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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

夫の願い 第6回

今日はとうとう中出しを前提として和代はあの男に逢いに出かけてしまった。
なんと云う事だろう・・・・・・・・・・・・・・
一度オナニーで射精しても、和代のあの蜜壷にあの男が射精を楽しんでいると思うと私の愚息は再び硬直してきます。
いいしれぬ興奮・・・・・・・・・・・
寝取られマゾ・・・・・・・・・・・
私は射精が近くなると
「あああ、なっ、中に出して頂いて有難うございます」と叫びながら射精をしてしまいました。
その射精が始まった瞬間
「この野郎・・・」あのしわがれたドスのきいた声がしたのです。
振り向くとチンピラ風の男と妻が立っているではないですか・・・・・・・・・・
始まった射精は止められません。
真っ裸の惨めな姿を・・・・・・・・
「中で出して頂いてありがとうか、ははは
お前、興奮すんだろう。」
「あなた、臭うし、汚いから後始末しなさいよ」和代までが
私はバスタオルで自分の一物を拭い、惨めにも寝取られマゾのセンズリの後始末の一部始終を妻と妻を寝取った男に見られてしまいました。
私が服を着ようとすると
「おい、裸でいろ。
お前、女房寝取られてセンズリしてたな」
「あっ、はっ、はい、その、あの」
「やめてよ、馬鹿!変態!私が彼と寝ると興奮するって云ってたもんね。
自分でしちゃうんだとか、本当、変態。」
「お前、さっき中に出して有難うって云いながらセンズリ扱いてたのよな、オラ」
私は頭を下げ、肩を落として
もうどうしようもない
私の妄想を知られてしまった
妻を寝取られて、中出しされると云う衝撃にひどく興奮して、そうされる喜びの声を上げて自慰をする一部始終を寝取った男にまで確認されてしまったんです。
もう隠すものは何もない
隠せなくなってしまった・・・・・・・・・・・・・・・・
「そっ、そうです」
「お前、和代と結婚したんだから、和代を抱いた事あるだな」
「あっ、はい」
すると男は急に私の胸倉を掴み
「この野郎、お前、オラ、俺の女を抱いたんだな、この野郎!」
私は男に思い切りピンタをくらいました。
男は黙って服を脱ぎ始めました
男のおちんちんは立派に立っています。
「オラ、お前の望みどうり和代とオマ○コしてやるよ。この野郎、和代の服をお前が脱がせろ!」
私は妻の服を一枚々脱がせて行きました。
妻は裸になると男に抱きついて行きました。
私は2度も自慰をしたにもかかわらず、再びおちんちんは直立状態になってしまいました。
もう何もかも隠すものは無くなってしまった
そんな開き直りから
私は自然とオチンチンを摩りだしたのです
「オラ、センズリ扱くんだっら出すなよ、汚ねぇからな、オラ」
「あっ、はい」
男と妻はそのまま横になり、妻は男の下半身に顔を持ってゆき、その直立するおちんちんを口に含んだのでした。
気持ちよさそうです。
私にはあんな事もしれくれません。
男は上半身を起こすと、妻の股間に手を這わせてゆきます。
クリトリスをなぞるだけで妻は喘ぎ声を出し始めてゆきました。
男は妻のおっぱいを吸いながら、膣内へと指を進めてゆきました。
クチュ、クチュ ・・・・・
「あああ、いいい、ああああ」
男の指は焦らず、それでいて確実に女の身体の芯を捉えて責め続けているようです。
「あああ、いっ、イク、ああああ」
妻は男の指を締め付け、太ももを合わせるようにして絶頂を極めました。
私もオナニーでいきそうになるのですが、出すなと命令されているので我慢しました。
「オラ、お前の女房を喜ばせてやってんだからお礼ぐらい言え!この野郎!」
私はオナニーを続けならが、何度もお礼を言いました
「いっ、入れて、お願い、入れて、犯して」
妻は男に犯される事を懇願しています。
「和代、亭主がいるぞ」
「はい、あの人は拒み続けますから、お願い、入れて」
「おら、お前の女房がいれてくれって頼んでんだよ!オラ、お前もお願いしろ!」
私が何度も妻への挿入をお願いすると
「おら、お前はセンズリ扱きてぇんだろうが、この野郎、センズリもお願いしねぇと中止だ」
「おっ、オナニーさせてください」
私は深々と頭を下げてお願いしました。
「オナニーだぁ?センズリって言え!」
「せっ、センズリさせてください」
「もう一回言いえ」
「センズリさせてください」
「もう一回言いえ」
「センズリさせてください」
男は妻と私のおねだりに応じて、妻の膣内にオチンチンをゆっくり挿入していったのです。
男は妻に覆い被さる姿勢で、妻をあらあらしく抱きしめながら
肌を楽しみ
ゆっくりと出し入れを始めたのです。
  1. 2014/09/06(土) 10:17:33|
  2. 夫の願い・願う夫
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新・不貞の代償 第72回

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  1. 2014/09/20(土) 06:46:22|
  2. 不貞の代償・信定

新・不貞の代償 第73回

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  1. 2014/09/23(火) 18:06:34|
  2. 不貞の代償・信定

プライド 第1回

会社帰り。何時もなら若い綺麗な女の子に目が行く所だが、そんな気分にはどうしても成れない。                      
何時からだろうか。そう、もう2ヶ月位にはなるだろう。それも今日ではっきりすることに成るだろうと思う。
どんな結果が待ち受けてい様と覚悟は出来ているつもりだ。しかし、やはりその時が近づくと心穏やかでは無い。私はどうゆう結果を期待しているのだろうか。
思い起こせば、私は妻とは心底惚れて結婚した訳では無い。色々な女と
適当に付き合い、其の中で成り行きで結婚した迄なのだと思う。それでも、情が厚い性格なのだろうと勝手に思っているのだが、家族には良き夫で有り、良き父親で有るつもりではいたのだけれど・・・・
私はサド的な性格男だと思っていたが、この後及んでひょっとするとマゾなのでは無いかと思ったりもする。
そんな事を思いながら、私の足は妻の居るであろう所へと歩を進めた。
  1. 2014/09/27(土) 09:09:46|
  2. プライド・高田
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プライド 第2回

私が妻に対して疑いを持った理由は、単に妻が無防備であったからに他ならない。
妻にしてみれば、余りに何事にも無関心な私を見くびったのかもしれない。しかしながら、其れ程鈍い訳では無いので、何気ない変化が続くと気付くに決まっている。どんな変化かと言うと其れはお決りである。
外出が多くなった。そんな時は、必ず理由を付けて帰りが遅い。その時の化粧も何時もより派手であるし、服装もやはり気合が入っている。
言い訳に「勤め先の飲み会」「短大時代の友達と久し振りに会う」「同窓会」今迄これほど頻繁に出かける用事が続いた事は無い。私がその事を言うと「たまたま重なっただけよ。貴方だって羽が伸ばせて良いんじゃないの」何を言ってるんだ。私は妻が嘘を言っているのに気付き始めていた。
「今に見ていろよ。しっかりと証拠を掴んでやる」嫉妬とは違う、何かワクワクする様な高揚感を覚え自然と口元に笑みがこぼれる。そんな自分に気付くとまた違った意味で笑みが浮かんだ。
証拠を掴んで如何するのか。離婚するのか、取り返すのか。この時点で考えはまとまっていなかった。
ただ決まっているのは、たっぷりといたぶってやろうと言う事位なものである。そもそも、如何やって証拠を掴めばいいのかも分からない。
さて、如何したものか。取り合えず探偵まがいに尾行でもしてみるか。
  1. 2014/09/27(土) 09:10:50|
  2. プライド・高田
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プライド 第3回

私の仕事は外回りの営業なので、時間が比較的に自由に成る。それを利用する事にしようか。
妻は育児が一段落すると仕事を始めた。手に職は無いので事務員である。
もしも浮気をしているとして、相手は同じ職場の男なのか。まあ、そんな事は如何でも良いか。
妻の外出する日に、こちらの都合を合せられる時に実行しよう。この時は妻の行動に確信に近くとも、まだ半信半疑で心に余裕が有ったのだと思う。
何日か経ってから「申し訳ないんだけど、明日出掛けてもいいかしら。あまり遅くは成らないと思うから」
「またか。今度はな何があるんだ」
「ええ、あの子が高校の時の友達のお母さんにばったり会っちゃて。」
「相手が主婦なら夜は都合が悪いんじゃないのか。相手の旦那も良い顔はしないだろう。」
「それが少し羽を伸ばそうと言う事に成って、仕事が終ってから会う事に成ったのよ。彼女も仕事をしているし。ちゃんと夕食の用意はしておきますから。ごめんなさいね。」
「友達の母親って何ていう人?」
「・・貴方に言っても分からないと思うわ。そう言う事に無頓着だったじゃない」
「そうだな」私は一瞬の動揺を見逃さなかった。妻にしてみれば嫌味の一言位でそんな事迄聞かれるとは思わなかったのだろう。確かに話を聞いているのかいないのか、空返事をする事が今迄は多かった。
ここ最近外出す機会が増えてから、文句を言う様に成った位なものである。
しかしながら妻は嘘をついている。きっとそうだ。明日計画を実行しよう。チャンスだ。
「仕事は定時で終るのか?」
「ええ、そうよ。だから明日は早起きして夕食の用意をしておくわ。」
そうか。一旦家に帰る事はないのか。一応思いつく情報は手に入れたつもりだ。。
明日会社には直帰と言う事にしよう。
私はあまりパニクラない方である。だからその日もごく普通に仕事を済ませ時間に余裕を作った。
予定通りに会社には直帰する事を伝え妻の職場へと向かった。。
妻は本当に女同士で飲みに行くのか、それとも私の想像通り浮気をしているのか。今日ではっきりするだろうか。何回かの空振りはしょうがないのかもしれない。
  1. 2014/09/27(土) 09:11:36|
  2. プライド・高田
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プライド 第4回

妻の終業時間は普通に5時である。普通にちは言っても民間企業、特に営業会社では7時から8時と言うのが当たり前だ。羨ましい限りである。
私が着いたのは少し早すぎた。それでも妻の会社の出口が良く見え、尚且つ目立たない所を探し待つ事にした。何だかワクワクする。そんな気持ちが我ながら変なのかもしれないと思っているうちに妻が出て来た。
ごく普通の服装で変わった所は無い様だが、化粧の仕方迄は確認は出来ない。ただ、パンプスのヒールがづいぶん高い様な気がする。あいつあんな靴を持っていたっけ。私は知らない。
とにかく後をつけて行くとデパートのトイレに入っていった。たいして時間は経っていないのだろうが、待っていると長く感じるものだ。しばらくして出て来た妻の化粧が明らかに派手であるし、初めは気がつか
なかったが、ストッキングの色が肌色から黒に変わっていた。これは変だ。女と会うのにこんな事をするだろうか。相手は男だと確信した。
さて、これからどんな事になるのやら。
妻は私に気がつくはずもなく出口へと向かって行く。

デパートから出た妻は辺りを気にする様子もなく歩いているが、女とはこれ程脇目も触れないものなのだろうか。無防備なのか無神経なのか。言い換えればタフなのかもしれない。あくまでも好意的に考えればの話だが。
そうこうしっているうちに、会社から大分離れた所迄きていた。
そんな時、一台の車が妻の近くへと停まった。
その時ばかりは辺りを少し気にして乗り込む妻であったが、急ぎ過ぎたのか少し短めのスカートが微妙に捲くれ上がり、私の目に太ももの白い部分が映った。あいつ、もしかしてパンストではなく、ガーターストッキングを履いているのか。なんてこったい。
  1. 2014/09/27(土) 09:12:38|
  2. プライド・高田
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プライド 第5回

目の前から遠ざかる車を見ながら、尾行が失敗だった事を悟った。こんな時には都合良く空車が来るはずもない。素人のする事はこの程度のものか。車に乗っていた相手が男なのか女なのか、妻との距離を空けていたのとプライバシーガラスが邪魔をしてそれすらもハッキリと確認出来なかった。
ただ、仕事帰りに会ってアルコールも口にしないのか。それも相手が飲めないからと言われてしまえばそれ迄だし、化粧を派手にしようがストッキングをどんなものに履き替えようが浮気の決定的証拠にはならないだろう。不自然ではあるし、私の疑いがより深く成ったのは確かであるがそれ迄の事だ。
落胆しながら家に帰り、冷蔵庫から妻の作り置きしてあった夕食をレンジで温めたがどうも食欲が湧かない。
こんな時はビールを出して一気に飲み干したが少しも酔わない。
自分の気持ちが不思議である。妻の浮気を確認しようと思い立った時にはワクワクする様な高揚感があった。
しかし、今の感情は何なのだろうか。古女房がまさか浮気等しないだろうと勝手に決め込み安心していたので、妻の少しばかり不審な行動に妄想を膨らませてその事を楽しんでいたのか。
それにしても、見慣れ過ぎ何時もは何も思わない妻であったが、猜疑心を持ち今日後をつけて見ると良い女であった。成り行きで結婚したつもりでいたが惚れているのか。変なプライドが邪魔をして認め様としていなかっただけで、きっとそうなのだろうな。
妻が私を好きに成り付き合い始めたのは事実であったから、少しでも強い立場に自分を置きたかったのだ。そんな事を思いながら無理やりビールを流し込み食事を取った。気が付くとかなり飲んでしまっい酔いが回って気分が悪い。こんな時にアルコールは味方をしないものだ。
ベットに入り色々考えてみたが、堂々巡りで何も見えない。そのうちに寝てしまったのだろう。
妻の寝室に入って来た気配で目を覚ましたが、今は何時なのだろうか。寝たふりを決め込み何気なく足に目をやるとストッキングの色が肌色に変わっていた。妻を問いただしたい気持を抑え目を閉じた。まだ証拠は何も無い。妻は着替えると浴室に行った様なので、音を立てない様に起きハンドバックの中を調べたが別段変わったところもなく落胆させられた。妻が寝てから他も調べてみようか。
  1. 2014/09/27(土) 09:13:26|
  2. プライド・高田
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プライド 第6回

妻が寝息を立てている。深い眠りの様だ。疲れているのか。それは何をして来てなのか。
私はそっと起き出し居間へ降りたが変わったものはなかった。
携帯電話は何処にあるのだろう。ハンドバックの中には無かった。そんな事も今迄は興味もなかったから後は思いつかなかった。
脱衣所を見てみたがここも変化がない。
そばに有る洗濯物の中にも何も無い。ただ、妻がさっき迄身に着けていただろうものもない。
下着位は穿き変えるだろう。洗濯機の中を見てみると布団カバーが突っ込まれており、なにげなく引っくり返してみた。
黒い下着とガーターベルト、黒いストッキングが隠す様に紛れていた。普段家で何もしない私がまさかこんな所をホジクリ返すとは思わなかったのだろう。
ストッキングはやはりパンストではなく、ガータータイプのものだったか。こんなものを穿いて何をして来たのか。これらを身に付けて会う相手はおそらく男だろう。このまま知らない顔をしている訳にはいかない。しかし、素人の尾行では今日の二の舞に成ってしまう。金は掛かるが興信所に頼むしかないのか。
妻を寝取られたピエロ役を演じているだけでは情けない。それにしても単なる危惧であってくれれば良いのだが。寝室にそっと戻り妻の顔を改めて覗き込んだ。そう言えばあっちの方も随分と御無沙汰しているな。
余談に成るが、妻の性技は物凄いものがある。普段の顔からは想像もつかなが、私も結構経験豊かな方だと自負しているつもりでも妻のテクニックに掛かってはひとたまりもなく、妻をいかせる前に2度は発射させられてしまい、そのままダウンと言う事もしょっちゅうある。妻はベットの中ではサディスッチクに変身する。
と言ってもSM 嗜好がある訳ではなく自分の技で男をいたぶる様にプレイするのが好みだ。若い時に何人かの可也年上の男と付き合い、そのテクニックを仕込まれたが、その内に男の方がヒーヒー言っていたそうだ。これは結婚前に妻から直接聞いた話で、その時は私も適当に遊んでいたので余り気に成らなかったものである。むしろ、そんな所に引かれ付き合いをしていた女の中から彼女を選んだのだった。
結婚後は寝物語にその話をさせながら何とか妻に一泡吹かせよう様と試みたがリードされるのは私の方であり、終った後にニヤリと笑われた。妻は相手の男とそんな事をしているのだろうか。

朝に成って目を覚ますと既に妻は起きて朝食の支度をしている様だった。居間に降りた私は声をかけたが、一寸だけ妻に不安感を持たせてやろうと企み、
「まとまった金がいる。如何にか成るか?」
「幾ら位かしら?」妻は背を向けたまま聞いてきた。
「30万位だ。」
「えっ、そんなに何に使うの?」流石に今度は私の方へ顔を向けた。
「ああ、大切な事に使う。今後の二人の為だ」
妻が怪訝そうに私に聞いてきたが、まさか興信所の費用に成るとは思ってはいまい。
「二人の為って・・・。」
「良いから何とかしてくれ。お前にもその内に分かるかもしれないから心配するな。女に使う訳じゃない」
その言葉に私から目をそむけたが、効果があったのか。
「そんな事は思っていないけど・・」
その言葉にも力がない。
今迄私は用途のはっきりさせない金を、当然の事だが妻に要求したりはしなかった。
妻も渋々ではあるが、明日迄待ってくれればと言う事で取り敢えずは納得した。
後は何処の興信所に頼むかだがネットででも探してみよう。まあ、何とか成るさ。
次の日、妻から金を受け取り探偵のところに足を向けた。料金は本当に高かったが、初めての経験で比較の仕様もなく頼むしかない。それでも、日にちのの指定をすると少しは安く成る様なのでそれでお願いする
事にしたが、後は妻の外出する日を待つしかない。その日は想いのほか早く来た。
  1. 2014/09/27(土) 09:14:18|
  2. プライド・高田
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プライド 第7回

「ごめん。また出かけなきゃいけなくなったの」
「今度は何の用事だ。飽きもせずそんなに続くものだな」
「職場の女の子が結婚する事に成って皆でお祝いしてあげる事に成ったのよ。家の事はちゃんとしておくからお願いします。今度から出来るだけ出ない様にするから気持ち良くいかせてね」
「しょうがねぇな。少しは控えるようにしろよ。今日なのか?」
「ええ、昨日言えばよかったんだけど、この頃貴方に不自由かける事が多いでしょう。何か言いずらくて」
「明日は土曜日か。休みだからと言ってあんまり羽目を外すなよ。なるべく早く帰って来る様にしろな」」
「勿論そうするは。ありがとう」
そうか。今日出かけるのか。何がありがとうだ。もしも浮気なんかしていたら只じゃ於かないぞ。
私は早速興信所に連絡を入れた。
仕事をしていても妻の事が気に掛かってしょうがない。この前尾行をした時にはそれ程でもなっかたのに、今回はやけに気に成る。妻へ対する疑惑がより気持ちの中で深まっているからだろう。
早々に仕事を切り上げて帰り、探偵からの連絡を待った。 証拠として写真は予め含まれていたが、オプションで録音も頼んで於いたから、連絡は遅い時間に成るのかもしれないがどうも落着かない。
本当に浮気をしていたら如何しようか。私の危惧であれば良いのだが、そうだとすると興信所に払う金がもったいない等と馬鹿な事を思ったりもした。まだ心の片隅で妻を信じているからそんな考えも浮かぶのだろう。妻よ、早く帰って来い。時計を見るともう11時をとうに回っていた。
そんな時携帯に探偵からの着信が入り、
「残念な結果です。奥様は男とホテルに入り先程出ました。男の素性も調べましょうか?」
「頼みます。幾ら程追加にに成りますか?」
想像していた以上の衝撃の大きさが私を襲ったが、何処かに冷静な部分も有ったのかそんな事を聞いていた。
「そんなには高くないです。1万に必要経費で良いですよ。サービスして於きます。詳しい事は明日連絡します。それから、奥様には今日は知らない顔をしていた方が良いと思います。明日までには全て揃えて於きますから。余計な事ですが経験上からの忠告です」
「分かりました」妻の顔を見たら平常心を保つ事は出来ないと思うが、忠告に従う事にするか。
私はこんな経験がない。良く知っている者の言い分の方がきっと正しいのだろう。
しばらくして妻が帰って来たが、私は気持ちを抑える為に寝た振りを決め込んだ。殆ど眠れなかった。

朝に成り会社に行く素振りを見せたが、その積もりは初めからなかった。欠勤の連絡を入れ興信所にと向かったが、早す過ぎて事務所はまだ開いていない。しょうがない、喫茶店で時間を潰す事にしよう。
朝の珈琲は欠かせない方だが、何の味も感じない。こうしていると複雑な感情に支配されてしまう。
何て事をしてくれたんだ。何の不満が有ると言うのか。そんな事を考えていると不安な気持ちに成ってしまう。不満がないはずがない。私は妻の事を女として見てやっていたのだろうか。余りにも大柄ではなかったか。そう受け取られたいるとしたら、あいつは男の事を私よりも愛してしまっているのだろうか。
釣った魚に餌をやらな過ぎたのか。後悔先に立たずか。我に返ると興信所のドアの前に立っていた。
ノブを回すと鍵はもう掛かっていない。
「ああ、早いですね。当然ですか。お気持ちは分かるのですが11時頃に全てが揃います。録音したメモリーカードは有るのですがもう少し待って頂けないでしょうか」
「そうですか。時間を潰してまた来ます」
少しばかりガッカリしたが、考えてみれば男の勤め先も調べるにはその位はかかるのだろう。
悶々とした気持ちで如何にか時間を潰し再度興信所に行くと、紙袋を渡され、探偵が何か言ったが耳に入って来なかった。早々に金を払い自宅へ急いだ。

紙袋の中から数枚の写真とメモリーカード、それと男の名前、勤め先が書かれた用紙が出て来た。
男の顔には、見覚えがない。ただ、可也若い様である。勤め先は、妻と同じ所かとも思っていたが、違う様だ。ただ、会社の名前からして同業のなのだろう。会社同士の付き合いがあり、知り合うきっかけに成ったのかもしれない。はやる気持ちを抑えパソコンにメモリーカードを入れると、流石にプロの仕事である。その音はす横からでも聞こえて来る様に鮮明なものであった。しかし、これは強烈なパンチだ。
  1. 2014/09/27(土) 09:15:09|
  2. プライド・高田
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プライド

(此処からのナンバーの無い部分に関しては、私のトラウマに成っている部分なだけで、趣味に合わない方はスルーする事を、お勧め致します。スルーされても、今後の話が分からなく成らない様に書き込みさせて頂きます)

画面がないのがせめてもの救いか。妻達が入ってから探偵も直ぐに部屋を取ったのだろう。行為はまだ始まっていない様だ。
「この頃呼び出しが多過ぎるわよ」妻の声が聞こえて来た。
「だって逢いたいんだもの。何度を言うなよ。何かあった訳じゃないんだろう?」
「別に何もないけど、夫がこのところうるさいのよ。気付いてはいないと思うんだけど。気に成るの。少し怖いわ」
「ばれたら、ばれたで良いじゃないか。僕が責任を持つよ」
何を格好付けて嫌がる。ボコボコにしてやろうか。
「嫌よ。あの人と別れるつもりはないもの。それに、その気もないくせに、よく言うわ」
別れるつもりがないのなら、初めからこんな事はするな。思わず拳に力が入る。
「シャワーを浴びて来るわ」
「そのままで良いよ。僕はそのままの貴女が好きなんだから」
男に抱きすくめられたのか、布が擦れ合う音が聞こえる。服もまだ脱いでいないらしい。
「駄目よ。今日一日仕事して汗臭いわ。私が気持ち悪いのよ」
「しょうがないな。その代わり、シャワーの後もちゃんとストッキングを穿いてくれるね」
「もう変態なんだから。フフフ、良いわよ。何時もの通りにして上げるわ」
あいつ、ストッキングを履き替えたのはそんな事の為だったのか。何と破廉恥なのか。アダルトビデオじゃあるまいに。男だけではではなく、そんな相手の趣味に合せる妻も充分に変態である。
それでも私が要求した事もない姿を男の前で晒す妻に、嫉妬心めいたものを感じずにいられない。
妻がバスルームに入った様でしばしの静寂が訪れた。ここ迄証拠が揃っていれば、もうこれ以上聞かなくても良いものだが、パソコンの前から離れる事が出来ないのである。
「貴方も入ってきたら。汗臭いのは嫌よ。ちゃんと穿いておくから。」
妻がシャワーを浴び終わった様だ。
「うん。期待してる。入って来るよ」
静かな中に、妻がストッキングを穿いている音がかすかに聞こえる。男の趣味に合せる妻。何を考えているのか。
不倫では普通出来ない事も平気で出来ると聞くが、本当の様だ。あいつ、こんな事をしている位だ、ばれなければ当分この関係を断ち切る事等出来まい。しかし、それも今日迄だ。覚悟して於け!
男は声からして若い。写真の印象よりも若いのかもしれない。この分じゃ妻のテクニックにぞっこんなのだろう。
あいつに掛かっては一溜りもないはずだ。あいつも、それに魅力を感じているのかもしれない。
男が程なく出て来た。これではカラスの行水だ。若い分、もう我慢出来ないのだろうな。
「如何?色っぽい?貴方の好きな黒いストッキングよ。ちゃんと穿いて上げたわ」
「何時見ても色っぽいね。凄く似合ってる。黒いストッキングにガーターベルト、そんな格好の女の人を抱けるなんて、僕は本当に幸せ者だ。それだけで興奮しちゃう」
「こんな格好、結構恥ずかしいのよ。」
「じゃあ、嫌なのかい。」
「そんな事ないけど。貴方が喜んでくれるなら・・・でも絶対に他の人には言えないわ。夫にばれたら離婚ものよ。そんな事に成ったら如何しようかしら。」
一応は俺に気を使っているのか。だけどもう遅いな。知ってしまったんだよ。馬鹿野郎!
「だから、責任を持つよ。だけどさ、僕の気持ちを知ってて、こんな時にそんな話は止めて欲しいな」
「そうね。・・・分かった。御免なさい。気を付けるわ。ちょっと無神経だったかしら。許してね。でも、貴方の前だけなら、どんな格好でもして上げる。興奮させて上げるから」
謝る相手が違うだろう。それにどんな格好でもするとは何事なのか。
出来るものなら飛び込んで行き、二人を殴りつけたい衝動に駆られるが、残念ながら如何しようもない。
「嬉しいな。それと旦那とは、セックスしていないだろうね。しないって約束したんだから」
「ええ、していないわ。と言うか、あの人もう私の事女として見ていないかもね。少し寂しいけど・・・でも誘われても断るでしょうけどね。貴方との約束はちゃんと守るから心配しないの」
「うん、信じるよ。それにしても、こんなに綺麗な人を女と思っていないなんて。もったいないな本当に」
「口が上手いんだから。ウフフフ」満更でもない様である。幾つに成っても誉められるのは嬉しいものか。
当り前の事だな。そう言えば、あいつに何年も甘い言葉すら掛けていなっかた。
会話が止み、キスをしているだろう音が聞こえる。如何やら1ラウンド目の開始のようである。
ホテルに男と女が入ったのだから、こう成るのを理解していても、当然ながら何とも言えない気持ちである。
しかし、これは録音されたもの。如何する事も出来ない現実にイライラがピークに達しそうだ。
取り敢えずは、妻がこの若造を、あのテクニックで料理するところを聞いているしかない。焦りばかりが募る。

