2ntブログ

闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

奈落 第7回

その日は、Kから呼び出され、大きな鏡の前に置かれた椅子に、全裸で縛り付けられた。
由美子の恥ずかしく改造された肉体を、鏡に映されながら、散々、Kに責められていた。
由美子の身体中から汗が滲み出し、股間は淫汁でビッショリだった。
Kは、直径5cmもあろうかという極太のバイブレーターで、乳首や股間に数多く取り付けられたピアスを刺激していた。これと同じサイズのバイブレーターが既に由美子の後ろの穴に挿入され、由美子に内側からたまらない刺激を与え続けていた。これらの特大サイズのバイブレーターも楽に受け入れられるよう前後の穴は、既に拡張されてしまっていた。
Kが、突然、バイブレーターから手を離すと、由美子の前にパソコンにつながれた大きなディスプレイを持ってきた。
Kがパソコンを操作すると、大きなディスプレイに画面が現われた。Kは、インターネットに接続していた。しばらくすると、大きな乳房から飛び出した乳首に、極太のピアスがついている外人の女性が大きく掲載された画面が現われた。英語で書かれているので、どうやら海外のサイトらしい。
「これは、アメリカのSM系の投稿サイトだ。」
そう言いながら、Kはマウスをクリックし続けた。
すると、画面に「SLAVE Wife YUMIKO」というタイトルのページが現われ、無数の写真が掲載されていた。
Kがそれらの写真をクリックすると、縛り付けられた女性が女として最も恥ずかしい部分に刺青を彫り込まれている場面や、ピアスされている場面が大きなディスプレイ一杯に現われた。そこに映し出されている女性は、なんと由美子そのものだった。縛られながらバイブレーターの快感で絶頂を極めている由美子の顔や、刺青されながら陶酔している表情の由美子の顔など、アップで、ボカシもなく、そのまま映されていた。
「このサイトには、由美子のこれまでの肉体改造調教の過程を投稿してきた。今では、由美子の専用のページも用意されるようになった。世界中のマニアが、由美子が厭らしく改造されていく様子を楽しんでいる。」
「そ、そんな、、、」
由美子は、愕然とした。
大きなディスプレイ一杯に、次々と由美子の恥ずかしい肉体改造調教の様子が映し出された。
最初に入れられた、恥丘への刺青の様子から始まり、改造の過程が次々に現われた。
恥丘への刺青の次には、股間にバイブレーターを入れられ、陶酔した表情で大の字に縛り付けられた格好で、乳首の周りにボタンの花の刺青を彫り込まれている様子の写真が映し出された。ピアスが貫通している乳首のアップ写真や、乳房に刺青の針が刺される瞬間の写真など、真っ赤なボタンの花が両方の乳首周りに彫り込まれて行く様子が克明に掲載されていた。
その次には、尻を高く天に突き出し、四つん這いに縛り付けられた格好の由美子が映し出された。その尻の露になってしまっている肛門周りにボタンの花と、そこから尾?骨に向かって生える様に2本の巨大な男根の刺青と、更にその尾?骨の所に大きく「淫乱」という黒い文字の刺青を彫り込まれている様子の写真が現われた。それは、由美子の肛門のひだの一つ一つが、よく見えるまでクローズアップされていた。恥丘の男根と合わせ、3本もの男根を生やすようになり、見るからに変態な女の体になって行くさまが、ありありと映し出されていた。
次に現われたのは、手術台の上で大の字に縛られた由美子の写真だった。大きな注射器を構えた白衣を着た人物が映し出されると、由美子の恥ずかしい股間と乳首が大きくクローズアップされた。続けて、なんとその大きな注射器の針が由美子の乳首とクリトリスに次々に刺された写真が映された。そして、そこから注入される大量のシリコンにより、それらが巨大にされていく様子が、つぶさに映し出されていった。さらに、そのシリコンにより巨大化したクリトリスに3個の8G のリングピアスが、取り付けられていく様子や、乳首のピアスを利用しストレッチャーを付けられ、それによりシリコンにより肥大化している乳首が更に牛の乳首のように引き伸ばされていく様子が映し出された。これらの改造のため、今では由美子の乳首とクリトリスは、なんと子供のペニス大になってしまっていた。その為、ブラジャーは、中心に穴を開けたものしか付けられなかった。それでもブラジャーから飛び出した乳首が上着にこすれると、たまらない刺激が由美子を襲った。また、パンティーは、擦れてしまって着けられなくなっていた。
ラビアへのピアスの様子も、それがプレイを重ねるごとに一対ずつ増やされ、ピアスの太さも拡張されていく過程が、由美子の恥ずかしく改造されている股間がアップにされながら、克明に映されていた。ラビアのピアスも今では4Gの太さになり7対もぶら下げられていた。そのピアスの重みでラビアも引き伸ばされてしまい、今では股間に収まりきれず常にはみ出した状態のままになってしまった。また、気をつけないとピアス同士が当たってガチャガチャと音が鳴ってしまうため、常に意識して歩かなければならなかった。
Kが、一通り写真を写し終えた。
「どうだ、世界中の人にインターネットを通じ、恥ずかしく改造された肉体や、陶酔している顔を見られている感想は。」
Kは、パソコンのマウスをクリックしながら言った。
「そ、そんな、、、ひどすぎます、、、」
自分の恥ずかしい体や、顔までが隠されもせず、ハッキリと映されているなんて、、、。
もしも、知っている人に、このサイトを見られてしまったら、、、。
最後に、まだ何もされていない始めの頃の由美子の全身が映し出された。
「あの頃は、普通の主婦だったな。今では、主婦どころか普通の女性では考えられないような厭らしい肉体に成り果てたな。」
ディスプレイの隣の大きな鏡に現在の、変わり果てた由美子の肉体が映っていた。
由美子は、今更ながら完全にマゾ奴隷の厭らしい肉体に改造されてしまった事を思い知らされた。さらに、その過程を、誰とも分からない世界中の人に見られていたなんて、、、。こんな恥ずかしい体の、更に最も恥ずかしい部分をすみからすみまで、しかも顔までも見られていたなんて、、、。そう思うと、由美子の心の奥底から止め処ないマゾの血が湧き出してくるのを感じた。
「ハゥゥゥ、、、」
由美子は、バイブレーターで後ろの穴を刺激され続けていることもあり、声を漏らした。
「そろそろ、再開するか。」
そう言うと、Kは再び、極太のバイブレーターを手に取り、由美子の厭らしく改造された部分をなぞる様に、刺激し始めた。
「アィィィ、、、、」
由美子は、体を仰け反らせた。
「さあ、これが、欲しかったら、さっきの誓いを言ってみろ。」
既に由美子は、マゾのスイッチが入ってしまっており、冷静な判断など、できなかった。
それより早く、絶頂感に達したかった。
「そ、剃り上げた額に、刺青を入れて下さい。」
ついに由美子は、その言葉を言ってしまった。
極太のバイブレーターが挿入されると、縛られたまま腰を浮かせ仰け反りながら、激しい絶頂に達した。
「あヒィー、いくぅー、、、」

由美子が正気に戻ると、相変わらず鏡の前で全裸のまま椅子に縛り付けられていたが、今度は、頭も動かないようにロープで固定されていた。
Kは何やら、準備していた。
由美子の前に、バリカン、剃刀などが並べられていた。
「約束通り、その額にマゾの刻印を彫り込んでやるぞ。」
Kに言われ、由美子は焦った。
「か、勘弁して下さい。そんな事されたら、夫に隠しきれないわ。」
由美子は、一時の快楽のために口走ってしまった事を後悔した。これまでは、服の下に隠れる改造だったが、額に刺青なんて彫られたら、夫に隠しようもないと思った。それにもう普通の人間ですらなくなってしまうような気がした。
「額の髪を剃った部分に入れるから、カツラでも付ければ隠せるだろう。」
「そんなところに刺青だなんて、もう人間じゃなくなってしまうわ。」
「何を今更そんな肉体で言っている。もうすっかり普通の主婦どころか、どんな淫乱な女以上の肉体じゃないか。」
「う、、、」
由美子は、自分の変わり果てた肉体を見ながら、声が出なかった。
「額に刺青を入れるのに、まず、頭の毛を剃り上げ坊主になってもらう。由美子のその美しい髪が少しもったいないがな。」
Kはバリカンを構えて言った。
  1. 2014/09/05(金) 10:28:17|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第8回

Kは容赦なく、バリカンを由美子の額にあてがった。
ビィーンというバリカンの振動が由美子の頭に伝わった。
「ひぃー」
その振動に思わず由美子が声を上げた。
「いくぞ。」
そう言うとKは、由美子の額から頭頂部に向かって一気にバリカンを動かした。
由美子の髪が顔にかかり、由美子の頭に、額から縦に一筋短く刈られた部分ができてしまった。
「い、いやぁー、、、」
自分の頭頂部に出来た一筋の刈り上げ跡が鏡に映り、由美子が声を上げた。
Kはかまわず、バリカンを動かし続けた。
由美子の自慢だった、胸まであるサラサラで栗色のロングヘアーが次々に刈られていった。刈り取られた由美子の髪が、由美子の顔や身体に降り注ぎ、床一面、由美子の刈り取られた髪で一杯になっていった。
あぁ、わたしの髪が、刈られてゆく、、、。由美子は、床に広がる自分の髪を見つめ、ただじっと耐えるしかなかった。
不意に頭に冷たいものを感じた。
鏡に目をやると、頭に白いシェービングクリームが付けられていた。
「観念したようだな、これから頭を剃り上げるぞ。邪魔だから頭を固定しているロープを外すが、動くんじゃないぞ。剃刀で切れるからな。」
ゾリゾリという音と共に、由美子の頭が剃り上げられていった。
それは由美子にとって、もちろん初めての感覚だった。
「これからは、毎日、自分で剃るんだ。それがマゾ奴隷としての日課だ。」
自分で剃る、、、。そんなことが出来るのかしら。由美子は、そのときは、ただ呆然としながらそう思った。
由美子の頭を剃り終えると、Kは由美子の頭をタオルで拭いた。
鏡に、つるつる頭になった由美子の顔が映っていた。
「こ、これがあたし、、、」
由美子の清楚な顔立ちには、とても似合わない青白くつるつるに剃りあげられた頭が光っていた。しかし、厭らしく改造された肉体に目を移すと、間違いなく自分であると確認させられた。
呆然となっている由美子に、関係なく、Kは何やら、チューブから搾り出し、つるつるに剃りあげた由美子の頭にすり込み始めた。
由美子の頭皮をヒリヒリと沁みるような刺激が襲った。
「これがなんだか分かるな。」
Kは由美子に、赤いチューブを見せた。
由美子は愕然とした。
「や、やめてください。そんなことしたら、一生、髪の毛が生えなくなってしまいます。」
それは、Kが特別に入手していたドイツ製の強力な脱毛剤だった。
既に、由美子は、恥丘の陰毛処理に義務付けられ、恥丘は、永久脱毛状態となっていた。
「この薬、よく効くだろう。それは、お前がよく分かっているな。もうあそこの毛は生えてこなくなってしまったものな。おかげでそこに彫り込まれた厭らしい刺青も隠すことが出来ないものな。」
そう言いながらも、Kは容赦なく脱毛剤を由美子の頭にすり込んだ。
「マゾ奴隷に、美しい髪など必要ない。一生ツルツルのままにされた頭に、厭らしい刺青。それがマゾ奴隷にふさわしい頭だ。それに刺青を隠すのにどうせカツラを付けるんだ、スキンヘッドのほうがいいだろう。これからは、毎日、自分で頭の脱毛処理も行うんだぞ。」
「そ、そんな、、、。惨過ぎます。」
そう言いながらも、これまで、肉体の改造と快楽を繰り返し何回もすり込まれてきた由美子は、心の奥底からまたしてもマゾの血が湧き出してくるのを感じた。
あぁ、、、。今度は、頭の髪の毛まで永久脱毛されて、一生このツルツルの頭にされようとしている。更に、この上、Kは額に刺青まで入れると言っている。今度はこれまでと違い、服で隠せない部分の改造だわ。また一線を越えて、取り返しの付かないことをされてしまうのね。
「うぅ、、、」
そう思うと、由美子は、股間が濡れてくるのを感じた。
  1. 2014/09/05(金) 10:32:16|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第9回

Kは、由美子の変化を見逃さなかった。
「何を言っても、体は、正直だな。自分のツルツルにされた頭を見て、あそこが濡れ始めているじゃないか。そうやって、肉体を厭らしく改造されるたびに、快感を覚えるマゾ奴隷にすっかり成り果てたな。」
「うぅ、、、。言わないでください、、、」
由美子は、またしてもマゾのスイッチが入ろうとしていた。
「これが欲しいんだろう。」
Kは、淫汁で厭らしく光るピアスと刺青で飾られた由美子の前後の穴に、愛用の直径5cmもある極太のバイブレーターを挿入した。
「あ、ひぃぃぃー」
由美子は、思わず仰け反り、腰をガクガクと激しく前後に動かした。そして、鏡に映っている、頭の先から股間まで、厭らしく改造され尽くされた自分の肉体を見つめながら、マゾの快楽へと果てて行った。

由美子が、正気に戻ると、シャワーを浴びせられた。
頭を洗うと、そこにあるはずの髪の毛がなく、代わりに妙に違和感のある、ツルツルの頭皮があった。あぁ、もう自分の髪を洗うこともなくなってしまうのね。そう思うと、自分の胸まであった自慢のサラサラのロングヘアーがひどく懐かしく感じられた。とうとう、頭の髪の毛も奪われツルツルにされてしまったわ。Kは更に、額に刺青まで入れると言っている。由美子は、これまでと違い、服で隠れない部分の改造に、恐怖を覚えた。そんなことをされたら、とても夫に隠し通せないわ。それだけは、何とか勘弁してもらわないと。
由美子が、バスルームから出てくるとKが、
「そのツルツル頭、厭らしい胸や股間、尻とバランスがとれて、更にマゾ奴隷らしくなったな。」
由美子は、恥かしくなり、頭もタオルで隠した。
その後、服を着るように言われ、このまま額に刺青を彫られてしまうのかと思っていた由美子はホッとした。
頭以外、来た時の状態に戻った由美子に、Kは、カツラを渡した。
「これを着けろ。」
由美子はスキンヘッドにされた頭に、そのカツラを着けてみた。ツルツルの頭皮に妙にフィットした。
  1. 2014/09/05(金) 10:33:23|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第10回

そのカツラは、K好みの、ストレートボブのカツラだった。
由美子が鏡で確かめて見ると、極端にストレートが強調された髪で、眉毛とあごのラインでぷっつりと真っ直ぐにカットされていた。髪の色は、赤が強く入ったかなり明るい茶色で光線の加減によっては、真っ赤な髪に見えた。髪形、髪の色共に、かなり派手で、普通の主婦がするようなヘアースタイルではなかった。清楚な顔立ちの由美子には、似合わず、これで濃い化粧でもすれば、娼婦のような髪型だった。
「これでは、派手すぎます。夫にカツラだと分かってしまうわ。」
「マゾ奴隷に、自分の髪型を選ぶ権利などない。普通の主婦ならしないような、赤い髪の派手な髪型が、淫乱な由美子にお似合いだ。これからは、夫の前でもずっとそのカツラでいろ。カツラの下の脱毛処理も毎日やれよ。」
「そ、そんな、、、」
由美子は、ツルツルのスキンヘッドのまま帰る訳にもいかず、そのカツラで帰った。
帰り道、その真っ赤な極端なストレートボブの由美子の頭は、人目を引いた。普通の主婦の服を着た由美子のその頭は、かなり浮いていたが、まさか誰もその下がツルツルのスキンヘッドだとは、思わなかっただろう。
その晩、家に帰ると、出張中の夫から珍しく電話があった。最近外出が多くなった由美子の様子を伺うだけの電話だったが、髪型を変えたことを夫に伝えた。最近、髪を伸ばすと言ってサラリーマンには似合わないような長髪にしていた夫も、時間が空いたので出張先で髪を切ったとのことだった。
週末、夫が帰ってくると、
「随分と、派手な髪型にしたな。」
美容師に進められてと言い訳をしたが、カツラだとは気づかれなかったようだった。
それより、出張先で髪を切ったという夫の髪型の方がカツラのように見えた。
夫の顔にも何か違和感を覚えたので、よく見ると、眉が女の人のように細く整えられていた。また、元々、夫は色白い方だったが、最近、更に肌の色が白くなったように感じられた。
夫に聞いて見たかったが、自分の頭についても問い詰められると困る今の由美子にとって、何も聞けなかった。
夫の方も、それ以上、由美子に関心を示さなかった。
家で寝るときなども常にカツラを付けなければならない事は、つらかったがそんな生活も次第になれていった。服装や化粧も派手な赤い髪の髪型に合わせ、次第に派手になって行った。
頭の髪の毛の脱毛処理は、一度脱毛剤をすり込まれた由美子の頭皮からは、斑にしか髪の毛が生えてこない状態だった事と、また、脱毛処理を行っておけば、額への刺青は勘弁してもらえると思い、嫌だったが仕方なく続けた。
その後、何度かKから呼び出され、改造されたマゾの肉体を、散々責められたが、額の刺青のことは切り出されず、安心していた。
すっかり由美子の頭の髪の毛が脱毛剤で脱毛され尽くされ、完全に永久脱毛の状態になったころ、ついに額に刺青を入れると宣告されてしまった。
  1. 2014/09/05(金) 10:34:29|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第11回

その日は、化粧もすべて落としカツラも外され全裸のまま椅子に縛り付けられていた。
頭も動かないよう、固定されていた。
あの時と同じ状況に、由美子は不安を感じた。
「今日は、約束通り、由美子のこの額にマゾ奴隷に相応しい刺青を彫りこんでやる。もう、まったく髪の毛も生えてこなくなった頃合だろう。」
そう言いながら、Kは剃刀を用意していた。
「額の刺青だけは、勘弁してください。きちんと髪の毛を脱毛処理したのに、、、。」
「何を今更言っている。入れてくださいと誓っただろう。約束だ。それにこの刺青の為に頭を永久脱毛したのだろう。」
「そ、そんな、、、」
「まずは、その邪魔な眉毛を剃り上げるぞ。」
そう言うと容赦なく、Kは、由美子の細く整えられた眉毛に剃刀をあて、ゾリッと一気に剃ってしまった。
「ヒィー」
思わず声を上げてしまった由美子を尻目に、Kは例の赤いチューブの脱毛剤を剃り上げた眉のところにすり込み始めた。
剃り上げられた眉のところが、ヒリヒリと沁みた。眉毛まで永久脱毛しようというの、、、
「今度は、眉毛の永久脱毛だな。これで、体中からすべての髪の毛がなくなるわけだ。眉のなくなった自分の顔を見てみるか。」
そう言うとKは、由美子の前に鏡を持ってきて、由美子の顔を映した。
由美子が、鏡を覗き込むと、そこに髪の毛も眉毛もない宇宙人のような顔が映っていた。
「こ、これがあたし、、、」
スキンヘッドで眉までなくなった顔は、もはや人間離れしていた。
「ここに大きく、マゾの刻印を刻んでやる。」
そう言うと、Kは由美子の額の上を丸く示した。
  1. 2014/09/05(金) 10:35:27|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第12回

髪の毛や眉毛まで奪われ、こんな顔にされた上に、額に刺青まで、、、。どんな刺青か想像もつかないが、またとんでもなく厭らしい刺青を彫り込まれてしまうのだろう。あぁ、また一生元に戻すことの出来ない取り返しのつかないことをされてしまうのね。そう思うと、由美子の心の奥底から、マゾの血が沸きあがってくるのを感じた。
「うぅ、、、」
由美子は目線がうつろになりながら、声をもらした。
「なんだかんだ言っても、いざ改造を始められるとマゾとしての感情を抑えられないようだな。」
そう言いながら、Kは、いつもの極太のバイブレーターを由美子の後ろの穴に挿入した。
「あぁ、、、ひぃー」
更に、Kは、もうひとつの極太バイブレーターで、由美子の厭らしく引く伸ばされた乳首やクリトリス周りを刺激した。
そんな、Kの責めが続いた。
しばらくすると、由美子は、後ろの穴からの容赦のない刺激とKのひつような責め、更に、これから行われてしまう自分の額へのマゾの刻印の事を思い、すっかりマゾの快楽の中に浸かって行った。
そんな時、一人の見覚えのある人物が入ってきた。
由美子の体にいくつもの、マゾの刻印を彫り込んだ刺青師だった。
彫師は、Kに軽く会釈をすると、淡々と準備を始め、固定されている由美子の頭に下絵を描き始めた。
その間も、由美子は、Kに責められ続けたが、前の穴には、何も与えられなかった。
その為、由美子の股間は淫汁でグッショリとなり、まるで別の生き物のように由美子の巨大な花芯がヒクヒクとうごめいていた。
彫師が下絵を描き終えると、これで良いかという表情でKの方を見た。
Kが肯くと、彫師が由美子に問いかけた。
「これから、顔に墨を入れますが、本当に良いのですね。」
すっかりマゾの感情に支配されてしまっている由美子にとって、更にとんでもなく取り返しのつかない事をされるというのは、ただ興奮をあおるだけだった。
「は、早く入れてー、由美子にもっと厭らしい刻印を刻み込んでぇー。」
彫師の刺青の針が由美子の額に刺さると同時に、由美子の前の穴にバイブレーターが挿入された。
「い、いくぅーーーー!」
激しい絶頂が由美子を襲った。

