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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

卒業後 第60回

 バーを出て、私たちはそろって荻窪の私のアパートへ向かった。
 一まわり歳上の、一人暮らしの男の部屋に、明子は躊躇することなく上がった。
「殺風景な部屋ね」
 的確な感想を述べる明子に答えず、私はノートパソコンをつける。この部屋にはテレビもデッキもないため、DVDはパソコンでしか見れない。
 明子は黙って先程のディスクを渡した。
「ここまでついて来ておいてなんだけど、私、外へ出てたほうがいいかな?」
「いや、そばにいてほしい」
 彼女の目的が分からないなりに、私はすべての事情を知る明子にそばにいてほしかった。
「わかった」
 私のとなりに、明子はぺたりと腰を降ろした。



 映像が―――始まる。

 パソコンの画面に、妻が映った。一月近く姿を見ていない妻。以前会ったときもあまり顔色が冴えなかったが、今、こうして無機質なディスプレイに映る彼女 の顔は、妊娠して肉がつくどころか、一回り小さくなったようだった。痩せて、目が大きく、鼻梁が高くなったように見える。
 水色のブラウスに、薄い白のカーディガンを羽織っていた。そのどちらにも見覚えはない。場所は―――どこだろう。どこかのバーのように見える。さっき私 と明子が出てきたバーより、もっとうらぶれた感じの場末の酒場のようだ。
 カメラは舐めまわすように、少しうつむき加減の妻を撮っている。このカメラを扱っているのが、佐々木という男なのか。

『奥さん、もっと顔を上げて。カメラをきちんと見て』

 その佐々木のものらしい、叱咤する声が飛んだ。
 妻が顔を上げて、正面からカメラを見た。以前は透きとおるようだった瞳に、何かぼんやりとした膜のようなものがかかっているように感じる。カメラ越しに も痛いほど妻が緊張しているのが分かった。それだけで私まで怖くなった。
 カメラが横にずれて、知らない中年男の横顔が映る。太って崩れた体型をした男。顔のあちこちに染みがある。「彼が金倉よ。“男優”の」と明子が囁いた。

『さて、じゃあ自己紹介しようか。奥さんの名前とそれから歳ね』
『はい』

 画面の妻が返事をして、何か言いかけたところで、

『奥さん、何度も言わせないでよ。もっとちゃんとカメラを見なきゃ』

 と、佐々木の声が飛んだ。

『申し訳ありません』 

 妻は詫び、相変わらず緊張したまなざしでカメラを正視した。

『私の名前は瑞希と言います。名字は・・・・・勘弁してください。歳は35歳です。よろしくお願いします』

 ぺこりと、妻は頭を下げ、それから言われたとおり、カメラを向いた。

『瑞希さん、ね。―――いえいえ、こちらこそ今日はお世話になりますよ、いろいろとね』

 画面の端で、金倉が下卑た笑みを見せる。そのやにさがった表情と黄色い歯を見て、私は気分が悪くなった。

『それにしても奥さん、綺麗だねえ! 35にはとても見えないわぁ。よく言われるでしょ、そんなふうに』
『言われません』
『ご謙遜、ご謙遜。さあて、それじゃ、その綺麗な奥さんがどうして今回AVに出演することになったのか、ご本人の口から説明してもらいましょうか』
『私は―――』

 口を開き、開いたところで、妻は絶句した。瞳はかろうじてカメラを向いているが、視線は左右を彷徨っている。

『また、固まっちゃった。何しろ初出演なもので、奥さん、緊張しております。そんな怖いことは何もないのにねえ』

 金倉がカメラを見て、にいっと笑った。

『こういう初々しい反応もいいでしょう? でもね、この奥さん、見かけによらないの。本性はとんでもない淫乱なんですよ。そうでしょ、奥さん?』
『・・・・はい』
『何が“はい”なのかきちんと言わなきゃ駄目だよ』
『はい。仰るとおり・・・・、私はとんでもない淫乱です』
『あはは、そうそう。結婚する前も、結婚してからも、もの凄い数の男と関係を持ってきたんだそうです。それもほとんどは自分から誘いをかけて、ね。そうで しょう?』
『はい。私から誘いをかけました』
『それで色んな男に抱いてもらったんだ?』
『はい。抱いてもらいました』
『そんなふうに結婚してからも淫乱な男遍歴を重ねているうちに、ついに天罰が当たって、他の男の子供が出来ちゃった。驚くなかれ、この奥さん、現在も妊娠 中なんですよ』

 カメラがすっと下にずれて、妻の下腹部を映す。

『まだ間がないから、お腹はぽっこりしていないけどね。この奥さん、ゴムの感触が嫌いで、相手の男にはいつもスキンなしでやらせていたそうです。そうだっ たよね?』
『はい。いつも・・・・』
『いつも、何? ちゃんと言葉に出して言わなきゃ。私は生でされるのが好きでした、って』
『はい。私は生でされるのが・・・・好きでした』
『そうじゃなきゃ感じられないんでしょう?』
『はい。感じられません』
『まあ、自業自得だね。それで結局、不義の子供を宿すことになった。でしょう?』
『はい。私は―――』

 妻の顔はいっそう蒼褪めていた。


『不義の子供を・・・・宿しました』


『ふふふ。でも結局、妊娠したことが旦那さんにバレちゃって、三行半をつきつけられちゃった。それで生活費と出産費用を稼ぐために、こうしてAVに出るこ とになったとそういうわけなんですね。可哀相にねえ、奥さん。だけど本当に可哀相なのは、もとのご主人のほうだよね。浮気されて、子供まで作られちゃって ねえ。奥さんだって、それは分かるでしょ?』
『・・・・はい』
『じゃあ、謝ってみせてよ。カメラ越しに旦那さんがいると思ってね。ほら、早く』

 強制され、妻はあらためてカメラを見つめた。
 長い睫毛が2,3度しばたく。
 ふるえる唇が動いた。


『本当に・・・・申し訳ありませんでした』


『なんだかよそよそしいなあ。心もこもっていないみたいだし。まあいいや。旦那さーん、もしこのビデオを見ていたら、今日はぼくがあなたに代わって、奥さ んにたっぷりお仕置きをしてあげますから安心してくださいね』



 何だ。
 何だ、これは。



 声にならないうめきを私はあげた。


「落ち着いて。まだ始ったばかりよ」

 明子が囁き、私の手をぎゅっと握った。

「だって、これは・・・・・これは何一つ真実を語っていない。嘘ばっかりだ」
「当たり前じゃない。これは作られたAVよ。金倉が言っていることも、奥さんが言わされていることも、すべてが作り事の設定にすぎないわ」
「だけど・・・・残酷すぎる。こんなものは・・・・・残酷すぎる」
「分かるわ。分かってる」私の手を握る明子の手に力が加わった。「少し、休憩する?」

 私はその手を邪険に振り払った。

「まだ・・・・・始ったばかりなんだろう」
「そうよ」

 穏やかに明子は答える。
  1. 2014/10/15(水) 01:12:19|
  2. 卒業後・BJ(よき妻 第三部)
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卒業後 第61回

 パソコン画面のなかでは相変わらず、金倉が愚にもつかないことを言い、それに妻が律儀にこたえる場面がつづいている。


『しかし―――奥さんの子供も可哀相だよね。不倫してデキちゃったうえに、母親がAV女優じゃねえ。おっと、見ている方に説明しておくと、奥さんのビデオ 出演はこれ一本で終いではありません。S企画の専属として、奥さんが歳をとって商品価値がなくなるまで、もしくは会社が潰れないかぎり―――あはは、私が こんなことを言っちゃいけない―――ずっと女優業をつづけてもらいます。そういう契約だったよね?』
『はい』
『大丈夫、奥さんなら50までは余裕でいけるね。でも、もうその頃には赤ちゃんも中学生になってるわけだ。きっと学校でも虐められるよ、母親がAVなんて 出てたら』
『・・・・はい』
『可哀相でしょう。奥さんのせいで、子供がそんな目に遭っちゃ』
『はい』
『―――ぼくの友人でねえ』金倉は目を細めた。『子供を欲しがってる夫婦がいるんだ。旦那のほうが不妊症でねえ。奥さんの産んだ子供ならきっと可愛いにち がいないから、彼ら、養子にしてくれるかもしれないよ。ぼくから頼んであげようか』

 うなだれた妻の肩を撫でながら、金倉はよどんだ笑みを浮かべる。

『ね、そのほうがいいよ。奥さんはAV女優としてビデオ出演をつづけながら、足長おじさんならぬ足長おばさんになって、稼いだお金を毎月送金したらいい。 この仕事もなかなか厳しいんだ、そもそもが子育てしながら出来るもんじゃない。奥さんには毎月何本も出演してもらうつもりだし、淋しいなんて思う暇もきっ とないよ。―――誰にとってもそのほうが都合がいいと思うんだけど、どう?』

 こたえない妻の頬を、金倉の指がつついた。

『ほら、返事はどうしたの?』
『はい』
『カメラ見て。赤ちゃん、養子に出すね? 子供にとってもそれが一番いいんだよ』

 聞き取れないほどかすかな声で、妻は『はい』と言った。カメラがぐーっと近寄って、その表情を大写しにする。顔を上げ、妻がそのカメラを見返した。切れ の長い瞳が濡れていた。

『ああもう、駄目じゃない、泣いちゃ。これじゃ、よってたかって奥さんを虐めてるみたいだ。ぼくはこれからの同僚として、奥さんのためを思って言ってるん だからね』

 薄笑いを浮かべながら、子供をあやすように金倉の手が妻の頭を撫でた。抗わず、それを受ける妻の総身はいつにもまして小さかった。


『ほら、奥さんの仕事の第一歩だよ』

 座席の下の鞄から、金倉が大きめの包みを取り出した。

『今日の衣装が入ってる。とりあえず、それに着替えてもらうから』
『あの・・・・どこで?』
『トイレでいいじゃない、そんな、着替えくらい。あ、今着けてる下着は全部脱ぐこと。奥さんはこれからノーパンノーブラで過ごしてもらうからね』

 妻はまだぼうっとして、渡された包みを、まるで大切なもののように胸に抱えている。

『指示されたことは手早くするんだ。たかが着替えでしょ。これから奥さんは、監督の指示があれば、いつでもどこでも素っ裸にならなきゃいけないんだよ』

 にやにやしながら、金倉は妻の小さな耳たぶを引っ張っる。
 ほんの一瞬、苦しそうに眉根をたわめ、妻は―――カメラではなく、その右側をすがるような目で見た。
 そのとき―――



『どうしてそんな顔をする? 約束しただろう』



 聞き覚えのある―――声がした。


『今日は“いや”は許さないよ』



 間違いない。
 赤嶺の声だ。

 すっかり忘れていた。画面には映っていないが、この場には赤嶺もいるのだ。妻を監視するためか、それとも“監督”として指示を出すためか―――。
 ずっと痛みつづけている胃の腑が、その声を聞いた瞬間、灼熱とともにでんぐり返るような心地がした。激しい憎悪。眩暈。しかし、妻は赤嶺の声を聞いて一 瞬うなだれ、それから立ち上がって画面から消えた。
 そんな妻の姿にも、私の胸は張り裂けんばかりに痛んだ。



 妻が―――戻ってきた。

 ノースリーブの黒のドレスを着ている。胸元の切れ込みがえぐるように深く、剥き出しの色白の乳房の半球が見えている。羽織った黒網シースルーの上掛け は、その露出をかえって妖しく目立たせていた。どう見ても、堅気の女の服装ではない。ここが普通の酒場なら―――そのようだが―――客の目が妻に集まって いることは想像に難くない。それを証明するかのように、うつむいた妻の頬には血の気が差していた。

『おー、綺麗、綺麗。奥さんは細身だから、ドレスがよく似合うわ。あんまり綺麗だから、店のひとたちも皆、奥さんを見てるよ。ほらほら、何、うつむいてる の。顔を上げて、堂々としてなきゃ。それから脱いだ下着も渡して。―――よしよし、いい子だよ、奥さん』

 金倉の声が聞こえるが、カメラは妻のあらわにされた胸の辺りをズームアップで撮っている。蒼みがかって見えるほど白い乳房は、うっすらと血管さえ透けて 見えていた。

『奥さん、着痩せするタイプなんだね。想像してたより、ずっと大きなおっぱいだわ。むっちりしてて、形も良いし』

 肉でたるんだ金倉の手が、シースルー越しに妻の乳房に触れた。大きさと柔らかさを確かめる動きで、醜い手が色白のふくらみを撫でさする。

 不意に、その手が上掛けを横にはだけさせ、妻の肩から下がびくりとふるえた。

『動いたら、後でお仕置きだからね』

 金倉の声。カメラは相変わらずアップで、妻の胸を撮っている。ふくらみにようやく引っかかっているようなドレスの、片方の乳に金倉の手がかかり、すっと 下に引きはだけた。


 ぽろん、という音が聞こえそうな具合に、妻の左の乳房が露出した。


『う・・・・』と小さな声が聞こえ、妻の左手があらわにされたものを隠そうと動く。


『動くなと言っただろう、奥さん』


 さっきよりもどすのきいた声で、金倉が言う。


『何ならここで素っ裸になってもらってもいいんだよ。奥さんは逆らえないんだし。もっと羞ずかしい目に遭いたいんなら、俺はそれでもかまわないよ』


 妻の手が―――止まる。だが、そのふるえはやまない。


『小さくて可愛い乳首だねえ。淫乱なわりには綺麗な色をしているじゃない』


 ねっとりと絡みつくような声とともに、金倉の手指が雪白の丘に息づいた薄紅の乳首を摘まみ、こりこりと弄る。
 ほとんど、自分自身が蹂躙されている気分で、私は息を呑み、それを見つめた。
 芋虫のような手が、ようやくドレスを引き戻す。

『さあて、奥さんも少しほぐれたところで、場所を変えようか。しばらくはその格好で街を歩いてもらうよ。堂々と背筋を伸ばして、ね。羞ずかしがってたりな んかしたら、奥さんが余計辛い目に遭うだけだよ。―――ほら、しっかり立って』

 妻の小柄な背を、金倉がぽんぽんと叩いて促した。
  1. 2014/10/15(水) 01:14:40|
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卒業後 第62回

 どことも知れぬバーでの場面は、そこで終わった。

 画面が切り替わる。

 次に現れたのはホテルの一室らしき部屋で、金倉はベッドに腰掛け、妻はその隣で肩を抱かれている。
 私が驚愕したのは、まるで台風にでも遭ったかのように、妻の着ているドレスのところどころが破け、衣服の下の肌までが露出していることだった。先程まで との一番の違いは、スカート部分の丈で、それは膝どころか生白い太腿まであらわに見えているのだ。私は今まで妻がミニスカートを履いているのさえ、見たこ とがなかった。


『奥さん、始ったよ。カメラ見て』


 金倉に促されて、妻が正面を向く。その顔色だけですでに妻がかなり消耗しているのが分かる。

『さて、あれから我々は大阪の街をちょっと歩いて、ホテルに入りました。途中、またちょっと奥さんが我がままを言ったので、罰として、ドレスのあちこちを 鋏で切っちゃいました。お分かりでしょうかね』

 金倉の手が生白い太腿を撫で、それからスカートの端を摘まみあげた。それは丈を短くされただけでなく、縦に長く切れ込みを入れられていて、摘まみあげら れた箇所から、腿の付け根までの一部があらわになる。

『ここもね』

 胸の辺りに指がかかる。もともと襟ぐりが深く、乳房の半分までが露出しているようなドレスだったが、その下部にも切れ込みは入れられ、指で押さえられる と黒の布生地は乳丘を横断するように隠しているだけにすぎず、まるみの形がほぼ完全に分かる。

『まるで強姦された後みたいな格好でしょ』

 あはは―――と金倉はわらった。
 ぼろぼろのドレスをまとった妻は、その隣で微動だにしない。
 疲れた表情は本当に強姦されたようだ。

 もともと人ごみが苦手なたちで、あまり外へは出たがらず、たまに街中を歩くとすぐに人に酔ったような感じになる妻だ。あのドレス姿でも相当なものだった ろうに、こんな惨めな格好をさらしながら歩くのは、私が想像するよりもっと負担だったろう。
 辛いという以上に―――、
 私はなんだかひどく哀しくなってしまった。

『まあ、これで奥さんも懲りて、おとなしく言うことをきくそうです。何しろ、初出演なのでね。ぼくらも相当やさしく接してあげてるつもりなんですが。 ―――それでは奥さん、服を脱いで、全国の皆さんに自慢のヌードを見てもらおうねえ』

 はい、と―――妻は答え、立ち上がった。
 無惨に切られたドレスのホックが外れ、するりと床に落ちる。

 妻は裸になった。

『手で隠そうとしない。気をつけの姿勢になるんだよ』

 カメラが近づいていく。

 色白の肌を、頼りないほどに細い手足を、豊かな黒髪に隠れたうなじを、つんと張りつめた乳房を、太腿のあわいにそこだけ漆黒を見せる恥毛を。

 さまざまな角度から、生まれたままの頼りない裸身を、無機質なビデオカメラが舐めていく。記録していく。

 気が―――狂いそうだった。
 カメラ越しに見える妻の裸身は、よく見知っているはずなのに、まるで他人のもののようだ。けれど、皮肉なことにその裸身が他人のものではないことは、 今、私がこうして感じているあまりにもリアルな痛みが証明している。

 ふと―――横からの視線を感じた。
 傍らの明子が、私の顔をじっと見つめていた。

「何?」
「いいえ、何でもないわ」

 しごく落ち着いた声をそう答える明子に、私は不審なものを感じたが、今はそれを気にする余裕もなかった。


 カメラが妻の全景を舐めまわす間、妻はじっと直立不動の姿勢で立っていた。

『奥さん、顔もいいけど、身体はもっといいね。どこも崩れていないし、色白だし、男好きのするエロい身体だ。スレンダーなのに、出るとこは出てるし』

 言いながら、ぶよぶよした手でなめらかな臀を撫でた。

『この身体なら絶対に売れっ子になれるよ。デビューするにはちょっとトウが立っているけど、今は熟女が人気だからねえ。長く活躍できるはず。いい時代でよ かったね。奥さん、しっかり稼ぐんだよ』

 ぴしゃり、と裸の臀部を、金倉の手が打つ。

『返事はどうしたの?』
『はい。すみません』
『そうそ。そんなふうに素直に返事しなきゃね。じゃあ、奥さん、女優デビューにあたって、新しく生まれ変わったところを全国の皆さんに見せてもらおうか。 そこに座って』

 声とともに指差した床には、青いビニールシートが敷かれていた。
 言われるまま、妻は細い肢体をそのシートの上に正座させた。

 金倉がいなくなり、浴室から何かを持ってきて、正座した妻の前に置いた。


 カメラに映されたそれは、湯の入った桶、ボディーソープ、そして剃刀だった。


『今日で奥さんはこれまでのすべての生活と手を切ることになる。それはもう分かってるね?』
 わずかに痛みを堪える顔で、しかし妻は『はい』と答えた。
『これからがあんたの第二の人生だよ』
『はい』
『これはその記念の儀式だね』ふざけたように重々しい口調で言う金倉の口元は、下卑た笑みを刻んでいた。『自分で剃刀を当てて、あそこの毛をすっぱり剃っ てみせてよ』

 妻は―――うつむき、じっと目の前に置かれたものを見た。

『大丈夫。奥さん、雰囲気が若いから、パイパンもよく似合うさ』

 妻はまだじっとして、微動だにしない。いや、出来ないのだろう。

『いつまでもぐずぐずしてると、またきついお仕置きだよ。ほら、早く』

 いらいらとした声を金倉があげる。私には分かる。この男は本当はいらついてなどいない。ただ―――妻を嬲ることに悦びを覚えている。吐き気を覚えずにい られない、そんな声の調子だ。

 小枝のような指が、剃刀を手にとった。



 眩暈がする。
 眼球の底が乾いているのが、自分で分かる。
 そんな乾ききった眼がとらえる画面の中の妻は、しゃがんだ姿勢で自らの股間に剃刀を当てている。
 わずかに股を開き、泡立ちをまぶしたそこを、妻の繊手に握られた剃刀が危うげな動作でなぞっていく。

 あまりにも惨めで、滑稽な光景だった。それを私の妻が演じていた。

『もっと股を開かないと、怪我をするよ』

 笑いを含んだ声で、傍に立つ金倉が言う。

『剃り残しがあったら余計おかしく見えるからね。奥さん、濃いほうじゃないから、簡単なことだろう』

 妻がさらに脚を拡げる。剃刀が引かれる。剃りとられたものが泡立ちにまぎれ、浮いている。
 カメラは冷静に、克明に、そんな妻の所作を記録している。

 左手が桶の湯をすくいとって、その部分にかけた。洗い流されたそこには、くっきりとした縦筋だけが刻まれていた。
 金倉がタオルを渡す。それを受け取って、妻は自らの手で姿を変えさせられた股間を拭い、それからシーツの上にこぼれたよごれをぬぐった。

『終わったの? じゃあ、そのシートの上に仰向けに寝てみてよ』


 言われたとおり、妻は仰向けに横たわった。
 飾り毛を失った秘部が、無残なまでに白く、あらわだ。


 変貌した裸身を晒し、瞳を閉じて横たわった妻が、何かの供物のように見えて―――
 私の胸を激しく衝いた。


『膝を上げて。脚、もっと開いて。―――もっとだよ。膝を両手で抱えて、そうそう、いい格好だよ』

 金倉の指示で妻がとらされた格好は、まるでおむつを取り替えるときの幼児のそれだったが、童女と化した妻のその部分が割れて内側に覗いた生々しい薔薇色 の器官は、大人の女性のそれに違いなかった。
 カメラが無毛のそこに近づく。

『綺麗に剃れてるよ、奥さん。まるでおぼこみたいだ』

 膝を抱え、外に拡げている腕が、ぴくりと動く。

『これからしばらくは毎日自分で剃るんだよ。産婦人科の検診もパイパンでいってもらおうかね。医者の先生、きっとびっくりするだろうな。ちゃんと、自分の 趣味で剃りましたって言わなきゃ駄目だよ』

 くすくすと笑いながら、金倉は仰向けに横たわる妻の足元にかがんだ。


『動くんじゃないよ』


 金倉の指が、あらわな裂け目をすっと左右に拡げていく。
 鮮やかな妻の内側が露出した。カメラがまた近寄って、その部分を撮る。


『とっても綺麗だよ、奥さん。本当におぼこみたいな色だ。淫乱のくせに、ね。こういうの、特殊体質って言うのかな。モザイクではっきり見せられないのが、 皆さんに申し訳ないくらいだ』


 言葉とは裏腹に、私と明子が見ているこの画面は、何の加工も施されていない。だから、妻のその器官の形も、金倉の言う『おぼこみたいな色』も、何もかも があらわだった。
 妻のすべてが、カメラの前にさらけだされていた。


『ほら、奥さん、言うんだよ。“生まれ変わった私を見てください”って、この映像を見てる全国のひとたちに』


 花弁をくつろげながら、一方の手で金倉は妻の内腿をぴたぴたと叩いた。


『“これからもずっとこの****をよろしくお願いします”ってね。ちゃんと気持ちを込めて言うんだ』


 その瞬間も、カメラは動かなかった。
 金倉の手で拡げられ、内奥をさらした女の器官がただ映されつづけるなかで、切れ切れな妻の声が流れた。



『生まれ変わった私を・・・・見てください』



『これからも・・・・よろしくお願いします』



 私はたしかにそれを聞いた。
  1. 2014/10/15(水) 01:16:34|
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卒業後 第63回

『はーい、よく言えました。―――おっと、まだそのポーズ崩しちゃ駄目。そのままじっとしてるんだよ』

 金倉が画面から消え、すぐに鞄を抱えて戻ってきた。


『この鞄には今日、奥さんと遊ぼうと思って持ってきた玩具がいっぱい入ってるんだよ。全部、試させてもらうからね』


 そんなことを言い―――
 まず、金倉が取り出したのは、何の変哲もない赤いゴムテープだった。

『奥さんは縄には慣れているそうだけど、今日はこれだよ』

 仰向けに横たわり、膝を肘の部分でで支え持って、あたかも蛙のような姿勢で股を開いている妻。
 その妻の両の肘と膝を、金倉はゴムテープでぐるぐるに巻いていく。
 肘と膝を交差させられたまま、無毛の股間を開ききった屈辱的な格好で、妻の手足は不安定に宙空をぶらぶらと漂っている。

 つづいて金倉は鞄から、黒い筒のようなものをふたつ取り出した。トイレットペーパーの芯を少し大きくしたようなそれに、カメラが寄る。
 カメラに向け、金倉は黒い筒をぱかっと開いて見せた。どうやら枷のような器具らしい。それぞれにテグス糸がぶらさがっていた。
 宙に浮いた足首を引き寄せ、金倉はその枷を嵌めた。つづいてもうひとつ。妻の細い足首の両方に、無骨な足枷が付けられる。
 そして―――
 金倉はその足枷にぶらさがっている短い糸を掴んで、先端をカメラの前にかざして見せた。


 糸の先に、極小の洗濯ばさみのような器具が付いていた。


 金倉がにやりと笑い、剥き出しの妻の性器の陰唇を摘まむ。


 まさか―――
 厭な汗が私の背中をつたいおちた。


『ちょっと痛いかもしれないけど、すぐよくなるから我慢するんだよ』


 摘まみとられた片側の陰唇を、洗濯ばさみ状の器具が、噛んだ。


『あううっ!』


 疲れきったようにされるがままになっていた妻が悲鳴をあげ、腰の辺りが跳ね動いた。


『慌てない、慌てない。ほら、もう一個』


 悲鳴とともに、もう片方の陰唇にも器具が取り付けられた。―――


 足枷と妻の花弁を挟みとった器具を繋ぐ糸は、ごく短い。
 ゆえに、留められた妻のその部分は伸びきり、蝶の羽のように広げられた状態になっている。妻がもがいて脚を動かせば、陰唇はさらに引っ張られ、痛みは増 すばかりだろう。


 あまりにも酸鼻な光景。だが、それで終りではなかった。


 次に金倉が鞄から取り出したのは―――首輪だった。


『ふふふ、これはね、奥さんご愛用の首輪なんだそうですよ。これを付けられると、途端に牝犬に変わってしまうという魔法の首輪―――。でも今日はそれだけ じゃないんだなぁ』

 カメラに映し出された首輪にも、足枷と同じように、テグス糸が付けられていた。
 その先に付いていたのは―――これは小さいリング状の器具だ。

 無惨なまでに拡げられ、充血した肉襞をさらしあげられている妻の秘裂に金倉の指が伸びて、先端だけがあらわなクリトリスの包皮を剥きあげる。


 完全に露出させられた微小な肉粒に、金倉はそのリングをかけ、―――絞った。


『ひゅっ』と異様な空気音が妻の喉から漏れ、総身がわななく。痙攣した足首の動きがテグス糸をつたわって、張りつめた花びらをぐいぐい引っ張り、妻は『ん ―――っ』と狂おしい声をあげた。

『そんなに暴れるんじゃないよ。大事な商売道具がちぎれてしまうじゃないの』

 愉快気に笑いながら、クリトリスを締めつけるリングに繋がった首輪をくいと引っ張る。妻がまた呻いた。

『ほら、頸を上げて。首輪、嵌めるから』

 紅潮しきり、玉の汗の浮いた妻の頬を、金倉はぱしぱしと叩いた。
 先程から、自分からは一切、意思を伝える言葉を吐かなかった妻が、そのとき初めて『こわい、こわい』と、うなされたように声をあげた。

 心の底から―――怯えきっていた。


『すぐによくなるから。奥さん、マゾの牝犬なんでしょう?』


 そして、金倉は喘ぐ妻の耳元に口を寄せた。



 ―――前にこの首輪を嵌められたとき、奥さんが何をしたか、

 ―――全部知ってるよ。



 そう、囁いたのが―――、
 私には分かった。

 
 金倉の言葉は、妻の肢体を幾重にも縛る枷以上の効果をあげた。
 見開かれっぱなしの妻の瞳が、その瞬間、さらに大きくなり、喉がごくりと鳴った。


 よろよろと―――
 仰向けの妻は頸だけをかすかに上げた。唯一自由に動かせるその箇所の、その動作が、今の妻にとっては精一杯の動きだった。


 金倉が妻の頸に首輪を取り付けた。
 ぴんと張りつめるまでテグスをたぐって、リングを嵌められた剥き身のクリトリスを飛び出させるまでたぐって、金倉はしっかりと首輪に固定した。

 蛙のような姿勢―――と先程までの妻を見て私は思ったが、いまやそれは解剖台にのせられた蛙へと変貌していた。身体のあちこちをピンで留められ、いまに もはらわたを切り裂かれそうな蛙―――。

 それは妻の『女性』へ加えられた徹底的な凌辱だった。性器の内奥も、クリトリスまでも限界まで露出させられたまま、妻はもう身動きひとつとれない。い や、ほんのわずかな身体のわななきですら、妻の身体の敏感な神経がもっとも張り巡らされた部分に、痛烈な刺激を与えるのだ。

 糸で引かれ、クリップに噛まれ、クリトリスを絞られたその器官を、カメラが大写しにした。


『まるで、活けづくりみたいやな―――』


 これは―――佐々木の言葉だ。


『綺麗な****だと思ってたけど、こうしてみるとさすがにグロテスクだね』


 金倉が―――言う。


 カメラは次に、そんなふうに―――グロテスクなまでに『活けづくり』にされた妻の、真っ赤に染まった顔をとらえた。


『奥さん、目を開いて』
『ちゃんとカメラ見てよ』
『どう? 奥さんのために用意したフルコースは』
『料理されてるのは奥さんだけどね、あはは』
『なかなか味わえないよ、こんな刺激』
『もっと嬉しそうにしてみてよね』
『ほら、わらって。奥さんのいやらしすぎる姿を皆が見てるよ』


 誰が何を言っているのか―――
 そんなことはもう、

 どうでもよかった。
  1. 2014/10/15(水) 01:19:17|
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卒業後 第64回

 性器というもっとも繊細な器官をこれでもかと拡げられきったまま、まったく身動き出来ない状態にされた妻の恐怖はどれほどのものだろう。
 しかも、その様子は冷徹なビデオカメラによってすべて記録されつづけているのだ。
 パソコンの画面越しという圧倒的な距離で、そんな妻の苦しみと接している私には、しかしとてもこれが過去に本当にあった出来事だとは思えない。
 過去。そう、これはすべて過去のことなのだ。すべて終わってしまったこと―――。
 今この瞬間、私には何も出来ない。妻がどれほど苛まれても私には何も出来ない。
 出来ることといえば―――、この映像の結末を見届けることだけだ。けれど、それは私にとっても地獄だった。



『怖がってるね、奥さん。でもそんな表情も色っぽいよ。奥さんはいじめられるのがよく似合う』
『やっぱりこの奥さん、SM専門の女優になってもらったほうがええな。これだけの美形で、NGプレイなしやったら、相当なファンが期待できるで』

 先程までは撮影に徹していたようなカメラマンの佐々木だが、自身も興奮してきたのか、今では地の言葉らしい関西弁で、積極的に妻を辱める言葉を吐く。

『輪姦、ぶっかけ、レズ、アナル、ストリップ・・・・楽しみだねえ、奥さん。これからまだまだ色んなことを経験できるよ。第二の人生というのにふさわしい じゃないか』

 哄笑とともに、金倉がまた鞄から何かを取り出した。―――これ以上、まだ何かあるというのか。

 金倉が取り出したものは、何の変哲もない筆だった。

『これ、何か分かる? そう、ただの筆だよ。奥さん、日本的な顔立ちしてるから、お習字とかも得意そうだねえ。でも、今日は奥さんが紙代わりになってもら うよ』

 紅潮しきった顔の瞳だけを動かして、妻は金倉の手にあるものを見た。何をされようとしているのか分かったのか、その瞳に鋭い怯えがはしる。

『ああ、これは経験済みなんだ。でも、今日は一味違うと思うよ。―――ほら、口を開けて』

 命じられ、眉を切なげに寄せながら、薄く開いた妻の唇に、筆が強引に押し入れられた。

『もっと口を開いて。舌でねぶるようにして、よく舐めて』

 苦しそうに鼻で息をしながら、妻は筆に舌を絡めた。
 唾液が十分に筆を湿したところで、金倉はようやく唇のあわいから筆をひき抜く。
 仰向けに横たわる妻の、若々しく盛り上がった乳房の頂点を、筆がさっと刷いた。

『たっぷり楽しませてあげるよ』

 こそぐるような動きで、金倉の筆が乳首の先をつつき、小さな乳輪の周囲をさらさらとなぞっていく。
 丹念に、執拗に。
 柔らかかった桜色の乳首が、その微弱な刺激にしこり立っていくのが分かった。

『噂どおり、いい感度をしてるね、奥さん』

 ツンと立った淡い果実に、ねちねちとした筆が触れつづける。右、左、右・・・・と交互に乳首を弄られていくうちに、ゆたかな乳房の全体が波立っていく。

『く・・・・うぅ・・・・っ』

 はぁはぁという喘ぎとともに、ふくらんだ鼻孔から仔犬の啼くような声が噴きこぼれた。

 目尻に涙が溜まっていた。その涙をすくいとった筆が、撫子色に染まった瞼や鼻頭、たおやかなうなじを撫でまわして、ついに腋下に達したとき、妻は今度こ そ高く啼いて、くなくなと頸を振った。その動きが、首輪に繋がれた糸からリングを嵌められたクリトリスへつたわり、妻のあらたな苦鳴を搾った。

『ここも性感帯? 感度が良すぎるのも考えものだねえ、奥さん。まだ****に触れないうちにこんなじゃ、最後まで身体がもたないよ』

 汗ばんだ細身のあちこちに筆を触れさせながら、金倉が含み笑いした。

 敏感な刺激を受けるたびに、拘束され、宙空に浮かんだままの手足がぴくぴくとわななく。
 金倉が仰向けの妻の下半身へいざりよった。ぶらぶらと漂う脚のそのなめらかな足裏を、残酷な筆が舐めまわしていく。

『い・・・・ぁ・・・・っ』

 か細い声とともに、きれいに整った形をした足指が蠢き、足首が引き攣れるようにくねった。同時に、足枷に付けられたテグスがぴんと張りつめ、引き伸ばさ れた陰唇がさらにめくりあげられた。


『んんんっ!』


 魂消えるような声が妻の喉もとから放たれた。


 火照り、涙と汗でひかる妻の顔がアップにされる。眉間に深い皺が刻まれ、唇が半開きの状態でふるふると震えている。


『奥さん、痛い? それとも気持ちいい? たぶんその両方やな―――』


 カメラをかまえる佐々木が、ねっとりといたぶる声で妻に言う。


『あーあ、綺麗なお顔が台無しやね。もっとええ表情せな。―――これは奥さんへの罰なんやで。今までこの淫乱な身体で、さんざん色んな男を弄んできたんや ろ? その最大の被害者が奥さんの旦那と子供や。それは分かっとるな? こら、何度も言わせんと、カメラ向けられたときは目を開いて、こっち見て』


 こいつは―――何を言っているんだろう?


