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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

待っていてくれる紗代 第2回

俺は今まで、あの時は携帯を何気なく見てしまったと思い込んでいたが、本当にそうだったのだろうか。
浮気が発覚する半年ほど前から、紗代の様子が変だと気付いていたような気がする。
そうだ。紗代だけを見てきた俺には分かっていたんだ。
紗代に限って浮気するなんて有り得ないと自分に言い聞かせながらも、本当は心配で仕方がなかったんだ。
真実を知る勇気が無かっただけで、食欲も落ちて体重まで減っていた。
紗代が会社の慰安旅行だと言った時も、実は何か様子が変だと感じていた。
それなのに俺は、その事から目を背けてしまう。
凄く怖くて、ずっと脅えていたような気がする。
不信感を抱いていたはずなのに優しく理解のある夫を演じてしまい、笑顔で送り出してしまった俺。
そう考えると、やはり俺は故意に紗代の携帯を覗いたんだ。
耐えられなくなって、紗代の携帯を覗けるチャンスをずっと伺っていたんだ。
「このような事をしてしまった私には、何も言う資格などありません。全てあなたに従います」
どうして素直な女になった。
どうして捨てないでと縋りつかなかった。
泣いて騒いで狂ったふりでもしてくれなければ、男のプライドが邪魔をして、許すなどとは言えなくなるじゃないか。
「私のような女と一緒にいては、あなたは幸せになれない。私のような酷い女と」
後で思えば、これは紗代の本心だったと分かるのだが、その時の俺は悪い方に受け取ってしまった。
紗代は俺と別れて、半年前に女房を亡くした奴と一緒になりたいのだと。
奴と再婚すれば、小さい会社ながらも社長婦人。
俺といてお金や時間に追われた生活などしなくても、お金もあれば昼間からホテルに行けるほど自由な時間もある。
奴とのセックスは良かったか?
二人で仕事を抜け出して、週に三日もホテルに行っていた紗代。
理由はどうであれ奴を体内に受け入れていた時間は、奴のセックスの虜になっていたのは事実だろ。
新婚当時は毎日していたセックスも、その頃には月に一度か二度まで減っていた。
身体の繋がりよりも心の繋がりを重視して、セックスをして眠るよりも、手を繋いで眠るほうが安らげた。
それが浮気の原因だとは思いたくないが、全く関係が無いとも思えない。
だから俺は発覚してからは毎晩紗代を裸にしたが、罵るだけで抱かなかった。
でもあれは抱かなかったのではなくて、抱きたくても抱けなかったんだ。
奴の匂いを消したくて、紗代の中を俺の体内から出る物で一杯にしたかったが、身体が言う事を利かなかったんだ。
俺の自慢の紗代の大きな乳房が、奴の上で波打つ光景が浮かんでしまう。
少し肉はついてしまったが、まだまだ括れている腰が奴の上で円を描くように、怪しく動く様子まで見えてくる。
しかし俺達には歴史があるからセックスなど出来なくても、いつかはまた元の夫婦に戻れると思った。
セックスなど出来なくても、長い年月で培った心の繋がりは切れてはいないと信じていた。
奴とは今後一切連絡は取らないと誓約書を交わし、仕事も辞めて実質奴とは会えなくなった紗代を、一応これで取り戻せたような気になっていたが、あっさりと慰謝料を支払った奴の反撃が始まる。
奴に一応制裁を加えたつもりでいたので、後は紗代と俺との問題だけだと思っていたが、奴にとって百万などは、おそらく一ヶ月の飲み代ぐらいにしか思っていなかったのだろう。
ワンマン社長の奴には社会的制裁も加えられず、お金など何の制裁にもなっていなかった事を知る。
結局何の痛みも被らなかった奴は、俺が紗代を抱けなくなった事を知っているかのように、その事をあざ笑うかのような反撃を仕掛けてきた。
本当は奴から、毎日のように手紙が届いていたんだ。
俺宛に、得意先を装うような架空の会社名で届いていたから、紗代は気が付かなかっただろ?
奴はそこまで紗代に未練があったのか。
あれだけの財力があれば、いくらもうすぐ還暦だと言っても、もっと若くて美人の女を抱けただろうに。
紗代の事が、本当に好きだったとでも言いたかったのか。
セックスが目的ではなく、セックスは紗代を繋ぎ止めておくための手段だったと言いたかったのか。
これは俺と紗代との仲を引き裂くための手紙だと分かっていても、俺の知らない紗代を知りたくて読まずにはいられなかった。
そこに書かれていた事は、全てが真実では無いと分かっていても、読めば悔しさで息苦しくなってくる。
だから封も開けずに握り潰し、ゴミ箱に捨てた事も何度かある。
しかし結局はそれを拾って読んでしまう。
そこには奴と紗代とのセックスが、毎回赤裸々に綴られていたから。
やはり書かれていた内容が全て事実だとは思わなかったが、それを読むと紗代の息遣いまで聞こえて来るような気がした。
最初関係を結んだ日、紗代は休日に出勤を命じられて誰もいないオフィースで後ろから抱きつかれ、首筋にキスをされても全く抵抗しなかったと書いてあった。
信頼していた奴の豹変振りと、恐怖に身がすくんでしまって動けなかったのだと思いたかったが、奴によれば紗代が抵抗しなかったのは、紗代も奴に抱かれる事をずっと望んでいたからだそうだ。
その後来客用の狭い応接室に連れて行かれ、ソファーに座った奴の膝の上に乗せられて、首を後ろに捻って熱い口付けを交わす紗代。
キスをされながら制服のボタンを外されて、ブラウスを全開にされてブラジャーを押し上げられ、奴に乳首を摘まれて大きな乳房を揉まれる。
やがて奴の手は下に下がり、タイトスカートの中に潜り込む。
すると紗代のそこは既に蜜を溜め込んでいて、少し触っただけで大量に外に流れ出し、真っ白なパンティーだけでは吸収しきれずに、パンストを通してスカートにまでも染みをつくってしまう。
蜜の多さに気を良くした奴はタイトスカートをたくし上げ、紗代の足が自由に開くようにしてから自分の膝を目一杯開く。
そのような事をされては膝の両側に置かれた紗代の足はそれ以上に開いてしまい、奴はパンストの中に手を突っ込んで、開いて触りやすくなった紗代の俺だけの秘密の場所を思う存分指で弄ぶ。
“下着の上からだけで直には触ってもいないのに、紗代はそれだけで二度も達してしまいましたよ”
奴によると二度も達した紗代は目付きも変わり、普段の清楚な紗代とは別人のようになって自ら奴の硬くなり掛けていた物を口に含み、十分に硬くなったところで勝手に跨ってきて腰を使っていたと書いてあった。
それでまた独り勝手に達してしまった紗代は、今度はソファーに手をつかされて、お尻の穴までも晒した獣の交わりのような格好で責められる。
そして最後は上から押さえつけられた格好で終わるというフルコースを味わって、普段の声よりも1オクターブも高い可愛い声を上げ続けながら、この日最大の絶頂を迎えてしまった。
  1. 2014/08/05(火) 18:43:57|
  2. 待っていてくれる紗代・呑助
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待っていてくれる紗代 第3回

その後はちょくちょく仕事中に連れ出され、ホテルに連れて行かれては気が遠くなるほどの快感を与えられ続けていた紗代。
その間に紗代は、俺でさえ現物は見た事の無いような玩具による快感まで教え込まれ、最初は怖がっていたが発覚する頃には見せられただけでも、それによって与えられる快感を期待して濡らしていたと奴は自慢げに書いてきた。
社内では次第に紗代と奴との仲は公然のものとなり、仕入先の担当者などは奴を喜ばせるために、紗代の事を奥様とまで呼んでいた者もいたそうだな。
紗代の身体を自由にされ、俺が教えてやれなかった快感まで教え込まれたことも悔しかったが、俺には奴の奥さんのように扱われていた事の方が重く圧し掛かり、経験した事の無いような猛烈な嫉妬で気が狂いそうになっていた。
紗代は俺の妻で、それ以外の何者でも無い。
しかし一歩家を出れば奴の妻で、夫である奴の性欲処理という、妻としての務めまで果たしていたのか。
しかしこれらは全て奴の一方的な告白で、紗代に限ってそこまでは酷くなかったと信じたかったが、どちらにしても半年の間、俺とよりも遥かに多く奴とセックスをし、俺とでは得られなかったような快感を与えられ続けていたのは事実だと落ち込む。
気持ちまでは奴の妻にはなっていないと信じようとしたが、身体は完全に奴の妻になっていたと失望してしまった。
その時も紗代は反論しなかったよな。
どうして何も言わずにただ謝った。
俺はあくまでも勝手な想像だと言って話したのだから、全て否定すれば良かったんだ。
本当は奴の手紙による告白だったから、紗代が否定しても信じられなかったかも知れないが、紗代が否定してくれたなら俺は無理にでもそれを信じたぞ。
ところが反論しない事で、やはり全て事実だったのだと落胆してしまったじゃないか。
だから俺は手紙を読む度に、手紙の事は告げずに紗代を責めた。
その後は最愛の紗代に右手まで振り上げて、徐々に俺は奴の術中に嵌っていった。
そして終に、決定的な手紙が届く。
それは会社の慰安旅行だと嘘を吐いて、奴と泊まった旅館での話が書かれていたが、同封されていた紗代が眠った隙に撮られた写真を見た時に、俺は紗代との別れを余儀なくされた。
旅館の台帳に奴の名字を書いた紗代。
夫婦でも無いのに家族風呂に入り、幼い子供を洗ってやるかのように奴の身体の隅々まで洗ってやった紗代。
しかし子供を洗ってやるのとは大きく違い、大事な部分は特に念入りに洗うように言われる。
“私が「これが紗代を気持ち良くしてくれるのだから、感謝の気持ちを込めて洗いなさい」と言うと、紗代は「今夜はいっぱい気持ち良くしてね」と言って大事そうに両手で洗い、泡を洗い流すと我慢出来なくなって口に含んできたぞ”
それが終わると今度は攻守交替し、奴が紗代の身体を隅々まで洗う。
“中は特に念入りに、指を入れて洗ってやったが、私の太いチンポに馴染んでしまっていた紗代は「一本だけでは寂しいです」と言って腰を振ってお強請りしたぞ”
広くは無い風呂の中には紗代の卑猥な声だけが響き渡り、奴に命令されて湯船の縁に手をついて、奴に向かって白いお尻を突き出す紗代。
奴と紗代のセックスは、したくなったらいつでもどこでも自由に出来た。
それは避妊などしていなかったから。
“私が「欲しいのならお尻を振ってお願いしなさい」と言うと、紗代は素直に尻を振って催促した。しかしそれでも入れてやらないでおくと、自分の指で開いて「早くオチンポ入れて下さい」だと”
奴はそのような格好でお強請りしろと命令しておきながら、お尻を振って催促する紗代を焦らして喜んでいたのか。
さぞかし惨めだっただろ?
死にたいほど恥ずかしかっただろ?
しかし奴が入って着た時、じっとしている奴に痺れを切らして、先に動き始めたのは紗代だったそうだな。
毎回身体の奥深くに奴を受け入れさせられていたが、お互いの年齢からか幸い妊娠はしなかった。
しかし奴の分身が紗代の分身と結びつこうと、毎回紗代のお腹の中で動き回っていたかと思うと吐き気がする。
旅館の豪華な料理には、鰻や山芋の料理もついていただろ?
それらは特別に頼んだ料理だったと自慢していた。
あれは紗代を朝まで責めるために、奴が体力をつけようと頼んでおいた料理だったと知っていたか?
鰻が利いたかどうかは分からないが、夜通し責め貫かれた浴衣姿の紗代。
そして朝日が昇る頃には、紗代の手首には浴衣の紐が巻かれていた。
“感じ過ぎるのか「もう出来ない。許して」と言って暴れたので縛ったら、縛られて余計に興奮したのか涎まで垂らしていたよ”
その行為がどれだけ激しかったかは“まさかこの歳で、一晩に四回も射精してしまうとは思っていなかった。でも紗代はもっと凄かったぞ。仲居さんはシーツを見て、オネショをしたのかと思っただろうな”と奴が書いていた事からも想像出来、朝日の差し込む明るい部屋で、紗代は写真を撮られている事など全く気付かないほど、精根使い果たして死んだように眠ってしまう。
  1. 2014/08/05(火) 18:46:07|
  2. 待っていてくれる紗代・呑助
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待っていてくれる紗代 第4回

その時撮られた写真が二枚同封されていたのだが、一枚は下半身にピントを合わせてある写真で、奴の形に大きく口を開けたままのそこからは、白い液体が流れ出していた。
当然それもショックには違いなかったが、俺が紗代との別れを決断したのは上半身が撮られた写真の方だ。
その顔はいかにも満足げで、奴との行為でどれほど深く達したかを物語っていた。
それを見た時、俺の気持ちは大きく離婚に傾く。
別れる事が最善かどうなのかなど、考える余裕も無いほど紗代の寝顔は満足そうで、まるで眠りながら微笑んでいるかのようだった。
「別れよう」
その短い言葉を聞いた紗代は泣き崩れたが、どうして離婚だけは許して欲しいと言わなかった。
すんなり離婚を受け入れて、離婚届を一緒に提出しに行った日に、少な目の財産分与から更に慰謝料を引いた額の、アパートを借りれば当面の生活費ほどしか残らないお金だけを持って出て行ってしまった紗代。
その時俺はすぐに紗代は帰ってきて、復縁出来ると思っていたからあんな条件を承諾したんだ。
そうでなければ慰謝料なんて貰う気も無かったし、紗代が生活出来るように全てを置いて俺が出て行っていた。
何故俺が復縁出切ると思ったか分かるか?
それは紗代との最後の夜。
やはりセックスまでは出来なかったが、二人とも泣きながら裸で抱き合って眠っただろ。
「長い間、世話になったな」
「もう一度あなたが好きになってくれるように、いつかあなたに迎えに来てもらえるように、生まれ変わったつもりで一から頑張ります」
その時俺は、出て行くなと言いたかった。
独りで頑張らなくても、また二人で頑張ろうと言いたかった。
しかしそれを、あの写真の寝顔が邪魔をした。
「俺が迎えに行かなくても、十分反省したら帰って来い。復縁までは分からないが、ここに住むぐらいは許してやる」
復縁は分からないと言ったが、あれは俺の意地だったんだ。
帰ってくれば復縁するつもりでいた。
「もう一度あなたに愛してもらいたい。もう一度あなたと・・・・・」
紗代のこの言葉で、俺は復縁出来ると確信した。
しかし女が独りで生きて行く事の大変さを知った時、紗代は楽な方へ流されてしまう。
俺も意地になって連絡もしなかったが、一向に帰って来ない紗代が心配になって、離婚してから半年が経った頃、初めて紗代のアパートを訪ねてみた。
すると紗代はポロポーズした時にも見せなかったような、凄く嬉しそうな顔をしてくれたよな。
目から大粒の嬉し涙をポロポロ溢してくれて。
向かい合って座った二人に会話は無かったが、それでも俺には十分だった。
心の中で紗代を強く抱き締めた。
しかし紗代はお茶を煎れてくれると言って立ち上がり、暗くなった狭いベランダに目をやった途端、急に表情が曇って固まってしまう。
俺も釣られて外に目をやると、そこには人目につかない夜にしか干せないような洗濯物。
それはまるで街に立って男を誘う娼婦が身に着けるような派手な下着で、それを見た瞬間に俺は全てを悟った。
部屋に入った瞬間に違和感を覚えた、紗代の収入には似つかわしくない、小さいながらも当時は高価だった液晶のテレビが置いてあった訳も。
  1. 2014/08/05(火) 18:47:02|
  2. 待っていてくれる紗代・呑助
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待っていてくれる紗代 第5回

俺が何も言わずに立ち上がり、部屋を出てドアを閉めた途端、中から紗代の呻くような泣き声が聞こえてきた。
俺を見た時の喜びようからも、紗代が奴を愛しているとは思わなかったし、紗代から奴に連絡して、アパートを教えたとも思えなかった。
おそらく何らかの方法で住処を見つけた奴が、何度も押し掛けて来たのだろう。
近所迷惑になるぐらい、何度もドアを叩いて大声を出したのだろ?
しかし紗代もただの弱い女だった。
奴に強引に抱き締められた時、寂しさと将来の不安から、結局負けてしまったのか。
俺は車のドアを閉めるや否や叫んでいた。
「苦しければ、どうして俺に縋らなかった!寂しければ、どうして俺に抱き付きに来なかった!」
それから更に半年が過ぎ、まだ紗代を忘れられずに寂しい夜を過ごしていた俺に、紗代は電話して来てくれたよな。
「突然電話してごめんなさい」
「どうした?」
「あなたの声を聞きたかったの」
「そうか・・・・・・・・・・・・・じゃあ」
俺はただそれだけ言って受話器を置いてしまったが、本当は凄く嬉しかったんだ。
そしてそれと同時に紗代の寂しそうな声が耳から離れず、何をしていてもずっと気になっていた。
それで一週間考えて、紗代のアパートに行ってみたが紗代はいない。
次の日もその次の日も行ってみたが紗代に会えず、車に乗り込もうとした時に、隣の部屋から若い娘が飛び出してきて声を掛けてくれた。
「昨日も来たよね。もしかしたら、おばちゃんの別れた旦那さん?」
「そうだけど」
「おばちゃんが、優しい目をした人だと言っていたからそうだと思った。おばちゃんなら胃潰瘍で入院したよ。凄く世話になったから一昨日お見舞いに行って来たけれど、元気そうだったから心配ないみたい。でも行ってあげて。おばちゃんは今でもおじさんの事が好きなんだよ。おばちゃんはいつも言っていたもの。私は酷い女で自慢出切る物は一つもないけれど、主人のような素敵な男性と結婚していた事が唯一の自慢だって」
どうしてあんな状態になるまで我慢していた。
我慢する事が償いとでも思っていたのか?
痛みに耐える事が神から与えられた罰とでも思っていたのか?
「奴は見舞いに来るか?」
「来ません・・・・・・・半年前から会っていないから」
前回俺がアパートを訪ねてから、奴とは会わなくなったのだ。
「入院費用はどうしている?」
「実家の兄に無理を言って」
「手術の日は誰か来てくれるのか?」
「義姉さんが来てくれると言ってくれたけれど、独りで大丈夫ですと断わりました」
どこまで自分を追い込む。
俺はそのような事を望んではいない。
「会社を休んで俺が付き添う。いいな」
紗代の病室には花が無い。
花が大好きだった紗代の病室に、一輪の花も無い。
もう紗代とは夫婦でもないのに、そのような細かなところまで気に掛かる。
結局俺が入院費用と手術代を支払った時、紗代は仕切に悪がっていたが、俺は退院した紗代を家に連れて帰れる事が何より嬉しかった。
  1. 2014/08/05(火) 18:48:07|
  2. 待っていてくれる紗代・呑助
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待っていてくれる紗代 最終回

その後の紗代は俺が聞いてもいないのに、何かに取り憑かれたかのように何でも話してくれた。
それは俺の知らない紗代の幼い日の出来事から、忘れたかった奴との関係の真実まで。
奴との切欠は、頼みたい仕事があるから休日出勤してくれと騙されて、オフィースで無理やり犯された事。
ダンボール箱に隠してあった、その時に着ていた制服を見せてくれたが、それは抵抗の凄まじさを物語るかのようにブラウスは破れ、ボタンは全て千切れ飛んで無くなっていて、タイトスカートのファスナーも壊れて使い物にならなくなっていた。
その後は奴がその事を俺にばらすと脅して、逆らえなくなった紗代を夫婦気取りで連れ回す。
「どうして言ってくれなかった」
紗代は俯いてしまったが、これは愚問だったと反省する。
紗代は言えなかったんだよな。
言えるような内容なら、とうに話してくれていた。
私に言えないような酷い扱いをされていたのは明白で、俺はその話題から逃げようとしたが、顔を上げた紗代はどうして言えなかったかを話し出す。
犯されながらも奴の目の前で何度も達してしまい、最後はもう許して欲しくて、奴に命じられるままに「中に出して」と言わされてしまう。
そして終わって欲しいばかりに言ったその一言が、更に妻を追い込んでしまってその後もその事で脅されて、ホテルに連れて行かれると最初は嫌だと拒んでいても、結局は感じさせられてしまって、また恥ずかしいお願いをさせられてしまう。
「世界中の誰に知られても構わないと思いました。ただ、あなたにだけは知られたくなかった。あんな事をされても感じてしまい、あんな恥ずかしい言葉を何度も言わされていた私を」
どのように知ったのか俺達が離婚した事を知ると、奴は調査費用など何とも思わず、興信所を使って紗代の暮らしていたアパートを探し出す。
「紗代が満足そうに眠っている間に撮った写真がある。調べたところによると、旦那は相当往生際が悪いようで、まだ紗代に未練が有るようだから諦めがつくように、これを送ってやって俺が止めを刺してやる」
奴は知っていた。
俺がまだ紗代を愛していて、紗代もまた俺を愛していたのを。
そして紗代は知らなかった。
俺が既にその写真を見てしまっていた事を。
紗代には言わなかったが、それを聞いた俺は奴を殺したいと思い、ナイフを忍ばせて一度奴の会社に行ったんだぞ。
すると奴はその二ヶ月前にクモ膜下出血で倒れ、意識が無くてずっと危篤状態が続いていると言われた。
他人の不幸を喜んだ事はないが、その時ばかりはこれは天罰だと喜んだ。
このまま死んでしまえとさえ思った。
俺が手を下さなくても、悪い奴には天罰が下ると神に感謝した。
しかしその天罰は、最初無理やり犯されたにも拘らず、そのあと快感を貪ったからか最愛の紗代にも下ってしまう。
紗代と過ごした退院してからの四ヵ月の間、新婚当時に戻ったかのように幸せだった。
人生の中で、一番幸せな時間だったかも知れない。
どうして本当の病名を教えてくれなかった。
いや、あれだけ痩せてしまっていたのに、どうして俺は気付かなかったのだろう。
紗代とまた一緒に暮らせる喜びで舞い上がっていた俺は、紗代の身体の中でそのような事が起きていたとは夢にも思わなかった。
変な意地を張って、半年も連絡をしなかった事が悔やまれる。
いくら紗代との約束だったにしても、娘達にアパートを教えなかった事が悔やまれる。
あの時厭らしい下着を見ても、なぜ強引に連れ帰らなかったのだと悔やまれる。
そうしていれば、こんな手遅れになるまで放っておかなかった。
そして何より悔やまれるのが、強引にでも籍を入れなかった事だ。
再入院してからの紗代は早かった。
「今からでも籍を入れよう」
「ううん。こんな女と、二度も結婚しては駄目」
顔では必死に笑顔を作っていたが、余程痛いのか額には脂汗を掻いていた。
どんなに痛くても、俺の前では最後まで笑顔でいてくれた紗代。
「夢を見ているみたい。あなたの腕の中で死ねるなんて、こんな幸せな事は無いわ」
激痛に耐えながら、笑顔でそんな事を言うなよ。
辛ければ辛い顔をして、我侭を言って欲しかった。
だってそれが夫婦だろ。
それは籍が入っていなかったからなのか?
その時の俺達には、そんな紙切れ一枚には書き切れないほどの繋がりがあったはずだ。
しかしそうは思っても、法律上も俺の妻で最後を迎えて欲しかった。
いや。紗代の最後は、全ての面で紗代の夫でいたかった。
その時は紗代に天罰が下るのではなくて、どうして紗代を信じてやれなかった俺に下らなかったのかと神を怨んだが、今思えばこれが俺に対する天罰だったのだ。
紗代と違う世界に残されるほど、こんなに辛い罰は無い。
娘達の嗚咽が夜の病院内にこだまする中、紗代は俺だけのものになった。
紗代を育ててくれた両親には悪いが、紗代と二人でいた時間は誰よりも長く、紗代との思い出だって誰よりも多いから。
俺と紗代が共に過ごした歴史からすれば、奴との事などほんの一瞬の出来事で、奴の存在など無かったに等しい。
「毎晩こんなところでメソメソしながら飲んでいないで、早く素敵な彼女でも見つけて一緒に外で飲んで来なさい」
仏壇の前に小さなテーブルを置き、2人分のご飯を用意して紗代の写真を見ながら飲んでいると、毎日決まってそんな紗代の声が聞こえてくる。
「大きなお世話だ!俺はここで独り飲むのが好きなんだ!」
そして俺は、いつも大声でそう言い返している。
俺の心配などしなくても良いから、独りが寂しくても今度は待っていてくれよ。
そちらの世界はどうだ?
もう痛くはないか?
奴も死んだと聞いたが、まさか一緒だという事は無いだろうな。
まあいいか。
紗代が知らない世界に孤独でいると思うと辛いから、悪い奴でもいないよりはましか。
ただ俺が行ったら何があっても返してもらう。
今度こそは絶対に引かない。
でも本心はやっぱり一人で待っていて欲しい。
俺も紗代との思い出だけを胸に生きていくから、お願いだから紗代も今度こそは俺が行くまで待っていてくれよ。
  1. 2014/08/05(火) 18:49:48|
  2. 待っていてくれる紗代・呑助
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子は鎹 第1回

