・・・はぁ?)

 瑞希の目に二人の男女の相合傘
 歳の離れたカップルだ
 若い女性が紳士の腕を手繰っている

 (まあ・・・仲がよろしいこと・・ふふっ)

 女性が親しげに男性の耳元でなにやら囁いている
 横断歩道のところで立ち止まり、別れのキスを男性の頬にした
 女性が傘を広げ、男性を見送っている

 (・・・いいわね、ほんとに・・・仲が良くて)

 瑞希は別れると決めた、遊び相手の男のことをおもい浮かべた
 その男が離婚した時からもう遊びではなくなっている
 彼とは夫に気づかれないうちに別れなければ
 あの人、遊びなのに本気になっちゃって・・・もう
 
(彼とは今が潮時ね・・・・・・・あっ、あれ!?)


先ほどのカップルの男性が、瑞希の車の前を横切っていく
落ち着きのある、スマートな紳士
傘を持ち正面を見据えて歩く男、その横顔が瑞希の目に映る

(えっ・・本部長!新藤本部長・・・・まさか!)


先ほどの女性は、年齢からして奥様ではありえない
前を通り過ぎていく紳士の行き先は県庁舎の方向だ
その姿を凍るような視線で見続ける瑞希がいた
  1. 2014/11/12(水) 11:24:23|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第40回

 瑞希が夫の一介のためにキッチンでモーニングを作っている
 なにやら鼻歌が聞こえてくる・・・ご機嫌だ
 その妻の後姿を一介が眺めている

 ミニのスカートから見えるすらりとした白い美脚
 特にふくらはぎの形が良く、足首が締まり女の魅力としては十分だ
 瑞希は妻、母・・・ではなく、まだお嬢をしている


 「あなた、今日ね、私・・仕事の整理を少ししたいので出勤するわよ」

 「えー?また・・気分転換か?」

 「違います!出勤の命令はされてないのだけど
  知事さんも覗きに来るし、本部長は何か思案中の様子だし
  私は、いままでまともな仕事をさせてもらってないでしょう
  だから、まだ今の職場が何をするところなのかも良く判らない
  でも何故か・・・じっとして居れないの」

 「ほう・・お前が仕事をする気になった?
  本部長って、確か・・あの新藤さんだろう」

 「そう、前の所長の新藤さん
  知事がお気に入りの様子だし、まだ50歳だから、出世しそうね・・」

 「お前、その新藤さんの秘書なんだろう?
  で、どうなんだい・・新藤さんとは上手くやれているのか?
  以前お会いした時の感じでは、相当お前に悪い印象をもっていたように・・」

 「ええ・・前の職場ではそんな感じもあったわ
  でも・・うーん・・良く判らない
  今は少し、何と言うか・・落ち着いたと言うか、大人になったと言うか」

 「馬鹿か?お前
  年下の若い女の秘書が、上司のことを大人になったって?」

 「ふふふ・・好いじゃないの、家の中での話だし
  大人といっても・・・・いろんな意味があるから」


 こんな夫婦の会話をしながら、朝食をとるのは楽しい
 一介はこれも新藤のお陰かも知れないと思った

 久しぶりに妻が着ていくワンピースを鏡の前で選んでいる
 やはり、女だ・・・・
 瑞希が元気に前向きに明るく出勤する
 このことは、夫の一介にとってもとても嬉しいことであった
  1. 2014/11/12(水) 11:22:51|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第39回

「あっ!・あぁぁん・・うぅん・・強い、強すぎる」

壁に両手を付き、下半身を丸出しにした女が叫ぶ
男に脱がされたパンティは膝の辺りに引っ掛かり
白い艶やかな光を放つ女の尻肉を
抱え込むように、男の腰が張りつき
怒張を突き入れたまま、先端で子宮口を擦っている


「遼子・・・立ちバックはそんなに気持ちいいのか?」

「ええ・・あなたのモノが硬くて大きいからなおさら・・・・あぁぁ・・ん」

男が揺れる女の乳房を鷲?んでいる
男の動作はゆっくりとしたピストン運動に変化した


「ねぇ・・・私、もう・・もう・・逝っていい?」

「そうか・・もう逝くのか、遼子」

「ああぁーん・・・もう、あなたったら
 逝く、逝く・・・・逝くう」

男は女の膣奥深く、ゆっくりと怒張を打ち込み続ける・・・


 深夜遅くまで逝かされ続けた女が、男の胸で寝息をたてている
 強い男は既に目覚めている
 そして、男の片手が女の黒髪を撫で、もう一方の手が背中から臀部を擦っていた

 もうこの男には、妻以外の女を抱くことの不安や迷いは微塵もない
 50歳を過ぎてから初めて知った女遊びにのめり込んでいる


 「そろそろ起きるんだ・・・遼子」

 女は、地位も財産もある逞しいこの男
亡夫では感じることの無かった快感を与えてくれた男
そんな男に、愛のような感情さえ芽生えはじめていた


 「うーん・・・・もう、朝ですか」

 「ああ、朝だ」

 新藤は遼子を下にして被さっていく
 女の首筋を唇でなぞる
 しげしげと女の顔を覗き、唇を重ねる
 女が男の唾液を飲み込んでいく

 「はぁぁん・・・」

 新藤は遼子の豊満な乳房を握りつぶす


 「痛い・・・・あん!!」

 「遼子・・・昨夜は何回逝ったんだい?覚えているか」

 「わからない」

 「ふん!・・・よーく、分かったよ、君がどんな女かがね」

 「どんな女なんですか?」

 新藤はそれに応えず、再び唇を求めていく
 女は、自分を何度も昇天させた逞しい男の塊に手を添え
自らの女陰に導いていく
 窓から差し込む朝の光が、性の快楽を貪る二人の男女を浮かび上がらせる