 苦悶に喘ぐ妻が、ようやくのことで薄目を開いた。


『ほら、“ごめんなさい”言うてみ。今まで奥さんが生きてきて、迷惑かけたひといっぱいおるんやろ? そのひとたち全部に“ごめんなさい”言うてみ。淫乱 ですみませんでしたって、これから一生かけて償いますって、きちんと声に出して謝らんと』


 何という理不尽な要求―――いや、要求ともいえない強制。
 腹の底から、私は燃え上がるような怒りを覚えた。

 けれど―――
 妻はカメラを見た。

 私を―――見た。



『ごめ・・・・んなさい』



 ふるえる唇のあわいから言葉が零れる。


 金倉の筆がまた、妻の躯のどこかを嬲る。


『あううっ! ・・・うっ・・・あぐっ・・・ごめんなさい・・・・ごめんな・・・さい・・・あ』



 あなた―――



 最後に妻は、そう私の名前を呼んだ。



 ぐらり―――と意識が遠のいた。



『まだまだ。そうやってずっと詫びつづけるんや。許してもらえるまでな』


 彼方で佐々木の声がする。


 すっと金倉が妻の剥き出しの性器のほうへ身体を映したのが、画面の端に映った。



悪夢 その99
ハジ 2/13(水) 18:39:29 No.20080213183929 削除

「どうして、その人物が浩志くんだったのか。特定した根拠には説明が必要でしょう」

 羽生の口調からは抑揚が抜け、すっかり事務的なものになっていました。

「単純な逆算なのですが、デジカメとシャックとかいう少年が持っていた浩志くんの携帯電話が彼自身の手もとに戻っていた―――これは極めて重要な事実で す」

 そう言うと、羽生はいったんは仕舞っていた銀色の電話を再び掲げてみせました。彼が浩志から“くすねた”という―――それはディスクのなかで、あの少年 が弄んでいた機種と同型のもののようです。シャックという少年は浩志の携帯を使って、まんまと妻を誘き出し―――そして。

「待て」

 私は合点がいかず、その先を制しました。

「最後にそれを持っていたからといって、息子がその場にいたというのは早計じゃないのか。後で少年たちから譲り受けたかもしれないし、誰か他者の手を介し ている可能性だって―――そうだ。あのメモに名前のあった翔子という女の―――」
「翔子にはすでに確認を取ってあります」

 今度はお返しとばかりに、羽生のほうが口をはさみました。先ほどの携帯電話とは別のものを取り出します。

「先ほど、メールでね―――この数日間、浩志くんはずっと翔子の家にいたそうです。おそらく、今回のことがあってすぐに転がりこんだのでしょう。彼女が言 うには―――滞在中、浩志くんは限られた人間としか接触していない。そして、家を訪れたときから、ずっと、さっきの紙袋を大事そうに抱えて離そうとはしな かった」

限られた人間のひとりが例の柴崎トシキで、息子を保護した彼から私は情報を得ていたのでした。柴崎は自宅以外のところに浩志を匿っていると言っていまし た。それが翔子という女のところだったのでしょうか。

「とにかく―――浩志くんは現場にやってきた。見物に来たのか、はたまた、乱暴されている秋穂先生を助けにきたのか。詳しくはわかりません。しかし、来て はみたものの、そばには近寄れなかった。息を潜めて、遠くで隠れているしかなかった―――何故か。それはシャック―――少年たちが浩志くんに危害を加える ような発言を度々していたからです」

「おそらく、浩志くんには彼らに立ち向かう度胸はなかったのでしょう。しかし、愛する女性が辱められている姿をみて、せめてカメラだけは止めなければと、 なけなしの勇気を奮ったのです。そして、それを援護する形で―――」

「奥さんは自分に注意を惹きつけるために、あえて、あのような破廉恥な行為をおこなった。結果的に浩志くんを庇うことに成功した―――少年たちの誰ひと り、浩志くんの接近に気づかなかった。あれほどの至近距離にありながら、誰もが秋穂さんのからだに夢中になっていたから」

羽生は息継ぐ間もなく、ただ滔々と述べ続けるのでした。
  1. 2014/10/15(水) 01:21:37|
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卒業後 第65回

 声が流れ続ける。
 妻の声が。
 苦痛と快楽がないまぜになったその響き。言葉はもはや意味をなしていない。
 ビデオカメラに映し出される妻の姿は、熱病に浮かされるひとのようだった。


『ちょっとカメラ、****に向けてよ』


 先程からずっと、こじ開けられた妻の秘口を筆でねぶりまわしていた金倉が、カメラを手招いた。


『すごい濡れでしょう。こんな状態でも****嬲られると感じてしまうんだねえ、奥さんは』


 言葉どおり、潤沢に濡れ光る妻のその器官は、普段の光沢のあるパールピンクから、目の覚めるような薔薇色へと変わっていた。
 テグスで吊り出された花弁と、根元まで剥かれた肉芽が、痛々しく充血している。

『****ひくひくしてる。物欲しそうやな。奥さん、もういきたいんやろ? 我慢は身体に悪いで』

 しかし、それは無理なのだった。淫靡な筆さばきの刺激を受けつづけても、同時に間断なく与えられつづける痛苦が、官能の解放を許さない。あるいは、オル ガスムに達した瞬間に予想される、さらなる痛苦への恐怖が、妻に耐え難い忍苦を課しつづけているのだ。

『しかし―――、こっちもさすがに疲れたな。少し休憩しようか』

 立ち上がった金倉が、画面から消えた。
 カメラが妻の顔を向く。

『まるで出産中の若妻のような顔やね、奥さん』

 張りつめ、火照りきった顔色で、玉の汗を流し、奥歯をきりきり噛み締めている妻の表情は、たしかに佐々木の言うよう、出産の最中の女の顔に見えなくもな かった。

 画面には映らないが、金倉が電話をしている声が聞こえる。ルームサービスを注文しているようだ。妻にはおそらくその声も聞こえていない。ただただ、彼岸 と此岸の境界を漂っている―――そんな、表情だった。

 この場にいるはずの、赤嶺はどうしているのだろう。一度も画面には現れていない。あいつは今、どんな気持ちでこんな妻を眺めているのか。

 金倉が戻ってきた。

『手軽につまめるサンドイッチを注文してきたよ。奥さんにはフランクフルトのほうがよかったかな』

 開かれっぱなしの秘裂、そのクリトリスをひとさし指でぴんと弾いて妻を呻かせながら、金倉が悪趣味な冗談を言う。


『いやいや、奥さんはそろそろ“本物”に飢えてるところやろう。―――食べさせてあげるよ。上の口やけどな』


 かちゃかちゃ、とベルトを外す音がした。
 カメラが下を向き、佐々木のペニスが映る。
 その向こうに、薄目を開けた妻が見えた。


『口、開けて。奥さん』


 妻はぼんやりとそそり立つペニスを見つめている。
 薄い唇が―――開いた。


『しっかりしゃぶるんや、奥さん。歯を立てたらあかんで』


 佐々木のものが、妻の小さな口に押し込まれた。


『こら、太巻き食ってるんとちゃうんやから、しっかり舌を使わな』


 叱咤され、妻はなんとか口を使おうとするが、しかし、不自由な姿勢と体力の消耗のためか、しごく緩慢な動作だった。


『しゃあないな。下の口にサービスして、奥さんの目を覚ましてやってくれ』
『アイアイサー』


 ふざけた返事が返ってくる。カメラはペニスを頬張った妻の顔から離れない。
 金倉による筆の刺激が開始されたらしい。アップになった妻の顔にさっと赤みが差し、眉根が苦しげに寄せられた。
 唯一呼吸を許された鼻から、熱い息が噴きこぼれる。

『目ぇ覚めたんか? なら、舌を使って奉仕するんや。今日は私を撮影してくれてありがとう、って気持ちこめてな』

 仔兎のように紅に染まった鼻頭を、佐々木の指が弾く。
 それが合図のように、ようやく妻の舌がペニスに絡みはじめた。

『まだまだやなぁ。そんなつたないフェラじゃ、一時間経ってもいけへんわ。もっと本気だしてみいよ』
『そんなら罰ゲーム設定しようか。ルームサービスが届くまでに、佐々木クンをいかすことが出来たら奥さんの勝ち。出来なかったら、ルームサービスを運んで きたホテルの人間に、奥さんの今の姿を見てもらう』
『ええな、それ。でもボーイやったらええけど、女の子やおばちゃんやったら無理やな』
『そのときはまた別の罰ゲーム考えればいい』
『決まった。―――そういうわけや、奥さん。****おっぴろげた今のかっこ見られたくなかったら、精一杯頑張ってフェラするんやな』佐々木の声に含み笑 いが混じった。『まあ、ルームサービスくるまで、もう10分もないやろうけどな』
 その声とともに、いきり立つペニスがぐいっと押し込まれ、妻は苦しげにむせた。


 今の妻にしては、それは精一杯の努力だったのだろう。
 蜘蛛の巣のように拡げられた性器を筆で嬲られ、身悶えするたびに過敏な部分にはしる痛みに鈍い悲鳴を搾られ、汗の浮いた顔面を揺らしながら、妻は必死で 佐々木のペニスをしゃぶり、舌で愛撫した。
 汗が飛び、唇の端からよだれの糸が引く。
 凄惨な―――光景だった。
 見るに耐えない光景だった。
 そして結局、妻の努力は報われずに―――


 チャイムが鳴った。


『はーい、出ますよ』金倉が大声で言った。『―――残念だったね、奥さん。タイムリミットだよ』


 その言葉も、もうおそらく妻の耳には聞こえていない。

 金倉がドアに向かう。その様子をカメラが追う。
 途中、ちらっと男が映った。ベッドに座って、煙草を吹かしている―――赤嶺だ。
 今日―――初めて見るあの男。
 まるで他人事のように、責められる妻を眺めていた。


『ビンゴ! 若い男だ』

 嬉々として、金倉が叫んだ。

 カメラが妻に戻る。ようやく口中からペニスを引き抜かれた後も、唇は締まりを失って、ぽっかり開け放たれたままだ。
 その唇に、佐々木の指が入れられ、小さな口を横に引っ張った。そんなくだらない玩弄に抗う力はもはや妻にはない。


 金倉と誰か―――ホテルの従業員―――の会話がかすかに聞こえる。


『もうすぐお客さんがくるで、奥さん。そんな情けない顔しとらんと、しっかり笑顔で迎えて、卑猥な****たっぷり見てもらわんとな』


 妻の額に浮いていた汗が一粒、流れた。
  1. 2014/10/15(水) 01:41:13|
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卒業後 第66回

 金倉が戻ってきた。その後ろから、ボーイの制服を着た若い男―――まだ、社会人になって2,3年という年頃に見える―――が、戸惑った顔で現れた。


 無関係の第三者を突然、撮影に参加させるなどと―――そのようなことが許されるのか、これは仕込みではないのか―――私は傍らの明子に問うた。
『あんな子知らないわ』にべもなく、明子は言った。『―――まったく、無茶なことするわね』
『そんなあっさりした言葉で片付けないでくれ』私は奥歯を噛み締めた。『あいつらに嬲られているのは・・・・俺の妻なんだ』
『私に八つ当たりしないで』
 言葉とは裏腹に、明子の口調は穏やかだった。その瞳は相変わらず謎めいていて、ひどく冷静に私を観察しているような気がした。


 その、誰とも知れぬ若者は、室内の光景を見、そして破廉恥といえば破廉恥極まりない格好を強制された妻の肢体に目を丸くした。
『すごい。AVの撮影って本当だったんですね。―――あ、顔出して、本当に大丈夫なんでしょうね? 困りますよ、やっと伝手でこのホテルに就職したばかり なんですから』
『絶対分からないようにするから、大丈夫だって。それより、もっとこの奥さん見てあげてよ。この奥さん、おとなしい顔して、いやらしいとこ見られるの大好 きでね』
『さっきロビーで見かけて、綺麗な奥さんやなぁと思ってたんですよ』拘束され、仰向けに横たえられた妻の裸身に、若い男が近づいていく。『それが・・・・ こんなことされてるなんて・・・。うわぁ、すげえ。こんなに拡げられたあそこ、俺、見たことない』
『触ってもいいよ』
『え・・・・・』
『いいから、いいから』


 若い男の指がおずおずとした動きで、艶光る鮮紅色の粘膜に触れた。


『う・・・っ』という妻の呻き声が聞こえた。


『でも大丈夫ですか? ビラビラもクリもやばいことになってるけど・・・・痛くないんですか?』
『痛いのがイイんだよ。この奥さん、マゾだからね。その証拠にぐっしょりだろう、そこ』
『ええ・・・・。でも信じられないな。こんなに美人なのに、マゾだなんて』
『―――だってさ。若い子を幻滅させてしまったみたいやで、奥さん』


 カメラが妻の顔を映す。何の―――本当に何の関係もない第三者、それも一回り年下の若者にあまりにも屈辱的な裸身を視姦される恥辱に、妻は真っ赤な貌を 捻じむけ、涙の滲んだ瞳をかたく瞑っている。
 長い睫毛の先がふるふると震えていた。


『何とか言いなよ、牝犬奥さん―――』


 佐々木の指が、妻の高くとおった鼻筋をつるりと撫でた。


『いくら顔を隠そうとしても、奥さんのいやらしいところは丸見えなんだよ。彼だけやない、もうじき日本全国の男たちがあんたの身体を見るんや。こんなんで 羞ずかしがってるのは阿呆らしいで』


 ほら、ちゃんと顔を見せて、彼に自己紹介せな―――


 佐々木はくなくなと頸を振る妻の鼻を掴み、強引に顔を正面に向けさせた。妻の口がぱくぱくと開いて、何かを言った。


『何? よぉ聞こえんわ』
『・・・・む、むり・・・・・です・・・、そんなこと、でき―――――あぐっ!』


 いつの間に横たわる妻の顔の隣にいざりよった金倉が、首輪とクリトリスを繋ぐ糸をつよく弾きたて、その言葉を中途でさえぎった。


『“いや”はなし。“無理”もなし。“できない”もなし―――だよ。今日は奥さんの覚悟を見るためにこうしてわざわざ集まってるんだ。これ以上我がままを 言いつづけるのなら、あの約束も守れないよ』


 約束―――?


『う・・・っ、・・・・あうっ・・・・・や、やめてください・・・それ・・・ちぎれちゃう・・・』
『それなら、早く言わないと。ほら、こんなふうに―――』


 下卑た笑みをカメラに見せながら、金倉が妻の耳元に口寄せる。
 細やかな柳眉が新たな恥辱のために、きつくしかめられた。


『分かったね? じゃ、目を開いて、坊やの顔をきちんと見て。まずは名前と歳から、彼に告白するんだ』


 目元が赤く染まり、潤みきった瞳がようやく開かれる。



『わたしの・・・名前は・・・・瑞希です』



『歳は・・・・35です』



『へえ! そんなにいってるんだ。全然分からなかった』
 間抜けな相槌を、若い男がいれた。
『思ったより年増でがっかりか?』
『いや、そんなことは・・・・・』


『次は? 奥さん』
『本日は・・・・はしたない格好で・・・・失礼しております』

 佐々木が哄笑した。

『たしかにはしたない格好やな』
『―――それで? つづきはどうしたの?』

 口ごもる妻に、焦れたように金倉がまた糸嬲りを再開する。



『あっ、あっ、やめて!・・・・・見苦しいところをお見せして・・・・ああ・・・・本当に・・・・すみません』



『皆さまが仰られたとおり・・・・わたしは・・・・みだらなマゾ女・・・・です』



『そんなのは今のあんたを見れば一目瞭然やけどな』嘲るように佐々木が言う。『ほんで?』



『皆さまに可愛がっていただき・・・・・いやらしく・・・・濡らしてしまった・・・わたしの・・・・・・わたしの・・・・』



 ****―――



 語尾が消え入った。



『お目にかけやすいように・・・・・・いっぱい・・・・ひろげ・・・・ていただきました・・・・・ありがとう、ございます・・・・・どうか・・・・・よ く・・・・よく、ご覧くださ・・・・い』
『見られるの好きやもんな、あんたは』
『は・・・・・い』
『まだあるでしょ、奥さん。最後まで言わなきゃ』



『お気に・・・・召しましたら・・・・・どうぞ・・・・ご自由に・・・・・お触りください・・・・・わたしを・・・・・悦ばせて・・・・ください』
『マゾの奴隷奥さんのくせに、えらく都合のいい要求やな、それは』
『申し訳・・・・ありま・・・せ・・・』


 嗚咽がついに言葉をかき消した。


『まあ、そうゆうことやから、君、この奥さんの躯、好きにしてええで』


 カメラが若者を向く。
 呆然とした顔で、若い男は妻を見下ろしていた。


『すげえ・・・・・ほんまにAVみたいや』
『今さら何を言うとるんや』佐々木は苦笑した。『でも、威勢よくち*ぽ勃っとるな。若いだけあって頼もしいやないか―――』
  1. 2014/10/15(水) 01:42:35|
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卒業後 第67回

 私は今まで、アダルトビデオというものをあまり見たことがなかった。
 いつ頃から規制が緩くなったのか、私は知らないけれど、ずいぶんと過激なものが増えたというのは知っている。
 そこには剥き出しで、底のない欲望と妄想があふれているようで、同じ男でも、背筋がぞっとするようなものがあった。
 はるか昔、赤嶺にそんな感想を言ったことがある。
 赤嶺はふんとわらって、それは皮肉のつもりか、と言った。私は苦笑して、そんなつもりはない、と答えた。

『言いたいことは分かるぜ。そうだ、実際醜いね。集団ぶっかけ、顔射、中出し、スカトロ・・・、はては獣姦なんてものもあるな。醜くて、どろどろした男ど もの欲望。だからこそ、面白い。ネットと同じさ。規制が緩くなって、リスクなしで楽しめると分かれば、ひとはいくらでも醜くなれる。ある女の作家が書いて いたよ。AVってのは、不幸な女、或いは女の不幸を男たちが覗き見て楽しむものなんだってね。偏見まじりの意見だが、なるほどと思えなくもない』


 その説でいくと、さしずめ俺なんかは、女たちの不幸を食い物にして生きているってわけだ―――


 悪びれるわけでもなく、赤嶺はしゃらりと語った。

『お前はそれでもいいのか? 疑問に思ったりはしないのか?』
『聖人君子みたいなことを言うなよ。お前も俺もご同様、すばらしき男たちのひとりだぜ』赤嶺はふっとわらった。『だいたい幸不幸なんて概念は曖昧だね。男 も、女も、人間すべてしょせん獣の一種だろう』

 つづけて、言った。


『―――獣には、そのときごとの快、不快しか問題にならないのさ』


 あれはそう、まだ妻と結婚する前の、あいつとの会話―――。



 そして、今―――
 パソコンの画面には、獣たちが蠢いていた。
 
『ご自由にお触りください』―――その強制された妻の言葉を受けて、若いホテルボーイは目の色を変えながら、年上の女のひらかれきった女体のあちこちを、 指と舌で試していた。

『あそこの毛、剃ってるんや・・・。俺、女のあそこ、こんなにはっきり見たの、初めてですよ』

 興奮で声をふるわせながら、若者は無残に糸吊りにされ、紅蓮の肉をさらすそこに指を触れさせた。


『熱い。それに・・・、ひくひく動いてる』
『感じてるんだよ。それにしても、君も奥さんに感謝しないとな。こんなにぱっくり****開いて見せてくれてるんだから。なかなかいないよ、ここまでして くれる女は』
『彼女は絶対こんなことさせてくれないっすよ。・・・・さっきから奥さんって言ってますけど、このひと、人妻なの?』
『人妻だった、かな。―――奥さん、どうなの? 今の自分の身分を言ってみてよ』


 カメラが妻の顔に向けられる。
 佐々木は的確に、執拗に、「女の不幸」を絵にしようとしている。


『ほら、質問にはすぐに答えな。今の奥さんは何なんや? さっきも自分で言うとったやろ?』
『マ、ゾ・・・・女・・・・・・・わたし・・・・みだらな・・・・マゾ女・・・です』


 陰湿な責めを心身に受けつづけ、その様子をビデオに収めつづけられた妻―――高熱にうなされているようなその表情。切れ長の目は開いてはいたが、瞳は熱 に浮かされたように宙を彷徨っていて、ほとんど意識を失う一歩手前に見えた。


『そうそ。奥さんは自分から人妻を辞めて、ただのマゾ女に堕ちたんやったな。よく出来ましたと言いたいとこやが、“わたし”やのうて、きちんとマゾ女の本 名さらしたほうがええな。そら、年もいれて、もう一度言うてみ』

『わたし・・・瑞希は・・・・35歳の・・・・・みだらなマゾ女・・・です』

『マゾの、牝犬やな。そうやろ? 分かったんなら言いなおさんと』
『はい・・・瑞希は・・・・・35歳の・・・・・みだらなマゾ・・・・牝犬です』
『男なら誰にでも尻振ってついていくんやな。どうや?』
『はい・・・・ついていきます・・・・』
『尻を振って、やろう?』
『はい・・・・振ります・・・・お尻』
『振ってみせえや、今、ここでも』佐々木の指がぐいぐいと、妻の汗ばんだ頬を押した。『若いお兄ちゃんが、奥さんの大好きなち*ぽ勃たせて、食い入るよう に見とるで。牝犬なら嬉しそうに、尻、振ってみせんと』


 吐き気をもよおすような佐々木の言葉。しかし、妻の反応はなかった。ただ、ぐったりと弛緩していた。


『まだ、おねむには時間が早いよ、奥さん。言われたことはすぐにしないとなぁ』


 金倉の声が聞こえた。と思う間に、弛緩した妻の顔が張りつめ、額に静脈の筋が浮いた。



『んッ―――あ、あああ』



『どないしたんや、奥さん。そんな大声上げて―――』


 カメラが金倉と、その覗き込む妻のあらわな秘部に近づいた。
 金倉の太い指が、後ろのすぼまりに差し込まれたところだった。


『ここはまだヴァージンなんでしょう? 奥さん。きつくて、いい感じに指を締め付けてきますよ』


 蕾に挿入された指が、ゆさゆさと揺すられる。


『いっ・・・・痛いです・・・・そこはだめ―――』


 言葉の最後が、甲高い悲鳴でかき消えた。指から逃れようと思わず身悶えしたときに、摘まれたままの花弁と肉芽が罰を受けたのだ。


『奥さん、すぐにここでも男を受けなきゃならなくなるんだよ。なあに、奥さんはここもすごく敏感そうだし、すぐによくなるって』
『やめて・・・・そこ、やめて・・・・お願いします・・・・ごめんなさい・・・振りますから・・・・お尻・・・振りますから』


 最後はもう、ほとんど涙声での哀訴だった。
 目を丸くした若い男の、呆然とした表情が少しだけ映った。



 ・・・カメラが少し引いて、妻の仰向けの総身をとらえる。


『―――じゃあ、いこうか。教えたとおりの台詞言いながら、いいと言うまで、尻、振りつづけるんやで』


『は・・・・い』
『ほな、やってみ』



『わたし・・・瑞希は・・・・・』


『35歳・・・・』

『マゾの・・・・みだらなマゾ・・・・』

『牝犬です』

『うれしいときには・・・・お尻を振って・・・・よろこびます』


『見て・・・・ください』



 のたり、のたりと、
 それでも必死な動きで。
 画面の中央に映し出された妻の、裸の下半身が揺れる。
 小ぶりな尻が蠢く。



 あ、あッ、、、、ううッ、、、、、



 はぁはぁという息づかいの中に、時折、そんな声が混じる。
 尻を動かすたび加えられる、吊り上げられた陰唇とクリトリスへの電流。
 自らの動きで与えられる、性器への刺激。


 ―――ああ・・・・っ


 悦美と同時にはしる痛み。


 ―――ぐっ・・・・ぁは・・・・


 それがずっと、

 ずっと繰り返されるのだ。



 悦、痛、悦、痛、悦、痛、悦、痛、悦、痛、悦―――



 見ているこっちのほうが、気がおかしくなってしまいそうな、

 そんな、自涜だった―――。



 カメラが動いていく。尻を揺すりつづける妻の周囲をぐるりとまわって、あらゆる角度から、妻の裸身、濡れそぼった肉の蠢き、その剥き出しの表情をカメラ は収めていく。


『カメラ、見い。奥さん』


 真上に立って、垂直に妻を見下ろした佐々木の声がする。
 とろりと溶けた妻の瞳が、ビデオカメラに映る。


『もう何がなんだか分からないって表情やな。牝犬の顔や。首輪がよく似合ってるで』
『は・・・・・い』


 返事をする唇の端から、よだれが垂れ、落ちた。


『そないに尻振って、見てもらえるのがよっぽどうれしいんやな』
『・・・は・・・い・・・』


 声を出すたび、ぜいぜいと息が切れる。


『・・・・・うれ・・・・・うれしい・・・です』
『坊やはどうや。綺麗な奥さんが実はこんな牝犬で、がっかりしたか?』


 カメラが若い男を向く。魂の抜けたような表情で、若者は憑かれたように尻を振りつづける妻を眺めている。


『坊や』
『あ・・・・はい。いえ・・・・すごく興奮してます。もう、おかしくなりそうなくらい・・・・いきそうです』


 カメラが妻の顔へ戻る。


『よかったなぁ、奥さん。頑張って媚びてみせた甲斐があったようやで。あの坊や、欲情して、もうびんびんなんやと』

『あ・・・・・う・・・・うう―――』

『頑張ったペットには、ご褒美をやらんといかんな』


 猫なで声で言いながら、カメラが妻の顔へ近寄っていく。
 瞼まで紅潮した膚に、ぷつぷつと浮かんだ玉の汗。鼻腔は喘ぐように開いている。
 獣たちに囲まれ、本当の牝犬のように苛まれつづけながら、獣に染め変えられようとしているひとりの女。美しく、蟲惑的な――― 一匹の獣。彼女は私の妻だった。
 全身の関節が軋みをあげていた。
  1. 2014/10/15(水) 01:44:38|
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卒業後 第68回

 私はずっと憧れていた。

 退屈な毎日の裏側にたしかに存在しているはずの非日常の世界、そのくすんだ色合いに、私はずっと惹きつけられていたのだ。
 赤嶺という男は、だから私にとって非日常の使者だった。他のさまざまな交友関係が絶えていっても、あいつとだけは付き合いがつづいたのは、あいつが引き 連れている世界の危うさと妖しさに、抗いがたい魅力があったからだ―――と思う。
 一方で、私にとって妻は・・・・・・とても一言では言えない。彼女は私の日常の保証者、私の唯一の財産。初めて出会ったときから、彼女は静かに、けれど 深く、私の心に食い入った。
 初めて出会ったときから―――いや、そうではない。始まりはあのとき、見合いの話を持ってきた親戚から、あの一枚の写真を見せられた瞬間からだった。

 それは板敷きの廊下に立つ、着物を着た女の写真である。両手を前で重ね、すっと背筋を伸ばし、正面からカメラを見つめている生真面目なまなざし。女は笑 みを浮かべてはいない。きつく結んだ口元は、女の切れ長の目の印象とあいまって、怒っているように見えるが、事実はそうではない。
 左側の窓から差し込む弱い光が、女の顔に微妙な陰影をつけている。

 写真に写っている女が、後に私の妻となる女だった。私と出会う以前の、今よりも若い妻。私が言うのもおかしいが、写真の女はとても綺麗だった。だが、そ れだけではない。端正な女の相貌に浮かぶどこか不安気な表情、張りつめた佇まいが妙に心に残った。このとき彼女はいったい何を考えていたのだろう―――そ う思わせる何かが写真にはあって、当時の私はそれがとても知りたくなった。実際に彼女と会って、話して、もっともっと彼女のことをよく知りたいと私は思っ たのだ。

 今でも私はその写真を大事に持っている。時折、取り出しては眺める。あれはいったい誰が撮った写真だったのだろうか。奇妙なことに、傍らに妻がいないと き、私が脳裏に描く彼女は、今でもこの写真の姿をしている。
 赤嶺と妻は、私にとって対極にある存在だった。一方は薄暗い非日常を、もう一方は日常に在ることの意味を、誰よりも感じさせてくれる存在。
 一昨年の夏、私はふたりをひきあわせた。そのときから、私の世界はぐらぐらと揺れ始めた―――。



 ―――――――――――――――*――――――――――――――

 ふたりがかりで、妻は責められていた。

 まどろっこしい筆を捨てた金倉の口が直接、妻の拡げられた場所へ吸い付き、舌で触れている。
 引き伸ばされた花弁に、剥き絞られた肉芽に、ぽっかり開いた秘口の戸口に、金倉の舌が伸び、ちろちろと舐めまわす。
 若い男は喘ぎ、うねる上半身にとりついて、白い胸の屹立を口に含みながら、汗でぬら光る肌身のあちこちを不器用な手つきで撫でまわしていた。


『え――――あ、、、、、っ』


 仰向けに横たえられ、肘と膝で交差させられた手足を、縛り上げられた狸のように宙に浮かせたままの妻の、淡くけぶるような裸身がくねる。
 紅潮しきり、額に蒼い静脈を浮かせた妻の顔が激しく左右に振りたてられる。
 その口に、若者が口を寄せた。
 もはや抗う気力をすべて喪失させられたような情態の妻は、半開きの唇に差し込まれる舌を、目を白黒させながら受け入れた。
 舌が、絡められた。


『うれしそうやなぁ、奥さん。手練れの中年男と、若い男のふたりに一緒に可愛がってもらえる機会なんて、普通の女はそうそう経験できへんで。AV女優に なってよかったなぁ』


 若いホテルボーイとキスをしている妻の横貌を、真横から撮りながら、佐々木が笑い声で言った。
 ふと、妻の頸がかくかくと前後に振れ、若者の口から離れた。

 視線が―――飛んでいた。


『お、この奥さん、もうそろそろ我慢の限界みたいやで。今にもイキそうや』


 佐々木の言葉に、金倉がいっそう気を入れて、妻の秘部を責めだしたのが分かった。
 狂おしげな吟声が高くなる。


『切れます。切れちゃう・・・・あ、あ、切れる・・・・』


 くなくなと頸を揺らしながら、うつつない声で妻が叫んだ。


『そうやない。“気持ちいい”やろう? “****舐められてイキそうです”や。言うてみいや』


 佐々木の声にもうわずかな反応も見せず、妻は『切れる、切れる』とうわごとを言いつづけ、頸を振りつづけていたが、やがて盛り上がった胸がさらに隆起 し、白い喉首がぴんと反った。


『あ、あ、許して。死にます。落ちる・・・・』


 眦が吊り上り、相の変わった顔が最後にそう口走り―――
 しなやかな肢体が弓のように、ぴんと張りつめた。
 その緊張がテグスを伝わって、今まさに崩壊した部分にいっそうの痛苦を与えた。



『あ――――――はっ』



 一声高く、妻は啼いた。


『あーあ、奥さん、漏らしてしまったわ』


 女園から顔を離した金倉が呟く声。
 それとほとんど同時だった。


『もう―――我慢できない』


 若者が制服のズボンと下着を下げ降ろした。
 かたく隆起したものが、ぐうっと膨らみ、したたかに白濁をしぶいた。
 放たれたそれが、妻の顔に振りかかる。
 白濁が高い鼻梁を濡らし、形の良い顎の辺りにまでしたたっていくその様を、ビデオカメラがとらえた。
 映像は何も処理されていないのに、私にはそれがスローモーションのように見えていた。


 ゆっくりしたコマ送りで、汚されていく妻が。
 私の目に、鮮明に、映って。
 映って、いた。



 ・・・金倉に抱えられるようにして、妻が浴室から出てきた。
 幾分、血の気が戻っているが、足腰はまったく立たないようで、支えられながらようやく妻は、床に座り込んだ。
 艶々と光る洗い髪をうなじにまとわりつかせたまま、がっくりと崩れ落ちた妻の、手足の拘束と足枷は外されていたが、首輪とそれに繋がったクリトリスのリ ングだけは、まだ彼女の一部を締めつけている。
 
『よぉ洗ってもらったか、奥さん?』

 うつむいた妻の、頸だけが小さく縦に動いた。

『さっきはいい絵が撮れたわ。あの坊やも、こんな美人の奥さんが小便漏らしながらイクとこを見ちゃ、そりゃあもたんかったやろな。すっきりしたら、慌てて パンツ履いて、職場復帰しよったわ』

 くすくすと笑いながら、素裸でへたり込み、本当の女奴隷のような裸身をさらしている妻の総身をカメラが舐めていく。

『よくもまぁ、カメラ向けられた状態で、あんなに派手なイキっぷりを見せてくれたな。さすが赤嶺さんの見込んだ女や、たいした淫乱やで。自分でもそう思う やろう?』

 赤嶺の名が出て、今さら私の胃の腑に鈍痛がはしった。

『返事せな、奥さん。あんたはついさっき、画面の向こうの大勢の男たちに恥知らずなよがりっぷりをさらしたんやで。ちゃんと“見ていただいてありがとうご ざいました”ってお礼を言わんと』
『・・・・はい』
『そら、カメラ見て。ご挨拶や』

 金倉の手が、妻の顎を掴み、色褪せた顔を上向かせる。
 気弱に潤んだ瞳が、カメラを見た。

『わたしは淫乱です・・・・それを思い知りました。恥ずかしくいく姿を大勢の方に見ていただいて・・・・とてもうれしいです』


 ありがとうございました―――


 そう言って、妻は深々と頭を下げた。

『そうやな、奥さん、見られて悦ぶマゾ女やったな。それはさぞ感激な体験やったやろう』
『はい』
『ほんなら、奥さんの****どうなったか見せてもらおうか。自分の指で拡げて見せてみいよ』

 ふっと妻の視線が落ち、自らの手で剃毛され、深い縦筋をさらすその部分を向いた。
 白く小さな手が、ふるえながらその器官にあてがわれる。

『もっと威勢よく拡げてみなよ。そうそう―――』

 叱咤しながら、カメラがその部分をクローズアップしていく。
 映し出されたそこは、無惨な様相を示していた。リングに絞られたクリトリスは腫れあがり、普段の桜色から深紅をとおりこして赤黒くなっている。長い間、 クリップに挟まれ吊り出されていた部分の秘唇も同様に変色していた。
 男の手が画面に映り、繊細な指がくつろげているそこをくいっと摘まんだ。

『このピラピラも少し伸びてしまったかもなぁ。奥さん、パイパンだから、はみだしたら目立ってしまうねえ』
『あと何ヶ月かすれば、ここから赤ん坊が出てくるなんてとても信じられん眺めやな―――』

 カメラが上向いて、うつむいた妻の顔を下から覗き込む。
 乱れた黒髪を、金倉の手がはらって、顔をよく見せるようにした。

『奥さんが頑張ったから、約束どおり、子供は産ませてもらえるよ。うれしいやろ、奥さん?』
『はい』
『でも最初に言ったとおり、産まれた子供は養子に出すんやで。そのほうがあんたにとっても、子供にとっても幸せや』


 潤んだ瞳が揺れた。


『返事はどうしたんや、奥さん』
『はい・・・・』
『奥さんはこの身体で稼いだ金を、養子に出した夫婦に渡す。それが牝犬お母さんに出来る精一杯のことやで。でも、子供手放したら、奥さんそのうち逃げてし まうかもなぁ。どっか他に男つくって、そいつと手に手をとって消えてしまうんやないか?』
『そんなこと・・・・』
『ほぉ、逃げないんか? 一生、うちのAV女優として、男の玩具になってやっていく覚悟があるんか?』
『わたしは・・・・逃げません』


 ぽつりと呟くように、妻はこたえた。


『そうやな。奥さん、今まで散々好き勝手やってきて、充分人生を楽しんだもんな。これからは懺悔の日々や。あんたがこれまで生きてきて、迷惑かけたひとた ちの分まで、社会奉仕せなな』
『AVが社会奉仕か』

 金倉がわらう。

『奉仕にはちがいあらへん。―――だけどな、奥さん。言葉だけでは信用出来へんのよ。口先だけでは何とでも言えるからな。身をもって奥さんの真心を示して もらわんと』


 カメラがふっと上後方にずれて、座り込んだ妻の総身を映した。
 妻は顔を上げて、カメラを見た。


『ただでさえ、淫乱多情な奥さんや。ほっといても男たちが群がってくるし、そのなかのひとりに真剣に“逃げよう”って誘われたら、奥さんもほだされてその 気になってしまうかもしれへん。そんなことのないよう、あんたの身体に手を入れさせてもらってええかな』



 身体に―――手を入れる?