私と妻は高校の同級生で、二十歳の時に海で偶然再会し、妻の水着姿を見て高校の時には気付かなかった大きな胸と、海には不釣合いな白い肌に目が眩んで交際を申し込みました。
同級生だったと言ってもクラスが一緒になった事は無く、隣のクラスに可愛い娘がいると思っていた程度で性格については何も知らなかったので、結局は可愛い顔からは想像出来ないようなセクシーな身体に惹かれて交際を始めた事になるのですが、いざ付き合ってみると凄く優しくて、性格も可愛い女だったので私が離れられなくなり、大学在学中にプロポーズして、就職するとすぐに結婚しました。
妻は昔から子供が大好きで、短大を出ると幼い頃からの夢だった保育師をしていましたが、皮肉にも私達にはいつまで経っても授かりません。
結婚して2年目には妻はその事を酷く気にするようになっていて、3年目には検査を受けて自分に異常が無い事が分かると私にも検査を勧めましたが、私は恥ずかしさもあって「その内出来るさ」と言って逃げていました。
しかし妻は検査を受けて欲しいと頭を下げ続けるので、自宅で採取出来る事が分かった事もあって、私はようやく重い腰を上げます。
「自分で出すの?どうやって出したら良いのか分からないから、香代がやってよ」
「うそー。出来るでしょ?」
私は妻に出してもらうのは初めてで、この時は検査結果など軽く考えていたので、私のオチンチンを丁寧に拭いてくれる妻を見ているだけで興奮していました。
「どうせなら口でしてよ」
「唾液から雑菌が入る可能性があるから、口では駄目だって書いてあったわ」
「そんな事まで書いてあるの?」
「私も恥ずかしいんだから、余計な事を言っていないで早く出してよ」
私の横に身を寄せて、一生懸命手を動かす妻の大きく軟らかい乳房を揉みながら、私はセックスとはまた違った興奮を覚えて、意外とすんなり出してしまいます。
しかし私が馬鹿な事を言っていられたのも、検査結果が出るまででした。
精液量   0.6ml(2ml以上、多い人で5ml)
精子濃度  1ml中100万匹(2000万匹)
運動率   10%(50%以上)
高速運動率 0%(25%)
即ち精液の排出量も足りず、その中にいる精子の数も極端に少なく、動いている数も少ない上に、元気良く動き回っているのは一匹もいないのです。
「無精子症ではないし、その時の体調にもよるらしいから、きっと大丈夫よ」
妻は落ち込む私を慰めてくれましたが、体調を整えて翌月臨んだ検査でも、結果は似たようなものでした。
「ごめんね。検査なんて勧めなければ良かった」
自分の子孫を残せないという事など考えた事も無く、今までは気にもしなかった私はオスとしての自信を無くし、妻はそのような私を励まし続けていてくれましたが、後から結婚した妻の兄や妹に子供が生まれると、鬱とまではいかないまでも流石に妻も落ち込む日が増えていきます。
当時は体外受精など一般的ではなかったので、何度か人工授精は試してもらいましたが、流石に私の数値では出来ません。
毎日他所の子供達を見ているのも辛いと思って、保育園を辞めるようにも言いましたが私が原因では強くも言えず、私も次第に子供の話題は避けるようになっていきました。
そして結婚して10年経った33歳の時、妻が深刻な顔をして相談があると言います。
「私やっぱり子供が欲しい」
「ごめん」
「違うの。あなたを責めているんじゃないの。私こそごめんね」
妻からの提案は、人工授精で子供を儲けようというものでした。
「いいけど、それは何度か・・・・・・・」
しかし言い辛そうに小声で話す妻の内容は、私にとって可也ショックなものでした。
「怒らないで聞いて。実はある人から、精子を提供してもらおうと思って」
「何!提供者は誰だ!」
「それは言えないの。あなたにも自分の子供として育てて欲しいから、父親が誰か分からない方が良いと思うの」
当然私は即答など出来ませんでした。
「勿論あなたが嫌だったらやめる。あなたが自分の子供として育ててくれる自信が無いのなら、きっぱりと諦めるから正直に言って」
返事も出来ずに二週間が過ぎると、たまたまつけていたテレビでアメリカ人のご夫婦が、親が死んで孤児になってしまったベトナムの子供を、3人も引き取って育てているのを見ました。
それを見た私は感動し、他の男の精子でもまだ私達の場合は愛する妻の血が半分は入っているので、私の子どもとして育てられると思ってしまいます。
「この間の話しだけれど、精子の提供者は誰だ?俺の知っている奴か?」
「いいの!」
「ああ」
自分でも信じられないような返事をしてしまったのは、妻を可哀想に思っていた事もありますが、決してそれだけではありません。
実は私も友人と会うと子供の話が中心になってきていて寂しい思いをしていて、その事で何処に出掛けても子供連ればかりが目に付いてしまうようになっていたのです。
「ありがとう。でもそれなら尚更、変な先入観も持ってほしくないから、提供者は知らない方が良いと思うの。相手の彼はあなたの知らない人だけれど、頭も良くて運動神経もいいし、温厚で性格も申し分ない人だから心配しないで。何よりあなたと血液型も同じで背格好も似ているし、顔もどこか似ているところがあるから、私達さえこの事をお墓の中まで持っていけば、絶対に誰にも気付かれる事も無いわ」
「その男は信用出来るのか?」
「ええ。信頼出来る方よ」
「そんな人と、どこで知り合った?そんなに親しいのか?」
「あなたに黙って相談に乗ってもらっていたけれど、変な仲ではないから勘違いしないで。彼に対して恋愛感情なんて一切無いし、彼も奥様を凄く愛しているわ。私は今までもあなたを愛していたし、これからもあなただけを愛していくから私を信用して欲しいの」
このような事を頼めるのですから親しいには違い無いのですが、妻の浮気は疑っていませんでした。
ただ妻の職場には男はおらず、知り合えるとすれば出入業者か園児の父親ぐらいしか無いのですが、今までそのような人間の話は聞いた事が無く、提供者が誰だか私には皆目見当もつかない事が少し不安でした。
「その人には元気なお子さんがいて、今も2人目が奥様のお腹の中で元気に育っているそうだから、精子に異常は無いと思う。私の夫にあなたに成りすましてもらって、精子だけもらってあなたとの子供として届けるから、あなたにも自分の子供だと思って欲しいの。当然私も彼の事は全て忘れる」
しかし一週間後、私が帰ると妻は暗い顔をして待っていました。
  1. 2014/08/07(木) 14:53:21|
  2. 子は鎹・種無し
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子は鎹 第2回

私の顔を見た妻は目に涙を溜めながら、縋る様な目で何かを訴え掛けていました。
「どうした?」
「今日彼と話し合ってきました。そうしたら彼に断られたの」
「精子を提供してもらう話はついていたのだろ?・・・・・・・でも無理もないか。
自分の分身がもう一人、この世に存在する事になるのだから」
「違うの。その事は納得してくれているの」
「それなら何が?」
妻はしばらく黙ってしまいましたが、一度大きく深呼吸すると、彼が話した内容を話し始めました。
「彼は奥様に内緒で提供してくれるの。奥様のショックを考えたら、絶対に知られたくないって」
「だから俺に成りすますって・・・・・」
「ええ。でもよく考えたら、そんな事が上手く行くはず無いと思えてきたようで、真面目な人だから、これは犯罪だからやめておこうって」
「それならちゃんと届けて、正式に提供してもらったらどうだ?」
「私も考えました。彼にも相談してみました。でも彼は、そうなれば色々な検査も有るだろうし、手続きも簡単では無いと言って・・・・・・・」
妻の目から涙が毀れます。
「それに届ければ、彼の子供だと何処かに残ってしまうし、第一このような事が許されるかどうかも分からないって」
「諦めよう。俺が不甲斐無いばかりに、辛い思いをさせてしまったな」
しかし妻はまだ何か言いたそうで、私の目を見詰めています。
「どうした?諦め切れないか?」
「彼が言うの。あなたさえ理解してくれれば、誰にも知られずに、違法にならない方法が一つだけあるって」
「どのような?」
「つまり・・・・・・直接・・・精子をもらう・・・・」
「よく分からないが?」
「彼が私の中に、直接精子を入れる方法が・・・・・」
私は耳を疑いました。
「言っている意味が分かっているのか!駄目に決まっているだろ!」
「私も断わりました・・・・・・・もう・・この話は忘れて下さい」
妻はこれで子供が出来るものだと思っていて、妊婦の読む雑誌を買ってきたりしてここ数日舞い上がっていただけに落ち込みようは可也のもので、私にその原因があるので声も掛けられません。
そして次の日、私が帰ると電気もつけずに、妻は真っ暗な中で泣いていました。
「今日彼に、正式にお断りしてきました」
「駄目になったのだから、もう相手を教えてもらえるか?」
しかし妻は相手の男の話はせずに、その彼に言われた事を一方的に話します。
「彼が言うの。今回の事は、私はあなた以外の男性を受け入れる事で苦しみ、あなたは自分の妻に他の男性が入る事で苦しむ。そして彼は奥様を裏切り、子供達に対しても、知らない所に自分達の兄弟がもう一人いるという、罪深い事をしなければならない。結局3人が地獄の苦しみを味わわなければならない。でも一つの命をこの世に生み出すと言う事は、そんな3人の苦しみなど、凄く小さな事に思えるほど神聖で尊い事だって」
妻が相手の素性を明かさないのは、まだ望みを捨てきれないでいたからでした。
「彼の提案を受け入れてでも、香代は子供が欲しいのだろ?」
「ううん。あなたにそんな苦しい思いをさせてまでは・・・・・・」
私に苦しい思いをさせるからと言う事は、裏を返せば私さえ我慢出来れば、妻はその様な行為を受け入れてでも、子供が欲しいと言う事です。
「香代はこんな俺でも好きか?子供も作ってやれない俺でも好きか?」
「・・・・・・・・・・・・・私はあなたを愛しています」
「それならいいぞ。誰だか知らないが、彼にもう一度頼んでみろ」
妻はようやく笑顔を見せましたが、私に悪いと思ったのか、すぐに真剣な顔になって頭を下げました。
私はどうしてこのような事を言ってしまったのか、自分でも分からずにすぐに後悔しましたが、これも全ては私に子供を作る能力が無い事が原因なのです。
「その代わり、ただの生殖行為でセックスはしないでくれ」
「どう言う意味?」
「服は脱ぐな。それと触らせるな。勿論香代には感じないで欲しい。露骨な言い方だが、ただ入れて出してもらえ」
「でも脱がないと・・・・・・・」
私はそのために脱がずに出来る穴の開いたパンティーと、妻が濡れていなくても結合出来るように、潤滑剤のローションを買ってくると言いました。
このような方法で子供を儲ける事は馬鹿げていると思われるかも知れませんが、皮肉にも妻は毎日子供達を見なければならない仕事で、精神的にも限界が来ていると思ったのです。
そして私も全ての原因が自分にあるだけに、その様な妻を見ていて普通の精神状態では無かったかも知れません。
その後はとんとん拍子で話が進み、相手の希望で妻が妊娠可能な時期の土曜日に、シティーホテルに泊まって行う事に決まりました。
「泊まりになったのは、すぐに動かずに安静にしていた方が、妊娠の確率も上がると彼が言うからで、泊まりでもそのような行為は一度だけだからね」
「それなら、終わったら電話してくれ。その後俺も一緒に泊まるから」
「奥様には出張で一晩帰れないと言って出て来るから、終わっても彼は帰れないの。だからもう一部屋とって彼も泊まっていくから、あなたが来ては顔を合わせてしまうかも知れない。精子を貰うだけで、終わったらすぐに自分の部屋に行ってもらうから信用して」
いよいよ翌日に迫った金曜の夜、妻は裸で私の隣に入ってきました。
「ごめんね。抱いて。抱いて欲しいの。今日抱いてもらえば、あなたの子供だと思って産めるから」
私は妻を激しく突き続け、妻も涙を流しながら私にしがみついていました。
「ごめんね・・・・ごめんね・・・・・」
そして翌日の夕方、妻はお風呂に入っていつもよりも念入りに身体を洗い、私がアダルトショップで買ってきた、売っていた中では一番地味でも普通の下着に比べればセクシーな、穴の開いたパンティーを穿いて出掛けて行きました。
その夜私は、地獄の苦しみを味わいます。
どんなに眠ろうと思っても、見知らぬ男の下で悶える妻の姿が浮かんで眠れません。
妻は妊娠すれば、これから生みの苦しみを味わいます。
これは私の生みの苦しみだと言い聞かせても、次から次に涙が溢れてきて止まりません。
それでも翌日の昼前には、妻の顔を見た事で少しほっとしましたが、妻は可也やつれて見えました。
  1. 2014/08/07(木) 14:54:20|
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子は鎹 第3回

私はどのような行為をしたのか知りたかったのですが、いくら待っていても妻からは話そうとしません。
「どうだった?」
「あなたに言われた通り、ローションを塗って入れてもらって、終わったらすぐに離れてもらいました」
「そうか・・・・・・」
「あなた・・・・・ありがとう」
「下衆な事を聞いてもいいか?彼のはどうだった?」
「えっ?」
「つまり・・・・大きかったとか・・・・太かったとか・・・・・・」
妻はようやく笑顔を見せます。
「そんな事を気にしていたの?ずっと目を閉じていたからよく分からなかったけれど、入って来た時の感じでは、あなたの方がずっと大きくて逞しかったわ」
それからの妻は暇があるとお腹を擦って、妊娠を確信しているようでしたが、次の生理予定日に帰ると、妻はまた明かりもつけずに泣いていました。
「駄目だったのか?」
「彼が言った通りでした。一度で必ず妊娠するものでは無いって。奥様が彼の最初の子供を妊娠したのは、結婚して半年後だったって・・・・・・・・・」
妻はこれで諦めると思っていましたが、泣きながら私に言います。
「もう一度お願い・・・もう一度だけ・・・・そうで無いと一晩我慢した事が無駄になってしまう」
「一晩我慢した!」
すると妻は慌てて言い直します。
「ううん。行為は一度ですぐに終ったけれど、我慢している私には凄く長く感じて、一晩我慢していたくらいに思えたから」
一度されたから二度も同じだという気は更々ありませんでしたが、私もこのままでは妻の中に他の男が入った悔しさが残るだけで、後悔だけで終わってしまうような気がしました。
「もう一度だけだぞ」
しかし翌月も失敗に終わると、妻は私を地獄に突き落とすような事を言い出しました。
「二回も我慢したのが、全て無駄になってしまうのが嫌なの。次に駄目だったら諦めるから、次回は一週間泊まりで行かせて」
「彼の家に、一週間も泊まりたいだと!」
妻の話では「このままではご主人にも申し訳ない。意地でも妊娠して欲しいから、次の妊娠可能な時期は、私の家に一週間泊まりで来てくれ。一週間も中に射精し続ければ、どこかで最も妊娠し易い時期に当たる。私も妻を裏切ってしまったから、妊娠してもらわないと後悔だけが残る」と彼が言っているそうなのです。
「彼は奥さんには内緒だと言っていたよな?一週間も泊まって大丈夫なのか?」
「奥様が出産で子供を連れて実家に帰るから、しばらく彼だけになるらしいの」
私は彼の家庭を心配しているような振りをして断わろうと思いましたが、その様な事は妻と彼の間で話し合いがついているようです。
「最初は毎晩通って来ないかって言われたけれど、あなたの事が気になって精神的に辛いと言ったら、精神が安定していない事が妊娠し難い原因じゃないかって言うの。
一週間泊まって一時あなたの事を忘れるように努力して、妊娠する事だけを考えていれば、きっと上手くいくって・・・・・・」
妻の中に彼が二度も入った事と、そのような我慢をしていても妊娠しない事で、私も精神的におかしくなっていたのかも知れません。
そうでなければ、このような事を許可する事は絶対に無かったでしょう。
「絶対に楽しむような行為はするなよ」
「私を信じて」
「今迄通り服は脱がないで、生殖行為をするだけだと約束出来るか?」
「はい、約束します」
私は妻に数枚の穴の開いたパンティーを買い与え、妻を信じて送り出しました。
しかし一週間の苦しみは今までの比では無く、妻は彼とのセックスを楽しんでいるのではないかと疑ってしまいます。
私を忘れて夫婦に成りきり、愛の言葉を囁きながら、激しいセックスをしているのではないかと心配で眠れません。
しかし一週間経って妻のやつれた顔を見ると、妻も一週間我慢したのだと可哀想に思えて、疑っていた事を強くは言えませんでした。
「どのようにしてもらった?」
「どのように?勿論約束通りただ入れてもらって、出してもらったらすぐに離れてもらって別々の部屋で眠ったわ」
「一週間も毎晩していて、本当にそれだけで済んだのか?」
「はい。彼も分かってくれていたから」
「彼は香代の身体を見ても、他には何もしないで我慢してくれたのか?」
「約束だから身体は見せていません。私はいつもパジャマを着たままだったし、彼は触ってすら来ませんでした」
妻は恥ずかしそうに俯いていましたが、顔を上げると私の目を見詰めます。
「私を信じて。彼もその事は理解してくれていて、凄く紳士的に扱ってくれたわ」
健康な男が一週間も毎晩交わっていて、ただ入れて出すだけの行為で我慢出来るのか疑問は残りましたが、妻に子供を授けてやれない私は信じるしかありません。
「終わったな。今回駄目でも、こんな苦しい思いは二度と嫌だ」
「ごめんね。でも駄目だったらなんて考えてないの。一週間も辛い思いをしたから、今度こそは大丈夫だと信じている」
妻の言葉で、私よりも妻の方が恥ずかしく辛い思いをしているのだと思い直し、その時は妻と彼との仲を疑っていた自分を恥じましたが、その後の妻は勤めている保育園が延長保育を始めたと言って遅く帰る日が増え、仕事の疲れなどを理由に私との行為を拒むようになります。
そして私が出張で泊まりになった時、夜遅くにホテルから電話すると妻は出ませんでした。
「昨夜は電話しても出なかったな。何処かに行っていたのか?」
「ええ・・・・・・・・・・・・延長保育で預かっている園児の母親が、仕事の関係でお迎えが2時間も遅れたから私も帰れなかったの。だから家に帰れたのも遅かったけれど、疲れてしまって何もせずに眠ってしまったから」
電話があった事を知らなかった妻は、私の問い掛けにすぐには答えられなかった事で、私は妻を疑いの目で見ていました。
そしてその夜も妻に拒まれ、翌日「続けて出悪いが、明日も急に泊まりの出張になってしまった」と嘘をつき、妻の仕事が終わる時間に合わせて保育園に行くと、妻は家とは反対の方向に車を走らせます。
私は慌てて後を追いましたがそこは素人で、途中の信号に捕まってしまって見失ってしまいましたが、幸い妻の車が走り去った方向は山で、麓は切り開かれた200件ほどの新興住宅地になっていて、途中には数件の民家しかありません。
それで私は一軒一軒探して回ると、住宅地の外れでまだ周りには家の立っていない空地か建設中の家しかない、一軒家に近い状態の新しい家の駐車場に妻の車を発見します。
「何をしている!」
チャイムを鳴らすと彼が帰って来たと思ったのか、すぐに出てきた妻は夕食の支度をしていたようで、新妻のような可愛いエプロンを着けていました。
「あなた・・・・・・」
妻の目には見る見る涙が溜まっていき、やがて泣き崩れた妻に何を話して良いのか分からずに、私も黙って立ち尽くしていました。
  1. 2014/08/07(木) 14:55:28|
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子は鎹 第4回