 「あはーんんん・・・・素敵・・・あぁぁぁ・・また、逝くぅ」
  1. 2014/11/12(水) 11:21:46|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第38回

知事が部屋を出て行くと
新藤はふうーと息を吐き、窓の外の景色に目を移した
その窓ガラスに女の顔が浮かんでくる

(駄目だ、また瑞希のことを考えている)



瑞希が部屋に戻ってくる

「すまないね瑞希君、知事は出かけられた
 折角だから、休憩しよう・・・君も一緒に」

瑞希は、煎れたての珈琲を応接テーブルに置くと新藤の斜め向かいに腰を降ろす

「あのう・・本部長」

「なんだい?」

「服装のことなんですが・・・・スラックスでないと駄目でしょうか?」

「うーん、そうだなぁ
 暫くはそのままの方がいい
 その服装、似合っているよ、君に
 細身で、背も高く、スタイルがいいから
 それに何よりも、暫くは忙しく動き回ることが多いので実用的でもあるしね
 そうだ、そこの大きい方の花瓶をあそこに移してごらん」

その花瓶は大きくて少し重量がある、瑞希は踏ん張る姿勢をとると
スラックスのお尻の部分にパンティラインが浮かぶ
新藤の視線がその細くなったところに吸い寄せられる
新藤は瑞希に近づき、腰の部分に手を添える

「ほら、ふらふらしないで、ここに力を入れる!」

「はぁっ!?」

瑞希の両手は花瓶を持ち上げたままであるのをいいことに
新藤の手は、そのままパンティラインに沿ってゆっくりと動く
瑞希の耳たぶが朱に染まる

「本部長・・・」

「えっ?
 あっ、ごめん・・・
 こんな動きにしても、スカートだと少し無理があるだろう?」

新藤の手は臀部の感触を楽しみ、太腿に移る
無遠慮な男の両手は、バックから瑞希の腰を捕まえる

「ゴルフスウィングの構えのように、膝を少し曲げて踏ん張ると
 このように、上下左右の動きを止められてしっかりと安定するんだ」

男の手は瑞希の臀部、太腿を押したり突いたりして動き回る
瑞希は一層、耳たぶを赤くする
その恥らう耳たぶに、新藤が息を吹きかける

「うぅぅん・・・本部長」

「さぁ、そのままで、あちらに運ぼう・・・・ゆっくりと、そう、そうだ」

瑞希が歩き始めると、新藤の手のひらにしなやかな女性の筋肉の動きが伝わってくる
・・・なんて、しなやかなんだ!この感触・・・・あぁぁぁ



「本部長、本部長・・・新藤本部長、珈琲いかが致しましょうか?」

「えっ!うん、瑞希君か・・そう、一つは私の机に」

珈琲の香りが、妄想の世界から新藤を現実に引き戻す
新藤は、珈琲を差し出す女の透き通るような白い指
その指が視界から消えると、再びふぅぅと息を吐いた
  1. 2014/11/11(火) 07:56:53|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第37回

その日の午後
知事が陣中見舞いに事務室を覗いていた

「君たち、いいか
 どこの自治体もやったことのない大リストラを君たちが実行するんだ
 君らにとって気持ちが弱くなるのが一番の敵だ、常に明るく、明るくだ
 私は支援を惜しまない、安心して、全力をつくしてくれ、頼んだぞ」

知事はそう声を掛けると、ノックもせずに新藤の部屋に入る

部屋の中で、新藤は腕まくりをし、書類に真剣に目を走らせていた
瑞希は、新藤に言われた書類の作成に得意のパソコンを叩いていた
新藤も、瑞希も知事が来たことに気づいていない
仕事に夢中になっている二人の様子を知事が眺めている

(二人ともが、一心不乱に仕事に没頭・・・・か?・・こうでなくっちゃ)


「頑張ってるな・・新藤君!」

「はっ!これは・・知事・・失礼しました」

「いや、いいんだ・・それで、いいんだよ」


「瑞希君、知事に珈琲をお出しして」

「はい、ただいま直ぐに」


「構わんでいいよ、イベントの挨拶に直ぐに出かけるんだ」

それでも、瑞希は珈琲の準備をしに席を立つ
その後姿を二人の男の目が追う


「新藤君、君が秘書に選んだ女性を見に来たんだが・・・」

「はい?」

「彼女も確か、ブラックリストのA級の職員に入るのだろう?」

「はい、これまでの勤務成績からして恐らく」

「そうか・・・それを承知で秘書に
ははは、君はそういう男なんだ・・・ただ・・・・・」

「ただ?・・何でしょうか」

「いや・・・いい・・・気にしないで、君の思うようにやりなさい
 辛い、厳しい仕事になるということを、私はよく理解しているつもりだ
 それじゃ、時間がないので失敬する、頑張ってくれ」
  1. 2014/11/11(火) 07:56:07|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第36回