「タップリ苛めてあげるわ。覚悟しなさい。今日は私のテク全開で天国に連れて行って上げるわ」
あいつが命令誇張で挑発し始めた。何時もこうやって主導権を握る。その後の男は体裁が取れなく成る程翻弄されてしまう。私も風俗に言った事がないとは言わない。それはプロのテクニックを認めるが、私的には
妻の方に迫力を感じる。精神的に安心出来る夫婦間でのセックスだからなのだが、それ以上に、妻の性技もプロに負けないものがあるのだと思う。妻は女の喜びに何故か淡白で、全くと言っていい程それを求めない。それよりも、相手を甚振る事に精神的な昂ぶりを感じ、それがこの上ない快感に思う様なのである。
今迄は、成るべくどんな風にテクニックを仕込まれたのか、如何してそんな一方的なセックスが好きなのか、余計な事は聞かない様にしていたが、今度は突っ込んで聞いてみよう。
「お願いします。期待してますよ。ただでさえ凄いのに、全て出されたら僕ちゃん如何なってしまうんでしょう?」
男がふざけた調子で答えた。
何処を如何しているのかは分からないが、何かを舐めている様な卑猥な音が聞こえる。妻の攻撃が始まったのだろう。
「あーぁ、たまらないね。何時もながら凄いテクニックだ。もう少しで出しで出しそうだ。本当に風俗にいた事ないの?」
「バーカ。ある訳ないでしょ。普通の主婦よ。フフフ・・・いいのよ、出したって。こんなのは如何?感じる?」
「凄くイイけど、まだまだ出さないよ。もったいないもの」
何を偉そうに。お前みたいな若造があいつに太刀打ち出来る訳がない。
「本当かしら?我慢出来るかしら?フフフフ」余裕タップリに妻が笑う。流石に年上の貫禄がある。
今度はグチュグチュ何処かを舐めリ合う様な音が聞こえて来た。生意気にも一丁前に男も妻に反撃をしているのか?
そんな事を考えている場合じゃないよな。こんな時にも冷静な部分があるのは、余計なプライドが支えていてくれるからなのだろうか?私は他の人は如何なのだろうか?と要らん事を思ったりもしている。
そのうちに男の呻き声が聞こえ出したが、まだ発射はしない。本当に生意気な奴だ。私ならもう一回目の白旗を揚げている頃である。
「如何?まだ出さない気?本当にしぶといんだから。それならテク全開で行くわよ。耐えられるかしら?」
妻の得意技で攻め立てる様だ。これに掛かると恥ずかしい話、私は直ぐに堪らず発射してしまう。
男性自身を吸い尽くす様に絶妙な音がする。
「あぁ・・堪らなくいいよ。僕もお返しして上げるね」生意気な奴だ。
「フフフフ・・・負けないわよ。もう貴方のはちきれそうよ。そろそろ限界じゃなくて?ホホホホ」
そう言って、妻の口が吸い立てる音に迫力が増す。画面は写らないが、あいつの表情迄見える気がする。
「結構来るね。でももう少し大丈夫。でも、このストッキングの感触が堪らないな」
「好きなだけ触りなさい。貴方の好きなストッキング足、興奮するでしょう?」
「もう興奮しまくり。僕もそろそろサービスするよ」
聞き耳を立てると、妻の立てる音とは違う音が聞こえる。
「貴女のここは凄く綺麗だ。グチュ・・グチュ・・グチュ」
「恥ずかしい事言わないの。ほら、もう我慢出来ないでしょう?タマタマもこうして上げるわ」
「上手いね。主婦の技とは思えない。それじゃクリの皮を剥いちゃおう」
クリの皮を剥くって?何をしやがる。殺してやろうか。
妻に執拗に愛撫をしているのが、まるで見えるかの様に聞こえる。
「上手いわよ。感じちゃうわ。でも私はその位じゃ参らないのよ。分かっているでしょう」
妻の本領発揮だな。若造、下手な抵抗はするな。そんな事を思う自分が我に返る。冷静を保とうとしても二人の奏でる卑猥な音に飲み込まれて行ってしまいそうに成っている。
「そうだよね。。へへへ、今日も遣られちゃうのかな。」
「そうよ、貴方は私に任せて於けばいい気持ちに成れるの。無駄な抵抗は止める事ね。」
相手を支配するセックスに昂ぶりを感じるサドな妻には、こんな若者が彼女の欲求を満たすのに丁度都合が良いのかもしれない。このところ、ろくに相手もしない私に欲求不満を感じていたのだろう。
だからと言って、こんな事を許せる程、達観出来る年には成っていないのである。それにしてもこの二人、経験に差があり過ぎる様だ。
「アァ、出そうだよ。」
「出しなさいな。何頑張っているのよ。私に太刀打ち仕様なんて考えない方が身のためよ」
完全に妻のペースで行為が進められている。男なんてこんなものか。
幾ら見栄を張っても、凄い女には適わないのかもな。しかし、他の男と身体を合せる妻に、妙な色気と魅力を感じてしまう。妙な気分だ。
マンネリとは人間にとって、危険なものなのかもしれない。私さえ妻を一人の女と扱っていたなら、こんな事には成らなかったのかも・・・
「あのさ、これ迄貴女のしたい様にされていたけど、僕のしたい事もして良いかな?」
「したい事って何よ?変態行為意外なら好きにしても良いのよ。痛いのは嫌だからね。まさか、私に太刀打ちする気?」
ベッドの上では、完全に女王様だな。
「思っているさ。僕も一応男だからね。女の人に遣られっぱなしじゃ様に成らないもの。だから今日は僕も本気を出すよ。覚悟して於いて」
「あら、大した自信ね。お好きな様に。受けて立って上げるわよ、坊や。フフフフ・・・・・期待してるわ。」
自信たっぷりに挑発している。妻のサド的な自尊心がそう言わせるのだろう。若造に勝ち目はないと思う。
「まあ、頑張ってみるさ。」この若造も一応男か。
「フフフフ・・・頑張ってね、坊や」また女王様が挑発している。
  1. 2014/09/27(土) 09:16:33|
  2. プライド・高田
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プライド

妻と男を追い詰める証拠はもう揃っている。私がこれ以上この痴態を聞いている必要はないのだが、パソコンを閉じれずに聞いてしまっている。しかし、理性と感情の狭間に迷い込み、私は席を立てない。
その間にも、二人の行為の音が聞こえて来る。
「ねぇ、膝の裏って感じるでしょう?あぁ、黒いストッキングの足か。素敵だなぁ」
妻の足に舌を這わせているのだろう。
「ええ、気持ち良いわよ、とても。それより貴方はまだ我慢出来るの?そろそろ限界じゃない?」
「うん。一生懸命我慢しているよ。へへへ・・・若いから何度でも出るけど、やっぱり最初が一番気持ち良いから」
「あら、中々言うじゃないの。頑張ってね」
あの行為の卑猥な音が続く。
「本当に頑張るわね。何時もならもう降参しているのに。如何したのかしら?」
「何時もの僕と違うって?いや、今日が本当の僕かな、へへへ。貴女は感じない?」
「フフフフ、ちゃんと感じてるわ。でもさっさと出してしまいなさいな」
「それは出さないけど、本気を出すかな。きっとビックリすると思うぜ」
「フフフフフ」妻はあしらう様に笑うだけで、それに答えず男を口に咥えて離さない様だ。
妻との行為に、会話が多くなってしまうのは、私だけではない様だ。この会話で相手を翻弄し、彼女も昂ぶって
行くのが性癖なのだ。それでいてS・Mプレーは好まない。変わった性格をしてるよ、全く。
「じゃあ、行くぜ」男の声と同時に、突然激しくベッドの軋む音が聞こえた。
「アッ、こら乱暴は嫌よ」
「任せなさいって。変な事はしないから」
「もぅ・・・我慢出来なかったんでしょう?ずるいんだから。まぁいいわ。何処まで出来るか試して上げるわ」
こんな時の妻は、本当にサデスティクな態度を取る。相変わらず何時も通りにペースを握っている。
「ねぇ、もう何回寝ただろうか?覚えている?僕はその間じっくり研究してた。貴女の弱点をね。これから試してみるから。きっと凄く感じるよ」
「どうぞ、お好きな様に。フフフフ・・泣かせるもんなら泣かせてみて。楽しみだわ。さぁやってみなさい」
妻の女王様の闘志に火を点けてしまったな。
「余裕だね。それじゃあ此処は如何かな?効くだろう?」
「ウフフフ・・・そうね、悪くはないわ。でもそんなの何度も経験ずみよ。そんなに驚かないわ」
「ああ、分かっているさ。でもね、此処も一緒にこうしたら如何?」
何処を如何しているのだろうか?それにしても、勝手な事をしやがって。しばし二人の沈黙が続く。
「・・・・ハァーハァーウッ」妻が始めて反応を示した。
「ほ~ら来た。感じるだろう?我慢しなくても良いから」
「・・・生意気な事言わないの。ハァー、その程度じゃまだまだまだよ。・・・ウッ」
「だから我慢するなって」この男成りに、必死で抵抗しているのだろうな。男は女を征服する喜びを感じたいものだから。私が妻とセックスが疎遠に成ったのも、そこに原因がある。
「我慢なんてしていないわよ。・・・ハァーハァーアン」確かに妻の息遣いが荒く成って来た。
「ほら感じてる。ここも責めちゃおっと」
「・・女ですもの、全く感じないなんて事はないわ。でも、その位で私が泣くと思うの。甘いわね。貴方とは経験値が違うのよ・・・」
あいつらしい言いぐさだ。
「何時までそんな強がり言ってられるかな?これからが本場さ」
ベッドが軋んでいる。妻は何をされいるのだろうか?
「ちょっと待って。一方的にじゃ卑怯よ。私にも愛させて」
「堪えきれなく成って来たんだろう?本当に負けず嫌いなんだから」
「・・・そんな事ないわよ。まだ余裕。私は責められるの好きじゃないの」
「へへへへ、そんな事言わずにもう少しさせてよ。でもさ、本当の快感って知らないんじゃないの?」
「ウッ、そうかしら。でも結構上手いじゃ・・アッ・ないの。いい感じよ・・私も・アン・・こうしてあげる」
妻も男に反撃する様だ。何をしているのか、ガサガサ音がする。流石に男が呻き声を上げている。
「気持ちいいー。最高だよ。こんな事普通出来ねぇよ。僕は本当に幸せだ」
この餓鬼、本当に苛立たせる奴だ。
「フフフフ・・・もう駄目かしら?早く認めたら?」
「出したら飲んでくれる?」
「それは嫌よ。夫のだって飲んだ事ないのに」
「それじゃあ、まだ出さない。だけど今日は飲んでもらうよ」
「絶対に嫌よ。でもその気にさせられるなら話は別よ。フフフ」
また妻の男を吸い尽くす様な卑猥な音が聞こえる。
何だか訳の分からない駆け引きを演じている様だが、こんな馬鹿らしい破廉恥な会話を聞いていても、私はパソコンを閉じる事が出来ない。
  1. 2014/09/27(土) 09:17:22|
  2. プライド・高田
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プライド

妻と男を追い詰める証拠はもう揃っている。私がこれ以上この痴態を聞いている必要はないのだが、パソコンを閉じれずに聞いてしまっている。そう、理性と感情の狭間に迷い込んでしまった。
その間にも、二人の行為の音が聞こえて来る。
「ねぇ、膝の裏って感じるでしょう?あぁ、黒いストッキングの足か。素敵だなぁ」
妻の足に舌を這わせているのだろうか。
「ええ、気持ち良いわよ、とても。それより貴方はまだ我慢出来るの?そろそろ限界じゃない?」
「うん。一生懸命我慢しているよ。へへへ・・・若いから何度でも出来るけど、やっぱり最初が一番気持ち良いからもう少し頑張るさ」
「あら、言うじゃないの。頑張ってね」
男女の行為の音が続く。
「本当に頑張るわね。何時もならもう降参しているのに。如何したのかしら?」
「何時もの僕と違うって?いや、何か今日は頑張れるみたいだ。へへへ。貴女は感じない?」
「ふふふふっ、ちゃんと感じてるわ。でもさっさと出してしまいなさいな」
「まだ出さないけど、貴女にサービス出来る様、頑張ってみるかな」
「ふふふふふ」妻はあしらう様に笑うだけで、その声はくぐもっている。男の物を咥えているのか?
それにしても、よく喋る。この会話で相手を翻弄し、彼女も昂ぶって行くのが性癖の様なものなのだろう。
それでいてS・Mプレーは好まない。変わった性格をしてるぜ、全く。
「じゃあ、行くぜ」男の声と同時に、突然激しくベッドの軋む音が聞こえた。
「あっ、こら乱暴は嫌よ」
「任せなさいって。変な事はしないから」
「もぅ・・・我慢出来なかったんでしょう?ずるいんだから。まぁいいわ。何処まで出来るか試して上げる」
こんな時の妻は、本当にサデスティクな態度を取る。相変わらず何時も通りにペースを握っている。
「ねぇ、もう何回遣っただろう?覚えている?僕はその間じっくり研究してたよ。貴女の弱点をね。これから
試してみるから。きっと喜んでもらえると思うんだ」
「どうぞ、お好きな様に。ふふふふ・・泣かせるもんなら泣かせてみて。楽しみだわ。さぁやってみなさい」
妻の女王様の闘志に火を点けてしまったな。
「余裕だね。それじゃあ此処は如何かな?効くだろう?」
「うふふふふ・・・そうね、悪くはないわ。でもそんなの何度も経験ずみよ。そんなに驚かないわ」
「ああ、分かっているさ。でもね、此処も一緒にこうしたら如何?」
何処を如何しているのだろうか?それにしても、勝手な事をしやがって。しばし二人の沈黙が続く。
「・・・・はぁーはぁーうっ」妻が始めて反応を示した。
「ほ~ら来た。感じるだろう?我慢しなくても良いから」
「・・・生意気な事言わないの。はぁー、その程度じゃまだまだまだよ。・・・うっ」
「だから我慢するなって」この男なりに、必死で抵抗しているのだろうな。男は女を征服する喜びを感じたい
ものだから。私が妻とセックスが疎遠に成ったのも、そこに原因がある。
「我慢なんてしていないわよ。・・・はぁーはぁーあぅ」確かに妻の息遣いが荒くなって来た。
「ほら感じてる。ここも責めちゃおっと」
「・・女ですもの、全く感じないなんて事はないわ。でも、その位で私が音を上げると思うの。甘いわね。貴方とは経験値が違うのよ・・・」
あいつらしい言いぐさだ。
「何時までそんな強がり言ってられるかな?これからが本場さ」
ベッドが軋んでいる。妻は何をされいるのだろうか?
「ちょっと待って。一方的にじゃ卑怯よ。私にも愛させて」
「堪えきれなく成って来たんだろう?本当に負けず嫌いなんだから」
「・・・そんな事ないわよ。まだ余裕。私は責められるの好きじゃないの」
「へへへへ、そんな事言わずにもう少しさせてよ。でもさ、本当の快感って知らないんじゃないの?」
「うっ、そうかしら。でも結構上手いじゃ・・あっ・ないの。いい感じよ・・私も・あん・・こうしてあげる」
妻も男に反撃する様だ。何をしているのか、ガサガサ音がする。流石に男が呻き声を上げている。
「気持ちいいー。最高だよ。こんな事普通出来ねぇよ。僕は本当に幸せだ」
この餓鬼、本当に苛立たせる奴だ。
「ふふふふ・・・もう駄目かしら?早く認めたら?」
「出したら飲んでくれる?」
「それは嫌よ。夫のだって飲んだ事ないのに」
「それじゃあ、まだ出さない。だけど今日は飲んでもらうよ」
「絶対に嫌よ。でもその気にさせられるなら話は別よ。ふふふ」
また妻の男を吸い尽くす様な卑猥な音が聞こえる。
何だか訳の分からない駆け引きを演じている様だが、こんな馬鹿らしい破廉恥な会話を聞いていても、私はパソコンを閉じる事が出来ない。
  1. 2014/09/27(土) 09:18:25|
  2. プライド・高田
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プライド

ちょっと足の方に下がるね」
「いいけど、私が貴方のを舐められないじゃないの」
二人はシックスナインを楽しんでいたらしい。
「少し我慢してよ」ゴソゴソ音がしている男は何をする気だ?
「足の指を舐められた事ある?ここ意外と感じるんだぜ」
「何度か有ったけどそんなに良くなかったわ。くすぐったいだけ」
「そいつ下手なんだよ。でもストッキングの足って本当に興奮するよ。ましてや黒だぜ。あっ、ペディキュアも黒だ。色っぽーい」
「喜んでくれた?でもストッキングが好きなんて変わった趣味なんだから。もう」
グチュグチュと聞こえる音は、男が妻のつま先を口に含んだのか?以前、私もやってみた事が有るが、妻はくすぐったいと言って嫌がってしまった。男が『そいつ下手なんだよ』そいつとは俺の事だ。
この小僧、後で見ていろよ。しっかり形は取らせてもらうぞ。
「ああ、この足大好きだよ。如何?気持ち良くない?」
「貴方、上手いからくすぐったくはないけれど、感じると言う程のものでもないわね」
「もう少し待ちなって。気持ち良くなるから」
しばらくの時間、またつま先をしゃぶる音が聞こえて来る。
「あ~~ん」妻の口から甘いため息が漏れる。
「ほら、感じ出した。此処は結構感じるところなんだよ。男に奉仕させる様で優越感に浸れるのかな?」
「そんな事ないわ。でも変な感じがする・・・快感とは少し違うけど・・アン」
「感じてるって。認めてよ。本当にベッドの上では負けず嫌いだな。ならここも一緒に責めちゃおうかな」
「うっ、うっ、あ~っ、何をするの!そんなのずる~い。あん、あん、う~ん」
「そろそろか」男がそんな事を言った様に思えた。
「あっ、あっ、何をしてるの?あっ、そんな事止めてよ。あっあっあっ」
妻の様子が変わった。
「何も変な事はしていないさ」
「やん、や~ん、もう嫌っ。こっちに来て。来なさい!」
「まだ駄目。もっと火を点けてからね」
「うっ、うっ、あ~~ぅ、そこは駄目よ、駄目っ、駄目だったら~。こっちにいらしゃい。命令よ!」
妻の口調がきつく成ったのは、この状況に主導権を奪われてしまう危機感を感じたのか?
誰でもSとMの要素を持っていると言われるが、妻のサド的要素は私も異常に感じる事がある。
セックスの時は、徹底的に主導権を握らないと気が済まない様だ。
それがどんな経験から来るものなのか何度か聞いた事があるが、ただ微笑むだけで答えなかった。
そんな妻が、この男にリードされる事を嫌って抵抗しているのだろう。
それにしても良く喋る。男が主導権を取ろうとし、妻が抵抗する。二人の駆け引きは滑稽でさえある。
「まだまだ。もっと感じるよ。その内に大声出すから」
「あ~~ん、馬鹿言わないで。あっあっ、私はそんなふう・う~~ん・には成らない・うっ」
「強がり言うなって。もう堪らないって顔をしてるよ」
「嘘よ・・あぁぁぁぁぁ・・でも悪くはないわ・・あぁぁぁぁ」
妻は低い呻き声を漏らしている。
「その代わりクリの皮を剥いちゃおうっと」
「嫌、嫌、そこそんなにしたら嫌っ。あっあっあっ駄目、駄目、駄目、嫌~~ん」
「へへへ、指もいれるよ」
「うっうっうっ、うっう~~~ん、そんな事されたら・・・そんな事されたら・・・うっあ~~ん」
遂に妻が低く唸った。同時にベッドもギシッと軋む音が聞こえる。おそらく妻が大きく仰け反ったのだろう。
あいつにこんな声を出させるとは、こいつ何者なのだろう?私はあ然して聞き入ってしまう。
「如何?感じている?もう認めるでしょう?」
「そうね・・うっうっ・少しだけ。でも・・まだまだ・あっ・よ・・・・うっう~~ん」
「もう無理だって。女の人は一度火が点くともう止らないからね。ほら、ほら、此処もほら」
「あ~~ん悔しい~。嫌、嫌っ・・もう止めなさいっ!あっあっあぁぁ・・・止めなさいたらっ!う~~ん・・
如何してこう成るのよ?あっ、そこ私の弱いところ!そこそんなにされたら・・あっあっ・・そこ駄目っ!
そこ弱いの。あっあっそこ駄目っ!」
今度は明かな反応を示し、同時にベッドが大きな音で軋んだ。完全に形勢逆転の様だ。
「もっと、もっと良く成るから」
「ああぁぁぁ・・悔しいわ・・あ~ん・・悔しい・・こんな事って・・あっ、そこはっ・・こんな事ってあるの?
・・うっうっ・・そこ止めて!止めなさい!止めってたら!・・うっうっうゎーーっ」
「ここ急所だろう?あぁ、楽しい。強気な貴女を泣かせるのは本当に興奮するよ。」
「ま、まだよ。うっうっうっ・・」
「あれ?反撃ですか?触り方に何時もの冴えがないな。本当に往生際が悪い。それならこれは如何?」
「あっあっあっ・・おっ、おーーっ」
「ほら手が疎かに成ってる。僕にも良い思いさせてよ」
「ああぁぁぁぁ・・出来ないっ!」
ベッドの音がギシギシ煩い。それ程激しく妻がのた打ち回っているのだろうか?
「如何したの?もう駄目?逝っても良いよ」
「嫌よ。あぁーー、まだよっ。う~~ん・・まだ逝かないんだから・・・」
あいつ、もう時間の問題だな。そんな事を思える俺は、まだ冷静なのかな?
きっと冷たかったんだろうな。何時も冷静さを装って。だから妻にこんな仕打ちを受けているんだろうな。
「はははは、良く言うよ。そんなに逝きたくないなら、もう止めるよ」
「えっ?如何して止めるの?嫌よ、嫌よ、続けなさいよ」
「素直に逝ったら?」
「・・・偉そうな事言わないの。良いのよこのままでも・・」
「ふ~ん」
「・・・嫌な人ねぇ。貴方は出さなくて良いの?」
「そろそろ限界だよ」
「じゃあ入れてよ」
「欲しい?」
「・・・・うん、欲しい。私も限界」
まだ続くのだが、此処迄で流石に私も気分が悪く成って来た。

リビングのソファーに腰を落として、煙草に火を点け様とすると、手が震えている。
さあ、これから如何しようか。色々考え様としてもまとまらない。
誰かに打ち明けたい衝動も駆られるが、こんな事を話せる相手も居ない。
「この度はお世話に成りました。情けない話だと思いますが、何かアドバイスを頂きたい。これからお邪魔しても
宜しいでしょうか」
相手は迷惑な話だと思うが、私は興信所に電話を掛けていた。あそこなら全てを知っているし、こんな事は
日常茶飯事だろう。何か良いアドバイスをくれるかもしれない。情けないが、今は其処しか頼りは思いつかない。
今は恥を掻こう。そして心に反撃の狼煙を上げろ。
  1. 2014/09/27(土) 09:19:14|
  2. プライド・高田
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プライド 第8回

興信所では、所長が一人私を待っていてくれた。
「煩わしいお願いで申し訳ありません」
そんな私の言葉に、所長は人の良い笑顔で迎えてくれた。
「気になさらずに。こんな仕事をしていると、色んな人達とお会いしますが、大半は、離婚時の慰謝料絡みが多いんですが、貴方は違うのでしょう?」
「はっはい。これから如何なるかは分かりませんが、離婚を前提に依頼した訳ではありません」
「長年の経験とでも言うのか、何気なくではありましたが、そんな気がしていました。そうなると、貴方が求めるアドバイスとは、今後の事についてかと思いますが、私ども人生相談となると、まったくの素人でして、ご期待に沿えるか如何か分かりません。今迄に有ったケースからの話なら、ある程度は出来るかもしれません。
それでも宜しいでしょうか?」
「勿論それで結構です。宜しくお願い致します」
考えてみれば、この所長の言う通りである。ここは浮気やら何やらを調べる所で、悩み相談室ではないのだ。
さぞかし、うっとうしい事だろう。それでも一見笑顔で迎えてくれた事が今は嬉しい。

「当然、御渡ししたメモリーカードは再生されたのでしょうな?」
「はい、ショックでした。今時の技術は大したものですね。あんなにはっきりと聞こえるとは思っていませんでした。
それだけにショックが大きくて・・・・」
「最後迄聞かれましたか?」
「とても最後迄は・・・・」
「そうですか。いや、お気持ちは解ります。本当に良く録音されてました。しかしあれは大した器具を使った訳では無いのです。行かれるホテルを間違ったのでしょう。恐らくは、何時もはあんなホテルでは無く、それなりの所か何かで逢っていたのではないでしょうか。相手の男も若いですし、奥様に気を使って選ばれたのかも知れませんが、一寸場違いでしたな」
私は、その意味を初め分からずにいた。
「場違いのホテルとは?」
「えぇ、あそこは今はビジネスホテル的になっている所です。ところが以前少し御洒落な路線を狙った普通のホテルでしたが、客の入りが今一でね。それで料金を落とした所、利用する客層はビジネスマンが大半なんですわ。そこ迄は分からなかったのでしょうな。何せ外見は女性が好みそうな雰囲気が有りますから。そんな造りですから、ドアの下に少し隙間が有るんですよ。以前はサービスで朝刊等を入れていたんでしょう。
調査員はそこからマイクを入れたのです。ですから、使ったのは特別に高性能な物では無く、少しだけ気を使っただけなんです」
妻らしいと思う。あいつは連れ込み等には入りたがら無いだろう。気取って格好付けるからこのざまだ。
「ですから、周りから苦情が出て、大変な思いをされましたな。最後迄聞いて頂ければ解るのですが」
「馬鹿な奴らだ。家内はプライドだけは高い所が有りまして・・・・」
「話を戻しますが、私もね、こんな仕事をしているもので家庭サービスなんかした事がない。だからでしょうか、家内に逃げられた口なんです。それは腹も立ちましたがね、考えてみると私にも責任が無い訳では無かった。結婚してしまうと、妻なんて家政婦の様に扱ってしまってね。でも相手にしてみると、そうじゃ無いのですな。そこに中々気が付かない。毎日、少しずつ溜まった不満が何時か爆発する。それは男でも同じですよ。だから、一方的に責めると本当の気持ちを閉まって、反発して来る。そうなると、女って生き物は自分を正当化して、此方が求める反省の気持ち等は、何処かへ吹っ飛んでしまうのでしょう。お互いに、元の鞘に戻りたくても、どんどんと距離が開いてしまう。貴方と同じ様な気持ちで来られる方々の明暗は、そこで分かれてしまう様ですよ。私がアドバイスを出来るとしたら、こんな事しか言えません。人生は短い様で長い。一時の感情とは言いませんが、何時か許して元の様に愛してあげれる時が来るかもしれません。だからこそ、今は冷静に振舞う事を進めます。お互いの気持ちをしっかりと確かめてからでも結論を出すのは遅くないでしょう。それから暴力はいけませんよ。何の解決にも成らないと思います」
「・・・・その通りなのでしょうが、そこまで人間が出来ていません。ですが、冷静さは失わない様に心掛けたいと思います」
そうか!激怒するよりも、冷静さを装っていた方が、相手には威圧感が有るかもしれないな。じっくりと責めようか。
今の私はその程度にしか、所長のアドバイスを実践等出来ないだろう。
それからも、色々と話をしたが、印象が薄く頭の中には残らなかった。
妻と男を追い詰める。その為に冷静で居る事。それが招く結果が如何であろうとも。
結局此処に来たのは、一時の昂った感情を誰かに知って欲しかっただけで、私が取るべき行動は、もう決めていたのだろう。

私が時間を潰して家に着くと、明かりが点いている。妻が帰って来ている様である。
さて、如何しようか?冷静で居られるのかな?それは、あいつ次第だろうな。
「ただいま。帰ったぞ」
「お帰りなさーい」
明るい返事が返って来た。
  1. 2014/09/27(土) 09:20:06|
  2. プライド・高田
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信頼関係 第1回

私は41歳で妻は38歳、結婚15年目にも関わらず子供を授かることはできていません。
そんな私達夫婦でも仲むつまじくここまでやってこられたのはお互いに信頼しあってきた賜物だと思っています。
妻はどんな些細な事でも私に打ち明けてくれますし、私も打ち明けます。
しかし・・・たった一つだけ、妻は私に打ち明けてくれない秘め事があるのを私は知っています。
それは私と妻の性生活についての事です。
丁度一月前までは、私は妻のどんなことも知っているつもりでした。
しかし妻が実家の親戚の不幸で留守にした時、はじめて知ってしまったのです。
遠い親戚だということと、実家がかなり遠いこと、そして私の仕事の都合から、私一人で二週間自炊することとなってしまったのですが、何せ家事は妻まかせで私は何もできない始末でしたので、炊事、洗濯もままならず、朝仕事に出かけて夜遅く帰っても疲れから何もする気になれず、そのまま眠りって翌朝目を覚まして仕事に出かける、という繰り返しでした。
二日に一度妻から連絡が入るのですが「大丈夫、何とかやってるから」と不都合を感じさせないよう配慮し、安心させていました。
しかし一週間も経つと食事と風呂は適当に済ませていたので良しとしても、ワイシャツや下着、靴下などの衣に関しては完全に在庫が遂に底をつき、タンスをひっくり返しては奥からワイシャツを引きづりだして、何年も着ていなかったようなサイズの合わないものを無理矢理着るようにすらなってきておりました。
その日も朝ボサボサの頭で起きてシャワーを一浴びし、さてさて今日は何を着ていこうかとタンスをかき回していたのですが容易には見つからず、どこに何が入っているのかさえ判らない私は、引き出しを上から順に全部開けていきました。
すると三段目はさんざん衣類を引っ張り出して気付いたのですが、どうやらこの箱は妻の下着などが入っている段だったようで、探し損をした感を持ったまま三段目をしまおうをしたその時整然と仕舞われているタオルの中に、何か違和感を感じる物があることに気付いたのです。
すぐにそのタオルをかき分けると、奥から大きな大きな黒く不気味に艶々した物体が出てきたのです。
私にはとても理解できないものでした。
しかしすぐにこれがバイブであるとも気付きました。
それよりも、一体どうしてこんなものがここに仕舞われているのかが理解できず、私は唖然としました。
私達の性生活は至って普通でしたし、バイブなどを使った行為などしたこともありません。
妻がこんなものが好きだとも聞いたことはありませんでしたし、要求されたこともしたこともありません。
一体どうしてここにこんなものが仕舞ってあるのか、それが不思議でなりませんでした。
もうシャツも下着も探す気になどなれません。
呆然としながらもとりあえず携帯で会社には電話をし、具合が悪くなったと伝えて休ませて貰いました。
こんなこと位で会社を休むなんて・・・と思う人もいるかもしれませんが、それほど私にとってはショックだったのです。
タンスの前でしばし身動きをとれなかった私は色々妄想してしまいました。
浮気でもしているのか、それとも誰かから預かったものなのか、或いは誰かの罠なのか・・・。
  1. 2014/09/27(土) 09:21:45|
  2. 信頼関係・あきお
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信頼関係 第2回