その後も、自分の額に刺青を彫り込まれる針の痛みと振動が由美子を襲った。
あぁ、ついに額にまで刺青を入れられてしまっている。そう思うと、前後の穴から来るバイブレーターの刺激と相まって、その刺青を入れられる針の痛みも、快感へと変わっていき、何度も絶頂に達し、刺青を彫られている間中、マゾの快楽の中にどっぷりと浸かって行った。
  1. 2014/09/05(金) 10:36:29|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第13回

由美子が、正気に戻ると、もう刺青師はいなかった。
由美子は、まだ全裸のまま椅子に縛り付けられていたが、頭の固定だけは外されていた。
「随分とした、気のやりようだったな。自分の額に取り返しのつかないマゾの刻印を彫り込まれているというのに、それで行ってしまうとは、相当な変態マゾと成り果てたな。」
Kに、そう言われ、次第に由美子は、冷静さを取り戻してきた。
そういえば、ついに額に刺青を入れてしまったのだわ。なんと、とんでもない事をしてしまったのだろう。そう思うと、恐怖のあまり、次第に体が震えてきた。
「立派なマゾの刻印が入ったぞ。」
そう言うと、Kは由美子の前に鏡を持ってきた。
由美子は、恐ろしくて、顔を上げられなかった。
「自分の目で、新しい自分のマゾ奴隷の顔を見てみろ。」
そう言うとKは、由美子の頭を鏡の方に向けさせた。
由美子が、恐る恐る目を開け、鏡を覗き込むと、もう見慣れてしまった、厭らしく改造され尽くされた由美子の体が見えた。
更に上に目を移すと、そこには、信じられないような文字がクッキリと刻み込まれた顔があった。
「い、いやぁーーー!」
由美子は、ショックのあまり、泣き伏せてしまった。
それは、由美子の眉の部分から髪の毛のあった部分にかけて、額いっぱいに彫り込まれていた。赤い字の輪郭を黒く縁取りした文字が、額の左側に「牝」右側に「豚」と彫り込まれていた。
「由美子のような、淫乱なマゾ女にぴったりの刺青だ。これからは、一生、額に牝豚と刻印された顔で生きていくんだ。その恥ずかしい額の刺青を何とか隠しながら、普通の日常生活を送ることが、マゾとしての嗜みになる。」
Kは、由美子の落ち着くのを待ってから、由美子にシャワーを浴びて、今日は帰るように言った。

シャワーを浴びながら由美子は、額に刺青の彫り込まれた自分の顔を、鏡でまじまじと見た。額に普通の女であれば、耐えられないような2文字がクッキリと彫り込まれていた。眉も全部剃り上げられて、無くなってしまっているため、余計に顔の中で刺青だけが強調された。また、刺青の部分の皮膚が盛り上がっているのが生々しかった。
ついに、こんな恥ずかしい刺青を、額にまで彫られてしまったわ、、、。
鏡に映る髪も眉もない額に、大きくクッキリと「牝豚」と刺青された自分の顔を見ながら、自然と由美子の手が、自分の改造されつくした胸と股間に行った。
「んぁー、、、」
心の底から湧き出す感情を、止めることが出来なかった。
こんな事をされて、感じてしまうなんて、、、。
由美子は、身も心も、すっかりマゾ奴隷として調教されてしまったことを感じた。
  1. 2014/09/05(金) 10:37:34|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第14回

由美子は、バスルームから出ると、帰る身支度を整え、カツラをつけた。
鏡で自分の顔を確認すると、額の刺青が眉の部分から入れられている為、カツラの前髪の下からチラチラ見えた。
「カツラだけでは、隠すことが出来ないわ。」
由美子が、焦って言った。
「刺青が隠れるような、厚化粧でもして、隠せばいいだろう。」
最近、化粧が派手になったとはいえ、普段、由美子が持っている化粧直しの道具では、隠しきれなかった。今日は、この状態のまま帰るしかなかった。

由美子は、家に帰る間中、手で前髪を押さえながら帰った。そうでなくとも、目立つ赤い髪の髪型で、多くの人目を引いた。しかし、その赤い髪の毛の下に、とんでもないものが刺青されているとは、誰も想像できなかっただろう。
由美子のすぐ脇を自動車が通り過ぎたとき、風で前髪が跳ね上がった。とっさの事で、手で押さえるのが遅れた。丁度その時、向かいから来る青年と目が合った。青年はビックリしたような顔で、由美子の方を見ていた。「み、見られたわ、、、」由美子は、真っ赤な顔になり足早に、駆け去った。自分のマゾの刻印を直接第三者に見られたのは、これが初めての経験だった。

由美子は、家に帰ると、鏡の前で化粧を始めた。
なかなか額の刺青が隠せなかった。これまでした事のなかったような厚化粧で何とか刺青を隠すことが出来た。眉毛もなくなってしまっていた為、すべて眉墨で描いた。それが、余計に厚化粧を強調させた。
これからは、ずっとこんな厚化粧でいないといけないのね、、、。夫になんと言い訳すれば、いいのかしら。

その翌日、夫が、出張から帰ってきた。
由美子の厚化粧を見ても、何も言わなかった。
最近の夫は、更に由美子に無関心のように見えた。
夫は、相変わらずのカツラのような髪型で、眉はますます細くなっているように思えた。また、顔の色もますます白くなり、気のせいか、元々薄いほうだった髭もほとんどなくなってしまったように見えた。そういえば、夫が朝、ひげを剃るのを見かけなくなった。体も少し太ったように見えた。どこか、体でも悪いのかしら。
新たに厚化粧になった自分の事を問い詰められるのが怖かったので、それでも、由美子は、夫に何も聞けなかった。
夫の方も、由美子の前で着替えるところなどまったく見せなくなり、由美子のことは何も聞かないから、自分にもかまわないでくれといった様子にも感じられた。
この時、きちんと夫と話しておけば良かったと、後に後悔する事になるなど、その時の由美子は思いもしなかった。
その時の由美子にとって、夫が、まったく由美子に関心を示さないでいてくれた事が、かえって、気兼ねなくKの肉体改造調教を受けられた。
そのころの由美子は、家でも、夫が出張でいない時には、鏡の前で裸になり、自分の厭らしく改造された肉体を鏡に映しながらオナニーをする事が習慣のようになっていた。
その後も、Kの由美子への肉体改造調教は続けられ、ピアスサイズのゲージアップや局部の拡大などが行われた。
額の刺青も、始めのころは厚化粧で隠すのも大変で、夫がいる夜などは寝るときも厚化粧を落とすことが出来ず、夫がいないときでも、家から一歩でも外に出るためには厚化粧をしなければならないのが負担だったが、そんな厚化粧の生活にも慣れ始めた。
丁度そのころ、突然、夫が出張先から戻らず、行方不明になってしまった。
  1. 2014/09/05(金) 10:39:10|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第15回

由美子の夫、一郎が出張先から、帰宅予定日を数日過ぎても、家に戻らなかった。
最近、由美子に対して何の関心も示さなくなった一郎だったが、由美子に言った帰宅予定日にはきちんと帰宅して、連絡も無しに家に帰らないことなど、これまでなかった。
由美子は、一郎の勤め先にも問い合わせたが、会社の方でも、一郎の消息をつかんでいないとの事だった。
一郎が、最後に出張に行ったのがフィリピンと聞いていたので、テロか何かに巻き込まれていなければいいがと心配した。
しばらくの間、一郎が行方不明になった事で、一郎の勤めている会社や、警察、役所などに行かなくてはならず、忙しかった。由美子の心配をよそに、どこも一通りの事務手続きを完了すると、特に一郎を探してくれる訳でもなく、ただの失踪事件として処理されてしまい、それで終わってしまった。
それよりも、どこへ行っても、派手な赤い髪をした濃い化粧の由美子を、じろじろと見られ、由美子は自分の本性を見透かされているのではないかと思い、その方が、辛かった。
近所からは、「奥さんが、あんな淫乱丸出しみたいになって、どこかに男でも作ったから、旦那さんが、逃げ出したんじゃないの。」という、噂が聞こえてきた。確かに、これまでは清楚で奥ゆかしい美人の奥さんで通っていた由美子が、最近では、けばけばしい赤い髪で、化粧まで濃くなり、由美子は、奇異のまなざしで見られていた。
一郎が、失踪してからも、Kの由美子に対する肉体改造調教は続けられた。
由美子は、一郎のことが心配だったが、次第にその事にも慣れ、逆に、夫がいなくなったおかげで、家で由美子の改造された体を隠す必要もなく、家でも、気兼ねなく、マゾの快感に浸れる事が出来た。
そんな、夫のいない生活に、馴染んだころ、Kから、SMクラブで、住み込みで働くように言われた。
  1. 2014/09/05(金) 10:40:07|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第16回


「もう、夫もいなくなったのだから、家に帰る必要もないだろう。知り合いのSMクラブで、人妻マゾ奴隷として、働いてもらおう。」
「わたしまで、いなくなったら、近所や、親戚になんと説明すればいいの。そうでなくとも、変な噂が立っているのに、、、それに、SMクラブなんて、なんだか怖いわ。」
由美子は、Kの突然の申し出に、困惑した。
ここで、わたしがいなくなったら、それこそ男と駆け落ちしたとでも思われかねないわ、と思った。また、SMクラブというところが想像もつかず、怖かった。
「しばらく夫を、探しに行ってくるとでも言っておけ。それより、SMクラブに行けば、由美子の大好きな、マゾの快感が一日中、楽しめるぞ。」
「そ、そんな、、、」
最近、マゾのスイッチが入ってしまうとブレーキの効かない由美子にとって、一日中マゾの快感に浸れるという言葉に、心の中で、沸き立つものを感じた。
「これまで、由美子の改造に随分と金が掛かったからな。沢山稼いでもらうぞ。今の由美子の変態で、すっかりマゾ奴隷として改造された肉体なら、沢山稼げる。最後の仕上げの改造にも、金が必要だからな。」
由美子は、Kの言った最後の仕上げの改造という言葉が気になった。
これ以上、どこを改造するというのだろう。
確かに、これまで、額への刺青以来、刺青こそ増えていないものの、ピアスと局部の拡大は、続けて行われてきた。
乳首とクリトリスの3つのピアスは、それぞれ4Gにまで拡大され二度と外せないようボール状の接合部が接着剤で固められていた。また、由美子の恥ずかしい女芯は、大きさも小さめのペニス大にまで肥大させられていた。ラビアの7対のリングピアスに至っては0G の大きさまで拡大されこれも外せないよう接着されていた。この他に、尻、肛門周り、恥丘、乳首周り、額の厭らしい刺青により、誰が見てもこれ以上ないくらい十分、淫乱なマゾ奴隷に改造されていた。

その後、由美子は、KのいうSMクラブで、人妻マゾ奴隷として働きだした。
由美子が、人妻であるのにも関わらず、夫に秘密で、淫乱なマゾ奴隷の肉体に改造されているというのが、大変、人気を呼んだ。
それから数ヶ月たち、由美子もすっかりSMクラブでマゾ奴隷として慣れたころ、Kに連れ出され、最後の仕上げの改造をすると告げられた。
  1. 2014/09/05(金) 10:41:05|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第17回

深夜、Kに車で、由美子も見覚えのある病院に連れてこられた。
前に、由美子の乳首とクリトリスにシリコンを注入された病院である。
「こ、ここは、いやです、、、」
由美子は、この病院で、また何をされるか分からず恐怖を感じた。
「ここで、由美子にマゾ奴隷として、仕上げの改造を施すんだ。それとも、そのカツラとコートをとって、外に放り出してやろうか。」
Kは、由美子のカツラの前髪を跳ね上げて、由美子の額に刻まれた恥ずかしいマゾの刻印を、露わにさせながら言った。
由美子は、カツラとコートしか身に着けていなかった。
「そ、それだけは勘弁してください。」
由美子は、いやいやKの後に続いて、病院に入った。深夜の病院は人影もなく、ほとんどの明かりが消えていて、ひっそりとしていた。診察室と書かれた、一部屋だけが、明かりが点いていた。
その部屋に入ると、白衣を着た見覚えのある医師が現れた。
「久しぶりですね。」
その医師が、無表情に言った。
由美子は、俯いたまま、何も答えられなかった。
「あれから、どうです。」
由美子は、相変わらず俯いたままだった。
「クラブでいつもやっているように、お前の見事な体を披露してみろ。」
Kがそう言うと、由美子のカツラとコートを奪い去った。
由美子の恥ずかしい体が、露になった。
「い、イヤァ、、、」
由美子は、思わず手で額と胸を隠した。いつものSMクラブと違い、一人の目の前で、こうこうと明かりの点いた部屋で裸になり、改造されつくした恥ずかしい体を見られるのが恥ずかしかった。しかし、体中に施されたマゾの刻印は、由美子の二つの手だけでは隠しきれなかった。
「随分と、派手にやりましたね。」
白衣の医師が、由美子の隠す手から溢れている、股間のピアスや、そこから生えたように刺青された厭らしい男根、乳首周りのボタンの刺青、額の牝豚の刺青など、マゾ奴隷としての刻印の数々を見ながら言った。
「もっとよく見せてやれ。」
そう言うと、Kが由美子の腕を後ろにやって、掴んだ。
「あぁ、、、」
由美子は、もじもじと体をくねらせた。
医師は、かつて自分がシリコンを注入した由美子の乳首とクリトリスに手を当て、そこに貫通している極太のピアスを指で摘んだ。
「うぅ、、、」
敏感な部分をいじられ、由美子の体に、そこから電気が走った。
「あれから、随分と大きくしましたね。ここまで大きくしたのは、なかなか見たことがない。」
いまでは、ペニス大にされしまった、由美子の乳首とクリトリスをいじりながら医師が言った。
「あぁ、、、」
由美子は、医師にまじまじと言われ、更に恥ずかしくなった。
由美子の観察を終えると、医師が注射器を手に取り、アンプルビンから何かの薬を注射器に吸い上げた。
「問題ないようですね。用意は、出来ています。そろそろ始めますか。」
医師がそう言うと、その薬を由美子の腕に注射した。
次第に、由美子の意識が遠くなった。
「次に、目覚めるのを楽しみにしていろ。」
不気味なKの声が、由美子の薄れる意識に中で聞こえた。
  1. 2014/09/05(金) 10:42:13|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第18回

由美子が、目覚めると、病室のようだった。
由美子は、病室の中でベッドに寝かされていた。まだ、頭の中がボーっとしていた。鼻の部分に鈍い痛みと異物感を感じた。手をやってみると鼻を隠すように頭に包帯が巻かれていた。
しばらくすると、看護婦が入ってきて、由美子の頭に巻かれた包帯を取り、鼻に何か処置をして、また包帯を巻いて出て行ってしまった。
由美子の頭にはカツラはなく、看護婦に由美子の額の恥ずかしい刻印を見られたはずだが、看護婦は、あまりに無表情で淡々と処置をして出て行ってしまった。
由美子は、額の刻印を隠す事も出来ず、頭に包帯を巻かれた状態で、しばらくその病室に入院させられた。
由美子は、自分の鼻にいったい何をされたのか、分からなかった。怖くて自分で包帯を外し、鏡を見ることも出来なかった。
いったい自分の鼻に何をされてしまったのかしら。不安のまま、その病室で過ごした。

鼻の異物感も、痛みもすっかりなくなったころ、Kが現れた。
「今日で、退院できるそうだ。包帯も取って良いそうだ。」
カツラとコートを渡され、病院に連れてこられた格好で、その病院を、後にした。
由美子は、頭に包帯を巻いたまま、Kのマンションに連れてこられた。
部屋に入ると、Kは、由美子のコートとカツラを取ると、全裸にした由美子に、愛用の極太のバイブレーターを前後の穴にいきなり挿入した。
「うぅ、、、」
病院では性的な刺激が何も無かった為、由美子にとっては、久しぶりに味わう刺激だった。
「どんな風に出来たか、楽しみだな。」
そう言うと、Kは、由美子の頭の包帯を外しだした。
「おぉ、よく出来たな。額の刻印に相応しい。」
Kは、感心したように言った。
由美子は、自分の鼻に何かが、ぶら下がっているような重みを感じた。
一体何をされてしまったのかしら、、、。鼻に感じる重みから、鼻にピアスでも通されたのかと思ったが、ただのピアスだけで何日も病院に入院させられる筈が無いと思った。
  1. 2014/09/05(金) 10:43:15|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第19回

Kが、由美子の前に鏡を持ってきた。
「さあ、新しい自分の顔を確認してみろ。」
そう言うと、Kは俯いている由美子の顔を、鏡の方に向けさせた。
由美子は、恐る恐る鏡を覗いた。
「こ、これが、あたしなの、、、」
あまりに変わり果てた自分の顔が信じられなかった。
「どうだ、牝豚の顔にされた感想は。」
鏡には、もう見慣れてしまった、自分のスキンヘッドの頭と、その下の額に刻印されている牝豚という赤い字の刺青が映っていた。しかし、その更に下に目を移すと、見慣れない鼻が映っていた。鼻には太さが1cmもあろうかという大きなリング状のピアスがぶら下がっていた。それより、そのあまりに変形した鼻に、由美子は、まさかこれが自分の鼻だとは信じられなかった。その鼻は、鼻の穴が十円玉位に大きく、鼻の付け根の部分が盛り上がり、鼻の先が上を向いてしまっているため、大きな二つの鼻の穴が完全に前を向き、まるで豚の鼻のように変形されていた。
由美子は、その鼻にぶら下がっている極太のピアスを引っ張ってみた。鈍い痛みと共に自分の鼻が引っ張られる感覚があった。間違いなく、自分の鼻だった。
「あぁ、、、ついに、こんな豚のような鼻にされてしまったのね、、、」
由美子は、不思議と涙も出なかった。
それより、心の奥底からマゾの血が湧き上がってくるのを感じた。
もう、普通の主婦どころか、人間でさえなくなってしまったわ、、、こんな顔にされてしまっては、普通の社会生活も出来ない、、、。もう、この世界だけで生きていくしかないのね、、、。
そう思うと、由美子は、何かが吹っ切れたような気がした。
「うぅ、、、あぁぁぁ、、、」
由美子は、鏡に映る自分の変わり果てた顔を見つめながら、腰を大きく動かし、挿入されているバイブレーターを、自分で激しく前後に動かしだした。
「もう、由美子は、人妻でも女でもありません、一匹の淫乱な牝豚ですぅ、、、」
そう言いながら、ガクガクと全身を痙攣させながら、際限の無い絶頂を極めていった。

その後、由美子は、SMクラブに戻された。
SMクラブに戻った由美子は、積極的に自ら快楽をむさぼった。人妻としての恥じらいを失ってしまった由美子は、クラブでの人気も落ちてしまった。これまで、人妻が夫に隠れて、淫乱な欲求を抑えきれず、恥ずかしい肉体に改造されてしまったことが受けていた。その底辺には、常に人妻としての恥じらいがあり、それが人気の元だった。
しかし、牝豚の顔にされてからの由美子は、羞恥心も無くなり、ただ自ら淫乱な欲求を積極的に満たすだけだった。由美子のあまりに、人間離れした肉体改造だけが目立ち、逆に客を白けさせていた。
そんな時、Kは、由美子をある人物に引き合わせた。
  1. 2014/09/05(金) 10:44:03|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第20回

その日、由美子は、久しぶりに赤い髪のカツラと、普通の服を着させられた。顔には恥ずかしい鼻を隠すようにマスクをされた。
見知らぬ、マンションの一室に通された。
しばらくすると、胸まである金色のウエーブのかかった髪に、黒の網タイツと黒のボディースーツ、派手な化粧をした、いかにもSMの女王様風の女性が入ってきた。
「やっと会えたわね、由美子さん。」
その女性が言った。由美子の全然知らない女性だった。
「わたしは、これまでのあなたのことを全て知っているのよ。その服の下や、マスクの下が、普通の主婦では考えられない、とんでもない事になっているのも知っているわ。」
由美子は、見ず知らずの女性に、自分の恥ずかしい秘密を知られていると思い、ドキッとした。
「今日は、あなたに大切な人と、会ってもらうわ。」
そう言うと、その女性は、また部屋から出て行ってしまった。
大切な人って、、、いずれにしても、こんな体にされてしまった、今の由美子にとっては、誰とも会いたくなかった。
すぐに、女性が戻ってきた。今度は、ペットでも連れているかのように、首輪をされた人物を連れてきた。
由美子は、その人物の、髪型と着ている背広に見覚えがあった。
失踪した夫に髪型が良く似ており、着ている背広も最後の出張に着ていったものと良く似ていた。顔は、俯いていて良く見えなかった。
「い、一郎さんなの、、、」
由美子が、恐る恐るきいた。
その人物がゆっくりと顔を上げ、由美子の方を見た。見た瞬間、その人物は逃げようとした。しかし、首輪につながったロープを、連れてきた女性が持っているため、逃げられなかった。
由美子は、その人物の顔をチラッとしか見えなかったが、化粧をしており、一郎ではないと思った。
「ゆ、由美子なのか、、、」
その人物の声は、一郎のものだった。
「この人は、間違いなく、あなたの夫の一郎よ。今では夫であったと言うべきかしらね。」
なんで、失踪した夫が、ここにいるの、、、。それに、この女性は、誰なの、、、。由美子は、混乱した。
「この女性は、Lといって、一郎の女王様だ。」
女王様、、、一郎さんの、、、。一体どういうことなの。由美子はますます混乱した。
「それでは、そろそろ、準備に取り掛かりましょう。」
Kが、そう言うと、一郎だという人物を連れて、そのLという女性は、また部屋を出て行ってしまった。
由美子も、別の部屋に通された。
  1. 2014/09/05(金) 10:45:02|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第21回

