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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

CRの妻 第13回

課長の話は出張の件でした。正社員にして頂いた時、3ヶ月後位から出張も時々
あると伺っています。正社員になって未だ1ヶ月足らずです。大阪への出張を私に
行って欲しいとの事です。流通センターの建設の指揮の為に佐伯が長期赴任して
いるのですが、取扱う商品には農産物の占める割合が大きいのです。契約農家の
大きな畑を農学部出身の私に見て欲しいのです。

課長からは社命だと言われました。佐伯が仕組んだ事とは知りませんでした。
大阪に行けば佐伯と会う可能性があります。佐伯と会いたい気持ちも少しですが、
あるのも事実です。躊躇しましたが、社命と言われお受けしました。

日帰りで済むよう手配をして頂いていますが、万が一の為、泊まりの用意もする
ようにと言われました。出張は今度の金曜日です。その日帰って主人に報告を
します。主人は約束より早いようだがと一言添えますが、会社も期待している
ようだし頑張っておいでと気持ちよく了解してくれました。

『洋子、大阪に出張に行くのね』

『社命って言われたわ。私の事期待してくれいて嬉しいわ』

『何を暢気な事言ってるの、大阪には佐伯が居るのよ』

『佐伯は関係ないわ、それに会うとも限らないわ』

『そうかな、何か匂うわよ。気をつけなさい』

木曜日の夜、念の為泊まりの用意をします。主人の物語ではこの日に私が
ランジェリーショップで迷いながら派手なショーツとブラを買ったことになって
いますが、それは違います。ずっと以前にネットショップで買ったものです。
派手な下着を身に付けていた私を見て、主人が想像で書いたのだと思います。

派手な下着をお店で買う勇気はありません。ネットで買っていつか主人の為に
身に着けたい、主人に見てもらいたいと思っていました。

主人と一緒によくスイミングプールに行きました。

主人は言います。

「お前が入ってくると、男連中は皆、泳ぎを止めてしまう、お前の体に
目が釘付けだ」

これは主人の冗談だと思っています。誰も泳ぎを止めることはありません。
でも主人に見て欲しかった、派手な下着を身に付けた私の体をどう思うか知りかった
のです。

今日この日まで、ついにその日は来なかったのです。迷いに迷って結局、T-バック
とバタフライ、それのお揃いのブラを持っていくことにしました。

『洋子、出張は日帰りの予定でしょう?どうして下着を持って行くの?』

『ひょっとして泊まりなるかも知れないって言ってたわ
それに農場で汗をかくわ、着替えが必要よ』

『それにしてもそんな派手な下着は必要ないでしょう?
40過ぎのオバサンが履くものじゃないわよ』

『只の気分転換よ、それ以外の何でもないわ』

『何言ってるの、誰かに見せたいの?まさか佐伯とそうなりたいと
思っているじゃないわね』

『そんなこと、絶対にないわ』

そうは言いましたが、万が一佐伯とそうなったら普通の下着では恥ずかしいと言う
気持ちがあったのです。佐伯になら見せてもいいと思ったのです。

翌朝、私は手持ちの中で少し派手目の下着を身に着けて、バッグにはネットショップ
で買ったショーツを忍ばせて、大阪に向かいました。
  1. 2014/08/16(土) 13:08:03|
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CRの妻 第12回

「洋子か、聞いて欲しいことがある」
「部長、携帯電話はお仕事でなければ、もう出るのを控えたいのですが」

勇気を振り絞って言いました。

「どうした?何かあったか」
「やっぱり、仕事でも無いのに電話で話しているのは変だと思います」
「ご主人が何か言ったのか?」
「いいえ、主人は電話の事は知らないと思います、でも私の気持ちが」
「そうか、解った。仕事じゃない電話はこれを最後にしよう」
「有難う御座います。でも聞いて欲しい事って何でしょうか?」
「仕事では無いから止めておこう、でも君に関係ある事だからな」
「聞かせて下さい」
「君がそう言うなら、解った。ご主人の会社に女性が入ったと言ったよね」
「はい」
「名前は何と言ったかな?何歳だったかな?」
「松下由美子さんです、38です。それが何か?」
「未だ若いし、独身だろう?いや僕が一人で気を揉んでいるだけだと思うが」
「何をですか?」
「彼女がどんな人か、君も一度見た方がいいんじゃないかと思ってね」
「どうしてですか?」
「いや、ご主人の会社はご主人とその女性に二人きりだろう?君のご主人に
限ってなにも無いとは思うがね」
「主人にそんな事はありません」

佐伯にそう言ったものの、私の心の中に小さな波紋が出てきました。

次の朝、主人は忘れ物をして会社に出かけました。私は午前中取引先に出かけ
ます。その帰り主人の会社に寄り忘れ物を届ける事にしました。丁度お昼時です。
主人の会社だと思いノックもしないで部屋に入りました。

ドアーを開けると主人と由美子さんは食事をしています。コンビニで買った弁当
だと思います。弁当とお握りが少し、味噌汁とお茶。ごく普通のお昼ご飯です。
何を話していたのか知りませんが、笑い声が弾んでいます。応接のソファーに
どう言う訳か二人並んで座っています。私が声をかけると主人は少しびっくりした
様子で私に振り向きました。

「洋子、来るなら来るで電話をくれれば、弁当もう一つ買っておいたんだが。
もう飯は食べたのか?お握りでも食べるか?」
「出先でご馳走になりました、お腹が一杯なの」

ご飯は頂いていません、何故あんな嘘をついたのでしょうか?主人と由美子さんは
本当に楽しそうに食べていました。羨ましかったのです、私の知らないところで、
主人が女の方と楽しそうにご飯を食べている、それだけで嫉妬心が湧いてきたのです。

主人が由美子さんを紹介してくれます。高そうなものは身に着けていないようです
が、小奇麗にさっぱりとした印象です。女性の私から見ても女の魅力もあり、好感
が持てる方でした。

『洋子、貴方どうしてあんなに由美子さんを見つめていたの?』

『うん、綺麗な人だなと思って、何だか心配だわ』

『圭一さんがそんな心配するような事するわけないわよ』

『でも朝から晩まで一日中一緒に居るのよ、お昼ご飯もあんなに楽しそうに
食べていたわ。それに夜の遅い時も一緒の時もあるみたいだし』

『そんなに心配なら貴方が圭一さんのところで働けばいいんじゃない?』

『それは出来ないわ』

男と女が一つの部屋に朝から晩まで一緒にいて、同じ仕事をして食事も一緒にして
います。寝ている時間を除けば主人は私より由美子さんと過ごしている時間の方が
長いのです。それに由美子さんは女の私からみても魅力のある方です。主人と
由美子さんの事が私の心を占めるようになりました。

佐伯に聞いて欲しいような気がしましたが、あれから佐伯からは、約束通り電話は
ありません。翌週の火曜日、課長に話があると声を掛けられました。
  1. 2014/08/16(土) 13:07:00|
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CRの妻 第11回

思わず洩らした声を佐伯に聞かれてしまいました。

「どうした」
「何でもありません、楽になりました」
「それは良かった」
「あっ、主人が帰って来たみたいです。電話を切ってもいいですか?」
「そうか、仕方ないな」
「失礼します、おやすみなさい」

主人が帰って来たと言うのは嘘です。このまま佐伯と電話で繋がっていると次に
進んでしまいそうで怖かったのです。主人の物語ではここでもう私は佐伯の声を
聞きながら、テレビ電話で佐伯の指示を受けながらオナニーをしてしまったと書
かれています。でもこの時点では未だ主人を裏切るような事はしていません。
佐伯とのこう言う事はなんとか断ち切りたいと思っていました。多分佐伯が主人
に面白おかしく話したのでしょう。

『やっぱりね、仕事の話なんかじゃなかったわね』

『仕事の話よ、葡萄の瓶詰めの商品化で私の意見が欲しかったのだわ』

『それは道具よ、それが証拠に洋子の胸を擦れって言ったじゃない』

『私が気持ちが悪いって言ったから、親切で言ってくれたのよ』

『違うわね、貴方にオナニーさせたかったのよ。それをテレビ電話で
見たかったのよ』

『そんな事ないわ、それに私断ったわ』

『そうね、その点は褒めてあげるわ』

私は佐伯に言われ胸を擦って、乳首から湧き上がる快感に耐えるのに必死でした。
でも佐伯はその電話の向こうで他の女を抱きながら私にオナニーをさせようと
していたのですね。こんな佐伯に私は抱かれてしまうのです。この時佐伯に抱かれ
ていた女にヒントをもらった佐伯に。

熱い体とぼうっとした頭、シャワーも浴びずそのままベッドで横になりました。
未だ乳房に疼きが残っています、あの部分も潤んだままです。必死にオナニーの
誘惑と戦いましたが負けてしまいました。でも佐伯とは繋がっていません、それ
を言い訳にしていました。結婚してから二度目のオナニーです。それもこの10日
あまりの間にです。佐伯を思い浮かべてしてしまいました。
オナニーの余韻の中で眠ります。

帰ってきた主人の声で目が覚めます。

「どうしたんだ?疲れたのかな」
「ええ、少し熱っぽいんです」

主人の手が私の額に触ってくれます。冷たい感触がとても気持ちが良く、私の
気持ちも冷やしてくれます。思わず涙が毀れます。主人は労わりの声をかけ、
お粥を作ってくれました。それなのに私は何をしているのでしょう、覚めてしまうと
主人に申し訳ない気持だけが残ります。

『圭一さんは貴方の疲れは仕事だと思っているわ』

『・・・・・』

『洋子はオナニーなんかする女じゃなかったのに』

『体が変なの、佐伯の声を聞くと変になるの』

『もう佐伯の電話には出ないことね』

『そうするわ、今度電話があったらはっきりそう言うわ』

『だからその電話にも出なければいいのよ』

『いいえ、けじめだから電話に出て言います』

『仕方ないわね、ちゃんと言いなさい』

次の月曜日の朝の出勤途中、佐伯から電話がありました。
  1. 2014/08/16(土) 13:03:44|
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CRの妻 第10回

あれから佐伯は毎日電話をかけてきます。決って夕方の6時ごろです。
この時間には主人は未だ帰宅していません。最初の内は電話に出るの
を躊躇していましたが、その内に慣れてきました、いいえ電話を
心待ちにするようになっていました。

話の内容は出張先での佐伯の仕事の事が少し、後は私の身の回りの事です。
主人が38歳の女の方を採用した事とか、主人の昼食はコンビニの弁当で済ます
事が多いが時々ビジネスホテルのUホテルのレストランで取っているとか些細な
事が殆どでした。知らず知らずに主人の行動パターンも話してしまいました。
金曜日の夜は主人の帰宅は必ず12時近くになる事も話しました。佐伯に誘導
されているとは気がつかなかったのです。

『貴方、佐伯から電話があると嬉しそうね』

『そんな事ないわ、電話がくると出るしかないじゃない』

『断れる筈よ。仕事の電話じゃないんだから』

『断れないわ、佐伯の気分を壊して、会社に居づらくなりたくないわ』

『何を言っているのよ、その時は会社を辞めて圭一さんの所で一緒に
働けばいいじゃない』

『そんな訳にはいかないわ』

『そうなの?でもどうして圭一さんの事までべらべら喋るのよ』

『ただの世間話よ、気にする事はないわ』

『貴方馬鹿ね、佐伯は情報を仕入れているのよ、貴方を手に入れる為に』

『佐伯はそんな人ではないわ』

『お人よしね、もっとしっかりしなさい』

佐伯の電話に出なければ佐伯の気分を壊してしまうかもしれない。 確かに
そんな気持ちもありました。でもそれは言い訳だったと思います。佐伯と
話すのが嬉しかったのです。佐伯と話すと必ず私を褒めてくれます、綺麗だと
言ってくれます。話している時、浮き浮きしている私が解ります。こうして
私は佐伯の手の中に落ちていったのだと思います。

今日は金曜日です。主人の帰りが遅いことを佐伯は知っています。いつも6時頃
にある電話が7時になってもありません。待っているつもりはなくても電話が
ないと何か寂しくなってしまいます。8時頃ズボンのポケットにある携帯が
震えます。

待たせてはいけないと思い直ぐ電話に出ました。

「洋子です」

これで佐伯の電話に出るのは10度以上になると思います。佐伯からの電話には
ずっと宮下ですと答えていました。佐伯専用の携帯に宮下では可笑しいと思い
私のは方から洋子ですと言ってしまいました。佐伯に自分の事を貴方と呼んで
欲しいと言われましたが、それは出来ませんでした。

佐伯の用件は仕事のようでした。葡萄の瓶詰めを送ったからそれを私に味見を
して欲しいとの事でした。宅配便で届いていた箱を開けます。

「味はどうだね?」
「スーパーで売っている物のほうが美味しいみたいですね」

それに瓶詰めも何か不自然です。

「何か瓶詰めの仕方も変ですね」
「大急ぎで試作させたからだろう」

その時、ホテルの館内電話が鳴ったようです。約束していた客が来たので、
後で電話をすると言い残して佐伯は電話を切りました。

佐伯が仕組んだのです。瓶詰めの蜜には媚薬を垂らし、それを私に飲ませ、
媚薬が効くまでの間、嘘をついて私を待たせたのです。

『何か変じゃない?どうして洋子が味見をしなくちゃいけないの?』

『それは私が農学部出身だからでしょ』

『商品を取り上げる時は正式な会議かなんかにかけるでしょう?』

『佐伯が言っていたじゃない。先ず農学部出身の君の意見を聞きたいって』

『味に出身学部は関係ないでしょう?それに味も変よ、薬くさいわ』

『そうね、体が熱いわ。頭もぼうっとしてる』

『変ね、用心なさい。それに貴方、どうして洋子ですって答えるの?』

『いつまでも宮下ですのほうが可笑しいわよ、今は名前を言うのが普通みたいよ』

『何を言っているのよ、そんなことないわ。それに何、俊夫さんって?』

『佐伯がそう呼べって言うから仕方ないじゃない。佐伯の気分を
壊したくないわ』

『いつまでそんな事言ってるの、くれぐれも用心する事ね』

佐伯の電話を待っている間、体がどんどん熱くなり動悸も早くなってきました。
胸も苦しくなり、思わず胸を摩ってしまいました。乳首に触れるととても気持ち
がいいのです。女の部分も潤ってくるのが解ります。その時、佐伯から電話が
ありました。

「はい、洋子です」
「君の顔が見たい。テレビ電話モードにしてくれないか?」
「いやです、恥ずかしいです」
「どうしてだ、僕は洋子の顔が見たい」
「何か体の具合がおかしいのです、顔を見られたくありません」
「そうか、どうしてもいやなら仕方がない。無理を言って悪かった。
葡萄の瓶詰めはどうだ、商品にしても良さそうか?」

やはり佐伯は私の意見を求めているのです。私は佐伯にパートナーとして頼られ
ていると思い込んでしまいます。

「商品としては、あまりお勧めできないと思います」
「そうか、参考になった、有難う。ところでどうかしたか?息がきれている
みたいだな」

佐伯は私の異変を悟ったのです。私の喋る息遣いで媚薬が効きだしたのを知った
のです。

「体が熱いんです、胸も苦しいんです」
「大丈夫か?胸を擦るといい」

佐伯の声を聞きながら胸を擦ると先日の夜を思い出し、乳首から疼きが走ります。それは快感となって全身に伝わります。
  1. 2014/08/16(土) 13:02:36|
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CRの妻 第9回

部長との電話が終わった後、今度は自分の携帯に着信がありました。 

主人からです。昼食を外で一緒にどうかと言う事です。その時に主人の仕事の話も
したいとの事です。この近辺で一番大きなUホテルと言うビジネスホテルの
レストランで昼食を頂きます。

主人の仕事は順調に伸びています。また一つ大きな話が纏まったのです。今まで
営業も、事務仕事も主人一人でこなしています。勿論経理の処理は税理士さんに
定期的にお願いしています。これからは事務処理も多くなるだろうから、一人
雇わなければならない、雇う代わりに私をどうかと言う話です。

私が主人の会社で働いた場合と、このまま今の会社に勤めた場合の、宮下家全体
の収支を計算してみました。今考えますとその差は僅かなものだったのです。
それでも私は一日でも早く自分達の家が欲しく主人の申し出を断りました。主人
は松下由美子さんと言う38歳の女の方を採用しました。

これが私の行末を間違った方に導いてしまいました。今更、悔やんでも遅いです
よね。でも悔やんでも悔やみきれません。主人を二重に裏切ってしまいました。
主人の会社に行かなかった事とこれからの不倫です。

『洋子、貴方酷いわね。どうして圭一さんの会社で働かないの?』

『一日でも早く家を持ちたいの。圭一さんの会社で働くより、今のまま
勤めた方が早くお金が貯まるわ、貴方もそう思うでしょう?』

『計算はそうなるわね。でもどうして貴方は圭一さんの気持ちが解らないの?
一緒に仕事をすれば圭一さんの励みにもなるでしょう』

『そうかも知れないわね。でも実際の計算をしてみるとそうはいかないものよ』

『何を馬鹿な事言っているのよ。圭一さんももっと頑張るわよ、売り上げも
もっと増えるはずよ』

『・・・・・』

『佐伯が忘れられないのでしょう?佐伯と離れたくないのでしょう?
次の事を期待しているのね』

『いいえ、そんな事はないわ。私はただ一日でも早く家が欲しいだけ』

『そう?その言葉を忘れないで。でも今からでも遅くないわ、考えが
変わったら圭一さんにそう言いなさい』

『解ったわ』

もう一人の洋子にそう言いましたが、私の心の片隅に佐伯の事があったのかも
しれません。ただ私は自分に言い聞かせていました。佐伯と一緒に居たいから
そうするのではない、早く自分達の家を持って主人ともっと良い家庭を築きたい
と。
  1. 2014/08/16(土) 13:01:22|
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CRの妻 第8回

佐伯は大阪に長期の単身赴任です。もう佐伯には誘われる事も無いと思ってい
ました。私は安心しきっていました。先日の車の中での出来事も佐伯の出張中に
忘れられると思っていたのです。この一週間いつも通り仕事をこなし佐伯との事
は過去の事として忘れる事が出来ました。

以前より主人に甘えたくなりました。朝ご飯、夜ご飯、主人の好きなものばかり
揃えます。スーパーで買い物をしていても主人が美味しそうに食べてくれる姿が
目に浮かびます。主人は肉が好きなんです。

「このところ肉ばかりだな、洋子の好きな魚はどうした?」
「買い物していると肉が目につくの、とっても美味しそうだし」
「僕は魚でもいいんだぞ」
「はい」

でも次の土曜日の朝、佐伯に貰った携帯に着信があることに気がつきました。
この日は、主人は午前中出勤だったのです。着信時刻は昨夜の11時です。電話を
した方が良いのかどうか迷ってしまいます。もう忘れたつもりなのにドキドキし
てしまいます。

『何を迷っているの、今電話なんかする必要はないわ』

『でも何か仕事の事かも知れないし』

『仕事なら会社の電話にかけてくるわよ、金曜日の夜の11時にかけてくる訳が
ないでしょう』

『でも急な事かも知れないわ』

『何を馬鹿なこと言ってるの、そんな事ある筈がないじゃない、夜の11時に
電話もらって、仕事の事で貴方何が出来るの? 今日は休みよ、例え仕事の
電話でも貴方に出来る事はないわ。電話するのは止めなさい』

『でも佐伯は役員よ、電話しない訳にはいかないわ』

『じゃあ、勝手にしなさい』

さんざん迷った末に電話をしました。

「佐伯だ」
「宮下です。昨晩電話を頂いたのに出れなくてすみません」

結局、佐伯の電話は仕事ではなかったのです。仕事で良い話があり、私に一番に
聞いて欲しかったと、奥さんと離婚した佐伯には私が一番身近な存在だと、私の
電話を今か今かと待っていたと言うのです。

『やっぱり仕事じゃなかったでしょう』

『でも仕事が絡んでるわ、良い事があったから、私に聞いて欲しかったって』

『それが佐伯の手だって事が解らないの? 貴方の気持ちを良くして物に
しようと思っているのよ』

『そんな事ないわ、話相手が居なくって寂しくって私に電話をくれたのよ』

『佐伯が寂しくっても貴方には関係無い事よ。そんな事言って、貴方もその気
になったんじゃないの』

『いいえ、なりません』

『これからは電話に直ぐに出れるようにしますって言っていたわよね。
あんな事言う必要ないのに』

『あの場合、誰でもそう言うと思うわ』

『貴方、圭一さんの事は何も考えていないのね。
貴方は平気なんだ、圭一さんに解ったら、どう思うか圭一さんの
気持は関係ないんだ』

『お仕事だから、許してくれると思うわ』

『私は貴方の気持の事をいってるの』

『圭一さんに疚しいと思われる事はしていないわ』

この日から佐伯に貰った携帯を身から離さず持ち歩くようになりました。佐伯の
声を聞きたい、佐伯と話をしたいと言う気持ちからではありません。上司でしか
も役員である佐伯の電話には直ぐ出なければいけないと言う気持ちからでした。
  1. 2014/08/16(土) 12:59:41|
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CRの妻 第7回

主人はワインに酔いリラックスしているようです。私を寝室に誘います。

「今日の君は色っぽいな、こっちへおいで」

やはり主人は私を何か変に思っているようです。私のあの部分はまだ火照って
います、まだ滑りも残っています。主人に知られたくありません。

「御免なさい、棚卸しで疲れたみたい。その気になれないわ」

いつもは引いてくれる主人はこの日は強引でした。口を吸われ乳房を愛撫され
ます。さっきバスルームであれだけ感じても、少しの愛撫で直ぐ達してしまい
ます。女の体って不思議ですね、もう何も残っていないと思っていても、直ぐ
に感じてしまいました。直前に感じた体は敏感になっていたのでしょうか?