もう取り留めもなくあれこれと考え込んでしまい、今まで一度も隠し事をしたことすらなかった妻の顔を思い浮かべては、とても信じられない思いばかりが募ってくるのです。
しかし現実に今こうして目の前に人為的に仕舞われた物体を見てこれを受け入れ、そして事実を解明しなければ気が済まなくなりました。
とはいえ妻に直接問い質してもし、とんでもない勘違いだったとしたら妻を傷つける事になってしまうし、この先今までのような信頼関係を維持できるはずもありません。
悩みぬいた末に私はとにかく私自身の力で事実を掴まなければならないと思い、妻には申し訳ないと思いましたが、今まで一度も詮索した事がなかった妻しか触れたことのない化粧台や戸棚を隅から一々調べてみることにしました。
しかしこれといって何か気になるものは見つからず、安堵感が込み上げたものの、ではあのバイブは一体何なのだろうかという疑念が交差するばかりでした。
結局妻の何か秘してしまいそうな場所はほとんど調べつくしてしまいましたが何事もなく、少し心に余裕が出てきた私はコーヒーを作ってリビングのソファに腰掛けた途端に、妻に対する信頼を裏切ってしまった自身への嫌悪感が襲ってきたのです。
妻を一瞬でも裏切ってしまった・・・たとえあんなものがあったとしても何かの間違いだと信じてやるべきだったのではなかったのか・・・。
そんな自責の念にかられたままもう一杯コーヒーを飲もうとした時、まだ探していなかった場所があることに気付いてしまったのです。
妻はいつも何か大事なものをキッチンの奥にある戸棚にしまっていた・・・。
ふと思いついた私はキッチンの戸棚の引き出しを開けようとしました。
一段目にはスプーンやフォークなどの小物が入っており、二段目には郵便物や電気料金等の請求書、支払い表がゴチャゴチャと入っていました。
しかし三段目だけ鍵がかけられて開かないのです。
少し凝ったデザインの戸棚でしたので、どの引き出しにも鍵穴がついておりますが、いずれもダミーだとばかり思っていたのですが、どうやら鍵は本当にかけられるような造りだったのです。
私は嫌な予感がしました。
ここに妻の秘密があるのではないかという怖さと、ここには別の大事なものが仕舞ってあるだけではないのかと思う心が重複し、しかし確認せずにはおれず、その古風な鍵穴に精密ドライバーを持ってきて差し込んでこじ開けようとしました。
鍵穴とはいっても戸棚の、しかも至ってシンプルに作られている鍵穴は容易に開ける事ができました。
私は恐る恐る引き出しを手前に引くと、手帳とまた別のバイブを見つけてしまったのです。
バイブはローターのようなものらしく、グリーンのプラスチック製でスケルトンになっていました。
手帳は少しばかり高級な厚手のもので、パラパラとめくってみるとどうやら日記のようでした。
戸棚の奥はキッチンの一部であるものの、わずかなスペースながらも机と椅子が置かれており、妻が自分だけでくつろげるスペースをと、自宅を新築する際に妻から要望された場所でした。
妻はどうやらいつもここで日記をつけていたのかもしれません。
私はその机に日記を置き、椅子に腰掛けると最初のページから日記を見開くことにしました。
  1. 2014/09/27(土) 09:22:47|
  2. 信頼関係・あきお
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信頼関係 第3回

日記は妻らしい簡潔ながらも明瞭に書き込まれてありとても読みやすいものでした。
しかしその内容はまた率直な妻の心の内を明確に日記に打ち明けてもありました。
仕事の状況や心身の状態、そして私や他人に対する正直な気持ち・・・
赤裸々に語られている妻の実像に、私は鼓動が高鳴るのを抑えるのに必死になってきました。
それは私の思っている通りの信じている妻のままでいて欲しいという気持ちと、もしかしたら何か記されているのではないかという気持ちの感情の交差の表れだったかもしれません。
しかし日記を読み進めると、私の心の大半を締めていた信頼している妻はもしかしたら私が勝手に作り上げた虚像でしかないのかもしれないと感じ始めていったのです。
日記の内容自体にそれ程気にかかる部分はなかったのですが、ただ・・・。
一週間のうちに一日二日は記されるFという記号と時間。
これが何を示すものなのかが解らないのです。
一体妻は何を日記に綴っているのか。何を自分自身に語っているのか。
頭では即座に理解できずとも心臓に大きな杭が打ち込まれたような感じは、心が既に妻の書き込みの真実をこの時点である程度覚悟していたのかもしれません。
結局何度読んでもその記号の意味は解りませんでした。
喉は渇き、鼓動は強くなるばかりで、コップに水を汲んで飲み干して落ち着こうとしても、どうしても引っかかってしまいます。
いっそのこと妻がいる実家の親戚に連絡して今すぐ問い糺してみようかとも思い、受話器を取ってみるものの、妻に何て言えばいいのか・・・妻の日記を見てしまった事をどう繕えばいいのか、いや何よりも疑っている私を妻はどう思うのか。
そう考えると受話器を取っては置いてと繰り返し、どうすることもできません。
ボーっとしながらもう一度日記を読み直してみてもFという文字とそこに付随している時間が何を意味しているのか解らず終いでした。
私はもう一杯コーヒーを作ると腕組みをして少し冷静になった頭で再度考えてみることにしました。
妻のタンスに隠されていたバイブ、キッチンの戸棚に仕舞われていたローター、そして意味不明のFという記号と時間。
私を誰かがからかっているのか・・・何か違う考え方ができないだろうか・・・妻の無実を信じて疑わない都合のつく解釈ばかり探し堂々巡りを繰り返していた私は、ふとハッとして愕然としてしまいました。
妻の無実を信じたいからこそ理屈の合う解釈をしようとして自分の心を落ち着けようとしていた私の心は、実はそもそも妻を疑っているではないかと・・・。
だから理由をつけて妻を信じたいとあれこれ考えるものの、つまりは妻を完全に疑った上で自分が安心できる理由を見つけ出そうとしている自分がいることに気付いてしまったのです。
私は妻を頭ごなしに疑っているのか・・・
15年信じ続けてきたこと、信頼しきっていた事実もほんのわずかな事だけで一瞬にして妻を疑ってしまえた自分の心が酷く薄汚いものに感じてきました。
何も事実が判明しない今ですら、妻を信じてあげられない自分が醜く捉えられ、嫌悪感で一杯になっていくのを実感しはじめました。
妻を信じよう、妻を信じぬくんだ・・・。
心はそう何度も誓うのですが、そう思えば思うほど心臓が飛び出しそうな程の鼓動感が感じられてしまうのです。
・・・駄目だ。今まで信じぬいたんだから、これからも信じ抜くんだ・・・。
一時間もの間葛藤を繰り返し、結局そう覚悟を決めた私でしたが、結局心の中とは全く違う行動に出てしまいました。
  1. 2014/09/27(土) 09:24:19|
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信頼関係 第4回

信じ抜く決意をした後のほんの少しの安堵を覚えたと感じた次の瞬間、ほとんど発作的に受話器を取り上げると、妻の実家のナンバーをプッシュしていました。
妻の母親の声が受話器口に出た途端に手足がガクガクと震えましたが、声を上ずらせながらも平静を装って声を出しました。
「お母さんですか。僕です。の、則之です。佐智子がいたら代わってもらいたいのですが。」
「あら則之さん。どうしたの、何か急用かしら」
「い、いえ。ちょっと佐智子に聞きたい事があったものですから・・・」
震える声を抑えながらそう伝えると母親からは以外にもこんな返事が返ってきました。
「やっぱり、佐智子に聞かないと何にもやっぱりわからないのね、則之さんったら ふふふ。」
「え?」
「佐智子はついさっき帰ったわよ。でも急いで帰るって言ってたから多分今日の夜遅くにはそっちに着く筈じゃない?それからでも間に合うでしょ?」
「えっ 帰った?」
「ええ。何でもそれに乗らないと今日中に着かないからって」
「あれ、後一週間はそっちにいるはずじゃ・・・」
「気にしなくていいのよ。則之さんの急な出張じゃ仕方ないんだから。こっちは一段落したから大丈夫よ。初七日だって身内だけの大袈裟なものじゃないし。みんな仕事も生活もあるんだもの。本当、気にしてないから大丈夫よ」
「出張?」
「こんな時に重なったから大変かもしれないけど・・・でももう大丈夫よ。佐智子が言ってた通りね。『あの人、私が用意してあげないと何にもできないんだから』なんて惚気ちゃって。」
「ちょ、ちょっと待って下さい。僕が何処に出張するって?」
「あらいやだわ。どうしちゃったの? 佐智子に昨日電話してきたでしょ?明日から箱根に出張だから急いで帰ってきて欲しいって。」
「えっ? 僕が?箱根?」
「・・・どうしちゃったの? 則之さん?」
「あ、ああ、いえ・・・」
その時受話器越しに妻の親戚か誰かが母親に声をかけたのでしょう。
(あ、はあい。今行きまーす)という声がした後、「じゃ、ちょっと取り込んでるからね。ごめんね」
と言って電話が切れてしまいました。
私は受話器を持ったまましばらく立ちすくんでしまいました。
妻の声を聞いて安堵したい気持ちと、何か真意に近づける発言を貰えるのではないかと思ってした電話先には、居る筈の妻が既に実家には帰宅する旨を告げて帰ってしまったと言われ、しかも私がこれから箱根に出張でその為にわざわざ昨日妻の実家へ電話をして呼び戻したと。
一体何がどうなっているのか皆目見当も付かず、ただ頭の中が妻のことだけをグルグルと考え続けるばかりでした。
  1. 2014/09/27(土) 09:25:11|
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信頼関係 第5回

一体何がどうなっているのか・・・。
私の全く知らないところで何かが確実に起きているという事実はどう否定しようとも否定できるものではありません。
何か得体の知れないものが、実は平穏だと思っていた私の生活の中で起きている不安感が体と心を包み込み、襲い掛かってくる感覚が増すばかりでした。
結婚依頼15年間、ずっと信じてきた妻との信頼関係が全て崩れ去っていくような虚しさなのでしょうか・・・。
私は受話器を置くと呆然としてソファにドスンと腰を落としました。
事実を、真実を知りたい・・・今妻はどこで何をしているのか・・・。
焦る気持ちと同時に、それでもまだ妻を信じ抜きたい気持ちと、しかし今度は今まで全くほんの些細な事すら疑わずに生きてきた自分自身の愚かさが滑稽にすら見え、妻がもしも私が信頼している事を逆に手玉に取っていたのであれば、どれほど愚かな夫に見えていたのかと思うと、妻が私を見下すような嘲笑をする姿が頭の中で思い浮かべられ、何とも言い難い辛い気持ちにすらなったのです。
妻は私に隠し事をしている・・・。
隠し事どころか、何か私に言えない情事すらあるのかもしれない・・・。
今夜妻がきちんと帰ってくるか帰ってこないのかによって、明らかな判断基準となる結論が導き出されるのは間違いないのですが、果たして私にその事実を受け入れる心の整理がつくのだろうか・・・。
もしも妻が帰って来なかったらその時どうするのか、もしも妻が帰ってきたらその時はどうするのか・・・。
私は繰り返し自問自答しては決して導き出せることのない答えをグルグルと頭の中を駆け巡らせていました。
どれだけ妻を信じようと弁護しても、現実に自宅に隠されていたバイブとローター、そして日記のFという記号と時間、更には私に何の連絡もなしに実家から勝手に帰ってしまったという疑いようのない事実。
何よりお互いに一切の隠し事がなかったと思っていた夫婦関係は実は私の一方的な思い込みでしかなかったという真実。
これらの事実をどうやって理にかなうようにつなぎ合わせても納得などできるわけないのです。
そう、私はこの時既にある程度の確信は無意識のうちに掴んでいたのかもしれません。
妻が浮気をしているということを。
もしそうであるならば・・・と考えると自宅に一人ポツンといる自分自身が妙に虚しく思えてなりませんでした。
部屋の天井から壁、家財道具へと目を移せば自宅を新築する際に一つ一つ夢を乗せて妻と計画を練っていた事が思い起こされて辛くなります。
「壁紙はこの色がいいわ。だって凄く落ち着くんだもの」
「この家はあなたと私の愛の巣なの、誰にも入り込む余地のない2人だけの世界なの」
妻と一緒に夢の新居に思いを寄せていた当時の光景が、辛く虚しく思い起こされ、私は自分自身がいたたまれず、とにかく虚像で固められたこの家から脱出したい思いで、古びて汚れたズボンとポロシャツ姿に着替えると自宅を跡にしました。
誰かと話したいわけではないけれど、とにかく無音の時計の針だけが虚しく時を刻んでいるあの家にいたくないという思いだけが心理として働いていたのです。
  1. 2014/09/27(土) 09:26:00|
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信頼関係 第6回

外の世界はもう午後に差し掛かっていましたが、頭上に輝く太陽に照らされた町並みが妙に生き生きとしていて、まるで私に充て付けられているようでした。
私はいつも通勤に使用している駅までの道のりをゆっくり歩きながら、駅前にあったコーヒーショップに入りました。
中は割と空いていて、奥の座席に座るとコーヒーをゆっくりと飲みながら、もう一度考えてみることにしました。
ところが自宅ではあれほど混乱しきっていた自分が、ここではずっと落ち着いて冷静に考えられるような気がするのです。
普段は全く気づく事もなくただコーヒーを飲んで時間を潰すだけの場所と思っていた喫茶というものが、これほど安息をもたらしてくれる場所であったということに初めて気づいたような思いでした。
そして私は一つ一つ落ち葉を拾い集めるように、今までの出来事を考え直してみることにしたのです。
妻は今実家からどこへ向っているのだろうか。
もしかしたら私をびっくりさせるつもりで帰ってくるつもりなのだろうか。
バイブやローターは浮気などではなく、もしかしたら私との夜の営みが少ない時などに、どうしても我慢できずに自分で慰めてしまっただけなのかもしれない・・・。
日記にしたってFという記号と時間が記されているだけで、それらと繋がる根拠など何もないわけだから、本当に私の勘違いなのかもしれない。
コーヒーを一口二口と喉に流し込む度に、次第にそれまでとは違い、強引な考え方は相変わらずでしたが、少しずつポジティブな考え方に変わっていくのが自分でもよく解りました。
「やっぱり自宅に籠もって考えてなくて良かった」
少々の安堵感はわずかでも私を救ってくれます。
私の生活には一切無関係の人がコーヒーを作り運んでくれ、そして同じようにコーヒーを飲んでいる人も全く別の事を考えている・・・。
そんな空間がとても必要だった事に改めて気づき、我ながら咄嗟にとはいえ自宅を出てきた事に正当性を見い出したような思いでした。
「とにかく今夜、今夜全てが解る。その時までもう余計な事は考えまい。私は今でも妻を愛しているし信じている。これが今ある事実なんだ。愛する妻を信じて家で待とう」
そう結論を導き出すとスーッと心が軽くなったような思いになり、レジで清算を済ますともう一度自宅へ帰ることにしました。
自宅に戻ってリビングへ入ると自分が取った行動とはいえ、明らかに家の中を引っ掻き回した様子が一目でわかる程でした。
奥のキッチンは戸棚から引き出しが出されて、中にあったものが色々と引っかき出されていました。
それを一つ一つ手にとって元あった場所へ入れて戸棚を整理すると、最後にあの日記がもう一度私の目の中に飛び込んできました。
私はもう、既に心に決めた事だから気にも留めるものかという軽い気持ちで再度日記をパラパラと捲りながら眺めてみました。
やはりそれでも間違いなく、一週間に数回書き込んであるFという記号と時間。
「何か仕事の打ち合わせとかかもしれないし・・・」
そう思いながら最後まで見ていくと日記の最後の方のページに目が止まりました。
日記は妻が実家へ出向く前日まで記されて、残りの数十ページは空白になっていましたが、最後のページから数ページにだけ、妻の筆記で何やら書き留めてあるのです。
最初に日記を見つけた時は慌てていたし、何よりFという記号ばかりに気を取られていたので気づかなかったようなのです。
私は一字一句見落とさぬようにじっくりと読んでいきました。
  1. 2014/09/27(土) 09:26:42|
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信頼関係 第7回

妻が日記の最後に記していた文章は種類や色、太さの違うボールペンや鉛筆、万年筆などいったバラバラな筆記形跡だったので、どうやらその都度妻が感じた事を書き込んでは文を繋げて一つの詩を綴ったものらしいようでした。
しかしそんな事はどうでもいいことで、私にとって最も重要だったことは何よりもそこに記述されている詩とも本音ともとれる、わずかの数行にわたって綴られた文章こそ妻の素顔である事を知ってしまった衝撃だったのです。
妻はこうページに記していました。

求める愛、求められる愛、与える愛、受け入れる愛 心の愛、体の愛
様々な愛の形 今まで私が知っていた愛は、それで全てだと信じていた
今の私はどんな愛の形なのかしら
知っているのは私だけ 本当の自分自身を分かるのは私だけ
本当の私を知る喜び 本当の私が現れる喜び
従う喜び、解き放たれる高揚感、虐げられる屈辱感、そしてその愛すら秘して昇り詰める極み
こんな真実もまた愛の形

まるで何か愛について確信を得てしまったかのようなこの文は、それでも妻自身が間違いなく書き込んだものである事と、妻が愛という無形の対象に対して何らかの心の動きを示している事がすぐに読み取れました。
しかし一旦は疑ったものの、最後まで妻を信じ抜こうと誓い直した私にとっては、妻に誓うとか妻を信じるとかいう思いが全く無意味なものでしかなく、私の一方的な願望、勝手な思い込みでしかなかった事を示した文でもあった事はただ衝撃の一語に尽き、手足の震えが本当に止まらなくなってしまいました。
「なんて事だ・・・」
もう誰がどう弁護しようとも妻をどれだけ擁護しようとも、その文章が少なくとも私に対して向けられたメッセージではないことは紛れもない事実なのです。
妻には間違いなく情事がある・・・。
ふいに再び襲ってきた悪夢のような虚脱感と嫉妬感、そして何よりも信じる決心をした直後に妻に簡単に裏切られ、しかも妻のわずかな変化すら気づくことのできなかった自分の愚かさに怒りが沸き、最早その真実の全貌を漏らさず掴まなければ気が済まないという気持ちだけが私を支配していったのです。
「真実を知りたい・・・妻に何があったのか・・・」
私は我武者羅に受話器を取るともう一度実家に電話しました。
昨日実家の妻に一体誰からどうやって連絡が入ったのか、妻の素振りはどんなだったのか。
もう譬え妻の両親であっても、現実に起きている夫婦の実情を話しても構わない、どんな事をしてでも真実を突き止めてやる、という思いでいっぱいで、その後に妻の両親がこの事を知ったらどう感じ、どう嘆くかなど考えている余裕すらなかったのです。
しかし無情なのか有情なのか、実家の電話は誰も出ません。
「くそっ 何だっていうんだ」
何度、何十回電話しても誰も出ない呼び出し音に更に苛立ちは募り、頭をガリガリとかきむしって、それならば他に何か手掛かりになるようなものがないか、色々思い浮かべてみることにしました。
会社、友人・・・旧友・・・。
・・・しかし妻の交友関係など全く承知していなかった私は誰一人思い浮かべることができないのです。
そう、そこで私は初めて気づいたのです。
私は妻について何も知らなかった事を・・・。
思いつく妻に関する事柄は夫婦間2人の事ばかりで、妻の交友関係や妻の過去など、これといって妻から聞く事も聞かされた事もなく、妻の信頼している人や友人、或いは悩み、或いは望みなど、深く妻から聞かされた事もなく、つまりは妻との関係を「信頼し合っている」と私が勝手に思い込んでいただけのものでしかなかった事に、気づかされたのでした。
15年もの間、その事に全く気づかず私は一方的な愛や信頼を押し付けていただけなのだろうか・・・。
妻の私に対する言動や行動は具に理解していたつもりでも、実はそれは妻の仮の振る舞いであって、本当の妻はもっと違った言動や行動、考え方をしていたのだろうか・・・。
「一体私たち夫婦は何だったのだろう・・・」
そんな自分自身に投げ掛けた疑問にすら即答できない自分が情けなく、不甲斐無く、人として、男性として妻という一人の女性の心すら掴み取ることができていなかった自分の浅はかさがくっきりと浮き彫りになったような気がして、ソファにがっくりとうなだれてしまいました。
  1. 2014/09/27(土) 09:27:37|
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信頼関係 第8回

・・・それから何時間が過ぎたのでしょうか。
いつからか転寝に入っていた私はハッとして起き、目をこらして時計を見るともう午後の7時を廻っていました。
外は闇に包まれ、また私のこの家も更に深い闇に覆われたままになっていました。
私は重い腰をゆっくりと上げて照明を点けると、気だるさの中で何を考えるわけでもなく、絨毯に転がったままの電話の子機や、無造作に散らかった書類などを眺め回し、しばらくすると一つ一つ手に取ってはゆっくりと整理をし始めていました。
「別に今更何を整頓したところで、この家には本当の真実などないんだ・・・散らかっていようが整頓されていようが、それが問題じゃない。別にどうだっていい事じゃないか・・・」
最早妻に裏切られたという観念に支配されていた私は、目に映る全ての物が無意味にすら思えてなりません。
どれほど考えたところで妻のあの日記に書かれた文章に含まれた意味は、夫である私以外の人間に対する愛としか受け取れなかったのです。
だから、今更何かを片付けて何かを整頓したところで、虚像を組み上げ直すだけの作業でしかなく、ましてや今夜妻が帰ってくるはずもなかろうし、妻が今一体何をしているのかを知りたくても、その術を知らない私にとっては、一週間後に妻が帰ってきてから真実を突き詰めていくしかないのだろうと思うと、何もする気になれなかったのです。
そうは思うものの、何かせずにいられない気持ちが手足を勝手に支配してゆっくりと心無しながらもリビング、キッチンと散乱していた物品を片付け始めてしまいました。
そして、キッチンのあの戸棚・・・。
今にも引きちぎってしまいたい程の嫌悪感でいっぱいにさせる日記であるのに、それでも手に取りきちんと引き出しに仕舞う私の行為は、自分自身でも滑稽でしたが、結局はまだ妻を信じていたいという心の奥の訴えなのか、それとも妻が何事もなく帰ってきた時にプライベートまで覗き込んでしまった私への不信感を恐れたものなのか、いずれにせよそれが私の本当の心の表れだったとはこの時は考えてもみませんでした。
戸棚の引き出しなど、一通り片付いた事を確認して私はもう一度ソファに腰を下ろすと、ふと自分自身の酷く汗臭い体臭が気になり出しました。
洗濯すらしていないシャツとズボンに仕事の疲れがたまったまま洗っていない体では、当然のことです。
私はコンビニにTシャツと下着を買いに行き、自宅に帰るとすぐにシャワーを浴びる事にしました。
シャワーは勢いよく私の体に降り注ぎ、気だるい疲れを洗い流してくれます。
とはいえ体の表面上をさっぱりと綺麗にするだけのものでしか勿論なく、心はどんよりと暗く、沈んだままで変わる事はありません。
ふとシャワーを眺めていると、新築の時に妻が丹念に選んで決めた色と形であることを思い出してしまい、一瞬のうちにシャワーに包まれながらも忘れかけていた妻との楽しかった思い出が感情となってふいに心を突き刺すのです。
私はシャワーの放射状に噴き出す流れの中に顔を押し込み、泣きました。
自分自身でも本当に不思議でしたが、シャワーが顔にかかった途端に涙が溢れ出して止まらないのです。
一度涙が流れ出すと、妻との楽しい思い出がどんどんふくらみ始め、涙はシャワーの水に混じって次から次へと流れ落ちてきました。
私が最後に涙を流したのは何歳だったことでしょう・・・。
ふいに溢れるように湧いてきた涙は止まることを知らず、ただただ涙が止まるまで私はシャワーに顔を向けていました。
妻に裏切られた悔しさなのか・・・それとも妻と私がお互いに同じ量の信頼を持っていると思い込んでいた愚かな自分に対してなのか・・・
私はこれから妻から愛される事もなく、心の底から求められる事もなく、ただ時間を人生を消費するのを待っているだけの人生となってしまうのだろうか・・・。
この涙はそのいずれをも含んだ涙だったと思います。
私はこれから妻にどう接すればいいのだろうか・・・受け入れなければならない現実がある以上、真実を知らなければ妻を同じように信じることなどできない・・・それでもまだ妻を愛している自分・・・。
葛藤はしばらく止まる事無く続きました。
しかしようやく心も落ち着き涙も止まった後、頭と体を洗ってほんの少しだけさっぱりした気持ちでバスを出ました。
私はコンビニで買ってきたTシャツと下着を取りました。
しかし、ふとバスタオルがないことに気づいたのです。
なんて馬鹿なんだろう。肝心な事を忘れているなんて。やっぱりダメな奴だ。
妻の行動にわずかすら気づかなかった自分への思いと、シャツや下着を用意しておきながら肝心のバスタオルは用意し損なった自分が妙に交差して、私は自分自身をやっぱり愚かな男なんだと改めて思ったものでした。
それでもこのまま衣服を着るわけにもいかず、濡れた体のまま困惑していました。
びしょびしょの体のまま寝室にあるだろうタオルを取りに行く事もできなかった私は、しばらく考えあぐねた挙句にさっきまで着ていた服を洗濯籠から取り出して、体を拭くことにしたのです。
頭や体をさっきまで着ていた服で拭うというのは何とも衛生的にもよくなさそうで、拭っていて「これじゃもう一度シャワーを浴びないと駄目だな」などと一人ほくそえんでいると、体を拭いている私の横でバスルームの扉が突然ギイッと開いたのです。
私は一体何事が起きたのかと一瞬怯んで声を上げそうになったのですが、次の瞬間ドアの奥から人の顔らしい物が飛び込んできたのです。
  1. 2014/09/27(土) 09:29:09|
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信頼関係 第9回

一瞬のことだったので咄嗟には解らなかったのですが、よく顔を見るとそれは紛れもなく妻の顔でした。
「えっ あれっ? ええっ?」
私は声にならない声を上げてつっ立ったまま呆然としました。
・・・なんで妻がここにいるんだ?・・・
そして思わず口にしてしまいました。
「佐智子、一体どうしてここに・・・? 何で帰ってきてるんだ?」
私があまり驚いたままでいるのを見た妻は「うふふ」と笑いながらバスルームに入ってくるなり、私が服で頭や体を拭っているのを見てびっくりした様子で言いました。
「やだぁ、もう。 何で着てた服なんかで体拭いてるのよぉ、ちょっと待ってて。今タオルとガウン取ってくるから」
そう妻は言って寝室の方へそそくさと向かっていきました。
私には何が何だか分かりません。
妻は私に黙って実家を去したわけであって、他にもバイブやローター、日記など様々な疑惑の品々が見つかっているんです・・・そこから連想していた事は紛れもない『妻の浮気』だった筈で、その妻が今夜自宅に帰ってくる事等想像すらしていなかった私にはあまりに突飛な事で妻の行動が判断つかないのです。
どうして妻は今日帰って来ているのか・・・一週間の余白を残して実家を去して私の知らない誰かと情事を貪っているはずじゃなかったのか・・・。
思い過ごし? 思い込み? いや、そんな筈はない・・・。
第一どれもこれも納得できない事ばかりじゃないか・・・それを自分自身で目の当りにしてきたじゃないか・・・。
尚も呆然と立ち尽くしている私の元へタオルとガウンを持ってきた妻はニコニコしながらこう言いました。
「びっくりしたでしょ? うふふ」
妻は私にバスタオルを渡すとそそくさとドアを閉めリビングへ戻ってしまったようで、私はタオルでさっさと体を拭き、ガウンを羽織るとソファに腰を下ろした妻にすぐに問いかけました。
「一体どうしたんだ! 突然帰ってきて・・・」
「うふふ」
「ちゃんと理由を教えなさい! 一体どうしたっていうんだ!」
「そんな怒鳴り調子で聞かないで・・・」
私は少し怒気の篭った口調で妻に問い糾した事を改め、冷静を装って経緯を改めて聞いてみました。
「あんまり驚いたから・・・すまん。 でも本当にどうして急に帰ってくる事になったんだ?」
「・・・あなたをね、驚かせたかったの。」
「何、それ? そんなの理由にならないだろう。向うで義父さんや義母さんだって急に帰ったら不思議に思ったはずだろう。」
「・・・嘘よ。本当はね・・・」
私が妻の回答を食い入るように待っていると、タイミング悪くそこへ自宅に電話が突然かかってきてしまいました。
妻は答えを途中で遮り、ちょっと待っててという手振りをして電話口に出るとどうやら電話の相手は実家の義母らしいのが分かりました。
「・・・うん。今着いたの。・・・そうよ。ええ、やっぱりびっくりしてたわ、うふふ。・・・うん大丈夫。それじゃ、また明日電話するから。 うん」
妻は電話を切ると一瞬私を見てから、もう一度ソファに座り直しました。
「さっきの話の続きだけど・・・」
私が会話を復活させようとすると私の言葉を押し留めて妻から率先して話を続けました。
「こんなにびっくりするとは思わなかったわ。本当はね、向こうで大体の事が片付いたからお母さんに言って、先に帰らせてもらっちゃったのよ。」
「・・・」
私が尚も怪訝そうな顔で妻を見ていると、私の聞きたい事を察したのか続けて
「きっと驚くだろうなって思ってたわ。本当は昨日電話して『帰るから』ってあなたに伝えておこうかとも思ったんだけれども、いきなり帰ってびっくりさせてあげたかったの。嘘じゃないわ。」
「でも・・・」
私は一瞬躊躇しました。
(実は私は実家の義母さんに昨日電話したんだ。そしたら私から電話が入って『出張だから帰ってくるように』と私が言ったと言われたんだ。私は電話もしていないし、帰って来いとも言っていない。出張なんてことも真っ赤な嘘じゃないか。それはどうゆうことなんだ?)
本当はそう聞き返したかったのですが、まだ事情がよく飲み込めていない私は、妻に発する次の言葉が見つかりません。
言葉に詰まっている私に妻は続けました。
「本当にこんなにびっくりするとは思わなかったの。ごめんなさい。でもお母さんには言ったんだけど、ほら、あなたったらきっと着替えもろくに洗濯できないだろうし、食事にも困ってるんじゃないかと思って・・・それで帰らせてもらったのよ。」
「・・・」
「そしたら、やっぱり。 うふふ、私可笑しくなっちゃった。バスタオルも用意しないでお風呂に入って。その上さっきまで着てた服で体を拭いてるんだもの。」
「いや、それは・・・」
「やっぱり帰ってきて正解だったわ。私が用意しなくちゃ駄目なのよ、あなたは・・・」
妻はそう言うと会話を強制的に終了させ、ニコッと微笑んで実家から持ってきた荷物やお土産の袋を取り出してさっさと整理し始めてしまいました。
私は妻が荷物を整理する後姿を眺めて、手を止めさせて更に詳しい話を・・・つまり私が今日一日見た全てについて聞きたいと思いましたが、どうしても躊躇が先行して、ただ妻の仕草を見続けるしかありませんでした。
  1. 2014/09/27(土) 09:30:31|
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信頼関係 第10回

