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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

亜希子 第4回

六畳の和室。
それは宿直室と呼ばれていた。当直として院内で遅くまで業務を行った人間が仮眠を取る場所となる。
しかし、この部屋は今日、その役目を果たしてはいなかった。
ボイラー室の在る地下一階。その廊下の一番奥に在るそれは、誰の目にも触れる事なくその性質を完全に変質させていた。
畳の上に起立をした姿勢の女がいる。
その格好は、目の前に胡座を組む男の命令で衣服を脱ぎ捨て、ショーツだけを着用しただけの裸体となっていた。
命じられるままに両手を真っ直ぐに下ろし、指先も揃え伸ばせ、自らの両腿に付けている。全裸に近い格好での直立不動の姿勢。それは決して逆らえはしない事を意味する男への服従の証なのか。
「では始めようか・・」
男は、女の目前に三脚を立て、ビデオカメラを設置してそう言った。
ファインダーに、女の蒼白な顔が映っている。色白な肌が更に蒼白くなり、血の気を失っている様に見える。女は唇を真一文字に噛み締め、堅く目を閉じたまま黙していた。
美しい顔が、名状し難い恥辱を訴えている。
「目を開けろ。逆らえばどうなるかは教えた筈だ」
篠塚亜希子は、その目を開いた。目前にビデオカメラが在る。その赤いランプが点灯し、録画が始まっている事を告げている。思わず、視線を逸らす。
「カメラを見て喋れ。わかったな、篠塚亜希子」
「・・はい、わかり、ました」
フルネームで呼んだ田沼の拘りが、亜希子の精神を牛耳りたい欲望を表している。
「では、始めろ」
ファインダーと自身の眼との交互で裸体を執拗に凝視し、確認している。
「私の名前は・・篠塚、亜希子と申します・・・年齢は、三十一歳です・・」
身体が微かに揺らぐ。本名を言わされる屈辱が襲う。そして次に何を言わされるのかは既に分かっていた。
「身長、体重、スリーサイズ・・全て白状しろ」
先程メジャーで身体を隈なく調べられた。田沼は在りのままを言わせようとしている。
「163センチ・・51キロです・・バストは87センチでEカップ・・ウエスト61センチ・・ヒップは・・・91センチ、です」
両腿にぴったりと付けた指先が痺れている。屈辱に閉じた腿の内側が痙攣を起こしそうに思えた。
下着一枚という全裸に近い姿で直立不動を命じ、女性なら誰もが恥らう筈の肉体部分の周囲、その数値を自ら正確に告知させる。
それは正に異常としか思えない田沼の性癖が正体を現し始めた証拠であった。
次々に与えられる命令が、亜希子の自尊心を捻じ伏せようと舌舐めずりをしている。
「乳を揺すって見せろ、左右に。姿勢は崩さず、上半身で乳だけを卑猥に揺らしてみろ」
「・・・・」
「早くしろ」
「・・・はい」
亜希子は従った。上半身を捻って左右に振って見せた。乳房が慌しそうに揺れ動く。
「ダルダルで張りの無い、いやらしい乳だな」
罵倒しながらも、田沼の眼は血走っていた。興奮している様に見える。医師としての冷静さも、威厳も、異常な欲望へと澱み切った眼球に埋れてしまっている。
「もう一度振ってみろ、もっと大きい振り方をして見せろ」
「・・・・はい・・わかり、ました・・」
屈辱に声が震えているのが自分でも分かる。
乳房が両脇に移動する様に身体を捩り、左右に振った。乳首がその中で狂った虫の如く細かく円を描く。ぴた、ぴた、と微かな音さえ乳房は発した。
「水を溜めた風船みたいだ・・卑猥極まりないな・・ククク・・そうそう、代りに母乳を溜め込んでるんだったな、その垂れ乳は」
医師だった筈の男から下卑た笑いが洩れる。しかし、その眼は乳房を睨み付けている。
憎き肉隗でも凝視するが如く、今にも噛みつきそうな鋭い視線だった。
「・・・」
「どうなんだ」
「・・・はい・・そうです・・」
亜希子の眉根に苦悶が浮き出す。垂れ乳という暴言が突き刺さって来る。確かに張りを無くし始めている様に思う。だがそれなりに弾力も在り、豊かな容量、重みもあった。街を歩けば、見知らぬ男達から粘い視線を感じる事も珍しくは無い。肌艶も褪せてはいない。そんな乳房を、あからさまに垂れていると明言されるのは屈辱だった。
更には母乳の事にも田沼は触れた。治療される筈のその症状さえ貶されている。
もはや亜希子は、患者では無かった。