その部屋に入ると、由美子は服を脱がされた。そして前後の穴に極太のバイブレーターを入れるように言われた。
こんなところで、、、。夫が、そばにいるかもしれないというのに、こんなものを入れて、また自分が止められなくなってしまったら困ると思い、ためらった。
「早く入れろ、それともそのまま厭らしい体丸出しで、夫の前に出そうか。」
「そ、それだけは、、、勘弁してください。」
由美子は、仕方なく、バイブレーターを前後の穴に挿入した。
前の方のバイブレーターは、双頭の形をしており、刺青の他にも由美子の股間から、太さ10cm、長さ3,40cmもあろうかという男根が生えたようだった。
由美子がバイブレーターを挿入すると、Kは、由美子に黒いマントをかけた。カツラとマスクはしたままだったので、一応、由美子の恥ずかしく改造された部分は隠された。
黒いマントをがぶらされたまま、椅子に座らされ、手足を椅子に縛り付けられた。
由美子を縛り終えるとKは、部屋を出て行った。
椅子に縛り付けられた由美子の前に、幕が張られていた。
幕の向こうから、先ほどのLの声が聞こえた。
しばらくすると、そのLの声も聞こえなくなった。
部屋には、由美子に挿入されている二つのバイブレーターの音が響いていた。由美子のもの以外にも、幕の向こうから、同じようなブーンという音が聞こえた。
しばらくそのまま放って置かれた。由美子は、下半身から来るバイブレーターの刺激に耐え続けた。気を許すと、そのまま、快楽の中に沈んでしまいそうだった。夫が、そばにいるかもしれないのに、このまま気をやってしまいそうだった。由美子は、夫の前で自分が抑えられなくなるのが怖かった。

由美子が、限界に近づいたとき、幕が開けられ、KとLが入ってきた。
幕が開くと、由美子と同じように黒いマントをかぶった一郎が、手足を大の字にした形で立ったまま縛り付けられていた。それは、由美子の目の前、1mも無いほどの所に縛り付けられていた。
マントから出ている手足は、白くほっそりとしていた。足には黒い網タイツを履かされていた。足の爪と手の爪には真っ赤なマニキュアが塗られていた。それらは、妙に色っぽく感じられた。顔は俯いており、よく見えなかったが、まだ化粧をしているようだった。
マントに隠れている胸の膨らみも、目立っていた。これが、本当に一郎さんなのかしら、、、。
由美子は疑問に思った。
  1. 2014/09/05(金) 10:45:56|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第22回

「それでは、一郎の方から始めようかしら。」
そう言うと、Lは一郎の後ろに回った。
「この首輪、きれいでしょう。溶接してあるから、二度と外せないのよ。」
溶接って、、、。由美子も首輪はプレイの時などされているが、皮製で一時的なものだった。
一郎がされている首輪は、金属製で三角の鋲が無数についていた。
次に、Lが一郎の髪の毛を掴むと、そのまま、引き上げた。
引き上げられた髪の下から、別の長い髪の毛が出てきた。その髪は、サラサラと一郎の肩から胸にかかり、シャンプーのいい香りが漂った。
あの髪は、やはりカツラだったのね。
一郎のカツラの下から出てきた髪は、栗色で胸のところまである、ストレートのロングヘアーだった。
「どお、きれいな髪の毛でしょう。ストレートパーマにヘアカラー、ヘアパックと奥さんに隠しなら、大事に伸ばしてきた髪だものね。」
Lが、一郎のロングヘアーを手でとかしながら言った。
確かに、サラサラで艶のある女性のような髪だった。
「今の由美子さんにとっては、羨ましいでしょう。今では無くなってしまったものね。」
一郎が、驚いた様子で、チラッと由美子の方を見た。
「そ、それは言わないで、、、」
由美子は、恥かしく俯いた。
「さあ、由美子さんに、そのきれいな顔も見せてあげなさい。」
そう言うと、Lは一郎の長い髪を掴み、顔を由美子の方に向けさせた。
一郎は、派手な化粧をしていた。そう言われれば、一郎の面影が、感じられたが、長い髪といい、完全に女性としか見えなかった。
「きれいに、お化粧しているでしょう。でも、これが今の一郎の素顔なのよ。」
この派手な化粧が、素顔、、、。由美子には理解できなかった。
「この化粧は、全部、刺青なのよ。だから、二度と落とせない化粧なの。一郎は、一生、この派手な化粧の顔でいなければならないのよ。それまではカツラで長い髪は隠してきたけど、こんな、顔にされてしまっては、奥さんのところどころか、会社にも行けないわよね。だから失踪したのよ。」
一郎さんも、取り返しがつかないことをされてしまっていたの、、、。一郎の失踪の理由を告げられ、由美子は、驚愕した。
一郎は、Lに髪を掴まれているため、刺青化粧を施された顔を隠すことも出来ず、ただ恥ずかしそうに、目を伏せていた。
それにしても、あの化粧が、みんな刺青だなんて、、、。
その刺青だという化粧は、まるで娼婦がするような派手な化粧だった。
眉に毛はなく、細くつり上がった眉が描かれていた。
眉の下には瞼から眉にかけて、ブルーからピンクに変わるグラデーションのアイシャドーが濃く入っていた。
目の周りには、黒くクッキリとしたアイラインが入っていた。唇は下の唇が太く描かれ輪郭に暗い赤の入った真っ赤な唇となっていた。
あれが全部刺青だなんて、、、。もう一郎さんの、元の顔は見られないというの、、、。
「そういえば、由美子さんも、顔に刺青があるんだったわよね。」
「ゆ、由美子、、、」
一郎が驚いた様子で、由美子の方を見た。
「あなた、ごめんなさい、、、」
由美子は、ただ俯くしかなかった。
  1. 2014/09/05(金) 10:46:56|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第23回

「さあ、いよいよ一郎の恥ずかしい肉体の披露よ。」
そう言うと、Lは、一郎の後ろに回り、体にかかっているマントを取った。
想像もできないような大きな胸が現われた。
一郎は、黒いコルセットをしており、細く締め上げられたウエストと対照的に、大きな乳房が強調されていた。
「大きな、胸でしょう。シリコンの注入と薬でここまで大きくなったのよ。」
一郎の胸は、由美子のそれより大きく、バレーボール大はあろうかという、人間離れしたものだった。その乳首には、一対のリングピアスが光っていた。
Lが、一郎の大きな胸を、手で揉み上げた。
「はぁ、、、」
一郎が、女性のような声をあげ、バレーボールのような胸が大きく揺れた。
「薬って、、、」
由美子が疑問に思った。
「女性ホルモンよ。わたしのマゾ奴隷になった時から、ずっとよ。胸以外にも、肌や髪の毛も女性的になるのよ。」
確かに、一郎の髪はサラサラで艶があり、肌も白く透明感があり、今の一郎は、女性としか見えなかった。
「ウエストも細いでしょう。こうして毎日コルセットで締め上げているから、今では40cmもないのよ。」
40cmもない、、、。由美子よりはるかに細いウエストだった。大きな胸に細くくびれたウエストのプロポーションに細くすらっとした手足、胸まである長い艶のある髪、多少誇張はあるものの、今の由美子にとっては羨ましいくらいな美しい女性の肉体だった。
しかし、それら女性的な体とは対照的に、由美子の目の前に、一郎の股間から大きな一物が弧を描いて、そそり立っていた。それは、金属で出来た貞操帯から飛び出した黒い皮のカバーで包まれていた。
Lがその貞操帯の小さな鍵穴に鍵を差込み、貞操帯を外した。
「あぅ、、、」
一郎が、貞操帯の黒いカバーを抜かれる時、身をこじらせて悶えるような声を上げた。
由美子の目の前に、由美子が知っている一郎の物とはまったく違う、見たこともないような巨根が現われた。
「大きいでしょう。去勢しているから、もうこれで行くことは出来ないけど、シリコンを注入してあるから、一生この大きいままよ。でも、大きすぎて普通の女性では受け入れることが出来ないわね。」
去勢って、、、。確かにその大きな巨根の根元にあるべき、袋がなかった。
一郎の股間にそそり立っている巨大な男根は、今、由美子の股間に挿入されている双頭のバイブレーター程の大きさがあった。竿の部分にはいくつものイボイボがあり、えらを大きく張り出し、そのえらの部分に無数のバーベル状のピアスが貫通しており、先端の穴からも太いリング状のピアスが突き出ていた。それは、まるで由美子の無毛の恥丘に彫り込まれている刺青のような、卑猥に誇張された男根だった。
その巨大な男根の根元には、在るべき陰毛が一本もなく代わりに色鮮やかな蝶が描かれていた。
「この蝶の刺青は、一郎がわたしのマゾ奴隷になった証に、永久脱毛した股間に最初に入れたものよ。このおかげで、由美子さんとは寝られなくなったのよ。」
一郎さん、そうだったの。わたしとSEXしなくなったのは、仕事に疲れていたからではなかったの、、、。
Lが、一郎のその大きな男根を軽く擦り上げた。
「ひぃー」
一郎の、悲鳴と共に、ピンと巨根が反り上がった。
「そろそろアヌスからの刺激が、たまらなくなって来たのかしら。」
やはり、一郎さんもバイブレーターを入れられていたのね。一郎は、腰をこじらせていた。
「由美子さんにも、これと同じような男根がいくつも、刺青されていたわよね。」
Lにそう言われると、
「いやっ、、、」
由美子は、自分の事には触れないでといった様子で、下を向いた。
一郎は、由美子のことを気にする余裕はなくなっていた。
「そろそろ、選手交代と行きますか。」
Kがそう言うと、由美子の後ろに回った。
  1. 2014/09/05(金) 10:47:44|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第24回

Kが、由美子の後ろに回って、由美子の体を覆っている黒いマントに手をかけた。
「い、一郎さんの前では、勘弁してください、、、」
由美子が、懇願した。
かまわず、Kが由美子のマントを取り去った。
「い、いやぁーーー!」
由美子が、身をこじらせたが、椅子に縛り付けられているため、隠しようもなく、由美子の恥ずかしく改造され尽くした肉体が露になった。
前後の穴に挿入されているバイブレーターの刺激により、既に由美子の股間は淫汁でビッショリと濡れており、体中、脂汗で濡れていた。そのため、由美子の恥ずかしい部分に取り付けられた極太のピアスは妖しく光り、乳輪周りや恥丘に彫り込まれた厭らしい刺青が艶やかに浮き出ていた。
Kは、乳房や乳首、恥丘、股間、肛門周り、尻など、由美子の女性として最も恥ずかしい部分に施された数々のマゾ奴隷としての刻印を一つ一つ手に取りながら説明した。
一通り説明が終わると、Kは、由美子のカツラとマスクに手をかけ、一気にそれらを取り去った。
「だ、だめぇーーー!」
由美子は、俯いたが、スキンヘッドにされた頭や、額に彫り込まれたおぞましい文字の刺青、豚のように変形された鼻など、隠しようもなく露になってしまった。
俯いた由美子の目に、厭らしく改造された自分の胸や股間が飛び込んできた。まさか、こんな形で、夫に自分の恥ずかしい秘密を知られてしまうなんて、、、。
Kは、由美子の頭を永久脱毛し、額に厭らしい文字を刺青したこと、その刺青を彫られながら由美子が快感のあまり行ってしまった事、鼻を額の文字に相応しいように豚のように変形し0Gのピアスを付けそれが外せないように接着した事など、詳細に説明した。
「ゆ、由美子、、、」
一郎が、上気した表情であったが、あまりの妻の変わりように驚いて様子で言った。
「あなた、、、」
由美子は、ただ俯いていた。

二人は、そのままの状態で、しばらく放って置かれた。
その間、二人をバイブレーターの刺激が容赦なく襲った。
「うぅ、、、」
一郎が、悶えた様子で声を上げた。
一郎さん、感じているのね。由美子も、自分の恥ずかしい肉体を一郎に見られていると思うと、次第に、バイブレーターから来る刺激を抑えきれず、マゾの血が湧き上がってくるのを感じた。
「はぅ、、、」
一郎さんの前で、こんな淫乱丸出しのように改造された肉体をさらけ出しながら感じてしまうなんて、、、。そう思うと、由美子は、益々マゾの感情が抑えられなくなっていった。
  1. 2014/09/05(金) 10:48:39|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第25回

そんな時、KとLが部屋に戻ってきた。
「そろそろ、いい頃合だ。マゾ夫婦のショーの開演と行きますか。」
Kがそう言うと、LとKは一郎と由美子の拘束をそれぞれ解いた。
「さあ、由美子さんの大きな一物を舐めて上げなさい。」
そう言うと、Lは、一郎の首輪にロープを繋ぎ、四つん這いにさせた。
Lが、四つん這いになった一郎の尻にピシッと鞭を打った。
「ひぃ、、、」
女性のような悲鳴を上げ、一郎が四つん這いのままLの持つロープに引かれ、由美子の股間の前まで来た。
由美子は、思わず退こうとしたが、Kに後ろを押さえられ動けなかった。
一郎が、由美子の股間に挿入されている双頭バイブレーターに手をやり、それを舐めだした。
ピチャピチャという厭らしい音が部屋に響いた。
「い、一郎さん、、、」
由美子は、一郎の頭に手をやって抑えた。一郎のサラサラの髪の感触が手に伝わった。更に由美子は、一郎の頭を撫で回した。由美子の指に一郎の長い髪が絡みついた。
まるで女性のようになってしまった一郎に、自分の股間に刺さっている大きな男根を模したバイブを舐められている、、、。そう思うと、由美子は変な感情が湧いてきた。
一郎の口が、次第にバイブレーターの根元の方に移り、極限まで引き伸ばされたピアスだらけのラビアや、まるでペニスのように肥大させられたクリトリスを刺激しだした。
「あぁ、、、」
一郎さんに、自分の厭らしく改造されてしまった股間を舐められている、、、。次第に、由美子は、抑えきれないマゾの感情が湧き出してくるのを感じ出した。
由美子が、マゾの快楽に落ちようとした時、一郎が引き離され、仰向けに寝かされた。仰向けに寝かされた一郎の巨大なペニスの先端に取り付けられているピアスに鎖が付けられ、その鎖のもう片方が、由美子の豚鼻に取り付けられているピアスに繋がれてしまった。更に、一郎の顔の上を由美子の股がまたぐように、由美子が四つん這いにさせられた。
一郎の顔前に、由美子の恥ずかしく改造された股間と尻が、さらけ出された。
一郎さんに、自分の厭らしいマゾの刻印が刻み込まれたあそことお尻を見られている、、、。
「あなた、由美子の厭らしく改造されたお尻を見て、、、。」
由美子は、夫に見られているマゾの快感を抑えきれず、自分の手を尻にやりながら言った。
一郎は、由美子の肛門周りに彫り込まれている牡丹の花の刺青やそこから尻に向かって生えたように刺青されている2本の男根、またその先にある淫乱の文字を手で確認するようになぞった。
「ハァァァ、、、」
そうよ、由美子の恥ずかしい刺青よ、、、。由美子は、たまらず声をあげた。
更に、一郎が、由美子の牡丹花の刺青の中心にあるアヌスでうなりを上げているバイブレーターをしごきながら、伸びきったラビアのピアスを引っ張り、そこを舌で舐めだした。
「ンハァァァ、、、」
由美子は、身を仰け反らしながら、身悶えした。
由美子も、自分の鼻と鎖で繋がれた、目の前にそそり立っている一郎の巨大な男根にかぶり付いた。
「うぅ、、、」
一郎も悶えたような声を上げた。
由美子は、一郎のあまりに巨大に改造された男根を舐め回した。そのたびに、由美子の胸と一郎の巨大な胸がぶつかった。
一郎が、由美子のペニス大に肥大された乳首をしごき出すと、由美子も一郎のバレーボール大の乳房を手で愛撫しだした。
「ハァァァ、、、」
「ンハァァァ、、、」
お互い際限のない、身悶えした声が続いた。
二人がすっかり、上気し淫汁と脂汗でビッショリとなった頃、豚鼻と巨根を繋いでいた鎖が解かれ、引き離された。
引き離された一郎の顔は、由美子の淫汁でベットリだったが、まったく濃い化粧は崩れていなかった。刺青の化粧だということを、実感させられた。
「その辺で、いいでしょう。今度は、由美子さんに一郎の後ろの穴を掘ってもらいなさい。」
Lがそう言うと、由美子の方に尻を突き上げた格好で、一郎を四つん這いにさせた。
  1. 2014/09/05(金) 10:49:41|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 第26回

「一郎の恥ずかしいお尻の穴が、由美子さんに良く見えるように、自分の手で広げなさい。」
そう言うとLは、恥ずかしそうにしている一郎の尻を鞭で叩いた。
「ひぃ、、、」
一郎が、女性のような悲鳴と共に、自分の両手を尻にやり、由美子の方に高く突き出している尻を両手で割るように引っ張った。
なんと、一郎の肛門の周りにも、肛門を花の中心になるようにしてバラの花の刺青が彫り込まれていた。更に、その肛門には、太いバイブレーターが挿入されていた。
床に垂れたサラサラの長い髪、コルセットで細く締め上げられているウエスト、足に履かされた黒い網タイツ、尻を割っている手に塗られた真っ赤なマニキュア、そんな一郎が由美子の方に尻を突き出しているのを見ていると、また、由美子に変な感情が湧いてきた。
Lが一郎のアヌスに挿入されているバイブレーターを抜き取った。
「ズリュ、、、ポン」という厭らしい音が部屋に響いた。
「あぁ、、、」
一郎が、女性のような悶えた声を上げた。
バラの刺青の真ん中にポッカリと口を開けた肛門が、由美子の目の前に現われた。それは、何かを誘うようで厭らしく感じられた。
「もう、お互い後戻りの出来ない体にされてしまったのよ。一緒に落ちるところまで落ちるしかないわ、、、。」
もう既に、マゾの感情を抑えきれなくなっていた由美子は、一郎の厭らしいアヌスを見て、思わず、自ら自分の股間からそそり立っている双頭のバイブレーターを一郎のアヌスに一気に挿入した。
「んはぁぁぁ、、、」
一郎が、身を大きく仰け反らした。
バイブレーターを通じて、由美子の股間に一郎のアヌスの感触が伝わってきた。
女性になってしまった一郎さんを、犯しているのだわ、、、。そう思うと、更に由美子の感情は高まった。
更に由美子は、一郎の腰を手で押さえながら、腰を前後に動かした。
「んぁぁぁ、、、」
一郎がたまらず声を上げだした。
一郎さん、感じているのね、、、。前後に動かす由美子の股間にも快感が伝わった。
「ん、、、イィ、、、」
そう言うと、由美子は、一郎の巨根を擦りながら更に激しく腰を動かした。ガチャガチャと一郎の乳首のピアスが床に当たるのと、由美子のラビアのピアス同士が当たる音が響いた。
「ハ、ハ、ハ、、、」
「ンァ、ンァ、ンァ、、、」
次第にお互いの息づかいが荒くなってきた。
一郎が、身を大きく仰け反らすと、由美子の股間から電気のような刺激が走った。
「い、イクゥゥゥ、、、」
由美子も身を大きく仰け反らせ、ガクガクと痙攣しながら果てていった。
  1. 2014/09/05(金) 10:50:43|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