どのぐらいの時間が経ったのか分かりませんでしたが、妻は急に立ち上がると家に帰って話すと言います。
しかしそれは、彼に会わせたくないからだと直感した私は動きませんでした。
「俺がどれ程の覚悟で、今回の事を許したか分かるか!香代が他の男に抱かれている間、俺がどの様な思いで待っていたのか分かるか!辛くて、情けなくて、男としてのプライドなど全て捨てなければ居られなくて・・・・・・」
辛い気持ちを口に出した事で、私の目からも涙が毀れます。
「ごめんなさい・・・・」
「それなのに香代は、まだ俺にこのような仕打ちをするのか!どれだけ俺を馬鹿にすれば気が済む。今俺は香代を殴りたい。しかし情けないが殴れない。何故だか分かる
か!全て俺が悪いと思っているからだ。俺さえまともな身体なら、このような事にはならなかったと思っているからだ。香代も全て俺が原因だと思っているのだろ?」
「そんな事は思っていません。あなたに黙ってこのような事をした私が悪いの。許して下さい」
私は彼の帰りを待って抗議しようと思っていましたが、不覚にも泣いてしまった事で、ただでさえオスとしての能力が私よりも勝っている彼に、このような情けない姿は見せられず、妻を一人残して家に帰りました。
すると後を追うように帰って来た妻は、入って来るなり土下座します。
「許して下さい。私が悪かったです」
「子供を作れない俺なんか捨てて、彼に子供を作ってもらって幸せになれ」
「許して下さい。お願いですから話を聞いて」
私には当然二人の間に何があったのか聞きたい気持ちはあり、子供のように拗ねていても何も解決しないと思い直しましたが、自分に欠陥があるだけに嫌味を言わずにはいられません。
「愛する彼と裸で抱き合いながら、子供を作る能力も無い俺を笑っていたのだろ?」
「そんな事はしていません。あなたを馬鹿にした事は一度も無いです」
「表札を見たが、お前の好きな彼は篠沢と言うのだな。篠沢もこのままでは済まさない」
「やめて。悪いのは全て私です。彼は私の事を真剣に考えてくれて、奥様を裏切ってまでも協力してくれただけなの」
妻の彼を庇う言葉を聞いて怒りが増し、妻に手を上げてしまいそうな自分を落ち着かせるために黙っていると、妻は泣きながら言い訳を始めます。
「勘違いされるような行動をとってしまってごめんなさい。今日は今までのお礼に、ただ夕食を作りに行っただけです」
「それなら俺に言って、堂々と行けば良い事だろ!」
「責任を感じているあなたは、言えば行ってもいいと言ってくれたかも知れません。
でも心の中では辛いはずだから、それなら黙って行った方が良いだろうと思って」
妻がただ食事を作りに行ったなどとは信じられませんでした。
仮にそうだったとしても、それは今までのお礼ではなくて、今回も駄目だった場合を考えて、これからも関係を続けてもらうために機嫌を取りに行ったように感じます。
それも食事だけではなくて、身体を使って機嫌を取る事も。
私は今回が駄目でも、二度とこのような事はさせないと決心して気を落ち着かせましたが、泣き疲れて眠ってしまった妻を見ていると一つの疑問が浮かびました。
それは妻がどのように篠沢の家に入ったかという事です。
例え身体の関係を結んだ事で親近感があったにしても、留守に自宅に入れると言う事は並大抵の信頼では出来ません。
鍵の隠し場所を教えてもらったとすれば、妻はそれだけ篠沢と親しい関係にある事になります。
ましてや合鍵などを渡されているとすれば、私が思っているよりも遥かに親しい間柄なのでしょう。
堪らず妻のバッグを探ってみると、やはりそこには見た事もない鍵が入っていて、猛烈な嫉妬心に襲われた私はそれを抜き取ってしまったので、鍵を失くした事に気付いた妻は慌てたと思いますが、私に聞けるはずもありません。
「あなた・・・・今回も駄目でした・・・・・・」
「また篠沢の所に行きたいのだろ?」
妻は黙ってしまって返事をしません。
「次回が本当に最後だぞ」
妻と篠沢に二度とあのような行為はさせないと、固く決めていた私がなぜそのような気になったのかと言うと、妻は篠沢の事を半年前に引っ越して来た園児の父親で、度々お迎えに来ていたので親しくなったと説明しましたが、半年間たまに迎えに来ていたぐらいでこのような事を相談し、このような行為が出切るまで親しく成れるとは到底思えなかったのです。
それで私は篠沢の家の鍵を手に入れた事で、妻と篠沢の関係を探れると思ったのです。
妻と篠沢がどのような会話をし、どのような行為をしていたのかも知りたかったのですが、妻に聞いても本当の事は話さないと思ったので、その事も知るチャンスだと思いました。
しかしそれには、もう一度我慢して堪えなければなりませんが、このままでは一生妻を疑って暮らさなければなりません。
「ありがとう。以前のようにホテルでしてもらって、二度と彼の家に行きませんから」
計画が狂った私は慌てました。
「一週間ものホテル暮らしはお金も大変だろ?」
「一週間いいのですか!」
「その方が、妊娠し易いと言ったじゃないか。本当に次回が最後だぞ。今まで散々辛い思いをしたのだから、今回どうしても妊娠して欲しい」
「ありがとう・・・ごめんね・・・・ごめんね・・・・」
妻が篠沢の家に行った日、会社帰りに直行するとキッチンと思われる部屋に明かりがついていました。
そして10分もすると擦りガラスの小窓がある、お風呂と思われる場所に明かりがつき、しばらくしてキッチンの明かりが消えたので小窓の下に行って耳を澄ますと、篠沢と思われる男の声が聞こえてきます。
「楽しむセックスならただの快感の道具かも知れないが、目的が違うのだからこれは神聖な物だろ?だったらもっと丁寧に洗ってよ?そうそう、その下の袋も」
篠沢は妻の羞恥心を煽るためか、わざと大きな声で話すので外からでもはっきりと聞こえて来ます。
「香代も脱いで、一緒に入ったらいいのに」
「裸にはならないと、主人と約束しているから」
妻の声は普段よりも小さく、余程注意していないと聞き取れません。
「まだそんな事を言っているの。前回も、あんな凄い姿を見せたのに?」
「言わないで」
「香代は昔と何も変らないな。確かあの時も、俺と付き合っても身体の関係だけはもたないと、親と約束しているからと言って」
「もう言わないで」
「しかし結局は」
「あれは篠沢君が・・・・・・」
妻が篠沢のオチンチンを洗わされている事にショックを受けましたが、それよりも、やはり以前からの知り合いだったと知って怒りで体が震えます。
「もうそのくらいでいいよ。さあ、種付けをしてやるから先に出て、先週の部屋に布団を敷いて待っていて」
「そんな言い方はやめて」
「じゃあどう言えばいい?セックスとは言うなと言うし・・・・・」
「何も言わないで」
シャワーで洗い流す音が聞こえた後、妻は先に出て行ったようです。
「うっ・・・ううっ・・・うー」
妻がいなくなると低い呻き声が聞こえ、またシャワーで流すような音が聞こえた後、篠沢は鼻歌を歌いながら出て行きました。
  1. 2014/08/07(木) 14:57:47|
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子は鎹 第5回

この後すぐに二人が行為を行うのは確実で、私は音を立てないように合鍵を使って入って行くと、奥の和室らしき部屋から話し声が聞こえてきました。
「そろそろ始めようか」
「よろしくお願いします」
私は二人に気付かれないように、細心の注意を払いながら襖を3センチほど開けて覗き込みましたが、幸いこちらは暗くて中は明るかったので気付かれる心配はありません。
そこは八畳の和室で中央に客布団が敷いてあり、パジャマを着た妻がその上に正座していて、布団の横には篠沢が胡坐を掻いて座っていましたが、妻の言っていた通り背格好は私によく似ています。
「早く脱がないと朝までに終わらないよ」
妻は布団に横になると、掛け布団を被ってパジャマの下だけを枕元に出しました。
すると篠沢が勢いよく布団を剥ぎ取ったので、妻は丸くなって身体を隠します。
「ローションを塗るから待って」
「その前に、先週のように少し見せてよ」
「あんな事は、もういや」
「それなら無理だ。裸は見せない。触らせない。香代はローションで入れてもらえる状態になるけれど、俺はどうやって入れられる状態にすればいい?」
篠沢は元気なく垂れ下がったオチンチンを妻の顔に近付けましたが、それは私に話していたのとは違う、私のよりも太く大きな物でした。
「お風呂ではあんなに・・・・・・」
「お風呂では、これから香代の中に入れるという期待感で興奮もあったけれど、いざとなったらご主人の事を考えてしまって、悪い気がしてこうなってしまうのだと思う。それにあの時は、洗ってもらうのに触られていたし」
「それなら少し触るから」
妻はそれを優しく掴むと、顔を背けてゆっくりと動かし始めます。
しかしそれは多少大きくなっただけで、入れられるほどの反応は示しません。
「どう?」
「どうって、触っていて香代も分かるだろ?やはり先週のように見せてもらわないと駄目みたいだ」
妻は手を放すと目を瞑って脚を開きましたが、その部分は両手で覆って隠します。
「枕を入れるから腰を持ち上げて」
篠沢が妻のお尻の下に枕を入れると、妻はその部分だけを突き出した格好になります。
「手を退けて」
妻の脚の間に座った篠沢がそう言うと、手はゆっくりとその部分から離れ、妻の顔を覆います。
それを見ていた私は、いくら子供が欲しいからと言っても、このような妻の姿が信じられませんでした。
妻は恥ずかしがりやで、私との時でも未だに部屋を暗くして欲しいと言います。
その妻がこのような明るい部屋で、夫婦でもない男の目の前に、最も恥ずかしい部分を突き出して見せているのです。
「まだ?恥ずかしいから早くして?」
「まだ駄目みたいだ。そんなに焦らせると、よけい緊張して・・・・」
篠沢が手を伸ばしてパジャマの上から妻の乳房を掴むと、妻は手首を掴んで引き離そうとします。
「少しぐらいいいだろ?」
「駄目。主人との約束だから」
「今までも最初だけで、結局は触らせてくれるじゃないか」
「それは・・・・・」
「じゃあここはいいよな?どうせオチンチンで触るところだから。また中を見せてもらうね」
「いや!恥ずかしいから開かないで!」
妻は腰を捻って逃げます。
「先週も最初だけで、二回目からは色々させてくれたし、香代だって色んな事をしてくれただろ?それなのにあれも駄目。これも駄目。俺には無理だ。もうやめよう」
「あんな事をしてしまって、帰ってから主人の顔をまともに見られなかったの。だから・・・・」
「じゃあご主人にしてもらえ。ご主人に作ってもらえ。それが出来無いから俺が家族を裏切ってまで、香代に協力しているのではないのか?やめた、やめた」
篠沢はただ妻を辱めて楽しんでいるだけに見え、いつ飛び込んで行こうかと中腰になっていましたが、私には出来ないという言葉を聞いて、また座り込んでしまいます。
「ごめんなさい。見てもらっていいから怒らないで。中まで見てもいいからお願いします」
「じゃあ、自分で開いて見せてよ。もっと・・・・・もっと大きく開いて」
私のところからでは妻の手でよく見えませんが、篠沢の弛んだ口元を見ると、妻はこれ以上開けないというほど、自らの手で大きく開いているのでしょう。
篠沢がただじっと覗き込んでいるだけで、言葉も掛けない事が羞恥心を増幅させるのか、妻は顔を右に倒したり左に倒したりして身悶えていました。
それは5分ほどだったかも知れませんが、私には30分にも感じ、おそらく妻には1時間にも感じていた事でしょう。
「少し硬くなってきたから、そろそろローションを塗って用意したら?」
「お布団を」
「見ていてやるから、このままの格好で塗ってよ。そうしたら完全に硬くなると思う」
篠沢がローションを渡すと、妻は硬く目を閉じて塗り始めましたが、その姿はまるでオナニーでもしているかのようです。
「俺の方は先週のように、香代の唾液を塗ってくれない?」
妻は目を大きく見開いて、篠沢を睨みつけました
「ここでやめるのなら、俺はそれでも構わない」
妻は立ち上がった篠沢の前に正座して、目の前にあるオチンチンに手を添えて口に含むと、それはまだ硬くなり切っていなかったのか更に大きくなり、妻の口いっぱいに広がってしまいます。
「さあ横になって。早くしないと、また萎んでしまうかも知れない」
妻は慌てて横になり、今度は隠す事もしないので大きく脚を開きます。
「ローションは使わなくても良かったみたいだね」
ここからではよく見えませんが、ローションを塗らなくても良かったと言う事は、妻は見られていたただけで濡らしてしまっていた事を意味していて、そうなればパンティーと同じ様に、妻のそこも既に大きく口を開いてしまっているのかも知れません。
私はずっと裏切られた気持ちで見ていましたが、妻の裏切りはこれだけでは終わりませんでした。
「ああっ!」
篠沢が脚の間に座って腰を進めると、妻は大きな声で一声唸り、篠沢は満足げに一度微笑むとすぐに真剣な顔になって、最初から激しく妻を責め立てます。
「うっ・・・ううっ・・・うっ・うっ・うっ・うっ」
「感じたらご主人を裏切っている事になるよ」
「感じてなんか・・・・ううっ・・・」
妻は明らかに、篠沢の太いオチンチンによってもたらされる快感と戦っています。
「それならいいけれど」
しかし篠沢は延々と突き続け、いつまで経っても終わる気配を見せずに、腰の動きが弱まる事もありません。
それで私が思ったのは、お風呂での呻くような声は、篠沢が自分で一度出したのではないかと言う事でした。
  1. 2014/08/07(木) 14:59:04|
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子は鎹 第6回

篠沢が直前に自分で出していたとすれば、妻の卑猥な姿を見ても、掴んで擦られたりしても反応しなかった事の説明がつきます。
しかしそれでは精液も薄くなってしまい、そのような事をしていたとすれば私達に対する重大な裏切り行為です。
私は飛び込んで行こうと思いましたが確証も無く、ここで飛び込んで行ったのでは、今まで散々我慢していた事も無駄に終わってしまうと思うと出来ません。
一度篠沢に抱かれた妻など、何度抱かれても同じだとは決して思っていませんが、それでもこの時飛び込んで行くのを我慢で来たのは、やはり既に何度か同じ事をされていると思っていた事が大きかったのでしょう。
そんな事を考えている内に妻は完全に感じ始めてしまい、声を出してしまわないように唇を噛んでいるのが精一杯の状態で顔を左右に激しく振っていましたが、それでも篠沢は終わる気配を見せないので、妻は終に耐えられなくなって声を出してしまいます。
「早く終わってー・・・あぁぁ・・ああぁー」
一度声を出してしまうと、その事で更に感じてしまうのか、妻は篠沢の動きに合わせて声を出すようになっていきます。
「あっ・あっ・あっ・あっ・・・だめ・出して・・・あっ・あっ・あっ・あっ」
「もう少し我慢して。逝ってしまってはご主人に悪いだろ?俺も罪悪感が大きくなってしまうから、もう少しだから我慢して」
しかし妻には、既に限界が来ていました。
「だめ・だめ・・・あっ・あっ・ああっ・ああっ・ああーっ・・・いや・・いやー」
しかしそれでも、篠沢の腰は動き続けます。
「もういや・・・また・・・・また・・・・」
「これ以上逝くな。ご主人の辛さも考えてやれ」
「でも・でも・・・あっ・あっ・あっ」
妻がまた逝きそうになった時、篠沢は腰の動きを極端に遅くしました。
「もう逝っては駄目だ。ご主人が可哀想で仕方が無い」
妻は篠沢のこれらの言葉を、私達夫婦の事を思っての言葉だと感謝しているでしょう
が、私には妻を甚振っているようにしか見えません。
現に今も動きを遅くしたのは逝きそうな妻を想っての事ではなくて、自分が終わってしまいそうになったのを抑えるためか、更に妻を虐めて楽しむためだと思えて仕方ないのです。
もう少しだった妻は不満を露にしますが、私と約束している手前、逝かせて欲しいとは言えません。
「いやん・・いや・・・早く動いて・・・・早く」
「早く動いては、香代はまたご主人を裏切ってしまうだろ。それともご主人を裏切ってでも逝きたいのかな?」
「違う・・早く終って・欲しいから・・・・いや・・こんなのいやー」
少し休んだ篠沢がまた動きを速めると、妻は一気に駆け上がります。
「あっ・あっ・あっ・ああっ・・あぁぁん」
「逝くなよ。ご主人を裏切ってもいいのか?」
「逝かない・・あっ・・だから早く・・・・あっ・あっ・あっ・あっ」
「このままでは終わりそうも無いから、少しだけ協力してもらうね」
篠沢は妻のパジャマのボタンを外すと、前を開いてブラジャーを押し上げ、飛び出した大きな乳房を揉みながら、腰を更に激しく動かしていました。
「そんな・・・そんな・・・あっ・あっ・・出して・・あぁぁ・・ああぁぁぁぁぁー」
妻が逝くのと同時に、篠沢も大きく二度腰を強く打ち込んで出したようでしたが、すぐに腰を引いて抜いてしまいます。
「沢山出たから、もう外に溢れてきたよ」
篠沢は大の字になってしまって動かない妻の股間を、ティッシュで優しく拭いていましたが、出て来るのが余りにも早過ぎる事から、最後に強く打ち込んだのは中に出した演技で、本当は外に出したのではないかという疑念が湧いていました。
「今夜はもう一度しておこう。少し休憩したらまた始めるから、それまで身体を休めていていいよ」
しかし妻は余程深く逝ってしまったのか返事もせずに、まるで死んでしまったかのように動きません。
この時の私は意外なほど冷静でした。
妻と篠沢の行為を、他人の行為を覗いているかのような気持ちで見ていたのです。
しかしこれは、目の前で他の男に逝かせられる女を妻だと思っては、壊れてしまいそうな自分を守る為だったかも知れません。
私は篠沢が出て行くのを確認すると、襖を体が通るだけ開けて四つん這いで妻に近付き、ポッカリと口を開いたままになっている妻のオマンコに人差し指を入れて掻き出しましたが、案の定白い物は見当たりませんでした。
「いや・・・・・・・休ませて・・・・」
私を篠沢だと勘違いして、寝言のようにそう言った妻に布団を掛け、何とか怒りを抑えて冷静になろうとしていると、ビールとグラスを持った裸の篠沢が入って来て叫びました。
「誰だ!」
その声で目を開けた妻は、私を見て飛び起きます。
「あなた!・・・・・・・どうしてここに!」
しばらく沈黙が続きましたが、最初に口を開いたのは篠沢でした。
「鍵を失くしたと言っていたが、まさか・・・・」
すると妻も。
「どうしてそんな事を?どうしてここに来たの?」
妻は泣き出してしまいます。
「ご主人。これは約束違反でしょ。私も妻を裏切ってまで協力しているのですよ」
「約束?それはこちらの台詞だ。香代!裸にならない、触らせていないと言っていたのは全て嘘か!感じないと言っていたのはどうなった!それに・・・・・」
篠沢の物が私よりも小さいと嘘をついたと言いそうになりましたが、流石にそれは言えずに言葉を濁しました。
「それと篠沢さん。何が協力しているだ。ただ妻の身体を楽しんでいるだけじゃないか」
「それは心外な事を。私の善意の協力を、そのような言い方をされては」
「じゃあ聞くが、外に出して妊娠するのか?妻が妊娠してはこの関係も終わってしまうから、ずっと外に出していたのではないのか?」
妻も泣きながら篠沢の顔を見ました。
「そんな事は・・・・・」
「香代、足を開いてみろ」
「確かに今は失敗して外に出してしまった。その事が香代さんに悪くて、中に出した振りをしてしまった。でもそれは、すぐに離れなければご主人に悪いと焦り過ぎて、タイミングが合わなかっただけだ。こんな事は今だけで、今まではきちんと中に出していた。香代さん、そうだろ?」
妻は返事が出来ません。
毎回後の処理をしてもらうほど感じさせられていたとすれば、妻には分からないのだと思います。
  1. 2014/08/07(木) 14:59:52|
  2. 子は鎹・種無し
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子は鎹 第7回

妻が中に出してもらったかどうか分からなかったのは、私の精液量が少なかった事で、妻は中に出されるという感触を知らなかったのかも知れません。
何より篠沢を信じ切っていたので、今まで疑う事も無かったのでしょう。
前回までは中に出していたと言われれば、これでは何も証拠はありません。
しかし私は、もう一つの裏切り行為を掴んでいます。
「それなら聞くが、妊娠させようと思っていたなら、どうしてその前に一度出す。妻を抱く前に風呂で、一度自分で出していたよな」
「本当なの!」
「いや、出してなんかいない。俺はこの日のために禁欲していたぐらいだ。香代さんの中にいるのが長くなってはご主人に悪いから、すぐに出せるように刺激を与えて興奮を高めていただけで」
これは訴えても不貞行為にはならないでしょう。
私も納得して、こちらからもお願いした経緯があります。
約束違反で楽しんだなどと第三者が聞いても、男と女がこのような事をすれば、普通そのぐらいは想定内で、私が馬鹿にされて終わりでしょう。
何よりこのような異常な事を、他人に話しても理解してもらえるはずがありません。
私は妻を連れて帰りましたが、篠沢を責めきれない私の怒りは妻に向かいます。
「あんな男を信用しやがって!」
「ごめんなさい・・・・でも・・・・・」
「でも何だ!」
「いいえ」
妻はまだ篠沢を信用しているようでした。
「篠沢とはいつからの関係だ!」
「半年前に・・・・・」
「まだ嘘をつくのか!俺は風呂での会話を全て聞いたぞ!」
「半年前に彼の子供が入園してきて、それから色々相談に乗ってもらうようになったのは本当です。ただ彼とは・・・・・・・」
妻と篠沢は中学の同級生で、高校は別々になりましたが部活の地区大会などで顔を合わすようになり、2年の時に篠沢から声を掛けられて付き合うようになったと言います。
そしてお互いの家を行き来して、一緒に受験勉強をしたりしながら2年ほど付き合って別れました。
「どうして別れた?もしかして、香代がふられたのか?」
「・・・・・・はい」
なぜこのような事を聞いたかと言うと、妻は篠沢に対して良い印象を持ったまま別れたのではないかと思ったからです。
言い換えれば、妻は篠沢の事を好きなまま別れたのではないかと感じました。
「付き合っていた時に、身体の関係もあったのか?」
「それはありません」
「何も無かったと言うのか?もうこれ以上嘘をつくな」
「キスは・・・・・・・」
お互いの部屋を行き来している内に、キスはするようになりました。
しかしキスに慣れてくると篠沢はそれだけでは満足出来なくなり、家族が留守の時に妻を押し倒して関係を結ぼうとしましたが、妻は卒業するまで待って欲しいと言って拒否します。
「卒業してから関係を持ったのだな?」
「いいえ。それで彼が『俺に愛情がない証拠だ』と怒って、一ヵ月後には一方的に別れを・・・・・・」
私は馬鹿な質問をしていた事に気付きます。
なぜなら妻とは付き合い始めて一ヶ月後に関係を持ちましたが、その時妻は処女でした。
しかしお風呂で篠沢は「しかし結局は」と言ったのを忘れていません。
「それならいつ抱かれた!今回が初めてだとは言わせないぞ!」
「それは・・・・あなたと付き合い始めて・・・半年ほど経った時に・・・・」
私は絶句しました。
妻は私と付き合いながら、篠沢と関係を持っていたのです。
「二股を掛けていたのか!」
「違います。会ったのは一度だけです。ごめんなさい」
「一度会って抱かれ、その後は会わなかったと言うのか?」
「私が既に処女でない事が分かり、彼は『俺にはあれだけ拒んでいて、どうして他の奴には簡単に許した』と言って・・・・・・」
この時篠沢が妻の処女に拘らなかったら、私から篠沢に戻っていたのかも知れません。
妻はそれだけ篠沢に未練を残していたのでしょう。
卒業したら篠沢に抱かれる約束をしながら、それが出来なかったばかりに別れてしまった事を、ずっと後悔していたのだと思います。
それで私が求めた時には、一つ返事で応じた。
しかし本当に好きだったのは別れた篠沢で、何らかの形で再会して着いて行ってしまった。
その頃の私は、妻にとっては篠沢のスペアーだったに違いありません。
しかしその事は許さなければなりません。
なぜならその頃の私はまだ妻と結婚する意思は無く、妻と言うよりも妻の身体に惹かれていた部分が大きかったからです。
「好きな相手の子供を作り、俺を騙して育てさせようとしていたのか!」
「違います。今ではそのような感情はありません。私はあなたが好きです」
妻はそう言いますが、篠沢が妻も子も無い独身だったらどうでしょう。
私と別れて篠沢と一緒になれるとしたら、篠沢との子供を篠沢と育てたかったのではないでしょうか。
それが無理だと分かっているから、気付かぬ内に篠沢への思いを奥に押し込み、私が好きだと思い込んでいる。
私の妻に対する信頼は、跡形も無く崩れ去っていきました。
  1. 2014/08/07(木) 15:00:57|
  2. 子は鎹・種無し
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子は鎹 第8回