 意味が分からない。

 私と同様だったらしい妻が、戸惑った顔でぼんやりとカメラを見つめた。

『まともな男には金輪際相手にされへんよう、奥さんのその美しい身体にメスを入れさせてもらうってことだよ。まずは―――そうね、さっき剃ってもらったオ ケケやけど、もう二度と新しいのんが生えてこんよう、完全に処理して永久脱毛させてもらおか。それから―――』

 佐々木の手が伸びて、クリトリスに繋がった糸を掴んだ。『うっ』と声をあげて、妻の顔がゆがむ。

『この感度のいいお豆の皮も切除したらどうかな。どうせ剥き出しなら、とことんまで剥き出しのほうがええやろ。そこの皮がなくなったら、いつでも男を欲し がって発情しつづける躯になるんやて。そうなったら、もうAV女優かソープくらいしかやることないわな』



 あはは―――と佐々木の笑い声がする。


 あまりにも、
 あまりにも悪辣な、言葉。
 妻の人権を完全に無視した言葉。

 今度こそ、私は吐きそうになった。

『さっき吊り上げてよく伸ばしてあげたピラピラにもピアスを付けさせてもらおうか。いや、もっと大きめのリングのほうがええな。両側に穴あけて、リングで ひとつに閉じるんや。面白いやろ』


 気死したように、なかば感情を失っていた妻の顔色が青褪めている。
 折れそうなほど細い肢体が、ふるえていた。


『奥さんくらいの美形で、そんな奇形の****をしているAV女優なんか、ひとりもおらへん。売れっ子になれるで、奥さん。SM専門やけどな。そうなった ら会社も儲かるし、あんたを真面目に愛そうとする男なんてもう二度と現れへんから、逃げる心配もなくなる。一挙両得やね。どうや、奥さん』
『それは――――』


 褪せた唇がかすかに動き、絶句した。


『何もかも捨てたんやろ? 男の玩具になって一生送るんやろ? ならそれでもええやないか。顔をいじれって言ってるわけやない、あそこだけや。まあ、一 生、銭湯には行けへんくなるやろうけどな―――。どのみち、今のあんたには誰もおらへん。もとの旦那には愛想を尽かされて、子供も手放さなきゃならん。も う、あんたに戻るとこはないんよ』


 あっさりと言い放った佐々木の言葉に打たれたよう、妻はびくりと身体をふるわせた。



 誰もいない―――



 低く、つぶやく声がした。
 妻の目から涙がつっと零れた。
 あふれた。

『こら、泣いたらあかんよ、奥さん。あんたを苛めてるわけやないねんで。あんたに自分の今の立場を理解してもらおうと思って言ってるこっちゃ』
『はい・・・』
『決心ついたんか? どうや?』

 佐々木の手がひたひたと妻の頬を叩く。
 その手を受けながら、妻は『どうにでも・・・してください』とかすれた声で言った。

『投げやりな口調やな、もっとうれしそうに“よろこんで手術をお受けします”って言わな』

 嗚咽をつづけるばかりの妻は、佐々木の言葉にただ頸を振るだけだった。
 そんな身も心も弱りきった妻を、裸の金倉が背後からやんわりと抱きしめた。

『奥さん、もうそんな泣かんと。可愛いお顔が台無しじゃないか。大丈夫だよ、淋しいときには呼んでくれたら、いつでも相手をしてあげるからね』

 猫撫で声で言いつつ、折れそうなほど頼りない細身を抱きしめた金倉が、妻に口づける。
 妻は抗わなかった。そればかりか、瞳を瞑り、差し込まれる唇を受けながら、両腕を伸ばして、金倉の頸を抱いた。

『お』

 そんな妻の反応に一瞬驚いたような顔になり、それから金倉はいっそうきつく妻の口を吸った。吸いながら、首輪とクリトリスを繋ぐ糸をぴんぴん弾いて、妻 を鼻で啼かせた。

『そやそや、そんなふうに素直にしてれば、たっぷり可愛がってもらえるで。厭なことかてすぐに忘れられる』


 泣き濡れた瞳だけが動いて、カメラを見た。


『忘れさせて・・・・何もかも』


 そう、言った。


『そうそう。そんなふうにして、他のことみーんな忘れて、ち*ぽのことだけだけ考える牝になればいいんだよ。そのほうがあんたも幸せだ』
『メスになる・・・・犬にでもなります・・・・・だからもう何も考えさせないで・・・・言うとおりにします・・・・・何でも言うとおりにしますか ら・・・・ぜんぶ、ぜんぶ忘れさせて!』


 最後のほうはほとんど悲鳴だった。
 叫んで、妻はそのまま顔を金倉の股間に埋めて、屹立したグロテスクなものをぱくりと口に含んだ。


 頬をへこませ、
 喉をうぐうぐ言わせながら、
 忘我の表情で、目の前のものに吸い付く妻。
 母親の乳首に吸い付く幼児のように、この世にはそれ以外すがりつくものなど存在しないように。


『ようやく堕ちきってくれたようだね。素敵だよ、奥さん。あんたはそのほうがずっと魅力的だ』


 金倉が床に身体を倒していく。仰向けにまたがった妻の尻を、自らの顔のほうに向けさせて、シックスティナインの姿勢をとらせた。


『腰を落として。“****舐めてください”って言うんだよ』


 命じられ、妻は口に金倉のものを含みながら、しっとりと股間を落としていく。一瞬、口中から怒張を吐き出し、『****を舐めてください』と、たしかに 言った。


『可愛いよ、奥さん。可愛い牝犬だ』


 ほくそ笑みながら、妻の股間に口を吸い付ける。
 ぎゅうっと眉根を寄せながら、それでも口の奉仕は怠らず、一心な表情をビデオカメラの前にさらして、妻は怒張を唇に受けつづけた。

 何もかも許しあった男女しかとらない体位で、妻と、それから少し前までは顔も名前も知らなかった醜い中年男が絡み合っている。
 互いを、貪っているような、その姿態。
 獣の交わりだった。
 妻がその獣の一匹だった。
 ぼろぼろに傷つき、血を流し、何もかも失った獣は、理性の枷から解き放たれ、ただただ肢体を愛玩され、愛玩していた。


 脳髄の芯が白く霞んでいる。
 霞んでいるのは私だ。
 血が流れている。
 流しているのは私の心だ。



 嗚呼―――



 私は呻いた。
 画面の中で、妻も呻いていた。


『いい・・・・・気持ちいい・・・・』


 ぐらぐらと頭が揺れて、白い喉が怒張から離れ、うつつなく声を出す。
 眦から涙がぽろぽろ零れている。


『いたくない・・・・やさしい・・・・やさしくして・・・・・もっと』
『こうされるの好きなんだね、奥さんは』
『すき・・・・・やさしいのすき・・・・きもちいい・・・して・・・・こわして・・・・何もかもこわして・・・・わたしをこわして』


 すすり泣くような声で妻が啼く。
 ぶるぶるっと、雪白の臀部がふるえた。




『いく・・・・・・・』




 そう、告げて―――

 今まで見たなかで、一番静かに、一番哀しく、けれど一番くるおしい姿で、妻は、無明の空へ飛び立っていった。
  1. 2014/10/15(水) 01:46:27|
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卒業後 第69回

 パソコンの画面には、絶頂に達し、そのまま意識を失った妻の顔が大写しになっている。

 映像はそこで静止していた。

 声も出せず、動くことも出来ないまま、私はその妻の表情を眺めていた。
「―――コーヒーいれようかな。キッチン使わせてもらうわね」
 明子が立ち上がり、やがてカップをふたつ抱えて戻ってきた。
 差し出されたカップを、私は黙って受け取る。
 そんな私の表情を、明子は依然としてあの観察するような目で見ていた。
「そろそろ・・・・教えてもらえないか」
「何を?」
「君がわざわざ東京までやってきて、こんなものを俺に見せたわけだよ。―――まさか、S企画の新商品の感想を俺に聞きに来たわけじゃないんだろ」
 それはもちろん皮肉だった。言った自分が一番傷つく皮肉。しかし、明子は静かに私を見返して「当たってるわよ、それ」と言った。
「何だと」
「感想を聞きたい、ってところだけね」
「どうして・・・・」
「どうしても。答えて。あなたはあの映像を見て、どう感じたの?」
 怒鳴り散らしたいほど気分の悪い問いだった。けれどそう口にする明子の表情はあまりにも真剣で、私は気を呑まれた。
「吐き気がした。胸が悪くなった。赤嶺と、それからS企画の人間全員を殺してやりたくなった。これで充分か?」
「そうね。充分よ」
 明子は手に持ったカップを正座した膝の辺りに押し当て、うつむいた。
「正直に言うわ。最初、赤嶺が奥さんをモデルにビデオを撮っていると知ったとき、私は、それがあなたの要望でもあるのかと思ったの」
「俺の・・・・要望?」

 そんな、馬鹿な。

「二年前、あなたは奥さんを欺いて、赤嶺に抱かせようとした。その件に関しては、私も片棒担いでいるから偉そうなことは言えないけど・・・・。こんな職業 をしているから余計分かる、ひとの欲望ってどこまでも底が無いものよ。欲望が欲望を生み、次第次第にエスカレートしていく。現に去年の夏、天橋立で、あな たはまた奥さんを赤嶺に委ねてしまったんでしょう?」
「だからと言って・・・・・妻を、瑞希をAVに出演させようなんて、そんなこと、本気で、俺が望むと思ったのか?」
「分からないわ。私、あなたのことよく知らないもの」
 にべもなく、明子はそう切り返した。
「それにあなたには赤嶺がいた。あれほどひとの心を読み取って、巧みに唆していく男を私は他に知らないわ。自分が操られていることにも気づかずに、赤嶺の 意のままに動いている人間を私は何人も見てきたもの」
「あいつは・・・・・いったい何を考えているんだろう?」
「さあね。けれど、あなたとは違った形で、赤嶺が奥さんにつよく執着していることだけは分かっているわ。信じられないくらい、強引な手口まで使ってね」
 明子はため息をついた。
「最初の質問にまだ答えてもらってないな。君はどうしてあのビデオを俺に見せたんだ?」
「言ったでしょ。あなたの感想を聞くため。というよりも、あなたの反応を見るためね。それ次第で、私はこれからの私の態度を決めなくちゃいけないから」
「意味が分からない」

 深く澄んだ目で、明子は私を見つめた。

「たしかに赤嶺は酷いことをしている。けれど、あなたはそんな赤嶺の危うさを知りながら、ずっと長い間、奥さんを彼に預けてきたんでしょう? いえ、赤嶺 がああいう人間だからこそ、あなたはその分スリルを味わうことが出来たんじゃないかしら。だけど、それは奥さんが望んだことじゃなかった。たとえ、彼女の 承諾があったとしても、肉体的な痛みが伴わなかったとしても、これはドメスティック・バイオレンスに近いものがあると私は思うの。ひとりの女としての意見 よ」


 ドメスティック・バイオレンス―――家庭内暴力。
 明子が口にしたその重い言葉に、私は打たれた。


「私は―――今のあなたの望みを叶えてあげられる。あなたと奥さんを会わせてあげられるわ。それはすべてを捨てたつもりの奥さんにとっても、心の底から望 んでいることかもしれない。だけど、それが本当にいいことなのかどうか、私には分からないの」
「俺が・・・・・瑞希の夫としてふさわしくないと言いたいのか」
「将来的な話よ。―――いま、あなたが奥さんに会えば、彼女は救われるかもしれない。会って、子供のことや、遼一君のことをきちんと話せばね。だけ ど・・・・」

 明子の言わんとすることが私にはようやく察せられた。

「将来的な話の意味が分かったよ。君は俺がいつか・・・また同じことを繰り返すと疑っているんだ。現に・・・去年のことがあるから」
「一度幸福を味合わせてから、その幸福に裏切られるのは、最初から絶望の中にいるよりも辛いことよ」


 その言葉に、私は黙り込むしかなかった。
 明子はそんな私をじっと見つめていた。
 それから、いきなりこんなことを言った。


「私ね、二年前の奥飛騨のとき、一度だけ、奥さんとふたりきりで話したことがあるの」
「どんな・・・・話?」
「昔話よ。その頃の私は、赤嶺がつよく関心を見せている奥さん―――瑞希さんがどういうひとなのか、興味を持ってたの。だから、品がないけれど、瑞希さん にあれこれ尋ねたわ。彼女は自分のことを話すのが好きじゃないみたいだったけど・・・・。そのとき聞いたのが、昔、京都の旅館で仲居をしていた頃の話」

 叔父夫妻の経営していた旅館か。

「瑞希さん、どう見ても客商売向きに見えないから、私、ちょっと驚いちゃって。そう言ったら、彼女も“やっぱり苦手だった”って言うのね。とくに笑顔をつ くるのが苦手だったって」

 ふっと明子は過去を思い返すような表情をした。

「女将さん・・・・叔母さんにそのことでいつも怒られていたそうよ。10代のころらしいけど、その叔母さんに呼ばれて、よく鏡の前で笑顔の練習をさせられ たと言っていたわ。たまに時間のあるときは、ひとりで鏡を見ながら、笑顔をつくる練習をしていたんですって。“でもどれだけ練習しても、ちっともうまくな らなかったんです”―――そう言って、困ったような感じで微笑ったときの瑞希さんの顔を、今でもよく覚えてる」


 私は―――想像した。
 まだ10代の、娘の頃の妻が、鏡台の前にひとり座って、つくった自分の笑みを眺めている光景を。


「瑞希さんはたしかに不器用なひとなのかもしれない。でも彼女は彼女なりに、あなたに対していつも真剣で、一生懸命だったと思うの。そう思うから―――、 私はこれ以上、彼女を傷つける真似はしたくない」
「それじゃあ・・・・、今のまま瑞希を放っておくと君は言うのか」
「そんなことは言わないわ。あのAVにしろ、やり過ぎもいいところだし。最低限の約束だけは守られているけれど」
「約束?」

 ビデオの中でも、たしか、そんな言葉が出てきた。

「いまAVと言ったけど、あれは赤嶺と交わした契約の手付けのようなものなの。瑞希さんに最後の覚悟を促すため―――といっていいのかしら。だから、あの 映像は尻切れとんぼで終わってる。おかしいと思わなかった? “本番”がないなんて」

 たしかに、あれだけ酷く責められながら、妻が挿入されるシーンはなかった。

「それは最初の赤嶺と瑞希さんとの約束にそうあったから。妊娠初期のセックスはご法度でしょう」
「だけど、ある意味それ以上にひどいやり方だったじゃないか」
「たぶん瑞希さんは、AVなんて見たこともないと思う。ただセックスを撮影したビデオくらいの知識しかなかったんじゃない? 赤嶺との約束では、出産まで 挿入場面の撮影はなしということになっていたし、あの映像の最初は本当に“面接”のような気持ちだったんじゃないかな。たしかに最低限守るべきところはた しかに守られたけど、逆にそのことが脅しにもなってたのね。遼一君のときもそうだわ。脅したり、言葉で責めたりしながら、最後の一線だけは強制しなかっ た」
「だからどうだと言うんだ? あいつのやってることは無茶苦茶だ。瑞希は馬鹿だ。どうしてあんな奴のことを信じるんだ」
「―――他に誰もいないからよ。信じる信じないの問題じゃない」

 暗い目で明子は私を見つめた。

「あなたに瑞希さんを馬鹿だという資格はないわ。彼女が妊娠したとき、あなたはその子が自分の子供だと、どうしても信じてあげなかったでしょ」
「状況が状況だったからだよ」
「分かるわ。だけど―――信じてあげてほしかった」

 明子はほっと息をつき、私も黙った。
  1. 2014/10/15(水) 01:47:58|
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卒業後 第70回

「もう二度と同じことは繰り返さない。誓うよ」

 目の前の明子に―――
 いや、明子の姿をした妻に私は言った。

「瑞希のいない人生はもう考えられない。そうじゃないな、最初の最初からそうだったんだ。・・・・言葉だけじゃ信じてもらえないだろうか」


 明子は何も言わない。ただ、私を静かな目で見つめている。
 私は鞄を引き寄せ、中から退職届の写しを取り出した。


「この前、遼一がやってきた日の翌々日にこれを会社に出したよ。今日が仕事納めだった。―――明日、大阪に戻る」


 赤嶺のもとへ。
 妻のもとへ。
 どうしても私は行かなくてはならないから。


「辞めたの―――会社」


 明子が目を丸くした。


「瑞希がいなくなれば、働く意味も生きていく意味も無い。俺の唯一の宝なんだ」
「本気なのね?」
「本気だよ。どうか信じてほしい」


 明子はしばし黙って、考え込むような表情をした。
 それから、言った。


「あなたの言葉にはふたつ間違いがあるわ」
「何・・・・だろう?」
「唯一の宝、じゃないわ。あなたにはもう子供がいるのよ」
「ああ・・・そうだね。俺の、子供だ」
「そうよ。あなたの子供よ」


 明子は―――わらった。


「もうひとつは?」
「明日大阪へ戻る、じゃないわ。今日、今から行くのよ。急げばまだ新幹線に間に合う時刻だもの。―――行きましょう」



 ・・・それから一時間後にはもう、私たちは車中の人になっていた。

「なんとか最終に間に合ってよかった」
「新大阪に着いたら、直接、赤嶺のマンションに向かいましょう。これ、以前もらっていた彼の部屋の合鍵よ」

 明子が鍵を取り出して、私に見せた。

「今日、赤嶺は仕事で帰宅しないはず。部屋にいるのは瑞希さんだけよ」

 心臓がどきんとした。
 妻とはもう一ヶ月会っていない。

「君は―――あのDVDを赤嶺の部屋から持ち出したんだろう? その合鍵を使って」
「そうよ」
「そのとき、瑞希には会ったのか?」
「会ったわ」
「どうだった?」
「私のことは覚えていてくれたけど、精神的にかなり衰弱していたし、あまり話が出来る状態じゃなかった。事情も詳しく教えてくれなかったし、その気もな かったみたい。ただ、“子供を産む”ってそれだけ繰り返し言ってたわ。そのこと以外はもう、頭の中にはないんだと思う。あのひとは“おかあさん”になった のよ。本当に、それだけに」

 赤嶺も、言っていた。

 ――― 一時期はかなり精神的に錯乱していたけれど、最近は落ち着いてきたようでね。今は腹の子供を無事に産むことだけを考えている。


「瑞希にとって、母親になることはどんな意味があるんだろう?」
「分からないわ。私も子供を産んだことはないし。でも、瑞希さんにとっては特別な意味を持っているんでしょう」
「俺は・・・・正直言ってよく分からないんだ。子供を持つということが、父親になるということが、どういうことなのか今まで考えたことがなかったから」
「世間のたいていの父親もそんなものかもしれないわよ」明子は深い表情を瞳の中に浮かべた。「だけど、これだけは間違えないで。瑞希さんにとっての子供の 意味は、あなたの子供だからってところに重みがあるの」
「分かってるよ」
「本当に?」
「ああ、分かってる。それで・・・瑞希の身体のほうはどうなんだろう。元気で―――無事でいるんだろうか」


 ―――あんたの身体に手を入れさせてもらってええかな。


 あの、佐々木の言葉が脳裏に蘇る。

「心配しないで。今のところは大丈夫よ」明子は上目遣いに私を見た。「そもそもあいつらの言葉がどれだけ本気で語られたものだか分かりはしないけど、出産 前の身体にそんなことをして、お医者さんに見つかったら、それこそ会社倒産を招く事態になるもの。それに・・・どちらにせよ―――あなたを連れてくるにせ よ、来ないにせよ、知ってしまった以上は私、絶対にそんなことさせなかった」
「君はどうしてそこまでしてくれるんだ。ほとんど付き合いもなかった人間に対して」
 私の問いかけに、明子は猫のような表情で一言「女だからよ」と答えた。意味のつながりが不明瞭で、単純明快な回答だったが、明子という女性の内面をこれ 以上なくあらわした言葉のように思えた。
「ありがとう。本当に感謝してる」
「―――それにね、私、御伽噺のよくある終わり方が好きだったのよ」

 唐突に、明子はそんなことを言った。

「何?」
「“それからふたりは結婚して、いつまでも幸せに暮らしました”っていう、あのお決まりのフレーズ。長い間、どろどろした世界で生きてきたし、私自身もこ の先、普通の結婚が出来るかどうかわからないけど、だからこそ、夫婦というものに私なりの理想があるのかもしれない。現実はいつもそううまくいくものじゃ ないけど、少なくとも、私の目に届くところにいるひとには、そうあってほしい。そうなってほしいの」
「君なら―――出来るよ。君はつよいから」

 心底、そう思っていた。

「ありがとう。あなたもそうなって。誰にも負けないで。自分に―――負けないで」

 私はうなずいた。
 車内アナウンスが、もうすぐ名古屋に到着することを告げていた。


 新大阪に着いてすぐ、タクシーを拾って、赤嶺のマンションに向かった。
「あいつは今夜はいないんだよね?」
「いないはず。そのほうがとりあえず都合がいいわ。早いとこ瑞希さんを連れて、別の場所に移りましょう」
「赤嶺はどんな反応をするだろう」
「読めないわね。だけど、対峙しなくちゃならない。恐れちゃ駄目よ」
「恐れてなんかいないよ。今のあいつには怒りしか感じない」
「そうね。でもやっぱり―――恐れちゃ駄目。決して丸め込まれないで」

 真剣な顔で明子は言った。

「君は―――これからどうなるんだ? 会社での君の立場は?」
「私? 私は大丈夫。どのみち、もうS企画は辞めるつもりだから。いつまでもつづけてられることじゃないし。そろそろ新しい道を探さなきゃ」
 しかし、そのとき私は、暗い車内でも明子の顔に不安な翳が差したのが分かった。
 誰もが―――不安なのだ。
 赤嶺のことを考えた。あいつにも不安はあるのだろうか。あいつが弱っているところなど、私はこれまで見たこともない。

「もう着くわよ」

 考え込む私の耳に、隣で明子の声がした。
  1. 2014/10/15(水) 01:49:54|
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卒業後 第71回

 私と明子が赤嶺のマンションに立ったとき、すでに時刻は深夜だった。
「カードキーは?」
「ないけど、暗証番号を覚えてるから大丈夫」
 明子が玄関横のセキュリティーに向き合っている間、私はしばし佇んで、少し前に訪れたときにそうしたように、赤嶺の部屋を見上げた。
 あのときは、妻に聞きたいことでいっぱいだった。今は―――妻に言いたいことがたくさんある。

 『卒業』という映画がある。私と妻が初めて席を並べて見た映画だ。妻はそのときすでに幾度もその映画を見ていた。ラストシーンに行き着くたびに、ひどく 悲しい気持ちになるのだ、と彼女は言った。それでも、また見てしまうのだと。
 なぜ妻はあの日、あの映画を私と一緒に見ることを望んだのだろう。妻はあの映画に何を見ているのだろう。私には分からない。
 分からないけれど、私は今夜、『卒業』のベンジャミンにならなくてはならない。その先に何が待っていようと、彼女を迎えにいかなければならない。彼女も きっとそれを待っていてくれる、そのことをほかの誰でもなく、自分自身でつよく信じて。

 硝子扉が開く。
 私たちは目で合図しあって、マンションの中に入った。


 赤嶺の部屋は6階にあった。
 ドアベルを押す。明子の話では、今夜、赤嶺はいないのだから、応答に出るとすれば、妻しかいない。
 けれど、しばらく待っても何の反応もなかった。
「―――あけるわね」
 明子が鍵を差し込む。
 ドアが開いた。
 真っ暗だ。室内には明かりひとつついていない。けれど、暖房は暑いほど効いていて、なかに人がいることはたしかだ。
 手探りで、廊下の照明のスイッチを押した。
「瑞希―――」
 呼びかけたが、返事はない。
「奥の部屋よ」
 明子が言う。
 靴を脱がなくていい洋式の部屋に、私は足を踏み入れた。
 暗色で統一されたリビング―――数年前に訪れたときとあまり変化はない―――を素通りして、明子に示された奥の部屋へ向かう。
「瑞希」
 ドアの前でもう一度、名を呼んだ。やはり、返事はない。
 不穏なリズムで、胸が高鳴る。
「あけるよ」
 言いながら、ドアノブをまわした。

 その部屋も、やはり真っ暗だった。夜の闇がそのまま入り込んでいるような漆黒の中で、閉ざされたカーテンの前、窓辺に置かれたベッドの白いシーツが浮か び上がっている。

 その上に―――妻はいた。ひっそりとベッドに座っていた。

 ドアを開けた私に反応する様子もなく、ぼんやりと座り込んだ妻の横顔は、まるで別人のように白く冴えていた。

 置き人形のように。

 先程とは別種の不安に襲われて、私は妻のもとへ駆け寄った。
 抱きしめた。


「ごめん―――」


 口からあふれでてきたのは、そんな言葉だった。そんな言葉しかなかった。けれどそれは私がもっとも言いたかった言葉であり、言わなければならない言葉 だったのだろう。情けないことに、そのときにはもう、この不甲斐ないベンジャミンの目からは、涙が零れていた。泣きながら、私は何度も「ごめん、ごめん」 と妻に詫びつづけていた。

 腕の中でうごめくものがあった。
 暗闇に仄白くひかる妻の顔が、私を見上げていた。
 私を見ていた。画面越しでない、今ここにたしかにいる妻の瞳が。この瞳が、私はずっと好きだった。瑞々しい希(のぞみ)。その名前を初めて目にしたとき に、私の胸が感じた何かが、そのまま色となって宿ったようなこの瞳に、私は虜になったのだ。

「あなた―――」

 目の前でそう呼ばれることがこれほど嬉しいことだったということに、私は初めて気がつき、また情けなく涙を流した。
 力いっぱい締めつけた、細い、あまりにも細い肢体の、その腕が私の襟首にしがみついた。

「あなた―――ごめんなさい、ごめんなさい」

 口走るように言うその声を聞きながら、私もまた相変わらず謝りつづけた。抱きしめた身体から伝わってくる熱を、全身で感じながら。



「再開の挨拶はそれくらいにして、とりあえず早くここから出ましょう」
 ドアの辺りに立ち尽くしたままの明子が、冷静な言葉を投げた。
「明子―――さん」
 妻の細い声に、明子はやさしい微笑を浮かべた。けれど、その裏側には、何か微妙な不安のようなものが張りついているように見えた。
「彼女の言うとおりだよ。早く、ここから立ち去ろう。俺たちの家に帰らなくちゃ」
 そう言って、ようやく私も―――わらえた。無様な泣き笑いだったが。

 妻はうつむいた。

「帰れません・・・・」
「分かってる。遼一のことだろう」
 見開いた妻の瞳に、私はうなずいて見せた。
「遼一から直接、話を聞いたんだ。遼一には本当にすまないことをした。けれど、遼一はすまながっている。自分のせいで、君がいなくなってしまったと思っ て、あいつ、泣いていたよ」
 私は妻の手をとった。
「君にも本当に申し訳ないことをした。ずっと、長い間・・・・。もう、絶対に同じ過ちは繰り返さないよ。だから・・・、本当はこんなことを言えた義理じゃ ないけど、どうか戻ってほしい。君は俺のすべてなんだ。君と、君の子供が」

 掌の中の、小さな手がふるえた。

「私の・・・・・」
「君の、そして俺の子供だ。それなのに信じてあげられなくて、本当にすまなかった。俺が君を不幸にしてしまった。もう絶対に、そんなことはしないと誓う よ。もう一度だけ・・・・俺を信じて、戻ってほしい。君のこと、遼一だって決して恨んでやしない。君が戻ってくることは、遼一の願いでもあるんだ」

 私は言葉を吐き続けた。ただただ必死で。


 あのとき―――あの天橋立の最後の夜、私は彼女から差し伸べられたこの白い手を、握り返すことが出来なかった。そこから、すべては狂い始めたのだった。 けれど、今、その手は私の手の中にある。もう二度と放すことは出来なかった。そんなことをすれば、今度死んでしまうのは私だった。それを知っていたから ―――、私はどれだけみっともなくても、必死の言葉を並べ続けないわけにはいかないのだ。


「あなた、ごめんなさい・・・・」

 私の手を握り返しながら、妻は呟いた。

「ごめんなさい。本当にごめんなさい。逃げてしまって・・・あなたからも、遼一君からも逃げてしまって・・・・私、最低な女です。そうじゃない・・・・ ずっと最低だったけれど、今ではもう・・・・。あなたが迎えにきてくれて、本当にうれしいです。私は最低だけれど、不幸なんかじゃないです。私は幸せで す。でも・・・・私にはそれに見合う価値はありません」
「そんなことはない。幸せというのなら、俺は瑞希からありったけの幸せをもらった。自分からは何も与えずに、君からあらゆるものを奪ったんだ」


 瑞々しい希。
 何という―――残酷なことをしてしまったのだろう。
 痛々しいほどか細い、眼前のこの女から私はそれを与えられ、あまつさえ奪い、一方の彼女は何もかもを失くしてしまった。


「もう何も言わないでくれ。俺と一緒に来てくれ。この一ヶ月の事情はすべて知っているんだ。謝らなければならないのは君じゃなくて、俺なんだよ。償わせて くれ。そのためには何でもする。何だって出来る」
 まだ動かない妻の薄い肩に腕をまわして、私は彼女をベッドから下ろした。
 細すぎる足首が床に降り立った瞬間、ふらりと身体が揺れ、私の胸にもたれた。


 ―――そのときだった。
 不意に、目の前が明るくなった。室内の明かりが灯ったのだ。


 明るくなった視界が、今日ようやく妻の姿形をくっきりとらえた。
 妻はYシャツ一枚を羽織っただけの、ほとんど素裸にちかい格好だった。そのとき初めて、私はそのことに気づいた。


 ひらかれている妻の白い胸―――
 その双つの柔らかな頂きに、ピアスが嵌まっていた。
 ピアスには銀製のペンダントがそれぞれぶら下がっている。禍々しい髑髏のペンダント。その重みで、以前はつんと上向きに張っていた乳房が、わずかに下に 垂れていた。


 声もなくそれを見、それからドアのほうへ私は視線を向けた。

 明子が驚愕の表情を浮かべていた。その見つめる先には、赤嶺の姿があった。
  1. 2014/10/15(水) 01:56:18|
  2. 卒業後・BJ(よき妻 第三部)
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卒業後 第72回

「ちかく見たことのない感動的な場面だったぜ。主が留守中の部屋にずかずか上がりこんできただけのことはある」

 いつもどおりの素っ気無い口調で言って―――
 蔑むような、それでいて面白がっているような独特の表情で、赤嶺は私を見下ろした。


 なぜ、こいつがここに現れるのだ。
 私は―――もう一度、明子を見た。蒼白な顔で、明子は左右に首を振った。


「少し前に、俺の部屋からビデオを持ち出しただろ。そんなことが出来るのは明子しかいないし、俺の知っている明子は、撮られるのは好きでも、他人が撮られ た映像で楽しむ趣味はないんでね。あの映像を見せるとすればお前しかいないし、お前を連れてくるつもりなら、今夜しかない」


 淡々と、赤嶺は語る。

 大理石の彫像のように彫りの深い、感情を読みにくい顔。ダークスーツを着込んだ大柄な身体は、照明の下でなお闇に溶けているようだ。


「お・・・・まえは・・・・」


 しぼりだした私の声は、地獄の釜の底から出てきたようにしゃがれていた。


「おまえは・・・どうしてそこまで俺たちを苦しめる? いつだって何でもないような顔をして・・・・お前にとって、俺たちは思うとおりになる玩具なのか?  お前はそう思っているのか!」
「俺には、お前の言う意味こそわからないね。不法侵入された側に罵声を浴びせるなんて、たいした根性だな」


 外人のように、赤嶺は肩をすくめて見せた。


 わかっている。こいつはたとえ死を目前にしたとしても、このあくどいまでの冷静なポーズを決して崩さない。
 目の前にいるのは、そんな男なのだ。

「それに『俺たち』とは誰を指しているのだ? 俺はいったい誰を苦しめたのかな? それが分からない。思いつくままに名前を挙げていこうか。最初はまず、 あの少年―――遼一君と言ったかね」


 腕組みした手の指を、赤嶺はひたひたと動かした。


「お前が気づいていたのかどうか知らないが―――、あの少年は『彼女』のことを心から好いていたのだよ。やさしい伯母さんとしてではなく、ひとりの女とし ての『彼女』を、その身も心も欲しがっていた。けれど、それはお前という夫がいる以上、決して叶わない望みだった。少なくとも、あの子はそう思っていた。 俺は、彼が欲してやまないのに、本当なら一生手に触れることを諦めなければならなかったものを、その手に触れさせてやったんだよ。感謝されこそすれ、恨ま れる筋合いなどないね―――」


 すっ、と―――
 右手を上げて、赤嶺は私の顔面を指差した。


「そしてお前は、俺のおかげで、普通なら味わえない種類の快楽を味わうことが出来た。あの少年と同じように。お前のような嗜好の人間にとっては、この数ヶ 月はたまらない時間だったのじゃないのかね。“最愛の妻が他の男によって奪われていく”―――そんな妄想が実現していくのを目の当たりにしていくのは、ど んな気分だったかな」


 俺がお前に用意したのは、最高のエンターテイメントだっただろう―――


 囁きかけるように、闇の精はそう告げた。


 この男は何を言っているのだ―――


 目眩めく非現実のなかで、私は惑乱する。


「そう、最高のエンターテイメントだ。あまつさえ、妻が性を売り物にする女に変えられ、堕とされていくさまを、お前は目にした。そのときお前はどれだけ興 奮し、どれだけ勃起したんだ? 正直に言えよ。もはや体裁を繕う必要もない。『彼女』はもう全部分かっている」


「だ」


 黙れ―――!