敏感になってしまった私を悟られないように必死でした。口を堅く結んで、声
を洩らさないように、感じている事を悟られないように腕も主人の背中に回さ
なかったのです。主人は私の中にエキスを放って自分のベッドに戻りました。
この前主人が抱いてくれたのはもう一ヶ月以上も前の事です。本当は主人の背中
を思い切り抱きしめ愛していると言いたかったのです。

でも言えませんでした。先ほど佐伯の愛撫で達してしまい、オナニーで佐伯の
名前を呼んでしまいました。余りにも白々しく思えたのです。

「洋子は感じてなかったみたいだね。僕だけ感じてしまって御免な、愛してい
るよ。おやすみ」

主人は私を抱いた後必ず ”愛している”と言ってくれます。その度に私は主
人の愛を感じています。そう思うとまた涙が出てきます。

『洋子、何故感じてない振りをしたの?』

『圭一さんに解ってしまうのが怖かったの、
それに私の気持ちが、今愛していると言えば嘘になるって言っていたの』

『そうかしら?男はね、自分が感じるより、女に感じてもらう方が
嬉しいものなのよ、それも愛している洋子にね。貴方、佐伯の方がいいんだ』

『違う、そんな事ない。私が愛しているのは圭一さんだけ』

『その言葉忘れないで』

『忘れないわ』

『圭一さん寂しそうだったわ』

私はベッドで泣きぬれています。でも佐伯には最後のものは許さなかった。
それを言い訳にして眠りに落ちました。

土曜日の朝7時頃、主人の声で起こされます。

「洋子、朝御飯が出来たぞ」

そうなんです。娘の明子が小学生になり手がかからなくなった頃から私は今の
会社にパートとして勤め始めました。生活が苦しいわけではなく、主人はパート
に出なくてもいいと言うのですが時間がもったいなく私の我侭を聞いてくれました。
平日の朝食は勿論私が用意しています。パート勤めをしていて私が大変だからと
土曜と日曜日は主人が朝食を用意してくれます、食後のコーヒーも主人が淹れて
くれます。主人にはずっと感謝しています。私の至福の時です。

主人は私の好きなクリスマスローズの事を色々考えていてくれたようです。
翌日、私の念願だったクリスマスローズの鉢の展示場所を2箇所案内してくれ
ました。休みの日は殆ど私の事を優先してくれます。県立公園のグリーンセン
ターと市で管理している旧民家の二つのうち旧民家の方を選びました。

家に帰り、クリスマスローズの鉢一つ一つに話しかけてあげます。

「圭一さんがね、貴方達の素敵な展示場所を見つけてくれたのよ。一杯
水遣りしてあげるから、綺麗なお花を咲かせてね」

主人は、私がいつも言っている水遣りを、主人の物語の題名につけてくれたのです。

『よかったわね、いい場所を見つけてもらって。圭一さんに感謝しなくっちゃ
ね。洋子、本当に愛されてるわね』

『本当にそう思うわ』

『佐伯の事は忘れることね、忘れられるわよね?』

『勿論よ、忘れるわ』
  1. 2014/08/16(土) 12:58:42|
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CRの妻 第6回

一旦主人の顔を思い浮かべますと、それは消えてはくれません。申し訳ない
、何をしているの私はと言う思いが私を支配します。

「部長さん、いけません」

私は佐伯の手を押しのけていました。佐伯の気分を害するのが怖かったので
すが、主人への申し訳ない気持ちが勝っていました。

「宮下さん、ご免。度が過ぎたようだ。君があんまり綺麗だから調子にのっ
てしまった。今日の事は勘弁してくれ」

佐伯はここでもすっと引いてくれます。私の中で佐伯への信頼感が益々大き
くなっていきます。口づけをされ、乳房を愛撫され、今更信頼と言う言葉で
も無いのですが、佐伯も私と同じようにこの場の雰囲気に流されこうなって
しまったのだと自分に言い聞かせていました。今考えれば自己弁護だったの
ですね。

2時間足らずの時間があっと言う間に過ぎていきます。私は気恥ずかしく黙っ
て前を見ています。佐伯から、自分の予定を聞かされます。来週月曜日から
大阪に1ヶ月の予定の長期出張との事、来週から一ヶ月も会えないかと思うと
少し寂しくなりました。

もう家が目の前です。100メートル程手前で降ろしてくれます。近所の目を気
づかってくれたのです。

「今日はどうもご馳走様でした。おやすみなさい」
「じゃあ、一ヶ月間よろしくな。何かあれば携帯に電話くれればいい、
 おやすみ」

初夏の夜風が火照った体を冷ましてくれます。でも先程の佐伯の愛撫の余韻
は消えません。

家に着きました。灯りが消えたままです。主人はまだ帰ってきてはいません。
ほっとしました。今の私の状態を見れば主人は私に何があったのか気がつく
筈です。申し訳ないと言う気持ちより、見つからなくて良かったと言う思い
の方が強かったのです。

先ず体を洗わなくてはとシャワーを浴びます。汗と愛撫の痕跡を消す為に使
ったシャワーです。乳房、腰、お尻とあの部分を洗っているうちに佐伯の手
、口での愛撫の感触が蘇ってきました。いつのまにか、佐伯の愛撫を思いだ
しながら、乳首を弄っている私がいました。佐伯にされたように自分でして
います。「部長さん、部長さん」と呼びながら乳首だけで私は逝ってしまい
ます。あの部分からは蜜が溢れ出しています。中に指を入れ擦ります、捏ね
るように弄ります。もう一方の手は乳首を摘みまわしています。部長さんに
して欲しかったと叫びながら何度も達しました。

体の中が空っぽになったような気がしました。シャワーからあがり、もぬけ
のようになった私は今のソファーに座りました。

急に涙が出てきました。何でこんな事になってしまったのでしょうか。私は
主人を愛しています。佐伯の愛撫は拒否できた筈です。自分の立場を考えて
しまったのでしょうか。常務である佐伯が怖かったのでしょうか。よく解り
ません。全て言い訳ですよね。やっぱり私もして欲しかったのでしょうね。
その証拠にオナニーまでしてしまいました。佐伯の名前を呼びながら何度も
感じてしまいました。結婚してからはオナニーは一度もした事がありません。
こんなに感じた事もありません。それにどうして主人ではなく佐伯の名前を
呼んだのでしょうか。主人に申し訳なく自分が嫌になりました。

暫くソファーに座っていますと、体の火照りはもう収まってきました。そう
しますと自分を責める声が聞こえてきます。もう一人の洋子が私を責めるの
です。

『洋子は何故こんな事になってしまったの』

『しかたがなかったの、上司のそれも役員の方のお誘いを断る事なんて出来
っこないわ。それに食事の時はちゃんと断ったわ』

『でも車の中の醜態はなによ、あんな洋子は見た事もないわ』

『御免なさい。あの雰囲気に流されてしまったの。でも貴方だって喜んでい
たじゃない』

『私は圭一さんにすまないと思っていました。その気持ちの方が強かったわ』

『最後には貴方も逝ってしまったじゃない。あの状態で断れる女なんてきっ
といないわ。まるで夢を見ているようだったわ』

『そうね、しかたないわね。でもあのオナニーは何?洋子ってそんなに淫乱
だったのね。佐伯の名前を呼ぶなんて、どうして圭一さんじゃなかったの?』

『解らないわ、気持ちが良すぎたの。圭一さんに抱かれてもあんなに気持ちが
良くなった事はなかったわ。それを与えてくれたのが部長さんだと思うと、思
わず部長さんの名前が出てしまったの』

『洋子ってひどい、圭一さんに申し訳ないって思わないの?』

『思っているわ、御免なさい、圭一さん』

『また佐伯が誘ってくるわよ、その時はちゃんと断らなければね』

『解ってるわ』

『もうすぐ圭一さんが帰ってくるわ、しゃんとしなさいね』

主人が帰ってきました。主人は帰ると先ず風呂に入ります。少し心配です、
主人が何か見つけてしまうかも知れません。

風呂からあがった主人の顔を正面から見ることが出来ません。

「洋子、もう風呂に入ったのか?」

いつもは聞かれもしない事を聞かれます。とっさに棚卸しで汗をかいたと嘘
をつきました。その後も主人は私の顔色、様子がいつもと違うのを気づいた
ようです。私もワインを主人と一緒にワインを頂き何とか誤魔化しました。
その後主人はもう私の様子の事には触れてきません。

またもう一人の洋子が出てきます。

『うまく誤魔化したわね、圭一さんは気がつかなったみたいね』

『でも辛いわ、圭一さんの顔が見れないの』

『そう思うならもうしない事ね。ちゃんと約束できる?』

『約束できるわ、誘われてももう行かないわ』

『本当ね、佐伯に誘われると思い出すんじゃないの?』

『そんな事ないわ、絶対にもう行きません』

『解ったわ、約束よ』
  1. 2014/08/16(土) 12:57:45|
  2. CRの妻・洋子
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CRの妻 第5回

佐伯は私の乳房全体を大きな手で揉みしだきます。乳房の下の部分から揉み
あげ、乳を搾るように動きます。一番敏感な乳首のボタンには触ってくれま
せん。佐伯はまるで私の体を知っているように焦らします。早く乳首を苛め
て欲しいと思っても口で言う事は出来ません。私は体をずらし乳首を佐伯の
手に合わせます。

「乳首が敏感なようだな」

私は答える事が出来ません、代わりに吐息を洩らします。

「そうか、こうしてやる」

乳首を摘まれます、摘んだ乳首を右に左に捻ります。捻ったまま思い切り
引っ張り急に離します。オハジキのように人差し指で弾きます。爪で引っ掻
きます。時には優しく手の平で擦ります。口づけをされたまま、それは延々
と続きます。濡れそぼった私の女の部分は熱く火照っています。知らず知らず
私は内股を小さく擦り合わせています。

口づけしているのが苦しくなり、顔を離します。

佐伯は又、言葉で責めます。

「こんな淫乱なオッパイはお仕置きが必要だな」

佐伯は両の乳房を手の平で思い切り叩きます。何度も何度も叩きます。

「ほら、見てごらん、手の平の形がついてる」
「いや、恥ずかしい」
「そうか、まだ足りないようだな」

佐伯は更に叩き続けます。

私は軽く達してしまいます。小さく「うっ」と声を洩らします。佐伯に私が
達してしまった事を悟られまいと必死でした。佐伯はワインを飲みながら私
の乳首を苛めていて気がつかなかったようです。

私は自分の性癖に初めて気がつきました。男の方に甚振られて喜ぶ自分に気
がつきました。

佐伯はワインを口に含んだまま、私の乳房を舐めまわします。ワインのひん
やりとした感触がとっても気持ちがいいのです。舌で乳首を転がします、噛
んだまま乳首を引っ張りあげます。

また、達してしまいます。思わず「あぁ部長さん」と声をあげてしまいます。

私のあそこは佐伯の愛撫を欲しがって、蜜を流しています。佐伯の手はなか
なか下には降りてきません。私は焦れてお尻をもぞもぞとくねらせます。
佐伯はそれに気がついたようです。

「そうか、大事なところがまだだったな」

佐伯の手が私の女の部分を捉えます。ショーツ越しですが、その部分を鷲掴
みにします。キュンと快感が走ります。でもその瞬間でした、主人の顔が浮
かびました。なぜだか解りません、主人の事を思う余裕などない筈でした。
  1. 2014/08/16(土) 12:56:33|
  2. CRの妻・洋子
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CRの妻 第4回

食事が終わります。

「宮下さん、さあ帰ろうか、今日はご苦労様でした」
「こちらこそ、美味しいお料理ご馳走様でした」

佐伯の退き際は見事です。女に名残惜しさを残します。

「携帯電話を渡しておこう。私との業務連絡に使ってくれればいい。
さあ、車に乗って」

用意されている車は外車でリムジンと言うのでしょうか、バスのように長い
車です。私を先に乗せて頂き佐伯は後で乗ります。運転席に向かって私が左
です。乗せて頂いて驚きました。後部座席から運転席は見えません。運転手
さんとの話はインターフォンになります。インターフォンのスイッチは後部
座席が優先です。後部座席の声はスイッチを切ると運転手さんには聞こえな
いと言う事です。車中でのお客様との重要な話を運転手には聞かせたくない
場合があると佐伯から説明を聞きました。後部座席は足を真直ぐに伸ばして
も届かないくらいの余裕があります。テレビ、DVD、オーディオシステムも
揃っていてまるで高級な密室応接室のようです。クーラーにはワインが冷え
ています。

今日は金曜日、主人が帰ってくるのは11時前、今はまだ9時前です。A亭から
家まで車なら約20分位の時間です。

「宮下さん、この車の乗り心地は如何かな」
「素晴らしいですわ、まるで夢を見ているようです」
「ご主人は今日は遅いのかな」
「はい、11時頃だと思います」
「今はまだ9時だ。少しドライブでもしますか」
「いいえ、部長に悪いですわ」
「僕は君と少しでも長く一緒に居たい」
「解りました。ご一緒させてください」

佐伯は運転手さんに高速で東京方面に行くよう伝えます。

今、考えればここで断るべきだったと思います。この雰囲気と佐伯に嫌な
思いをさせたくないと言う気持ちで受けてしまいました。それにも増して
私の気持ちの中に高揚するものがありました。

オーディオセットからはアルゼンチンタンゴが薄く流れています。佐伯から
はワインを勧められます。車は首都高速に入っています。耳には心地良い
タンゴの響き、美味しいワインを頂き、車窓には高速道路の街灯、街のネオン
の煌びやかな灯りが流れていく様が映っています。チョコレートを摘みに
ワインのグラスを重ねます。佐伯も終始無言でワインを飲んでいます。時々
私の顔を見ているのが雰囲気で解ります。この雰囲気と、頼もしい男の方が
横の座席に座っています。私は夢見心地でした。

「少し酔ったのかな、頬がピンクに染まっている」
「ええ、少し」
「いいものがある。これを飲めばいい、酔い止めだ」

そう言って佐伯はポケットからカプセルを出し、その中身を私のワイングラ
スに注ぎます。後で主人から、私は媚薬漬けにされていた事を知らされます
が、この時それは知る由もありません。

私は佐伯の好意として受け取っていました。

飲むほどに心地良い酔いが体を包みます。暫くすると心臓の動悸が早くなり
全身が熱くなってきます。

「どうした、酔ったのかな」
「はい、何か体がだるいみたいです」
「眠るといい、良ければ僕の肩にもたれてもいい」
「はい」

私は目を閉じます。知らず知らずに佐伯に頭を預けています。佐伯は髪を
優しく撫でてくれます。私の耳元で囁きます。

「横顔もとても綺麗だ。僕のものにしたい」
「いけません、私なんか部長さんには似合いません。それに私には夫が
います」

口で拒絶をしてはいても、手を払いのける事は出来ません。”君は綺麗だ”
こんな言葉を主人から聞いたのはもう遠い昔の事です。私はこのままこの場
の雰囲気に浸っていたかったのです。

突然、佐伯は口づけをしてきます。

「いやっ、いけません」

佐伯の胸を小さく押します。形だけの拒絶です。佐伯に抱きしめられ、胸を
押していた私の手は佐伯の背中に回ります。2人で抱擁する形になりました。
抱き締められるととても気持ちがいいのです。この人の懐の中で眠っていた
い、このまま融けてしまいたい、そんな気持ちになってしまいます。

主人の事が頭をかすめますが、それを払いのけます。ここでも気持ちをふり
しぼって、止める事が出来た筈です。でも出来なかったのです、この心地良
さには勝てませんでした。頭でいけない事だと解っていても、体が言う事を
聞きません。頭が体に負けてしまったのです。それ以後も佐伯と会った時は
何時もそう言う状態になりました。食事をし、お酒を飲んで暫くすると体が
熱く燃えてきます。誰かに沈めて欲しくなってしまいます。

佐伯は私の唇を思い切り吸います、舌が私の口の中に入ってきます。佐伯の
舌は私の舌を嬲ります。舌と舌を擦り合わせます。舌が千切れるほど吸われ
ます。唾液を送り込まれます。佐伯のそれはとても甘美でした、ワインのよ
うなそれでした。主人とは経験のないことです、これが本当のキスなのかと
思いました。もうこれだけで気が遠くなりそうです。私の大事なところも
熱く濡れていくのが解りました。