確かに妻は、一応は私の出した条件を守ろうとはしていました。
あれだけ長く出し入れされたら、感じてしまうのは女の性かも知れません。
その事を私に隠していたのも、どうしても子供が欲しかったのでしょう。
しかし相手が昔付き合っていた男だと隠していた事は許せる事では無く、今でも恋心を抱いていると疑っている私は、嫉妬で狂いそうでした。
妻に対してでさえそうなので、妻を弄ばれたという思いが強い篠沢に対しては尚更で、何か復讐する方法は無いかと考えていましたが犯罪までは起こす勇気も無く、妻をまだ愛していて別れられないのなら、結局篠沢の事は忘れなければ仕方がないのかと思い始めていた頃、妻の様子がおかしい事に気付きます。
「どうした!篠沢に会えなくなって寂しいのか」
「あれから生理が来ていません・・・・それで・・・・・」
篠沢の事を私に知られる前なら、妻は涙を流して喜んだのでしょうが、今となっては仮に嬉しかったとしても顔には出せません。
「出来たのか?」
「今日病院に行ったら・・・・・・・」
「おろすのだろうな!」
「いや!それだけはいや!」
「あんな奴の子供を産む気か!きっと大嘘つきの、インチキ野郎が生まれてくるぞ」
「そんな事を言わないで。この子は私の子よ。やっと授かった子よ」
私は突然の事で驚きが大きかったために、重大な事を忘れていました。
「あの時って・・・・・確かあの時は・・・・・篠沢は外に・・・・」
「ごめんなさい」
やはり妻は、篠沢がそのような男だとは信じられずに、3日後の私が残業で遅くなると言って出勤した日、篠沢の家まで確かめに行ったのです。
そして私に言ったのと同じ言い訳を繰り返し言われ、篠沢に対する思いが私とは違う妻はそれを信じてしまいました。
「その時に関係を持ったのか!」
「どうしても子供が欲しかった。これを最後に、もう会わないようにしようと言われて・・・・・ごめんなさい」
篠沢は「ご主人は勘違いしている。俺は香代に、本当に子供を授けてやりたかった」と言って、涙まで流したそうです。
「俺をどこまで馬鹿にしたら気が済む!嘘つきと嘘つきの子など、さっさとおろしてしまえ!」
「産ませて下さい。私一人で育てますから、どうか産ませて下さい」
「一人で育てる?俺と離婚するという意味か!」
「違います。あなたが離婚を望めば、このような事をしてしまった私は従うしかありません。でも別れたくない」
「考えてみろ。俺はその子を見る度に篠沢の顔を思い出す。その子を見る度に香代に裏切られた事を思い出して、俺は今以上に苦しまなければならない」
妻が最初に言った事は本当でした。
篠沢の顔を見たばかりに、生まれてくる子供と篠沢が重なってしまい、私の子供だとは思えないでしょう。
ただでさえそうなのに二人に騙された思いが強く、愛し合う場面まで見てしまっては、篠沢との愛の結晶だという思いが大きくなっています。
おまけに本当の父親である、篠沢の汚い性格まで知ってしまったのです。
私は妻に決断を迫りました。
「俺をとるか、子供をとるかのどちらかだ」
しかし妻はどちらも選べず、偉そうに言っていた私も妻を手放したくない思いから仮面夫婦を続けていましたが、その間にも妻のお腹はどんどん大きくなっていきます。
「慰謝料は請求しない。その代わり出産費用と養育費は払ってもらう。俺はおまえの子供のために働く気は無いからな」
私は関係のない奥さんまでは悲しませたくなくて、このような復讐をする気などありませんでしたが、妻の大きくなっていくお腹を見ていて、精神的に追い詰められてしまったのです。
「作って欲しいと頼んでおいて、今更何が養育費だ!」
篠沢はそう言いながらも、隣に座っている奥さんの事が気になるようでしたが、篠沢以上に私も気になっていました。
それは奥さんが、妻とよく似ていると思ったからです。
ただ好きな女性のタイプが妻のような女性でこうなったのかも知れませんが、篠沢の奥さんは妻に似ていて、以前妻は相手の男を説明した時、私に似ていると言いました。
これは単なる偶然では無いと思える事が、私の嫉妬心を大きくします。
「確かに頼んだ。しかし頼んだ時は妻との関係が終わらないように、妊娠しないように妻の身体を弄んでいただけのくせに、おまえのように人の弱みにつけ込む、最低な男の子供はいらないから二度と会うなと言ったら、今度は陰でこそこそと会って妊娠させやがって。払わないなら、生まれたらすぐにここに連れてくる。父親にも扶養義務はあるのだから、お前が育てるなり、施設に預けるなり好きにしろ」
奥さんは乳飲み子を抱き締めて、何も言わずにただ泣いていました。
そして後日奥さんから妻に慰謝料の請求がありましたが、大した額では無かったところを見ると、篠沢も離婚は免れたようです。
月日は過ぎ、何も知らない妻の親兄弟からは冷たい男だと非難されても、私は出産に立ち会うどころか、生まれてからも一度も顔を出しませんでした。
「何も知らない馬鹿達が、好き勝手な事ばかり言いやがって。親兄弟と縁を切れ。嫌なら出て行け」
「すみません。今後一切の付き合いを断わりますから許して下さい」
妻は私に逆らう事はせずに、ずっと私の顔色を伺いながら暮らしていました。
「ギャーギャーうるさいから早く黙らせろ!」
勿論子供を抱く事も無く、面倒を看る事は一切しませんでしたが、ハイハイが出切るようになると子供は私の側にばかり寄って来ます。
「どうにかしろよ!外に放り出すぞ」
「ごめんなさい。こちらにいらっしゃい」
しかしこの頃になると、子供に対して妻の前では素っ気無くしていても、妻の目を盗んでは抱き締めてあげるようになります。
そして片言が話せるようになると、最初に覚えた言葉はパパでした。
「パパ・・・パパ」
当然これは妻が教えたのですが、これだけ懐かれては可愛くないはずもありません。
「もう養育費はいらない。俺を裏切った罰として、香代一人で育てさせる事にした」
篠沢にはそう電話しましたが、これは勿論強がりで、私の子供として育ててみたくなったのです。
これは妻によく似た、女の子だった事も大きかったと思います。
これが男の子なら、やはり篠沢と重なって見えたかも知れません。
  1. 2014/08/07(木) 15:01:50|
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子は鎹 第9回

娘はすくすくと成長し、14歳という多感な時期を迎え、妻はと言えば48歳になっても保育師の仕事を続けながら、娘の学校の役員まで引き受けて多忙な生活を送っていました。
「明日は金曜だから、香を連れて会社の近くまで出て来い。3人で夕飯でも食おう」
「明日ですか?明日は接待で遅くなるから、ホテルに泊まると・・・・」
「ああ。急に向こうの都合でキャンセルになった」
「ごめんなさい。明日は役員の親睦会が・・・・・・」
「そんなものは欠席しろ!」
「駄目なの。親睦会の前に大事な会議もあるから休めないの」
妻は私を裏切った事への償いのつもりか、娘の将来を思ってかは分かりませんが、あれ以来ずっと私には逆らった事は無く、未だに私の顔色を伺いながら生活していました。
私もそのような生活に慣れてしまったために、妻の都合で断られた事に無性に腹をたててしまいます。
「もういい。今後絶対に誘ってやらん」
「ごめんなさい。そう言わずに許して下さい」
私はその後も妻を汚い言葉で責め立てたものの、弁当を買って帰って娘と二人で食べていると、これも良いものだと思っていました。
しかしその後、何気ない娘の話から一気に食欲がなくなります。
「お母さんも大変ね。先週は職場でトラブルがあったとかで夜遅かったし、その前の週は役員会の後カラオケに連れて行かれたと言って、凄く遅く帰って来たらしいわ。私は眠ってしまっていたけれど」
先週は私が出張の時で、その前の週は私が残業で遅くなったために、会社の近くのビジネスホテルに泊まった時でした。
そしてその日、11時を過ぎても帰って来ないので携帯に電話すると、呼んでいても妻は出ずに、帰って来たのはそれから一時間も経ってからの事です。
「起きて待っていてくれたの?遅くなってしまってすみません」
妻はそのままお風呂に向かおうとします。
「ここに座れ!どうして携帯に出ない!」
「ごめんなさい。二次会のカラオケがうるさくて気付きませんでした」
「先週も先々週も、俺が留守の時に限って遅くまで遊び歩いていて、香織を一人で留守番させていたらしいな。いったいどう言うつもりだ!」
「ごめんなさい。たまたま重なっただけで、あなたが留守だから遊んでいた訳では」
「今日もそうだが、子供を放っておいて何のための役員会だ!会長に文句を言ってやるから名簿を出せ!」
妻の顔色が変わりました。
「今日は遅いから。今度この事について話しますから」
しかし私は自分の言葉で気持ちが昂り、更に怒りが増していきます。
「こんな時間まで母親を引っ張っておいて、遅いも糞もあるか!いいから早く出せ」
「名簿は無かったと・・・・・」
「役員名簿も無い役員会なんてあるか!」
更に私のテンションは上がっていきます。
「確か会長は、駅前のスーパーの親父だと言っていたよな。今から行って来る」
妻は立ち上がった私の足にしがみ付きます。
「会長は欠席だったの。だから会長は何も知らないから」
妻は自分の言っている矛盾に気付きません。
今日は大事な会合もあるからと言って私の誘いを断っておきながら、会長は来なかったと言うのです。
私は妻が隠し事をしていると確信しました。
「じゃあ誰と誰がいたのか、名簿を持って来て説明してみろ」
妻が動かないので「今日は欠席していても、会の事は全て会長の責任だから行って来る」と言って立ち上がると、妻は慌てて一枚のプリントをもって来ましたが、上部に手を置いて説明する妻を不自然だと感じました。
「この林さんも来たし、次の佐野さんもいたし」
私が不意に手を払うと、妻の手に隠れていた二人いる副会長の一人に、忘れたくても忘れられない名前を見付けます。
小学校の時は校区が違うので忘れていましたが、中学校では同じ校区になり、しかも一つ上にあの時生まれた息子がいるのです。
「篠沢と会っていたな?違うと言うなら、さっき一緒にいたと言っていた奥さん達に、今から電話して聞いてみるが」
「ごめんなさい」
私は目の前が真っ暗になりました。
全身の力が抜けてしまい、悲しすぎて涙も出ません。
「でも話していただけ。彼とは何も無いの」
「こんな遅くまでこそこそと会っていて、俺にそれを信じろと言うのか!他に何か言いたい事があれば聞いてやる。無ければすぐに出て行ってくれ」
俯いていた妻は顔を上げ、私の顔を見ました。
「香と二人だけで会ってみたいと言うから、それを断わっていただけです」
篠沢は妻に「一度香を見掛けたが、俺の娘だと思ったら可愛くて仕方が無い」と言ったそうです。
「脅されたんだな!香に真実を話すと言って脅されたのだな!」
妻は私を裏切ったのではなく、脅迫されて仕方なく二人で会ったのだと思いたくて必死でした。
しかし妻は俯いてしまいます。
「脅迫までは・・・・・・・・私がそう思っただけで・・・・・・」
翌日私は篠沢を呼び出しましたが、篠沢は悪びれた様子も無く、淡々と話をします。
「脅迫?一度娘と食事でもしてみたいと言っただけなのに?」
「俺の娘だ!」
「戸籍上は」
私は助手席の篠沢を掴みました。
「暴力ですか?殴りたければ殴って下さい。ただ警察沙汰にならない程度にお願いします。父親が暴行で逮捕。その相手は母親の元恋人で、本当の父親だった。これでは娘があまりに可哀想だ」
私は篠沢を殴れませんでした。
「今後妻には近付くな!勿論娘にもだ!」
「そうします。ただ向こうから近付いて来た時までは約束出来ません。血の繋がりとは不思議なもので、どうしても吸い寄せられていってしまう。香代もそうです。本当の父親と母親という深い繋がりがあるから、引き寄せられてしまう事もある」
私は恐怖に脅えながら帰って来ました。
それは妻が私から離れていってしまうかも知れないと言う恐怖だけで無く、それに伴い、娘までもが私の手から離れていってしまう恐怖でした。
「二度と会うな!」
「はい・・・・・・すみませんでした」
しかしそれから一ヶ月ほど経った金曜の夜、突然篠沢の奥さんから電話が掛かります。
「奥様はご在宅でしょうか?」
「妻は保母の研修会に行って、明日にならないと帰りませんが」
「主人も出張だと言って出て行きましたが、すぐに処理しなければならないトラブルが起こったので、宿泊先を教えて欲しいと部下の方から電話がありました。会社には
明日遠方で親戚の結婚式があるから休むと言ったらしくて」
私は奥さんの言いたい事が分かり、すぐに妻の携帯に電話しましたが、篠沢と同じで妻の携帯も電源が切られていて繋がりません。
  1. 2014/08/07(木) 15:02:44|
  2. 子は鎹・種無し
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子は鎹 最終回

私は全てを悟りました。
いえ、最初に子供を作りたい相手が篠沢だと分かった時に、既に悟っていたのかも知れません。
二人が再会した時、妻も篠沢も愛が続いている事を確認したかった。
しかしお互いに家庭があり、それを壊す勇気はない。
お互いに離婚して一緒になろうとは言い出せず、妻が子供が出来なくて悩んでいる事を話した時、二人の中で暗黙の了解があった。
そう考えると子供が欲しい、授けてやりたいと言うのは自分達に対する単なる言い訳で、二人の愛を確認したいのが本音だった。
篠沢が妊娠させないように外に出していたのは、おそらく妻も気付いていたのでしょう。
妻も妊娠して会えなくなるのが辛かった。
しかしそれでは私に対する罪悪感も大きくなるので、自分の中で子供を儲ける事が最大の理由となっていく。
そして私に全てを知られ、もう会えなくなると思った時、何らかの形で繋がっていたい二人の思いが一致して、その時本当に子供を作る気になったのかも知れません。
先月再会してからは、役員会がある度に身体の関係を重ねていたと思います。
素直に愛を告白してしまって今の生活が壊れるのを恐れた二人は、篠沢が悪者になり、妻が被害者になる事でお互いを納得させた。
篠沢は娘に会わせてもらえない代わりに妻を抱いているのだと自分を納得させ、妻もまた娘を傷つけないために、仕方なく抱かれていると自分を納得させた。
しかしお互いに分かっていた。
自分達が愛し合っている事を。

結局妻は、私の元に帰って来る事はありませんでした。
これは私と篠沢の奥さんしか知りませんが、旅行の帰りに事故にあった時、篠沢のズボンのファスナーは開いていて、そこから飛び出していたオチンチンを、妻は強く握り締めていたそうです。

あれから二年。
娘は勉強の他に炊事洗濯などの家事もこなし、妻の代わりとして頑張ってくれています。
娘がいなければ、妻を恨んで供養もしなかったでしょう。
正直最初の頃は供養している振りをしているだけで、心から手を合わせる事は出来ませんでした。
しかし、今では毎晩手を合わせて妻と話します。
一日の出来事を話し、悩みを相談する事もあります。
妻の裏切りを考えれば今でも悔しいのですが、それがなければ、私はこのような素晴らしい娘の父親にはなれませんでした。
辛かった事も悔しかった事も、全てがあってこの娘の父親になれたのです。
それともう一人、妻は素晴らしい女性と廻り合わせてくれました。
妻と篠沢は愛し合いながらもつまらない意地と若さ故の理由で別れ、後に二人の子供を儲けますが一緒に育てる事は出来ず、その後また中学校の役員同士という形で再会して裸で抱き合います。
そして最後は、二人一緒に一生の幕を閉じる。
妻と篠沢の物語をドラマにすれば、妻と篠沢は悲劇の主人公で、私とその女性は脇役だったでしょう。
私達は何も悪い事はしていないのに、二人の愛を邪魔する、嫌われ者の役どころにされたかも知れません。
しかし今は私とその女性が主役で、同じ傷を持つ者同士、週に一度は会って愛を交換し、お互いの子供が手を離れたら一緒に暮らす約束もしています。
妻が私の中に篠沢を見て、篠沢は彼女の中に妻を見ていたのと同じように、私は彼女の中に妻を見ていて、彼女もまた私の中に篠沢を見ているのかも知れませんが。
  1. 2014/08/07(木) 15:04:05|
  2. 子は鎹・種無し
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赦さない・・・ 第1回

やっと身も心も落ち着いたので、昨年の出来事をここに書いてみようと思います。
出来る限り出来事を忠実に書きたいと思いますが、このような文章を書いて投稿するのは初めてなので
解りずらい事が有りましたら説明しますので遠慮なく聞いて下さい。



2011年5月
私、堀切吉次(32歳)と上原里奈(29歳)は11カ月の交際を経て結婚した。

私達は式を挙げる3週間ぐらい前から、新居となる賃貸マンションに一緒に暮らし始めていたので、
新婚生活は何の苦労も無くスムーズに進みだしのでした。
妻は結婚後も当分は仕事を続けたいという事なので、避妊しての営みですが週に3~4回は愛し合っていた。
新婚旅行は、お互い纏まった休みが取れる時に行こうと、先送りにしました。


結婚後3週間が過ぎた頃です、いつものように妻のベットに入ろうとした時

妻「ごめん・・・、今日はそんな気分じゃないの・・・」
私「えっ、あぁ、具合でも悪いのか?」
妻「そうじゃないけど、ゴメンね」

やんわりと断られました。
交際期間も含めて生理以外の理由で断られたのは初めてでしたが、一緒に生活をしていればこんな事も有るかと思った。
もちろん、その他の生活面では変わりなく良い状態でした。


それから2日経った夕食の後、お風呂も済ませテレビを見ながら妻の肩に腕を回し首筋にキスをして

私「ベットに行こうか・・・」
妻「なんか疲れちゃって、そんな気にならいの」
私「体調でも悪いか?」

妻が言うには、新しい2人の生活が始まり、家の事と仕事とで心身共に少し疲れたそうです。
その他にも知人や友達などが家に来て接待したりで、そうかもしれないなと私も思いました。
と言っても、私もかなり家の事など手伝っているんですけどね。

私「気が張ってたのが疲れとなって出たのかもな」
妻「うん・・・。ゴメンね」
私「無理するなよ」
妻「ありがとう」


その週の土曜日には、私の親友の山田大悟と奥さんの純ちゃんを招いていた。

山田大吾は高校の1学年後輩で、大悟が他校の奴らにボコボコにされてるのを助けて以来の付き合いだ。
私を兄のように慕ってくれて私も弟のように可愛がっている、そんな状態の付き合いで15年にもなる。

当日、山田夫妻は子供2人を実家に預けてやって来た。

私「招待するのが遅くなってゴメンな」
大悟「そんな事、気にしないで下さいよ」
妻「たいした物は無いけど遠慮しないで下さいね」
私「今日は引っ越しの手伝いのお礼も兼ねてるから、そのつもりで飲み食いしていってくれよ」
大悟・純ちゃん「ありがとうございます」

こうやって今までに4人で何回飲んだ事か・・・。
  1. 2014/08/08(金) 17:38:48|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 第2回

そして山田夫妻には、私達はとても感謝している、それは・・・・・・。

2010年4月の終わりごろ、大悟から飲みの誘いがあり行ってみると、1人の女性が一緒に居ました。
大悟の勤める会社に中途採用で入社して、ここ数カ月同じチームで仕事をしていると言う事でした。
この女性こそが約1年後に結婚する事になる上原里奈(28歳)でした。

この日をきっかけに3人で2度ほど飲んで、次は休みの日に大悟の家で、という事になったのです。
私の為に、良い人と早く結婚してほしいと考えている大吾の気持ちはありがたいと思っていた。

大悟宅では純ちゃんも含めて楽しく飲みましたが、夫婦で私達をくっつけようとしているのは見え見えだった。
その日の帰り道、

私「もし良かったら次は2人で食事でもどうかなぁ?」
酔いも手伝って、言ってみた。

表情が強張ったように見えた、
里奈「考えさせて下さい・・・」

言ってはいけない事でも言ってしまったような雰囲気になったが、私は携帯の電話番号をメモって手渡し、
私「よかったら連絡下さい」

その日は、たいした会話も無く別れた。


それから2日後、私は大悟に連絡を取り、何か言ってなかったか探りを入れてみた。
大悟「“良い人ですね”って言ってましたよ。ヨシさんも良いと思ってるでしょ?」
私「あぁ、まあなぁ」
大悟「それじゃぁ、アタックしちゃって下さいよ!」


その週の金曜日、彼女から“明日会えないか?”と連絡が入りました。

次の日、オシャレなカフェで落ち合いお茶を飲みながら、今日のお礼を言い世間話しをしていました。
2人で会うのは初めてですので、私は少し緊張していたかもしれません。
彼女は、緊張というより思い詰めたような感じでした。

私は思いきって「付き合ってもらえないか?」と言った。
里奈「とても嬉しいです」
そう言って下を向き黙ってしまった。
  1. 2014/08/08(金) 17:39:55|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 第3回

少しの沈黙の後(私にはとても長く感じた)、彼女が語り出した。

堀切さんの気持ちはとても有りがたいし、凄く嬉しいです。
でも私は素直に“はい”と言えないんです。
実は私には、前の会社で3年近くお付き合いしていた人が居たんです。
その人を本当に愛していたし、絶対に結婚すると思っていました。
でもその人は、ある日突然“重役の娘と付き合う事になったので別れてくれ”と言ってきました。
それからは、私が何を言っても取り合ってくれなくなりました。
私は、あまりのショックで会社を休みその後、退職しました。
この出来事以来、男の人とのお付き合いを尻込みしてしまうんです。


私「お話しは良く分かりました。それじゃぁ、嫌われてる訳ではないんですよね」
里奈「もちろんです。堀切さんは、とても良い方だと思ってます」

そして、

里奈「今日お会いして、全てを話したら、なんだかスッキリしました」
私「無理しないで、ゆっくりで良いので、一緒にそのトラウマを吹き飛ばしちゃいましょう」
里奈「はい。ありがとうございます」

その日の夜は私のお勧めの居酒屋で、自分達の色んな話しをして盛り上がりました。

彼女は、今回の話しは過去の事で、自分の中では吹っ切れているとも言っていました。
でも話しぶりからして、かなり相手の男を恨んでいると私は感じた。
その他にも彼女の勤めていた会社が、かなりの大手企業だった事に驚きました。


この日を境に私達は連絡を取り合い、大吾宅に飲みに行ったり、たまには2人で会う事も増えていきました。
焦らずに距離を縮めていった結果、約3カ月後には男と女の関係になれました。
そこからは、ほとんど週末は一緒に過ごし、平日も会いたくなると仕事終わりに待ち合わせていました。

そして結婚に至るわけですが、山田夫妻が居たから私達が結婚出来たと言っても過言では無いと思います。


大悟と純ちゃんが帰った後、2人で片付けをしてた時です

妻「明日、友達に会いに行ってくるから」
私「えっ?そんな事言ってか?」
妻「言ってないよ。さっきメールが来て決まったの」
私「仕事後も週末もじゃ疲れるよなぁ、少しはセーブした方が良いんじゃないか?」
妻「しょうがないでしょ!付き合いなんだから」

少しキツイ言い方になった妻でしたが、私は気にもしないで受け流していました。
  1. 2014/08/08(金) 17:40:59|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 第4回

次の日の午前中、ブランド物で着飾り

妻「夕食までには帰ってくるからね」
そう言って、楽しそうに出掛けて行った。


夕方の5時半ぐらいに“夕食の惣菜を買ってから帰る”と電話が入りました。
その後、1時間ちょっと経った頃に買い物をして帰って来た妻は、とても機嫌が良かった。

夕食を一緒に食べながら、

私「なにか良い事でもあったの?」
妻「なんで?」
私「なんか楽しそうじゃん」

妻「そうだっ、再来週の土日に一泊で友達と温泉に行く事になったんだけど、良いよね」
私「良いよねって、もう決めちゃったんだろ?」
妻「今日、盛り上がっちゃって行く事で決定しちゃった」

行先は箱根で宿はこれから捜して、メンバーは女友達2人と妻で、友達の車で行くという事だった。

私「リフレッシュになるなら行ってきなよ」
妻「うん、そうさせてもらうね」
私「いい宿が見付かると良いけどな」
妻「ネットで探してみるつもりなんだよね」
私「良い宿だったら、次は一緒に行こうな」
妻「そうだね・・・」


この週の妻は、水曜日仕事後に知り合いと飲みに行った以外は早く帰っていた。
久しぶりに週末は何の予定も無い2人だったのでノンビリ過ごし、土曜日は外にランチをしに出掛けた。

私「そういえば2人で外食って久しぶりだな」
妻「そうだねぇ」
私「やっと落ち着いてきたって感じだな」
妻「・・・・・」
私「そういえば旅行ってどうなったんだ?」
妻「あぁ、宿は取れたよ」
私「なんで言わないんだよ」
妻「そうだね、言い忘れてた。それと箱根がダメで湯河原になったの」

箱根の良さそうな宿はすでに予約が取れなくて、湯河原でそれなりの宿を見付けたと言っていた。


その日の夜、そろそろ大丈夫だろうと約2週間ぶりに誘ってみた。

妻「本当にゴメン・・・。まだそんな気分じゃ無くて」
私「そうか・・・・・」

その後の言葉が出てこなくて「おやすみ」と言って就寝しました。


次の日、家事をしている妻を見ながら少し考えていました。
営みを断られたからではないが、何か妻に違和感を感じた。それが何なのかは分からないけれど・・・。

この週は、お互い仕事後の付き合いも無く早く帰宅、生活そのものは普通でした。
  1. 2014/08/08(金) 17:41:58|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 第5回