始業時刻の1時間前、こんな時間に出勤してくる職員はまだ少ない

瑞希が県庁舎本館のエレベータのボタンを押す
行き先は知事室がある同じフロアー
長い髪をなびかせ、スラックスをスマートに着こなし
ヒールのピンの音が、人気のない廊下に響く

新部署の意識改革推進本部の自動扉の向こうは
まだ薄暗く照明が燈されていない

(恐らく、私が一番ね・・・・)


瑞希は、推進本部の事務室を通り抜け本部長室に向かう

(あの新藤本部長の秘書だなんて、さてさて面白くないわ
 あの人は私の魅力を理解できない人、細かいことを言うつまらない上司
 だけど、県職員の精鋭が集まる部署への異動、さて、どんな男性がいるのか
 そちらが楽しみだわ・・・・・・・・・・・・・)


瑞希が本部長室のドアを開けた

「おはよう、瑞希君」

「お、おはようございます、本部長・・・・」


新藤の目線が瑞希の足元から上に昇っていく

(あーあぁ、この人・・私よりも早く出勤していたんだわ
 早速、私の服装をチェックしているようだし・・・ほんとにもう!!)


瑞希は新藤の目を気にせず、自席に向かっていく
その横顔、後姿、歩き方を男の目が追う
髪が揺れている・・・・・・女の香りが男の周囲に漂う

(思ったとおりだ・・・スラックスになると清楚なイメージになる
 いい歩き方だし、セクシーなお尻をしている・・まるでファッション雑誌のモデルだ
 色香があり、男心を擽る話し方・・・本人は、半端な男たちと楽しんでいるだけだが
 私から見れば・・・まるで、宝の持ち腐れだ、全く勿体無い)


瑞希が席につき、姿勢を正すと
新藤がポツリと言った

「瑞希君・・・素敵だよ」

「はぁっ?!」

瑞希は新藤の意外な言葉に、息をのんだ
以前に一度、この人から言われた記憶が蘇る
確か、前の人事異動早々の頃だったかしら
この人、ほんとに???
  1. 2014/11/11(火) 07:55:04|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第35回

今日も、新藤がデスクに着くと
示し合わせたように、江藤と瑞希がイチャツキ作戦を開始した

瑞希が江藤の側近くでパソコンのキーを叩いている
そして江藤が、そのしなやかなに踊る女の指に手を伸ばす

「イヤーン、係長・・・打ち間違えるじゃないですかぁ」

「おぅ・・・すまん、すまん
 つい、どうしてそんなに指が動くのかとおもってなぁ、伊藤」

江藤の手は、瑞希の指先から離れると、今度は肩を抱くように伸びていく

(へっ!所長のやつ・・・・こちらを見ているのだろう
 もうちょいと、見せ付けてやるか・・・・・・)



新藤が席を立ち上がる、そして言った

「えぇーと
 江藤係長は伊藤さんから、もう聞いていると思うが
 事務所内の模様替えと席替えのことだ・・・・・・・・」
 
二人とも、ほうら来なすったとばかりに
瑞希はそ知らぬ顔をして前方を睨みつけ
江藤もまるで新藤の言葉を聞き流している

「取りやめることにした、だから・・・・」

(えっ!!取りやめる・・・・・ふん、諦めたか)


「だから・・そんな見え透いた子どもの飯事はもうやめたまえ
 もう終わりだ・・・・そう、此処ですることは、はもう終わりだよ」

「どういうことでしょうか?私にはさっぱり」

「分からなくていいよ、江藤係長
 それより、伊藤さん!
 これまでの此処での仕事の整理・・・・あっ、すまない、何もしていないか
 化粧とファッションに専念していたもんなぁ
 とにかく、君は来月、本庁へ異動だ・・・嬉しいだろう?
 そのファッションを大勢の職員が見てくれるぞ
 それに、間違いなく残業がある、もちろん土、日の出勤もな
 君のご主人も安心?!・・・・・・・・・・・・・・・・」

恐ろしいほどに睨みつける夜叉の視線が、新藤の言葉を遮る

「所長、こんな時期に人事異動ですか?それって・・」

「ああ・・・今朝、内示が出た
 君は、新設される意識改革推進本部への異動だ」

「私が?・・そんなところに!それは、所長、もしかして
 私を潰す・・・・」

「馬鹿な、そんなことを行政が考えると思っているの、伊藤さん
 知事の特命による新組織だ、県の精鋭が集まってくる
 やろうとしていることは、職員の意識改革と人材育成だよ
 君は、健康不安もあることだし、私の目の届く席にしている」

「はい?」

「私もそこへ異動なんだ、本部長としてなぁ
 君には私の秘書として、能力を発揮してもらうつもりだ
 これは知事の命令だ、嫌なら退職届を出しなさい」


再び憎しみを帯びた夜叉の視線が、新藤の顔を刺す
しかし今度は、冷ややかな視線を投げ返す新藤
視線の先は、瑞希の顔ではなく・・・この女の肢体
ミニのスカートから見える、しなやかに伸びる長い脚