長い口づけで息が苦しくなり、顔を離し、思わず溜息を洩らします。

「君の吐息は甘い香りがする、僕にもっと吹きかけて」

私は佐伯の顔に息を吹きかけます。

「いい香りだ、唾を飲ませて」

佐伯の口に唾を垂らします。

「うーん、まるで果蜜を舐めているようだ」

佐伯の言葉は更に私の情欲を高めます。

佐伯の手はブラジャーの下の乳房に伸びてきます。もう私の心に主人の事は
浮かびません。
  1. 2014/08/16(土) 12:55:33|
  2. CRの妻・洋子
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CRの妻 第3回

お酒は嫌いではありません、女性にしては飲める方だと思います。
でも帰りの代行の運転手さんに酔い乱れた姿を見られたくありません、そう思うと佐伯の進めにもあまり盃が進みません。本当はもう
少しお酒を頂いて、佐伯常務と2人きりでいる緊張感を少しでも解
きたかったのです。

そんな時、佐伯から声がかかります。

「君の車は代行で先に返しておこう。君は私の車で送っていこう」と。

お酒、ワインを沢山頂きました、徐々に酔いが回ってきます。話題
は仕事を離れ、家庭の事、主人の事、夫婦生活の事にまで及んできます。私は迂闊だったのだと思います。酔いが回るにつれ、そんな
話題も不自然だと思わなくなり始めます。その内、佐伯は自分のセックス
についても喋り始めます。

「離婚しているが、僕も聖人君子ではない。たまには女も抱く。私が抱くと
女は直ぐ気を遣るが、僕はだめだ、感じた事が無い」
「・・・・・」
「どうしてだか解るか」
「いいえ」
「そこには愛がないからだよ」
「愛ですか」
「そうだよ、だからもう最近は抱く気もしないし、また、してもいない」
「・・・・・」

今、書いているだけでも青臭くて恥ずかしいのですが、この時はお
酒の酔いもあって自然に聞いていました。

「どうしているか解るか」
「いいえ、解りません」
「君を思い浮かべて、右手の世話になっている」
「まぁ、恥ずかしいですわ」

50過ぎの男と40半ばの女が話す内容ではありませんが、私の顔がポッと熱くなるのが解りました。

食事を始めてまだ1時間足らずです。佐伯の話は世界経済、日本の
政治まで及びます。私はついて行くのがやっとです。テレビ、新聞
で知った事で佐伯の話に相槌を打ちます、若干の私の意見も添えます。

「宮下さんも良く知っているな」
「いいえ、私はマスコミで仕入れた事を喋っているだけですから」
「僕もそうだよ、その量が君より少し多いだけさ」

「やっと話し合える人と巡り合った気がする。これからもこんな機会を
作って欲しい」
「私の方こそ、そう思います」

主人とは家で政治経済の事を話し合った事はありません。そう言う
番組を見ても主人は只黙って見ているだけです、私に意見を求めた
事はありません。

佐伯に度量の大きさを感じてしまいます。男と女の話も政治経済の
話も合わせ飲んで話の出来る人、いつの間にか佐伯を頼れる男と
して見ている自分に気がつきました。

料亭での時間も間もなく終わります。私の心にこのままお別れする
のが惜しい気持ちが芽生えます。私の下半身はもう熱くなっていま
した。疼くように熱かったのを覚えています。初めての媚薬をA亭
の食事の時に飲まされていたのです。
  1. 2014/08/16(土) 12:54:22|
  2. CRの妻・洋子
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CRの妻 第2回

佐伯が部屋に入ってきます。

「やあ、宮下さん。待たしてしまってごめん」

この言葉に私の緊張は一気に解け、ハァーと溜息をつきました。

ものの2、3分で仕事の話は終わります。佐伯も無言です。私の方から話
かける事もなく、注がれるままにワインを飲んでいるだけです。時々、佐伯
の顔を見てはテーブルに視線を落とすだけです。私の方が無言に堪えられな
くなりました。

「部長さん、こんな素敵なところでお食事有難う御座います」
「僕の方こそ、君みたいな人と食事できて嬉しいよ」
「そんな、私なんかと」

佐伯はじっと私の目を見つめます。私は視線を返す事が出来ません。私は
する事がなく、ただ俯いています。佐伯が声を掛けてきます。

「宮下さん、どうも手持ち無沙汰のようだな。僕の横に来て、お酌をしてく
れないか」

男の方と二人きりでお酌するのも恥ずかしいのですが、部長さんに言われれ
ば仕方がありません。佐伯の傍ににじりよりお酌をします。

「どうぞ」
「そうか、嬉しいな」

そのうちに佐伯の手は私の腰に太腿に伸びてきます。正社員にして頂いた上
にこんな食事までご馳走して頂いてと思うとその手を払いのける事は出来ま
せんでした。大きく柔らかな手の感触がさわさわと私の肌を擽ります。
いけないと思ってもその感触は心地良いものでした。布を通しても佐伯の手
の暖かさが伝わってきます。次に進んで欲しいと期待も生まれます。手は
私の乳房に進みます。

主人との行為の中で、私は乳首を責められると堪らなくなります。この人に
何をされてもいいと思ってしまいます。

佐伯の手が布越しですが、乳首に触れた時、私の女の部分がジュンと潤うの
が感じられました。でもその時これではいけないと思いました。主人の顔が
浮かびました。手を払い退けなければと思いました。

「部長さん、いけません。こんなところでは嫌です」
「では場所を変えればいいのかな」

佐伯は意地悪です、私の言葉尻を捕らえます。

「いいえ、そう言う意味では」
「只の言葉の遊びだ。気にしないでくれ」

佐伯は引いてくれます。

その後、話は今の職場での居心地はどうかと気遣ってくれます。なにか
あれば自分に相談するように、何でも話しを聞いて頂けるような事を
話してくれます。出張も気を張らずに行けば良い、君は買う方の立場だから
気楽にしていれば良いと気遣ってくれます。

私の中で ”佐伯は優しい人、頼りがいのある人”と言うイメージが膨らん
できます。実際、40も半ばになっての正社員登用で回りの人の見る目が怖
かったのです。そう言う中で社内に私を守ってくれる人がいると言う思いが
私の気を安ませてくれました。
  1. 2014/08/16(土) 12:52:49|
  2. CRの妻・洋子
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CRの妻 第1回

主人が書いた水遣りを読み、読者の皆様のご感想を読ませて頂き、主人が
皆様の暖かいご意見に支えられていた事を感じました。

主人の物語のタイトルは水遣り、投稿者の名前はCRになっています。CR、多分、
Christmas Rose(クリスマスローズ)の略なんですね。私への思いが伝わって
きました。

主人は私がここに書くのを最初は反対しました。私の気持ちの深いところ
までは知らなくてもいい、逆に知ってしまうと私への気持ちが揺らぐかも
知れないと申しております。主人が余計な事をこれ以上知りたくないと言う
気持ちは痛いほど解ります。でも主人がつく溜息、寂しそうな顔、時々私
を見る氷のような視線、私も居たたまれない思いでいます。私が居たたまれ
ないのは仕方が無い事だと思っています。

主人の愛情を以前のように取り戻したい、なにも無かった頃に戻るのは
もう無理かもわかりません。でも一歩でもそこに近づきたいたいのです。
それには佐伯との事を全て主人に知ってもらうことが必要だと思いました。
でも面と向かって話しますと主人は激高してしまうかも知れません。話したい
事も話せないかも知れません。今は書く事の了解をもらっています。

これを主人が読んで、私に愛情をかけてくれるのか、それとも突き放される
のか正直言って怖い気持ちがあります。

私の物語の中で、主人のものとは多少違っているところがあると思います。
主人は私から、佐伯から聞いた事と想像を織り交ぜて書いているはずです。
私と佐伯の絡みの部分は私自信の経験から書いています。

中条さん、松下さんと、私とを比較されますと私は何と酷い女だとお感じ
になられたかと思います。中条さん、松下さんの凛とした清々しい生き方。
それに引き替え他の男の方にのめり込んでしまった私。主人を愛しながら
どうして佐伯と関係をもってしまったのか、出きるだけ主人のストーリーに
そって綴らさせて頂きます。ストーリーそのものは重複しますので、主人の
物語に出てきた部分は出来るだけ割愛させて頂きます。私は文章表現力が
あまりある方ではありません。私の気持ちは、私ともう一人の洋子との
対話で表現したいと思います。

私の水遣り物語はA亭に部長さんに誘われた時から始まります。打合せ
があると言われそれがA亭でと言われた時、なんとなく胸騒ぎがしたのを
覚えています、

私が主人を知ったのは私が大学三年生の時、主人が水泳大会の対抗側のOB
として参加した時の事でした。私はそのまま院に進み、院の一年の時に
社会人となっていた主人と結婚しました。まじめな女学生だったと思い
ます。主人と結婚するまでお付き合いさせて頂いた男の方は只一人、只
一度だけです。今流行りの合コンやその他のお付き合いをさせて頂いた
事もありません。いわゆる箱入り娘だったのだと思います。身長は165cm、
プロポーションもそこそこだと思います。容貌は自分で申し上げるのも
おかしいのですが、もし私の事を思い浮かべて頂けるのなら、女優の
○嶋佳子さんをイメージして頂ければと思います。年恰好も同じくらいです。

主人との結婚生活には満足していました。主人は優しく、愛されている事が
実感として伝わってきます。私は本が好きでいろいろな小説、女性雑誌を
よく読みます。見てはいけない、読んではいけないと思っても夫婦生活の
ページ、不倫小説も読んでしまいます。主人との夫婦生活はごく淡白な
ものだと知らされました。愛し合うのは月に一度あれば良い方です。その
行為も雑誌、小説に書かれている様な濃いものではありません。

主人にいろいろ試して欲しいと思っても、私が小さく拒否しますと、主人
はすぐ引いてしまいます。女の私の方から仕掛ける勇気もありません。

そんな時、佐伯から正社員への誘いがあったのです。年収がパートの4倍
にもなり私は喜んでお受けしました。以前主人が代表を勤めていた会社
が倒産し、その時、持ち家を手放しました。今は借家住まいです。借家住まい
でも生活が苦しいわけではありません。東京から電車で30分余りの千葉北部の
郊外生活にはそれなりに満足しています。主人はもまもなく50歳になります。
私も40の半ば、一人娘の明子は大学を出て東京で暮らしているとは言え、
何より早く自分達の家を持ちたいと思っています。主人と相談し、お受けし
ました。

中途採用の私に歓迎会をして頂けると言うことで佐伯にA亭に招待されました。
A亭の個室に通され佐伯を待つ間、この個室の雰囲気に圧倒されました。
中途採用の私の歓迎会にどうしてこんなに高級な所で、しかも佐伯常務
と二人きりでと思うと息が詰まる思いです。30分程待つ間も心臓がドキドキ
して、早く佐伯が来て欲しいと思ってしまいます。

佐伯は私の主人より3つ年上の52歳、仕事が出来る方です。今、会社が扱っ
ている食品はお客様に評判が良いのですが、その殆どは佐伯が開拓したもの
です。話術にも長け、社内の人望もあります。密かに憧れていました、純粋
に女が男の方を見る意味での憧れです。

感想でのやりとりについては「続きを読む」をクリック
以下は感想でのやりとりです

CRの妻1
涼遊 3/14(金) 18:51:12 No.20080314185112 削除
旦那さんの「水遣り」は、リアルタイムで読ませてもらってました。
今回、洋子さんが書き込むとの事で、いったい何をお書きになるのかな?
と思っていましたが、佐伯との過去の経緯を書かれるのですね。
内容が余りに過激ですと、CRさんに決定的ダメージを与えないか心配になり
ますが、それがお二人の確執を解く為に必要ならば、全てをありのままに
書かれるのがいいでしょう。その上で、お二人で十分に話し合ってくだ
さい。

影ながら、元のお二人に戻れますよう祈っております。

CRの妻
キバヤシ 3/14(金) 22:42:07 No.20080314224207 削除
洋子さん始めましてキバヤシともうします。
CRさんの「水遣り」を拝見させていただき、正直なところ洋子さんはCRさんを裏切り、佐伯に心を傾けていく様(文章からの印象)を見てなんて酷い女性なんだろう?と思いながら見ていました。
また、CRさんと洋子さんの夫婦関係がどうなるのだろうとヤキモキしたりしました。洋子さんが目を覚まして戻ってくるのであればそうでもなかったのですが、もし全てを捨てて佐伯との生活をスタートさせるのであれば後悔してもしきれないほどの制裁を与えて欲しいとも思ってました。実際の夫婦生活は私には推し量れませんが、お二人の関係が壊れないでよかったと思っております。

洋子さんたち当事者からすれば不謹慎なのでそうけど、洋子さんが佐伯との事を綴られるとの事で洋子さんなりの思い、考えを知ることが出来るのが楽しみです。
文章に思いを綴るのは大変だと思いますが頑張ってください。

CRの妻
OPU 3/14(金) 23:39:56 No.20080314233956 削除
私も「水遣り」をリアルタイムで読んでいた者です。

CRさん投稿内容はまさに今の現状と言う事でしたので、最終投稿での決着内容に
一応安堵した反面、投稿終了後のこれからの事を心配してました。
BBS1でのCRさんの再投稿に再構築の難しさを改めて感じています。

今 洋子さんがやろうとしている試みが吉とでるか凶とでるか全く分かりません。
悪い方に転ぶ可能性も多々あります。
そして覚えておいて欲しいのですが、何をどうしても決して元の状態には戻れません。
時間は元に戻せない。覆水盆に・・・です。
忘れるのでは無く、乗り越える手段としてこの試みが吉と出る事をお祈りしています。

CRの妻  洋子さんへ
りゅう 3/15(土) 09:03:59 No.20080315090359 削除
私も「水遣り」をリアルタイムで読ませていただいておりました。
夫であるCRさんは、洋子さんを失いたくはなかったのです。

でも、「氷のような目」に冷たさを感じるというのは、彼の苦悩の色を見たような気がします。ここで告白されることが、お二人の絆の回復に役に立つことを願っています。と、同時に、洋子さんの告白を、すごく楽しみにしています。

CRの妻
コーナン 3/15(土) 10:46:05 No.20080315104605 削除
CRさんの奥様、はじめまして。
夫が描く妻のことまたは妻が描く夫以外の男性とのことを告白した文章はいくつも見てきましたが、
今回のようにご夫婦で告白されるというのは私の記憶では初めてです。
そのため夫の側と妻の側という二つの異なった視線で同じ物事を見るとどうなるのか?ということで
(不謹慎ながら)とても興味があるのです。

最後に、
この奥様の告白がご夫婦にとって良き方向へ行かれる契機となることをお祈りさせていただきます。

CRの妻 
洋子 3/15(土) 18:45:26 No.20080315184526 削除
涼遊様、キバヤシ様、OPU様、りゅう様、コーナン様

励まして頂いて有難うございます。

書いていること自体が大変恥ずかしく、皆様からご意見を頂くと
又更に恥ずかしくなってしまいます。でもこれを切欠に主人との
関係が少しでも以前に戻れたらと思っています。

頑張って最後まで書くつもりです。
  1. 2014/08/16(土) 12:51:22|
  2. CRの妻・洋子
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白き花 最終回

外房の○○まで、一番早い道を選びます。首都高を抜け、東関道で外房へ、それが
一番早い筈です。アクセルを噴かします。パトカーに捕まっても事情を話せば
解ってくれるだろう、そんな気持で急ぎます。○○についたのは4時半、春の初めの
陽はもう暮れかかっています。旅館のあった場所に急ぎました。

昔の旅館はもうありません、瀟洒なペンションが建っていました。妻が泊まっている
か聞きました。主人は渋っていましたが、免許証を見せ夫である事を確認してもらい
ます。妻は泊まっていたのです。

良かった。ほっと安堵してその場にしゃがみ込んでしまいます、安堵と共に大きな
溜息をつきました。妻は散歩に出ています。この辺りは海岸線から少し小高い崖に
なっています。突き出た小さな半島の西側に位置しています。今正に水平線に
沈もうとしている太陽が崖の端に揃っている松の間から垣間見えます。ベンチが2つ
並んでいます。その脇に白いワンピースを着た女性が佇んでいました。

「由里子」
「あっ、貴方、来てくれたのですね」
「来い」
「来てくれると思っていた、きっと来てくれると思っていました」

妻は私に倒れこむようにして抱かれます。

「許して下さい」
「許さない、一生許さない」

妻を骨の折れるほど抱きしめました。

「何を見ていた」
「来て下さい、この花です。一輪草です」

白い可憐な一輪草。一つの茎に一つの花しか咲きません、それはつがいの夫婦かも
知れません。浜風に耐えるように咲いていました。

「野村、由里子は此処に居た」
「そうか、あんたの勘が当たった訳だ。今日はそこに泊まっていけ」
「ああ、そうさせてもらう」

その夜、妻を抱いたのは言うまでもありません。窓から漏れる月明かりにもKTの文字
も見えなかったのです。

今、私達二人は日常の生活を営んでいます。しかし、私も妻も時折フラッシュバック
に襲われる事があります。それが来た時には必ず妻を抱きます。妻が本当に例の依頼書
を信じたのか今はもう聞きません。本当に信じて行動したのだと自分に言い聞かせて
います。

これからも乗り越えなければならない事が幾多あると思います。しかし時が癒して
くれるでしょう。時折、妻は私の腕枕で眠りたいと申します、妻の体温を感じて
眠っています。

長い間、読んで頂いて有難う御座いました。皆様には親身になって心配して頂きました。
本当に有難うございました。
  1. 2014/08/16(土) 11:38:34|
  2. 白き花・男とは?
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白き花 第37回

「なあ、北上。昔を思い出して見ろよ。四人で此処でよく飲んだよな」
「ああ、懐かしいな」
「悪いが幸子にあんた達の事を話した」
「いや、構わない。どうせ何時か解る事だ、その方が気が楽だ」
「幸子なら、由里子さんの行方が解るかも知れない。
あの二人は何処へ行くのも一緒だった」
「いや、いい、俺が一人で探す」
「早く探せ、こんな事は言いたくないが、由里子さんの事だ、
万が一の事もある」
「解った」
「そうか、今日は飲もう、昔みたいに夜明かししよう」

野村は気のいい男です、一晩付き合ってくれます。暖かいお湯をかけられた氷の
ように心が溶けていきます。野村が家に送り届けてくれたようです、あくる朝
10時頃目が覚めました。いつもの習慣で新聞を取りに行きます。

新聞受けには、新聞の他に大きめの封筒が入っていました。メモとDVDが一枚
入っていました。

・・・津岡亜希子です。三浦がとんでもない事をして申し訳ありません。
   三浦の部屋を整理していましたら一枚のDVDが出てきました。
   このDVDを見るまでは由里子さんにも責任の一端があると思って
   いました、由里子さんに慰謝料も請求しようと思っていました。
   でもこのDVDを見ると・・・
   
文章はそこで終っています。DVDを見ます。

タイトルはありません。多分初期の物でしょう。三浦が自分の男根を妻の顔に
差し向け、咥えさせようとしています。妻は顔を背け、唇を噛んでいます。
噛んだ下唇から血が流れ出していました。もう後は見る必要はありません。