 私は叫んだ。


「おやおや、まだ『彼女』の前で本性をさらけだすのが怖いのか。それほど大事な女なのに、どうしてお前はさっきから『彼女』をまともに見ようとしない?  どうして目を背けているんだ? 答えてほしいね」


 つうっ、と私の背筋に冷や汗がつたい落ちる。
 眼前の男は、私の恐れを深く見抜いていた。


 そのとき。


 ぐらり―――


 傍らの妻が前方へ、ゆるやかに倒れこんだ。


「瑞希!」


 叫び、私は彼女に腕を伸ばす。


 Yシャツ一枚を羽織っただけの裸身が揺れる。
 苛酷な日々を越えてなお、優婉さを失わないまろい乳房に取り付けられた、凶々しい銀髑髏の飾りが揺れる。

 獣のように低くうめいて、抱きとめた私の腕から逃れようと、妻は暴れた。哀しいほど力のない両手で。

 麻痺した半身でその抗いを受けながら、ずくずくと痛む私の両目は、暴れる妻を見ていた。その下半身、優美な太腿のあわいは、あのビデオで見たそのまま、 淡い翳りを失った真っ白な丘に縦筋だけが刻まれている。
 その縦筋にも光るものがあった。花弁を貫きとおした金のピアス。その金の輪に嵌った紅玉が光っていた。


「実に綺麗だろう? 本物のルビーだよ。新しい門出を祝って、俺が贈ったものだ。胸の飾りも『彼女』によく似合っている」


 私は―――脱力した。
 それをきっかけに、跳ね跳ぶように妻の身体が、私から離れ、床に倒れ伏した。
 すすり泣きが、聞こえた。
 その嗚咽が耳に入った瞬間、魔風のような怒りが私の身体を抱え上げて、わけの分からぬ言葉をわめきたてながら、私は赤嶺に向かっていった。
 拳を突き出した。
 ひょいっと軽やかな動作で、赤嶺がそれを避ける。

 つづいて、顎の下に激烈な痛みがきた。

 瞬間、意識と身体が宙を飛んだ。
 悲鳴。明子と―――それから妻の悲鳴だった。


「あなた―――!」


 仰向けに転がった私に、妻がすがりついてくる。しかし、顎に受けた打撃で、私の口からは荒い呼吸が出るばかりだった。指先ひとつ動かせない。
 黒衣の男が近づいてきて、その妻の細腕を奪い、無理やりに立たせた。


「俺が昔、ボクシングをやってたことは知ってるだろ? そんな奴に、武芸の心得がまるでない男が向かってくるなよ」


 背の高い赤嶺が、小柄な妻の両腕を一掴みに頭上高く持ち上げている。
 女性の象徴であるふたつの箇所に飾りを付けられ、姿を変えさせられた妻の総身を、痛みと目眩が間断なく襲う私の目にさらけだす。


「何より、まだ話は終わっていないんだ。遼一という少年、そしてお前の話は済んだ。最後に『彼女』の話をしなければならない」


 こぼれるような胸乳に、重たげにぶら下がった銀のペンダント。それに赤嶺の手が触れた。
 ちゃらり、と音がした。
  1. 2014/10/15(水) 01:57:40|
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卒業後 第73回

「どうだね、いまの『彼女』の姿は? さっきも言ったとおり、実に綺麗だと思わないか? ふふふ、哀れといえば哀れだ。お前たちの言葉で言えば、女性に対 する冒涜の極みか。もともと美しく整った身体に、こんな醜い髑髏の飾りまでつけられて、ね。だが、ここまで身を堕とし、醜く変えられてなお、『彼女』は美 しい。いや、醜のなかにあってこそ、かえって際立つ類の美がここにはある。そんな『彼女』ははたして不幸だろうか」


 妻の両腕を吊ったまま、赤嶺は微動だにすることなく、語りつづける。
 吊られた妻の肢体が揺れている。男の目を楽しませるだけの飾りを、直接加えられた白無垢のような裸身が揺れている。
 切れの長い瞳も、揺れていた。揺れながら、涙を滲ませながら私を見つめていた。


「以前にも言ったと思うが、俺は幸不幸なんて言葉は嫌いでね。だが、あえてその言葉を使うならば、『彼女』は際限のない不幸の中を生きてきた。この美しい 身体も、男たちに汚されるためだけに在ったといっていい。お前は嫉妬しないか? この肉体を最初に弄んだという『彼女』の義兄という男に」


 赤嶺は、薄くわらった。


「得られないものを求めつづけることこそが不幸だということに、『彼女』は気づかなかった。己が身に与えられた美を武器にしてもっと自由に生きていくなら ば、ずっと多くのものが得られたはずなのに。けれど今、『彼女』はこれまでのすべてを断ち切ろうとしている。解放されるんだよ。俺ならば、そんな生き方を 『彼女』に与えることが出来る。一年前の天橋立で俺が言った台詞を覚えているか。『彼女』は“その気になれば誰よりも歓びを得られるし、誰よりも美しく変 わっていける”―――そして、お前はこれからそんな彼女をずっと目にすることが出来るんだ。―――明子、無駄だよ」


 唐突に、赤嶺が明子の名を呼んだ。
 背後から、明子が忍び寄って、手に持った花瓶で赤嶺を打とうとしていた。
 悔しげに唇を噛んで、明子は花瓶をおろした。


「・・・相変わらず勝手なことを言うのね。私も―――ずっと自分が縛られているように感じて生きてきた。もっと自由になりたくて、この息苦しさから解放さ れたいとずっと願ってきた。だから、あなたの誘いにのったのよ。だけど、そこにも結局、何もなかった。私が誰よりもよく知ってるわ。まして、瑞希さんは私 とは違う。本当に求めてくれるひとがいる」


 明子は私を見た。妻と同様、彼女の瞳も泣き濡れていた。


「彼の名前を呼んで、瑞希さん。怖がらないで。あなたは独りじゃない」


「わ」


「わたし―――」


 ぽろぽろと涙を零しながら、妻が私を見る。
 この一年だけでも、幾度彼女が涙を流すところを私は目にしただろう。
 その度に、瑞々しい希は彼女の身体から抜け落ち、失われていった。


 だから、私は立ち上がらなければならない。ここに来る前に誓ったはずではないか。
 ―――今夜、私はベンジャミンになるのだ、と。
 何を失っても、どれだけ痛めつけられても立ち上がり、彼女を教会から連れ出すのだ、と。


 ゆらり、と私は立ち上がる。
 妻を見た。
 妻だけを見た。


「瑞希」


 名を呼んだ。この世界でただひとつの意味を持つ名前を。


 口を開けようか開けまいか迷っているような、困惑した童女のような表情が私を見ている。


 どうか怖がらないで。
 信じて。
 私は祈る。


 そして―――
 ふるえる唇が、ついに私の名前を呼んだ。


 私は走り出した。
 武器にする十字架はない。何もない。ただ、身一つで走り出す。


 赤嶺が妻を放した。その顔面に、私はもう一度拳を突き出した。
 今度は、当たった。赤嶺は私の拳を避けなかった。

 ふらり、と赤嶺がわずかに後退する。

 私は妻を抱きしめた。


 もう二度と放さない。放すものか。
 そんな想いが浮き出て、力いっぱい抱きしめたその肢体は、壊れそうなほど脆く、細い。今さらながら私はその危ういような細さに、激しい痛みを覚えた。
 だが、生きている。妻は生きて、ここに在って、おずおずと私を抱き返していた。
 私は泣き、けれどその涙を拭って、妻とともに立ち上がった。


 赤嶺は静かにそこにいた。
 いつものように超然とした表情で。先ほど受けたはずの私の拳も、傷の痕すらとどめていない。


「もう十分だ。もう金輪際、お前の誘惑にはのらない。俺は俺のやり方で、瑞希を幸せにする。お前には決して分からないのかもしれないが、何と詭弁を弄そう と、お前はたくさんの人々を苦しめたんだ。それは俺も同じだけれど、俺はこれからその罪を償う。お前にもいつか償わせてみせる」
「分かっていないのは、お前のほうだよ。自分のことも、他人のことも、お前はいつだってまるで分かっちゃいないのさ」


 燐光をたたえた目で、揺るぎなく赤嶺は私を見つめた。


「だけど、今夜はもう、俺も喋り疲れた。もともと喋るのはあまり好きじゃないんでね。お前たちがいなくなったら、すぐにでも寝ることにする」


 すっと踵を返し―――、
 赤嶺は部屋を出て行った。

 しばし立ち尽くした後で、私は妻の肩を支えながら、
  1. 2014/10/15(水) 01:59:01|
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卒業後 最終回

 ―――――――――――――――――――*―――――――――――――――――――――


 黒衣の男が、暗色に変光させた照明の下で、煙草を吹かしている。
 この部屋にある原色は、男が吹かす煙草の赤い火しかない。

 女がやってきて、男の前に立った。


「私も、今夜ですべてを片付けるわ。会社も辞める。あなたにも、もう二度と会わない」
「そうかね。長い間ご苦労だったな」


 あっさりと男は答え、黒革のソファに音もなく腰を下ろした。


 女は立ち尽くしたまま、そんな男を見下ろしている。


「最後にひとつだけ教えて。あなたにとって『彼女』はどういう存在だったの? 何だかんだと言葉を弄していたけど、本当のあなたの望みは―――」
「最初から言っていたじゃないか。『彼女』は俺の好みのタイプだとね。知っているだろう?」


 生まれてから一度も、俺は嘘を言ったことが一度もないんだぜ―――


 冗談めかした普段の口調で、男は云う。


 女はしばし、そんな男を凝然と見つめた。


「それにしては―――、今夜はあっさりとひいたのね」
「分かっているからだよ。そのうち、また戻ってくるとね」


 男は―――微笑した。


「あいつがこれまでに目にしたものは、『彼女』と暮らすかぎり、いつまでもあいつの脳裏にまたたきつづける。決して失われることはない。君はあの男をよく 知らないから、信じることが出来たんだよ。俺はあいつを知り抜いている。男というものの欲望のつよさを知り抜いている」


 くすくす、と男はわらいごえをあげた。


「いつか、またあいつは“つづき”が見たくなる。それはそんなに遠い日じゃない。そして、『彼女』もきっとそのことを分かっているのさ。賭けてもいいよ」


 確信に満ちた言葉に、女は数歩後ずさった。
 そして、云った。


「私はもう二度と戻らないわ」
「君ならそうだろう」


 男はうなずいた。


「『彼』も―――もう二度と戻らない。『彼』は『彼女』を愛している。私はそれを知っているし、信じているの」
「愛情にもいろいろな種類がある。奴のそれはサディスティックなものを伴っているのさ。いや、マゾヒスティックというべきかな。男がどんな生き物か、君な ら身をもって知っているだろうに。だが、もう今夜は議論はやめよう」
「そうね。―――さようなら」


 女は振り返って、ドアのほうに歩みを進めたが、また立ち止まった。


「私は―――信じているわ」
「信じるのは君の自由だよ。―――おやすみ」


 最後の言葉には答えず、女は部屋を出て行った。


 ―――――――――――――――――――*――――――――――――――――――――


 ようやく、明子が赤嶺の部屋から出てきた。
 ひどく顔色が蒼褪めていたが、私たちを見て、にっこりと微笑った。
 妻はYシャツに、これは赤嶺の部屋から失敬してきたシーツをまとっただけの姿だ。

「携帯でタクシーを呼んで、まず私が自宅に帰るわ。そこから車をまわして、瑞希さんを連れて帰る。あなたは別のタクシーで帰って、今夜は自分のマンション で休んで。明日、私が瑞希さんをあなたのマンションまで送っていくわ」

 もう一刻も妻と離れたくない気分だったが、明子の目顔でその意図を察した。

「分かった。妻を頼む」
「ありがとう―――明子さん」

 うつむいていた妻が、深々と明子に頭を下げた。
 まだ胸元に吊り下がったままの髑髏が、きらり、と鈍く光った。

「本当にごめんなさい。迷惑をおかけして・・・・明子さんにも・・・、あなたにも。こんな・・・・・私のために」

 かすれた声で言う妻の身体を、私は抱きしめた。
 艶やかな髪の毛が私の頬をくすぐる。

「遼一君にもお詫びしなければ・・・・・ひどい目に遭わせてしまったあの子に」

 苦しそうな息遣いとともに、耳元で妻の声がした。

「俺も一緒に謝るよ。とりあえず、今夜は心配しないで。ゆっくり休んで、そして明日になったら、絶対に俺たちの家へ戻ってきてくれ」

 私は言い、またきつく妻を抱いた。

 そんな私たちを見つめながら、明子が携帯電話を取り上げた。




 夜が明け、朝になり、昼になり、そしてまた夜になった。

 私はずっと部屋のマンションで待ちつづけていた。
 妻を。
 この部屋はもう、彼女には入りたくない場所かもしれない。だが、ここは私と妻の五年間の生活がすべて詰まった場所だった。
 私はそこで待っていた。妻の帰りを。
 不安と、高鳴るような胸のときめきを同時に感じながら。


 やがて、チャイムが鳴った。
 弾かれたように玄関へ駆け寄って、ドアを開ける。
 そこに、彼女はいた。明子のものらしい衣装は、少し若めだったが、よく似合っていた。
 私は彼女を抱きしめ、部屋の中へ導きいれた。


 しばし、無言のまま、私たちは向かい合ったソファに座り込んだ。
 以前はこういうとき、すぐに煙草を取り上げたものだったが、私はもう二度と吸う気はなかった。妻は身ごもっているし、何より、私は変わらなければならな かった。
 それに―――、こうして黙って、彼女の顔を見つめていられることが、今の私にはこれ以上なく幸せなことだったのだ。


「コーヒーでもいれようか」
「あ・・・私が」

 立ち上がった私に、妻も慌てたように腰を浮かせた。

「いいんだ、俺がやる」
「でも・・・・・」

 困ったような表情は、以前とまるで変わらなかった。
 自然とわきあがってくる笑みを噛み殺しながら、私はキッチンへ行きかけ、その途中で思いついて、CDのコンポに向かった。
 ラックに並んだなかから、一枚を抜き取って、コンポにかけた。

 やがて、流れでる、メロディー。
 ポール・サイモンとアート・ガーファンクルの、息のあったハーモニー。


「この曲は・・・・・・・」


 立ち尽くしたまま、妻が呟く。


「そう。“サウンド・オブ・サイレンス”だよ。俺たちが初めてふたりで一緒に見た、あの映画のテーマ曲」


 私は言って、妻に笑顔を向け―――



 そのまま、凍りついた。



 妻が泣いていたからだ。



「どうして・・・・・・」


 愕然とした私のほうを見ず、妻は両手で顔を押さえて忍び泣いている。

 その、手指の間から、吐息のような呟きが漏れた。





「『卒業』―――――」





 私には―――

 分からなかった。


 本当に分からなかったのだ。


 どうして妻が泣いているのか。
 どうしてそんなに哀しい顔をするのか。
 
 どうしても―――分からなかった。
 だから―――分からなかったから、近寄って、何も言わずに彼女を抱きしめた。


「大丈夫。大丈夫だから」


 私は囁き、両腕に力をこめる。


 しめやかに流れつづける、沈黙の音。
 妻の嗚咽。


 そして―――

 遠くから新たな一台のバスが近づいてくる幻影を、妻の鼓動を胸で感じながら、私は瞼の裏に見ていた。
  1. 2014/10/15(水) 02:02:13|
  2. 卒業後・BJ(よき妻 第三部)
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2つの我が家 第1回

初めて投稿します。
私・39歳、妻・37歳、中学2年生になる娘と3人で暮らしています。
昨年の3月、子供が小学校を卒業直後に妻の不倫が発覚しました。
妻は離婚はしたくないと言っているのですが、私の気持は未だに揺れ動いている状態です。
気持の整理を付ける意味もあり、投稿する次第です。
これから書く事は、妻から聞いた事をそのまま書く様な形になります。
読み難いかも知れませんがお付き合い下さい。

私達夫婦は、私が25歳、妻が23歳の時に結婚して、直ぐに子供に恵まれました。
同じ職場で知り合い、自然と付き合いが始まり結婚に至りました。
妻はどちらかと言うと、異性を友人とかって感じに思えないタイプ?
異性だとたとえ上司や同僚でも一線を引いてしまうタイプで、
職場内では浮いている存在でした。
そういう性格もあってか、結婚したら働きたくないと言っていた事もあり、
結婚後は専業主婦となりました。
元々、家庭的な正確で、付き合っている頃から、
私の身の回りの世話をしてくれる様な女性でしたし、
結婚後も家事は完璧で、空いた時間には趣味の手芸を楽しんでいるようでした。
私は何の不満も無く、妻子と3人での生活を楽しんでいました。
何事も無く時間が過ぎ、子供が小学校に入学するのを機に、
マイホームを購入する事にしました。
何件か物件を回った後に、1件のマンションを妻が気に入り、
価格もそれ程でも無かったので購入して引っ越しました。
しかし、そのマンションを選んだのが間違いの始りでした・・・。
  1. 2014/10/20(月) 08:13:16|
  2. 2つの我が家・鎌田
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2つの我が家 第2回

そのマンションの世帯数は100世帯で、元の地主が建てて販売したそうです。
地主も同じマンション内に入居していました。
子供が幼稚園を卒園して直ぐに引越し、新しい生活が始りました。
しかし、引っ越した直後から、いたずら電話が始ったのです。
私の家だけでなく、マンション内の私達と似たような年齢の夫婦が住む家だけに。
それも、家が女性だけになる日中の時間を狙って・・・。
当然、自治会でも問題になりました。既に自治会名簿を各世帯に配っている事もあり、
同じマンション内の人間の仕業だろうという事で、ナンバーディスプレイを利用したり
非通知の電話には出ない等とお決まりの対策が立てられました。
我が家にも、私と子供が居ない時間に電話が掛って来たそうですが、
妻は、脅えてる様子はありませんでした。
私が、心配してその話題に触れると、決まって(一言文句言って切っちゃってるよ)と
明るい声を返してきました。私は異性との間に一線を引く性格が幸いして居るんだろうと
頼もしさすら感じていました。引っ越して2か月程するといたずら電話も無くなったようで、
自治会の会合でも議題に上がらなくなりました。
しかし、後に知ったのですが我が家への電話は続いていたそうです。
原因は妻の対応にあったようです、他の奥さんは、
非通知の電話には出ないなどの対応をしていたのですが。
妻は必ず出て、一言文句を言うという対応を続けていたのです。
したがって、誰も出なくても妻だけは電話に出ていたので、
相手はそれを良い事に毎日電話を掛けてきたそうです。
そして次第に妻も電話に対して文句だけではなく、
世間話程度の会話を交わすようになって行きました。
そして、妻自身が気付かぬ内にまんまと相手の計画に嵌められて行ったのでした。
私自身、毎日妻を見ていたのに変化すら気付かぬ内に・・・。
  1. 2014/10/20(月) 08:15:01|
  2. 2つの我が家・鎌田
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2つの我が家 第3回

連日のいたずら電話に文句を言うだけの妻でしたが、
次第に相手の話に耳を傾ける様になって行ったそうです。
特に厭らしい話ではなく、本当に世間話ぐらいのレベルだったそうですが。
しかし、それも相手の計算の内だったのでしょう。
何時しか妻は、日中に見知らぬ相手と電話で話す事が日課のようになって行ったそうです。
妻は否定していますが、電話を楽しみにしていたかもしれません。
2か月ほどで他の家への電話が無くなったのは前に書きましたが、
それは妻が電話の相手をするようになったからだった様です。
そして、引っ越して、4か月程した頃から、
相手は妻を誘うような事を言ったりして来たそうです。
妻は、同じマンションの住人と思えたし、私以外の男性と2人っきりで
会うなんて抵抗があったそうで、最初は断り続けていたそうです。
それまでの妻の性格なら相手と会う事など無かったでしょう。
しかし、不満は無いにしても平和で単調な毎日を過す中で、
無意識の内に変化を求めていたのかも知れません。
連日の電話で、他の男性と会話する事に抵抗が無くなって行った結果、
相手と会うようになって行ったと、妻は告白しましたが・・・。
結局、初めて誘われてから、1か月後に会う約束をしたそうです。
それは、9月の初旬で、買い物に出掛けた時に、ショッピングセンターの喫茶店でだったそうです。
そこで、相手がマンションのオーナーだと判ったそうです。
そして、彼が住んでいる部屋が、何と我が家の隣の部屋だったのです!
こんな偶然には私も驚きました、オーナーは、分譲した以外にワンフロアーを
自分が賃貸する為に占有していると聞いていたのでそのフロアーに住んでいると
思っていましたから・・・。
いたずら電話の相手が同じマンションの住人で、しかも隣に住んで居るとなれば、
普通ならこれ以上付き合わないのではないでしょうか?
しかし、妻はそんな風に思わなかったそうです。
相手との電話が続いた上に、身近な人?と判り、警戒心がなくなってしまったのか・・・。
初めて会ってからは、電話ではなく毎日の買い物の際に会うようになったそうです。
妻にとって、普段買い物に行くショッピングセンターなら、店舗も大きいし、客も多い、
マンションからも離れている、だから知り合いに出くわす危険が無い、と考えてしまったそうです。
それまで、異性とは一線を引く性格の妻がどうしてこんな風にという疑問は今でもあります。
妻は、私とか家庭に不満は無かったと告白しましたが、理由も無くどうしてと考えてしまいます。
これだけは妻に何度聞いても、はっきりとした答えが出てきません。
ただ、相手との電話や、会う事が楽しかったし、日課になっていたと、訳の判らない事を言うだけです。
そして、密かに会う様になってから、1か月も経たないで相手と身体の関係を持ってしまったそうで
  1. 2014/10/20(月) 08:16:06|
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2つの我が家 第4回

妻が初めて私以外の男性と関係を持ったのは、彼の部屋でだったそうです。
その前日に、何時もと同じように買い物先で会った時に、
明日は自分の部屋で会わないか?と誘われたそうです。
妻も、もしかしたら迫られるかもと少しの不安は持ったそうですが、
料理を教えて欲しいと言う彼の言葉に押されてOKしたそうです。
まったく幼稚な手に引っかかった物です。
しかし私は、妻も電話や会って話すうちに、相手に少なからず
好意を持ったのではと考えてしまいます。
そして、翌日に約束どおりに彼の部屋を訪ねたそうです。
同じマンションですし、部屋の作りは我が家と同じです、居間で少し雑談した後に
台所で相手の希望した料理を教えながら作り始めたそうです。
相手は妻の隣や背後で、作り方を聞いて料理に付いて質問したりしていたそうですが
突然背後から抱きしめられたそうです。
妻は驚き、抵抗したそうですが、エプロン越しに胸を揉まれたり、股間を触られたりしている内に、
徐々に快感を覚えるようになり、相手の成すがままになってしまったと言っていました。
もしかしたら、抵抗したのは口だけで、身体は抵抗しなかったのでは無いでしょうか?
妻に言わせると、自分の家の台所で知らない男に犯されている様な気分だったそうです。
妻自身、自覚が無かったのでしょうが、恐らく妻にはマゾの性癖があったのではと思います。
結局、台所で衣服を肌蹴させられ、体中を愛撫され、流しに手を付いた状態で
立ったまま後から挿入されそのまま果ててしまったそうです。
その後、ダイニングに移動して、テーブルの上に寝かされ、
そこでも責められたそうです。妻は途中から記憶が無い?というより
快感で訳が判らなくなっていたのでしょうが、気がつくと彼のベッドの上で
全裸で責められてたそうです。
最後に彼と共に果てると、帰宅のため服を着ようとしたそうです。
しかし、自分の周りに服が無い、寝室から出ると、
居間やダイニングや台所に服が散らばっていたそうです。
責められながら、あっちこっちで脱がされながら弄ばれていたようです。
時間は既に娘が帰宅する時間、妻は慌てて集めた服を着て、
隣のある我が家へ帰宅してシャワーを浴び、
娘が帰るまでの間、気持を静めていたそうです。
そして、この日の彼とのプレイを境に、妻の非日常を求める気持は高まって行ったそうです。
妻にとっては、私との普通の夫婦生活では得られない快楽を得てしまったのでしょう。
それも、私には異常とも思えるような責めでの快楽を・・・。
結果、翌日以降は、私と娘を送り出し、家事を済ませると、
買い物に行き、2件分の買い物を済ませてから、
隣の家に行き、彼の家の家事をこなしながら厭らしく責められる毎日が始ったそうです。
彼によって、妻のマゾの部分が芽を出してしまったのでしょう。私の知らない妻の誕生でした。
  1. 2014/10/20(月) 08:17:04|
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2つの我が家 第5回

彼との付き合いが本格化してからも、我が家での妻は以前と変わりがありませんでした。
家事も完璧にこなし、趣味の手芸で、家庭用品や私や子供が使うものを作ったりと・・・。
貞淑なよき妻で、優しい母親のままでした。
しかし、私と娘の知らない所では、もう1つの家庭を持っていた様な状態でした。
初めて彼の部屋で責められた翌日も妻は彼の部屋を訪れたそうです。
そして、部屋の掃除や、洗濯・食事の仕度などをしていたそうです。
彼は、妻に家事をさせながら、妻を厭らしく責め続けたのでしょう・・・。
妻の話だと、掃除をしている時は厭らしい言葉を投げ掛けられる位で、
洗濯や食事の支度をしている時は、背後から抱きついて体中を愛撫されたりしたそうです。
一度その様な異常な状況での快楽を覚えてしまった妻は、
そうなってしまうと自分をコントロール出来ないほど感じてしまったそうです。
何度も、流し台や洗濯機に手を突いて立ったままで、背後から挿入されていたそうです。
部屋中を移動しながら、責められ、徐々に衣服を剥ぎ取られて、
最後は寝室で彼を受け入れていた・・・。
しかし、彼は妻を一気には逝かさずにに焦らすだけ焦らしていたそうです、
妻が絶頂に達しそうになると責めの手を緩めるという具合に。
たまらなくなった妻が逝かせてと頼むと、今後も俺の妻として、俺の言いなりになるか?と
迫られたそうです。妻は快楽を求める気持には勝てず、彼に屈服したそうです。
かといって特に脅されていたとかいう訳ではなかった様で言葉攻めのつもりだったのかも知れません。
そんな状態で彼との付き合いは続いたそうです。
妻が1人きりになれる、月曜日かた金曜日までの間は毎日彼の部屋で過していたそうです。
彼に責められ、異常な快楽を与えられながら・・・。
そして、2か月ほど経ったある日を先に更なる責めがスタートしたそうです。
その日を、何時もどおり彼の部屋を訪れると、玄関先で全裸になるように命令されたそうです。
いつも責められながら妻自身も気付かぬ内に全裸にされていたので、
羞恥心は持たなかったそうですが、流石に普通の状態で、
それも玄関先で全裸になるのは抵抗があったそうです。
しかし、彼の言葉は妻にとってはある種の呪文のような物だったのでしょうか、
彼の言いなりになり玄関先で衣服を脱いでいったそうです。
我が家とそっくりの玄関・・・。
妻に言わせると自分の家の玄関で裸になっているような感覚だったそうです。
妻が全裸になると、やっと室内に入る事を許されたそうです。
そして、次に彼は妻に持参しているエプロンを身に付けるように命じたそうです・・・。
俗に言う、裸エプロンでしょうか。妻は、裸のままの方が恥かしくなかったと言っていました。
そして、何時もどおり、掃除・洗濯・食事の仕度と家事をこなしたそうです。
自分の部屋と同じ作りの部屋で、裸にエプロンだけを身に付けて、家事をする・・・。
妻は、そんなシチュエーションだけで感じてしまい、
アソコから愛液が溢れ出すように濡れてしまったそうです。
そして、家事をこなしながら、彼を求めてしまい、家事が終わると気が狂うほど責められたそうです。
キッチン・ダイニング・居間・寝室・娘の部屋・洗面所・浴室・そして玄関と部屋中いたる所で・・・。
白昼のベランダで立って手すりに手を突いたまま犯された事もあったそうです。
妻は完全に彼の虜になってしまっていたのでしょうか?
それとも・・・。
  1. 2014/10/20(月) 08:18:12|
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2つの我が家 第6回

裸にエプロン姿で家事をする・・・。
それを初めて経験した日からは、彼の部屋に行く時間が近付くと、
体中が熱くなり、アソコが湿ってくるのが判ったそうです。
妻は、もうこんな事はダメと何度も思ったそうですが、一度知った快楽を忘れられず、
彼の部屋へ行く事を止められなかったそうです。
妻が命じなくても毎日訪ねて来ると核心が持てる様になってからは
彼の行動はさらにエスカレートして行ったそうです。
その行動とは、自分の部屋を、我が家と瓜二つにする事だったようです。
徐々に自分の部屋に似ていく・・・。妻も驚きだったそうです。
妻は、彼を我が家へ入れた事も無いと言っていましたが、
我が家を見た事があるのでは?と
思えるほどそっくりでした。
発覚後に彼の部屋に入った時は本当に驚きました。
窓に掛るカーテン、テーブルや応接セットやベッドなどの家具類、寝具、食器、
テレビ等の家電製品、家庭用洗剤や、台所の調味料等など・・・。
家具や家電製品の設置場所はまったく同じ所。
さらの、驚いたのは、子供部屋まで再現されていました。
私のタンスの再現であろうタンスの中には、私の衣類が。
妻のタンスには妻の衣類が、子供部屋のタンスには娘が好みそうな衣類が入り、
下着まで揃っていました。
学習机には教科書までが揃っていました、教科書や娘の衣類は、
一年ごとに買い換えていたと言うのですから恐怖すら覚えます。
私達の結婚写真や家族写真なども、我が家で飾ってある所と同じ場所に飾られていました。
後に妻と彼から話を聞いた所によると、家庭用洗剤や、調味料等は、家事をする都合で、
彼が買ってくるように依頼した所、我が家で使っているのと同じ物を買って来たようでした。
部屋の配置もそれとなく妻に聞いてその様に配置したそうです。
家電製品や家具、カーテンや寝具、食器、娘の部屋の品物は、妻を責めながら、問い質し、
その証言を元に買い揃えたそうです。妻は、そんな事話してない!と否定していましたが、
快楽で訳が判らなくなっている時に聞かれて無意識の内に答えていたのでしょう。
居間のマンションに引っ越す際に、家具や家電製品は全て新調していました。
家具も、家電製品もそれぞれ同じメーカーの品物でコーディネートしていたので、
同じ物を用意する事は難しくなかったそうです。
写真などは、妻に依頼して、我が家から持ち出し、デジカメで撮影して、用意したそうです。
彼は、妻の性癖を見抜いていたのでしょう。
自分の家で辱められているという事に快感を覚えていると。
それで、徐々に品物をそろえて、自分の部屋で我が家を再現していたのでしょう。
彼との関係が始ってから、1年がたった翌年の3月には、
我が家の隣に、もう1つの我が家が再現されていたのです。
そして、その頃には妻も彼の部屋に居ながら、自分の部屋に居るような感覚になり、
毎日、偽の我が家を訪れる事に対して抵抗感が無くなってしまっていたそうです。
妻の告白によると、浮気をしている感覚とは違った感覚、
家族で幸せに暮らす我が家で、見知らぬ男に命じられ、裸にエプロンと言う恥かしい姿で、
家事をさせられている、そして、最後には彼に弄ばれ、辱められている・・・。
そんな気持になっていたそうです、彼の部屋は、妻にとっては我が家と同じだったと言っていました。
特に、私や娘の靴まで再現してある玄関で犯される時は、失禁するほど感じたそうです。
妻は元から、そういった強姦願望、ないしはマゾの性癖があったのでしょう。
  1. 2014/10/20(月) 08:19:16|
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2つの我が家 第7回

妻はもう1つの我が家でのプレイに、没頭していった行ったそうです。
もう1つの我が家は彼が作り始めたのでしょうが、次第に妻も協力するようになって行きました。
彼は家具や、家電製品だけでは満足せず、私達家族の衣類まで再現するようになったそうです。
妻は彼に依頼される度に、金を貰い、服を買い揃えて行ったそうです。
私のタンスを模したであろうタンスの中を見た時は、自分のタンスを見ているような錯覚に陥りました。
娘の衣類も妻が自ら娘に買い与える物と同じ物を買い揃えていたそうです。
彼は、妻の衣類には注文を付けなかったそうです、
ただ何時も着ている物と同じ物を揃えろとだけ言われていたそうです。
したがって、下着なども特に派手とか厭らしいデザインのものはありませんでした。
しかし、彼の妻の衣類に対する執着は凄まじく、よそ行きのお洒落な服から、和服まで、
我が家にある物と同じ数だけ揃えられていました。
それだけ服が揃っていたのに、彼の部屋での妻は相変わらず、裸にエプロン姿だったそうです。
彼は自分の欲望のままにもう1つの我が家を作り、そこで妻を弄び辱めていたのでしょう。
妻もそんな彼の期待に応える様に、彼の言いなりになり、
我が家とそっくりの部屋で辱められる事に喜びを感じて言ったのだと思います。
しかし、彼はそんなプレイにも飽きてきたのか次第にイメージプレイの様な事も
するようになったそうです。
たとえば、人妻が1人で家に居る時に押し入り犯される・旦那の留守中に旦那の友人に犯される
不倫現場を近所の男性に見つかりそれをネタに脅され犯される
借金返済のために自宅で売春を強要される
しつこい訪問販売員に文句を言って逆切れされて犯される
見ず知らずの相手とのテレホンセックスに嵌る人妻など
彼が作ったストーリーでプレイしていたそうです。
彼の部屋に備え付けてある妻の衣服はイメージプレイに時に着用していたそうです。
我が家にあるものでは無いので、破れたり汚れたりしても心配が無いからだったそうです。
そして、イメージプレイの時は、妻に本気で抵抗したりするように命じていたそうです。
彼自身、妻が恐怖心を覚えるほど本気で挑んで来たそうです。
妻も、彼の期待に応えて、本気で抵抗して、食器などが壊れる事もしばしばだったそうです。
でも、そんな時は近所に気付かれるのではないかと冷や冷やしていたそうですが。
あくまでもプレイなのに、本当に我が家で犯されている様な感覚になってしまっていたと言ってました。
私は妻に、そんなイメージプレイでどんな設定が1番好きだったのか聞いてしまった事があります。
その設定とは、その日は私の誕生日で、
妻は夕食の時にささやかなパーティーをする為に準備してるそうです。
ダイニングのテーブルには、奮発した料理や、ケーキが並んでいます。そしてインターホンが鳴り、
妻は私だと思い、確認もせずドアを開けてしまいます。しかし、そこにいるのは見知らぬ男・・・。
妻は抵抗しますが、男に押し入られてしまいます、
妻はテーブルの上の料理やケーキを放り投げ抵抗しますが、
押し倒されて、衣服を引き千切るように剥ぎ取られていきます。男は妻が声を出せないように、
床に落ちたケーキを口の中に押し込み思う存分、妻の身体を楽しむのだそうです。
気がつくと、全裸の身体中を料理に使ったソースやケーキのクルームでグチャグチャに汚れた姿で
床に座り込んでいるんだそうです・・・。
ドラマのレイプシーンの話を聞いているみたいな気分でした。
妻にそんなレイプ願望の様な物があるなんて考えても見ませんでした。
2人でドラマを見ている時にその様なシーンになると妻は
あんな事をされてみたいと考えていたのかも知れません。
逆に1番嫌なプレイはどんなプレイかと聞いた時は、
妻が結婚式で着たウエディングドレスを着て、彼に犯されるプレイだったそうです。
妻もこのプレイの時は本当に悲しくて泣いていたそうですが、
身体は快感を求めてコントロール出来なかったと言ってました。
それともう1つ、時々だったようですが、全裸でベランダの物干し竿に両腕を平行にして縛り付けられて吊るされて放置される時があったそうです。
私は妻に身体に縛られた痕等見た事がありませんでした、妻に聞くと、
私が出張で留守にする時にその様なプレイをしていたそうです。
流石に私にも年に数回は短い出張がありました、そんな時にこんな事がまでされていたなんて・・・。
彼は上に書いたようなプレイ以外、SMプレイのように妻の身体に痕が残るような
事はして来なかったそうです。
縛られた痕や、傷や痣等で私に発覚する事を恐れた為でしょう。
しかし、素手でお尻を叩かれたりした事や、時々ですが縛られた事もあったそうです。
妻は彼によって妻自身が気付いていなかった性癖を開花させられ、快楽を与えられて、
もう1つの我が家無しでは居られない様な身体になっていったのでしょう。
しかし、妻自身がそれを望んでいたのも事実だったのだろうと思います。
  1. 2014/10/20(月) 08:20:23|
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2つの我が家 第8回

妻は連日、午前中に我が家の家事をこなしてから、買い物に出掛けて、
2件分の買い物を済ませて一度帰宅し、我が家の買い物を冷蔵庫に納めたりしてから、
彼の家の買い物を持って、もう1つの我が家へ行き、彼と自分と2人分の昼食を作り、2人で食べて、
それから掃除洗濯を済ませて、娘が帰宅するまでには、我が家へ戻るという生活を送ったそうです。
しかし、彼の部屋では妻は全裸です。家事をしていても責められています。
今でも真実と思いたく無い位の異常な生活だったと思います。
そして時には、彼が作ったストーリーのもとにイメージプレイも・・・。
妻は普通では考えられない非日常的な性戯の虜になっていたのでしょう。
娘も進級するにしたがって帰宅時間が遅くなります、最初は2時ごろには帰宅していたのが、
3時になり、4時になりと徐々に彼の部屋で過す時間は長くなっていったそうです。
その間、妻は今までに書いたようなプレイに没頭して、快楽を貪り、
私や娘の知らない妻になっていたのでしょう。
しかし、そんな生活にもいつかは終わりが訪れる物なのですね。
それは、娘の小学校卒業直後の事でした、その日娘は、
中学校の1日入学で朝から出掛けていました。
私は気になっていた歯の治療のため歯科医院に寄ってから、
取引先との打ち合わせに向う予定でした。
しかし、取引先の都合が悪くなり、打ち合わせは中止に、
治療後の痛みが残っていたのでそのまま帰宅させて貰う事にしました。
ちょうど3時過ぎにマンションに着き、我が家のある階でエレベーターを降りて、
我が家へ向って歩きました。
そして、彼の部屋の前を通りがかった時に、ドアが開き、妻が出て来たのです!
最初は自分の部屋かと思ったのですが、どう見てもとなるの部屋です・・・。
その時の妻は、見る間に青ざめて行き、身体は大きく震えだしていました。
そして、玄関の中を覗き込むと、やはり青ざめた顔の彼の姿が・・・。
それだけで、全てを察する事が出来ました、私は妻が止めるのも聞かずに彼の部屋へ押し入り、
そして、見てしまったのです、もう1つの我が家を・・・。
彼と話そうと思ったのですが、彼は奇声を上げて、部屋中を逃げ回るだけです。
妻は私が大変な事をしてしまうのではと慌てて、
私の実家と自分の実家へ電話して両家の親を呼んだそうです。
気が付くと彼はトイレに引き篭もり、両家の親達が到着した所でした。
もう1つの我が家を目の当りにした親達の驚きも大変だったそうです。
その後、彼の実家の連絡先を調べて、家に来るように頼みました、
倅に較べて彼の両親は普通の人物に思えました。
私が冷静に訳を話すと、開口一番お詫びの言葉が飛び出しました。
話し合いは後日改めてと言う事になり。
トイレに引き篭もっている倅を説得して引きずり出して帰宅していきました。
その後、私と親たちは妻を連れて我が家へ帰り、妻から今までの事についての告白を聞きました。
私は、なぜこんなに落ち着いていられるんだろうと思う位冷静に話を聞いていました。
しかし、妻から愛しているのは貴方だけとか、
彼には恋愛感情は無かったなどと聞いても信じられない状態でした。
妻は離婚なんかしたくない、今まで通り暮らして行きたいと言って聞かず、
別居しようという私の意見には耳を貸しませんでした。
私はそんな妻が不憫に感じられてしまい、周囲からは反対されましたが
今まで通りの生活を続ける事にしました。
流石に、会話は無くなり、娘もお父さんとお母さんは如何しちゃったの?と心配していました。
それはそうでしょう、その日の朝までは何時もどおり仲の良い夫婦だったのですから・・・。
  1. 2014/10/20(月) 08:21:30|
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2つの我が家 第9回