奈落 最終回


「ついに、恥ずかしくもなく、お互い厭らしい肉体をさらけ出しながら、行ってしまったわね。これで二人とも、身も心も二度と這い出すことの出来ないマゾの奈落の底に落ちたわ。」
Lがそう言うと、Kに抱きついて行った。
「これで、Lもやっと元のわたしのマゾ奴隷に戻れるな。」
Kが、Lの頭を撫でながら言った。
由美子と一郎は、何のことが分からず、裸のまま、呆然としていた。
「Lは、昔、一郎の父親のマゾ奴隷として飼われていたのだよ。L.、お前の本当の姿を見せてあげなさい。」
Kにそう言われると、Lは、自分で黒いボディースーツを脱いだ。Lの股間と胸が露になった。Lの股間は、無毛でそこに一郎と同じような蝶の刺青があった。また乳房にも由美子と同じような乳首を中心とした牡丹の花の刺青があった。またその乳首は、由美子のそれと同じように大きく肥大しておりピアスが貫通していた。股間にもいくつものピアスがぶら下がっておりその割れ目からは、由美子と同じような巨大なクリトリスが飛び出していた。
一郎は、Lの裸体を始めて見る様子で、驚愕の表情で見ていた。
「一郎とは、肉体関係を持たなかったから、知らなかったでしょう。わたしは、一郎、あなたの父親にこんな肉体のマゾ奴隷にされて、二度と普通の社会生活すら出来ないようにされてから捨てられたのよ。そして、しばらくして、K様に拾ってもらったのよ。」
一郎の父親は、5年前に病気で他界していた。一郎は、自分の父親がそんな事をしていたなんて、信じられない様子だった。
Lは、さらに自分の金髪でウエーブのかかったロングヘアーに手をかけると、それを上に取り去った。その下から、なんと由美子のようなスキンヘッドの頭が現われた。更にLは、化粧落としのコットンで濃い化粧を落とし始めた。するとその下から、信じられないような刺青が現われた。
なんとそれは、口を肛門に見立てそこから額に向かって勢い良く精子を射精している卑猥な男根の刺青だった。
「こんな、物を顔に刺青されたら、結婚どころか、人間としてまともに社会生活もできなくなったわ。一郎の父親に一生、マゾ奴隷として飼ってもらう約束で顔に入れた刺青だったのに。わたしは、これを入れられた後、何かが吹っ切れた気がして、自ら進んで淫欲を貪るようになった。それがいけなかったのね。一郎の父親は、あくまで羞恥心をもって、恥ずかしがりながらマゾの欲求に浸っていく事を望んでいたのよ。羞恥心のなくなったただの淫乱となっては、マゾ奴隷としての魅力に欠けてしまったのよ。それで捨てられてしまったのよ。由美子さん、まさに今のあなたの状態がそうよ。」
羞恥心のなくなったただの淫乱、、、。確かに二度と後戻りできない肉体にされて、夫の前でも、狂態をさらしてしまった、、、。
「K様のところに飼われる様になって、しばらくすると、一郎の父親に対する復讐心が芽生えたわ。私的なことは何も言われなかったから、探すのが大変だったけどやっと見つけた。でも、もうこの世にはいなかったわ。その時、幸せそうな二人の姿が目に入ったのよ。それを見たとき、わたしの心は決まったわ。二人を、わたしと同じような二度と這い出すことの出来ないマゾの奈落の底に落とすことを。」
由美子と一郎は、Lの話をただ、呆気にとられて聞いているだけだった。
「わたしは、一郎を、由美子さんはKに頼んで、マゾとして肉体的にも精神的にも調教してもらったわ。二人とも元々その素質があったのか、思った以上にマゾの素質が開花して行ったわね。二人とも、同時に調教を進めたから、お互い家では肉体を隠しあい、都合よく肉体の改造が進められたわ。」
これまでのKの行為は、みんなわたしたちを陥れる策略だったの、、、。Kをご主人様として慕うようになっていた由美子にとって、大きなショックだった。一郎も同じような様子だった。
「肉体的にも精神的にも、二度と後戻りできない、まともな社会生活も出来なくなったあなたたちは、かつてわたしがそうであったように捨てられるのよ。」
捨てられる、、、。こんな体にされて、もう二度と普通の生活が出来なくなって、この世界でしか生きていくことができなくなったというのに、、、。一体、どうすればいいというの、、、。
由美子は、体中の力が抜け、床に泣き伏せた。
「Lさま、、、わ、わたしを捨てないで下さい。もっと何でもしますから、、、」
一郎は、女々しくLの足元にしがみついた。
「あなたたちを、明日のマゾ奴隷のオークションに出すわ。ここまで変態に改造された肉体だから、きっと高い値が付くわ。」
冷たく、Lが言い放った。
由美子と一郎は、二度と這い出す事の出来ない、マゾの奈落の底へ落とされたことを実感するのだった。
<完>
  1. 2014/09/05(金) 10:52:05|
  2. 奈落・RHM
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第1回

◆第一章 過去からきた男

 悪夢の再会は、何の前触れもなく訪れた。
「よお、謙一郎。元気そうだな。すっかり一人前になりやがって」
 仕事上のプロジェクトが一段落し、久しぶりに自宅でくつろいでいた初夏の夕刻。チャイムに応じて扉を開いたまま、私は立ち尽くした。
「なんだ、忘れちまったのか。ガキの頃はあんなに可愛がってやったのにな。俺だ、修造だよ」
 十二年間にも及ぶ空白の間に、もともと薄かった髪はすっかり禿げ上がっていた。だが、卑屈に歪んだ貧相な顔、その下に連なる異常に逞しい身体つき。変わっていない。
「……叔父さん……なんで?……」
 ありえない。なぜ、この男がここにいるのだ。私の思考は激しく混乱した。

 修造は父の弟だった。東京の一流大学を卒業し、一流商社勤務を経て三十代前半で「スギヤマ・インターナショナル」を創業した父・杉山謙介。故郷・新潟では神童時代の伝説と共に誰もが認める立志伝中の傑物である。
 かたや三つ年下の修造は少年時代から札付きのワルだった。傷害、恐喝、窃盗、強姦の常習犯。杉山一族の加護がなければとっくに極道と化していた異端の存在。
「ここだけの話だが、修造さんだけタネが違うんじゃないかねえ。さもなきゃあ、神様のいたずらさ」
 近在の者はそう噂し合ったものである。

 その後に私たち一家を襲った悲劇の数々。思い出したくもない。過去と訣別した私は砂を噛む思いで独り、どん底から這い上がってきた。
 故郷からの支援が絶えてからというもの、奨学金で大学を出、父ほどではないが名の通ったスポーツ用品メーカーに就職すると人一倍働いた。入社三年で販促部の主任という異例の昇進をし、二十六歳を迎えた二年前に結婚したばかりだ。
(もう呪われた昔とは縁を切った。俺の人生はこれからだ)
 心機一転、新しいスタートを切ったはずだった。そこに突然現われた過去の亡霊。

「よう、とにかく中へ入れてくれねえか。積もる話はそれからだ」
 現実に引き戻された。修造は私の逡巡をいいことに、開いたドアに身体をねじ込むように入ってこようとしている。
「……お、叔父さん。まずいんだ、今」
「散らかってんのか。気にすんなよ。親子にも等しい俺たちの間柄だろうが」
 玄関先での小競り合いが続いた。
「いや、そうじゃなくて……。とにかく話なら外でしましょう」
 殺しても飽き足らない男なのに、つい下手に出てしまう。それがかつて私の背負ったトラウマだった。
「ほう、何かご馳走してくれるってか。……なら、それもいいな」
 徹底して意地汚い男なのだ。そんな虫唾が走る相手と食事をすることへの嫌悪より、
(一刻も早く修造をこの家から遠ざけなければ……)
 そんな強迫観念が私を急き立てていた。

「あら、お客さま?」
 門の外で声がした。
「ねえ、あなた?」
 遅かった。妻の亜紀美が帰ってきてしまったのだ。
「あ……」
 淡いクリーム色のスーツ。肩の辺りで揃えたストレートヘア。薄化粧の妻に、修造が呆けたような表情になる。一瞬の後、
「これは奥様ですか。おきれいな方ですなあ。はじめまして。私、謙一郎の叔父の杉山修造と申します」
 そつのない挨拶。調子のいいところも昔のままだ。
「まあ、主人にそのような叔父さまがいらしたなんて、ちっとも知りませんでした」
「いやあ、ちょっと事情がありましてね。十年ほど日本を留守にしておったんですよ」
「そうですか。まあ、こんなところで立ち話もなんですから、どうぞおあがりになって」
「すみませんなあ。歳をとると立っているだけでも疲れてしまって……。では、お言葉に甘えて、ちょっとだけ」

 こうして私たちは、災いの権化のような男を招き入れてしまった。思わぬ成り行きに動転していた私は、亜紀美を見る修造の目に宿る光が暗示する、呪われた運命を予知することができなかった。
  1. 2014/09/08(月) 14:58:34|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第2回

◆第二章 寄生の始まり

「私が日本を離れていた間に謙一郎がこんな立派になって……。私はね、それが何よりも嬉しいんですよ」
 一時間後のリビング。先刻私に見せた居丈高な態度から一変し、修造は亜紀美を相手に「情に篤い叔父」を演じていた。
「しかも、えらい別嬪の嫁さんまでもらって……。ホント、長生きはするもんですなあ」
 その目は本当に潤んでいるように見える。こうして取り入るのが、この男の手なのだ。
「長生きだなんて、まだまだお若いじゃありませんか」
 案の定、亜紀美は心を許し始めているようだ。脳裏に危険信号が灯るものの、何も言えずにいる自分。私は苛立っていた。

「ところで叔父さん、十年もの間どこにいたんですか」
「ああ……マニラにね。ちょっとした商売を始めたら軌道に乗ってしまって」
「まあ。それじゃあ、青年実業家でいらっしゃるんですね」
「嬉しいねえ。たとえお世辞でも『青年』なんて言ってもらえて。ありがとう、亜紀美さん」
 嘘に決まっている。この男にそんな才覚のあるはずがない。おおかた女衒まがいの怪しげな商いか、フィリピーナのヒモでもしていたのだろう。冴えない風貌をしていながら、昔から女には縁の深い男だった。
「じゃあ忙しいわけだ。あちらにはすぐ帰るんでしょう?」
 皮肉と牽制を込めるのが精いっぱいだった。
「じつは、ビジネスの世界は引退してきたんだよ。異国の地でがむしゃらに頑張って、十年。虚しくなったというか日本が恋しくなってねえ」
 しんみりと告げる。もちろん効果を計算してのことだ。
「矢も楯もたまらなくなって帰ってみりゃあ、友達とは連絡取れないし、親戚もずいぶん亡くなっているしで……。ようやく幸信から謙一郎の消息を聞けたってわけさ」
 幸信とは父の末弟だ。結婚式のとき、さすがに新郎側の親戚が一人もいないのでは格好がつかないと思い、招待したのだが……。
(余計なことを……。よりによって修造に俺の住処を教えるなんて……)
 とはいえ、この見てくれに似合わず凶暴な兄に凄まれては、おとなしい幸信叔父などひとたまりもなかっただろう。

「ずいぶん寂しい思いをされたんですね。可哀相な叔父さま……」
 心優しい亜紀美がほだされかけている。胸中の信号は黄色から赤へ点滅を始めた。
「さあて、あんまり引き留めても悪いからね。叔父さん、そろそろ」
「あら、はじめて訪ねてくださったんですもの。お夕食をご一緒したいわ」
 箱入り娘で育てられた麗らかさが、今は癇に障る。
「そんな厚かましい……と断るべきなんでしょうけどなあ、謙一郎と久しぶりに膝を交えて話をしたいと思ってたんですよ」
「ぜひそうしてくださいな。突然でしたので大したものは用意できませんけど、私、腕を振るいますから」
「そりゃあ、ありがたい。外で気取って食事するより、どれだけ心休まるかわかりません」
「決まりですね。それじゃあ、しばらくお酒でも召し上がってお待ちになってくださいな」
「ありがとうございます。いや、それにしても今日は暑かった。フィリピンの暑さとは違って、汗ばむ陽気。これが日本だと思い出しました」
「ごめんなさい、気がつきませんで。すぐにお風呂を沸かしますから」
 完全に修造のペースだ。亜紀美が小走りにバスルームへ消えると、
「いい嫁さんを見つけたじゃねえか。気立てはいいわ、美人だわ、身体つきもたまらんわで。なあ、謙一郎?」
 無遠慮な視線を亜紀美の後姿に這わせる。絡みつくように粘着質な物言いに、私は戦慄した。
  1. 2014/09/08(月) 15:23:06|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第3回

◆第三章 交錯する夫婦

 亜紀美の手料理をたらふく食い、出された酒をしこたま腹に収めた修造。
「あんまり幸せで呑みすぎたようだ。こんなに気持ちよく酔ったのは何年ぶりかな」
 いかにも見え透いた芝居。しかし、亜紀美は微塵も疑わない。
「今、お住まいはどちらに?」
「寂しい独り身ですからな。新宿のホテルに部屋を取っているんですよ」
「それならホテルに電話すればいいじゃありませんか。今晩は泊まって行ってくださいね」
 妻の言葉が結論になった。

「なんで泊まっていけなんて言ったんだ」
 まだ呑み足りなさそうな叔父を客間にしている和室に押し込んだ後、夫婦の閨房。私の言葉はどうしても棘を含んでしまう。
「どうして? 当然でしょう、あなたの叔父さまなんだから」
「あんなやつ、叔父貴じゃない!」
「そんなこと言うものじゃないわ。あなた、結婚する前に『俺には幸信叔父さん以外に身寄りはいない。天涯孤独のようなもんだ』って言ってたけど、あんなにご立派な叔父さまがいらしたんじゃないの」
「だから、親戚なんかじゃないって言ってるだろう! 俺は認めない、認めないぞ!」
「どうしたのよ、おかしいわ。昔、何かあったの?」
 昔……仁王立ちで私を見下ろす修造。揺らめく裸電球。呆けきった父の表情。隆々とそそり立つ巨大な逸物。蠢く母の裸身。そして……。
 病夢のごとく押し寄せるフラッシュバックを慌てて追い払う。

「……な、何もないさ。俺はただ、亜紀美との生活を誰にも邪魔されたくないだけだ」
「何よ、それ? 意味がわからない。とにかく、私は思いがけなく親戚ができて嬉しいの。じゃあ、寝ましょう」
 言うに言えないもどかしさ。狂おしい感情が込み上げ、私は思わず亜紀美を抱き寄せた。
「ちょ……ちょっと。何するの?」
「決まってるだろう。おまえとやりたいんだよ」
「何、その下品な言い方? あなた、本当におかしいわ」
 妻が他の男の欲望に晒される不安と興奮。背徳的な相克の中、その温かな肉体に埋没して所有者の印を確認したかった。
「いいから、こっちを向けって」
「いやっ、やめて。叔父さんに聞こえるかもしれないでしょう?」
「ここは俺たちの家だぞ。誰に遠慮する必要があるんだ!」
「大きな声を出さないでよ。今日のあなた、こわいわ。とてもそんな気になれない。おやすみ」
 向けられた妻の背中。届きそうで届かない。絶望的な距離感。本当に自我が崩壊しそうだった。
(なぜなんだ。どうしてやっと手に入れた俺の生活に入り込んでくる?)
 少年期に刷り込まれた怖れ。膝を抱えても震えが止まらない。
(今日だけの辛抱だ。明日からまた、穏やかな日常が戻ってくる……)

 しかし、その日は地獄の始まりに過ぎなかった。
 蟻の一穴。一度付け入る隙を与えた牙城は、じりじりと蚕食されていくしかない。
 結婚して初めて妻に拒まれたこの晩ですら、やがて訪れる深き夫婦の断層を思えば、まだ甘い追憶の範疇であったことを後の私は思い知らされることになる。
  1. 2014/09/08(月) 15:24:05|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第4回

◆第四章 沈黙する決意

 翌日曜日。朝食を終えると修造は出て行った。
「何だか名残り惜しいわ。もう少しゆっくりしてくださればいいのに……」
「亜紀美、無理言っちゃいけないよ。叔父さんには叔父さんの都合があるんだから」
 これで自分と亜紀美の家庭を立て直せる。修造という男の恐ろしさを妻に説き、再び侵りこむことのないよう防御を固めればいい。
(あの頃とは違う。両親の二の舞いを演じてなるものか。俺は決して、あいつになど負けはしないんだ)
 台風一過。私は頬が緩むのをどうしようもできなかった。

 だが、わずか数時間後、修造は再びわが家のチャイムを鳴らした。焦燥の末の安堵に心を緩めていた私は完全に虚を突かれる格好となった。
「あ……ど、どうしたんですか、叔父さん?」
「何だか胃の辺りがシクシク痛み出してね。昨夜呑み過ぎたせいだとは思うんだが、何だか不安になってしまって……。ひょっとすると重い病かもしれんし、どうせ死ぬなら身内のそばでと思ってホテルを引き払ってきたんだ」
 冗談じゃない。これが瀕死の男の顔色なものか。
「そりゃあ心配ですね、だったら早く病院へ行ったほうが……」
「……でしたら、どうぞうちへいらして。大歓迎ですわ。ねえ、あなた」
 言葉を遮られた私に、修造が意思を込めた目配せを寄越す。
「親戚とはありがたいものだね。こいつの父親はもちろん、母親とも親しく付き合わさせてもらったもんです。今また、謙一郎の嫁さんに優しくしてもらえるなんてねえ……」
 気勢を殺がれた。両親のことを持ち出されては、私は沈黙するしかない。

「ありがとう。で、世話になるお礼というわけではないんだが、近江牛のいいところを買ってきたんだ。すき焼きでもどうかな?」
「あら、主人も私も大好きなんですよ、すき焼き。じゃあ早速、支度をしますわ」
 胃の痛い男がすき焼きだと? その矛盾に気づかない亜紀美はどうかしている。そして、姦計と知りつつ一言の反駁すらできない自分も……。
「私も手伝うよ。料理にはいささか自信があってね」
「まあ頼もしい。謙一郎さんはそっちのほうはからきしで……」
「ほう。それじゃあ何か別のほうがバッチリというわけか」
「いやだわ、叔父さまったら。そういう意味じゃあ……」
 この手の猥談に免疫のない亜紀美が頬をほんのり赤らめる。
「わかってるさ。ジョーク、ジョーク。はははは」

 思えば、この時が貪欲な食客の牙から家庭を守りうる最後の機会だった。私はそれをみすみす逸したのである。
 そのまま修造は、わが家に居ついてしまった。無論、病気の気配など微塵もないままに。
  1. 2014/09/08(月) 15:24:56|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第5回

◆第五章 空白の時間

 私たち夫婦と叔父の同居生活が始まった。

 亜紀美は都心にある友人のブティックを手伝っている。
「会社は辞めるけれど、家事が疎かにならない程度に働きたいの。家にこもりきりだと、老けてしまいそうだから」
 結婚に際しての希望を叶えた形だった。勤務時間は朝十時から夕方五時まで。その後買い物をして夜七時前には家に戻る。一方、私の仕事は時期によってばらつきがあるものの、九時前に帰宅できることは滅多にない。
 つまり、二時間以上を妻は修造と二人きりで過ごすことになる。
(今ごろ、亜紀美はあいつと何をしているんだろうか?)
 午後六時を過ぎる頃から私は落ち着かなくなり、単純なミスを繰り返すようになった。
「主任、最近疲れてるんじゃないですか。少し休暇でも取られたらどうです?」
「杉山君も結婚して二年か。美人の奥さんがあの味を覚えてきて、夜寝かせてくれないんじゃないかね」
 上司の軽口にも、気の利いた言葉を返せない。残業も接待もなるべく控え、早めの帰路に着く私だった。

「なあ、俺が帰ってくるまでの間、叔父さんと何をしてるんだ?」
 深夜の寝室。修造は今夜も大いに呑み、食い、語り、眠った。
「どうしたの、突然?」
「いや、まあ何となく気になってね」
「何って、いろいろよ。お料理を手伝っていただいたり、一緒にテレビを観たり、あなたの子供時代の話をしてくださったり……」
「こ、子供時代って、どんな話?」
 触れられたくない領域だった。
「あなたったら、中学から高校にかけて随分ませてたんですってね。『思春期を迎えて気難しくなっても、私にだけは打ち解けてくれたんだ』って叔父さま、得意げだったわ」
 そんな事実などあるはずがなかった。
(大体その時期といえば……)
 じとりと脂汗がにじんだ。

「そ、それでおまえ。叔父さんに何かされたことはないのか?」
「どういう意味?」
「だから……その……手を握られたりとか」
「莫迦ね。そんなこと、あるわけないでしょう。叔父さまなのよ」
 叔父だからこそ心配なのだ。それを口に出せないことが歯がゆい。
「ああ……そういえば一度、お風呂を覗かれたことがあったわ」
「な、何だって!」
「というか、私が入ってることに気がつかないで叔父さまがドアを開けたっていうだけのことなの」
「バスルームの扉は曇り硝子張りだろ。気がつかないわけないじゃないか」
「考え事してらしたんだって。仕方ないでしょ」
「どうしたんだ、それで?」
「『いや、失礼』ってドアを閉めておしまいよ」
「おまえは……その……裸を見られたのか」
「ううん、どうだっかな。髪を洗っているときだったから、見えたかもしれない」
「かもって……丸見えじゃないか! で、何もされなかったんだな」
 亜紀美の白い蜜のような裸身を盗み見られた。よりによって、あの希代の好色漢に……。狂おしい焦燥が私を襲う。
「当たり前でしょ。あなた、何を心配してるの? 相手はあなたの叔父さまで、あの通りのご高齢じゃないの」
「男というのは何歳になったってだな……」
「やめてよ、いやらしい。五十三といえば私の父より年上なのよ。色気とか欲望なんてとうに卒業している歳じゃない」
「…………」

 女子高、女子大から社会勉強のためにOLを一年間勤めただけの亜紀美。義父は真面目一徹の朴念仁だし、男兄弟もいない一人娘だ。世間を、特に男という生き物について無知に等しい。
(たとえ百歩譲って世の中の男が亜紀美の言葉通りだとしても、あの男だけは別なんだ。俺はそれを知っている)
 脳裏に再び封印していた光景が甦る。悪鬼さながらに呵々大笑する修造。淫靡にくねる母の裸体、哀れでいながら甘やかな啼き声。ただ歯を食いしばるだけの自分……。

 私は終生、修造の支配から逃れることはできないのか。
  1. 2014/09/08(月) 15:25:47|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第6回

◆第六章 忌まわしい記憶<A>

 二十四年前。父・謙介の設立した「スギヤマ・インターナショナル」は順調に業績を伸ばしていった。商社時代に得たノウハウと人脈、そして大企業にはないフットワークの良さを駆使して、さまざまな輸入販売ビジネスに打って出た。
 なかでも謙介が注力したのは北欧の家具である。スウェーデンへ自ら出向き、仕入れてくる高級テーブルやチェスト、ベッドなどが飛ぶように売れた。
 やがてジャカルタに工場を設け、北欧のデザインを模した家具を自社生産するようになった。原価が十分の一程度なのだから、利幅も大きい。
「注文に製造が追いつかない。次はタイに工場を作ろう」
 さらなる拡大路線を歩もうとした矢先、バブルが弾けた。高級家具の需要は激減。過剰な設備投資が祟り、会社は瞬く間に傾いた。
 順風満帆な半生で味わう初の挫折。逆境に慣れていない謙介はたちまち追い込まれた。