「言っておくが、新職場は女性も男性も区別しない厳しい職場だ
 したがって、執務時間中、女性はスカートを禁止する
 いいね、瑞希君」

江藤が、カラスに油揚げを奪われた狐のように、口をあけていた
  1. 2014/11/11(火) 07:48:35|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第34回

・・ロダンの「接吻」

逞しい男の手が裸婦の腰をしっかりと引き寄せている
男の背の筋肉は緊張気味だ
裸婦は男の頭に、そのしなやかな手指を回し、自ら男の舌を求めている
次第に、男の性欲が高まってくる
男の手が豊満な裸婦の乳房を握りつぶす

「・・・痛い」

そう叫んだ女は、再び激しく男の舌を吸いはじめる
ひたすら男の口を求める女の顔を
感情のない男の目が眺めている

目の冷たさと異なり、男の怒張は歳を感じさせないほど精力が漲っている
それに気づいた女は、怒張に両手を添え頬擦りし
唾を塗し、舌で筒先の天辺を舐め始めた

男の手が女の肩から頸そして乳房へと動き回る
怒張を喉元深く差し込まれた女は、上目がちに男へ媚を送る

(・・・・この人の目・・なんて冷たい眼差しなの?)


男の指先が既に勃起している女の乳首を撥ねる、捻る
そして、乳房全体を揉み、その柔らかさを手に吸い込ましていく

「あーん・・・お願い、もう私」

女の女陰は既に蜜が滲み出し、雌が雄に肉交をせがんでいた


「まだだ・・・遼子、もう暫く我慢しろ」

「いやーん・・・・・私、我慢できない」


これで、遼子とは何度目だろう?
歳の離れた女との遊びを覚えた新藤は、もう数えきれないくらいに嵌っている
社会も、家庭も、仕事も忘れ・・
五十歳を過ぎて初めて知った、ひたすら快楽を求める男女の肉宴

30歳の遼子もまた、性の快楽の虜になっていた
既にこの世にいない優しかった夫との性行為
それでは得られなかった快楽を、新藤から与えられていた

(この人・・・強いし、持続力もある、それに・・・大きい、ああ、堪らない!
 あぁぁん・・逝く、逝くわ・・・・・いつものように、私が先に)


遼子は妊娠しないようにピルを服用している
二度、三度と必ず遼子を逝かせた後、新藤は膣奥深く射精する
今夜も、遼子に最初の絶頂が近づいていた
  1. 2014/11/11(火) 07:47:26|
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春が来た 第33回

新藤が本庁の知事室で面談の順番を待っていた
なぜ、知事に呼び出されたのか知らされていない
新藤は知事に面識はなく、不安が胸をよぎっていた

「新藤所長、お入り下さい」

新藤が知事室へ入っていく
広い執務室には豪華な応接セットが置かれていた
知事がデスクに座って、書類に目を通している


「君が新藤君か?・・忙しいのに、呼び出してすまなかった」

「いえ、お呼びがあれば何を置いても駆けつけて参ります」

「うん・・君の職員人材育成プログラムの提案書、読ましてもらったよ」

「はい?」

そうだった、知事命令で県の幹部職員全員にリポートの提出を求められていた
確か、テーマは「あるべき県職員の姿」だったか


「私は、この100年に1度といわれている未曾有の経済危機の時こそ
 県は率先して県民に範を示さなければならないと思っているんだ」

「はい、そのように私も」

「しかるにどうだ・・・職員のモラルは、地に落ちている
 社会の動静すら何処吹く風、やる気があるのかも疑わしい
 無気力で、自己中心の職員が多く、全く情けないと思っているんだ
 地方公務員法で身分が保障され、よほどのことをしないと首にならない
 それを、いいことに、働くこと、いや夢を持たない職員の多いこと
 私は、この際、徹底的に職員の脳ミソを改革したいんだ!
 やってくれるか?君」

「はっ、はい・・・」

「それで、知事直轄の新部署を組織する
 そこの最高責任者に君を充てるつもりだ
 君のプログラムは良くできている、しかし大事なことが一つ欠けているぞ!
 いいか、君の作成したプログラムにもう一つ付け加えて実施するんだ
 それは、命令に従わずやる気のない職員を合法的に退職させることだ
 そのやり方を考えろ・・・・・いいな、不要な職員には県を去ってもらう」

「合法的に職員を退職させる方法・・・
 知事、それはいつ頃を目処にと?」

「今の県の財政、職員構成を考えると猶予はない
 来月、組織を立ち上げる・・・必要な人材は人事局長に言って揃えてもらえ
 執務場所は、知事室の隣だ、私が今最もやりたい事だ、頼んだぞ」


余りの急な展開に、新藤は戸惑いながらも決意を固めざるを得ない
ノーと言えるはずがない・・・・


「どうした?怖くなったか?同僚を、職場の仲間を叩くのは嫌か?」

「いいえ、知事
 ここに就職した時から、私は県民に対して忠誠を誓っております
 県民の為にならない者を整理していくのは、当然のこと
 民間では、先の不況の時には生き残りを賭けて、実施されたことでもあります
 身命をとして全力で取り組む所存です」