一体どうゆうことなのか・・・。
私には妻の行動が皆目見当もつきませんでした。
妻の言っている事は本当の事なのだろうか・・・。
私は灰皿に手を伸ばして引き寄せ、煙草の灰の落ちる様をぼんやり見つめながらリビングで考えこんでいました。
妻は帰ってきて数時間もすると、電車で疲れたからと言ってシャワーを浴びて既に寝室で眠ってしまっておりました。
勿論明日の私の仕事に差し支えないようにと溜まったYシャツや下着などはきちんと洗濯して乾燥機にかけてあります。
実家に行く以前と何ら変わる事のない妻の様子や仕草に、今日一日目まぐるしく沸き起こってきた事が、まるで何事も無かったかのような錯覚にすら捉えられてしまう程でした。
リビングには妻が実家から持って帰ってきたお土産の袋などが細かく分けられてきちんと置いてありました。
私はその小分けされた袋を眺めながらもう一本煙草に火をつけると、もう一度今日起こった事を思い出してみることにしました。
寝室のタンスにタオルに包まれて仕舞ってあったバイブ・・・
キッチンの戸棚に鍵がかかっている引き出しにしまってあったローターと日記・・・。
その日記に記されていたFという不可解な記号と必ず付随して記されている時間・・・。
そして日記の最後に幾度かに書き分けられて綴られた詩・・・。
更には不可解な理由で急遽実家から帰ってきた妻・・・。
どれもこれも訝しく納得のいくものではありません。
しかし妻の帰宅後の笑顔や会話を見ている限り、何ら実家に行く以前と変わった様子は感じられず、普段通りの妻に疑う隙など全く考えられないのです。
このアンバランスな現実をどうリンクさせても私には納得のいく答えが見つかりません。
それまでは目の前にある現実だけを見て判断するだけだったので、妻に対する完全な疑いしか持てなかった私でしたが、妻の笑顔と私を心配して戻ってきたという言葉に、嘘の匂いが全く感じられないのです。
私が妻を信用し過ぎなのか、妻が私を平然と騙しているのか・・・まさか。
15年も付き合ってきた妻の嘘など見抜けないわけないではないか・・・。
だとすると今日現実に目に飛び込んできたバイブやローター、日記に対して先入観が働いて、かえって身勝手な理屈をつけているだけなのだろうか・・・。
今すぐにでも妻を揺すり起こして真実を聞き出したいと思うのですが、もしも私の考えが違っていたら妻を傷付けてしまう、妻との信頼関係は二度と修復できなくなってしまう、そのような考えが交差し脳裏を支配してしまい、どうしても実行できないのです。
事実、寝室のドアをこっそりと開けてベッドに横たわり眠る妻を目の前にしては、何度も起こそうとしました。
しかし今あどけない寝顔を私に見せる妻に、夢でも見たのではあるまいか、という錯覚すら起こしてしまうのです。
しかし、もしも・・・もしも私の危惧している想像が現実であったならば・・・妻は15年という長い年月で培った「夫婦間の信頼」を逆手に取って私を欺いていることになります。
私は何度もリビングと寝室を行き来しては、とりとめのない理屈をあれこれ考え、また寝室に行っては妻の寝顔をこっそりと覗くという行動を繰り返すばかりでした。
私はそれでも心のどこかで妻が実家の義母に伝えた通りに今夜帰ってきたという事実こそを依り所とし、無意識のうちに安堵感を高めていってしまいました。
もし妻に愛人や情事を貪る者がいるのであれば、きっと今夜帰って来なかったに違いない・・・帰ってきたという事は義母に言った言葉は嘘であれ、あくまでも妻の機転で行った言動であって、私に対してついた嘘の言葉ではないのではないか・・・そうでなければ帰ってくる筈がない。
結局、私は安堵感を得たいが為に身勝手な解釈で不安感を塗り固めていき、いつのまにかリビングで眠ってしまいまいた。
  1. 2014/09/27(土) 09:31:17|
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信頼関係 第11回

翌朝、私は妻の声に起こされました。
昨日リビングにそのまま横たわって眠ってしまったことを思い出し、頭をかきながら起き上がって妻を見ると既にキッチンで食事の準備をしている様子でした。
妻はキッチン越しにリビングを覗いて私が起きた事に気付いたようでした。
「めずらしいわね、いつも寝室で一緒に寝てるのに。どうしちゃったのかしら?」
と調理をしながら聞いてきました。
「ああ、佐智子が戻ってきてくれた安堵からかなぁ。知らない間にここで眠ってしまったみたいだ。」
ソファから起き上がって顔を洗おうと洗面器に向かうとすっかりタオルなどが真新しくされてありました。
特にここ一週間は全く洗面の掃除すらしていなかったものだから、髪の毛やら石鹸やらが詰まっていた排水口も綺麗に掃除されていて、気の効く妻がいつものように私の為に朝を気持ちよく過ごせるようにと気を使ってしてくれている気配りが、なんだか昨日の出来事をまるで嘘か夢だったような気持ちにすらさせるのです。
洗面を終えて少しさっぱりした気持ちでキッチンで朝食を用意する妻の横顔を覗き込むと妻はいつものようにニコニコしながら調理していました。
私はそんな妻の姿を横からジーッと眺めこんでしまいました。
ほんのり茶色に染め上がったロングの髪の奥から覗かせる顔立ちは20代の頃よりも少しばかりのふくよかさは増したものの、長い睫毛と小さいながらも筋の通った鼻柱、そして少しだけ厚い唇が微妙なバランスで整っていて、その造りから発する笑顔・・・。
そして首からぶら下げられたエプロン姿からでも容易に判別がついてしまう程のふくよかな胸・・・丁度横からの眺めだとマスクメロンが2つ、たわわに実ってぶらさがっているようです。
更に視線を胸から腰に落としていくとアンバランスなほどに急激に細く細く絞られていくウエスト・・・それらを受け止める為に大きく張り出したようなヒップ・・・。
15年来眺め知り尽くしてきた妻の姿であるのに昨日の事が脳裏を重複したのか「もしも本当にこの体が他の男の慰めになっているのなら・・・」と考えると朝だというのに、唐突な嫉妬心が芽生えてきてしまいます。
ずっと自分の妻であり私を愛していてくれている、という自負や思い込みががきっと私の15年間のうちにそうした嫉妬心をずっと心の中から奪い去ってしまっていたのでしょう。
結婚した者が理性と貞操を守るのは当然であるという私の観念、また妻もそんな危うさを微塵も見せてこなかったという安心から、勝手な解釈で安堵を確信し、その妙な確信で私の不安を塗り固めて囲んでしまっていたのです。
それにふと気付いた時、目の前にいる妻を一人の女として性の対象にしたならば、この女を支配する事は男性にとってはどれほど喜ばしいものになるでしょうか。
そう思うと15年間もの長い間隠されてきた私の嫉妬心に火をつけ、妻を誰にも奪われたくないという思いが一瞬のうちに私の行動原理となって体を支配し、気が付くと朝食の準備をしている妻の背後から抱きしめてしまいました。
「きゃっ 何? どうしたの?」
両肩をビクッとさせて不意の私の抱擁に驚いた妻は、一度もこんな行為をしたことのない私に少し動揺したのか、珍しく怒り口調で抵抗してきました。
「ちょっと、朝食が用意できないじゃない。 朝から何してるのよ」
私は言葉で抵抗する妻をそれでも放すまいと後ろから力強く抱きしめ、左手で腰から上に手の中に納まりきらないバストを揉み上げ、右手は腰の付け根を手で愛撫しながら、首筋に私の唇を這わせました。
「やっ やだ。 本当にどうしちゃったの?」
妻とマニュアル通りに寝室で夜営むことしかなかったわけですから、こんな風に突発的な行動に出た事などなかった私を知っている妻にとっては、驚くのも無理はありません。
「ん、んん。何だかあなた、凄く変よ。こんな朝から・・・」
少し吐息まじりの妻の言葉は、きっと妻が一番感じる胸を強く揉みしだいたからでしょう。
それでも妻は力を込めて両手で私の手を払いのけてしまいました。
私は妻の抵抗に逆らえずつい両手を放してしまいました。
「ご、ごめん・・・」
「あなたがこんなことするなんて・・・」
「つ、つい・・・」
妻はじっと私を見て更に私を厳しく叱るのかと思いましたが、すぐに振り返って調理を再開してしまいました。
「ほんと、ごめんな」
「もういいから。すぐに朝食出すからリビングで待ってて」
後ろ姿で調理しながら少し突き放すような言い方をされ、私は自分が普段通りの行動ができない姿をきっと妻は訝しく思ったのかもしれません。
気まずい雰囲気のまま朝食を運んできた妻に、私はもう一度さっきの突発的な行動を反省してあやまりました。
「さっき・・・ほんと、ごめん。朝からどうかしてた・・・」
しかし妻は朝食の用意をする手を止めることもなく、また私の眼を見ることも無く
「早く、朝食を取って。会社に遅れるわ」
としかいいません。
しかもいつもは一緒に取る朝食すら妻は「色々やらなければならない事が残ってる」といってさっさと洗濯場に行ってしまいう始末です。
私は朝食を黙々と取ると、玄関にポツンと用意されていた鞄に目をやり少し考えた上で、洗濯場で作業をする妻を確認して寝室の扉を閉め、携帯電話を取り出すと会社に連絡を入れ、調子が優れないのでもう一日休暇をしますと伝えました。
やはりこんな気分でいい仕事などできません。
いや、昨日の一件と今朝の出来事がどうしても私の心が時間に余裕を求めるのです。
・・・きちんと気持ちを整理しなくちゃ・・・とにかく会社をもう一日休んで妻との事をこれからどうするのか、じっくり考えなくては・・・。
そう、私は結婚以来始めて妻に対する背任行動に出る覚悟をこの時点で決めていたのかもしれません。
寝室を出て洗濯場にいる妻に「じゃあ行ってくる」と伝え、私は玄関に用意されていた鞄を手にして家を後にしました。
  1. 2014/09/27(土) 09:32:05|
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信頼関係 第12回

私は押しては引く波のような心に戸惑いながらも、自分自身がいたたまれず昨日と同じコーヒーショップへ向い、昨日と同じコーヒーを頼みました。
何か昨日このコーヒーショップで心が落ち着いた感触を無意識のうちに行動に出ていたのでしょう、全く同じ席に座ってコーヒーをゆっくりと口へ運ぶと、深いため息をつきました。
昨日突然襲って来た信じられない出来事に、それまでの平穏な夫婦関係を粉々に吹き飛ばされてしまったような感覚です。
いや平穏な夫婦関係というよりも平穏だと信じきっていた夫婦関係だったのでしょうけれども。
それでも15年という長い年月を経過して突如私の心に入り込んできた疑心は、とてつもなく大きくなって心に圧し掛かってきます。
ガラス張りの向こうでは通勤途中のビジネスマンやOL、学生達が駅へと向ってこれからの一日を生活していくのでしょう。
ほんの一昨日までの私も全く同じようにその人混みに飲まれて同じように駅へと向っていたはずです。
ところが今日はあの波の中に身を置くことすらできずに、それを眺めながらぼんやりとコーヒーを飲んでいるのです。
何だかそれが妙に滑稽で、自分自身でも何をしているんだろうとすら思いました。
しかし・・・そうした生活を今日は送れない原因に眼を向けると、このままではいけないとは思いつつもどうすればいいのか判らない自分に突き当たってしまうのです。
きちんと昨日妻に問いただせれば良かったじゃないか・・・そうすれば少なくとも今日もここで一人でコーヒーを飲んでいるはずもなかった・・・。
そう思うと全ては自分の優柔不断さが悪い方向へと自ら進んでいっている気になって仕方がありません。
きちんと、結論を出さなくては・・・妻にきちんと問いたださねば、このままではいられない・・・。
しかし、そこまでは決心できてもいざ昨日見つけたバイブ、ローター、日記、そして今朝包み込めない程の妻の胸の感触を思い浮かべると、もし万が一私が考えている最悪のシナリオであったなら、どうなってしまうのだろうという恐怖が私を襲うのです。
もしも・・・問い詰めた挙句に妻が浮気を告白したなら・・・。
そう考えると強い嫉妬心が急激に突き上げてどうにもなりません。
どうしよう・・・このままでは心が死んでしまう・・・何とかしなきゃ・・・
そう思ってガラス張りの向こうに眼をやった時でした。
コーヒーショップの目の前を妻らしき女性がスーッと通り過ぎていったのです。
ベージュの上下のスーツ姿で、短めのタイト・・・黒のストッキングに包まれたその女性は、私の視界に一瞬だけ入るとスタスタと駅の方向へ向って歩いていってしまいました。
ほんの一瞬の出来事で私はそれが一体何なのか、すぐには事情が飲み込めなかったのですが、ハッとすると私は咄嗟に今いた女性を追いかけようと駆け出し、ドアを開けて外へ出てみました。
駅の方へ歩くその女性は後ろ姿しか見えませんが、さっき見たあの横顔は間違いなく妻だったと直感しました。
あの長い髪、体形・・・どれも妻と全く同じです。
私はすぐにその女性を追いかけ、全力で人混みをかきわけていきました。
あれは妻だった・・・一体こんな朝からどこへ出かけるというのか・・・
私は胸の鼓動が高鳴っているのを走ったせいだと思っていましたが、それはこれから妻が向う先への不安感だったのかもしれません。
息が切れてしまう程の心臓の高鳴りが、もうほんのわずか目の前にまで追いついた妻の肩を掴んで止めようとする力を与えてくれないのです。
手を伸ばして・・・声を出して・・・妻を呼び止めよう・・・
そう思うのですが、ついに私は妻を呼び止めることはしませんでした。
私はじっと妻の4、5メートル後ろについて、妻の後をついて行ってしまいました。
一体何処へ行くのか・・・それを突き止めればはっきりするじゃないか・・・
そう、私はずるい事に妻に直接問い糺す事で夫婦の信頼関係が崩壊してしまう事を恐れる余り、妻の行動をこの眼で確かめる事で、事実を掌握しようと考えてしまったのです。
  1. 2014/09/27(土) 09:32:54|
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信頼関係 第13回

妻は駅へ入ると切符を購入してホームへと急ぎ早に向かっていました。
私は妻の視界に入らないような位置に常にいるよう注意を払いながら、それでも妻を決して見逃さない距離を保ってじっと凝視していました。
しかし妻を追っているうちに、今まで妻に対しての信頼関係から想像した事もなかった感情がまた新たに加わってきたのです。
体のラインがはっきりと出るスーツに身を包み、ボリューム一杯の胸を窮屈そうに包んでいる山吹色のセーター姿は今すぐにでも引き散れんばかりで、もしこの姿を夫としてではなく、一人の男として遠目に見たならば妻はとても挑発的にすら見えてくるのです。
まるで男達の性の対象と自らなろうとせんばかりに・・・。
今自分が追っている人物が妻ではないかもしれないと一瞬考えると、私の眼に映し出される女性は男の性欲を刺激する女でしかないのです。
事実、ホームに立つ妻を横から後ろからたくさんの男性が妻の足元から上に舐めるように見上げていきます。
何より妻の張り出すような大きな胸に多くの男性が視線を止めていくのが遠目で追尾している私にははっきりと判りました。
そして私は自分の妻として欲情したことはあっても一人の女性として妻を今まで見てこなかった事にはっきりと気づきました。
男から見れば、妻は欲望の対象にすら容易になり得るんだと・・・今まで勝手な思い込みで、結婚した女性は男性の欲求の対象となり得ないと思って生きてきた自分の考えが大いに間違いであった事を再認識させられました。
妻はそんな男性の視線を受けて喜びを味わっているかのようにすら見え、何気なしに身だしなみを整えたり、髪をかきあげたりしていて、それがまた男性の視線を集めてしまうのです。
しばらくホームで電車を待っていると、何やら妻に携帯電話の呼び出しがかかったのでしょう、すぐに鞄から携帯を取り出して耳に当てると何か会話を始めました。
私のいるこの距離では妻の会話の内容は聞こえるはずもなく、私はやきもきした気持ちで妻の様子をじっと監視するしかありませんでした。
・・・一体誰と何を話しているんだろう・・・
今すぐにでも妻の携帯を取り上げて電話の向こうにいる相手を確かめてしまおうかという衝動にすらかられました。
妻は携帯で2、3会話のやりとりを済ますと携帯をすぐにしまい、済ました顔で駅へ到着してきた電車へ乗り込んでいきました。
私もあわてて1両ずらして同じ電車に乗り込み、混雑している車内で向こうの車両に立っている妻をそっと覗き込んで監視を続けました。
この電車は私の会社へ向う方向とは全く逆で、私自身は仕事の関係で得意先に向う都合で何度か乗車した程度しかありませんでしたので、この先に一体何があるのかすらわからず、ただ妻の下車を待つだけしかありません。
妻は乗車した駅から4つ目の駅の電車が到着するとそそくさと降り、大勢の乗降客でごった返す駅構内へと足を進めていきます。
私もあわてて混雑している電車内をかきわけてようやくホームへ降り、妻を追いかけました。
・・・この駅近辺のどこかに目的地があるのか・・・一体妻はどんな用事があるというんだ・・・。
この駅はやはり私は何度か得意先が所在している関係で降りた事はありましたが、妻にとっては仕事の関係先がこんな場所にあるはずもなく、一体何の目的でこの駅へ来たのか、その意図が全く理解できません。
私はいよいよこれからこの眼で妻の未知の部分を見てしまうのかという恐ろしさと、遂に妻の秘密が明らかになるという奇妙な心の交差で心臓が爆発しそうになっていました。
階段を下りて駅を出ると駅前ロータリーはそれまで乗降客でごったがえしていた駅の中とは打って変わってビックリするほど閑散としていて、妻はその中の一角にあったタクシー乗り場へ向っている様で、5人程の列が作られた最後尾に並んでから、今度は妻から電話をかけはじめました。
私はタクシー乗り場から5メートル程離れた駅構内のコンビニの角に隠れていて、やはりその会話の内容は聞き取れません。
妻は先程とやはり同じように2、3会話を交わすと今度は急に周囲をキョロキョロと見廻し、あと一人待てば乗れる筈のタクシー乗り場をまるで放棄するように歩き出して、今度はバス乗り場へ向っていってしまったのです。
・・・? 一体どうしたというんだ・・・。
妻が周囲を見廻した時は、もしかしたら私の追尾に気づいたのかもしれないという恐怖心が襲い、思わずコンビニの角に身を潜めてしまいましたが、どうやらバス乗り場を探していただけのようでした。
バス乗り場にはわずか数人しか待っておらず、まさか私も一緒にそのバスに乗るわけにもいきません。
私は妻が待機しているバス会社を確認してから、すぐ傍にあったバス会社の事務所へ向うとバスの行き先が張り出してある看板を眺め、妻がこれからどこの方面行きのバスに乗るのかを確認してみました。
するとおかしな事に、妻が乗ろうとしているバスは私の自宅方面へ向うバスになっているのです。
つまり先ほど妻が出発した駅から電車に乗って4つ目のこの駅で降り、今度はバスに乗ってまた元来た駅へ向おうとしているのです。
看板に書いてあったバスの停留所を順に追ってみても、電車にほとんど沿った国道を通るルートで、バスに乗る意味がありません。
・・・どうゆうことなんだろう・・・何か目的が変わったのだろうか・・・
私は妻がどうゆう行動に出ようとしているのかその意図が全く汲み取れず、躊躇してしまいました。
しかしあれこれ考えている間もなく妻が待っているバスは到着したようで既に発車してしまいましたので、私はタクシーでバスを追いかけようと思い、タクシー乗り場に向うと、3人程の乗客の後ろについてタクシーを待ちました。
タクシーはすぐに到着し、5分程バスに遅れながらも駅を発車してすぐに妻の乗ったバスの経由路を運転手に告げて、車を走らせて貰いました。
私があれこれと後部座席で悩み考え込んでいるとタクシーの運転手が私の告げた行き先が奇妙だったのでしょうか、乗車して少ししてから運転手から問いかけてきました。
「お客さんも妙な人だね。駅にいたんだからこのルートで駅に向かうなら電車のが早かったんじゃないの?まあ私はおおいに結構なんですがね。」
私を怪訝そうに聞く運転手に私は敢えて聞いてみました。
「・・・このバスのルートで駅から離れるような経由先はないんですか?」
「ここら辺はずっとベッドタウンが続くじゃないですか、そこをバスがクネクネと走るんですが、これといった場所は経由しませんね。」
「そうですか・・・」
はやりタクシーの運転手もどう考えてもこの経由路をバスやタクシーで移動するという事は変に感じられるようです。
だとすると妻は一体何の目的であのバスに乗ったというのでしょうか。
果てしない疑問が山積みになっていると、ふと前方に妻を乗せたバスが見えてきました。
もうあと3つ程度停留所を行けば自宅のある駅圏内になってしまう場所です。
バスは二車線ある左側をゆっくりと前進しながら自宅方向の駅へ向っていきます。
すると自宅のある駅からほとんど離れていない停留所にバスが停車するとそこから妻が降りてきたのです。
「すみません。バスの停車したその先で止めて下さい。」
私は急いでタクシーを止めてもらい、バスの停留所から100m程離れた所で降ろしてもらいました。
タクシーを降りて妻を探すと、私の降車した場所とは逆の方向へ向って歩いています。
・・・自宅方向とは逆だし・・・ここに何があるんだろう?・・・
私は人通りがほとんどない国道の歩道を妻と距離を保ちながら進んでいくと、妻は角を曲がると奥にあったスーパーへと入っていってしまったのです。
・・・スーパー? なぜスーパーに?・・・
スーパーの出入り口で私は首をかしげるばかりしかありませんでした。
スーパーなど自宅や駅の付近にいくらでもあります。
なぜあんなルートをわざわざ通って結局自宅からそれほど遠くないスーパーに入っていったのか・・・全く判らないのです。
そもそもスーパーに行くというのであれば、あんな刺激的な格好をしなくていいはずです。
私はきっと何かあるに違いないと思い、今度もスーパーの外の駐車場の陰からこっそりと妻が出てくることを待つことにしました。
  1. 2014/09/27(土) 09:33:44|
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信頼関係 第14回

妻がスーパーから出てきたのは入ってから20分程してからでした。
特に何かを買ったわけでもなく、ぶらぶらと店内を歩いて陳列商品を見ていただけのようで、スーパーで時間を潰していた・・・そんな様子にしか見えませんでした。
そして妻はスーパーを出ると迷う素振りもなくその隣にある喫茶店に入くのです。
まるでこの喫茶店に入るのが本当の目的で喫茶店に入る時間を見合わせてスーパーで時間を潰していただけのように私には思えました。
その喫茶店はウッドデッキ調の割とこじんまりとした雰囲気で、少し古くもあるような、それでいて最近出来たような洒落た感じの店ではありましたが、ただ窓の前に植えられた大きな植物の群れが邪魔をして中の様子があまり窺い知れないような造りになっています。
・・・この中にもう待ち合わせの男がいるのか・・・それともこれから来るのか・・・。
私は中の様子が全く分からない苛立ちで通りから喫茶店をジロジロと覗き込んではみましたが、行き交う人には私が不審人物に見えるのでしょう、怪訝そうな顔をして通り過ぎて行きます。
無用の詮索を受けたくなかった私は仕方なしに喫茶店の出入り口がはっきりと見える先程のスーパーの前にあったベンチに腰を下ろして煙草を吸いながら妻の動向を待つ事にしました。
これから誰かが来るのか、ももう既に誰かと中で会っているのか・・・それは分かりませんが見えない不安は一層私を嫉妬と苛立ちを増大させます。
それでも私の苛立ちをあざ笑うかのように、何本煙草をくゆらせながら喫茶店の出入り口へ眼をやっても一向に変化の気配は感じられません。
一体喫茶店の中で何が行われているのだろうか・・・中では妻と楽しい会話が始められているのだろうか・・・いやもし男だったなら、もう妻の手などを握りながら見詰め合っていたりしているのでは・・・。
もう私の中では妄想がどんどんと増幅するばかりです。
電車からバスへ乗り換えて戻ってきた妻の不審な行動・・・スーパーで時間を潰して横の喫茶店に入っていく様子・・・私の中に間違いなく存在した”妻を信じる”という感覚は次第に霧散していくのを実感していきます。
現実を知れば知るほど妻への疑惑は大きくなるばかりで、妻を”信じぬく”という心は徐々に疑心へと変貌し、際限ない嫉妬だけが心を支配していくのです。
それでもまだ心のどこかで妻を信じたい、私の思い込みであって欲しいというわずかな望みも捨て切れていません。
何かしらの理由があっての事ではないのか・・・あの聡明な妻がまさか私を裏切ることなんてある筈が無い・・・そう考えるととても妻の裏切りを認められないのです。
正直、この時程自分自身の情けなさを呪った事はありませんでした。
目の前にはっきりと提示されている現状を見せ付けられても、それでも尚認められない自分・・・。
私の友人や知人だったらこんな時どうしているのだろう・・・きっと私とは違ってきちんとした対処をしているに違いない・・・そう思うと自分の弱さを自ら露呈し、尚それを認めた上で否定すらできない自分が悔しくて仕方ありませんでした。
・・・ここまで証拠が揃っているではないか・・・バイブ、ローター、日記、そして今日の不審な行動・・・。
それを思うと今にも喫茶店に踏み込んでしまいたいという気持ちに駆られるのですが、その一歩が出ない惨めさ・・・一体私は何を恐がっているのだろう・・・。
悶々として遂に結論が出ないまま数十分が過ぎた頃でしょうか、喫茶店の出入り口を気にしていた私が何か気配を感じて目をやると、妻が喫茶店から出てきたのです。
特に変わった様子もなく、妻は喫茶店を後にするとさっさと自宅方向へ歩いていき、通りのタクシーを呼び止めるとすぐに乗り込んで何処かへ行ってしまいました。
私は通り過ぎるタクシーの後部座席の妻の様子をじっとビルの角から隠れて見届けながら、このまま妻を追尾するかどうか迷いました。
・・・もしかしたら何か妻の不審な行動の手掛かりになるような情報が喫茶店で得られるのではないだろうか・・・でも妻の行き先も気になるし・・・。
結局散々迷った挙句にもうかれこれ数分は経っている妻のタクシーを追いかける事は無理だろうと断念しました。
・・・一体どこへ行ったのだろうか・・・自宅の方向だったようだけれど、自宅までタクシーを使う距離じゃないし・・・
言い知れぬ不安は更に募るものの、妻の行き先に何の手掛かりもない私は仕方なしに先程の喫茶店に戻って入ってみる事にしました。
  1. 2014/09/27(土) 09:34:41|
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信頼関係 第15回