 修造がふらりと現われたのは、そんなときである。
「兄さんの役に立ちたいんだ」
 かつては忌み嫌っていた弟。しかし、心底打ちのめされていた謙介は、身内の温かな言葉に涙を流した。
「とりあえず株主たちには俺が頭を下げて回るから、兄さんは資金繰りに専念してくれよ」
 その後に見せた修造の手腕は鮮やかだった。時には土下座しての泣き落としや女を送り込んでの色仕掛け、またある時は昔なじみのならず者を同道させての恫喝。あらゆる手段を駆使して株主たちを沈黙させていった。
 だが、資金補充のめどはつかず、創業十年にしてスギヤマ・インターナショナルは倒産した。

「さすがに疲れたな……。久しぶりに海にでも行って気分転換してくるよ」
 言い置いて家を出た謙介は、それきり帰ってこなかった。葉山のマリーナから、愛用のクルーザーが消えていた。
 遺体が発見されたのは、五日後のことだ。自殺か事故か。いずれにしても非業の最期だった。後には母・涼子と私だけが残された。

 父が遺した借金は母と会社を受取人に加入していた生命保険金、新潟の生家から相続した山林、世田谷の邸宅や高級自動車、クルーザー他、一切を売り払った金で購えた。それでも足りないはずだったが、裏社会に通じた修造が奔走した結果、私たち母子は人並みの生活を赦されたのだ。
「兄貴を救えなかった俺にも責任がある。困ったことがあればいつでも言ってくれ」
 大黒柱を喪った私たちにとって、修造は唯一の頼るべき存在となった。
 倒産、自殺によって謙介は地元の英雄という座から転落した。彼の代わりに杉山家当主を襲ったのが反りの合わない従兄弟だったこともあり、私たちに援助の手は差し伸べられなかった。
 一方、静岡の名門である母の生家もバブル崩壊で資産を失い、夜逃げ同然に離散していた。箱入り娘のまま謙介に嫁ぎ、生活のすべを持たない母が、叔父に依存するようになっていったのも仕方のないことだったろう。
「こんなところですまないな、義姉さん。もうしばらく辛抱してくれ」
 修造があてがってくれた北千住の小さなアパート。近隣に誰一人として知己のない暮らしの中で、母は時おり訪れる修造を心待ちにするようになった。
「修造さんがいてくれなければ、もう生きていけないわ」

 そして、母は修造の女になった。
  1. 2014/09/08(月) 15:26:36|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第7回

◆第七章 狡猾な誘い

 無論、修造の目当てが母であり、私など余計な存在であったことは想像に難くない。だが紛れもなく数年の間、私は叔父に養ってもらった。
 その事実がある限り、たとえ社会人となり立場が逆転しようとも、私は修造に断固たる態度が取れないのだった。

 今では尾羽打ち枯らしたような修造だが、どこかに収入源があるらしい。時々ふらりと出かけては、
「お世話になってるんだから……生活費の足しにしてくれよ」
 帰ってくるなり、五万、十万という金を亜紀美に渡す。
 世間並み以上の給料をもらい、妻も働いているとはいえ、二十代で都内に一軒家を構えるべく厳しいローンを組んでしまった私たち夫婦にとって、その金は暮らしを彩る貴重な資金となっていった。

「今度の週末、三人で温泉にでも行こうじゃないか」
 修造の唐突な提案。私の脳裏には再び警鐘が鳴ったものの、家を建てて以来、旅行らしい旅行もさせていなかった亜紀美に否応のあろうはずがない。
「わあ、素敵。露天のお風呂があるところがいいなあ」
 少女のように喜ぶ妻の姿に、私は言葉を呑み込むしかなかった。

 修造が予約していたのは元箱根の高級旅館。一定ランク以上の部屋にそれぞれ露天風呂が付いている。大人三人で泊まれば、まず十万はくだるまい。
「謙一郎も、たまには亜紀美さんに贅沢をさせてやらんとな」
 沼津まで新幹線で来ると、修造はタクシーをチャーターした。寿司を食い、美術館を巡り、宿に到着するとたっぷり心づけを弾んだ。
「息子さんご夫婦と水入らずで旅行なんて、羨ましいですなあ」
 運転手の笑顔に「嬉しいことを言ってくれるねえ」と助手席で相好を崩す修造の姿に、私は不思議な充足感を覚えていた。
(父さんや母さんと、こんな旅行がしたかった)
 息子の妻と会うこともなく逝った両親。叶えられなかった夢の残像を、私は修造に重ね合わせていたのかもしれない。

「せっかくですから、叔父さまもご一緒に入りましょうよ」
「……!……おまえ、何を言ってるんだ」
「あら、こんな休日をプレゼントしてくださったんですもの、お背中くらい流させていただかないと私、気がすまないわ」
 亜紀美の提案を強く否定できないのは、確かに一理あると認めざるを得なかったからだ。
「いやあ、それは……いいのかい?」
 好々爺を装う修造。だが、その口調には陰火のごとき好色が宿っている。

 結局、私たちは三人で混浴することになった。
 まず私と修造が湯舟に浸かる。肉体労働者のようにがっしりとした胸板から腹部の筋肉。その下で黒々とした逸物がゆらゆらと揺れている。かつて母を支配した肉体。
「あの頃、二人で風呂に入ったことなんかなかったよなあ、謙一郎」
「そうですね」
 当たり前だ。修造は母の男であって、私の父ではなかったのだから。
「……失礼します……」
 我々が洗い場へ移動したのを見計らい、亜紀美が格子戸を開いて入ってきた。もちろん、全裸ではない。バスタオルをきっちり身体に巻いてはいるが、それがかえって艶かしさを醸し出していた。
「あんまり見ないで……恥ずかしいわ」
 瑞々しい豊かな乳房は両側から持ち上げられて妖しげな谷間を形づくっている。股間が見えるか見えないかという短い丈から伸びた、むっちりとした白い脚。
「……ほう……」
 嘆息するように告げる修造。湯煙で判然とはしないが、眼の中の賎しい光が強まった気がした。
「さあ、叔父さま。あちらを向いてくださいな」
 背を向けた叔父の後ろで膝をつき、亜紀美は奉仕を始めた。細い指で立てた泡を手のひらで塗りたくっていく。
「まあ……叔父さま……ずいぶん……」
「うん? 何だい、亜紀美さん」
「いえ……その……逞しいんですね」
 妻が男の裸に触れ、その肉体を賞賛している。圧倒されている。私の胸に強烈な嫉妬が湧き起こった。
「亜紀美さんのような若い美人に背中を流してもらえるなんて……」
「……長生きはするもんだ、ですか? それは言わない約束でしょう」
 アップにまとめた髪がほつれ、うなじに濡れ髪となってへばりつく。かすかに紅潮し、ほんのり汗ばんだ卵形の顔。夫の私から見ても扇情的だった。
 そのとき背中の向こうで、修造はどんな表情をしていたのだろうか。
  1. 2014/09/08(月) 15:27:28|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第8回

◆第八章 甘美な悪夢

 夜は十畳のメインルームに私たち夫婦、襖を隔てた隣室の六畳間に修造が床を取った。
「それでは叔父さま。おやすみなさい」
 冗談のつもりらしい、亜紀美は浴衣姿で三つ指を突いて挨拶をしている。私はといえば、横たわった布団で押し寄せる睡魔と格闘していた。
(いくら修造でも、今夜何かを仕掛けてくることはないだろう)
 言い聞かせようとする半面、
(夫が寝入ったかたわらで妻に迫る。よく聞く話じゃないか)
 だが、久しぶりの旅がもたらす疲労と、修造に勧められて杯を重ねた結果の酔いが勝った。私は妻の身を案じつつ、深い眠りの底へ落ちていった。

 夢の中で、亜紀美が修造に犯されていた。
 旅館の布団で仰向けに横たわる脚の間に修造の身体が割り込み、激しく突き上げている。思うさま開かれた浴衣からこぼれる美乳が毛むくじゃらの指でひしゃげられ、薄桃色の突起を厚い舌で舐られていた。
(ああ……亜紀美)
 だが、力づくで凌辱されているのでないことは明らかだ。しなやかな脚は修造の尻に絡みつき、腰は挿入のリズムに合わせて前後動している。両手で男の頭部を慈しむように撫でる様は、愛する男と交わっている証だ。
「ああ……叔父さま! 素敵よ! もっと、亜紀美を愛して!」
 ぽってりと開いた肉感的な唇から流れ出る嬌声。その合間にピチャピチャと湿った音が聞こえてくる。
「うっ! うっ! すごい……おかしくなっちゃう!」
 苦しげに寄せられた眉根。首筋を伝う汗。やがて律動が速まった。
「……いくわ……亜紀美……いっぱいください……ああ、いくっ!」

 目が覚めた。隣に亜紀美は……いない。
「おはよう、あなた。うなされてたけど、大丈夫?」
 頭を起こすと、降り注ぐ朝日の中、窓際に置かれた籐椅子に向かい合って座る妻と修造が見えた。間のテーブルには湯気の立つ茶碗が置かれている。
「謙一郎は寝坊介だな。俺たちはとっくに起きて、もうひとっ風呂浴びたぞ」
 何かに満足したように、ゆったりと修造が笑う。
(俺たち? ひとっ風呂? 二人で入ったのか?)
 跳ね起きようとした私は、股間が痛いほど屹立していることに気づいた。
(俺は……亜紀美が他の男に抱かれる夢を見て……俺は……)
「どうしたの? あなたも起きて、お風呂いただいたら?」
 今にも弾けてしまいそうなペニスを手で押さえながら、私は布団の中で呆然としていた。
  1. 2014/09/08(月) 15:28:16|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第9回

◆第九章 忌まわしい記憶<B>

 母・涼子は子供の私から見ても美しいひとだった。
 色白のうりざね顔に黒目がちの切れ長な双眸。小ぶりながらも肉感的に盛り上がった唇。ほっそりとしたノーブルな風情に似合わず、誇らしげに張り出した胸のふくらみ。
「謙一郎君のお母さんって、女優さんみたいだね」
 友達の羨ましそうな声を聞くたび、誇らしくなったものだった。
 三十半ばの女ざかりを迎えて美貌に奥行きを加えた母と醜男の修造では、いかにも釣り合いが取れない。それでも、新聞配達のアルバイト代程度しか稼げない十四歳の私は言葉を呑むしかなかった。

 母と私の生活費は、修造によって賄われていた。その対価として母はその身体を提供し、奉仕に努める。それはまさに囲い物としての“お手当て”だった。
 修造は独身なのだから、正式に籍を入れることも可能だったはずだ。だが、その気配はなかった。
「あの謙介兄さんの奥さんだったひとと再婚するだなんて、畏れ多くてできないよ」
 殊勝な言葉。そこに誠意はなかった。修造はただ、高嶺の華だった美しき兄嫁の肉体を蹂躙し、私娼に貶めることで邪な満足感に酔いたかっただけなのだろう。

「謙一郎、今日は修造叔父さまがいらっしゃるの。だから……わかっているわね」
 六畳と三畳間だけのアパート。叔父がくる晩は二人の邪魔にならないよう、私は外へ出された。
「ああ。わかってるよ、母さん」
 転校したばかりで、泊まりに行けるほど親しい友人などいない。終夜営業のファミレスでぼんやりと朝を待つしかない私だった。
 一度、暇つぶしのための本を忘れ、取りに戻ったことがあった。大人の男と女が二人きりで何をするのか知らない歳ではなかったものの、それは深夜になってからのことだと思っていた。
「ひいっ……ああっ……」
 薄いドア越しにもれてくる生々しい声に、私の足は竦んでしまった。
「もっと……もっと虐めて……ああ……修造さま……」
 もはや何が行なわれているかは明確だ。だが、私は金縛りにあったように動けなかった。
「ふふふ……あの貞淑そのものだった義姉さんが、こんな好き者だったとはな」
「義姉さんだなんて……涼子と呼んでください……涼子と……ああ」
「涼子、ほら四つん這いになって、おま×こを見せろよ」
「……はい……どうぞご覧になって……涼子のいやらしいおま×こ……」
 あの理知的で誇り高い母とは思えぬ、淫猥で卑屈な嬌声。たまらない嫌悪を覚える一方で、私は激しく興奮していた。
(母さん……母さん……母さん……)
 ベニヤ板造りの扉が開いたのは、廊下でパンツに手を突っ込んだ私が、まさに射精しようとする瞬間だった。
「やっぱり、おまえか」
 全裸で仁王立ちする修造。股間では禍々しい巨根がぬらぬらと光を放っている。
「おふくろのセックスを盗み聞きしてマスかいてやがる。とんでもねえ変態野郎だぜ。ひゃははははは」
 張力を失った陰茎を握り締めたまま、私は屈辱に震えていた。
  1. 2014/09/08(月) 15:30:06|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第10回

◆第十章 疎外される夫

 温泉旅行以来、亜紀美はますます修造との距離を縮めたようだった。
「いやだわ、叔父さまったら。うふふ」
 今日も晩酌をしながら、修造が口にするジョークに笑い転げている。二対二の形に椅子を配した我が家のリビング。当初は私と亜紀美が並び、対面に修造が位置していたが、このところ妻は叔父の隣に座るようになった。
「いや、それで私は言ってやったんだ。『おい、俺の女から離れろ!』ってね」
「すごい。それで、どうなったんですの?」
 すっかり惹きこまれている。確かに修造は話題が豊富だった。放蕩の限りを尽くしていた少年期のエピソードからフィリピンでの武勇伝まで、面白おかしく語って聞かせる。
 いかにも眉唾な物語もあるものの、筋者との話のつけ方、警察の追及をかわす方法、留置場での他房者とのやりとりなど、知らなければ語れないような真実味のあるネタも多かった。

「やっぱり男と女はね、互いの身体が馴染んでくる頃が一番幸せなんだよ」
 酒が進むにつれ、下ネタが飛び出してくるのも常だった。
「謙一郎と結婚して二年か。亜紀美さんもあっちのほうがズンと良くなってきた頃だろう?」
「ううん……どうかしら。しなければしないで大丈夫って感じだし……」
 当初は恥じらいを見せていただけの妻が、最近では大胆に切り返したりする。
「そりゃあ、いかんな。謙一郎、努力が足りんぞ。ではひとつ、私が手ほどきをしてしんぜようか」
「まあ。そんなこと言って、本気にしちゃいますよ、私」
 まるでナイトクラブのホステスと客だ。この家の主でありながら、つんぼ桟敷に置かれたような疎外感を味わうこともしばしばだった。

 夏が終わりを告げる頃から、私の仕事が忙しくなり始めた。ウィンターシーズンに向けたスキーやスノボの新製品がリリースの時節を迎えたためだ。帰宅時間は次第に遅くなり、早くて十一時、午前様になることも珍しくなくなった。
(今宵も亜紀美は、酌婦のように修造に侍っているのか)
 二人きりの時間が増えれば、それだけ過ちの起きる危険性も高まってしまう。妻を信じようとする一方で、間男の跳梁をみすみす看過するコキュのような気分になる。
「謙一郎も今が大事な時期だろう。仕事に打ち込め」
「大丈夫よ。叔父さまがいてくださるから寂しくないわ」
 いつも一人で私の帰りを待っていてくれた亜紀美。通常ならば、妻の孤独を癒す相手のできたことを歓迎べきだろう。だが、その相手が修造だと話は違う。
「亜紀美は俺が可愛がってやるからな」
「もうあなたなんかいらないわ」
 そう受け取ってしまうのだ。深まる修造と妻の絆。もはや私は無用の存在と化しているのか。
  1. 2014/09/08(月) 15:30:57|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第11回

◆第十一章 不在の三日間

 十月初旬。冬季商品のキャンペーンが全国的にスタートした。私も関西地区担当として、大阪・京都へそれぞれ一泊の出張をしなければならない。
 誰かに代わってもらうことも不可能ではなかった。しかし、この件は主任クラスが中心となるのが通例となっている。若い私には、ただでさえ社内の風当たりも強い。才覚より行動力で評価を得てきた自分だけが外れるわけにはいかなかった。
「二泊三日か。ふふふ。まあ、留守中のことは俺に任せておけ」
 意味ありげな修造の目に送られて、私は家を出た。

 朝からイベントの準備と運営に忙殺された。夜には販売代理店の接待。疲労困憊でホテルに辿り着くのは深夜だ。
(今頃、亜紀美があいつに抱かれているとしたら……)
 温泉宿で見た夢が生々しく甦る。汗みずくで修造の背中にしがみつく亜紀美。
(電話すればいい。何事もなかったことがわかるはずだ)
 だが、時計の針は午前二時を回っている。亜紀美は明日も仕事だ。いくら夫婦の間でも常識的とは言いがたいだろう。
(もし何もなかったとしたら、叔父との関係を邪推する嫉妬深い夫になってしまう。そんなみっともないことなどできるもんか)
 こんな時でも私は、過剰な自意識が先に立ってしまうのだ。
(しかし、もしも本当にそんなことになっているなら……)
 焦燥と自尊心の葛藤。とりあえず妻宛てにメールを送ることにした。
「本日の業務やっと終了。そっちは? 叔父さんと楽しくやってるか?」
 返信はなかった。

 三日目。ようやく仕事を終え、東京駅へ到着した私は飛ぶように帰宅した。
「おかえりなさい。お疲れさま」
 亜紀美は普段どおりだった。家の中にしては少し化粧が濃い気もするが、三日ぶりに会う夫のために美しく整えてくれたと考えれば不思議はない。
「三日か。過ぎてしまえば、あっという間だったな」
 修造が含んだように笑う。不快な余韻。だが、ここで疑惑を芽生えさせてしまえば、やつの思うつぼに嵌る。亜紀美がこの様子なら大丈夫だ。
「やっぱり我が家はいいなあ。腹が減っているんだ。飯にしてくれ」

 夕餉の席。小さな変化があった。このところ叔父の横ばかりだった亜紀美が、久しぶりに私の隣に座ったのである。
(留守にしたお蔭で、夫を求める気持ちが高まったんだろう。悪くない気分だ)
 そのことの意味を、私はもう少し考えるべきだったのかもしれない。
  1. 2014/09/08(月) 15:31:42|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第12回

◆第十二章 ある告白掲示板への投稿<1>

385 無題 投稿者:匿名 投稿日:○月×日

 都内に住む二十五歳の人妻です。
 主人の叔父と身体の関係を持ってしまいました。

 叔父とは最近、同居したばかりです。とても気さくな良い人で、私は心を許していました。
 ですから主人が出張に出た夜、突然羽交い絞めにされたときも冗談だと思っていました。
『寂しいんだよ。哀れな年寄りだと思ってくれるなら、ね?』
 絡みつくように抱き寄せられ、頬の辺りを舐められました。思いのほか力が強く、逃れることができません。
『叔父さま、呑みすぎたのね。今なら笑って許してあげますから』
『一度でいいんだ。ね、いいだろう?』
『いい加減になさらないと、いくら何でも怒りますよ、私』
 セーターの中でブラジャーを押し上げられ、ごつごつした指で乳房を揉みしだかれたとき、これはもう戯れではないと思いました。
『もう……やめてください……だめ……やめてったら!』
 思わず突き飛ばす格好になってしまいました。不意を突かれた叔父はよろけたあげく、どすんと尻餅をつきました。
『いててて』
『あ……ごめんなさい……でも叔父さまが……』
 ゆっくりと立ち上がったとき、温厚そのものだった目つきが一変していました。

『……ったく、下手に出てりゃあ付け上がりやがって』
 凄みを効かせた声は、先ほどまでとは別人のようです。次の瞬間、顔に衝撃が走り、私は弾き飛ばされました。何が起こったのかわかりません。焼けるような頬の感覚で、平手打ちをされたのだと知りました。
 人に本気でぶたれるなど、生まれて初めてのことです。あまりのショックに頭の芯が痺れたようになりました。
『たまには正攻法で口説いてみようと思ったが……。やっぱり駄目だな、そんなんじゃあ』
 腕をつかまれ引きずり起こされたところを、再び張り倒されました。同じように三発目、四発目、そして五発目。感情のない冷酷な目のまま、叔父は私を殴り続けます。
(……殺されてしまう……)
 あまりの恐怖に、全身が冷たくなっていきました。
『おまえは俺の女になるんだ。わかったな?』
 私はガクガクと頷いていました。男の力をこれほど圧倒的に思い知らされたことはありませんでした。
『声に出して言え』
 触れそうな距離まで顔を近づけてきます。熱くて生臭い息を吹きかけられました。
『……そんな……』
 叔父の目の光がさらにすっと細くなり、右手がゆっくりと平手打ちの格好になっていきます。
『言いますからやめて!……叔父さまの……女になります……』
『それでいい。俺は昔から従順な女が好きなんだ。覚えておけ』
 意識がすっと遠のいていきました。

