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闇文庫

主に寝取られ物を集めた、個人文庫です。

変身 第33回

妻と男の情交の記録を見続けた私は、到底妻とやり直すことは不可能だと思っていました。妻とは離婚する。子供たちの親権も渡さない。財産分与と養育費は相殺して妻を身一つで放り出し、さらに妻と男に対して慰謝料を請求するつもりでした。

また、私が営々と気づき上げた家庭が崩壊した訳ですから、男の家庭も崩壊させるつもりです。男の妻に対しても事態を明らかにするのです。男の妻から私の妻に対して慰謝料の請求があるかも知れませんが、それは離婚を決めた私にはもはや関係のないことです。

私は男と対決するにあたって、不倫や離婚にかかわる法的責任について十分頭に入れて行きました。本当なら妻を奪った男をぶん殴り、職場にも男の所業を言い触らして男を破滅させてやりたいところですが、そうなると私の方が罪に問われかねません。

私の心は男と妻に対する復讐心で一杯であり、男と妻の関係を終わらせ、妻とやり直すなどという発想はまったくありませんでした。

私は妻が冷蔵庫にマグネットで貼っているパートのシフト表から、妻の所属部署と直通電話を調べていました。銀行の始業時間前をねらって、携帯から電話をかけます。

「お電話ありがとうございます。A銀行融資業務部です」
「そちらにお世話になっている○○の夫ですが、春日健一さんをお願いいたします」
「次長の春日ですね、少々お待ちください」

春日は喜美子の勤める部署の次長のようです。銀行での出世の早さがどう入ったものなのか良く知りませんので、優秀なのかそうでないのか分かりかねます。電話が保留にさせる間、聞き慣れたクラシックのメロディが流れました。私は必死で気持ちを落ち着けます。

「はい、春日です」
「はじめまして、私、○○紀美子の夫です」
「ああ、奥様にはいつもお世話になっております」

春日はわざとらしく陽気な声を出します。私は春日の話振りがビデオとは違う関西弁のアクセントがあることに気づきます。

(別人か?)

私の胸に不安がよぎります。ビデオの男がなんらかの理由で春日のふりをして、妻がそれに調子を合わせたということも有り得ます。
いずれにしても電話では声質もよく分かりません。私はここはあえて慎重に下手に出ることにしました。

「実は家内のことでご相談したいことが有ります。お忙しいところ申し訳ございませんが、少しお時間をいただけないでしょうか」
「ああ、ああ、もちろん良いですよ。いつがよろしいですか」

春日は声に余裕が有るようです。私の不安が膨らみますが、思い切って切り出します。

「実は今、銀行のすぐ近くまで来ています」
「えっ?」

一瞬春日の声音が変わったようです。

「向かいのビルの地下に、モナコという喫茶店があるのをご存じですか」
「……知ってます」
「そこで待っていますので、ご足労ください」
「今からですか?」

春日の声にためらいが見られます。

「さほどお時間は取らせません。お願いします。それでは」

私はそう言って電話を切ります。

男と春日が別人だった場合、私の行為はやや奇異なものと見られかねませんが、仮にそうであったとしても男は妻の職場の人間であることはほぼ間違いないと感じています。春日から男についての情報を得ることは可能でしょう。

私はモナコという喫茶店に入り、店の奥の方に席を取り、珈琲を注文して春日を待ちます。やがて落ち着かない風情で春日が現れました。黒縁の眼鏡をかけ、額がやや上がった腹の出た中年男、間違いなくビデオの男でした。

私は春日に向かって手を上げます。春日はきょろきょろしながら私の方に近づき、深々と頭を下げました。

「どうも、春日です。奥様にはいつもお世話になっております」
「いえ、お世話になっているのはむしろ家内の方でしょう」

私は込み上げる怒りを必死で抑えてそういいます。春日は皮肉を言われているのを感じたようですが、何も言い返せなくて口をパクパクさせています。

「お座りください」

私が声をかけるとようやく春日は席に着きました。春日が何かしゃべろうとした途端、ウェイトレスが私に珈琲を持って来ました。

「ご注文は」
「あ、こ、珈琲を」

春日は明らかに平静を失っています。ウェイトレスが去ったところで私は春日に切り出しました。
  1. 2014/05/30(金) 01:14:15|
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変身 第34回

「春日さん、あなたは私の妻をどうするつもりですか?」
「えっ」
「ビデオと写真はすべて見させていただきました」

私の言葉に春日は見る見る青ざめ、いきなりテーブルに手を着いて頭を下げます。

「す、すんませんっ!」

私は春日の行為にあっけにとられます。珈琲を持って来たウェイトレスが目を丸くして私達を見ています。

「わ、私と奥さんのやったことは、法律的は不貞、不法行為です。それについては償わせていただきます」
「償い?」

私は春日の言葉を聞きとがめます。

「償いとはなんですか」
「ですから……十分な慰謝料を……」
「いきなり金の話ですか。さすがに銀行は稼ぎが良いのですね」

私は春日を突き放します。

「償いはむろんしてもらいますが、私は妻をどうするつもりなのかを聞いているのです」
「どうするとは……」
「あなたは妻と一緒になりたいのですか?」
「とんでもありません」

男は慌ててかぶりを振ります。

「そんなつもりは毛頭ありません。紀美子さんは○○さんの妻です」
「すると、あなたは妻を遊びで抱いたのですか?」

私の声が少し大きくなったようで、周りの客数人が怪訝そうな表情をこちらに向けます。

「どんなつもりであったにせよ。責任は取ってもらいます。私はもう妻とは離婚するつもりです」
「離婚……」

春日は目を丸くします。

「それはいけません。離婚はいけません」
「なぜですか? あんなことをした妻とはもう一緒にはやっていけない。妻もビデオの中であなたの妻としてやっていきたいと言っていたではないですか」
「あれは違うんです」
「どこが違うんだ」

さすがに私は怒りをこらえ切れず、言葉が荒くなります。

「それにあんたが始めに言った、法律的には不貞とはどういう意味だ。法律的には不法だが心情的には正しい、純粋な愛だとでもいいたいのか」
「○○さん、勘弁してください。この店は銀行の人間も出入りします」

店中の視線が私達に集まっています。私はさすがに少し興奮が冷め、席に座り直します。

「今日、昼休みにかけて外出の時間をとって、○○さんのお宅にお邪魔します。その時にきちんとお話させてください」
「わかった……」

私もここでこれ以上の話は無理と見て承諾しました。とにかく少なくとも春日がはっきりと妻との不貞行為を認めたのですし、銀行員という社会的立場上逃げ隠れはしないでしょう。私はいったん鉾を収め、家に帰って春日を待つことにしました。

春日に対する先制攻撃はなんとか成し遂げたのですが、もう一人かたをつけなければならない相手がいます。そう、妻の紀美子です。

家に帰った私は、留守電が入っていることに気づきました。確認すると妻からです。お話したいことがあるのですぐに携帯に連絡してほしいとのことでした。時間を確認すると、ちょうど私が春日と別れた10分ほど後です。

私と話をしたければ携帯に電話をすればすむことです。妻は私が家にいないことを知りながらあえて家の電話にかけて来たということは、私とすぐに話すのを避けたかったからでしょうか。

私は妻の希望をわざと無視して、実家の電話にかけます。病に倒れている義父やその看病で疲れている義母を巻き込みたくはなかったのですが、妻にも私が味わった嫌な気持ちの何分の一でも体験させなければ気が済みません。何度かのコールの後、受話器を取ったのは妻でした。

「はい、△△(妻の実家の姓)です」
「俺だ」
「あなた……」

電話の向こうで妻が息を呑む様子が見えるようです。

「すみません、こちらからすぐにかけ直します」
「この電話では話せないことか」
「すみません……近くに父と母が……お願いです」

妻は受話器に口を近づけ、小声で哀願するように話します。

  1. 2014/05/30(金) 01:15:11|
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変身 第35回

「お義父さんやお義母さんにも聞いてもらったらどうだ」
「それは……」

妻が切羽詰まったような声を出します。私も本音では夫婦間のゴタゴタに病に倒れている義父まで巻き込みたくはありません。41歳にもなる娘の育て方についていまさらその親に苦情を言ってもしょうがないことも分かっています。

「わかった。今家には俺しかいない」
「すみません、すぐにかけます」

私が受話器を置いてから3分程しかしないうちに、電話がなりました。

「紀美子です……」

私は妻の声を不思議なほど遠くに感じました。それは遠い実家からかけているということだけでなく、気持ちの上の距離感だったと思います。

「話したいことって、なんだ」
「あの……」

妻は口ごもります。

「春日さんと話されたんでしょう」
「奴から連絡があったのか」
「はい……」
「いつも連絡を取り合っているんだな」
「違います」
「まあいい、おまえの話を聞こう」

私は妻を促します。

「ビデオと写真をご覧になったんですね」
「それは俺が春日に言ったことだ。夫以上に信頼している人間の言葉をわざわざ俺に確認しなくても良いだろう」
「それは違います。私があなた以上に信頼している人はいません」

私は本当は「信頼している」というより「愛している」と言いたかったのですが抑えました。そう言って妻に否定されないことを無意識のうちに恐れていたのかも知れません。

「まあいい、それよりもさっきから質問ばかりだな。紀美子が話があるというからかけたんだ。その話を聞こうじゃないか」
「それは……やっぱり電話で話しにくいです」
「それなら俺から話すことはないから、これで終わりだ。離婚届を送って置くから署名捺印して返せ。後は弁護士を通す。おまえはもうここに帰ってくる必要はない。お義父さんの看病も必要だし、ちょうど良い。ずっと実家にいろ」
「そんな……離婚なんて言わないでください。あなたが考えているような関係ではないんです」
「俺は何も自分の考えを付け加えていない。お前たちの嫌らしいビデオと写真から判断しただけだ」
「待ってください、私の話を聞いてください。水曜日には家に帰ります」
「水曜日……今日中に離婚届を速達で送るから水曜日にはそちらに着く。お前はそこで待って受け取れば良い」

私は一気にそこまで話すと電話を切りました。その後何度も電話が鳴りましたが、私は出ませんでした。そうこうしている間に玄関のチャイムが鳴りました。ドアを開けたらそこには緊張した面持ちの春日が立っていました。

「ご主人、申し訳ありません!」

春日は玄関に入るや否やそう叫ぶように言って、その場に土下座しました。私はしばらくあっけにとられて春日の様子を眺めていました。

「入れ」
「はい」

私は春日を応接間に通しましたが、春日はソファには座らず、床の上に直接正座しています。私はそれを見てふと、春日は以前にもこのような修羅場を経験しているのではないかと感じました。

「あんたとももちろんだが、あんたの奥さんと話がしたい。出来ればこの場に呼べ。あんたの奥さんも被害者だからな」
「……ご主人、私には妻はいません」
「何?」

春日は私より少し年上の40台半ばといったところのようです。今時その年で独身の男は珍しくありませんが、銀行という保守的な業種で管理職の地位にある人間が独身だというのはやや意外な感じがしました。

しかしこれで春日の家庭も壊してやろうという私の願望は潰えたことになります。私は苛々してきました。

「独身か。ならちょうど良いじゃないか。俺は妻と別れるつもりだから一緒になれるぞ。ただし、2人ともそれなりの代償を払ってもらうつもりだがな」

私はそう言いながらも、妻からはともかく、春日に慰謝料以外にどのような代償を払わせるのか考えていました。社内不倫ということで銀行の人事部から処罰させることが出来るでしょうか。

「ご主人、私は奥さんと一緒になる気はまったくありません。別れるなんておっしゃらないでください」
  1. 2014/05/30(金) 01:16:07|
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変身 第36回

春日は額を床に擦り付けるようにして哀願します。

「なぜだ? 2人とも愛し合っているんじゃないのか」
「愛し合っていません」
「なんだと?」

「愛し合っているのか」と聞いてあっさり「はい」と答えられるのも腹が立ちますが、「愛し合っていません」と即答されて私は一層怒りが増しました。

「どういうことだ? 愛し合っていないとは何だ? お前たちは遊びで一つの家庭を壊したのか」
「ですから……壊してほしくないんです。慰謝料はお支払いします。よければ奥さんに請求する分も私が払います」
「さすがに銀行の次長ともなれば金持ちだな。離婚するのだから妻とお前にそれぞれ500万円ずつ請求するつもりだが、払えるのか」
「それは……2人で100万円くらいなら」
「話にならん。払えないのなら偉そうなことを言うな」
「いえ……離婚されないのならそのあたりが相場かと……わかりました。2人で200万円でどうでしょう?」
「バナナのたたき売りじゃないんだ」

私は怒鳴り声を上げました。

「それと、離婚するかしないかは俺達夫婦の問題だ。お前が口出しをするな」
「ごもっともです」
「それからさっきからのお前の関西弁も気に入らない。ふざけているのか」
「ふざけていません。私はもともと関西出身で、これが普通です。銀行でも関西弁で通しています」
「ビデオの中ではそうじゃなかったぞ」
「あれは……奥さんが標準語で話してくれと……」

妻がどうしてそんな希望を出すのでしょう。私は首をひねりましたが、今はそれどころではありません。

「とにかくお前はどうして責任を取らない。俺が妻と別れたら妻と一緒になるのが責任だろう」

私は本当は妻と離婚してからも、妻が春日と一緒にはなって欲しくないのですが、自虐的になってわざとそういう聞き方をします。

「私は誰とも結婚しません。奥さんでなくても同じです。結婚したら必ず相手を不幸にします」
「何?」

私は春日の奇妙な言葉に混乱します。

「どういうことだ」
「私も結婚の経験はあるのですが、職場の女性に何度も手を出したことで、愛想を尽かした妻に出て行かれました。融資業務部というのは問題融資の期日管理や利払いの処理をしている部署で、銀行の中では裏方、日のあたる場所ではありません。私がこの年でそんな部署の次長に留まっているのは女で何度も失敗したのが原因です」
「……」
「やめよう、やめようと思うのですが、女ぐせの悪さは生まれつきのようで、やめられないのです。もう、病気のようなものです。だから結婚は諦めてますし、一人の女性を好きにならないようにしています」
「お前の身の上話を聞きたいんじゃない。とにかくこれから妻をどうする積もりだ」
「どうすることもありません。してしまったことを否定はしませんし、出来る限りの償いはします。それと、ご夫婦の問題であることは重々分かっていますが、奥さんとよく話をしてください。お願いします」

確かに春日はすべて非を認めているため、夫婦の問題を片付けないままこれ以上彼と話をしても仕様がありません。仕事を途中で抜けてきたこともあって、春日にはいったん帰ってもらうことにしました。

一人になった私は、何か当てが外れたような気持ちになっていました。妻と男に手酷く復讐してやると思っていたのが、春日の態度を見ているとまるで私が独り相撲を取っているような気がしてきたのです。

私は応接間のソファに深々と腰を下ろし、ぼんやりとしていました。
このマンションにも暮らし始めて10年以上になります。購入した当時の、まだ幼い子供を抱いて真新しい部屋を順に巡った時の妻のうれしそうな顔を思い出します。

子供たちの入学式、入園式、お宮参り、始めてわが子を抱いた時のうれしさ。お産を終えた妻の安堵した表情。家族の歴史が時間を逆流するように私の脳裏に浮かんできました。

うっかり私はソファで寝込んでいたようです。外はもう夕方で薄暗くなっています。完全に目が醒め切れない私は珈琲をいれることにしました。

珈琲がポットの中に溜っていくのをぼんやり見ていたら、玄関のチャイムが鳴りました。子供達が学校から帰ってくるには随分早いなと思いながら玄関に向かうと、そこに荷物を持った妻が立っていました。例のお気に入りのグリーンのコートを着ています。

「明日まで帰らないのじゃなかったのか」
「両親に断って、あれからすぐに家を出ました。早くあなたにお話ししたくて。上がっても良いですか?」

私がうなずくと妻はブーツを脱いで上がって来ました。キッチンに入った妻は、珈琲が出来上がっているのに気づきました。
  1. 2014/05/30(金) 01:17:09|
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変身 第37回

「珈琲、私もいただいても良いですか?」

またうっかり2人分つくってしまったようです。こんなところで意地悪をするのも大人気ないと思った私は「ああ」と返事をします。

ソーサーとカップを出して、2人分の珈琲を用意した妻はいきなりキッチンの床に土下座します。

「あなた、ごめんなさい。許してください」

私はいきなりの妻の振る舞いに驚きましたが、気を取り直して意地悪く聞きます。

「会ったらすぐに土下座をしろと男から教えてもらったのか」
「違います。本当にごめんなさい」
「そんなことはやめろ。ポーズだけの詫びは見たくない」

私は冷たく言い放ちます。

「お前はもう身も心も春日に捧げているんだろう。奴も独身だからちょうど良い。別れてやるから一緒になれ。一生変態プレイで楽しませてくれるぞ」
「春日さんと一緒にはなりません」
「なぜだ? 旅行では春日の妻として振る舞ったんだろう。春日紀美子と宿帳にもサインしたんだよな。ごていねいに記念写真まで撮りやがって」

私は自分が放つ言葉にどんどん激高していきます。妻は土下座したまま私の罵声にじっと耐えています。

「お前みたいな淫乱な女を妻にしたのが間違いだった。すぐにこの家から出て行け。子供にもこのまま会わさん」
「あなた……」

じっと黙っていた妻が顔を上げ、口を開きました。

「あなたに一つだけ質問させてください」
「なんだ?」

妻の思い詰めたような表情に、私は思わず気圧されます。

「あなたは、結婚してから、私以外の女を抱いたことはありませんか?」
「えっ?」

私は予想もしていなかった質問に意表をつかれました。

「答えてください。私一人だけを守ってくれましたか?」
「それは……」

確かに一時、風俗にのめり込んで月に2度も3度も通ったことがあります。私は返事に詰まりました。

「風俗だから良いという考えですか? 春日さんは私にとっては風俗のようなものです」
「それとこれとは全然違う」
「どこが違うのです? 男の方はお金を払えば欲望を処理出来る場所があります。女にはそんな場所はありません」
「紀美子の場合は一人の相手、それも会社の上司だろう」
「あなたにも馴染みの女の人はいたでしょう」
「……」

私はぐっと押し黙ります。

「春日を愛しているんじゃないのか」
「愛していません。愛しているのはあなただけです」
「それじゃあどうして春日に抱かれた? 俺が風俗に通ったから、その仕返しだとでも言うのか」
「そうではありません」

妻はうつむいて涙を流し始めました。

「私は……寂しかった」

妻の涙がポタポタとテーブルの上に落ちます。私は何を言ったら良いか、言葉を失いました。

「寂しかったから春日に抱かれたのか」
「違います……あなたに、抱かれたかった」

風俗にのめり込んでいる間、それまでも疎遠気味だった妻とのセックスはますます少なくなりました。セックスレスといっても良い状態です。

しかし私はずっと妻はセックスに対して淡泊であり、それでも不満はないのだと思っていました。

「あなたが私の醜い姿を見たから、もう私とは一緒にはいられないという気持ちも分かります。今日はこのまま実家に戻ります」

妻は顔を上げると少し冷めた珈琲をすすりました。

「珈琲、ご馳走様でした。もう、この珈琲も最後になるのですね」

妻はそう言うと立ち上がり、玄関に向かうとそこにおいてあった荷物を持ち、深々とお辞儀をしました。

「長い間お世話になりました」

そのまま妻は家を出て、私一人が残されました。私は妻に何も声をかけることができませんでした。
  1. 2014/05/30(金) 01:18:11|
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変身 第38回

しばらく私は放心状態のようになっていましたが、突然携帯電話がなりました。発信者は春日です。別れ際に今後の連絡のために番号を教え合ったのを思い出しました。

「春日です。奥さんと話は出来ましたか」
「あんたに心配してもらうことじゃない」
「すみません。ついさっき、泣きながら電話をかけて来はったので、気になって……」
「いまだに連絡を取り合っているのか、やはりあんたと妻は深くつながっているようだな」

春日は私の皮肉にもめげず、話し続けます。

「ご主人、ビデオと写真をご覧になったとおっしゃってましたが、メールも見られたんですか?」
「いや……」

メールはパスワードが解除出来なかったので見ていません。

「この際メールも見てください」
「お前たちの不倫のやりとりなんか見たくない」
「そうじゃないんです。いや、全然そうじゃない訳じゃなくて、いつ会うかの約束なんかも当然ありますが、ほとんどそうじゃないんです」