知事が新藤の顔を見て、目を細めた

「期待しているよ、新藤君・・・・我が県にも君のような職員もいたんだ
 実は、人事局長が君のことを私に話したんだ
 君が怒鳴りつけた江島という職員には、私も人事局長時代に手こずってね
 苦い思い出があるんだ・・・・・確か、あの時も女性職員が絡んでいた
 気をつけろよ、新藤君・・・・・敵も死に物狂いで向かってくるぞ」

「心得ております、知事
 悪に、私は決して屈しませんし、許したり致しません」

「・・・悪に屈しないか・・・強い、いい言葉だ」

県庁舎の外は激しい雨が降り始めた
新藤の頭の中で、瑞希の顔が浮かぶ

(これは・・・・家族をも巻き込んでの激しい戦となる)

知事室の窓を打つ雨の音が、新藤の耳の奥で砲火となって鳴り響く
  1. 2014/11/11(火) 07:42:42|
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春が来た 第32回

伊藤家の寝室では
夫の一介が妻の瑞希を犯している?
そうだ、夫が妻を陵辱していた

瑞希は休暇を出していたこと、土曜日の出勤はしていなかったことは認めたものの
何のためにそのようなことをしたのか?の問いに
「ストレスの解消のため」と言い張り、男関係は完全に否定した
納得できない一介が、凶行に及んでいるのだ


その瑞希の目からは涙が零れ
ぼうと天井を見つめている天井の白いクロスに
忌まわしい過去が蘇り、映し出される

当時、瑞希は21歳、宴会のコンパニオンのアルバイトを始めての最初の夜だった
初心で、細身の女の周りには、酔客が集まってくる
男たちは、経験のないコンパニオンに酒を注ぐ
ノースリーブから伸びる白くて長い腕
その滑るような若い肌を男の手が擦っている
休むことなく飲まされたアルコールが、若い女の警戒感を麻痺させていた
いつの間にか、50歳代の恰幅の良い男が、しっかりと右腕で女を抱きしめ
左手でミニの奥へと手を忍ばせている

男が耳元で囁いた

「瑞希ちゃんだったっけ、先に、外へ出ようか」

「外へですか?勝手にそんなことをしては・・・」

「大丈夫だよ・・・少しの時間だ、お駄賃はずむよ!
 おーい、チーフ、構わないよな?」

男がチーフにそっとお金を握らせ、瑞希に見えないように片目を瞑る
チーフは意味ありげに告げた

「それじゃ、瑞希ちゃんを最上階のラウンジに連れて行ってあげて
 そこなら、大丈夫・・・・きっと楽しいから」

瑞希は酔いがまわって頸がふらふらしている

「瑞希ちゃん、チーフのお許しがでたよ、さぁ、行こう」

・・・・・この後、ラウンジで更にアルコールを飲んで酩酊する瑞希に
この男は遊びと称して、有らん限りの陵辱を加えたのである


今、まさにこの時の陵辱を夫の一介が実行している
夫の両手が瑞希の細い頸を絞めるように、当てられた

瑞希が言った

「信じて!あなた
 私は、あなた以外の男と関係を持ったことは絶対にありません
 優しいあなたが大好きで結婚をした
 そして、子どもを産んだ
 あなたのご両親と一緒に暮らせて、幸せだと思っています
 だから・・・・あなたを裏切ったりは絶対にしていません
 信じて、あなた・・・・・」


一介の顔が歪む
大粒の涙が、一介の目から零れ落ちる
そして、瑞希の頸に当てられた男の手が緩んだ

(私にこんな目を合わせた所長・・・上司の立場をいいことに、私をこんな目に!
 許さない、絶対に・・・・・思い知らせてやるわ)
  1. 2014/11/11(火) 07:41:48|
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春が来た 第31回

 女将が襖の外で立っている
 歳の離れた男と女の楽しそうな話し声が、襖越しに聞こえてきた

「進ちゃん・・・御免なさいね、少し遅くなってしまって
 お世話様でした、遼子さん・・・代わりましょう」

「はい、女将さん」

 部屋から出て行く女の耳元で、女将が何か囁いた
 女の顔が明らかに動揺している
 女将が再び囁くと、女は頷いた


「新藤様・・・・有難うございました」

 女は来た時と同じように、お辞儀をして新藤の顔に眼差しを向けると
 新藤は名残惜しげに、笑みを送った



「進ちゃん・・・どう、今の遼子さん?」

「どうって・・・いい人じゃないか
 若いのに、淑やかで、落ち着きがある・・うーん、それに会話も上手い
 久しぶりに楽しかったよ、それに、彼女はなんというか・・・・・」