 気がつくと寝室のベッドの上でした。衣類はすっかり剥がれていて、最後に残ったパンティを引きちぎられるところでした。
『くくく。いよいよご開帳だ』
 脚を大きく開かされました。その部分にひんやりとした外気と強い視線を感じます。
『こいつはまた綺麗な××××だな。あの莫迦、あんまり使い込んでいないらしい』
 豹変した叔父、殴られた衝撃、耳元で囁かれる卑猥な言葉。異常なことが一度に起こったせいか、犯されようとしているのに、どこか現実味がないような不思議な感じでした。
『さあ、甥の嫁とつながる感動の瞬間だ。俺の目に狂いのあるはずはねえが、どんな具合か愉しみだぜ』
 濃い体毛に覆われた獣のような叔父の身体が、覆い被さってきました。
  1. 2014/09/08(月) 15:32:35|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第13回

◆第十三章 ある告白掲示板への投稿<2>

386 無題 投稿者:匿名 投稿日:○月×日

 がっしりと組み敷かれた私の肌を、ぼってりした叔父の舌が嬲っていきます。嫌悪感よりも恐怖が、私を硬直させていました。
『たまらねえパイオツだぜ。この助平な身体が男を誘うんだよ』
 乳房を弄びながら、叔父は自分のものを私に握らせました。
『どうだ、俺のチンポは?』
 何と答えればいいのでしょうか。でも、黙っていればまた殴られてしまう。
『……お……大きいです……』
『それだけか?』
『……太くて……何か……デコボコしてます……』
『真珠とシリコンをタップリ仕込んであるからな。俺はコイツ一本で世の中を渡ってきたようなもんだ』
『………………』
『おい、ただ触ってるだけでどうすんだよ!?』
『……すみません……あの……どうすれば?』
『そんなことも教えてねえのか。しょうがねえ婿殿だな。手コキだよ』
『?……ごめんなさい……わからないんです』
『手を××××にしたつもりで咥え込んで、しごきをくれてみろ』
 よく理解できませんが、何とかそれらしく指を動かしてみました。
『ふん、下手糞もいいところだな。これから俺が仕込んでやるが、まあ、そのぎこちない感じも悪かあない』
 裸で叔父に抱かれ、男性の部分をしごいているなんて……。この情況がまだ信じられません。そうしている間にも、そこはさらに大きく漲ってきました。

 長い時間が過ぎたように思います。淫らで惨めな行為にも関わらず、いつしか私の中に、
(……これを……もっと大きくしたい……)
 理不尽な気持ちが芽生えていました。強く握ったり、優しくさすったり、命じられるままに夢中で奉仕している自分がいます。
(……いけないことなのに……私……どうしちゃったの?)
 不意に叔父が腰を引きました。
『おっと、あぶねえ。出ちまうところだった。こんなはずはねえんだが、しばらくご無沙汰だったからな』
 にやりと独りごちると、叔父は挿入の体制を取りました。
『すまねえが前戯は省略だ。××××をたっぷりねぶってやるのはこの次にして、ぶち込むぜ。力を抜きな、裂けちまうからよ』

 そして、叔父がメリメリという感じで入ってきました。とてつもない大きさにも関わらず、痛みを感じないのが不思議でした。
『ううむ……こいつは……すげえぜ』
 ゆっくり最奥まで到達すると、叔父は動きを止めました。息もできないほどの圧迫感です。
(……とうとう……犯されてしまった……)
 叔父の危険さを再三警告していた夫。その言葉を信じてさえいれば……。でも、もう遅いのです。
『ふう、ここまで極上モンとはな。嬉しい誤算ってやつだ』
 いやらしい笑みを浮かべた叔父が抽送を始めました。
(……感じてはダメ。あのひとに申し訳ない……)
 せめてもの抵抗として、歯を食いしばって耐えようとしました。
『ふふふ、操を立てようってのか。面白れえ、根比べといこうじゃねえか。どこまで頑張れるかな。時間はたっぷりあるんだ』
 ただ暴力的に深く突き上げるだけでなく、浅く緩やかに絡みつけたり、時にはひねりを加えて抉ったり……次々と繰り出される変幻自在な責めに、子宮の奥から甘い感覚が湧き上がってくるのをどうしようもできません。
『……あん……』
 堪えきれず声が出てしまいました。
『おいおい。もう本丸陥落かよ。ちょいと早すぎやしねえか?』
 律動を繰り返しながら、叔父は私が官能に負けていく様子を観察しています。
  1. 2014/09/08(月) 15:33:23|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第14回

◆第十四章 ある告白掲示板への投稿<3>

388 無題 投稿者:匿名 投稿日:○月×日

 一度堰を切ってしまうと、もう歯止めは効きません。今までに味わったことのない快感に引きずり込まれていきました。
『ふふふ。××××が嬉しそうにヌルヌルと締め付けてくるぜ』
 正常位だというのに、叔父のそれは確実に女の最奥を突き上げてきます。
『うっ!うんっ!……あああっ!……これ以上は……あんっ!……おかしくなっちゃう!……ひいっ!』
『遠慮せずにおかしくなれよ。ほれっ、ほれっ!』
 ついに、その瞬間が訪れてしまいました。
『もう……ダメ!……いやあっ!』
 電流があの部分から脳天へと走り抜けました。意識が遠のき、手足が激しく痙攣します。

『気をやったか。思ったとおり相当のタマだな』
 波が引かないうちに、再び叔父が動き始めました。
『はぁはぁ……あっ!……また?……はぁはぁ……お願い……少し……休ませて……くださいっ……』
『何を言ってる。俺はまだ一回も終わってないぞ』
 確かに胎内のものは、ずっと大きな状態を保っています。深くつながったまま、両脚を肩に担ぎ上げられました。
『た……助けて……はぁんっ!……こ……壊れちゃう……』
『こんなんでどうにかなる身体なもんか。根っからの淫乱め。おら、早く俺をイカせねえか』
『ひっ!……早く……満足して……ああっ!……また!……うあぁっ!……イキます!……』
 その部分が反り返るように収縮するのがわかりました。
『うむ、こいつはたまらん。よし、出すぞ』
 その言葉が私を現実に引き戻しました。
『ダメ!……ダメです……中には出さないで!』
『危険日か。構やしねえ。ぼちぼちガキが欲しいって言ってたじゃねえか』
 何ということでしょう。叔父の子……夫の従兄弟……を妊娠させられるなんて。
『そんな恐ろしいことっ!……お願いです……それだけは……赦してえっ!』
 全身でどれほど抗おうとも、巧みに押さえ込まれた身体はビクともしません。
『いくぞ。うおおおっ! 孕め、孕むんだ!』
 子宮に熱いものが炸裂しました。

 夫が不在の三日間。仕事へ行くことも許されず、私は叔父に凌辱され続けました。
 遮光カーテンの引かれた室内には、昼夜の感覚がありません。いつ終わるとも知れない果てしない恍惚の時間の中で、私はのたうち回りました。
『おっと。ザーメンが溢れ出てきやがった。ご懐妊は確実だぜ。名前を考えとかなきゃな』
 そんな言葉を投げられても、もう何も感じなくなりました。
『今度は後ろからだ。おら、さっさと四つん這いになって誘え』
『はい……叔父さま……早く串刺しにしてください……お願いします』
 腰をくねらせて媚びる浅ましい私。でも、そんなことはどうでもいいのです。叔父のものが中にいる状態が長過ぎて、抜かれてしまうと凄まじい禁断症状に襲われます。
『早く……叔父さまったら……意地悪しないで……早くう!』
『かかかか。可愛い女になったじゃねえか』
 待ち焦がれた挿入に、思わずよだれが垂れ落ちます。全身が性器になったような快楽に翻弄されながら、恥ずかしい言葉を口走る私でした。
『すごい……××××がいいのッ!……もっと……もっとしてッ!』

 主人が帰ってくる二時間前まで、私たちは交わりを重ねていました。
『幸せな結婚生活を失いたくなかったら……わかってるな? 俺も可愛い甥を悲しませたくはねえんだ』
 叔父はあぐらをかいた格好で私を貫きながら告げました。
『……はい』
 頷いたとき、私は本当の意味で共犯者になってしまったのでした。
  1. 2014/09/08(月) 15:34:32|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第15回

◆第十五章 忍び寄る崩壊

 何かが変わり始めていた。

 表面的には以前どおり幸せな家庭のように思える。
『おはよう、あなた。はい、新聞』
『行ってらっしゃい。帰りは何時頃になるの?』
『お帰りなさい。お風呂先にする? 今日のお夕飯は、あなたの好きな天ぷらよ』
『おやすみなさい。明日も頑張ってね。愛してるわ』
 だが、立派な建築物が目に見えぬ礎の部分でシロアリに食い荒らされていくように、ひたひたと侵蝕されていく気配がする。
 一つ一つは取るに足らない些細なことでも、積み重なれば疑惑の証明となりうる。

 あの出張以来、亜紀美と叔父の間には一時期のようなベッタリした雰囲気がなくなった。温泉へ行く前の適度な距離感に戻った感じである。
『なあ、叔父さんと何かあったのか?』
 二人きりのときに尋ねてみる。
『……別に何もないけど……どうして?』
『いや。何となく、よそよそしくなったような気がしてね』
『もともとあなたの叔父さんで、私と血のつながりがあるわけじゃないんだもの。節度を持ったほうがいいと思い直しただけよ』
 亜紀美の言葉は真実なのだろうか。

 家の内外がどこか荒んだ雰囲気になったのも気がかりだ。
 決して極端な綺麗好きではなかった亜紀美だが、室内はそれなりに整理整頓され、掃除が行き届いていた。今では出した物が出しっぱなし、うっすらと埃が積もっている。
 昨日は、ベランダで植木が枯れていた。花をこよなく愛し、丹精込めて手入れをしていた妻だったのに……。

 微妙な変化は妻自身にも表われ出した。
 いつも気だるく疲れた風情になり、目つきが暗くなったような気がする。単にやつれたというより、鋭敏に研ぎ澄まされたという印象だ。
 さらに化粧である。アイラインやルージュの種類なのかメイクの方法なのか、男の私には何がどう違ったのかうまく表現できないのだが、雰囲気が確実に変わった。
 美しくはあるのだが、何というか全体として安っぽい女になったように思えてならない。

 かつて同じような変貌を見せた女性を私は知っていた。
(……母さん……)
 父の死後、義弟の女となり、その歓心を得るためだけに生きるようになった母・涼子。
 妻が当時の彼女と似てきたということが何を意味するのか。ある方向へ凝固しようとする思考を、自衛本能が妨げていた。
  1. 2014/09/08(月) 15:35:34|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第16回

◆第十六章 忌まわしい記憶<C>

 母・涼子と修造の醜悪な交合。強いてそれを男と女の関係と呼ぶのなら、その蜜月は短かったのではないか。
 私たちが叔父の庇護の下に入って三ヵ月もすると、母は外泊するようになった。
「今日、お母さんは戻りません。これで何か食べてください。ごめんね」
 私が中学校から帰ると、走り書きと何がしかの金が置いてある。教養と知性を感じさせる流麗な文字が余計に哀しかった。
 それでも母が幸福だったのならいい。しかし、この頃から母は見る見る憔悴していった。一度寝間着の襟元から覗いた肌には、青黒い痣がいくつも刻まれていた。

 見知らぬ男たちが入れ替わり立ち代わりアパートを訪れるようになったのは、さらに半年が経過した頃だったろうか。
「へへえ。確かにそそられる女だぜ」
 世間知らずの少年でも、彼らが真っ当な世界の住人でないことくらいは理解できた。
 彼らは欲望を取り繕おうとすることもなく、下卑た目で母を視姦し、淫猥な想像を実行に移すべく外出を急き立てた。
(……母さんを守らなければ……)
 しかし、恐怖に竦んで動けない。すっかり小さくなった背中が男に従って出かけていくのを黙って見送るしかなかった。
「心配しないで。お母さんは大丈夫だから……」
 借金の肩代わりだったのか、それとも置屋の親爺のごとく斡旋した男たちから金を取っていたのかはわからない。しかし、叔父が母を愛の対象として扱っていないことだけは明らかだった。
 いつの間にか母は煙草を覚え、酒に溺れるようになっていた。

 気高く、たおやかだった母を弄ぶ修造。私の憎悪は凝縮した。
(いつか……殺してやる……)
 だが、その一方で日に日に貶められていく美しき母に倒錯した性欲を覚えてしまう自分がいた。
(今頃、母さんはあいつらに嬲られている。恥ずかしいことをいっぱいされてるんだ)
 友人たちがアイドルやAV女優、あるいは同級の美少女たちを思い浮かべて自慰に耽っていた頃、私は箪笥から引っ張り出した母の下着を顔に押し当てながら白濁の精をしぶかせていた。

 私の性は、きわめて歪んだ形で目覚めてしまったのである。
  1. 2014/09/08(月) 15:36:29|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第17回

◆第十七章 ある告白掲示板への投稿<4>

421 無題 投稿者:匿名 投稿日:○月×日

 女は一度犯されると弱いものですね……。

 あの三日間からというもの、私は叔父の言いなりの女になりました。
『さあてと。今日も元気に××××しようぜ、なあ』
『お願いします、もうこれきりにして……。叔父さまとこんなこと、つらいんです』
 でも抱きすくめられ、愛撫され、挿入されると歓喜の渦に飲み込まれてしまう。目覚めさせられてしまった淫らな身体が恨めしくてなりません。

 最初のうちは私が仕事から戻り、夫が帰宅するまでの間が情事にあてられました。
『遅いじゃねえか、待ちかねたぜ。ほれ、まずはご挨拶してもらおうか』
 帰るやいなや、玄関先で靴を履いたまま口でさせられました。
(……また、この肉の塊で狂わせられるのね……)
 叔父の身体にすっかり馴染んでしまった女の部分が潤う頃、場所を移して交わるのです。夫婦のベッドはもちろん、和室でもリビングでも穢されました。
『どうも慌しくていけねえな。二時間や三時間じゃあ、やった気がしねえ』
 やがて、仕事を休まされるようになり、とうとう強制的に辞めさせられました。
『おまえの給料分くらい俺が稼いできてやるから安心しろ。亭主には何も言わねえで、これまで通り働いてるふりをしてりゃあいい』
 叔父も主人に知られたくないと考えてくれていることだけが、救いといえば救いでした。

 とにかく、こうして夫が不在の時間すべてが不倫の場となりました。恐ろしいほどの精力で、叔父は私を貪り尽くします。
『行ってらっしゃい。帰りは何時頃になるの?』
 主人を送り出してすぐ服を脱がされ、夜までそのままの姿で過ごす毎日です。

 一緒にお風呂にも入ります。もうさんざん交わった間柄だし、今の今まで裸でいたというのに、叔父は必ず私にバスタオルを巻くよう指図するのです。
『三人で温泉行って混浴したときの再現だ。あのとき、必ずおまえをものにしてやると心に誓ったんだからな』
 手で泡立てた石鹸で背中を流すところまでは同じです。違うのはその後で身体の隅々……恥ずかしいところまで洗わなければならないことです。
『ソープではこれをマットプレイって言うんだ』
 洗い場に仰向けになった叔父の上に、泡を塗りたくった私の身体を滑らせていきます。
『んんんっ、うまいじゃねえか。そこは乳首を使って念入りにやれ』
 勝手のわからない私は、言われるがままにおっぱいを寄せて懸命に努めます。
『ようし。それじゃあ石鹸を流して、今度は舐めろ。愛情を込めてな』
 せっかく洗った身体が、そんなことをしたら汚れてしまうのに……。男の人って本当にわからないものです。
 いずれにしても逆らうことなど許されません。
『ううむ、いいぞ。唾をたっぷり塗しながら、ゆっくり下のほうにな』
 顔から耳へ、首筋から胸、そして腹部へ。唇と舌で奉仕しながらだんだんと下へいくと、岩のように大きくなった部分に辿り着きます。
『叔父さま……すごい……またこんなに逞しくなられて……どうかまた、私の身体で鎮めてください』
 命じられる前に、自分から奴隷のような言葉を口にしてしまうのでした。
  1. 2014/09/08(月) 15:37:44|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第18回

◆第十八章 近隣との断層

 わが家は杉並区の外れにある。
 土地柄、住民は一定以上の収入がある富裕層が多く、都会にありがちなトラブルや没交渉とは無縁の界隈。ここが終の住処だという意識も手伝い、私なりに近隣との付き合いには気を遣ってきた。
「おはようございます。今日もいい天気ですね」
 顔を見れば挨拶を交わす程度ではあるが、まずは良好な人間関係を築けていたと思う。

 ところが最近、住民たちの態度が急によそよそしくなった。私が近づくと会話がやむ。声をかけても返事がない。
 当初、私は修造が近所に対して横柄な言葉や態度を見せたのではないかと考えた。あの男がわが家に入り込んできた際、向こう三軒両隣には、
「このたび、叔父と同居することになりまして……。どうぞよろしくお願いします」
 挨拶して回ったのだが、修造のことだ、無礼な振る舞いに及んだのかもしれない。

 だがある時、私をやり過ごした三人の主婦が囁く声が耳に届いた。
「ご主人はご存知なのかしら?」
「まさか……だって……ねえ?」
 原因不明の村八分に苛立っていた私は、すぐさま踵を取って返した。
「すみませんが、何のことでしょう?」
「あっ!……いえ……何でも」
 この間まで親しみを示してくれていた女たちが、蜘蛛の子を散らすように逃げ去る。
(あの人たちは何を知っている? 俺の家で何が起こってるんだ!)
 誰もいなくなった路上で、私は立ち竦んでいた。
 彼女たちの顔に表われた驚き、困惑。それはさておき、続いて浮かんだ憐憫とも思える眼差しはどういうことなのだ。

 最近は晩酌を終えるとなぜか無性に眠くなる。朝までまったく目覚めずに寝るのだが、起きたときも頭がすっきりしない感じだ。
 疲れが溜まっているせいだろうか。あるいは私もそういう歳になったということなのか。
  1. 2014/09/08(月) 15:38:41|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第19回

◆第十九章 ある告白掲示板への投稿<5>

558 無題 投稿者:匿名 投稿日:○月×日

 主人の叔父と関係を持つようになって二ヵ月が過ぎました。
 このところ彼は、普通のセックス……私にとっては初めから普通ではありませんが……では満足してくれません。

『今日は寿司でも取るか』
 叔父が告げたのは、夫を送り出した後、その日最初の性交を終えた時でした。性欲同様、彼は食欲も旺盛で、いつもは裸のままの私に何を作らせるのです。
『特上のにぎりを二人前、ひとつは特盛でな。急いでくれ』
 注文を終え、ビールでも用意しようとした私を叔父が抱き寄せました。
『あっ……な……何を?』
『決まってるじゃねえか。第二回戦だよ』
『そんな……お寿司屋さんがきてしまいます』
『うるせえ! 俺はやりたい時にやるんだ』

 三十分後。玄関のチャイムが鳴った時、私は深々と貫かれている最中でした。
『お、寿司がきたぞ。おまえ、これ着て受け取ってこい』
 投げつけられたのは、叔父のタンクトップです。
『これで……ひどい……他にも着る物をください』
 また、何度か殴られました。仕方なく身につけると、大きいサイズだけに股間までは何とか隠れますが、大きく開いた襟ぐりから乳房が見えてしまいます。
『どうも毎度……!……お……奥さん……』
 寿司屋のご主人は、全裸同然の私を見て絶句しました。
『ごめんなさい……こんな格好で……』
『何か……あったんですか?』
 ここへ越してきた頃、和食好きの夫とあちこちを食べ歩き、味と主の人柄が気に入って付き合ってきたお店です。
『……いえ……何でもないんです……』
『でも……』
 心配そうに顔を覗き込んでくるお寿司屋さん。それでいて目はいやらしい光を浮かべ、ズボンの股間のところが大きく膨らんでいました。
『いいから……早くお寿司置いていって!』
(……こんな姿を見られて……もうお店へは行けない……)
(……優しそうな人だと思ってたのに……男なんて皆同じなの?)
 相反する気持ちが同時に去来しました。
『おい、いつまで待たせんだ。早く持ってこい!』
 他の人に私の恥ずかしい姿を見られることに、叔父は興奮を覚えるようです。
『スケベ心丸出しの目で見てたな。おまえとやりたいってよ』
 お寿司を口移しで食べさせられながら、いつも以上の激しさで凌辱されました。

 先日は、裸でベランダに連れ出され、フェンスに手をついたまま背後から犯されました。
『ゆるしてください。誰かに見られてしまいます』
『それがいいんじゃねえか。おら、気分を出せよ』
 巧みに突き上げられ、冬の寒風に吹かれてだというのに、やがて全身が汗にまみれてきました。
『あうっ!……んんっ!……叔父さま!……いいわっ!……もっと突いて!』
 白く弾ける視界の隅で、お隣の吉田さんの奥さんが唖然としてこちらを見ていました。

 家庭は壊さない。それが暗黙の了解だったはずです。こんなことを繰り返していたら、ここには住めなくなり、私たちは離婚するしかありません。
『はん? そんなこと約束した覚えはないぜ』
 問い質した私を、叔父はせせら笑いました。
『どうして……私をこんな女にしただけじゃ足りないんですか?』
『まるっきり俺だけのものにしたくなったんだよ、おまえをな』
 私の人生でありながら、自分では決めることができない。落ちた陥穽の深さをあらためて思い知らされました。

 最近、主人のビールに睡眠薬を混ぜています。夫が眠りに落ちたのを見届けると、私はベッドを抜け出して叔父の寝床へ行くのです。
 明け方までさんざん弄ばれるために……。