そして週末、妻が旅行に出掛けようとしている朝。

私「そんな着飾って行くのか?車だろう、もっと楽な格好で行けよ」
妻「こんなの普通よ」

妻はブランド物のバッグと手提げ袋を持っていた。
私「何だ?その紙袋は」
妻「友達へのプレゼントだけど」
私「まぁ楽しんできなよ。気を付けてな」
妻「じゃぁ、行ってきま~す」

かなり楽しそうに出掛けて行きました。


その後、私は二度寝をして起きたら午後になっていた。
夕食をどうしようか考えて、思い付いたのは大悟宅だった。
直ぐに家に電話をしたが出ないので、大悟の携帯に掛けてみた。

私「もしかして家族で外出中か?」
大悟「今日は家族サービスしてます」
私「そうか、別に用事が有るわけではないんだ。そんじゃ、また連絡するな」
大悟「はい、それじゃまた」

これから作る気もしなかったので、弁当を買ってきて食べながらビールを飲んだ後、テレビを見て寝てしまいました。

翌日、目が覚めたのは昼前で、久しぶりに私もノンビリしちゃいました。
軽く部屋の掃除をして、午後から外に食事を取りに出掛けた。

午後2時を過ぎた頃、何時ぐらいに帰ってくるのか聞く為に電話をしてみましたが、留守電になってしまいます。
2時間ぐらいの間に7~8回掛けてみましたが、全て留守電になりました。

午後6時半ぐらいになり『今、友達と別れたから後20分ぐらいで帰る』とメールが入りました。
約20分後、メール通り妻が帰宅しました。

私「何回も電話したんだぞ」
妻「あぁ、気が付かなかった」
私「夕食どうするよ?」
妻「デリバリーで何か頼もうよ。先にシャワー浴びてくるね」

サッサと風呂に入ってしまいました。


風呂から出て来ると「これ、お土産」と言って、何の変哲もない箱詰めのクッキーを出しました。

デリバリーで頼んだ食事を食べながら

私「旅行は、どうだったんだよ?」
妻「宿も良かったし、とにかく凄く楽しかった」
ニコニコしながら答えました。

その後は、私の質問には答えますが自分から話そうとする様子は無かった。
それどころか、細かい事を聞くと嫌そうな表情になる事もあり、まるで会話を避けてるような・・・。

食事が終わりその後、私がお風呂から出てくると

妻「なんだか疲れちゃったから先に寝るね」
と寝室に入ってしまいました。

私はビールを飲みながら考えていた。
いつもではないが、会話が弾まない事が最近増えている。
特に、仕事後に人と会ってきた時や週末に出掛けた前後は、まるで私を避けるような会話や態度に思える。
私が最近感じていた妻に対する違和感、それは正にこれだと思った。
  1. 2014/08/08(金) 17:42:54|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 第6回

この週も木曜までは普通に過ぎていき、違和感も思い過ごしだったような感じでした。

金曜の午後、『同僚と飲みに行くので帰りは遅くなる』とメールが入りました。
この日は、私も会社の後輩と飲んで帰る事にした。

午後10時半過ぎに帰宅した時、妻はまだ帰っていなかった。
風呂に入っていると妻が帰って来た気配がしたが、私に声をかける事は有りませんでした。
私と入れ替わるように風呂に入った妻の口数は少ない。

風呂から出て来た妻に問いかけてみた

私「同僚って、誰と飲んでたんだ?」
妻「ヨシの知らない人よ、なんで?」
ちょっと前なら知らない人でも、聞けばどんな人か説明してきたはず。

私「夏物のシャツを買いたいから、明日か明後日のどちらかで行こうよ」
妻「・・・いいけど」
私「どっちがいい?そして夕食は外で食べてこようぜ」
妻「それじゃ、明後日で」
私「リナも買うだろう」
妻「うん・・・。眠くなってきたから、もう寝るね」

やっぱり会話を避けてるような、それは眠いから? 私には訳が分からない・・・。


土曜日は、2人で掃除をして妻が洗濯物を干してる間に、私は靴磨きといった感じで家の事をして過ごした。
通常の生活では、会話も態度も普通なのですが。

そして日曜の午前中、お昼を食べてから午後1時には出掛けようと思っていました。

妻「ヨシ!ヨシってば!」
私を呼ぶ妻の声がしました。

私「どうした?」
妻「今ねぇ友達からメールが来て、どうしても今から会いたいって」
私「行くつもり?」
妻「ゴメン!、買い物は来週でいいでしょ」

そう言うと慌てたように着飾り、バッチリ化粧をしています。

少しばかりムカついた私は、ぶっきら棒な言い方で
私「昼飯も食わないで出掛けるのか」
妻「うん、直ぐ行かないと」
私「夕食はどうすんだよ」
妻「きっと食べてくると思う」
私「リナの事じゃねーよ、俺はどうするんだよ」
妻「あぁ、なんとかしてよ」

支度が終わった妻は、何事も無かったかのように出掛けて行きました。

イライラしながら1人で昼食を食べていた時に妻からのメールが届いた。
『今日はゴメンね。買い物は来週でお願いします。夕食は何処かで食べて下さい』

このメールに対して返信はしませんでした。
  1. 2014/08/08(金) 17:44:15|
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赦さない・・・ 第7回

テレビを見ながらゴロゴロして、午後3時ぐらいに大悟に電話してみました。
飲みたい気分だと伝えると、家で飲もうと言ってくれたので焼酎を買って大悟宅へ向かった。

子供達と遊んで、大悟と純ちゃんと馬鹿話をして飲んで、気分が落ち着き帰宅しました。


家に着いたのは午後10時近くで、妻はすでに帰宅していてテレビを見ていた。

妻はテレビを見たまま振り向きもせず「おかえりなさい」と言いました。
私「あぁ、ただいま」

そのまま私は風呂に入りました。

風呂から出てくると妻は「疲れたから寝るね」と寝てしまった。
私は少しの時間、テレビを見ながらビールを飲んで、その後寝室に向かいました。

酔っていた訳ではないですが、私はおもむろに妻のベットに入り抱きよせてキスをしました。

目を覚ました妻が「なんなの、やめてよ!」と睨みました。

私は「もうそろそろ、いいじゃないか」そう言ってまたキスをしようとしました。

「ヤダって言ってるしょ!」と言って同時に私を押し退けました。

私「何が嫌なんだよ」
妻「疲れてるの」
私「好き勝手に出掛けておいて疲れたはないだろ」
妻「もぉぉー!!本当にイヤ!」
私「なんだよそれ」
妻「気持ち悪いのよ!やりたいなら風俗でも行けばいいじゃない」
私「そうか、そうか、それがお前の本心なんだな。よ~く分かった、ふざけた女だな」

すると妻はベットの上で大の字になり「やりたけりゃ、やればいいでしょ。はいどうぞ・・・」そう言って目を閉じました。

私「お前の気持ちは良く分かったよ。もうダメだな・・・」
そう言うと私は、枕とタオルケットをもって寝室を出ました。

ソファーに枕を置き、寝ようと横になりましたが怒りがこみ上げて来て寝付けません。
おもむろに起き上がり、焼酎をロックで飲みながら考えていました。
“何がどうなってしまったんだ、これが本当に妻の本性なのか?”
“意味が分かんねー・・・・・”


次の日の朝、慌ただしく出掛けようとしている妻の物音で目が覚めた。
ガンガンする頭で時計を見てみると、いつもより40分も早く家を出て行った。
朝食の準備がしてある訳も無く、私も出勤の準備をして出て行きました。
  1. 2014/08/08(金) 17:45:46|
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赦さない・・・ 第8回

この日は仕事が忙しく、体調的にはきつかったが昨夜の事を思い返す事も無かった。

残業も終わり、まっすぐ家に帰る気にもならないので行き付けの居酒屋に1人で行きました。

“結婚して、たったの2カ月弱これで俺達は終わってしまうのだろうか?”
こんな事が脳裏に浮かび、美味しくも感じない焼酎をチビチビやっていた時、妻からメールが届いた。
『大事な話しがあるので、早く帰って来て下さい。お願いします』

私が帰宅したのは午後10時を過ぎた頃でした。

妻は「おかえりなさい」と神妙な面持ちで話しかけて来ました。
私は遮るように「先に風呂に入るから」と言って着替えに行きました。

部屋は綺麗に片付いていて、私の枕とタオルケットもベットにキチンとセットされていました。

妻は、私が風呂から出てくるのをリビングで待っていた。

妻「ここに来て、話しを聞いて下さい」
私は正面に座り妻を睨むように見つめた。

妻「本当にごめんなさい」
私「・・・・・」
妻「昨日は、どうかしてました。許して下さい」
私「あれがリナの本心なんだろ。謝る必要は無いよ、もう俺達はダメだよな」
妻「違うんです昨日はビックリして、そして興奮しちゃって想ってもいない事を言ってしまいました」
私「それはどうかな、突然出る言葉じゃ無いだろ。いつも気持ち悪いと思ってんだろ」
妻「そんな事は無いです、謝ります・・・どうか許して下さい」

神妙な面持ちで頭を下げた妻でしたが、けして涙を見せる事は無かった。

私「ちょっと考えさせてくれ。昨日の今日で、訳が分からねー」
そう言って私は寝室に行き寝てしまいました。

翌日の朝、何事も無かったかのように妻は私に話しかけ、接してきます。
妻が用意した朝食を2人で食べ出勤しましたが、私の気持ちはスッキリしないままです。


午後になり、私宛に見知らぬ男から一本の電話が入りました。

男の名前は横山真一、弁護士だと名乗った。

横山「とても重大なお話しが有りますので本日、仕事が終わり次第お会いしたいのですが」
私「急に会いたいと言われてもねぇ、要件を言って下さいよ」
横山「奥様の事です」
この一言で私は会うことを承諾して、弁護士事務所までの道順と電話番号を聞いた。

妻には、付き合いで遅くなるとメールを入れた。
  1. 2014/08/08(金) 17:47:03|
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赦さない・・・ 第9回

午後6時半、教えられた駅で降り弁護士事務所を目指して歩き出した。
それなりのビルの中に、そこは直ぐに見付ける事が出来た。

扉を開け声をかけると男が出て来て、自分が横山真一だと言い奥へと案内された。
そこには応接セットがあり、30代半ばぐらいの女性が1人座っていた。

横山「紹介します、こちらは寺岡麻美さんです」
麻美「初めまして、今日はお呼び立てして申し訳ありませんでした」
私「堀切です。寺岡さんが私を呼んだという事なのですか?」
麻美「ウフフッそうですよね、訳が分かりませんよね。これから横山先生が詳しく説明してくれますよ」

「みんな帰ってしまったんで・・・」とかブツブツ言いながら横山氏はお茶を入れて来た。
そして、資料らしき物とノートパソコンをテーブルに置き、ソファーに座ると淡々と話し始めた。


横山「今回の件ですが、堀切さんの妻である里奈さんは、麻美さんの夫である寺岡敏文さんと不貞行為を行っています」
私「あぁ・・・そうだったんですか」
麻美「あまり驚かれないんですね」
私「なにか・・・これで意味が分かったというか・・・。逆にスッキリという感じですかね」
麻美「良かったわ、そういう方で。ウフフッ」

私「ところで、その旦那さんと妻はどのような関わりがあったのですか?」
横山「前の会社でお付き合いをしていた方です」
私「あぁそーですか、納得しました」
横山「その事はご存じなんですね」
私「付き合っていた事、別れた内容については妻から聞いてます」

この後、資料を見ながら横山氏が今回の詳細を話し始めた。

それは今から1ケ月半ぐらい前の事です、堀切さんが結婚式を挙げて10日ぐらいした時ですね。
その日は、敏文さんが仕事の付き合いと言って遅く帰宅したんです。
いつもと違うは敏文さんの異変に気が付いて、麻美さんが興信所に頼んだのが始まりです。
麻美さんは、そこの所かなり敏感でして前にも同じような事があったんですが、その時は何も出てきませんでした。
(この麻美という女性は、かなり嫉妬深くて執念深い人なんだと私は思った)

今回は、敏文さんが週末に出掛ける時や、仕事後に直接帰宅しない時は全て興信所にお願いしました。
結婚当時から出掛ける時、遅くなる時などは前もって麻美さんに伝える事になっているので、興信所への依頼は容易でした。
その結果、ほとんどの割合で不貞行為が行われていました。

抑えた証拠としては、、ホテルに出入りする画像や動画はもちろんですが、その他2人の親密なものです。
≪こう話しながら「こんな物です」とパソコンで仲良さそうにホテルに入る画像などを数枚見せてくれた≫

また食事やお酒の席での会話のほとんどをレコーダーで記録できています。
細かいデータなどは興信所が作成した報告書があります。

会話の内容から、1回目の不貞は麻美さんが気が付いた時で間違いないと思われます。
よって興信所にお願いしたのは2回目の不貞からと思って間違いないでしょう。
また、最初に連絡を取ったのは敏文さんという事も分かっています。

そして今現在も不貞は継続しているというのが現状です。
  1. 2014/08/08(金) 17:52:25|
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赦さない・・・ 第10回

私「何故今になって連絡を取ってきたのですかねぇ?」
横山「リナさんが結婚をした事を知って、チャンスだと思ったのでしょうね」
私「以前の事をチャラに出来るということですか」
横山「お互い家庭がある事で、体だけの関係が持ちやすいと考えたのではないでしょうか」
私「ふぅ~ん・・・」

私「それと先週の一泊旅行も、そうですよね」
横山「はい、湯河原に2人で行かれいてます」

その旅行の証拠も有るそうですが、部屋にレコーダーを仕掛ける事が出来たので、私にとってはかなり辛い内容だと言いました。


ここまで聞いて、私は目の前の冷めたお茶を飲んだ。

私「勝手な言い分ですが、ここまで分かっていて、もっと早く連絡してくれてもと思うのですが」
麻美「もちろんもっと早くお知らせしたかったのですが、今現在、私の父が寺岡に対してある計画を進めていまして、
行動を起こすのをもう少し待って頂きたいのです。そこでギリギリまで黙っておこうと考えました」


そして何故今日だったのかは、横山氏が説明してくれた。


昨日昼に、敏文さんから麻美さんに『今日は少し帰りが遅くなる』と連絡が入り、もちろん興信所にお願いしたわけです。
夜になりレストランで2人が会い、この日は里奈さんが敏文さんに相談しただけだったのですが。
その内容が、“昨日(日曜)の夜、喧嘩をした。もう一緒に居るのも辛い、別れるかも”というものだったのです。

不貞の最初の頃にも同じような事を敏文さんが言っていますが、今回も里奈さんに言ったんです。
“俺が一方的に別れを告げて他の女と結婚した時からリナに対して引け目があった。リナと今、会っていられるのはお互いが結婚したから。
もし今回の事で別れたのであれば、もう会えない。だからお互い家庭は壊さないで、今まで通り会うしかない“


横山「昨日のこの話を聞いて、堀切さんが怒りから何らかの行動を起こしてしまってはと思って、連絡しました」
私「そうだったんですか・・・だから昨日、急に私に謝ったんですね」
横山「かなり敏文さんに陶酔していると見受けられます」

私「妻は、脅されているというような事は無いですよね?」
横山「そのような事は一切ないです」
私「全て分かりました。ありがとうございます」

麻美「先ほどもお話しました通り、この先お辛いでしょうがもう少し我慢して下さい」
私「仮面夫婦って感じなのかな。・・・了解しました」
麻美「今後、もちろん堀切さんの悪いようにはしませんから」
私「奥さんだって辛い訳ですもんね」
麻美「奥さんって呼ばれたくないので、出来れば名前でお願いします」


麻美「一昨日の喧嘩は、私にも責任があるのかな?」
私「どういう事ですか?」
麻美「一昨日は急に私が実家に行く事になって、そんな時まで連絡を取って会うとは思わなかったわ」
私「そうだったんですね、だから慌てて出ていったわけだ。でもアサミさんに責任はないですよ」
麻美「寺岡には早く帰ると連絡したから、奥さんも夕食までには帰ったでしょ?」
私「俺も出掛けてたもんで・・・。でも早かれ遅かれ喧嘩になっていましたよ」

麻美さんは軽く頷き微笑んだ。


この後、私は全ての資料と証拠を貰う事を承諾してもらった。

麻美「今週の土曜日に父も交えてお話しがしたいのですが大丈夫でしょうか?」
私「えぇ、大丈夫です」
横山「それでは資料などは、その時までに用意しておきます」

麻美さんの実家までの地図を書いてもらい、土曜日の13時に伺う約束をして帰路に着いた。


帰る途中、ビールを飲み食事を取りながら考えていた。

結婚式を挙げて10日で俺は騙されていたのか。
その後は、俺にも“寺岡”にも抱かれていたとは、呆れた女だ。
そして、俺を拒否して“寺岡”だけに抱かれる事を選んだ訳か・・・。醜い女だ。

しかし私は、寺岡敏文に対して怒りは湧いてこなかった。
元々、裏切りは絶対に許さない性格なので私の怒りは“里奈”この女にだけである。
  1. 2014/08/08(金) 17:54:00|
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赦さない・・・ 第11回

家に帰った時、妻は明るく「おかえり!」と出迎えた。
私「話しがあるから風呂から出るまで起きててくれ」

妻は強張った顔で風呂から出て来た私を見ていた。

私「一昨日の事、俺も色々考えたんだけど・・・リナの気持ちを無視して悪かった」
妻「えっ、あ、ありがとう、分かってもらえて嬉しい」
私「これからも無理しないでやって行こうな」
妻「うん、私の方こそゴメンね」

これからこんな“騙し合い”の生活が始まるのかと思ったら、なぜか可笑しくなってきた。


さすがに今週は会わないようにしてるのかと思っていたら木曜日の夕食時に

妻「明後日の土曜なんだけど、友達と会って来てもいいかなぁ」
やはり土曜日、麻美さんが旦那に出掛ける事を伝えたんだと感じた。
ちょっと前に比べると言い方が少し変わったが、やはり会わずにはいられないのかとも思った。

私「いいけどさぁ、帰りは何時ぐらいになる?」
妻「行ってみないと分からないけど」
私「俺も土曜は出掛けようかな。でもさ、夕食はどうする?」
妻「私は食べてくるかも」
私「そうだ、当日に電話するよ。必ず出ろよ、前みたいに何回掛けても留守電なんてダメだぞ」
ちょっと皮肉を込めて言ってみた。


そして土曜日、妻は着飾り化粧をして一足先に出掛けようとしている。
私もそれに合わせて出掛ける準備を始めた。

私「一緒に出掛けるから、途中まで一緒に行こうよ」
妻は一瞬驚いた顔をしたが「うん」と返事をして支度を急いでいた。

途中のターミナル駅で別れたが、何回か振り返り私を見る姿が印象的だった。


私は、書いてもらった地図を見ながら麻美さんの実家である三井清蔵邸に約束の5分前に到着した。
あの有名な○○商事の重役がどんな人なのか、ちょっとワクワクドキドキした。

高い外壁に囲まれた扉のインターホンを押すと麻美さんが出て、中に入るように言われた。
中に入ると家が見えたが、想像していた通りの立派な豪邸で、かなり近代的な建物であった。
玄関の所に、麻美さんが出て来てくれていた。

簡単な挨拶を済ませ家の中に入り、リビングルームへと案内された。
部屋には、すでに横山氏が居て軽く会釈をした。

麻美「紹介します、父の三井清蔵と母の好美です。こちらが堀切さんです」
私「初めまして堀切です。今回はなんか大変な事になってしまい何と言って良いか・・・」
三井「まあ、こちらに腰掛けて下さい」

三井さんと対面するように横山氏の隣に座ると、奥さんが冷たいお茶を出してくれました。
飲みながら周りを見渡すとビリヤード台があった。

私「ビリヤード台が有るなんて、凄いですねぇ」
三井「ビリヤードするのかい?」
私「最近はしてませんが、前は良くやってました」
自分で言うのもなんですが、私はビリヤードで小使い稼ぎをしてた頃があるぐらい上級です。

三井「そうかい、じゃぁ後でちょっとやろうよ」
ニコニコしながら撞くポーズをしました。

麻美「気を付けて下さいね、父はビリヤードの事になると人が変わりますから」

三井さんは微笑んだ後、キリっとした顔になり「じゃあ、本題に入るか」と言って話し始めた。

堀切君は直ぐにでも決着を付けたいだろうが、もう少し我慢してくれよな。
親バカと言われればそれまでだが、俺はな、あいつの事は許せないんだよ。
だから、それ相当の罰を与えたいと考えてる。
早ければ後5日ぐらい、遅くても10日ぐらいで何とかなるから。
その代わりと言っては何だが、今回の費用はみんな俺が持つから頼むな。


麻美「私からもお願いします」
私「知る事が出来たのは皆さんのお陰ですから、当然待ちますよ」
  1. 2014/08/08(金) 17:56:57|
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赦さない・・・ 第12回

横山「今後の事ですが全て私に任せて下さい」
私「それはもちろん」
横山「堀切さんは、奥さんとはどのようにと考えていますか」
私「離婚しようと思います」

麻美「その事で、お願いがあるのですが」
私「なんでしょう?」
麻美「本当に勝手なお願いなのですが、堀切さんは当分の間、離婚しないでもらいたいのです。
両方の家庭が離婚して、もしその後あの2人が一緒になったらと思うと我慢できないの」
私「俺も同じ気持ちですけど、今は何とも言えないですね、自分でもどうなるか」

横山「その事も含めて、上手く持っていきますから安心して下さい」
続けて今後について細かい話しを始めた、横山氏の計画に全員で聞き入り納得した。
後は“その日”を待つのみだ。


確認と言う事で、妻の仕事の事や実家の事などを聞かれので教えた。
私も寺岡敏文の事を教えてもらった。

年齢は34歳。地方の国立大学を出て今の会社に入り現在に至る。
家族は両親と妹がひとり。実家は○○県××市の海沿いの町で中型のスーパーを経営している。

三井「まったく親の面倒も見てやったのに、本当に馬鹿な男だ」
三井さん曰く、小さな商店だったのを今のスーパーにしてやったという事だ。

その他、分かった事は麻美さんが38歳で子供は居ない、弟がひとり居るが今はアメリカの会社で働いているそうだ。


横山氏がカバンから証拠の全てが入ったDVDと資料の入った封筒を私に手渡した。

横山「動画と音声は必要の無い部分はカットされています。音声はデジタル処理されているので聞き取りやすいです」
私「ありがとうございます」
横山「絶対に見付からないようにお願いしますね」
私は「はい」と返事をして続けて聞いた。

私「今日も興信所にお願いしているんですか?」
麻美「もちろんよ」
私「今日も含めて今後のも、頂けますか?」
麻美「良いわよ、先生そのようにお願いしますね」
横山「分かりました」
私「お願いします」
横山「それでは今日はこれで失礼します」
三井「そうだよな、横山君も早く帰って家族サービスしないとな」
帰る横山氏を、みんなで見送った。
  1. 2014/08/08(金) 17:57:59|
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赦さない・・・ 第13回

この後、三井さんの誘いでビリヤードをやった。
三井「本当に上手いねー、久しぶりに楽しいよ。今日はとことんやろうや」
ついつい本気でやってしまい、三井さんの闘志に火が付いたようです。