妻が持っていたDVDを見て解っていた筈です、妻はずっと耐えていたのです。私
の心がそれを封じ込んでいたのです。私は何と言う情けない男か、野村に心を
溶かされ、亜希子さんにまで由里子は悪くないと言われるまでそれを封じ込んで
いたのです。私の中の男とは何だったのでしょうか、自分で決断出来ない男とは?
自分の妻を守ってやる事さえ出来ない男とは?妻の氷の心を溶かす事が出来るのは
私しかいないのです。

妻を捜しに行こう、そう決断すると、不安な事が押し寄せてきます。野村でさえ、
万が一を心配していました。妻の事は私が一番解っています、妻が心配です。

妻が行くかも知れない所2箇所に絞ります。一つは妻にプロポーズをし、初めて
妻を抱いた場所。もう一つは野村達と四人でよく行った場所、そこには楽しい
思い出が一杯詰まっている筈です。何れも房総、一つは外房、もう一つは内房。

賭けてみます、私はプロポーズした場所に行くことにしました。途中、野村に電話
をします。

「野村、悪いが幸子さんに内房のXXに行ってもらえないか?俺は外房の○○に
行って見る」
「解った。幸子の運転じゃ心許ない、俺も一緒に行く」
「済まない」
「由里子さんの携帯に電話したのか?」
「切られている」
「泊まった旅館には電話したのか?」
「20年以上も前の事だ、今はもうない」
  1. 2014/08/16(土) 11:37:30|
  2. 白き花・男とは?
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白き花 第36回

月曜日、朦朧とする頭を押さえながら本社に出社します。机の上には処理しなければ
ならない仕事が積まれています。字の列を眺めてもその内容は頭に入ってきません、
頬杖をついて思案していますと、野村が声をかけてくれます。

「北上、ちょっといいか」
「ああ」

応接に入ります。

「元気がないな、由里子さんとは上手く行きそうか?」
「いや」

野村には一応の事は報告してあります。勿論、昨日妻が出て行った事は言っては
いません。

「ABCXYZの件だがな、契約は終了させる。量販店への直販に切り替える。
しかし、暫くの期間はABCXYZにはロイヤルティーを支払う予定だ」
「それがいい。津岡社長も安心するだろう」
「由里子さんはどうしてる?」
「・・・・・」
「どうした、何かあったか?」
「・・・昨日の朝、俺が寝ている間に出て行った」
「出て行った?」
「ああ」
「由里子さんの話を聞いてあげなかったのか?
事情が事情じゃないか」
「何を聞けばいい?俺の為に大変な目に会ったな、
ご苦労さんだったと言えばいいのか?」
「そうじゃない。由里子さんはお前を守ろうとしてやった事だ」
「自分の女房がそうなっても、そんな事が言えるか?」
「いや・・・。出て行った先の心当たりはあるのか?」
「検討がつかない」
「由里子さんが見つかるまで、会社を休め。あんたの仕事は部下に
手配しておく」
「いや、そう言う訳には行かない」

野村には検討がつかないと言いましたが、妻の行きそうな所は2箇所心当たりが
ありました。しかし、逃げるようにして出て行った妻を今は捜す気になれないの
です。三浦と一応の決着がついた今は、妻の態度が気に入らないのです。何故、
逃げてしまったのだ。

仕事をそれなりにこなします。難しい数式を見ている時は妻を忘れる事が出来る
のです。もう夕方です、野村が声をかけてくれます。

「5時か、まだ早いが、ちょっと付き合え」

野村と行った所は都心部からは少し離れた古いバーです。20数年前から通い始め、
数年前までは月に2度くらいは通っていました。工場が私の住まいの近くの郊外に
新設された為、私の足は遠のいていました。ママが覚えていてくれました。ママと
言っても、もう60は過ぎているでしょうか。

「北上さん、久しぶりね。元気だった?」

私が返事しあぐねていますと、野村が助け舟を出してくれます。

「こいつが萎れているもんだから、ひっぱって来た」
「そう、元気出してね。昔は貴方達二人と由里ちゃんと幸ちゃんとよく来たわね」

幸ちゃん、幸子さんは野村の奥さんになっています。結婚前から四人でよく飲みに
来ました。懐かしさが込み上げてきました。

「ママ、北上と秘密会談がある、奥の部屋、開いてるかな?」

野村はおどけたように言ってくれます。
  1. 2014/08/16(土) 11:36:26|
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白き花 第35回

妻は頑なまでに拒むのです。脱がそうとする私の手を必死で押さえています。
構わず私は強引に脱がせます。股を割り、妻の女陰が露になりました。剃られた毛
が醜く生え出しています。擦られて赤くなった太股の付け根には未だ薄っすらと
kとTの文字が残っていました。

「許して下さい、未だ消えません」

その二つの文字を見ますと、みるみる私の物が萎えていきます、気持のやり場が
ありません。

「未だお前の気持も消えていないんだな」
「気持なんか初めからありません。文字が文字が消えないんです」

妻が三浦と使ったであろう一本のバイブを思い出しました。

「待ってろ、いい物を持ってきてやる」

バイブを見た妻は泣き叫びます。

「そんな物使わないで下さい」

そのバイブには一本の角が生えています、その角も一つの生き物のように細かく
振動するのです。抵抗する妻に構わず、膣に挿入します、角はクリを可愛がって
います。妻は反応しだします。

「三浦だと思っているんだろう、お前は」
「・・・・・」

妻は絶頂に達します。

「良かったか、三浦にしてもらえて」

萎えてしまった遣る瀬無さ、バイブを使い揚句に三浦の名前を出してしまった
意気地無さ、ベッドに横になっても眠れません。酒を浴びるほど飲み、気絶する
ように眠ります。

翌朝、目が覚めたのは11時を過ぎていました。下に降りて、リビング、台所を
見回しても妻は居ません、2階に上がり妻の寝室を覗いても居ないのです。
買い物にでも行っているのかと思いコーヒーを淹れ、ダイニングの椅子に腰を
降ろしますと、テーブルの隅に丁寧に畳んだ便箋がありました。

・・・浅はかな私を許して下さい。一言貴方に相談すれば済む事でした。
   でも私にはそれが出来なかったのです。今日こそ言おうと毎日思って
   いました。でも言えませんでした。ずるずると気がつけば刺青まで
   されてしまいました。私は汚れきってしまったのです。
   私が居れば貴方は苦しんでしまいます。そんな貴方を見ている事
   が出来ません。私は出ていきます。
   最後まで自分の事しか考えていない私を許して下さい。
   由里子・・・

妻は出て行ってしまったのです。

茫然としました、まさか妻が出て行くことはない、そう思っていました。何も手に
つきません。三浦と連絡を取り合って、三浦の後を追ったのではないか、そんな事
まで考えてしまいます。昼間から浴びるように酒を飲み、夜まで飲み続け、
そのまま寝てしまいます。
  1. 2014/08/16(土) 11:35:14|
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白き花 第34回

「ずっと申し訳ないと思っていました。でも貴方のした事だと思っていました。
悔しかった」
「あんな紙切れ一枚を本当に信じたのか?」
「はい、最初見せられた時は訳が解りませんでした」
「・・・・・」
「でも、貴方に聞いてはならない事だと思いました。
考えている内に、あの製品はいつも貴方が、どうしても成功させなければ
と仰っていたのが思い浮かびました。もしあの依頼が本当だったら、
私が断ったら大変な事になると思ってしまいました」
「そして、お前はあいつの言う事を聞いてしまった。」
「貴方には絶対に悟られてはいけないと思っていました」
「ばれたら困るのはお前達だからな」
「貴方を傷つけたくなかった。出来るだけ普段通りにしようと決心していました」
「俺を裏切っていた事に違いはない。途中で変だと思った事も
なかったのか?」
「思いました。でももう遅かった」
「ばれなければ何時までも続けるつもりだったんだろう」
「いいえ、違います。早く見つけて欲しいと思いました」
「言えば済む事だ」
「言えませんでした。3週間前に貴方に最後に抱かれた夜、これで貴方は
見つけてくれると思いました」

妻の倫理が解りません。三浦に抱かれて苦しむくらいなら、私に話せば済む事です。
勿論私は妻を責めるでしょう。しかし、それは一時的な事です、もし妻が私を愛して
いるなら、三浦の事が好きでないなら続ける方が苦しい筈です。

「お前の毛が刈られているのは何となく解った。しかしそんな事は
口に出せない。俺が鈍感で良かったな、お前達はまだ続けた」
「・・・・・」
「お前は変わっていった。三浦に変えられたんだ。以前は俺のものを
口にした事もなかった。自分からしてくれと言える女じゃなかった」

「お前は自分が変わってしまったのに気がついていたか?」
「・・・・・」
「淫乱になったのに気がついたかどうか聞いているんだ」
「ご免なさい、気がついていました。でもどうしようも無かった」

その言葉に反応して、また妻を打ってしまいます。
妻は正座して俯いています。俯いたその首筋に女の色気を感じてしまいます。

「こっちへ来い」

妻を引き寄せ口づけします。久しぶりに嗅いだ妻の匂いに、私のものも反応して
しまいます。妻を抱けるかもしれません。

「服を脱いでみろ」
「許して下さい。出来ません」
「何故だ?三浦の前では裸でポーズまでとったろうが。俺に裸を
見られるのが、そんなに嫌なのか?」
「違います。でも今は・・・」
「いいから脱げ」

妻の頬を叩きます。DVDの中の三浦と同じ事をしています、弱い女を力ずくで言う
事を聞かせようとしているのです。

後ろを向いた妻はそろそろとブラウスとスカートを脱ぎました。括れたウェスト、
張り出しだ尻、思わず私は妻に飛び掛ります。ブラを外すと乳房が飛び出てきます。
もうK、Tの文字はありません。妻が擦って消したのでしょうか?乳輪は赤く染まり、
所々血の滲んだ後がありました。

「擦ったのか?」
「消したかった、ずっと擦り続けました」

妻の乳首を親指で擦り上げ、親指と人差指で摘みます。ショーツ越しに妻の女陰を
甚振ります。どれくらい時間が経ったでしょうか。妻は喘ぎ声を洩らし、私の指
にも湿りが感じられます。私はショーツを脱がせにかかります。

「駄目、嫌です、そこは」
  1. 2014/08/16(土) 11:34:18|
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白き花 第33回

「話してみろ」
「亜希子とは上手く行っていたつもりだった」

三浦と元妻の亜希子さんとは日常の生活では可も無く、不可も無く普通の夫婦生活
を営んでいたようです。しかし意見の衝突するような事があると亜希子さんは、自分
が社長の妹である事、三浦の会社での地位も自分と結婚したからだと言葉の端々に
出すようになったのだそうです。その亜希子さんの言葉が三浦の心に沈殿していった
のです。三浦は会社でも家でも自分の居場所がなくなってしまいそうに感じてしまい
ます。大容量メモリーの量販店との交渉の時、三浦は既に自分を無くしていたのです。

そんな時、ダンス教室で妻を見かけたのです。

「奥さんは亜希子に無いものを持っていた。ダンスを習っていても
講師の言葉に素直に頷き、頬を染めながら教えを受けていた」

「俺が一度だけ話しかけた時も、恥ずかしそうに下を向いて、只一言
はい、と言っただけだった」
「あんたは何と言ったんだ」
「いや、ダンスの素質がありそうですね、習えばきっと上手くなりますよ、
と言っただけだ」

妻は人見知りが激しいのです、特に初対面の男性には、目を見て話す事が出来ません、
話す言葉もごく短く、俯きかげんに話します。

「可憐だった、俺の想像はどんどん膨らんで言った」
「その揚句、脅かしか」
「済まない、奥さんは初めは激しく抵抗した、しかし最後は喜んでくれた。
こんなに感じた事はなかったと言ってくれた」
「そんな事を言いに来たのか」
「いや違う、俺もこの年だ、もう就職する場所もない。
兄が家業を継いでいる、そこの手伝いをしようと思っている。
田舎へ帰る」

「奥さんとそうなってからも、俺は何と言う事をしたんだと反省していた。
しかし家に帰って亜希子を見ると、奥さんへの思いは増すばかりだった。
止められなかった。ばれれば会社を辞めて田舎へ帰るつもりだった。
亜希子と結婚して、俺は有頂天になってしまった、何でも出来ると
思ってしまった。しかし、都会生活は俺の生に合うものではなかった。
それがやっと解った。田舎に帰る前にお詫びをしたかった」

三浦は会社での地位、自分の家庭と由里子を天秤にかけても、由里子を選んで
しまったのです。

「三浦、お前は帰れる所があって良かったな。
お前は俺に謝ってすっきり出来て良かったな。
俺も由里子はもう元には戻れない」

「三浦、あんたは何故DVDを2種類作った、俺に寄こした物と妻に渡した物だ」
「いつかあんたが来ると思っていた。その時に、奥さんは俺の物だとあんたに
言いたかった。奥さんに渡したものは本当の記録だ、奥さんに見せて、俺の
物になる様を解らせたかった」

三浦は一枚のメモを残し立ち去りました。そのメモには、念の為にと実家の住所が
記されていました。北陸の小さな町です、そこで実家は昆布、海苔とか乾物の卸を
営んでいるのです。三浦は会社での仕事が、亜希子さんとの生活が重かったのです。
都会での生活を清算したかったのです、あわよくば由里子を道連れにしようと思った
のかも知れません。

私の気持が少し晴れるのが解ります、三浦は会社を追われ、離婚され一人になり
ました。自棄になった三浦はまた妻に近づいてくるかも知れない、そんな気持が
重かったのです。妻とはあれから真剣に話し合った事はありません。今日は話せる
かも知れない、そんな思いで家に帰りました。

「貴方、お帰りなさい」
「話がある、こっちへ来い」

私が一番聞きたかったのは、不倫していた時の妻の態度です、その態度はいつまでも
シコリとして私の心に残っています。余程性悪な女で無い限り日頃亭主と接する時に
態度に表れる筈だと思っています。妻は2ヶ月余り不倫をしていました。私が相当
鈍感なのか知れませんが、その間妻の態度に罪悪感、寂寥感を見た事がありません。

「由里子、お前、三浦に抱かれている時はどんな気持だった?」
「・・・・・」
「答えないか」
「嫌でした、怖かった」
「嫌だった?お前達は別れ際いつもキスをしていた。あれはどう言うつもりだ」
「信じてもらえかも知れませんが、強要されていました」
「全て強要されていた訳か?そんな事信じられるとでも思っているのか?
あいつに抱かれて感じなかったのか?」
「・・・・・」
「感じたかどうか、聞いているんだ」
「感じました」
「感じただと」

妻の頭を打ってしまいます。私はどんな答えの聞きたかったのでしょうか、感じ
なかったと聞かされても、嘘だと言って打っていたかも知れません。

「俺に対する気持はどうだったんだ?」
「解りません、複雑でした」
「解らないだと?複雑だと?普通申し訳ないと思うのが当たり前だろう」

妻の言葉にまた激高してしまうのです。
  1. 2014/08/16(土) 11:33:18|
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白き花 第32回

「いやー、出て行けって言わないで下さい。傍に居て償えって言って下さい」

私はそれに返事をせず、2階に上がりました。階段を上っていますと、台所からの
ものでしょうか、私の好きな魚の煮物の匂いが登ってきます。妻の不倫が発覚して
から1週間経ちますが、私が食べないのにも関らず妻は毎日食事を用意しています。

可哀そうなような気がしますが、私の胃が受け付けてくれません。シャワーを
浴びてそのまま寝る事にします。妻はどう言う思いで食事を作っているのでしょうか。
私にいつか食べてもらえる日を待ち侘びているのでしょうか。その心情を思うと
切ないものが込み上げてくるのです。

明くる土曜日、兎に角、妻の居る家に居たくありません、もう愛していないから、
憎んでいるから、いや違います。この時、私が妻をまだ愛しているのか、それとも
憎んでいるのかさえ解らなかったのです。妻の惨めな姿を見たくなかったのです。

妻に声をかける事もせず、朝早く家を出ました。映画を見てもただ画面を追っている
だけ、喫茶店で本を読んでも頁をめくっているだけでした。妻と話合ってみようと
2時頃帰宅しました。玄関前に見知らぬ車が停まっていました、小さな1リッター
の車です。

「嫌です。出て行ってください」

ドアーの向こうから妻の声が聞こえます。

「待たせてくれ、頼む」

その声は三浦のようです。

急いでドアーを開け、中を見ました。

三浦が妻の肩に手を掛け、揉みあっているようすです。私はかっとして三浦の腹に
拳を打ちます。先程の二人の言葉の遣り取りから、妻を抱こうとしていたのでは
ない事は解っていました。しかし二人の姿を見て、衝動的に殴ってしまったのです。

「お前達は」
「北上さん、違うんだ」「貴方、これは違うの」

二人が同時に言いました。

「うるさい」
「北上さん、頼む、話を聞いてくれ」

暫し私は三浦を睨んでいました。

「解った、外に出よう」

妻を残し、私と三浦は外に出て、三浦の車に乗り込みました。

「高級外車はどうした?」
「見ての通りだ。全て手放した」

近くの公園に着き、そこで三浦は土下座をするのです。

「この通りだ。許してくれ」
「許す事は出来ない。しかし終った事だ、あんたも一応の制裁は受けた」
「北上さん、俺の話を聞いてもらえないか」
  1. 2014/08/16(土) 11:32:02|
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白き花 第31回

次の日も、その次の日も、更にその次の日もずっとその繰り返しでした。妻と本音
で話し合う事など出来なかったのです。泣いている妻を見ると益々自分が惨めに
なり、その矛先は妻に向ってしまいます。叩き、蹴り、髪を引っ張り引きずって
しまいます。あのDVDを見ていなければ、口づけの写真を見ていなければここまで
惨めにならなくとも済んだかも知れません、妻を許していたかも知れません。切欠は
解っているのです、妻は私を守ろうとしていたのかも知れないのです。

津岡とは慰謝料、念書等話さなければならない事が山程あります。しかし妻を抱いた
男と思うと会う気になれず、遣り取りは電話、メールで済ませました。本来は直接
会って、憎い男を目の前にして思いの丈を吐き出さなければいけなかったのでしょう
が、それが出来なかったのです。津岡も私の要求に淡々と答えて来ただけでした。
そんな津岡に不気味さを感じてしまいます。

金曜日の事です。この日、工場勤務の私に津岡社長が尋ねてくれます。

「北上さん、本来は圭介と同道すべきだが、彼からの預かりものです」

社長は慰謝料、津岡の詫び状を私に手渡してくれます。慰謝料の金額はX百万円、
詫び状には今回の顛末を詫びる旨、今後一切妻には連絡もしない、もし違えた
場合は如何なる処罰も覚悟する旨書かれていました。

「津岡は?」
「妹の亜希子とは離婚させました。会社の方は懲戒免職です」

その厳しさに一瞬絶句してしまいました。

「これに免じてとは言わないが、刑事告訴だけは許してやって欲しい」

元々、私には刑事告訴などする気はありません、これ以上夫婦の恥を公に晒したく
ありません。

津岡社長が津岡と亜希子さんを目の前に話したところ、その経緯の酷さに亜希子さん
はその場で離婚を決めたそうです。亜希子さんは気性がきついらしく、津岡の性格
に起因するところが大いにあるのでしょうが、既に家庭内離婚の状態だったようです。
津岡は浮気を繰り返していたそうです。しかし今までは人妻を相手にするような事は
なかったようです。それが今回の事で即離婚と言う結果になったのです。