喫茶店の中は表のこじんまりとした雰囲気とは違って奥に長く、座席は20や30位はありそうでした。
客はあまりいませんでしたが、奥のテーブルで話し合っているカップル、窓際のテーブルで新聞を読みながらコーヒーを飲んでいるサラリーマン、その横のテーブルで談笑している40代位の主婦が2人、そしてカウンターの5つの席の内の1つに腰掛けていた20代の私服の男性が1人で携帯電話を操作していて、それぞれが各々の事をしていました。
そこへ店内をキョロキョロと見渡していた私にすかさず10代に見える女性店員が近づいてきて「いらっしゃいませ」と声をかけてきました。
私はハッとして俯いてすぐに傍の窓際のテーブルに座し、水を用意しながら注文を聞いてきた女性店員に私はコーヒーを頼むついでに妻が一体ここで何をしていたのか聞いてみました。
「あの、さっきここに女性が来ていたと思うんですが・・・誰かと待ち合わせだったんでしょうか?」
「は? ああ、さっき出て行かれた女性ですね。」
「そう、その人。誰かと会っていましたか?」
「いえ、あの奥の席でずっと一人でいらっしゃいました。」
そう店員は言いながら奥の観葉植物の置いてある隣りの席を指差しました。
「誰かと待ち合わせしていたとか、そうゆうのじゃないですか?」
「いいえ・・・」
「本当ですか?誰とも会ってないんですか?」
「・・・本当です。では御注文は以上でよろしいですね・・・。」
あまりしつこく私が聞くので女性店員は少し訝しく感じたのかもしれません。
これ以上何を聞くことがあるんですかという素振りでそそくさとカウンターへ内の男性に告げて奥へ引っ込んでしまいました。
女性店員の話が本当であるならば、少なくともこの中にいる誰かに会ったのではないかという私の想像は間違いだったようでした。
・・・しかし一体何の用事でこんな喫茶店に来たのだろうか・・・スーパーではまるでこの喫茶店へ時間通りに来店する為に時間を潰していたように見えたのに・・・。
妻の行動が全く読めない私はひどく混乱してしまいました。
・・・駅から4つも離れた別の駅から、バスに乗って自宅方向へ戻り、自宅手前のバス停で降りてスーパーで時間を潰し、この喫茶店に来ても本を読んだだけというのか・・・何の用事もなくここへ立ち寄ったなどと考えられるわけもない・・・。
一体どんな理由を付けたら妻のこの不可思議な行動を納得できるのでしょうか。
最早妻の不可解な行動を納得するには、妻に直に問いただすしかないのかもしれません。
しかし私にそんなことが果たしてできるのでしょうか。
いかなる不審な物が見つかったり、不可解な行動をとったとしても、それをどう妻に問い糾せばいいというのでしょう。
まさかダイレクトに妻を怪しいと思って尾行した、などと言えるはずもありません。
いくら思い切った行動に出ようとしても、尚踏ん切りがつかない自分を責めるばかりで、建設的な発想が私には出てこないのです。
私は冷めきったコーヒーの最後の一口を飲み干すとまた溜め息をついていました。
と、その時でした。
店内のカウンターに置いてあった設置電話から客の呼び出しがあったようで、先程の女性店員が大声で「○○様、いらっしゃいますでしょうか? お電話が入っております。」と周囲を見廻しながら呼ぶのです。
私の心臓はドキンと一瞬止まってしまったかと思う程の衝撃が走りました。
そう、女性店員が呼んだのは私の苗字であり、つまり電話の主は妻を呼んだに違いないとそう直感したのです。
私はどうしていいのかわからずドギマギするばかりでしたが、女性店員は続けて私の苗字を呼びます。
しかも今度は「○○様、○○佐智子様・・・」とフルネームで呼んだのです。
私は咄嗟にカウンターを振り返って店内を見廻しましたが、当然誰も電話口に出るはずもありません。
しばらくすると女性店員は電話の主に「いらっしゃらないみたいです」と告げて電話を切ってしまいました。
私は全身が揺さぶられるような思いのまま、すぐに立ち上がって女性店員に駆け寄りました。
立ち上がる際には勢いが良すぎて椅子を倒してしまい、更には途中他のテーブルに膝を当てたりとその動揺ぶりは女性店員にも異様に見えたようで、駆け寄ってきた私を怯えるように女性店員は体を仰け反らせ、それ程私の形相は鬼気迫るものだったのでしょう。
「い、今の。 今の電話は誰からですかっ」
「あ、いや、あの・・・」
「今の、誰からなんですかっ」
  1. 2014/09/28(日) 09:11:01|
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信頼関係 第16回

私はきっと物凄い形相をしていたに違いありません。
女性店員はびっくりしていて返答すら窮してしまう程だったのですから。
それでもすぐに私が何か悪い事でもしたかしらといった少し眉間にしわを寄せた表情に変えて「何か?」と逆に問い返してくる始末でした。
私はとにかく電話の主を知りたい一心でつい「○○の夫なんです」と女性店員に正直に自己紹介をしました。
すると女性店員は私の言葉を少し考えた上で「ははあ、なるほどねぇ」といった表情を見せてニヤリとして、私と妻に何があるのかを直感したようでした。
「今の電話は藤原様という方からです」
「男性ですか?」
「ええ、男性の方です」
「何と言っていたんですか?」
「藤原という者ですが、○○佐智子様を呼び出して欲しい、と。」
「それ以外は?」
「別に何も。いらっしゃいませんと申し上げたら、分かりましたとだけ。」
「・・・その人は幾つ位の方でした?」
「さあ、でも割と若い感じの声だったかしら。」
「若い男?」
私は女性店員の前で天井を見上げてあれこれと藤原という男性で思い当たる人物を想像してみました。
しかしいくら考えても思いつきません。
私の慌てぶりを見ていた女性店員はもう既にさっき喫茶店を出て行った女が私の妻であり、そこへ私が踏み込んできた痴情の縺れか何かと思ったのでしょう。
「さっきの方が○○さんなんですか?」
と女性店員の方から逆に聞き返してくる始末です。
きっと女性はこういった問題が他人に起こっていると、それを詳しく知りたく思う人種なのかもしれません。
「さっきの方、以前一度こちらへおいでになった事ありますよ」
と今度は女性店員から情報を提供してきました。
「いつですか?それは」
「さあ。でも半月位前だったかしら。」
「その時も一人で?」
「・・・さあ、そこまでは・・・ただ綺麗な方だったからよく覚えていただけなので・・・」
「そうですか・・・」
「何かあったんですか?」
「その藤原っていう男が・・・あ、いやいや。 何でもありません。」
私は咄嗟に何ら関係の無いこの女性店員に話す筋合いはないと思い、これ以上は何も聞くこともないし、痴情の縺れといった雰囲気を女性店員に悟られて恥ずかしくなり、「どうも有難う」とだけ断わってさっさと勘定を済まして店を出てしまいました。
  1. 2014/09/28(日) 09:12:09|
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信頼関係 第17回

藤原という若い男・・・女性店員から告げられたその言葉が頭から離れ付いて取れません。
喫茶店の前の通りを自宅方面に歩きながらぼんやりと空を見上げながら私に思い当たる人物はないか、考え続けました。
・・・一体誰なんだろう・・・藤原という男はどこの人間なのか・・・フジワラ・・・あっ。
そうです、その時思い出したのです。
あの妻の日記に書いてあったFという記号・・・。
・・・F・・・FUJIWARA・・・そうだ、あの妻の日記に書き込まれていたFはきっと藤原という苗字の男の事だったんだ・・・。
その藤原という男とどこかで待ち合わせしている時間があのFの文字の横に記されていたに違いない・・・。
私は一つの謎が氷解した喜びが一瞬だけ突き上げたものの、次の瞬間にはどうしようもない嫉妬が心を襲ってきました。
・・・一体どうゆう男なんだ・・・その藤原ってヤツは・・・その藤原という男が妻を誑かして、気持ちを揺さぶっているに違いない・・・。
最早妻の浮気は私の中では断定的なものになっていました。
それで、その藤原という男と肉体関係を持って・・・更にはバイブやローターまで使う程のセックスをしているというのか・・・
私は殺意すら湧き上がる程の感情を押さえつけ、もうこの後に及んでは妻にこの事実を突きつけて確認する以外にないとようやく決心がつきました。
いや、これ程までの確定的な物的証拠が出揃い感情も高ぶった今でしか聞く事はできない、と思ったのかもしれません。
そう決心するとすぐに私はすべて妻から白状させるために自宅へ駆け足で戻りました。
わずか10数分で辿り着いた玄関の前で我が家を見上げると、もう何もかも虚しい気持ちしか込み上げてきません。
全ては偽りだったということ・・・私への信頼も愛情もこの我が家ですら・・・それまでは妻と私の愛の砦とすら思えてきたこの我が家も、今では砂上の楼閣にでもなってしまった虚しさ・・・。
泣きたくなるような思いを堪えて玄関の扉を開けようとすると、鍵が掛かっていることに気付きました。
そう、妻はまだ自宅へは戻ってきていなかったのです。
もしかしたら妻は携帯で藤原と連絡を取って別の場所で会っているのではないか・・・今頃情事の真っ最中なのか・・・そんな妄想が頭を駆け巡り、私は我が家に入っても一向に座して待つ事すらできないままリビングをウロウロして、落ち着く事ができませんでした。
もし今頃妻が男に悶えさせられ、私以外の男性に悦ばされていたら・・・そう思うだけで嫉妬と怒りが収まりません。
きっと私が仕事をしている間に、今日のようにあの日記に示された日ごとに情事を貪っていたのだと思うと、嫉妬で心が燃やし尽くされそうな程の怒りしか込み上げてこないのです。
・・・一体妻はあの後どこへ行ったのだろうか・・・
そう考えていた時にふとキッチンの戸棚の例の日記に何か記されているのではないだろうかと考え、再度あの戸棚を開けてみることにしました。
息を殺しながら戸棚を開けると嫌な記憶を思い起こすような感じがする、あの日記がありました。
私は震える手を押さえながら日記を開いていくと、しかし昨日と今日の欄は未だに空白のままでしかありませんでした。
私はどこかホッとしたような、しかし直ぐに現実には妻は藤原という男に会っているはずで、きっと今日この日記にまたFの文字と時間が記入されるのかと思うと、やりきれない気持ちが込み上げてきます。
「ちくしょう・・・」
私はもう一度他に何か手掛かりになるようなものはないかと戸棚を探しましたが、これといったものは出てきません。
・・・いや、待てよ!・・・
私がハッとしたのは何もない手掛かりではなく、そう、どれだけ戸棚の中を探してみても、あるはずの、いや昨日は間違いなくあったあのグリーンのスケルトンで出来たローターがなかった事に気付いたからでした。
・・・まさか!・・・
私は戸棚を元に戻して再度鍵をかけると、今度は最初に発見したあのバイブを探しに急いで寝室に駆け込みました。
妻の引き出しの奥に仕舞いこまれたあの黒いバイブ・・・
私は引き出し丸ごと床に引きずり出して調べました。
・・・しかし、やっぱりバイブも無いのです。
一体バイブとローターを持ち出した妻はどこで何をしているというのでしょうか。
最早15年で築き上げた信頼関係など微塵もありません。
ただ妻が浮気をしている・・・私に対する妻への信頼を裏切った事への怒りと悲しみが私を包み込むばかりです。
妻は浮気をしている・・・そう考えただけで許せないという感情が押しては寄せてくるのです。
私に対する妻の背任行為は断じて許せる筈もありません。
あれだけ妻を愛し、妻を慈しみ、妻を信じてきた私の15年をあっさりと、そして平然と妻は裏切ったのです。
私は寝室でがっくりとうな垂れてしまうと、もう何もする気すら起こりませんでした。
横のベッドにドサリと身を投げてただ目を瞑り、これまで妻と過ごしてきた15年を回想しては、それが全くの虚像でしかなかった事にただ虚脱感を覚え、眠るわけでもない眠りについていきました。
  1. 2014/09/28(日) 09:13:09|
  2. 信頼関係・あきお
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信頼関係 第18回

浅い眠りについてからどれ位の時間が経過した頃でしょうか、私は玄関からの靴音で目が覚めました。
時計を見るともう午後1時です。
ぼんやりとした思考が少し続いた後、一体自分が寝室で何をしていたのか思い出してしまうと、咄嗟に心の奥に鋭利な刃物でも深く突き刺さるような感触をおぼえました。
ですから帰ってきたであろう妻を出迎える気になど到底なれるはずもなく、私はしばらくはベッドで上半身だけ身を起こしてぐったりしたままでした。
足音は玄関を上がるとそのままリビングに入ったようで、寝室のここからでは何をしているのかよく聞き取れません。
私はいよいよ真実を妻の口から吐き出させなければならないという覚悟と、それでもこれ以上は真実を知らぬまま生活をしていくことが不可能であるという絶望心を持ち合わせたまま、重い腰を上げてリビングへよたよたと歩いていったのです。
そして・・・思い詰めた私の心を静かに、しかし全てを開放せねばならないかのようにリビングの扉をゆっくりと開けました。
妻はリビングの扉に背を向けて座ってイヤリングを外していたようで、扉を開けてもまだ私が居た事には気付いていないようでした。
「今帰ったのか・・・」
ボソリと私が呟くと妻は一瞬怯んだように背をビクッとさせて振り返りました。
「きゃっ あなた? 何? どうしたの? こんな時間から・・・」
私がこんな日中から家に居た事に妻は大変驚いたようでした。
「・・・今日は調子が悪くて・・・会社、休んだんだ」
「・・・そ、そう・・・風邪でも引いちゃったのかしら? お医者さんは?」
「いや、行ってない」
「駄目じゃない、行かなくちゃ・・・もっと酷くなったら大変だから今からでも行った方がいいわ」
こんな私の気持ちを知らずに身を案じている妻の言葉すら逆に虚しく、辛いばかりのものでしかなく、妻が言葉を発する私への偽りの愛情の素振りがかえって屈辱感と怒り、そして藤原と名乗る男への嫉妬心でいっぱいになってしまいました。
「あなた? 大丈夫?」
私は妻への返事もせず、突っ立ったまま妻の姿をジッと眺めるしかありません。
朝見かけた時も意味不明の行動を取った時も全く同じ男を魅惑させる服装に包まれた妻は、きっと自宅に帰るまで藤原という男に何度も求愛され、嬲られ、辱められ、絶頂を味わったのだと思った瞬間に私は感情のまま妻へ問いかけていました。
それは結婚して15年間今まで一度も妻に対して侵犯した事のなかった”妻への疑惑”という心情から出た初めての言葉でした。
「・・・今日、実は駅で佐智子を見てしまったんだ・・・」
「・・・えっ? 駅で?」
「一体、今日これまでどこで何をしてきたんだ・・・」
私はもうこの時は既に流したくもない涙がこぼれていました。
妻は私の掴んだ証拠に対してこれから何らかのレスポンスを返してくるのでしょうが、その話が私の見た事実と相違すれば、この時点で妻は私に嘘をついていた証拠にもなり、また意味不明の行動をありのまま告げたとしても、それはきっと言い訳不能に陥ってしまい、結局は不倫を告白するものになってしまうのでしょう。
いずれにしろ、妻がこれから私に対して告白する内容が私達夫婦の関係全てを引き裂く結果になるのだろうという悲しみが私の涙となって出てきたのだと思います。
「あなた、泣いているの? どうしたの?」
「そんな事はどうでもいい!・・・今までどこで何をしてきたのか、正直に言ってくれ・・・」
「・・・」
「どうした! なぜ黙ってる!?」
妻は言葉を伏せるとただリビングを見つめるばかりです。
「何とか言ったらどうなんだ・・・」
「何をそんなに怒ってるの?」
「一体今までどこで何をしていたんだと聞いてるんだっ!」
「・・・」
「なぜ黙る?」
そう私が重ねて聞くと妻は一瞬大きく深呼吸をしたような素振りを見せて今度は私に問い返してきました。
「・・・あなたは・・・その言葉は、私を・・・何か疑ってるのね?・・・そうなのね?」
妻はそう告げると何だか悲しい目をして私を見つめ直してきました。
私は正直とても躊躇しました。
私がまず”妻を疑っているのか”という質問を認めなければこれ以上話が進まない妻の問いかけであり、今まで私達夫婦は常に「佐智子を信じている」「私を信じてくれている」という関係で成り立っていた夫婦関係を一切断絶した上で会話を進めていかなければならないのです。
「佐智子を疑っている」と言えばもしも何か情状酌量の余地があった場合に私が「許す」と言っても、最早その夫婦関係を修復することは難しくなるのでしょう。
「信じている」と言うのであれば、妻に対して強い問いかけをすることはきっと困難になり、事実がぼやかされてしまうかもしれません。
そんな事を妻の問いかけに対して咄嗟に適切な回答を考えながらも結局はこんな憤りに包まれた状態においてすら決定的な言葉を出せなかった私はきっと弱い人間なのでしょう。
我ながらついに妻に出した返答に情けなくなるばかりでした。
「・・・もちろん、信じてはいる・・・でもちょっと納得できない事が立て続けに起きてしまって・・・」
「一体何がどうしたというの?」
「駅で見かけて・・・それから・・・」
「それから?」
「ちょっと見慣れない服で、しかも何も言わないで出かけたものだから・・・どこに行ったのかと・・・」
もう私はちょっと前までの怒りがあっという間に萎んでしまい、妻に対する疑問を柔らかく、なるべく刺激の少ないように聞くしかできませんでした。
「これはこの前買った服じゃない。あなたにも見て貰ったでしょ? そしたら『とっても似合うよ』って言ってくれたのに」
「それはそうだけど・・・あれじゃ露出が多過ぎるんじゃないか?・・・」
「そうかしら? それほど気になる程じゃないと思うんだけど」
「いや、それで・・・調子が悪くて少し駅前で休んでいたら佐智子が通りかかったものだから、声をかけようと追いかけたら反対のホームから電車に乗っていってしまって・・・」
「やだわ・・・あの時駅にいたの? 声かけてくれればよかったのに」
「声をかけるって・・・一体どこへ向かったんだ?・・・第一今朝は出かけるなんて一言も言わなかったじゃないか?」
「・・・やっぱり疑ってるんじゃない・・・」
「・・・」
私は妻からそう聞かれると何も言い返せない自分が情けなくなりました。
疑っているんです、そう、私は妻を疑っている。
しかし、それを妻に対して正直に告げる事はどうしてもできないのです。
「とにかく納得できるように話して欲しい・・・」
私はそう妻に告げるしかありませんでした。
妻は悲しげな眼を私に投げてから一度俯いて、もう一度大きくため息をつくと
「いいわ。あなたの納得いくまで話します・・・」
と語りだしたのです。
  1. 2014/09/28(日) 09:14:02|
  2. 信頼関係・あきお
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信頼関係 第19回

妻は一旦席を立つとキッチン向かい、私にも「あなたも飲むわよね?」と問いかけながらコーヒーを作り始めました。
「話の途中じゃないか・・・」
私がそう告げかけるとそれをあっさりと遮るように妻はコーヒーメーカーに引いた豆を入れながら
「とにかく落ち着いて。今美味しいコーヒー入れるから・・・」
と黙々とキッチンで作業を続けました。
そして暫くするとコーヒーカップに香ばしい香りを満たして私の前に運んできたのです。
「はい、お待たせ。」
私のコーヒーの好みは妻はよく知っており、私の好きな銘柄の豆の香りがほのかに私の枯れ果てた心を癒してくれるようでした。
するとふいに妻が
「これ、覚えてる? 去年あなたが結婚記念日に下さったお揃いのコーヒーカップ・・・」
といって自分のコーヒーカップを手に取って呟いたのです。
そう、妻が出してきたコーヒーカップは確か去年私が結婚記念日にという事で、特に気に入った唐草地の有田焼で、2つセットでインターネットで購入したものでした。
しかし私のカップは大変に入って常に愛用してきたものでしたが、妻のこのカップは私のと一緒に並べられてコーヒーを味わう事はほとんどなかったのです。
それを今は2つのお揃いのカップを並べて出してきたのです。
「お前はこのカップ、ほとんど使ったことないだろう・・・」
私が問いかけると妻はびっくりした様子で否定してきました。
「あら、そんなことないわ。自宅に居る時は割とこのカップ使う事が多かったわ。あなたが知らなかっただけよ。」
とニッコリ微笑むのです。
私はなぜこんな夫婦間の重大な話し合いの場に2人の記念になるようなものをわざわざ出してくるのかと思い、最初はわざとらしく妻が2人の夫婦関係をこのコーヒーカップで示して強調したのが不愉快にすら思えたのですが、ふいに以前あった出来事を思い起こしました。

5、6年前頃、私の仕事が最も忙しかった時がありました。
忙しかったというよりも、私の昇進が目前まで迫っていた為の私の焦りから仕事を無理矢理詰めていたというのが正解なんですが、がむしゃらに仕事に専念していた為、家に帰るのも侭ならない状況が数ヶ月も続き、しかし結局無理が祟って体調を大きく崩して昇進に失敗してしまった事があったのです。
そして入院する羽目にまでなってしまい身も心も疲弊しきってしまいました。
その時妻は私が昇進することだけに専念して家庭を顧みていなかった事も、結局昇進に失敗してしまった事も、その事が原因で体の調子まで悪くなった事も始終口を挟む事はしませんでした。
しかしようやく退院できて我が家に戻った後、仕事にも復帰してようやく元の生活を取り戻した頃に、佐智子の母親が回復祝いを兼ねて訪れてきてこんな会話を私としたのです。
「本当、則之さんもすっかり元気になってよかったわ。」
と佐智子の母は前置きした後で
「佐智子がいる前でこんな事いったらねぇ、きっと怒ると思うから内緒にしておいて欲しいんだけれど、ほら、則之さんが入院している前後で、うちもお父さんもしばらく体の調子が悪くなってて、佐智子も何日か実家に来た事あったじゃない?」
「ええ 僕が仕事で忙しくなったあたりから退院するまで何回かそちらに行った事は知っています。」
「そう。それでね、佐智子ったら家に来る度に毎朝どこかへ出かけるのよ」
「どこへ?」
「うふふ、それがね、結局佐智子からは何も話してくれなかったんだけれど、この間ね、前に佐智子が使っていた部屋の机の中からお守りがいっぱい出てきたのよ」
「お守り?」
「そう、ほら家の近くに有名な大社があるでしょ? どうやらそこへ毎朝お参りに行っていたみたいなの。」
「へえ」
「それでお守りを見てみたら”病気回復祈願”だったものだから、家のお父さんが大喜びしてね、”俺の為に毎朝佐智子がお参りしてくれてたんだ”って大はしゃぎだったのよ。」
「そうだったんですか」
「ところがね、あんまり一杯お守りがあるものだから色々見てたら”出世祈願”や”家庭円満”なんてのも沢山出てきたのよ。」
「えっ?」
「ふふ。そう、全部則之さんへのお参りだったの。それを知ったお父さんはがっかりしちゃって・・・もう、可笑しくって」
「そんな・・・」
「佐智子ってそうゆうところ昔からあるのよね。私はそうゆう佐智子が好きだけれど。佐智子は則之さんに知られたくないと思って実家に来た時だけ、きっとそんなことしていたのね。」
私はその時佐智子の優しさに触れ、滂沱たる涙が止まりませんでした。
仕事で家庭を顧みなかった私の事も昇進に失敗した事もそれが原因で入院した事も、何も文句も言わずにかえって私の心配をしていてくれた佐智子の優しさが胸に染み渡ってきたのです。
それ以来更に佐智子に対して優しく振舞おう、常に佐智子を一番に考える夫でいよう、とする姿勢が強くもなったのですが。

今目の前に置かれた2つの結婚記念日に買ったコーヒーカップを妻が差し出した理由はもしかしたら、そんな妻の私への思いを表してくれたからかもしれない・・・そう思うと妻のお守りの件がダブってしまい、”妻を疑う”心に大きな誤りがあったのではないかとすら思えてしまったのです。
私が知らなかっただけで妻はきちんとこの結婚記念日のコーヒーカップを愛用していてくれた・・・私が知らなかっただけの事かも知れない。
私が妻はせっかくの結婚記念日のカップを愛用してくれていないと思い込んでいただけ・・・つまり私が昨日今日で見た現実も何か大きな勘違いをしているのかもしれない・・・
テーブルを挟んでコーヒーを美味しそうに飲む妻をジッと私は見つめながら、それでも払拭しきれない現実を重ねてどう解決すべきか迷っていってしまいました。
  1. 2014/09/28(日) 09:15:02|
  2. 信頼関係・あきお
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プライド 第9回

何から言い出そうか。
居間のソファーに腰掛けてそのタイミングを狙った。
しかし、私の気持ち等お構い無しに、妻からきっかけを作る。
「何時も迷惑を掛けて悪いんだけど、来週の祭日に会社の仲間とテニスの練習に行っても良いかしら?今度、取引会社との一寸した大会があるの。今度は如何しても勝ちたいのよ。それで皆で気分を変えて練習しようと言う事になっちゃて。試合の後は暫らく迷惑を掛ける事も無いと思うの。少し遅くなると思うけど。御免、今回だけ許して」
深々と頭を下げた。いったい何を考えているのか。
知らないと思って,やりたい放題だ。
「駄目だな。その日も色々しなければならない事がある。そんな暇は無いと思うぞ。お互いにな」
「あら、如何したのよ?何時も無関心でいたくせに。もう約束してしまったの。ねぇ、今回だけ許して」
確かに今迄は、妻の行動に無関心であった。これ迄も、友達と温泉に行く事も有た。私は羽を伸ばせる位に思い、大半は文句を言わなかった。何時からだろうか。妻の行動に何の興味も持たなくなったのは。二人で過した時間だけ、女の部分に興味を失い、親兄弟の様に感じてしまっていたのか?夫婦と言えど、所詮は他人である。余りに無関心だと寂しさも感じただろう。妻にこんな行動を取らせたのには、私の責任は無かったのだろうか?
何も無い事は無かっただろう。しかし、それを理解し許す余裕は、この時の私には無かった。
「駄目と言ったら駄目だ。本当にお互いに忙しいんだ。そんな暇はない」
妻が怪訝そうな顔をする。まだ何も知らないと思っているのだろう。
もう全て分かっているんだよ!これだけ不審な行動が続けば、誰だって怪しむ。その位考えないのか?馬鹿にするのも程が有ると言うものだ。
頭に血が上るが『冷静に』と言い聞かせる。
「そもそも会社の仲間って誰なんだ?」
「・・・・・・・」
妻は答えない。それはそうだろう。仲間とでは無く男と行くつもりなのだろうから。
「言ってみろよ」
「言ったら如何するつもり?その人に文句なんて言うんじゃないでしょうね?だいたい一人じゃ無いわ。グループで行くのよ」
「そうか。団体さんか。それでも良いだろう。何人だろうと良いよ。俺もその練習を見に行って、宜しくって挨拶するだけだ。だから、誰なのか言えよ」
「・・・・そんな事してくれなくてもいいわよ。今迄そんな事してくれなかったじゃないの。今更変に思われるわ」
「変に思ってるのは俺だ。なぁ、俺が何を言いたいか分からないのか?そうだな、こんな遠回しじゃ分からないよな」
流石に妻の顔色が少し変わり、私の顔を凝視した。
「なっ何の事かしら?意味が分からないわ。ねぇ、何か誤解してない?」
「誤解ならどれ程良かった事か。もう全て分かってるんだよ。だから、これから如何したいのか、はっきり言ってくれないか」
此処まで言えば、流石にもう悟ったのだろう。
「全て分かってるって・・・・なっ何を分かってるの?」
視線を外している。その声にも動揺が感じられる。私が仕事で結果を残せず、上司の前でしどろもどろと報告している姿もこんな感じなんだろうな。格好の悪いものだ。自信のある者が取る態度では無いのだ。当たり前であろう。この女はこれから、このピンチを如何切り抜けようとするのだろうか?
「お前のやって来た事だよ。何が不満だった?確かに俺の責任も有るだろうな。不満も有っただろう。だけどな、普通そんな事をするか?今はそれが当り前の時代なのかな?なにより、お前はそれで楽しかったのか?」
私は、じっと妻の返答を待つ。
「意味が分かりません」
知を切り通す作戦の様だ。それなら此方も切り札を出す事にしよう。
興信所の封筒を妻に突きつけた。数枚の写真と報告書が入っている。メモリーカードはまだパソコンの中に入ったままである。
妻は力無くその場に、へたり込んでしまった。これから私達は何処にたどり着くのだろうか?
  1. 2014/09/28(日) 12:01:13|
  2. プライド・高田
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ココロとカラダ 第1回

「・・・愛しているわ。」「あなた、愛してる。」

 これが私の妻の口癖である。
 結婚して4年もたてば言われるこちらが気恥ずかしく感じるくらいなのだが、本人は照れるふうでもなく全く気にならないらしい。
朝起きた時、私が出勤する時、そして夜帰宅した時・・・、妻の口からはごく当たり前のように私への愛情を示す言葉が出てくるのだ。

 そして妻は、言葉だけではなくその態度でもその気持ちを隠すことなく示してくれる。
 常に私を信頼しきっているその笑顔。私にとって最良のパートナーたらんとするその前向きな姿勢。・・・外出する時はまるで恋人
同士のように腕を絡ませ体を密着し、ともすると一人娘が焼きもちを焼いてしまうくらいなのである。

 どんな時でも、どんな場所でも、私は常に妻の愛を感じることができたし、それは夜の夫婦生活においても例外ではなかった。
 夫である私を喜ばせようとする献身的な態度。自分も共に楽しもうとする積極的な愛情表現・・・。
 以前の私は、慎ましやかで清楚なふだんの姿からは想像も付かないそんな妻の姿が、私だけに向けられているものと信じて疑わなか
ったのである。子供を産んでも張りを失わないつややかな肌や、出産後少し大きさを増したツンと上を向いた形のよい乳房、白桃のよ
うに瑞々しいヒップ、そして淡い翳りに隠された秘密の場所も、その全てを知っているのは私だけだと信じていたのだ。

 だがそんな妻には、私の知らないもう一つの顔があったのだった。

 ・・・妻の名は可奈子。今年の誕生日が来れば28才になる妻は、今は特に仕事も持たず主婦と母親業に専念している。
 そして私たち夫婦の最愛の一人娘は真由。今年3才になった真由はまさに今が可愛い盛り。ついつい娘に甘くしてしまう私と違って
、妻は時に厳しくそして限りなく優しく娘に接する。妻は私にとっていい妻であると同時に、娘にとっても良き母親なのである。
 そんな暖かな家族に恵まれた私の名は橋本聡一。30を過ぎて去年係長に昇進。二年前に購入した新居は30年のローン付き。・・
・自分で言うのも何だが、周囲の目にはごく普通の仲のいい家族と写っているに違いない。
 近所でも評判の良妻賢母の若妻可奈子・・・そんな妻のもう一つの顔・・・、