夕食を用意してくれるという事で、私は妻に電話をする事にしました。

私「今から妻に電話しますがアサミさんも同時にしてみませんか?」
三井「面白い事を考えるねー」
麻美「私からはしないわ」

妻に電話をしてみると、呼び出し音が数回鳴った後、留守電になりました。
それから立て続けに3回かけましたが、同じ事の繰り返しです。

奥さん「お勧めのジュースが有るんだけど飲みませんか?」
私「ありがとうございます、頂きます」

ジュースを一気に飲み干し「美味しいジュースですねぇ」と言うと。
嬉しそうに「私のお気に入りなの」と言ってもう一杯持って来てくれた。

そこへ妻から電話が入った。
妻「ゴメンなさい、出れなくて」
私「何かしてる最中か?」
妻「なにも・・・」
私「俺は夕飯を食ってから帰るから、それじゃ」
一方的に電話を切った。


その後、三井さんとビリヤードを続け、豪華な寿司をご馳走になって帰ろうとした時、
三井「また、やろうな」
私「こちらこそお願いします」
三井「よーし、それじゃぁ連絡するからな」
私「分かりました、ご馳走様でした」

かなり勝ってしまったので悔しかったに違いない。


私が家に着くと、今日は出掛けていたのにも関わらず「おかえり」と出迎えてくれた。
やはり喧嘩した事で、妻の中で何かを変えたのか、私を避けるような会話や行動は控えるようにしているようだ。

妻「電話出れなくてゴメンね」
私「直ぐに掛けてきたんだから、いいんじゃねーの」
妻「あっそうだ!明日、夏物のシャツを買いに行こうか?」
と顔色を見るように言ってきた。

私は「また今度にしよう」と素っ気なく答えた。
すでに妻に対する愛情なんて消え薄れていても、今日も嘘をつき愛し合っていたのかと思うと何故か腹が立つ。
  1. 2014/08/08(金) 17:59:15|
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赦さない・・・ 第14回

次の日、妻は家事をしていたが、私は掃除が済んだ寝室でパソコンに向かっていた。
そしてA4サイズの封筒から資料を取り出し、報告書と書かれた用紙に目を通した。

約2カ月で、仕事終わりに4回、週末に3回、旅行が1回、相談だけの日が1回。
これだけのデータがあったが、初回も含めて本当はそれ以上会っていたのでしょう。


報告書には、日付けの後に細かく時間経過が、その場所と2人の様子と番号が書かれていた。
そして画像・映像・音声に番号が付いていて、照らし合わせる事で何処でのものか、一目で分かるようになっている。

音声は後で聴く事にして、まずは報告書に画像と映像を照らし合わせながら見てみた。

仕事終わりに会う時は、食事(飲み)からホテルへ行く事がほとんどで、たまに逆のパターンもあった。
週末もランチからホテルへ、そして食事(飲み)もしくは帰宅のパターンでした。
また報告書には、“食事の精算を堀切里奈がした”という日が多々ありました。


金の管理を麻美さんがしているのなら、妻が色んな精算をしても不思議ではないだろう。
それともただ単に、妻が好かれたいが為に勝手に払っていたとしても、それも有りなのかもしれない。


画像と映像は、歩いている所・ホテルに出入りの所・食事(飲み)をしている所などでした。
全ては楽しそうに、まるで仲の良いセレブの夫婦の様に見えます。

画像ではあるが初めて寺岡敏文を見て、かなりブランド志向の強い男であると思われる。
男に合わせる為に、妻がブランド物で着飾っていたと分かった。


旅行は寺岡敏文の車で行き、行き先は湯河原で間違いなかった。
宿の部屋は、露天風呂付きの特別室だったようだ。
旅館の精算は妻がした事、帰る途中にラブホテルに入ったとも書いてある。

画像と映像は、観光をしている所・浴衣で寄り添っている2人・車の中でキスをしている所などが有りました。
妻のこんなに楽しそうで、幸せそうな顔は初めて見たような気がします。

傍から見ればラブラブ夫婦の旅行にしか見えなかったでしょう。
しかし旅行の内容は、やりまくりの不倫旅行だったはずです。


私は一息入れる為に、キッチンへ行きミネラルウォーターを一気にを飲んだ。

妻は「夕食は何が良いか?」と聞き買い物へ行こうとしていた。
「何でも良い」と答えて、寝室に戻った。
  1. 2014/08/08(金) 18:03:14|
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赦さない・・・ 第15回

今度はイヤホンを付け音声を聴く事にした。

途中夕食をはさみ、全て聴き終った時はかなりの時間が経っていた。
この会話の音声で、2人のかなりの事柄が分かりました。

最初に連絡してきたのは寺岡であり、その後も会うのは全て寺岡の予定と連絡により決まる。
どんなに急であっても、寺岡の誘いを妻は全て行け入れていたようだ。
ただ一度、私と喧嘩した翌日は妻から連絡を入れて会った事を、会話の中でかなり謝っていた。

当初、妻は“夫には申し訳ないから、私達は離婚した方が良いと思う”と言った。
寺岡は、“会っていられるのはお互いが結婚したから。だからお互い家庭は壊さないで、会うしかない”と、この時と喧嘩した翌日に言ってる。
妻を納得させているようだが、自分の家庭を壊されたくないだけの言い訳と思われる。

私との営みを拒んだのは妻自身の考えで、“トシ(寺岡)以外の人に抱かれたくなくて、拒んでいる”と言っている。
寺岡は、“それは良く無い、夫婦生活は普通にするように”と言い聞かせていた。

喧嘩した翌日は、“とにかく謝って仲直りしなさい”と妻を説得している。
相当、発覚するのを恐れているような発言が目立つ。

会う時に妻は私との結婚指輪を外し、寺岡のしている結婚指輪と似た指輪を左手の薬指にしているようだ。
これは妻が同じような指輪を自分で購入して、勝手にはめていると言っている。


旅行は、妻の願いを寺岡が聞き入れて決定している。
この時の妻の声は、本当に嬉しそうにそして子供の様にはしゃいでいた。

旅行の音声は、2人が旅館の部屋に入ってから約5時間後で、夕食も済みその後大浴場に行き帰って来てからのものだ。


前に、横山氏が“堀切さんにとって辛い内容”と言っていた理由は、2回記録されているSEXの事でしょう。
確かに私以外との営みの声を聴く事になるとは思ってもいなかったし、ましてや私の知らない妻の本性を聴いたような気がしました。


妻自ら寺岡を欲しがり、狂ったように喘いでいるものでした。

また寺岡の要求に応えるように淫語を連呼する妻、次第に自らも淫語を言い乱れまくる声であった。
最後に中出しを要求した時には、私も聴いていて呆れてしまいました。
その後2人の会話で、寺岡はかなり心配しているようで“本当に大丈夫か?”と何回か聞いていた。
妻は“安全日を選んで来てるって何回も言ってるでしょ”と答えていた。


翌朝も露天に誘う妻の声から始まったが、そこでもやりまくっていたのだろう。

宿を出る時の会話で、妻が持っていた手提げ袋が寺岡へのプレゼントで、ブランド物のシャツだと分かった。
改めてその時の画像を見直したが、高級な物だろうと思う。

帰りのラブホテルも入れて何回やっていたか定かではないが、寺岡への陶酔ぶりは本物だと確信した。


全てを見て聴き終り、私は怒りというより呆れ果て、妻に対する愛情が無い事もハッキリした。
  1. 2014/08/08(金) 18:04:32|
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赦さない・・・ 第16回

また次の日から、嘘の夫婦生活が始まった。

妻はより一層、私との関係を普通にしようとしているようだ。
結婚したばかりの頃に戻ったようでもあるが、お互いの気持ちは当時とは違っている。
もしかして今なら、営みを誘ったら大丈夫だろうと思えるほどでもある。誘おうとは思わないけれど・・・。


水曜日には、いつものように『会社の付き合いで遅くなる』とメールが入った。
11時近くに帰って来た妻は、もちろん機嫌は良く、私との会話も避けるような事はなかった。
寺岡と離れない為だったら、自分の気持ちも変えられるのかと思いながら妻を見ていた。


木曜日の夜には、本当に三井さんから電話が入り「日曜日にビリヤードをやろうと」言ってきた。

妻に日曜は出掛ける事を伝えると、この週末に予定の無い妻は「買い物でも行こうかな」と言っていた。
私は“またプレゼントでも買いに行くのか”と口から出そうになった。


日曜日は昼食を家で済ませ、三井邸へ向かった。

前回と同じようにインターホンを押し、中に招かれ玄関の呼び鈴を鳴らすと見知らぬ女性が出て来てきた。
リビングルームへと行くと奥さんが居て挨拶をすると、「こちら家政婦の吉田さん」と紹介された。

奥さんは「堀切さんに大きめのコップでジュースをお願いね」と吉田さんに言って微笑んだ。

ジュースを飲みながら、奥さんと世間話しを10分ぐらいした時、2階から三井さんが降りて来た。
「おぉ!来たな。今日は負けないからな」と言うと、早々に始めようとしていた。


かなりの時間ビリヤードをやり夕食をご馳走になりましたが、寺岡や妻の話しは一切出ませんでした。
帰りに「また、やろうな!」と三井さんに言われ帰宅しました。


風呂から出てソファーでビールを飲んでいると「私も一緒に飲もうかな~」と言って隣に座りました。
わざとらしいと私は思い、寺岡から“仲良くしろ”と、かなり言われているんだと感じた。


そして火曜日、ついに待ち望んでいた横山氏からの連絡が入りました。
決行日は今週の土曜、全ては打ち合わせ通り。


水曜日の夜、妻が「日曜日は出掛けても良いかなぁ」と言ってきた。
これも計画通りで2人が日曜に会うようにしておけば、土曜日に誘い出す事が容易になるという考えだ。

私「日曜かぁ・・・いいけど。それじゃぁ、土曜日はちょっと付き合ってくれるか」
妻「なんなの?」
私「恩人に会ってもらいたいんだ」
妻「どんな人なの?」
私「とてもお世話になっている家族で、リナにも会ってほしいと思ってね」
妻「分かった、いいわよ」
私「ありがとー」

“お前達の日曜日は無いんだよ”と思いながら妻を見て微笑んだ。
  1. 2014/08/08(金) 18:05:48|
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赦さない・・・ 第17回

木曜・金曜は何事も無く過ぎ、待ちに待った土曜日。

妻「どんな服装で行けば良いかしら?」
私「着飾る事は無いよ、俺は普段着で行くよ」
妻「何か持っていかなくていいの?」
私「今日は手ぶらでいいんだよ」

午前中に出掛け、三井邸の最寄りの駅前でランチを食べながら横山氏からの連絡を待ちます。
セットのドリンクを飲んでいると、予定よりも少し早く『お越し下さい』のメールが入りました。

妻と2人、三井邸へと向かう間、胸がドキドキしている自分に驚いた。

いつものようにインターホンを鳴らし、奥さんの「お入り下さい」の声で中へ入ると「立派な家ねぇ」と妻が呟いた。
玄関で呼び鈴を鳴らすと奥さんが出て来て「いらっしゃい」と妻の顔をジロリと見ました。

妻は「お邪魔します」と頭を下げ、私と2人で奥さんの後についてリビングルームへと向かった。


リビングルームへ入って真正面に横山氏と麻美さんが見え、その向かいに座っていた寺岡がこちらを振り向いた。
寺岡は直ぐに向き直り、うなだれるように頭を下げた。
妻はその瞬間、身動きできずにその場に固まったまま、かすかに震えていた。

横山「堀切里奈さん、こちらに来てお座り下さい」
そう言って寺岡の横を指した。

固まったままの妻の背中を押しながら「自分で歩けや」と私は言った。

麻美さんの斜め横に座っていた三井さんが「写真で見るより美人だね」と言ってニヤッとした。

その時、寺岡が「オエッオエッ」と、今にも吐きそうに口を手で押さえている。
三井さんが「こんな所で吐かないでくれよ」と冷たく言った。


麻美さんは妻がリビングルームに入って来た時から目を離さず睨みつけている。

私は「サッサと座れよ」と言い、また背中を押すと寺岡の横に50センチぐらい離れて座った。

私は「横山さん、ちょっと待って下さいね」と言ってバックからビデオカメラと三脚を取り出し、2人が映るようにセットし始めた。

静まり返った中、奥さんが「いつものジュースでいいわよね?奥さんも一緒でいいかしら」。
私「きっと喉なんか通らないでしょうし、もったいないから俺だけ頂きます」

三井「堀切君、なんか嬉しそうだね~」
私「そりゃーそうですよ。この日を待っていましたからね」


私の前にジュースが出され、ビデオカメラのセットが終わり録画ボタンを押した。
横山氏に「お待たせしました。それじゃ、始めて下さい」と言って私も座った。

テーブルの上には資料やノートパソコン、それとICレコーダーが置いてある。
  1. 2014/08/08(金) 18:07:18|
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赦さない・・・ 第18回

横山「里奈さん、顔を上げて頂けますか」
膝の上で固く握られた拳が微妙に震えている妻が、ゆっくりと顔を上げ正面の横山氏を見た。

横山「私は弁護士の横山真一と申します。こちらは寺岡敏文さんの奥様で麻美さんです」
妻は一瞬、目だけを動かし麻美さんを見た。

横山「そして、麻美さんのお父様とお母様です」
妻の口がかすかに動いたが言葉となって出てはこなかった。

横山「敏文さん、こちらは里奈さんのご主人で堀切吉次さんです」
と、紹介したが寺岡は私を見る事は無かった。


横山「里奈さん、もう状況はお分かりだと思いますが、取りあえずこれを見て頂けますか」
そういってノートパソコンの画像を数枚、妻に見せました。

横山「里奈さんと敏文さんで間違いないでしょうか?」
妻「・・・・・はい」絞り出したかのように声を出した。
横山「不貞行為をしている事を認めますか?」
妻「・・・」と言った時、チラッと寺岡を見た。
横山「認めますか?」少し強い口調になった。
妻「・・・はい」


横山「今回の不貞行為について、こちらは全ての証拠を持っていると思って頂いて結構です。
そこで今日は確認という事でお話しを伺いたい、決して嘘は言わないで下さい。
先ほど、敏文さんには同じ事をお聞きしましたので、今度は里奈さんにお伺いします」


横山「まず、不貞行為の切っ掛けとなる最初の連絡はどちらがしましたか?」
妻「・・・・・」
横山「どちらからですか?」
妻「・・・・・寺岡さんからです」
こう言った瞬間、寺岡が「ち・違うよ・・・」と口走った。
すかさず横山氏は「後で話しは伺いますから、話しが終るまで黙っていて下さい!」少しキツイ口調で言った。


この後、メモを取りながら横山氏が妻に質問をしていく。
しかし、この状況でスムーズには答えられない妻に、根気強く質問を重ねていった。
(実際は、言葉が出ないのか喋りたくないのか寺岡に気を使っているのか、定かではないが・・・)

その結果、やっと妻が語った事は・・・


結婚して1週間ぐらい経った時、寺岡さんから連絡が来て「前の事を謝りたい、結婚祝いもしたい」と言われました。
最初は断っていたのですが、3日ぐらい続けて連絡が来て1回だけなら良いかと会いました。

前の事をちゃんと謝ってくれて「あの時は仕方がなかった、今も好きなのは里奈だけだ」と言ってくれました。
飲んでいるうちに気持ちが揺れてしまい誘われるままホテルに行きました。
それからは前に戻ったように、寺岡さんにのめり込んでいった事に間違いありません。

今まで会った回数は、仕事終わりの夜と週末とで10回ぐらいだと思います。

会うのは全て寺岡さんの都合に合わせていました。
一度だけ、夫と喧嘩した翌日は、「どうしても相談したい事がある」と私の方から連絡を入れて会いました。

旅行は私のわがままを聞いてもらい、一緒に行ってもらいました。


言葉が詰まり、時には黙り込む妻から、これだけの事を聞き出すのにかなりの時間を費やした。
  1. 2014/08/08(金) 18:08:44|
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赦さない・・・ 第19回

横山「ここまでの話しを聞いて、敏文さんは何か言いたい事が有りますか?」
寺岡「この女の言っている事はデタラメで、さっき俺が言った事が本当だ」と、麻美さんに向かって言った。

横山「里奈さんはデタラメを言ったのですか?」
妻「・・・・・」下を向いたまま何も答えなかった。
横山「それでは、先ほど敏文さんが言った事を里奈さんにも聞いてもらいましょう」

そう言うとメモを読み始めた。


数年前に少しの期間、付き合っていたが別れた事を根に持っているみたいで困っている。
今回も急に連絡をして来て「結婚祝いぐらいしてくれても良いんじゃない」と何度も言ってきた。
あまりしつこいので一度だけ会う事にしたらホテルに誘われ、断ったら「奥さんに会わせろ」と言われた。
一回行けば、もう連絡しないと言うのでホテルに行った。

その後は、「奥さんに言う」と脅されて、とにかく麻美に知られるのが怖くてズルズルと関係を続けてしまった。
旅行も断り切れずに、嫌々行ったし、とにかく従うしかなかった。


横山「敏文さんは、こう言っていますよ」と妻を見た。
妻「・・・・・」言葉が出ない妻は益々体を硬直させ、下を向き肩が震えていた。

横山「会った回数も、敏文さんは3~4回ぐらいと言っています。どちらが本当なのでしょうかね」
寺岡「俺は嘘は言ってない」
横山「会うのは里奈さんの都合に合わせていたわけですね」
寺岡「頻繁に連絡があり誘われて、その都度かなり断ったが脅されて仕方なく会ってしまったんだ」


横山「かなり話に食い違いがありますね。前に付き合っていた期間なのですが、どのくらいですか里奈さん」
妻「・・・・・3年ぐらいです」
横山「敏文さんは5カ月ぐらいで、その後はストーカーみたいだったと言っています」
妻「・・・・・」


横山「敏文さん、最初に言いましたよね。全ての証拠を持っていると」

麻美「全て分かっているのよ!」
寺岡の体がビクッと動き上目遣いで麻美さんと三井さんを見た。

三井「女々しい男だな~。そう思うだろ堀切君」
私「色男が台無しだねぇ。まぁ色男というよりはエロ男だけどね」
三井「わっはっはっは~、上手い事言うね~」


横山「敏文さんの言っている事は全て嘘だと、ここに居る皆さんが知っていますよ」
血の気が引いた顔、そして虚ろな目で何も言えない寺岡だった。

横山「先ほど見せた画像は、証拠のほんの一部で、その他2人の会話なども記録していますので、
今回の詳細は全て分かっています」


寺岡はソファーから降り麻美さんに向かって土下座をした。
寺岡「すまなかった!本当に申し訳ありませんでした」

今度は三井さんに向かって土下座をして、
寺岡「許して下さい、お願いします」
  1. 2014/08/08(金) 18:10:15|
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赦さない・・・ 第20回

麻美「あなたの言っている事は、全部嘘じゃない!」
寺岡「誤解なんだ、信じてくれ」
麻美「なにが誤解なの!」
寺岡「いや、あぁー・・・」

麻美「どういうつもりで、こんな事したのよ!」
寺岡「ほんの遊びのつもりだったんだ。ただ都合が良かっただけで、こんな馬鹿な女の事なんて何とも思ってない。
本当に愛しているのは麻美だけなんだ」

麻美「旅行まで行ったんでしょ!」
寺岡「それは本当に、この女が強引に行こうと誘うので断れなかったんだ」
麻美「嬉しそうに、プレゼントされたシャツを着てたくせして」
寺岡「仕方なくだよ、その証拠にシャツは帰りに捨てたんだから」

この会話の最中、妻が嗚咽を漏らし始めた。


重苦しい雰囲気の中、冷静な声で
横山「それでは本題に入りましょう」
そう言うと、妻と寺岡の前にそれぞれ用紙を出した。

横山「それは堀切さんから頼まれた誓約書です。良く読んで頂いて署名捺印を頂けますか」
そこには“親密な関係にあったことを認める事、 今後いかなる理由があろうとも一切の関り、接触を絶つ事”などが
難しく長々と書かれてあった。

2人は読み終わると住所を書き、署名そして拇印をした。


横山「堀切さんは敏文さんに対して金銭をもって示談にすると言っていますが、いかがですか?」
寺岡「はい、それはもちろん」
横山「通常200万円~300万円ですが、今回500万円を請求します」

三井「直ぐに払うに決まっているよな」
寺岡「は、はい」

横山「麻美さんも里奈さんに500万円で示談としたい考えですが、いかがですか?」

泣き続けている妻も「はい、お願いします」と、なんとか声に出した。

横山「それでは、示談書は早急に作成しておきます」


床に正座をしている寺岡、今なお嗚咽を漏らしている妻、私はそんな2人を見て大きくため息をついた。

横山「堀切さん、後は奥さんとお2人で今後の事を話し合ってみて下さい」
私「分かりました」
そう言うと私は、ビデオカメラをオフにして片付け始めた。


私「最後にエロ男に言いたいんだけど、俺には何か言う気はねぇのかなぁ」
寺岡「えっあっ、この度は申し訳ありませんでした」私に向かって土下座をした。

それを見ていた妻が慌ててソファーから降り土下座をして、麻美さんと三井さんそして奥さんに何度も頭を下げた。
妻「申し訳ありませんでした。お許し下さい・・・」
そして声を出して号泣した。


横山「近日中に連絡しますのでお待ち下さい」
私「了解しました、今日は有り難うございました。失礼します」
麻美さん三井さん奥さんにも会釈をしました。

私「お前はどうするんだ?そのままエロ男の側に居るつもりか?」
妻は力無く立ち上がり、皆さんに頭を下げると歩き出した。


とぼとぼと私に付いてくる妻を、振り返る事もなく家まで帰った。
  1. 2014/08/08(金) 18:11:47|
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赦さない・・・ 第21回

部屋に入り、私は冷蔵庫からビールを出し一気に飲んだ。
リビングの床に正座した妻が「ゴメンなさい・・・許して下さい」と泣きだし土下座した。


そのまま数十分、妻が落ち着くのを待ち私は話し始めた。

私「お前はこれからどうするつもりなんだ」
妻「許して下さい、お願いします」
私「許す?そんな必要はないだろ、俺より“あの男”を選んだんだろ?」
妻「あの人の気持ちは今日で全て分かりました、私が馬鹿でした・・・」

私「全て分かった?前に捨てられた時だって分かってたんじゃないのか?」
妻「はい・・・、でも一度会ってしまったら・・・、本当に愛していた人だったから・・・」
私「それじゃ、俺はお前にとって何なんだ?」
妻「もちろん愛していたから結婚したし、あの人の事は私の中からは消えたはずだった。
でも・・・会ってしまったら、前に付き合っていた時と同じ気持ちになってしまったの。
私にとって、忘れられない人だった。あの人は特別だったんです、私の全てだったんです。
ヨシには悪いと思って離婚も考えたし、でも離婚すれば会えなくなるので言えませんでした」

私「結婚したから、アイツに抱いてもらえるなんて皮肉だな。そりゃ気持ち悪い俺と離婚も出来ないよな」
妻「気持ち悪いなんて本当に思ってません。ただあの時は、あの人の事しか頭に無くて拒否してしまった・・・
あの人以外は考えられなかった・・・どうかしてました」
私「アイツだけの女で居たかったわけだ。アイツはお前の事なんか、何とも思ってなかったけどな」
妻「・・・・・本当にごめんなさい」


私「そう言っても、また連絡が来て“あの時はああ言うしかなかった、本心じゃない。好きなのは里奈だけだ”とか言われたら、
また同じ事を繰り返すんだろ」
妻「そんな事は無い、絶対に。あの人の本心は全て分かったから・・・」
私「そんな事言って、今も連絡を待っているんだろ」
妻「信じて下さい、お願いします」
私「お前の何を信じれば良いんだよ」
妻「信じてもらえるように努力します、チャンスを下さい」


私「それじゃぁ、今後お前はどうしたいんだ?」
妻「ヨシと・・・やり直したい・・・」
私「あぁ?何をやり直すって?また、みんなを呼んで結婚式でも挙げるのか?俺達は始まってもいないんだよ!」
妻「・・・・・本当にごめんなさい・・・」
また嗚咽を漏らし始めた。