発覚から数日後、彼の両親が他の親族と共に我が家を訪れました。
詫びの言葉の後に、裁判にはせずに示談にして欲しいと頼み込んできました。
彼の妹の縁談が決まりかけている事もあり、大事にはしたくないようでした。
私には自分勝手な話の様に感じたのですが、とにかく彼との関わりを断たせなければならない思い
交渉してみる事にしましたが、お金では解決したくありませんでした。
示談金の金額が不満だった訳ではありません、
抱えている住宅ローンが一括で返済できる程の額を提示されましたから。
私は、とにかく彼に私達の傍から消えて欲しいと希望していました。
しかし、彼の親や親族は難色を示しました、
理由は彼ら自身が彼と関わりを持ちたくないのだそうです。
話を聞くと、彼は中学生の頃から、近所に住む小さい女の子を自宅に連れ込んで
イタズラしたりし始めたそうです。
よく大事にならなかったと思いますがその度に親が出て行って示談で済ませていたそうです。
そして、高校に入り彼の行動は益々異常になって行ったそうです。
彼の実家は昔からの地主で、近所にマンションや借家を何件も持っていたそうです。
当然、家には合鍵があります、それを使って、若い夫婦の住む家に
忍び込んで奥さんの服や下着でオナニーしたり、盗み出したり、
果ては奥さんが1人で居る時間に忍び込み、妻にしていた様な事を強要していたそうです。
その度に、親や身内の弁護士が出て行って公にならないうちにお金で解決していたそうです。
その様な事が多発したために両親は彼の事を部屋に監禁してしまうようになったそうです。
そうしてからは、自室にある電話で、いたずら電話をするようになり、
それが彼の唯一の楽しみになっていったようでした。
しかし、電話の相手は自分たちが貸している家の住人です。
直ぐに彼の仕業と判り親達の悩みは増すばかりだったそうです。
何度も親族で話し合い、とにかく彼を追い出そうという事になったそうです。
そこで、空いている土地にマンションを建てて、一部を分譲し建設資金にして、
一部を彼所有で賃貸してその収入で生活させると言う話が決まったそうです。
そして出来上がったのが私たちが住んでいるマンションだったのです。
彼らはそこから追い出すとなると誰かが彼の面倒を居なければいけなくなります。
出来ればそれはしたくないと強く抵抗してきました、
果ては妻にも原因があったのだと言い出す始末です。
私は、それなら出る所に出るつもりだと告げました、
すると考える時間が欲しいと言い帰っていきました。
それから数日の後に再び彼らが答えを持って我が家へ来ました。
条件としては、示談金は前に示した額を支払う、彼の処遇に付いては、
彼の父方の身内が地方で経営している病院へ入院させ地元には帰らせない、と言う物でした。
その病院なら地元から離れているし、男性の看護士が複数勤めているらしく、
心配無いのだと話していました。
結局は私の希望通りの結果が見出せた事になります。
その解決策を私が了承した翌日に、彼は病院へ向かい、私の元へは示談金が届けられました。
マンションが帰るような金額を現金で届けるなんて大した物だと思うと同時に、
世間離れした常識や金銭感覚が彼をこんな事をしでかすような
人間にしてしまったのだろうと思いました。
これで、彼個人と私の問題は一応の解決を見ました。
残るは、私と妻の問題です。私達の親たちは、病院へ通わせたら等と意見してきましたが、
私は妻と真剣に向き合い話し合ってみる事にしました。
妻を注意深く見ていても、精神的におかしいとかそんな風には思えませんでしたから・・・。
  1. 2014/10/21(火) 09:00:37|
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2つの我が家 第10回

発覚直後は妻と会話する事も無かったのですが、娘が心配していた事や、
彼が遠方に引っ越していった事などがあり、徐々に会話を交わすようになっていきました。
そして、今まで書いてきた事を妻が告白してくれたのです。
私は妻は嘘は言っていないだろうと思いましたが、
それでも彼の事をどう思っていたのかは気になりました。
しかし、何度聞いても、彼には恋愛感情は持っていなかったと繰り返すばかりです。
浮気願望があった訳でもないと言い続けていました。
時々は言い争いになる時もありましたが、何日かはこの話題には触れず妻に考える時間を与えてやったりしながら
話し合ううちに妻は1つの答えに辿り着いたようでした。
妻が言うには、妻にとって私は優しく、家庭的で頼りになる夫だったと、そして経済的にも不自由は無く、
子供も素直な良い子に育ち、妻自身も趣味の手芸を続けられているという環境で非常に充実した毎日だったそうです。
そして、念願の我が家を持つことも出来て、幸福感で一杯になるような気分だったと言っていました。
平和で幸せな家庭生活、夫婦仲も上手くいっている、そんな中で彼からのいたずら電話が始ったのです。
妻は、自分で言ったとおり最初は文句を言って切るようにしていたそうです。
その内に懲りるだろうと思っていたそうですが、電話は続いたのです。
それも自分1人で家に居る時にだけ掛ってきます、妻は、貴方も懲りないわね等と文句以外の言葉を掛けるようになったそうです。
そして、徐々に知り合いと電話で話すように、普通に会話するようになって言ったと言っていました。
妻曰く、趣味って言ってもたかが手芸だし、自分でも気がつかないうちに暇を持て余すようになっていたのかも知れないと・・・。
電話の内容は世間話だった物が徐々に、子供の話題になり、夫婦の話題になりと進んで行き、SEXなどの話題になって行ったそうです。
その頃には妻も会話を楽しむ様な状態になっており、夫婦のSEXの話などもしてしまう様になっていたそうです。
SEXの話題が出始めた最初の頃は、面白半分で聞いているだけだったのが、徐々に相手の質問に答えるようになり、
自分からも進んで話すようになったのだと言ってます。
妻は彼と毎日電話で話すうちに私と交際していた頃の事を思い出したりしていたそうです。
私と妻は会社で顔を会わせているにも関わらず毎晩深夜まで電話で話していました。
その時に、SEXの話題も話したこともあるし、悪戯心でテレホンセックスをした事もありました。
平和ではあるが単調で平凡な日常生活を送る中で、彼からの電話があり、
それが原因で結婚前の心が時めいていた時代の事が鮮明に思い出されたそうです。
妻は電話の彼に昔の私を見てしまったと話しています。
そして、会いたいと誘われるようになりました、妻はそれだけはと持っていたそうですが、彼の誘いが執拗だったそうです。
妻は1度だけのつもりで会ったのだそうです、しかしそこで、相手の正体が判り、
妻は驚いたそうですが逆にお隣さんと言う安心感?のような物もあったそうです。
妻の驚きは隣同士と言うだけではありませんでした、私の名前と彼の名前が、同じ字で読み方も同じだったのです!
偶然と言うか、運命の悪戯と言うか、こんな事もあるのかと考えてしまいます。
いたずら電話から始ったとは言え、隣同士で名前も同じ、妻はそんな偶然を驚くと同時に喜ぶような心境だったそうです。
そして、買い物のついでに彼とコーヒーを飲みながら暫し会話を楽しむ、そんな状態になったそうです。
そこまで行ってしまうと、彼の部屋へ行くのも、不安も罪悪感も無かったのでしょう。
実際に、料理を教えてあげるだけと言う理由もあったのですから・・・。
初めて彼の家に行った日に、台所で責められた時は流石に驚き抵抗しようとしたそうですが、
直ぐに快感に襲われ快楽に身を任せてしまったそうです。
妻は、私とのSEXとは明らかに違う快感だったと言っています、
正直ショックでしたが話しにくい話を正直に話してくれたと言う事には感謝しています。
しかし、私の気持は晴れる事はありませんでした。
  1. 2014/10/21(火) 09:02:37|
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2つの我が家 第11回

妻の告白はさらに続きました。
初めて彼の部屋で関係を持った時に、初めて感じる快感を覚えて妻自身戸惑ったそうです。
普段、家族のために料理を作る台所や楽しく食事をするダイニングのテーブルで
犯されたのに何故あんなに感じたのかと・・・。
その日、我が家へ帰ってから夕食の支度をしている時も身体が疼き続けたそうです。
私や娘と食事をしている時も、同じようなテーブルの上で・・・。と考えて
股間が湿ってくるような気分だったそうです。
妻とて健康な女性です、気持が良くなる様な事をされればそれなりの反応になってしまうでしょう・・・。
翌日、妻はもう行かないと決めていたそうですが、彼からの電話があり、
その時彼が、奥さんは不倫しているんじゃない、
自分が気持ち良くなりたいだけだ、エステを受けるのと同じだと言われたそうです。
さらに、社交ダンスは夫婦とか恋人同士だと上手くいかない、だから他人とペアを組む。
昨日僕としたようなSEXは旦那さんとだと上手くいかない、
だから他人とするんだよ、これは不倫とは違う、
奥さんの趣味みたいな物じゃないかな?とも言われたそうです。
唯でさえ前日の快感を忘れられず悶々としている妻にとって、
ここまで執拗に誘われると身体が求めてしまっても無理が無いでしょう。
彼の誘い文句が妻にとっては罪悪感を忘れる良い口実になったと話しています。
結果として、心の負担が少なくなり、前日と同じかそれ以上の快感を得る事が出来たそうです。
それと同時に私とSEXする時も、こんなに愛してくれている主人が居るのに、
私は他人ともっと厭らしい事をしていると考えて以前より感じるようになっていたそうです。
私は妻とのSEXの中でこんな変化があったとは気付きませんでした。
妻の事は誰よりも良く見ているし、知っているつもりだったのですが・・・。
その後は、彼から求められるままに従い、また妻も自らの欲望の赴くままに彼とのプレイに没頭し、
その内容はどんどんエロティックかつ刺激的になって行ったそうです。
彼が作ったストーリーに沿って行うイメージプレイや、
買い揃えた衣服や妻に持参させた衣服を着せてのコスプレなどなど・・・。
凄まじいペースで自分が変っていくのが判るほどだったそうです。怖い位だったとも・・・。
妻自身、自分にレイプ願望や、マゾの性癖、こんな厭らしいことをされているのに感じてしまう、
という所には驚きを持っていたそうですがそれと同時に、
本当の自分はこんなだったのかと受け入れていたそうです。
そして、更なる快楽を求めて彼と共にもう1つの我が家を作り出し、
我が家で辱められる快楽に溺れていたと言っています。
とめようとしても、自分ではどうする事も出来ない状態になっていた事でしょう。
彼との関係は妻にとってはあくまでも遊びだったそうです、彼の世話をしていたとしてもそれは
愛情があるからではなく快感を得るための小道具と同じと思っていたのだそうです。
だから、愛しているのは私で、家庭は守りたいと考えて過していたと言っています。
もし、彼に対して愛情なり別の感情を持っていたら、
今まで通り家庭生活や夫婦生活を続ける事は出来なかったでしょう。
たいした趣味も無く、性格が招いた事とは言え友人なども居ない、そんな妻にとって、
彼との関係は本当に趣味のような物になっていたのかも知れません。
妻自身、彼とのプレイが自分の趣味と思っていたからこそ、
家庭では今までと変らずに振舞う事が出来ていたではないでしょうか。
妻がこんな状態になってしまった事は、妻に何の不満も抱かず、普通に生活していた、
言い換えれば妻の気持を考えていなかったのでは?と自問してしまいます。
私にも責任の一端はあるのかも知れません・・・。
妻を信じる気持が強すぎた為に、妻の微妙な変化を発見する事が出来なかったのではと思います。
彼よりも先に、妻の隠れた性癖・妻が抱いている願望を私が
引き出してやれていればと考えてしまいます。
妻の告白を聞き、私は異常なプレイで快楽を与えられてて生活していた妻から
それを奪ってしまうと妻はどうなるのか?
という、心配が生れて来ました。そして、その心配は形を変えて現実の物になってしまいます。
  1. 2014/10/21(火) 09:04:00|
  2. 2つの我が家・鎌田
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2つの我が家 第12回

妻は、見た目では不審な行動をとる事はありませんでしたが、
妻の告白を聞いて以降、私は妻に疑念を感じていました。
仕事に出る時は玄関で見送ってくれるし。
日中も、家の固定電話から電話をかけて来て、家に居る事を証明して来ました。
しかし、妻との会話は相変わらず噛み合わない、告白を聞いてから
余計に妻が判らなくなったのも事実です。
私は、あれほどの快感や快楽に溺れていた妻が、彼が居なくなったからといって、
そんなに簡単に抜け出せる物では無いだろうと考えていました。
私や娘の前での妻は、発覚後は、元気が無い時もあったのですが、日に日に元気を取り戻して、
発覚後、2ヶ月ほどたった頃には、明るく、元気な発覚前の妻に戻っていたのです。
娘は、お母さん元通りに戻ってよかったね、とか、やっぱりあの時は身体の調子が悪かったのかな、
と言ってましたが、私は、違う事を考えていました。
彼が地元へ舞い戻り付き合いが再開したか、
妻の異常な欲望を叶えてくれる違う男が出来たのではと・・・。
何度か、彼の実家に連絡して近況を聞いた事もありましたが間違いなく、
彼は地方の病院で生活しているようです。
では、違う男と?と考えましたが、わざわざ私の携帯に家の固定電話から電話をかけて来て
家に居る事を証明している・・・。
そうなると、家に男を連れ込んでいるのか?と言う疑問に突き当たりました。
妻は、彼の部屋=もう1つの我が家で、責められ、弄ばれる事に快感を覚えていたのです。
本当の我が家でなら、妻の欲望は彼とのプレイ以上に満たされるのでは?と考えてしまいました。
私はそんな疑問を妻にぶつける事はありませんでした。
今の、妻は私の知らない妻、彼によって開発され、
非日常的な世界での快楽に満足するように改造されてしまった妻、
そんな妻に情けは無用と考えていましたから。
復讐心のような気持が芽生えていたのも確かです。
もし、もう一度不貞を働く事があったら、妻に気付かれないように確認して、
その事実を妻に突き付けて、妻を追い出してやろうと考えていました。
そして、行動を起こしました・・・。
  1. 2014/10/21(火) 09:05:08|
  2. 2つの我が家・鎌田
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2つの我が家 第13回

その日は、数年に1回の社内の改装工事が行われるので会社が休みでした。
私は、妻には何も話さず、何時も通り出勤しました。
妻は、毎日、お昼前には彼の部屋へ行っていたと話していました。
私は、午後12時30分頃に家に戻ろうと考えていました。
妻からの電話も、その頃にかかって来てましたし・・・。
それまでの時間は、今までの人生で1番長く感じられました。
何も判らないのに、今頃、妻は家のかなで見知らぬ男と・・・。
と考えては何とも言えない気持で過していました。
映画館の早朝上映で時間を潰していましたが、映画の内容など覚えていません。
そして、待ちに待った時間が来ました、私は自宅へ向い、そして見てしまいました・・・。
エレベーターに乗っている時間が異常に長く感じられ、我が家までの通路まで長く見えてしまいました。
玄関の前に着くと、ドアに耳を付けて中の様子が聞こえないかと試しましたが、何も聞こえてきません。
私は、鍵を差し込むと、音を立てない様に回しました。
ゆっくりとドアを開けてました、妻は外出していないようです。
下駄箱の上に置いてある小物入れに、妻の鍵が置いてありました。
静かに、極めて静かに、廊下を歩き、突き当たりにある居間へ向いました。
ドアのガラス越しに室内を覗き見ました、居間には人の姿は見えません、
台所の方へ目を向けると、カウンター越しに白い人影が微かに見えます、
私は意を決してドアを開けました・・・。
そこに居たのは、全裸でエプロンだけを身に付けて台所仕事をしている妻の姿でした。
私は、文句の1つも言おうと思っていましたが言葉が出て来ませんでした。
妻も、私の姿に気付くと、暫し立ちすくみその後、嫌ぁ~、見ないでぇ~!と叫び、
その場にしゃがみ込みました。
室内を確認しましたが、男の姿はありません、私は妻に服を着るように告げると、
居間のソファーで妻を待ちました。
少しして、服を着た妻がやって来て、ソファーには座らず、
床に正座して、ごめんなさい、と頭を下げました。
私は、訳を話すように促し、タバコに火をつけて妻が話し出すのを待ちました。
妻は、彼との付き合いが無くなって以降は元に戻ろうとしていたそうです。
しかし、彼によって異常な欲望を開花させられた身体は、元に戻るのを拒んだ居るようだたそうです。
1人で家で過している時は、何をしていても、もう1つの我が家での出来事が思い出されて、
自然と手が股間へ行ってしまったそうです。
そして、妻は欲望に負けてしまい、服のボタンを外し始めたそうです。
服を脱ぎ捨て全裸になると、気持が落ち着いていくのを感じたそうです、
特にオナニーとかをする訳でもないのに気持がすっきりしたそうです。
その気持は性欲とは別の欲望なのかと思ったりもしてしまいます。
それ以来、妻は私と娘を送り出すと、玄関で衣服を脱ぎ、全裸になると、
エプロンだけ身に付けて家事をしたり、
趣味の手芸をしたり、テレビを見ている時はエプロンを外して全裸で過すようになったそうです。
そうして、買い物に行く以外の時間は、私や娘が帰宅するまでは全裸で生活していたそうです。
妻は時々涙声になりながら話し続け、話し終わると、お願い、許して、離婚しないで!と
言いながら私にまとわり付いてきます。
私は、妻は完全に改造されてしまったという怒りや悔しさと共に、
淫らな姿で家事をしている妻の姿を見てみたい、と思う気持も出て来ました。
私は、妻に全裸になるように命じました。妻は頷くと服を脱ぎ全裸に・・・。
私は、昼食を食べていないから作るように命じました。
妻は驚くような顔をしますが立ち上がり台所へ向います。
そして、エプロンを見に付けると料理を作り始めました。
私は、そんな妻を傍で見ていましたが、今まで見るどんな妻よりもエロティックに見えました。
美しいとすら感じられ、妻が愛しく感じられ、料理をする妻の背後から抱きしめてしまいました。
そのまま、エプロン越しに裸の乳房を鷲掴みにして揉み、エプロンをたくし上げ、
股間に手を差し入れました。
結局、彼が妻に下のと同じように、台所や、食堂のテーブル等で妻と交わり、
私自身、今までに感じた事も無い快感を覚えました。
  1. 2014/10/21(火) 09:06:29|
  2. 2つの我が家・鎌田
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2つの我が家 最終回

その後、妻と話し合ったのですが、私は結論を出せませんでした。
妻は一緒に暮らして居られれば満足と言っています。
毎日、家の固定電話から私の携帯に電話がしてきて、家に居る事を証明し、
買い物に言ってくるだの、今帰ってきただのと他愛も無い事を話しています。
しかし、私に目撃され、私の手によって、彼としていた事と同じ事をされて以降も
妻は家で、全裸で生活しているです。私に電話をかける時も恐らく全裸なのでしょう・・・。
電話をかけさせる事等は妻に罰のつもりで課した事だったのですが、
妻が欲望を満たすための手伝いをしてやっただけなのかも知れません。
今の所、妻に不穏な動きは見られません、妻自身も私に疑いを
持たれない様に注意しているようです。
妻の不倫が発覚後に、マンション内で住人の少女がイタズラされる事件があり、
それ以降、管理人が常駐するようになって、外部からの訪問者を確認するようになりました。
名簿で確認しても、我が家への不審な訪問者はありません。
宅配便などの配達も、営業所止めか、マンションの宅配ロッカーを利用するようにしているようです。
私宛に来る電話の回数や時間を見ても我が家以外の場所で男と会う時間など皆無でしょう。
そんな理由から、私は妻に我が家では好きな格好で生活して良いと話してあります。
ただ、私は子供にだけは見られるなと釘を刺して置きましたので、それだけは注意しているそうです。
4月から娘も中学2年生になりました、部活や塾などで夫婦2人で過す時間が多くなっています。
そんな時、私は、妻を全裸にして家事をさせたりしながら、妻を弄ぶようになりました。
妻は嫌がらず、嬉しいと言っています。
妻にリードされるように、家全体を使って妻を弄び、交わっています。
妻を改造された、妻の隠れていた一面を開発されたという怒りや悔しさはあります。
しかし、恥かしい姿で甲斐甲斐しく家事をこなしている妻を見ていると、
股間が堅くなりオナニーしてしまう時もあります。
決して、寝取られた事に興奮しているのでは無いと思いますが、
私のも彼と同じ欲望があったのではと考えてしまいます。
最近では、妻が彼に変えられたのは無く、妻が彼を変えたのではと思う時もあります。
不倫などと言う言葉では済まされないような裏切りを妻はしてくれました。
もし、娘が知ったら、どうなるでしょう?娘は母親を許す事など出来ないのではないでしょうか?
私としても、妻の事はこの先何年経っても許せないと思います。
私と娘を6年間も裏切り続け、もう1つの我が家で、異常な欲望を満たしていた妻・・・。
しかし、本当の我が家では、貞淑な妻であり、優しい母親でした。
どちらが本当の妻なのか、今でも考えてしまいます。
答えは出ませんが、どちらの妻も偽りの無い本当の妻なのだろうと思います。
人は、心の何処かで人には言えない願望や欲望を秘めているのではないかと思います。
妻は、2つの我が家を使って、その欲望を満たしていた。
妻の言ったとおり、もう1つの我が家は、妻が其処にいる限り我が家であり、
彼はもう1人の私だったのだろうと考えるようにしています・
本来なら何かしらの制裁を妻に与えるべきなのかも知れません。
しかし、妻を愛するが故の弱さでしょうか、妻に罰を与えるとか考える事が出来ません。
私の知らない所で、もう1つの我が家を持ち、淫靡な非日常を過していた妻、
私や娘への愛情など無くなり、欲望のために生きるメスになってしまった妻。
そんな妻を愛している気持があるのも事実です。
私自身が、もう1つの我が家での淫靡な妻の姿に魅了されてしまったのかも知れません。
そして、妻自身、私や娘への愛情よりも、自らの欲望を満たすために、
我が家を失いたく無いのかも知れません。
言葉では、どうとでも言えるのですから・・・。
しかし、そんな気持とは別に、妻と知り合い、結婚して、子供を授かり、
楽しく幸せに暮らして来たという事実・・・。
妻に裏切られていたとしても、そんな過去が捨てきれずに
いるから離婚に踏み切れないのだろうと思います。
妻は淫乱で欲望を追い求めるメスに変ってしまったのかも知れません。
しかし、たとえ偽りだったとしても、彼と付き合っていた6年間の間も
我が家を大切にしてくれる気持はあったのではと思いたいし、そう信じたいです。
この先、離婚するかどうか判りませんが、自分なりの答えが出るまでは、
それまでは妻と共に2つの我が家での生活を楽しもうと考えています。

長い間、下手な文章にお付き合い頂きありがとうございました。
読み返すと、何箇所も同じ内容が書かれている所があり、申し訳なく思います。
それでは、皆様のご健康とご健勝を陰ながらお祈りしております。
機会がありましたら、またお会いしましょう。
  1. 2014/10/21(火) 09:07:48|
  2. 2つの我が家・鎌田
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ミコと美子 第1回

近所にもいそうな普通の奥さんが恥ずかしい姿を晒している、そんな投稿写真が好きでした。
作られたAVなどではなくて、素人の奥さんの痴態を見ると異常に興奮を覚えます。
しかし見るのが専門で、妻を投稿してみたいなどという気持ちも勇気もありません。
例え勇気があったとしても、妻の性格を考えると投稿どころか、そのような写真を撮らせてもらうことすら難しく、そこに写っている奥さん達を、これが妻だったらと置き換えたりして、想像して興奮するだけで満足でした。
妻が寝てから、隠れてそのようなホームページを見るという生活を繰り返していた10ヶ月ほど前、いつものように何箇所かサーフィンしていて、人妻専門ではない比較的マイナーな所にあった見出しが目に留まってしまいます。
〔41歳の愛妻ミコとシティーホテルで・ミコの夫〕
最初この見出しに惹かれたのには深い理由など無く、単にその奥さんが妻と同じ歳だという理由からだけです。
妻と置き換えて楽しむ場合、若い奥さんよりも同じ年代の奥さんの方が妻と置き換えて想像し易く、より強い興奮を覚えました。

初めて投稿します。
写真は私の愛妻ミコ41歳です。
私達夫婦は月に一度ホテルや旅館に泊まって、家族の事や仕事も忘れて朝まで楽しんでいます。
多少お腹の肉は弛んでしまいましたが、年の割にはいけている方だと図々しく自画自賛しています。
これは長い間説得して、ようやく半年前に初めて写すことが出来た時の写真ですが、その後は毎回撮らせてもらうようになり、まだ撮り溜めた物が有りますので、ご要望が有れば徐々に投稿したいと思います。
ミコの夫

写真を見るとこの奥さんは、ポッチャリとしていて肉付きは良いのですが、そうかと言って太っている訳ではなく、その点から言えば妻とよく似たプロポーションをしています。
しかし、妻との決定的な違いは色気でした。
髪はストレートの明るい茶色で胸辺りまであり、卑猥な下着を穿いていて、可愛い物を好む妻とは格段の差があります。
顔は分からない様に眉から鼻にかけて黒く塗り潰してありますが、唯一見えている唇も真っ赤な口紅をつけていて、写真からも熟女の色気がプンプンと匂ってきます。
残念な事に、貼られていた3枚の写真は全てパンティーを着け、乳房も腕で隠していて見えませんがパンティーは黒いヒモパンで、妻と同い年の素人の奥さんが、こんな卑猥な下着を穿かされていると思っただけでも、充分過ぎるほどの興奮を与えてくれます。
この写真は2日前に投稿されていて、下には既に沢山の感想が並んでいました。

とても41歳の身体には見えません。早くその卑猥な下着の中も覗いてみたいです。

柔らかそうで抱き心地の良さそうな身体ですね。
隠そうとして、オッパイが腕に押し潰された感じがまた厭らしい。
私もその胸に顔を埋めてみたい

我慢出来ずに下着姿だけで抜いてしまいました。
早く続きを。

今回私はこれが妻だったらと、いつものように置き換える事もず、完全にこの奥さんに惹かれ始めていました。
妻は若い頃から色気とは程遠く、どちらかと言うと服装なども可愛い物を好み、私よりも5つ年下と言う事もあってか、付き合い出した頃はセックスの対象と言うよりも、抱き締めて守ってやりたいと思わせるタイプでした。
それは40歳を過ぎた今でもあまり変わらず、未だに可愛いミニスカートを穿いたりして、年よりも若くは見えますが、その分熟女の色気は足りません。
(体形はよく似ているのに、この色気の違いは何なのだ?美子も髪を長く伸ばして、あの様な卑猥な下着を着ければ、この奥さんのような色っぽい女になるだろうか?)
「髪をもう少し長くしてみたらどうだ?」
「えー、いやよ。短い方がシャンプーの後も楽だから」
ミコという奥さんに興奮していた私は久し振りに妻を誘いましが、ピンクの花柄のパジャマを脱がせると、現れたのはリボンの付いた白い綿のパンティーです。
「もう少し色気のある下着は無いのか?今時、高校生でもこんなパンティーは穿いていないぞ」
「そお?あなた、高校生のパンティーをいつ見たの?」
「それに、こんな時は少しぐらい化粧をしろよ」
「お風呂に入って、折角化粧を落としたのに?」
興奮は醒めていきましたが、どうにか妻と一戦交えてベッドを抜け出し、またミコの事が気になってパソコンの前に座っていました。
  1. 2014/10/30(木) 02:10:27|
  2. ミコと美子・美子の夫
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ミコと美子 第2回

そこには、今度はショッキングピンクのTバックを着けて、乳房を露にした写真が貼られていました。

1ヵ月後、今日は乳房を出した写真を撮ろうと決めてホテルに行ったところ、ミコは垂れているのを気にして予想以上に嫌がりましたが、どうにか説得して撮らせてもらいました。
確かに少し垂れているので、見苦しいかも知れませんがお許し下さい。
ミコの夫

見苦しいなんてとんでもない。
その少し垂れたところが、より卑猥で堪りません。

小さな乳輪に大きな乳首。
凄く嫌らしい身体ですね。

早くパンティーを脱がせた写真をお願いします。
出来ればボカシを限界まで薄くして。

私はこの写真を見て息を飲みました。
何故なら、乳房の垂れ具合や乳輪の色、乳首の大きさまで妻とよく似ていたのです。
(まさか美子?そう言えば顎の輪郭や唇の形も似ている様な気がするし、無理に読めばミコと読めないことも無い)
確かに妻は、一人息子が遠くの高校にスポーツで越県留学しため、月に数回行われる練習試合の内、毎月1回試合後に開かれる父母会の会合がある試合だけは欠かさず応援に行って、会合にも出席してきます。
この会合はその後行われる親睦会と、どちらが主なのか分からない状態で、それも試合後すぐに行われずに夜行われるので、最近は泊まってくるようになりました。
このミコという女性がこの男の妻ではなくて不倫相手だとすれば、それも月に一度の関係ならば、妻にも可能だという事になります。
しかしこれは、嘘か誠か真意は分からないのですが、父母がどれだけ熱心なのかも、子供がレギュラーになれるかなれないかを左右すると聞いていたので、地元に住んでいる他の父母のように毎試合応援に行く事の出来ない妻にとって、多少交通費は掛かってもこれぐらいは仕方ないと私も認めていて、泊まってくる事に関しても、浮気出切る様な女ではない事を知っているので私が勧めたのです。
遠征試合では旅行好きな妻の事を考えて、もう一泊して観光してきても良いと言い出したのも私です。
第一妻の髪は肩よりも少し短く、過去にもミコのように長くしたことはありません。
何より妻は、以前友人が不倫しているのが分かった時、彼女のような貞操観念の低い人とは付き合いたくないと言って、その後一切の縁を切ったほどで、妻の性格からして浮気など考えられません。
セックスもあまり好きではないのか、いざ始まると凄く乱れるようには成りましたが、どちらかと言うと淡白な方で妻から誘ってきたことは一度も無く、私が誘わなければ無ければ無いで済んでしまうようでした。
その妻が浮気しいて、この様な卑猥な下着姿で写真を撮られる事など、天地がひっくり返っても有り得ない事なのです。
ミコの夫の投稿する写真は次第に過激なものになっていき、次に投稿されていた写真は、白くて薄いパンティーを穿かせて大きく脚を開かせているもので、中心に染みが広がっていく様子が分かる、3枚の連続写真でした。

これは4ヵ月前のものですが、この時は恥ずかしい姿を撮られる事に感じてしまったようで、まだ指一本触れてもいないのに、こんなに濡らしてしまっています。
ミコの夫

写真を写されただけで感じてしまっているのですか?
なんて淫乱な奥様だ。
それとパンティーを透して、大きなクリが尖っているのが分かるのですが、感じて大きくなっているのですか?
それとも普段から大きいのでしょうか?

陰毛が見えないのですが剃っているのですか?
それとも生まれついてのパイパンとか?

ミコのクリトリスは普段の状態でも大きい方だとは思いますが、他の女性に比べて特別大きいとは思っていません。
但し感じてくると写真のように倍以上に膨らみ、包皮から完全に顔を覗かせてしまいます。
見掛けは、まるで小さなオチンチンが付いているような感じになるので、膨らむと言うよりは、勃起すると言う表現の方が正しいのでしょう。
ミコは全体的に体毛が薄く、陰毛も薄くて少ないので、上の写真では無いように見えるかも知れませんが、決して剃ったりしている訳ではありません。
この写真だと陰毛が確認出来ると思います。
ミコの夫

そのコメントには、写真がもう1枚貼られていましたが、それは水を吹きかけたのではないかと疑うほど濡らしていて、クリトリスやオマンコの形までもがはっきりと分かってしまいます。

本当に薄くて少ない、少女のような陰毛ですね。
これなら水着を着た時に、無駄毛の処理をしなくても済みそうですね
それにしても、触られてもいないのにこんなに濡らしてしまうなんて。

本当に大きなクリトリスですね。
妻の倍はありそうです。
それだけ感度も良いのでしょうね?