「亜希子は気性の激しい女です。三浦は、あっ、三浦は圭介の
元の姓です。彼は亜希子に頭が上がらなかったようです。亜希子は
奥さんに慰謝料を請求すると言っていましたが、これは私が
何としても止めます」
「しかし、亜希子さんは離婚までされている、妻は慰謝料を請求
されても当然だと思いますが」
「いや、切欠が切欠です。そんな事をさせる訳にはいきません」

津岡社長の人柄が偲ばれます。その後津岡社長が話してくれました。

津岡夫婦が住んでいたマンションは亜希子さん名義である事、三浦のこれからの
住まいは津岡社長が手配した貸マンションである事もその住所と共に教えてくれます。
さすがに仕事は自分で探せと言ったそうです。

社長が帰った後、詫び状をコピーしました、コピーを妻に渡すつもりです。

「詫び状のコピーと慰謝料だ。俺はこんな汚れた金は要らない。お前も
亜希子さんから慰謝料を請求されるだろう。この金を持って出て行ってくれ」

自分でも思ってもいない言葉が出てしまいました。妻の泣きそうな、縋るような
表情が私にそんな言葉を言わせてしまったのです。
  1. 2014/08/16(土) 11:30:56|
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白き花 第30回

家に帰ろうと思っても未だ4時にもなっていません。妻と何を話していいか
解らないのです、このままでは只罵るだけになってしまいそうです。かと言って
離婚を決心することも出来ません。喫茶店で、公園で時間を潰しても、何の言葉
も浮んではきません。公園のベンチに座って、若い母親が子供を遊ばせているのを
眺めています。この母親達もこの日常から離れて不倫などする事があるのかと、
漫然とその若い尻を眺めていました。その尻が妻の尻とかぶって見えるのです。

津岡の声が耳にこびり付いて離れません。

「由里子は尻を振って善がっていたぞ」

それが嘘でも本当でも大差はありません、その言葉の響きなのです。
高く掲げた尻を後ろから甚振られて果蜜を流していた妻、刺青を入れられた時に
女陰を光らせて耐えていた妻、男の腰に足を絡めて絶頂に達した妻。何にも
増して、別れ際男の首に縋りつくようにして口づけしていた妻。妻は本当に身も
心も男に預けてしまったのでしょうか。

それにしても今日の津岡の態度も気に掛かります。何かふてぶてしいまでの、
その態度。普通は社長がお詫びしろと言えば、その気がなくとも、形だけでも
土下座の真似をする筈です。あれでは社長の心象を悪くしてしまい、その処分も
きついものになるでしょう。津岡の真意が解りません、妻と何か言い交わした
事でもあるのかも知れません。私の想像は悪い方へ悪い方へと膨らんで行くのです。

もう8時、4時間も時間を潰していた事になります。ここで考えていても始まらない、
妻を見て出た言葉が自分の気持だと言い聞かせ、家へ向いました。

「お帰りなさい」
「ああ」
「お昼過ぎ、会社に電話しました。もうお帰りになりましたって」
「何で会社に電話する。携帯があるだろうが」
「済みません。何だか貴方が遠くへ行ってしまいそうで」
「詰まらん事で一々電話するな。俺を見張っているのか?
大事な津岡を潰されたら堪らないだろうからな、お前は」
「あの人は大事な人なんかじゃありません。私には方法がなかった」
「だから何故俺に相談しなかった。何度も言わすな」
「本当に貴方には聞けなかった。どうしたらいいか解らなかった」
「その揚句お前は津岡に抱かれてしまった。それも善がってな。
もう一度DVDを見てみるか」
「いやー、もう言わないで」
「好きな津岡に可愛がってもらっているところを見るとお前も興奮するだろう」

妻は俯いたまま小さな声で言いました。

「好きではありません。私には貴方しかいません」

妻のどんな言葉も私を癒してはくれません。どんな言葉を聞きたいのか解りません。

「愛しているのは貴方だけです」「一生お傍に居て償っていきます」
「どんな罰でもお受けします」「別れるなんて絶対に言わないで下さい」

そんな言葉を欲しいのかも知れません。
  1. 2014/08/16(土) 11:25:55|
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白き花 第29回

「あの圭介が。文書を偽造して、脅迫紛いの事までして。
何と言う事をしたんだ」

暫くの沈黙の後、社長は正座して頭を床に擦り付けるように土下座をします。

「北上さん、この通りだ。許してくれ」
「社長、貴方に謝って頂こうとは思っていない。
頭を上げて下さい」
「私の気が済まない、私で良ければ存分に殴ってくれ」
「いや、それは出来ない」
「圭介の処遇は私に任せてもらえないか、あんな偽文書まで
作っている。社長としての管理責任もある。社長として会社と
して責任持って対処する。それに慰謝料の方も考えさせてくれないか。
申し訳ない、慰謝料などと言う言葉を使って」
「彼の処遇はお任せします。しかし慰謝料は私と彼の問題だ。
私の方で話をつけます」
「解った。圭介を呼ぼう」

社長が内線で津岡を呼び出します。津岡は私が訪問している事を未だ知りません。
応接室に入った津岡は私を見て呆然と立ち尽くしています。その第一声は、

「北上さん、あんたは個人的な問題を会社に持ち込むのか」
「津岡、何を言っているのだ。嘘ででっち上げた会社の事を
出したのはお前の方だろう。あの書類がなければこんな事はしない」

私がそう言うが早いか、津岡社長は

「馬鹿、お前は何を言っているのか解っているのか。
先ずはお詫びするのが、当り前だろう」

と津岡の頬を思い切り叩きます。

「見下げ果てたヤツだ、お前は。そんな男じゃないと思っていたぞ」

津岡は渋々、頭を下げ一言、申し訳ないと言いました。

「それがお前の謝り方か。済まない、北上さん、この通りだ」

津岡社長は再度、土下座をして詫びてくれます。

「社長、もう結構です。彼は席を外させてください」

津岡は部屋を出ざまに言うのです。

「由里子は初めはいやいやだった、しかし最後はいつも尻を振って
善がっていたぞ」
「この野郎、人の女房を呼び捨てにしやがって。
それがここで言う言葉か」

さすがに私も切れました。津岡の顔に腹に拳をみまいます。

その後、社長とは代理店の話をします。市場の動向、大量販売店の意向、
織り交ぜて話します。

「こう言う時期が来るとは思っていた。只、何らかの緩やかな終結を
考えて頂きたい」
「勿論です」

代理店のその後の事は社長と営業部に任せる事にします。私の本題は別に
あります。妻との事を考えなければいけません、仕事の方が楽なのです。
頭と心が痛みます。
  1. 2014/08/16(土) 11:24:40|
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白き花 第28回

「妻が津岡と不倫している」
「まさか、お前の勘違いだろう?」

報告書、例のご依頼所を前に、深くは話しませんが事の経緯を話します。

「信じられない。あの由里子さんが」
「あぁー、俺も今だに信じられない」

野村はご依頼書をまじまじと見つめています。

「由里子さんは、お前と、お前の製品と、ひいては会社を守ろう
としたんだよ」
「そうかも知れない、しかし俺に相談してくれれば良かった」
「由里子さんの性格からして、そんな相談をお前に出来なかったのだろう。
由里子さん一人で被ったんだよ」
「簡単に言うな、そんな綺麗事じゃない」
「そうだな」

「なあー野村、ABCXYZとの取引は俺に幕引きをさせてくれないか?」
「・・・・・」

野村は暫し考え込んでいます。

「ABCXYZだけではなく、他の代理店との事も考え直さなければいけない
所へ来ている。これだけ最終価格が下がれば量販店との直接取引も
視野に入れなければならない」
「ああ」
「解った。ABCXYZはお前に任そう。山下には社長預かりと言う事に
しておこう」
「悪いが頼む」

仕事に私情を挟むのは禁物です。しかし今回は特例中の特例だと自分の気持を
納得させました。

「野村、お前には全て報告する。今日はこれで帰る、あいつと会う積もりだ」

と言ったものの、津岡に伝えてあるわけでもなく、これからの行動を考えて
いました。こんな時自分が直情型の人間だったどんなにか気が楽だろうと
思いました。考えた末、やはり津岡の会社に行く事にします、これが正攻法
だと思います。

津岡社長と圭介の在社は確認しました。津岡社長に電話をします、私の会社と
名前を告げると簡単に社長に取り次いでくれます。社長に私の訪問の意を伝え、
津岡圭介の同席を求めました。技術担当の私の来社に社長は少し怪訝な声を
していましたが、用件は伺った時にと、圭介には私が訪問する事を行くまで
黙っていて欲しいと伝え電話を切りました。

応接室が用意されていました。社長が入ってきます、型どおりの挨拶が済みます。

「技術の専務さんがご来社とは、技術的なお話ですか?
常務をもう呼びますか?」
「いや、今日は個人的は話です。常務さんは、社長に一通り、話を
聞いて頂いてからで結構です」

妻と津岡圭介の話をします。
  1. 2014/08/15(金) 14:31:31|
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白き花 第27回

月曜日、本社に出社します。

こなさなければならない仕事がありますが、先ず山下の話をもう少し
聞いて見る事にします。今の私には仕事よりこちらの方が大事です、それに
やる事をやらないと仕事に身が入りません。

「山下君、ちょっといいか?」

山下君と小会議室で話をします。

「ABCXYZはその後どうだ?」
「芳しくないですね、売上は緩やかに落ち込んでいます。
でも心配はしないで下さい、他の代理店は上がっています」
「そうか、ところで津岡圭介と言ったかな、彼の態度が酷いそうだな。
彼について何か知っている事はあるか?」
「どうしたんですか?」
「いや、あの製品は私の子供のようなものだ、
何か心配になってね」
「そうですか。私なりにも色々調べました」
「それで?」

山下から聞いた内容は、津岡の会社のお客様である量販店には、我社が
津岡の会社に無理に製品を押し込んでくる、そうしなければ代理権を取り上げる
と我社が言っていると、だから量販店さんにもっと大量に買ってくれと、そんな
内容でした。

「実際はどうなんだ?」

解っている事を敢えて聞きました。

「勿論そんな事はしやしません。量販店には私が行って納得して頂きました」
「そうか、君も大変だったな」
「どうも、あの津岡はかみさんに頭が上がらないみたいですね、それも
極端に。何かあると社長の妹をチラつかせるようですね」
「そうか、有難う」
「それからもう一つ、言わないでおこうと思っていましたが・・・・・」
「何だ、どうした?」
「津岡に誘われた事があります、私の女房と3人で飲みに行かないかと。
勿論、断りましたが」
「そうか」

社長の野村にも話さなければいけない事があります。

「野村、ちょっといいかな」

野村と私は今の会社を立ち上げる前の会社でも同期です、30年来の友人です。
さん付けは出来ません。野村は営業、私は技術、お互いに了解しています。

「お前からとは珍しいな、どうした北上」

小会議室へと向います。

随分迷いました。しかし、今度の事は会社が絡みます。妻と津岡の顛末を話して
おく必要があります。それに野村は私の話を親身になって聞いてくれます、そう
言う男です。誰かに聞いてもらいたい気持もありました。

「いや、ABCXYXの件だが」
「売上は心配するな、手は打つ」
「違うんだ、常務の津岡圭介の事だ」
「酷いとは聞いているが、どうかしたのか?」

迷った末、話す事にしました。
  1. 2014/08/15(金) 10:37:19|
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白き花 第26回

津岡が私に寄こしたDVDの2番、3番を見てみます。

妻が激しく拒絶している部分は省かれています。勿論、津岡の顔、声も出ては
きません。このDVDの1番から3番を通してみますと、妻の苦悶の表情は快楽に
耐えている顔、苦渋の声も快楽を振り絞っている声に見え聞こえます。この
DVDでは妻は津岡の言いなりになっているように見えました。

津岡は妻に渡した生のDVDと私に寄こした編集したDVDの2種類を用意したの
でしょうか、この時の私には理解の出来ない事でした。妻に渡したDVDには津岡
の顔、声がはっきりと出ています。何故? 私に推測出来る事は自分の顔、声を
出す事により、妻に対して、お前は自分の女だと認識させようとしたのかも
知れないと言う事くらいでした。妻は誰にもこのDVDを見せる筈がない、そう
思い込んで、生のDVDを妻に渡したのでしょうか。

階段に立って階下を見やりますと、下の電気は全てまだ点けられていません。
リビングに降りドアーを開けますと、妻は泣き疲れたのかテーブルに突っ伏して
寝ています。電気を点け、妻の顔を見ると涙が通った後は化粧が落ちていました、
テーブルには涙が零れています。

いくら泣き濡れてテーブルに突っ伏していても、今は妻を許す事など出来ません、
否、未来永劫許せないでしょう。切欠と脅されて関係を持った事は解りました。
しかし、何故簡単に抱かれてしまったのか、何故私に相談してくれなかったのか、
済んでしまった事を私は悔やんでいました。今は妻に向けるべき怒りのその分も
津岡に向けるしかないのです。

寝ている妻に毛布を掛けてあげようと、押入れから持ってきましたが、出来ません。
こんな女には毛布の温かみも必要ないと思ってしまうのです。

「あっ、貴方」

妻は毛布に気がついたようです。

「これでも羽織って、そこで寝ていろ」
「お食事は?」
「要らないって言ってあるだろう。これからは一切俺の世話の必要はない。
世話したいんなら、津岡の世話でもしろ」

そう言い残して、私はシャワーを浴び寝る事にしました。津岡をどうしてやろうか、
考えても何も浮んできません。その内に眠ってしまいました。

朝起きますと妻はベッドにいません、ベッドも乱れてはいません。リビングに
行きますと妻は昨夜と同じようにテーブルに突っ伏していました。妻も私と同じ
部屋では寝れなかったのでしょうか、私は自分のベッドをもう一つの6畳の間に
移しました。

「由里子、俺のベッドは他に移した。嫌な俺がいなければ、お前も
自分のベッドで寝れるだろう。津岡を思い浮かべてオナニーも出来るしな」

自分の言葉に嫌気がさします。しかし津岡と決着がつくまでは、一切妻とは話は
しないと決めました。妻の携帯も取り上げてはいません、好きなようにすれば
いい、そんな気持でした。
  1. 2014/08/15(金) 10:36:27|
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白き花 第25回

ウィーンと音をたてて、シェイバーが妻の股間に近づいていきます。

「止めて下さい、絶対に嫌です」

妻は尻で後ずさりしています。カメラは妻の顔を捉えます。涙を流して激しく
顔を振っています。津岡の手が伸びて妻の髪を引っ張り下を向かせています。

「ほら、良く見ておくんだ。今に綺麗になるからな」

ジャリジャリとシェイバーが妻の陰毛を刈る音が響いています。

「ほら、綺麗になった。由里子の助平なクリもその下の口も
丸見えだ。見てみろ」

津岡は妻に手鏡を放り投げます。妻はうな垂れたままです。津岡は強引に妻の手
に鏡を持たせ、頭を抑え、その部分を見させます。

「どうだ、綺麗になっただろう」

妻は無言です。

「さて、今度を俺の印を入れなければな」

津岡は何かセットになった針と色材料のような物を用意しています。妻はそれ
を恐れの混じった目で見ています。

「何をするんですか」
「由里子の此処と此処に俺の名前を入れる。これは俺の所有物だからな」
「いやーっ、止めて下さい」

一瞬妻は画面から消えました。絵の無い所から音と声だけが聞こえてきます。
音は津岡が妻を叩いているものでしょうか? パシッ、パシッと数回聞こえます。

「まだ解っていないようだな。由里子は俺には逆らえられないんだぞ」
「・・・・・」
「ほら、股を大きく開くんだ」

妻は津岡の言葉に従いました。

津岡は妻の太腿の付け根に、左にK、右にTと墨をいれました。時々、針のような物で
陰核を甚振っています。その作業は20分位でしょうか、妻の女陰に光るものが見え
ました。

「由里子の此処は喜んでるぞ」

刺青は乳輪に移ります。時々、妻の顔がアップされます。痛いのでしょうか、
それとも快感に耐えているのでしょうか、妻は苦悶の表情を浮かべていました。

「刺青と言っても偽物だ、3週間位位で消えてしまう、消えたらまた、
同じ事をする。由里子の楽しみが一つ増えたと言うわけだ」

刺青が終った後、津岡は妻の刺青を施したその部分を時間をかけて舐めて、最後
は一つに繋がっていました。
  1. 2014/08/15(金) 10:35:28|
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白き花 第24回

辺りがもう薄暗くなってきました。家のリビングの灯りも点いていません。
妻はダイニングの椅子に座っていました。

「由里子、俺達はもう駄目だな。俺はもうお前とやって行けそうにない」
「そんな事言わないで下さい、私を許してください」
「無理だな、出て行ってくれ」
「いやーっ、出て行けって言わないで。私は脅されて」
「脅されたにしても、最後は善がっていた」
「そんな事ありません・・・・・」

確かに1番目のDVDでは妻の体は愛撫に反応はしているものの、妻の顔には喜びの
表情がありません、愛撫に耐えているような気もします。しかし、その表情は、
されたくない甚振りに耐えている苦渋のものなのか、押し寄せてくる快感に耐えて
のものなのか、私には判断が出来ません。

2番、3番と記されたDVDを見てみます、妻に渡された方のものです。

妻と津岡は正上位で繋がっています。

「貴方と言え」
「嫌です」

妻の頬に激しくビンタを食らわしています。

「これでもか」
「言えません」

津岡は更に激しくビンタを食らわします。

「言わないと書類のコピーをご亭主の会社に送るぞ」

妻はついに落ちました。

「あ、貴方」
「それから何て言うんだ」
「解りません」
「貴方のを中に下さいだろう」
「・・・・・」
「まだ、解らないのか」
「言います。圭介さんのを中に下さい」

津岡は激しく腰を動かし妻の中に精を放つのです。

「今度から逝く時は、大きな声で逝く、逝きますと言うんだな」
「・・・・・」
「返事はどうした」
「はい、由里子は逝きますと言います」

それからの妻は津岡の行為に最初は拒否するものの、津岡の言いなりになって
いました。膣で受けた津岡の精液が滴り落ちてくるシーン、口で受けた精液が
口角から零れ落ちてくるシーン。私の心は破壊されそうになっていました。しかし、
ここまで来て、最後の3番目のDVDを見ないわけには行きません。

股の付け根と乳輪に文字を書くシーンです。

「今日は俺達の記念日だ。由里子が完全に俺の物になる日だ」
「・・・・・」
「股を開け」

妻は渋々従っています。

「もっと大きく」

津岡は女性用のシェイバーを持っています。

「何をするのですか」
「ここを綺麗にしてあげよう」
  1. 2014/08/15(金) 10:34:18|
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白き花 第23回

妻と津岡の最初の切欠は脅かされてのものだとはっきり認識出来ます。しかし、
長時間の愛撫、甚振りに妻は耐えられなくなって喘ぎ声を洩らしていました。尻
を高く掲げたシーンでは、妻の秘部から果蜜が流れ落ちていました。初めての日
に、その日初めて抱かれた男に、妻はこれ程の変化を示したのです。DVDが終って
もパソコンの前でしばし茫然としていました。

時計を見ますと、もう午後の2時です。こんな時でも腹が空きます。台所に降りて、
冷蔵庫を見ていますと、リビングで泣き濡れていた妻が声を掛けてきます。

「あっ、貴方、何か召し上がりますか」

妻は日常の生活を営もうとしています。

「お前が作ったものを食えると思っているのか?」
「・・・・・」
「外で食ってくる。晩飯も要らない」

駅前の食堂で飯を食べます。腹が空いていても飯が喉につかえます、お茶で
流し込むようにして、昼飯を終えました。帰る途中、コンビニで握り飯、パン
お茶を買って帰ります、晩飯にするつもりです。レジ袋を手に帰りながらも、
どうして私がこんな思いをしなければいけないのか、そう思うと尚更、妻と津岡
への腹立ちが増すのです。

妻の居る家に足が向きません、近くの公園のベンチで座り込んでしまいます。
津岡は立ち直れない位に叩きのめしてやりたい。しかし、妻の事はどうすれば
良いのか?許すのか許さないのか?こんな事の載っている参考書など売っては
いません。妻物語のBBS1を読みますと、殆どのご主人は最後には奥様を許されて
います。夫婦として生きて来た歴史がそうさせているのでしょうか?お子様の
存在がそうさせているのでしょうか?社会的なしがらみなんでしょうか?