どういうことでしょう。春日が何を言いたいのかさっぱり分かりませんでした。

「いいですか、パスワードを言います。『xxxxlove』です。わかりましたか? 『xxxxlove』です」

春日はそう言うと電話を切りました。

xxxxというのは私の名前です。どうしてそんな言葉をパスワードにしているのでしょう。私は自分の部屋に向かい、PCの前に座るとバックアップしたメールソフトを起動させました。

パスワードを要求されたため、春日に言われた通りxxxxloveと入力しました。ロックは解除され、メーラーが立ち上がりました。

私は送信フォルダを開きました。最初の妻から春日へあてたメールは去年の2月のものです。メールの内容は私にとって驚くべきものでした。

妻は春日に対して、私が風俗にのめり込むようになったのが、自分が私の欲求に応えることが出来ない、性的に魅力のない女であることが原因であることを嘆いていました。特に処女喪失時の痛みが精神的外傷となって、どうしてもいわゆるオルガスムスを感じることが出来ないことが、妻としてはともかく、女として面白みがない存在になっていると訴えていました。

春日は妻のメールに対して、確かにそうかもしれないがそれは十分治療することが出来る。自分は実際に不感症に悩む人妻の治療をしたこともある。今はその人妻は旦那と幸せな性生活を送っているなどと返信していました。

このように書くといかにも妻の悩みに付け込んで、春日がたらし込もうとしているようで、実際それに続くメールを読んでいてもそう言ったところはあるのですが、妻からのメールは私との夫婦生活の悩みで満たされており、このままセックスがなくなって行くと、私の妻に対する愛も消えて行くのではないかという不安で一杯のようでした。

春日からの返信も妻に引き込まれるように真剣になっていきます。
春日の結論は、このまま放っておいても良くなることはない。妻と私は本当の夫婦のセックスの良さに気づくことはないというものでした。

妻と春日が始めて関係を持ったのは4月始めです。関係を持ったその日、妻は延々と夫を裏切ったことについての悔恨を綴っています。
春日がそれにやや閉口しながらも妻を必死でなだめる様子が伝わって来ます。

妻が始めて絶頂を感じたのは6月です。妻はその喜びもメールで伝えていますが、その大半は、これで私に満足してもらえる女になれたというものです。

春日はそれに対して、まだ安心しないほうが良い。男とはもっと複雑なものだとたしなめています。男の予想通り、妻が私と久しぶりにセックスをした昨年の7月、春日との行為で感じたエクスタシーを感じることが出来なかったとがっかりした妻のメールがあります。

その後、妻がパニックになったようなメールが続きます。6月の春日との行為でケジラミを移されたことが分かったのです。春日は妻との関係の傍ら、風俗にも通っていたようで、自分の不覚を平謝りに謝っています。ケジラミを私に移したかもしれないと恐慌に陥っている妻を、きっと風俗から移されたと考えるだろうと春日は必死に宥めています。さらに「ケジラミの治療」ということで悪乗りした7月15日の行為(春日の誕生日で妻が始めて剃毛され、さらにアヌスを責められた日です)のことを詫びるメールが続きます。

妻が弾けたような喜びのメールを春日に送ったのは、私との行為で始めてエクスタシーを感じた10月のことです。私の身体の上で女の悦びを極め、ともに絶頂を感じたこと、結婚以来始めて本当の夫婦だと感じた幸福を春日に伝え、これもすべて春日のおかげだと感謝しています。春日はやや苦笑しながらも妻を祝福し、自分から卒業する日も近いことを告げています。

妻の春日へのメールには、春日への愛を表すものは何一つありませんでした。そこにあるものは私に対する片思いに似た激しい愛情。
私と身も心も一つになりたい、そのためなら何でもするという熱情だけでした。
  1. 2014/05/30(金) 01:19:26|
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変身 第39回

12月4日から5日にかけての旅行はいわば妻の「卒業試験」だったようです。春日に開発され女として完全に自信を持った妻は、そのお礼としてさらに12月24日に、全身にリボンをかけた自分を春日に捧げます。

それで2人の関係は終わったようで、その後のメールのやり取りは一切ありません。

メールを全部読んだ私は、複雑な気持ちになって考え込んでいました。

メールを見る限り、妻は春日に対する愛情はないようです。私についての惚気のような表現はありますが、春日への愛情表現はありません。春日も妻に対してはメールの上では生徒に対する先生のようでした。

私は、妻の自分に対する愛が失われていない、少なくとも私よりも春日を愛した訳ではないということを知って安堵していることに気づきました。そう、私はまだ本音では妻を失いたくはなかったのです。

ですが、どうしても納得出来ないことがあります。それは妻と春日のメールでのやり取りと、実際にビデオや写真で撮られた2人の姿のギャップです。ビデオや写真での2人の姿は、私には愛し合っているように見えました。メールでのやり取りがいかにそうではないと言っていても、簡単には信じられません。

私は翌日、会社には医者に立ち寄ると連絡して春日に会うことにしました。

今回は会社の近くの喫茶店は避け、駅の近くの公園に春日を呼び出しました。朝の公園は人も少なく、周囲に話を聞かれる心配がありません。

春日はほぼ時間どおりに、中年太りの身体を揺すりながらやって来ました。

「どうも、わざわざ近くまで来ていただいて申し訳ありません。本来なら私の方が出向かなければならないところですのに」

春日は深々と頭を下げます。あくまで低姿勢です。

「いえ、会社に行く途中ですから」

私はうなずき、本題に入ります。

「メールは全部読ませていただきました」
「そうですか」
「確かにあそこからは、妻はあなたに対する気持ちはないようだし、あなたも同様だと読める」
「はい」
「春日さん」

私は春日の目を真正面から見据えました。

「あなたは、本当に妻を愛していなかったのですか?」
「えっ」

春日の目にわずかな動揺が走りました。

「ですから……それは」
「本当のことを言ってください」
「……」

私の追求に春日はうつむきました。

「……愛していました」

春日は小さな声で答えました。

「私は結婚に失敗して以来、色んな女をとっかえひっかえして遊んで来たのは本当です。出来るだけきれいに遊んで来たつもりですし、人妻に手を出して修羅場になったこともありますが、きちんと慰謝料を払ってなんとかおさめて来ました。前にも話しましたがこれは私の性癖のようなもので、治らないと思っていました」
「旦那との性生活に悩んでいる何人かの人妻の相談にのって、実地指導付きのセックスカウンセリングまがいのことをやったのも事実です。私としては人助けをしているような気分になっていました。そんな人妻の中に奥さんの友人がいて、始めはその人経由で奥さんの相談を受けました」

小夜子さんのことだろうか、と私はふと考えました。

「だから奥さんとの関係も、最初はそれまでの人妻たちと全く変わることはなかったです。ただ、何度かメールをやり取りしているうちに、奥さんが他の人妻と全然違うことが分かりました」
「他の人妻は旦那とのセックスの問題を解決すると言いながら、実際は私とのセックスについても興味津々でした。旦那も遊んでいるのだから、私もこの機会に楽しんで見たいという気持ちが見え見えでした。ですが、奥さんについては全くそういうことがなく、私からそういった話題を振ってものってくることはありませんでした」

確かにメールでの妻の対応はそうでした。

「しかし、妻は私も風俗で遊んでいるのだからお互い様だといっていたぞ」
「それは私が言っていたことをそのまま言っているだけで、本心ではないと思います。奥さんはご主人が風俗にはまることそのものが自分のせいだといって、深く悩んでいました」
  1. 2014/05/31(土) 00:34:18|
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変身 第40回

私は昨日、妻がテーブルにこぼした涙のことを思い出していました。

「私は次第に、奥さんを自分のものにしたいという欲求にとらわれ始めました。それでエクスタシーを得るために必要なプロセスだと説得して奥さんに私の名を呼ばせて、愛していると言わせているうちに、奥さんも本当は私を愛してくれているのではないかと錯覚し始めました。しかしそれとは逆に、奥さんがご主人との行為でエクスタシーを感じるようになってからは、奥さんは私との行為の中でも、時々感極まってご主人の名前を呼ぶようになりました」
「そんなことは……ビデオには……」
「後で見るとつらくなるので編集して全部カットしています。その場面をお見せしても良いですよ」

春日は寂しそうに言いました。

「どんどん奥さんの気持ちが離れて行く――いえ、始めから私のところにはなかったかもしれないのですが――そう思った私は卒業旅行だと言って奥さんを温泉に連れ出すことにしました。少々のことでご主人に対する気持ちが揺れないかテストすると適当な理由を付け、2日間春日紀美子としてふるまえという私の言葉を奥さんは疑いもしませんでした。私にはなんとかこの2日で、奥さんに最高の快楽を経験させることによって、奥さんを自分のものに出来ないかと考えていました」
「近くの公園で露出させたのは?」
「最初にそこまで経験させることでショックを与えようとしたのです。奥さんはもちろん抵抗しましたが、なんとか説得しました。もちろん周囲に人がいないことを十分確認して撮影しましたが、あれは悪乗りだったと思います。申し訳ありません」

春日は頭を下げました。

「旅行の初日とその夜で、私はありとあらゆるテクニックを駆使して、奥さんを自分のものにしようと思いました。しかしついにそれは果たせませんでした」
「そんなことはないだろう。妻は春日紀美子として振る舞い、春日紀美子として……」

何度もイッていたぞ、という言葉を私は呑み込みました。

「あれは編集です」
「何?」
「旅館での夜、奥さんがその……イク場面を集めたもの、あれは編集なんです」
「編集なのは分かっている。実際は一晩かかったのだろうからな」
「違うんです。いや、それも編集ですが、奥さんがイク時に叫んでいる声、それが編集、いや合成なんです」
「どういうことだ」

私は春日が言っていることの意味が分かりませんでした。

「最初の1、2回は別にして、奥さんは訳が分からなくなってくるとイク時にご主人の名前を呼ばれました」
「えっ」
「私はそれが口惜しくて、後で本当の声の上に、私の妻である春日紀美子としてイク、と叫ぶ声を重ねました」
「本当か」
「ちょっと見たり聞いたりするだけでは分かりません。私はビデオの編集にかけてはプロ並ですからね。でも、専門家が見ればたちどころに合成や編集だとわかります」
「……」
「他にもビデオにはいろいろな箇所に編集が施されています。要するにあれは奥さんの本当の姿ではなく、私の願望が混じったものです」
「私は若いころからずっと色々な女性遍歴を重ねて来ました。結婚に付いてはあきらめていたつもりでした。でも、この年になってこれからもこんな生活を続けるのか、年老いて一人になったらどうするのかと思うと急に焦りと、恐怖のようなものを感じるようになりました」
「紀美子さんに出会い、理想の妻というのはまさにこんな人かと思いました。セックスについては奥手でしたが、開発して行くうちに素晴らしい肉体をもっていることも分かりました。まさに名器といって良いと思います」
「ご主人のご指摘どおりです。私は奥さんを愛していました。自分のものにしたいと思いました。でも、それが無理だと分かった以上、未練がましく追いかけるつもりはありません」
「教えて欲しいことがある」
「なんでしょう?」
「あんた、女の前では関西弁を隠すのか?」
「そんなことはありません。これが地ですし、女を口説く時はむしろ関西弁の方が便利です」
「なら、どうして妻の前では関西弁を抑えていた?」
「それは簡単です。ご主人が標準語でしゃべるからです。奥さんからの希望でした」
「あと一つ聞いても良いか」
「はい」
「妻の……その、お尻の処女を奪ったのか」
「奪っていません」

春日は即答しました。

「しかし……妻はビデオで、あんたに捧げると」
「あれは言葉だけのことです。奥さんはご主人に許していない箇所を、私に許すことはありませんでした」

独りの女を守り、多くの女を知らないまま年老いることに焦りを感じた私、多くの女を知り、独りの女を得ないまま年老いることに焦りを感じた春日。私達は似た者同士なのかも知れません。

春日と別れた私は会社に向かいました。一日休んだだけで仕事はかなり溜まっており、木曜、金曜と私は業務に忙殺されました。金曜の夜、仕事を終えた私は新幹線に乗り、妻の実家に向かいました。
  1. 2014/05/31(土) 00:35:25|
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変身 第41回

私は妻の実家の門の前に立ち、チャイムを鳴らします。扉を開けて顔を出した妻は驚きに目を見開きます。

「あなた……」
「お義父さんのお見舞いに来た」

妻の後から顔を出した義母も私の顔を見て驚きます。

「家内がお世話になっています。お義父さんのお加減はいかがですか」
「おかげさまでここ2日ほどは調子が良くて、、XXXXさんには不自由をかけてすみません。私もだいぶ良くなったので、紀美子には早く帰るように言っているのですが」

義母の言葉に妻はうつむきます。

「まあ、上がってください。あの人も喜びます」

私は家に上がると、病床に横たわる義父を見舞いました。義父はしばらく見ない間に一回り小さくなったような印象がありますが、思ったよりも顔色は良いようです。私は義父と義母と少し話し、病人が疲れないうちに妻の部屋に行きました。

しばらくすると妻がお茶をいれて上がって来ました。

「……有り難うございます。父も母も喜んでいました」
「いや……思ったよりも元気そうで良かった」

その先は会話が続かず、妻はじっとうつむいています。

私は妻にプロポーズした日のことを思い出していました。始めに申し上げた通り、見合いして一カ月目のことです。その日にプロポーズするつもりだった私ですがなかなか言い出せず、川べりの同じ道を何度も行きつ戻りつしたことを覚えています。その日の妻も私の次の言葉を待つように、ずっとうつむいていました。

「メールを読んだ」

妻は弾かれたように顔を上げました。

「その後もう一度春日と話した」

妻の表情が緊張を見せます。

「春日にも聞いたことだが、紀美子にももう一度確認したい。どうして春日と関係をもった? 俺との夫婦生活の悩みを解決するためとメールにあったが、本当にそれだけか? 春日に対して本当に愛情はなかったのか? 愛とはいえないまでも、情のようなものはなかったのか」

妻はしばらく唇を噛んで黙っていましたが、やがて口を開きました。

「あなたとの夫婦生活に悩んでいたのは本当です。特に、あなたが風俗に行くようになるとその悩みは大きくなりました。あなたは私が気が付いていないと思っていたようですが、色々なことからすぐにわかりました」
「どんなことで?」
「お店に行く日のパターンが決まっています。第2、第4水曜日とか……。それと帰ってきた時の汗の臭い。女の子の名刺がワイシャツのポケットに入ったままのこともありました」

うまく隠していたつもりですが、妻にとっては普段と違う私の行為を見破るのは容易だったのでしょう。

「私がセックスについて淡泊とあなたは思っていたようですが、人並み、いえ多分それ以上の興味がありました。特に子供を生んでしばらくしてから……。あなたに対してそれを言い出せなかったのは恥ずかしかったこともありますし、やはり、最初の体験の痛みへの恐怖があったのだと思います」
「小夜子から春日さんとの体験について聞いたのは一昨年の暮れごろです。小夜子も私と同じように、それまで本当のエクスタシーを知らなかったのですが、春日さんとの関係でそれを感じるようになり、夫婦生活もうまく行くようになったといいました」
「夫婦生活が改善するというのも魅力でしたが、私は小夜子が語る本当のエクスタシーという言葉に引かれました。女として生まれて40年にもなるのに、このまま本当のエクスタシーを感じないまま年老いるということが、とても寂しく感じました」
「俺と一緒にそれを追求しようとは思わなかったのか?」
「そうすべきだったのかも知れません。でも私は、自分の身体のどこをどうすれば感じるのかすら分からなかった。それに、私がそんな欲求を持っているということをあなたに告げるのが恥ずかしかった。軽率でした。申し訳ありません」

妻は深々と頭を下げます。

「どうしてビデオや写真をPCに入れていたんだ?」
「あなたに見られるとは思っていませんでした」
「あんな簡単なパスワードなのにか? 手帳にシールまで貼っていたぞ」
「あなたの脇の甘さを笑えませんね……」

妻は苦笑しました。

「パソコンの設定はパスワードを含めてみんな春日さんにやってもらいました。ファイルのコピーもです。春日さんは自分だけがビデオや写真を持っていると私が不安だろうという理由で私のパソコンにファイルをコピーしました」
  1. 2014/05/31(土) 00:36:17|
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変身 最終回

「あの時の顔や身体、恥ずかしい格好を撮られて春日さんに見せられるのが始めは嫌でした。そのうちに、後で自分で一人で見るのがだんだん楽しくなって来ました。ああ、自分もまだまだこんなに奇麗なんだ、こんなに男の人を興奮させることができるんだと思うと嬉しかったんです。時々それを見ながら一人で……」

以前の妻はこんな露骨なことを言う女ではありませんでした。春日に開発されることで妻は変身してしまったのでしょうか。

変わったと言えば私もそうです。春日もそうでしょう。人生の秋を迎えて、それまで自分に似合うと思っていたものが急に不釣り合いに思えてしまう。あわてて脱ぎ捨てて新しい季節の衣装を懸命に探す。

「私と離婚しますか?」

妻は顔を上げて私をじっと見ます。それまでの私に詫びるような気弱な表情ではなく、まるで牝として私を挑発しているように思えました。

妻は本当に春日に心を奪われなかったのでしょうか。春日が話したようにあのビデオは合成や編集が行われたものなのでしょうか。妻は本当にビデオや写真を私にみられることはないと思っていたのでしょうか。

私は徐々にそんなことがどうでもよくなってきました。ここにいるひとりの女を自分のものにしたい、思う存分犯したいという獣のような衝動が身体の中に湧き起こってきたのです。それは私にとって極めて新鮮な感覚でした。

私はしばらく考えるふりをして、口を開きました。

「いや、離婚はしない」

妻の顔色がパッと輝きました。

「だが、ケジメはつけてもらう。春日には慰謝料を請求し、二度と関係しない旨の誓約書を書いてもらう。慰謝料は……50万円くらいで良いだろう」
「私にも……慰謝料を……」
「紀美子の場合は慰謝料などではすまない」

妻の表情が急に曇ります。

「着ているものを今すぐ全部脱げ。素っ裸になってこれを大声で読み上げろ」

私は用意していた1枚の紙を妻に手渡します。妻の顔がみるみる赤くなりました。

「許して……階下の父と母に聞こえてしまいます」
「もうぐっすり休んでいるから大丈夫だ」
「でも……」
「離婚されてもいいのか」

妻は覚悟を決めたように服を脱ぎ、素っ裸になると直立の姿勢をとり、口を開きます。

「ひ、一つ、チンポ大好きの……」
「声が小さい!」

私は妻の大きなヒップをピシャリと叩きます。意外と大きな音が部屋に響き、妻はおびえたような顔付きになり、声を張り上げました。

「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、最低8回はイクことを誓います」
「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、愛する夫であるあなたにお尻の処女を捧げることを誓います」
「一つ、チンポ大好きの淫乱妻、○○紀美子は今夜、お口、オマンコ、お尻の3つの穴を使って、愛する夫であるあなたに3回は気持ち良くなっていただくことを誓います」
「以上、3つの誓いに違反した場合は、どのようなお仕置きも喜んでお受けすることを誓います」

ようやく言い終えた妻はそれだけで気分が高揚したようで、身体をふらつかせます。私は妻をしっかりと受け止めて、片手で乳房を乱暴に愛撫しながらもう一方の手で秘園をまさぐりました。そこは早くもじっとりと潤っていました。私は指先を濡らした愛液を妻の頬になすりつけるようにします。

「淫乱女め……」
「ああ……」

妻はうっとりと目を閉じました。私は妻の唇を奪うと、ベッドの上に押し倒しました。その夜、妻が三つの誓いをきちんと守ったかどうかは読者の皆様のご想像にお任せします。


(完)
  1. 2014/05/31(土) 00:37:23|
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変身 あとがき

今回の執筆の動機は、やはり妻の「変身ぶり」とそれによって生じた夫婦関係の変化をを何らかの形で記録してみたいと感じたことです。

どこまでが事実でどこまでが妄想かを語るのは野暮だと思いますので、多くは語りませんが、もし妻がこれを読めば間違いなく自分のことを書いているだろうと思う程度には事実です。ですから、私としては出来るだけ早めに過去ログに移行しないかなと思っています。