「そうです、じゃわからんなぁ・・どんな乳房なんだと聞いているんだ」
吐き捨てる様にそう言うと、田沼は亜希子の目の前で下半身を脱ぎ始めた。
「・・母乳を・・・溜め込んで揺れる・・・いやらしい・・乳房です」
亜希子は狂った医師に屈した。同調しなければ酷い折檻を受けるという恐怖がある。
そして何よりも、あの恥辱の過去を夫に暴露されてしまう懸念。

ズボンを脱ぎ捨てた田沼が目前にいる。股間から浅黒い男根が跳ねる勢いで飛び出し、露出した。血管が破れる程の勢いで天を突き、怒張している。亜希子は眼を見開き、すぐに背けた。
「眼を逸らすな、見ろ・・・」
「もう・・許してください・・」
限界に来ていた。これ以上の辱めを受ける覚悟が、自身の中で用意されていない。
「お許し、だろうが・・マゾ女」
「お許しください・・お願いです」
志願する亜希子を余所に、田沼の眼はその角度を下へ移している。それは股間を凝視しているに違いなかった。
「ふん・・・叉か。何でいつもそんなに小さいパンティーを穿いてるんだお前は」
許しなど、今の田沼に通じる筈も無い。
「つくづく・・いやらしい女だ、お前は」
股間に痛い程の視線が襲っている。
「はい・・・申し訳、ございません・・」
謝る声が上擦った。今日は葡萄色のショーツを穿いていた。ハイレッグなV字の形状。面積は小さいが、過剰なレースも無く、デザインもシンプルなものだ。卑猥だと自分では感じた事は無い。高齢な女性が着ける矯正下着など、持ち合わせてはいなかった。
謝る以外に、どんな言葉が在ると言うのか。

「そのまま背中を向けろ。ゆっくりと後ろを向け、ケツを見てやる」
「・・はい・・わかりました・・」
亜希子は背を向けた。そして直立の姿勢を保つ。脚が小刻みに震えるのが自覚出来た。
「今・・・何をしているかわかるか・・俺が」
「・・・いいえ、わかりません・・」
「お前のケツを・・アップで撮っている・・どうだ、嬉しいか。下着を食い込ませたケツを撮られて」
「はい・・ありがとう、ござい、ます」
新たな恥辱感に唇を噛んだ。尻に痛い程の視線を感じる。
「デカいケツしやがって・・自分でもそう思うだろ」
「・・はい・・大きな、お尻だと・・思います・・」
起立姿勢が堪らなく惨めに思えた。その真横に伸ばした両手で、観られている尻を覆い隠したい衝動に駆られる。精神が悲鳴を上げている。もう堪えられない。そう感じていた。
「脱げ。ケツを剥き出しにしろ」
「・・ああ・・いや・・いやぁ・・・」
溜息とも泣き声とも取れる声が、亜希子の口を割る。垂らした首を力無く振った。
「デカい、ケツ、を、剥き出せ、復唱しろ、マゾ女」
区切る様に吐いた言葉に、苛立ちが感じられる。
亜希子は嗚咽を洩らしながら首を左右に振り続けた。
背を向けたままの亜希子に、田沼が近付いた。そしてショーツの両端を掴み、一気に引き下ろす。真白く盛り上がった尻が、その勢いに表面を波打たせながら露出した。
「ああッ・・!!」
甲高い悲鳴を放ち、亜希子はその場にしゃがみ込んだ。
嗚咽を洩らし続ける亜希子に、田沼が言う。
「旦那に・・全てをバラそうか・・お前が、昔、ある男の奴隷となって・・」
「やめて!」
涙を溜め込んだ端整な顔が振り向く。畳に幾滴かが散らばって吸われていった。
「なら・・・従え・・今後は逆らうな。わかったな・・マゾ奴隷の亜希子」
亜希子は黙した。未だ嗚咽にその丸めた背中が微かに跳ねる。
マゾ奴隷。そう呼ばれる事は完全なる烙印を押された事を意味する。
数年振りに呼ばれたその言葉に、絶望と支配という意味が重なって圧し掛かってくる。
「わかり、ました・・・もう・・逆らいません・・だから・・」
夫には知られたくない。今の幸せを壊したくは無い。その一心で堪えるしかないのか。
「立て。直立不動で尻を見せろ」
亜希子は従った。手の甲で頬を拭い、その手を下ろす。
「きっちりと立て。起立しろ!奴隷!」
そう言うなり、亜希子の尻に掌が飛んだ。パアンッ、と打音が宿直室に響く。
「あうッ!」
不意に尻を打たれ、表面が波打つ。首を反らせて亜希子は呻いた。
「ああ・・も、申し訳、ございません・・」
両手に力を込め、指先迄を伸ばして両の腿に付けた。