私「それとなぁ、俺の事をヨシって呼ばないでもらえるか。アイツの事はトシって呼んでたんだよな、気持ち悪りーんだよ」
妻「・・・・・」


ここで私は妻を無視して、シャワーを浴びに風呂場に入りました。
出て来た時、妻はそのままの場所でうなだれていた。
  1. 2014/08/08(金) 18:21:09|
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赦さない・・・ 第22回

腹が減ったのでカップラーメンを食べた後、妻の側に行き話し始めました。

私「お前の親に、俺が結婚の挨拶に行った時の事を憶えてるか?」
妻「・・・はい」
私「お前のオヤジは俺に“娘を泣かすような事があったら絶対に許さない”と言ったよな。
あの頑固オヤジが今回の事を知ったら、お前をどうするだろうなぁ」
妻「それだけは・・・許して下さい、お願いします」
私「大悟だって同じだぞ、俺は大悟を犯罪者にしたくないからよぉ」
妻「分かっています。お願いです、やり直す機会を下さい」

また土下座をして号泣した。


私「今日はもう寝るから・・・。続きは明日にしよう」
そう言って寝室に行き、ベッドに入り目を閉じ考えていました。


妻が本気で“やり直したい”と言っているのかは分からないが、私にはそんな事は関係ない事だ。
どうあれ許す気は全くないし、私の中では離婚は確定している事だから。
麻美さんも言っていたように直ぐには別れずに、ここは側において様子を見よう。
当分の間、このままの生活を“条件付き”で続けてみようと思った。


翌日、目が覚めて隣のベッドを見ると妻が寝た形跡はなかった。
リビングに出ると妻はソファーに座っていた。
シャワーを浴び着替えたようで、化粧は綺麗に落とされていたが腫れぼったい顔であった。

妻「何か食べますか?」
私「そうだな」

妻がパスタを作り2人で食べた後、改めて向かい合い話し合った。
1日経ち、お互い冷静に話せる状態ではあった。


私「もしアイツがお前と一緒になりたいと言ったら喜んで受け入れていたんだよな?」
妻「そうだったと思います。でも、あの人が離婚する事はないと思っていました」
私「今回の事で、アイツは離婚するんじゃないのか」
妻「もしそうでも、もう関係ありません」
私「アイツがダメだから俺なのか」
妻「そう言う事ではなく・・・、本当にゴメンなさい。許してもらえるように、どんな償いでもします」


私「それにしても、あんなに憎んでいた男を、良くもまぁすんなりと受け入れられるもんだなぁ」
妻「自分でも良く分からないけど、やっぱり忘れられない特別の人だったのだと思う。それと可哀相にもなって」
私「可哀相?何が?」
妻「愚痴を聞いていたら可哀相になったの。会話の内容は知っているんでしょ?」

私「お前の口から聞きたいから、全て話せよ」
妻「肩身は狭いし、毎日辛い結婚生活とか。お金も自由に使えないし、全て指図されている。俺は種馬じゃ無いとか。
プライドが高くヒステリックで嫉妬深い。本当に嫌なババア、結婚なんかしたくなかった。こんなような事を良く言っていたわ」


私の貰った証拠の会話には、こんな話しは一切入っていない。
麻美さんのプライドが許さないはずで、私に渡す物からは消すように指示したに違いない。
寺岡の言った事が真実でも嘘でも、麻美さんの怒りが倍増したのは確かであろう。


私「そんなに簡単にアイツの事を忘れられるのか?忘れられない特別の男なんだろ」
妻「今回は本当に、あの人の本心が分かったから、絶対に大丈夫です」
私「1日に何度も抱かれて、乱れ狂い中出しまでさせた男だぞ」
妻「えっ?何で・・・」
私「驚いたか?何でも知っているんだよ。聴かせてやろうか、お前の狂ったような喘ぎ声を」
妻「・・・ごめんなさい」
  1. 2014/08/08(金) 18:23:24|
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赦さない・・・ 第23回

強張った表情の妻に、立て続けに聞いていきました。

私「やり直したとしても、お前に皮肉を言う事や辛く当たる事があるはずだぞ」
妻「それは、しょうがない事だと思います」
私「耐えられるのか」
妻「はい」


私「それじゃ、お前が本気なのかどうか、俺が出す条件に従うなら様子を見ようじゃないか」
妻「どんな事ですか」


私が出した条件は、

嘘や隠し事は絶対にしない。些細な事でも全て報告する。
金銭管理は全て私がする。家賃を含め公共料金も食費も半分ずつ負担する。通帳もカード類も預かり、妻は小遣い制にする。
営みは出来る限りの奉仕をする。私からの要求は全て受け入れる。
貴金属、バッグ類、服などのブランド品は全て処分する。


かなり戸惑っていた妻だが、最終的には承諾した。

私「それら全てを誓いの言葉として用紙に書いて署名捺印しろよ」
妻は私の言った事に従い、書き始めた。


私「もし約束を守らなかった時は終わりだ。親を始め知り合い全員に証拠の全てをぶちまけるし、もちろん慰謝料も要求する」
妻「約束します、絶対に守ります。償わせて下さい」

私「通帳と印鑑、キャッシュカードにクレジットカードもここへ出せよ」
妻は素直に私の前に差し出した。

通帳は2つ有り、両方の預金を足すと約610万円ありました。
(後日、記帳してみると最近の約2カ月で、かなりの金額が頻繁に引き出されていた)


私「それじゃぁ、全部預かるからな。他にヘソクリとかは無いのか?」
妻「無いです」


私「小遣いは月に2万円な。食料などの買い物用として1万円渡しておく、それはレシートを見せれば補充するから」
妻「会社の付き合いとかお昼代を考えると足りないと思うんだけど・・・」
私「2カ月以上も好き勝手しておいて馬鹿言ってんじゃねーよ。お昼は、残り物を弁当にして持って行けよ。
後はやり繰りするんだな」


その後、貴金属・バッグ類・服などを私の目の前に出させた。
必要最低限の物だけを妻に返し「売れる物は金に換えるから安心しろ」と言った。

妻「時計は必要なので返してほしいんだけど」
私「アイツと会う時に付けていた物や、着てた物は全て処分するからダメだ」
妻「・・・・・」
私「アイツの結婚指輪と似てる指輪ってどれだ?」
妻「あっ、それはポーチの中に」

妻は、いつも持ち歩いているポーチを持ってきて、中から指輪を取り出した。

私「これは捨てるぞ」と言って指輪を受け取った。


次にタンスまで行き下着を全て見せるように言った。
そこには上下揃いの高級そうな下着が、かなりの枚数入っていた。

私「見た事の無い下着があるなぁ。アイツの為に買った物か?」
妻「・・・そうです」
私「全て捨てるからな」
妻「・・・はい」


私「それから今してる結婚指輪は外して俺に預けてもらおうかな」

妻は全てを諦めたかのように、私の言った事に従った。
  1. 2014/08/08(金) 18:24:47|
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赦さない・・・ 第24回

夕食を済ませ風呂から出て、リビングで少しの時間を過ごすと寝室へと行った。
お互いのベッドに入り電気を消し、私は妻に問いかけた。

私「そんなにアイツのチンコが良かったのか?」
妻「そういう事じゃなくて・・・」
私「セックスが上手かったわけだ」
妻「違うの、本当に愛していた、ただそれだけで・・・。側に居たかった・・・それだけだった」

私「アイツの言う事は、何でも受け入れていたんだろ?」
妻「どういう事?」
私「野外でやったり、SMとかハメ撮りとかもしたんだろ」
妻「そんな事してない」
私「露天風呂は野外じゃないのか?」
妻「・・・・・」


私「アナルも捧げたのか?」
妻「それは私が大嫌いなの知ってるでしょ」

確かに私の知る限り、アナルに触れるのも嫌がっていた。

私「それは俺との事で、アイツは特別の人だから何でもやらせていたんだろ」
妻「本当にしてない」
私「そうか・・・」

私もかなり疲れていたのでしょう、そのまま深い眠りについた。


翌朝、朝食を食べながら

私「それじゃ、この先お前の“やり直したい”という気持ちを見させてもらうからな」
妻「ありがとう。それから・・・何て呼べばいいの?」
私「あぁ俺の事か。そうだな、“ヨシジさん”でいいよ」
妻「・・・わかった」


いつになく仕事を休みたい気分の月曜日だったが、無理して出社した。
仕事をしていても、頭の中がモヤモヤしてスッキリしない一日であった。


この日の帰り道、私はとある考えからアダルトショップに寄り“ローション”を買った。

家に着くと妻は夕食の支度をしていた。
私は先に風呂に入ろうとした時、電話が鳴りました。

電話は横山氏からで「示談の手続きをしたいので土曜日に事務所へ来てほしい」との事でした。
私は「当分の間、妻と別れずに居る事になった」と言い、麻美さんにも伝えてほしいとお願いした。

横山氏は妻に代わってほしいと言うので、キッチンまで子機を持っていった。
妻は強張った面持ちで「・・・はい、・・・はい、大丈夫です」と何度か返事をして電話を切りました。

妻「今度の土曜日に一緒に事務所に来てくれと言ってたけど」
私「うん、聞いたよ。事務所の場所は知ってるから」
そう言うと私は風呂に入った。


食事も終わりリビングでテレビを見ていると、洗い物を終え風呂から出て来た妻が側に来ました。

妻「土曜日にお金を持って行かなくてはならないのでお願いします」
私「そうか、通帳と印鑑だよな。あとで出しておくから」
妻「はい。それと、明日からお弁当を持っていきますがヨシジさんも要る?」
私「俺は今まで通り外で食うから要らない」
  1. 2014/08/08(金) 18:26:13|
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赦さない・・・ 第25回

2人で少しの時間、リビングで過ごした後「そろそろ寝室に行くか」と言って立ち上がりました。
妻は黙って私の後について来た。


寝室に入ると、私は裸になり妻のベッドに大の字に寝ました。

私「さぁ、どう奉仕してくれるのかな」
妻は無言で下着姿になり、まずはキスをしようとしました。

私「キスはしないでくれるかなぁ」
妻は一瞬“えっ”というような顔をしましたが、続けて私の体を愛撫します。
その後フェラを丹念にし始め、私はそれをしばらく堪能していました。


私「今度は、お前が裸になって横になれよ」
そう言って用意しておいたバスタオルを敷き、ローションを手に取りました。

妻「それは何?」
私「これはローションだよ。どうせ俺とじゃ、まともに濡れないだろう」

妻は下着を脱ぎ裸になると、素直にバスタオルの上に仰向けに寝ました。
久しぶりに見る妻の体であったが、さすがに以前の様な感情は湧かなかった。


妻の胸を両手で揉み、乳首を指で転がします。
しかし決して、口や舌を付ける事はしませんでした。

片手をマンコに持っていきクリトリスを触りましたが、たいして濡れません。
私はローションを右手に出しマンコに付け、中指を膣の中に入れて掻き回します。

その後、中指と薬指の2本でGスポットを激しく刺激し続けました。
妻も「あぁっあっあっあ~」と声を出し始めました。

さらに激しく手マンを続けていると、妻が逝きそうになったので膣から指を抜きました。

荒い息をしている妻に「どうして欲しいか言ってみなよ」と言いました。

妻「お願い・・・」
私「アイツには進んでマンコにチンコを入れてくれって言ってたんだろ」
妻「・・・・・。入れて下さい」
私「誰の何を、誰の何に入れてほしいのかハッキリ言わなくちゃ分かんないよ」
妻「私のマンコにヨシジさんのチンコを入れて下さい」
私「これからは毎回、自分から積極的に言えよ」
妻「・・・・・」


私「今度は“四つん這い”になれよ」
素直に従った妻の肛門にローションを垂らした。

妻「えっ!何するの?」と体を反転させ、私を見た。
私「アナルに入れる準備だよ」
妻「なに言ってるの?私が嫌いなの知ってるでしょ。そんなこと出来ないから」
私「じゃぁ、何処に入れるんだよ」
妻「・・・マンコ・・じゃ・ないの?」
私「アイツが使ってたマンコなんて、汚くて使えるかよ」
妻「・・・」
私「ウダウダ言ってないで、早く四つん這いになれよ」

妻は渋々四つん這いになりました。


私はローションを肛門と自分の右手に付け、ゆっくりと人差し指を入れてみた。
想像していたより案外すんなり入ってビックリしました。


私は今まで女性のアナルを触ったり、指で突いたりした事はあるがそれ以上はした事はない。
ましてやアナルセックスは興味も無く、したいと思った事もないのです。
  1. 2014/08/08(金) 18:27:41|
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赦さない・・・ 第26回

人差し指を根元まで入れ、掻き回していると「ウッウッ」と辛そうな声を出していた。
その後、ローションを足して人差し指と中指を入れようとしました。

妻「やっぱり止めて、・・・汚いし」
私「・・・」
妻「お願い、止めて。ねぇ、もう無理」
私は無視して2本の指を押しこもうとしました。

妻「嫌、痛い。痛いから止めて」
私「ゆっくりやるから、安心してろよ」

またローションを付けて、ゆっくり時間をかけて徐々に入れていきました。
妻は顔を枕に沈め、時折耐えるような声を出していました。


それからしばらくの間、肛門を広げるように2本指を出し入れしているとローションが茶色くなってきました。
ここで私の気持ちが萎えてしまい、今日はここまでで止めました。

その後フェラをさせ、妻の頭を両手で掴み喉を突くようにチンコを押しこみ腰を動かした。
妻は涙を流しながら、時折「ゲホッゲホッ」とむせていたが、私は構わず続けた。
やがて口の中で射精して「一滴残らず飲めよ」と言って終わりにしました。

私は直ぐにシャワーを浴びに行き、寝室に戻ると妻に「シャワーしたら」と言って先に寝ました。


翌朝、「今日銀行に行くのか?」と聞き、「はい」と答えた妻に預金通帳と印鑑を手渡した。


私は、会社帰りに薬局へ行きイチジク浣腸を買って帰宅した。

妻は「500万円引き出したから」と言って、通帳と印鑑を私に返した。
私は無言で受け取った。


食事も終わり妻が風呂に入ろうとした時、

私「風呂入る前に、これ使ってみて」とイチジク浣腸を渡した。
妻「これって・・・。今日もするの?」
私「“今日も”って、これからは毎日するよ。夫婦の営みだからなぁ」
妻「・・・そうなんだぁ」
私「それ使った方が汚く無いし、おまえも良いだろう」


説明書を見ながら「入れたら3分から10分出さないで我慢するんだってさ」と伝えた。

私「見ててやるからトイレで入れろよ」
妻「自分でやるから大丈夫、あっちに行ってて」
私「出したくなっても我慢しろよ。そうだなぁ最低5分、できれば10分な」
妻は無言で浣腸を持って、トイレに入って行きました。


私「どうだ?まだ出すなよ」
トイレの中から微かに妻の声が聞こえたような気がした。

妻「ねぇ!もう出していいよね!」
私「後2分」

その後トイレを流す音がして妻が出て来て、そのまま風呂に入った。


私がリビングで寛いでいると、風呂から出て来た妻もソファーに座った。

妻「私もビール飲んでいい?」
私「もちろん。俺にも、もう一本持ってきてくれ」

妻が私の方は向かずに、テレビを見ながら話し始めた。

妻「あのさぁ・・・、前からアナルに興味あったの?」
私「昔も今も、興味も無いし、やりたくもない行為だよ」
妻「それなら・・・普通にしてほしいんだけど」
私「昨日も言ったよな。汚ねぇマンコを使いたくないから仕方ないだろ」
妻「・・・・・」


私はビールを飲み終え「先に行ってるから」と言って寝室へ向かった。
  1. 2014/08/08(金) 18:28:54|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 第27回

その後妻もやって来て、昨日と同じようにバスタオルを敷き、裸の妻を寝かせた。

ローションを使い手マンで激しく責め、指も2本から3本にして逝きそうになると止める行為を繰り返した。
妻の息も荒くなった所で、四つん這いにさせた。
ローションを垂らし、今度はアナルに指を入れ、ほぐすように掻き回し指を1本から2本と入れていった。
昨日に比べると浣腸の影響なのか、とても楽に入ってしまった。

ローションを掛けながら3本の指を入れはじめた時「ダメダメダメ、痛い痛い」と叫んで顔を枕に沈めた。
私は無視して掻き回し続け、2本は根元までスッポリ入るが3本は途中までしか入らなかった。

そろそろ良い頃だと私はチンコにコンドームを被せ、そこにローションを付けて挿入を開始した。
亀頭が入り始めると妻が枕に顔を埋めたまま、言葉にならない声を出し我慢しているのが分かった。

半分ぐらい入った所でピストンを始めた。
妻の両手はシーツを強く握り締め、うめき声をあげ耐えていた。
最終的には根元まで押し込んで腰を振り続けそのまま射精した。


この日から毎晩アナルセックスをするようになり、金曜日にはまたアダルトショップへ行きローションを2本買った。
その時にアナルプラグとマンコ用にとディルドも買って、その日から使い始めました。


そして土曜日、妻と一緒に横山氏の事務所に向かった。

緊張の面持ちの妻を連れ事務所に着き、出て来た横山氏に挨拶をして応接室へ。
そこには、麻美さんが座っていて妻を睨みつけた。

私は挨拶をしてソファーに座った。

妻は「本当に申し訳ありませんでした」と麻美さんに向かって頭を下げた。
麻美さんは何も言わずに妻を見続けている。

横山は「ぞうぞ、お座り下さい」と言い、淡々と物事を進めていった。

私は書類に署名捺印し、寺岡からのお金を受け取った。
妻もお金を差し出し、書類を受け取り全ては簡単に終わった。


その後、麻美さんが初めて妻に向かって話しかけた。

麻美「これで全て終わったなんて思わないでね。私はアナタも寺岡も絶対に“赦さない・・・”」
この時の麻美さんの表情と言葉は、その後も忘れられずに私の頭の中に残っていた。

妻は何の言葉も出ないまま頭を下げた。


麻美「そうだ、アナタに良いこと教えてあげる。寺岡の同僚で金子さんってご存知よね?」
妻「はい」
麻美「最近、お会いになったかしら?」
妻「いいえ。前に勤めていた時に何度かお会いしましたけど」

麻美「その金子さんから聞いた話しなんだけど。寺岡がアナタの事を“馬鹿で本当に都合のいい女だよ” と言って
“近いうちにお前にも抱かせてやるよ”と、アナタの裸の写真を見せたそうよ」
妻「・・・・・」

妻の表情は強張り唇を噛みしめていた。
麻美さんは、その表情を見て不敵な微笑みを浮かべていた。
  1. 2014/08/08(金) 18:30:26|
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赦さない・・・ 第28回

その後、横山氏が「これ残りの資料とDVDです」そう言って私に封筒を渡しました。

横山「また何かありましたら、ご連絡しますので」
私「はい。ありがとうございました」

立ち上がった妻は無言のまま、麻美さんに深々と頭を下げました。

本当はその後の寺岡の事を聞きたかったのですが、妻が居るので諦め、帰る事にしました。


私と妻は、会話も無いまま帰宅した。


ソファーに座り妻に向かって語りかけた。
私「俺に言う事はないのか?」
妻「え?何を・・・」

私「写真を撮らしてたんだろ」
妻「それは湯河原に行った時、温泉に入る前に2・3枚撮りました」
私「それだけか?ハメ撮りとかもしてたんだろー」
妻「そんな事はしてない。本当です」
私「・・・・・」

私は、それ以上の会話をせず寝室に入り資料を見る事にしました。

画像も音声も目新しい事はなく、ただ一か所だけ。
会話で寺岡が“旦那を拒否するのはマズイよ”と言って、妻が“トシがそう言うなら分かった”と答えた。

この会話を聞いた時、麻美さんが話していた“同僚に抱かそうとしていた”という事が思い出された。


私は夕食時に妻に聞いてみた。

私「今日の麻美さんの話しを聞いて、アイツの事をどう思う?」
妻「えっ・・・。本当に酷いと思う・・・」
私「酷い?それがお前の一番愛してた男だよな」
妻「・・・・・」

私「でもアイツから頼まれたら、抱かれてたんだろうなぁ」
妻「そんな事、絶対にないから」
私「そうかなぁ。抱かれるのが嫌で拒否していた俺でさえ、アイツから言われれば抱かれる覚悟が出来るんだしなぁ」
妻「それは・・・ヨシジさんと金子さんでは話しが違うから」
私「アイツから頼まれれば、誰でも一緒だろ」
妻「違います・・・」
私「アイツが全てなんだろ」

私は食事を終えその場を離れた。


妻は風呂から出て来て私の側で、いつものようにリビングで寛ぎテレビを見ていた。

私「明日、お前のブランド品を売りに行くから」
妻「分かりました」
私「ついでに夕食は外で食べてこよう」
妻「うん」


この後、いつものように寝室に行き“いつもの営み”を始めた。
でも、いつもと違っていた事があった。

妻「なんなの?」
私「今日からは、ビデオに撮ろうと思ってね」
妻「そんなの嫌よ」
私「なに文句言ってんだよ、アイツには撮らしたんだろ」
妻「あれは・・・立ってる姿だけよ」
私「立ってる姿なら誰にでも撮らせるのか?」
妻「そうじゃいなけど・・・」
私「アイツが良くて俺がダメってことは無いよな?」

妻は撮影をかなり嫌がっていたが、私はこの日から気が向いたときは営みを撮影するようになった。
  1. 2014/08/08(金) 18:31:47|
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赦さない・・・ 第29回

翌日の日曜日、2人でブランド品を持ち大○屋という買い取りの店に向かった。
箱に入っているバッグと洋服が嵩張り、かなりの荷物でした。

店に着き、買い取りをお願いすると店員はテキパキと品物を見ていった。

洋服の数点は買い取ってもらえない物があったが、その他の物は一点一点の値段を説明してくれた。
その値段を聞いた妻は「えっ」と小さな声を漏らしていた。
買った時の金額を考えれば、かなりショックな値段だったのであろう。

買い取り総額は185,000円で、私は交渉する事もなくその金額でお願いをした。


お金を受け取り、店を出た私は妻に話しかけた。

私「この金で、俺にシャツでも買ってくれないか?」
妻「うん、いいけど」
私「ブランド物の高いの買っていいよな」
妻「・・・うん」

その足でショップへ行き、好みの物は無かったが2万6千円のシャツを買った。


私「夕食さぁ・・・残りの金を使っていいよな」
妻「いいけど」
私「アイツとは高級な店に行ってたんでろ?」
妻「・・・まぁ」
私「俺さぁ行きたい店があるんだけど、そこでいいかな?」
妻「いいよ・・・」


実際、前から行ってみたかった高級鉄板焼きの店に行ってみた。

私はこの時とばかりに、普段は口に出来ない物を次々に注文した。

目の前の大きな鉄板で、注文したアワビや伊勢海老、特上のフィレステーキやフォアグラなどをシェフが焼いてくれた。
お酒も一度は飲んでみたかった高級芋焼酎をロックでかなりの杯数を飲んだ。

私「なにもかも美味いねぇ」
妻「本当に美味しいね」
私「お前は美味しい物、いつも食ってたんだろ?」
妻「・・・ごめんなさい・・・」

私「そうだ!今度、旅行に行こうよ」
妻「どこに?」
私「どこでもいいけど。ただ露天風呂が付いてる特別室にしようよ」
妻「そういう事なのね」
私「そうだよ。お前の金で招待してくれるよな」
妻「・・・はい」
私「今日買ったシャツはその時着るよ」


最後にデザートまで食べて、会計は2人で69,000円でした。


かなり良い気分で帰宅して、さすがにこの日は営みはせずに寝ました。


異様な生活も2週目に入っての木曜日、横山氏から連絡があり日曜日に三井邸に来てほしいと言ってきた。

妻に日曜日は出掛ける事を伝え、

私「そういえば旅行の宿は予約したか?」
妻「良い所は、かなり先まで空いてなくて」
私「俺とじゃ、そうだよな~」
妻「そうじゃないって、本当に空いてないよ」
私「分かった俺が取るから、それでいいよな」
妻「うん、いいけど」