自分の妻のことを書くため、脚色は主に妻を特定されないようにすることに費やしました(容姿、年齢、環境)。ただ結局書いている時に妻がイメージできないと筆が乗らないため限界があります。やはり『妻物語』にはリアリティが必要です。

今回、応援掲示板で非常に多くの方々の暖かい書き込みを頂いたことを感謝します。最近、応援掲示板では批判的な書き込みについての議論がありましたが、私個人としてはそれを上回るほどの支援があれば、多少の批判は気になりませんでした。

次は妄想の比率を8割くらいにした物語をBBS2にでも書かせていただければと思っています。

繰り返しになりますが、たくさんのご声援、ありがとうございました。一つ一つにレスを出来なかったことをここにお詫びします。
  1. 2014/05/31(土) 00:38:21|
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気持ちの置場に 第1回

私は現在40代のサラリーマン、妻と同じ会社で働いています。
妻は私より少し年上で、入社もその分先になります。
子供もいますが、お金はかかるけど手はかからない年頃です。

時期的にはおぼろげですが、私が30歳ちょっと過ぎた頃だったと思います。

タバコを吸うために職場の喫煙所に向かって歩いていると、喫煙所の中から笑い声や、
歓声が聞こえてきました。
『また仕事中に悪ふざけしているな』なんて思いながら喫煙所の戸をあけると、中には
4、5人の2~4歳くらい年上の先輩たちが集まっていました。

私が喫煙所の中に入ると急にその場が慌てたような静まり方をしたので、軽く会釈し、
立ち位置を決めてタバコに火をつけ、ひと吹かししてから尋ねました。
「ずいぶん盛り上がっていましたね、何の話ですか」

この先輩たちの話題の中心になっている人物が、少し間を置いて答えました。
「この前の飲み会の話でな」

「そんなに楽しい話だったんですか?」
「まあな」
「聞かせてくださいよ」

一人の先輩を指差しながら
「いや、こいつと二人で飲んでた時のくだらない話だから」
そう言って吸いかけのタバコの火を消すと、他の先輩たちも同じようにタバコを消して、
「じゃあな」
と、みんな次々に仕事へ戻ってしまい、私は一人残されました。

喫煙所に入る直前に、私に返事をしてくれた先輩の声で
「こいつがやってる間、俺は・・・・」
と言う会話が漏れて聞こえていたので、女関係だろうな、となんとなく思っていました。

職場も違って当たり障りのない付き合い方をしている関係の人たちなので、別に興味が
あって聞いた訳でもなく、沈黙させてしまったから、挨拶程度の会話をしただけで、
こんなことは私も気にしていませんでした。

この時には意味のなかったちょっとした出来事が、ワンシーンとして私の記憶から蘇って
くることになったのです。
  1. 2014/05/31(土) 00:39:22|
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気持ちの置場に 第2回

いつもと変わらない日々が続いていました。

朝私が一番に家を出ると、続いて子どもが学校に行き、最後に妻がギリギリに出勤します。
普段家に帰るのは私の方が遅いのですが、仕事柄、妻も21、22時をすぎて帰宅することがひと月に何度かありますが、妻の仕事の状況は良く分かっているので、遅くなる時はお互い話して、私が早めに帰って子どもと食事をしていました。

仕事の忙しさに波はあるものの「いってらっしゃい」と「お帰りなさい」がある、ごく普通の家庭だと思ってました。

家庭での妻には何もおかしいところはありませんでした。
というより、疑っていないので、そういう目で見ていなかったのです。
何かあれば自然に気がつくでしょう。

妻は携帯も不自然な使い方はしていません。
毎月の請求書も電話料金、パケット利用量も私が理解できる範囲です。

同じ会社ですから出勤状態もよく分かります。
会社以外は家にいるか、夕食の買物に近所のスーパーに行く程度しかありません。

仕事が私より遅くなることもありますが、職場の目と家族の目が届いている範囲でもありますし、私を不安にさせる要素はありませんでした。

飲み会もありますが、これも同じ職場の人ばかりで、慰労会や歓迎会、送別会等のイベントで、団体の飲み会ばかりでこれといって気にすることもありませんでした。

妻が飲みに行く時には、通常1次会は21時~22時に終わります。
車は会社に置いて、バスで帰宅すると待ち時間を含めても、だいたい22時~23時。
妻が22時~23時までに帰ってくると、だいたい私は起きていますから何もおかしいとは思っていませんでした。

しかし、昨年6月のことでした。
妻が飲み会の日に、早めに帰宅するはずの私の仕事が終わらなかったのです。

仕方なく子供に、ちょっと遅くなるから食事を済ませておくように連絡をしておきました。
そろそろ家に帰ろうとした時には21時前だったので、梅雨時で雨も強かったこともあり、ついでに妻を乗せて帰ってあげようと思い、私は妻に携帯からメールを送りました。

『まだ宴会中?』

返事がありませんでしたので、まだ盛り上がってるのかなと思い、宴会が終わればメールに気がつくだろうと、近くで少しだけ待つことにしました。

強かった雨も多少弱くなってきてましたが、それでも雨音や車の水しぶきが騒々しく感じられる中で、妻が乗るバス停の近くに車を停めました。

車の中で10分ほど待っていると、傘をさしながら比較的早い足取りで歩いている妻を見つけました。
一緒に飲んでいたはずの他のメンバーは近くに見当たりませんでしたから、恐らくは終わってすぐに出たのでしょう。
すぐに携帯に電話しましたが、妻は気づきませんでした。

私がバス停まで車を回そうとしたその時に、妻は近くに停まっていたタクシーに乗ってしまったのです。

せっかく待っていたのに、と拍子抜けしたところに妻から電話がかかってきました。

「電話したでしょ、なに?」
「仕事が遅くなったから、迎えに行ってあげようかと、、、、」
「大丈夫、もうすぐ終わる。みんなと帰るから、じゃあね」
と妻は話をさえぎるような言い方で電話を切ってしまいました。

家には妻より私の方が先に帰りつきました。

『結局私の方が早かったな』と思いながら、起きていた子供に声をかけました。
「ごめんな、遅くなって」
「そんなに心配しなくたっていいって。ご飯、温めてあげようか」
と、私の食事を用意してくれました。

食事をとっている間も『遅いな』と思っていたのですが、結局子供が寝る時間にも妻は帰ってきませんでした。

私の携帯には、妻がタクシーに乗ってかけてきた履歴が、21時過ぎの時刻で残っていました。
それからもう1時間半は経っています。

タクシーでこの時間帯なら、15分もしないうちに帰ってくるはずですし、私が家に着いて30分以上も遅いということは事故でもない限り考えられません。

2、3度電話をしましたが、妻の携帯は電源がきれていました。
こういった時、携帯がつながらないことは、かなりストレスを感じます。

『何してるんだろう』と思いながら私は風呂に入りました。
風呂からあがって、冷蔵庫からビールを取り出そうかと思いましたが、妻の身に何かあってはいけないからと、酒を飲まずに妻の帰宅を待ちました。
  1. 2014/05/31(土) 00:40:22|
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気持ちの置場に 第3回

結局、妻は23時をまわった頃に帰ってきました。
タクシーに乗って2時間過ぎています。

「ただいま。」

当然私も機嫌がいいという訳ではありません。
「遅かったな」
そう妻に言って返事を待ちました。

「そうかね。いつも通りでしょ。」

「電話してから随分経つじゃない」
「ああ、だってあれからすぐ終わるかと思ったら、なかなか終わらなくて。」

「2次会か何か連れて行かれたのか?」
「行ってないよ、終わってすぐ帰ってきたよ」

「誰かと一緒に帰ってきたのか?」
「質問ばかりするのね。何かあったの?」

何か察したのか、妻がこちらの様子を勘ぐりはじめたので、ごまかしだすとやっかいだから、私は感情が顔に出ない様に気をつけました。

「いや、雨が強かったから、帰り道を心配したんだけどね。」
「そう、ありがと。今度から心配させないように雨が降ったらタクシーで帰るね。」

「お前、携帯の電源切れてないか。」
「え? ・・・・ あれ ほんとだ、充電切れたのかな。ごめん。」

妻は、私に聞かれたこと以外は自分から話すことをしませんでした。
ボロが出ないようにしているのかもしれません。

「お前、俺に電話してきたとき、何してた?」

この私の質問で、妻は私から目を逸らし、さっと反対を向いて
「だから宴会中だって。着替えたいから、風呂に入ってくるね」

そう言って、いったんテーブルに置いてあったバッグを手に持って寝室に行きました。

私はすぐに立ち上がり、妻を追いかけて部屋に入りました。
  1. 2014/05/31(土) 00:41:19|
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気持ちの置場に 第4回

閉めた扉がすぐに開いたので、妻は驚いて振り向きました。

「なに? どうしたの?」
「ちょっと向こうを向いて。」

そう言われて私に背中を向けて立った妻のスカートを少し乱暴に巻くし上げようとすると、
「やだ、、、ちょっと待って、、、」
と妻はスカートを押さえました。

「どうしたの?、、、、したいの?、、、、分かったから、お風呂に入ってからね、、ね、、」

私は妻の背後から左手でウエストを抱きしめ、右手をスカートの下から突っ込むとすぐにストッキングの上から差し入れました。
ストッキングの締め付けが少し邪魔でしたが、右手を下へ下へ入れていくとすぐに下着にたどり着きます。
下着と肌の間に指先を伸ばした手の平を滑らせこむと、中指、人差し指、薬指が妻の陰毛に触れました。

妻は抵抗して、その場に座り込もうとしましたが、私が抱きしめているのでそうはできません。
背中を丸めて、両膝を強く閉じて両太ももを密着させ、私の手があそこまで届かないようにしていました。

妻は抵抗して腰を引いて体を折ってしまったので、私も妻を支えきれなくなり、後ろから覆いかぶさるような感じでそのままベッドに向かって倒れこみました。

ベッドの上で私から体の自由を奪われてしまった妻は、それでも抵抗していましたが、
「動くな!」
と私に言われ、半ば諦めたようにじっとしました。


それでもきつく閉ざされている妻の太ももの隙間に向かって、私の右腕に力が込められます。

「ちょっと、待ってって、、、ちょっと、、、」

妻の下着の中の右足の付け根にあった中指を、クネクネとさする様に動かして妻の陰部をたどり当てた時、妻の体から力が抜けたので逃さず右手を太ももの隙間にこじ入れました。

こうなると私の手の平にはざらっとした妻の陰毛があたり、すでに私の指先はあふれ出ている愛液を確かめることができました。

人差し指と薬指を使って愛液に浸された左右の陰唇を開き、中指がその中央をゆっくりと膣口までたどっていくと、妻の女性器はすでに受け入れが十分可能な、、、、開いた状態であることが分かります。
男を受け入れたばかりなら、閉じきれていない状態と言うほうが適切なのでしょう。。。

もう何も考えるまでもなく、さっきまで体の中に挿入されていた跡が分かってしまうほど、その部分は濡れ開き、悦びに打ち震えていたことを想像させてくれました。
自分の妻ですから、触ればその状態が分かってしまうのです。

私の右手には、下着の中にこもっているじっくりとした熱までもが伝わっていました。
私は右手を引き抜くと、妻を押し離すように起き上がって部屋を出ました。

私はショックを受けながらも冷蔵庫から缶ビールを取り出し、静かにリビングのソファに座りました。
この時点では妻はまだ浮気を認めたわけではありません。
ですが私の中では『限りなく黒』でした。

妻の矛盾する言葉を盾に妻を責めた場合は、何らかの言い逃れをする可能性を考えました。
『あなたには言ってなかったけど、昔の友人がたまたま地元に戻ってきてたから、コーヒー飲んできた』なんてことを言われた場合、どうしようもありません。

どうすれば、言い逃れができない状況になるのか。。。。
どうすれば、証拠を押さえることができるのか。。。。
  1. 2014/05/31(土) 00:42:13|
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気持ちの置場に 第5回

今までの妻の行動を振り返りました。
ソファの前のテーブルの上に置かれた缶ビールを見つめながら軽くため息をつき、他におかしいことがなかったかと考えます。

冬に、『バーゲンに行くけど、ゆっくり見たいから私について来なくていい』と言って、丸一日出かけたこともありました。
あの時は洋服を買って帰ってきましたが、男と会う時間は十分とれたはずだと思います。

銀行に行くとか言って、急に午前中仕事を休んだ時もありました。あれはいつ頃だったか、、、、
その時も相手が合わせて休めば、会うことも可能なはずなんです。

いや、こんなことまでしなくても妻が私の目を盗んで行動しようと思えば、長時間でなければいつでも可能なはずです。

そう考えていると、妻が風呂に入っている音、洗面器に湯を入れて、体にかける水の音が聞こえてきました。
私はすぐにソファから立ち上がって、寝室に行きました。

ドレッサーの前に妻のバッグが置いてありました。
この中に携帯電話があるはずです。
私が携帯を見たことを妻にばれないようにするためには、すべてを元の状態に戻さなければなりません。

このバッグの置かれた位置や向き等の状況を確かめました。

ファスナーが1センチくらい閉じしろを残してあります。
うっかり私が全部閉じてしまえば見られたことが分かるようにするため、わざと1センチ開けておいた妻の仕掛けではないか、、、、とさえ考えてしまいます。

このファスナーを開けると、横の方に入っている携帯がすぐに分かりました。
ここで携帯の置かれている左右上下の向きやストラップの位置を確認しました。

妻の携帯を取り出し、折りたたまれている画面を開くと電源は切れた状態になっていました。
電源ボタンを押すと、電源が入って待ち受け画面に子供の写真が出てきます。

そして画面の充電サインを確認すれば、十分電池量は残っていました。
『電池が切れた』のではありません。
タクシーに乗って電話を掛けてきた妻は、『電源を切った』のです。

これも追求すれば、『誤って切ったのかも』と答えるのでしょうし、逆に自分を正当化してこちらが覗いたことを非難するでしょう。

さらに案の定というか、妻の携帯はメールの送受信と電話のリダイヤル履歴、着信履歴もすべて消されていました。

電話の登録名簿を見ても、誰が相手かわかりませんから、これは途中で調べることをやめました。

ここまで確認すると急いで元の状態に全てを戻して部屋をでました。


ソファに座り直して缶ビールにクチをつけました。

『妻はタクシーに乗ってどこに行ったのか?』『何をしていたのか?』これらはもう分かりました。
確定的証拠はないものの、間違いなく他の男に抱かれていたはずなのです。

それよりも『妻は誰と会っていたのか?』と言うことが気になりました。

そうこう考えているうちに、妻は風呂からあがって髪をタオルで乾かしながら私が座っているソファの横に来ました。
  1. 2014/05/31(土) 00:43:22|
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気持ちの置場に 第6回

妻は少し聞きにくそうに、セックスをするのかしないのかを訪ねてきました。

「ねえ、、どうするの?」

返事をしない私に、
「あまり機嫌よくないみたいね、髪乾かしたら先に寝るからね。」

そう言って脱衣所の洗面台へと戻って就寝準備をしていたようですが、そのまま私のいるリビングには顔をださず、寝室へ入って行きました。

高まった感情を表すかの様に、私は飲みかけの缶ビールを一気に飲み干して立ち上がると、そのまま寝室に行きました。

妻はベッドでもう寝ていましたが、私は妻に掛けてあった布団を乱暴にはがしました。

「なに?? 寝てたのに。。。。」


「脱げよ」
「するの? さっき返事しなかったじゃない。。。」
「ごちゃごちゃ言うな!」

「・・・もう。。。全部? 下だけでいいでしょ?」

私が何も言わないうちに、妻は下半身だけ脱いで、ノーブラTシャツの姿になりました。


いつもと違って部屋の照明を点けたままにして、私は体勢をずらし、すぐに妻の両膝を立たせてその裏に手を添え、
妻のあそこに顔を近づけると、
「ちょっと、いやらしいよ、電気消してよ」
と言われました。

私は妻の声に返事もせずに観察しました。
クリトリスも陰唇の内側もいつもより赤味を帯びていて、、、、
急に現実感が襲ってくると、とてもその部分を舐めあげるなんてことはできませんでした。

私は体を倒すように妻の横に仰向けに寝転んで中断すると、妻は
「しないなら寝かせてよ。飲んで疲れてるのに」
と、苛立ったような声を出しました。

こうなってしまうとお互い義務的なセックスしかできませんから、
「今日は止めとこう」
と言ってまた寝室を出て行くと、
「さっきからなんかおかしいよ、文句があるなら言ったら!」
と妻から背中越しに言葉を浴びせられました。


それから、私は2、3日の間、妻の行動をどうやれば監視できるのかだけを、ひたすらに考えてました。
  1. 2014/05/31(土) 00:44:27|
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気持ちの置場に 第7回

この時の妻の下着がどうだったか、ということまではさすがに覚えていませんが、私が知る範囲で妻の下着に大きな変化はありませんでした。
やがてお分かりになると思いますが、下着を変化させる必要がなかったという方が適切なのかもしれません。


同じ社内の人間に尋ねるわけにはいきませんし、なにせ、自分の妻の不貞を露呈してしまうと、噂があっという間に広がってしまいます。
探偵を雇うようなお金を持っていませんから、できるだけ小額に抑えなければなりません。

妻の行動を監視するには、妻本人ではなく、まず妻の車を監視するということに割り切りました。

そしてその方法をいくつか探したのですが、結局は2つに絞り込みました。
1つ目は、子供向けの携帯を使って今どこにいるのかを確認できるようにする。
2つ目は、ポータブルナビを使って車の通行軌跡を記録する。

この2つは両方とも妻の車、トランクのスペアタイヤのところに隠すことで考えました。
値段的には5万で買えるポータブルナビの方が安いのですが、電源がバッテリー式のものに限られるので明け方に妻の車に仕掛けてもまる一日の監視には充電がもちません。
それにナビでは記録として残るのはいいのですが、リアルタイムではないので、結局少し高額な子供向け携帯を選択したのです。

そのうち子供に渡してもいいかなと思いましたし、私の融通が利く範囲のコストで収まりそうでした。
電話として使わなければ、消費電力もかなり抑えられるので2~3日は充電が持ちます。

この携帯を購入した日のうちに何度か使い方を試しました。
通常のナビのイメージでいましたが、こちらが要求してから居場所が返されてくる仕組みで、精度にもちょっとのズレがありました。
しかし、機能的には差し支えがないのですぐ翌朝には妻の車へ設置しました。
トランクでゴトゴト音がしないように携帯をハンカチで包み、スペアタイヤの横に挟みこむようにして置きました。

妻の通勤時刻に合わせて何度か確認してみましたが、結構これがすぐれもので妻がどこにいるのかがわかります。

怪しい行動がないか毎日のように監視していましたが、何事も起きなかったこの頃は、浮気監視というより妻に内緒で行動監視しているとことが楽しくなってきたこともありました。

しかし、それも段々飽きてきた頃の、1ヶ月もしないうちに妻が行動を起こしました。
7月の暑い日でした。

この日は私が客先で打ち合わせをして、同行した人たちと帰り道で飲むことになったのです。
妻に飲んで帰ると連絡すると、妻はどこで飲むか尋ねてきたので場所を伝えました。
自宅の最寄の駅から電車で30分くらい離れた場所でした。

私はそろそろ妻が行動しそうな予感はしていました。

確認してみると会社の定時が過ぎた頃、妻の車が動きだしていました。
やはりというか、案の定というか、通勤ルートからそれた場所を走っています。
いつも買物をして帰るスーパーとも違う方向でした。

何かありそうなのに、その現場を抑えられないもどかしさをこの時感じていました。

妻の車は自宅の最寄の駅からひとつ離れたJRの駅近郊で止まりましたが、地図ではその止まった位置が何なのかまでは表示されません。
しかし、私も土地勘のあるところなので、そこが広い駐車場であることは想像できました。

なるほどです。
ここの目の前には3,4つのラブホテルもあります。
それにチェーン店のスーパーもありますから、仕事帰りに寄ったとしても適当に何か買物すればごまかしも効くというものです。