「愛しているわ、あなた。・・・あなたのことが一番大事。でも、私ダメなのね。心では間違いなくあなただけを愛していても、体は
あなただけじゃ我慢できないの。私って常にセックスしていないとダメな女なのよ。それもあなた以外の人とのセックス・・・、男で
も女でも誰でもいい、名前も知らない人でもいい。何人もの人との爛れたようなドロドロのセックスがいいの。それがないと私の体、
満足してくれないのよ。・・・ココロとカラダは別・・・、ゴメンね。・・・あなたが好きよ。愛してる・・・。」

 ・・・これが私の妻の口癖なのである。
  1. 2014/10/02(木) 09:31:02|
  2. ココロとカラダ・あきら
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ココロとカラダ 第2回

「・・・ただいまぁ。」
 子供が寝付いた夜遅く、玄関のカギを開ける音と共に帰宅を告げる妻の小さな声が聞こえる。

「ただいま、あなた。」
「あぁ、おかえり。」
 リビングに入ってきた妻が、私の顔を覗き込み頬に唇を付けた。その口から匂う独特の香りにも慣れ、最近ではさほど気にならなく
なってきている。・・・いや、逆に・・・、
「ゴメンね、遅くなって。・・・真由は?」
「9時頃かな、ちゃんと寝かせたよ。」
 妻の真っ白な首筋に紫色のアザを見つけ、私の下半身が疼く。背中にまで掛かる長い髪と洋服に染み付いたタバコとアルコールの匂
い、それと髪の所々にこびりついたまま乾いた白い残滓・・・。

 私は唾をゴクリと飲み込むと、口元にいささか引きつった笑いを浮かべ妻の顔を見上げた。
「そ、それで、今日はどうだっだんだい?」
「ふふっ・・・、」
 私と外出する時にはあまり着ることのない、少しフレア気味のミニスカートの裾をひらめかせ、妻は私の隣に腰を下ろした。
「聞きたい? ・・・わかってるでしょぉ。今日もとぉーってもスゴかったわ。」
 妻は無邪気な笑顔を私に向け、猫のように目を細めた。

「今日はね。黒川さんと中本さん、それと千堂さんのご夫婦と一緒だったの。」
 妻の手がパジャマを着た私の股間にさりげなく乗せられる。すでに堅くなりきっているその部分の感触に、妻はクスリと笑って口元
を緩めた。
「千堂さんの奥さんと一緒に、三人掛かりでたっぷり可愛がってもらっちゃったわ。」
 パジャマの上から私の股間を撫で、妻はペロリと唇を舐めた。

 黒川というのは妻が最も親しくしている男で、私立探偵のような仕事をしている。謎の多い男で、他でもない、妻を今のような生活
に引き込んだ張本人である。
 中本と千堂はいずれも同じ町内に住む男で、どちらも私よりも年上の家庭持ち。もちろん二人とも私もよく知っている顔で、顔を合
わせれば挨拶をし合う仲だ。
 人付き合いもよくいつもにこやかな妻は、近所の主婦たちとの付き合いもよく友人も多い。頻繁に行われる近所の主婦たちとの会合
も、私は最初のうちごく普通の近所付き合いの一つだと思っていたものだ。
 たまにかかってきた電話に私が出ても、全く慌てるふうでも悪びれた様子もない千堂夫人の様子から、誰がそれが淫らなセックスの
誘いだなどと想像が付くだろう。

「もう、千堂さんのご主人なんかスゴイの。私とは久しぶりだったじゃない? だからすっごく頑張っちゃって、三回も出してもらっ
ちゃったわ。」
 私の股間をソフトに撫でながら、妻はミニスカートの中の脚をもぞもぞと擦り合わせていた。
「中本さんのご主人はね、相変わらずアナルが好きで指と舌でたっぷりほぐしてくれたあと、ガンガン突いてくれたし、黒川さんもい
つもといっしょでスゴかったわぁ・・・ぁぁ、」
 ほんのさっきまで行われたいただろう出来事を思い出したのか、妻の瞳が熱を帯びたようにトロンと潤んでくる。妻は唇を舌で舐め
ながら口元を妖しく歪め、私の反応を伺うように顔を覗き込んだ。

「ねぇ、聡一さん? 見てくれる?」
「ぅあ・・・あ、あぁ・・・、」
 私は乾いた口から、無理やり声を絞り出した。
「うふっ・・・、」
 そんな私の反応に嬉しそうに首をかしげ、妻は私の正面に立ち上ると、着ている物をはらりと脱ぎ捨てた。妻の口の匂いと似た汗と
体液が混じった生臭い香りが、あたりにふわりと立ちのぼる。
「うふふ・・・見て、私のカラダ・・・、どう? イヤラシイ?」
 ミニスカートをはらりと落としたあとに、妻は出かける前に穿いていたはずのTバックのパンティーを穿いていなかった。妻の股間
にはまだ乾ききらない薄い陰毛がべっとりと張り付き、内股は生乾きの粘液でてかてかと光っている。
 妻はソファーに身を沈めた私に見せつけるように身を屈め、乳房を両手で挟んで突き出した。

「黒川さんがね、言うのよ。女は子供を一人産んだ後が一番イイんですって。」
 授乳期を経て色素の沈着が広がり大きさを増した乳輪と乳首。その上下に幾重にも縄の食い込んだ跡が、赤い痣になって残っている
。さらにその横には、誰のものとも知れない歯型までもがくっきりと刻み込まれている。
「数え切れないほどのセックスをたくさんの人とすることで、私の体、もっともっといやらしく、奇麗になるって言われたわ。中本さ
んのご主人も千堂さんのご主人も、私が最近ますます色っぽくなってきたって誉めてくれるし、私も嬉しくてますます燃えちゃったの
。」

 もともと肌が白い妻の体は、こうした跡が残りやすい。他にも体のあちこちに残った縄の跡やキスマークが、妻がしてきた行為の激
しさを物語っている。
 それに加えて、臍の窪みの真下の下腹部に油性マジックで赤々と書かれた"淫・乱・マンコ"の5文字・・・。
 妻はその文字に注がれている私の視線を意識するように、赤い文字を指先でなぞる。

「これね、中本さんのご主人が書いてくれたの。夫も娘もいるくせにセックスが好きで好きでたまらない私みたいなはしたない女には
、こういう言葉がお似合いだって・・・。縄で縛られて、このまま外に出すぞ、って言われた瞬間、私のオマンコがキューって締まっ
て、それだけでイッちゃいそうだったわ。」
 その情景を思い出しているのだろう、妻は縄の跡が残る乳房に指を食い込ませぎゅっと抱き寄せた。
「ぁぁ、両手とおっぱいをきつく縛られてのセックス、すごく感じちゃった。自分の体が自由にならない状態でスルのって、犯されて
るみたいですごくイイの。・・・ねぇ、こっちも見てぇ。」
 妻は無言のまま身をこわばらせている私の顔を無邪気な笑みと共に見つめ、くるりと後ろを振り向いた。
「ぁぁ、可奈子・・・、」
 ほとんど無意識のうちに、私の口からは妻の名を呼ぶかすれた声が漏れていた。
  1. 2014/10/02(木) 09:32:03|
  2. ココロとカラダ・あきら
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ココロとカラダ 第3回

「ぁふん・・・、すごい? 美由希さんが鞭で打ってくれたのよ。」
 私の前で裸になった妻は肩越しに私に顔を向け、尻から背中にかけて手を滑らせる。
「美由希さんったら、ご主人の体に跨がって腰を振っている私のこと、『このチンポ狂いの淫乱メス犬ーっ!』とかって呼んで、笑い
ながら鞭で打つの。」

 縄の食い込んだ跡が何本も残る妻の背中から尻たぶにかけて、焼きゴテを当てたような赤く細いミミズ腫れが幾筋も刻み込まれてい
た。
「ご主人はご主人で、鞭で打たれるたびに私のオマンコがキュッって締まってすごく気持ちいい、なんて言うし、もうたいへんだった
のよ。もちろんその後で今度はご主人にバックで突かれながら美由希さんのオマンコを舐めさせられて、中にたっぷり溜まった黒川さ
んのザーメンを啜り出させられたんだけどね。」
 妻は千堂夫人のアソコの味を思い出したように、妖しく微笑んで唇を舐める。

「『うちの旦那のチンポが好きなんでしょーっ!』とかって言って、美由希さん、エナメルのコスチュームが似合ってたわぁ。ご主人
のプレゼントなんですって。アダルトショップの通路でお客さんたちがいる前で試着させられたらしいわよ。今度私にも買ってくれる
ってご主人が言うんだけど、私にあんなの似合うかしら。それに通路で着替えなんて・・・スゴク刺激的よねぇ。」
 長身でモデル並のプロポーションの千堂夫人が、ボンデージスーツに身を包んで鞭を振り上げている姿が頭に浮かび、私の分身はパ
ジャマの下でさらに固さを増してしまう。
 妻はクスクス笑いながら、鞭打ちの跡の上から何かを塗ったように艶々と光っている尻たぶを撫で回した。

「うふふ、これ? 鞭で打たれた跡に、中本さんのご主人がザーメンかけて塗り込んでくれたの。ジンジン痺れるお尻にヌルヌルのザ
ーメンが広がるとまた体が熱くなって、私、思わずイッたばかりの中本さんに、『チンポお尻に突っ込んでぇっ!』ってお願いしちゃ
った。」
 妻が無邪気に笑い、ペロリと舌を出す。
「あぁ、なんかそんな話をしてると、また思い出しちゃうわぁ。まだお尻にもオマンコにも、ふっといのが入ったままみたいなんだも
の。」
 妻はそのまま前かがみになると床に膝を突いて両手を尻に回し、私の目の前で大きく尻たぶを割り広げた。真っ赤に充血してだらし
なく広がった肉襞と、その上に火山の噴火口のように盛り上がった二つの肉穴が、共にぽっかりと口を広げ隠すものなく晒け出されて
しまう。

「ふふふ・・・、あなたに見てもらおうと思って、漏れないように気を付けて帰ってきたんだからぁ。・・・あぁ、見て。溢れてきち
ゃうぅ・・・、」
 呼吸に合わせてヒクヒクと収縮を繰り返す菊穴から、白濁した粘液がジュクジュクと滲み出してきた。
「はぁん、ザーメン出ちゃうぅぅーー、あなたぁ、受け止めてぇぇ・・・、」
「あぁっ、う、うん、」

 慌てて差し出した私の手のひらに、鮮やかなピンク色を晒す穴中から流れ出た粘液がトロリと糸を引いて滴り落ちる。手のひらに溜
まる、微かに黄色味がかった精液の生暖かい感触にも、この一年あまりの間にずいぶん慣れてきた。
 男の精液の匂いや濃さが人によってずいぶん違うことも妻によって知らされたし、何よりもその日肌を重ねてきた相手によって妻の
体臭そのものが違うのだ。

「ぁぁぁ、いいわぁ・・・、ザーメンがお尻からドロッと流れ出る、この感じがたまらないのよねぇ。」
 妻は尻たぶを押さえていた手の一方を離すと、股間をくぐらせ指先をV字型に広げて秘唇を割り開いた。
「ねぇ、こっちも出るの見て。ドロドロザーメンがいーっぱい入っているのよ。お尻もこっちも溢れ出ないように、帰りの車の中でず
っと、千堂さんと中本さんのご主人がチンポで栓をしてくれてたの。私がうちの前に着いてもアンアンよがっているから、運転してた
美由希さんが笑ってたわ。」

 ぱっくりと口を広げた秘壷の奥から、白く濁った粘液が滴り落ちる。その量はおそろしく大量で、それをすべて受け止めるために私
は両手を揃えて差し出すしかなかった。
「ね、すごくいっぱい入っているでしょう? みんな私のオマンコ気持ちいいって、中に出したがるの。私はもっとお口や顔にかけて
欲しいのにねぇ。」
 その髪にこびりついている白い滓の様子や口から匂う香りからして、相当量の精を顔や口でも受け止めていることは間違いないのに
、妻はまだ物足りないらしい。妻は秘肉の奥から大量の白濁液を滴らせながら、何を思い出したのかクスクスと笑い始めた。

「うふふふ・・・、黒川さんとかが言うんだけどね、私のオマンコの締まりがいいのは、今まであまり大きなチンポを入れたことがな
かったからなんですって。それってあなたのオチンチンがたいしたことないってことでしょう? 失礼よねぇ。」
 まだ粘液の滴が滴る股間を指先で拭いながら、妻は後ろを振り向いて私の顔を覗き込んだ。
 私の物のことは"オチンチン"と呼ぶくせに他の男の物は"チンポ"と呼ぶ。この使い分けの仕方も、どうも黒川に教え込まれたものら
しい。だいたいが、もともとセックスに消極的ではなかった妻だが、その妻が"チンポ"だの"オマンコ"だのという言葉を口にするので
さえ、私は一年前まで耳にしたことがなかったのである。

「ふふっ、確かにそんなに大きくはないけど、あなたのだって十分に平均サイズでしょ。黒川さんや中本さんのが大きすぎるだけよね
ー。」
 妻の細められた瞳が、テントを張ったように盛り上がった私の股間にじっと注がれる。妻は白濁した汁がたっぷりと溜まった私の両
手に手を添えると、私の目を見つめたまま口を寄せ唇を付けた。

 ズズッ、ジュルジュルッ・・・、ズズズッ、

 一年前までは私だけの物だと信じていた唇が、三人の男が放出した大量の精液を飲み込んでいく。ブヨブヨとゼラチン状に固まった
部分は舌の上で転がしゆっくりと味わい、妻は喉を鳴らしながらズルズルと粘液を啜り込み、最後は私の手のひらにベロベロと舌を這
わせ最後の一滴まで舐め取っていくのだった。

「うふっ、美味しぃーーっ!」
 最後に妻は、男たちの精液と自分の唾で濡れた私の手を自分の乳房に持っていき、ヌルヌルと擦り付けた。
「はぁぁっ、おっぱい感じるぅぅ・・・、」
「ぁぁぁ、可奈子ぉぉ・・・、」
 口元から白く泡立った涎を垂らしながら喘ぐ妻の顔を見せつけられながら、私の興奮はもはや限界に達しようとしていた。

「ふふっ、あなたもシたいの? こんなエッチな私のためにザーメン出してくれる?」
 痛いほどに張りつめた私の股間に、妻はそっと手を這わせる。
「ぁぁ、私のためにこんなになってくれているのね。ふっといチンポでユルユルになっちゃったオマンコに入れたい? ザーメンの臭
いがプンプンするドロドロオマンコよ。・・・聡一さんは、よその男にザーメンまみれにされた私のカラダでもいいの?」
 この一年の間に幾度となく繰り返されてきた妻のセリフ・・・。
 私を誘うように妖しく笑う妻の指先が、パジャマの上から屹立の先端を探り当てた。
「あ、ひぅっ!」

「ウフフフ、」
 ビクンと体を震わせた私の股間からすっと手を引き、妻は床に腰を下ろし私に向かって大きくM字型に両脚を開く。

「ねぇ、来て。あなたのオチンチンちょうだい。・・・あなたを愛しているの。私のココロはあなただけのモノ。そしてこのカラダは
みんなのモノ。・・・でも私のカラダはあなたのモノでもあるのよ。ねぇ、入れてっ! あなたのオチンチン、この"淫乱マンコ"に入
れてぇぇっ!」
 下腹部に書かれた5文字の言葉を、妻が喘ぐように叫ぶ。それと同時に、ぱっくりと開いた秘穴の中からまだ残っていた白濁液がト
ロリと流れ出した。

「あ、あああ、か、可奈子ぉぉっ!!」

 私は着ていたパジャマと下着をかなぐり捨てると、まるで解き放たれたオス犬のように、男の匂いをぷんぷんとさせる妻の裸体にの
しかかっていったのだった。
  1. 2014/10/02(木) 09:33:02|
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ココロとカラダ 第4回

 思えば、この家へ越して来て一年近く過ぎたあの日が、すべての始まりだったのかもしれない。

 深夜、他人に抱かれる妻の姿に興奮する夫たちの告白サイトを覗いていた私を見つけた妻の不思議な笑顔・・・、
「・・・ふぅん、あなた、そういうのに興味があったんだ。」
 そう言って私の顔をじっと覗き込んだ妻の顔は、それまで私が見たことがない種類のものだった。口元に浮かぶなんとも形容し難い
その笑みの意味を私が知るのは、それからしばらく後のことになる。

 そう、後になって私ははっきりと知ることになるのだ。その夜の出来事が、私たち夫婦にとっての大きな転機だったのだと・・・。

 ・
 ・
 ・
「・・・ねぇ、あなた?」

 それから何日かは、特に何事もなくふだんどおりの日が過ぎた。妻の様子にも特に変わったところもなく、私もあの夜のことを忘れ
かけ、もちろん妻はとうに忘れているものと思い込んでいた。

 そしてそんなある日のこと。
 夜、一戦を終えてベッドで抱き合っていた私の耳元に、妻が笑いのこもった声で囁いた。たった今放出したばかりの私の分身は、少
し柔らかくなりかけてまだ妻の秘肉に包み込まれたままになっている。

「ねぇ、聡一さんって、私が他の男の人とエッチしているところを想像すると興奮するの?」
「か、可奈子っ、な、なにを!」
 叫びかけた私の口に、妻は笑って指を押し当てる。
「シッ! 大きな声出さないで。真由が起きちゃうでしょ。」

 いくら少し声を張り上げてしまったといっても、隣の部屋で寝ている娘になど聞こえるはずもない大きさの声である。さっきまでの
自分の嬌声の方がよほど大きかったのにそのことは棚に上げ、妻はわざとらしく声を顰めた。
「うふふ、この間あなた、"そういう"ホームページ見ていたでしょ?」
「あ、あれはたまたま・・・、」
 その場をどう取り繕っていいかわからずに狼狽する私の頬に、妻は軽く唇を付けた。
「無理しなくてもいいじゃない。好きなんでしょ? "そういう"妄想が・・・。あのホームページ、しっかり『お気に入り』に入って
いたわよ。ああいう妄想を持っている男の人ってたくさんいるのね。同じようなホームページがたくさんあるから驚いちゃった。」

 妻が私のパソコンを使うことはほとんどないという思いこみを今さら後悔しても遅いということを、私は思い知らされた。それでは
妻は、ブックマークしてあった私の"お気に入り"のサイトをすべて見てしまったのだ。
「いや・・・あ、あれはその・・・、」
「ふふふ、いいんだってば。私、怒ってなんかいないわよ。」
 なんとか弁解を試みようとする私の腰に跨り、妻は笑いながら私の顔を見下ろす。
「ただ、あなたがああいうのに興奮する人だってことに、ちょっとびっくりしちゃっただけ。」

 半萎え状態の肉棒を挿入したまま、妻はゆっくりと腰を揺する。妻はいたずら子猫のように目を細め、最初の質問を繰り返した。
「ねぇ、教えて? 私が他の男の人に抱かれているところ、想像したことあるんでしょう?」

「か、可奈子・・・、」
「私がよその・・・そう、あなたの知っている人や知らない人・・・、何人もの男の人を一度に相手にして、いっぱい感じてアンアン
喘いでいるところ、想像すると興奮しちゃうんでしょう?」
 私の顔を覗き込んだまま長い髪を掻き上げ、妻は紅い舌を伸ばしてペロリと舌なめずりをする。
「"ヤリマン"って言うんだっけ? もし私がそういう、誰とでもシちゃう女だったら、あなたどうする?」
 私の頭に、幾人もの裸の男の間で身をくねらせる妻の姿が浮かび、私は思わずゴクリと唾を飲み込んだ。

「ふふっ、うふふふ・・・、やっぱりぃー、聡一さんのオチンチン、大きくなってるぅぅ!」
「あぅっ、可奈子ぉぉっ!」
 私の腰を太股で挟み上げ、妻は勝ち誇ったように笑い嬉しそうに腰をくねらせた。妻の指摘するとおり、私の分身は妻の体の中で急
激にその堅さを増しつつあったのだ。
「うふふふぅ、私が他の人とエッチしている姿を想像してこんなになっちゃっているんだぁ。聡一さん、スッゴォイ、さっきイッたば
っかりなのにぃ。」
 それまでの私が知る限り、自分や私の快感を自由にコントロールできる騎乗位は妻が最も好む体位だった。・・・と言うよりも、妻
との初めてのセックス以来、私と妻のセックスはほとんどこの体勢で営まれていたのである。

「あぁぁ、イイわぁ。・・・ねぇ、例えば・・・例えばぁ、私がこうやってよその男の人の上で腰を振りながら・・・、」
 そう言って、妻は私の腰の上で前後に激しく腰を動かす。
「こうしながら、前に立った二人の男の人のオチンチンを同時に両手に持って、一緒にしゃぶるのってどぉう?」
 私に見せつけるように身を屈め、妻は左手の指をピチャピチャとしゃぶってみせた。薬指にはめた結婚指輪がキラリと光り、そのあ
まりにも淫らな妄想に私の分身は妻の体内でさらに堅さを増していく。

「あぁん、エッチィィィ! オチンチンが奥まで突いてくるぅぅっ!」
 男のモノなどしゃぶったことなどないような可愛い唇に指を何本もくわえたまま、妻が身をのけ反らせた。
「やぁん、聡一さんのエッチィィ! 私のいやらしい姿を想像して、オチンチンこんなにしちゃってるぅ!」

 その時の私には、妻のその派手な嬌声の深い意味を考える余裕もなかった。そしてそれからいくらも経たないうちに、私はその夜二
度目の放出を妻の体内深く放ったのである。
  1. 2014/10/02(木) 09:34:01|
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ココロとカラダ 第5回

 そしてその日から、私と妻のセックスは妻が語る妄想を刺激にして行うものに変わっていった。

「両手を縛られて目隠しされて、どこに誰がいるかもわからない状態で体のあちこちをいじられるの。・・・アソコにおもちゃを入れられたり、オチンチンを入れられたり、おっぱいにオチンチン擦り付けられたりお口にもくわえさせられたり、でも私、そういうふうにされるのが嬉しくて、アンアン悦んじゃうのよね。・・・ふふっ、ピチャピチャオチンチン舐めながら、『可奈子にザーメンかけてぇぇっ!』とかって言っちゃったりして。」
 無邪気にペロリと舌を出す妻。

「あなたのいない時にね、よその男の人とこのベッドでエッチするの。あなたの知らない男の人もいれば、ご近所の・・・ふふっ、中本さんのご主人なんてどうかしら。お仕事が営業で時間が自由になるみたいだし、あの人ちょっとエッチっぽい感じするじゃない。・・・あなたとエッチするこのベッドでご近所のご主人に抱かれて私がいっぱい感じちゃうなんて想像、どう?」
 そう言って笑いながら、私の分身をクチュクチュと扱く妻。

「男の人って、他人の奥さんとエッチする時は生でスルのに興奮するんでしょう? "中出し"って言うのよね。やっぱりゴム付けてスルより生の方が、男の人も気持ちいいのかしら。・・・ね、どう? 私が中本さんや近所のご主人たちにこのベッドでエッチされて、いーっぱい中出しされちゃうの。興奮する?」
 およそ妻の好みとは程遠い、腹の出た髪の薄い中本の姿が脳裏に浮かぶ。ギラギラと脂ぎった中本が妻の白い裸体に絡んでいるという想像は、あまりにも淫靡で私は思わずそれだけで達してしまいそうになる。
「うふふふ、聡一さん、やっぱり好きなのねー。でも私もいいのよぉ。おっきいオチンチンがアソコの奥まで入って、ビューって精液出してくれるのって、すっごぉく気持ちいいの。それがあなたじゃなくてよその男の人だと思うと、私、ますます感じちゃうわぁ。」
 秘肉の奥に放出されるその感触を思い出してでもいるように、妻は唇を舐めながら私の上でグイグイと腰を揺する。

「時間はたっぷりあるじゃない?だから何時間もエッチし続けるんだけどぉ、途中でどうしても真由が起きちゃうでしょう? おっぱいもあげないといけないし、オムツも替えてあげないといけないし・・・、でもエッチやめるのもったいないじゃない。だから私、エッチしながら真由の世話もしちゃうの。私ってイケナイ女ねぇ。・・・男の人の上でオチンチン入れてもらったまま真由を抱いておっぱいあげたり、バックから貫かれたままベビーベッドの上の真由のオムツを替えたりしてね。」
 私とはバックでのセックスなどしたことがないのを承知しながら、妻は無邪気に妄想を語る。
「私の肩越しに近所のご主人が言うのよね。『真由ちゃーん、オムツ替えてもらって気持ちいいかなー? マンマン奇麗になって、よかったでちゅねー。おじさんも今すごく気持ちいいんだよぉ。ママのオマンコ、ヌルヌルでよく締まってスゴークいいんだぁ。真由ちゃん、わかるかなぁ?』なーんて。そうしながらご主人のお腹が私のお尻にピタピタ当たって、アソコもクチュクチュいやらしい音を立てるの。」

 後から聞いたことだが、その頃は妻の想像だとばかり思っていた数々のシチュエーションは、みな妻が実際にその身で体験していたことばかりだったのだ。
 私が仕事へ出ている昼間、妻は何人もの男を家に引き込み、私たち夫婦の寝室で数限り無い行為を繰り返していたのである。その日の昼間行った行為の内容を、その日の夜にいかにもそれが想像上のことのように私に語って聞かせることで、妻は自分自身もさらに深い快感を味わうことができることを男たちに教え込まれていたのだった。
 思えば夜帰宅したとき、それほど暑い日でもないのに家中のあちこちの窓が開けたままになっていたことが何度かあった。それが日中とめどなく繰り返された淫靡な行為の匂いを消すためのことであることにも、その頃の私は全く気付くことがなかったのである。

「・・・お尻でシちゃうのもいいかしら。アナルセックスって、最近じゃけっこうみんなしているらしいじゃない? あなたのより何倍も太くて長いオチンチンが、お尻の穴にズブズブ入っちゃったりして・・・。それでお尻の穴の奥に精液をドクドク注いでもらうの。それが後でヌルーッて出てくる感じが気持ちよくって、またオチンチンおねだりしちゃうのよね。私ってホントにスケベな女ね。」
 とても想像とは思えない生々しい表現も、それが実体験であれば納得がいく。私には触れることさえ許さなかったアナルに、妻はその頃もう既に何人もの男のモノを受け入れていたのである。
「サンドイッチファックって知ってる? アソコとお尻に同時にオチンチン入れられるの。私が男の人の上に乗ってもう一人の人が後ろからお尻にオチンチン入れてくるの。タイミングが合うと中でオチンチンの先が当たっているのがわかって、ものすごい快感なのよ。体全体がオチンチンでいっぱいになって、まるで串刺しにされたみたいで、・・・ああ、男の人に征服されてるぅ、私のカラダは夫以外の男の人のものなんだぁ、って実感しちゃうのよねぇ。」

 想像にしてはあまりにもリアルな妻の告白に私の興奮はいつも極限にまで高まり、私の上で体を揺らす妻の中に二度三度と続けて達してしまうことも珍しくはなかった。そしてそんな私の反応が嬉しいのか、妻もまた激しく感じいつも以上に乱れた様子を見せるのだった。

「あなたのことを愛しているのに、他の男の人とエッチたくさんして感じちゃう話をするなんて、私ってイケナイ女? ふふっ、でもあなたもそんな私に興奮してくれるのよね。・・・よその男の人にエッチされて『あぁ、もっともっといっぱい突いてぇ! 可奈子のオマンコにオチンチン突っ込んでぇー!』とか『可奈子、オチンチンが好きなのー! ふっといオチンチンでズンズン突かれるのが好きぃ!』って叫んだりする私、キライ?」
 瞳をキラキラと輝かせながら尋ねる妻に、私は股間を熱くしながらいつも同じ答えを返すのだった。
「あ、あああ・・・そ、そんなことないさ。可奈子がいっぱい感じてるところ、僕も見てみたいよ。」
「えー、ホントにぃ?」
 私の腰の上で裸体を揺すりながら、妻はさもおかしそうに笑う。
「自分の奥さんが他の人に抱かれてるの見たいだなんて、やっぱり聡一さんってちょっと変態入ってる? うふふふ、私がホントによその男の人とエッチしちゃってもいいんだぁ。」

 "変態"という妻の言葉に私の分身は敏感に反応し、私は妻のコントロールするがままに熱い精をその体に放ってしまうのだった。
「うふふふ、もう出ちゃったの? 聡一さんのより、年は上でも中本さんのご主人や千堂さんのご主人のの方が、ずーっと濃いし量も多いわよー。」
 私をいたぶろうとしているのか感じさせようとしているのか、妻は私と近所の夫を比較し、その違いをあからさまに口にしていく。

「中本さんのご主人、あれでなかなかオチンチン大きいの。長さは普通だけどかなり太くてゴツゴツしているのよね。一度入れてもらったらクセになる感じかなー。ご主人もそれがわかっているから、よくエッチの最中に言うのよね。『旦那さんがいるのに近所の男とこんなことするなんて、奥さんも悪い女だねー。よっぽどセックスが好きなんだろう? 旦那のじゃ物足りなくて、欲求不満なんじゃないのかい?』とかぁー、『旦那さんのチンポと比べてどうだい? 女房一筋の若い旦那より、場数を踏んだ中年男とのセックスの方が数倍イイだろう?』とかってぇ・・・。」
 私が一度達してもさらにその次を求めるように、妻の告白は延々と続く・・・。

 こうして、妻の告白は日を追うごとにエスカレートし、それをただの妄想と信じて疑わなかった私の感覚を次第に麻痺させていった。
 そしてそんな状態が数ヶ月続いたある日のこと、私はさらに決定的な一歩を踏み出すことになるのだった
  1. 2014/10/02(木) 09:35:23|
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ココロとカラダ 第6回

 ある日の昼時、昼食のために席を立とうとした私のデスクの電話が、内線通話を知らせる着信音を鳴らした。
「はい、橋本ですが。」
 電話の相手は受付に座る女子社員である。
「お昼時にすみません。ロビーに橋本さんあてのお客さまがお見えです。」

 こんな時間に誰だろう。今日は特に誰とも約束はなかったはずだが・・・。

 いぶかしく感じながらも、とりあえずすぐ降りて行く事を伝え、私は受話器を置いてデスクを離れた。

 ・
 ・
 ・
「どうも初めまして。私、こういうものです。」

 『黒川調査事務所』と書かれた名刺を差し出したその男は、40代くらいだろうか、黒のスーツを身に着けた一見してこれといった
特徴のない細身の男だった。
「お昼時に申しわけありません。お仕事のお邪魔をしてはと思ってこの時間に伺ったのですが、今、少しお時間よろしいでしょうか。

 丁寧な物腰とにこやかな顔つきだが、その瞳はどこか鋭い光を込めて、私の顔を伺っている。そのセリフからして、どうやらこの黒
川という男の用件は私の仕事に関することではないらしい。ではいったい、この男の用件はなんなのか・・・、
「まぁ、今は昼休みですからかまいませんが、いったいどういうご用件で?」

 ロビーの真ん中で立ち話というわけにもいかないかと、私は男をロビーの片隅の応接コーナーへと導いた。
「すみません。実は、奥さまの・・・可奈子さまのことなんですが、」
「妻の?」
 今日から妻は、最近通い始めたスポーツクラブ仲間の主婦たちと一泊の慰安旅行へ行っているはずである。
 今朝出掛けの時の妻の笑顔を、私は思い出していた。

『行ってらっしゃい、あなた。私も真由を託児所に預けたら出掛けるけど、真由のお向かえよろしくね。』
 ふだんと同じ屈託のない笑顔で笑い、妻は玄関先でつま先立ちになり私の頬に唇を付けた。
『一晩留守にするけど、ゴメンネ。・・・あなた、愛してるわ。』
 いつもと変わらぬ笑顔で私を見送った妻。・・・いったい、その妻がどうしたというのだろう?