私達夫婦にも20数年の歴史があります。従順な妻でした、私に良く尽くして
くれたと今でも思っています。嫁いだとは言え娘が居ます、その娘には知られ
たくありません。しかし私には自分の思いを殺してまで、それは出来そうに
ありません。

人妻とは理由があれば、それを言い訳にして簡単に体を開ける生き物なんでしょう
か?男と女の生理の違いを言うつもりはありません。私もソープに行った事は
あります。しかし、会社で働いてくれている奥様を見ても、独身のOLさんを見ても
素敵な人だな、可愛い子だなと思ってもそれだけです。実際に行動に移すなど、
出来もしない事です。男とは、女とは一体何なのでしょうか? そんな事を公園
のベンチに座って考えていました。

辛い事ですが、もう2枚のDVD、2番と3番を家に帰って見る事にしました。
  1. 2014/08/15(金) 10:33:19|
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白き花 第22回

「何を黙っている、俺にはお前達の全てを知る必要がある」
「由里子の調教の記録だって、渡されました」

妻の泣き声はまた大きくなるのです。私は妻の持っているDVDを見たくなりました。
もっと過激な事が写されているかも知れません。それでも私の衝動を抑える事が
出来ません。

「全部で何枚だ? ここへ持ってこい」
「3枚です。でも嫌です、もう見たくありません、許してください」
「お前にそんな事を言う権利は無い、いいから持ってこい」

妻は立ち上がろうとしません。

「何処にある、言え」

妻のPCスタンドには鍵の掛かる引き出しが一つあります。

「此処だな、開けろ」

動かない妻に焦れて、私は妻の鍵束を奪います。何個目かの鍵が合いました。DVD
3枚の他に、小物がありました。その小物に隠されているように一つのバイブが
ありました、それは使い込まれているようでした。

「お前達はこんな物まで使っているのか」
「・・・・・」
「これは俺が預かっておく」

妻が持っていたDVDのやはり1番をスロットに挿入しました。立ち上がる時間の中で
先程の違和感が頭を掠めます。さっき見たDVDは所々、途切れていました。都合の
悪い所をちぎったように。

DVDが立ち上がりました。タイトルは ”人妻由里子の調教日記”となっています。
私に寄こしたものと違います。どうしてこんな手の込んだ事をしたのか理解に
苦しみます。兎に角見てみます。妻は目を伏せています。

「嫌ならお前は見なくてもいい、俺が一人で見る」

何の為に私が見ようとしているのか、妻には理解が出来ないのです。私には妻の
痴態を見る他に目的がありました。やはり着衣の妻が壁を背にして立っています。

今度は男の声が聞こえます。

「今日から由里子の調教記録が始まる。まず服を脱げ」
「そんな事は出来ません。ビデオは止めて下さい、お願いします」

以前のDVDでは何か遣り取りがあった後、妻は服を脱ぎ始めています。しかし、
このDVDでは違います。津岡が立ち上がり妻の傍に行き妻の頬を叩いています。
妻は激しく抵抗しています。妻が津岡の男根を咥えるシーンも、四つん這いに
なって尻から女陰を甚振られているシーンも最初は激しく抵抗しています。涙
さえ浮かべています。津岡がバイブを持ち出した時には、妻は一旦それを奪い
床に叩きつけています。その時津岡は妻を激しく打っています。津岡はその他でも
随所で妻の頬を叩いています。正上位で両足を津岡の腰に巻きつけたのも、津岡
が強引にそうさせていたのです。時には例の依頼書を言葉に出して脅迫していた
のです。

このDVDでは津岡の顔が写っています、声もはっきり聞こえます。私に寄こした
DVDには津岡の顔どころか、声さえ消されています。私に寄こしたDVDは編集した
もの、妻に渡されたものは生の映像だと推測出来ます。

津岡に会おうと言って会うまでのの時間は約1時間半、そんな短い時間に編集
出来るとは思えません。そうすると私が持っているDVDは以前に編集し、予め
持っていたものだと言う事になります。どうしてそんな手間の掛かる事までして、
津岡はDVDを2種類用意いたのか、私には理解が出来ません。妻が持っているDVD
では津岡の顔、声がはっきり認識出来ます。妻と津岡の不倫の証拠になります。
  1. 2014/08/15(金) 10:32:08|
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白き花 第21回

1時間位DVDを見ていたのでしょうか、妻が気になります。

バスルームを覗きました。妻は全裸で洗い場に蹲っています、背中が揺れています。
私がドアーを開けたのに気づきしゃくりあげるように泣き出しました。その部分を
見ますと、擦った後が真っ赤になっています。しかし文字は消えていないのです。

「ちょっと擦った位では消えない程、お前たちの絆は強いわけだ」
「違います。今までも消そうとしていました。でも擦った後を
見つけられると酷く打たれました」

「貴方、ご免なさい、由里子を許してください」
「許せない。ばれなかったらそんな言葉も出てこないだろう」
「違います。初めからこんな事にはなりたくなかった。
でも断れなかった」
「DVDを見た。お前は喜んでいた。俺にも見せた事のないような顔でな」
「いやぁー、もう見ないで」

泣き叫んでいます。泣けば泣くほど、妻をもっと泣かせてやりたい、そんな気持に
なってしまいます。今は妻と津岡をどう裁こうか、そんな事は考えられません。
自分の衝動のままに動いてしまいます。

「お前の喜んでいるいるところを見てみたらどうだ。こっちへ来いっ」

無理やり妻をパソコンのある部屋に引っ張っていきます。1番のDVDを立ち上げます。
妻は画面を見ません。髪を掴み強引に画面に向かせます。

「目を開いてよく見るんだ」

妻は沈んだ顔で画面を見ています。暫くすると妻は怪訝な顔になるのです。

「違います、このDVDは違います」
「何がどう違うんだ?お前のこの嬉しそうな顔を良く見ろ、残念ながら津岡は
写っていないがな」

当たり前です、津岡が自分の顔を撮る筈がありません。

「このDVDはどうしたのですか?」
「DVDが勝手にここに来るわけがないだろう。今日、津岡が俺に
寄こしたものだ。お前が津岡に夢中になっているのを見せて、
俺に諦めろと言いたいのだろう」
「私のDVDでは無いのですね?」
「お前のDVD? 何だ、それは?」
「・・・・・」
「言わなきゃ、解らないだろう」
「津岡が私にくれたものです」
「どうして?」
「・・・・・」
  1. 2014/08/15(金) 10:31:13|
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白き花 第20回

妻の髪を引っ張り、引きずるようにしてバスルームに連れて行きます。妻を
バスルームに放り投げるようにして押し込みます。

「そこで、その絵が消えるまで洗え。消えたら出て来い」

私は時間稼ぎをしているのです。余りの出来事にどう対処していいのか
解りません。別れを切り出すのは簡単です、しかし自分が離婚を望んでいるのか
さえ解りません。妻の不倫が解ってまだ2日しか経っていません、考えが纏まり
ません、考える事すら出来ないのです。

津岡が寄こした包みがあります、開けてみます。DVDが3枚入っています。1、2、
3と番号が打たれています。自分の部屋に戻り見てみる事にしました。1番と
書かれたDVDをスロットに挿入しました。立ち上がる時間がもどかしいのです。
立ち上がった画面を見入りますと、”初めての日”と書いてありました。

シティーホテルの一室のようです、津岡のグループのホテルに違いありません。
妻は壁を背にして立っています。男の声は聞こえませんが、妻はその声に返事
をしています。

「そんな事は出来ません。ビデオは止めて下さい、お願いします」

何か遣り取りがあったようです。妻は頷き服を脱ぎ始めました。ショーツとブラ
だけになって立っています。再度、男から命令されたようです、全裸になって
立っています。片手で乳房を、もう片方で女陰を隠そうとしています。男の次の
言葉で左手を腰に、右手を頭の後ろに回し髪を掻き揚げています。腰を突き出し、
足を開き、斜め半身になってポーズを取っています。まだ垂れもせず、ボリューム
のある乳房、括れたウェスト、張り出した腰、何よりその抜けるような白い肌。
脅されて仕方なく男の言葉に従ってるとは言え、この卑猥さはどうでしょう、
まるで男を誘っているようです。

カメラが妻に近づいていきます。男の手が妻の乳房を、女陰を甚振ります。
妻は歯を食いしばって耐えているようです。10分も続いたでしょうか、妻の
体が、顔が薄桃色に染まっていきます。耐えかねたように妻の口から「あぁー」
と溜息が漏れました。

もう見るに耐えられません、所々飛ばしながら見ていきます。椅子に腰掛けた男
の物を咥えています、ベッドの上で四つん這いになって、顔をこちらに向けて、
尻を高く掲げて、男の手での女陰への愛撫を受け入れています。更にバイブまで
受け入れていたのです。最後は正上位で両足を男の腰に巻きつけて妻は逝ってしま
うのです。

脅迫まがいに命令されての事とは言え、ただ一度の行為でここまで変えられて
しまった妻、押し寄せてくる快感に負けて、最後は男の言葉に唯々諾々になって
いました。

打ちのめされました。しかし、見終わった後に何か違和感が残りました。この時、
その違和感が何であるか解らなかったのです。もう2枚のDVDはとてもじゃないが
見れません。
  1. 2014/08/15(金) 10:30:01|
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白き花 第19回

家に帰りますと、妻はダイニングの椅子に背筋を真直ぐにして座っていました。

「お帰りなさい」
「脅されて始まったのは解った。どうして俺に相談しなかった」

相談出来るような事ではないと解っています。しかし言わずには居られないのです。

「ばれなければ、いつまでも抱かれていたんだろう?」
「いいえ、いつか言おうと思っていました」
「嘘をつけ、現に今日も会うつもりだったろうが」
「・・・・・」

妻はうな垂れています。背中を震わせて泣いています。その背中を見ますと、
引きずり回したくなります。2週間前抱いた時の妻の反応、陰毛の様子を思い
だします。

「脱げ」
「・・・・」
「脱げと言っているんだ」

私は妻のスカートに手を掛けます。妻は必死で押さえています。無理にその手を
払い、ホックをちぎり取り、ジッパーを降ろします。スカートを強引に脱がせます。

「下着も脱ぐんだ」
「出来ません、許してください」

又もや、妻の下着に手を掛け引きちぎるように脱がせます。妻は両手で陰部を
押さえ、屈みこむようにしています。絶対に見せたくない、体で言っています。
上半身はそのままブラウスを着ています。

「手をどかせるんだ」

手を払い、足を割り女陰を露に晒します。

「何と言う事だ」

陰毛は、クリトリスの上部に申し訳程度に逆三角形に短く小さく刈り込まれて
います。そして、左の太腿の付け根に小さくKと、右にはTの文字がありました。

「お前は」

まさかと思いブラウス、ブラを引きちぎります。妻の小さな乳輪に、左にK、右
にTと小さく書かれていました。津岡圭介のイニシャルなのです。

私は打ちのめされました。ただ抱かれていただけではなかった。妻は津岡に隷属
していたのです。
  1. 2014/08/15(金) 10:28:55|
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白き花 第18回

津岡を呼び出すことにします。私の携帯からだと、誰からのコールが解らず、
津岡は出ないかも知れません。妻の携帯を使います。数回のコールの後、津岡は
出ました。

「由里子か。どうした?熱があっても抱かれたいか?」
「その由里子の亭主だ。人の女房を呼び捨てにしやがって」
「えっ」
「えっじゃない。何故俺が電話したか解るな」
「いや、解らない」
「じゃ教えてやろう。お前の会社へ行く、お前も出て来い」
「今日は休みだ。会社は閉まっている」
「お前も役員の端くれだろう。何とでもなるだろう」
「いや、ならない」
「そうか、それならお前のマンションに行こう。奥さんも居て
丁度いい」
「俺のホテルでは駄目か?」
「駄目だな」
「解った。何とかする」
「書類棚の鍵も持ってくるんだ」
「解った」

会社で会うのは事の大きさを津岡に認識させる為もあります、それに津岡は
会社の契約を利用しています。これから私がどう言う行動にでるのか、
知らしめる必要があります。

「津岡と会ってくる。由里子、身の振り方を考えておくんだな」

津岡の会社の駐車場で待ち合わせ、会社の応接室に向います。津岡を生で見たのは
初めてです。人を威圧するような態度を感じさせます、それなりの押し出しの
良い風貌をしています。

いきなり本題に入ります。

「これを見ろ」

報告書を叩きつけます。

「いい年をした男が人の女房に手を出しやがって」
「北上さん、申し訳ない。出来心だ、魔が差してしまった。
しかし悪い事をしたとは思っていない」
「悪い事ではない?どう言う意味だ」
「最初は奥さんも渋々だった。それも最初の1、2回だ。
その後は奥さんも喜んでいた。俺の誘いを断ったこともない」
「お前がこの書類で脅していたからな」

悪い事ではない、これは私への挑戦でしょうか、私はそう受け取りました。
例の依頼書を見せますが、津岡から返ってきた言葉は以外なものでした。

「そんなものは只のオモチャだ。これで奥さんが引っかかるとは思っても
いなかった。ダンス教室で初めて奥さんを見た時に俺の理想の人だと
思った、なんとかしたいと思った。奥さんの入所控えを見ると、ご主人は
俺の取引先の役員だった。これは利用できると思った」
「これは立派な恐喝だ。私文書偽造の罪もあるぞ」
「軽はずみな事をしたと思っている。いつか、あんたが来ると思っていた。
許してくれ」
「許せ? 馬鹿も休み休みに言うんだな。それなりの制裁はする
つもりだ。今日はこれで帰るが覚悟しておくんだな」

帰ろうとする私に津岡は一つの包みを私に寄こします。

「奥さんがいやいやだったのかどうか、これで判断してくれ」
  1. 2014/08/15(金) 10:27:33|
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白き花 第17回

津岡は例の依頼書をテーブルの上に置くのです。

「この製品にはご主人は余ほど愛着があるのですね」
「主人が1年以上も手塩にかけたものです」
「そうでしょうね。しかし奥様と引き替えにするとは」
「主人はそんな事をする人ではありません。帰って主人に
聞いてみます」
「いいんですか、奥さん。そんな事をすればご主人は奥さん
にも恥を書く事になりますよ」
「それで私にどうしろと仰るのですか?」
「難しい事ではないです。この依頼書の通り、ご主人の言葉に
そって頂くだけです。私の方はこの製品の拡販に努力したつもりです」
「・・・・・」
「もし、奥さんの答えがNoなら、ご主人の会社にも報告しなければ
いけません。さどご主人は笑いものになるでしょうね」

妻は徐々に津岡のいいなりになってしまうのです。

この前の土曜日、山下に指摘された通り会社としての販売契約書を交わしています。
署名欄には私個人の名前と住所を手書きで書き、個人実印も押してあります。
津岡圭介は販売責任者役員として署名しています。津岡はいつでもこの書類を
見れる筈です。

「由里子、こんなもの俺が書く筈がないだろう。お前がその為に、
いや、その為でなくとも他の男に抱かれるなんて我慢できるわけ
がないだろう。どうしてお前と製品を引き替えにすると思ったんだ」

「こっちへ来なさい」

妻をPCのある部屋に連れて行きます。書類をスキャナーでスキャンします。
住所、氏名と押印の部分をコピーツールでコピーし、ワードの白紙の部分に
貼り付けます。妻は目をみはっています。勿論、公式文書として通用するわけ
はありませんが、素人、しかも動揺している女性を騙すには十分でしょう。

「こんなものは誰でも作れる」
「でも字と印はどこから?」
「津岡の会社はうちの製品の販売代理店だ。契約書はあいつの立場なら、
いつでも見れる。今俺がやったのと同じ事をやればいいわけだ」
「私にはそんな事解らなかった」
「もう一度聞くがあの時何故俺に聞かなかった」
「聞けませんでした。そんな事を聞けば貴方を侮辱するのと同じだと
思いました」
「あいつに抱かれるのは侮辱ではないのか」
「許してください。でも私には方法がなかった」

これから津岡のマンションに行こうがどうか迷っています。津岡の妻は津岡現社長
の妹43歳、いきなりその目の前で話すのも何か津岡の奥さんに悪いと思い、それは
止める事にしました。
  1. 2014/08/15(金) 10:25:16|
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白き花 第16回

それは驚愕すべき内容でした。

私の肝いりで開発した大容量メモリーの拡販のお願いするものです。多大の
開発費を投入したものであり、どうしても成功させたい。さもなければ私の
会社での立場も危うくなる。拡販して頂けるのなら私個人もどんな努力も
厭わない、妻を自由にしてもらっても差し支えない、そう言う内容でした。

勿論、私に書いた覚えはなく、又、そんな事を書く筈もありません。

「津岡が私のメールに添付して送ってきました」
「いつの事だ」

妻はその書類を添付してきたメールのコピーを見せてくれます。1月xx日、津岡
のメールが唐突に終っていたその2日後の日付になっています。

そのメールの内容は;

今までメールの遣り取りをしていたがどうしても会いたい、会って話がしたい。
黙っていたが、自分はご主人の大事な取引先の一社であり、製品の拡販に頑張って
きたが、自分の望みも叶えて欲しい。こんな事をするのは本意ではないが、ご主人
と交わした契約書のコピーを添付した。と言うものでした。

しばしその依頼書を見つめて考えていました。

「貴方は酷いと思いました。でも貴方の為になるのならと思い、私の
携帯アドレスを教えてしまいました」
「俺はこんなものを書く筈がない、どうしてその時俺に聞かなかった?」
「そんな事、貴方に聞けなかった」