駐車場に車を停めて、近くで待ち合わせといったところでしょうか。

飲みながら何分ごとに携帯の画面で、妻の車が動き出すのを確認していました。
私は妻がこの瞬間にセックスしているということに呆れ、諦めの心境でした。

妻からの裏切りが現実感を増してくるに従って、ますます私を葛藤させてしまいます。

妻を許せない気持ちと、失いたくない気持ちがありました。
たとえ妻が不貞していたとしてら、復讐したいという思いと、更生させたいという思いが入り混じってしまいます。


裏切った妻を攻撃すべきか、受け入れるべきか。。。

結局この日の妻の行動は、
17時に仕事が終わり、
17時20分に駐車場着、それからラブホ、(スーパーにまで寄ったかどうかわかりません)
19時過ぎに帰宅といったところでしょう。

この日はこれ以上の収穫はありませんでしたが、妻の行動するパターン、つまり平日であればその時間帯と場所が特定できたことは大きな収穫でした。
次は相手を特定する必要があります。。。
  1. 2014/05/31(土) 00:45:24|
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気持ちの置場に 第8回

私はこの翌日の帰宅途中に妻が停車していた駐車場へ赴き、また妻が行動した時に備え、見張りやすい場所を探しておきました。

意外だったというか、その日はすぐにやってきました。
この前妻が怪しい行動を取ってまだ数日しか経っていないのに、妻の車が自宅とは違う方向を走っていたのです。

前回からあまりに日が開いていなかったので、『浮気ではなく本当はスーパーに寄っているだけなのか?』とさえ思いました。

現場をこの目で見なければ意味がありません。
妻が会社を出て15分くらい経ったでしょうか、私は妻を追いかけるように会社を後にしました。

この日は雨が降っていたのですが、私は傘もささずに小走りで自分の車まで行き、運転席に座って妻の車の位置を確かめるためにリクエストをかけてから、すぐに車を走らせました。

いつものように少し間があってから妻の位置が返されてきました。
思った通り、この前の駅の近くでした。

何度か確認してみましたが、妻の車は動きませんでしたので、すでに停車しているのでしょう。
しかし、この前の駐車場ではありません。
少し地図に誤差があるので、そのためかと思いました。

妻が停めたと思われる駐車場は2~300台くらい停められる大きな駐車場です。
私は駐車場の外の位置にいったん車を停めて、助手席の窓越しに妻の車を探しましたが、雨で窓ガラスが濡れている上、非常に視界も悪く見つけることができませんでした。

妻が止まって15分は経過していたこともあって、すでに妻は車の中にはいないと思い直し、駐車場の中に車を入れて探してみましたが妻の車は見当たりませんでした。

今の妻の車を示している位置とこの駐車場では、確かに誤差がありすぎます。

画面上の位置に車を向けるとコンビニに来てしまうのですが、その駐車場に妻の車はありません。
ですが、そのコンビニの隣には薄いピンク色のラブホがあるのです。
私はその建物の駐車場に入ることに少しためらいましたが、さすがにここで引き下がることはできませんでした。

妻の車が止まって、すでに20分は経っているはずです。
私はラブホの駐車場に進入すると、さほど広くない駐車場に探すまでもなく妻の車を見つけました。

その隣に見覚えのある車、会社でよく見る先輩の車でした。
先輩の車はひとつ型が古いドイツ製の大衆車で、見間違うことはありません。

震える手で、妻の車と先輩の車を携帯のカメラに納めると、私はその場を離れました。

そして少し離れた位置に車を停めて、私はまたそのラブホの出入り口付近を影から見ていました。

妻の帰宅時間を考えるとそんなに長くここにいれるはずはないのです。
夏とはいえ、雨のせいか心境のせいかわかりませんが、鳥肌が立ちとても寒かったことを覚えています。

しばらくすると先にその男の車が出てきて、その30秒後くらいに妻の車が出てきました。
妻は恐らくスーパーにでも寄るのでしょうが、私が先に寄っていた大きな駐車場に車を回しましたので、それを確認した後に私は自分の車に戻りました。

『どうしようか』と思っても何も思いつきませんでした。

少しあけた運転席の窓の隙間から細かい雨が入ってきましたが、普段は車の中で吸わないタバコに火をつけました。
このタイミングでようやく冒頭の10年前の喫煙所の出来事を思い出したのです。

私が喫煙所に入ったとたんに、霧散した先輩たち。
『こいつと二人で飲んでた時のくだらない話だから』と言っていた先輩ではなく、そう言われていた方の先輩。
その男が乗っている車が、ひとつ型が古いドイツ製の大衆車。

妻の浮気が確定し、浮気の相手が確定し、、、、、



家に帰るとリビングで子供がひとり宿題をしていました。

私が帰宅して10分後に妻が帰宅しました。

「あら、早かったね」

そう言った妻の手には、スーパーの袋がありました。
いつも行くスーパーと同じチェーン店なのですが、いつものスーパーとは場所が違う駅前のスーパーであることは分かっていました。
  1. 2014/05/31(土) 00:46:24|
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気持ちの置場に 第9回

子供の手前、妻に何も言いませんでした。
しかし、何を言えばいいのか、どう切り出せばいいのか思いつきませんでした。

その日の夜、ベッドの中で妻の背中をトントンと軽く叩きました。
私たちのセックスの合図です。

お互いが自分で裸になって、向かい合います。
普段であればここで前儀をするのですが、私は妻に騎乗位で私の体の上にまたがる様に指示しました。

妻は自分の陰部を当てながら、半立ちの状態の私のモノを手で上下にしごいていました。

少し硬くなった状態になると、妻は私のモノを体の中に受け入れてゆっくりと腰を前後に動かしだしました。

しかしというか、やはりというか、いつもなら濡れ方にもう少し時間がかかるはずなのに、溢れてしまって私をすんなり受け入れました。

妻は体を安定させるために私の両手を握って、腰を前後にも上下にも動かしています。

私のモノに伝わってくる妻の中が、いつもとちょっと違います。
説明するのは難しいのですが、私を包み込む妻の入口から子宮へと続く通り道に、ほんのわずかなんですが、妻の感触に違いがあるのです。

妻の中に隙間があるとか、ゆるみとか、、、、、そんな感じです。

『男のモノが大きかったのか・・・』
『興奮していたのか・・・』
頭の中にこういった言葉が浮かぶのは自然なことなのでしょうか。。。。

私は妻にかける言葉を探しましたが、言葉がみつかりませんでした。

妻はキャシャな体でセックスは受け身、一度逝ってしまうと、何度も何度も逝ってしまいます。
ですから一度上り詰めてしまうと、ずっとそのまま感じ続けてくれます。

しかし、この時は少し疲れた様子で私の方へ体を倒してきて、少しかすれたような声で私の耳元でささやきました。

「・ ・ ・ いいよ  もうイッて ・ ・ ・ なんだかイキそうにない      」

他の男とやるだけやってきてこのセリフかと、頭にカッと血が上りました。

ベッドの枕元の棚に置いてある携帯を取ると、その日に撮影したラブホの駐車場の写真を妻に見せつけました。

妻は騎乗位の姿勢で体を起こしてから携帯の画面を見つめたとき、妻の中が一瞬キュッと締まりました。

すかさず私は問いました。

「どういうことか、説明してくれるか」


妻はしばらくしてから大きくため息をつき、私の体から降りてそのままベッドの上に座りました。

「いつ撮ったの?、、、、、」 
  1. 2014/05/31(土) 00:47:40|
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気持ちの置場に 第10回

「今日だ。偶然お前の車を見つけた」
「・ ・ ・ そう・ ・ ・ 」

「どうするつもりだ」
「・ ・ ・ どうしたらいいの」

「俺がどうこうして欲しいわけじゃない。自分で考えろよ」
「・ ・ ・ じゃあ、もう会うのやめます」

「それで?」
「・ ・ ・ それだけ」

「あの人、独身だろ。一緒になることは考えてないのか?」
「それはないわ」

「どうして?」
「別に好きじゃないから」

「じゃあなぜ会ったんだ」
「・ ・ ・ 」

「セックス目的か」
「・ ・ ・ 」

「いつから会ってたんだ?」
「・ ・ ・ 」

妻はあっさりと認めました。
しかしこの後、何を言っても何を聞いても妻は口を開こうとはしませんでした。
返事をしないという態度は苛立ちを募らせます。

妻はそんなに勝気な性格ではありませんが、この時ばかりはかなり強い意志で口を閉ざしていました。
『いつかはばれる』ということを覚悟していたのでしょう。

私は妻との会話は成り立たないと思い、この日はすぐに会話をやめました。

翌日、妻の相手をした男、先輩のもとに行くとすでに話を聞いていたようで、私の顔を見てすぐに
「今日、定時後時間とっておいてくれ」
と言われ、待ち合わせの場所も決めて会うことにしました。

妻からすぐに連絡が届いているかと思うと尚更ムカツクものです。

その日の仕事は通常通りこなしましたが、社内で妻の姿を見かけると怒りの感情が込みあがって仕方ありませんでした。

定時を過ぎて待ち合わせの場所に行くと、その男以外にもう一人の先輩もいました。
喫煙所にいた先輩です。

そのまま近くの店の個室に入り、生ビールがでてきて、軽く口を当てると先方から切り出しました。

名前を出すまいと思っていましたが、話が分かりにくくなりそうですから今更ながら名前を出しますが、この2人のうち、ラブホに行っていた方が新垣、もう一人が江口です。

江口が場をとりなすような口調で
「お前の嫁さんのことでいきさつを説明しようと思っている。いいか?」
と言う言葉に私は頷きました。

話の出だしは私と妻が出会う前に遡りました。
  1. 2014/05/31(土) 00:48:40|
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気持ちの置場に 第11回

「どこまで知ってる?」
「まあ、妻が新垣さんとできてるってことですかね」

トゲのある言い方をしたのですが、新垣は何も言いません。
少し間をおいて江口が話しだしました。

「お前が会社に入ってくる前に、コイツ(新垣)とお前の嫁さんは付き合ってたっていうのは知っていたか?」
「詳しくはしりませんが、それらしいことは周りから聞いたことがあります。だから、新垣さんは妻が私と付き合う前の彼氏かなとは思ってました」

「それもちょっと違うんだ。いや正確に言うとお前の嫁さんんは別に付き合ってた彼氏がいたんだが、コイツとも並行して付き合ってた」
「それって新垣さんと浮気の関係ってことですか?」

「まあ、言い方にもよるけどな。お前の嫁さんは入社前から付き合ってる彼氏がいるってことを周りも知っていた。しかしコイツともいい関係になっていたので、周りは彼氏と別れてコイツと付き合いだしたと思ってた」
「二股かけられてたってことですか?」

「だから、二股なのか浮気なのかは分からないし、それにその彼氏っていうのといつ別れたのかもまったく知らない。この頃はコイツなりに真面目に交際していたし、いつか自分だけに振り向いてくれることを願って付き合ってたんだ」
「そこで僕が登場したって訳ですか」

「そう。だからお前がいい関係になってるって噂はすぐに広まって、コイツはそれであきらめたんだ」
「でも続いてるじゃないですか」

私はそう言ったものの、この時にはだんだんと江口、新垣の言いたいことも解ってきていました。
浮気をしていたことを情で済ませようとしているのでしょう。

「俺は、脚色して言うわけじゃない。こうなったいきさつをそのまま話していることを信じてくれ」

江口は落ち着いた口調で話しを続けます。

「話は戻るが、実際はお前とコイツが重なってた時期もあったんだ。ただコイツは自分から身を引いたんだけどな」
「じゃあ先日もこうやって何かあったってのはどういうことなんですか」

「時期的には、お前たちが結婚して子供が生まれた後くらいだったかな」
「育児休暇中ですか?」

私は子供が生まれた後の1年間取得できる育児休暇中に何かあったのかと思って尋ねました。


「いや、違う。その後だ。嫁さんが会社に復帰してきてちょっとしてからだ」
続けて江口は説明しました。
江口はそれまでの口調とは明らかに違って、声のトーンを少し落として言いにくそうに話しました。

「・ ・ ・ お前の嫁さんに対して職場復帰の歓迎会があってな ・ ・ ・そこで新垣も参加してたんだ」
「その時に何かあったんですか?」

「その日、一次会でお前の嫁さんは帰ったように見せかけて、新垣に誘われて二人で抜けたんだ。ただ、お前の嫁さんは結婚したこともあって、不倫するわけにもいかないと思い、近場で飲もうとしたが、結局は新垣の部屋に連れて行ってしまったんだ」
「いきなり妻はハイハイと部屋まで着いていったんですか?いきさつは正直に話してくださいよ」

「・ ・ ・ 」

言葉を失った江口の替わりに新垣が割り込みました。
「いや、二人きりはダメだと拒まれたんで、抜けだす時に江口も一緒に三人でって条件で説得したんだ。江口はそれから電話で呼んだんだよ。」
  1. 2014/05/31(土) 00:49:34|
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気持ちの置場に 第12回

私は新垣をかばっていた江口が言葉につまり、反対に江口をかばいはじめた新垣の様子を見て、江口も同罪であることを確信しました。
いずれにしても喫煙所の出来事が脳裏から離れなかったので、恐らくここで江口も何か絡んでいることも感じていました。

この後もお互いをかばってなかなか話が進まなかったのですが、結局は新垣の部屋で妻を交えて3人で飲んだそうです。

妻はしばらく酒を飲んでいなかったので少しの酒で酔ってしまい、そのまま新垣になすがままになったそうです。

初めにキスをした時に妻が何も言わなかったので、新垣はスカート中から下着を脱がせて妻を膝の上に座位の姿勢で座らせ、2人とも服を着たそのままの状態で挿入。

新垣は生で挿入したものの、服を着ている妻の腹上に放出することができず、どうやら妻にくわえさせてクチの中に放出したようでした。

他の男に抱かれているのを見られた妻は、もう拒絶する理由もみあたらず、その後江口まで受け入れたようでした。

どういったプレーをしたのかはわかりません。

その日何度か妻を抱いたような感じでしたが、新垣と江口で交互にまわしたのか、3Pをしたのかまでは分かりませんでした。
ただ、私は妻のセックス体質から、その日に何度もいき続けたんだろうな、なんて想像していました。

段々と調子づいた新垣と江口は、次々に話をばらしだしました。

その後も何度か新垣を中心にして3人でラブホに行くことがあったということです。
そのうちに、新垣とも江口ともそれぞれに誘われるがままラブホに行っていたようでした。

妻が言う『好きではないけど会っていた』という意味がわかりました。

結局妻は、私に出会う前からずっと新垣に抱かれ続け、結婚後は江口まで加わって私の目を欺いていたのです。

ひと通り話を聞いた私は、相手にクギをさしておきました。

「よく分かりました。 ・ ・ ・ で、これからは?」
「お前に悪いからもうするのやめるよ、悪かったな」

「婚前の三角関係なんかであればこれで済むかもしれません。ですが、私は結婚して子供までいる状態で『今までごめんな』って言われてコトが済むとは思っていないでしょ?」

私が低姿勢で聞いていたので、多少調子に乗っていた新垣と江口は、私が真剣に切り返したことでキョトンとした表情になりました。


「どうするって ・ ・ ・ ちょっと待て、俺たちは正直に話しただろ」
「それはきちんと事実を話したということにすぎません。責任とは別です。今答えは求めませんから、後日連絡してください。僕も今の内容を元に妻に確認してみます」


私は何か言いかけた二人の言葉も聞こえないフリをして、飲み代を少し多めにテーブルに置くと、すぐに店をあとにして帰路を急ぎました。

私は新垣、江口、妻の3人から恥をかかされました。
それだけに同じように恥をかかせてやることを考えていました。
  1. 2014/05/31(土) 00:50:27|
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気持ちの置場に 第13回

私はそれからすぐに自宅に帰りました。

早く切り上げたため、子供はまだ起きていましたが、寝締まった頃を見計らって妻に切り出しました。
妻も何か言われることは分かっていたようです。

「今日、新垣さんと江口さんと飲んできた」

本来、あまり交流のない人との飲みなので、普段であれば妻も驚くところでしょうが、この時は落ち着いたように

「そう」

とだけ返事しました。

「いろいろ聞いたよ」
「・ ・ ・」

「どうするつもりだ」
「どうするって、何が?」

「浮気しててとぼけた言い方するな」
「私、浮気とかしてないわよ」

「ふざけるな! 昨日新垣さんと会ってたこと認めただろう!」
「私、新垣くんと会ってたとか言ってないわ」

「新垣さんの車とお前の車がラブホの駐車場に停まってた写真みせただろうが!」
「何言ってるの、私は○○ちゃんに車を貸してたから、その間に江口くんに買物に連れて行ってもらっただけなのよ。変なこと言わないで。それに私の車がラブホに
停まってるってことは私も驚いたけど、○○ちゃんがラブホに行ってるなんてこと、いちいちあなたに言えないでしょ」

「昨日そんなこと言わなかったじゃないか!もう会わないと言ったのはなんだったんだ!」
「江口さんと買物に行ったのは悪かったと思ったわ。あなたからすればいい気持ちはしないでしょうから。でも私、○○ちゃんのことが気になってたの。変なこと言ったならごめんなさい」

私は妻の態度に強い怒りを覚えました。

「何を言ってんだ。結婚前から今までずっと体の関係だったんだろうが!新垣、江口が認めたんだぞ!!」
「・ ・ ・ そんなはずないじゃないの。あなたお酒の席でからかわれたのよ。酔ってるの? 絡みすぎよ」


なるほどです。
この時点で、妻と新垣、江口が口裏合わせて、私がどうでるか確認しようとしていたことに気付きました。

もちろん私は昨夜の妻の態度が許せず、浮気相手にも損害賠償請求を含めた責任の追及をするつもりでいました。
新垣にも正直に話してもらう必要もありました。

しかし、妻と新垣の関係は思っていたよりも深かったので、酒の途中で『ごめんでは済ませない』と宣告して退席したのです。

今回、私が妻の浮気問題を訴状に上げたとしても、この3人はそんな事実はないと否定して終わらせるつもりでしょう。

妻が車を貸したと言っている○○ちゃんというのも恐らく話がついているように思います。


仮に私が妻たちの関係を容認したり、今までは仕方ないがこれから先はダメだと柔和な態度を示したとしても、今までの関係を継続するように思えました。

結局、この3人は自分達の関係を匂わせることで、少しずつ私を手のうちに丸めこんでおこうという考えであったように思えます。

この日の夜中に私は妻の車に隠してあった携帯を取り出しました。

見つけられると、反対に妻の立場が強くなる可能性があったからです。

これからが大変でした。
  1. 2014/05/31(土) 00:51:22|
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気持ちの置場に 第14回

翌日、出社すると、新垣、江口がやってきて、

「すまん、すまん。昨日は冗談きつかったみたいだな。お前の嫁さんからも変なこと言うなってさっき怒られたよ」

と案の定というか、思った通りの言い訳をされました。


私は会社の懇意にしている人たちから、それとなく私が入社する前の妻の過去について尋ねました。

今まで全く知らなかったわけではありませんが、耳にしたことがある程度だったので、冗談とも本気ともわかりませんでした。

こちらから尋ねると、聞かれた相手はすべてを話さないにしても、嘘はつきません。

過去の新垣との関係を知る人は数人いましたが、現在の関係になると、誰もが『知らない』と口を揃えます。

反対に『なにかあったの?』と聞かれることも多く、あまり勘ぐられても困るのでそんな時は笑って濁しました。



妻との協議離婚に持ち込んだとしても、浮気を立証しなければ反対に慰謝料を払わなくてはいけません。
そんな愚かなことはできないので、私はしばらくの間、どうすればいいのか悩みました。

会社での仕事はまじめにこなしていましたが、気持ちが明るくなるこもなかったので自然と会話は少なくなっていました。
ある日、私の元気がないと心配していた同期の友人が声をかけてきました。

「お前、嫁さんのことで悩んでないか?」

ちょっと驚いて返事しました。

「ん? どうした、いきなり」

友人は少し間をおいて説明しました。

「この前な、会社でお前のことを話しているのが聞こえたから、そのまま内容を聞いてたんよ」
「なんの話?」

「お前が、嫁さんの浮気を疑ってるって」
「・ ・ ・ まあね、ちょっとそれでここんとこ気が晴れなくてね。それ新垣さんたちだろ、話してたの」

「うん。。お前が新垣さんと嫁さんのことを疑って詮索してるみたいなことを言ってた」
「気を使った言い方しなくていいよ。バカ扱いで笑われてたんだろ」

友人は私の問いに答えなかったので、私の勘は当たっていたのでしょう。
新垣としては、妻と結婚した私を良く思うはずがなく、私の人格を否定することが楽しくて仕方ないのでしょう。