「それで・・・、つ、妻がどうにかしたのでしょうか? 出先で何か事故でも・・・、」
 少し考えれば、事故や急病ででもあればこのような初対面の男が知らせに来ること自体が不自然なことはすぐにわかる。電話でいく
らでも連絡はつくのだし、第一今日の旅行は近所の親しい奥さんも何人か一緒のはずなのだ。しかし予想外の場面で出てきた妻の名に
驚いてしまった私には、そんなことも考える余裕がなかった。
 そんな私の驚きに気が付いたのか、黒川という男はテーブルに手を突きすまなそうに頭を下げた。
「いや、申しわけないです。どうも私のようなうさん臭い者がいきなり伺ったので、ご主人を驚かせてしまったようですね。ご心配な
さらないでください。奥さまは今頃スポーツクラブのお仲間と楽しんでいらっしゃいますよ。」

 口元に不思議な笑みを浮かべ、黒川は妻の様子を十分承知しているかのようにさらりと口にした。
 今思うと、この時の私は平静を装いながらけっこう動転してようである。この時私がもう少し冷静であれば、この日妻が留守である
理由をなぜ黒川が知っているのか、そこに隠された深い意味のことをまず考えたと思う。
 しかしこの時まで私は妻のことを微塵も疑っていなかったし、何より私の頭にはこの黒川という男の話の続きを一刻も早く聞きたい
という、それだけしかなかったのだった。

 黒川はそんな私の気持ちに気がついたのか、それ以上余計なことには触れず用件の本題を切り出した。
「実は私がこちらへ伺ったのは奥さまからのご依頼でして・・・、」
「妻の・・・依頼?」
「ええ、」
 足下に置いていた薄型のアタッシュケースから、黒川は大型の封筒を取り出した。
「これをご主人に渡してほしいというのが奥さまからのご依頼です。」
「これを・・・?」
 黒川から渡された封筒の中を覗こうと、私はその口を止める紐を緩めようとする。その手を黒川は笑って止めた。
「あ、ご主人、今ここではご覧にならない方がいいと思いますよ。」
 何がおかしいのか、黒川はニヤリと口元を歪める。

「その中にはファイルが一冊と奥さまからの手紙が入っています。ファイルの方は、まぁ周りに人がいらっしゃらないところでご覧に
なることをお勧めしますがね。」
 私は封筒の中が気になってしょうがなかったが、それを止めようとする黒川の態度は笑いながらもかなり強いものだった。
「奥さまの手紙をお読みいただけばわかると思いますが、ファイルの中身をご覧いただいて奥さまがお伝えしたいことがおわかりいた
だけたら、明日、ある場所へ奥さまを迎えにいらしてください。」
「迎えに? いったいそれはどういうことですか?」
 妻からの手紙が入っている封筒を開けさせようとしない黒川の態度に少し苛立ってきた私の気持ちが伝わったのだろう、黒川は私の
問いには答えずアタッシュを手にするとすっと席を立った。

「奥さまの手紙がかなりお気になるようですね。ま、ご夫婦なら当然ですか。全てはその中の物をご覧いただけばおわかりいただけま
すよ。・・・では、私は失礼します。貴重なお休み時間を申しわけありませんでした。」
 そう言って深々と頭を下げ立ち去りかけた黒川だったが、ふと何かを思い出したように足を止め振り返った。
「今日はご主人にお会いできてよかったです。あの可奈子さまのご主人がどんな方かと思っていましたが・・・。いや、あんなすばら
しい奥さまをお持ちになって、しかも愛されているご主人が羨ましい。」
 何人もの男女が行き来する昼休みのロビーで、黒川はまるで世間話のようににこやかに話をする。
「奥さまがそれを私に託された気持ちがよくわかりました。・・・では明日、お待ちしています。」
 そう言ってもう一回頭を下げ、黒川は私の前から立ち去ったのだった。

 そのあと昼食も取らずに、私は人気のない打ち合わせ室で黒川から渡されたファイルと妻からの手紙を見た。

 その内容がどんなものだったのか・・・。

 まるでハンマーで殴られたような衝撃に、その日の午後、私は仕事が全く手につかなかったのである。
  1. 2014/10/02(木) 09:36:19|
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ココロとカラダ 第7回

 その夜、娘の真由を寝かしつけるまでの時間がどれほど長かったことか・・・。

 託児所から連れて帰った娘に夕食を食べさせ風呂に入れ、遊び疲れた娘がようやくベッドで沈没した後、私はリビングのソファーに
身を沈め、改めて黒川が持ってきた封筒を開けた。
「な、なんてことだ・・・、」
 昼からずっと頭の中で繰り返してきた言葉が、無意識のうちに口から漏れる。
 いくらそのような願望を抱いていたとしても、いざそれが現実として目の前に突きつけられたときの衝撃はまた別物である。その事
実を、私は今になって思い知らされたような気がしていた。

 A4サイズの紙を綴じた厚さ1センチほどの黒いファイル。それはパソコンから出力した画像が1ページに4枚ずつ整然とカラー印
刷された物だった。
「か、可奈子・・・、」
 カラカラに渇いた喉で、私は妻の名を絞り出すように口にした。

 ・・・それでは、この数ヶ月妻の口から語られていたのは、全て妄想ではなく本当の話だったのか・・・。この時になって、私は始
めてそのことに思い当たったのだ。
 他の男との淫らなセックスの詳細を語る時、妻の乱れ方と濡れ方ががふだんよりも何倍も激しかったわけを、私はそのファイルと妻
の手紙から知ったのである。

 そのファイルは、私の知らない妻の姿を何百枚にも渡って収めた驚きの画像集だった。
 様々な場所で、様々なポーズと表情を見せるあまりにも淫らな妻の姿・・・。そのほとんどに妻は全裸かそれに近い格好で写ってお
り、そしてその表情には一つの共通点が・・・。

 快感に顔を歪め、苦痛に顔を引きつらせながら、妻の瞳は常に生き生きと輝き、それを楽しむ悦びに満ちあふれていたのだ。そして
時に真っすぐにカメラに向けられるその視線は、間違いなく私を・・・写真のこちら側にいる夫の"私"を見つめていた。
 その思いは、妻の手紙を読んで確信に変わる。

『・・・こんな私だけど、私、やっぱりあなたを愛しています。体はよその人とのセックスに溺れていても、私の心はあなたのもの。
あなただけを愛しているの。』

 ・・・そのアルバムは、いきなり我が家の玄関でのひとコマから始まっていた。

 見慣れた我が家の玄関。その玄関マットの上で全裸で三つ指をつき、来客を向かえる妻の姿・・・。誰だかわからない来客が構えた
カメラに向けられる、にこやかで無邪気な笑顔・・・。
 妻を写したそれらの画像は、全てその来客の目線で写されている。
 玄関の上がり框に正座をして、どこの誰とも知れない男のズボンのベルトを緩める妻。そして中から取り出した男の分身にうっとり
と舌を絡める妻。
 頭上から見下ろすカメラを誘うような視線で見上げ、妻はまだ半立ちの肉棒をその可愛い唇に含む。完全に勃起していなくても、男
の分身は明らかに私のモノよりも太く長い。それが次第に堅さを増し妻の口の中で反り返っていく様を、カメラは連続写真のように克
明に写していた。

 次のショットでは、妻は玄関に向けて四つん這いになり尻を高く掲げていた。男のカメラには今まで私しか知らないと信じていた妻
の秘所が隠すものなくさらけ出され、薄い陰毛の一本一本、秘唇の上の窄まりの皺までも鮮明に写し出されている。
 そして男はカメラを構えたまま、バックから妻の秘唇を貫いていた。・・・私との行為では行ったことのない体位。
 私が初めて見るアングルで男に貫かれながら、妻は快感に背をのけ反らせている。しかもこの時になってもまだ、男は靴すら脱がな
いで玄関のタイルの上に立ったままなのだ。
 妻が男に貫かれたまま肩越しに振り返ったショットには、妻が心からセックスを楽しんでいる時の癖である、猫のように目を細めて
誘うように唇を舐め回す顔が写っていた。
 私だけが知っているはずだった妻の陶酔の表情・・・、それは私だけのものではなかったのだ。

 玄関での一連のショットは、男がアップで写された妻の顔面に向けて濃厚な精を放つシーンで終わっていた。そして悲しいことに、
大量の精液を口元から額にかけて振りかけられた妻の歓喜の表情に、私の股間は熱い疼きに痺れていたのである。
  1. 2014/10/02(木) 09:37:25|
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ココロとカラダ 第8回

 その後の数十枚には、我が家のあらゆる場所での妻の淫靡な姿がこれでもかと言わんばかりに写し出されていた。

 妻によって寝物語に語られた妄想が、分厚いファイルの一枚一枚に余すところなく写し出されているのだ。

 私が今こうしているリビングのソファーで、男に向かって脚を広げ、さらに両手で秘唇を割り広げる妻の姿・・・。ぱっくりと口を
開いた秘唇からドロリと滴る男の精を指先ですくい、嬉々とした表情で口に含んでいる妻の表情。

 行為と行為の間のひと時だろうか、全裸のまま床にひざまずき、男が持ったグラスにビールを注ぐ妻の姿もあった。画像の隅に写る
男の足から、男もまた裸のままカメラを構えていることがわかる。
 タバコを吸わない妻が、男に向かってライターを差し出している。男の吐いた煙を顔に吹きかけられてもいやな顔一つしない妻。・
・・まるで水商売の女のように、しかも全裸で男に奉仕する妻の姿に私の股間はますます疼きを増していく。

 男が口に含んだビールを垂らすのを、妻がうっとりと口を開いて受け止める姿までもが巧みなアングルで写されているのには驚いた
。明らかに男の唾液が混ざって糸を引いた白く泡立つ液体を、妻は男からの口移しでさも嬉しそうに飲み下しているのだ。

 さらにトイレで便器に手をついて尻を突き出した姿。そしてそのまま放尿をする姿・・・。檸檬色に光る飛沫の一滴一滴までもが、
プリントされた画像には克明に写し出されていた。
 四つん這いになって男にバックで犯されながら床に飛び散った自分の尿を拭き取るショットでも、妻の表情には惨めさのかけらもな
くただ快感だけを貪る貪欲な牝の笑みがその口元には浮かんでいたのである。

 昼の日差しが燦々と射し込むベランダでのセックス・・・。階段に尻をつき大股を広げた無防備な姿・・・。股間から滴る男の白汁
。そして私たち夫婦の寝室でのあまりにも淫らな行為・・・。
 ページを捲るたびにこれでもかこれでもかと、私が見たことのない妻の淫靡な姿が目に飛び込んでくる。そのどの場面でも、妻の表
情は全く迷いもためらいも感じさせないもので、とことんセックスを楽しもう、快感を味わおうとする姿勢がその生き生きとした表情
に現れていた。

 私たち夫婦のベッドの上で、妻は家族三人が写ったフォトスタンドを胸元に持ち、顎から男の精液を滴らせながらカメラに向かって
にっこりと微笑んでいた。その次のショットでは同じ写真に白濁した粘液がベットリとこびり付き、妻はそれをうっとりと舌で舐め取
っていた。
 おそらくセルフタイマーを使って写したのだろう。引きで写した画像の中には、家族の写真に跨った妻を男が背後から犯しているも
のもあった。
 他には私のネクタイで目隠しをされ両手を縛られて喘ぐ妻の画像や、乳房に写真を押しつけながら男に跨って腰を振る姿など、私た
ちの寝室で繰り広げられたシーンの数々は、全て男の顔だけを写さないよう巧みなアングルで写されていた。

 ある意味私たち家族の存在を否定するかのようなシチュエーションをも、妻は快感を高めるためのプレイとして楽しんでいるようだ
った。私たちのベッドの上で背徳の行為に耽る妻の画像からは、妻の歓喜の叫びが聞こえてくるような気さえするようなのだ。

 そして妻のそんな姿は、私にも極限の興奮をもたらしていた。
 いつしか私は堅くいきり立った分身を取り出し、ページを捲りながらゆっくりと扱き始めていたのである。

「ああ、こ、こんなことまで・・・、」

 まさか現実にそのようなことまで・・・と目を疑いたくなるようなセックスシーンの数々に、私の分身はいくらもたたずに先走りの
熱い滴でヌルヌルになってしまう。

 キッチンの入り口に昼寝から覚めた娘を抱いて立ち、カメラに向かって全裸のままピースサインをする妻のその屈託のない笑顔・・
・。
 家族の食事用の椅子に腰掛けた男の腰に跨り、男の屹立を挿入したまま娘に乳房を与える妻の快感に歪む表情・・・。
 腹一杯に母乳を飲み、うとうとし始めた娘を抱きながら、男の分身に舌を絡ませる妻の満足そうな顔・・・。

 妻が妄想として語ったとおり、娘の真由の世話をしながらまでも、写真の中の妻は男から与えられる快感をとことんまで貪り尽くそ
うとしていた。それが男に強制されたものなどではなく妻自身が進んで行っていることが、カメラに向けられるいたずら子猫のように
目を細めたその笑顔からもはっきりと知ることができる。

 私は画像に写る男の持ち物に比べれば一回り以上小さい自分の分身をクチュクチュと扱きながら、まだまだ続く妻のアルバムのペー
ジを捲っていった。

「ああ・・・、」

 我が家を舞台にした一連のショットは、無邪気に笑う娘を抱いた、髪に白濁した汁をこびり付かせたままニコリと笑う妻の姿で終わ
っていた。
  1. 2014/10/02(木) 09:38:25|
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ココロとカラダ 第9回

 我が家での淫靡な行為を収めた画像の次に、どこかのマンションかホテルの一室だろうか、二人の男と一緒にいる妻の姿が写ってい
た。正確にはカメラを構える男がもう一人いて時々入れ替わっているらしいとこが、男たちの体格の違いからわかる。

「か、可奈子・・・、」
 昼間一度は目にしたはずなのに、今改めて見ることで私の胸はまた締め付けられるように痛む。そしてそれと同時に、股間の肉茎は
私の手の中で極限までその堅さを増してしまっていた。
 この相反する感覚こそが、私の性癖を象徴しているのだろうか・・・。私は自嘲気味に口元を歪めながら、ファイルのページを捲っ
ていく。

 ・・・その部屋でのショットは、いきなり大股開きで男の上に乗っている妻の姿から始まった。そう、それは初めて見る妻のアナル
セックスだった。
 両脚をM字型に開き男の腰に上体を反らせ気味に跨がった妻の排泄のための穴に、男の肉棒が根元まで完全に飲み込まれていた。男
の肉棒はかなりの太さの一物で、妻の肛門は皺が伸び切るほどに限界まで広がってしまっている。
 私には触れることさえ許さないその穴に逞しい男のシンボルを受け入れた妻は、極度の快感に髪を振り乱して泣き叫んでいるようだ
った。

『あぁぁ、イイッ! イイわぁっ! お尻がイイのぉぉぉっ!』

 快感に顔を歪めた妻のそんな叫びが、生々しい画像から聞こえてくるような気がする。
 妻の横に陣取ったもう一人の男によってカメラによく写るように左右に広げられた秘唇の狭間からは、興奮の証しである薄白く濁っ
た粘液がトロトロと滴っている。出産を経験してもまだ初々しい色を失わない、ピンク色の肉穴から滴った淫汁が男との結合部にまで
伝い落ちていく様を、カメラは鮮明に写し出していた。

 そしてさらにはそのままの体勢でもう一人の男の肉棒の先端にチロチロと舌を這わせる妻の姿・・・。カメラマン役の男も加え二本
の肉棒を同時に両手に持ち、うっとりと微笑む妻の顔を見下ろすように写したショット・・・。
 私と娘だけのものと信じていたツンと上向く乳首に吸い付きながら、とめどなく淫液を溢れさせる蜜壷を二本の指で掻き回す男と、
その下で脱肛したように盛り上がるアナル。
 複数の男を相手にした妻の行為は、ページを捲るたびに次第にエスカレートしていく。

 ・・・妻の排泄孔を徹底的に凌辱する男たち。
 カメラのアングルが変わるたびに、妻のアナルを犯す男は次々に入れ替わっていた。騎乗位からバック、そして両脚を抱え上げられ
た体位と、男たちは思い思いの体勢でひたすら妻のアナルを嬲り続けている。
 アナルに男の肉棒を入れられたまま別の男の屹立に舌を這わせる妻の姿を見ているうちに、私はあることに思い当たった。
 アングルや画像の順番から考えると、妻はどうやら自分の排泄孔から引き抜かれた肉棒をためらいもせずそのまま口にしているらし
いのだ。その証拠に男の一物を唇と手で扱く妻の顔のアップには、確かに口元から滴る少し黄濁した唾液が写っているではないか。

 口元からだらしなく涎を垂らしながら男の肉棒をくわえ、アナルセックスの快感に溺れる妻・・・。
 いったいいつからこのような行為が可能な体になったのか。いったい誰に教え込まれたのか。妻は様々な体位で男たちの肉棒を排泄
のための穴に受け入れながら、そのいずれの場面でも最高の歓喜の表情を見せていた。
 明らかに、私の妻はアナルセックスに通常のセックスと同等かそれ以上の快感を感じているのだ。

 そしてついに・・・、
 ページを捲る私の手は、二本の肉棒を同時にその肉体に受け入れる妻の姿に行き着いた。

「あぁぁ、こんなことが・・・、」
 最初に見た瞬間にわが目を疑ったその光景に、私の胸は引き絞られるように痛むと共に、股間の分身はもはや限界に達しようという
ほどの高ぶりに襲われていた。

 その白い裸体を二人の男に前後から挟まれ犯される妻・・・。
 ベッドの上に仰向けになった男の腰に妻が跨がり、その背後から覆いかぶさるようにして尻を犯すもう一人の男。
 カメラはベッドの上で折り重なる三人の結合部をアップに捉え、淫液のぬめりや飛び散る飛沫までも克明に写し出している。

『サンドイッチファックって知ってるぅ?』
 と、無邪気に笑っていた妻の声が耳に浮かぶ。
 体の中で二本の男性器が擦れ合う感触がたまらなくイイと、妻は妖しく瞳を光らせていた。
『体中がオチンチンでいっぱいで、まるで串刺しにされたみたいな感じになるのよねー。すごく男の人に征服されてるって感じ。あぁ
、私のカラダは夫じゃない男の人のモノなんだぁって、すっごく感じちゃうの。』
 寝物語として語られた妻の言葉が私の耳に生々しくよみがえる。
 妻によって語られた光景が、今私の手にある画像の中に現実の出来事として収められていた。

 二人の男の間で悶え喘ぐ妻の姿が、何カットにも渡って綴られていく。妻の前後の穴を貫く男たちはカメラマンも含め交互に入れ替
わり、全員がそれぞれの穴を味わっていた。
 前後を同時に貫かれる快感に歪む妻の顔に、カメラを持った男が淫液まみれの肉棒を擦り付ける。顔面をヌラヌラと光らせながらも
、妻は常にうっとりと口を半開きにし、喜悦の表情でそれを受け入れていた。

 三方から男たちの肉棒を突き出され、その迸りをうっとりと舌を延ばして受け止めている妻も、顔中を息もできないほどに大量の精
で覆われてしまっている妻も、ファイルの中の妻は常に悦びの表情を隠そうとはしていなかったのである。

 とことん快楽を追求しようとするその姿勢、セックスの悦びを貪りつくそうとするこの態度・・・。
 そう、これこそが私が長年夢見てきた・・・、まさしく私の理想とする妻の姿だったのだ。

 妻と男たちの爛れたセックスを綴ったアルバムの最後は、白い液体をドロリと溢れさせるアナルのアップで終わっていた。カメラに
向かって尻の谷間を限界まで広げているほっそりした指は、間違いなく妻のものである。
 たった今まで太々した男の屹立を受け入れていたはずの、ぽっかりと口を広げたままの肉穴と、そこから流れ出る大量の白濁液・・
・。
 いったい何回そこに男たちの放出を受け入れたのか、その量が快楽に対する妻の貪欲さを物語っている。

 何百枚と続いた、私が見たこともない淫らな妻の姿を収めた画像の数々・・・。
 その全てのページを捲り終えた時、ついに限界を迎えた私の肉茎はドロリとした白汁を手の中に吐き出していた。
 妻の肉体に放たれた男たちの濃厚な液体とは比べるべくもない、その量と濃さ。・・・半透明の滴をポタポタと滴らせる分身を握り
締めたまま、私は放心したようにソファーに身を沈めていった。

 ・・・私の脳裏には、妻の無邪気な笑顔が浮かんでいた。
『・・・あなた、好きよ。愛してる。』
 屈託なく笑う妻の顔と、男の放出した粘液にまみれた妻の陶酔の表情が私の頭の中でだぶる。

「あ、ぁぁぁ・・・、可奈子・・・、」

 そして私は、震える手でファイルの最後のページに挟まれた妻からの手紙を開いたのだった。
  1. 2014/10/02(木) 09:39:14|
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ココロとカラダ 第10回

 独特の癖のある丸みを帯びた文字で書かれた手紙と、それに添えられた一枚の地図。
 紛れも無い妻の・・・可奈子の肉筆で書かれた手紙は、こんな書き出しから始まっていた。

「あなた、私のエッチな画像を見て楽しんでくれましたか? スゴイでしょ?」

 私の股間で、たった今達したばかりの分身がピクリと震える。

「黒川さんにあなたあての手紙を書くように言われた時、最初は"あなた、ゴメンナサイ。私はいけない女です。"とかって書かないと
いけないのかな、って思ったの。
 ・・・でも違うのよね。あなたはきっとこんな私を受け入れてくれる。許してくれるはず。
 あの夜、エッチなサイトを見ているあなたを見て、私、そう思ったの。」

「あなたももうわかったとおり、私はセックスがないとダメな女です。
 相手も決まっていない、爛れたようなドロドロのセックスが好き。あなたとのセックスじゃ、全然満足できないエッチな体・・・。
 いつでもどこでも誰とでも、求められればすぐにエッチしちゃう・・・それが本当の私です。」

「・・・あなたが好きよ、聡一さん。こんな私だけど、私、やっぱりあなたを愛しています。体はよその人とのセックスに溺れていて
も、私の心はあなたのもの。あなただけを愛しているの。
 私のこのスケベな体はあなただけじゃ満足できないけれど、ココロとカラダは別なのよね。奥さんがよその人に抱かれる妄想に興奮
しちゃうあなたなら、きっとわかってくれると思います。」

「私、今とてもあなたに会いたいです。あなたにもっと私のことを知ってもらいたい。こんなエッチ大好きな私の全てを見てもらいた
いです。
 もしあなたの決心がついたら、明日地図の場所へ来てください。私はそこにいます。
 お仕事休ませることになるけどゴメンネ。でもあなたもたまにはお仕事サボったっていいでしょ?」

「きっと・・・きっとあなたは来てくれる。そう信じています。
 私のココロはあなただけを愛しているのよ。だから私のカラダのことをもっとあなたに知ってもらいたいの。わかってください。
                       あなたの妻、可奈子」

 最後を締めくくった可奈子の署名の後に、可愛いキスマークが付いていた。

 ・・・そしてその翌朝、私は娘の発熱と嘘をつき、会社に休暇願を出したのである。
  1. 2014/10/02(木) 09:40:01|
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ココロとカラダ 第11回

「やぁ、いらっしゃい。きっとおいでくださると信じていましたよ。」

 翌日の昼前、地図に書かれた場所・・・私たちの住まいから二駅ほど離れたところにある高級マンションを尋ねた私を、あの黒川と
いう男が出迎えた。
「さぁ、どうぞお入りください。」
 昨日とは異なり今日の黒川はネクタイも締めず、たった今羽織ってきたばかりのようにシャツの襟元もはだけたラフな格好である。
 黒川に招き入れられるままに、私はその部屋へ上がり込んだ。

 あまり調度品もない広いリビングに、大型のソファーとローテーブルが置かれている。
 不思議なのは、そのソファーがテーブルを挟んで対面する形で置かれているのではなく、壁に向かう形で置かれていることだった。
しかも正面のその壁には、床までの一面を覆う大きなカーテンが掛けられ壁を隠しているのだ。

「どうぞ、そちらにおかけください。」
 黒川は私にソファーの真ん中の席を進めると、自分はその横に置かれた小型のソファーに身を沈めた。
「それではさっそくですがご覧いただきましょうか。みなさん、さっきからずいぶん盛り上がっていますよ。」
 黒川はニヤリと笑うと、テーブルの上に乗っていたリモコンのスイッチを押した。

「・・・!」
 部屋の照明がスゥーッと落ち、窓の遮光カーテンが音もなく閉まる。それと同時に、壁を覆っていたカーテンがまるで舞台の開幕を
継げるようにゆっくりと左右に開き始めた。
「フフッ、このマンションのオーナーはちょっと変わった趣味の持ち主でしてね。最上階の二部屋の壁をぶち抜いて、こんな仕掛けを
作ってしまったんですよ。・・・いかがです?」

「ぁ、ぁぁぁぁ・・・、」
 私の口から、押さえきれない声が漏れる。

 壁に掛かっていたカーテンの後ろは壁全面がガラス張りになっていた。そしてその向こう側では、幾人もの男女があたりはばかるこ
となく全裸で淫靡な行為に耽っていた。女性が5、6人に対して男性は10人以上はいるだろうか。しかもその大半が日本人ではなく
、外国人・・・主に巨大な体躯の黒人なのである。

「な、なんて・・・、」
 視界に入るほとんどの女性が同時に複数の男性を相手にし、その秘唇や口、アナル、体中の穴という穴に、男たちの肉棒を受け入れ
ていた。女性たちの顔には一様に歓喜の表情が広がり、男たちとの爛れたようなセックスにその場にいる全員が酔いしれているのがわ
かる。
 外人たちの逸物はまさに肉の凶器と呼ぶべき巨大なものばかりだったが、それで貫かれることに苦痛を感じている女性は一人もいな
いようだった。
「・・・ぅあ、」
 まるでプロレスラーのような体格の黒人の腰に跨り、自分の腕ほどもある肉柱をそのほっそりした体に受け入れている女性とふと目
があったような気がして、私は思わず身をすくめてしまった。

「フフッ・・・、ご心配なさらなくても大丈夫。これは大型のマジックミラーになっていて、向こう側からはただの鏡でこちらの様子
は見れません。女性陣の中にはご自分の乱れた姿を鏡に映すことでますます興奮なさるというご趣味の方もいらっしゃいますからね、
まぁ、一石二鳥というところなんです。」
 黒川が暗がりの中で淡々と説明をする。
「今日ここにいる女性のみなさんはある会員制のスポーツクラブの会員さんで、みなさんご家庭をお持ちになっている主婦の方々ばか
りです。・・・ま、スポーツクラブと言っても、もっぱら男と女が一緒になって汗をかく"セックス"という名のスポーツを主体として
いる、秘密クラブなんですがね。」