“いつもの営み”も日課のように行っていた。
すでにアナルには指三本が根元まで入るように、マンコには指四本が途中まで入るようになっていた。

妻は嫌がる事も無くなり、無理をしない限り「痛い」と言う事もなくなった。
私も抵抗なく行為を出来るようになっていた。
  1. 2014/08/08(金) 18:32:57|
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赦さない・・・ 第30回

そして日曜日、昼食を済ませて三井邸へと向かった。

三井邸に着き、いつものようにリビングルームに入ると、横山氏も含めて麻美さんと三井夫妻が居ました。
皆さんに挨拶を済ませソファーに座りました。


まずは、横山氏が私に向かって話した。
横山「麻美さんですが、正式に離婚されました」

そう聞き、私が麻美さんの顔を見ると
麻美「ごめんなさいね。堀切さんには当分の間は別れないでとか言っておいて」
私「別に麻美さんに言われたからではなく、俺にも考えがあっての事ですから」
麻美「でも無理を言ったのは確かですから」

そう言うと私の前に封筒を差し出した。
麻美「これは私の気持ちです」
私「なんでしょう?」

私が封筒の中身を見ると、中には札束が2個入っていた。

私「これは、受け取れないですよ」
麻美「そう言わずに受け取って下さい」
三井「出された物は、サッサと仕舞えばいいんだよ!」

三井さんの言葉に圧倒され、私は頷き「それでは遠慮なく」と言い、受け取った。


麻美「それから、ここに来て頂くのもお会いするのも、今日で最後にさせて頂きたいの」
私「はい」
麻美「やはりお会いすると今回の事を想い出してしまうから」
私「お気持ちは良く分かります」

三井「俺はとても残念だけど、麻美の為だからしょうがないな」
私「そうですね」
麻美「今後、もし何かありましたら横山先生にご連絡をお願いします」
私「はい分かりました」


このまま帰らなくてはならないような状況だったのだが、私は思い切って聞いてみた。

私「あの~・・・、寺岡はどうしているんですか?」
横山「はい、現在は実家に戻っています」
三井「いいよ横山君、俺から話そう」
横山「はい」

三井「もっと詳しい事が聞きたいんだよな」
私「まあ・・・」
三井「会社は懲戒解雇になったよ」
私「そうですか」

三井「会社で不正をしていたんだよ。それが先日発覚してな、損害賠償まで背負ったという事だ」

私は三井さんが仕組んだ事だと思ったが、まるで自分には関係が無いような言い方であった。

三井「本当に馬鹿な男だったよ」
私「それで今は実家に戻ったというわけですか」

三井「その実家も近いうちに手放す事になるんだよな」
横山「来月中には、そうなります」
私「そうなんですか?」
横山「三井さんが用立てている分もありますし、スーパーと実家を手放しても足りませんけれど」
三井「全て失っても足りないとはな~」

そう言って立ち上がると「もう、あの男の事はいいだろう」とトイレに行った。
本当は、もっと詳しく聞きたかったのだが、そんな雰囲気ではなかった。


これ以上ここに居る意味も無く、というより居づらいので私は帰る事にした。
帰りに奥さんがパックに入ったジュースを持たせてくれ、皆さんとお別れをした。

ビリヤードをして夕食をご馳走になって、などという甘い考えもあったが想像以上に早く帰る事になった。
  1. 2014/08/08(金) 18:34:03|
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赦さない・・・ 第31回

三井邸から帰る途中、私は妻に電話をした。

私「夕食は食べて帰らないけど、良かったら外で食おうか?」
妻「いいけど」
私「それじゃ、○○駅前に18時で」


妻と落ち合い、歩き始めた。

私「寿司が食いたいんだけど、いいかな?」
妻「いいけど」
私「2週連続で美味しい物食えて嬉しいねぇ」
妻「・・・」

私「今日もお前のオゴリでいいよな」
妻「どうして?」
私「まだ見付かって無かったらアイツと食事して、お前が金を出してたんだろ」
妻「・・・・・」
私「俺の為に出すのは嫌というなら別だけどね」
妻「そんなことは・・・」
私「日曜は毎週、外食にしてもいいかもな」

こうして妻の金で飲み食いをすると、かなりベロベロになるほど飲んでしまう。


次の日から異様な生活も3週目に入り、この生活に慣れていく自分に少し嫌気を覚えていた。


この週には、箱根の強羅の宿を3週間後の土日で予約できました。
一泊二食付き露天風呂が付いた特別室、2人で103,400円でした。


その後、毎日が決まったように過ぎていった。


妻のオゴリという名目で、外食にも出掛けた。

私は、寺岡との事を嫌みのように言動に出し、妻にぶつける事の毎日でもあった。

妻はそれでも生活そのものは、かなり慣れてきているように思えた。


そんな中、予約した箱根への旅行にも行った。
妻と2人で行った旅行は楽しいはずも無く、ただ妻の金で贅沢をしてきただけの事であった。

旅行中の私の発言といえば、

「アイツと入った温泉の方が良かったか?」
「アイツと食った食事の方が上手かったよな?」
「アイツとの旅行の方が楽しかっただろ?」

などなど、妻が答える事も出来ないような問いかけを終始していた。


“いつもの営み”も毎日のように行い、妻はアナルで喘ぎ声を出すまでになっていた。
アナルプラグもディルドも大型の物に代わって、かなり拡張が進んでいた。


こんな生活も約一カ月半が経ち、何の意味も無いと感じ始めていた。

また、この頃よく考えていた事が有る。

妻は本当に私とやり直したいのか?
ただ世間体を気にしているだけなんじゃないのか?
寺岡からの連絡を待っているのか?
なんでこんな生活で我慢してるんだ・・・・・。

しかし、妻に私の疑問を問いただそうとは思わなかった。
なぜなら、妻がどう思っていようが私には関係も無いし、何も変わる事はないから。

ただ、こんな事を考え始めた事が、この生活の限界を意味しているようには感じていた。


ある日の午後、横山氏からの連絡は突然でした。

横山「今日、仕事終わりに事務所に寄る事は可能ですか?」
私「大丈夫ですが、何か有りましたか?」
横山「それはお越しいただいてから」
私「分かりました」
  1. 2014/08/09(土) 06:39:48|
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赦さない・・・ 第32回

私は仕事を終えると足早に事務所に向かった。

事務所に着くと、いつもと変わらずに横山氏が出迎えてくれた。
横山「わざわざお越し頂いて申し訳ありません」

もしかして麻美さんが居るのではと思っていたが、そこには誰も居なかった。

私「どうかしましたか?」
横山「麻美さんからの伝言をお伝えしようと思いまして」
私「なんでしょう?」

横山「“離婚して頂いて結構です”と言われています」
私「どういう事ですか?」
横山「麻美さんにとって、堀切さんが離婚しないでいる意味が無くなったと言う事です」
私「もうどうでも良いから、好きにしてくれという意味ですか」
横山「そう言う事ではないです」
私「なにか理由があるんじゃないですか?」


横山「実は、寺岡敏文さんがお亡くなりになりました」
私「えっ!?」

横山「会社を懲戒解雇になり損害賠償を背負い、両親もスーパーと家を処分したのですが全ては追いつかず、
生まれ育った土地を離れる事になった日に、崖から身を投げたそうです」

私「そうですか・・・」
予想外の事で、私も何をどう話して良いか戸惑っていたのは確かでした。


静まり返った中、私は質問してみた。

私「損害賠償ってかなりの額だったのですか?」
横山「さぁ、会社の一件は一切関わってないので分かりません」
私「たしか、三井さんが用立てていたお金もありましたよね」
横山「そうです。その金額などはお教えする事はできませんが」
私「そりゃぁそうですよね」


横山「ところで、堀切さんは今後どうされますか?」
私「近いうちに結論を出します」
横山「分かりました」
私「その時は横山さんにお願いしたいのですが」
横山「その場合は料金が発生しますよ」
私「もちろん分かってます。その時は、宜しくお願いします」


帰り道、私の頭でグルグルと浮かんでは消えた事があった。
本当に自ら命を・・・。
まさか三井さんが・・・。
そんな事はないだろう・・・。


帰宅した私は、いつもと変わらないように妻に接したが、この日から“いつもの営み”をする事はなかった。

寺岡が死んだ事によって、全てが終わったという事ではないが、私達の結論を出す時なんだと考えた。

そう、これで終わりにしよう。終わりにしなくてはいけないんだと・・・・・。
私の中で、張り詰めていたものが崩れた感じがした。
この時は、妻との出会いから今までの事を想い出していた。

そして理由はないが、妻には寺岡の事を言わないでおこうと思った。
  1. 2014/08/09(土) 06:41:07|
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赦さない・・・ 第33回

2日後、横山氏に連絡を入れ週末の予定を聞いた。
土曜日なら大丈夫という事で、私の考えを伝え、今後の事をお願いした。

次に、妻の実家に連絡をして“大事な要件がある”ので、土曜日に来てほしいと伝えた。


土曜日の午前中、妻に向かって話し始めた。

私「これから、お前の両親が来る事になっているから」
妻「どうして?」
私「もう終わりにする為だよ」
妻「なんで!どうしてなの」
私「お前だって分かっているだろ、やり直せる訳ないって」
妻「そんな事ない!」
私「俺はお前を許せない、許す事はできないんだよ!」

妻は号泣しながら「なんで、なんでなの」と私を見て繰り返し言った。


私は妻に向かって一方的に話した。


やり直せるはずもない、こんな生活をなぜ我慢しているのか、お前には何か理由があるんだろう。
世間体を気にしているのか?
俺の事を本当はどう思っているのか?
まだ寺岡の事を信じ連絡を待っているのか?

俺にとっては、そんな事全てどうでもいい事なんだよ。
お前が何を考え何を言おうが、そしてどう償おうが、お前のやった事を俺は絶対に“赦さない・・・”

そりゃぁ、アイツは救いようがない馬鹿で卑劣な男だよ。
でもな、俺を裏切り苦しめたのは、お前なんだよ。
お前さえ馬鹿な事をしなければ、普通に暮らせていただろうよ。


時間が経ち、涙が少し収まってきた妻が話し始めた。

妻「それじゃ、なんで様子を見ると言ったの?償う機会をくれたんじゃないの」
私「お前がアイツと不貞をしていた間の、俺の気持ちが分かるか?」
妻「・・・・・」
私「お前は自分さえ良ければと考えていたんだろ?だから俺も自分本位の2カ月を送らせてもらったよ」
妻「・・・・・」
私「俺に対して償える事なんてないんだよ」


そのまま2人共黙り込んだ。


約束の時間になりチャイムが鳴った。
玄関に行き、私は横山氏を迎え入れた。

少し遅れて妻の両親が来て、横山氏を紹介した。
弁護士と聞き、顔が強張ったままソファーに座った。
妻は終始下を向き、無言のまま項垂れていた。


横山氏は両親に今回の出来事を順を追って、事細かに資料を見せながら説明した。


横山氏の話しが終わると、いつもは物静かな義母が立ち上がり、妻の頬を平手打ちした。

義母「なんて馬鹿な事を!馬鹿!馬鹿!」
そう言いながら、妻の髪の毛を鷲掴みにして揺すった。
妻も義母もその場に泣き崩れた。

血の気が引き、歯を食いしばっていた義父が土下座をして
義父「吉次君、本当に申しわけない」
そう言うとしばらくの間、頭を上げる事はなかった。
  1. 2014/08/09(土) 06:43:10|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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赦さない・・・ 最終回

横山氏がみんなに元のソファーに座るように促し、話しを続けた。

横山「堀切さんは離婚するにあたり、慰謝料として500万円を要求します。
それと現在、里奈さんが勤めている会社には堀切さんの親友でお2人を引き合わせた山田大悟さんが勤めています。
その山田さんが今回の出来事を知った時の事を考え、早急に辞めて頂きたいそうです」


何も言わず俯いたままの妻に向かって義父が、

義父「おい!どうなんだ、ちゃんと答えなさい!」
妻「・・・会社は辞めます。お金は無いので、直ぐには払えません・・・」


義父「吉次君、やり直す事は出来ないのかい?」
私「出来ません」
義父「どうあっても無理なんだね」
私「はい」


義父「・・・お金は私がお支払いします。それで勘弁して下さい」
私「分かりました。後の細かい事は横山さんにお任せします」


重苦しい空気の中、私の結婚生活が終わった。


私は「今日は、このまま娘さんを連れて帰ってもらえますか?」と義父に聞いた。
義父は「そうした方が良いなら」と答えた。

妻は義母と一緒に身支度をし、最後に三人で私に向かって土下座をした。
妻は手に持てるだけの荷物を持ち、両親と一緒に出て行った。


その後、妻の荷物を全て実家に送った。


一週間後には、横山氏の事務所で妻と義父に会い、お金を受け取り離婚の手続きを済ませた。

義父「この度は本当に申し訳なかった、許して下さい」
そう言って私に向かい頭を下げた。


妻「仕事は辞めましたから安心して下さい」
私「分かった」
妻「私が馬鹿でした、本当にごめんなさい」
私「これでやっと自由になったんだから、好きなようにすれば良いさ」

お互いこれ以上の言葉は出てこなかった。
そして、これが妻との最後の会話になった。


私は妻と暮らしたマンションを引っ越し、気ままな1人暮らしに戻った。


大悟に今回の事を話した時は、土下座をして涙を流して私に謝っていました。
そして私が想像していた通り、大悟は「あの女、ただじゃぁ済ませねぇ!」と言って実家まで行こうとしました。
私は「バカな事をするなら大悟とは絶交する」と言って、なんとか止めました。


この後、麻美さんが元妻に対して何かをしたのか、少し気になった時期もありました。
しかし元妻がどうなったか、何をしているのかなど知る事も無く今に至っています。


去年の事で結婚に対してトラウマが出来たのは確かです。

今現在の私はといえば、付き合っている女性はいます。

今後、バツイチ男の幸せな結婚生活が来る事を願って、今の彼女を大切にします。


おわり





最後まで読んで下さった皆様、沢山のレスをくれた皆様、本当にありがとうございました。

去年の出来事を文章にして投稿するだけと安易に考えてスタートしましたが、途中かなり大変な事に気が付きました。
しかし、沢山のレスを励みに最後まで書く事が出来ました。本当に感謝しています。

そして今回、書いて良かったと思っています。
元妻のやった事は、大悟を始め色んな人に話しました。(説明の意味も含めて)
でも俺が元妻に対してやった事は、誰にも話していません。

ここに書いた事によって、何か吹っ切れたというか、勝手に楽になったというか、忘れる事が出来そうです。

それから、本当は5月に書き終る予定でした。
それは、もし結婚生活が続いていれば結婚一周年だったからです。

自分勝手な事を書いていますが、とにかくこれで全て忘れようと思っています。

最後は少し変な感じになってしまいましたが、それでも書いて良かったと思います。


本当にありがとうございました。
  1. 2014/08/09(土) 06:44:37|
  2. 赦さない・・・・ヨシキリ
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水遣り(前書)

そろそろ40代も後半の夫婦です。今までお互いに信頼しあいここまで来ました。その妻が浮気をしました。浮気ではなく相手の男に恋をしたのかも知れません。真実は妻の心の中にだけあります。 

こんな事は誰に話せる訳でもなく、一人で悶々としていました。私と同じ様な人が居るかも知れない。又、その方達はどんな思いをしていらっしゃるのか、ウェブを検索してみました。”愛妻の浮気”、”妻の不倫”等色々な言葉で検索しました。今ではどの言葉がヒットしたのか覚えていませんが、”妻物語”に出会えました。

BBS1-結婚後の妻の性体験とあるではないですか。過去ログから一気に読ませて頂きました。奥様と会社の上司、社長との不倫物語は特に念入りに読ませて頂きました。私だけではないんだ、沢山の方が悩み、闘っていらしゃるんだ。感銘を受けました。闘う勇気を頂けたような気がします。 

誰に話せる訳でもありません。書いてみる決心をしました。書いている中、自分の気持ちを見つめ直したいとも思っています。過去の事も現在進行形で書いていきます。 後で妻から聞いた事、相手の男から聞いた事、私の想像等織り交ざっています。特に妻と相手の男との性描写はそれぞれから聞いた事に私の思いをぶつけ、実際より相当濃いものに成っているかも知れません。実際にはなかった行為をも書いているかも知れません。

未だ終わった訳ではありません。私達夫婦はこれから何処へ行くのか。今までの事、これから起こるであろう事、出来る限り最後まで書いていこうと思います。お断りするまでもありませんが、登場する固有名詞は全て仮名です。

読んで頂いて、ご意見、お叱り、励まし等頂ければ、これ程嬉しい事はありません。
  1. 2014/08/11(月) 02:15:05|
  2. 水遣り・CR
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赦さない・・・・ヨシキリ (34)
戦い・MM (75)
誤解の代償・美鈴さんに捧げる (24)
子は鎹・種無し (10)
魔性・樹氷 (43)
品評会・ミチル (33)
帰省・N (5)
妻の同窓会・間抜けなそして幸せな夫 (37)
奈落・RHM (27)
侵略・流石川 (23)
二人の妻・桐 (93)
神の悪戯・弱い鬼 (36)
イヴとなった妻・忍兄さん (70)
インプリンティング・迷人 (64)
よき妻・BJ (26)
卒業・BJ(よき妻 第二部) (24)
卒業後・BJ(よき妻 第三部) (74)
2つの我が家・鎌田 (14)
ミコと美子・美子の夫 (21)
暗黙の了解・裏筋舐太郎 (34)
■職場関係 (591)
上司と妻・陽太 (6)
知らなかった・みつる (6)
妻の初体験・変な夫 (7)
堕ちていく天使の影・赤いかげろう (7)
私の妻・つよし (5)
僕の不貞な妻・カウニッツ (6)
招かれざる、客・使徒 (14)
屋上・古屋二太郎 (2)
デジカメ・龍 (6)
壊れかけの絆・叶 (34)
本当の妻・加藤 (17)
嫁が俺の会社の先輩に、デートの練習をした・不詳 (5)
二人の?妻・木下某 (27)
未完・修司 (19)
空白の2時間・ナガネギセブン (3)
妻・友子の不倫告白!・ヘタレ旦那! (18)
妻の浮気を知ってしまった。・美作 (2)
ピアノレッスン・悦 (5)
アルバイト・凛 (14)
元ヤクザの情婦にされた妻・574 (13)
観光温泉ホテル・公務員亭主 (16)
奥手でおとなしい妻が後輩に仕込まれた・名無し (6)
寝取られ妻が本気で妊娠まで・浩二 (5)
ナース妻を寝取られて・由美子命 (10)
写真館派遣の妻・無知な夫 (7)
私の身に起きた事実。・ファイター (10)
イケメン部下と妻・・・リュウセイ (9)
変貌する妻・雄治 (18)
僕の厄年・田舎おやじ (10)
訪問介護・サンコウシン (6)
狙われた人妻・亜紀・恋愛小説家 (7)
マラソンを愛する妻・スポーツトレーナー (3)
妻が汚れてしまった・常陸の親方 (10)
妻は専務のおもちゃだった・道騎士 (6)
妻の二人の夫・妻を愛する夫 (27)
見えない檻・生き物係り (30)
美樹がやられた・無能な夫 (41)
愛妻を・・・・川島クロード (12)
序破急・中務 (75)
月の裏側・久生 (14)
婚約者の調教動画が見つかって (12)
官舎 送別会・公務員 (5)
撮られていた妻・スネ夫 (8)
夫婦の恩返し・赤とんぼ (8)
1話完結■職場関係 (20)
■義父または近親 (65)
妻は義父のモノ・クスコ (3)
イトコと親友に、そして・・・ ・正光 (16)
巨乳妻・ゆうき (18)
家族遊戯・六郎汰 (14)
疑わしい行動・圭太 (9)
妻の絶頂・こうくん (5)
■隣人または友人 (491)
はちきれそう・ゆう (7)
仕掛けられた糸・赤いかげろう (6)
本当のこと。・一良 (14)
リフォーム・とかげ (22)
友達・悦 (13)
悪夢・覆面 (10)
ビデオ・はじめ (4)
言えない真実、言わない真実・JOE (17)
私しか知らなかった妻・一樹 (3)
妻の秘密・光一 (54)
清楚人妻 一夜の陵辱劇 ~親友に騙された~・仁 (6)
俺が負けたので、彼女が手コキした (5)
惨めな自分・子無き爺  (6)
田舎・マス夫 (16)
秘密・POST (14)
新妻の幻想・TAKA (4)
遠方よりの友・ちかこmy-love (11)
管理組合の役員に共有された妻・エス (136)
団地・妄人 (50)
抱かれていた妻・ミリン (18)
パーティー・ミチル (33)
友人・妄僧 (7)
甘い考え・白鳥 (22)
乳フェチの友人・初心者 (6)
1話完結■隣人または友人 (7)
■インターネット (54)
チャットルーム・太郎 (19)
オフ会・仮面夫婦 (10)
ターゲット・アイスマン (5)
奇妙な温泉宿・イワシ (14)
落書きの導き・マルタ (4)
1話完結■インターネット (2)
■旅先のアバンチュール (63)
バカンス・古屋二太郎 (7)
妻との旅行で・けんた (5)
無題・ざじ (10)
A温泉での忘れえぬ一夜・アキオ (18)
露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
妻の浮気を容認?・橘 (18)
背信・流石川 (26)
鬼畜・純 (18)
鬼畜++・柏原 (65)
黒人に中出しされる妻・クロネコ (13)
最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
妻の加奈が、出張中に他の男の恋人になった (5)
他の男性とセックスしてる妻 (3)
断れない性格の妻は結婚後も元カレに出されていた!・馬浪夫 (3)
ラブホのライター・され夫 (7)
理恵の浮気に興奮・ユージ (3)
どうしてくれよう・お馬鹿 (11)
器・Tear (14)
仲のよい妻が・・・まぬけな夫 (15)
真面目な妻が・ニシヤマ (7)
自業自得・勇輔 (6)
ブルマー姿の妻が (3)
売れない芸人と妻の結婚性活・ニチロー (25)
ココロ・黒熊 (15)
妻に射精をコントロールされて (3)
疑惑・again (5)
浮気から・アキラ (5)
夫の願い・願う夫 (6)
プライド・高田 (13)
信頼関係・あきお (19)
ココロとカラダ・あきら (39)
ガラム・異邦人 (33)
言い出せない私・・・「AF!」 (27)
再びの妻・WA (51)
股聞き・風 (13)
黒か白か…川越男 (37)
死の淵から・死神 (26)
強がり君・強がり君 (17)
夢うつつ・愚か者 (17)
離婚の間際にわたしは妻が他の男に抱かれているところを目撃しました・匿名 (4)
花濫・夢想原人 (47)
初めて見た浮気現場 (5)
敗北・マスカラス (4)
貞淑な妻・愛妻家 (6)
夫婦の絆・北斗七星 (6)
心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
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それぞれの秋・道明 (25)
冬のお天道様・道明 (26)
灼熱の太陽・道明 (4)
落とし穴・道明 (38)
■未分類 (571)
タガが外れました・ひろし (13)
妻と鉢合わせ・まさる (8)
妻のヌードモデル体験・裕一 (46)
妻 結美子・まさひろ (5)
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売られたビデオ・どる (7)
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無防備な妻はみんなのオモチャ・のぶ (87)
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風・フェレット (35)
窓明かり ・BJ (14)
「妻の秘密」・街で偶然に・・・ (33)
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妻を育てる・さとし (60)
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名器・北斗七星 (14)
つまがり(妻借り)・北斗七星 (5)
京子の1日・北斗七星 (6)
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