「お前、ホントに嫁さん、浮気してるの?」
「たぶん、間違いない。嫁さんと新垣さんが口裏合わせているからなかなかね。。。」

その翌週、課長が私を会議室に呼びました。
  1. 2014/05/31(土) 00:52:22|
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気持ちの置場に 第15回

課長は私を見るとすぐに座らせ、前置きもなく話始めました。

「家庭の話を少し聞いたんだが、深刻なのか?」

話が広まっているのかなと、少しうんざりもしました。

「妻のことですか?」
課長は何も言わずに頷きました。

「深刻というか、実態がわからず心配しているだけですよ」

「奥さんは何も言わないのか?」
「否定してますからね。相手と思われる方も同じような感じです」

いろいろと聞かれましたが、すべては言いませんでした。
私も話がどこまで広がっているのかが気になって、最後に情報元が同期の友人でないのかと尋ねると、課長は頷きました。

「あいつ、お前のこと、本当に心配していたぞ」
と付け加えました。

その翌日にまた課長から呼ばれたので、会議室に行くと今度は部長まで同席していました。
話が大きくなるのは私も望んでいたわけではないのですが、こうなると仕方ありませんでした。

課長が先に切り出した話はこうでした。

「奥さんの相手と言われていた本人(新垣)に確認したが、酒の場の冗談をお前が真に受けたらしいじゃないか」

私は黙っていました。

部長は
「この話を初めに聞いた時は驚きもしたが、勘違いだと聞いて安心したよ。いい奥さんだから心配もするだろうけど、まあ良かったじゃないか」

私は形式上、お詫びとお礼を言って会議室を出ました。

まっこうから、相手に聞いたとしても素直に答えるどころか、人間関係の悪化しか生まないことは誰にでもわかることです。
しかし、上司としては「聞いたから確認した」ということで責任を果たしたつもりなのでしょう。
初めから上司に期待していたわけじゃないので、これはこのままで構いませんでした。


この時期は自宅に帰っても妻との会話は必要最低限しかしませんし、私は寝室にこもりがちでした。
妻は明るくふるまっていますが、そういった態度さえ私の感情を逆なでしていました。

どうするか策を練るというより、手を打ちあぐねてしまったな、と思っていると、
「お前の嫁さんのことで話がある。会社じゃ話せないから」
と同期の友人が私に声をかけてきました。

その日、2人で入った古びた焼鳥屋で、彼は私に相談せず上司に告げたことを最初に詫びました。
そして本題に入りました。

「本当は課長たちになんとかして欲しかったんだ。お前を傷つけたくなかった」
「どういうことか?」

「新垣さんとお前の嫁さんは出来てる」
「なんでお前が知ってるの」

「あの人(新垣)たちの仲間内では、みんな知ってる」
「そうだろうな。そう思ってたよ。グルになってるのが多いってことだよな」

「そう。お前、嫁さんとどうするつもり? 許すの?」
「考えてる段階。ただ証拠もなく噂だけでは行動とれないし」

友人は黙って私の顔を見つめていました。

「俺、今日お前に会ったのはこれ見せようと思ったんだけど、見せた俺をうらむなよ」

そう言って携帯電話を取り出し、ボタンを操作してから携帯を私に手渡してくれました。

画面には、暗がりのベッドで男と女性が絡んでいる姿が写っていました。
男の横顔が少し写って、女はアイマスクを掛けて写っています。

ですが、それが新垣と妻であることが分かりました。
髪、体型、体のライン、脚線なんか見れば妻だとすぐに分かりました。

私はその画面をじっと見つめました。

「これ1枚しかないんだけどな。あの仲間内のひとりがメールでくれたんだよ」
「いつの話?」

「ずいぶん前だけどね。悪いけどお前には言えなかった」
「お前も良く消してなかったな(苦笑)。このアングル、誰かが撮ったんだろ?」

「たぶん。それが江口さんなのか、あの中の誰かまでは知らないけどな」
「流出してるってことか、最悪だな。他にはないか?」

「いや、まだあるらしい。でも俺はこれしか見たことはないけどな」
「お前、証人になってくれるか?」

「ん、、、、いきなり俺の名前を出すのは勘弁してくれ」
「分かってる。その写真、俺の携帯に送ってくれ」
  1. 2014/05/31(土) 00:53:52|
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気持ちの置場に 第16回

その日友人と別れた後の帰宅途中、携帯に送ってもらったその写真を何度も見ました。


恐らくは写真を撮るようにしたのは新垣でしょうが、そうこうすることによって妻への征服感も高めていたのかもしれません。
実際は写真だけでなく、江口のように他の男にも抱かせて妻への支配欲を充たしてもいたのでしょう。

それに女の悦びを感じて新垣に挿入されている妻。

妻の居場所を探知していた頃には、少しの興奮さえ感じていた私でした。
しかし、今までの妻と新垣が私に対してとった態度を思い出すと、興奮どころかバカバカしさを感じてしまってました。

この携帯の写真は、妻に見せつけたとしても『他人のそら似』で終わらせることでしょう。

私はこの写真を証拠として使うつもりはありませんでしたが、もしもの為に手元に置いておきたかっただけです。


扉を開くと我が家独特の匂いがします。
リビングに行くと妻が起きていました。

「お帰り」

私は黙って荷物を置いてスーツを脱ぎ、シャワーを浴びました。

シャワーを浴びながら、今までの妻との生活を思い浮かべましたが、落ち着いて考えているわけではないので、かえって頭の中が
整理できませんでした。
バスタオルで体を拭きあげ、着替えて妻の横に立つと妻は
「どうしたの?」
と問いかけてきました。

私は自然と口から出た言葉が
「お前、新垣さんと一緒になるつもりはないのか?」
でした。

前も同じようなことを聞いて『ない』と返事した妻でしたが今回は違っていました。

「どうして新垣くんのこと、そんなに気にするの?」
「お前がそうしたいんだろうと思ってね」

「浮気してるか疑ってるんでしょ。それに知ってるんだから、あなた会社で上司にまで相談したらしいわね」
「俺が相談したかったわけじゃないけどね」

「なによそれ、とぼけた言い方して。新垣くんが上司に変なこと聞かれて迷惑かけたじゃない」
「もとはあっちが俺に仕掛けてきたんだろ」

「どっちにしたってそういう噂が会社で流れたら、私だって困るのよ。なに考えてるの。あなた頭おかしいんじゃない?」

妻は感情が高ぶって、語気がどんどん強くなっていきました。
私は逆ギレの状態の妻に対して『相手できないな』と思ってさっさと寝室に入りました。

『仕方ない。もう・・・・』
  1. 2014/05/31(土) 00:54:52|
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気持ちの置場に 第17回

私は妻との修復が困難であることにようやく自分の中で整理がつきました。

私は気持ちが揺るがないうちにと、すぐに会社の人事部長に連絡をとりました。
本来ならそう簡単に合える相手ではありませんが、緊急ということで時間を取ってもらい事態を説明しました。

もちろん私の説明では、妻の居場所を確認するための携帯を設置したことは隠しましたが。

ひと通りコトを聞いた人事部長は、私にこう言いました。

「奥さんと別れたいのか、別れたくないのか。まずそれが一番大切だ」

「別れたくはありませんでした。でももうやり直しができません」
と答えました。

「別れることになっても仕方ないということだな。まずは事実を確認する。ちょっと待ってろ」
そう言って会議室を出ていきました。
するとすぐに、妻に車を借りてラブホに行ったことになっている○○ちゃんを連れて来ました。

○○ちゃんは、いきなり人事部長が来て何のことか分からないうちに連れてこられたのでしょうが、会議室で私の顔を
見るとハッとしたような表情を見せました。

新垣の仲間うちのひとりで、○○ちゃんもラブホ駐車場の件では口裏をあわせているはずです。
それは人事部長も分かってのことです。
しかし、社内電話で呼び出して、あれこれ新垣や妻と連絡を取ると面倒なので直接呼びに行ったのでしょう。

人事部長は○○ちゃんを席に座らせるとすぐに切り出しました。

「確認したいことがあってね。あなた、この人(私のこと)の奥さんとは仲がいいようだけど、車を借りて運転したことある?」

人事部長は続けます。
「答えにくいだろうね。私にウソはつかないようにね。で、どうなの?」
「・ ・ ・ ありません」

借りたことはないということが何を意味するのか分かっていたので、○○ちゃんはためらいながら答えました。
しかし、人事部長、ここで止めませんでした。

「何か聞かれたら『借りたことにしておいて』と頼まれたことはあるよね。この人の奥さんに」
「・ ・ ・ はい」

「何で『借りたことにしておいて』と頼まれたのかその理由は分かる?」

○○ちゃんはここで言葉を発せなくなりました。

そこで人事部長は私に会議室を出て行くように指示しました。

それから30分後、私は人事部長に呼び戻されました。

人事部長は私に教えてくれました。
「あなたが言っている通り、○○ちゃんは車を借りてはいなかった。もし何かあった場合、車を借りていたことにして欲しいと頼まれていた。その理由は奥さんの不倫によるものだった。その相手については確かめないといけないので、確定しない限り、あなたに伝えることはできないが、しばらく待っていて欲しい」

○○ちゃんがまた戻って新垣たちに何か言うのではないかと気になっていたが、人事部長はそれはないと説明を付け加えてくれた。
もともと○○ちゃんはこのことを良く思っていなかったので、片棒担がされている事に嫌悪感も感じているということだった。

数日後のこと、次に人事部長が私を呼んだ時には、すべての事実が確認されていました。
  1. 2014/05/31(土) 00:55:45|
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気持ちの置場に 第18回

私が人事部長に話をしてから、数日後に明らかに妻の様子がおかしいと感じた日がありました。

元気がないというか、動作が緩慢で表情も暗く、まったく言葉を発しませんでした。
私は『何かあったな』と分かりましたが、何も声をかけませんでした。
その日妻は食事さえとらなかったようでした。

翌朝、朝食の時間にさえ起きてこなかったので、私が子供と自分の食事の用意をして簡単な朝食を済ませました。
子供が学校に行く時間に起きてきた妻は、
「行ってらっしゃい」
と、気だるそうに言って、朝からため息をつきながらダラダラとした感じでコーヒーを沸かし始めました。

この居心地の悪い空気が嫌だったので、私はいつもより早い時間に家を出て会社に行きました。


その日の午後のこと、人事部長から直接私の携帯電話に連絡がありました。

すぐに呼ばれた会議室に入ると、人事部長と直属の上司である△△部長の二人が座っていました。

△△部長までいることに少し抵抗感がありましたが、人事部長が私を座らせるとすぐに話しはじめました。
「内容はわかってるだろうけど、あなたの奥さんの事についてだ。非常にデリケートな内容のため、私が誤った伝達や不適切な説明が起きないように、また起きていなかったことが証明できる
ように△△部長に同席して貰いました」

私は
「はい」
とだけ返事しました。

「結論から言うと、残念ながらやっぱり奥さんは浮気をしていました。それもあなたの言う通り新垣とは結婚前から今まで続いていました」
「そうですか。。。」

「あなたから相談を受けたあとに、新垣と奥さんのメールサーバーの履歴を確認したんだけど、怪しい内容のものは見つからなくてね。それで携帯の写真が流出している可能性を考えて
そこを重点的に調べさせていたら、2、3人やり取りをしているヤツらが見つかってね。そいつらは新垣と仲がいいわけじゃなかったので、言いかえると社内的にもかなり流出しているってことだろうね。
結局そいつらをひとりひとり呼び出して、出所をさかのぼって調べていくと、新垣にたどり着くことができました」

写メをPCメールで転送していたのでしょうが、人事部長から呼び出されて勤務時間中に会社のパソコンを使って、ワイセツな写真を閲覧、送受信していたことを注意されると誰も隠すことはできなかったでしょう。

人事部長はしっかりとした目線で私に向かって話を続けました。
「それでね、いろいろと話を聞いていく内に、奥さんの相手は複数人いることが分かってね。これには私も驚いたね」

私は人事部長の話を黙って聞いていました。

「あなたの奥さんの相手は新垣が中心で、その他に特定できたのが江口と森山でした」

私はびっくりして聞き直しました。

「森山って、森山課長ですか?」
「そうだ。申し訳ないがあなたの上司の森山だ。」

私はまったく予想してなかったことに言葉を失いました。


ここで△△部長が話しをはじめました。

「以前キミの話があがっていた時に私が確認すべきだった。森山から、『いろいろ確認したが勘違いにも関わらず、キミが新垣と奥さんの仲を疑って仕事が手についてない』と報告を受け、私がそれをそのまま鵜呑みにしてしまった。すまなかった。」

△△部長は私に頭を下げて謝りました。

人事部長がそれを見て、また続けます。

「森山と新垣はね、入社が1年違うけど、高校の同級生なんだよ」
「そうなんですか。。。酷い話ですね」

「ああ、とんでもない話だ。言葉が適正かどうかは分からないが、新垣と奥さんが不倫の関係であって、森山と江口はそれにあやかった肉体関係という見方をしているがね。  そこでだ。今回のように社員同士での不倫と言っても、
お互いの同意の上なら会社は介入できない」
「オトガメ無しってことですか?」

「不倫や肉体関係だけならね。しかし、新垣、江口に関しては、奥さんの裸の写真を社内に流出させた罪がある。このことを昨日奥さんを呼び出して確認したが、奥さん自身はこれを知らなかった。
その後初めて新垣、江口を別々に呼んだが、不倫関係や写真の事実関係を認めたので、女性社員の裸を意図的に社内に広めた著しく風紀を乱す行為として、二人に何らかの処分が出ることを伝えた。処分の内容はまだこれから検討する段階であったが、今朝、二人そろって辞表を持ってきたのでそれを受理した」

私はじっと人事部長を見つめていました。

「森山については、管理職であるため、自分の部下の妻に対しての不貞の事実というのは会社としても看過することはできない。更に部下からの相談に対する偽証、隠蔽工作を認めたこともあって、未確定ながら少なくとも一般職への降格及び1ヶ月の停職があることを示唆したが、それを聞いてすぐに自ら依願退職した」

少し驚きましたが、このまま会社に残ってたとしても会社側も本人側にも良いことはないと、そんなことも含めて自己都合による退職を勧め、丸くおさめたのだと思いました。

会社を辞めることになった3人と少しでも顔を会わせたくなかったのですが、
「3人については、顧客情報を持ち出したり、データの消去や破壊をさせないように、仕事も机も今の状態のままで会社を引き取ってもらった。私物はこちらから自宅に送るし、もう職場に来ることはない」
という説明を聞いて安心もしましたが、会社の厳しい姿勢も感じました。
『引き継ぎはどうなるんだろうか』ということも気になりましたが、愚問になるので聞きませんでした。
  1. 2014/05/31(土) 00:56:42|
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気持ちの置場に 第19回

それよりも私は、
「妻の様子はどうでしたか?」
と人事部長に尋ねました。

「昨日私が呼び出した時には、あくまでも裸を流出させられた被害者として呼んだにすぎない。 もちろん流出の事実は知らなかったようで、聞かされた時には真っ青になっていたよ。まあ自業自得の気もするがね」

人事部長は話を続けます。
「さて、あなたの奥さんについて話を続けます・ ・ ・ 今までの話を聞いて、あなたもショックを受けているでしょうが、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です」

ゆっくりとした口調で間を取りながら、話が続きました。

「今、あなたを呼ぶ前に、さっきまでここで奥さんと話をしていました。写真を流出させられた被害者として、その関係者がどうなったかを伝える必要があってね。今回新垣たち3人の退職について説明をするとひどく動揺していたよ。
『写真のことはあなたが知っているのか』ということを質問してきたので、そこは隠すことなく正直に知っていると答えている。  あなたが知っていると聞くとさすがに泣きだしてね。  私は奥さんに言ったよ、バカなことしたねって」

この時点で人事部長がこれから言おうとしていることが脳裏によぎりました。

「3人が退職した件にかかわっている被害者でもあるが、それを引き起こした当事者でもある。 だが、先にも説明したように浮気という問題については、プライベートでの出来事であるため、会社として奥さんをどうこう処分することはない。
しかし、このままにしておくことも望ましいわけではない。その点にあなたは理解できますか?」
「はい」

「ご主人にも浮気していることや写真のことも知られているし、そのこと自体が会社の中で噂となって広がることまでは、止める事ができないよって奥さんに言うと、ただただ謝っていました。私に謝られてもね。。。」

会社とすれば妻を退職させることは簡単なのでしょうが、妻が退職するのか仕事を継続するのかの決断を、最終的には私たち夫婦に委ねたということがわかりました。
人事部長は、私たちがこれからをどうしていくのかという大きな分岐点に、自ら結論を出すように導いてくれたのです。

人事部長が冒頭に△△部長を同席させた理由を説明しましたが、それだけでないことも感じました。

森山課長と人事部長が話をする時でさえ同席していないようですから、△△部長を同席させたのには、部下の声をしっかりと聞かず、こういった人の気持ちが関わる問題を軽くあしらったその罪を深く反省するように意図されているのではないかと感じました。
それに△△部長がここにいることで、△△部長と私の距離が近づき、これから先の仕事の上でも相談がしやすいようにお互いへの配慮が含まれている事も感じました。

私は人事部長に感謝しつつ、△△部長に今後もお願いしますとの気持ちをこめ、深くお辞儀をしてから会議室をあとにしました。


その日、遅めの22時前に自宅へ帰りました。
妻と話し合わなければならないその日、子供が眠るころに帰らなければ、子供の心配を募らせるだけだと思ったのです。

自宅に車をとめ、玄関を開けると、家の電気が消えているのがわかりました。
  1. 2014/05/31(土) 00:57:46|
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気持ちの置場に 第20回

暗く静まりかえっている家の中、子供の部屋の前に立ちそっと扉を開けると、いつもと変わらず子供はベッドで眠っていました。

眠っている子供のオデコに手を当てるとうっすらと汗ばんでいたので、ポケットからハンカチを出しましたが、よごれたハンカチで子供の顔を拭いたらこの子に怒られちゃうな、と思いなおして、机の上のティッシュを取ってそっと汗を拭ってあげました。

子供のそばに立ちすくみ、チカラのないため息が自然と漏れました。
『パパ、どうしたらいいんだろうね』涙をこらえて子供の部屋を出ました。

リビングに入って照明を点けるとテーブルの上に食事が置かれているのが目にとまりました。
今までであれば、私が帰ってきてから食事が作られたり、温めなおしたりしてくれてました。


寝室の扉をあけると、妻が寝ていました。
私はためらうことなくその妻を起こしました。

気だるそうに起きた妻の顔は、不機嫌をあらわにした態度でテーブルの椅子に座りました。

私はそういった態度も鼻につきましたが、いろいろ前置きをせずに、新垣たちとの関係について説明を求めました。

妻は、都合が悪くなるといつも口を閉ざしてしまうので私もくたびれるのですが、この時も妻が口を開くのをじっと待ちました。

テーブルの上に置かれた食事が虚しく私の視界に入ります。

じっと下を向いたままの妻に苛立ちがつのっていくばかりでした。

さすがに10分もたつと、私もこの変化のない沈黙に耐えられませんでした。

「説明しろと言ってるのに何を黙ってんだ」

落ち着いて話したつもりでしたが、怒りが込められていることがわかるような声色だったと思います。

妻はようやく返事をしました。


「・ ・ ・ 眠ってたのを急に起こされたから頭がまわってないのよ」
  1. 2014/05/31(土) 00:58:59|
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気持ちの置場に 第21回

人事部長から聞いた話では、『この一連の出来事を私が知っている』と伝えた時に、妻はショックで泣きだしたということでした。
かなり反省して気持ちも沈んでいるという状況を想定していました。
少なくともこの態度とこの言葉はありえないでしょう。