妻は津岡の始めて会った時の事を思い出しています。妻が携帯のアドレスを
教えたその日に電話がかかって来ます。

「奥さん、有難う。今日会って頂けますね」
「いえ、お会いできません」
「依頼書を読んでくれてないんですか?それは困りましたね、
その件でお話があるのですがね」

妻は会わざるを得なかったのです。

「やはり綺麗な方だ。お会い出来て良かった」
「・・・・・」
「ダンス教室で一度お会いしています。覚えていますか?」
「いいえ」
「僕は貴方の名前を知っていました。出席されればネームプレートを
掛けますね、それで名前を覚えました」
「・・・・・」
「直接声を掛けようと思っても、中々近寄り難い雰囲気だった。
奥さんはホームページを紹介していた。それでそこにアクセス
したわけだ。しかし奥さんは固かった」
「・・・・」
「仕方がない、卑怯だと思ったが、ご主人との書類を送りました」

津岡のその丁寧な話口に妻も次第に耳を傾けるようになります。
  1. 2014/08/15(金) 10:24:13|
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白き花 第15回

「お前、今の話だけで何度嘘をついた。美知子さんが断ったのも嘘、
一人で行ったのも嘘、美知子さんの友達と行ったもの嘘」
「・・・・・」
「あのプリムラは何処で買った?」
「植物公園です」

まだ嘘をつく妻に腹を立て、妻の頬を思い切り打ちました。

「もういい加減にしないか、ショッピングセンターだろ」
「・・・・・」

万が一の為にと、妻は待ち合わせのセンターにある花屋で買ったのです。

「お前はそんな嘘がつける女ではなかった。誰と会っていた?
もう嘘はつくな」

妻も私が何を切りだそうとしているのか、解ったようです。うな垂れて、ただ
涙を流しています。

私は徐に報告書を取り出します。

「津岡圭介だな、これを見てみろ」

私が放り投げた報告書を妻は見ようともしません。その態度に腹が立ってきます。

「何故見ない。この2週間のお前達の愛の記録だ」

妻の髪を掴んで、顔を報告書に擦り付けます。

「平日のしかも日中から抱き合っているんだな、お前達は」

「これを見ろ」

ショッピングセンターの駐車場で抱擁している写真を見せます、その場面の
DVDをつけました。

「見てみろ、まるでお熱い恋人同士だな」

辛い場面です、妻が津岡の首に縋りつき口を吸われています。

「今日も奴と会うわけだ。電話しろ、今日は会えないってな。
俺にばれた事は未だ言うな」

私の目の前で電話できないのは解っています。電話しない妻に腹をたて、妻の頬
を叩きます。

「会えないって電話をするのは嫌なのか、そんなに会いたいのか」
「違います、でもここでは出来ません、貴方の目の前では」

妻のバッグから携帯を取り出し、津岡の携帯を呼び出します。

「さあ、早く出るんだ。出来るだけ普段通りに話せ」

妻は渋々携帯にでました。

「由里子です。今日急に熱が出て、行けそうもありません」

携帯の向こうで津岡が何か言っているようです。妻が一々頷いています。それが
また気に入りません。妻の肩を掴みます。

「はい、解りました」

そう言って妻は電話を切りました。

「何を一々頷いていた?何が解りましただ。それにお前はあいつに由里子って
呼ばれているのか」
「・・・・・」
「何が急に熱が出て行けませんだ?その嘘の熱が冷めたら又会うと言うわけだ」

今日会えないの言えと言ったのは私です、ばれた事をまだ言うなと言ったのも私
です、出きるだけ普段通りに話せと言ったのも、私です。妻としても他に言いよう
がなかったのだと思います。妻が咄嗟に思いついて熱が出たと言ったのです。
しかし妻のどんな言葉も気に入りません。

妻は涙を流しながら妻の小物入れ箪笥から一枚の紙を取り出します。そして
その一枚の書類のようなものを私に見せるのです。

「これを見て下さい」

私が津岡圭介個人に宛てている書類です。私の住所、名前が私の筆跡に間違い
ない字て書かれています。そこには私の個人実印が押されていました。

書類のタイトルはご依頼書となっていました。
  1. 2014/08/15(金) 10:23:15|
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白き花 第14回

何故、こんな分析をしているのでしょうか、技術者の習性でしょうか。
違います、今だに妻が他の男に抱かれたことが信じられないのです、だから
その理由を知りたがっているのです。本当は怒りを妻と男に向けるべき
でしょう、理由は問い詰めれば解る筈です。

午後は仕事になりません、一日中そんな事を考えていました。退社時間に
なっても家に帰る気がせず、部下を誘って飲みに行きます。

悲しい習性です、こんな状況でも妻に電話をします。

「今日は遅くなる、飯はいい」
「何時ごろになりますか?」
「解らない、先に寝てくれ」

不倫している妻に遅くなるからと断りを入れている自分が可笑しくなります。
こんな状況でも日頃の習慣が出てしまうのです。

結局帰宅したのは、夜中の2時、今日言わなくて済んだとほっとしているの
です。ダイニングのテーブルにウイスキーの水割りと簡単なツマミの用意が
してありました。妻はこんな時でも私の寝酒の習慣を覚えているのです。
ウイスキーの横にメモがありました。

『お疲れ様でした、先にやすませて頂きます。明日出かけます』

やはり私の推測通り、妻は明日津岡に会うのです。妻が出かける前に決着を
着けなければいけません。

いつもより、朝早く目覚めました。妻が朝ご飯の用意をしています。

「飯はいいぞ、昨日飲みすぎた。それよりも此処に座れ」

妻はダイニングテーブルの私の向いに座ります。

「何処へ出かけるんだ」
「植物公園へ、お花の会のみんなと行くの」
「先々週も植物公園だったな」
「ええ、あの時は美知子さんとです」
「その次の日曜日の朝、美知子さんと会った」

妻の表情が少し変わりました。

「美知子さんは行かなかったようだな」
「あっ、あの時は美知子さんが急に都合が悪くなって、
一人で行きました」
「美知子さんとお昼を一緒に食べて、芝生の上で話し込んだ
のではなかったのか」
「済みません、嘘をついて。美知子さんの都合が悪いから、
彼女のお友達と行ったの」
「美知子さんはそうは行っていなかったぞ。俺とドライブに
行くから植物公園には行けない、そう言っていたぞ。
そう言う事が2、3回続いているらしいな」

妻の顔がみるみる曇っていきます。
  1. 2014/08/15(金) 10:22:17|
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白き花 第13回

金曜日の朝、工場に午前中休む旨連絡しダンス教室に向います。ダンス教室が
午前中から開いているかどうか解りませんが、10時ごろ着くように行きました。
案の定、開いていません。掃除をしているらしく、50年配の女性が二人モップ
をかけています。二人共、話好きらしく、なにやら大きな声で話しています。

これなら声を掛け易く、思い切って聞きました。

「ここは何時に開くのですか?」
「ここの人間ではないので、はっきりした事は。多分3時頃だと思います。
もし申し込みなら、パンフレットをお持ちになれば」
「あ、はい。頂いていきます」

カウンターにパンフレットが置かれています。その他にも数枚のパンフレット
がありました、その中の一枚を手にとります。妻のホームページ紹介のものです。
お気軽にご訪問下さいと妻のホームページが紹介されていました。

「これは?」
「ダンス教室の生徒さん、私達より少し若い奥さんが置いたものだと
思います。去年の11月位だったわね」
「そうですか」

もう少しダンス教室の様子を聞いて見ようと思いましたが、二人の女性に私
の印象が残ってはと思い早々に立ち去る事にしました。

工場に着いて、一人考えて見ることにします。

私の想像はこうです。

去年の11月頃、ホームページへのメール訪問者はまだ私一人です。訪問者を
増やしたい妻はダンス教室にパンフレットを置かせてもらった。ダンス教室に
通っている妻を見かけた津岡は、妻のホームページをそれで知り、アクセス
した。多分そんな所だと思います。

只、津岡が何故妻に興味を持ったのか、何故妻は津岡の誘いに乗ったのか、
解りません。不思議に冷静な自分がいます、寝取られた男の怒りが、まだ
湧いてきません。あまりにも日常からかけ離れたことなので、自分の事と
して、実感がないのかもしれません。

妻はごく普通のその年なりの女です。亭主である私の目から見て、違うと
思われるところは、抜けるように色が白い、これで5,6歳は若く見られて
いるかもしれません。器量は十人並みです。身長は確か163cm、只、バスト、
ウエスト、ヒップの落差が大きく女を感じさせる部分があるかもしれません。

津岡も写真で見る限り、普通の中年男です、別にオスのフェロモンを発散
させているわけでもありません。何故こんな男に引っかかったのか不思議
です。

例え、津岡が強烈なフェロモンを出していても、なびくような妻ではない筈です。
どんな誘いがあっても妻は断る筈です。
  1. 2014/08/15(金) 10:21:16|
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白き花 第12回

もう少し冷静にならなければいけません。冷静になって考えて見ます。

津岡のメールの最初の日付は11月の中頃です。メールの遣り取りは1月の初めに
終っています。その内容はこんな花が好きだ、この山にはこんな花が咲いている
と写真を添付して書かれていました。その中の1通にお会いしたいですね、
良ければ携帯アドレスを交換したいと自分の携帯アドレスを津岡は教えていました。
遣り取りは唐突に終っています。

妻がダンス教室に通いだしたのは、11月初めです。なにか符号がありそうです。
妻の休日の一人での外出が増えだしたのは1月の下旬です。これにも何か意味が
ありそうです。

津岡がどんな男なのか知りませんが、妻のホームページに偶然アクセスできた
とは考えられません。それに山下から聞いた人柄からもとても花好きには
思えません。とすると、妻と津岡の最初の接点はダンス教室にある筈です。

妻が津岡に抱かれた日を見ています。この2週間の結果だけで判断するのは
早計ですが、土曜日に抱かれた翌週の平日は一日だけ抱かれています。
土曜日にない翌週は2日抱かれています。計算どうりだとすると今度の土曜日
つまり明後日、妻は抱かれる事になる筈です。一月の下旬から今まで2週間に
一度、妻は一人で出かけています。今まで2ヶ月以上も続いていた事になるのです。

津岡も一応の企業人の筈です。そうそう平日の日中、女を抱く為に時間を工面
する事も出来ないでしょう。

明日の朝、ダンス教室を覗いてみることにしました。妻に報告書を見せるのは
明日の夜、いや土曜日の様子を見て妻が出かけるのであればその直前が良いかも
知れません。時計を見るともう12時です、5時間も考えていたのです。

寝る事にします。階下に降り、下着を探していますと妻が来ました。

「貴方、お風呂ですか?着替えは洗面所に用意してあります」
「風呂に入って先に寝る」

妻は何か言いたそうにしていますが、私は無視します。このところ私が妻に
取っている態度、妻も何か異変を感じているのです。どこと無く寂しそうでした。

風呂からあがった私を見送ります。

「おやすみなさい」
「ああ」

妻は小さく微笑みました。この笑顔ももう見れなくなるかも知れない、そんな
思いで寝室に行くのです。
  1. 2014/08/15(金) 10:19:37|
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白き花 第11回

3月28日(金)火曜日と同様でした。

3月31日(月)1時頃妻が出かけます。先週水曜日と同じようにショッピング
センターの駐車場に車を停めます。津岡が来て、津岡の車でラブホテルに
行きます。滞在時間は約4時間。まだ明るい為か別れ際の抱擁はないようです。

4月1日(火)ダンス教室です。この日は津岡は来ていないようです。

4月2日(水)先週の水曜日と同じ行動です。

これで報告書は終っています。今頃私は悔やんでいます、3度現場を掴んでくれ
と言った事を悔やんでいます。これ程頻繁に会っているとは、妻は完全に津岡
に溺れてしまったのでしょうか。セックスが全てとは思いません、しかし
これ程頻繁に会って、別れ際に抱擁までしています。男の首に縋りついている
ような抱擁です。身も心も貴方にありますと体で言っているのです。

妻は今、下で一人で晩飯を食べているのでしょうか?それとも食べないと
言った私をまだ待っているのでしょうか?そこに居る妻はもう私の妻では
ないようです。他の男の妻なのです。自ら喜んで体を開いたのでしょうか、
それとも何が事情があるのでしょうか?しばし茫然としていました。

これから私の取るべき道が解りません、妻と別れたいのか、男と対決するのか?
どうしたら良いのか解らないのです。

階段を上がって来た妻がドアーの外から声をかけてきます。

「おじやを作りました。召し上がりますか?」
「要らないと言っただろう。書類を纏めなくてはいけない」

そうですかと寂しそうに言葉を残して妻ま階下に降りました。
どうして俺の事を気にかける、もう演技は止めてくれ、心の中で毒づいています。

今、下に行き妻に報告書を突きつければ済むことではないか、津岡とは明日に
でも津岡の会社に行って決着をつければいいと私の心は言っています。しかし、
それが出来ないのです、何故津岡とこうなってしまったのか、妻と津岡に聞く前
に知りたいのです。技術者の悲しい習性かもしれません。しかもあれは妻では
なかったのではないかと思っている自分もいます。あの写真とDVDの中の女が
妻である筈がない、そう思っているのです。

結婚してから、妻は私以外の男と二人きりでお茶さえ飲んだこともない筈です。
40過ぎまで駅前のケーキ屋さんでパートをしていました。店の慰労会があっても
一次会だけでいつも帰ってきました。春と秋の恒例の旅行には妻は参加したことが
ありません。たまには楽しんだらどうなんだと言っても「貴方と一緒じゃないと
つまらない」そんな可愛いことを言う妻でした。何をするにもいつも私と一緒
でした。それはこちらが息苦しくなる程でした。

大きな会社のサラリーマンを辞めた時も、会社を立ち上げて、経営が苦しく月々の
決ったものを渡せなっか時も、「貴方を信じてるから」と愚痴の一つも零さずに
一生懸命妻はついてきてくれました。そんな妻が、他の男に抱かれることは報告書
を見た今でも信じられないのです。
  1. 2014/08/15(金) 10:18:30|
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白き花 第10回

私と山下は一旦社に戻り、雑談をした後、山下は帰途につきました。私には考え
なければならない事が山ほどあります。帰って妻を突き詰めるのか、毎日妻の後を
つけるのか、それとも津岡をつけるのか。何れも良策ではありません、それに後を
つける時間もありません。やはり興信所に依頼するのが一番と、CRさんがそうした
ように地元の事務所をネットで検索して見ます。なんと日曜日も開いている事務所
がありました。帰りに寄ることにします。

津岡圭介の勤務先と妻の情報を伝えます。ABCXYZと聞いて驚いています。地元
では有名企業です。二人の現場を3度確認して欲しいと依頼します。本当は一度だけ
で十分でしょう、しかし不倫の証拠を掴むだけではなく妻の行動パターンも知りたい
のです。

翌週の木曜日、報告書を渡せると連絡がありました。木曜日は地元の工場勤務です。
就業のベルを聞く間もなく、事務所へと急ぎました。車の中でこの2週間足らずの
事を思い浮かべていました。月曜日と水曜日は本社勤務です、本社で処理しなければ
ならない事も沢山あります。水曜日は定例役員会議が就業後あります。帰宅するのは
月曜日が10時頃、水曜日は、会議が終った後、食事、クラブで酒をのんで1時頃
でしょうか。火、木、金は8時頃というところでしょう。平日帰宅して妻が居ないと
言う事はありません。土曜日にも妻は一人では出かけていません。妻はいつ男、いや、
津岡と会っているのでしょうか。

事務所で一通りの説明を聞き清算し、帰宅しました。渡されたものは報告書とDVD。

「お帰りなさい」
「ああ」
「食事にされますか?」

この2週間は出来るだけ自分を抑えて平静にしてきたつもりです。飯も何とか食べました。
しかし、今日は無理です、食べられません。

「要らない、会議の後蕎麦を食った」

妻を一瞥もせず、書斎に篭ります。書斎といってもパソコンが置いてある例の部屋です。
報告書に沿ってDVDも併せて見ます。

妻が津岡と会っている日は全て写真付きの説明があります。

3月25日(火)5時半、妻がダンス教室に入ります。津岡も少し遅れて入ります。
7時、妻が出てきます、そのまま帰宅します。津岡もそのまま帰宅しています。
ダンス教室の名は妻には聞いていませんでした。その名はABCXYZでした。

3月26日(水)3時半、妻が家を出ます。4時、ショッピングセンターの駐車場に車を
停めます。10分程して妻の車の横に高級外車が停まります。車の中の人物はズーム
アップしても解りませんが、妻は助手席に乗り込みます。しかし車のナンバーは津岡
のものです。5時、郊外のレストランに入ります。二人の顔をはっきりと捉えています。
その後、近くのラブホテルに入っています。ラブホテルに居た時間は約3時間、その後
ショッピングセンターの駐車場に戻り、別れ際、ご丁寧にも抱擁して口づけを交わして
います。もう10時もすぎて、辺りは閑散としています。それにしても妻が屋外で口づけ
をするとは。
  1. 2014/08/15(金) 10:17:30|
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白き花 第9回

グラフを見ていてもABCXYZの名前が気になります。津、船着場と言う意味が
あります、ABCと言えない事もありません。岡、これはまさにXYZで間違いあり
ません。グラフは8ヶ月前から始まっています。この機器の販売代理店は地区別に
6社あります。ABCXYZは関東地区の代理店です。当初3ヶ月は断トツのトップです。
しかしこの2ヶ月は関西地区に抜かれて2位に甘んじています。ユーザーの数
を考えるとこれは相当な落ち込みと言わざるを得ません。

「相当な落ち込みだな」
「そうです、当初は社長が先陣をきって市場を開拓したようです、
その社長が体調を悪くして、甥が指揮を取り出してから売上が落ちてきました」
「君の意見は?」
「この製品のマーケットを最初に開拓してくれたのはABCXYZの社長です。
大型量販店とも話しをつけてくれました。私としても人情があります。
無下にするわけには行きません」
「そうだな」
「しかし、甥の態度が高圧的で」
「ABCXYZの会社案内を見せてくれるか」
「専務にもABCXYZとの取引契約書に印を頂いています。今持ってきます」

思い出しました。契約書には社長と専務の二人が印を押すのが慣例です。それも
会社での実印と個人印の二つです。営業の総責任者は社長であり、私は形式的に
押しているだけです、それで記憶が薄れていたのです。案の定、津岡圭介の名前
が常務として記載されています。社長の甥です。経歴では社長の妹の婿となって
います。本拠地は私の住んでいる××市にあります。

「山下君は考えを纏める為に会社に来たと言うわけだ」
「その通りです」
「どうしようと思っている?」
「社長には恩義があります、それにあの方の仕事に対する姿勢には
頭が下がります。暫くこのまま様子を見ようかと。ただ」
「うむ」
「このまま落ち込みがまだ続くようだと、私も考えざるを得ません。
扱いたいと言う代理店も数多く来ています。それにあの甥の態度を
見ると」
「そんなに酷いのか?」
「詳しくは言いませんが、酷いものがあります」

山下は悔しそうに下唇を噛んでいます。営業をやらせば山下は超一流です、性格も
温厚です。その山下が唇を噛んでいます、余程、悔しい事があったのでしょう。

「君の考えでいいと思う。うちの社長も解ってくれるだろう」

社長、野村は私と同い年、人情が解る男です、山下の意見に賛成する筈です。
正論だと信じています。しかし私の思いは別にありました、津岡圭介を潰すのは
この私だ、決して誰にも潰させはしない。