 女将は、遼子のことを話し続ける新藤の様子を微笑んで聴いている



「進ちゃん・・・どう、抱いてみる?遼子さんを」

「えっ!?・・いきなり何を言い出すんだい
 彼女はそんな女性じゃないだろう!冗談はよせよ」

「冗談じゃないわよ、進ちゃん
 あの人は少し事情があってお金が必要なの
 だから、今の遼子さんはお金で何とでもなる女よ」

「なに!?・・・お恵ちゃん、私がそんなことをする人間じゃないことは・・」

「よーく知っているわ、子どもの頃からの長い付き合いだもの
 でも、私ずっと思っていたのよ・・・進ちゃんは潔癖すぎると
 時には羽目を外す男にもならないと、潔癖だけでは世の中は渡れない
 いいチャンス、遼子さんは了解しているのよ
 気に入ってるんでしょう!あの人を!
 さぁ、遼子さんが待ってる・・・・思いっきりあの人と好きなことをしてきなさい」

「でも、やっぱり・・・」

「進ちゃん!あなた、女性のことで悩んでいるでしょう!」

「えっ?!」

「そんなことぐらい、私には直ぐにわかるの
 進ちゃんは、女性に盲目的に惚れてしまうところがある
 でもね、その相手が、女の私から見ると、とんでもない相手にね
 分かるでしょう・・初恋の人もそうだった
 二度と、同じ過ちをしては駄目!それこそ奥さんが不幸になる」

「うーん」

「あなたは女を知らな過ぎる
 世の中には、大勢いるのよ素敵な女性が!
 心が清い人、肢体に魅力のある人・・・・いっぱいね
 遼子さんも、その内の一人・・・素敵な女性よ
 なにをグズグズしているの!早く行きなさい」


 女将の目を口を開けて見ているのは、子どもの新藤
 女将は、新藤が甘えて、困らせていた優しい母親の顔だ
  1. 2014/11/11(火) 07:40:53|
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春が来た 第30回

その頃、新藤は馴染みの料理屋にいた
いつもの奥の座敷に通され、女将を待っている
流石に今日は自分自身が嫌になった
なぜ、あんなことを瑞希の夫、一介に言ってしまったのか
新藤の心は暗く、重く沈んでいた

すっと襖が開く

「進ちゃん、ご免ね・・・今日は、お客さんが多くて」

「いいよ、お恵ちゃん・・いつもの料理とお酒があれば、一人でやってるから」


女将が幼馴染の新藤の顔を見ている
優しい笑顔だ

「進ちゃん・・・何か悩み事でもあるの?」

「いいや、そんな風に見える?・・・・今度の異動で、少し疲れたのかな?」

「疲れた?・・・進ちゃんが疲れた?」


女将は改めて新藤の顔を見た
今夜は、少しこれまでの雰囲気と違う、そして直感した・・・
(進ちゃんのこんな苦い瞳を見たのは二度目、・・・これは、きっと女ね)

女将は盃を口に運ぶ新藤の横顔を、確めるように見つめて言った

「後で、話しを聴いてあげる・・・待っててね
 その間、お願いなんだけど、今夜から、お店に新しい人が入ったの
 それで、まだ何も知らないので、進ちゃん、相手をしてあげてくれる?」
 
「ああ、いいよ・・お恵ちゃん」


女将が出て、暫くして若い女の声がした

「失礼します」

「・・・失礼します??・・・か、ははは・・・どうぞ」

着物の似合う・・・30歳ぐらいの女が入ってきた
襖の開け、閉めの作法はできている
三つ指をつき、お辞儀をした
その動作を新藤は見つめ
そして、女が顔をあげて新藤を見た

(似ている・・・伊藤さんに?いや・・・私の初恋の娘に!)
  1. 2014/11/11(火) 07:40:12|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第29回

 女が抵抗できないように、ベッドの上に大の字に両手、両足を縛られている
 女が何度も頸を左右に振る

 「あなた・・やめて
  なぜ、こんなことをするの?
  ねぇ、あなた、やめて・・縛りを解いて」

 「うるさい!黙れ!」

 男が女の首筋から乳房そして括れた細腰へと、匂いを嗅ぎまわる


 「シャンプーの匂いがするぞ、瑞希
  お前の職場はシャワー室でもあるのか?」

 「シャンプー?・・そ、そうなの
  今日は・・・・・動き過ぎて汗がでて、気持ち悪くて、それで」


 男の手が女の女陰を弄りだした・・・愛情の欠片もない冷たい動きだ

 「嫌!やめて!」

 「愛撫もなしで、簡単に2本の指を飲み込むなんて!
  お前、縛られると興奮する性質だったのか?
  それとも、男根との摩擦の余韻が残っているのか?」

 「あなた!馬鹿なことを言わないで・・・変よ、今日のあなた」


 「瑞希、瑞希・・・頼むから・・もう嘘をつくのはやめてくれ!」

 一介の指の動きが止まった
 そして、目には涙が溢れている


 「嘘じゃない!今日は汗をかいたので職場でシャワーを使っただけのこと
  あなた、本当にそれだけよ」

 「そうなんだ!そうなんだ!・・悪かったよ、瑞希、疑ったりして」

 「・・・そうよ、あなた・・わかってくれたの?あなた」

 「ああ・・でも、瑞希の言うことが本当だとすると・・・」



 一介は、涙が溢れる目を瑞希に向けた

 「嘘をついているのは、あの所長さんだ!」

 「あなた今、何んて!所長?」

 「ああ・・所長さんに今日会いに行ったんだ
  健康に不安のある妻に無理をさせないでくれと頼みに
  その時、お前は朝から休暇を出しているって言ってた
  それに、土曜日はおろか時間外勤務を命じたことなどないってさ
  そんな筈ないよなぁ、瑞希!確か、毎週土曜日にお前は出勤していた
  俺の稼ぎの少ない分を、私が稼いでくると言って」