コトの重大さ、というものが分かって今更ながらとぼけているのか、分かってないのか、いずれにしてもこの態度は許せませんでした。


「お前は、どこまで人をバカにするんだ。今回、どれだけの人に影響があったのか分かってるのか?」
「私だって被害者でしょ!恥ずかしくて会社なんか行きたくないわよ」

「お前、俺に謝るのが先じゃないのか?」
「別に私は恋愛感情なんてなかったのよ、それをあんたが勘ぐって会社に言うからでしょ!」

「呆れたヤツだな。自分のやってたことを悪いと思わないのか?」
「私は家庭のこともちゃんとやってるわ。あまり人に言えたことじゃないけど、人との付き合い方だっていろいろあるでしょ? 嫌ならどうして面と向かって言わないの。だいたい自分の妻を会社に告げ口する? あんたもおかしいんじゃない? これだけ大騒ぎになってどうするつもりよ!」

「お前、自分に非が無いと思ってるのか?」
「私が女だからそんな聞き方されるんでしょ。男の人たちってみんな何してるか分からないのに」

妻は、冷静なのか頭に血が上ってるのか分かりませんが、新垣たちに対しても、私に対しても、自分が被害者としての立場しか思いつかないようです。

私は妻から説明を聞くつもりでしたが、こんな状況で話が進まないので私から順序だててはっきりと伝えました。

雨の日の飲み会の帰りのこと、ラブホの駐車場のこと、写真のことなど、今日までのことを妻に話しました。
喫煙所で新垣たちが話していたことや酒を飲みながらバカにされたことも話しました。
△△部長、森山課長、人事部長とのやりとりも説明しました。
新垣とのかかわりについても何度か尋ねたが、否定してウソをついていたことも非難しました。

そして私は妻に問いました。

「2つの答えを出さなければならない。1つ目はお前の仕事のこと、2つ目は俺たちのこと。まず会社はどうするつもりだ?」
「・ ・ ・ 行きたくないわよ。辞めるとか辞めないとかより近所に広まった方が嫌だわ」

「俺たちの夫婦の関係をどうするかを決めて、仕事のことを考えた方がいいかもな」
「夫婦の関係ってなにを考えるの?」

「このまま夫婦の関係を続けていくのかってことだ」
「・ ・ ・ そんなの聞かれたって分かるわけないでしょ」

「分かる、分からないじゃない。考えなければいけないんだ。
いいか、新垣さんは独身だからまだいい。江口さん、森山さんは家庭もあるし子供もいるんだ。それが急に仕事を辞めた。その理由についても今後の生活についても夫婦間で話し合いをしているはずだ。
今回の当事者たちには社会通念上の罪があり、その報いを受けなければならない。お前は自分の立場を被害者と思っているようだが、江口さんたちの奥さんからみれば、お前は加害者になる。つまり、報いを受けることになるひとりだという事をよく分かっておくべきだ」

「奥さんたちが私に文句を言うってことを言いたいの?」
「文句とかいうものじゃない。江口、森山たちの奥さんから訴えられる可能性だってあるってことだ」

「あの人達が好きでやったことじゃない。何で私がそんなことされないといけないの」
「お前、、、自分がやったことは恋愛感情があろうとなかろうと浮気ってなるんだよ。いいか、お前は俺から訴えられることもあるってことを忘れるなよ」

「いろいろ言われたって分からないわ。どうしたらいいってこと?」


疲れます。。。話の本質にたどり着きません。

妻の倫理観の無さに呆れるばかりです。
勉強はそこそこ出来ていたのかもしれませんが、大人としては何も学んでいないのでしょう。
これは私も反省すべきなのかもしれません。

いずれにしてもこのままでは会話が成りたたないのは分かりました。
過去にもケンカになった時、物事の考え方や理屈を説明しても『分からない』を貫いてきた妻です。
いえ、本当の所は、分からないではなく、自分に非があるということに耐えられない性分にあると思います。

私は仕事の疲れを理由に話を中断しました。
  1. 2014/05/31(土) 00:59:50|
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気持ちの置場に 第22回

時間をかけても話は進展しません。
私はこうなった時には、妻の実家に相談することを前々から考えていました。

翌朝、妻は寝たまま起きてきませんでした。
子供に朝食をとらせ、学校に行かせると、その後私は会社に行くふりをして家を出ました。
△△部長に電話して急に休みを取ることになったことを伝え、謝罪したところ、
「きついだろうな。明日は会社に出てこい。用事があるならすぐ帰っていいが、顔だけは見せろよ」
と言ってくれました。

妻の実家は車で1時間程度の距離。
そのまま行くには時間が早いこともあるし、昨夜眠れなかったので途中で車を止めて仮眠をとってから妻の実家に行きました。
この両親はすでに定年を迎えて普段は自宅にいます。
父親の車があることを確認して私は車から降り、玄関の前に立ってチャイムを鳴らしました。
すぐに母親が出てきましたが、突然の訪問に何かを察したらしく、すぐに父親も出てきて家の中に通されました。

母親がお茶を入れてくれ、両親が同席したところで私はすぐに話しを切り出しました。
妻の不貞とその影響範囲について、そして会社での立場もひと通り説明しました。
私は事実だけを説明することにとどめ、まずはこの両親の反応を待ちました。

深く謝罪の言葉があったあと、母親は
「それでも許してあげてね」
と言う言葉をいきなり添えました。

父親は今日こうして私が来た目的を尋ねました。

「本来であれば私達で答えをだすべきだと思います。私は周りから事実を聞いているだけで、妻はそれを認めたものの、自分の口からは
何も説明しようとしません。
 今までの不貞もそうですが、今現在の不躾な態度にも我慢ができませんし、私が直接助けてやれることはありません。
 今日はおそらく会社にも行けず休んでいるでしょう。もし相手の男のところに行ってるのであれば、こうして私がお話しする必要もなく
離婚手続きを進められますが、そうでなければ相談相手も行く場所もアテがないでしょう。
 お願いしたいのは、まずあのコに事実を確認してください。
 そしてできることであれば、しばらくここで生活させてあげてください」

その日の夕方に父親から連絡がありました。

私が帰ったあとに、両親は私の家に行ったとのこと。
さすがに新垣とは会いにくいのでしょう、妻は家で寝ていたようです。
連れて出ようとしたが泣きじゃくって嫌がったので、着替え程度しか持って出なかったが荷物をまとめるのに時間がかかったそうです。
子供のことを心配していると言われたのですが『こうした自分の責任を感じて欲しいと思います』ときつく伝えました。

辛い役ですが、子供には私から説明するので、会社をどうするか連絡しないといけないでしょう。
辞める辞めないは別にして、しばらく休むとでも伝えてはどうかと言って電話を切りました。
  1. 2014/05/31(土) 01:00:50|
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気持ちの置場に 最終回

その日家に帰って子供に話をしました。
子供は涙を拭きながらも気丈にふるまってくれました。
それから子供と私の2人だけの生活が始まったので、今までより会社は少し早く帰るようにしています。
食事なんかも苦労しましたが、年頃のせいか子供は洗濯だけは私にさせません。

会社は思っていたより騒ぎになることもなく、普通通りでした。
妻は数か月の間休職をしていましたが、結局職場に戻ることなくこの3月末に退職してしまいました。

そして現在ですが、まだ離婚はしていません。
新垣や江口のことはどうなったか知りません。
森山については、離婚したかどうかは知らないが、遠くの会社に就職したようだと△△部長から聞きました。

あれから妻とは顔をあわせていません。
子供は会っているのか、いないのかわかりませんが、それは聞かないようにしています。

妻はたまに荷物を取りにきているようで、そんな時にはテーブルの上に作ってきたおかずを置いて行くことがあり、私が帰ると子供が飛んできて
「ほら、お母さん、来てたみたいよ!」
とおかずを指さしながら、笑顔を向けてくれます。
子供は喜んで食べるのですが、私はさすがにノドを通りません。

妻と別居してもう少しで半年になります。
半年という節目を決めていたわけではありませんが、私も子供も気持ちも落ち着いてきたので、そろそろ妻との離婚に向けた話をすすめるつもりです。
正直なところ、私も揉めるのが嫌だったので、うまく実家に引き取ってもらい、そのまま離婚の流れで考えていましたので。。。

新垣と妻が今はどういう関係かは分かりません。
家庭を守れなかった私自身にも責任はあるのですが、ひとつのケジメとして妻との離婚手続きを終えてから、新垣に慰謝料請求をするつもりにしています。
慰謝料というとそのお金の使い方が難しいんです。
法的には正当なのですが、あまり縁起の良くないものなので。

そして妻にも責任を取ってもらいますが、毎月の養育費は必要ありませんし、毎月関わっているということもあまり考えたくありません。
タイミングを見計らってまとめた金額を請求することで考えたいと思ってます。


ちょっと耳にしたお話があるので、お伝えしておきます。
妻から車を借りたことになっていた○○ちゃんは、以前から江口と出来ていたようです。
江口がたまに妻と寝ていることを面白くなかったようだという噂もありますが、ホントの所はわかりません。
人事部長に、妻から車を借りたのか尋ねられて借りてないと答えたのは、ごまかせないということもあったのでしょうが、妻を突き離した心境を考えると恐ろしいものです。
それに人事部長もこのことは調査済みで、私には言う必要がないと情報を閉ざしたのかもしれませんね。
しかし、○○ちゃんは今でも普通通り出勤しています。大したもんです。


今日は天気の良い日曜日になりそうです。
子供と一緒に、どこへ行って、晩御飯何にしようかとこれから決めるのが楽しみです。
「パパ、朝起きてもう晩御飯~!?」
って毎日のように言われてますけど。。。。


まだ最終結果はでていませんが、これで投稿は終わりになります。
皆さんのレスを読ませていただいて、自分の萎えかけた心が本当にずいぶん励まされました。
たくさんのレスありがとうございました。
ひとりひとりの皆様に心から感謝します。

レタスは、手をかけずに食べれるので私と娘の食事によく登場しますので、名前に使ってみました。これにマヨネーズをかけて食べるだけですけど、これが料理かどうかは微妙。

ワタシタチオヤコハコレカラモガンバリマス。
アリガトウゴザイマシタ。

  1. 2014/05/31(土) 01:02:00|
  2. 気持ちの置場に・レタス
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薬剤師 はじめに

 不倫は他の夫婦の話であり、自分たちには関係がないと私は漠然と思っていました。結婚後、2人の子どもに恵まれ、19年間を夫婦仲良く過ごすうちに、そういう意識を私は知らず知らずに持つようになっていました。

 私は、わが社の中国工場を立ち上げるため、4月から3カ月間の予定で中国へ長期出張し、予定どおり任務を終えて7月初めに日本に帰ってきました。

しかし、この3カ月の間、妻は私以外の男に抱かれていたのです。私が異国の地で家族のために必死に頑張っていたときに、妻は他の男に抱かれ性の快楽に溺れていたのです。

 妻は私の帰国後自ら告白したのですが、、私は怒り・嫉妬・やるせなさから、自分の感情を抑えることができず、土下座をして涙を流しながら謝る妻に、複雑な感情を爆発させてしまいました。

それから約6カ月が過ぎ、私も落ち着きを取り戻し、「妻の不倫」という事実に真正面から向き合うことができるようになってきました。そんなある日ふとしたことからこのサイトを発見し作品を読み漁りました。このサイトで私と同じような経験をした人たちが本当に多いことを知りました。

 『インプリンティング』は主人公が海外勤務中にその奥さんが不倫をしていたという点で私たちのケースと似ています。また、『水遣り』、『CRの妻』は社内上司との不倫という点で、また媚薬を使われたという点でも、妻のケースと驚くほどよく似ています。もっともケースが似ているだけで、作品としてはこれらに足元にも及ばないと思いますが……。  

古くは『戦い』、最近では『白き花』、『再びの妻』、それから未完の『黒か白か』も奥さんの不倫を扱ったものです。その他にも不倫を扱った作品が非常に多いことを知りました。これらの作品を読むうちに、もう二度とこんな経験をしたくないとの思いから、私も「妻の不倫」の一部始終を書きとどめようと思いました。

 妻に話しましたところ、「恥をさらすようでちょっと抵抗がありますが、私が二度と不倫をしないことを不特定多数の読者の方に誓うことになるのなら、あなたのお望み通りにして下さい」との返事が返ってきました。それで私は投稿する気になったのです。

 「もし当時の私の心境について、お分かりにならないところがありましたら何なりと聞いてください。理路整然とお話しすることはできないと思いますが、当時の心境を正直にお話します。」という妻に後押しされる形で書き始めました。

私には書き下ろしながら投稿を続けるような芸当はできませんし、また途中で挫折するようなみっともない真似もしたくありません。このサイトでも途中で挫折した作品が実に多いことに本当に驚かされます。

 事故、病気等の不可抗力で未完となっているものから、自分の力量を度外視して無謀に挑戦して途中で挫折したと推測できるものまで、理由は千差万別なのでしょう。

 ですから私は事前に書きしたためておくことにしました。書いておけば途中で挫折する可能性は少ないし、また後で文章に手を入れることもできると考えたのです。こうして今年の正月明けからぼちぼちと書き始め、ようやくほぼ全文を書き上げましたので、そろそろ投稿を開始することにしました。なお、この話の時点は昨年、つまり2008年であることを予めお断りしておきます。
  1. 2014/06/01(日) 20:48:09|
  2. 薬剤師・津島正義
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薬剤師 第1回

私は津島正義46歳、〇〇食品株式会社の製造部長代理を務めています。ある国立大学の工学部機械工学科を卒業しました。理工系ですが、高校時代から空手をやっていまして2段の腕前です。もっとも文武両道は高校時代だけで、大学時代も社会人になってからも空手をやっていません。ですから今は単なるデブ(身長181㎝、体重90㎏)の中年男でしかありませんが、喧嘩には自信があり、これまで負けた記憶がありません。
 妻は菜穂子43歳で、子どもは長男18歳、大学1回生、長女16歳、高校2年生の二人です。

 私たちが結婚したのは19年前のことです。妻は大学で薬学を学んだ薬剤師で、大学卒業後、ある医薬品メーカーに勤めていましたが、結婚後すぐ子どもを身ごもり出産・育児のため退職しました。

子育てを終えた妻は、3年前から再び仕事に就き、現在は健康関連食品会社に勤務しています。妻と私はもともと幼なじみで、妻は幼稚園児の頃から「私は正義ちゃんのお嫁さんになる」と公言していました。

彼女が小学生の高学年になっても自分の両親にはそのことを言っていたようですが、私は直接彼女の口から聞くことはなくなりました。

 彼女が中学生の頃になると、挨拶する程度で、私と親しく会話することはなくなりました。しかし私はますます美しくなる菜穂子を嫁にしたいと本当に思うようになってきました。

私が大学を卒業する時に、思い切って彼女に思いを打ち明け交際して欲しいと話をしたのです。すると「私の気持ちは今も昔と変わっていません。でも恥ずかしくてそんなことを口に出すことはできませんでした。私は今年から〇〇大学の薬学部へ進学します。将来薬剤師になるつもりです。お友達からお願いします。」と彼女は私に応えてくれたのです。

 そして私たちは友達として交際を続け愛を育んできました。妻は目標である薬剤師になりました。お互いが社会人になって、暫くして結婚しました。嘘のような話ですが、本当の話です。

妻は長いこと家庭に入って子育てに専念してくれましたが、子ども達も大きくなったのでまた働きたいという妻の希望を私は受け入れました。そして自宅から電車で40分、車で25分ほどの距離にある現在の健康関連食品会社に勤めるようになったのです。丁度3年前のことです。

妻によると、健康関連食品という概念は極めて曖昧で、サプリメントなどの「健康食品」、1日に必要な栄養成分を補給・補完する「栄養機能食品」、生活習慣病の一次予防に役立つ「特定保健用食品」の3つを総称して「健康関連食品」と呼ぶ場合が多いそうです。

健康関連食品の市場規模は急速に拡大しており、既に2兆円をはるかに越えているといわれています。市場拡大の背景には高齢化社会の到来と女性の社会進出があるようです。

一生健康でいたいと願う高齢者が増え、病気を予防すべく健康関連食品を進んで摂取するようになりました。また女性の社会進出の増加に伴い、経済的に余裕が出た女性が、自らの健康と美容に気を使い健康関連食品を積極的に摂取するようになったのです。

妻の勤める〇〇株式会社もこの15年間に企業規模を急速に伸ばし、従業員数人の零細家族企業から、現在は従業員600名を超えるまでに急成長しました。

営業本部長の村澤剛48歳はその立役者の一人ということです。正式の肩書きは常務取締役営業本部長で、その妻の杏子さんは現三嶋社長の妹です。妹の七光りだけでなく、この男には実力が備わっているようです。
  1. 2014/06/01(日) 20:59:13|
  2. 薬剤師・津島正義
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薬剤師 第2回

村澤営業本部長は先頭に立って、健康関連食品メーカーからの販売代理権の取得や委託生産の拡大等を通じて取扱商品を増やす一方で、首都圏から地方まで全国的な販売網を拡大・整備してきました。

現在、 同本部長は訪問販売・通信販売・ネット販売などを展開する直販部と、医薬品量販店、スーパーマーケット、コンビニなどへの販売を担当する営業部を統括しています。

 私はというと、2008年初め上司から中国への長期出張を命じられました。中国で食品の現地生産を開始するため、現地企業と合弁で工場を建設しており、生産設備の据え付けや試験生産、本格生産を現地で指導して欲しいというものでした。

期間は2008年4月から約3カ月間ということです。このプロジェクトについては良く知っていましたが、自分が行くとは夢にも思っていませんでした。

上司の話では製造課長に出張させることに内定していたのですが、課長の奥さんが病気で入院しており、長引くという話なので、人道的配慮から私にお鉢が回ってきたというわけです。今回の任務から見て、製造技術や品質管理の技法に長けたものでないと務まらないので、私も納得せざるを得ませんでした。

中国への出張が近づいてきた3月の中旬に、妻が相談事を持ってきました。
「仕事のことなんですが、村澤本部長から、自分の業務を補佐して欲しいと言われています。地方への出張が伴う新しい仕事です。出張が伴いますので、私の一存では決められなくて……」と妻は説明し始めました。

「営業本部長の業務を補佐する?。それって、どんな仕事をするんだ?秘書業務か?菜穂子に務まる仕事か?」私は妻に聞いてみました。というより問い詰めたという方が正しいかも知れません。

「営業本部長によると、うちは東京など関東圏の営業基盤は強く知名度も高いのです。しかし、地方ではまだ脆弱で知名度も低いのが現状です。それで3カ年計画で地方での流通販売網を抜本的に整備し、知名度を高め、販売力を強化しようとしています。
 最初の2年間は東海、関西、中国、四国、九州に重点的に取り組む計画です。それに伴い営業本部長の仕事を補佐することが必要なのです。それは秘書業務ではありません。3カ年計画を作成し、推進する業務補佐で、計画が軌道に乗るまでの期間ということです。
 各営業所からは顧客とのダイレクトな流通経路を確保した流通販売網の強化案を提出されています。それを参考にして本部長の下で3カ年計画の作成が進められています。私にそれを補佐して欲しいというのです。」

 妻は村澤本部長に教えられたのか、スラスラと説明しました。
  1. 2014/06/01(日) 21:04:32|
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薬剤師 第3回

「本部長が推進するプロジェクト業務を菜穂子が補佐するのか?。仕事の内容から言えば、営業企画的な仕事だろ!そんな仕事が菜穂子に務まるのか?適任者は他にいるだろ?」私はその職務は妻にはとても無理だと思ってそう聞いたのです。

「はい、本当のところは私も迷っています。村澤営業本部長が私の能力を買いかぶっているのかも知れませんが、私はやってみようとも思っています。無理ならその時に言ってくれたらよいと村澤本部長も仰ってくれていますし。」妻はそう答えました。

「菜穂子がやりたいなら引き受けてもいいけど、それには条件がある。やってみて無理なら変わって貰え!無理する必要はないのだから、子ども達や私に迷惑を掛けない範囲内でやりなさい。」俺は妻に条件付きで基本的に了承しました。

村澤本部長の狙いが本当は仕事にあったのではなく、菜穂子そのものにあったのです。それが解ったのはずっと後になってからでした。この時私には村澤がそんな邪な欲望を持っていようとは夢にも思っていなかったのです。ですから妻には荷が重いと思いながらも、条件付きで了承したのです。