これで私のやるべき事が決りました。時計を見るともう昼過ぎです、山下と3時間
も話していたのです。

「山下君、考えが纏まったら、蕎麦でも食いに行こう」
  1. 2014/08/15(金) 10:16:25|
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白き花 第8回

部屋に戻ってもする事がありません。考えるのは妻の不倫相手の事ばかりです。
津岡圭介、この男に間違いはないでしょう。名前にかすかな記憶があります。
会社関係だと思います。じっとしていても仕方がありません。会社に行くこと
にします。会社で名刺とアドレス帳を見てみることにします。

「月曜日の会議の用意でし残しを思い出した。会社に行ってくる」
「今からですか、お帰りは何時ころですか」
「解らないから晩飯は要らない」

この郊外から都心まで休みの日なら高速を使えば50分くらいのものです、晩飯
には余裕で間に合うでしょう。しかし今は妻の作った飯を食べる気はしないの
です。途中コンビニで朝飯と昼飯用にお握り、パンと飲み物を買います。

私が勤めている会社は総勢300名余りの小さな会社です。設立メンバーとして
参加しています。パソコン、デジタル機器の周辺機器を製造しています。私は
製造・開発の責任者として勤めています。会社の組織では専務の役職を頂いて
います。妻のPC、携帯を加工するのは訳も無い事です。しかし、相手の男が
知識を持っていれば、それを見破るのもまた簡単な事です。そんな私の技術者
としての臆病さがそれを止めさせたのです。

都心に本社機能と営業、私の住んでいる郊外に工場と研究開発部門があります。
都心の本社に週の2日、残りの3日は工場に通っています。私の本拠は工場に
あります、しかし迷いもせずに本社に向っています、私の本能がそうさせている
のです。

会社に着き、先ず名刺を見ます、津岡の名刺は見当たりません。アドレス帳を
開きます、ここにもありません。工場に行ってそちらも見てみようか、暫く
考えあぐねていました。腹も減った事だし、お握りをほうばっていました。

営業部長の山下君が入ってきます。

「お早う御座います、専務、休みの朝にどうされたのですか?」
「いや、ファイルを探しているのだが、こっちに置いてあるかなと
思ってね。君こそどうした?」
「それが弱りました。専務の肝いりで開発したマルチSDを使った
超大容量メモリーなんですが」
「売れ行きは好調だと聞いているが」
「大変好調です。しかし一番大きな販売店がごねているです」
「どうした?」
「いつも月初めに大量に買い付けてくれるのですが、最近になって
月末の返品が多くなりましてね」
「・・・・・」
「それでも、返品前の値引率を適用してくれと高圧的に言ってくるんです」
「何と言う会社かね?売上のグラフを見せてくれないか」
「ABCXYZと言う会社です。これがグラフです」
「ABCXYZ?リゾートぽい名前だな」
「ホテルとか、トレーニングジムとかダンス教室も経営しているようです」
「正にマルチ経営だな」

ABCXYZと言う名前に何か引っかかりを感じます。グラフを見てみます。
  1. 2014/08/15(金) 10:14:47|
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白き花 第7回

明朝、5時頃からジョギングに出かけます。美知子さんが犬の散歩に来ることを
期待しながら軽く走ります。

「あら北上さんのご主人、諒一さん?」
「あっ、美知子さん、ここでお会いするのは久しぶりですね」
「もう半年以上よ」
「ちょっと、怠け癖が出ましてね」

植物公園のことをどう切り出そうか迷っていました。しかしその回答は美知子さん
がくれました。

「最近、休みの日は忙しいのですか?」
「いや、別に忙しくはないですが、何か?」
「私、平日はパートに出てるでしょう。それでお休みに
植物公園とか、お花屋さんに由里子さんをお誘いするのだけど、
予定があるからって、断られるの。このところ3回連続」
「じゃあ、昨日も誘って頂いたのですか?」
「ご主人とドライブじゃあ、仕方ないですよね」

妻は嘘をついていました。嘘が大嫌いな妻が嘘をついたのです。間違いありません、
男がいるのです。急に昨日、妻を抱いた事を思い出しました。昨晩はまだ疑いの
段階でした、だから妻を抱けました。今は吐き気がします。

「どうかされましたか?」
「いえ、久しぶりに走ったものですから、気持が悪くなってしまって。
妻には良く言っておきます」
「大した事じゃないから、心配しないで」

家に帰りますと、妻は朝食の用意をしています。いつもの妻です、しかし見ている
私の気持が違います、朝食を用意しているその姿もなにか白々しいものに写ります。

シャワーを浴びにバスルームに駆け込みます。昨日抱いた妻から男の体臭が、汗
が私の体に付いているような気がします。石鹸を付けたスポンジで思い切り
擦ります。昨日洗った頭ももう一度洗います。歯磨きをしても吐き気が消えません。
私は潔癖症ではありません、しかし、他の男のものを咥えた妻の口を吸ってしまった、
他の男のものを入れられた妻の女陰を口にしてしまった。吐き気が納まらないのです。

朝食の用意が出来たようです。妻から声がかかります。

「朝ご飯が出来ました」
「久しぶりに走ったから、疲れた。食欲がない」

妻に断り、自分の部屋に向います。白々しく声をかけてくる妻に腹を立てています。
食欲があっても妻が作った飯を食べる気はしません。
  1. 2014/08/15(金) 10:13:28|
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白き花 第6回

確認する方法が一つあります。美知子さんと2度ばかり近所の運動公園で
お会いした事があります。毎日、朝6時ごろ犬の散歩をさせているのです。
私が時たま行くジョギングでお会いしています。明日朝久しぶりに
ジョギングに行くことにしました。

妻が寝室に来ました。ひょっとしたら、今日妻は他の男に抱かれたかも
知れないと思うと妙に妻が色っぽく見えます。いや実際艶かしかったの
です。

「こっちへおいで」
「電気を消して下さい」

久しぶりに妻を抱きました。私も妻もその性は淡白です、いやずっと、
そう思っていました、年に5、6回もあればいい方でしょうか。その行為
も単純なものです。お互いの性器を少し触って直ぐ抱いてしまいます。
電気も消して、真っ暗な中での行為です。

しかし、今日は違っていました。妻のクリトリスを愛撫し、膣の入り口
を刺激しますと、妻は大きな声をあげてしまいます。私のものを手に包み、
愛おしそうに愛撫してくれます。感極まった妻は私のものを口に含むのです。

「私のも」

妻は女陰への口での愛撫を要求しています。妻は私の口で一度、抱かれて
一度達しました、それも今までに無いほど深く大きく達したのです。

「由里子、お前今日すごかったな」
「恥ずかしい」
「どうしたんだ?」
「美容院の待合室で女性雑誌を読むの。夫婦の特集があって、
私も何時か試してみたかったの」
「ふーん、そうか」

納得したわけではありません。今日の妻の、あの手の使い方、舌の使い方、
一度試しただけで上手くなる筈はありません。今までただの一度も夫婦間
ではなかった行為です。しかし、今妻を追及するのはあまり得策では
ありません。

「今日のお前、すごく良かったな、おやすみ」
「あやすみなさい」

行為を反芻してみます。妻が私のものを口に含んだのも、妻が「私のも」
と言ったのも長い夫婦生活で初めての事でした。しかもその舌使いは
とても初めてだとは思えません。私も何回かソープに行った事があります。
妻の舌使いはプロにも負けないものでした。それと妻の絶頂を伝える言葉。
今までは小さな声で「感じる」と言うだけでした。それが今日はどうでしょう、
何度も「イクッ、イクッ」と伝えるのです。もう一つあります。今までも
妻の陰毛をまじまじと見た事はありませんが、どうも感触が違います。灯り
の下で見たわけではないので確信が持てません、手で触った感じからですが、
全体に短く刈り揃えられているようです。

疑惑が確信に変わるのです。
  1. 2014/08/15(金) 10:12:15|
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白き花 第5回

妻は就寝前に風呂に入ります。風呂に入った隙にバッグを調べてみようと
思います。妻は着替えとバッグを持ってバスルームに行きました。日頃
妻を観察しているわけではないので、何時もはバッグを持ってバスルーム
に行くのかどうか、はっきりとは覚えていませんが、リビングに置いたまま
だったような気がします。

家のバスルームは入り口手前が洗面所、その奥にくの字型にバスルームが
設置されています。つまり洗面所に入ってもバスルームからは見えないと
言う事です。洗面所のドアーを開けます、思い切って中に入りました。
さすがにバスルームの中までバッグは持っていけないようです、脱衣籠
の脇にありました。妻の下着も見てみようと思ったのですが、脱衣籠の
中にはありません。いつもは籠の中に脱ぎ置いてある筈です。下着を
バスルームの中まで持って入ったのでしょうか。

バッグの中の携帯を探りあてます。やはりパスワードロックされています。
以前私にも気軽に見せてくれた妻の携帯がロックされていました。

PCと同じパスワードを入力します。簡単に開きました。メール発信・受信Box、
電話の着信・発信履歴を見てみます。美知子さんとの遣り取り、ほかにも
他愛のないものばかりです。目指すものがないのです、元々ないのか、
それとも妻が用心して削除したのか。アドレス帳を検索します。ありました、
津岡さんと表示された携帯メールアドレス、電話番号を控えます。転送設定
は止めました。転送設定がばれてしまえば、先ず夫である私が疑われるでしょう。
今の段階では、私は何も知らない間抜けな夫にしておきたいのです。しかも
まだ妻が浮気しているのが、決定したわけではありません。

バッグの中に他に何か痕跡がないか調べて見ます。妻のバッグを探るのは
初めての事です、妻の秘密を見る様で心臓の鼓動が激しくなります。
化粧ポーチ、ハンカチ、財布と数枚の領収書がありました。その中に
花苗ポットの領収書がありました。やはりショッピングセンターの中の
花屋で買っています。時刻は13時半、妻が出かけて直ぐに買ったと言う事
です。領収書をコピーします。

念の為、妻が外に置いたポットをもう一度見てみます。ラベルは付いたまま
です。こんなラベルまで私が見る筈がないと思っているのでしょう。妻が
風呂からあがるのをリビングで待つ気はなくなりました。妻に声をかけ、
寝室で考えてみる事にします。

妻の今日の行動を肯定的に考えようとする自分がいます。花苗は漆黒の
プリムラでした。前々から妻が欲しがっていたのを覚えています。植物公園
にも大きな花の売店があります。そこには妻の欲しいものがないと知っていて、
公園に行く前にショッピングセンターに寄って買ったのか、どうもそのような
気がします。

もし、男と会った場合はどうでしょうか。私には植物公園に行くと言って
出かけました。あのポットは植物公園へ行った印として買ってきたの
でしょうか。しかし、ラベルを剥がしていません。私がそこまで見るわけ
がないとたかを括っていたのでしょうか。しかも妻は植物公園で買ったと
言っていました。

どうも植物公園に行っていない可能性のほうが高いようです。しかし確認する
必要があります。
  1. 2014/08/15(金) 10:11:08|
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白き花 第4回

今からでは、予約してあるレストランにはもう間に合いません。断りを
入れます。

結局、妻が帰ってきたのは7時半頃です。手にはバッグと花苗のポットを
持っています。抜けるように白い肌、その顔から首筋にかけてほんのりと
ピンクに染まっているようです。普段なら、妻のこんな小さな変化には
気がつかないでしょう。今は妻のどんな変化も見逃さまいとしているのです。

「遅くなって済みません、携帯を探していたものですから」
「そうか、レストランは断った」
「そうですか、私今から何か作ります」
「もういい、あり合わせのもので食べるから」
「解りました」

台所に向う妻が私の横をすりぬけた時に僅かに石鹸の香りがしたような気
がしました。バッグは台所に持って行きましたが、花苗のポットはリビング
の隅に置いてあります。今までなら、私はポットのラベルなんか見もしません。
そのラベルを見ますと、○○花店と書いてあります。ショッピングセンター
の中にある花屋で、良いものを揃えているのですが、割高な店です。妻は普段
から「安い苗を買って綺麗な花を咲かせるのが楽しいの」と言っています。
ここで買うには何か理由がある筈です。

妻が簡単に食事の用意をします。

「植物公園はどうだった?」
「特にこれと言うものな無かったわ、お食事して、お花を見て散歩して、
プリムラの苗を二つ買って、それだけ」

家から植物公園まで片道40分位でしょうか、往復で1時間20分、妻は8時間
も公園に居たことになります。

「それにしては時間がかかったな」
「美知子さんと芝生の上でお話をしていたの、それから携帯を落とした事に
気が付いて随分探したわ」
「そうか、女の長話と言うが随分と話込んだものだな、プリムラって
あれか」

私はリビングの隅にある二つのポットを指差します。

「え、そ、そうよ」

「外に出してきます」

妻は慌ててポットを手に取り外に運び出しました。妻は明らかに嘘をついて
います。でも何故そんな嘘をつく必要があるのか。
  1. 2014/08/15(金) 10:09:59|
  2. 白き花・男とは?
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白き花 第3回

恐る恐る手帳を開いて見ました。妻は色々なサイトの会員になっている
ようです。書籍、化粧品、健康グッズ、そのサイト名とパスワードが
書かれています。ただ一つ何もタイトルがないパスワードがありました。
○○○○××××と私達家族には関係のないアルファベットと数字の羅列
です。妻のPCに入力してみます。その瞬間、ようこその文字が現れました。
メール画面を開きます。ここにもパスワードを設定されています。同じ
パスワードを入力します。受け付けてくれました。

逸る心を抑えて、受信済みアイテムから見てみます。何人かの宛先が
あります。その殆どがハンドルネームです。ハンドルネームから判断
しますと女性の方が多いようです。5人の方とメールしています。メール
の数は送信と受信をあわせて全部で50通くらいでした、全部読んでも
時間はかかりません。今はまだ2時、妻が帰ってくるまで時間はたっぷり
あります。ハンドルネームとメールの内容から判断しますと女性が4人、
男性が1人と思われます。ごく普通の趣味の遣り取りをしています。全て
の方に市の公民館で2週間に一度日曜日に花の会を開いているので是非
参加して下さいと妻が紹介しています。

読み進んでいくうちに一つ気になるメールがありました。ハンドルネールが
Jackなんとか、今後の連絡用に妻の携帯の番号とアドレスを教えてくれと
言っています。Jackなんとかとの遣り取りを送信済み、受信済みのメール
全てをコピーした上、全て自分のPCに転送しました。今後のメールを自分
のPCに転送出来るよう設定しようと思いましたが、何かの拍子に妻にばれる
のを怖れて、それは止める事にしました。

コピーしたメールを読んでみます。携帯の番号とアドレスを教えてくれと
言っている以外何も不自然な事はありません。妻もメールの趣味の件では
受け答えしているものの番号とアドレスは教える事なく、やんわりと
かわしています。普通の遣り取りです。只、妻のメールアドレスは実名を
名乗っています、yuriko.kitagamixx@xxxx.xx.xxでした。ホームページには
私達夫婦の居住地区、xx県○○部と記載してあります。Jackはメールで
本名・津岡圭介と名乗っていました。勿論本名であるかどうか定かでは
ありません。津岡は自分の年を53、住まいもそんなには離れていないと
自己紹介していました。それだけです、妻を疑う要素はありません。只、
津岡と言う名前に聞き覚えがあるような気がします。ありふれた名前では
ありません。月曜日に会社で名刺、アドレス帳を見てみる事にします。

メールを読み終わった私は自分が恥ずかしくなってしまいました。妻を
疑ってしまった、その上メールまで読んでしまった。しかし妻は浮気など
していない事にほっとしていました。今日は妻の好きな物は何でもご馳走
してあげよう、そんな気持で妻を待っていました。

6時が過ぎても帰ってきません。6時半、痺れを切らして妻の携帯に電話
しました。コールはしますが妻はでません。何度かけ直しますが同じ結果
です。折角収まった妻への疑惑が再燃します。

30分程して妻から私の携帯に電話があります。

「貴方、電話に出れなくてご免なさい。携帯を何処かに落として
探していたの。それで今見つかったの」
「何をしている、早く帰って来い」
「今から帰ります」
  1. 2014/08/15(金) 10:09:01|
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白き花 第2回

家にはPCが2台、私のデスクトップ型と妻のノートパソコンがあります。
勿論2台ともパスワードは設けてありません。ある日曜日ネットで検索する
必要がありました。生憎私のPCの具合が悪く、妻のノートブックを使おうと
したところ、初期画面でパスワードの入力を要求しています。妻の名前と
誕生日、色々組み合わせても開きません。妻に聞くわけにもいかず諦めました。
何故パスワードの設定が必要なのか少し疑問に思いましたが、ネット検索は
急ぐ事でもなく、妻のパスワードの件も次第に忘れてしまいました。

休みの日は二人で出かける事が多かったのですが、妻が一人で出かける事
も増えだしました。まだこの時点では夜遅くなると言うことはありません。
ただ平日の日中、妻の自由になる時間はいくらでもあります。これくらいでは
妻を疑う材料にはなりません。私の考えすぎなのでしょう。しかし、PCの
パスワードが気になります。今までは妻一人で出かける時は行き先と凡その
帰宅時間を告げて出かけていました。それも曖昧になってきます。

ある土曜日の10時頃、妻が出かける用意をしています。淡いブルーの少し
短めのワンピースを着ています。括れたウェストラインを強調するように
白いベルトが腰に巻きついています。栗色のカールがかった髪が透き通る
ような襟首に纏わりついています。日頃見慣れている妻とは別人のようです。

「出かけてきます」
「何処へ?」
「美知子さんと植物公園へ行くの」
「夕飯は外で予約してあるからな」
「5時までには帰ります」

美知子さんなら良く知っています。妻と同年輩で趣味も合い親友のように妻も
付き合っています。

妻は自分の車で出かけました。妻の姿を反芻していました。

オバサンだと思っていた妻の変わり様。娘と一緒に暮らしていた頃は殆ど
自分の身の回りを構う事なく、娘が嫁いでからも喪失感もあらわな妻でした。
ホームページを始めてから明るくなったとは言え、今日の妻のあの若やいだ
雰囲気はどうでしょう。改めて妻を女として見ている自分に気が付くのです。

何故、妻はPCにパスワードを設けたのか、その疑問が再燃してきます。
妻が出かけると、妻のメールを覗いて見たいと言う気持を抑えられなくなって
きました。ノートパソコンを起動します、思いついたアルファベット、数字を
打ち込みますが、受け付けてくれません。苗字は北上、名は由里子。私の名前、
娘の名前、誕生日あらゆる組み合わせを試して見ましたが、駄目でした。

娘が使っていた8畳の間を二つに区切り、私のPCと妻のPCが別個に置かれ、
それぞれ独立した作業場になっています。パソコンラックとその脇には
ちょっとした整理デスクがあります。引き出しを探って見る事にします。
何となく罪悪感がかすめます。一番上の引き出しに黒い手帳のようなもの
がありました。
  1. 2014/08/15(金) 10:04:09|
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