ふっくらしたオ○○コが美味しそう。
焦らさないで早く続きを。

妻の美子も体毛は薄く、感じてくると初めて見た時は少し驚いたほどクリトリスは大きくなるのですが、まだこの時の私は、世間には似た女がいるものだとしか思っていませんでした。
  1. 2014/10/30(木) 02:15:10|
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ミコと美子 第3回

この頃の私は、完全にミコの虜になっていました。
次の日には4ヶ月前に撮ったというミコの全裸写真が貼られていましたが、盾筋の一部だけを黒く塗ってあるだけの、全体的には極薄いボカシしかかけられていないオマンコのアップを見た時、私はまた息を飲みました。
(やはり陰毛の生え方やクリトリス、オマンコの形までもが美子にそっくりだ。まさか・・・・いや、それはない)
薄く少ない陰毛。
感じてしまって、完全に顔を覗かせてしまっている大きなクリトリス。
ふくよかな痴丘。
ポッテリとしていて、右の方がやや長い大陰唇。
どれをとっても妻によく似ているのです。
その夜私は、改めて妻のオマンコを観察してみようと思って誘いました。
「どうしたの?」
「今日もしたくなった」
「それなら電気を消して」
私は妻の要求を聞き入れずに押し倒し、感じてきた頃を見計らって大きく脚を広げさせて覗き込みました。
「アァァーン・・・いやん・・・電気を消してよ・・・恥ずかしいから・そんなに見ないで」
そう言いながらも、感じて大きく飛び出したクリトリスを指で擦ってやると、脚を大きく開いたまま喘いでいます。
(やはりミコのオマンコとそっくりだ。こんなに似ている事があるのだろうか?)
しかし、いつしか妻を疑うことも忘れてミコとしているような錯覚に陥った私は、久し振りに痛いほど硬くなった物を、我慢出来ずに妻の中に捻じ込みました。
「ウウッ・・・・・今日はどうしたの?・・・凄く硬~い・・・・大きい~」
妻に悪いと思いながらも、妻をミコだと思って腰が激しく動いてしまいます。
次の日は妻が眠るまで待ちきれずに、風呂に入った隙にパソコンの前に座ると、ローターをクリトリスに当てられている写真や、オマンコにしっかりとバイブを咥え込んでいる写真が投稿されていました。
どの写真も表情は分からなくても、口の開き方や不自然な首の捻り方から、完全に感じてしまっているのが分かります。
(やはり美子ではなかった。美子がローターやバイブを受け入れるはずがない)
婚約中に入ったモーテルで、食事メニューに挟んであったピンクローターやバイブのパンフレットを見つけ、買って試してみようかと言った事があります。
しかし妻は目に涙を溜めて激しく首を横に振りながら、そんな人だとは思わなかったと言って、今日は帰ると言い出しました。
私は冗談だと誤魔化して何とか宥めましたが、それに懲りてその後は、その様な物を使うどころか使おうと思った事すらありません。

いつも沢山の感想をありがとうございます。
妻のミコは最近特に感じ易くなったようです。
これは3ヶ月前に写した物ですが、この日はホテルに行く途中、ミコが一番感じるクリトリスに当たるよう、パンティーの中にローターを入れてパンストでしっかり固定してやりました。
ミコはこんな事は嫌だと言って今にも泣き出しそうな顔をしながらも、スイッチを入れた途端、横断歩道を渡る歩行者に聞こえてしまわないかと心配になるほどの声を上げ始め、それはホテルに着くまで途絶える事はありませんでした。
しかしロビーに入ると人が多く、子供連れなどもいたのでローターを動かす事はできません。
するとミコはあれほど嫌がっていたにも拘らず、オシッコを我慢している子供のように太腿を擦り合わせて、何とか快感を得ようとしているでは有りませんか。
エレベーターで2人切りになると私に抱き付き、部屋まで我慢出来ないと愚図るので動かしてやると、ミコは股間を私の脚に擦り付け、声が出ないようにキスを求めてきました。
ミコは羞恥心の限界を超えてしまい、それがより大きな快感をもたらしたのか、この日は面白いように逝くので何回気を遣るか数える事にしましたが、車中では走行中と駐車場で各1回。
短時間だったにも拘らず、エレベーターの中でもキスをしながら逝きました。
バスルームでは身体を洗ってやってから少し指で悪戯してやると、オマンコにシャワーのお湯を当てた瞬間逝ってしまい、ベッドでは私のオチンチンに口でたっぷり奉仕させてから、お気に入りの黒いバイブを使ってやると立て続けに2回達していました。
その後のミコは全身が性感帯に成ってしまったのかと思えるほど、何処を触ってやっても感じる
ようで、オチンチンで3回逝かせてやってもまだ満足してくれず、出してしまって柔らかくなってオチンチンを、何とかもう一度硬くさせようと必死に手や口を使ってきて、結局朝までに何回達したのか数えられなくなってしまいました。
ミコの夫

ミコの夫さんのオチンチンを入れてもらう前に、6回も達しているのに朝まで?
なんて淫乱な奥様だ。

ミコさんも凄いが、朝まで付き合えるミコの夫さんも凄いですね。

奥様の達した時の顔が見たいです。
もう少し表情が分かるように薄く出来ませんか?
  1. 2014/10/30(木) 02:16:55|
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ミコと美子 第4回

それから何日かミコの夫からの投稿が無かったことで冷静になれた私は、妻を少しでも疑っていた自分を恥じてそこを見ないようにしていましたが、妻が息子の試合の応援に行った翌日、隠れて見なくても良い気楽さから、我慢出来なくなって見てみると、今までのようなシティーホテルではなくて、和風旅館での行為が3日前に投稿されていました。
〔愛妻と温泉旅館にて・ミコの夫〕
最初に貼られていた、浴衣を着たミコが立ったまま自分で裾を胸まで捲り上げ、紐を両サイドで結んだ黒く小さなパンティーを見せている写真を見た瞬間、私は強い衝撃を受けました。
(美子?いや、そんな馬鹿な)
やはり顔は分からないように塗り潰してありますが、その写真のミコは髪形や髪の色まで、妻と全く同じなのです。

前回で投稿をやめようと思いましたが、みなさんにミコを見られる興奮が忘れられずに、投稿しない予定だった写真も見て頂きたくなって戻って来ました。
これは2ヶ月前に某温泉に行った時の写真です。
投稿をやめようと思った理由は、この旅行に行く前に長い髪をバッサリ切ってしまい、ミコが普通のおばさんになってしまったからです。
ミコの夫

この髪型の方がどこにでもいる奥さんのようで、私は凄く興奮します。
早く浴衣を脱いだところもお願いします。

髪型を変えただけで、凄く感じが変わりましたね。
私もこの方が、真面目な人妻がネットで裸体を晒している感じが出ていて好きです。

普通のおばさん?
普通のおばさんは、こんな卑猥なパンティーは穿きませんよ。

それら感想の下にはミコの夫にチンチンを入れられている、俗に言うハメ撮り写真があったのですが、どれも乱れた浴衣を脱がさずにしていて、全裸でされているよりも数段卑猥に見えます。
まだ半信半疑の私は、最後までざっと見ただけで股間を硬くしていましたが、もう一度最初からじっくりと見直した時、更なる衝撃を受けました。
最初の写真は四つん這いで浴衣の裾を腰まで捲り上げられて、結合部は写っていなくても後から嵌められていると分かる、お尻の一部と腰を掴んでいる左手、あとは浴衣に隠れた背中と頭しか写っていない写真だったのですが、次の写真では背中を反らせて頭を持ち上げているために、他の写真のように塗り潰されていない頬や目鼻の、極一部が見えてしまっています。
(これは美子だ!どうして美子が・・・・・・・・)
顔の一部分が見えていると言っても他の者では分からない程度なのですが、20年近く妻と一緒にいる私はそう感じたのです。
最後の写真の、ミコの夫に中に出された精液が流れ出る、オマンコのアップをぼんやりと見詰め、高鳴る心臓の音を聞きながら、この後どうすれば良いのか途方に暮れてしまいました。
当然妻に対して激しい怒りを覚え、今すぐにでも妻を殺したいほどの悔しさもあったのですが、妻は2泊の予定で出掛けていて明日まで帰って来ません。
私は妻に電話して、すぐに呼び戻そうと携帯を握り締めましたが、悔しい気持ちだけではなくて不思議な興奮があるのも事実で、他にもこのまま投稿を続けさせて、私の知らない妻の全てを知りたいという気持ちも大きく、結局電話することが出来ずに今までの画像を全て保存すると、ミコの夫に対して残りの写真も見せてくれるように書き込んでいました。

他にもあれば是非見せて下さい。
奥様に凄く興奮して、新しい写真が投稿されていないか、毎日何度も何度も覗きに来ています。
出来れば普段着の奥様も見てみたいです。
ミコに虜

そう書き込んでからカツラで検索し、今はカツラの事をウィッグと言う事を知って、今度はウィッグで検索するとコスプレ用ウィッグのページで、妻が着けていた物と良く似たウィッグを見付けました。
私は怒りと悔しさで呆然としていましたが、電話の音で我に返ります。
「あなた、ちゃんと食事した?」
「ああ、それよりも今何処にいる?」
「今から旅館に向かうところ。明日の朝こちらを発つから、昼頃には帰れると思う」
「一人だけなのか?他に誰もいないのか?」
「えっ・・・一人だけよ。子供達は一昨日、試合が終わるとすぐに専用バスで帰ったわ。父兄はその日に帰った人もいるし、慰労会が長引いたので1泊して今日帰った人もいるけれど、私のように旅行気分で来ていて、もう1泊していかれる人はいないみたい。最初はあなたに勧められて観光してくるようになったけれど、最近ではみんなと違って高い交通費を払って来たのだから、近くの名所を見て回りらないと損した気分になってしまって。毎月私だけ旅行しているようで、あなたに悪いけれど、お蔭で試合の応援に来るのが苦では無くなった。いつもありがとう」
今夜妻の身に起こるかも知れない事を考えると、泊まらずにすぐに帰って来いと怒鳴りたかったのですが、妻と話している内にこの期に及んでも、これは他人の空似で、やはり妻に限ってそのような事は有り得ないという気持ちの方が大きくなっていき、逆に妻を疑っている自分を恥じてしまっていて、妻を信じようとしている私がいるのです。
  1. 2014/10/30(木) 02:19:44|
  2. ミコと美子・美子の夫
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ミコと美子 第5回

予定よりも遅く、翌日の昼過ぎに妻は帰って来ましたが、その様な目で見ているせいか疲れ切っているように見えます。
「疲れたのか?」
「少し。余分に1泊させてもらったけれど、今回の遠征先は少し遠かったから」
「今回は温泉旅館で先月はホテル。その前に行った時は、確か温泉旅館に泊まったと言っていたよな」
「ええ、今まで旅館よりもホテルの方が気楽でいいと思っていたけれど、前に泊まった温泉旅館が凄く良かったから、今回も近くに良い温泉が有ると聞いて泊まってみたけれど、ここも凄く良かったわ。旅館を見直しちゃった。私ばかり贅沢してごめんなさい。それが何か?」
「いや、何でもない。俺は仕事で行ってやれないから、それは別に構わない」
私は妻を信じようと思いながらも、やはりどこかで疑っているところがあり、妻には極力普通に接しながら次の投稿を待っていました。
〔調教旅行・ミコの夫〕
それは妻が帰って来た3日後の事でした。

これは4日前に調教旅行に行った時の写真です。
2ヶ月前に行った温泉旅館でのミコの乱れ様が忘れられず、また前回と同じ温泉に行きました。
ミコが今まで泊まったホテルよりも乱れてしまう理由は、この旅館は部屋が離れ風に独立していて、隣を気にせずに心おきなく大きな声を出せるからでしょう。
また各部屋に露天風呂が付いているため、そこでの行為も興奮を誘う理由の一つだと思います。
ミコの夫

私は妻であって欲しくないと必死に打ち消していたのですが、4日前の旅行と書いてあるのを読んだ時点で諦めの気持ちになり、最初の写真を見て、思いが叶わぬ事をはっきりと知りました。
その写真のミコはミニのワンピースを着ていたのですが、妻もそれと同じ物を持っています。
そこには私の気持ちをあざ笑うかのように、今までと違って大量の写真が貼られており、またご丁寧な事に、ほとんどの写真に詳しい説明が書かれていました。

ミコに虜さんのリクエストに応えして、最初に着衣の写真を貼りました。
ただ、見掛けは普通のスナップ写真のように見えるのですが、中には貞操帯を着けさせていて、パンティーやパンストは穿かせていません。
貞操帯と言っても使い方は全く逆で、私が鍵を外してやらない限り、ミコのオマンコの中に納められているリモコンバイブを、自分では絶対に取り出せないのです。
ミコの夫

次の写真ではレザーの黒いブラジャーと、同じく鍵の付いた黒い貞操帯だけの姿で、並べられた2枚の座布団の上に寝転んで、腰だけを高く持ち上げていました。

ミコは旅館に着くまでに何度も達しそうになりましたが、今回は調教が目的の旅行だったので、少し可哀想な気はしましたが、私はその度にスイッチを切ってそれを許しませんでした。
旅館に着くと、どうにか仲居さんが部屋を出て行くまでは平静を装って我慢していましたが、姿が見えなくなるや否や私に泣いて縋ってきたので、今回の旅行中は何をされても一切逆らわない事を大きな声で何度も誓わせてから、スイッチを渡してやるとこの有様です。
ミコの夫

次の写真は脱衣場と思しき所で、妻がフェラしているところを上から撮ったものです。

ミコは続けて2度達したのですが、放っておけばいつまでも止めそうもないので、強引にスイッチを取り上げて貞操帯を外してやり、オマンコからバイブを抜いてやると、もう一度だけ逝かせて欲しいと愚図ったので、仕方なくお気に入りのいつもの黒く太いバイブで思い切り逝かせてやりました。
その後、濡れてグチャグチャになったオマンコを洗ってやろうと、一緒に温泉に入ろうとしたのですが、長い時間焦らされ続けた身体はその程度では満足出来なかったようで、私のオチンチンを見るや否や、待ち切れずに咥えてきたのがこの写真です。
ミコの夫

次の写真は、脱衣所の壁に手をついている後ろ姿なのですが、どうやらバックから嵌められているようでした。

オチンチンを美味しそうに咥えながら激しく舌を使い、上目使いで必死に訴えかけてくるミコを見ていて、食事が済むまでおあずけは余りに可哀想だと思った私は、一度嵌めてやったのですが、立ったままの体制が辛かったのか軽くしか逝きませんでした。
軽くしか逝けなかった事で、それは前菜のようなものになってしまい、この後の露天風呂でも片時もオチンチンを放してもらえず、結局させられる羽目になってしまい、温泉に浸かって疲れを癒すどころか逆に疲れてしまいました。
中にはデジカメを持って行かなかったので、残念ながら写真はありません。
前回もそうでしたが、ミコは屋外でされている事に興奮するのか、露天風呂では思い切り逝けたようで、ようやく満足してくれて落ち着いてくれたので、今度は仕返しとばかりに私が酒を飲んでいる間中、まだ一度も出していない私のオチンチンに、口でたっぷり奉仕させてから、最後は両乳房に挟ませて、思い切り顔にかけてやりました。
調教旅行なのに、私もまだまだ甘いですね。
ミコの夫

その後の写真は、部屋に敷かれた布団の上で縛られている写真ばかりで、浴衣を着たまま赤いロープで縛られて、オマンコに入れられたバイブが割られた裾から見えている物。
布団の上に仰向けに寝たミコの夫のチンチンを、後ろ手に縛られているので手は使えずに、口だけで奉仕させられている物。
やはり後ろ手に縛られたまま、ミコの夫の上に跨っているのを下から写された物など、刺激的な写真が並んでいます。
それらを見た私は悔しさで押し潰されそうになりながらも、何故か下半身は硬くしてしまっているのです。
それどころか硬くなったチンチンを取り出して、右手で擦りたい気持ちにまでなっています。
妻がこのような事をされているのに、下半身を硬くしてしまっている自分に戸惑いながらも、悔しさや怒りだけでなく、興奮も混じった不思議な快感に酔ってしまっている私もまた、普通の性癖では無いのかも知れません。
ただ、相変わらずその下には色々な感想が並んでいましたが、流石にそれらを読む気力は残っていませんでした。
  1. 2014/10/30(木) 02:22:13|
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ミコと美子 第6回

その日からは毎晩妻を抱きましたが、それは怒りながらも私の知らない妻に興奮してなのか、ただ単に牝を盗られたくない、牡の本能からなのかは分かりません。
「あなた、最近どうかしたの?」
「毎晩エッチするのは嫌なのか?」
「そう言う意味じゃない。それは嬉しいわ」
以前、妻の痴態を投稿してみたいと思ったこともありましたが、やはり私には到底出来ない事を思い知らされました。
現実に妻の裸体が、大勢の男の目に晒されてしまったかと思っただけでやり切れません。
私だけのものだった妻の乱れた姿で、大勢の男が性欲を処理していたかと思うと、悔しさで狂いそうです。
ただでもそうなのに、妻が男に抱かれて欲望を身体の奥深くに思い切り出され、その男が妻を、さも自分の妻であるかのように投稿しているのですから尚更です。早く決着を着けたい気持ちも有りましたが、妻が何をされたのか全て知りたい気持ちが強く、妻が毎月弄ばれていたとすれば、まだ先月の写真が残っているはずだと思い、ミコの夫に対して要望を書き込んでいました。

奥様を縛っておられますが、ミコの夫さんは以前から奥様を縛るような行為を楽しんでおられたのですか?
もしもそうなら、とても羨ましいです。
私にもその様な願望はあるのですが、実際には出来そうもありません。
毎月ホテルなどで楽しんでおられるとすれば、先月のもあるのですか?
もし有るのでしたら、是非お願い致します。
ミコに虜

それから3日して、ミコの夫と名乗る男は私の要望を叶えてくれました。

ミコに虜さん、いつもありがとうございます。
私もミコ以外の女性を縛った事はあっても、やはり妻と思うとどこか照れ臭くて、今まで出来ずにいました。
ですから1ヶ月ほど前に、ホテルで縛ってみたのが初めてで今回が2度目なのです。
先月ホテルで縛った時、ミコは嫌がって激しく抵抗しましたが、口では拒否し続けていても身体が感じてしまうのはどうする事も出来ず、今まで聞いた事の無い悲鳴にも似た凄い声を上げながら、何度も登り詰めました。
その時私は、ミコはこの様な行為でより大きな快感を得る事を知り、今回は調教旅行にしようと思った次第です。
今回も最初は強く拒否していたミコでしたが、既に1ヶ月前にホテルで縛られて、我を忘れて激しく逝き続けていた姿を私に見られてしまっていたせいか、完全に自由を奪われてからは拒否する強い言葉もすぐに許しを請うような言葉に変わり、次第に許しを請わなければならない自分の立場にも感じているようでした。
私も前回で性癖を知られてしまった事から、自分でも不思議なほど大胆になれて、言葉でも散々虐めてやると、ミコは言葉で虐められれば虐められるほど、逆にシーツを汚す愛液の量も増え、声も大きくなっていきます。
この言葉で虐めるというプレーの良いところは、縛って辱めている時やオチンチンで責めている時だけで終わらず、終わった後も行為中の乱れた様子や、どんな言葉を口にしたかを事細かに教えてやる事により、羞恥に震える姿をいつでも楽しめる事です。
事実今回の旅行でもミコが帰りの車中で、縛ったり辱めたりするような行為はやめて欲しいと泣き出したので、辱められて感じていた様子や、最後には無意識にオチンポ欲しい、オチンポいいと口走った事などを詳しく聞かせてやると、もう虐めないでと言いながらも息遣いがおかしくなり、手を伸ばして触ってみると、やはり言葉だけで濡らしてしまっていたところをみると、ミコも満更では無かったのだと思います。
ただ少し調子に乗り過ぎて、その後もずっと言葉で辱めながら触り続けていたので、朝まで散々オチンチンで気を遣ったにも関わらず、我慢出来ないと言ってオチンチンを引っ張り出すと、運転中にも関わらず私の股間に顔を埋めてきて、何とかその気にさせようと必死に口を使いだしたので、危険だと思った私は、結局ラブホテルに入らされる羽目になり、私に跨って激しく腰を振るミコに、微かに残っていた精液までも一滴残らず吸い取られてしまい、運転をするのが嫌になるほど疲れ果てた私は、帰りまでミコを刺激してしまった事を後悔しました。
今回の写真は、先月初めて縛った時の物です。
前回の写真と時期が前後してしまいますが、ミコに虜さんからのリクエストにお答えして投稿させて頂きました。
ただこの時はミコを初めて縛った事で私も興奮してしまい、プレーに専念してしまったので写真は2枚しかありません。
ミコの夫

その写真は、ホテルのベッドの上で縛られている妻の姿でした。
1枚は、足を胸に抱えた状態に縛られて放置されている写真で、一応赤いブラジャーとパンティーは着けさせてもらっているのですが、それらは下着と呼ぶには余りにも薄くて透けてしまっているので、硬くなってしまっている乳首や、オマンコに当てられているローターもはっきりと確認出来ます。
もう1枚は全裸で縛られ、オマンコだけで無く、口にもバイブを頬張っている写真でした。
正直、それらを見て興奮も有りましたが、妻を自分の所有物のように好きに扱われた事に、言い様の無い怒りを感じます。
私には絶対に見せない顔を、他の男に見せていた妻に激しい怒りを感じます。
しかし、甘いかも知れませんがここまできたら妻自ら告白し、私に懺悔して欲しくて毎日出来る限り平静を装い、ある物が届くのをじっと耐えて待っていました。
  1. 2014/10/30(木) 02:35:14|
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ミコと美子 第7回

それから一週間ほど経ってようやく届いた物は、ネットで買ったコスプレ用ロングの、明るい茶色のウィッグです。
「今夜もいいだろ?今夜はこれを被ってくれないか?」
それを見た妻の顔は一瞬引き攣った後、見る見る蒼ざめていきます。
妻はこの時点で私に全て話し、泣いて許しを請うと思っていましたが、妻の口から出た言葉は予想とは違うものでした。
「なにそれ?そんな変態のような事は嫌!」
「そう言わずに頼む」
強がっていた妻の目にも、不安からか流石に涙が溜まっていきましたが、それでも浮気について話そうとはしません。
「泣けるほど嫌なのか?」
「別に泣いてなんかいない。急に変な事を言うから驚いただけ」
私が秘密を知っているのかどうか半信半疑のようで、この場は私に逆らわない方が得策だと思ったのか渋々着けましたが、私がそこに見たものは妻の美子ではなく、正しくネットで見た最初の頃のミコの姿そのものだったのです。
おそらくミコの夫は、人妻を寝取って自分の女にした事を、誰かに自慢したかったのでしょうが、その事で関係が終ってしまう事を恐れたのか、人妻が自分の意のままになっている姿を投稿して、自己満足するに留めたのでしょう。
こんな人妻を落としたと自慢するのではなくて、自分の妻として投稿した真意は分かりませんが、ただの浮気相手ではなく、夫のように妻を独占したい思いの現われだったのかも知れません。
夫にもなりたいが、人妻を寝取った男にもなりたい。
それで頻繁に妻と書かなくても良いように、ミコという名前を作ったのかも知れません。
この関係を、誰にも邪魔される事無く永遠に続けたい。
その思いがミコの夫を慎重にさせ、万が一妻を知っている人間が見ても分からないように、必要以上に顔を塗り潰し、この様なウィッグまで着けさせて変装させたのだと思います。
しかし思っていた以上の興奮を得てしまったミコの夫は、何処かに忘れてきてしまったか何らかの理由でウィッグが無い時に写した、投稿するつもりの無かった写真までも、予定外に投稿してしまったのでしょう。
その後の写真もウィッグを着けていないところをみると、ありのままの妻を写して、みんなに見せたくなったのかも知れませんが。
私は妻自ら懺悔させようと、妻を下着姿にするとベッドから離れ、ミコの夫がしていたように写真を撮り始めました。
「あなた、何しているの!写真なんてやめて!」
「撮られていて感じてこないか?」
「こんな格好で写真を撮られて、恥ずかしいだけで感じる訳がないでしょ!」
私の知っている妻なら、ここまでされれば罪悪感に耐え切れず、泣き崩れて謝り続けるはずです。
しかし妻は泣き崩れる事もなく、不安の裏返しなのかも知れませんが、私を罵倒し続けています。
妻はミコの夫に心まで調教されて、変わってしまったのかも知れません。
目の前にいる女は、妻を演じ続けているミコなのかも知れません。
私は悔しさと怒りで狂いそうなのですが、次第に目の前にいる妻を美子ではなくて、ミコとして見てしまっていました。
裏切られた思いが強く、激しい怒りを感じながらも妻に対して不思議な興奮もあり、私の股間は硬くなっているのです。
「凄い・・凄い・・・こんな・・こんな・・凄いー」
私が抱いた事で思い過ごしだったと安心したのか、妻はいつも以上に乱れ、聞いた事の無いような大きな声を出して感じていました。
私は妻の寝息を聞きながら相手は誰なのか考えていましたが、父母会の者としか考えられません。
平日は私の仕事を手伝っていて、ほとんど一緒にいます。
休みの日も買い物に行く程度で、私と出掛けるか家で趣味に没頭しています。
投稿された写真の間隔からも、試合の応援に行った時にホテルや旅館で抱かれているのは明らかで、相手が近くに住んでいて遠征先で待ち合わせて逢っているのなら、月に一度ではどちらかが我慢出来なくなって必ず他の日も逢うなど、今までに何かしらの不審な行動があったはずです。
そう考えた時、私の脳裏に一人の男の顔が浮かびました。
その男は遠くに住んでいるのですが、息子の学校からみれば方角が同じで、やはり息子が越県留学しています。
昔その男も同じスポーツをやっていたらしく熱心で、車では行けないような余程遠い遠征先で無い限り、ほとんどの試合に車で行っていて、帰る方向が同じ妻を頻繁に乗せて来てくれたのです
が、最近はそのような事も一切無くなり、昨年は妻の話にも頻繁に出てきたのですが、最近では他の父母は出てきてもその男の話は聞いた事がなく、その事が逆に不自然に感じたのです。
確か名前は佐々木と言い、年は私よりも4つ上だと妻から聞いた事があるので50のはずです。
「佐々木さんは元気にしてみえるか?」
「えっ・・佐々木さん?・・・・佐々木さんって・・・・どこの・佐々木さん?」
私は妻の反応を見るために、その男の名前を出すと妻は取り乱してしまい、咄嗟に惚けていました。
佐々木とはよくある名字ですが、私の周りにも妻の知り合いにも佐々木という人間はいません。
「ほら。試合の応援に行った帰りに、帰る方向が一緒だからと言ってよく送ってもらっただろ」
「あっ・・・あの・・佐々木さんね・・・・・・・元気だけれど、急にどうしたの?」
「いや、お袋が電話して来て、仏壇を洗いに出したいから良い店を知らないかと聞かれたから。
確か佐々木さんは仏壇店を経営していたよな」
「そうだったかしら・・・・・・・」
「何を言っているんだ。美子から聞いた話だぞ」
「そうだとしても父母会の中で、お金が絡むような付き合いはしたくないからやめましょうよ。それに、通り道だと言って送ってくれていたけど、家が近い訳でもないし」
確かに我が家からは直線でも50キロはありますが、妻は私を佐々木とは会わせたくないようで、この話を何とかやめさせようと、私の嘘の話しだとも気付かずに必死でした。
「あなた、今夜は何が食べたい?」
妻はその後も違う話をして、何とか彼の話題から話を逸らそうとします。
「昨年は毎月のように送ってくれたのに、最近は向こうで一緒になっても送ってもらえないのか。何か不味い事でもあったのか?例えばおかしな関係になりそうになったとか」
「ば・・馬鹿な事を言わないで!」
「おっ、むきに成るところを見ると、既におかしな関係になっていて、痴話喧嘩でもしたとか?冗談だ。そう怒るな。本当にそう思っていたら、逆にそんな話は出来ない」
「冗談でも言わないで!別に何もないわよ。最近私は観光も兼ねて泊まってくるし、佐々木さんは仕事が忙しくなったのか、試合が終わると慰労会にも出席しないで、急いで帰られる事が多くなったから・・・・・もう佐々木さんの話はいいでしょ?」
佐々木について話す妻は落ち着きがなく、明らかに動揺しているのが分かります。
怒っていながら私の目を絶対に見ない妻の態度からも、相手は佐々木に間違いないと確信しましたが、そんな事を考えている内に、私の心に恐怖心のようなものが芽生えていました。
それは私が知る限り、妻は浮気など出来る女では無いという事です。
セックスもあまり好きでは無いので、体だけの関係も考えられません。
もしもそうなら、佐々木に対して心の繋がりがある事になり、浮気などではなくて本気だという事になってしまいます。
  1. 2014/10/30(木) 02:36:50|
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ミコと美子 第8回

私の想像通り相手が佐々木だとすれば、次の遠征までは関係を持つ心配は無いので、はやる気持ちを抑えてじっと耐えていました。
保存してある写真だけでも、妻に白状させる事は容易だとは思ったのですが、どうしても2人が逢っている現場を押えたくなったのです。
その理由は現実にこの目で見ないと、これだけの根拠が有りながらも、妻を信じたい気持ちが残っているからです。
妻が告白して決定的になっても、20年近く信じて愛してきた妻を、責めきれないと思ったのです。
それからの私は、今までにこれほど妻を意識して見た事があっただろうかと思えるほど、毎日妻を目で追うようになっていましたが、笑顔の妻を見れば見るほど、今までの妻の事を考えれば考えるほど、この妻が私を裏切り、私の知らないところであの様な淫らな行為をしていたとは信じられません。
私と一緒にいる時の笑顔も、昔から何も変わらないのです。
不倫疑惑を除けば、私にとってこれ以上無い良妻なのです。
「来週の沖縄行きは何泊の予定だ?」
大会は別にして息子達の練習試合は、ほとんどが近県の学校とするのですが、年に数回は今回のように遠方にも出向きます。
「何校かと2日間試合をしてから、3日目は海で遊ばせてもらえるらしいから、子供達は2泊して午後の便で帰ってしまうけれど、私はもう1泊させてもらってもいいかな?2泊とも那覇市内の子供達と同じホテルで泊まるから、子供達を見送ってから恩納村のホテルで泊まって、次の日北の方を観光してから帰りたいの」
本当は駄目だと言って、知っている事を全て話したかったのですが、ぐっと我慢してそれらの言葉を飲み込みました。
「美子は本当に旅行が好きだな」
「だって、交通費は同じなのだから、勿体無いから観光でもしてくればと言って、私をその気にさせたのはあなたでしょ?でも、私ばかりごめんね」
日程表を見ても、子供達の予定は妻の話に嘘は無いようです。
いくら何でも子供達や他の父母がいるホテルで、2人が部屋を共にする事はないと思った私は、3日目に泊まる恩納村のホテルに乗り込むことにしました。
その日私は午後の便で帰る息子達に会うのを避け、夕方に着く便に乗って沖縄に向かい、タクシーで妻の泊まるホテルに急ぎましたが、ホテルが近付くにつれ、既に2人の行為が始まっていないか心配になり、着くとすぐにフロントまで走って行って妻の部屋のルームナンバーを尋ねたのですが、妻の部屋どころか決まりだからと言って、ここに泊まっているかどうかさえも教えてもらえません。
急用があると言って、身分証明書代わりに免許証を提示したのですが駄目でした。
ホテルの対応は当然の事かも知れませんが、この時の私は、妻が男と泊まっている為に、トラブルを避けたくて教えないのだと思い込み、暫らく食い下がったのですが結果は同じです。
突然部屋に押し掛けて、言い逃れ出来ないようにするつもりだったのを諦めて、仕方なく電話を掛けたのですが、呼んではいても妻は出ません。
私の計画は大きく狂い、ロビーにあるソフアーに座って今後の対応を考えていたのですが、その時妻がエレベーターから降りてくるのが見えました。
妻はパーカーだけを着ていて白い足を太腿まで晒し、隣にはお揃いのパーカーを着た見覚えのある男が寄り添っています。
(やはり佐々木だ)
私は咄嗟に隠れようと慌てて立ち上がったので余計に目立ってしまい、一瞬佐々木と目が合ってしまったのですが、私がここにいるとは夢にも思っていない佐々木は、私だとは気付きません。
妻もまた何故か恥ずかしそうに終始俯いていて、周囲を見る余裕すらないようでした。
2人は外に出て行ったので後を追うと、ホテルのプライベートビーチは一部きれいにライトアップされていて、何組ものカップルが散歩したり、波打ち際に座って寄り添ったりしているのが見えました。
その時2人は立ち止まり、佐々木はパーカーを脱いだのですが、お腹の出た不恰好な体形に似合わない、競泳用の小さなパンツを穿いています。
しかし妻はパーカーを脱がずにただ俯いていたので、佐々木は妻にも脱ぐように言っているのか、仕切に妻のパーカーを引っ張っていました。
暫らくその状態が続いた後、妻は小さく頷いて脱ぎ始めたのですが、パーカーを脱いだ妻の後ろ姿を見た瞬間、心臓が止まってしまうかと思いました。
それと言うのも、一瞬妻は全裸だと思ったのです。
よく見ると肩甲骨の下辺りと腰の両横に、白く細い紐の結び目が見えるので、何かは着けているようなのですが、後ろから見る限りお尻も丸出しで裸同然なのです。
佐々木は妻が身体を隠せないように脱いだパーカーを奪い取り、恥ずかしそうに俯く妻の手を引いて、更に辱めるかのように何組もカップルがいる方に連れて行き、しばらく辺りを意味も無く歩き回ってから、椰子の木が植わっている暗闇の方に消えて行きました。
  1. 2014/10/30(木) 02:37:50|
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ミコと美子 第9回

私は見失わないように、急いで2人が消えていった方向に行くと、黒い2つの人影が椰子の木の根元で抱き合っていました。
幸い砂地で足音はしないので、思い切って2人の話しが聞き取れそうな所まで近付いて物陰に隠れて覗いたのですが、2人はただ抱き合っているだけではなくて、キスをしていて会話がありません。
妻は多少なりとも拒んだのか、私が見た時も腕を2人の間に入れて、佐々木を引き離すかのように押していたのですが、暫らくするとキスで感じてしまったかのように腕は2人の間から抜け落ちて、身体の横に力無く垂れ下がりました。
すると佐々木は逃がさない様にしっかりと抱き締めていた手を放し、掌で妻の両頬を挟んで強く唇を押し付けたので、妻は苦しいのか仕切に身体をくねらせていましたが、もう逃げようとする仕草ではありません。
次第に妻の身体からは力が抜けて崩れ落ちそうになると、身体とは逆に力なく垂れ下がっていた腕は佐々木の背中まで上がり、力強く抱き付きました。
その間一度も唇が離れる事は無く、いつしか妻の腕は背中から更に上がって首に巻き付き、佐々木に身体を預けてしまうと、佐々木は両手を妻のお尻に持っていって、自分の方へ強く押して下腹部を密着させながら揉んでいました。
そのキスは舌が絡み合って離れなくなったかと思えるほど長く情熱的なもので、私が妻とあのようなキスをしたのは、どのぐらい前だったのでしょう。
いいえ、新婚の時でもこんなキスはした事が無いかも知れません。
私はもっと決定的な場面まで待つつもりが、猛烈な嫉妬心が湧いて耐えられなくなり、2人の前に出て行こうとした時、ようやく佐々木は唇を離して妻を解放しました。
「裸では無いと言っても、こんな薄い物では着けていないのと同じだな。チンポがミコのオマンコに擦れて大きくなってしまった。このままでは人前を歩けないから、一度口で抜いてくれ」
「こんな所では嫌」
「そうか。フェラが嫌ならオマンコに出すしかないな」
「お願い、これ以上恥ずかしい事はさせないで。お部屋に戻ったら何でも言う事を聞きますから。お部屋でなら、どんなに恥ずかしい事でもしますから」
「嫌だと言いながら、本当は恥ずかしい事をされるのが好きだろ?こんな裸同然の姿を見られて、ミコだって感じているのだろ?」
「そんな事はありません。お願い、もう虐めないで」
暗闇に慣れてきた目を凝らしてよく見ると、妻は乳首とオマンコが辛うじて隠れるだけの、白いビキニを着せられています。
「感じていないのが本当なら許してやる。でも、海にも入っていないのに、水着が濡れていたようだぞ。チンポを擦り付けていたら、オマンコの辺りが少し冷たかった」
妻は恥ずかしいのか、佐々木に背を向けてしまいました。
「そんな事・・・ありません」
「そうか?よし、調べてやろう」
佐々木は後から抱きつくと、嫌がって抵抗する妻の水着を上にずらして完全に乳房を露出させ、露になった大きな乳首を摘みながら、下腹部に持って行った手で、水着の上からオマンコを擦っています。
「ほら、感じていないなんて嘘じゃないか。こんなに水着がぐっしょり濡れているぞ。みんなに見られて感じてしまったのだろ?その後オマンコにチンポを擦り付けられたから、中に欲しくなってしまって更に濡らしていたのだろ?正直に言ってみろ!」
「お願いですから、こんな所で恥を掻かせないで。おフェラしますから、もう触らないで」
妻の口からフェラという言葉を初めて聞きました。
息子を育てる過程で、オチンチンと言うのは聞いた事がありますが、その他の性器やセックスに関する言葉は、私が知る限り口にした事は無いのです。
「それにしても凄い濡らしようだな。中なんか蕩けてしまって・・・・・」
ここからではよく分かりませんが、水着の脇から指を入れられたようです。
「いや・・・いや・・・ンー・・・やめて・・・ウンー・・ンー・・・これ以上されたら・・」
「これ以上されたらどうなる?恥ずかしい声が出てしまいそうか?チンポが欲しくて我慢出来なくなるか?」
「ンンー・・・お願い・おフェラで・・・・ンーン・・・お口でしますから・・指を・・・・」
「そんな事を言って、もう欲しくて我慢出来ないのだろ?尻に当たっている硬いのを、オマンコに欲しいのだろ?」
「ンンーン・・・違います・・・・違う・・・違う」
「いくら違うと言っても身体は正直だ。ほら、チンポが欲しくて腰が厭らしく動き出したぞ」
「ダメ・・言わないで・・ダメ・・・ダメ・・・・動かさないで・・・・・」
「意地を張らないで、そろそろ素直になったらどうだ?よし、ミコが正直になれるように協力してやるか」
乳首を摘んでいた手は、乳房全体を荒々しく揉み始め、オマンコを触っていた手の動きが早くなると、私からもはっきり分かるほど、妻の腰は大きく動き出しました。
  1. 2014/10/30(木) 02:39:04|
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ミコと美子 第10回