妻は実際の年より若く見え、色白で、顔の彫りが深く、鼻筋が通おり、女優のような顔立ちです。身長165㎝、体重52㎏で、胸とお尻が大きくモデルのようなスタイルをしています。書類を持って社内を闊歩する妻は目立つ存在なのでしょう。村澤はその妻に目をつけ淫欲の標的にし、罠を仕掛けたのです。

よく考えればおかしな提案です。妻は社会経験は短く、営業の計画立案・実行を補佐する職が務まるほどの経験はないのです。薬剤師という国家資格を持っているだけです。特殊な専門職ですから営業というジャンルで応用が利くとはとても思えません。ですから何か裏があると考えるのが普通だと思います。

でもその時は、妻はもちろん、私もまったく気がつかなかったのです。会社の役員が部下の女性をものにするために、役職上の権限を行使するなど想像だにしていませんでした。今時そんな役員がいるとは私の想像の範囲外だったのです。なぜおかしいと気がつかなかったのかと、責められても私には抗弁できません。本当に解らなかったのです。残念でなりません。悔やまれます。

妻が入社したとき、村澤は既に取締役営業本部長で、雲の上の存在であったようです。ですから入社2年ほどは村澤とまったく顔を合わせることも口を聞くこともなかったと妻は言います。

 しかし、入社2年半を過ぎた頃、妻の仕事が変わり、全国の営業所の営業成績を集約する業務に関わるようになってから、その報告のため妻は村澤と顔を合わせるようになったようです。

そうした中で妻は村澤に好かれたのかも知れません。結局、妻は村澤の提案を引き受けたのです。4月1日、人事発令があり妻は正式に営業本部長直属の部下に就きました。辞令を持って挨拶回りに行こうとしたとき、村澤本部長が営業部に現れました。
  1. 2014/06/01(日) 21:22:31|
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薬剤師 第4回

 営業部員を全員集め、本部長自らが今回の人事の狙いや業務などを、3カ年計画との関係から説明し、計画を成功裏に完遂させるためにも妻に協力するように全員に訓示したのです。

 部課長はこの人事を予め知っていたようですが、この人事を知らされていなかった一般社員は、営業本部長直属の津島職員に今後どのようなスタンスで接したらいいのかが分からず戸惑っているようです。

 役員が決めた人事に社員が口を挟むわけにはいきませんが、異例の職務や人事に「おかしい、役員と津島さんとの関係が怪しい。」と陰口する社員もいました。それだけ奇抜な人事異動だったのでしょう。

発令後、妻は同僚の動揺に気づいているようですが、自分ではいかんともできないので、気にしないでこれまでどおり同僚、先輩、上司に接するようにしています。早速役員室で事務打ち合わせをしています。

「そのカーディガン素敵だね。胸のブローチがアクセントになっていて魅力的だよ。それはそうと何か困ったことはないか?あったら何でも俺に言ってくれよ。」村澤本部長が妻に話しかけています。

「いえ、特にありません。気に掛けていただきありがとうございます。」妻は正直に答えました。

「3カ年計画は私が作成するので、津島さんは宣伝広告部とも相談して各商品の効能を端的に説明する文章を作って欲しい。今後全国で開催する展示即売会の場で、会員を始めお客さんにすぐ商品の成分、効能が説明できるようなものがいい。効能が端的に分かるキャッチフレーズのようなものがあると最高なんだけどな。とりあえずこのリストにある売れ筋の15商品だけでいいよ。」といいながら村澤本部長は書類のようなものを妻に手渡しました。

「はい、解りました。考えてみます。」妻は本部長にそう答えました。

「それと地域別に流通販売網の現状と改善点を一覧表に整理してくれないか?各営業所からの報告書はここにあるから、コピーを持っていっていいよ。こちらは急ぎで、今月15日までにお願いできるかな?」

「はい、分かりました。15日までに整理し、ご報告いたします。」妻は本部長にそう回答しました。

「話はそれるけど、これから一緒に仕事をしていくことになるので、挨拶代わりに津島さんを食事に招待したいんだけど、いつがいいかな?」

「本当ですか?お食事にご招待していただけるのですか?光栄です。日にちは本部長が決めて下さい。」妻は遠慮がちに本部長に答えました
  1. 2014/06/01(日) 21:23:17|
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薬剤師 第5回

「それじゃ4月4日金曜日はどうかな?夜6時頃からでどうかな?」村澤が妻に提案しました。村澤に下心があるとは妻には知る由もありません。

「はい、結構です。」妻は素直に答えました。
「それじゃ6時に地下の駐車場で待ってるね。」村澤が妻に言いました。

4月4日は私が中国へ出発する日です。朝早く妻と娘に見送られ家を出て、車で空港へ向かいました。妻は私が出発する日であることを村澤には言っていないとのことです。妻は空港で見送りたいと言い続けましたが、自宅から成田空港までは遠いので私が遠慮したのです。

3日の夜9時頃、出張の準備を整え、私たちは寝室に入りました。私は3カ月会えなくなるので、妻を堪能したかったのです。妻もその気になっているのはその素振りですぐ分かりました。

 「あなた、暫く会えなくなるわね。私寂しいです!」妻はそう言いながら私に抱きついてきました。

「暫く会えなくなるけどよろしくな!仕事はほどほどにしろよ!子ども達を宜しくな!」俺は妻を抱き締めながら言いました。

「はい、あなた。お仕事大変でしょうが、お元気でね。今晩私はお人形さんになりますから、あなたのお好きなようにしてください。何を要求されても、私、絶対にイヤと言いません。」妻は私の耳元で囁きました。

私は、ベッドでは少し淫らな妻の方がいいと思っています。新婚の頃、いろいろエッチなことを試みたのですが、妻はイヤがり拒否しました。

フェラチオを拒否され、妻のものを口唇で愛撫しようとしましたが拒絶され、お尻に指を這わせたときも変態扱いされ拒否されました。

ですから私たちのセックスは自然とキスして、胸を触り、挿入して腰を振り、射精するという紋切り型つまり決まり切った形のセックスを繰り返してきたのです。

妻は雑誌の記事に書いてあるような絶頂を知らないと思います。大きな喘ぎ声をあげたことも、イッタことも多分ないように思います。セックスの頻度は新婚当時で週2~3回、最近では週1回が精々で、妻にいわせると10日に1回だそうです。

絶対拒否しないということは、新婚当時拒絶していた行為も受け入れるというのでしょう。私は妻を全裸にして仰向けに寝かし、覆い被さりキスを楽しみ、乳房を揉み、妻の秘裂を口唇で愛撫しました。

左手指でクリトリスを扱いたり、摘んだりしながら、蜜壺に指を挿入し、掻き回し始めました。指を3本にして掻き回していると、妻はこれまでに出したことのない喘ぎ声を出し始めたのです。しかもその声はますます大きくなり、しかも切羽詰まったような喘ぎ声に変わってきました。
  1. 2014/06/01(日) 21:24:07|
  2. 薬剤師・津島正義
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薬剤師 第6回

妻は拒否するどころか、その行為を積極的に受け入れ快感に浸っている様子です。粘液が止めどもなく流れてきます。「あああんっ・・ああんっ・・・・」妻は頻りに可愛い声をあげています。

私は蜜壺から指を抜き、その指を妻の唇に持っていき、「舐めなさい!」と言ったのです。妻は目を開け3本の指を口に含み、舌を絡め、音を立てて、粘液で濡れた指を舐め始めたのです。

散々舐めさせてから指を抜き、肉棒を唇に突きつけて、「舐めて気持ちよくしなさい!」私は妻に命令しました。妻は肉棒を咥え、舌を絡め、顔を振り始めたのです。こんな行為をしたのは結婚以来初めてです。

 「菜穂子、気持ちいい~ああっ~~」俺は思わず声をあげました。私の肉棒は硬くいきり立っています。

「菜穂子、挿れるよ。」私はそう言って、妻の口唇から肉棒を抜き、妻の身体に割って入り、挿入しました。

私はゆっくりと腰を振り、突き入れ、次第に出し入れのテンポを早くしていったのです。豊かな乳房を両手で握り、懸命に腰を入れて打ち込みました。
「あああん~~ああん~~」妻が可愛い喘ぎ声をあげています。

突然私は肉棒を抜いて、妻を起こし、四つん這いにして、後ろから突き入れたのです。妻が犬みたいといって嫌がってきた体位を取らせたのです。妻はすんなりと受け入れました。
「あっ~~あっ~~あっ~~~」突き上げるたびに妻は短い叫び声を上げています。

「中でいいのか?」私は妻に聞きました。余裕がなくなってきたため聞いたのです。
「中に~~出~~し~て!あん~~ぜ~んび~~で~~す~~。」妻はたどたどしく返事をしました。

私は返事を聞いて猛然と腰を振りました。ラストスパートです。妻の大きな喘ぎ声を聞きながら、妻の中で射精しました。暫くしてティッシュを取り、妻の股間にあて、私は仰向けに寝ころびました。

余韻に浸っていると、妻は起き上がり、股間を拭い始めました。そして「あなた、とっても気持ちが良かったです。」と言いながら私に抱きついてきました。
「とっても良かったよ。」と言って私は妻をきつく抱き締めました。

「私、あなたに正直に言います。私は新婚の頃から、いろいろあなたを拒絶してきました。淫乱な女と思われたくなかったからです。そんな女になったら旦那様にすぐ飽きられてしまうと思っていたからです。ごめんなさい。
 でも35歳を過ぎた頃から、私は淫乱になってきました。雑誌に書いてあるような性の悦び、絶頂感を知りたくなりました。身体が欲求するようになってきたのです。
 あなたにいろいろ試して欲しくなりましたが、切っ掛けがなくてなかなか言えませんでした。今晩はいい機会だと思って、試していただこうと思ったのです。とっても良かったです。」と妻は告白しました。
  1. 2014/06/01(日) 21:24:58|
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薬剤師 第7回

「なんで俺に言ってくれなかったんだ。夫婦なのに!俺は昔からベッドでは少し淫乱な方がいいと思っていたんだ。でも拒否されてステレオタイプな形のセックスしかできなかった。俺は前からいろいろ試したかったし、もっと淫乱なセックスをしてみたかったんだ。」私は本音を吐露した。

「今からでも遅くないからいろいろ試してみような。夫婦なんだから恥ずかしいことなんかないんだよ。2人がよければどのようなことでも愛の行為として許されるんだ。自分に素直になってもっともっとセックスを楽しめばいい!」私は妻にそう訴えました。

「はい、あなた。帰ってきたらもっともっと試してね。私もして欲しいことを正直に言います。自分に素直になります。」と妻は約束してくれました。

嬉しい反面で、3カ月も留守をするのに、妻の身体に火をつけてしまってよかったのかなと私は少し後ろ髪を引かれる思いだったのです。その夜は心地よい疲れからかすぐ寝てしまいました。

出発前の3月30日の日曜日に私は、近くに住む妻の友人である井崎恵子43歳の夫慎次さん45歳と会って、3カ月の予定で中国へ出張するので、留守中宜しく頼む旨をお願いしました。留守中は妻子だけになるので、何かあったときは宜しく面倒見て欲しいといった趣旨の挨拶なのです。

慎次さんも心得ていて私の趣旨を分かってくれて、留守中はそれとなく恵子さんに面倒見させると約束してくれました。私は菜穂子が人事異動で出張するような職務に就いた旨を慎次さんに伝えました。

妻と恵子さんは子どもを通じて知り合った友人で、お互いの家を行き来する間柄です。その関係から旦那同士も知り合い、家族ぐるみでお付き合いするようになったのです。

翌日の4月4日朝、私は成田国際空港から飛行機に乗り、中国へ向かいました。中国出張の理由は私なりによく理解しています。中国には生産委託する協力工場がありますが、食の安全性についてもうひとつ信頼がおけないのです。
  
 ですから自社工場を建設し日本の製造技術や品質管理技術だけでなく、現地従業員の教育を通じて食の安全性を確保しようとしているのです。そのためには製造や品質の管理技術に明るい人が行かねばならないのです。私がそのお眼鏡にかなったというわけです。

 そして3カ月を中国で過ごし、7月4日金曜日に日本へ戻ってきました。中国では工場建設の最終段階を見届け、設備の搬入・据え付けを行い、試験生産を繰り返してから、商業生産させてきました。
  
 一方で中国人従業員の品質に対する考え方を変えさせるべく徹底した教育を実施してきました。意識改革のため生産したばかりの製品を廃棄したこともあります。私は廃棄するにあたって何故廃棄するのか、何故不良品と判断したのか、何故不良品が生産されたのか、従業員によく説明しました。

 製品は会社の顔です。その善し悪しが会社の信用・発展を左右します。徹底的に良品を生産することの必要性を強調してきました。そしてそんなことを繰り返しながら何とか本生産へとこぎつけ、新たに中国に着任した工場長(元製造部次長)にバトンタッチしました。

慣れない異国での仕事は言葉や文化の違いもあって気苦労が多く、私には本当に激務でした。当初中華料理が続いたためか下痢に悩まされました。それでも会社のため、家族のためと頑張ってきたつもりです。

 中国滞在中に井崎慎次さんから5月中旬と6月中旬に手紙による連絡がありました。恵子さんが土日にそれとなく妻の様子を見に行ってくれていたようです。直接会って話をするだけでなく、それとなく様子を見ていてくれたのです。

 直接話をしているときはいいのですが、離れて様子を見ているとき、妻が何か考え込んだり、涙を見せるなど、妻の様子が少しおかしいとそれとなく知らせてくれたのです。
  1. 2014/06/01(日) 21:27:14|
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薬剤師 第8回

そう聞かされても私は中国にいるのですから、日本へちょっと帰って、妻の様子を見に行くという訳にもいきません。私は妻にパソコンでメールをしたり電話をしたりして励ましてきました。

 電話で話した限りでは、「こちらは大丈夫ですから、何も心配なさらずにお仕事に頑張ってください。帰国するのを楽しみにして待っています。」と妻は元気そうにいいました。私に心配掛けないよう妻なりに気丈に振る舞っていたのかも知れません。

3カ月ぶりに日本の土を踏んだ時、これで本当に私に課せられた任務が終わったのだと思いました。そして空港から会社へ無事帰国した旨を電話にて報告した後、妻子の待つ自宅へと急ぎました。

夕方5時頃自宅に到着し、妻と抱き合い無事に帰ったことを喜び合いました。その後風呂に入り、ビールで乾杯し、3カ月ぶりに妻と長女と一緒に食事をしました。食事後、長女に買ってきたおみやげを渡しました。
 
 「お父さん、ありがとう。」と言って長女はおみやげを受け取り包みを開けました。中味を見て、 「素敵なブラウスをありがとう、お父さん」と言って2階の自分の部屋に行きました。

 「これが菜穂子へのおみやげだ!」と言って私は小さな包みを差し出しました。
「あなた、このレースのカーディガン、素敵だわ、気に入りました。ありがとう。」妻はおみやげの中味を見て笑顔で礼を言いました。

妻は食後の片付けをした後、スーツケースを開けて、洗濯物や旅行用品等を片付けて、私と居間で寛いでいます。心配していましたが、妻は予想以上に元気そうなので安心しました。

「菜穂子、この3カ月間女性に触れていないんで今晩頼む。」
「はい、あなた。本当にご苦労様でした。それじゃ10時頃寐ましょうか?」妻は微笑みながら言いました。

「そうしよう。明日と明後日は休みだな。」私は意味深なことを言いましたが、特別な意味はありません。
「あなた、帰ってきた早々で申し訳ありませんが、私、お話があります。明日にでも聞いて欲しいのですが……。」妻は真剣な顔をして言いました。

  1. 2014/06/01(日) 21:28:01|
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薬剤師 第9回

 「あぁ、分かった。明日聞こう。」私は気軽に返事をしました。その時にでも留守中に何があったのかを妻に質そうと思いました。

夜10時頃私は寝室に入り、ベッドに横になって妻を待ちました。間もなく妻が風呂から出て寐化粧をして寝室に入って来ました。「お待たせしました!」と言って妻は、私のベッドに入ってきました。

「あなた、出発の時と同じように私をお好きなようにしてください。」妻は笑みを浮かべて言いました。

私は燃えに燃えました。妻を抱き寄せ唇を吸い、ネグリジェとショーツを脱がせ、全裸にしました。そして右の乳房を揉みながら、左の乳首を唇と舌で転がしたり、噛んだりして、長いこと乳房や乳首を愛撫しました。
「ああんっ~~ああん~~」妻は可愛い喘ぎ声をあげています。

散々乳房や乳首を愛撫してからお臍を舐めてから、下半身に移り、妻の両脚を広げて割って入り、左手でクリトリスを扱き、唇で秘裂を舐め、舌を蜜壺に入れ、右手指で肛門を悪戯しました。

妻の陰毛の上下左右が剃られ、秘裂を隠すような綺麗な縦長の陰毛が私の目に入りました。その時は漠然と自分で剃るわけないのにおかしいな、誰かに剃って貰ったのかなと思いました。でも場所が場所だけに他の人に剃らせるわけないし……。私はそんなことを漠然と考えていました。

 妻は肛門を触られて吃驚して腰を左右に振り、私の責めから逃れようとしましたが、私は妻の腰をガッチリと抱え、逃がしませんでした。

「嫌がった罰だ!」と言って人差し指を妻の肛門に入れたのです。「イタァ~~イタイ~~」と言いながらも、妻は私の言いなりになっています。

肛門に人差し指を入れ、蜜壺に親指を入れて交互に抜き差しを始めました。暫くして私はシックスナインの姿勢を取り攻撃を続けながら、肉棒を妻に咥えさせました。

妻のフェラチオの技術は驚くほど上手になっていました。亀頭を舌でぺろぺろして、肉棒を深く咥え吸い込み、そして解放する。出発時と雲泥の差だと私は思いました。

私は姿勢を変えて勃起した肉棒を妻の蜜壺にあて一気に挿入し、抜き差しを始めました。
「あああんっ~~ああんっ~~」妻は喘ぎ声をあげています。
抜き差しのスピードを速めて、私は懸命に打ち込みました。

「あああんっ~~いい~もっと~~もっと突いて~~」妻が催促の言葉を吐いています。妻がこんなことを言ったのを私は初めて聞きました。
私は猛スピードで腰を振っています。

「あああんっ~いい~イク~~イッちゃう~~」妻は頻りに大きな声をあげている。
 間もなく私は妻の中に射精して快感に浸りながら、妻の変身ぶりに驚いていました。妻が不倫をしている、もう疑いないと私は思いました。
  1. 2014/06/01(日) 21:28:46|
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薬剤師 第10回

妻は身体を起こし、自分の股間を処理した後に、快感に浸っている私のところに来て、肉棒を咥え清め始めました。舌と唇を使って器用に舐めています。やがて私の肉棒がまた目を覚まし勃起してきました。

妻は私の上に跨ぎ、腰を下ろして、自分の蜜壺に肉棒を咥え込んだのです。そして腰を上下に振り始めました。妻がこんな姿勢を取ったのを私は初めて見ました。

妻の身に異変が起きていることを私は改めて確信しました。妻が不倫をしている?私以外の男に教えられている?腑が煮えくりかえるような気持ちでそんなことを考えていました。冷静ではいられないのですが、旅の疲れと、この日2回して疲れが重なったのかいつの間にか私は寐てしまいました。

翌日私は7時半頃目を覚ましました。妻はもう起きて食事の支度をしています。歯を磨き顔を洗ってダイニングルームのテーブルに座って、私は新聞を読み始めました。

そこに妻が来て、「あなた、おはようございます。昨日はよく眠れましたか?」と聞いてきた。

「ああ、よく寝た。」
「朝食にしてもいいですか?」
「ああ、いいよ。」
 私は意識して冷静に振る舞うように腹に決めているのです。

私と妻、長女の3人で久しぶりに朝食をとりました。長女は朝9時頃地域の図書館に行くということでした。

長女が外出し、妻が掃除、洗濯をして居間に入ってきました。時刻は朝9時半を過ぎていました。

「話って何だ?俺も聞きたいことがあるんだ。」私は妻に話しかけました。

「はい、それでは私からお話ししてよろしいですか?ちょっと躊躇しますけど、お話ししなければなりません。あなた、聞いてください。」妻が真剣な顔をして私を見つめました。