  1. 2014/09/08(月) 15:41:28|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第20回

◆第二十章 忌まわしい記憶<D>

 私が高校に進学した頃から、母の涼子は伏せりがちになった。
「母さんは病気なんです。お願いします。どうか大切にしてあげてください」
 修造に訴えても、まるで聞き入れてはもらえなかった。女として役立たずになった母を敬遠するように訪れる回数は間遠になり、やがて途絶えた。
 生活費は滞り、満足な蓄えもない。病院に掛かることすらできなかった。
「ごめんね、謙一郎。お母さんがもう少ししっかりしていれば……」
 こけた頬に涙を流す姿が痛々しく、だが当時の私にはただ傍にいてやる以上のことはできなかった。

 半年後、母は死んだ。享年三十七歳。直接の死因は肺炎だったが、その他にも各器官を相当蝕まれていたらしい。
「お母さんはどうにも……ひどい暮らしをしていたようだね」
 遺体を検分した医師によると、その身体には幾度にもわたる堕胎の形跡があり、加えて急激な過度の飲酒による肝機能の低下、薬物の結果と思われるダメージなど様々な要因が寿命を縮めたとのことだった。
 父を喪ってわずか二年の間に、母の心身はボロボロにされていたのである。

 義弟に殺されたも同然の死。憎むべきは修造……だが、私には誰にも明かせない秘密がある。
 母が亡くなる半月ほど前。アパートの部屋で、私は彼女の身体を拭いていた。
「僕が綺麗にしてあげるからね。もう何も心配しなくていいんだ」
 この頃の母は寝ては覚め、覚めては眠りを繰り返しており、もう現実が正しく認識できていないようだった。
「……あなた……」
 うわ言のように父を呼んだかと思えば、次の瞬間には、
「……修造さま……涼子を……可愛がってください」
 と叔父に媚びる言葉を発する。
「母さん……僕だよ……謙一郎だ」
 悔しかった。私たちを残して一人で逝った父。母の肉体を弄ぶだけ弄んで姿を消した叔父。なのに母は、今なお彼らを求めている。
「畜生。母さんは僕だけのものだ! 誰にも渡したりはしない!」
 激情に駆られた私は、無抵抗の母を……犯した。

 息子に凌辱されたことを、母は理解していたのだろうか。否と信じたい。
 だが、もうそうだったとしたら……。
  1. 2014/09/08(月) 15:42:57|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第21回

◆第二十一章 旅立つ二人

「年明けに、新潟で親父の法事があるそうだ」
 修造が告げたのは、年の瀬も押し迫った頃だった。叔父の父、つまり、私の祖父の法要である。
 杉山の本家と修造は長らく絶縁状態にあるはずだ。いぶかしむ私に、
「時の流れは大概のことを解決してくれる。兄貴が死んで十五年。本家と分家のわだかまりは水に流して、一族の結束を強めようということだろうよ」
 杉山家の法事は親戚郎党を集め、何日間にわたり催される。参加するならば、平日も休まなければならない。会社員として微妙な時期にいる私が行けるはずはなかった。
「謙一郎は無理をせんでもいい。とはいえ、おまえも元々は嫡男の血筋だからな。素知らぬ顔というわけにもいくまい。俺と亜紀美さんで顔を出してこようと思う」

 その後の時間は瞬く間に過ぎた。
 例年のことながら年末年始は仕事に追われる。年内ギリギリまで働き、正月も三が日を自宅で過ごしただけで出社した。
「本当に謙一郎はよく働くな。勤勉なところは兄貴そっくりだ。自慢の甥っ子だよ」

 亜紀美と修造が新潟へ発つ日。朝からどんよりと曇っていた。
「今生の別れじゃあるまいし、見送りなんていらんよ」
 という叔父を押し切り、私は何とか時間をやりくりして東京駅まで見送った。
 十時十二分発、Maxとき三一七号。流線型のボディがホームへ滑り込んでくる。
「そうだ、謙一郎。帰ってきたら、おまえに話したいことがある。兄貴と……その……涼子さんのことでな」
「え……は、はい……わかりました」
 どれほどの憎しみを抱いていようと、修造本人の前では従順にならざるを得ない。なぜなら……。

「……じゃあ、あなた……元気でね……」
 亜紀美の言葉が私の思考を遮った。修造に付き添われ、車内へ入っていく。
「ああ……気をつけて……」
 別れ際に亜紀美の見せた、何かを訴えるような、哀しみに満ちた眼差しが妙に心に残った。
(もう二人は帰ってこないのではないか)
 ふと、そんな予感に襲われた。
  1. 2014/09/08(月) 15:43:41|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 第22回

◆第二十二章 ある告白掲示板への投稿<6>

728 無題 投稿者:匿名 投稿日:○月×日

 ついに、この日がきてしまいました。
 私は家庭を棄て、叔父と北へ向かいます。主人には新潟での法事ということになっていますが、まったくの嘘です。

『小さな町へ行って、二人で暮らそうじゃねえか。誰にも邪魔されずによ』
 不意に告げられたのは、一ヵ月前のことです。
『そんなこと……できません……』
『じゃあ俺と別れられるのか? あん? おまえはもう俺のものなんだよ』
 叔父を愛しているのか。そう問われれば答えは「No」です。でも……。
『……どうやって……生活していくんですか……』
 そういう質問自体が、叔父を受け容れ始めている証になるのでしょう。
『まかせとけ。と言いたいところだが、俺も歳だ。おまえに食わしてもらって悠々自適と願いたいね』
『……そんな……私……資格も何も持っていないし……』
『この身体があるじゃねえか。たっぷり稼げるぜえ』
 女の部分を無骨な指で荒々しくまさぐられました。それだけで、じんわりと熱くなるのがわかります。

『どのみち私たち夫婦は終わり……でも、どうしてこんなことを?』
 自分から身体を開き、挿入の姿勢を取りながら尋ねました。
『俺はな。兄貴が羨ましくてたまらなかった。頭は切れる。とびきりの別嬪を娶る。生まれたガキまで可愛くてたまらねえときた。俺には到底できねえことさ。だから俺は、すぐ傍で兄貴一家の幸せを見守っていられりゃあ良かったんだ』
 一拍の間を置いて、根元まで一気に挿入されました。
『だけど、あいつらは俺を邪魔者扱いしやがった。可愛さ余って憎さ百倍ってやつさ。だったら、その幸福を徹底的に破壊してやろうと心に決めたのよ』
 何度受け容れても息苦しいほどのものが、胎内で動き出します。
『兄貴の会社がヤバくなった時、俺は手伝うふりして株主たちの不信感を煽ってやった。潰れたのは当然だ。そして兄貴は死んだ。本当に自殺だったと思うか?』
 ひと際強く突き上げられました。
『エリートってのはな、いざとなっても死ぬ度胸すらねえ野郎が多いのさ。だから……ふふふ、証拠はねえよ。まあ、あったとしても今年で時効だ』
 恐ろしい告白を聞かされているのに、心も身体も官能に炙られていきました。
『義姉さんは、ずっと俺の憧れだった。最初は復讐のつもりだったのに……心底惚れちまったんだ。でも、女に愛されたことのねえ俺には、愛し方がわからなかった』
 律動が速まっていきます。自分の言葉に興奮しているのか、いつもより早く射精するようです。
『大事にしようと思えば思うほど力が入って壊しちまう。その気持ちがわかるか? ええ? わかるかよ!』
 子宮の奥で灼熱が弾けました。
『……俺は……こういうふうにしか……生きられねえんだ……』
 息を整え、目を開くと、叔父の目は潤んでいるように見えました。
『……可哀相なひと……』
 初めてこの男をいとおしく感じました。
  1. 2014/09/08(月) 15:44:41|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

侵略 最終回

◆終章 独白

 亜紀美と修造が旅立った翌朝。誰もいないわが家で、私は目覚めた。
(今頃、叔父と妻は二人きりの朝を迎えているのだろうか)
空はどこまでも碧く澄んでいる。吹き抜ける一陣の爽やかな風。
(それならそれでいい……いや、そうあってほしい)
 愛する者を盗まれることに暗い悦びを覚えずにいられない。思春期に開花させられた屈折した性癖。
 封印していた過去が解き放たれて以来、私は叔父に、妻を寝取るお膳立てをしてきたような気がする。
 叔父の同居を拒まなかったこと。妻と二人きりになる時間を作ったこと。会社から電話の一本すらしなかったこと。温泉宿で先に眠ったこと。三日間の出張を請けたこと……すべては関係の進行を望む潜在意識ゆえの行動ではなかったのか。
 なのに今、私の心はこの空のように晴れ渡ってはいない。
(それは、俺が……)
 想いは忌まわしい記憶の続きへとリンクする。

 ……母の四十九日を終えた夏の夜。体調を崩した私は、一人きりになったアパートで寝込んでいた。
(……このまま死んでしまうのかな……)
 押し寄せる孤独、不安。朦朧とした状態がふと途切れた時、何かが布団に侵入してきた。
「じっとしていろ。何も心配することはない」
 修造だった。寝間着代わりのトレーナーが脱がされ、パンツを降ろされていく。
「……ああ……叔父さん……」
 強い者に支配され、服従する安堵感。私は涙を流しながら、叔父を受け容れた……

 あれは現実の出来事だったのだろうか。高熱が見せた束の間の夢だったのか……わからない。
 確かなのは、深い怖れと激しい憎悪、そして倒錯した愛の結晶こそ、叔父に対する私の感情の真実だということだ。

 私は修造に亜紀美を盗まれ、亜紀美に修造を奪われてしまった。狂おしきパラドックス。救いのない迷宮。嫉妬が切なく胸を焦がす。
 もしも修造と亜紀美が帰ってきたとしたら……。
(……二人を殺してやろう……)
 もう手放しはしない。愛する彼らを永遠に私だけのものにすることで、杉山家二代にわたる呪われた物語に終止符を打つのだ。
 無論、私とて生きてはいない。
(父さんがいる。母さんもいる。皆で愛し合いながら、仲良く暮らすんだ)
 書斎のデスク。引き出しからハンティングナイフを取り出し、刃に宿る鋭い磨光を確認すると、ジーンズのポケットに仕舞った。官能的な恍惚に包まれていく。
(俺は……幸せだ……)

 そして私はデスクトップPCを起動する。掲示板に新たな書き込みをするために……。

<侵略 完>
  1. 2014/09/08(月) 15:45:31|
  2. 侵略・流石川
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

別れた妻 第1回

秋の日だった。
通山の大通りから少し外れた雑居ビルの二階にそのバーはあった。初めて入ったそのバーのカウンターで横村時雄が飲んでいると、ふと横からホステスの視線を感じた。
年のころは三十半ばくらいか。細面の顔、大きすぎるくらいの瞳が時雄の顔を見つめていた。
見間違えるはずもない。
「千鶴・・・・」
思わず呟いていた。
別れた妻、千鶴がそこにいた。
実に七年ぶりの再会だった。

「こうしていても、何から話していいか分からないが・・・まず言おう。今夜は久々に会えて嬉しかった」
「そう言ってもらえると、ほっとします」
時雄の言葉に、千鶴は顔をうつむきがちにしたまま小さく答えた。
その言葉の意味は、時雄にはもちろん分かる。
「・・・昔のことは忘れよう。さっきも言ったとおり、今夜は久々に君と会えて嬉しかったんだ。出来れば別れるときも、楽しい気持ちで別れたい」
すっと顔を上げて、千鶴は時雄を見つめた。昔と変わらず、いや昔よりもさらにほっそりと痩せている。
(少しやつれたか・・・)
時雄は思う。千鶴は時雄の心を読んだかのように、恥ずかしげにまた瞳を伏せた。
「だいぶ年をとったでしょう。恥ずかしい」
「お互い様だ。老け方なら僕のほうがひどい」
「あなたは昔と変わらない。いえ、昔よりも活き活きとして見えるわ。きっと充実した生活を送っていらっしゃるのね」
千鶴の言う「昔」が、二人が夫婦だった頃を指しているように聞こえ、時雄はとっさに何も言葉を返せなかった。

「今日は本当に驚いたわ。まさかこんなところで再会するなんて」
千鶴は相変わらず酒が強くなく、少し飲んだだけでほんのり赤くなっている。
「僕のほうこそ。まさか」
君がホステスをやっているなんて―――と言いかけて、時雄は黙った。少なくとも時雄の知っている千鶴は、およそ水商売とは生涯縁のなさそうな女だった。
千鶴はすべて察したように、
「いろいろあったんです」
と言った。
それは、そうなのだろう。でなければ、三十も半ばを過ぎた女が、こんな裏ぶれたバーでホステスなどやっているわけはない。
「ひとつ聞いていいかな?」
「どうぞ」
「君は再婚しているのか?」
少しのためらいの後、千鶴はうなずいた。
「・・・そうか。相手はやっぱり木崎なのか?」
昔のことは忘れよう、と自分から言っておきながら、時雄はやはり聞かずにはおれなかった。
千鶴はまたうなずいた。
「そうか・・・」
「ごめんなさい」
「謝る必要はない」
そう言いながらやはり、時雄は胸を切り裂かれるような痛みを感じていた。
  1. 2014/09/09(火) 12:39:02|
  2. 別れた妻・七塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

別れた妻 第2回

「あなたはどうなんですか?」
千鶴がぽつりと言った。
「どういう意味?」
「再婚のことです」
「まさか。していないよ」
「どうして?」
「どうしてって。この年だし、仕事が忙しいし、なかなか女性と知り合う機会もないよ」
「そんなことないと思うわ。時雄さんはハンサムだし」
時雄の胸が疼いた。
(『時雄さん』か)
そう呼ばれたのは久しぶり―――七年ぶりだ。
「僕はハンサムなんかじゃない。金持ちでもない。おまけに女房を他の男に奪われるような、情けない男だ」
「・・・・・」
千鶴の顔が哀しげに曇った。
「・・・すまない。僕は相変わらずだ。過去のことは忘れるなんて言っておいて、僕にはとても出来そうにない」
「当然だわ。あなたには私を責める資格がある」
「・・・・・・」
時雄は思い返す。
あの日のことは忘れられない。あのとき目にした光景は胸の中に今も生々しい傷跡を残し、折につけてじくじくと痛んでいる。

雨の日だった。
商談相手の都合で急に出張が取りやめになり、雨の降りしきる中、時雄は夜遅くになって自宅へ帰ったのだ。
鍵を開け、玄関へ入ってすぐに異変に気づいた。
見たことのない男物の靴がそこにあったのだ。
そのとき感じた戦慄は、今でもはっきりと覚えている。
静かな家は雨の音以外、何も聞こえなかった。
音を立てないように時雄はゆっくりと廊下を進み、汗ばんだ手で寝室の戸を開けた。
そこで目にしたものは、今でも夢の中に時々出てくる。
ベッドの上に二人がいた。
千鶴と、そしてもう一人の男。最悪なことに、その男は時雄のよく知っている男だった。
二人は裸でシーツにくるまっていた。
そして―――夫婦は終わった。

「あのとき、君は何も語らなかった。何も言い訳をしなかった。ただ『ごめんなさい』『離婚してください』と言うばかりだった。僕は君を憎んだ。怒りのあまり殴りさえした。それでも君は何も言わなかった。最後には何もかもどうでもよくなって、離婚に同意した」
時雄は一気にそう語ってから、ほうっとため息をついた。
「正直に言うよ。今でも時々そのことを悔やんでいる」
「あなたには本当に悪いことをしてしまいました」
気がつくと、千鶴の瞳が潤んでいた。
「・・・いや、たしかに僕はあの頃いい夫じゃなかった。仕事にかまけて夫らしいことはは何ひとつ・・・。だから今でもずっと後悔しているんだろう」
「あなたはいい夫でした。それは私が誰よりもよく知っています」
千鶴は小さな、しかしはっきりした声でそう言った後、上目遣いに時雄を見た。
「ごめんなさい。それならなぜあんなことになったんだと仰りたくなったでしょう」
「いや・・・」
一瞬否定しかけた時雄だったが、ふと黙ってグラスを見つめた。
「そうだな、正直に言ってそう思った」
「ごめんなさい」
「謝らなくてもいい。ただ・・・理由を教えてくれないか。そうでなければ、僕はいつまでも先に進めそうにない」
千鶴は瞳を伏せ、また哀しい顔をした。
形のいい額の下で、長い睫が震えていた。
やがて―――千鶴は顔をあげた。
  1. 2014/09/10(水) 01:45:07|
  2. 別れた妻・七塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

別れた妻 第3回

 顔を上げた千鶴は何かを言おうとして言葉にならない様子だった。
 その叙情的な瞳から一筋の涙が伝い落ちるのを、時雄は見た。
「ごめんなさい」
 しかし、結局千鶴の口から出た言葉はそれだけだった。
「ごめんなさい、か・・・」
 時雄は呟くように言い、唇を強く噛み締めた。
 いつの間にか、七年の歳月を飛び越えて、あの日あのとき感じた様々な感情が胸に呼び起こされてきたようだった。
 目の前の千鶴は顔をうつむけて、しのび泣いている。
 その様子を見つめる自らの胸に去来する激しい愛憎の念が、今でも強くこの女に結びついていることを時雄は痛みとともに自覚した。
「・・・もういいよ」
 時雄は短く言った。
「そのかわりといっては何だが、これだけは聞かせて欲しい。君の、正直な気持ちを」
 千鶴が顔をあげた。
「君は今、幸せなのか?」
 涙で潤んだ瞳が、驚いたように見開かれた。
「・・・それは」
 戸惑ったような千鶴の声。
 いくら正直な気持ちを聞かせて欲しい、と言われたところで、千鶴ならそれよりもむしろ時雄の気持ちを傷つけない答えを選ぶかもしれない。時雄の知っている千鶴はそういう女だった。
 だからこそ、いま彼女は迷っている。どう答えるのが一番よいのかが分からなくて。分かるはずなどない。時雄自身にも自分の気持ちが分からなかった。


 時雄はその夜、どこをどういうふうに自宅まで帰ったのか覚えていない。
 夜の風が冷たかったことだけは覚えている。
 季節はもう確かに秋なのだ。
 せっかくの休日だったが、何もする気になれなかった。朝食を作る気にすらなれなくて、コーヒーだけですませた。
 煙草を咥えると、胃がきりきりと痛んだ。
 紫煙の向こうに昨夜の千鶴の面影がよぎる。

「幸せ―――です」

 最後に彼女の口から出た一言。その一言がいつまでも、時雄の耳から離れなかった。
  
  1. 2014/09/10(水) 01:46:26|
  2. 別れた妻・七塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

別れた妻 第4回

 時雄は大学の美術サークルで千鶴と知り合った。時雄が大学の三回生となった春のことだ。
 新入生歓迎コンパのとき、恥ずかしそうに自己紹介をする千鶴を見て、可愛い子が入ってきたなと思ったものの、それ以上の感想を最初は持たなかった。
 印象が変わったのは、彼女の絵を見てからだった。
 千鶴の絵は花や動物や周囲の風景といった日常の風景を描くだけで、特に奇をてらったところもなく、地味といえば地味な画風だった。しかし、そうした日常の小さなものにそそぐ視線の温かさが感じられ、見ているだけで心が和むような絵であった。自己主張ばかり激しくて内容のない絵から抜け出せないでいた時雄には、千鶴の素朴で温かみのある絵は新鮮だった。

 当時、千鶴のことを狙っていると噂された男が、サークルの中にいた。時雄にとっては先輩に当たる人間だった。
 その先輩は木崎という男だった。
 時雄は木崎が苦手だった。はっきりいって嫌いなタイプだった。
 木崎はアートかぶれの人間にありがちな、何に対しても斜に構える男だった。誰でも、何にでも批判的であれば優位に立てると思い込んでいるような木崎の人間性が、時雄にはひどく子供っぽいものに思えて厭だった。
 その木崎が千鶴を狙っていると聞いて、時雄は不安になった。
 千鶴は見るからに押しが弱そうな女だった。木崎のようなタイプの男が強引に迫れば、好き嫌いにかかわらず押しきられてしまいそうだと思った。
 木崎が千鶴に話しかけている姿を部室で見かけるたび、時雄の胸は騒いだ。出来ることならそばに行って、二人の会話に割って入りたいくらいだった。実際、時雄は何度もそうして木崎から白い目で見られた。
 その頃にはすっかり千鶴のことが好きになっていたのだ。彼女を誰にも渡したくないと時雄は思った。
 だから、時雄の告白に千鶴が「私も好きでした」と言ってくれたときは、天にも昇るような気持ちだった。
 一方で鳶に油揚げを攫われた形になった木崎からは、千鶴ともどもことあるごとに嫌味を言われた。攫った男が後輩だったことも、木崎のプライドを刺激したのだろう。部室で千鶴と話しているだけで、
「いちゃついてんじゃねえよ」
 と言われたようなときには、本当に殴ってやろうかと思うくらいに腹が立ったものだ。 
 大学の美術サークルでの四年間は、千鶴と出会った場所でもあり、時雄の人生の中でも幸福な思い出のひとつだったが、唯一、木崎のことだけが厭な記憶である。
 何ぞ知らん、まさかその「厭な記憶」が壁にかけられた肖像画の人物が抜け出してくるように、再び時雄の人生の前に現れようとは。