妻は唇でも噛んで耐えているのか、低い唸り声はしても喘ぎ声は聞こえてきません。
「ンー・・・ンーン・・・ダメ・・・声が出てしまう・・・ンンー・・・」
「指で逝くのか?指よりもチンポで逝きたいだろ?チンポを入れてもらったら気持ちいいぞ~。ミコさえ素直になってチンポを入れて下さいと言えば、すぐに入れてもらえるのだぞ。お願いすれば、この硬いのがもらえるのだぞ。指で良いのか?チンポ欲しいと言ってみろ。チンポ入れて下さいとお願いしてみろ」
「チン・・・・・・・・ダメー」
妻は誘惑に負けそうになりましたが、誰かに見られるかもしれないという羞恥心の方が勝ったようで、急に我に返ったかのように手を振り払うと振り向き、佐々木の下腹部が目の前に来るように膝をつきました。
キスをしていただけだとか、ただ抱き合っていただけだとか言い逃れ出来ないように、決定的な場面を待っていると自分に言い聞かせていましたが、本当はただ見入ってしまって動けなかっただけかも知れません。
その証拠に妻の事を情けなく思いながらも、こんな色気のある妻を初めて見た事で、下半身を硬くしてしまっているのです。
妻は口で済まそうとしていますが、流れからいって佐々木がそれで許すとは思えず、妻もまた、この上佐々木を口で感じてしまえば落ちてしまいそうで、もう少し我慢すればと思いながら、写真を撮るために携帯を出して握り締めたのですが、妻が小さな競泳用のパンツに手を掛けた時、私は咳払いをしてしまいました。
ここまで我慢しながらも、例え口だとしても佐々木の欲望の塊を、妻自らが体内に受け入れようとした瞬間、見るに耐えられなくなってしまったのです。
そうかと言って、下半身を膨らませた惨めな姿で2人の前に出る事も出来ずに、咄嗟に私がとった行動が咳払いだったのです。
「嫌!近くに誰かいる」
「気のせいだ。仮にいたとしても構わないから続けろ」
妻は慌てて立ち上がると佐々木から離れ、水着を直してホテルに向かって小走りに駆け出したのですが、裸同然の格好では暗闇から出る事が出来ません。
佐々木を見ると、ここまで追い込みながら、あと一歩のところで逃げられた事で機嫌が悪く、砂の上に置いてあったパーカーを足で踏みつけていて渡そうとはしません。
「お願い、パーカーを返して。続きはお部屋に帰ったらしますから。今夜は何でも言う事を聞きますから」
「いや、それだけでは許さない。俺に逆らった罰として、部屋に戻ったらもう一泊すると旦那に電話するんだ」
妻は少し考えた後、小さく頷きました。
「例え旦那が駄目だと言っても絶対に帰さない。徹底的に調教してやるから、俺が望んだ事はどんなに恥ずかしい行為でも出来る女になれ。俺の事を思っただけで濡らしてしまう女になれ。帰ってからも俺を思い出して、毎日オナニーしてしまう女になれ。分かったか!」
本心なのか、今の状況から逃げたいだけなのか分かりませんが、妻は黙って大きく頷くと、ようやく返してもらったパーカーの砂を掃って着て、横に並んだ佐々木にお尻を触られながら、その手を掃おうともせずにホテルへ戻って行きました。
私は膨らんだ下半身を両手で押え、早く治まれと念じながらその場に座り込んでしまいましたが、このような所に一人座っている場合ではありません。
ホテルに入ると妻達がエレベーターに乗り込むのが見えたのですが、同じエレベーターに乗って部屋を確認する事も出来ないので、仕方なく何階に止まるか見ていると5階に止まりました。
5階では追い付いて部屋を確認することは無理かも知れないと思いながらも、隣のエレベーターに乗ったのですが、やはり妻達の姿はありません。
部屋を知って最中に乗り込むことは不可能となり、一晩妻達のセックスを想像しながら過すのは耐えられず、一夜を共にしたではなく、一夜を共にしようとしたでも良いと思い、あの状況からしてすぐに始まってしまう可能性が高いと思った私は、妻に電話しようと携帯を手にした時、逆に妻から電話が掛かりました。
「電話してくれたのね。携帯を部屋に置いたままビーチを散歩していたので、気付くのが遅くなってごめんなさい」
「どうした?何だか元気がないな」
「言い難いけれど、もう1泊してきたら駄目かな?」
「駄目も何も、もう1泊して欲しいと思って電話したんだ」
「えっ?どう言う事?」
「実は今、俺も沖縄に来ている。それも美子が泊まっているホテルに向かっていて、もう近くまで来ているんだ。たまには一緒に観光でもしようと思い、仕事を任せて思い切って来てしまった」
「ええっ!」
「黙って部屋まで行ってビックリさせようと思っていたが、よく考えれば多分フロントで聞いても教えてもらえないだろうから、結局ルームナンバーを教えてもらおうと思って電話した。あと15分ぐらいで着くらしいから、ルームナンバーを教えてくれ」
「えっ・・・・ええ・・・またこちらから電話します」
そう言うと一方的に、電話を切ってしまいました。
このホテルは円形の吹き抜けになっていて、その周りに客室があるので全ての部屋が見渡せ、どの部屋のドアが開くのか注意深く見ていると、それから5分も経たない内に吹き抜けを挟んで丁度真向かいの部屋から、大きなバッグを提げた佐々木が出て来ました。
「佐々木さんじゃないですか。これは奇遇ですね」
近付いてきた佐々木に声を掛けると、一瞬状況が理解出来ずに不思議そうな顔をしましたが、すぐに私だと分かって、持っていたバッグを床に落としてしまいました。
「さっきは余りに驚いてしまって、訳も分からず切ってしまってごめんなさい」
「そんな事は構わない。それよりも珍しい人に会ったから、今から一緒に行く」
「誰・・・・・誰なの?」
妻からルームナンバーを知らせる電話が掛かりましたが、当然そこは佐々木が出てきた部屋で、私は佐々木の背中を押しながら、その部屋の前まで行きました。
  1. 2014/10/30(木) 02:40:31|
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ミコと美子 第11回

ドアを開けた妻は私が早かった事に驚きましたが、次の瞬間、私が連れて来たのが佐々木だと知り、何も言えずに固まっています。
「偶然佐々木さんに会ったから、少し話したいと思って来てもらった」
「ええ・・・・・いいですよ・・・・佐々木さん・・昨日は・ご苦労様でした」
「そんな挨拶もまだだったのか?今まで一緒にいたのに」
「いえ・・・・そんな事は・・・・・・」
部屋から出て来たのを見られていると知った佐々木は、妻の言葉を遮るように、ようやく重い口を開きました。
「すみません。私も折角沖縄まで来たのだからもう1泊して行こうと思って、前から泊まってみたかったこのホテルまで来たのですが、あいにく満室だったので諦めて他に行こうとした時、偶然奥様に会いました。それで勧められるまま厚かましく部屋まで押しかけて、お茶を一杯ご馳走になっていたらご主人から電話があって・・・・・・・・。別に疚しい事は無かったのですが、変に誤解されても嫌だと思い、私も奥様も慌ててしまて・・・・・・・・」
佐々木が今まで黙っていたのは、色々な言い訳を考えていたのでしょう。
「そうか、実は俺も嘘をついていた。本当は早くに着いていて、ライトアップされたビーチが余りにきれいなので散歩していた。すると暗闇で中年のカップルがキスしていて、何とそこで良からぬ事を始めてしまい、更に何かしようとしていたので咳払いをしてやった」
妻は泣き出してしまいましたが、佐々木は少しでも罪が軽くなる言い訳を始めます。
「見られてしまったのですね。もう正直に全て話します。昨夜の慰労会で奥様と意気投合してしまい、今夜ここで一緒に泊まる予定でした。こんな事を言っても罪は軽くならないですが、本当に今夜が初めてで、まだセックスはしていません。変な言い方ですが、ご主人が来てくれたお蔭で私も目が覚め、妻を裏切る事にならなくて良かったと、今はホッとしています」
佐々木は頭の回転も速く、口も上手いと思いました。
私を裏切ったのは佐々木ではなくて妻だと分かっていても、妻もこの口に騙されて、上手く言い寄られて関係を持ったのではないかと妻を庇い、妻よりも佐々木を悪者にしようとしている私がいます。
「初めて関係を持つ女に裸同然のビキニを着せて連れ回し、暗闇だと言ってもあんな所で抱き合って指まで入れるか?それに普通初めて関係を持つ女に、徹底的に調教してやるから、俺が望んだ事はどんなに恥ずかしい事でも出来る女になれなんて言えるか?」
「それは・・・・・興奮を高める為の・・・・ただの言葉の遊びで・・・・・・・・・」
「美子もあんな姿を人目に晒して、初めて関係を持つ男なのにあんな所で黙って指まで入れさせて、腰が動くほど感じるのか?フェラしますと言って、跪いてパンツを下げようとするか?2人共この部屋に戻ってからの事を、凄く楽しみにしていたようだから邪魔者は消える。佐々木、俺は帰るから精々明後日までこの淫乱女と楽しめ。その代わり帰ったら、楽しんだ事を忘れるほどの地獄が待っているぞ。帰った翌日に家まで来い。女房を連れて来るのを忘れるな」
「待ってー・・・・行かないで~」
私は振り向きもしないで部屋を出ると携帯の電源を切り、那覇に戻ってホテルに部屋をとりましたが、勢いであのまま2人を残して来た事を後悔していました。
あの後2人は開き直り、本当に楽しんでいるかも知れません。
障害があるほど2人は燃え上がり、今頃激しいセックスをしているかも知れません。
脳裏にネットで見た縛られた妻の姿が次々に浮かび、妻の喘ぎ声までもが聞こえて来るようで、結局眠れたのは明け方になってしまい、チェックアウトぎりぎりの時間に、ホテルの従業員に起こされる始末です。
私は軽いブランチをとった後、気になって恩納村のホテルに戻りましたが、流石にもう1泊するのは諦めたらしく、清掃中の人に尋ねると、新しいお客さんが入ると言われました。
私はキャンセル待ちをして夕方の便で家に戻ると、既に我が家には明かりがついています。
中に入ると、キッチンで家族写真の入った写真盾を両手で握り締めて泣いていた妻は、私に気付いて慌てて床に土下座しましたが、私はそんな妻を無視して寝室に行こうとしました。
「あなた待って。話を聞いて」
「話?離婚の条件か?財産分与と慰謝料を相殺して、お前には何も渡す気はないから、着の身着のままで出て行け!もちろん子供も渡さない。嫌だと言っても今回の事を全て話すつもりだから、お前にはついて行かないだろう。それどころか軽蔑して、一生会いたくないと言い出すかも知れない。何しろ相手は友達の父親だからな。他の話は聞く気が無い。今すぐ出て行ってくれ」
強い事を言いましたが、疲れて寝室でベッドに寝転んでいても、妻の事が気になって眠れるはずがありません。
  1. 2014/10/30(木) 02:41:45|
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ミコと美子 第12回

私は水を飲みに来た振りをしてキッチンに入って行くと、もう涙も枯れてしまって出ないのか、妻は抜け殻のような状態で、じっと写真を見詰めています。
「なんだ、まだいたのか?同じ空気を吸っているだけでも、吐き気がするから早く出て行ってくれよ」
「お願い、許して。もう絶対にしません」
「もう絶対にしない?何をしないと言うんだ?逆に今まで何をしてきた!いつからの付き合いだ!いや、いつから抱かれていた!」
「あなたが来てくれなかったら、抱かれていたかも知れない。沖縄に行ってから、開放的な気分になってしまって・・・・・・どうかしていました。許して下さい」
「間違いないな?もしもまだ嘘をついているようなら、本当に何もかも終わりだ」
「はい・・・・・」
「そうか。それなら面白いものを見せてやろう」
私は妻をパソコンの前に座らせると例のサイトを開いたのですが、ミコの夫の投稿は早くも全て削除されていたので、仕方なく保存してあった写真を見せました。
「この写真をどう思う?これらはみんなミコの夫という男がネットに投稿したもので、日本で、いや世界中で沢山の男が見たものだ」
妻は投稿されていた事は知らなかったらしく、一瞬目を大きく見開いて驚きの表情を浮かべた後、急に立ち上がると走ってキッチンへ行き、包丁を出して手首に当てたので、後を追った私は咄嗟に包丁を持っている方の手首を掴んで取り上げました。
「死なせて~」
おそらく妻は寝不足も重なり、何も考えずに衝動的にこの様な行動に出てしまったのでしょう。
「勘違いするなよ。俺の前で死なれるのが嫌で、落ち着かせようと抱き締めただけだ。許した訳ではないし許す気も無い。死ぬのは勝手だが、今死なれては俺の妻のまま死んだことになるから、死ぬなら離婚が成立してからにしてくれ」
私は妻を殺したいほど憎んでいるはずなのに、落ち着かせようと抱き締めていました。
私が手を下さなくても自分で死のうとしたのを必死に止めていたのです。
妻は少し落ち着くと床に転がっている包丁を見て震え出し、自分のとった行動が余程ショックだったのか、私が離れようとしても両手で私の腕をしっかりと掴んで離しません。
そういう私も今の出来事はショックで妻を無理に引き離すことも出来ず、寝室に連れて行くとベッドに寝かせ、背を向けて黙って座っていました。
「お願い、何でもいいから話をして。罵倒する言葉でも、軽蔑する言葉でもいいから何か話して」
「話を聞く気もないと言ったが、俺も本当は知りたい事がある。何でもいいのなら、今一度死んだつもりで俺の質問に答えろ。」
「ごめんなさい・・・・・・」
「謝るな。一番信頼していた人間に裏切られたのだぞ。謝られても許せるはずが無い。いくら謝っても同じだから、俺の質問にだけ答えろ」
謝らなければ怒れてきますが、謝られても怒りが込み上げてくるのです。
「いつからの関係だ」
「去年の・・暮れからです」
「佐々木の女房はこの事を知っているのか?」
「奥さんは・・・知りません」
「昨夜は俺が部屋を出てから、一晩中抱かれたのか?」
佐々木は今後の事を話し合おうと言ったそうですが、妻は私の後を追ってホテルを飛び出し、既に姿が見えなかったので電話してみると電源が切られていて繋がらず、仕方なく那覇のホテルに一人で泊まったそうです。
「本当か?」
「本当です!ホテルの人に聞いて下さい!」
私は妻がまた衝動的に何か起こさないように、怒りを抑えて淡々と放していましたが、この逆切れにも似た強い言い方に怒りが込み上げ、妻の頬を思い切り張ると、声を荒げていました。
「それなら裸になって見せてみろ!裸で股を開いて見せてみろ。どうした!一晩中奴のチンチンで散々突かれて、赤く爛れてしまっていて見せられないだろ!」
急に豹変した私に驚いた妻は、本当に裸になると両手で顔を隠し、徐々に脚を開いて行きます。
いくら私が言い出した事でも、こんな事の出来る女になった妻の変わりように驚きました。
「何だ、その格好は。佐々木に仕込まれて、こんな事が平気で出来る女になってしまったか」
妻は慌てて脚を閉じましたが、それはそれで気に入りません。
「誰が閉じてもいいと言った!あの後本当に抱かれていないか調べてやるから、膝を立てて大きく開け!」
妻は膝を立てると、これ以上開けないというほど大きく脚を開きました。
  1. 2014/10/30(木) 02:42:43|
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ミコと美子 第13回

これは私の知っている、今までの妻なら考えられない事です。
いくら許して欲しいにしても、こんな恥ずかしい事が出切る女ではありませんでした。
私は妻の足元に回って暫らく眺めていましたが、ここに佐々木が何度も出入りしたかと思うと悔しさで押し潰されそうになり、例え痛がろうとも全て掻き出したい衝動に駆られて、乱暴に指を2本突っ込んでやったのですが、何と中は濡れていて、痛がるどころかヌルッと簡単に指を受け入れてしまいました。
「どうして濡れている!本当に反省しているのか!こんな時に、こんな格好で、何を考えている!もう出て行け!」
「違います。でも・・・・・身体が・・・・・勝手に・・・・・」
その時、偉そうな事を言いながらも、チンチンが硬くなっていく事に気付き、そんな自分が嫌になって妻の脚の間から抜け出すと、頭の後ろで手を組んで仰向けになって寝転びました。
「あなた・・・・・・」
上半身を起こした妻は、私の下半身の変化に気付いたようで、ズボンとパンツを一気に下げると私の機嫌をとるかのように、そっと優しく口に含んできました。
これは許してもらうために、セックスで誤魔化そうとしているのだと思いましたが、愛しそうに咥えていた口の動きも次第に激しくなり、咥えたまま下げたズボンとパンツを抜き取ったかと思うと、私の足を胸の方に折り曲げて、玉を口に含んで舌で転がされた為に、快感から逃げられません。
妻の技は絶妙で、口が玉にあればチンチンは手で刺激され、口がチンチンに戻ると手は玉を刺激するを繰り返していました。
「ウウッ」
妻はその声を聞くと喉の奥まで咥え込み、口の中にいっぱい唾液を溜めて、クチュクチュと大きな音を立てながら更に激しく責め始めたので、妻にこの様なやり方を初めてされた私は、早くも終わりに近付いていました。
しかし、このようなテクニックを佐々木に仕込まれたのは明らかで、このまま妻に逝かされるのは悔しい気持ちもあり、このまま終わりたい気持ちを振り切ると、私の上に跨るように命令していました。
すると妻は、私の気が変わらないようにチンチンを擦って刺激し続けながら跨ると、初めて自らオマンコに収めたのですが、その手馴れた仕草から、私に対しては初めてでも、これも佐々木に仕込まれた事が伺えます。
「ウッ・・ウウッ・・ウッッ」
「まさか感じてなんかいないだろうな?本当に反省しているのか?自分の立場を分かっているのか?ずっと俺を騙して裏切っていたんだぞ。反省の気持ちがあれば、気持ち良くなる余裕などないはずだ。気持ち良くなることは絶対に許さん!一生気持ち良い事や楽しい事は無いと思え。毎日後悔と反省の中だけでだけ生きろ。絶対に感じるな。ましてや逝ったりしたら・・・・・」
「・・・・感じてなんかいません・・・・・感じていないから早く出して・・・早く逝って」
妻は私の上で頭を激しく振りながら、必死に快感と戦っています。
「ウッ・・・お願い・出して・・・出してくれないと・・・・」
「出さないと何だ?やはり感じているのか?何の反省も無いと言う事か」
「違います・・・感じてなんかいません」
私が妻の中に解き放っても、妻は感触を惜しむかのように腰を動かし続けています。
「もう出たから降りろ。重いから早く降りろ」
妻は私から降りるとティッシュをとってオマンコに当て、流れ出る物でシーツを汚さないように左手で押えながら、急速に縮んでいくチンチンを右手で持つと、口に含んで舌で舐めとるようにきれいにしました。
翌日になって、約束通り佐々木はやってきましたが、沖縄の時とは違い何故か堂々としています。
「ご主人。本当に申し訳ない事をしました」
そう言うとバッグから出したお金を、テーブルの上に置きました。
「どのように責任をとらせて貰ったら良いか分からずに、司法書士をしている友人に尋ねたところ。身体の関係が無かったのなら、慰謝料は発生しないと言われました。でもそれでは余りにも申し訳ないので、慰謝料では無くて解決金として20万持って来ました」
俯いていた妻は顔を上げて、全て知られている事を伝えようと佐々木を見たのですが、佐々木はそれに気付きません。
「こんな物は受け取らない」
「そう言わずに受け取って下さい。受け取ってもらわないと、私の気持ちが収まりません。これはお礼も含まれているのです。ご主人が来てくれなかったら、取り返しのつかない事になっていた。私の目を覚まさせてもらって感謝しているのです。さあ、遠慮なさらずに」
佐々木は本当に口の上手い奴です。
あの投稿された写真を見ずに、偶然あのような場面に出くわしただけなら、佐々木の言葉に騙されていたかも知れません。
「そんな物では、気が収まらないと言っているんだよ!散々妻を弄びやがって!」
私が怒鳴ったことで妻が全て話してしまったと思った佐々木は、その時の対策も相談してきたらしく、まだ堂々としていました。
「奥様が何を言ったかは知らないが、私は奥様を抱いてはいない。信じられないなら調停でも裁判でも、何でも受けて立ちます。証拠の写真でもありますか?あるはず無いですよね。あの時が初めてで、私は奥様とセックスはしていないのだから」
「話にならん!明日もう一度、今度は奥さんも連れて来い」
「こんな遠い所まで、また明日出直して来いと?私はもう来ない。今日来たのも善意で来たのだ。もう奥様と二度と関係を持とうなどとは考えないから安心してくれ。もうこれで会う事も無いと思うが、何ら法的責任も無いのに、これ以上言い掛かりをつけるのなら、こちらは弁護士を雇う」
佐々木は立ち上がると、振り向きもしないで出て行こうとしています。
「それなら来なくてもいい。裁判所で会おう。ミコの夫さん」
佐々木は立ち止まり、振り向くと驚いた顔で私を見ました。
「ご主人・・・今何と?」
「ご主人などと呼ばずに、ミコに虜と呼んでくれても良いぞ」
佐々木は顔面蒼白となり、呆然と立ち尽くすだけで言葉も出ないようなので、私はこれから2人をどうするか考えるために、冷静になりたくて隣の部屋に行くと、暫らくして2人の言い争う声が聞こえてきました。
  1. 2014/10/30(木) 02:43:50|
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ミコと美子 第14回

2人の様子が気になって覗くと、中腰になってパソコンを操作している佐々木の腰に、妻が抱き付いていました。
「もうやめて~」
「いいから邪魔するな!」
妻は佐々木をパソコンから引き離そうと必死のようですが、何かを止めさせようとしているにしても、何の抵抗も無く佐々木の身体に抱きつけることに、2人の親密さを感じてしまって良い気はしません。
「痴話喧嘩は、俺にいない所でやってくれないか」
妻が慌てて佐々木から離れると、振り向いた佐々木の顔には余裕の笑みが浮かんでいました。
「ご主人の言っている意味が分からなかったので、何の事か奥様に聞いて勝手に写真を見せてもらったが、パソコンに不慣れなので間違って消してしまった。女の方は写真を見る限り奥様だと俺も思うが、相手の男は顔も写っていないので誰だか分からない。身に覚えがないから俺で無い事は確かだが」
そう言うだろうと、私も最初から分かっていました。
「後からされている写真をよく見たか?顔は写っていなくても、こいつの腰を掴んでいる左手の甲に傷痕があった。どうして出来た傷かは知らんが特徴のある形をしていたから、この男を知っている奴なら見ればすぐに分かる。顔なんか分からなくても、この男は左手親指の付け根から手首に掛けて、比較的大きな傷のある男だ」
佐々木は慌てて左手をポケットに突っ込んで隠しました。
「それと、不慣れだから消してしまったのではなくて、慣れているから削除出来たのだろ?だが残念だったな。ノートパソコンにも保存してあるから、消されても別に構わない。それに最近は便利になって、小さなカードにもこのぐらいの容量のものは楽に入ってしまう。それも2枚あるから、その司法書士さんとやらに1枚持って行って、相談し直してくるか?」
佐々木は観念したのか、その場に土下座しました。
「俺にとって一番憎むべきは妻だから、素直に認めて謝れば大事にはしないつもりでいたが、今までの態度で堪忍袋の緒が切れた。徹底的にやってやるから覚悟しろ。それと明日奥さんを連れて来いと言ったが、これは家族の一大事だから、日を改めてお互いの子供も交えて6人で話し合おう。みんなでこの写真を見ながら」
その言葉に、先に反応したのは妻でした。
「あなた、それだけは許して下さい」
妻はその場に土下座しましたが、佐々木もまた土下座したまま帰ろうとしないので訳を聞くと、養子の上に奥さんは嫉妬深く、知られれば離婚は免れないので、お金で解決させて欲しいとの事でした。
「それは出来ない。俺の家庭だけ無茶苦茶にされて、それで済ませるほど人間が出来ていない。離婚されようが殺されようが俺の知った事か!家から追い出されてもお前は口が上手いから、それを活かせば営業か何か道はあるさ。精々頑張れ。俺に慰謝料を払うために」
佐々木は肩を落として帰っていきました。
佐々木が帰ってからも、妻は息子にだけは話さないでくれと言って、私から離れずに謝り続けていましたが、私は一切取り合いません。
「話されて困るような事を何故した!いくら謝っても許す気は無いし、一切美子の言う事を聞く気も無い。それよりも、美子も仕事を探した方が良いぞ。これからは自分で食べていかなければならないし、佐々木の奥さんに話せば慰謝料を請求される。離婚となれば、結構高いらしいからな」
妻はこの言葉で、離婚が嫌かどうかの感情論だけでなく、その後の現実も悟ったようです。
「許して下さい・・・・許して下さい」
「謝るな!嘘ばかりついてきたお前の口が信用できるか!きちんと離婚が成立するまでは、ここにおいてやろうと思ったが、今度口先だけで謝ったらすぐに出て行け!口で謝るよりも態度で示せ。態度で示した所で、許す気は毛頭無いが」
「ごめ・・・・・・・」
私はこうなった切欠を話させましたが、それは想像もしなかった事でした。
昨年の暮れ、息子の学校で他所の学校を招待して行われた試合が終ってから、近くの料理屋で会合という名のいつもの慰労会があったのですが、この日は忘年会も兼ねていたのでみんな普段よりも酒がすすみ、妻もまた遅くなる事を想定して、近くのホテルに部屋をとっていた気楽さから、勧められるまま飲んで酔ってしまい、意識が戻ったのは佐々木に抱かれた後だった言います。
しかしそれには伏線がありました。
息子の応援に行く前々日に、友人と酒を飲んだ勢いで妻を抱いたのですが、酔っていたので少し濡れてきただけで中に入ってしまい、妻も私もあと少しと言う時にチンチンは元気を無くしてしまったので、妻は一度も逝けずに終わったのです。
酔っていたのが原因かとも思いましたがこんな事は初めてで、このままEDになってしまうのかも知れないと思い、焦った私はその事を試したくて翌日も妻を誘い、また妻を一度も逝かせる事無く繋がり、前日の事を意識し過ぎる余り、やはりあと一歩というところで急速に萎んでしまいました。
それが1ヶ月半振りのセックスだったという事もあり、妻は生殺しの状態で、身体が疼いたまま息子の学校へ向かったのです。
「あの時、美子は平気だと言っていたじゃないか。逆に俺の体を心配してくれただろ」
妻は指ででも最後までして欲しかったのですが、恥かしくて言えなかったと言います。
妻はセックスが好きでないと、私はずっと思い込んでいました。
しかし実際は、30歳を越えた辺りからセックスの良さを知り、35歳を過ぎた辺りからは毎日でも抱いて欲しい気持ちでいたそうです。
しかし皮肉な事に、逆に40歳を過ぎた私は誘う回数が減っていってしまいました。
「どうして言わなかった」
「恥ずかしくて・・・・・・・」
夫婦なのに何が恥ずかしいと思いましたが、よく考えてみれば私も同じです。
毎日でも妻を抱きたかった頃、セックスが好きでない妻を気遣って我慢した事もありました。
セックスは、させてもらっているという気持ちでいました。
オナニーする事に嫌悪感を持っていて、今まで一度もしたことのなかった妻も、流石にこの時は私の鼾が聞こえだすと、自然と手が乳房とクリトリスに行ってしまったそうですが、途中で我に返ってしまい、こんな事をしている自分が恥ずかしくなって最後までは出来ませんでした。
オナニーを途中で止めた事で更に身体は疼いてしまい、妻は悶々とした気持ちのまま家を出ましたが、思い切り試合の応援をした事で発散出来てその事を忘れていたところ、その夜の忘年会でまた思い出してしまったのです。
忘年会ではみんな可也酔っていて、普段話さないようなエッチな話で盛り上がり、服の上から他の奥さんの乳房を触る父親や、ズボンの上から他所の父親のチンチンを掴む母親、中には抱き合ってキスを始める者まで現われて、そんな様子を見ていた妻は、身体の疼きを思い出してしまったそうです。
妻はそんな自分が嫌で、忘れる為にまた勧められるまま酒を飲み、佐々木に送ってやろうと言われた時には、いつも送ってもらっていた意識だけが残っていて、車に乗り込んでしまったところまでは覚えていたのですが、気が付くとそのような事になっていました。
佐々木は最初から、妻を酔わせて抱くつもりだったのでしょう。
それが偶然、酔って更に身体が疼いてしまった、妻の思いと重なってしまったのだと思います。
佐々木が妻を狙っていたのは明らかで、途中から妻の横に座り、一番酒をすすめていたのも佐々木でした。
  1. 2014/10/30(木) 02:45:22|
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ミコと美子 第15回

いつもの妻なら酔って意識が朦朧としていても、一緒にホテルに入る時点で拒否していたかも知れませんが、その日の妻は最初から悶々としていた上に、酔った事で更に身体が疼いてしまい、ホテルに連れ込まれても拒否する事もなく、その疼きを癒して欲しい気持ちが勝ってしまったのでしょう。
「その日は一度抱かれて終わったのか?朝まで一緒だったのなら、それでは済まなかっただろ」
「はい・・・・・・・・」
「2度目には酔いも醒めてきていただろ」
妻は重苦しさで目覚めると、目の前に佐々木の顔がありました。
まだ少し酔いも残っていて、すぐには状況が掴めずに、何故自分の上に佐々木が乗っているのかさえも分かりません。
しかし徐々に意識がはっきりしてくると、宴会が終わると佐々木の車に乗せてもらい、その後誰かとセックスをした記憶が甦り、今の状態から相手は佐々木だとようやく悟ったと言います。
「いやー!」
「急にそんなに大きな声を出すなよ」
「降りて。これは違うの。酔った上での間違いなの」
「間違い?今更そんな事を言うのか?それならさっきの、もっと動いてーと言って、下からも腰を使っていたのは何だったんだ?」
そう言われてみれば、焦らすようなゆっくりした動きが続き、焦れったくなってそのような事を言ってしまった記憶があります。
妻は羞恥心と後悔から、何とか佐々木から逃げようとしましたが、上から押え付けられていて動く事が出来ません。
すると佐々木の腰が動き出し、その時初めてオチンチンを入れられている事に気付きました。
何とか押し退けようとしていた妻も、腰の動きが早くなると不覚にもまた感じ始めてしまい、感じてしまうと逆らう事も出来なくなって、その後一度出して余裕のある佐々木に、何度逝かされても許してもらえず、朝まで色々な体位で責め貫かれたそうです。
この事は百歩譲って、いいえ千歩譲って私が満足させなかったのと酒に酔った事が原因だったとしても、妻を許せるものではありません。
ましてや本当に後悔があるのなら、翌月も抱かれた事は理解に苦しみます。
その時は訳が分からなくなっていたにしても、家に帰ってからは冷静になれたはずです。
多かれ少なかれ、当然罪悪感もあったはずです。
勿論、家族が壊れてしまう可能性も考えたでしょう。
しかし妻はまた関係をもってしまった。
この事はどう説明されても、納得出来るものではありません。
「ホテルを出て彼の車の助手席に乗ると、罪悪感で押し潰されそうになりました。彼が運転しながら、私を何度も喜ばせた事を自慢する度に、取り返しが付かない事をしてしまったと、凄く悔やみました。私が感じている時の様子を詳しく聞かされる度に、車から飛び降りて死んでしまいたくなりました」
「佐々木に送ってもらったのか?」
「先月までずっと・・・家の近くまで」
「本当に罪悪感があったのなら、どうして翌月も抱かれた!その後もどうして関係を続けた!」
妻が言い辛そうに脅されたと言った時、私は写真の存在を思い出しました。
「写真を撮られて、それで脅されたのか?」
「写真を撮られた事は気になっていましたが、直接それで脅された事はありません」
「それなら何で脅された!本当は脅されたなんて嘘で、佐々木にまた抱いて欲しいと思ったのだろ。そんなに佐々木とのセックスは良かったのか?」
「正直に言います。抱かれて凄く感じさせられた事で、終わった直後はその様な気持ちも少しあったかも知れません。でも、二度とあなたを裏切りたくなかった。罪悪感の方が強くて、二度と関係を持つのは嫌でした。何より・・・彼の事は好きではなかったし」
「好きではなかった?好きでもないのに、それ以前も毎回送ってもらったのか?好きでもないのに抱かれたのか?」
「ごめんなさい。彼に抱かれてしまったと分かった時、私自身凄いショックでした。彼の事は好きではないというより、はっきり言って嫌いでした。初めて送ってもらった時から、毎回車の中で卑猥な話をしてきたり、私達夫婦のセックスをしつこく聞いてきたり、時には締まりが良さそうな足首だとか言って、私の身体を批評したりもしました」
佐々木は厭らしい話をするだけで触るなどの行為は無かったために、妻は子供達の関係も考えて、愛想笑いをして聞き流していたそうです。
「そんなに嫌だったのなら、送られるのを断われば良かっただろ」
「何度も断わりました。でも父母会の中での関係を考えると、強くは断われなかったです。それでも一度だけ強く断った事がありますが、その時は遠慮するなと言って、強引に私の手提げバッグを持って行って、車に積んでしまいました」
「どうしてその事を俺に言わなかった」
「言えばあなたは心配すると思ったから。もう応援に行くなと言われると思ったから。卒業まで私さえ我慢すれば、何もかも穏便に済むと思って」
この話が本当だとすれば、佐々木は初めて会った頃から、ずっと機会を狙っていたのかも知れません。
佐々木に抱かれてから翌月の試合が一週間後に迫り、佐々木と顔を合わせなければならない事で悩んでいると、その事を知っているかのように佐々木から携帯に電話がかかり、ホテルを予約したと言われたそうです。
妻は強く断わりましたが、すると佐々木は一夜を共にしたら愛してしまったから、妻を狙っている他の父親が手を出さないように、父母会のみんなに自分の女になったと宣言すると言いました。
「そんなのはただの脅しだ。奴も家族に知られては困るから、誰にも言えないに決まっている」
「いいえ、父母会で噂になっても、あなたや奥さんは一度も出てこないし、遠くに住んでいるから噂は伝わらないと。例え出てくる事があっても、陰で話すだけで直接本人には誰も話さないと」
妻は可愛い格好をしていたので若く見え、父母会の父親連中には結構人気があったようで、お茶を誘ってきた父親も何人かいたそうです。
ただの脅しではなくて、佐々木はそのような妻を落とした事を、自慢したかったのも事実だったかも知れません。
  1. 2014/10/30(木) 02:46:29|
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ミコと美子 第16回