 一介の目から流れる涙が、瑞希の透き通るような白い肌
 形の良い二つの乳房の間に、零れ落ちた
  1. 2014/11/11(火) 07:39:23|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第28回

 瑞希が帰宅すると、珍しく夫の一介が先に帰宅していた
 瑞希は、リビングのソファに座っている夫の背に声を掛けた


 「あなた、今日は早かったのね」

 「ああ、たまには早く仕事を切り上げて、瑞希といる時間を持たないとなぁ」

 「そうなの、有難う・・あなた」

 瑞希は、優しい夫、一介に笑みを送る


 「それで、昨日の徹夜できなかった分の仕事、取り戻せたのか?」

 「ええ、それはもう十分にね・・・所長も驚いていたわ」

 瑞希は話しながら、着替えに向かう
 一介は、ソファから立ち上がり寝室へ向かう瑞希の後を追っていく


 「あなた・・私、着替えるから少し待ってて、直ぐにお茶を入れるから」

 「いいよ、お茶なんて・・・それより、早く裸になれよ」

 「えっ?今、なんて言ったの」

 「裸になれと言ったんだ・・・確めてやるよ、今日の瑞希の仕事の成果をさぁ」

 一介が瑞希の上着に手を伸ばす


 「嫌!やめて!あなた・・どうしたの?」

 一介は容赦なく、瑞希の頬を張る
 そして、身につけている衣服を剥ぎ取っていく
 逆らう瑞希の頬を何度と無く、一介の張り手が襲う
 その手が、もう逆らうことを諦めた妻の下着を剥いでいく
 ベッドの上で裸体を震わせ、豹変した夫に涙を浮かべる瑞希

 「本当にどうしたの?あなた」

 「何度も言わせるなよ、瑞希
  今から、お前の今日の仕事の成果を確めるんだよ!」

 「なら、どうして叩いたり、裸にするの?」

 「俺を今まで騙しやがって!
  仕事をしてきたんだろう?女のあそこを使ってさぁ!
  夫の俺が妻のあそこの仕事ぶりを確めるんだよ」

 「何を言ってるの?あなた・・・何のこと」

 「ふん・・・この雌豚が!俺をコケにしやがって」

  夫婦の寝室から、瑞希の泣き叫ぶ声が響き渡った
  今まで優しかった夫が、瑞希の最も恐れる暴力を振るう男になった
  1. 2014/11/11(火) 07:38:28|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第27回

夕暮れ時というのに
濃いサングラスの似合う美女が運転する車
その車が、勢いよくラブホテルの門を駆け抜ける
助手席の男は、シートを深く倒し姿が見えない
男の手は運転する女の生の左太腿を擦っている
女は、何も感じないかのようにスピードを上げ、市街地へと車を走らせる


江島が駅前をぶらぶらと歩いている
今日はゴルフ仲間との飲み会であった
その集合時刻にはまだ少し、時間がある

江島は、今朝の瑞希との話し合いで、所長へ対抗するため
二人がかりで所長を無視し、今まで以上に仲の良さを見せ付け
イライラを募らせ、堅物所長の脳天を叩く・・・という作戦を瑞希に了承させた
そして、二人の間には確たる信頼の同盟の証が必要だと持ちかけ
少なくとも、瑞希の肢体を拝めるようにと、口説き続けた
しかし、瑞希に上手くかわされてしまっていた

(俺としたことが・・・あんな小娘に手こずるとは
 上手くいったのは、不意をついたあの時のキスのみ
 あれから、伊藤のやつ、防御が堅くなった)


その江島の横を
見覚えのある車が走り抜け、30メートル先の横断歩道の手前で停車した

(あれは、確か・・伊藤の車・・・・あれ?)


助手席側のドアが開き、30代の男が車から降りる
男は車中の瑞希となにやら会話をし、再び上半身を車内に入れた
別れのキスをしているようだ
男がドアを閉めると、車が猛スピードで立ち去っていく
男の目が名残惜しげに車を追っていた

(確かあの男は・・・県の福祉局の・・・
 は、ははん・・・はははは
 いいものを見せて貰った・・・天は、やはり俺にあの女を抱かせてくれるのか?
 伊藤よ、あぁぁ待ちどおしい・・・はっ、肢体をようく手入れしておいてくれ
 まずは・・・・仲良し作戦でお前の肢体をゆっくりと楽しんでからだ)

江藤の脳裏には、しなやかな裸の瑞希の肢体が浮かんでいる
もう・・・口内は、唾が溢れていた
  1. 2014/11/11(火) 07:37:34|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第26回