 千鶴と木崎はいつ再会し、いつから秘密の関係を持つようになったのだろう。
 はっきりしたところは分からない。だが思い当たるのは、あの悪夢の日の数ヶ月前に美術サークルの同窓会があったのだった。
 仕事で出張に行っていた時雄は出席していない。千鶴だけが行った。
 翌日、自宅へ帰ってきた時雄を出迎えた千鶴の様子には、特に変わったところはなかったように思う。
 いや、後からそう考えているだけで、実際は違ったのかもしれない。時雄は仕事にかまけて家庭を顧みる余裕のない迂闊な夫だったから、妻の些細な変化や心の動揺を察することも出来なかったのかもしれない。 
 千鶴はたとえ悩みがあっても、容易にそれを口に出すタイプではない。むしろ潰れるまで抱え込んでしまう女だ。
 あの頃、千鶴と木崎の間に何があったのかは、今でも分からない。
 だが、もしも千鶴が何か葛藤を抱えていて、自分に対してSOSのサインを送っていたとしたら―――
 そのサインに自分が気づくことすら出来ずにいたとしたら―――
 いくら後悔しても足りない。
  1. 2014/09/10(水) 01:47:25|
  2. 別れた妻・七塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

別れた妻 第5回

 千鶴と再会した次の週の金曜の夜、時雄はまたあのバーのほうへ足を向けた。
 もう会わないほうがお互いにとっていいと分かってはいても、そうせずにはいられなかったのだ。
 たとえ千鶴が言った「幸せです」の一言が真実であろうと、なかろうと、時雄の存在は今の彼女にとっては重荷でしかなかろう。
 それならば、自分にとって今の千鶴はどういう存在なのか――。
 それもはっきりとは分からない。
 彼女は時雄にとって、真剣に愛した最初で最後の女だった。
 同時に、どんな事情があるにせよ、時雄を手ひどく裏切り、彼の人生を狂わせた女だった。
 出会って、やがて結婚して。千鶴と暮らした数年間は、切ない幸福の幻影と、やりきれない空しさとなって、時雄の脳裏に刻み込まれていた。 
 あの頃、仕事にかまけていたとはいえ、時雄の気持ちが千鶴から離れたことは一度もなかった。それだけは自信を持って言える。
 もともと美術に関心のあった時雄は、望んでいたデザイン系の仕事に就くことが出来て有頂天だった。仕事が面白くて面白くて、仕方なかった。早く一人前になって、誰からも認められる男になりたいという希望に燃えていた。
 誰からも―――いや、そうではない。誰よりも何よりも、千鶴に認めて欲しかった。彼女にとって、誇れるような夫でありたかった。
 千鶴を幸せにしたかった。幸せにする自信もあった。
 だが―――その夢は破れた。
 あの悪夢の日以降、時雄は荒れた。自分を裏切った千鶴が憎くて憎くて仕方なかった。
 最も愛し、最も信頼していた人間に裏切られる―――。
 言葉にすれば簡単に表現できるそんな事実が、これほど辛いものだとは思わなかった。
 時雄は千鶴を責めた。千鶴は泣いて謝るばかりで一切言い訳はしなかったが、たとえ言い訳したとしても、当時の時雄にそれを聞く余裕はなかっただろう。その頃、彼は完全にパニック状態だった。
 千鶴は離婚を望んだ。
 時雄は最初、それを拒否した。とんでもない、と思った。なぜ、自分は何もしていないのに、と思うと、怒りばかりがむくむくと湧いてきて、時雄はますます荒れた。
 しかし、その一方で、時雄の中のもう一人の人間は、冷たい現実を受け入れ始めていた。
 たとえ、このままの状態を続けていたところで、事態は悪くなる一方だ。
 そう思えるくらい、時雄は疲れ果てていたのかもしれない。
 それからの数週間は、幸福というものは実に呆気なく崩れていくものだということを確認するような日々だった。

 やがて、二人は別れた。

 しばらくは呆然と日を送った。
 仕事を終え、家に帰ってもそこに妻はいない。あるのは空虚な暗闇と、やりきれない喪失感。
 それが唯一の現実だった。とても信じられない、信じたくない現実だった。
 あえて心に鍵をかけて思い出さないようにはしていたが、やはり想うことはいなくなった千鶴のことばかりだった。
 千鶴のことを想うたび、激しい憎しみと、そしてそれを上回る思慕の念が蘇った。
 あの日、あのとき、自分の傍らで笑っていた千鶴の幻影が、瞳に焼きついて離れない。
 なぜ、どうしてこうなってしまったのか。
 思い出はやがて後悔へと変わり、憎しみは自責の念へと変わっていった。
 そんなふうに思う自分がもどかしく、また不思議でもあった。
 今なら分かる。
 あの頃、千鶴に出て行かれた時雄は寂しかった。どうしようもなく寂しかったのだ。
 

 千鶴がホステスを勤めるバーのあるビルの手前に来たとき、時雄は前を歩く男に目をとめた。
 見覚えがある、というレベルではない。
 老けてはいるが、見間違えるはずもないあの顔。
 じわっと脇に厭な汗をかいた。
 木崎だ。 
 
  1. 2014/09/10(水) 01:48:30|
  2. 別れた妻・七塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

別れた妻 第6回

 木崎は雑居ビルの中へ入っていった。
 行き先はもちろん、千鶴のいるバーだろう。
 時雄はビルの手前の道路で立ちすくんでいた。
 まだ胸がどくどくと高鳴っている。
 濡れ雑巾で心臓を鷲づかみにされたような衝撃だった。

 千鶴を間に挟んでいざこざのあった大学時代から数年後、また同じく千鶴を間に挟んで起こったあの出来事の際、時雄は木崎に久々に再会した。それからもすでに七年が経つ。
 両者の立場はあの七年前から完全に入れ替わっている。
 今では木崎が千鶴の夫なのだ。
 頭では分かっていたが、実際に木崎の姿を目にすると、その事実がひどく耐え難いものに思えた。

 七年前。
 久々に再会したときも、木崎は変わらず厭な奴だった。
 自分が寝取った女の夫である時雄に対して、一見すまなそうにし、口では謝罪しながらも、内心では時雄のことを見下していることが見え見えの態度が我慢ならなかった。
 それに加えて、木崎はこの期に及んでも時雄に対して先輩面を崩さなかった。
 話し合いのため、差し向かいで話していたとき、激昂した時雄が木崎の名を呼び捨てにしたことがあった。
「てめえ、誰に向かって話してる。俺は先輩だぞ」
 木崎は顔を真っ赤にして怒った。学生時代そのままの、子供じみた口調で。
 それを見て、時雄は気が抜けた。空しさすら感じた。
 自分はなんというつまらない男を相手にしているのだろう。 
 ひとの妻を寝取っておいて、この男は相手に対する誠意を見せるどころか、まだ大学時代の先輩後輩などという形式にこだわっている。
 くだらなすぎて、吐き気がした。怒鳴る気力すら萎えてしまった。

 時雄はバーの入り口が見える裏路地に立ち尽くしたまま、そんな過去の記憶を回想していた。
 木崎に関しては厭な記憶しかない。
 この七年間、千鶴のことを思い出すことはよくあっても、木崎については滅多になかった。
 木崎の存在は時雄にとってあまりにも忌まわしい記憶だった。無意識のうちに心が彼を思い返すことを拒否していたのだろう。

 時雄はポケットから煙草を取り出し、火を点けた。このところ、あからさまに喫煙量が増えている。
(それにしても・・・)
 木崎はなぜ千鶴―――妻がホステスをしているバーなどへ行ったのだろう。
 そもそも、三十半ばを過ぎた妻にホステスなどをやらせている男の神経が分からない。よほど家計が逼迫しているのだろうか。木崎自身はどうなのだ。きちんとした職で働いているのか。
 考えれば考えるほど、苛々した。
 ふっと時雄は自嘲の笑みを浮かべた。
 いったい自分は何をしているのか。寝取られた女房と寝取った男を前にして、あれこれと想像を巡らしながら暗い路地に突っ立っている元夫。どこの間抜けだ?そいつは。
 煙草を踏み消す。もう帰ろう。
 すべては―――終わったことだ。

 そのときだった。
 バーの入り口のドアが開いて、サラリーマン風の男が出てきた。 そして、そのすぐ後に今度は木崎が出てきた。入店してから、ものの三十分も経っていない。
 時雄は思わず、近くの家の駐車場の影に身をひそめた。
 サラリーマン風の男が目の前を通り過ぎかける。
「待ってください」
 木崎の声がした。
 サラリーマン風の男はそのまま行こうとしたが、何度も呼びかけられて振り向いた。面食らった様子だった。
「私ですか」
「そうです、そうです」
 木崎の声。
「何か用ですか?」
 サラリーマン風の男は警戒した様子で、それでもその場に足をとめた。明らかにふたりは旧知の仲ではない。
「ちょっとお話があります。いえ、わるい話じゃありませんし、危ない話でもありません」
 木崎の口調はまさに悪徳商人のそれだった。どこの世界にそんな口上で安心する人間がいるだろう。
 時雄のいる場所からは木崎の姿は見えない。
「コレですよ、コレ。女の話です」
「そんな話に用はない」
「つれないなー、話だけでも聞いてくださいよ。ナニ、女といっても見知らぬ女じゃない。あなたがさっきあのバーで話していた女です。ほら、ホステスにしてはちょっと年増だが、なかなか美形のあの女」
 時雄は思わず息を呑んだ。
 木崎は明らかに千鶴のことを言っている。
「あの女に興味はありませんか?」
 木崎の突拍子もない言葉にサラリーマン風の男は、なんと答えたものかしばし迷っている様子だったが、
「あんた、あの店のものなのか?」
 と小さな声で聞いた。
「違います。でも個人的にあの女とは懇意でしてね。あなたがお望みなら、いつでも逢瀬の機会をご用意しますよ」
(いったい、こいつは何を言ってるんだ?)
 時雄は呆然となった。  
  1. 2014/09/10(水) 01:49:27|
  2. 別れた妻・七塚
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
前のページ 次のページ

名作の宝庫リンクサイト

このブログをリンクに追加する

プロフィール

シーザー

Author:シーザー
闇文庫は個人文庫です。
非公開の記事を公開する事はありません。
もしお読みになりたい場合は下記メールフォームに作品を指定していただければ、可能な限り掲載しているサイトをお知らせいたします。
問い合わせされる前に、お読みになりたい作品は一部を除き「オナニー三昧」の”逝く”ボタンで掲載サイトにリンクしますので大半が閲覧可能です。

yahooメールでお問合せいただいた場合、当方からの返信が迷惑メールとして扱われている場合があります。
返信が無いと思われる場合、迷惑メールのホルダーを覗いて見てください。

メールフォーム

カテゴリ

■完結名作 (1784)
別れた妻・七塚 (34)
妻は銀行員・貴子の夫 (5)
夢の中・弱い男 (29)
変身・KYO (43)
変わってしまった・柴田 (27)
気持ちの置場に・レタス (23)
心の隙間・松本 (7)
薬剤師・津島正義 (49)
表裏・所 (24)
本性・拓也 (32)
蜃気楼・WR (63)
妻の想いは…?・ムーア (19)
彼方なら・マサユキ (13)
待っていてくれる紗代・呑助 (6)
水遣り・CR (73)
CRの妻・洋子 (35)
喪失・バーバラ (25)
永遠に夫婦でいるために・ルイ (11)
役員会・KYO (102)
隣の芝生・石井 (42)
留守番・赤とんぼ (15)
家主・えりまきとかげ (32)
雲の上を歩く・MMさん教えて (62)
Booby Trap・道化師 (51)
チョコレートの伯父ちゃ・思い出 (31)
立場・Retaliation (42)
白き花・男とは? (38)
黒の凱歌・TELL ME (35)
女友達と妻・KYO (49)
赦さない・・・・ヨシキリ (34)
戦い・MM (75)
誤解の代償・美鈴さんに捧げる (24)
子は鎹・種無し (10)
魔性・樹氷 (43)
品評会・ミチル (33)
帰省・N (5)
妻の同窓会・間抜けなそして幸せな夫 (37)
奈落・RHM (27)
侵略・流石川 (23)
二人の妻・桐 (93)
神の悪戯・弱い鬼 (36)
イヴとなった妻・忍兄さん (70)
インプリンティング・迷人 (64)
よき妻・BJ (26)
卒業・BJ(よき妻 第二部) (24)
卒業後・BJ(よき妻 第三部) (74)
2つの我が家・鎌田 (14)
ミコと美子・美子の夫 (21)
暗黙の了解・裏筋舐太郎 (34)
■職場関係 (591)
上司と妻・陽太 (6)
知らなかった・みつる (6)
妻の初体験・変な夫 (7)
堕ちていく天使の影・赤いかげろう (7)
私の妻・つよし (5)
僕の不貞な妻・カウニッツ (6)
招かれざる、客・使徒 (14)
屋上・古屋二太郎 (2)
デジカメ・龍 (6)
壊れかけの絆・叶 (34)
本当の妻・加藤 (17)
嫁が俺の会社の先輩に、デートの練習をした・不詳 (5)
二人の?妻・木下某 (27)
未完・修司 (19)
空白の2時間・ナガネギセブン (3)
妻・友子の不倫告白!・ヘタレ旦那! (18)
妻の浮気を知ってしまった。・美作 (2)
ピアノレッスン・悦 (5)
アルバイト・凛 (14)
元ヤクザの情婦にされた妻・574 (13)
観光温泉ホテル・公務員亭主 (16)
奥手でおとなしい妻が後輩に仕込まれた・名無し (6)
寝取られ妻が本気で妊娠まで・浩二 (5)
ナース妻を寝取られて・由美子命 (10)
写真館派遣の妻・無知な夫 (7)
私の身に起きた事実。・ファイター (10)
イケメン部下と妻・・・リュウセイ (9)
変貌する妻・雄治 (18)
僕の厄年・田舎おやじ (10)
訪問介護・サンコウシン (6)
狙われた人妻・亜紀・恋愛小説家 (7)
マラソンを愛する妻・スポーツトレーナー (3)
妻が汚れてしまった・常陸の親方 (10)
妻は専務のおもちゃだった・道騎士 (6)
妻の二人の夫・妻を愛する夫 (27)
見えない檻・生き物係り (30)
美樹がやられた・無能な夫 (41)
愛妻を・・・・川島クロード (12)
序破急・中務 (75)
月の裏側・久生 (14)
婚約者の調教動画が見つかって (12)
官舎 送別会・公務員 (5)
撮られていた妻・スネ夫 (8)
夫婦の恩返し・赤とんぼ (8)
1話完結■職場関係 (20)
■義父または近親 (65)
妻は義父のモノ・クスコ (3)
イトコと親友に、そして・・・ ・正光 (16)
巨乳妻・ゆうき (18)
家族遊戯・六郎汰 (14)
疑わしい行動・圭太 (9)
妻の絶頂・こうくん (5)
■隣人または友人 (491)
はちきれそう・ゆう (7)
仕掛けられた糸・赤いかげろう (6)
本当のこと。・一良 (14)
リフォーム・とかげ (22)
友達・悦 (13)
悪夢・覆面 (10)
ビデオ・はじめ (4)
言えない真実、言わない真実・JOE (17)
私しか知らなかった妻・一樹 (3)
妻の秘密・光一 (54)
清楚人妻 一夜の陵辱劇 ~親友に騙された~・仁 (6)
俺が負けたので、彼女が手コキした (5)
惨めな自分・子無き爺  (6)
田舎・マス夫 (16)
秘密・POST (14)
新妻の幻想・TAKA (4)
遠方よりの友・ちかこmy-love (11)
管理組合の役員に共有された妻・エス (136)
団地・妄人 (50)
抱かれていた妻・ミリン (18)
パーティー・ミチル (33)
友人・妄僧 (7)
甘い考え・白鳥 (22)
乳フェチの友人・初心者 (6)
1話完結■隣人または友人 (7)
■インターネット (54)
チャットルーム・太郎 (19)
オフ会・仮面夫婦 (10)
ターゲット・アイスマン (5)
奇妙な温泉宿・イワシ (14)
落書きの導き・マルタ (4)
1話完結■インターネット (2)
■旅先のアバンチュール (63)
バカンス・古屋二太郎 (7)
妻との旅行で・けんた (5)
無題・ざじ (10)
A温泉での忘れえぬ一夜・アキオ (18)
露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
■罠 (87)
ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
範子・夫 (4)
1話完結■罠 (0)
■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
嘱託輪姦・Hirosi (5)
私の日常・たかはる (21)
春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
告白・小林 守 (10)
牝は強い牡には抗えない。・山崎たかお (11)
堅物の妻が落とされていました・狂師 (9)
野外露出の代償・佐藤 (15)
妻が襲われて・・・ ・ダイヤ (6)
弘美・太郎棒 (11)
強奪された妻・坂井 (2)
痴漢に寝とられた彼女・りょう (16)
1話完結■レイプ (5)
■不倫・不貞・浮気 (788)
尻軽奈緒の話・ダイナ (3)
学生時代のスナック・見守る人 (2)
妻・美由紀・ベクちゃん (6)
押しに弱くて断れない性格の妻と巨根のAV男優・不詳 (8)
妻に貞操帯を着けられた日は・貞操帯夫 (17)
不貞の代償・信定 (77)
妻の浮気を容認?・橘 (18)
背信・流石川 (26)
鬼畜・純 (18)
鬼畜++・柏原 (65)
黒人に中出しされる妻・クロネコ (13)
最近嫁がエロくなったと思ったら (6)
妻の加奈が、出張中に他の男の恋人になった (5)
他の男性とセックスしてる妻 (3)
断れない性格の妻は結婚後も元カレに出されていた!・馬浪夫 (3)
ラブホのライター・され夫 (7)
理恵の浮気に興奮・ユージ (3)
どうしてくれよう・お馬鹿 (11)
器・Tear (14)
仲のよい妻が・・・まぬけな夫 (15)
真面目な妻が・ニシヤマ (7)
自業自得・勇輔 (6)
ブルマー姿の妻が (3)
売れない芸人と妻の結婚性活・ニチロー (25)
ココロ・黒熊 (15)
妻に射精をコントロールされて (3)
疑惑・again (5)
浮気から・アキラ (5)
夫の願い・願う夫 (6)
プライド・高田 (13)
信頼関係・あきお (19)
ココロとカラダ・あきら (39)
ガラム・異邦人 (33)
言い出せない私・・・「AF!」 (27)
再びの妻・WA (51)
股聞き・風 (13)
黒か白か…川越男 (37)
死の淵から・死神 (26)
強がり君・強がり君 (17)
夢うつつ・愚か者 (17)
離婚の間際にわたしは妻が他の男に抱かれているところを目撃しました・匿名 (4)
花濫・夢想原人 (47)
初めて見た浮気現場 (5)
敗北・マスカラス (4)
貞淑な妻・愛妻家 (6)
夫婦の絆・北斗七星 (6)
心の闇・北斗七星 (11)
1話完結■不倫・不貞・浮気 (18)
■寝取らせ (263)
揺れる胸・晦冥 (29)
妻がこうなるとは・妻の尻男 (7)
28歳巨乳妻×45歳他人棒・ ヒロ (11)
妻からのメール・あきら (6)
一夜で変貌した妻・田舎の狸 (39)
元カノ・らいと (21)
愛妻を試したら・星 (3)
嫁を会社の後輩に抱かせた・京子の夫 (5)
妻への夜這い依頼・則子の夫 (22)
寝取らせたのにM男になってしまった・M旦那 (15)
● 宵 待 妻・小野まさお (11)
妻の変貌・ごう (13)
妻をエロ上司のオモチャに・迷う夫 (8)
初めて・・・・体験。・GIG (24)
優しい妻 ・妄僧 (3)
妻の他人棒経験まで・きたむら (26)
淫乱妻サチ子・博 (12)
1話完結■寝取らせ (8)
■道明ワールド(権力と女そして人間模様) (423)
保健師先生(舟木と雅子) (22)
父への憧れ(舟木と真希) (15)
地獄の底から (32)
夫婦模様 (64)
こころ清き人・道明 (34)
知られたくない遊び (39)
春が来た・道明 (99)
胎動の夏・道明 (25)
それぞれの秋・道明 (25)
冬のお天道様・道明 (26)
灼熱の太陽・道明 (4)
落とし穴・道明 (38)
■未分類 (571)
タガが外れました・ひろし (13)
妻と鉢合わせ・まさる (8)
妻のヌードモデル体験・裕一 (46)
妻 結美子・まさひろ (5)
妻の黄金週間・夢魔 (23)
通勤快速・サラリーマン (11)
臭市・ミミズ (17)
野球妻・最後のバッター (14)
売られたビデオ・どる (7)
ああ、妻よ、愛しき妻よ・愛しき妻よ (7)
無防備な妻はみんなのオモチャ・のぶ (87)
契約会・麗 (38)
もうひとつの人生・kyo (17)
風・フェレット (35)
窓明かり ・BJ (14)
「妻の秘密」・街で偶然に・・・ (33)
鎖縛~さばく~・BJ (12)
幸せな結末・和君 (90)
妻を育てる・さとし (60)
輪・妄僧 (3)
名器・北斗七星 (14)
つまがり(妻借り)・北斗七星 (5)
京子の1日・北斗七星 (6)
1話完結■未分類 (1)
■寝取られ動画 (37)
■失敗しない為のライブチャット格安攻略 (5)

最新記事

月別アーカイブ

検索フォーム

訪問者数

現在の迄訪問数:

現在の閲覧者数:

RSSリンクの表示

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

最新コメント

QRコード

QR