『・・・ねえ、ご近所の奥さんに誘われちゃったんだけど、今度スポーツクラブに通ってもいいかしら。すごく気持いい汗がかけて、
美容にもとってもいいんですって。私、美人になっちゃうかもぉ・・・、』
 子猫のように私の首に腕を絡めて笑っていた、妻の声が耳に浮かぶ。

「今日は外人・・・ご覧のとおり主に黒人ですが・・・。そのビッグペニスを飽きるまで味わってみたいということでみなさんの意見
が一致しまして、一泊での乱交パーティーをやろうってことになったわけです。一泊と言っても、みなさん少しの休憩以外はほとんど
寝ずにセックスし続けていますがね。ふだん体を鍛えている軍人が中心の男たちはともかく、女性陣のタフさには驚きましたよ。これ
でかれこれもう、20時間近くやりっぱなしなんですからねぇ。」

 黒川が何かを思い出したようにクスクスと笑う。
「女性たちも男たちも、食事の間も惜しんでヤリ続けていましてね。スタミナを維持するために肉料理や卵料理、ニンニクやスッポン
料理まで用意しましたが、みんなニンニクの匂いも気にしないですごいもんです。まぁ、部屋中汗とセックスの匂いで充満してますか
ら、たいていの匂いはそう気にはなりませんが・・・。ほとんどみなさん、食べている最中までセックスし続けていたり、口移しにス
テーキをグチャグチャ食べたり、スッポンのエキスに黒人のザーメン交ぜて飲む方までいましたからねー。」

 マジックミラーのすぐ向こうで、巨大な逸物で串刺しにされながら黒い肉棒に舌を這わせている女性が、トロンと潤んだ瞳をこちら
に向けた。身長2メートルもあろうかという黒い巨体の上に白い裸体が乗った様は、まるで巨大な熊に少女が跨っているようにさえ見
える。
 その視線は確かに黒川の言うとおり鏡のこちら側には向けられていないようである。淫らな自分の姿を鏡に映して、その姿の淫靡さ
に酔っているのだ。

 ツンと上向いた形のいい乳房に引き締まったウエスト、そしてほつれて頬に掛かった長い黒髪も、その裸体のほとんどの部分が男た
ちが放出した精液で幾重にも塗り込められ汗と混ざってテカテカと光っている。
 とても口には含みきれない巨大な肉の塊に唇を押しつけながら、その女性は猫のような瞳をきらめかせて淫らに腰を揺らしている。
男の肉棒を握っていない方の手は、自分の股間に延びて白濁した液体を垂らし続ける秘壷を何本もの指で掻き回していた。
 ・・・そう。柱のようにそそり立つ巨大な凶器は、その女性の秘肉ではなく排泄のための穴を深々と貫いていたのである。

「あ、あぁぁぁ・・・、」
 もしかしたらそんな光景を、私は心のどこかで予想していたのかもしれない。
「か、可奈子・・・、」
 こんなことを昨日から一晩中し続けてきたというのか・・・。私の口からは、その女性の名を呼ぶ掠れた声が漏れていた。

 ガラス一枚を隔てた向こう側にいる、黒人男性二人を相手に痴態の限りをつくす女性・・・。その顔を見忘れるはずもない女性・・
・、それは紛れもなく、私の愛する妻可奈子だったのだ。
  1. 2014/10/02(木) 09:41:09|
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ココロとカラダ 第12回

「クククッ、こうして改めて拝見しても素敵な奥さまですねぇ。あれだけでっかいモノをなんなく飲み込んでしまう。それも20時間
ほとんど誰かのモノを入れっぱなしなんですからね。もちろん昨日からはみなさん薬を飲んでますから全部生で中出しですし、途中で
どの奥さんだったかが吸い出してくれてましたけど、もう尻もマンコも男たちのザーメンでタプタプしていると思いますよ。ほら、ア
ソコから白い汁がドロドロ溢れてるじゃありませんか。それでもああして疲れも見せずにセックスを楽しんでらっしゃる。本当にすば
らしい奥さまですよねぇ、可奈子さまは。」

 どこか笑いが込められた黒川の声は、私の耳にはほとんど入っていなかった。ただ断片的に耳に入る、"ナマ"、"中出し"、"入れっ
ぱなし"、"ザーメンでタプタプ"といった単語だけが私の下半身をチクチクと刺激していた。
 私は座ったソファーから身を乗り出すようにしてマジックミラーの中を食い入るように見つめる。そう、私の股間はスラックスの下
ではちきれんばかりに堅く膨らんでしまっていたのだ。

 そんな私の様子に気が付いたのか、黒川は目の前の光景と私の顔を見比べると再度テーブルの上のリモコンを手に取った。
「ククッ、奥さまの様子が気になるようですね。体中ザーメンまみれになってもまだ、ビッグな黒ペニスに溺れる奥さまの姿に興奮な
さりますか? その様子じゃ、奥さまの色っぽいよがり声もお聞きになりたいでしょう。」
「こ、声?」
「そうです。黒ペニスを突っ込まれた奥さまの可愛いお声・・・。ヤワな男なら、奥さまのあの艶っぽい声を聞いただけでイッてしま
うでしょうね。・・・ではどうぞ、可奈子奥さまの声を存分にお聞きください。」

 静かな室内に、突然女性の喘ぎ声が響き渡った。
『・・・はぁぁぁ、イイわぁぁ、チンポ感じるぅぅぅっ!』
 その瞬間、私はまるで私と妻を隔てるマジックミラーが取り払われたような錯覚に襲われてしまう。
『は、アンッ・・・、あぁぁ、あぁんっ! イイッ! イイの、ぁぁぁ、チンポスゴイィィィッ!』
 ほんの数メートル先、手を伸ばせば届きそうなところで快感に悶える妻の喘ぎ声が、同じ距離感で私の耳に飛び込んできたのだ。

「か、可奈子っ、」
 思わず身を乗り出す私の横で、黒川がクスリと笑う。
「高性能のマイクをマジックミラーに取り付けてあるんです。で、音量もちょうどよく聞こえるように調節してあるから、リアルさが
違うでしょう?」

『はぁぁ、チンポ、チンポぉぉぉーー! もっと、もっと突いてぇぇっ! 可奈子のオマンコ、串刺しにしてぇぇぇっ!・・・はむ、
んんんんっ!』
 上半身をバウンドさせるように揺らしながら叫ぶ可奈子の口に、横に立った黒人が巨大な肉棒の先端を無理やり押し込む。
『はぐっ、んんんんっ! んぐんぐぅぅぅっ!』
 妻はぶざまに歪んだ顔で目一杯に口を開き、その巨大な肉の塊に懸命に舌を絡ませているようだ。
『はぐぅぅん、おいひぃぃぃっ・・・あぐっ、んんっ、んぐぅぅぅん・・・、』

 急激に先端を吸い上げられる快感に、妻の頭を押さえた黒人は早口の英語で何かまくしたてた。おそらく訳すこともはばかられるよ
うなスラングなのだろう、私の耳にはかろうじて最後の"bitch!"という単語だけが聞き取れた。
 その言葉が耳に入っているのかどうか・・・、いや今の妻にとってはおそらくそれは最高の賛辞なのだろう。それが聞き取れていれ
ばなおのこと、妻のボルテージは上がってしまったに違いない。
 私は一瞬横に黒川がいるのも忘れ、スラックスの股間に手を当ててしまっていた。

「フフッ・・・、」
 黒川はリモコンをテーブルの上に戻すと、静かにソファーから立ち上がった。
「私がいてはお邪魔かもしれませんね。私は席を外すことにしましょう。しばらくはこの部屋には誰も入らせませんので、どうぞじっ
くり奥さまのお姿をご覧になって、たっぷりとお楽しみください。奥さま以外にもたぶんお顔をご存じの女性もいらっしゃると思いま
すし、奥さまと他の女性をお比べになってみるのもよろしいかもしれませんよ。」
 そう言うと黒川はニヤリと口元を歪め、テーブルの下からティッシュボックスを取り出しテーブルに置いた。
「ククッ・・・、よろしかったらお使いください。ゴミ箱はそちらに。・・・では。」

 部屋を出て行く黒川の肩は笑いを堪えることで明らかに震えていたが、その時の私にはそんなことはどうでもよくなってしまってい
た。
「はぅ・・・か、可奈子ぉ・・・、」
 私は遠くでドアの閉まる音がするのもそこそこに、ソファーから立ち上がりノロノロとマジックミラーに歩み寄った。
「あ、ああああ・・・、」
 私と妻の間は、おそらく2メートルも離れていなかっただろう。一方通行のガラス一枚で隔てられた部屋で、妻は2本の黒い肉棒を
相手に見たこともない淫らな表情を見せていた。

 誰もいなくなった広い部屋で、私はスラックスのベルトを緩めいきり立つ分身を取り出す。

「・・・ぅあぁ、」
 すでに先走りの汁を滲ませそそり立っていた屹立だったが外の空気に触れることで少し緊張が解けたのか、私はその時になって初め
て妻と妻に絡む黒人以外の男女に目を向けることができた。
「あ・・・、ま、まさか・・・、」
 見間違うはずもない。妻の斜め奥で筋肉質の白人と若い黒人に前後の穴を同時に貫かれている女性・・・、顔こそ快感に歪み私が見
たことのない表情を見せているが、確かに近所の主婦で町内でもリーダー格の千堂夫人・・・千堂美由希だった。

 妻と同様、乳房や顔を男たちの精液と汗でヌラヌラと光らせた千堂夫人は、床に仰向けに寝た黒人の上で長身の裸体をのけ反らせ豊
かな乳房を揺らしている。男の間で妖しく身をくねらせるその横から、三人の結合部の様子が見えた。
 千堂夫人の秘唇には、下から鋼のような黒い肉棒が激しく出入りを繰り返し、その上の尻穴を白人男性の長いペニスが深々と貫いて
いる。千堂夫人を背後から犯す白人男性は、前に回した手で夫人の乳房を鷲掴みにして揉みしだきながら、その耳をビチャビチャと舐
めまわしていた。

「ぁぁ・・・、な、なんて・・・、」
 確かもう30代も半ばくらいのはずだが、その知性と教養を感じさせる燐とした美貌とまるでグラビアから抜け出してきたようなプ
ロポーションの千堂夫人に、実は私は秘めた憧れのようなものを感じていたのだ。
 旦那さんは外資系商社の管理職で、子供は有名私立小学校へ通っているはずである。夫婦仲も睦まじく休日には家族そろって出掛け
ていく姿がよく見られるあの千堂夫人が、まさかこんなことをするとは・・・。
 私は妻の痴態と共に、千堂夫人の妖艶な姿を股間の分身を扱きながら呆然と見つめていた。

 すべてに恵まれた憧れの千堂夫人が、今私の目の前に外人男性二人を相手にした信じられない姿を晒しているのだ。間近で響く妻の
嬌声に紛れて聞き取り辛いが、よく耳をすませば聞き覚えのある千堂夫人の声が甘い喘ぎ声となって聞こえてくる。

『あぁぁ、イイわぁぁぁ! ボブゥゥゥ、ジェフゥゥゥ、あなたたちのチンポ最高よぉぉぉーーっ! ぁぁぁ、もっと・・・もっと奥
までぇぇぇっ! ComeOn! Fuck Me!! 奥まで突いてぇぇぇっ!』

 そして私のすぐ目の前では、妻の裸体を凌辱していた男たちが限界を向かえようとしていた。
  1. 2014/10/02(木) 09:42:08|
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ココロとカラダ 第13回

「ぁぁぁ、ああああ・・・、」

 私は低い声で呻きながらマジックミラーに張り付くように近寄り、薄暗い部屋の中を凝視した。

 広い部屋の中のいたるところで同じような光景が繰り広げられている中で、まず妻の下になっていた巨漢の黒人が、獣のように呻い
て腰を跳ね上がらせその絶頂を告げた。それと前後するように、妻の口を犯していた男がその長大な肉棒を口から引き抜き妻の顔に向
けて勢いよく扱き上げる。

『はぁっ! ああああああーーーーっ!』
 妻の喘ぐような叫び声と共に、大量の精が男の逸物から吹き出し妻の顔をベットリと覆う。
『はぁぁぁん、スゴイぃぃぃーーーっ! ザーメンが熱いいぃぃぃーーっ!』
 私のサラッとした半透明の精液とは比較にならない、真っ白に濁ったドロドロの粘液が妻の額から口元にかけてべっとりと降りかか
る。二度三度と断続的に放出され顎に滴る粘液を、妻は指先で拭いうっとりとした表情で口に運んでいく。
『はぁん、ザーメン美味しいわぁぁ・・・、』
 こってりした精液をベロベロと舐め、乳房に塗り伸ばす妻・・・。

 大量の放出を終えた男が最後に滴る精液を妻の髪で拭い、ゲラゲラ笑いながら巨大な逸物を揺らして部屋の奥へと去った後も、妻は
陶然とした表情で頬を撫で回しこびり付いた精液を啜り取っていた。
『はふぅん、スゴイいっぱいぃぃ・・・、ザーメンヌルヌルで気持いいのぉぉぉ・・・、ぁぁん、あなたはまだチンポ堅くしてくれて
いるのねぇ。嬉しいぃぃーー。』
 妻が腰の下を見下ろし、目を細めて身をくねらせた。
『ハイ、可奈子サンノアナル、Very Goodデース!』
 妻の身体の下で、巨漢の男が明るく笑う。
 妻の尻穴に精を放った男の肉柱は、まだその堅さを保っているらしい。いったい昨日から何度達しているのか・・・、信じられない
ほどの精力である。

『おいおい、ボビーさんよぉ。可奈ちゃんはアンタだけのものじゃないんだぜ。そろそろ可奈ちゃんのきっついケツを、俺にも貸して
くれよ。』
 いつの間に寄って来たのか、数少ない日本人男性の一人が仰向けに寝たままの黒人の肩を叩いていた。
『まぁ、ボビーの黒チンポくわえ込んじゃかなり緩んじゃってるだろうし、もう何人ものザーメンでドロドロだろうけど、それでも可
奈ちゃんのケツは格別だからなぁ。』
 長さこそさほどではないが、ボビーと呼ばれた黒人のモノと比べても遜色の無い太さの肉棒を扱きながら男はいやらしげに笑う。
 私の妻を馴れ馴れしく"可奈ちゃん"と呼ぶそのでっぷりと太った40代も半ばの男の顔を、私はよく知っていた。

「ぅあ・・・、」
 千堂夫人と同じくうちの町内の住人・・・。妻の妄想にも幾度となく登場していた中本家の主人である。しかもその体つきと特徴あ
るごつごつと節くれ立った極太の逸物・・・、
「ま、まさか・・・、」
 いくら顔が写っていないとはいえ、その体型だけでなぜ気が付かなかったのか・・・。ヒントは妻によって語られた寝物語の中にあ
ったというのに・・・。
 中本は黒川に渡された妻のアルバムで、さんざん妻の二穴を嬲っていた男たちの一人だったのだ。

『・・・中本さん? 私別に太っている人は嫌いじゃないけど、ああいう感じの人ってなんか苦手なのよねぇ。ほら、なんだかギラギ
ラ脂ぎった感じでイヤラシそうでしょー。私のこと、なんか粘っこい感じのイヤラシーイ目で見るのよ。やぁねぇ・・・』
 今の家に越して来たばかりの頃の妻の言葉が頭に浮かぶ。思い出すのもおぞましそうに顔をしかめていた妻。・・・その妻が、今は
その当人から"ちゃん"付けで呼ばれても嫌な顔一つせず、にこやかに微笑み返しているのだ。

『うふふ、ありがとー、なっかもとさんっ! 中本さんも私のお尻でシタイのー? もぉう、エッチなんだかぁらー。今朝、ニンニク
食べながら二回もオマンコに出してくれたじゃない。"マンコにはドロドロザーメン、上の口にはコレ"とかって、ニンニク臭ぁぁい唾
を私の口に注ぎ込んだのだぁれぇ?』
 妻と中本がニンニク臭い口でキスを交わしながら密着した腰を打ち付け合う光景が脳裏に浮かび、私の股間が熱く疼く。
『ハハハ、そりゃそうだけど、可奈ちゃんのケツはまた別物さぁ。せっかく仕事オフにして参加しているんだから、可奈ちゃんのケツ
に出して帰らないとなぁ。』
『もう、やぁねぇ。』
 "やぁねぇ"という言葉に、以前中本の名を口にしたときとは異なる媚びのような響きが込められている。

『しょうがないわねぇ~・・・、』

 目の前に立ち上がった中本の醜悪な肉棒を、妻は猫のように目を細めて握り締めたのだった。
  1. 2014/10/02(木) 09:43:12|
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ココロとカラダ 第14回

『もぉう、こんなにしちゃってるんだからぁ。』

 今まさに、夫の私のすぐ目の前で愛する妻が良く見知った近所の中年男の肉棒に舌を這わせようとしている。

『中本さんったら、ただでさえ太いチンポなのにぃぃ・・・いやだわぁ。・・・ふふっ、しょうがない、まずはちょっと味見ネ!』
 そう言っていたずらっぽく微笑み、妻は赤い舌で中本の肉棒をペロリと舐めあげる。

『はぁん、イヤラシイ味ぃ・・・、誰のオマンコの味なのぉ? もぉう、なんか欲しくなっちゃうぅぅ。でもボビーのチンポもまだ堅
いのにもったいないわぁ。』
 巨大な黒い裸体の上で、妻はくねくねと身をくねらせた。
『ねーぇ、ボビィー、このビッグな黒チンポぉ、今度は私のオマンコに突っ込んでくれるぅ?』
『Oh、モチロンデース! 可奈子サン、CuntもGoodネー。My Pussy Cat、可奈子サーン!』
 たどたどしい日本語を話す黒人の上で、妻はその腰をゆっくりと浮かせた。

『はぁっ、ぁぁん、この抜ける感じがたまらないぃぃぃっ!』
 分厚いファイルの中で大写しにされていた妻のピンク色のアナルが目に浮かぶ。
 妻の白い裸体から、漆黒の肉柱がズルズルと抜け出してきた。
『ぁぁぁん、ダメぇぇ・・・、ふっといの、また欲しくなっちゃうぅぅぅ・・・、』
『おいおい、可奈ちゃん、そりゃないだろう?』
 ジュプジュプと粘液を滲ませながら抜け出る巨根にまた身を沈めようとする妻を、中本が笑いながら抱きかかえた。

『まったく、どうしようもない淫乱奥さんだな。』
 目をトロンと潤ませた妻の両脇に手を入れて抱き起こし、中本はその体を浮かせてボビーの肉柱を完全に引き抜かせた。
『あぁん、チンポォォォ、チンポいやぁぁ、もっと入れて欲しいぃぃぃ!』
『ほら、ボビーの黒チンポはこっちで食べるんだろう? 俺のはいらないってか?』
 中本は妻の陰部を天を向いてそそり立つボビーの肉柱にあてがい、体を下ろさせる。その瞬間、妻の股間から大量の白濁液がドロリ
と溢れ出した。

『あぁぁっ、イイッ! ボビーのおチンポ、オマンコもイイィィィッ!』
『チンポ突っ込まれてりゃ、どこの穴でもいいんだろう? ・・・それにしてもなんて量のザーメン溜め込んでいるんだか。いったい
何人分中出しさせたんだ? 今朝、俺が出したあとに誰かが啜ってくれてただろう?』
『あぁぁん、わかんないぃぃぃっ! いっぱい、いっぱい出してもらったのぉぉ・・・、あああ、ボビーのチンポでオマンコいっぱい
になるぅぅぅ、中本さぁん、早くぅ・・・早く可奈のおケツにデカチンポ突っ込んでぇぇぇっ!』

 大量の精液をドロドロと溢れさせる秘肉に、今や完全に根本まで巨大な黒棒を飲み込んだ妻が、肩越しに中本を振り返り妖しく腰を
振る。
 ふだんの妻からは想像もつかない隠語の連発もさることながら、妻が自分のことを"可奈"と呼ぶところを私は初めて耳にした。
『入れて、入れて、入れてぇぇぇっ! ボビーのザーメンでヌルヌルの可奈のおケツに、中本さんのチンポ突っ込んで・・・、ぁぁぁ
ん、熱いザーメンいっぱい出してぇぇぇっ!』
『ハハハ、ホントに誰のでもいいんだな。・・・どれ、俺たちのアイドル、可奈ちゃんのケツの穴をいただくとするか。』

 中本がいやらしく口を歪めて妻の尻を押さえる。ゴツゴツと節くれ立った凶悪な肉の凶器が、白桃のような尻の中心にあてがわれじ
わじわと押し出される。
『あぁぁぁっ! スゴイィィィッ! 体中チンポでイッパイになるぅぅぅーーーっ! あぁん、あんっ、あぁんっ! 感じる、感じる
ぅぅぅっ!』
 ボビーのペニスによって広がっていた妻の菊門は、中本の極太の逸物もなんなく飲み込んでしまった。
『ククッ、可奈ちゃん、入ったぜ。根本までピッタリだ。ボビー、動くぞ!』
『Oh Yes!』
 三人の腰がぴったりと密着し、ゆっくりと動き始める・・・。

 妻の嬌声のトーンが急激に上がっていくのを聞きながら、私の情けない分身は少量の精をトロリと吐き出してしまっていた。
 そしてその時である・・・、

「あらあら、もうイッちゃったの? そんなことじゃ可奈子さんが満足できないのもわかるような気がするわねー。」

 誰もいないはずの私の背後で、クスクスと笑う聞き覚えのある声が響いたのだった。
  1. 2014/10/03(金) 01:32:40|
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ココロとカラダ 第15回

「ぅあ・・・、せ、千堂さん・・・!」

 ギョッとして振り返った私の後ろに、白いガウンを羽織った千堂夫人がニコニコと微笑みながら腕を組んで立っていた。
「フフッ、こんな所だから美由希でいいわ。」

 指に挟んでいたタバコを口にくわえ、千堂夫人はフーッと白い煙を吐き出す。
「あぁ、タバコが美味しい。」
 太股の半ばまでしか隠さないガウンの裾からスラリと伸びた夫人の艶めかしい脚に、私の目は釘付けになってしまう。しかし一方で
、私よりも背が高く憧れの千堂夫人に下半身裸の無様な姿を見られたことで、今達したばかりの私の分身はたちまち元気を失ってしま
っていた。
「あら、一回イッたくらいでもうダメ? それとも私が急に来たから緊張してる?」
 クスクス笑いながら、千堂夫人は煙の立ち上るタバコを唇に挟み羽織っていたガウンをはらりと肩から落とす。
「あっ、あぁっ!!」

 ガウンの下に、千堂夫人は布きれ一枚身に付けていなかった。
「フフフ、この格好で廊下を来るの、ドキドキしちゃったわぁ。」
 男たちの精を吸い込み艶やかに輝く裸体と、どちらかといえば濃い目の翳りが、隠すものなく私の目の前に晒け出される。
「平日の昼間っていってもこのフロアに住んでいる人もいるわけだから、いつ誰が来るかわからないでしょ? いくらガウンを羽織っ
ていても下はスッポンポンで、しかも顔も髪もザーメンでベトベトじゃない。 人に会っちゃったらどう言い訳したらいいか・・・、
でもそのドキドキ感が露出の快感なのよねー。」
 興奮しているときの癖なのだろうか、千堂夫人がペロリと唇を舐めて妖しく微笑む。

「黒川さんから可奈子さんのご主人が来てるって聞いたから、ちょっと涼みがてら一服しに来たの。あっちもエアコンは効いているけ
ど、タバコがキッチンでしか吸えないのよね。ほら、今日は大勢いるしみんな裸だから危ないでしょ?」

 町内の集まりで家族で食事をしたときに、確か千堂夫人はタバコを吸えないと言っていたはずだ。それで自分のご主人と離れて私た
ち夫婦の近くに座っているのだと、自分で説明していたはずである。
 夫人の手のタバコを見つめる私の疑問に気がついたのか、千堂夫人はテーブルの上の灰皿に灰を落とすと私の顔に向かってフーッと
煙を吐きかけた。
「ウフフ、ご主人も可奈子さんも本当に吸わないんだものね。・・・私はセックスの時だけは吸うの。実は結婚する前はけっこう吸っ
ていたのね。そのせいかしら、今はかえって時々吸うタバコでハイになれる感じがするのよ。」

 もう一息深々と吸い込み、千堂夫人は半分ほどまで灰になったタバコを灰皿に押し付けた。
「あぁ、美味しかった。・・・ご主人は知らないでしょ? 可奈子さん、自分はタバコ吸わないくせに、ヤニ臭い口でキスしたり唾液
飲まされたりするとすごく興奮して感じちゃうのよ。ヘビースモーカーの人の唾をトローっと口に流し込まれただけで目なんかウルウ
ルさせちゃって・・・、同性の私の唾までオマンコからいやらしい汁を垂らしながら喜んで飲んでくれるわ。面白い子よねー。」
 洋服や髪に付いたタバコの匂いさえ嫌がっていたあの妻が・・・。タバコをくわえた千堂夫人と妻が唇を重ね舌を絡ませている情景
を想像し、萎えかけていた私の股間がピクリと反応する。
「あら・・・、」

 その反応を見てクスリと笑い、千堂夫人は私の体にぴたりと身を寄せた。
「可奈子さんから聞いたわよー。ご主人・・・聡一さん、私のこといつも美人でかっこいい女性って、誉めてくれているんですってー
?」
「あ、いや、その・・・、」
 タバコと精液の匂いの入り混じった息が私の顔にかかり、しなやかな長い指が私の胸をすっと撫で下ろす。
「嬉しいわぁ。最近じゃ旦那だってそんなこと言ってくれないもの。」
 千堂夫人はクスクス笑いながら私の足下に膝を突くと、立ち膝になって私のシャツのボタンをはずし始めた。その熱い視線は、次第
に堅さを取り戻し千堂夫人の顔に向かって突き出すように反り始める私の分身にねっとりと注がれている。

「フフフ、嬉しぃーい、また堅くなってくれているのねぇ。」
 私の肩からシャツを脱がせると、千堂夫人はその柔らかい手で私の肉茎を包み込むように握りしめた。
「あらぁ・・・、確かにあっちにいる外人や中ちゃんのと比べたらずいぶん見劣りするけど・・・、堅さはなかなかじゃない?」
 中ちゃんというのは中本のことだろうか。千堂夫人は好色そうに目尻をつり上げて私の顔を見上げると、私を誘うようにペロリと舌
舐めずりをしてみせた。
「可奈子さんの言うのもわかるわぁ。・・・奥さんいつも言っているのよ。"普通にセックスしている分には十分満足"ってぇ。でも普
通のセックスどころか、これならただデカイだけのうちの旦那なんかよりもずっといいかもぉ・・・、」
「ぅあ・・・、お、奥さん・・・、」

 若くして外資の管理職を努めているという千堂夫人の夫の顔が浮かび、私は思わず腰を引いてしまった。
「フフッ、美由希でいいってば。・・・うちの旦那のことが気になる? 自分の奥さんはあんなことして楽しんでいるのに律儀な人ね
。気にしないでいいのよ。私がここにいるのは旦那も公認のことなの。私がよその男の人とセックスしたり自分も参加することを、う
ちの人は喜んでくれているの。それどころか本当は今日のこのパーティーにも参加したがっていたくらいで、どうしても出張がはずせ
ないって本気で悔しがっていたわ。」
 千堂夫人は私の分身を握りしめたまま、マジックミラーの向こうで男たちに挟まれた裸体を揺らしている妻の姿に目を向けた。

「中ちゃんもタフねー。昨日からいったい何発出しているのかしら。きっとその半分くらいは可奈子さんによ。・・・で、うちの旦那
もね、中ちゃんと同じで可奈子さんのファンなの。可奈子さんは我が町内のセックスアイドルだって、あのマンコとアナルは最高だっ
て、いつもうちで飲むと中ちゃんと盛り上がっているわ。二人で私のこと抱きながらまで可奈子さんのカラダの話をしているのよ。ひ
どいと思わない?」

 それではあの、一見真面目なエリートサラリーマン然とした千堂氏にまで、妻は抱かれていたのか。そう言われればあの写真で中本
と一緒に妻の二穴を犯していた少し肌の浅黒い男が、千堂氏に似ていたような気までしてくる。
「あらあら、ますます元気になっちゃって。・・・うちの旦那に奥さんが抱かれているのを想像しちゃったの? 中ちゃんとボビーに
サンドイッチされた奥さん見ながら? やぁね、ご主人が"寝取られマゾ"だっていう可奈子さんの話は本当なのね。・・・わぁ、スゴ
ーーイ!」
 いつしか、私の分身は憧れの千堂夫人の手の中で極限まで堅く、天を突くように反り返っていた。

「ホント、スゴイ堅さだわぁ。もう、カッチカチじゃない。これならそれなりに楽しめるかもぉ。・・・ウフッ、まずは味見ね。」
 千堂夫人はそう言っていたずらっぽく微笑むと、先端をテラテラと光らせる私の肉棒に舌を寄せた。
「・・・いっただきまぁす!」
「ぅあ、ああああ・・・! お、奥・・・あ、み、美由希さんんっ!」

 ヌメリとした生暖かい感触が、私の屹立を包み込んだ。
  1. 2014/10/03(金) 01:37:41|
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