「話してみなさい。」と私は静かに言いました。
  1. 2014/06/01(日) 21:29:29|
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薬剤師 第11回

 「あなた、ごめんなさい。あなたの留守中に、私、不倫をしてしまいました。相手は会社の村澤本部長です。これ以上あなたを裏切れません。あなたへの罪悪感にもう堪えきれません。本部長とのお付き合いを辞めるため会社に退職願いを出し、あなたにすべてをお話ししてお許しを請おうと決心しました。
 私は6月20日付けであの会社を退職しました。でも退職後もあなたにすべてをばらすと脅迫されていて、関係を強要されています。何とかこの関係を断ち切りたいです。もうあなたにすべてをお話しする以外に選択肢はありません。あなた、ごめんなさい。」妻は涙を流しながらここまで話し、泣き崩れたのです。

 妻は告白するかどうか散々迷ったようです。このまま不倫を続けることもできるとも考えたようです。でも毎週外出するとなれば早晩不倫を知られてしまうでしょう。隠していても普段の素振りでバレてしまう恐れもあります。精神的に疲れて体調を壊してしまう恐れもあります。私に騙し通せる保証はどこにもないのです。もし村澤と会う機会が増えたら、それだけバレる危険が膨らむことになります。

 知られたとき裏切り続けていたとなると、離婚を覚悟しなければならないでしょう。私や子ども達と別れることだけは絶対に避けなければならないと妻は考えています。それなら深みにはまる前にみずから告白すれば償いの機会を貰えるかも知れません。妻は自分の気持ちに素直になり、不倫を止め、謝罪し、償っていく道を選択したのです。

不倫を告白しようと思うだけなら、世の中にいっぱいいることでしょう。しかし思うだけでは意味がないのです。不倫をしている多くの女性は心の中で告白し謝罪しようと決めたり思ったりしているだけで、実行するだけの勇気がなく、ズルズルと不倫を続けてしまうのでしょう。妻は最悪の事態をも覚悟して、清水の舞台から飛び降りるつもりですべてを告白したようです。

冷静になれば、それがどんなに勇気のいることであったのか推測できますし、生半可なことではできないことはよく分かります。でもその時は冷静ではいられなくて感情を爆発させてしまいました。

「えぇ!何だと!やっぱりそうなのか!いつからだ!全部話してみろ!詳しく話せ!昨日の寝室での痴態を見ても何か様子がおかしいと思って、菜穂子に問い質そうと思っていたんだ。もしかしたら不倫ではと疑っていた。昨日のあの行為は村澤に教えられたのか?」俺は思わず大きな声を出してしまった。

 全身が凍りつき、全てが崩れ落ちていくかの様な感覚に陥り、すぐ裏切られたという想像を絶する感覚に襲われ、怒りと嫉妬で俺の血圧があがりました。

 暫くして、とにかく事実関係を妻から聞き出すことが先決だと思いました。とても冷静ではいられないのですが、事実関係を把握するために温和しくしていようと心に決めたのです。

 妻は「そうです。退路を断つために、あなたにおかしいと思っていただけるようにわざとあのような行為をしました。あなたにすべてをさらけ出し、お許しを請い、一生償っていくと決めましたが、私の心の中には隠そうとする気持ちが少しですけどまだ残っています。ですから私には逃げ道を塞ぐ必要があったのです。あなたに是非お見せしたいものがあります。」と言って、寝室に入り原稿用紙の束のようなものを持ってきました。

「これはあなたの留守中に私がどんな過ちを犯してしまったのかを正直に書きとどめたものです。あなたに告白して許しを請おうと思ったとき、反省の意味を込めて自分のしてきたこと、していることをすべて正直に書きとどめようと思いました。
 そしてほぼ1カ月を掛けて書きました。これからすべてをお話ししますが、同時にここに書きしたためてありますので、どうぞ後で読んでください。」妻は涙を流しながらそう言って、原稿用紙を私に差し出しました。

 それはA4の400字原稿用紙が30数枚綴じられていました。ざっと見るとびっしりと文字が書かれています。
  1. 2014/06/01(日) 21:30:11|
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薬剤師 第12回

妻の告白を聞き、そして妻の書いた文章を参考にしながら、妻が何をしでかしたのかを私なりに客観的に書き纏めてみました。私は現場にいたわけではありませんから、意味の分からない点は妻に聞きましたが、それでも創作部分や表現を誇張した部分が出てしまいました。この点は予めお断りしておきます。

 私が中国に出発した日の夜、妻は村澤本部長に食事に招待されました。午後6時20分頃2人はこの地域で最高級と評判の料亭に入りました。

村澤と妻は女将風の人に個室に案内されました。テーブルの下は堀コタツ風になっており、足が伸ばせるようになっています。テーブルには2人がすぐに飲食できるよう準備が整っています。
食事が順次運ばれ、ビールで乾杯し、2人は食事を始めました。

「こんな凄いところへご招待していただきましてありがとうございます。」妻は心より感謝の意を示しました。妻には初めての高級料亭であったから、本当に凄いところに来たと思ったのです。

「さあ、時間はたっぷりあるからゆっくり食事を楽しんでくれ!ところで、津島さんはアルコールは飲めるの?」村澤本部長が笑みを浮かべながら妻に聞きました。

「少しだけですが飲めます。ビールでしたらコップ2~3杯が限度です。」妻も笑いながら答えました。

「それじゃ時間をかけて、自分のペースでゆっくり飲んだらいい。無理に飲ませるつもりはないからね。」村澤も笑いながら言いました。

妻には村澤がますます頼もしい男に見えてきたのです。仕事はできるし、包容力はあるし、自分の能力を評価してくれると妻は思っています。

 何よりも自分を女性として見てくれています。仕事の成果を誉めてくれるだけでなく、髪型、服装、靴などが変われば、すぐ気づきいつも誉めてくれます。それが妻には何よりも嬉しいのです。夫以外の男性にトキメキを感じてしまっているのです。妻の髪型の変化にも気づかない夫とはだいぶ違うと思ってしまうのです。

話はもっぱら妻のプライベートなことでした。趣味は何か、夫はどこに勤めているのか、毎日何時頃に帰るのか、休みは何をしているのかなどです。出張は子どもの世話に差し障えないのか、また出張は何曜日がもっとも都合がよいかなども聞いてきました。

それは村澤が欲している情報なのでしょう。妻を知れば知るほど、妻を連れ回せる機会が増えるはずです。何時どのように妻を落とすかを考えるには妻にかかわる情報が必要なのでしょう。妻は何の疑いもなく聞かれるままに話してしまうのです。
  1. 2014/06/01(日) 21:30:53|
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薬剤師 第13回

妻は、一緒に仕事をしていくうえで必要な情報だと思い、みんな正直に話しました。話の過程で、夫が今日3カ月間の予定で中国へ出張したことも話してしまったのです。

「それはしばらく寂しいね。」村澤は真顔で言ったが、その目が輝いたことに妻は気づきませんでした。

妻が話したこれらの情報がどう使われどんな結果をもたらすのか、妻には分かる筈もないのです。

食事が進み、妻は手洗いのため席を外しました。席に戻ると、村澤が「これはある会社が売り込んできた美容に効果のある飲むヒアルロン酸とコラーゲンだが、味に特徴がないんで取り扱うかどうか決めかねているんだ。ちょっと飲んで意見を聞かせてくれないか。」と言って50mlの小瓶を妻に手渡しました。蓋は既に開けてありました。

妻はその小瓶が市販の健康食品であることを確認し、何の疑いもなくその液体を飲みました。「飲みやすいですね。でも他社商品を飲んだことがありませんので比較はできません。感想は後日でもいいですか。」と妻は聞き返しました。

「もちろんだ。そんな急ぐわけではないから。会社に確か他社の商品があったと思うので明日にでも試飲してみてくれないか?」と村澤は言いました。
「はい、その上で私の感想を申し上げます。」妻は笑顔で返答しました。

話を続けていると、村澤は「ちょっと失礼」と言って席を外し、手洗いに行きました。ついでに会計を済ませてきたのか、10分ほどして戻ってきました。

 その頃から妻の身体に異変が起きてきたのです。鼓動が異常に高まり、身体が火照り、下半身が疼いてきたのです。股間から愛液が流れてくるのが自覚できるのです。「私の身体、どうしたのかしら?」と妻は焦りました。

村澤は妻を見て、頃はよしと思ったのか、立ち上がり、「どうしたの?」と言って肩を抱きました。そして、妻が顔を村澤の方に向けたとき、村澤は妻の唇に吸い付いてきたのです。

暫くすると村澤の舌が妻の口に入ってきました。妻は無意識に舌を差し出し、村澤の舌に絡ませました。夫とのキスとは違い、音がするほど激しく吸い、舌を絡めたディープキスです。

村澤の唾液を妻がゴクリ、ゴクリと呑み込んでいます。ディープキスの最中に村澤の手が妻の胸にあてがい、乳房を柔らかく揉み、乳首を指で扱きました。その動きは巧みで、快感の波は全身に波及し、妻は官能の渦に身を任せているのです。
  1. 2014/06/01(日) 21:31:40|
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薬剤師 第14回

妻は最初何が起きたのか分からず、無意識に村澤の行為を受け入れ、事態が飲み込めたときも抵抗するつもりはありませんでしたと、告白していますし、原稿用紙に書いてもいます。

 村澤に好感を持っていたし、上司に恥を掻かせられないという思いや、媚薬の影響もあったと思います。でも正直に言うと快感に浸り、もっともっと気持ちよくなりたい、気持ちよくしてくれるのではと期待していたと言うのです。村澤と抱き合い、キスをしている時間は3~4分だったと妻は述懐しています。

「ごめん、ごめん、私としたことが。津島さんが余りに素敵だったもので遂……」村澤は言い訳をしながら、妻から離れていきました。

「3番の部屋、終わりました。」村澤が店の人に電話連絡をしました。

妻はもっとして欲しかったと正直に言っています。私以外の男の愛撫を抵抗もせず受け入れていたのです。私には妻がその気になっていたなんて信じられないことでした。

 妻は上気とした顔をあげ、「今日はご馳走様になりました。」と言って立ち上がり、帰り支度を始めました。

「自宅まで送っていこう!」と村澤は言って、待っていた車を呼びました。
「今晩は遅くまでありがとう。自宅近くで降ろすね。」と言って村澤は妻の太ももに手をやりました。でもそれ以上の行為は何もして来ませんでした。

「こちらこそありがとうございました。今日はとっても楽しかったです。」妻は手を払うこともなく村澤に礼を言いました。

長男は大学の近くのアパートを賃借しており、長女も今日は実家にお世話になっています。誰もいない家は静かで寂しいです。ソファーに座っていると、罪悪感が頭を過ぎりましたが、その時は夫がいないこともあり、深く考えることはありませんでした。

着替えてソファーに座り直しました。身体がまだ疼いています。下着を捲り、片方の手で胸を揉み、他方の手で股間をまさぐっています。股間は粘液でビッショリと濡れています。

身体を横たえ、自分の身体を慰めています。妻がオナニーを覚えたのは、5、6年前のことです。身体が敏感になり、自分で慰め快楽を追求するようになったと言います。私はこの時まで妻が自分で慰めているとは夢にも思いませんでした。
  1. 2014/06/01(日) 21:32:28|
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薬剤師 第15回

「あああっ~~ああっ~~」妻が喘ぎ声をあげています。乳首とクリトリスは特に敏感で、今もその辺りを中心に手指を忙しく動かしています。顔を上げ目を瞑り快感をどん欲に貪っている風情です。

 その夜は自分を慰め快感に浸りながら眠りにつきました。この日を切っ掛けに妻はちょっとエロティックな下着を何着か購入するようになります。心の中でいつか村澤に抱かれることを意識して、村澤に会うときはその下着を着けるようになったのです。

私に内緒にしておきたかったためか、妻はその下着類を引き出しの奥に仕舞っていたのです。中国から帰って妻の告白に基づき引き出しを覗いてみました。そこにはコード刺繍の入ったストレッチ素材のレース付きショーツと乳房が半分見えてしまいそうなブラジャーが仕舞われていました。

 ショーツも透き通っており、肝心の所が透けて見えるのです。ショーツとブラジャーがセットになっており、色違いのものが3~4セットありました。相手に見せることを意識したエロチックな下着でした。

 「お前は、こんなイヤらしい下着を着けて村澤を誘惑していたのか?」
「誘惑なんかしていません。でも心の中のどこかで、求められるのを期待していたのかも知れません。」

「出張のときはこの下着を着けていたんだろ?お前は出張前からヤツに抱かれるつもりだったのか?」
「無意識にそんな気持ちをもっていたのかも知れません、ごめんなさい!」

「この淫売女!恥を知れ!お前は高揚していてスキだらけじゃないか!」私はその答えを聞いてまた声を荒げてまた怒鳴ってしまいました。
  1. 2014/06/01(日) 21:33:14|
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別れた妻・七塚 (34)
妻は銀行員・貴子の夫 (5)
夢の中・弱い男 (29)
変身・KYO (43)
変わってしまった・柴田 (27)
気持ちの置場に・レタス (23)
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薬剤師・津島正義 (49)
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蜃気楼・WR (63)
妻の想いは…?・ムーア (19)
彼方なら・マサユキ (13)
待っていてくれる紗代・呑助 (6)
水遣り・CR (73)
CRの妻・洋子 (35)
喪失・バーバラ (25)
永遠に夫婦でいるために・ルイ (11)
役員会・KYO (102)
隣の芝生・石井 (42)
留守番・赤とんぼ (15)
家主・えりまきとかげ (32)
雲の上を歩く・MMさん教えて (62)
Booby Trap・道化師 (51)
チョコレートの伯父ちゃ・思い出 (31)
立場・Retaliation (42)
白き花・男とは? (38)
黒の凱歌・TELL ME (35)
女友達と妻・KYO (49)
赦さない・・・・ヨシキリ (34)
戦い・MM (75)
誤解の代償・美鈴さんに捧げる (24)
子は鎹・種無し (10)
魔性・樹氷 (43)
品評会・ミチル (33)
帰省・N (5)
妻の同窓会・間抜けなそして幸せな夫 (37)
奈落・RHM (27)
侵略・流石川 (23)
二人の妻・桐 (93)
神の悪戯・弱い鬼 (36)
イヴとなった妻・忍兄さん (70)
インプリンティング・迷人 (64)
よき妻・BJ (26)
卒業・BJ(よき妻 第二部) (24)
卒業後・BJ(よき妻 第三部) (74)
2つの我が家・鎌田 (14)
ミコと美子・美子の夫 (21)
暗黙の了解・裏筋舐太郎 (34)
■職場関係 (591)
上司と妻・陽太 (6)
知らなかった・みつる (6)
妻の初体験・変な夫 (7)
堕ちていく天使の影・赤いかげろう (7)
私の妻・つよし (5)
僕の不貞な妻・カウニッツ (6)
招かれざる、客・使徒 (14)
屋上・古屋二太郎 (2)
デジカメ・龍 (6)
壊れかけの絆・叶 (34)
本当の妻・加藤 (17)
嫁が俺の会社の先輩に、デートの練習をした・不詳 (5)
二人の?妻・木下某 (27)
未完・修司 (19)
空白の2時間・ナガネギセブン (3)
妻・友子の不倫告白!・ヘタレ旦那! (18)
妻の浮気を知ってしまった。・美作 (2)
ピアノレッスン・悦 (5)
アルバイト・凛 (14)
元ヤクザの情婦にされた妻・574 (13)
観光温泉ホテル・公務員亭主 (16)
奥手でおとなしい妻が後輩に仕込まれた・名無し (6)
寝取られ妻が本気で妊娠まで・浩二 (5)
ナース妻を寝取られて・由美子命 (10)
写真館派遣の妻・無知な夫 (7)
私の身に起きた事実。・ファイター (10)
イケメン部下と妻・・・リュウセイ (9)
変貌する妻・雄治 (18)
僕の厄年・田舎おやじ (10)
訪問介護・サンコウシン (6)
狙われた人妻・亜紀・恋愛小説家 (7)
マラソンを愛する妻・スポーツトレーナー (3)
妻が汚れてしまった・常陸の親方 (10)
妻は専務のおもちゃだった・道騎士 (6)
妻の二人の夫・妻を愛する夫 (27)
見えない檻・生き物係り (30)
美樹がやられた・無能な夫 (41)
愛妻を・・・・川島クロード (12)
序破急・中務 (75)
月の裏側・久生 (14)
婚約者の調教動画が見つかって (12)
官舎 送別会・公務員 (5)
撮られていた妻・スネ夫 (8)
夫婦の恩返し・赤とんぼ (8)
1話完結■職場関係 (20)
■義父または近親 (65)
妻は義父のモノ・クスコ (3)
イトコと親友に、そして・・・ ・正光 (16)
巨乳妻・ゆうき (18)
家族遊戯・六郎汰 (14)
疑わしい行動・圭太 (9)
妻の絶頂・こうくん (5)
■隣人または友人 (491)
はちきれそう・ゆう (7)
仕掛けられた糸・赤いかげろう (6)
本当のこと。・一良 (14)
リフォーム・とかげ (22)
友達・悦 (13)
悪夢・覆面 (10)
ビデオ・はじめ (4)
言えない真実、言わない真実・JOE (17)
私しか知らなかった妻・一樹 (3)
妻の秘密・光一 (54)
清楚人妻 一夜の陵辱劇 ~親友に騙された~・仁 (6)
俺が負けたので、彼女が手コキした (5)
惨めな自分・子無き爺  (6)
田舎・マス夫 (16)
秘密・POST (14)
新妻の幻想・TAKA (4)
遠方よりの友・ちかこmy-love (11)
管理組合の役員に共有された妻・エス (136)
団地・妄人 (50)
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パーティー・ミチル (33)
友人・妄僧 (7)
甘い考え・白鳥 (22)
乳フェチの友人・初心者 (6)
1話完結■隣人または友人 (7)
■インターネット (54)
チャットルーム・太郎 (19)
オフ会・仮面夫婦 (10)
ターゲット・アイスマン (5)
奇妙な温泉宿・イワシ (14)
落書きの導き・マルタ (4)
1話完結■インターネット (2)
■旅先のアバンチュール (63)
バカンス・古屋二太郎 (7)
妻との旅行で・けんた (5)
無題・ざじ (10)
A温泉での忘れえぬ一夜・アキオ (18)
露天風呂での出来事・不詳 (2)
たった1度の体験・エロシ (9)
旅行・妄人 (12)
■医者・エステ・マッサージ (62)
孕まされた妻・悩める父親 (7)
とある会で。 ・けんじ (17)
亜希子・E-BOX (14)
子宝施術サービス・かえる (23)
1話完結■医者・エステ・マッサージ (1)
■借金 (56)
私達の出来事・不詳 (9)
私の罪・妻の功・山城 (9)
失業の弱みに付け込んで・栃木のおじさん (3)
変貌・鉄管工・田中 (5)
借金返済・借金夫 (5)
妻で清算・くず男 (5)
妻を売った男・隆弘 (4)
甦れ・赤子 (8)
1話完結■借金 (8)
■脅迫 (107)
夢想・むらさき (8)
見えない支配者・愚者 (19)
不倫していた人妻を奴隷に・単身赴任男 (17)
それでも貞操でありつづける妻・iss (8)
家庭訪問・公務員 (31)
脅迫された妻・正隆 (22)
1話完結■脅迫 (2)
■報復 (51)
復讐する妻・ライト (4)
強気な嫁が部長のイボチンで泡吹いた (4)
ハイト・アシュベリー・対 (10)
罪と罰・F.I (2)
浮気妻への制裁・亮介 (11)
一人病室にて・英明 (10)
復讐された妻・流浪人 (8)
1話完結■報復 (2)
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ビックバンバン・ざじ (27)
夏の生贄・TELL ME (30)
贖罪・逆瀬川健一 (24)
若妻を罠に (2)
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■レイプ (171)
輪姦される妻・なべしき (4)
月満ちて・hyde (21)
いまごろ、妻は・・・みなみのホタル (8)
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春雷・春幸 (4)
ある少年の一日・私の妻 (23)
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