「いい声だ・・・やはりお前はマゾだ・・尻を打たれればいい声で泣く」
田沼の声が掠れる。
「・・・・」
「そんなに、尻を打ち据えられるのが感じるのか」
「・・そ、そんな・・・・違いますッ・・」
背を向けたまま、激しく否定し首を振った。
「そうかな」
田沼が呻く様に言った。耳を塞ぎたくなる響きだった。
亜希子は唇を噛んだ。もう一度、尻を打たれる気配がした。
パアン、という打音と共に、今度は左の尻たぶが打たれた。
「アッ!・・・ンンンンッ・・」
一瞬高い声を放ち、大きく広げたその口を必死で食い縛った。これ以上、田沼に刺激を与えてはならない。亜希子は声を押し殺そうとしていた。
「ククク・・・両手を畳に付けろ、立ったままでその尻を突き出せ」
「ああ・・・・」
亜希子は絶望の吐息を洩らした。それは堕とされていく直前の暗示に似て、自身の鼓膜に響いてくる。そしてゆっくりと両手を畳に付かせた。自然と両脚が広がり、尻が突き上がっていく。
「ああ・・・観ないで・・お願い・・・お願いです・・」
「いい格好だ・・・・乳の垂れ下がり具合もいい・・牧場の牛を思い出したよ・・」
両手を付き、尻を突き出した格好の亜希子を背後から見上げ、しゃがみ込んだままの田沼が言う。
亜希子は固く眼を閉じたまま、頭髪を畳へと垂らせていた。
「熟れた茄子にも似ているな、この乳は・・後で搾乳してやるよ、牛みたいにな」
「・・・何て事、おっしゃるの・・・やめて・・」
泣き声に近い声で亜希子は呟き、首を振った。
「こんな感じで、乳を絞るか」
そう言うと、田沼は両手を付き身体を支える亜希子の真下へと潜り込んだ。
「あう!・・・や、め、て・・あああ・・ウッ、ウンッ・・・」
両の乳房を根元から掴んだ田沼が、仰向けになって乳を絞り始めていた。
「面白い様に母乳が出るな・・噴水みたいだ・・ピューピュー噴出すぞ・・」
「う!・・ウン、・・お願いッ・・やめ、・・ア・・・ウッ、・・クウウウッ・・」


田沼は、亜希子の垂れ下がった乳房を絞り続けた。
根元から乳首に向けて、ゆっくりと掴んでは押し出す様に搾乳を続ける。
「あッ・・、いや、・・ンッ・・・おう!・・・ウウウ・・・あはあッ!・・」
亜希子は垂らせた髪を振りたくって喘いだ。低い唸り声と、か細い悲鳴が交じり合う。
両手を畳に付けたまま悶える亜希子の尻が、ぐねぐねと蠢き揺れ動く。まるで田沼を挑発するかの様にその目前で振られていた。
真っ白な肉球は、その中心を自らの亀裂で深く割り、且つ豊かな脂肪を湛えて熟している。
爛熟した女の尻が、田沼の鼻腔を擽っていた。
その亀裂に顔を埋めながら、田沼は次の責めを考えていた。
嗚咽を放ち続ける亜希子を、完全に服従させるが為の、責めを。
  1. 2014/09/06(土) 09:55:46|
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