佐々木は関係を秘密にする代わりの条件として、今後も関係を続ける事を要求して来ました。
しかし妻は抱かれた事だけでなく、他にも恥ずかしい秘密を握られていたのです。
「オシッコを漏らした?何処で」
何度逝っても許してもらえず、佐々木に責められ続けた妻は疲れ果てて少し眠ってしまったのですが、心地良い刺激で目が覚めると、佐々木が乳首に吸い付いていました。
妻は寝惚けたような状態で、すぐには状況が飲み込めませんでしたが、徐々に佐々木に抱かれ続けた記憶が甦り、これ以上こんな事はやめなければと思った時には既に感じ始めてしまっていて、口ではやめてと言いながらも逃げる事は出来なかったようです。
拒否する言葉も次第に喘ぎ声に変わり、クリトリスが勃起して顔を覗かせた頃に、佐々木が予め持って来ていたローターを使われました。
妻は今まで味わった事の無い刺激に、自分がどんな醜態を晒してしまうのか怖くなり、今度は必死で逃れようと抵抗したのですが、下半身をしっかり抑え込まれていて逃げられません。
しかし無理やり使われている内に、気持ちとは裏腹に身体はローターの刺激を求めるようになってしまい、こんな物で逝かされる恥ずかしさも逆に刺激になって、終にはホテル中に響き渡るような大きな声を出して果ててしまったのですが、それでもローターによる佐々木の責めは終わりません。
今まで経験した事の無い、自分が分からなくなるほど感じさせてくれたはずの振動も、達したばかりで敏感になっているクリトリスには刺激が強過ぎ、妻は頭の中が真っ白になってしまって訳が分からなくなり、気付いた時には泣き叫びながらオシッコを飛ばしてしまっていたそうです。
すると佐々木は妻が失禁した事を冷やかしながら、濡れたシーツを気にする事も無く、妻に覆い被さって来ました。
妻は怖いほど硬くなっているチンチンで何度も追い込まれながら、クリトリスにはまたローターを使われたので、事が終った時には開いた脚を閉じる気力も残っていません。
佐々木はそんな妻を満足そうに笑みまで浮かべて見ていましたが、バッグから下着とウィッグを出すと、妻の横に放り投げてきました。
「これを着けろ」
妻はその声で我に返り、慌てて足を閉じると両手で身体を隠し、佐々木を見るとデジカメを構えます。
「いやー、やめてー!写真は嫌です」
「絶対に他の者には見せないし、ウィッグを着ければ誰だか分からない。早くその下着を着けないと、生まれたままの姿を撮るぞ」
「お願い、写真は許して」
「なーに、2人だけのただの記念写真だ。そんなに嫌がらなくても、オシッコを漏らす姿まで見せてくれた仲じゃないか」
失禁した恥ずかしい姿を晒してしまった事を言われては、妻は逆らう事が出来ません。
裸よりはましだと思った妻は、結局卑猥な下着を着けさせられ、ポーズまでとらされて写真に納められてしまいました。
佐々木は毎回写真を撮ろうと思っていて、妻が抵抗しないようにソフトなものから慣らしていくつもりだったのでしょう。
そのために写真を脅しに使う事もしませんでした。
「本当に脅されたのか?」
妻が言うには、言う事を聞かなければ関係だけで無く、感じ過ぎて失禁した事も父母会のみんな
に話すと言って脅迫してきたそうです。
しかしその時は、妻もただの脅しだと思って取り合わなかったのですが、次の試合の慰労会が終わりに近付いた頃、佐々木は他の父親を集めて、まるで自慢話のように話し出しました。
「先月抱いた女は凄かった。人妻なのですがこれが凄く淫乱な女で、逝く時の凄い声と言ったら、私の方が恥ずかしくなってしまいました。それに最後はどうなったと思います?何と感じ過ぎて、漏れちゃう~と言いながら、本当にオシッコを漏らしてしまいました」
「それは凄い。感じ過ぎてオシッコを漏らすような淫乱な女がいるとは聞いた事はありますが、私は実際にお目に掛かった事が無い。逆を言えば、それほど女を感じさせて追い込むとは、佐々木さんもやりますなー」
「そんな淫乱な人妻を、どこで見つけたのですか?」
「う~ん、それは言えません。」
「言えないという事は、まさか父母会の中の奥さんだったりして」
この会話を聞いた妻は、これは脅しではなく、佐々木はみんなに知られても人妻を落とした甲斐性のある男という目で見られ、逆に自分は平気で浮気する、だらしない女という目で見られて恥を掻くだけだと感じたのです。
佐々木は女を喜ばせる事に長けた、セックスが上手い男だと自慢になり、逆に自分はオシッコを漏らすほど感じてしまう、淫乱で誰にでも抱かれる軽い女だと蔑まれ、恥ずかしくて父母会どころか学校にも顔は出せなくなってしまい、その上失禁した事まで知られれば、息子まで笑い者になると思ったそうです。
結局妻は予約していたホテルをキャンセルし、佐々木の待っているホテルの部屋に行きました。
「何をしに来た?」
「あんな事をみんなに話すのは、やめて下さい」
「だから何だ?やめて欲しくて抱かれに来たのか?どうした?何とか言えよ」
「・・・・・・・・はい」
「残念だが、その気は無くなったから断わる。これでは、まるで俺が脅して無理やり抱くみたいだ。何も無理に抱かせてもらわなくても、誰が感じ過ぎてオシッコを漏らしてしまったのかを教えてやって、みんなで笑い者にした方が余程楽しい。話されたくないから抱かれてやるのでは無くて、身体が疼いて一人寝は寂しいから、また抱いて欲しくて来たのなら別だが。俺に先月抱かれた事が忘れられなくて、どうしても抱いて欲しいのなら、抱いてやってもいいぞ。どうする?」
自分から抱いて欲しいと言わされる悔しさよりも、みんなに知られる恥ずかしさの方が強く、妻はその言葉を口にしてしまいます。
「抱いて・・・・・・」
「なに!聞こえない」
「抱いて下さい」
「なぜ抱いて欲しい?話されたく無いからか?それとも身体が疼いて仕方ないからか?」
「身体が・・・・・・・・」
「聞こえない!このまま帰っても良いのだぞ」
「身体が疼いて我慢出来ないから抱いて下さい」
妻が一気にそう言うと、それまで不機嫌そうな顔をしていた佐々木は、ようやく満足そうな笑みを浮かべました。
  1. 2014/10/30(木) 02:47:53|
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ミコと美子 第17回

結局妻は、脅されて無理やり抱かれるのではなく、自ら抱いて欲しくて来た形にさせられてしまいました。
「そうか。俺もとんだ淫乱な奥さんに見込まれてしまったものだ。そんなに身体が火照っているなら、このまま帰すのは可哀想だから抱いてやるか。何をしている?見ていてやるから早く服を脱げ。抱いて欲しくて来たのだろ?」
しかし妻は、この様な明るいところでじっと見られていては、恥ずかしくて脱げません。
「脱がせて・・・・・・・」
そう言い掛けると佐々木はまた不機嫌そうな顔になったので、仕方なく妻は自らの手でボタンを外し、言われるままに下着も脱いで、生まれたままの姿を晒していました。
「手を退けないか。疼いて我慢出来ない厭らしい身体をよーく見せてみろ。よし、それでいい。こんな明るいところで、平気で素っ裸になれるような淫乱な奥さんには手加減はしない。今日はローターだけでなく、こんな物も使ってやろう。どうした、嬉しくないのか?」
それは初めて目にする真っ黒なバイブでした。
「嬉しいだろ?と聞いているのが分からんのか!」
更に妻を辱める為に目の前に突き付けて、スイッチを入れると低いモーター音を立ててくねり出しました。
「イヤ・・・・・・・・・嬉しい・です」
妻は逆らえずにそう言ったものの、目の前のグロテスクな黒い塊を見ていると涙が溢れて来ます。
しかしその涙は、また佐々木と関係を持たなければならない悔しさや私への罪悪感から来る涙ではなく、これを使われた時に、どのような姿を晒してしまうのか分からない恐怖心から来る涙でした。
妻はローターで逝かされた後、続けてバイブで逝かされて、最後にはバイブを入れられながら、同時に大きく飛び出したクリトリスにもローターを充てられたところまでは覚えていたのですが、その後の事は覚えていません。
「やっと気が付いたか。それにしても凄い反応だったな。いったい何回逝ったんだ?」
妻はゆっくりと首を横に振りました。
「分からないほど逝けたのか。バイブは初めてか?」
今度はゆっくりと頷きます。
「そうか、バイブ初体験か。さて、続きを始めるとするか」
そう言って、またバイブを手にした佐々木を見た妻の顔は引き攣りました。
「お願い、許して。もうそれは使わないで。もうそれは許して下さい」
「あんなに感じたのに?気持ち良かっただろ?」
「でもいや。もう許して」
妻は自分一人が狂わされる恥ずかしさから逃げたくて、佐々木の硬くそそり立っているチンチンを、恥も外聞も無く掴んでしまいます。
「これを下さい。これにして下さい」
「もう少し遊んでからにしないか?」
佐々木はそう言うと、また妻の目の前に持って来てスイッチを入れたので、バイブから逃れる事しか頭に無かった妻は、口いっぱいにチンチンを含むと必死に舌を動かせました。
「そうか、そんなに俺のチンポが欲しいか」
妻は咥えながら、何度も首を縦に振ります。
「よし、それならそこに寝て足を開け」
しかし妻はやめません。
このまま出してしまえば、これで終わると考えたのです。
「そんなにされると出てしまうぞ。良いのか?そうなると回復するまで、またバイブを使う事になる」
妻は考えの浅かった事を知り、慌てて仰向けに寝ましたが、自ら足を開く事は出来ませんでした。
「足を閉じていては入れられないだろ。分かったぞ。恥ずかしくて言えないだけで、やはりこれが欲しいのだな」
仕方なく足を開きましたが、それだけでは許してくれません。
「もっと開いて両手で持て。そうだ、良い眺めだ。おや?オマンコだけでなくお尻の穴までヒクヒクしているぞ」
「早く。早くして下さい」
「そう焦らずに、もっとよく見せろ」
「いや、見ないで。早くして。恥ずかしいから早くちょうだい」
「早くちょうだい?旦那でもない男に、そんな恥ずかしい事がよく言えるな。やはりそんな悪い奥さんには、もっとこれでお仕置きしてからだ」
佐々木はバイブを持ちました。
「いやー、それはいやー」
「それはいや?何が嫌なんだ?はっきり言わないと分からんぞ」
「バイ・・・・・・・おバイブ・・・・おバイブはいやー」
バイブと言えない妻は、余計厭らしく聞こえるのも分からず、バイブにおの字を付けました。
「そうか。バイブは嫌か。それなら何がいい。何を入れて欲しい?」
「オチンチン、オチンチンにして下さい」
「オチンチン?そんな物は持っていない。もしかして、このチンポの事か?」
「そう。チン・・・・チン・・・・おチンポ・おチンポ入れて下さい」
妻はまた余計卑猥に聞こえるとも知らず、おの字を付けてしまいます。
佐々木はようやく嵌めたのですが、興奮していたのか早く終ってしまい、妻の願いも虚しく、次に回復するまでバイブとローターを使い続けます。
結局夜明けまで妻のオマンコには、佐々木のチンチンかバイブのどちらかが入れられていて、休む事無く感じさせられ続けた妻は、帰りの車の中ではずっと寝息を立てていました。
  1. 2014/10/30(木) 02:49:07|
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ミコと美子 第18回

翌月もホテルに部屋をとったと電話が掛かり、もう終わりにしたいと思ってはいても、他の父母達に知れるのが怖くて、佐々木に逆らう事なく一夜を共にしてしまったそうです。
「俺に対して悪いとは思わなかったのか?」
「思っていました。でも・・・・・・」
妻は私の事よりも、自分の軽率な行動から息子が後ろ指を刺される事を恐れたのでしょう。
この頃には妻の目から涙は消え、思い出して酔っているかのように詳しく話しだしたので、私の脳裏には2人の会話さえも聞こえて来るようでした。
その夜は写真を撮られた後に指や口で延々と責め貫かれ、途中からはローターまで使われて散々逝かされ続けた妻は、疲れ果てて少し眠ってしまったのですが、当然そのまま眠らせてもらえるはずも無く、揺り起こされると腕を掴まれて、重い身体を引き摺るようにバスルームまで連れて行かれ、身体に勢いよく冷たいシャワーを浴びせかけられます。
「キャー、やめて」
「自分だけ散々楽しんで眠ってしまうからだ。俺のこれはどうするつもりだ」
佐々木の下腹部を見ると、それは怖いほど硬くなっていました。
「冷たい・・・もうやめて・・・・」
「だから、これをどうする?」
妻は手を伸ばしてそっと握り、佐々木に目で促されて口に含みました。
最初はゆっくりと口を使っていた妻も、次第に意識がはっきりしてくると、このまま出させてしまえば解放してもらえるかも知れないという思いから、舌まで使って激しく責め始めましたが、佐々木の言葉で動きが止まります。
「もう少しで出そうだぞ。一度出しておいた方が、チンポでじっくりオマンコを虐めてやれるから、もっと激しくしてくれ」
口に出しただけでは満足しないと知った妻は、このまま出させてしまうと次に回復するまで、またオモチャで責め続けられると思い、恥ずかしい決断をしてしまいます。
「口はイヤ!」
「口はイヤ?それはオマンコに入れて欲しいという意味か?」
妻は恥ずかしそうに頷き、佐々木を喜ばせてしまいます。
「そうか、俺のチンポが欲しくなったか。口よりもオマンコに欲しくなったか」
妻は後から抱きついた格好の佐々木に指で悪戯されながらベッドに連れて行かれ、仰向けに寝かされると、大きくなって顔を覗かせてしまっているクリトリスを擦られながら、脚を大きく開くように指示されたので、恥ずかしさからしっかり目を閉じて、おまけに両手で顔まで覆ってゆっくりと脚を開きました。
「そうか。オマンコが寂しかったのか」
しかし妻の中に入ってきたのは、それの感触ではありません。
妻が手を退けて目を開けた瞬間、それは妻の中でうねり出しました。
「イヤー・・・おバイブはイヤー・・・オチンチンにして・・・オチンチン・・入れてー」
「オチンチン?」
「アーン・・・・おチンポ・・・・・おチンポ・入れてー・・・」
「後で嫌と言うほど入れてやるから、そう焦るな。今入れてはすぐに出してしまいそうだから、少し俺の興奮が醒めるまで、暫らくこれで我慢しろ」
結局どう転んでも妻はバイブの餌食になるように仕組まれていて、諦めた妻はこの黒い塊によって、何度も何度も気を遣らされるのでした。
もう自分では脚を閉じられないほど逝かされて、ようやくバイブのうねりが治まったと思ったら、今度は佐々木のチンチンが入って来て妻の中で暴れ回ります。
「もう・・・逝けない・・・許して・・アッ・・アッ・・・イヤー・・・また・・また・・」
「来月俺と逢うまで、もうセックスはしたくないと思うほど逝け。旦那とは出来ないぐらい何度でも逝け」
次から次へと快感に襲われ、何度も何度も逝かされ続けた妻は、いつ佐々木が終わったのかさえも分からずに眠ってしまったのですが、一度出しただけでは満足しない佐々木に身体を揺すられて目が覚めます。
窓を見るとカーテンが開けられ、既に朝日が差し込んでいました。
「一眠りしたから体力も戻っただろ?今日俺は運転しなければならないから、今度はミコがしてくれ」
「ミコ?」
「ああ、名前を付けてやった。今日から俺と逢っている間は美子ではなくてミコだ。美子とは別人のミコだ。その方が旦那に対する罪悪感も少しは軽くなるだろ?」
佐々木に促され、朝日の差し込む明るい部屋で、既に硬くそそり立っている物を口に含まされてしまいます。
「ミコは本当に淫乱だな。チンポを咥えていただけで濡れてきたぞ。もう口はいいから跨って、自分でオマンコに入れてみろ」
「せめてカーテンを閉めて。こんな明るい所では・・・・・・」
しかし佐々木は返事もせずに睨んでいます。
妻は仕方なくチンチンに手を添えると、じっと横たわっているだけの佐々木に跨って、生まれて初めて自ら男を体内に納めていました。
「じっとしていては、いつまでも終わらないぞ。もう一泊していくつもりか?」
「・・ウッ・・どうすればいいか・・・・・ウウッ・・」
「どうするも何も、ミコが気持ちいいように動けばいい」
そう言いながら、結合部の少し上で半分顔を覗かせてしまっているクリトリスを触ってきたので、妻の腰は意思とは関係なく怪しく動き出してしまいました。
「アァァー・・・・いや・・・恥ずかしい・・アーン・・・私だけは・イヤ・・・動いて・・・お願い・・ウウッ・・・一人は・イヤ」
佐々木がクリトリスを触るのをやめても、もう妻の腰は止まりません。
「そんなに腰を動かしていて、今更嫌もないだろ。それにしても良い眺めだぞ。ミコのオマンコが俺のチンポを美味しそうに咥え込んでいるのがよく見える」
「アアーン・・・見ないで・・・見ちゃいやー・・・動て・・・・一人は・イヤ・・・私だけ・・恥を掻くのは・・イヤー」
しかし佐々木は、妻の乱れていく姿を満足そうに下から見ているだけで一切動かず、妻は恥ずかしさで狂いそうになりながらも動きを止められず、完全に顔を出したクリトリスを擦り付けるよ
うな動きを続けて、一人登り詰めてしまいました。
妻が動きを止めて崩れ落ちると、今度は佐々木が下から何度か突き上げ、また感じ出した妻が身体を起こして動き出すと佐々木は動きを止めて、満足そうに笑みを浮かべながらその様子を見ています。
そのような行為を何度か繰り返され、妻は口では嫌だと言いながらも佐々木の前に恥ずかしい姿を晒し続け、ホテル中に響き渡るような大きな声を上げ続けていました。
「少しは我慢することも覚えろ。そんなに逝き続けていては身体がもたないぞ。ほら、早く起き上がって続けろ」
「少し休ませて・・・・・もう・身体が動かない」
「何が動かないものか。そんなに腰を動かしているのに」
妻には動かしている意識は無いのですが、快感を求めて腰が勝手に動いてしまっているのです。
「もう・・許して・・・・・・出して・・・もう出して」
「そんな動きではいつまでも終わらないぞ。出して欲しければこのぐらい動かないと」
「イヤー・・そんなにされたら・・また・・また・・・イヤー・・・・動かないでー」
佐々木は帰りの車の中で、妻の乱れようを詳しく話して聞かせます。
妻は消えて無くなりたいほどの羞恥心の中、関係を持てば持つほど誰にも知られたくない秘密が増えてしまう事を悟るのですが、その事をみんなに話されるのが怖くて関係をやめたいとは言えずに、佐々木との関係を切る方法は、ただ息子の卒業を待つことしかないとしか考えられませんでした。
その後も佐々木の行為はエスカレートしていき、縛られて弄ばれるなど妻の常識では考えられない恥ずかしい行為までさせられてしまいますが、やはり多少は抵抗しても最後には従わざるを得なくなり、結局歓喜の声を上げさせられて佐々木を喜ばせてしまうのです。
「美子は写真を撮られるだけでも濡らす女になってしまったのか?縛られて虐められても感じる女にされてしまったのか?」
「・・・・・ごめんなさい」
「謝るなと言っただろ!」
「嫌だったけれど、感じてしまうの・・・・気持ちは嫌でも・・濡らしてしまうの・・・・」
分かり切っていた事でも妻の答えを聞いて失望し、悔しいはずなのに股間を硬くしているのです。
  1. 2014/10/30(木) 02:50:12|
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ミコと美子 第19回

私にある興奮は、寝取られて興奮しているのに似ていますが、私自身の中ではそれとは少し違うように思っています。
妻が他の男に抱かれるのは耐えられず、ましてや佐々木に二度と抱かせる気は毛頭ありません。
妻を他の男に抱かせてまで、興奮を得ようなどという気持ちは全く無いのです。
しかし、妻の話を聞いて想像していると興奮が有るのは確かで、上手く説明出来ませんが、妻が他の男に感じてしまった寂しさ、裏切られた怒り、妻の裏の顔を見てしまった驚き全てに興奮があり、その興奮は性的興奮に直結してしまいます。
それに妻を困らせ虐めて罰を与えようとしている興奮が加わり、妻の裏切りは小さいものであって欲しいと願いながらも、裏切りが大きいほど怒りと比例して興奮も大きくなっていくのです。
「脅されて関係を続けたような事を言っているが、本当は月一回の行為を心待ちにしていたのではないのか?」
私は否定して欲しくて聞いておきながら、待っている答えはイエスなのです。
「そんな事は絶対に・・・・・・・・・・」
妻はそう言いかけましたが、絶対にの次の言葉は途絶えてしまいました。
「自分に正直になって考えてみろ」
妻は黙り込んでしまいましたが、自分と向き合っているのだと感じた私は、妻の答えを急がずに待ちました。
「最初の頃は・・・嫌でした」
「最初の頃は嫌だったと言う事は、その後は心待ちにしていたと言う事だな。罪悪感から逃れるために、嫌なのに脅されて仕方なくと、自分に都合よく考えるようにしていたのでは無いのか?」
「そんな事・・・そんな事は・・・・・・・・・・・・あっ・・・・・・・・」
今思えば、佐々木に抱かれた後の1ヶ月間は、身体が疼いて毎日でも抱いて欲しいという気持ちは無くなったと言います。
それだけ佐々木との行為は濃いものだったのでしょう。
妻は自分の本心に気付いた瞬間、急に目は虚ろになり、抜け殻のような状態になってしまいました。
これは罪悪感で心が壊れてしまわないように防衛本能が働いて、一時心を何処か他の場所に置いたのかも知れませんが、私にはその場所が、佐々木との甘美な思い出の中に思えてなりません。
妻とは、もう元の夫婦には戻れないと悟りました。
例え私の思い過ごしであっても、そう思ってしまう私がいる限り、以前の夫婦には戻れません。
そうかと言って、私には離婚する勇気もない。
離婚という2文字を脅しに使っていても、今すぐ離婚を決断する気にはなれないのです。
これは、こんな裏切りをされてもまだ愛情があるからなのか、長年連れ添った情なのかは分かりません。
本当は、今の生活を捨てて一人になる勇気が無いだけなのかも知れない。
裏切った妻を憎んでいても、他の男に渡したくない独占欲も確かにあります。
離婚も出来ないが、このまま許す事も出来ない。
私はもがき苦しみ、妻に対しての答えが出せない代わりに、敵意は佐々木へと移っていきました。
その後佐々木からは何の連絡も無く、携帯も通じないのでこのまま逃げる気だと思った私は、私から佐々木の家に出向こうと思っていた矢先、突然佐々木の奥さんが現れました。
奥さんは若い頃は可也の美人だったと思われ、今でも化粧をきちんとしていて綺麗なのですが、目を見ただけで気の強さが伺えます。
ただでさえ気が強そうに見えるのに、この時の奥さんは細く手入れされた眉を吊り上げ、何も言わずに妻の前まで行くと突然右手を振り上げて、思い切り妻の頬を張りました。
「なに、その目は!」
「いいえ・・・・・・すみませんでした」
奥さんの話しだと、佐々木はあの日の帰り道、余程悩んでいたのか赤信号を突っ切って事故を起こし、命に別状は無かったものの、足を複雑骨折してしまって入院しているそうです。
事故を起こした場所を不審に思った奥さんが問い詰めると、最初嘘をついていた佐々木もいずれ知られなら、自分から打ち明けた方が良いと思ったのか、観念して洗い浚い話したそうです。
「私達はすぐに離婚しました。あの人は金遣いが荒くて、次々に高級車を買い換えて乗り回し、毎晩のように飲み歩いていたけれど、養子の辛さもあるだろうと思って許していました。ただ浮気だけは許せなかった。奥さんと付き合うまでも怪しい事はあったけど、仮にそうでも、それらは全て一夜限りのお金で足を開くような汚れた女で、気持ちまでは無いと思って追求せずに我慢していたわ。でも今回は違っていた。毎月のように奥さんと・・・・・・・・・・」
奥さんは妻を睨みながら、テーブルに200万の小切手を置きました。
「こんな物では納得出来ないと思うけど、これで話をつけさせて。あの馬鹿は金遣いが荒くて財産を作るどころか減らしてしまったから財産分与はないし、自分の給料は貯金もしないで湯水のように使っていたから私への慰謝料を払うお金も無いの。でも男ならご主人に対して慰謝料ぐらいは払って、けじめぐらい着けろと言って、このお金だけは貸しました。病院の入院費も私が貸している状態です」
「それでは・・・・・・・」
佐々木は足が治ったら、奥さんのところで働くそうです。
年齢を考えれば就職も難しく、おまけに足は完全には治らないかも知れないので、貸したお金を返してもらうためだと言っていますが、これは長年連れ添った奥さんの温情なのでしょう。
「今後いくら頑張って誠意を見せても復縁は絶対にないし、近くのアパートに住んでもらって、もう一緒に暮らす事も無いけれど、口惜しいかな息子達の父親には変わりないから・・・・・・・」
奥さんは話していてまた怒りが込み上げてきたのか、立ち上がって妻の前に行くと思い出したようにまた頬を張り、手が痛かったのか仕切に振っています。
「あの人が酔わせて関係を持ち、その後も脅していたような状態だったらしいけど、あなたにも非が無かった訳ではないわよね?」
「はい・・・・・・」
「幸せな家庭を壊されて、本当は殺したいほど憎いけれど、あの人の非の方が明らかに大きいからこの2発で忘れてあげるわ。旦那の稼ぎを当てにして、自分は1円のお金も稼げないくせに性欲だけは一人前にあって、酔いに任せて男なら誰にでも股を開くような女から、慰謝料を貰う気もないし」
奥さんは好き放題言って帰っていきましたが、最後まで毅然としていた態度。
終始妻を睨み付けていた鋭い目。
何より私とは違ってぐずぐず考えずに、裏切られたから離婚するという決断の早さ。
そんな奥さんを見ていて、佐々木との家庭内での関係が手にとる様に分かりました。
おそらく家庭内での立場が弱かった佐々木は、自分よりも下の、自分に絶対服従するような存在が欲しかったのでしょう。
  1. 2014/10/30(木) 02:51:17|
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ミコと美子 第20回

奥さんの性格を知っていた佐々木は、離婚という最悪の事態も想像出来たでしょう。
それでも妻との関係を続けたということは、いくらお金で女に言う事を聞かせても、終わってしまえば虚しい気持ちだけが残って満足出来なかったのが、妻を服従させる事が出来た事で有頂天になってしまい、何も考えられなくなってしまったのでしょう。
佐々木がどの様な目に合っても自業自得で、到底許す気にはなれませんでしたが、相手が離婚して無一文になるという罰を受けた以上、妻をどうするかの選択に迫られていました。
「美子は2つの家庭を壊したんだ。相手が離婚した以上、俺達もこのままでは済まない。美子はどの様に責任をとる?」
「何でもしますから、離婚だけは許して下さい」
私は佐々木の奥さんよりも女々しい人間です。
何故なら、妻の答えが分かっていて聞いているのです。
「駄目だ。片親になる息子の気持ちが分かるか?片親になってしまった、佐々木の家の子供の気持ちが分かるか?何でもしますと言っても、どうやって償うつもりだ。そんなものは自己満足で、誰も許しはしない。俺も許せそうもないから本当はすぐに出て言って欲しいが、とり合えず職が決まるまでは、お手伝いとして置いてやっても良いがどうする?」
「お願いします。一生懸命働きます。」
妻は泣き出してしまいましたが、泣きじゃくる妻を見ていて不謹慎にも興奮を覚えていました。
その後は妻に対して何でも命令口調で話し、本当のお手伝いさんになら言えないような厳しい言葉を浴びせ続けていましたが、妻の困る顔を見ると気が安らぐと同時に、不思議な興奮もあるのです。
その興奮は性的興奮にもつながり、その興奮を鎮めるだけのために、妻を道具のように扱っていました。
「よし、もう出すから飲め。一滴も溢さずに飲み込め」
しかし最初の頃は妻を従わせる事で多少なりとも気が休まっていたのですが、暫らくすると、私に絶対に逆らわずに、どの様な惨めな要求にも従う妻が面白く無くなり、以前の笑って暮らしていた頃が懐かしく思えて、妻を虐めれば虐めるほど落ち込んでしまうようになってしまいました。
「俺が眠るまでマッサージをしろ」
妻に腰を揉んでもらっていても、身体は楽になっても少しも嬉しくありません。
以前妻が腰を痛めた時に、毎晩私が腰を揉んであげていたのを思い出しましたが、何度も振り向いてお礼を言う、妻の喜ぶ顔を見ていた時の方が遥かに嬉しかったのです。
そんな事を考えていたら、自然と涙が溢れてきました。
私の涙を見た妻も、腰を揉みながら涙を流しています。
「私は・・・取り返しのつかない事を・・してしまったのですね・・・・沢山の人を不幸にして・・・・何もかも無くしてしまった・・・・・・・」
「ああ・・楽しかった思い出までも・・・・・・・全て」
あの投稿写真を見なければ、すぐには無理でもいつか許せると思ったかも知れません。
沖縄での会話を聞かなければ、もう少し違った解決方法があったのかも知れません。
性的な事は夫婦でも知られたくない事はあり、当然私にも妻に知られたくない秘密はあります。
妻には誠実な夫の振りをしていますが、隣の若奥さんがスカートを穿いて草むしりをしていた時、カーテンに隠れてスカートの中を覗いていた事があります。
近所の奥さんがゴミの整理をしていた時に胸元から乳房が見えたので、手伝う振りをしながら、ずっと覗いていた事もあります。
妻には知られないように細心の注意を払い、ネットを見ながらオナニーする事もあります。
ソープや他の風俗にも興味深々で、行ってみたいくせに妻に知られて軽蔑されるのが怖くて行けませんでした。
私には機会が無かっただけで、素敵な女性から誘われていれば、私が先に浮気していたかも知れません。
いいえ、勇気が無かっただけで、過去に抱いてみたいと思った女性は何人もいます。
そんな女性の乱れる姿を想像しながら、妻を抱いた事もあるのです。
妻に私の心が覗けたなら、もっと前に妻の方から離婚を切り出されていたかも知れません。
その前に、結婚すらしてもらえなかったかも知れないのです。
魅力的な女性が裸でベッドに入ってきたら、私は間違いなく抱いてしまうでしょう。
そこに愛など無くても、私はセックスを楽しむ事が出来るでしょう。
しかし妻は、いくら欲求不満になっても、気が狂いそうなほど身体が疼いていても、決して私以外の男に慰めてもらう事は許されないのです。
私以外の男で濡らしてしまう事すら許せない。
妻は神聖な存在で、どのような理由があろうとも、例え殺されようとも私以外とはセックスなどしてはいけないのです。
これが友人夫婦の話なら、もう一度考えろと言うでしょう。
子供の為に考え直せと言うでしょう。
心と身体は違うと言うかも知れません。
しかし、勝手だと言われようとも、小さな男だと罵られようとも妻だけは別なのです。
マッサージをやめて私の背中で泣く妻に、優しく穏やかに声を掛けました。
「離婚しよう。お互いに楽になる」
「あなた・・・・・・・・・・・はい・・・・・・」
  1. 2014/10/30(木) 02:52:25|
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ミコと美子 最終回

数週間後、新しいスーツを着て、颯爽と出掛ける妻の姿がありました。
離婚届は出していませんが、来年息子の進路が決まり次第、息子に打ち明けてから役所に出そうと決めて、既に2人のサインはしてあります。
それまで妻に一部屋貸して、一緒に暮らしてはいますが一切の生活を別にした、家庭内別居ならぬ、家庭内離婚の状態です。
「今日は仕事が終ってから居酒屋で、遅くなった私の歓迎会をしてくれると言うので遅くなると思います」
「何度も言うが、一々俺に報告はいらない。もう夫婦では無いのだから」
「そうでした・・・・・・ごめんなさい」
妻は私が気になるようでしたが、それ以上に私は妻の事を気にしていました。
妻が休日出勤をすると、職場の男に誘われて自棄になって遊んでいるのではないかと心配なくせに、帰ってくると何も気にしていなかったような振りをしてしまいます。
毎日でも私に抱いて欲しかったという言葉を思い出し、残業で遅くなる度に、本当は誰かに慰めてもらっているのではないかと気が気では無いくせに、帰ってくると寝室から出て行きもせずに顔も合わせません。
しかしこの日、仕事を終えて家に帰ると、久し振りに外で一杯やらないかと友人から誘いの電話が掛かり、私は思わず妻の歓迎会がある居酒屋を指定していました。
私は待ち合わせた時間よりも早く行き、妻の姿を探しましたが何処にもありません。
仕方なく、とり合えずビールを頼んで飲んでいると、この店は二階に座敷があるようで、数人の男女が階段を降りて来ました。
「2人をおいて来ていいの?」
「主任が美子さんに仕事の話があるから、みんな先に帰ってくれと言うのだから仕方が無いだろ」
「あの様子だと、主任は美子さんに気があるな」
「ああ、採用条件は40歳までだと内々に決めていたのを、一目惚れした主任が可也押して採用されたらしいぞ。浮気して奥さんに出て行かれて1年か。離婚も決まったらしいし、丁度寂しくなった頃か?」
「理由は分からないが、美子さんも離婚したのを機会にうちに勤めたらしいから、お互い人肌恋しくなって今夜辺り」
「そんな言い方やめなさいよ。あの主任では美子さんが可哀想だわ。私が戻って連れ出してあげる」
「やめておけ。主任に怨まれるだけだぞ。それに主任だって良いところはあるぞ」
「どこが?」
「慰安旅行の時に見たが、チンポコがデカイ。今夜美子さんは、主任のデカチンで・・・・・・・」
「厭らしいー。いくら酔っていても、そんな下品な話はやめて。美子さんだって、主任は嫌よ」
「分からんぞ。寂しいところに、あのデカチンを入れられたら」
「もう、やめてってば」
私は心穏やかではありませんでした。
暫らくして2人が階段を降りてきたので私が顔を隠すと、妻は私に気付かずに横を通り過ぎていきます。
「美子さん、いいだろ?もう少しだけ付き合ってくれよ」
太った男は仕切に妻の腰を抱こうとしますが、妻はその手を必死に払い除けています。
妻が出て行ってから入れ替わるようにして友人が入って来て、1時間ほど一緒に飲んでいたのですが落ち着かず、急用を思い出したと言って帰りましたが、友人と何を話したのかさえ覚えていません。
家に着くと妻の姿はなく、私は冷蔵庫からビールを出して、またキッチンで飲み始めていましたが、一本飲み終わっても帰ってはこずに、私は酔って眠ってしまいました。
「あなた、起きて。こんな所で眠ったら風邪をひきます」
妻の声で目が覚めて時計を見ると、1時間も眠ってしまっていたようです。
「楽しかったか?こんなに遅くなったぐらいだから、楽しかったよな」
お互い干渉しない約束でしたが、私は酔いに任せて嫌味を言っていました。
「ごめんなさい。みんな良い人達ばかりで、盛り上がってしまって帰してもらえなくて」
「みんな?主任はの間違えじゃないのか?シャワーを浴びてくる」
洗い場に座り込んでシャワーを浴びていましたが、あの太った男に抱かれている、妻の姿ばかりが浮かんで来ます。
デカチンという言葉が頭から離れずに、ネットで見たビール瓶のような大きなチンチンを、顎が外れそうなほど大きく開けた口に、無理矢理入れられている妻の姿が浮かんで来ます。
思い余って裸のまま風呂を飛び出すと、不安そうな顔で座っていた妻の手を掴んで寝室に連れて行き、乱暴に服を脱がせてベッドに押し倒して妻の脚の間に座って、何処かに痕跡が残っていないか、オマンコを覗き込んでいました。
「主任のチンチンはデカかったか?抱かれたのは今日で何度目だ?今日は何回逝かされた?」
「主任とその様な関係はありません。主任に抱かれてなんかいません」
「もう俺とは関係無いのだから嘘をつくな。それなら、どおしてみんなといたと嘘をつく。みんなを先に帰して、その後ホテルに行ったのだろ」
「違います。スナックに付き合わされてカラオケでデュエットさせられましたが、それだけで帰って来ました。嘘をついたのは、あなたに疑われたくなかったから」
「頼むから本当の事を言ってくれ。あの主任がそれだけで済ませるはずがない」
「正直に言います。デュエットさせられている時、嫌だったけれど肩を抱かれました。その後何度もホテルに誘われました。でも断わって帰って来ました。本当です」
私は目の前のオマンコに吸い付いて、唾液で濡らすように舐め回してから、妻の中に入れて覆い被さっていました。
「どうして泣いている?俺に抱かれるのがそんなに辛いか?」
「違います。私嬉しいの」
「何が嬉しい?」
「あなたが焼餅を焼いてくれたから。まだ私の事を思ってくれていたから」
「馬鹿を言え。もう夫婦ではないが、これ以上息子の顔をまともに見られない母親になって欲しく無かっただけだ」
その時妻は、下から腰を使い出しました。
「大事な話をしている時に、何で腰を動かしている。この淫乱が」
「淫乱な女でいい。もう、あなたに何と思われてもいい。あなたには何を言われてもいい。私はあなたで感じたい。今あなたに感じさせて欲しい。あなたのオチンチンでいっぱい逝きたい」
「嘘をつけ。だれのチンチンでもいいくせに」
私も妻の動きに合わせて、腰を動かし始めていました。
その後は妻に仕事を辞めさせ、毎晩のように妻を抱き、一緒に旅行もしましたが離婚をやめた訳ではありません。
離婚届もそのままで、依然息子の進路が決まり次第提出することになったままです。
ただ、その時が来ても本当に離婚届を提出するかどうかは怪しくなってきました。
妻がまた浮気をしてしまわない限り、離婚届けを出す事は、私には出来そうもないからです。
  1. 2014/10/30(木) 02:54:21|
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