 瑞希は映画館の中にいた

 大帝国の丞相が一人の妙麗な夫人を奪いとるため
 80万の兵を引き連れ、自己の力を見せ付けるが如く、大河に大船団を浮かべた
 己に逆らう者を叩き潰し、女を我が物にする
 当然、勝てるはずだった・・
 美女を手に入れて帰れる筈だった

 しかし、今、呉の水軍が魏の大軍を火責めにしているのだ


(さぁ・・・どうするの?瑞希
 所長は曹操、それとも劉備?・・・孫権ではないわね)


 隣にいる男の手がそっと、瑞希の白い細い手を握る
 瑞希は憂いのある瞳を男に向けた

(この男との関係はどうするの?瑞希
 私との関係が奥さんにばれて、離婚しちゃって・・・もう!不器用なんだから)



 シャワーの音が止んだ
 瑞希が裸のまま男に近づいてくる
 そして、男に纏わりついていく

 男の乳首に口を這わす
 男の顔を下から仰ぐと
 男の目に女の艶かしい首筋から乳房のラインが飛び込んでくる
 女が男にじゃれている

 「こんな私に、あなたは夢中になったのね?」

 「・・・・」

 「夫もいる・・子どももいる・・・でも、私は私・・・私は女」

 「瑞希・・・君は江藤係長ともこんな関係を?」

 「いいえ、お喋りしているだけ・・それで、私たちの関係の隠れ蓑になるの」

 「そう?でも、心配だなぁ、あの人のことは悪い噂がたくさんあって
  特に、女性には手が早いし、暴力を振るうとも聞いているよ」

 「有難う、気をつけるわ
  係長とは厳しい上司に対抗する職場でのパートナーで、私のボディガード
  それだけの人・・・あなたとは違う」


  女と男は互いの目の奥を見つめ合う

  男は思った
  (この瞳に夢中になった・・妻を忘れた、仕事も忘れた、俺だけの女にしたい)

  女も思った
  (今まで楽しかったわ、でも・・そろそろゲームオーバーよね)

  男の手が女の乳房に伸びる
  指が乳首を転がし、撥ねる・・・・
  女の扱い方はこの男も天性の才を持っていた
  男の唇が女の唇を覆う
  もう・・・遠慮はしないぞと、男が攻め、女がそれに応えて逝く
  女の反応は凄まじい・・・・・これが最後の契りだとでもいうように
  1. 2014/11/11(火) 07:36:43|
  2. 春が来た・道明
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春が来た 第25回

「私は職場での服装や執務態度など非常に厳しくやりました
 それが原因で、伊藤さんには敬遠されたようですが・・・
 公務員として、信用を失墜させる行為も処分の対象であると
 不倫などの疑いを持たれることのないように、それとなく忠告したつもりでしたが
 一介さん・・・あなたは、優しいご主人だ、妻思いの良い旦那さんだ
 恐らく、奥さんを疑うことなどしたことがないのでしょう
 ですが、伊藤さんの前の職場でも交友関係で、芳しくない情報も聞かされました」

「それは・・・瑞希が不倫していると?」

「そこまでは、判りません
 ここの職場でのことでは、
 朝夕毎日、特定の男性職員を車に乗せて駅と職場を送り迎えしている
 毎日、向かい合わせで決まった場所で昼食を取り
 必ず、二人で休憩するんですよ・・・ごく自然に、堂々と
 相手は、女性関係に悪い噂のある札付きのサボリ職員
 周りの職員を無視し、二人だけの世界を創っている
 そんな男と、このようなことを良識ある人妻がするはずがない」

「そんな話・・・あり得ない!瑞希はそんな女じゃない」

「そうですか・・・そうですよね
 あなた方夫婦のことを、私はとやかく言うつもりはありません
 私の使命は部下の能力を引き出し、県民のために全力で職務を遂行する集団を築き上げること
 そして、そのような職場集団にしていくために、害となるものは叩き潰すつもりです
 それでなければ、県民の付託に応えられません
 その対象に、あなたの奥さんにならねばいいのですが・・・」

「瑞希は、瑞希は・・・そんな仕事ぶりなんですか?」

「はい
 厳しいことを言うようですが・・・
 これまで、伊藤さんの上司であった者の評価も散々なものです
 仕事の質も量も・・・そして、執務態度も」

「そんな馬鹿なことがある筈はない!
 家では、困難な仕事に全力で取り組んでいると
 上司や同僚とも信頼関係があって、和気藹々とした職場でやりがいがあると・・」

「そう、そのようにありたいものです
 ・・・でも、現実は違う
 一介さん、あなたは本当に正直で良いご主人だ
 そう、私が感じたから言ってはならないことを話してしまいました
 気を悪くされたら、お詫びします
 伊藤さんを立派な職員に育てていくのが、私の仕事
 決して、見放したりはしません・・・これが、私の信条であり責務です
 あなたは、あなたの家庭を守り、良き妻、良き母に育ててあげてください
 あぁ・・出すぎたことを言いました・・・・・」

肩を落とし、去っていく男の後姿を見送る、新藤

(あぁぁぁ・・俺もまだまだ若い、軽率に話し過ぎた
 あのご主人が、正直だけが取柄だったら・・・私も危ない)
  1. 2014/11/11(火) 07:35:52|
  2. 春が来た・道明
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